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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1335445
審判番号 不服2017-4882  
総通号数 218 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-02-23 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-04-06 
確定日 2017-12-14 
事件の表示 特願2015-109166号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 8月24日出願公開、特開2015-150462号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成26年2月12日に出願された特願2014-24813号の一部を平成27年5月28日に新たな特許出願としたものであって、平成28年5月27日付け拒絶理由通知に対して、同年7月11日付けで手続補正がなされたところ、同年12月21日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、平成29年4月6日に拒絶査定不服審判の請求がされるとともに、同日付けで手続補正(以下「本件補正」という。)がなされたものである。

第2 本件補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
本件補正を却下する。

[理由]
1 補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲を補正するものであって、特許請求の範囲の請求項1について補正前に、

(平成28年7月11日付け手続補正)
「【請求項1】
始動条件の成立により遊技情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された遊技情報に基づいて、遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定する特別遊技判定手段と、
前記取得手段により取得された遊技情報を記憶可能な記憶手段と、
前記取得手段により取得された遊技情報が前記特別遊技判定手段によって判定される前に、前記特別遊技を行うか否かを事前に判定する事前判定手段と、
所定の演出を実行する演出制御手段と、
入力手段に対する入力操作を検出する入力検出手段とを備え、
前記演出制御手段は、
前記特別遊技判定手段による判定結果に基づいて、演出図柄を変動させてから停止させることによって当該判定結果を報知する報知演出を実行し、
前記報知演出において遊技者に対して前記入力操作を促す入力示唆演出を実行可能にすると共に、当該入力示唆演出において、前記入力検出手段によって前記入力操作が検出されたことに応じて、変動中の前記演出図柄を前記特別遊技が行われることを示唆する図柄で停止させることが可能であり、
前記事前判定手段による判定結果に基づいて、複数の報知演出に跨って事前判定演出を実行可能であり、
前記事前判定演出が実行される複数の報知演出のうち、最後の報知演出において前記入力示唆演出を実行可能にし、最後の報知演出よりも前の報知演出において前記入力示唆演出を実行しない、遊技機。」
とあったものを、

(本件補正である平成29年4月6日付け手続補正)
「【請求項1】
始動条件の成立により遊技情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された遊技情報に基づいて、遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定する特別遊技判定手段と、
前記取得手段により取得された遊技情報を記憶可能な記憶手段と、
前記取得手段により取得された遊技情報が前記特別遊技判定手段によって判定される前に、前記特別遊技を行うか否かを事前に判定する事前判定手段と、
所定の演出を実行する演出制御手段と、
入力手段に対する入力操作を検出する入力検出手段とを備え、
前記演出制御手段は、
前記特別遊技判定手段による判定結果に基づいて、演出図柄を変動させてから停止させることによって当該判定結果を報知する報知演出を実行し、
前記報知演出において遊技者に対して前記入力操作を促す入力示唆演出を実行可能にし、
前記入力示唆演出において前記入力検出手段によって前記入力操作が検出されたことに応じて、変動中の前記演出図柄を前記特別遊技が行われることを示唆する図柄で停止させるときと、変動中の前記演出図柄を前記特別遊技が行われないことを示唆する図柄で停止させるときとがあり、
前記事前判定手段による判定結果に基づいて、複数の報知演出に跨って事前判定演出を実行可能であり、
前記事前判定演出が実行される複数の報知演出のうち、最後の報知演出において前記入力示唆演出を実行可能にし、最後の報知演出よりも前の報知演出において前記入力示唆演出を実行しない、遊技機。」
と補正することを含むものである(下線部は補正箇所を示す。)。

2 補正の適否
本件補正のうち特許請求の範囲の請求項1についてする補正は、補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「入力示唆演出」に関して、「前記入力検出手段によって前記入力操作が検出されたことに応じて、変動中の前記演出図柄を前記特別遊技が行われることを示唆する図柄で停止させることが可能であり」とあったものを「前記入力検出手段によって前記入力操作が検出されたことに応じて、変動中の前記演出図柄を前記特別遊技が行われることを示唆する図柄で停止させるときと、変動中の前記演出図柄を前記特別遊技が行われないことを示唆する図柄で停止させるときとがあり」と限定することを含むものである。
そして、補正後の請求項1に係る発明は、補正前の請求項1に係る発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正のうち特許請求の範囲の請求項1についてする補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。
また、本件補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の段落【0682】?【0684】、【図105】、及び、【図106】等の記載からみて、新規事項を追加するものではない。

3 独立特許要件
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するかについて、以下に検討する。

(1)本願補正発明
本願補正発明は、次のとおりのものであると認める(記号A?Kは、分説するため当審で付した。)。

「A 始動条件の成立により遊技情報を取得する取得手段と、
B 前記取得手段により取得された遊技情報に基づいて、遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定する特別遊技判定手段と、
C 前記取得手段により取得された遊技情報を記憶可能な記憶手段と、
D 前記取得手段により取得された遊技情報が前記特別遊技判定手段によって判定される前に、前記特別遊技を行うか否かを事前に判定する事前判定手段と、
E 所定の演出を実行する演出制御手段と、
F 入力手段に対する入力操作を検出する入力検出手段とを備え、
G 前記演出制御手段は、
前記特別遊技判定手段による判定結果に基づいて、演出図柄を変動させてから停止させることによって当該判定結果を報知する報知演出を実行し、
H 前記報知演出において遊技者に対して前記入力操作を促す入力示唆演出を実行可能にし、
I 前記入力示唆演出において前記入力検出手段によって前記入力操作が検出されたことに応じて、変動中の前記演出図柄を前記特別遊技が行われることを示唆する図柄で停止させるときと、変動中の前記演出図柄を前記特別遊技が行われないことを示唆する図柄で停止させるときとがあり、
J 前記事前判定手段による判定結果に基づいて、複数の報知演出に跨って事前判定演出を実行可能であり、
K 前記事前判定演出が実行される複数の報知演出のうち、最後の報知演出において前記入力示唆演出を実行可能にし、最後の報知演出よりも前の報知演出において前記入力示唆演出を実行しない、遊技機。」

(2)引用文献に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用された、本願の原出願の出願前に頒布された刊行物である特開2012-45220号公報(以下「引用文献1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。

ア 「【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、入賞検知手段に遊技球が入賞検知されたことを契機に、複数種類の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームを表示する演出実行手段を備え、前記図柄変動ゲームにおいて予め定めた大当り表示結果が表示された場合には、特別入賞手段が開閉動作する大当り遊技が生起される遊技機において、前記入賞検知手段による遊技球の入賞検知を契機に大当り判定用乱数及び変動内容特定用乱数の値を取得する乱数取得手段と、前記入賞検知手段によって遊技球が入賞検知される毎に、実行が保留されている図柄変動ゲーム数を示す始動保留球を、前記乱数取得手段が取得した各種乱数と対応付けて記憶することができる保留球記憶手段と、前記図柄変動ゲームの開始時に、前記乱数取得手段が取得した大当り判定用乱数に基づき、当該図柄変動ゲームにて大当り表示結果が表示されるか否かを判定する大当り判定を実行する大当り判定手段と、前記大当り判定手段の判定結果及び前記大当り判定時に使用した大当り判定用乱数と共に取得した変動内容特定用乱数に基づいて図柄変動ゲームの変動内容を特定する変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、前記保留球記憶手段に記憶されている始動保留球の数に基づき、実行が保留されている図柄変動ゲーム数を示す先読みコマンドを出力する先読みコマンド出力手段と、入力した先読みコマンドに基づき、実行が保留されている図柄変動ゲームが大当りとなる可能性を複数回の図柄変動ゲームに亘って示唆する保留予告演出を実行させる予告制御手段と、前記変動パターン決定手段が決定した変動パターンに基づき、図柄変動ゲームを実行させる演出制御手段と、遊技者により操作可能な操作手段と、を備え、前記先読みコマンド出力手段は、前記入賞検知手段による遊技球の入賞検知を契機に、取得した大当り判定用乱数及び変動内容特定用乱数に基づいて図柄変動ゲームの変動内容を特定し、保留されている図柄変動ゲーム数と共に先読みコマンドにて出力し、前記予告制御手段は、保留予告演出中、図柄変動ゲームの変動内容を示す1又は複数種類の示唆画像を、保留されている図柄変動ゲーム数分、図柄変動ゲーム毎に表示させるように構成され、前記演出制御手段は、保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームにおいて、保留予告演出中に表示された示唆画像を選択肢として順番に表示させ、前記操作手段が操作されたとき、先読みコマンドにより指定された変動内容を示す示唆画像を選択肢として表示させ、選択肢として表示させた示唆画像が示す変動内容にて図柄変動ゲームを実行させる選択演出を実行させることを要旨とする。」

イ 「【0012】
以下、本発明をパチンコ遊技機に具体化した一実施形態を図1?図11にしたがって説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の演出実行手段としての画像表示部GHを有する演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される。本実施形態において演出表示装置11の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置11の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。
【0013】
また、演出表示装置11の右下には、7セグメント型の特別図柄表示装置12が配設されている。特別図柄表示装置12では、複数種類の特別図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特別図柄は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。
【0014】
そして、演出表示装置11には、特別図柄表示装置12の表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特別図柄表示装置12に大当りを認識し得る大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。また、特別図柄表示装置12にはずれを認識し得るはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。
・・・
【0016】
また、演出表示装置11の下方には、遊技球の入球口14aを有する入賞検知手段としての始動入賞口14が配置されている。始動入賞口14の各奥方には、入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW1(図2に示す)が配設されている。始動入賞口14は、入球した遊技球を検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。なお、図示しない発射装置により遊技盤10上に発射された遊技球の一部は、遊技盤10を流下する際、遊技盤10上に配置された遊技釘等により始動入賞口14に誘導されるようになっている。
・・・
【0019】
また、特別図柄表示装置12の左下方には、複数個(本実施形態では4個)の特別図柄保留発光部を備えた特別図柄保留記憶表示装置Raが配設されている。特別図柄保留記憶表示装置Raは、機内部で記憶した特別図柄用の始動保留球の記憶数(以下、「保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。保留記憶数は、遊技盤10に配設した始動入賞口14に遊技球が入球することで1加算される一方で、図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口14へ遊技球が入球すると、保留記憶数はさらに加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積される。」

ウ 「【0029】
はずれリーチ演出用の変動パターンP2?P5は、変動内容にリーチ演出が含まれており、リーチ形成後、最終停止図柄が導出されるまでの変動内容が異なる「リーチR1?R4」を含む。同様に、大当り演出用の変動パターンP6?P9は、変動内容にリーチ演出が含まれており、リーチ形成後、最終停止図柄が導出されるまでの変動内容が異なる「リーチR1?R4」を含む。なお、本実施形態では、リーチR1→リーチR2→リーチR3→リーチR4の順番で、リーチR4が実行されたときにおける図柄変動ゲームの大当り期待度が高くなるように設定されている。すなわち、大当りとなるとき、リーチR1→リーチR2→リーチR3→リーチR4の順番で、リーチR4を変動内容に含む変動パターンが一番決定される可能性が高くなっている。また、はずれとなるとき、リーチR4→リーチR3→リーチR2→リーチR1の順番で、リーチR1を変動内容に含む変動パターンが一番決定される可能性が高くなっている。」

エ 「【0034】
以下、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。最初に、特別図柄入力処理について図4に従って説明する。
【0035】
主制御用CPU30aは、始動入賞口14に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップS1)。ステップS1において主制御用CPU30aは、始動口スイッチSW1が遊技球を検知した時に出力する検知信号を入力したか否かを判定する。ステップS1の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。ステップS1の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップS2)。ステップS2の判定結果が否定(保留記憶数=4)の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
・・・
【0037】
続いて、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値、リーチ判定用乱数の値、特図振分用乱数の値及び変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を保留記憶数に対応付けられた主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する(ステップS4)。その後、主制御用CPU30aは、後に詳細に説明するコマンド設定処理を実行し(ステップS5)、特別図柄入力処理を終了する。コマンド設定処理とは、特別図柄入力処理において始動入賞口14で検知されたときに取得した大当り判定用乱数の値、リーチ判定用乱数及び変動パターン振分用乱数の値を事前判定し、その事前判定の結果を指示する事前判定コマンド(先読みコマンド)を決定及び出力するための処理となっている。
【0038】
次に、コマンド設定処理について図5に従って説明する。
まず、主制御用CPU30aは、ステップS4で取得した大当り判定用乱数の値と大当り判定値を比較し、両値が一致するか否かを判定する(ステップS11)。ステップS11の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、検知した始動保留球に基づく図柄変動ゲーム(保留予告演出の対象となる図柄変動ゲーム)が、大当りとなることを事前に認識することになる。
【0039】
次に、主制御用CPU30aは、保留予告演出を実行させるか否かを予告抽選にて判定する(ステップS12)。なお、ステップS12では、ステップS3における書き換え後の保留記憶数が「4」である場合には、170/233の確率で肯定判定され、ステップS3における書き換え後の保留記憶数が「3」である場合には、150/233の確率で肯定判定されるようになっている。また、ステップS3における書き換え後の保留記憶数が「2」である場合には、120/233の確率で肯定判定され、ステップS3における書き換え後の保留記憶数が「1」である場合には、0/233の確率で肯定判定される(必ず否定判定される)ようになっている。すなわち、保留記憶数が多いほど、保留予告演出が実行される可能性が高くなっている。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、保留予告演出の実行可を決定する。
・・・・・
【0043】
一方、ステップS11の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、検知した始動保留球に基づく図柄変動ゲームが、大当りとならないことを事前に認識することになる。そして、主制御用CPU30aは、ステップS4で取得したリーチ判定用乱数の値が、保留記憶数「3」の時におけるリーチ判定値の範囲(0?2)内であるか否かを判定する(ステップS16)。この判定により、図柄変動ゲーム開始時の保留記憶数の値に係わらず、リーチ演出が確実に実行されるか否かを判定することができる。
【0044】
ステップS16の判定結果が肯定の場合(リーチ演出が必ず実行される場合)、主制御用CPU30aは、保留予告演出を実行させるか否かを予告抽選により判定する(ステップS17)。なお、ステップS17では、ステップS3における書き換え後の保留記憶数が「4」である場合には、70/233の確率で肯定判定され、ステップS3における書き換え後の保留記憶数が「3」である場合には、100/233の確率で肯定判定されるようになっている。また、ステップS3における書き換え後の保留記憶数が「2」である場合には、110/233の確率で肯定判定され、ステップS3における書き換え後の保留記憶数が「1」である場合には、0/233の確率で肯定判定される(必ず否定判定される)ようになっている。すなわち、はずれとなる場合、保留記憶数が少ないほど、保留予告演出が実行される可能性が高くなっている(保留記憶数が「1」の場合は例外)。また、保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームの変動内容がはずれリーチ演出である場合、大当り演出である場合よりも、保留予告演出が実行される確率が低くなっている。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、保留予告演出の実行可を決定する。」

オ 「【0056】
そして、特別図柄開始処理において特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、決定事項にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで演出制御用CPU31aに出力するように送信バッファにセットする。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU30aは、特別図柄を変動させる特図変動ゲームを実行させるように特別図柄表示装置12を制御する。また、主制御用CPU30aは、決定した特別図柄を指示する特別図柄用の停止図柄指定コマンドを変動パターン指定コマンドと共に出力する。そして、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている演出時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する図柄停止コマンドを演出時間の経過に伴って出力する。また、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている演出時間の経過時に指示した特別図柄を確定停止表示させるように特別図柄表示装置12を制御する。以上により、本実施形態の主制御用CPU30aが、変動パターンを決定する変動パターン決定手段となる。
・・・
【0059】
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
演出制御用CPU31aは、制御コマンドを入力すると、入力した制御コマンドに応じた処理を実行する。例えば、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該コマンドに指示される変動パターンに対応する変動内容をもとに、画像表示用データを選択する。また、演出制御用CPU31aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力すると、当該コマンドにしたがって演出表示装置11に確定停止表示させる飾り図柄を生成する。具体的に言えば、演出制御用CPU31aは、特別図柄として大当りに対応する大当り図柄が指示されている場合、飾り図柄として大当りの図柄組み合わせを生成する。
【0060】
その一方で、演出制御用CPU31aは、特別図柄としてはずれ図柄が指示されている場合、飾り図柄としてはずれの図柄組み合わせを生成する。このとき、演出制御用CPU31aは、はずれリーチ演出用の変動パターンが指示されている場合、飾り図柄として、リーチ図柄を含むはずれの図柄組み合わせを生成する。その一方、演出制御用CPU31aは、はずれ演出用の変動パターンが指示されている場合、飾り図柄として、リーチ図柄を含まないはずれの図柄組み合わせを生成する。
【0061】
そして、演出制御用CPU31aは、画像表示用データをもとに図柄変動ゲームを画像表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御するとともに、図柄変動ゲーム中に図柄停止コマンドを入力すると、生成した飾り図柄を演出表示装置11に確定停止表示させて図柄変動ゲームを終了させる。
・・・
【0063】
次に、演出制御用CPU31aが、遊技球の入球検知時に出力された事前判定コマンドに基づき、保留予告演出を実行させるための保留予告演出設定処理について図7に従って説明する。この保留予告演出設定処理は、遊技球の入賞検知に基づく保留指定コマンド及び事前判定コマンドを入力する毎に(保留記憶数が増加する毎に)、実行されるようになっている。
・・・
【0071】
そして、演出制御用CPU31aは、保留予告演出の演出内容を特定する保留予告パターンを決定する(ステップS105)。前記保留予告パターンは、表示させる示唆画像を示すパターンであり、図8に示すように、保留予告演出回数毎に表示させる示唆画像を特定することができる。例えば、保留予告パターンYP13である場合、保留予告演出回数が「3」であるときにリーチR1を示す示唆画像K1が表示される。また、保留予告演出回数が「2」であるとき示唆画像K1?K4の中から選択された示唆画像が表示される。また、保留予告演出回数が「1」であるとき示唆画像K1?K4の中から選択された示唆画像が表示される。なお、示唆画像K1は、リーチR1を示す画像であり、例えば、リーチR1中に出現するキャラクタなどにより構成される。同様に、示唆画像K2は、リーチR2を示す画像であり、示唆画像K3は、リーチR3を示す画像であり、示唆画像K4は、リーチR4を示す画像である。
【0072】
また、保留予告パターンは、図8に示すように、保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームの変動内容毎に保留予告パターン振分テーブルが異なっている。例えば、保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームの変動内容にリーチR1が含まれることを示す変動パターンP2,P6が指定された場合、図8(a)の保留予告パターン振分テーブルYT1を参照して保留予告パターンが決定される。なお、図8(a)に示すように、リーチR1に対応付けられた保留予告パターン振分テーブルYT1に含まれる保留予告パターンYP11?YP19には、いずれかのタイミングでリーチR1を示す示唆画像K1が表示されるようになっている。同様に、保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームの変動内容にリーチR2が含まれることを示す変動パターンP3,P7が指定された場合、図8(b)の保留予告パターン振分テーブルYT2を参照して保留予告パターンが決定される。図8(b)に示すように、リーチR2に対応付けられた保留予告パターン振分テーブルYT2に含まれる保留予告パターンYP21?YP29には、いずれかのタイミングでリーチR2を示す示唆画像K2が表示されるようになっている。また、保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームの変動内容にリーチR3が含まれることを示す変動パターンP4,P8が指定された場合、図8(c)の保留予告パターン振分テーブルYT3を参照して保留予告パターンが決定される。図8(c)に示すように、リーチR3に対応付けられた保留予告パターン振分テーブルYT3に含まれる保留予告パターンYP31?YP39には、いずれかのタイミングでリーチR3を示す示唆画像K3が表示されるようになっている。同様に、保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームの変動内容にリーチR4が含まれることを示す変動パターンP5,P9が指定された場合、図8(d)の保留予告パターン振分テーブルYT4を参照して保留予告パターンが決定される。図8(d)に示すように、リーチR4に対応付けられた保留予告パターン振分テーブルYT4に含まれる保留予告パターンYP41?YP49には、いずれかのタイミングでリーチR4を示す示唆画像K4が表示されるようになっている。」

カ 「【0081】
以上により、本実施形態の演出制御用CPU31aは、予告制御手段となる。また、演出制御用CPU31aが、演出制御手段となる。
次に、保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームでは、選択演出が実行される。選択演出は、図11に示すように、保留予告演出中に表示された示唆画像が選択肢として順番に表示され、操作ボタン20が操作された後、保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームの変動内容を示す示唆画像が選択肢となるように停止表示される演出である。このため、遊技者の操作に基づき、選択肢が選択されたように思わせることができ、あたかも遊技者が変動内容を決定しているかのように見せることができる。
・・・・・
【0084】
ステップS201の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、保留予告演出中、継続して表示した示唆画像上に、選択カーソルSKを順番に表示させる。すなわち、演出制御用CPU31aは、示唆画像を選択肢として示すように選択カーソルSKを表示する。本実施形態では、図11(g)?(i)に示すように、選択カーソルSKは、示唆画像を囲むように表示されている。また、選択カーソルSKは、所定時間(例えば、0.2秒毎)に選択肢として示す示唆画像を変更するように表示される。つまり、選択カーソルSKが、異なる示唆画像を示すように移動する。
【0085】
その状態で、演出制御用CPU31aは、操作ボタン20の操作有効期間を開始させるように設定する(ステップS203)。その後、演出制御用CPU31aは、操作有効期間中であるか否かを判定する(ステップS204)。この判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、操作ボタン20が操作されたか(操作信号を入力したか)否かを判定する(ステップS205)。この判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンを示す示唆画像(最終停止示唆画像)を選択肢として示す位置に選択カーソルSKを移動させ、当該示唆画像を選択された選択肢とするように選択カーソルSKを停止表示させる(ステップS206)。つまり、操作有効期間中、どのタイミングで操作ボタン20が操作されたとしても、選択カーソルSKの移動速度が調節されて、最終停止示唆画像上に停止表示されるようになっている。その際、選択カーソルSKが最終停止示唆画像を唐突に示さないように、選択カーソルSKの移動速度を調整(移動速度を遅くする又は早くする)して、違和感なく移動させる。これにより、操作ボタン20の操作に応じて、選択カーソルSKが停止して、示唆画像が選択されたように遊技者に思わせることができる。その一方で、事前判定コマンドが指定した変動内容、すなわち、保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームの変動内容を示す示唆画像が選択肢として表示されることとなる。」

キ 「【0087】
以下、保留予告演出及び選択演出の実行態様について図11に従って説明する。
図11では、保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームが、大当り演出用の変動パターンP8に基づいて行われるものとして説明する。また、図11(a)において、保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームは、保留記憶数「3」に相当するゲームであるとして(保留予告演出回数が「3」であるとして)説明する。また、図11(a)において、大当り演出用の変動パターンP8であること、及び保留記憶数「3」であることを指定し、保留予告演出の実行可を特定する事前判定コマンドを入力しているものとして説明する。図11では、保留予告パターンYP45が選択されるものとして説明する。また、保留予告演出回数が「3」のときには、示唆画像K1が表示され、保留予告演出回数が「2」のときには、示唆画像K2が表示されるものとして説明する。
【0088】
図柄変動ゲームが終了し(図11(a)参照)、図柄変動ゲームが開始されると、保留記憶数が1減算されると共に、前提より保留予告パターンYP45に基づき、示唆画像K1が表示される(図11(b)参照)。すなわち、保留予告パターンYP45において、保留予告演出回数「3」に対応する示唆画像K1?K4の中から前提より示唆画像K1が決定され、表示される。
【0089】
そして、前提より図柄変動ゲームがはずれとなって終了する(図11(c)参照)。その後、次の図柄変動ゲームが開始されると、保留記憶数が1減算されると共に、前提より保留予告パターンYP45に基づき、示唆画像K2が表示される(図11(d)参照)。すなわち、保留予告パターンYP45において、保留予告演出回数「2」に対応する示唆画像K1?K4の中から前提より示唆画像K2が決定され、表示される。これにより、示唆画像K1,K2が画像表示部GHに表示される。
【0090】
そして、前提より図柄変動ゲームがはずれとなって終了する(図11(e)参照)。その後、保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームが開始されると、保留記憶数が1減算されると共に、前提より保留予告パターンYP45に基づき、示唆画像K4が表示される(図11(f)参照)。すなわち、保留予告パターンYP45において、保留予告演出回数「1」に対応する最終停止示唆画像としての示唆画像K4が表示される。これにより、示唆画像K1,K2,K4が画像表示部GHに表示される。
【0091】
そして、当該図柄変動ゲームにおいて、選択演出が開始される。すなわち、それまでに表示された示唆画像K1,K2,K4を選択肢として示すように、所定時間ずつ、順番に選択カーソルSKが表示される(図11(g)?図11(i)参照)。そして、操作有効期間中に、遊技者が操作ボタン20を操作すると、選択カーソルSKが最終停止示唆画像となる示唆画像K4上に停止表示する(図11(i))。なお、操作有効期間中、どのタイミングで操作ボタン20が操作されたとしても、選択カーソルSKの移動速度が調節されて最終停止示唆画像となる示唆画像K4上に停止表示されるようになっている。その後、前提より、リーチの図柄組み合わせが表示され(図11(k)参照)、リーチR4が開始されて図柄変動ゲームが大当りとなる。」

ク 【0087】の「図11では、保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームが、大当り演出用の変動パターンP8に基づいて行われるものとして説明する。」との記載、及び、図11(k)の図示内容から、引用文献1には、保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームにおいて、画像表示部GHに左図柄と右図柄に「5」が表示され、中図柄に変動中を表す下向き矢印が表示され、上部に示唆画像K4が表示されたことが示されている。

ケ 【0072】の「保留予告パターンは、図8に示すように、保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームの変動内容毎に保留予告パターン振分テーブルが異なっている。」との記載、及び、【図3】?【図8】の図示内容から、引用文献1には、保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームにおいて、はずれリーチR1の場合に示唆画像K1が選択される可能性のあることが示されている。

上記ア?ケに基づき、引用文献1に記載された事項について、以下に検討する。
(a)【0006】には、「前記入賞検知手段による遊技球の入賞検知を契機に大当り判定用乱数及び変動内容特定用乱数の値を取得する乱数取得手段」と記載されている。
また、【0016】には、「入賞検知手段としての始動入賞口14」と記載され、【0019】には、「遊技盤10に配設した始動入賞口14」と記載されている。
したがって、引用文献1には、「遊技盤10に配設した始動入賞口14からなる入賞検知手段による遊技球の入賞検知を契機に大当り判定用乱数の値を取得する乱数取得手段」が記載されていると認められる。

(b)【0006】には、「前記図柄変動ゲームの開始時に、前記乱数取得手段が取得した大当り判定用乱数に基づき、当該図柄変動ゲームにて大当り表示結果が表示されるか否かを判定する大当り判定を実行する大当り判定手段」と記載されているから、引用文献1には、「図柄変動ゲームの開始時に、前記乱数取得手段が取得した大当り判定用乱数に基づき、図柄変動ゲームにて大当り表示結果が表示されるか否かを判定する大当り判定を実行する大当り判定手段」が記載されていると認められる。

(c)【0037】には、「・・・大当り判定用乱数の値・・・を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を保留記憶数に対応付けられた主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する」と記載されている。
そして、【0035】には、「主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する」と記載され、保留記憶数の上限数が4であることが示されている。
また、【0006】には、「大当り判定用乱数・・・の値を取得する乱数取得手段」と記載され、乱数取得手段が大当り判定用乱数の値を取得することが示されている。
したがって、引用文献1には、「前記乱数取得手段により取得された大当り判定用乱数の値が設定され、上限数が4である保留記憶数に対応付けられた所定の記憶領域を有する主制御用RAM30c」が記載されていると認められる。

(d)【0037】には、「主制御用CPU30aは、後に詳細に説明するコマンド設定処理を実行し」、「コマンド設定処理とは、特別図柄入力処理において始動入賞口14で検知されたときに取得した大当り判定用乱数の値・・・を事前判定し、その事前判定の結果を指示する事前判定コマンド(先読みコマンド)を決定及び出力するための処理となっている。」と記載されている。
また、【0038】には、「次に、コマンド設定処理について図5に従って説明する。」、「まず、主制御用CPU30aは、ステップS4で取得した大当り判定用乱数の値と大当り判定値を比較し、両値が一致するか否かを判定する(ステップS11)。」と記載されている。
さらに、【0006】には、「大当り判定用乱数・・・の値を取得する乱数取得手段」と記載され、乱数取得手段が大当り判定用乱数の値を取得することが示されている。
したがって、引用文献1には、「乱数取得手段により取得された大当り判定用乱数の値と大当たり判定値を比較し、両値が一致するか否かを事前判定する主制御用CPU30a」が記載されていると認められる。

(e)【0006】には、「・・・図柄変動ゲームを実行させる演出制御手段」と記載され、【0081】には、「演出制御用CPU31aが、演出制御手段となる。」と記載されている。
そして、【0012】には、「演出表示装置11には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される。」と記載されている。
また、【0013】には、「特別図柄表示装置12では、複数種類の特別図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特別図柄は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。」と記載され、【0014】には、「そして、演出表示装置11には、特別図柄表示装置12の表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特別図柄表示装置12に大当りを認識し得る大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。また、特別図柄表示装置12にはずれを認識し得るはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。」と記載されているから、引用文献1には要するに、図柄変動ゲームにおいて、演出表示装置11には、大当りか否かの内部抽選の結果を示す表示結果が表示されることが記載されているといえる。
したがって、引用文献1には、「大当りか否かの内部抽選の結果を示す表示結果が表示される、図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを演出表示装置11に画像表示させる演出制御用CPU31a」が記載されていると認められる。

(f)【0085】には、「演出制御用CPU31aは、操作ボタン20が操作されたか(操作信号を入力したか)否かを判定する(ステップS205)。」と記載されている。
そして、操作ボタン20が押下操作されると、操作ボタン20が操作されたことを示す操作信号が入力されることから、引用文献1に記載された遊技機が、「操作ボタン20が操作されたことを検出する検出手段」を備えることは明らかである。

(g)【0006】には、「・・・大当り判定手段の判定結果・・・に基づいて・・・変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、・・・」が記載されている。
そして、【0056】には、「・・・変動パターンを指示する・・・変動パターン指定コマンド・・・」という記載がある。
また、【0059】には、「演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、・・・画像表示用データを選択する」ことが記載されている。
さらに、【0061】には、「演出制御用CPU31aは、画像表示用データをもとに図柄変動ゲームを画像表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御するとともに、・・・生成した飾り図柄を演出表示装置11に確定停止表示させて図柄変動ゲームを終了させる。」ことが記載されている。

したがって、引用文献1には、「演出制御用CPU31aは、大当り判定手段の判定結果に基づいて決定された変動パターンを指示する変動パターン指定コマンドが入力されると、図柄変動ゲームを画像表示させ、生成した飾り図柄を確定停止表示させて図柄変動ゲームを終了させる。」ことが記載されていると認められる。

(h)【0006】には、「前記演出制御手段は、保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームにおいて、保留予告演出中に表示された示唆画像を選択肢として順番に表示させ、前記操作手段が操作されたとき、先読みコマンドにより指定された変動内容を示す示唆画像を選択肢として表示させ、選択肢として表示させた示唆画像が示す変動内容にて図柄変動ゲームを実行させる選択演出を実行させる」と記載されている。
そして、【0081】には、「演出制御用CPU31aが、演出制御手段となる。」と記載されており、上記の段落【0006】の記載から、演出制御手段は選択演出を実行させるから、演出制御用CPU31aも同様に選択演出を実行するといえる。
また、【0081】には、「保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームでは、選択演出が実行される。」ことが記載されている。
さらに、【0087】には、「以下、保留予告演出及び選択演出の実行態様について図11に従って説明する。」と記載され、【0088】?【0091】には、図柄変動ゲームが開始されると示唆画像K1が表示され、次の図柄変動ゲームが開始されると、示唆画像K1に加えて示唆画像K2が表示され、その後、保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームが開始されると、示唆画像K1、K2に加えて示唆画像K4が表示され、これにより、示唆画像K1,K2,K4が表示され、当該図柄変動ゲームにおいて、選択演出が開始され、保留予告演出中に表示された示唆画像K1,K2,K4を選択肢として示すように、所定時間ずつ順番に選択カーソルSKが表示され、操作有効期間中に遊技者が操作ボタン20を操作すると、選択カーソルSKが示唆画像K4上に停止表示し、その後、リーチの図柄組み合わせが表示され、リーチR4が開始されることが記載されている。
また、【0084】には、「演出制御用CPU31aは、示唆画像を選択肢として示すように選択カーソルSKを表示する。・・・選択カーソルSKが、異なる示唆画像を示すように移動する。」と記載され、【0085】には、「その状態で、演出制御用CPU31aは、操作ボタン20の操作有効期間を開始させるように設定する」と記載されているから、選択カーソルSKが表示されると、操作ボタン20の操作有効期間を開始させるように設定することが示されている。

したがって、引用文献1には、「演出制御用CPU31aは、保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームにおいて、保留予告演出中に表示された示唆画像を選択肢として示すように、所定時間ずつ順番に選択カーソルSKが異なる示唆画像を示すように移動させるが、この状態で、操作ボタン20の操作有効期間を開始させる選択演出を実行する」ことが記載されていると認められる。

(i)【0088】?【0091】には、上記(h)で抽出した点が記載されている。
そして、【0085】には、「操作ボタン20の操作に応じて、選択カーソルSKが停止して、示唆画像が選択されたように遊技者に思わせることができる。その一方で、事前判定コマンドが指定した変動内容、すなわち、保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームの変動内容を示す示唆画像が選択肢として表示されることとなる。」と記載され、
【0029】には、「本実施形態では、リーチR1→リーチR2→リーチR3→リーチR4の順番で、リーチR4が実行されたときにおける図柄変動ゲームの大当り期待度が高くなるように設定されている。」と記載され、リーチR4が最も大当り期待度が高いこと、及び、リーチR1が最も大当り期待度が低いことが示されており、
【0071】には、「示唆画像K1は、リーチR1を示す画像であり、」、「示唆画像K4は、リーチR4を示す画像である。」と記載され、
【0091】には、「選択カーソルSK・・・が・・・示唆画像K4上に停止表示されるようになっている。・・・リーチR4が開始されて図柄変動ゲームが大当りとなる。」と記載されている。
これらの記載、及び上記ケの記載から、引用文献1には、
イ:「「選択カーソルSKが示唆画像K4上に停止表示した場合、保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームの変動内容が最も大当り期待度の高いリーチR4であること」を示すこと、及び、
ロ:「選択カーソルSKが示唆画像K1上に停止表示した場合、保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームの変動内容が最も大当り期待度の低いリーチR1であること」を示すことが記載されているといえる。
また、上記(ク)によれば、図11(k)には、保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームにおいて、左図柄と右図柄に「5」が表示され、中図柄に変動中を表す下向き矢印が表示され、上部に示唆画像K4が表示された画像表示部GHが図示されているから、リーチの図柄組合せが示唆画像K4とともに表示されることが示されているといえる。
また、【0006】には、「・・・選択肢として表示させた示唆画像が示す変動内容にて図柄変動ゲームを実行させる選択演出を実行させる」と記載され、いずれの示唆画像(K1?K4)が選択された場合でも、示唆画像(K1?K4)に対応した図柄変動ゲームが行われることが記載されている。
このことから、保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームにおいて、示唆画像K1が選択され、リーチR1の図柄変動ゲームが実行される場合についても、示唆画像K4が選択され、リーチR4の図柄変動ゲームと同様の変動表示が行われるものといえる。
さらに、【0091】の「・・・リーチR4が開始されて図柄変動ゲームが大当りとなる。」との記載、【0059】の「演出制御用CPU31aは、特別図柄として大当りに対応する大当り図柄が指示されている場合、飾り図柄として大当りの図柄組み合わせを生成する。」との記載、【0060】の「演出制御用CPU31aは、特別図柄としてはずれ図柄が指示されている場合、飾り図柄としてはずれの図柄組み合わせを生成する。」との記載、及び、【0061】の「演出制御用CPU31aは、・・・生成した飾り図柄を演出表示装置11に確定停止表示させて図柄変動ゲームを終了させる。」との記載からみて、引用文献1には、「リーチR4が開始されて、飾り図柄として大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させて、図柄変動ゲームが大当りとなる。」こと、及び、「リーチR1が開始されて、飾り図柄としてはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させて、図柄変動ゲームがはずれとなる。」ことが記載されているといえる。

したがって、引用文献1には、「演出制御用CPU31aは、保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームにおいて、選択演出を開始し、遊技者が操作ボタン20を操作すると、
選択カーソルSKを示唆画像K4上に停止表示させて、保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームの変動内容が最も大当り期待度の高いリーチR4であることを示し、その後、リーチの図柄組み合わせを示唆画像K4とともに表示させてリーチR4を開始させ、飾り図柄として大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させるときと、
選択カーソルSKを示唆画像K1上に停止表示させて、保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームの変動内容が最も大当り期待度の低いリーチR1であることを示し、その後、リーチの図柄組み合わせを示唆画像K1とともに表示させてリーチR1を開始させ、飾り図柄としてはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるときがある」ことが記載されていると認められる。

(j)【0006】には、「入力した先読みコマンドに基づき、実行が保留されている図柄変動ゲームが大当りとなる可能性を複数回の図柄変動ゲームに亘って示唆する保留予告演出を実行させる予告制御手段」、「前記予告制御手段は、保留予告演出中、図柄変動ゲームの変動内容を示す1又は複数種類の示唆画像を、保留されている図柄変動ゲーム数分、図柄変動ゲーム毎に表示させるように構成され、」と記載されている。
そして、【0063】には、「演出制御用CPU31aが、遊技球の入球検知時に出力された事前判定コマンドに基づき、保留予告演出を実行させる」ことが記載されている。
また、【0087】には、「以下、保留予告演出及び選択演出の実行態様について図11に従って説明する。」と記載され、【0088】?【0091】には、上記(h)で抽出した点が記載されている。
このことから、ここでの示唆画像K1が表示される図柄変動ゲームと示唆画像K1、K2が表示される次の図柄変動ゲームは、保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームよりも前に実行される図柄変動ゲームであるといえる。
したがって、引用文献1には、「演出制御用CPU31aは、事前判定コマンドに基づき、保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームより前に実行される図柄変動ゲームから保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームまでの複数回の図柄変動ゲームに亘って、図柄変動ゲームの変動内容を示す示唆画像を表示させる保留予告演出を実行させる」ことが記載されていると認められる。

(k)【0088】?【0091】には、上記(h)で抽出した点が記載されている。
そして、保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームにおいて選択演出が開始されることから、保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームよりも前に実行される、示唆画像K1が表示される図柄変動ゲームと示唆画像K2が表示される図柄変動ゲームでは、選択演出が実行されないことは明らかである。
また、上記(j)で検討したとおり、保留予告演出は「図柄変動ゲームの変動内容を示す示唆画像を表示させる」ものであり、また、上記(h)で検討したとおり、選択演出は「保留予告演出中に表示された示唆画像を選択肢として示すように、所定時間ずつ順番に選択カーソルSKを異なる示唆画像を示すように移動」させるものであるから、選択演出は保留予告演出に関連するものであるということができる。
したがって、引用文献1には、「演出制御用CPU31aは、保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームにおいて、保留予告演出に関連する選択演出を実行させ、保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームよりも前に実行される図柄変動ゲームにおいて、保留予告演出に関連する選択演出を実行させない」ことが記載されていると認められる。

上記ア?ケの記載事項、及び、上記(a)?(k)の認定事項を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる(記号a?kは、本願補正発明の記号A?Kに対応させて付した。)。
「a 遊技盤10に配設した始動入賞口14からなる入賞検知手段による遊技球の入賞検知を契機に大当り判定用乱数の値を取得する乱数取得手段と、
b 図柄変動ゲームの開始時に、乱数取得手段が取得した大当り判定用乱数に基づき、図柄変動ゲームにて大当り表示結果が表示されるか否かを判定する大当り判定を実行する大当り判定手段と、
c 乱数取得手段により取得された大当り判定用乱数の値が設定され、上限数が4である保留記憶数に対応付けられた所定の記憶領域を有する主制御用RAM30cと、
d 乱数取得手段により取得された大当り判定用乱数の値と大当たり判定値を比較し、両値が一致するか否かを事前判定する主制御用CPU30aと、
e 大当りか否かの内部抽選の結果を示す表示結果が表示される、図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを演出表示装置11に画像表示させる演出制御用CPU31aと、
f 操作ボタン20が操作されたことを検出する検出手段と、
g 演出制御用CPU31aは、
大当り判定手段の判定結果に基づいて決定された変動パターンを指示する変動パターン指定コマンドが入力されると、図柄変動ゲームを画像表示させ、生成した飾り図柄を確定停止表示させて図柄変動ゲームを終了させ、
h 保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームにおいて、保留予告演出中に表示された示唆画像を選択肢として示すように、選択カーソルSKを順番に異なる示唆画像を示すように移動させて表示し、この状態で、操作ボタン20の操作有効期間を開始させるように設定する選択演出を実行し、
i 保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームにおいて、選択演出を開始し、遊技者が操作ボタン20を操作すると、
選択カーソルSKを示唆画像K4上に停止表示させて、保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームの変動内容が最も大当り期待度が高いリーチR4であることを示し、その後、リーチの図柄組み合わせを示唆画像K4とともに表示させるリーチR4変動表示を開始させ、飾り図柄として大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させるときと、
選択カーソルSKを示唆画像K1上に停止表示させて、保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームの変動内容が最も大当り期待度の低いリーチR1であることを示し、その後、リーチの図柄組み合わせを示唆画像K1とともに表示させるリーチR1変動表示を開始させ、飾り図柄としてはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるときがあり、
j 事前判定コマンドに基づき、保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームより前に実行される図柄変動ゲームから保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームまでの複数回の図柄変動ゲームに亘って、図柄変動ゲームの変動内容を示す示唆画像を表示させる保留予告演出を実行させ、
k 保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームにおいて、保留予告演出に関連する選択演出を実行させ、保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームよりも前に実行される図柄変動ゲームにおいて、保留予告演出に関連する選択演出を実行させない遊技機。」

(3)対比
本願補正発明と引用発明とを対比する(対比にあたっては、本願補正発明の構成A?Kと引用発明の構成a?kについて、それぞれ(a)?(k)の見出しを付けて行った。)。
(a)引用発明における「遊技盤10に配設した始動入賞口14からなる入賞検知手段による遊技球の入賞検知」が行われることは、本願補正発明における「始動条件の成立」することに相当する。
そして、引用発明における「大当り判定用乱数の値」は、本願補正発明における「遊技情報」に相当する。
したがって、引用発明の構成aは、本願補正発明の構成Aに相当する。

(b)引用発明における「乱数取得手段が取得した大当り判定用乱数に基づ」くことは、本願補正発明における「取得手段により取得された遊技情報に基づ」くことに相当する。
そして、引用発明における「大当り表示結果」は、本願補正発明における「遊技者に有利な特別遊技」に相当することから、引用発明における「図柄変動ゲームにて大当り表示結果が表示されるか否かを判定する大当り判定を実行する」ことは、本願補正発明における「遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定する」ことに相当する。
したがって、引用発明の「大当り判定手段」は、本願補正発明の「特別遊技判定手段」に相当する。

(c)引用発明における「設定され」ることは、「所定の記憶領域」に対してなされるものであるから、本願補正発明における「記憶可能な」ことに相当する。
したがって、引用発明の「主制御用RAM30c」は、本願補正発明の「記憶手段」に相当する。

(d)引用発明における「事前判定」は、「前記乱数取得手段により取得された大当り判定用乱数の値と大当たり判定値を比較し」てなされるから、上記(a)を踏まえると、「取得手段により取得された遊技情報に基づいて」なされるものということができる。
そして、引用発明において、大当り判定は図柄変動ゲームの開始時に実行されるものであり(引用発明の構成bを参照。)、「事前判定」は文言どおり事前に判定するものであるから、上記(b)を踏まえると、引用発明における「事前判定」は、「特別遊技判定手段によって判定される前」になされるものということができる。
また、大当り判定用乱数の値と大当たり判定値が一致すると、大当り遊技(特別遊技)が行われることは技術常識であるから、引用発明における「大当り判定用乱数の値と大当り判定値を比較し、両値が一致するか否か」を「事前判定」することは、本願補正発明における「特別遊技を行うか否かを事前に判定する」ことに相当する。
したがって、引用発明の「主制御用CPU30a」は、本願補正発明の「事前判定手段」としての機能を有するものである。

(e)引用発明における「大当りか否かの内部抽選の結果を示す表示結果が表示される、図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを演出表示装置11に画像表示させる」ことは、本願補正発明における「所定の演出を実行する」ことに相当する。
したがって、引用発明の「演出制御用CPU31a」は、本願補正発明の「所定の演出を実行する演出制御手段」としての機能を有するものである。

(f)引用発明における「操作ボタン20が操作されたこと」は、本願補正発明における「入力手段に対する入力操作」に相当する。
したがって、引用発明の「検出手段」は、本願補正発明の「入力検出手段」に相当する。

(g)引用発明における「大当り判定手段の判定結果に基づ」くことは、本願補正発明における「特別遊技判定手段による判定結果に基づ」くことに相当する。
そして、引用発明における「図柄変動ゲームを画像表示させ」ることは、本願補正発明における「演出図柄を変動させ」ることに相当する。
また、引用発明における「生成した飾り図柄を確定停止表示させ」ることは、「確定停止表示」された「飾り図柄」により「表示結果」が表示されることから、本願補正発明における「演出図柄」を「停止させることによって判定結果を報知する」ことに相当する。
これらのことから、引用発明における「図柄変動ゲーム」は、本願補正発明における「報知演出」に相当する。
したがって、引用発明の「図柄変動ゲーム」を実行する「演出制御用CPU31a」は、本願補正発明の「報知演出を実行」する「演出制御手段」に相当する。

(h)引用発明における「保留予告演出の対象となる図柄変動ゲーム」、「操作ボタン20」は、それぞれ、本願補正発明における「報知演出」、「入力手段」に相当する。
また、引用発明における「選択演出」は、「保留予告演出中に表示された示唆画像を選択肢として示すように、所定時間ずつ順番に選択カーソルSKを異なる示唆画像を示すように移動させる」「状態で、操作ボタン20の操作有効期間を開始させる」ものであって、遊技者に対して操作ボタン20への入力操作を促すものといえるから、本願補正発明における「遊技者に対して入力操作を促す入力示唆演出」に相当する。
したがって、引用発明の「選択演出を実行」する「演出制御用CPU31a」は、本願補正発明における「入力示唆演出を実行可能に」する「演出制御手段」に相当する。

(i)引用発明は、構成hによると、選択演出により操作ボタン20の操作有効期間を開始させるものであり、構成fによると「操作ボタン20が操作された」場合、その操作が「検出」されることは明らかであるから、引用発明における「選択演出を開始し、遊技者が操作ボタン20を操作する」ことは、本願補正発明における「入力示唆演出において入力検出手段によって入力操作が検出された」ことに相当する。

次に、本願発明の「変動中の前記演出図柄を前記特別遊技が行われることを示唆する図柄で停止させるときと、変動中の前記演出図柄を前記特別遊技が行われないことを示唆する図柄で停止させるとき」なる特定事項の「停止」が何を意味するものであるのかについて検討する。
本願発明の構成Gに「前記特別遊技判定手段による判定結果に基づいて、演出図柄を変動させてから停止させることによって当該判定結果を報知する報知演出を実行」すると特定されていることから、本願発明において、「停止」することによって、判定結果が報知されるものであると定義されている。
そして、本願明細書における補正の根拠箇所であると請求人が主張する【図106】(3)?(4)について説明する【0684】に「一方、図105(4)の状態の後に、入力示唆演出に応じて遊技者が所定の操作有効時間内に演出ボタン37を押下操作した場合、又は、大当りしていない場合には、図106(3)に示すように、中装飾図柄DI3を図柄「7」でホールドすることに失敗してハズレとなる図柄「8」で停止する表示がなされる。その後、図106(4)に示すように、左右中装飾図柄DI1?DI3が全て完全に停止表示されて、ハズレたことが報知される。」ことが記載され、【0685】に「なお、図105(4)の状態の後に、入力示唆演出に応じて遊技者が所定の操作有効時間内に演出ボタン37を押下操作しなかった場合、所定時間の経過後、大当りしている場合には図106(1)に示したように中装飾図柄DI3が図柄「7」でホールドされた後に図106(2)に示したように大当りしたことが報知され、一方、大当りしていない場合には図106(3)に示したように中装飾図柄DI3がハズレ図柄でホールドされた後に図106(4)に示したようにハズレたことが報知される。」ことが記載されている。これらの記載によると、本願明細書における発明の詳細な説明には、装飾図柄が全て完全に停止表示されることにより、判定結果が「ハズレ」であることが報知されることが示されているといえる。
また、請求人は、審判請求書において、「このように、本発明によれば、一連の先読み連続予告演出において大当りの期待感が最も高まる最後の報知演出でのみ入力示唆演出を行って遊技者に入力操作を行わせて、この大当りの期待感が最も高まるタイミングで「遊技者の手で」当落判定結果を報知するための演出図柄(装飾図柄)を大当りを示唆する図柄またはハズレを示唆する演出図柄の何れかで停止させる(つまり、大当りまたはハズレを導出する)ので、一連の先読み連続予告演出の最後の報知演出において遊技者の高揚感を最高潮に高めることができるという顕著な効果を奏します(段落[0687]ご参照)。」(第4頁第18?25行)と主張する。この主張は、本願発明の構成Iの「停止」が、「大当りまたはハズレを導出する」ことであることを説明するものである。
これらのことを総合勘案すると、本願発明における「停止」とは、装飾図柄が完全に停止表示されることにより、判定結果を導出報知する状態であるといえる。
したがって、本願発明における構成Iの「変動中の演出図柄を特別遊技が行われることを示唆する図柄で停止させる」ことは、「変動中の演出図柄を特別遊技が行われることを示唆する図柄で完全に停止させる」ことを意味するといえる。また、本願発明における構成Iの「変動中の演出図柄を特別遊技が行われないことを示唆する図柄で停止させる」ことは、「変動中の演出図柄を特別遊技が行われないことを示唆する図柄で完全に停止させる」ことを意味するといえる。

そうすると、引用発明における「飾り図柄として大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させる」こと、「飾り図柄としてはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させる」ことは、それぞれ、本願発明における「変動中の演出図柄を特別遊技が行われることを示唆する図柄で停止させる」こと、「変動中の演出図柄を特別遊技が行われないことを示唆する図柄で停止させる」ことに相当する。

ところで、引用発明は、操作ボタン20が操作されると、リーチ演出を実行後、図柄組み合わせを確定停止表示させるものであって、
イ:操作ボタン20が操作されることに応じて、リーチ演出の種類(R4やR1)を示唆するものとも、また、
ロ:操作ボタン20が操作されることに応じて、図柄組み合わせを確定停止表示させるものとも解せられる。
そして、イのように解した場合、引用発明の構成iと本願発明の構成Iとは、「入力示唆演出において入力検出手段によって入力操作が検出された後に、変動中の演出図柄を特別遊技が行われることを示唆する図柄で停止させるときと、変動中の演出図柄を前記特別遊技が行われないことを示唆する図柄で停止させるときとがあ」る点で共通するといえる。

(j)引用発明における「事前判定コマンドに基づ」くことは、本願補正発明における「事前判定手段による判定結果に基づ」くことに相当する。
そして、引用発明における「保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームより前に実行される図柄変動ゲームから保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームまでの複数回の図柄変動ゲームに亘」ることは、本願補正発明における「複数の報知演出に跨」ることに相当する。
また、引用発明における「図柄変動ゲームの変動内容を示す示唆画像を表示させる保留予告演出」は、本願補正発明における「事前判定演出」に相当する。
したがって、引用発明の「保留予告演出を実行」する「演出制御用CPU31a」は、本願補正発明における「事前判定演出を実行可能であ」る「演出制御手段」に相当する。

(k)引用発明における「保留予告演出の対象となる図柄変動ゲーム」は、構成jによると、「複数回の図柄変動ゲームに亘って」実行される「保留予告演出」のうち、「保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームより前に実行される図柄変動ゲーム」が実行された後の最後に実行される「図柄変動ゲーム」ということができるから、本願補正発明における「事前判定演出が実行される複数の報知演出のうち、最後の報知演出」に相当する。
そして、引用発明における「保留予告演出に関連する選択演出」は、本願補正発明における「入力示唆演出」に相当する。
また、引用発明における「保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームよりも前に実行される図柄変動ゲーム」は、本願補正発明における「最後の報知演出よりも前の報知演出」に相当する。
したがって、引用発明の構成kは、本願補正発明の構成Kに相当する。

(l)上記(a)?(k)の検討により、本願補正発明と引用発明とは、
[一致点]
「A 始動条件の成立により遊技情報を取得する取得手段と、
B 前記取得手段により取得された遊技情報に基づいて、遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定する特別遊技判定手段と、
C 前記取得手段により取得された遊技情報を記憶可能な記憶手段と、
D 前記取得手段により取得された遊技情報が前記特別遊技判定手段によって判定される前に、前記特別遊技を行うか否かを事前に判定する事前判定手段と、
E 所定の演出を実行する演出制御手段と、
F 入力手段に対する入力操作を検出する入力検出手段とを備え、
G 前記演出制御手段は、
前記特別遊技判定手段による判定結果に基づいて、演出図柄を変動させてから停止させることによって当該判定結果を報知する報知演出を実行し、
H 前記報知演出において遊技者に対して前記入力操作を促す入力示唆演出を実行可能にし、
I’ 前記入力示唆演出において前記入力検出手段によって前記入力操作が検出された後に、変動中の前記演出図柄を前記特別遊技が行われることを示唆する図柄で停止させるときと、変動中の前記演出図柄を前記特別遊技が行われないことを示唆する図柄で停止させるときとがあり、
J 前記事前判定手段による判定結果に基づいて、複数の報知演出に跨って事前判定演出を実行可能であり、
K 前記事前判定演出が実行される複数の報知演出のうち、最後の報知演出において前記入力示唆演出を実行可能にし、最後の報知演出よりも前の報知演出において前記入力示唆演出を実行しない、遊技機。」
である点で一致し、構成Iに関して以下の点で相違する。

[相違点](構成Iに関する。)
「入力示唆演出において入力検出手段によって入力操作が検出された後に」、「変動中の演出図柄を特別遊技が行われることを示唆する図柄で停止させる」ことと、「変動中の演出図柄を特別遊技が行われないことを示唆する図柄で停止させる」ことに関して、
本願補正発明は、入力操作が検出されたことに応じて図柄の停止がなされるのに対して、
引用発明は、入力操作が検出されたことに応じて図柄の停止がなされるか否か不明である点で一応相違する。

(4)判断
ア 相違点について
上記相違点について検討する。
遊技機の技術分野において、演出用図柄による変動表示中に、演出ボタンを押すことに応じて、その変動表示を大当り又はハズレを示す図柄で停止させることは、本願の遡及日前に周知の技術事項である(例えば、特開2011-050418号公報の【0151】?【0153】、【図16】の枠演出ボタン13が操作されることや、特開2007-289621号公報の【0029】、【図9】の操作スイッチSが操作されることを参照のこと。)。
そして、引用発明と上記周知の技術事項とは、演出用図柄による変動表示中に操作ボタン(演出ボタン)の操作後に、所定の演出を行う点で共通するものである。
したがって、引用発明に上記周知の技術事項を適用して、大当りの図柄組み合わせ、あるいは、はずれの図柄組合せの確定停止表示を遊技者が操作ボタン20を操作することに応じて行うことにより、上記相違点に係る本願補正発明に係る構成とすることは、当業者が適宜なし得たものである。
また、本願補正発明により奏される効果は、引用発明及び周知技術から当業者が予測できる範囲のものであり、格別顕著なものとはいえない。

イ 請求人の主張について
請求人は、審判請求書において「上記したように、引用文献1の発明は、操作ボタン20の操作に応じて、先読み当該変動で実行される予め決定されたリーチ演出の種類を示唆する示唆画像上に、選択カーソルSKが停止させるものです。ここで、リーチ演出は大当りを期待させる演出(又は大当りの可能性を示唆する演出)なので、引用文献1の発明は、操作ボタン20の操作に応じて大当りを期待させる(又は大当りの可能性を示唆する)趣旨の発明です。つまり、引用文献1の発明は、操作ボタン20の操作に応じて大当りを期待させることによって興趣性を向上させる趣旨(着想)の技術思想であり、操作ボタン20の操作に応じてハズレ方向の演出を実行する技術思想(反対方向の技術思想)にはそぐわないものです。」(第4頁第10?18行)と主張している。

しかしながら、引用発明は、大当り期待度の異なる複数のリーチを有するものであり、リーチには、大当りの判定結果がはずれの場合に決定されやすい大当り期待度の低いリーチ(リーチR1)を含むものであるから、リーチを行う場合であっても、当り方向の示唆を行うことに加え、ハズレ方向の示唆を行う場合があるといえる。
一方、上記周知の技術事項は、当り方向、及び、ハズレ方向の示唆を行うものであるから、両者は、演出により当り方向、及び、ハズレ方向の示唆を行う点で共通する。
したがって、引用発明に上記周知の技術事項を適用する動機付けは十分にある。
よって、請求人の上記主張を採用することはできない。

(5)まとめ
上記(4)において検討したとおり、本願補正発明は、引用発明及び周知の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際に独立して特許を受けることができないものである。

4 むすび
上記1?3より、本願補正発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際に独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、同法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たさないものであり、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
本願補正は、上記のとおり却下されることとなったので、本願の請求項1?2に係る発明は、平成28年7月11日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?2に記載されたとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりのものと認める。
「【請求項1】
始動条件の成立により遊技情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された遊技情報に基づいて、遊技者に有利な特別遊技を行うか
否かを判定する特別遊技判定手段と、
前記取得手段により取得された遊技情報を記憶可能な記憶手段と、
前記取得手段により取得された遊技情報が前記特別遊技判定手段によって判定される前に、前記特別遊技を行うか否かを事前に判定する事前判定手段と、
所定の演出を実行する演出制御手段と、
入力手段に対する入力操作を検出する入力検出手段とを備え、
前記演出制御手段は、
前記特別遊技判定手段による判定結果に基づいて、演出図柄を変動させてから停止させることによって当該判定結果を報知する報知演出を実行し、
前記報知演出において遊技者に対して前記入力操作を促す入力示唆演出を実行可能にすると共に、当該入力示唆演出において、前記入力検出手段によって前記入力操作が検出されたことに応じて、変動中の前記演出図柄を前記特別遊技が行われることを示唆する図柄で停止させることが可能であり、
前記事前判定手段による判定結果に基づいて、複数の報知演出に跨って事前判定演出を実行可能であり、
前記事前判定演出が実行される複数の報知演出のうち、最後の報知演出において前記入力示唆演出を実行可能にし、最後の報知演出よりも前の報知演出において前記入力示唆演出を実行しない、遊技機。」

2 引用文献に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1の記載事項及び引用発明の認定については、上記「第2[理由]3(2)引用文献に記載された事項」に記載したとおりである。

3 対比・判断
本願発明は、上記「第2[理由]」で検討した本願補正発明から、「入力示唆演出」に関して、「前記入力検出手段によって前記入力操作が検出されたことに応じて、変動中の前記演出図柄を前記特別遊技が行われることを示唆する図柄で停止させるときと、変動中の前記演出図柄を前記特別遊技が行われないことを示唆する図柄で停止させるときとがあり」とあったものを、「前記入力検出手段によって前記入力操作が検出されたことに応じて、変動中の前記演出図柄を前記特別遊技が行われることを示唆する図柄で停止させることが可能であり」とその限定を省いたものである。
そうすると、本願発明の特定事項をすべて含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本願補正発明が、上記「第2[理由]3(3)対比、(4)判断」に記載したとおり、引用発明及び周知の技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明及び周知の技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
したがって、その余の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2017-10-16 
結審通知日 2017-10-17 
審決日 2017-10-30 
出願番号 特願2015-109166(P2015-109166)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
P 1 8・ 575- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 河本 明彦  
特許庁審判長 服部 和男
特許庁審判官 長崎 洋一
後藤 順也
発明の名称 遊技機  
代理人 特許業務法人 小笠原特許事務所  
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