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審決分類 |
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 A24F 審判 全部申し立て 2項進歩性 A24F |
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管理番号 | 1334341 |
異議申立番号 | 異議2017-700065 |
総通号数 | 216 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2017-12-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2017-01-26 |
確定日 | 2017-09-15 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第5958846号発明「充電デバイスを含むポータブル電子システムおよび二次電池を充電する方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第5958846号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-5〕、〔6-13〕について、訂正することを認める。 特許第5958846号の請求項1ないし10に係る特許を維持する。 特許第5958846号の請求項11ないし13に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件特許第5958846号の請求項1ないし13に係る特許についての出願は、平成28年7月1日付けでその特許権の設定登録がされ、その後、特許異議申立人 山本 美映子 より請求項1ないし13に係る発明の特許に対し特許異議の申立てがされ、平成29年3月29日付けで取消理由が通知され、その指定期間内に特許権者より平成29年6月29日付けで意見書の提出及び訂正の請求がされ、特許異議申立人より平成29年8月1日付けで意見書が提出されたものである。 第2 訂正の適否 1 平成29年6月29日付け訂正請求の訂正の内容 平成29年6月29日付け訂正請求による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は以下のとおりである。 (1) 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に「所定の電圧レベル」とあるのを、「所定の最大許容充電電圧V_(ch)のレベル」と訂正する。 (2) 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項1に「最大充電電圧」とあるのを、「補償済最大充電電圧V_(comp)」と訂正する。 (3) 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項2に「最大充電電圧」(5箇所)とあるのを、いずれも「補償済最大充電電圧V_(comp)」と訂正し、その際、「最大充電電圧を計算し」「前記再計算された最大充電電圧のレベル」とあるのを、それぞれ「前記補償済最大充電電圧V_(comp)を計算し」「前記再計算された前記補償済最大充電電圧V_(comp)のレベル」と訂正する。 (4) 訂正事項4 特許請求の範囲の請求項2に「前記充電電圧」とある(2箇所)のを、いずれも「前記第1の充電電圧」と訂正する。 (5) 訂正事項5 特許請求の範囲の請求項6に「所定の電圧レベル」とあるのを、「所定の最大許容充電電圧V_(ch)のレベル」と訂正する。 (6) 訂正事項6 特許請求の範囲の請求項6に「最大充電電圧」とある(4箇所)のを、いずれも「補償済最大充電電圧V_(comp)」と訂正し、その際、「最大充電電圧レベル」とあるのを、「補償済最大充電電圧V_(comp)のレベル」と訂正する。 (7) 訂正事項7 特許請求の範囲の請求項8に「最大充電電圧」とある(2箇所)のを、いずれも「補償済最大充電電圧V_(comp)」と訂正する。 (8) 訂正事項8 特許請求の範囲の請求項9に「最大充電電圧」とある(3箇所)のを、いずれも「補償済最大充電電圧V_(comp)」と訂正する。 (9) 訂正事項9 特許請求の範囲の請求項11を削除する。 (10) 訂正事項10 特許請求の範囲の請求項12を削除する。 (11) 訂正事項11 特許請求の範囲の請求項13を削除する。 (12) したがって、特許権者は、訂正前の特許請求の範囲を、以下のとおり、訂正後の特許請求の範囲のとおり訂正することを請求する(下線は訂正箇所を示す。)。 「【請求項1】 再充電可能な一次デバイスおよび二次デバイスを含むポータブル電子喫煙システムであって、前記二次デバイスは、従来のたばこと同様のサイズの電気加熱タバコデバイスであり、前記二次デバイスは、エアロゾル形成基体を加熱するように構成されたヒータを含み、前記一次デバイスは、従来のたばこパックと同様の形状およびサイズを有するハウジングを含み、前記二次デバイスは、再充電サイクルの間、前記一次デバイスの前記ハウジング内に収容されるように構成され、前記一次デバイスは、酸化リチウムコバルト電池である第1の電池を有し、前記二次デバイスは、リン酸鉄リチウム電池またはチタン酸リチウム電池である第2の電池を有し、前記第1の電池の容量は、前記第2の電池の容量の5倍から40倍の間であり、前記一次デバイスおよび前記二次デバイスは、2Cから16Cの間のレートで前記第1の電池から前記第2の電池を再充電するように構成され、前記一次デバイスは、 前記第2の電池に接続するための出力端子の対と、 DC電源と、 充電電圧を制御するために前記DC電源と前記出力端子との間に接続された電圧調整器と、 前記電圧調整器および前記出力端子に結合されたマイクロプロセッサとを含み、前記一次デバイスおよび第2の電池は、互いに結合され、充電回路を形成するように構成され、前記マイクロプロセッサは、 第1の充電電圧を供給するために前記電圧調整器を制御し、 前記第1の充電電圧が所定の最大許容充電電圧V_(ch)のレベルに達した後に、 前記第1の充電電圧と、前記第1の充電電圧よりも低い第2の充電電圧とにおける前記充電回路中の電流を測定することによって前記充電回路の内部抵抗を特定し、 前記特定された内部抵抗および前記第2の電池の特性に基づいて、前記電圧調整器によって供給される前記第1の充電電圧を補償済最大充電電圧V_(comp)に制限する ように構成される、ポータブル電子喫煙システム。 【請求項2】 前記マイクロプロセッサは、 前記特定された内部抵抗および前記第2の電池の特性に基づいて補償済最大充電電圧V_(comp)を計算し、 前記第1の充電電圧が前記補償済最大充電電圧V_(comp)に達するまで所定の充電電流を維持するために前記第1の充電電圧を調整し、その後、前記補償済最大充電電圧V_(comp)のレベルまたはそれ未満のレベルに前記第1の充電電圧を調整し、その後、定期的にまたは継続的に前記補償済最大充電電圧V_(comp)を再計算し、前記再計算された補償済最大充電電圧V_(comp)のレベルまたはそれ未満のレベルに前記第1の充電電圧を維持するように前記第1の充電電圧を調整する ように構成される、請求項1に記載のポータブル電子喫煙システム。 【請求項3】 前記マイクロプロセッサは、前記第1の充電電圧から電圧を所定の電圧差だけ低減させることによって前記第2の充電電圧を特定するように構成される、請求項1または2に記載のポータブル電子喫煙システム。 【請求項4】 前記マイクロプロセッサは、前記内部抵抗を定期的に再計算するように構成される、請求項1から3までのいずれか1項に記載のポータブル電子喫煙システム。 【請求項5】 前記第2の電池は、10mmの直径および37mmの長さを有する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の電子喫煙システム。 【請求項6】 従来のたばこパックと同様の形状およびサイズを有するハウジングを含み、エアロゾル形成基体を加熱するように構成されたヒータを含む、一次デバイス中の第1の電池から従来のたばこと同様のサイズの二次電気加熱タバコデバイス中の第2の電池を充電する方法であって、前記一次デバイスおよび前記二次デバイスは、ポータブル電子喫煙システムを形成し、前記一次デバイスは、酸化リチウムコバルト電池である第1の電池を有し、前記二次デバイスは、リン酸鉄リチウム電池またはチタン酸リチウム電池である第2の電池を有し、前記第1の電池の容量は、前記第2の電池の容量の5倍から40倍の間であり、前記一次デバイスおよび前記二次デバイスは、2Cから16Cの間のレートで前記第1の電池から前記第2の電池を再充電するように構成され、前記方法は、 充電回路を形成するために調整可能な電圧源を有する前記一次デバイスに前記第2の電池を接続するステップと、 前記第2の電池に所定の充電電流を提供するために前記電圧源によって供給される第1の充電電圧を制御するステップと、 前記第1の充電電圧と、前記第1の充電電圧よりも低い第2の充電電圧とにおける前記充電回路中の電流を測定することによって、前記充電回路の内部抵抗を特定するステップと、 前記特定された内部抵抗および前記第2の電池の特性に基づいて補償済最大充電電圧V_(comp)を計算するステップと、 前記第1の充電電圧が前記補償済最大充電電圧V_(comp)のレベルに達するまで所定の充電電流を維持するために前記第1の充電電圧を調整し、その後、前記補償済最大充電電圧V_(comp)のレベルまたはそれ未満のレベルに前記第1の充電電圧を維持するために前記第1の充電電圧を調整するステップと を含み、 前記内部抵抗を特定する前記ステップ、および前記補償済最大充電電圧V_(comp)を計算する前記ステップは、前記第1の充電電圧が所定の最大許容充電電圧V_(ch)のレベルに達した後だけ実行される方法。 【請求項7】 前記第2の充電電圧は、前記第1の充電電圧から所定の電圧差を有する、請求項6に記載の方法。 【請求項8】 前記補償済最大充電電圧V_(comp)を計算する前記ステップ、および前記補償済最大充電電圧V_(comp)のレベルまたはそれ未満のレベルに前記第1の充電電圧を維持するために前記第1の充電電圧を調整する前記ステップは、単一の充電サイクルの間複数回実行される、請求項6または7に記載の方法。 【請求項9】 前記補償済最大充電電圧V_(comp)を計算する前記ステップ、および前記補償済最大充電電圧V_(comp)のレベルまたはそれ未満のレベルに前記第1の充電電圧を維持するために前記第1の充電電圧を調整する前記ステップは、単一の充電サイクルの間、前記第1の充電電圧が最初に前記補償済最大充電電圧V_(comp)に達した後継続的に実行される、請求項7に記載の方法。 【請求項10】 前記内部抵抗を特定する前記ステップは、定期的に実行される、請求項6から9までのいずれか1項に記載の方法。 【請求項11】(削除) 【請求項12】(削除) 【請求項13】(削除)」 2 訂正の目的、新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否並びに一群の請求項 (1) 訂正事項1は、請求項1の「第1の充電電圧」について、訂正前の「所定の電圧レベル」を「電池の寿命を保存するレベルに設定される」(本件特許明細書【0033】)「電池製造者によって指定された」(同【0040】)特定の値である「最大許容充電電圧V_(ch)」と訂正して限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものであり、また、本件特許明細書の【0033】、【0034】、【0040】等の記載からみて、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。 (2) 訂正事項2は、請求項1の「第1の充電電圧」について、訂正前の「最大充電電圧」を「寄生抵抗r_(p-)、r_(p+)、r_(s-)、r_(s+)、r_(c-)(t)、r_(c+)(t)が結合されて単一の抵抗R(t)になる場合、第2の電池の両端間の電圧は、V_(drop)=I^(*)R(t)だけ電圧源からの充電電圧よりも小さい」(本件特許明細書【0036】)場合の「V_(comp)=V_(ch)+I^(*)R(t)」(同【0037】)と定義される「補償済最大充電電圧V_(comp)」と訂正して限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものであり、また、本件特許明細書の【0037】、【0039】?【0041】等の記載からみて、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。 なお、上記のとおり、「補償済最大充電電圧V_(comp)」は「V_(comp)=V_(ch)+I^(*)R(t)」であり、第2の電池の特性である「最大許容充電電圧V_(ch)」と寄生抵抗の合成抵抗による電圧降下との和と定義されているから、明確であるというほかなく、また、「内部抵抗R_(i)は、寄生抵抗R(t)と電池の内部抵抗r_(i)(t)の両方を含む」こと、及び、「寄生抵抗R(t)」は「内部抵抗R_(i)」(及び「電池の内部抵抗r_(i)(t)」)に基づいて導ける旨本件特許明細書に記載されており(【0039】)、これを参酌すると、訂正後の請求項1の「前記特定された(充電回路の)内部抵抗および前記第2の電池の特性に基づいて、前記電圧調整器によって供給される前記第1の充電電圧を補償済最大充電電圧V_(comp)に制限する」の記載に照らしても不明確でない。 (3) 訂正事項3は、訂正事項2において請求項1の訂正前の「最大充電電圧」を「補償済最大充電電圧V_(comp)」と訂正したことにともない、この請求項1を引用する請求項2においても訂正前の「最大充電電圧」を「補償済最大充電電圧V_(comp)」と訂正するものであって、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とし、又は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものであり、さらに、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。 なお、「最大充電電圧」を「前記補償済最大充電電圧V_(comp)」と訂正することは、引用関係を明確にする「前記」を追加することも合わせて訂正するのであって、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的としており、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。 (4) 訂正事項4は、請求項2の「調整する」「前記充電電圧」が、引用する請求項1に記載されたものも含めた「充電電圧」のいずれであるかが明瞭でなかったため、それを請求項2にも前記された「調整する」「充電電圧」である「第1の充電電圧」と訂正するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものであり、また、本件特許明細書の【0040】、【0041】等の記載からみて、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。 (5) 訂正事項5は、請求項6の「第1の充電電圧」について、訂正前の「所定の電圧レベル」を「電池の寿命を保存するレベルに設定される」(本件特許明細書【0033】)「電池製造者によって指定された」(同【0040】)特定の値である「最大許容充電電圧V_(ch)」と訂正して限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものであり、また、本件特許明細書の【0033】、【0034】、【0040】等の記載からみて、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。 (6) 訂正事項6は、請求項6の「第1の充電電圧」について、訂正前の「最大充電電圧」を「寄生抵抗r_(p-)、r_(p+)、r_(s-)、r_(s+)、r_(c-)(t)、r_(c+)(t)が結合されて単一の抵抗R(t)になる場合、第2の電池の両端間の電圧は、V_(drop)=I^(*)R(t)だけ電圧源からの充電電圧よりも小さい」(本件特許明細書【0036】)場合の「V_(comp)=V_(ch)+I^(*)R(t)」(同【0037】)と定義される「補償済最大充電電圧V_(comp)」と訂正して限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものであり、また、本件特許明細書の【0037】、【0039】?【0041】等の記載からみて、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。 なお、「最大充電電圧レベル」を「補償済最大充電電圧V_(comp)のレベル」と訂正することは、請求項6における他の「補償済最大充電電圧V_(comp)のレベル」の記載と整合させることも合わせて訂正するのであって、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的としており、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。 (7) 訂正事項7及び8は、訂正事項6において請求項6の訂正前の「最大充電電圧」を「補償済最大充電電圧V_(comp)」と訂正したことにともない、この請求項6を直接・間接的に引用する請求項8及び請求項9においても訂正前の「最大充電電圧」を「補償済最大充電電圧V_(comp)」と訂正するものであって、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とし、又は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものであり、さらに、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。 (8) 訂正事項9は、請求項11を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものであり、また、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。 (9) 訂正事項10は、請求項12を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものであり、また、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。 (10) 訂正事項11は、請求項13を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものであり、また、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。 (11) 訂正事項1ないし4に係る訂正前の請求項1ないし5について、請求項2ないし5はそれぞれ請求項1を直接または間接に引用しているものであって、訂正事項1ないし2によって訂正される請求項1と一群の請求項である。また、訂正事項5ないし11に係る訂正前の請求項6ないし13について、請求項7ないし13はそれぞれ請求項6を直接または間接に引用しているものであって、訂正事項5ないし6によって訂正される請求項6と一群の請求項である。したがって、本件訂正は一群の請求項ごとに請求されたものである。 3 むすび よって、本件訂正に係る訂正事項1ないし11は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、並びに、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、請求項〔1-5〕、〔6-13〕について、訂正することを認める。 第3 取消理由についての判断 1 本件特許の請求項1ないし10に係る発明 本件特許の請求項1ないし10に係る発明は、本件訂正により訂正された訂正特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載された事項により特定されるとおりのものである。(「第2 1 (12)」参照) 2 平成29年3月29日付けの取消理由通知に記載した取消理由の概要は、以下のとおりである。 (1) 取消理由1.特許法第29条第2項 本件特許の請求項1ないし13に係る発明は、その出願(優先日)前に日本国内又は外国において頒布された刊行物(甲第1及び2号証)に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願(優先日)前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。 <甲号証一覧> 甲第1号証:国際公開第2012/065754号 甲第2号証:特開平10-214643号公報 (2) 取消理由2.特許法第36条第6項第2号 本件特許は、特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものであり、取り消すべきものである。 記 (ア) 請求項1に記載された「従来のタバコ」及び「従来のたばこパック」並びに「同様のサイズ」及び「同様の形状およびサイズ」は不明確であり、請求項1に係る発明は明確でない。なお、請求項1を直接的・間接的に引用する請求項2ないし5に係る発明も同様である。 (イ) 請求項6に記載された「従来のたばこパック」及び「同様の形状およびサイズ」は不明確であり、請求項6に係る発明は明確でない。なお、請求項6を直接的・間接的に引用する請求項7ないし13に係る発明も同様である。 (3) 取消理由3.特許法第29条第1項柱書 この出願の下記の請求項に記載されたものは、下記の点で特許法第29条第1項柱書に規定する要件を満たしていないから、特許を受けることができない。 記 (ア) 請求項11は「単一の喫煙セッションの後、前記第2の電池を再充電するために前記二次デバイスを前記一次デバイスに戻すステップをさらに含む」と特定するものであるところ、二次デバイスを一次デバイスに「戻す」動作の主体は、喫煙行為を行う人間であり、二次デバイスを一次デバイスに「戻す」かどうかは、喫煙者の精神的な結果として決定されるものであって、人間の精神活動をその構成要件に含むものであるから、請求項11に係るものは特許を受けることができない。なお、請求項11を直接的・間接的に引用する請求項12ないし13に係るものも同様である。 (イ) 請求項12は「前記単一の喫煙セッションは7分続く」と特定するものであところ、喫煙を何分間続けるかは、喫煙者の精神的な活動の結果として決定されるものであって、人間の精神活動をその構成要件に含むものであるから、請求項12に係るものは特許を受けることができない。なお、請求項12を引用する請求項13に係るものも同様である。 3 上記取消理由1については、以下のとおり理由がない。 (1) 請求項1に係る発明について 甲第1号証には、「再充電される(本件特許の請求項1に係る発明の「再充電可能な」に相当する。以下、同様。)一次ユニット(「一次デバイス」)および二次ユニット(「二次デバイス」)を含む携帯できる電気加熱式喫煙システム(「ポータブル電子喫煙システム」)であって、前記二次ユニットは、着火端式シガレットのサイズとほぼ同様か又はそれよりもごく僅かに大きい(「従来のたばこと同様のサイズの」)エーロゾル形成基体を有する喫煙物品を収容可能なものであり、前記二次ユニットは、エアロゾル形成基体を加熱するように構成された加熱素子(「ヒータ」)を含み、前記一次ユニットは、着火端式シガレットのパックと同じサイズ及び形状の(「従来のたばこパックと同様の形状およびサイズを有する」)基部部分(「ハウジング」)を含み、前記二次ユニットは、充電モード時(「再充電サイクルの間」)、前記一次ユニットの前記基部部分内に格納される(「収容される」)ように構成され、前記一次ユニットは、リチウムイオン電池等の一次電源(「第1の電池」)を備え(「有し」)、前記二次ユニットは、リン酸鉄リチウム電池(「リン酸鉄リチウム電池またはチタン酸リチウム電池」)である二次電源(「第2の電池」)を有し、前記一次ユニットは、 前記二次電源に接続するためのインターフェース(「出力端子の対」)と、 リチウムイオン電池等の一次電源(「DC電源」)と、 一次電源を充電することを含むいくつかの機能を有するマイクロプロセッサを含み、前記一次ユニットおよび二次電源は、充電するために接続され(「互いに結合され、充電回路を形成するように構成され」)、 二次ユニットの二次回路は一次電源による二次電源の充電を制御する、 携帯できる電気加熱式喫煙システム。」(特許請求の範囲の請求項1(明細書24ページ3?21行)、明細書1ページ4?6行、2ページ2?4、10?12行、5ページ13?23行、9ページ33?35行、10ページ1?6、20?23行、15ページ3?8行、16ページ4?5行、17ページ30?34行、19ページ32?36行、21ページ30?32行、22ページ10?13行、FIG.1a?FIG.1d等の記載内容参照。)の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されている。 しかしながら、本件特許の請求項1に係る発明(以下「本件発明1」という。)は甲1発明と、少なくとも、本件発明1では、「一次デバイスは、」「充電電圧を制御するために前記DC電源と前記出力端子との間に接続された電圧調整器と、前記電圧調整器および前記出力端子に結合されたマイクロプロセッサとを含み、前記マイクロプロセッサは、第1の充電電圧を供給するために前記電圧調整器を制御」するのに対し、甲1発明では、「一次ユニットは、」「一次電源を充電することを含むいくつかの機能を有するマイクロプロセッサを含」むものの、「二次電源の充電は二次ユニット内の二次回路によって制御される」点(以下、「相違点1」という。)で相違している。これは少なくとも、第2の電池(二次電源)の充電の制御が、本件発明1では一次デバイスでされ、甲1発明では二次ユニット(二次デバイス)でされる点で相違すると言い換えられる。 ここで、甲1発明において二次電源の充電制御を一次ユニットでされるようにすることについて検討すると、甲1発明は、「二次ユニットの二次回路は一次電源による二次電源の充電を制御する」ことにより、「一次ユニットを必要とせず、その場合、二次ユニットは、既存の外部電源に接続可能な独立型ユニットとすることができる」(甲第1号証9ページ14?15行)ものであるから、その動機付けがあるとはいえない。 また、甲第2号証には、二次電池の端子電圧に基づいて電池の内部抵抗による電圧降下分を補償して充電する「二次電池の充電方法」が記載されているが(特に、【請求項1】、【0015】参照。)、本件発明1のような「一次デバイスおよび二次デバイスを含むポータブル電子喫煙システム」は記載されておらず、上記相違点1に係る本件発明1の構成は記載されていない。 そうすると、甲第2号証に記載された事項を考慮しても、甲1発明をして、二次電源の充電制御を一次ユニットでするように、上記相違点1に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たということはできない。 したがって、本件発明1は、甲第1及び2号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえず、上記取消理由1について理由がない。 (2) 請求項2ないし5に係る発明について 請求項2ないし5は直接・間接的に請求項1を引用するものであるから、請求項2ないし5に係る発明は本件発明1の発明特定事項をすべて含むところ、上述のとおり本件発明1は上記取消理由1について理由がないから、請求項2ないし5に係る発明は、甲第1及び2号証に開示された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえず、上記取消理由1について理由がない。 (3) 請求項6に係る発明について 甲第1号証には、「着火端式シガレットのパックと同じサイズ及び形状の(「従来のたばこパックと同様の形状およびサイズを有する」)基部部分(「ハウジング」)を含み、エアロゾル形成基体を加熱するように構成された加熱素子(「ヒータ」)を含む、一次ユニットの(「一次デバイス中の」)リチウムイオン電池等の一次電源(「第1の電池」)から着火端式シガレットのサイズとほぼ同様か又はそれよりもごく僅かに大きい(「従来のたばこと同様のサイズの」)エーロゾル形成基体を有する喫煙物品を収容可能なものの(「二次電気加熱タバコデバイス中の」)リン酸鉄リチウム電池である二次電源(「第2の電池」)を充電する方法であって、前記一次ユニット(「一次デバイス」)および前記二次ユニット(「二次デバイス」)は、携帯できる電気加熱式喫煙システム(「ポータブル電子喫煙システム」)を構成し(「形成し」)、前記一次ユニットは、リチウムイオン電池等の一次電源(「第1の電池」)を備え(「有し」)、前記二次ユニットは、リン酸鉄リチウム電池(「リン酸鉄リチウム電池またはチタン酸リチウム電池」)である二次電源(「第2の電池」)を備え、前記方法は、 充電するために(「充電回路を形成するために」)一次電源を有する前記一次ユニットに前記二次電源を接続する段階(「ステップ」)と、 二次ユニットの二次回路は一次電源による二次電源の充電を制御する段階と、 を含む方法。」(特許請求の範囲の請求項13(明細書25ページ33行?26ページ13行)、明細書1ページ4?6行、2ページ2?4、10?12行、5ページ13?23行、9ページ33?35行、10ページ1?6、20?23行、15ページ3?8行、16ページ4?5行、17ページ30?34行、19ページ32?36行、21ページ30?32行、22ページ10?13行、FIG.1a?FIG.1d等の記載内容参照。)の発明(以下、「甲1方法発明」という。)が記載されている。 しかしながら、本件特許の請求項6に係る発明(以下「本件発明6」という。)は甲1方法発明と、少なくとも、本件発明6では、「充電回路を形成するために調整可能な電圧源を有する前記一次デバイスに前記第2の電池を接続するステップと、前記第2の電池に所定の充電電流を提供するために前記電圧源によって供給される第1の充電電圧を制御するステップと」を含むのに対し、甲1方法発明では、「充電するために一次電源を有する前記一次ユニットに前記二次電源を接続するステップと、二次ユニットの二次回路は一次電源による二次電源の充電を制御するステップと、を含む」点(以下、「相違点2」という。)で相違している。本件特許明細書(【0036】)を参照すると、「一次デバイス側は、第1の電池および電圧調整器を含む制御電圧源320・・・を含む」のであるから、本件発明6の「一次デバイス」が有する「調整可能な電圧源」は、具体的には「第1の電池および電圧調整器を含む制御電圧源」を指すから、少なくとも、第2の電池(二次電源)の充電の制御が、本件発明6では一次デバイスでされ、甲1方法発明では二次ユニット(二次デバイス)でされる点で相違すると言い換えられる。 ここで、甲1方法発明において二次電源の充電制御を一次ユニットでされるようにすることについて検討すると、既に「(1) 請求項1に係る発明について」で検討したとおり、その動機付けがあるとはいえないし、甲第2号証には上記相違点2に係る本件発明6の構成は記載されていない。 そうすると、甲第2号証に記載された事項を考慮しても、甲1方法発明をして、二次電源の充電制御を一次ユニットでするように、上記相違点2に係る本件発明6の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たということはできない。 したがって、本件発明6は、甲第1及び2号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえず、上記取消理由1について理由がない。 (4) 請求項7ないし10に係る発明について 請求項7ないし10は直接・間接的に請求項6を引用するものであるから、請求項7ないし10に係る発明は本件発明6の発明特定事項をすべて含むところ、上述のとおり本件発明6は上記取消理由1について理由がないから、請求項7ないし10に係る発明は、甲第1及び2号証に開示された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえず、上記取消理由1について理由がない。 4 上記取消理由2については、以下のとおり理由がない。 請求項1に記載された「従来のタバコ」、「従来のたばこパック」及び「同様のサイズ」、「同様の形状およびサイズ」並びに請求項6に記載された「従来のたばこパック」及び「同様の形状およびサイズ」は不明確とはいえない。すなわち、本件特許明細書及び図面の記載並びに出願(優先日)時の技術常識を考慮すれば、「ポータブル」な「従来の」「タバコ」及び「たばこパック」は、これまでの「ポータブル」な「タバコ」及び「たばこパック」として発明特定事項の範囲を当業者が理解できるから、明確でないとはいえない。同様に、「従来のタバコと同様のサイズ」がこれまでの「ポータブル」なタバコと同じような普通の喫煙ができる大きさであることと理解できるし、「従来のたばこパックと同様の形状およびサイズ」がこれまでの「ポータブル」なタバコパックと同じような普通の喫煙ができるタバコ用のたばこパックの形状および大きさであることと理解できるから、明確でないとはいえない。そして、発明の範囲も理解でき、明確でないとはいえない。したがって、上記取消理由2については理由がない。 5 上記取消理由3について 請求項11ないし13に係る特許は、本件訂正により、削除されたため、本件特許の請求項11ないし13に対しての上記取消理由3については、対象となる請求項が存在しない。 第4 むすび 以上のとおりであるから、上記取消理由通知に記載した上記取消理由1ないし3によっては、本件特許の請求項1ないし10に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件特許の請求項1ないし10に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 そして、請求項11ないし13に係る特許は、本件訂正により、削除されたため、本件特許の請求項11ないし13に対して、特許異議申立人がした特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 再充電可能な一次デバイスおよび二次デバイスを含むポータブル電子喫煙システムであって、前記二次デバイスは、従来のたばこと同様のサイズの電気加熱タバコデバイスであり、前記二次デバイスは、エアロゾル形成基体を加熱するように構成されたヒータを含み、前記一次デバイスは、従来のたばこパックと同様の形状およびサイズを有するハウジングを含み、前記二次デバイスは、再充電サイクルの間、前記一次デバイスの前記ハウジング内に収容されるように構成され、前記一次デバイスは、酸化リチウムコバルト電池である第1の電池を有し、前記二次デバイスは、リン酸鉄リチウム電池またはチタン酸リチウム電池である第2の電池を有し、前記第1の電池の容量は、前記第2の電池の容量の5倍から40倍の間であり、前記一次デバイスおよび前記二次デバイスは、2Cから16Cの間のレートで前記第1の電池から前記第2の電池を再充電するように構成され、前記一次デバイスは、 前記第2の電池に接続するための出力端子の対と、 DC電源と、 充電電圧を制御するために前記DC電源と前記出力端子との間に接続された電圧調整器と、 前記電圧調整器および前記出力端子に結合されたマイクロプロセッサとを含み、前記一次デバイスおよび第2の電池は、互いに結合され、充電回路を形成するように構成され、前記マイクロプロセッサは、 第1の充電電圧を供給するために前記電圧調整器を制御し、 前記第1の充電電圧が所定の最大許容充電電圧V_(ch)のレベルに達した後に、 前記第1の充電電圧と、前記第1の充電電圧よりも低い第2の充電電圧とにおける前記充電回路中の電流を測定することによって前記充電回路の内部抵抗を特定し、 前記特定された内部抵抗および前記第2の電池の特性に基づいて、前記電圧調整器によって供給される前記第1の充電電圧を補償済最大充電電圧V_(comp)に制限する ように構成される、ポータブル電子喫煙システム。 【請求項2】 前記マイクロプロセッサは、 前記特定された内部抵抗および前記第2の電池の特性に基づいて前記補償済最大充電電圧V_(comp)を計算し、 前記第1の充電電圧が前記補償済最大充電電圧V_(comp)に達するまで所定の充電電流を維持するために前記第1の充電電圧を調整し、その後、前記補償済最大充電電圧V_(comp)のレベルまたはそれ未満のレベルに前記第1の充電電圧を調整し、その後、定期的にまたは継続的に前記補償済最大充電電圧V_(comp)を再計算し、前記再計算された前記補償済最大充電電圧V_(comp)のレベルまたはそれ未満のレベルに前記第1の充電電圧を維持するように前記第1の充電電圧を調整する ように構成される、請求項1に記載のポータブル電子喫煙システム。 【請求項3】 前記マイクロプロセッサは、前記第1の充電電圧から電圧を所定の電圧差だけ低減させることによって前記第2の充電電圧を特定するように構成される、請求項1または2に記載のポータブル電子喫煙システム。 【請求項4】 前記マイクロプロセッサは、前記内部抵抗を定期的に再計算するように構成される、請求項1から3までのいずれか1項に記載のポータブル電子喫煙システム。 【請求項5】 前記第2の電池は、10mmの直径および37mmの長さを有する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の電子喫煙システム。 【請求項6】 従来のたばこパックと同様の形状およびサイズを有するハウジングを含み、エアロゾル形成基体を加熱するように構成されたヒータを含む、一次デバイス中の第1の電池から従来のたばこと同様のサイズの二次電気加熱タバコデバイス中の第2の電池を充電する方法であって、前記一次デバイスおよび前記二次デバイスは、ポータブル電子喫煙システムを形成し、前記一次デバイスは、酸化リチウムコバルト電池である第1の電池を有し、前記二次デバイスは、リン酸鉄リチウム電池またはチタン酸リチウム電池である第2の電池を有し、前記第1の電池の容量は、前記第2の電池の容量の5倍から40倍の間であり、前記一次デバイスおよび前記二次デバイスは、2Cから16Cの間のレートで前記第1の電池から前記第2の電池を再充電するように構成され、前記方法は、 充電回路を形成するために調整可能な電圧源を有する前記一次デバイスに前記第2の電池を接続するステップと、 前記第2の電池に所定の充電電流を提供するために前記電圧源によって供給される第1の充電電圧を制御するステップと、 前記第1の充電電圧と、前記第1の充電電圧よりも低い第2の充電電圧とにおける前記充電回路中の電流を測定することによって、前記充電回路の内部抵抗を特定するステップと、 前記特定された内部抵抗および前記第2の電池の特性に基づいて補償済最大充電電圧V_(comp)を計算するステップと、 前記第1の充電電圧が前記補償済最大充電電圧V_(comp)のレベルに達するまで所定の充電電流を維持するために前記第1の充電電圧を調整し、その後、前記補償済最大充電電圧V_(comp)のレベルまたはそれ未満のレベルに前記第1の充電電圧を維持するために前記第1の充電電圧を調整するステップと を含み、 前記内部抵抗を特定する前記ステップ、および前記補償済最大充電電圧V_(comp)を計算する前記ステップは、前記第1の充電電圧が所定の最大許容充電電圧V_(ch)のレベルに達した後だけ実行される方法。 【請求項7】 前記第2の充電電圧は、前記第1の充電電圧から所定の電圧差を有する、請求項6に記載の方法。 【請求項8】 前記補償済最大充電電圧V_(comp)を計算する前記ステップ、および前記補償済最大充電電圧V_(comp)のレベルまたはそれ未満のレベルに前記第1の充電電圧を維持するために前記第1の充電電圧を調整する前記ステップは、単一の充電サイクルの間複数回実行される、請求項6または7に記載の方法。 【請求項9】 前記補償済最大充電電圧V_(comp)を計算する前記ステップ、および前記補償済最大充電電圧V_(comp)のレベルまたはそれ未満のレベルに前記第1の充電電圧を維持するために前記第1の充電電圧を調整する前記ステップは、単一の充電サイクルの間、前記第1の充電電圧が最初に前記補償済最大充電電圧V_(comp)に達した後継続的に実行される、請求項7に記載の方法。 【請求項10】 前記内部抵抗を特定する前記ステップは、定期的に実行される、請求項6から9までのいずれか1項に記載の方法。 【請求項11】(削除) 【請求項12】(削除) 【請求項13】(削除) |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2017-09-04 |
出願番号 | 特願2015-527935(P2015-527935) |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YAA
(A24F)
P 1 651・ 537- YAA (A24F) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 宮崎 賢司 |
特許庁審判長 |
中村 則夫 |
特許庁審判官 |
田村 嘉章 莊司 英史 |
登録日 | 2016-07-01 |
登録番号 | 特許第5958846号(P5958846) |
権利者 | フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム |
発明の名称 | 充電デバイスを含むポータブル電子システムおよび二次電池を充電する方法 |
代理人 | 須田 洋之 |
代理人 | 大塚 文昭 |
代理人 | 近藤 直樹 |
代理人 | 近藤 直樹 |
代理人 | 上杉 浩 |
代理人 | 弟子丸 健 |
代理人 | 西島 孝喜 |
代理人 | 田中 伸一郎 |
代理人 | 弟子丸 健 |
代理人 | 西島 孝喜 |
代理人 | 田中 伸一郎 |
代理人 | 大塚 文昭 |
代理人 | 須田 洋之 |
代理人 | 上杉 浩 |