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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 A61B
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 A61B
管理番号 1335856
審判番号 不服2016-16861  
総通号数 218 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-02-23 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-11-10 
確定日 2018-01-16 
事件の表示 特願2015-507353「胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高めるシステムおよびこのシステムの作動方法」拒絶査定不服審判事件〔平成25年10月31日国際公開、WO2013/159699、平成27年 5月21日国内公表、特表2015-514522、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2013年(平成25年)4月24日(パリ条約による優先権主張 2012年4月25日 中国)を国際出願日とする外国語書面出願であって、平成27年10月16日付けで拒絶理由が通知され、平成28年1月20日付けで手続補正がされ、同年7月14日付けで拒絶査定(以下、「原査定」という。)され、これに対し、同年11月10日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされ、平成29年9月1日付けで拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)が通知がされ、同年11月24日付けで手続補正がされたものである。

第2 原査定の概要
原査定の要旨は次のとおりである。
本願請求項1?13に係る発明は、以下の引用文献1?4に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.国際公開第2012/051432号
2.米国特許出願公開第2003/0121532号明細書
3.中国特許出願公開第101596181号明細書
4.特開平10-99265号公報

第3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由の要旨は次のとおりである。
本願請求項3?6及び10に係る発明については、拒絶の理由を発見しない。

理由1(進歩性違反)
本願請求項1、2、7?9、11?19に係る発明は、以下の引用文献A?Dに基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
A.国際公開第2012/051432号(原査定の引用文献1)
B.特開平7-31584号公報(当審で新たに引用した文献)
C.中国特許出願公開第101596181号明細書(原査定の引用文献3)
D.特開平10-99265号公報(原査定の引用文献4)

理由2(サポート要件違反)
請求項14の「請求項1?13のいずれか一項に記載の胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高めるシステム・・・、該システムは、1)洗浄ボトル(1)内に洗浄液を入れる手段・・を含み」と記載されている事項、及び請求項19の「胃腸内視鏡による診療の開始15?30分前に、患者に対して洗浄剤Bを1包投与する手段を更に含み・・・請求項14?18のいずれか1項に記載の胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高めるシステム」と記載されている事項が、発明の詳細な説明中に記載も示唆もされていないから、本願請求項14及び19に係る発明およびこれらを直接又は間接的に引用する本願請求項15?18に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものとはいえず、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

第4 本願発明
本願請求項1?5に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」?「本願発明5」という。)は、平成29年11月24日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1?5に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1?5は以下のとおりの発明である。
なお、本願発明1?5は、それぞれ、当審拒絶理由において拒絶の理由を通知していない補正前の請求項3?6及び10に係る発明に対応するものである。

「【請求項1】
洗浄ボトル(1)及び該洗浄ボトル(1)から伸びた液体輸送チューブ(2)を含み、前記液体輸送チューブ(2)が、第1蠕動ポンプ(3)を介して洗浄液を胃腸内視鏡の給水システム又は胃腸内視鏡の観察窓へポンピングするシステムであって、
前記洗浄ボトル(1)が、洗浄液を撹拌及び加熱可能な撹拌加熱サブシステムを備え、
前記撹拌加熱サブシステムが、加熱ディスク式加熱装置と磁気撹拌装置と温度センサとを含み、
具体的には、加熱ディスク(4)、断熱マット(5)、位置決めブロック(6)、永久磁石(7)、支持ブラケット(8)、モーター(9)及び磁気誘導ブロック(10)を含み、前記加熱ディスク(4)は洗浄ボトル(1)の下方に位置し、断熱マット(5)によって支持され、前記断熱マット(5)が位置決めブロック(6)に固定され、断熱マット(5)の中間部に収納穴が開口され、当該収納穴の中に永久磁石(7)が設けられ、前記永久磁石(7)が支持ブラケット(8)に取り付けられ、当該支持ブラケット(8)の下端がモーター(9)の出力軸に接続し、前記永久磁石(7)の上方にこれと合わせた磁気誘導ブロック(10)が設けられ、当該磁気誘導ブロック(10)が洗浄ボトル(1)の底の中間位置に取り付けられており、
前記撹拌加熱サブシステムが、前記洗浄ボトル(1)内の洗浄液を加熱しながら、前記洗浄ボトル(1)内の洗浄液を撹拌して、該洗浄液を均一に混合させるものであって、
前記温度センサが、前記洗浄ボトル(1)内の洗浄液の温度を監視するものであり、これにより該洗浄液の温度が常に目標温度に適するように保持されることを特徴とする胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高めるシステム。
【請求項2】
前記加熱ディスク(4)の隣に第1温度センサ(11)が設けられ、前記洗浄ボトル(1)内に第2温度センサ(12)が設けられ、当該第2温度センサ(12)の頂部が洗浄ボトル(1)のキャップに固定され、前記断熱マット(5)の中間部の収納穴内に二つの永久磁石(7)が対称的に設けられ、これら二つの永久磁石(7)はいずれも支持ブラケット(8)の上部に嵌装され、前記洗浄ボトル(1)、加熱ディスク(4)、断熱マット(5)、位置決めブロック(6)、永久磁石(7)、支持ブラケット(8)及びモーター(9)が同一のハウジング(13)内に設けられ、液体輸送チューブ(2)が当該ハウジング(13)の中から伸び、前記加熱ディスク(4)、断熱マット(5)、位置決めブロック(6)、永久磁石(7)、支持ブラケット(8)及びモーター(9)が同一のベース座(14)内に設けられ、洗浄ボトル(1)が当該ベース座(14)によって支持されていることを特徴とする請求項1に記載の胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高めるシステム。
【請求項3】
洗浄ボトル(1)及び該洗浄ボトル(1)から伸びた液体輸送チューブ(2)を含み、前記液体輸送チューブ(2)が、第1蠕動ポンプ(3)を介して洗浄液を胃腸内視鏡の給水システム又は胃腸内視鏡の観察窓へポンピングするシステムであって、
前記洗浄ボトル(1)が、洗浄液を撹拌及び加熱可能な撹拌加熱サブシステムを備え、
前記撹拌加熱サブシステムが、加熱カップ式加熱装置と磁気撹拌装置と温度センサとを含み、
具体的には、加熱カップ(28)、PTCヒーター(29)、位置決めブロック(6)、永久磁石(7)、支持ブラケット(8)、モーター(9)及び磁気誘導ブロック(10)を含み、前記加熱カップ(28)が洗浄ボトル(1)の下方に位置し、PTCヒーター(29)が加熱カップ(28)の底部と周りに固定され、PTCヒーター(29)の周りは保温層(30)に包まれ、前記加熱カップ(28)が位置決めブロック(6)に固定され、位置決めブロック(6)の中間部に収納穴が開口され、当該収納穴の中に永久磁石(7)が設けられ、前記永久磁石(7)が支持ブラケット(8)に取り付けられ、当該支持ブラケット(8)の下端がモーター(9)の出力軸に接続し、前記永久磁石(7)の上方にこれと合わせた磁気誘導ブロック(10)が設けられ、当該磁気誘導ブロック(10)が洗浄ボトル(1)の底の中間位置に取り付けられており、
前記撹拌加熱サブシステムが、前記洗浄ボトル(1)内の洗浄液を加熱しながら、前記洗浄ボトル(1)内の洗浄液を撹拌して、該洗浄液を均一に混合させるものであって、
前記温度センサが、前記洗浄ボトル(1)内の洗浄液の温度を監視するものであり、これにより該洗浄液の温度が常に目標温度に適するように保持されることを特徴とする胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高めるシステム。
【請求項4】
前記洗浄ボトル(1)内に温度センサ(31)が設けられ、当該温度センサ(31)が洗浄ボトル(1)の底部に固体され、前記位置決めブロック(6)の中間部の収納穴に二つの永久磁石(7)が対称的に設けられ、これら二つの永久磁石(7)はいずれも支持ブラケット(8)の上部に嵌装され、前記洗浄ボトル(1)、加熱カップ(28)、PTCヒーター(29)、保温層(30)、位置決めブロック(6)、永久磁石(7)、支持ブラケット(8)及びモーター(9)が同一のハウジング(13)内に位置し、液体輸送チューブ(2)が当該ハウジング(13)の中から伸び、前記加熱カップ(28)、PTCヒーター(29)、保温層(30)、位置決めブロック(6)、永久磁石(7)、支持ブラケット(8)及びモーター(9)が支持軸(14)を介してハウジング(13)に接続し、洗浄ボトル(1)が加熱カップ(28)内に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高めるシステム。
【請求項5】
洗浄ボトル(1)及び該洗浄ボトル(1)から伸びた液体輸送チューブ(2)を含み、前記液体輸送チューブ(2)が、第1蠕動ポンプ(3)を介して洗浄液を胃腸内視鏡の給水システム又は胃腸内視鏡の観察窓へポンピングするシステムであって、
前記洗浄ボトル(1)が、洗浄液を撹拌及び加熱可能な撹拌加熱サブシステムを備え、
前記撹拌加熱サブシステムが、水浴加熱装置と磁気撹拌装置と温度センサとを含み、
具体的には、水浴加熱容器(25)、加熱ディスク(4)、断熱マット(5)、永久磁石(7)、支持ブラケット(8)、モーター(9)、磁気誘導ブロック(10)及び磁気誘導器(26)を含み、前記洗浄ボトル(1)が水浴加熱容器(25)内に配置され、洗浄ボトル(1)の底部の中央に磁気誘導ブラック(10)が固定され、前記水浴加熱容器(25)の底部の中央に磁気誘導器(26)が取り付けられ、当該磁気誘導器(26)の下方に加熱ディスク(4)が設置され、加熱ディスク(4)が断熱マット(5)によって支持され、前記断熱マット(5)の中間部に収納穴が開口され、当該収納穴の中に永久磁石(7)が設けられ、前記永久磁石(7)が支持ブラケット(8)に取り付けられ、当該支持ブラケット(8)の下端がモーター(9)の出力軸に接続しており、
前記撹拌加熱サブシステムが、前記洗浄ボトル(1)内の洗浄液を加熱しながら、前記洗浄ボトル(1)内の洗浄液を撹拌して、該洗浄液を均一に混合させるものであって、
前記温度センサが、前記洗浄ボトル(1)内の洗浄液の温度を監視するものであり、これにより該洗浄液の温度が常に目標温度に適するように保持されることを特徴とする胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高めるシステム。」

第5 引用文献、引用発明等

1 引用文献1の記載事項
本願の優先日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。(当審訳は、国内移行出願の公表公報である特表2013-539716号公報の記載を参考にして当審で作成した。なお、下線は当審が付したものである。)

(引1-ア)「[0002] This application relates to medical instrument systems. More particularly, a combined tube set for insufflation, irrigation and rinsing that allows an endoscopic system to be connected to a water bottle.」
「当審訳:本出願は医療機器システムに関する。より特には、内視鏡システムを水ボトルに接続できる吹送、潅注および洗浄のための組み合わせたチューブセットに関する。」

(引1-イ)「[0006] The purpose of irrigation is to clear debris from the field of view. When debris such as digestive waste, mucous, blood, and detached tissue cover portions of the lumen wall, the operator may be unable to make a proper assessment of the condition of the tissue or perform actions such as biopsy removal or cautery.」
「当審訳:潅注の目的は視野から残屑を取り除くことである。消化物、粘液、血液および分離組織などの残屑が管腔壁の一部を覆う場合、手術者は、組織の状態を適切に評価することや、生検除去もしくは焼灼のような作業が、できないかもしれない。」

(引1-ウ)「[0008] Research has demonstrated that there is a clinical benefit when insufflation is performed using warm (e.g. body temperature) water instead of dry room temperature air. It is expected that this benefit is due to the fact that the warm water is more similar to the natural surroundings of the internal tissue than the cool, dry air. The sudden loss of temperature caused by insertion of air can make the muscles in the lining of the lumen contract and affect blood flow to the tissue. Also, when warm water is used for insufflation, the debris remaining on the tissue is readily washed away, which improves visibility for cancer screening when the user removes the water and adds air for insufflation.」
「当審訳:乾燥した室温の空気の代わりに温かい(例えば体温)水を使用して吹送を行う場合には、臨床的利点が存在することが研究により証明されている。この利点は、冷たく、乾燥した空気よりも温水の方が内部組織の通常環境に類似しているという事実に起因するものであると考えられる。空気が流れ込むことにより温度が急激に低下すると管腔の内側の筋肉を収縮させたり、組織への血流に影響を与えたりすることがある。また、温水が吹送に使われる場合には、組織上に残っている残屑は簡単に洗い流され、これにより、操作者が水を取り除き、吹送のために空気を加えることで癌検診のための視認性が改善される。」

(引1-エ)「[0009] Just as the tissue is most commonly subjected to warm liquids and not cool dry air, the gas that does pass through the digestive tract tends to be warm and humid.」
「当審訳:通常、組織が冷えた乾燥空気ではなく、温液体に供されると、消化管を通るガスは温かくなり、湿る傾向がある。」

(引1-オ)「[0010] The absorption rate of carbon dioxide into digestive tissues is 100 to 150 times that of oxygen and nitrogen, which combine to make up about 99% of atmospheric air.」
「当審訳:消化組織内への二酸化炭素の吸収速度は、周囲空気の約99%を構成する組み合わせの酸素および窒素の100?150倍である。」

(引1-カ)「[0060] Bottle cap 130 has inner threads which are particularly adapted for joining with the threads of a variety of different water bottles, as discussed in more detail below. Bottle cap 130 may include one or more gaskets (not shown) to facilitate a substantially air tight seal between bottle cap 130 and a water bottle. When bottle cap 130 is secured to a water bottle and ・・・. 」
「当審訳:ボトルキャップ130は、以下により詳細に記載するように、特に種々の異なる水ボトルのネジ山と結合するように適合される雌ネジを有する。ボトルキャップ130は、ボトルキャップ130と水ボトルとの間に実質的に気密封止を促すための1つ以上のガスケット(図示せず)を備えてもよい。ボトルキャップ130が水ボトルに固定され、・・・。」

(引1-キ)「[0061] Irrigation tube set 106 is also connected to bottle cap 130 to provide combined tube set 100. Irrigation tube set 106 includes irrigation connector 150, back flow valve(s) 180, and flexible tubing section 190. A first end of irrigation tube set 106 provides irrigation connector 150, which may be connected to an endoscope. ・・・. 」
「当審訳:潅注チューブセット106はまた、組み合わせたチューブセット100を提供するようにボトルキャップ130に接続される。潅注チューブセット106は、潅注コネクタ150、逆流防止弁(複数も可)180、およびフレキシブルなチューブ部分190を含む。潅注チューブセット106の第1の端部は、内視鏡に接続され得る、潅注コネクタ150を備える。・・・」

(引1-ク)「[0062] Irrigation tube set 106 may include one or more backflow valves 180 to prevent backflow of water into the water bottle. Irrigation tube set 106 may include flexible tubing section 190, which is insertable into a peristaltic pump.」
「当審訳: 潅注チューブセット106は水ボトル内への水の逆流を防止するために1つ以上の逆流防止弁180を備えてもよい。潅注チューブセット106は、蠕動ポンプ内に挿入可能なフレキシブルなチューブ部分190を備えてもよい。」

(引1-ケ)「[0065] Fig. 5B is an illustrative embodiment of a tube assembly (e.g., combined irrigation, air/water, and gas tube set) 210. Combined irrigation, air/water, and gas tube set 210 may provide an air/water tube set 104, irrigation tube set 106, and bottle cap 130 similar to the tube set shown in FIG. 5 A. Additionally, combined irrigation, air/water, and gas tube set 210 also provides gas tube set 215. Gas (e.g. air, carbon dioxide, nitrogen, oxygen, or combination thereof or other medical gas) may be supplied to the bottle by gas tube set 215 attached to bottle cap 130. ・・・. When the gas is preheated and/or the water is preheated, the result is a warm, humid gas that is then passed to the endoscope and then to the patient for insufflation.」
「当審訳: 図5Bは、チューブアセンブリ(例えば、組み合わせた潅注、空気/水、およびガスチューブセット)210の具体例である。組み合わせた潅注、空気/水、およびガスチューブセット210は、図5Aに示したチューブセットと同様の空気/水チューブセット104、潅注チューブセット106、およびボトルキャップ130を備えてもよい。さらに、組み合わせた潅注、空気/水、およびガスチューブセット210は、ガスチューブセット215も備える。ガス(例えば、空気、二酸化炭素、窒素、酸素またはそれらの組み合わせ、あるいは、他の医療用ガス)が、ボトルキャップ130に取り付けられたガスチューブセット215によりボトルに供給されてもよい。・・・。ガスが予熱され、および/または水が予熱される場合、吹送のために、温かく、湿ったガスが内視鏡まで流れ、次いで患者にまで流れる。」

(引1-コ)「[0066]・・・. In some embodiments, the bottle (e.g., 60 in Figure 2) can be heated by for example an external heating source (e.g., hot plate, microwave, etc.). In this way the gas and/or liquid in the bottle can be heated.」
「当審訳:一部の実施形態において、ボトル(例えば図2における60)は例えば外部熱源(例えばホットプレート、マイクロ波など)によって加熱されてもよい。このようにして、ボトル内のガスおよび/または液体を加熱することができる。」

(引1-サ)Fig.2には、以下の図面が示されている。

(引1-シ)Fig.5Aには、以下の図面が示されている。

(引1-ス)Fig.5Bには、以下の図面が示されている。


2 引用文献1に記載された事項の認定

(1)引用文献1に記載された事項を整理する。

ア 引用文献1には、吹送、潅注および洗浄のための組み合わせたチューブセットにより内視鏡を水ボトルに接続する内視鏡システムが記載されており([0002])、この組み合わせたチューブセットとして、組み合わせた潅注、空気/水、およびガスチューブセット210が挙げられている([0065])。
また、「潅注の目的は視野から残屑を取り除くことである。消化物、粘液、血液および分離組織などの残屑が管腔壁の一部を覆う場合、・・・」([0006])、「通常、組織が冷えた乾燥空気ではなく、温液体に供されると、消化管を通るガスは温かくなり、湿る傾向がある。」([0009])、「消化組織内への二酸化炭素の吸収速度は、・・」([0010])を含む引用文献1の全記載を参照すれば、引用文献1において、「内視鏡」は消化管用の内視鏡であることは明らかである。
すると、引用文献1には、組み合わせた潅注、空気/水、およびガスチューブセット210により消化管用の内視鏡を水ボトルに接続する内視鏡システムが記載されているといえる。

イ 「潅注の目的は視野から残屑を除去することである。消化物、粘液、血液および分離組織などの残屑が管腔壁の一部を覆う場合、手術者は、組織の状態を適切に評価すること・・・が、できないかもしれない」([0006])、「温水が吹送に使われる場合には、組織上に残っている残屑は簡単に洗い流され、これにより、・・癌検診のための視認性が改善される」([0008])との記載から、潅注により内視鏡の視認性を改善することができることが明らかである。

ウ 「乾燥した室温の空気の代わりに温かい(例えば体温)水を使用して吹送を行う場合には、臨床的利点が存在することが研究により証明されている。」([0008])と体温水を使用することが記載されているが、この体温水を作る加熱手段が、「ボトル(例えば図2における60)は例えば外部熱源(例えばホットプレート、マイクロ波など)によって加熱されてもよい。このようにして、ボトル内のガスおよび/または液体を加熱することができる。」([0066])と記載される「外部熱源」であることは明らかである。

(2)上記(引1-ア)?(引1-ス)の記載、及び、上記(1)で整理した点を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「組み合わせた潅注、空気/水、およびガスチューブセット210により消化管用の内視鏡を水ボトル60に接続する内視鏡システムであって、
組み合わせた潅注、空気/水、およびガスチューブセット210は、空気/水チューブセット104、潅注チューブセット106、およびボトルキャップ130を、さらに、ガスチューブセット215を備えており、
潅注チューブセット106は、潅注コネクタ150、逆流防止弁180、およびフレキシブルなチューブ部分190を含み、
フレキシブルなチューブ部分190が蠕動ポンプ内に挿入され、潅注コネクタ150が内視鏡に接続され、ボトルキャップ130が水ボトル60に固定されて、蠕動ポンプは潅注のために内視鏡に水を送り込み、
水ボトル60は、ボトル内の水を体温水に加熱するためにホットプレートなどの外部熱源で加熱することが可能であり、
潅注により消化管用の内視鏡の視認性の改善を行う内視鏡システム。」

3 引用文献2の記載事項
本願の優先日前に頒布された刊行物である引用文献2には、次の事項が記載されている。

(引2-ア)「[0079] ・・・Referring to FIG. 1, a liquid slurry or suspension 10 of particles held within container 12 is agitated by magnetic stirring bar 14 driven by magnetic stirrer 16.」
「当審訳:・・・図1を参照すると、容器12内に保持された粒子の液体スラリーまたは懸濁液10は、磁気攪拌器16によって駆動磁気攪拌バー14により攪拌される。」

(引2-イ)「[0081] The apparatus of FIG. 1 is operated by stirring a slurry or suspension 10 in container 12 while pumping the suspension through coupling 22 into conduit 28 which is intended to be cleaned of biofilm. Three-way valve 26 permits switching from the normal water supply 30 to the cleaning suspension 10 for biofilm removal from conduit 28. 」
「当審訳:バイオフィルムを除去すべき導管28の中にカップリング22を介して懸濁液を送っている間、図1の装置は、容器12内のスラリーまたは懸濁液10を攪拌するように操作される。3方弁26は、導管28からバイオフィルムの除去するために、洗浄サスペンション10に通常の水供給部30からスイッチングを可能にする。」

4 引用文献3の記載事項
本願の優先日前に頒布された刊行物である引用文献3には、次の事項が記載されている。

(引3-ア)第3頁第10?11行

「当審訳:ジメチコンは、臨床的に最も常用される医学泡止め剤であり、通常は消化内視鏡検査、治療あるいは腹部影像検査での術前に消泡される。・・・」

(引3-イ)第4頁第2?4行

「当審訳:本発明の目的は、ジメチコン/シメチコンを含む医薬組成物を提供することにあり、この医薬組成物は消化道内の泡をなくすことができ、また、消化道内の粘性液体を除くことができ;この医薬組成物は消化内視鏡検査、治療あるいは影像検査の術前補助として用いることができる。」

5 引用文献4の記載事項
本願の優先日前に頒布された刊行物である引用文献4には、次の事項が記載されている。

(引4-ア)「【0016】第1の実施の形態によれば、フットスイッチ19を1回操作すれば、所望の量の送水が自動的に行われるので、術者がフットスイッチ19を長時間にわたって踏み続ける必要がなく、術者の疲労を軽減するとともに、術者の動作範囲を広げることができる。加えて、術者は、検査前に送水量を確実に把握できるので、被検者の体内に過度の送水を行うことがなく患者の安全が確保される。そして、本実施の形態の注液装置8は、管路の開閉のみを行う1個の電磁弁20とタイマー18によって構成されるものであるから、構造がきわめて簡単である。」

6 引用文献Bの記載事項
本願の優先日前に頒布された刊行物である引用文献Bには、図面とともに次の事項が記載されている。

(引B-ア)「【0011】ところで、超音波内視鏡1において、超音波振動子8を作動させて、体腔内に超音波パルスを入射し、その反射エコー信号を受信することにより超音波検査を行う際には、超音波の減衰を防止するために、体腔内に超音波伝播媒体として、例えば水を供給する必要がある。超音波内視鏡1に独立の送水用の通路を形成することもできるが、この超音波内視鏡1に形成されている処置具挿通チャンネルを介して処置具導出口7から体腔内に向けて送水することができるようになっている。
【0012】このために、図4に示したように、送水を行うための水を貯留する送水タンク50が設けられている。この送水タンク50には送水配管51の一端が挿入されており、この送水配管51の他端は、後述するメイン配管55を介して処置具挿通チャンネルまたはその延長部に着脱可能に接続されるようになっている。そして、この送水配管51の途中には送水ポンプ52が設けられている。」

(引B-イ)「【0022】次に、図6に本発明による水の加温機構の第2の実施例を示す。この実施例において、前述した第1の実施例と同一または均等な部材については、それと同じ符号を付して、その説明を省略する。而して、送水タンク50からの送水配管51′には送水ポンプ52が装着されており、この送水配管51′には分岐配管は接続されていない。そして、送水配管51′とは独立の加温用配管70が送水タンク50に接続されており、この加温用配管70には、途中に水循環用ポンプ71が接続されている。加温用配管70の他端には、光源装置10に装着した熱交換器53の配管部53cに接続され、この配管部53cの他端には循環流戻り配管72が接続され、この循環流戻り配管72の他端は送水タンク50に接続されている。本実施例における水温制御機構としては、送水タンク50内に設けた温度センサ73で形成されており、この温度センサ73により常時送水タンク50内の水温を検出して、設定温度となると、温度センサ73からの信号に基づいて水循環用ポンプ71の作動を停止するように制御される。このように構成することによっても、前述した第1の実施例と同様に、患者に対して刺激のない程度の加温水を体腔内に供給できるようになる。」

(引B-ウ)【0023】なお、前述の各実施例においては、超音波内視鏡において、超音波伝播媒体を体腔内に供給するためのものとしたが、これ以外に、例えば超音波機構を備えない内視鏡においても、体腔内を洗浄するために、水その他の液体を供給する場合に、この供給液を加温するものとして構成することもできる。また、熱源として光源装置を利用する構成としたが、これ以外にもプロセッサも発熱源であるから、このプロセッサ等を熱源としてタンク内液の加温を行うように構成することも可能である。」

(引B-エ)図6には、以下の図面が示されている。


第6 当審の判断
・当審拒絶理由について
上記「第4 本願発明」のとおり、理由1(進歩性違反)及び理由2(サポート用要件違反)において指摘した請求項はすべて削除されたので、当審拒絶理由は解消された。

・原査定について
1 本願発明1
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。

ア 引用発明の「水ボトル」、「水」、「潅注チューブセット106」、「蠕動ポンプ」、「外部熱源」及び「消化管用の内視鏡」は、それぞれ、本願発明1の「洗浄ボトル(1)」、「洗浄液」、「液体輸送チューブ(2)」、「第1蠕動ポンプ(3)」、「加熱装置」及び「胃腸内視鏡」に相当する。

イ 引用発明において、「内視鏡」が、本願発明1の「給水システム」に相当する構成を備えていることは、当業者の技術常識から自明のことである。
すると、引用発明の「潅注チューブセット106は、潅注コネクタ150、逆流防止弁180、およびフレキシブルなチューブ部分190を含み、フレキシブルなチューブ部分190が蠕動ポンプ内に挿入され、潅注コネクタ150が内視鏡に接続され、ボトルキャップ130が水ボトル60に固定されて、蠕動ポンプは潅注のために内視鏡に水を送り込」むことは、本願発明1における「前記液体輸送チューブ(2)が、第1蠕動ポンプ(3)を介して洗浄液を胃腸内視鏡の給水システム又は胃腸内視鏡の観察窓へポンピングする」ことに相当する。

ウ 引用発明の「水ボトル60は、ボトル内の水を体温水に加熱するためにホットプレートなどの外部熱源で加熱することが可能であ」ることと、本願発明1の「前記洗浄ボトル(1)が、洗浄液を攪拌及び加熱可能な攪拌加熱サブシステムを備え、」「前記撹拌加熱サブシステムが、前記洗浄ボトル(1)内の洗浄液を加熱しながら、前記洗浄ボトル(1)内の洗浄液を攪拌して、該洗浄液を均一に混合させるものであ」ることは、「前記洗浄ボトル(1)が、洗浄液を加熱可能な加熱サブシステムを備え、前記加熱サブシステムが、前記洗浄ボトル(1)内の洗浄液を加熱する」ことで共通する。

エ 視野の鮮明度を高めることにより視認性が改善されることは明らかであるから、引用発明における「潅注により消化管用の内視鏡の視認性の改善を行う内視鏡システム」は、本願発明1における「胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高めるシステム」に相当する。

してみると、本願発明1と引用発明とは、次の点で一致し、次の各点で相違する。

(一致点)
「洗浄ボトル(1)及び該洗浄ボトル(1)から伸びた液体輸送チューブ(2)を含み、前記液体輸送チューブ(2)が、第1蠕動ポンプ(3)を介して洗浄液を胃腸内視鏡の給水システム又は胃腸内視鏡の観察窓へポンピングするシステムであって、
前記洗浄ボトル(1)が、洗浄液を加熱可能な加熱サブシステムを備え、
前記加熱サブシステムが、前記洗浄ボトル(1)内の洗浄液を加熱する、胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高めるシステム。」

(相違点1)
本願発明1では、「洗浄ボトル(1)が、洗浄液を攪拌及び加熱可能な攪拌加熱サブシステムを備え、
前記攪拌加熱サブシステムが」、「加熱装置と」「攪拌装置と温度センサとを含み」、
「前記撹拌加熱サブシステムが、前記洗浄ボトル(1)内の洗浄液を加熱しながら、前記洗浄ボトル(1)内の洗浄液を攪拌して、該洗浄液を均一に混合させるものであって、
前記温度センサが、前記洗浄ボトル(1)内の洗浄液の温度を監視するものであり、これにより該洗浄液の温度が常に目標温度に適するように保持される」のに対して、引用発明では、このような構成を備えていない点。

(相違点2)
本願発明1では、「撹拌加熱サブシステムが、加熱ディスク式加熱装置と磁気撹拌装置」「とを含み、
具体的には、加熱ディスク(4)、断熱マット(5)、位置決めブロック(6)、永久磁石(7)、支持ブラケット(8)、モーター(9)及び磁気誘導ブロック(10)を含み、前記加熱ディスク(4)は洗浄ボトル(1)の下方に位置し、断熱マット(5)によって支持され、前記断熱マット(5)が位置決めブロック(6)に固定され、断熱マット(5)の中間部に収納穴が開口され、当該収納穴の中に永久磁石(7)が設けられ、前記永久磁石(7)が支持ブラケット(8)に取り付けられ、当該支持ブラケット(8)の下端がモーター(9)の出力軸に接続し、前記永久磁石(7)の上方にこれと合わせた磁気誘導ブロック(10)が設けられ、当該磁気誘導ブロック(10)が洗浄ボトル(1)の底の中間位置に取り付けられて」いるのに対して、引用発明では、このような構成を備えてない点。

(2)判断
事案に鑑みて、上記相違点2について検討する。
上記相違点2に係る本願発明1の構成は、引用文献2?4(上記「第5 2?5」を参照。)及び引用文献B(上記「第5 6」を参照。)に記載も示唆もされておらず、また、本願優先日前における周知技術とする理由もない。
してみると、上記相違点2に係る本願発明1の構成は、引用発明並びに引用文献2?4及び引用文献Bに記載された事項に基づいて当業者が容易に想到し得たことではない。

(3)小括
よって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、引用発明並びに引用文献2?4及び引用文献Bに記載された事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

2 本願発明2
本願発明2は、本願発明1の全ての構成を備え、さらに限定するものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明並びに引用文献2?4及び引用文献Bに記載された事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

3 本願発明3
(1)対比
本願発明3と引用発明とを対比する。
上記「1(1)対比」を参考にすると、本願発明3と引用発明とは、上記「一致点」で一致し、上記「相違点1」及び次の点で相違する。

(相違点3)
本願発明3では、「前記撹拌加熱サブシステムが、加熱カップ式加熱装置と磁気撹拌装置」「とを含み、
具体的には、加熱カップ(28)、PTCヒーター(29)、位置決めブロック(6)、永久磁石(7)、支持ブラケット(8)、モーター(9)及び磁気誘導ブロック(10)を含み、前記加熱カップ(28)が洗浄ボトル(1)の下方に位置し、PTCヒーター(29)が加熱カップ(28)の底部と周りに固定され、PTCヒーター(29)の周りは保温層(30)に包まれ、前記加熱カップ(28)が位置決めブロック(6)に固定され、位置決めブロック(6)の中間部に収納穴が開口され、当該収納穴の中に永久磁石(7)が設けられ、前記永久磁石(7)が支持ブラケット(8)に取り付けられ、当該支持ブラケット(8)の下端がモーター(9)の出力軸に接続し、前記永久磁石(7)の上方にこれと合わせた磁気誘導ブロック(10)が設けられ、当該磁気誘導ブロック(10)が洗浄ボトル(1)の底の中間位置に取り付けられて」いるのに対して、引用発明では、このような構成を備えてない点。

(2)判断
事案に鑑みて、上記相違点3について検討する。
上記相違点3に係る本願発明1の構成は、引用文献2?4及び引用文献Bに記載も示唆もされておらず、また、本願優先日前における周知技術とする理由もない。
してみると、上記相違点3に係る本願発明3の構成は、引用発明並びに引用文献2?4及び引用文献Bに記載された事項に基づいて当業者が容易に想到し得たことではない。

(3)小括
よって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明3は、引用発明並びに引用文献2?4及び引用文献Bに記載された事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

4 本願発明4
本願発明4は、本願発明3の全ての構成を備え、さらに限定するものであるから、本願発明3と同じ理由により、当業者であっても、引用発明並びに引用文献2?4及び引用文献Bに記載された事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

5 本願発明5
(1)対比
本願発明5と引用発明とを対比する。
上記「1(1)対比」を参考にすると、本願発明5と引用発明とは、上記「一致点」で一致し、上記「相違点1」及び次の点で相違する。

(相違点4)
本願発明5では、「前記撹拌加熱サブシステムが、水浴加熱装置と磁気撹拌装置」「とを含み、
具体的には、水浴加熱容器(25)、加熱ディスク(4)、断熱マット(5)、永久磁石(7)、支持ブラケット(8)、モーター(9)、磁気誘導ブロック(10)及び磁気誘導器(26)を含み、前記洗浄ボトル(1)が水浴加熱容器(25)内に配置され、洗浄ボトル(1)の底部の中央に磁気誘導ブラック(10)が固定され、前記水浴加熱容器(25)の底部の中央に磁気誘導器(26)が取り付けられ、当該磁気誘導器(26)の下方に加熱ディスク(4)が設置され、加熱ディスク(4)が断熱マット(5)によって支持され、前記断熱マット(5)の中間部に収納穴が開口され、当該収納穴の中に永久磁石(7)が設けられ、前記永久磁石(7)が支持ブラケット(8)に取り付けられ、当該支持ブラケット(8)の下端がモーター(9)の出力軸に接続して」いるのに対して、引用発明では、このような構成を備えてない点。

(2)判断
事案に鑑みて、上記相違点4について検討する。
上記相違点4に係る本願発明5の構成は、引用文献2?4及び引用文献Bに記載も示唆もされておらず、また、本願優先日前における周知技術とする理由もない。
してみると、上記相違点4に係る本願発明5の構成は、引用発明並びに引用文献2?4及び引用文献Bに記載された事項に基づいて当業者が容易に想到し得たことではない。

(3)小括
よって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明5は、引用発明並びに引用文献2?4及び引用文献Bに記載された事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

第7 むすび
以上のとおり、原査定及び当審拒絶理由通知における拒絶の理由によって、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-12-25 
出願番号 特願2015-507353(P2015-507353)
審決分類 P 1 8・ 537- WY (A61B)
P 1 8・ 121- WY (A61B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 原 俊文  
特許庁審判長 伊藤 昌哉
特許庁審判官 ▲高▼見 重雄
▲高▼橋 祐介
発明の名称 胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高めるシステムおよびこのシステムの作動方法  
代理人 早川 裕司  
代理人 村雨 圭介  

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