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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A61K
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61K
管理番号 1334256
審判番号 不服2015-22376  
総通号数 216 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-12-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-12-18 
確定日 2017-11-09 
事件の表示 特願2014-515793「多層カプセルおよびその製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成24年12月20日国際公開、WO2012/173621、平成26年7月28日国内公表、特表2014-518210〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成23年6月15日を国際出願日とする特許出願であって、平成27年2月24日付けで拒絶理由が通知され、同年6月8日に意見書及び手続補正書が提出され、同年8月13日付けで拒絶査定がなされたのに対して、同年12月18日に拒絶査定不服の審判請求がなされ、それと同時に手続補正書が提出され、平成28年1月29日に請求の理由に係る手続補正書が提出されたものである。

第2 補正却下の決定
[結論]
平成27年12月18日付け手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 補正の内容
本件補正は特許請求の範囲を補正するものであって、特許請求の範囲の請求項1について、本件補正前の
「 多層カプセルであって、該多層カプセルは、
少なくとも1つの開口部および内部空間を含む、本体;
本体の少なくとも1つの開口部上に取り付ける又はそこから取り外すための、少なくとも1つのカバー本体;
第1コンパートメントおよび第2コンパートメントを分離するために本体の内部空間に配置されたバリア層、を含み、該バリア層は、室温では固体であり、35℃より高い温度では半固体または液体であり、0から4の間の重量比で鉱油およびパラフィンワックスを含むことを特徴とする、多層カプセル。」を、
「 多層カプセルであって、該多層カプセルは、
少なくとも1つの開口部および内部空間を含む、本体;
本体の少なくとも1つの開口部上に取り付ける又はそこから取り外すための、少なくとも1つのカバー本体;
第1コンパートメントおよび第2コンパートメントを分離するために本体の内部空間に配置されたバリア層、を含み、該バリア層は、0から4の間の重量比で鉱油およびパラフィンワックスを含み、室温では固体であり、35℃より高い温度では半固体または液体である組成物から成ることを特徴とする、多層カプセル。」とする補正(以下、「補正事項1」という。なお、下線部は補正箇所を示す。)を含むものである。

2 補正の目的等
補正事項1は、補正前のバリア層について、「室温では固体であり、35℃より高い温度では半固体または液体であり、0から4の間の重量比で鉱油およびパラフィンワックスを含む」と特定されていたものを、「0から4の間の重量比で鉱油およびパラフィンワックスを含み、室温では固体であり、35℃より高い温度では半固体または液体である組成物から成る」とするものである。
これは、本件出願当初の明細書【0012】の「幾つかの実施形態では、鉱油とパラフィンワックスの重量比は、0から4の間であり、これは、バリア層が、パラフィンワックスと、またはバリア層が、室温または正常な保存条件の温度で固体のままであるような少なくとも20%のワックスと混合された、0?80%の鉱油を含んでもよい。」との記載、及び、同【0004】の「第1コンパートメントおよび第2コンパートメントを分離するために本体の内部空間に配置されたバリア層、を含み、該バリア層は、室温では固体であり、35℃より高い温度では半固体または液体である。」との記載に基いてなされたものといえる。
このため、補正事項1は新たな技術的事項を導入するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしている。
また、バリア層の性質を限定するものであり、補正の前後で産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であるから、請求人が審判請求の理由(平成28年1月29日付け手続補正書の第4頁第3行)において主張してもいるように、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
したがって、補正事項1は特許法第17条の2第3項及び第5項に規定する要件を満たしている。

3 独立特許要件
補正事項1は、特許法第17条の2第5項第2号の場合に該当するから、同条第6項で準用する同法第126条第7項の規定に適合しているか否かを検討する。
(1)補正事項1による本願請求項に係る発明
補正事項1による本願請求項1に記載される発明(以下、「補正発明」という。)は次のとおりである。
「 多層カプセルであって、該多層カプセルは、
少なくとも1つの開口部および内部空間を含む、本体;
本体の少なくとも1つの開口部上に取り付ける又はそこから取り外すための、少なくとも1つのカバー本体;
第1コンパートメントおよび第2コンパートメントを分離するために本体の内部空間に配置されたバリア層、を含み、該バリア層は、0から4の間の重量比で鉱油およびパラフィンワックスを含み、室温では固体であり、35℃より高い温度では半固体または液体である組成物から成ることを特徴とする、多層カプセル。」
(2)引用刊行物
原査定の拒絶の理由に引用された、本願出願前に頒布された刊行物には、次の刊行物A及びBが含まれている。
A 特表平9-506606号公報
B 米国特許出願公開第2010/0260844号明細書
(3)引用刊行物の記載事項
刊行物A及びB(原査定の引用文献3及び4)には、次の事項が記載されている(なお、刊行物Bは英語で記載されているところ、下記摘示は当合議体によるその訳である)。
ア 刊行物Aの記載事項
(ア) 「【特許請求の範囲】
1.充填組成物が相互に混合することを防止されたものであることを特徴とする、少なくとも2つの充填組成物を含むカプセルからなる薬剤配合物。
・・・
3.2つの充填組成物が物理的なバリアーによって分離される、請求の範囲第1項に記載の薬剤配合物。」
(イ) 「 WO-A-9206680号に記載された配合物等の2相配合物を含むカプセルを室温で3カ月を超える期間貯蔵すると、初期値と比較した場合インビトロの溶解性能が減退する。室温で12カ月貯蔵した後に配合物から放出されるプロプラノロールのレベルは初期値と比較すると50%減少していることが分かった。これに対して、迅速に放出する液相のみを含むカプセル及び一様に放出する固相のみを含むカプセルを長期間貯蔵しても溶解特性には何等変化はなかった。したがって、このような不安定な放出特性は2相配合物にのみ起こる問題であり、明らかに周囲貯蔵条件下では安定でない薬剤配合物は実際の使用が制限されるので、
このような配合物の開発には重大な欠点がある。
調査により、予測できなかったことであるが、配合物の2相がカプセルの貯蔵中に混合していき、相の混合によって配合物の両方の部分の放出特性が低下してしまうことにより、放出特性の低下が起こると考えられた。このような低下には、2相間の肉眼による混合及びインビトロの溶解性能の減退という特徴があった。・・・」(第4頁第13行-下から第2行)
(ウ) 「・・・修飾されたカプセルの一例としては、カプスゲル リミテッド(Capsugel Limited)で製造されたジャガイモデンプンのカピル(登録商標)(Capill^(R))カプセルの使用がある。この場合、デンプンカプセルは、中央の仕切り及び2つの開口端を有するように製造されるものである。このような構造により、2つの配合物
成分を分離して充填でき、カプセルの各端部は市販のジャガイモデンプンのキャップでシールされる。・・・」(第5頁第13-19行)
(エ) 「 バリアーの材料の選択は重要であり、様々な因子を考慮に入れなければならない。例えば、疎水性の充填組成物を用いる際には、充填組成物間のバリアーとして親水性の材料を使用することが望ましい。これに対して、充填組成物が親水性である際には、疎水性の材料がより好ましい。
また、バリアーとして使用される材料は貯蔵温度付近では固体であるような融点を有するものであることが非常に望ましい。したがって、融点は、少なくとも25℃(室温)より高くなければならないが、材料が約37℃(体温)に達するまでは融解し始めないことが非常に好ましい。
このような材料から形成されるバリアーは、バリアーの材料が融点を超える温度では融解した状態でカプセル内に容易に充填でき、冷却して固体のバリアーを形成できるため、容易に形成できるという利点を有する。このようなバリアーの材料は、2組成物間に効果的なバリアーを形
成できるように、第一の充填組成物をカプセル中に入れた後であって第二の充填組成物を加える前にカプセルに添加される。」(第6頁下から第5行-第7頁第9行)
イ 刊行物Bの記載事項
(ア) 「[0255] 次に、初期(早期)増加放出成分、第二(非上昇)制御放出成分、及び、バリア層を提供する三段階の製造工程を行い、それらを一つの#3サイズのゼラチンカプセルシェルに組み入れて、試験カプセルの第二系列として使用される投与形態とすることで、5つの異なる製剤を製造した。」
(イ) 「[0258] バリア層は、パラフィン140/145(25重量%)と鉱油、白色、ライト(75重量%)より作製された。」
(ウ) 「[0261] バリア層は、65℃±5℃において、鉱油を600rpmで15分混合し、パラフィンを加えて600rpmで30分混合することにより作製された。」
(エ) 「[0263] ・・・第二(非上昇)制御放出成分をカプセルの底の最下層に充填して冷却し、次にバリア層を前記冷却された層の上に充填し、続いて初期増加放出成分を充填し、そして頂部にカプセルキャップを被せた。・・・」
(4)刊行物Aに記載された発明
ア 刊行物Aには、充填組成物が相互に混合することを防止されたカプセルからなる薬剤配合物において、2つの充填組成物が物理的なバリアーによって分離されることが記載されている(上記(3)ア(ア))。第一及び第二の充填組成物の間に、貯蔵温度付近で固体である物理的なバリアーを形成することが記載されている(上記(3)ア(エ))。カプセルが開口端を有し、各端部がキャップでシールされる構造であることが記載されている(上記(3)ア(ウ))。バリア層の材料の融点が、少なくとも25℃(室温)より高くなければならず、約37℃(体温)に達するまでは融解し始めないことが非常に好ましい旨記載されている(上記(3)ア(エ))。
イ そうすると、刊行物Aには、以下の発明(以下、「引用発明A」という。)が記載されているものと認められる。
「開口端を有し、該端部がキャップでシールされる構造のカプセル内において、第一の充填組成物及び第二の充填組成物の間に貯蔵温度付近で固体である物理的なバリアーが形成され、該バリアーの融点は少なくとも25℃(室温)より高い、カプセル」
(5)対比
補正発明と引用発明Aを対比する。
ア 引用文献Aにおいて、開口端を有し内部に組成物が充填されるカプセルのうちキャップを除く部分、及び、該カプセルの端部をシールするキャップは、補正発明における「少なくとも1つの開口部および内部空間を含む、本体」、及び、「本体の少なくとも1つの開口部上に取り付ける・・・ための、少なくとも1つのカバー本体」にそれぞれ相当する。そして、補正発明は、「開口部上に取り付ける又はそこから取り外すための」という選択肢で特定されているが、引用発明Aはそのうちの前者を満たすものであるから、後者の発明特定事項の有無に関わらず相違点とはならない。
イ 引用発明Aの「カプセル内において、第一の充填組成物及び第二の充填組成物の間に…バリアーが形成」された状態は、補正発明における「多層」に相当し、そのように形成された引用発明Aの「バリアー」は、補正発明における「第1コンパートメントおよび第2コンパートメントを分離するために本体の内部空間に配置されたバリア層」に相当する。
ウ 引用発明Aの「バリアーの融点は少なくとも25℃(室温)より高い」は、補正発明における「室温では固体であり」に相当する。また、25℃(室温)を超えたところに融点を有するバリアーは、さらに高い温度、例えば、35℃より高い温度で融解するものであるから、補正発明における「バリア層は・・・35℃より高い温度では半固体または液体であり」に相当する。
エ そうすると、補正発明と引用発明Aとは、
「 多層カプセルであって、該多層カプセルは、
少なくとも1つの開口部および内部空間を含む、本体;
本体の少なくとも1つの開口部上に取り付ける又はそこから取り外すための、少なくとも1つのカバー本体;
第1コンパートメントおよび第2コンパートメントを分離するために本体の内部空間に配置されたバリア層、を含み、該バリア層は、室温では固体であり、35℃より高い温度では半固体または液体である、多層カプセル。」
の点で一致し、次の点で相違している。
相違点:補正発明は、バリア層が「0から4の間の重量比で鉱油およびパラフィンワックスを含」むのに対し、引用発明Aにおいてはその旨特定されていない点。
(6)判断
ア 上記相違点について検討する。
刊行物Bに記載されるように、最下層から順に第二制御放出成分、バリア層、及び、初期増加放出成分が充填されたカプセルであって、上記バリア層がパラフィン25重量%と鉱油75重量%より作製されたものが、本願出願前に公知である(上記(3)イ(ア)-(エ))。ここで、「バリア」とは防壁あるいは障壁を意味する語であるから(要すれば、例えば、新村出編、広辞苑 第五版、株式会社岩波書店、1998年発行、第2189頁最下段の「バリアー」の項等を参照)、上記バリア層は2種の放出成分の間の防壁あるいは障壁として機能するものであり、そのためには室温で上記放出成分と混じり合わない状態、すなわち固体であるものと認められる。また、鉱油が全体の75重量%含まれる組成物は、35℃において流動性を有する(すなわち、半固体又は液体である)ものと認められる。
引用発明Aと刊行物Bに記載された発明は、ともにカプセル内に充填した2種類の成分をバリア層で分離するという点で技術分野及び課題が共通するものであるから、引用発明Aの多層カプセル中の第1及び第2のコンパートメントを分離するためのバリア層として、刊行物Bに記載の鉱油75重量%及びパラフィン25重量%からなるバリア層を採用することは、当業者が容易になしうることである。そして、鉱油75重量%及びパラフィン25重量%という配合比は、「0から4の間の重量比で鉱油およびパラフィンワックスを含」むという条件を満たすものである。
イ 補正発明の効果について
本願明細書の段落【0012】、【0017】には鉱油及びパラフィンワックスを含むバリア層についての記載があるものの、特に補正発明で定義されるバリア層を採用することにより、それ以外のバリア層を用いる場合と比較して有利な効果を奏することについて具体的な検討がなされておらず、補正発明により当業者に予測しえない格別の効果が奏せられるとは認められない。
(7)むすび
したがって、補正発明は、引用発明A及び刊行物Bに記載された発明に基いて当業者が容易に想到しえたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
(8)審判請求人の主張について
審判請求人は、審判請求の理由(平成28年1月29日付け手続補正書の第5頁下から第14行?第6頁第13行)において、
「 引用文献3は、充填組成物を両方とも固体とすることによって又は混合しないように充填組成物を分離する物理的なバリアーを設けることによって混合することを防止した少なくとも2つの異なる充填組成物を含むカプセル配合物を開示しています。
具体的には、引用文献3には『カプセル内のバリアー材料として特に使用できることが分かっている材料は、37℃を超える転移温度(融点)を有するグリセリド類である。』と記載されています。
引用文献3はさらに、(1)最初にカプセルに充填する際50-55℃への加熱が必要な徐放組成物、(2)次に充填される、ポリ飽和グリコールグリセリドからなる加熱が必要なバリア、及び(3)その後充填される、45-50℃の加熱が必要な速放組成物を含む最上層、を含むカプセル配合物が記載されています。
引用文献3は、本願発明に含まれるような、0から4の間の重量比で鉱油およびパラフィンワックスを含み、室温では固体であり、35℃より高い温度では半固体または液体である組成物から成るバリア層を開示していません。
・・・
引用文献4は引用文献1-3の不足を補うものではありません。
具体的には、引用文献4は特定の制御放出性の経口医薬剤形及びメチルフェニデートを送達するための該剤形の使用について開示しているものの、多室(多層)のカプセル製剤を開示していません。
当然、本願発明のような0から4の間の重量比で鉱油およびパラフィンワックスを含み、室温では固体であり、35℃より高い温度では半固体または液体である組成物から成るバリア層を開示していません。」
と主張する。
しかしながら、引用文献3、すなわち刊行物Aにおいては、25℃(室温)より高い融点を有するバリアーを使用することが開示されているのであって(上記(3)ア(エ))、37℃(体温)に達するまでは融解し始めないことが非常に好ましいものの、そうでないバリアーの使用を排除するものではない。
一方、引用文献4、すなわち刊行物Bには、カプセル製剤における2成分間のバリア層として鉱油75重量%及びパラフィン25重量%からなる層を使用することが開示されている(上記(3)イ(ア)-(エ))。
そうすると、刊行物Aに記載の多層カプセルにおけるバリア層として、刊行物Bに記載の鉱油及びパラフィンからなる層を採用することに困難性は見いだせず、請求人の主張は採用できない。

4 むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項の規定に違反しているものと認められるので、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 上記第2で結論したとおり平成27年12月18日付け手続補正書による補正は却下されたので、本願に係る発明は平成27年6月8日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1-22にそれぞれ記載された事項により特定されるとおりのものであり、そのうち請求項1に係る発明(以下、「本願発明1」という。)は次のとおりである。
「【請求項1】
多層カプセルであって、該多層カプセルは、
少なくとも1つの開口部および内部空間を含む、本体;
本体の少なくとも1つの開口部上に取り付ける又はそこから取り外すための、少なくとも1つのカバー本体;
第1コンパートメントおよび第2コンパートメントを分離するために本体の内部空間に配置されたバリア層、を含み、該バリア層は、室温では固体で
あり、35℃より高い温度では半固体または液体であり、0から4の間の重量比で鉱油およびパラフィンワックスを含むことを特徴とする、多層カプセル。」

2 原査定の拒絶の理由の概要
原査定の理由とされた、平成27年2月24日付け拒絶理由通知書に記載した理由の概要は、以下のとおりである(特許法第29条第2項の適用部分について)。
「2.この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

・・・
引 用 文 献 等 一 覧
・・・
3.特表平09-506606号公報
4.米国特許出願公開第2010/0260844号明細書 」

3 当審の判断
拒絶の理由において引用された本願出願前に頒布された刊行物である特表平9-506606号公報には、前記第2の3(3)ア(ア)-(エ)に示した発明が記載され、米国特許出願公開第2010/0260844号明細書には、前記第2の3(3)イ(ア)-(エ)に示した発明が記載されている。
そして、前記第2の3(1)に示した補正発明は、本願発明の発明特定事項を限定したものであるから、本願発明に含まれるものである。
そして、前記第2の3(6)で検討したとおり、補正発明は、引用発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、補正発明を含む本願発明は、引用発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるというべきであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第4 むすび
以上のとおりであるから、本願については、他の請求項について検討するまでもなく上記理由により拒絶すべきものである。

なお、請求人は、審理終結の通知をした後の平成29年5月19日に審理再開申立書を提出することで審理の再開を申立てているが、当該申立書の内容を検討しても、審理再開の必要を認めることはできない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2017-05-09 
結審通知日 2017-05-10 
審決日 2017-06-26 
出願番号 特願2014-515793(P2014-515793)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A61K)
P 1 8・ 575- Z (A61K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 杉江 渉  
特許庁審判長 大熊 幸治
特許庁審判官 長谷川 茜
須藤 康洋
発明の名称 多層カプセルおよびその製造方法  
代理人 清原 義博  
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