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審決分類 |
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由)(定型) A61K |
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管理番号 | 1335055 |
審判番号 | 不服2015-15654 |
総通号数 | 217 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2018-01-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2015-08-24 |
確定日 | 2017-11-29 |
事件の表示 | 特願2013- 13211「単相型増白用歯みがき剤」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 5月23日出願公開,特開2013-100339〕について,次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は,成り立たない。 |
理由 |
第1 主な手続の経緯 本願は,国際出願日である平成18年9月12日(パリ条約に基づく優先権主張 平成17年9月27日,アメリカ合衆国)にされたとみなされる特許出願(特願2008-533398号)の一部を新たな特許出願とするものであって,平成27年4月21日付けで拒絶査定がされ,これに対して,同年8月24日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に特許請求の範囲及び明細書が補正され,平成29年2月21日付けで拒絶理由(以下「本件拒絶理由」という。)が通知されたものである。 第2 本願発明及び本件拒絶理由について 本願の請求項1?8に係る発明は,平成27年8月24日に補正された特許請求の範囲の請求項1?8に記載されている事項により特定されるとおりのものである。 また,本件拒絶理由の内容は,本審決末尾に掲記のとおりである。 第3 むすび 請求人は,本件拒絶理由に対して,指定期間内に特許法159条2項で準用する同法50条所定の意見書を提出するなどの反論を何らしていない。そして,本件拒絶理由を覆すに足りる根拠は見いだせず,本願は本件拒絶理由によって拒絶すべきものである。 よって,結論のとおり審決する。 以下,本件拒絶理由の内容を掲記する。 理由1.この出願は,特許請求の範囲の記載が下記の点で,特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 記 (1)本願発明について 本願請求項1?8に係る発明は,平成27年8月24日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1?8に記載された事項により特定されるものである。 (2)理由1について ア 請求項1について 請求項1について,以下の理由により,特許を受けようとする発明が明確でない。 (ア)請求項1に記載された「キャリヤー」の意味するところが明確でない。 「キャリヤー」の定義は,本願明細書には記載されておらず,技術常識を参酌しても,技術的に明確な用語ではなく,その意味するところが一義的に決まるものではない。 そうであるところ,請求項1では「キャリヤー」が,「キャリヤーが,エチレンオキシド/プロピレンオキシドのコポリマーを含み,前記エチレンオキシド/プロピレンオキシドのコポリマーがエチレンオキシド/プロピレンオキシド116/66コポリマー,エチレンオキシド/プロピレンオキシド38/8コポリマー,またはこれらの混合物を含む」と「含む」を伴った記載で特定されていることより,キャリヤーが,特定のエチレンオキシド/プロピレンオキシドのコポリマー以外の,任意成分を含むとする余地があると解される一方,同じ請求項1では「無水のキャリヤー」との記載もあって,任意成分のうち,「水」のみはキャリヤーに含まないと解するのか,キャリヤーは任意成分を含まないとするのか,判然としない。 加えていうと,請求項1を引用する請求項7では「キャリヤー中のすべての水の濃度が,4%未満である」と記載されていることからすれば,請求項1に係る発明には「キャリヤー中のすべての水の濃度が,4%以上である」場合を含むこと,すなわちキャリヤーに水が含有されている態様を含むことが間接的に示されているといえ,任意成分のうち,「水」のみはキャリヤーに含まないとした上記解釈とも矛盾する。 以上より,請求項1に記載された「キャリヤー」の意味するところが明確でない。 (イ)請求項1に記載された「無水」の意味するところが明確ではない。 請求項1は,例えば請求項7のように「キャリヤー中のすべての水の濃度が,4%未満である」との水の濃度の上限値の規定を有しないため,「キャリヤー中のすべての水の濃度が,4%以上である」ものも含むと解されるところ,そのように水を一定量以上含有する状態は,一般的に「無水」の状態とはいえない。 したがって,「無水」の意味するところが明確でない。 なお,本願明細書の【0008】の記載は,「単相型口腔ケア組成物」について説明するものであって,「キャリヤー」とは無関係であると解される。この点,請求人は意見がある場合は,注意願いたい。 (ウ)請求項1には「ホスフェート,ポリホスフェート,・・・ポリオレフィンホスフェート・・・からなる群から選択される歯石抑制薬」との記載があるが,ホスフェート,ポリホスフェート,ポリオレフィンホスフェートに含まれるものが明確でない。 すなわち,ホスフェートは,何ら限定のないリン酸塩であるため,ポリホスフェートと,ポリオレフィンフォスフェートを包括する概念であるとも解されるところ,それらが並列に記載されているため,各々に含まれるものが明確でない。 (エ)請求項1には「前記エチレンオキシド/プロピレンオキシドのコポリマーがエチレンオキシド/プロピレンオキシド116/66コポリマ-,エチレンオキシド/プロピレンオキシド38/8コポリマ-」との記載があるが,「116/66」「38/8」は何を意味しているのか不明である。 イ 請求項2?8について 請求項2?8は,請求項1の記載を直接あるいは間接的に引用するものであるから,請求項1について記載した理由(上記ア)と同様の理由により,特許を受けようとする発明が明確でない。 |
審理終結日 | 2017-06-29 |
結審通知日 | 2017-07-04 |
審決日 | 2017-07-18 |
出願番号 | 特願2013-13211(P2013-13211) |
審決分類 |
P
1
8・
537-
WZF
(A61K)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 長谷川 真一、松本 直子、松村 真里、橋本 憲一郎 |
特許庁審判長 |
須藤 康洋 |
特許庁審判官 |
小川 慶子 安川 聡 |
発明の名称 | 単相型増白用歯みがき剤 |
代理人 | 村井 康司 |