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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 F16B
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 F16B
管理番号 1334739
審判番号 不服2016-15682  
総通号数 217 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-01-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-10-20 
確定日 2017-12-05 
事件の表示 特願2012-134149「インサートカラー」拒絶査定不服審判事件〔平成25年12月26日出願公開、特開2013-257009、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成24年6月13日の出願であって、平成27年9月24日付けで拒絶理由が通知され、その指定期間内の同年11月30日に手続補正され、平成28年3月10日付けで拒絶理由が通知され、その指定期間内の同年5月23日に手続補正されたが、同年7月22日付けで拒絶査定(発送日:同年7月26日、以下「原査定」という。)され、これに対し、同年10月20日に拒絶査定不服審判が請求され、その審判の請求と同時に手続補正され、その後、当審において平成29年6月13日付けで拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)が通知され、その指定期間内の同年8月21日に手続補正されたものである。

第2 原査定の概要
本願の平成28年5月23日の手続補正により補正された下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。


・請求項1及び2
・刊行物AないしD
請求項1及び2に係る発明は、刊行物Aに記載された発明に刊行物BないしDに記載された周知技術に適用して、当業者が容易に発明をすることができたものである。

刊行物等一覧
刊行物A:実願昭56-110152号(実開昭58-16416号) のマイクロフィルム
刊行物B:インサートブッシュ INSERT BUSH、日本、大陽ス テンレススプリング株式会社、1981年9月(周知技術を示 す文献)
刊行物C:製品規格マニュアル、日本、大陽ステンレススプリング株式会 社、1984年4月、NO.32、第28ページ(周知技術を 示す文献)
刊行物D:特開2012-26562号公報(周知技術を示す文献)

第3 当審拒絶理由の概要
1 本願は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

2 本願の平成28年10月20日の手続補正により補正された請求項1及び2に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。


(1)理由1について
ア 請求項1には、「全ての前記凹部は、前記開口形状及び前記底面形状が正方形の四角錐台形状であり、前記開口形及び前記底面形状は、前記四角形の2対の対向辺のうち一方が前記カラー本体の周方向に直交し、他方が前記カラー本体の軸方向に直交した正方形である」との記載がある。この記載によれば、発明の詳細な説明に、比較例として挙げられた図5(b)の態様、すなわち、「図5(b)に示す凹部42は、開口部を正四角形とする正四角錐台形状のもので、開口部の各辺の長さLを1.76mm、深さdを0.36mm、傾斜角θを26.3°としている。このような凹部42を形成したインサートカラーを前記試料A、試料Bの作製と同様にしてインサート成形し、得られた樹脂部材を、試料A2、試料B2とした」(段落【0031】)ものも含まれる。
よって、請求項1の記載は、発明の詳細な説明と整合していない。

イ 請求項1には、「前記カラー本体の外周面には」「凹部」又は「凸部が、前記カラー本体の高さ方向及び周方向に沿って規則的に配設されており」との記載がある。この記載によれば、請求項1には、カラー本体の外周面に「凹部」と「凸部」が併用して配設される態様が含まれる。しかしながら、そのような態様は、発明の詳細な説明に記載されていない。
よって、請求項1の記載は、発明の詳細な説明と整合していない。

(2)理由2について
請求項1及び2に係る発明は、引用発明及び刊行物1ないし4に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

刊行物等一覧
刊行物1:実願昭56-110152号(実開昭58-16416号)の マイクロフィルム (原査定の刊行物A)
刊行物2:特開平10-318220号公報
刊行物3:特開2012-26562号公報 (原査定の刊行物D)
刊行物4:登録実用新案第3103899号公報

第4 本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成29年8月21日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。

「【請求項1】
樹脂部材又は金属部材に埋め込まれる金属製のインサートカラーにおいて、
円筒状に成形されてなるカラー本体を有し、
前記カラー本体の外周面には、開口形状が底面形状より大となる角錐台形状の凹部、又は上端面形状が底形状より小となる角錐台形状の凸部が、前記カラー本体の高さ方向及び周方向に沿って規則的に配設されており、
全ての前記凹部は、前記開口形状及び前記底面形状が正方形の四角錐台形状であり、
前記開口形状及び前記底面形状は、前記四角形の2対の対向辺のうち一方が前記カラー本体の周方向に直交し、他方が前記カラー本体の軸方向に直交した正方形である
又は、全ての前記凸部は、前記底形状及び前記上端面形状が正方形の四角錐台形状であり、
前記底形状及び前記上端面形状は、前記四角形の2対の対向辺のうち一方が前記カラー本体の周方向に直交し、他方が前記カラー本体の軸方向に直交した正方形であり、
前記凹部は、前記開口形状の各辺が1mm以上2mm以下であり、深さが0.15mm以上0.8mm以下であり、各内側面の底面に対する傾斜角が30°以上90°未満である、又は、前記凸部は、前記底形状の各辺が1mm以上2mm以下であり、高さが0.15mm以上0.8mm以下であり、外側面のカラー本体外周面に対する傾斜角が30°以上90°未満である
ことを特徴とするインサートカラー。」

第5 刊行物
1 刊行物1
当審拒絶理由に引用され、本願の出願前に頒布された刊行物1(実願昭56-110152号(実開昭58-16416号)のマイクロフィルム )には、「ねじ付きインサートブッシュ」に関して、1ページ10行?12行及び2ページ5行?4ページ15行、並びに図面(特に、第2図、第3図)を総合し、本願発明の記載ぶりに則って整理すると、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。なお、拗音及び促音は、小文字で表記した。

「合成樹脂成形部材又はダイキャスト成形部材に埋め込まれる金属製のねじ付きインサートブッシュ9において、
円筒状に成形されてなるブッシュ本体を有し、
前記ブッシュ本体の外周面には、凹部6′が配設されているねじ付きインサートブッシュ9。」

2 刊行物2
同じく当審拒絶理由に引用され、本願の出願前に頒布された刊行物2(特開平10-318220号公報)には、「樹脂成型品のブラケット」に関して、図面(特に、図2(a)ないし図2(c))とともに、以下の事項が記載されている。

(1)「【0026】図1において、本実施形態のブラケット1は、樹脂成型品2に一体的に成形された板状のブラケット本体10と、該ブラケット本体10にインサート成形された円筒状のカラー20とからなっている。」

(2)「【0029】カラー20は、ブラケット本体10を締結するための前記ボルトが貫挿される金属製の円筒状部材であり、図2(a)?(c)に示すように、その周面全体に、複数の四角推状の凹部20aが形成してある。」

(3)「【0043】なお、本発明の樹脂成型品のブラケットは、上述した各実施形態に限定されるものではない。例えば、各実施形態のように、カラー20の各凹部20aの形状は四角推に限らず、他の多角推,円錐,多角柱,円柱等に変更することができる。また、凹部20aの代わりに、カラー20の周面に多角推状等の凸部を多数突設して、該カラー20をブラケット本体10に位置決めする構成としてもよい。」

3 刊行物3
同じく当審拒絶理由に引用され、本願の出願前に頒布された刊行物3(特開2012-26562号公報)には、「固着具」に関して、図面(特に、図1)とともに、以下の事項が記載されている。

(1)「【0009】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について詳細に説明する。 図1は、この発明に係るインサートと呼ばれる固着具1を示す片側断面図である。すなわち、この固着具1は、短い円柱状の本体2の柱方向両端に突起部3と突起部4が設けられている。そして本体2の外側周面上に突出させて台形ディンプル(台形窪み)を形成する所定深度凹部を有する方形網目ローレット(方形網目凹凸条)加工された大径部5が設けられている。」

(2)「【0011】
また、本実施形態の固着具1は、1/100mm単位で切削加工され、大径部の外径は成形品部材の材質によって変えられる。
さらに、本体2には、端面aから端面bに貫通した雌ねじ6が設けられている。
なお、固着具1は、本実施形態では黄銅を用いているが、炭素鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、亜鉛等の比較的硬質の金属を用いても良い。」

(3)「【0017】
この際、加熱された固着具1に接する孔12の周面樹脂が軟化溶融して固着具1の本体2を包み込む状態となる。そして、軟化溶融した孔12の周面樹脂が、大径部5の方形網目ローレット凹部に充満した状態で冷却硬化し、固着具1が孔12内で固定される。」

(4)「【0020】
以上説明したように上記発明の実施の形態によれば、合成樹脂の成形品部材を変形させることなく、成形品部材に対して強固な固定強度を得ることのできる固着具を提供することができる。
大径部に形成した方形網目ローレット加工における所定深度凹部を有する台形ディンプル(台形窪み)には、成形品部材の孔の周面樹脂が軟化溶融した際、その周面樹脂が万遍なく流れ入る(溶融樹脂が流れ易い)ので冷却硬化した際の大きな固定力(引張り強度、ねじり強度)を得ることができる。
なお、方形網目ローレット加工において、所定深度凹部を有する台形ディンプル(台形窪み)に限らず、所定深度凹部を有するディンプル(窪み)で溶融樹脂が流れ易ければ台形に限らず用いることも可能である。
また、大径部に形成した方形網目ローレット加工における所定深度凹部を有する台形ディンプル(台形窪み)により、大径部の外径を従来のローレットを用いたものより小さくすることができ、成形品部材の孔に対する圧力を少なくすることができる(ボス外径の変形、割れを防ぐことができる)。
また、大径部に形成した方形網目ローレット加工における所定深度凹部を有する台形ディンプル(台形窪み)により、大径部に従来のように溝(小径部)を設ける必要がなくなる。
また、パーツフィーダーによる供給時における固着具の供給方向を一定にする必要がないようにできる(突起部3または突起部4の何れの方向からも挿入することができる)。」

4 刊行物4
同じく当審拒絶理由に引用され、本願の出願前に頒布された刊行物4(登録実用新案第3103899号公報)には、「インサートカラー」に関して、図面(特に、図2)とともに、以下の事項が記載されている。

(1)「【0009】
以下、この考案の実施の形態を図面と共に説明する。
図1において、1はインサートカラー1を示している。このインサートカラー1は金属製(例えば、冷延鋼板にニッケルメッキ処理を施したもの)で円筒状に形成されたものであり、例えば外装用のカバーなどとして用いられる樹脂部材2のボルト挿通孔(ネジ部材挿通孔)4の周囲にインサート成型で形成されたものである。ここで、インサート成型とは、前記インサートカラー1を例えば射出成型型などの型に入れた状態で樹脂を流し込んで成型する方法を意味している。」

(2)「【0011】
前記インサートカラー1は、図2に示す素材11を曲げ加工することで形成されている。前記素材11は例えば長さ約20mm、幅7mm、厚さ1.6mmの短冊状の金属製の部材であり、この上面12には溝9が形成されている。この溝9は前記素材11の対角に沿って左上から右下に渡って、例えば幅1.5mmm、長さ25.5mm、深さ0.3mmに形成されたものである。ここで、前記素材11の幅は前述の樹脂部材2の厚さと同一に設定されている。」

(3)「【0012】
そして、前記上面12において前記溝9よりも上方の余白部分13には複数正方形の凹部10が設けられている。この凹部10は例えば一辺の長さ1.2mm、深さ0.3mmに形成されたものであり、これらが3mm間隔になるように計7箇所に整列して配置されている。
前記上方の余白部と同様に、前記上面12において前記溝9よりも下方の余白部分14には前述の上方の余白部と対称位置に凹部10が整列して計7箇所に設けられている。」

第6 対比・判断
本願発明と引用発明とを対比すると、後者の「合成樹脂成形部材」は前者の「樹脂部材」に相当し、以下同様に、「ダイキャスト成形部材」は「金属部材」に、「凹部6′」は「凹部」にそれぞれ相当する。

また、後者の「ねじ付きインサートブッシュ9」と前者の「インサートカラー」とは「インサート部材」という限りで共通し、後者の「ブッシュ本体」と前者の「ナット本体」とは「部材本体」という限りで共通する。

したがって、両者は、
「樹脂部材又は金属部材に埋め込まれる金属製のインサート部材において、 円筒状に成形されてなる部材本体を有し、
前記部材本体の外周面には、凹部が配設されている、
インサート部材。」
で一致し、次の点で相違する。

〔相違点1〕
「インサート部材」及び「部材本体」について、本願発明は「インサートカラー」及び「カラー本体」であるのに対し、
引用発明は「ねじ付きインサートブッシュ9」及び「ブッシュ本体」である点。

〔相違点2〕
本願発明は、「開口形状が底面形状より大となる角錐台形状の」凹部「、又は上端面形状が底形状より小となる角錐台形状の凸部」が「前記カラー本体の高さ方向及び周方向に沿って規則的に」配設されており、「全ての前記凹部は、前記開口形状及び前記底面形状が正方形の四角錐台形状であり、前記開口形状及び前記底面形状は、前記四角形の2対の対向辺のうち一方が前記カラー本体の周方向に直交し、他方が前記カラー本体の軸方向に直交した正方形である又は、全ての前記凸部は、前記底形状及び前記上端面形状が正方形の四角錐台形状であり、前記底形状及び前記上端面形状は、前記四角形の2対の対向辺のうち一方が前記カラー本体の周方向に直交し、他方が前記カラー本体の軸方向に直交した正方形であり」、「前記凹部は、前記開口形状の各辺が1mm以上2mm以下であり、深さが0.15mm以上0.8mm以下であり、各内側面の底面に対する傾斜角が30°以上90°未満である、又は、前記凸部は、前記底形状の各辺が1mm以上2mm以下であり、高さが0.15mm以上0.8mm以下であり、外側面のカラー本体外周面に対する傾斜角が30°以上90°未満である」のに対し、
引用発明は、かかる構成を備えているか不明である点。

そこで、各相違点について検討する。
(1)相違点1について
刊行物4には、短冊状の金属製の部材を曲げ加工することでインサートカラー1を製造することが記載されており(段落【0011】)、刊行物1に記載されたねじ付きインサートブッシュ9の製造方法と共通するから、刊行物4を参酌して、引用発明の「ねじ付きインサートブッシュ9」を「インサートカラー」とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

(2)相違点2について
刊行物1には、「第2図bはブッシュの外周を構成する他の平面6で、面上には要望に応じて所定の凹部6′が塑形されて、凹部の形状又は配列は任意に形成される本考案の板材である」(3ページ10行?13行)との記載、及び「このため任意の形状の凹部を形成されるためにブッシュの合成樹脂部材に対する固着力は非常に向上してしかも安価なねじ付きインサートブッシュを提供することができる」(4ページ11行?15行)との記載がある。これらの記載によれば、引用発明の凹部6′は、合成樹脂部材に対する固着力が非常に向上するように、形状又は配列が任意に形成されるものである。

また、刊行物1の第2図b及び第3図には、凹部6′の開口形状が矩形であり、開口形状の2対の対向辺のうち一方が周方向に直交し、他方が軸方向に直交して、ブッシュ本体の高さ方向及び周方向に沿って規則的に配設されることが図示されている。

刊行物2には、「カラー20の各凹部20aの形状は四角推に限らず、他の多角推,円錐,多角柱,円柱等に変更することができる」(段落【0043】)との記載、及び「凹部20aの代わりに、カラー20の周面に多角推状等の凸部を多数突設して、該カラー20をブラケット本体10に位置決めする構成としてもよい」(段落【0043】)との記載がある。また、刊行物2の図2(a)には、凹部20aの開口形状が四角形であり、開口形状の2対の対向辺のうち一方が周方向に直交し、他方が軸方向に直交して、カラー20の高さ方向及び周方向に沿って規則的に配設されることが図示されている。

刊行物3には、固着具1の「大径部に形成した方形網目ローレット加工における所定深度凹部を有する台形ディンプル(台形窪み)には、成形品部材の孔の周面樹脂が軟化溶融した際、その周面樹脂が万遍なく流れ入る(溶融樹脂が流れ易い)ので冷却硬化した際の大きな固定力(引張り強度、ねじり強度)を得ることができる」(段落【0020】)との記載がある。ここで、刊行物3の「方形網目ローレット加工における所定深度凹部を有する台形ディンプル(台形窪み)」は、図1も参酌すると、「開口形状が底面形状より大となる角錐台形状」であって「前記開口形状及び前記底面形状が正方形の四角錐台形状」であると解される。

刊行物4には、「前記上面12において前記溝9よりも上方の余白部分13には複数正方形の凹部10が設けられている」(段落【0012】)との記載がある。

刊行物1ないし4には、上記各記載はあるものの、相違点2に係る本願発明の発明特定事項は記載されておらず、また、刊行物1ないし4に記載された事項から当業者が容易に導き出すことができたとはいえない。

したがって、本願発明は、引用発明及び刊行物2ないし4に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

また、当審では、特許請求の範囲の記載が不備であるのため、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないとの拒絶の理由を通知した。
しかしながら、平成29年8月21日の手続補正により請求項1の記載は、前記「第4」のとおり補正されたので、この拒絶の理由は解消した。

第7 原査定についての判断
本願発明は、上記相違点2に係る発明特定事項を備えるものとなっており、上記のとおり、当該発明特定事項は、刊行物1(刊行物A)及び刊行物3(刊行物D)に記載されておらず、また、原査定において周知技術を示す文献として引用された前記刊行物B及びCにも記載されていないから、刊行物AないしDから当業者が容易に導き出すことができたとはいえない。
したがって、本願発明は、刊行物AないしDから当業者が容易に発明をすることができたものではないから、原査定を維持することはできない。

第8 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び刊行物AないしDに記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-11-20 
出願番号 特願2012-134149(P2012-134149)
審決分類 P 1 8・ 537- WY (F16B)
P 1 8・ 121- WY (F16B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 保田 亨介  
特許庁審判長 中村 達之
特許庁審判官 中川 隆司
冨岡 和人
発明の名称 インサートカラー  
代理人 志賀 正武  
代理人 高橋 詔男  
代理人 鈴木 三義  

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