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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G09F |
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管理番号 | 1335012 |
審判番号 | 不服2016-13392 |
総通号数 | 217 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2018-01-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2016-09-07 |
確定日 | 2017-11-30 |
事件の表示 | 特願2012- 8067「積層導電性フイルムを備える表示装置及び積層導電性フイルム」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 8月30日出願公開、特開2012-163951〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成24年1月18日(優先権主張 平成23年1月18日 日本国)の出願であって、平成27年9月29日付けで拒絶理由が通知され、同年12月7日付けで意見書が提出され、同日付けで手続補正がなされ、平成28年6月2日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、これに対して、同年9月7日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、同時に手続補正がなされ、その後、当審において、平成29年5月1日付けで拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)が通知され、同年7月3日付けで意見書が提出され、同日付けで手続補正がなされたものである。 第2 本願発明 本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成29年7月3日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「表示パネル上に設置された積層導電性フイルムを備える表示装置であって、 前記積層導電性フイルムは、前記表示パネルの表示画面に対応した領域に配されたセンサ部と、前記表示パネルの外周部分に対応する領域に配された端子配線部とを有し、 前記積層導電性フイルムは、前記センサ部に対応した部分に、透明支持体上の一方の主面に金属製の細線による複数の第1メッシュパターンと、前記複数の第1メッシュパターンを接続する第1接続部とを有する第1導電部と、他方の主面に金属製の細線による複数の第2メッシュパターンと、前記複数の第2メッシュパターンを接続する第2接続部とを有する第2導電部とを有するタッチセンサ機能を有し、 前記第1接続部と前記第2接続部はそれぞれ同一形状を有し、 前記センサ部を上面から見たとき、同一形状の多数のメッシュ形状が敷き詰められた形態を有し、 前記メッシュ形状は、複数の交点を開口部を介して仮想的に結ぶ線と前記細線とのなす角が30°以上44°以下のひし形であることを特徴とする表示装置。」 第3 引用例 1 引用例の記載事項 当審が通知した拒絶の理由に引用され、本願の優先日前に頒布された刊行物である特開2010-39537号公報(以下「引用例」という。)には次の事項が記載されている。(下線は当審において付されたものである。) ア 「【技術分野】 【0001】 本発明は、コンピュータや電子機器のディスプレイの前面に配置されるタッチパネルに関するものである。 【背景技術】 【0002】 近年、コンピュータや電子機器において、押しボタンを用いずにディスプレイの表示を利用した操作の開発が盛んである。その操作のために、ディスプレイの前面に透明のタッチパネルを配置して、タッチ位置を検出する。タッチパネルの種類としては、抵抗膜方式、表面弾性波式、赤外線方式などがあり、指のタッチや近接による静電容量の変化で位置検出をする静電容量式もある。例えば特許文献1にはマトリクス状の電極(X方向、Y方向の2層構造)の静電容量式タッチパネルが記載されている。」 イ 「【発明が解決しようとする課題】 【0008】 本発明の目的は、ITOを使用しない2層の電極を貼り合せたタッチパネルにおいて、モアレが発生しないタッチパネルを提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0009】 タッチパネルは、基板と、前記基板の一面に形成され、一定間隔で並べられた複数の第1電極と、前記基板の他面に形成され、一定間隔で並べられ、前記複数の第1電極とで格子状になる複数の第2電極とを備える。 【0010】 本発明のタッチパネルは、上記のタッチパネルにおいて、第1電極と第2電極がそれぞれ複数の導体線によって網目を形成しており、導体線の方向がディスプレイのブラックマトリクスに対して斜め方向である。 【0011】 前記一面において、第1電極同士の間に形成された第1補助線と、前記他面において、第2電極同士の間に形成された第2補助線とを備え、前記第1電極の導体線、第1補助線、第2電極の導体線、第2補助線によって間隔が均等な1つの格子形状を形成されている。」 ウ 「【発明を実施するための最良の形態】 【0018】 本発明のタッチパネルについて図面を用いて説明する。タッチパネルは、ディスプレイの前面に取り付けられる静電容量式のタッチパネルである。ディスプレイには、縦横に格子状となったブラックマトリクスが形成されている。 【0019】 図1に示すタッチパネル10は、基板12、基板12の一面に形成された第1電極14と、基板12の他面に形成された第2電極16とを備える。説明において、基板12の一面が上方、基板12の他面が下方になり、基板12の他面がディスプレイ18に取り付けられる側の面とする。 【0020】 基板12は誘電体基板である。基板12の材料は、ガラス、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンナフタレートなどの透明材料が挙げられる。ガラスであれば厚みは約0.1?2mmであり、プラスチックフィルムであれば厚みは約10?2000μmである。 【0021】 図2に示すように、第1電極14と第2電極16は、それぞれ一定間隔で並べられる。第1電極14と第2電極16は互いに直交する方向を向いており、図3に示すように第1電極14と第2電極16とで格子状になる。 【0022】 第1電極14と第2電極16は、それぞれ複数の導体線を有し、導体線によって網目が形成されている。導体線は、長線20a,20bとその長線20a,20bと交差する複数の短線22a,22bである。長線20a,20bと短線22a,22bはそれぞれ、ディスプレイ18のブラックマトリクスに対して斜め方向を向いている。これは、導体線とブラックマトリクスが同方向を向いていると、モアレが発生しやすいためである。 【0023】 長線20a,20bは一定の長さごとに蛇行し、蛇行した箇所の各角度は同じである。この蛇行時の角度は、ディスプレイ18の縦軸または横軸に対してモアレが発生しない角度(バイアス角)である。第1電極14の長線22aと第2電極16の短線22bが同じ方向を向いており、第1電極14の短線22aと第2電極16の長線20bが同じ方向を向いている。長線20a,20bと短線22a,22bの線幅は、例えば約10?30μmである。長線20a,20bのピッチは、約200?400μmである。線幅が非常に細く、線幅に対してピッチが十分あるため、電極14,16が目立つことはなく、ディスプレイ18の表示品位を低下させにくい。 【0024】 なお、第1電極14および第2電極16によって、図4のような菱形が形成されている。本説明で格子状は、正方形ではなく菱形が形成された格子状である。長線20a,20bを蛇行させるときの角度は、ディスプレイ18の大きさなどにより適宜選択する。蛇行させることにより、ブラックマトリクスと同方向に導体線が形成されない。このことにより、後述する第1補助線24と第2補助線26もブラックマトリクスに対して傾斜することとなる。」 エ 「【0029】 図4に電極14,16および補助線24,26の拡大図を示す。白抜きの部分が基板12の一面に形成される第1電極14および第1補助線24であり、黒塗りの部分が基板12の他面に形成される第2電極16および第2補助線26である。第1補助線24は第2電極16の短線22bと同方向を向いており、第2電極16同士の間隔d2と同じ長さである。また、第2補助線26は第1電極14の短線20aと同方向を向いており、第1電極14同士の間隔d1と同じ長さである。第1補助線24と第2補助線26は、それぞれの中心で交差する。 【0030】 タッチパネル10を上方または下方から見た場合、第1補助線24と第2電極16の短線22bとで1本の線状になる。第1補助線24は一面に形成されており、第2電極16の短線22bは他面に形成されているために非接触であるが、見かけ上、線状になるように並べられている。また、第2補助線26と第1電極14の短線22aとについても同様に線状になるように並べられている。さらに、第1電極14の長線20a、第1補助線24、第2電極16の短線22bが等間隔に並び、第2電極16の長線20b、第2補助線26、第1電極14の短線22aが等間隔に並ぶ。等間隔に並ぶことにより、第1電極14などで格子が形成できる。上記のように1本の線状であるが、蛇行し、電極14,16と共に格子形状が形成できるようになっている。2つの面に形成された第1電極14や第2電極16などによって1つの格子形状が形成されており、2つの格子形状が重ね合わされて1つの格子形状のように見えるものではない。2つの格子形状を重ね合わせる場合、少しでもずれるとモアレが発生するが、本発明であればモアレの発生が防げる。」 オ 「【0047】 図7(a)、(b)に示すような、複数の網目形状をつなぎ合わせた第1電極14b、第2電極16bであってもよい。第1電極14bと第2電極16bは等間隔で並べられている。第1電極同士の間に第1電極14bに接続された第1補助線24bが設けられている。第2電極同士の間に第2電極16bに接続された第2補助線26bが設けられている。図1の基板12の一面と他面、または図5の第1基板12aと第2基板12bとに、第1電極14bや第2電極16bなどが設けられる。上記と同じように重ね合わされると、図8のように格子形状が形成される。図2と同様に、第1電極14bと第2電極16bの端部に電極16x及び14y(図示せず)が直接または間接に接続される。図7と図8に示すように、1つの格子形状を形成し、格子形状を構成する線がブラックマトリクスに対して傾斜していれば、モアレが発生しにくくなる。 【0048】 図8の場合、導体線や補助線はブラックマトリクスに対して45度の傾斜を有することとなるが、ディスプレイによっては45度でモアレが発現するため、実際に使用するディスプレイに合わせてモアレが発現しにくい傾斜角に調整する。 【0049】 図2などで説明した電極14、16や補助線24,26の構造は一例であり、(1)導体線などがディスプレイのブラックマトリクスに対して傾斜すること、(2)1枚の基板12の両面、または2枚の基板12a,12bに形成された導体線などによって、間に基板12を介して1つの格子形状が形成されること、(3)1つの格子形状を形成する際に導体線などが交差することがあっても重なり合うことがないことが重要である。」 カ「【図1】 」 キ「【図4】 」 ク「【図6】 」 ケ「【図7】 」 コ「【図8】 」 2 引用例に記載された発明 (2)上記「1」のオの【0047】及びケ(【図7】)の記載から、第1電極14b及び第2電極16bは、それぞれ複数の網目形状部をつなぎ合わせたものであり、第1電極14bのつなぎ合わせ部は概略□形を構成する補助線24bであり、第2電極16bのつなぎ合わせ部は概略×形を構成する補助線26bであることがわかる。すなわち、一方で、第1電極部14bは、複数の網目形状部と、それらの複数の網目形状部をつなぎ合わせる概略□形状の補助線とを有し、他方で、第1電極部16bは、複数の網目形状部と、それらの複数の網目形状部をつなぎ合わせる概略×形状の補助線とを有している。 また、上記「1」のコ(【図8】)から、タッチパネルを上方から見たとき、同一形状の多数の矩形(網目)が敷き詰められた格子状の形態となることがわかる。 よって、上記「1」のアないしコに摘記した記載事項を総合すると、引用例には、 「ディスプレイの前面に透明のタッチパネルを配置して、指のタッチや近接による静電容量の変化でタッチ位置検出をする表示装置において、 タッチパネルは、基板12と、前記基板の一面に形成され、一定間隔で並べられた複数の第1電極14bと、前記基板の他面に形成され、一定間隔で並べられた複数の第2電極16bとを備え、 基板12は透明材料の誘電体基板であり、 第1電極14b、第2電極16bは、それぞれ複数の網目形状部をつなぎ合わせたものであり、 第1電極部14bは、複数の網目形状部と、それらの複数の網目形状部をつなぎ合わせる概略□形状の補助線とを有し、 第2電極部16bは、複数の網目形状部と、それらの複数の網目形状部をつなぎ合わせる概略×形状の補助線とを有し、 タッチパネルを上方から見たとき、同一形状の多数の矩形が敷き詰められた格子状の形態となる表示装置。」 の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。 第4 本願発明と引用発明の対比 1 対比 本願発明と引用発明とを対比する。 引用発明の「タッチパネル」は技術常識から、本願発明の「表示パネルの表示画面に対応した領域に配されたセンサ部と、前記表示パネルの外周部分に対応する領域に配された端子配線部とを有」する構成を備えるものといえるから、引用発明の「ディスプレイの前面に透明のタッチパネルを配置して、指のタッチや近接による静電容量の変化でタッチ位置検出をする表示装置であって、タッチパネルは、基板12と、前記基板の一面に形成され、一定間隔で並べられた複数の第1電極14bと、前記基板の他面に形成され、一定間隔で並べられた複数の第2電極16bとを備え」るものが、本願発明の「表示パネル上に設置された積層導電性フイルムを備える表示装置であって、前記積層導電性フイルムは、前記表示パネルの表示画面に対応した領域に配されたセンサ部と、前記表示パネルの外周部分に対応する領域に配された端子配線部とを有し」ているものに相当する。 引用発明の「第1電極部14b」の「複数の網目形状部」及び「第2電極部16b」の「複数の網目形状部」が、それぞれ、本願発明の「複数の第1メッシュパターン」及び「複数の第2メッシュパターン」に相当する。 また、引用発明の「第1電極部14b」の「複数の網目形状部をつなぎ合わせる概略□形状の補助線」及び「第2電極部16b」の「複数の網目形状部をつなぎ合わせる概略×形状の補助線」が、それぞれ、本願発明の「複数の第1メッシュパターンを接続する第1接続部」及び「複数の第2メッシュパターンを接続する第2接続部」に相当する。 よって、引用発明の「タッチパネルは、基板12と、前記基板の一面に形成され、一定間隔で並べられた複数の第1電極14bと、前記基板の他面に形成され、一定間隔で並べられた複数の第2電極16bとを備え」、「第1電極14b、第2電極16bは、それぞれ複数の網目形状部をつなぎ合わせたものであり」、「第1電極部14bは、複数の網目形状部と、それらの複数の網目形状部をつなぎ合わせる概略□形状の補助線とを有し」、「第2電極部16bは、複数の網目形状部と、それらの複数の網目形状部をつなぎ合わせる概略×形状の補助線とを有し」ていることが、本願発明の「前記積層導電性フイルムは、前記センサ部に対応した部分に、透明支持体上の一方の主面に金属製の細線による複数の第1メッシュパターンと、前記複数の第1メッシュパターンを接続する第1接続部とを有する第1導電部と、他方の主面に金属製の細線による複数の第2メッシュパターンと、前記複数の第2メッシュパターンを接続する第2接続部とを有する第2導電部とを有するタッチセンサ機能を有し」ていることに相当する。 引用発明の「タッチパネルを上方から見たとき、同一形状の多数の矩形が敷き詰められた格子状の形態となる」ことが、本願発明の「前記センサ部を上面から見たとき、同一形状の多数のメッシュ形状が敷き詰められた形態を有している」ことに相当する。 2 一致点 したがって、本願発明と引用発明とは、 「表示パネル上に設置された積層導電性フイルムを備える表示装置であって、 前記積層導電性フイルムは、前記表示パネルの表示画面に対応した領域に配されたセンサ部と、前記表示パネルの外周部分に対応する領域に配された端子配線部とを有し、 前記積層導電性フイルムは、前記センサ部に対応した部分に、透明支持体上の一方の主面に金属製の細線による複数の第1メッシュパターンと、前記複数の第1メッシュパターンを接続する第1接続部とを有する第1導電部と、他方の主面に金属製の細線による複数の第2メッシュパターンと、前記複数の第2メッシュパターンを接続する第2接続部とを有する第2導電部とを有するタッチセンサ機能を有し、 前記センサ部を上面から見たとき、同一形状の多数のメッシュ形状が敷き詰められた形態を有している表示装置。」 の発明である点で一致し、次の各点で相違する。 3 相違点 (1)相違点1 「複数の第1メッシュパターンを接続する第1接続部」と「第2メッシュパターンを接続する第2接続部」のそれぞれの形状について、本願発明においては、「同一形状」であるのに対し、引用発明においては、同一形状ではない点。 (2)相違点2 センサ部を上面から見たときの、敷き詰められた同一形状の多数のメッシュ形状が、本願発明においては、「複数の交点を開口部を介して仮想的に結ぶ線(当審注;すなわち、ひし形の「対角線」のこと)と前記細線(当審注:すなわち、ひし形の「各辺」のこと)とのなす角が30°以上44°以下のひし形」であるのに対し、引用発明においては、その特定がない点。 第5 当審の判断 1 相違点についての検討 上記の各相違点について検討する。 (1)相違点1について メッシュパターン(引用発明においては「網目形状部」)の接続部分(引用発明においては「補助線」)の形状についての引用例の【0049】の記載は、引用発明の補助線の構造は一例にすぎないものであって、特定の条件を満たす範囲内で当業者が必要に応じて適宜設定し得るものであることを示唆する。よって、引用発明において、それぞれの補助線の関連構造については、種々の形態が選択可能であるといえることから、必要に応じて、それぞれの補助線で同一形状である形態に変更することは単なる設計的事項にすぎない。 なお、引用発明において、補助線の形状を同一形状とした場合、それに応じて、網目形状部における補助線の周辺部の修正が必要となることは当然であり、当該「網目形状部における補助線の周辺部の修正」を伴うことも含めて、それぞれの補助線(接続部分)の形状を同一形状に変更することは単なる設計的事項である。 (2)相違点2について 引用例には【0048】(上記の「第2」の「1」の「オ」参照)には 「図8の場合(当審注:すなわち、引用発明の場合)、導体線や補助線はブラックマトリクスに対して45度の傾斜を有することとなるが、ディスプレイによっては45度でモアレが発現するため、実際に使用するディスプレイに合わせてモアレが発現しにくい傾斜角に調整する」 と記載されており、引用発明において、導体線(金属線製の細線)をブラックマトリクスに対して、45度ではない角度で交差するように構成することに動機付けがある。そして、導電性フィルムにおいて導体線で形成されるメッシュ形状を菱形とすることは周知技術である(引用例の【0024】(上記の「第2」の「1」の「オ」)参照)から、導体線(金属線製の細線)をブラックマトリクスに対して45度ではない角度で交差するように構成するために、導体線で形成されるメッシュ形状を対角線と各辺とのなす角が30°以上44°以下の菱形として、上記相違点2に係る本願発明の構成を得ることは当業者が容易に想到し得ることである。 2 本願発明が奏する作用効果 本願発明が奏し得る作用効果は、引用発明から当業者が予測できる程度のものである。 3 小活 以上のとおりであるから、本願発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第6 結び 以上より、本願発明は、引用発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、その余の請求項に係る発明について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2017-10-02 |
結審通知日 | 2017-10-03 |
審決日 | 2017-10-16 |
出願番号 | 特願2012-8067(P2012-8067) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WZ
(G09F)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 請園 信博 |
特許庁審判長 |
小松 徹三 |
特許庁審判官 |
伊藤 昌哉 森林 克郎 |
発明の名称 | 積層導電性フイルムを備える表示装置及び積層導電性フイルム |
代理人 | 坂井 志郎 |
代理人 | 仲宗根 康晴 |
代理人 | 千葉 剛宏 |
代理人 | 宮寺 利幸 |
代理人 | 大内 秀治 |