ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 一部申し立て 1項3号刊行物記載 B32B 審判 一部申し立て 2項進歩性 B32B 審判 一部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 B32B 審判 一部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備 B32B |
---|---|
管理番号 | 1336142 |
異議申立番号 | 異議2016-700906 |
総通号数 | 218 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2018-02-23 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2016-09-21 |
確定日 | 2017-11-24 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第5900663号発明「繊維強化樹脂積層体」の請求項1、2、4?12に係る特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第5900663号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?15〕について訂正することを認める。 特許第5900663号の請求項1、2、4?9、11及び12に係る特許を維持する。 特許第5900663号の請求項10に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 |
理由 |
1.手続の経緯 特許第5900663号の請求項1?15に係る特許についての出願は、平成26年12月2日(優先権主張 平成25年12月3日 日本国)を国際出願日とする出願であって、平成28年3月18日にその特許権の設定登録がされた。 その後、請求項1、2、4?12に係る特許について、特許異議申立人東レ株式会社(以下、「申立人」という。)により特許異議の申立てがなされ、平成29年1月19日付けで取消理由が通知され、平成29年3月27日付けで意見書の提出及び訂正の請求がなされ、平成29年5月31日付けで取消理由が通知され、平成29年7月4日付けで意見書の提出及び訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)がなされ、平成29年7月13日付けで申立人に対し本件訂正請求があった旨の通知がなされ、平成29年8月17日付けで申立人から意見書(以下、「申立人意見書」という。)が提出された。 なお、上記平成29年3月27日付けでなされた訂正の請求は、特許法第120条の5第7項の規定により取り下げられたものとみなす。 2.本件訂正請求についての判断 (1)訂正の内容 本件訂正請求による訂正の内容は以下のとおりである。 ア.訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に、 「(A)層:強化繊維に樹脂a又は樹脂組成物aを含浸したプリプレグからなる積層体であって、」とあるのを、 「(A)層:平均単繊維繊度が0.5dtex以上、2.4dtex以下の炭素繊維である強化繊維に樹脂a又は樹脂組成物aを含浸したプリプレグからなる積層体であって、」に訂正する。(請求項1の記載を引用する請求項2、3、5?9、11?13、15についても同様に訂正する。) イ.訂正事項2 特許請求の範囲の請求項4に、 「強化繊維に樹脂a’又は樹脂a’を含む樹脂組成物a’を含浸したプリプレグからなる積層体である(A)層と」とあるのを、 「平均単繊維繊度が0.5dtex以上、2.4dtex以下の炭素繊維である強化繊維に樹脂a’又は樹脂a’を含む樹脂組成物a’を含浸したプリプレグからなる積層体である(A)層と」に訂正する。(請求項4の記載を引用する請求項5?9、11?13、15についても同様に訂正する。) ウ.訂正事項3 特許請求の範囲の請求項10を削除する。 エ.訂正事項4 特許請求の範囲の請求項11に、 「請求項1から10のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂積層体。」とあるのを、 「請求項1から9のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂積層体。」に訂正する。 オ.訂正事項5 特許請求の範囲の請求項12に、 「請求項1から11のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂積層体。」とあるのを、 「請求項1から9及び11のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂積層体。」に訂正する。 カ.訂正事項6 特許請求の範囲の請求項13に、 「請求項1から12のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂積層体。」とあるのを、 「請求項1から9及び11から12のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂積層体。」に訂正する。 キ.訂正事項7 特許請求の範囲の請求項14を削除する。 ク.訂正事項8 特許請求の範囲の請求項15に、 「請求項1?14のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂積層体。」とあるのを、 「請求項1から9及び11から13のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂積層体。」に訂正する。 (2)訂正の適否 ア.一群の請求項 訂正前の請求項1及びそれぞれが請求項1を直接的又は間接的に引用する請求項2、3、5?15並びに訂正前の請求項4及びそれぞれが請求項4を直接的又は間接的に引用する請求項5?15は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項であり、訂正事項1?8による訂正は当該一群の請求項1?15に対し請求されたものである。 イ.訂正事項1について 訂正事項1は、訂正前の請求項1の「強化繊維」について、訂正前の請求項14の発明特定事項であった「前記(A)層の前記強化繊維の平均単繊維繊度が0.5dtex以上、2.4dtex以下の炭素繊維である」との記載等に基づいて、「平均単繊維繊度が0.5dtex以上、2.4dtex以下の炭素繊維である」ことを特定するものである。 ゆえに、訂正事項1による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ウ.訂正事項2について 訂正事項2は、訂正前の請求項4の「強化繊維」について、訂正前の請求項14の発明特定事項であった「前記(A)層の前記強化繊維の平均単繊維繊度が0.5dtex以上、2.4dtex以下の炭素繊維である」との記載等に基づいて、「平均単繊維繊度が0.5dtex以上、2.4dtex以下の炭素繊維である」ことを特定するものである。 ゆえに、訂正事項2による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 エ.訂正事項3、7について 訂正事項3は、請求項10を削除するものであり、訂正事項7は、請求項14を削除するものであるから、いずれも特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 オ.訂正事項4?6、8について 訂正事項4?6、8は、訂正事項1、2及び7により、訂正前の請求項14の発明特定事項を訂正後の請求項1及び4の発明特定事項とした上で、当該請求項14を削除したこと、及び、訂正事項3により、訂正前の請求項10を削除したことに対応して、引用する請求項の記載を整合させるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (3)独立特許要件 上記2.(2)イ.及びウ.で説示したとおり、訂正事項1及び2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるところ、訂正事項1及び2により訂正された請求項1及び4を引用する請求項3、13及び15に係る発明について、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項に規定する、独立特許要件、すなわち、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて検討する。 まず、後記3.(2)?(4)で説示するように、請求項3が引用する請求項1及び2に係る発明並びに請求項13及び15が引用する請求項1、4?9、11及び12に係る発明は、特許法第29条第1項第3号に該当せず、同条第2項の規定に違反するものでもなく、同法第36条第4項第1号、同条第6項第1号及び第2号の規定に違反するものでもないところ、請求項1に係る発明又は請求項4に係る発明の発明特定事項の全てを含み、さらに、技術的な限定を加える事項を発明特定事項としている、請求項3、13及び15に係る発明は、上記と同様の理由により、特許法第29条第1項第3号に該当せず、同条第2項の規定に違反するものでもなく、同法第36条第4項第1号、同条第6項第1号及び第2号の規定に違反するものでもない。 また、他に前記請求項3、13及び15に係る発明が特許を受けることができないとする理由を発見しない。 したがって、本件訂正後の請求項3、13及び15に係る発明は、独立特許要件を満たしている。 (4)むすび 以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は特許法第120条の5第2項第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び、同条第9項において準用する同法第126条第5項から第7項までの規定に適合するので、訂正後の請求項〔1?15〕について訂正を認める。 3.特許異議の申立てについて (1)本件発明 上記2.のとおり訂正が認められるから、本件特許の請求項1、2、4?9、11及び12に係る発明(以下、「本件発明1、2、4?9、11及び12」といい、これらの発明をまとめて「本件発明等」という。)は、本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲の請求項1、2、4?9、11及び12に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。 【請求項1】 下記(A)層と下記(B)層が積層されており、前記(A)層の厚みの総和を前記(B)層の厚みの総和で除した値が0.5以上3.0以下であることを特徴とする繊維強化樹脂積層体。 (A)層:平均単繊維繊度が0.5dtex以上、2.4dtex以下の炭素繊維である強化繊維に樹脂a又は樹脂組成物aを含浸したプリプレグからなる積層体であって、前記の強化繊維の体積含有率Vfの2乗と平均繊維長Laの積が2.0より大きく15以下である。 (B)層:樹脂組成物b、並びに樹脂c及び充填物を含む充填物含有樹脂組成物からなる群から選択される少なくとも一種の組成物からなるシートであって、前記充填物の体積含有率Vfの2乗と充填物の最大長さの平均値Lbの積が2.0以下である。 【請求項2】 下記式(1)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の繊維強化樹脂積層体。 0.85≦A1/B1≦4.0・・・式(1) A1:前記(A)層を形成する樹脂aの軟化点もしくは融点+40℃、100rad/secにおける前記(A)層の複素粘性率の絶対値 B1:前記(A)層を形成する樹脂aの軟化点もしくは融点+40℃、100rad/secにおける前記(B)層の複素粘性率の絶対値 【請求項4】 平均単繊維繊度が0.5dtex以上、2.4dtex以下の炭素繊維である強化繊維に樹脂a’又は樹脂a’を含む樹脂組成物a’を含浸したプリプレグからなる積層体である(A)層と;樹脂b’を含む樹脂組成物b’、並びに樹脂c’及び充填物を含む充填物樹脂組成物からなる群から選択される少なくとも一種の組成物からなるシートである(B)層と;が積層されており、下記式(1)を満たし、 前記(A)層の厚みの総和を前記(B)層の厚みの総和で除した値が0.5以上3.0以下であることを特徴とする繊維強化樹脂積層体。 0.85≦A1/B1≦4.0 ・・・式(1) A1:前記(A)層を形成する樹脂a’の軟化点もしくは融点+40℃、100rad/secにおける前記(A)層の複素粘性率の絶対値 B1:前記(A)層を形成する樹脂a’の軟化点もしくは融点+40℃、100rad/secにおける前記(B)層の複素粘性率の絶対値 【請求項5】 前記(A)層および/または前記(B)層の構成樹脂が、熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂積層体。 【請求項6】 前記(A)層を形成する前記プリプレグが、前記強化繊維の長さ方向を横切る方向に前記強化繊維を切断する深さの切込を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂積層体。 【請求項7】 前記(A)層を形成する前記プリプレグの前記切込が直線状であって、前記切込と前記強化繊維の長さ方向のなす角度が30°以上60°以下であり、前記プリプレグ1m^(2)あたりの前記切込の長さの総和が20m以上、150m以下であることを特徴とする請求項6に記載の繊維強化樹脂積層体。 【請求項8】 前記(A)層の前記強化繊維の平均繊維長が10mm以上50mm以下であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂積層体。 【請求項9】 前記(A)層ともう一つの(A)層の間に前記(B)層が積層されている請求項1から8のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂積層体。 【請求項11】 前記(A)層の前記強化繊維の体積含有率が20%以上60%以下であることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂積層体。 【請求項12】 前記(A)層の前記強化繊維が炭素繊維であることを特徴とする請求項1から9及び11のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂積層体。 (2)取消理由の概要 当審において通知した取消理由の概要は、以下のとおりである。 《理由1》 本件発明1、5?9、11及び12は、その出願前日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができない。 《理由2》 本件発明1、2、4?9、11及び12は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 《理由3》 本件特許は、明細書、特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第4項第1号及び第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 記 《刊行物》 甲1.特開2010-18724号公報 甲2.特許第5320742号公報 ア.理由1及び理由2について 甲1、2は、特許異議の申立ての甲第1号証、甲第2号証であり、以下、甲1、2に記載された発明を、各々、甲1発明、甲2発明といい、甲1、2に記載された事項を、各々、甲1記載事項、甲2記載事項という。 (ア)本件発明1について 本件発明1は、甲1発明または甲2発明である。 また、仮に、本件発明1は、甲1発明または甲2発明であるとはいえないとしても、甲1発明または甲2発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 (イ)本件発明2、4について 本件発明2、4は、甲1発明または甲2発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 (ウ)本件発明5?9、11及び12について 本件発明5?9、11及び12は、甲1発明または甲2発明である。 また、仮に、本件発明5?9、11及び12は、甲1発明または甲2発明であるとはいえないとしても、甲1発明または甲2発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 イ.理由3について (ア)本件発明2及び4における「軟化点」および「融点」について、本件特許明細書の発明の詳細な説明には、その定義や測定方法が記載されていない。 したがって、本件特許明細書の発明の詳細な説明は、本件発明2及び4について、当業者がその実施をし得る程度に、明確かつ十分に記載したものであるとはいえない。 (イ)訂正前の請求項10に係る発明は「繊維強化樹脂積層体」という物の発明であるが、「軟化点もしくは融点以上に加熱することにより融着して得られる」との特定があり、その物の製造方法が記載されているといえる。 ここで、物の発明に係る特許請求の範囲にその物を製造する方法が記載されている場合において、当該特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号にいう「発明が明確であること」という要件に適合するといえるのは、出願時において当該物をその構造又は特性により直接特定することが不可能であるか、又はおよそ実際的でないという事情(以下「不可能・非実際的事情」という)が存在するときに限られると解するのが相当である(最高裁第二小法廷平成27年6月5日 平成24年(受)第1204号、平成24年(受)第2658号)。 しかしながら、本件特許明細書には不可能・非実際的事情について何ら記載がなく、当業者にとって不可能・非実際的事情が明らかであるとも言えない。 したがって、訂正前の請求項10に係る発明は、明確でない。 (3)判断 ア.理由1、2について 上記2.で示したとおり本件訂正請求が認められたことにより、本件発明1及び4は、「強化繊維」が、「平均単繊維繊度が0.5dtex以上、2.4dtex以下の炭素繊維である」ことを発明特定事項とするものとなったが、かかる事項は、いずれの証拠にも記載されていない。 よって、本件発明1は、甲1発明または甲2発明であるとはいえない。 また、甲1発明または甲2発明において、「強化繊維」を「平均単繊維繊度が0.5dtex以上、2.4dtex以下の炭素繊維」とするべき動機や示唆は、いずれの証拠にも記載されていないし、本件特許の優先日前に周知の事項であるともいえない。 よって、本件発明1及び4は、甲1発明または甲2発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえない。 そして、本件発明1又は本件発明4の発明特定事項の全てを含み、さらに、技術的な限定を加える事項を発明特定事項としている、本件発明2、5?9、11及び12は、上記と同様の理由により、甲1発明または甲2発明であるとはいえず、甲1発明または甲2発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえない。 イ.理由3の(ア)について 本件発明2及び4における「軟化点」および「融点」に関して、本件特許明細書の発明の詳細な説明には、以下の記載がある。 「【0031】 (A)層を構成するマトリクス樹脂(樹脂a)の粘度は、通常0.01?1000Pa・sであり、好ましくは0.1?500Pa・sである。粘度が高すぎるとスタンピング成形後の成形品の炭素繊維の密度分布が不均一となり、構造体に必要な十分な力学特性が得られない。また低すぎると機械物性が低下する。かかる粘度は、回転式レオメーター(ARES:ティー・エー・インスツルメント社製)を用いて、パラレルプレート法により測定した値である。より詳細には、回転プレート直径25mm、角周波数100rad/sec、軟化点もしくは融点+40℃の条件にて動的粘弾性を測定する。」 「【0043】 (B)層を構成するマトリクス樹脂(樹脂)の粘度は、通常0.1?10000Pa・sであり、好ましくは1.0?5000Pa・sである。粘度が高すぎるとスタンピング成形性が低下し、低すぎるとスタンピング成形後の成形品の炭素繊維の密度分布が不均一となり、構造体に必要な十分な力学特性が得られない。かかる粘度は、回転式レオメーター(ARES:ティー・エー・インスツルメント社製)を用いて、パラレルプレート法により測定した値である。より詳細には、回転プレート直径25mm、角周波数100rad/sec、軟化点もしくは融点+40℃の条件にて動的粘弾性を測定する。」 「【0048】 複素粘性率η^(*)は、貯蔵弾性率G‘、損失弾性率G“から算出される複素弾性率G^(*)から算出されるものであるので、粘弾性流体の特性を明確に表すことが出来る。尚、複素粘性率η^(*)は、下記の式から算出され、例えば、回転式レオメータ(ARES:ティー・エー・インスツルメント社製)を用いることにより、パラレルプレート法により測定した値である。より詳細には、回転プレート直径25mm、角周波数100rad/sec、軟化点もしくは融点+40℃の条件にて複素粘性率を測定する。 測定することができる。 η^(*)=G^(*)/ω (ω:角速度) G^(*)=√(G‘^(2)+G“^(2)) 本発明の第一の態様で用いられる(A)層を形成する樹脂の軟化点もしくは融点にプラス40℃の温度、100rad/secにおける(A)層の複素粘性率と(B)層の複素粘性率は、(A)層の複素粘性率を(B)層の複素粘性率で除した値が、0.85以上4.0以下である。上記の値が、4.0超だと、図4に示すようにスタンピング成形時にB層の成形品端面の流れ出しを抑制出来ず、特に成形品の炭素繊維の密度分布が不均一となり、構造体に必要な十分な力学特性が得られない。上記の値が0.85未満だと、図5に示すように流動性が低下し、リブ等の薄肉部において必要な流動性が得られない。0.85以上4.0以下であることにより、図6に示すようにリブ等の薄肉部にも充填可能でかつ、炭素繊維の密度が均一な成形品を得ることができる。(A)層の複素粘性率を(B)層の複素粘性率で除した値が、1.5?3であることがより好ましい。」 「【0059】 (複素粘性率の測定) 複素粘性率η^(*)は、回転式レオメータ(ARES:ティー・エー・インスツルメント社製)を用い、パラレルプレート法により測定した値である。より詳細には、回転プレート直径25mm、角周波数100rad/sec、軟化点もしくは融点+40℃の条件にて複素粘性率を測定した。」 「【0060】 (実施例1) (プリプレグの製造) 炭素繊維(三菱レイヨン製、製品名:パイロフィルTR-50S15L)を、強化繊維の方向が一方向となるように平面状に引き揃えて目付が72.0g/m^(2)である強化繊維シートとした。この強化繊維シートの両面を、ナイロン6のフィルム(ナイロン6:宇部興産社製、製品名:1013B、融点:218℃、厚み:40μ)で挟み、カレンダロールを複数回通して、熱可塑性樹脂を強化繊維シートに含浸し、炭素繊維体積含有率(Vf)が34%、厚さが0.125mmのプリプレグを得た。 (繊維強化樹脂積層体の製造) 得られたプリプレグを、300mm角に切り出し、サンプルカット機(レザック製、製品名:L-2500)を用いて表1に示すように一定間隔で切込を入れた。その際、シートの端部より5mm内側部分を除き、強化繊維の長さL=25.0mm一定、平均切込長l=14.1mmになるよう、繊維を切断する切込と強化繊維のなす角度θ=45°の切込加工を施し、プリプレグ(以後、PPGと略)を得た。この際1m^(2)あたりの切込長の総和la=56.6mであった。 300mm角で深さ1.5mmの印籠金型内に、表1記載のように強化繊維の向きが0°、45°、90°及び-45°となるような4枚のPPGからなるPPG積層体と、強化繊維の向きが0°、45°、90°及び-45°となるような4枚のPPGからなるPPG積層体とで、厚み0.5mmのナイロン6シート(ナイロン6:宇部興産製、製品名:1013B)を挟んだ。その後加熱し、圧縮成形機(神藤金属工業所製、製品名:SFA-50HH0)を用いて、高温側プレスにて250℃、油圧指示0MPaの条件で7分間保持した。次いで同一温度にて油圧指示2MPa(プレス圧0.55MPa)の条件で7分間保持後、金型を冷却プレスに移動させ、30℃,油圧指示5MPa(プレス圧1.38MPa)にて3分間保持することで繊維強化樹脂積層体を得た。 シートから切り出した試験片を用い、各種評価を実施した 【0061】 (実施例2) 炭素繊維の長さ(平均繊維長)L=25.0mm一定、平均切込長l=20mmになるよう、繊維を切断する切込と強化繊維のなす角度θ=30°の切込加工を施した以外は、実施例1と同様の方法で繊維強化樹脂積層体を作製し、評価を行った。尚、この際の表面層に使用したPPGの1m^(2)あたりの切込長の総和1a=80mであった。 【0062】 (実施例3) 表1記載のようにPPGと厚み1mmのナイロン6シート(ナイロン6:宇部興産製、製品名:1013B)を重ねた以外は、実施例1と同様の方法で繊維強化樹脂積層体を作製し、評価を行った。尚、この際の表面層に使用したPPGの1m^(2)あたりの切込長の総和1a=56.6mであった。 【0063】 (実施例4) (プリプレグの製造) 炭素繊維(三菱レイヨン製、製品名:パイロフィルTR-50S15L)を、強化繊維の方向が一方向となるように平面状に引き揃えて目付が72.0g/m^(2)である強化繊維シートとした。この強化繊維シートの両面を、酸変性ポリプロピレンのフィルム(酸変性ポリプロピレン:三菱化学社製、製品名:958V、融点:168℃、厚み:40μ)で挟み、カレンダロールを複数回通して、熱可塑性樹脂を強化繊維シートに含浸し、炭素繊維体積含有率(Vf)が34%、厚さが0.125mmのPPGを得た。 (繊維強化樹脂積層体の製造) 得られたPPGを、300mm角に切り出し、サンプルカット機(レザック製、製品名:L-2500)を用いて表1に示すように一定間隔で切込を入れた。その際、シートの端部より5mm内側部分を除き、強化繊維の長さ(平均繊維長)L=25.0mm一定、平均切込長l=14.1mmになるよう、繊維を切断する切込と強化繊維のなす角度θ=45°の切込加工を施したPPGを得た。この際1m^(2)あたりの切込長の総和la=56.6mであった。 300mm角で深さ1.5mmの印籠金型内に、表1記載のように強化繊維の向きが0°、45°、90°及び-45°となるような4枚のPPGからなるPPG積層体と、強化繊維の向きが0°、45°、90°及び-45°となるような4枚のPPGからなるPPG積層体とで、厚み0.5mmのポリプロピレンシート(ポリプロピレン:日本ポリプロ社製、製品名:EA6)を挟んだ。その後加熱し、圧縮成形機(神藤金属工業所製、製品名:SFA-50HH0)を用いて、高温側プレスにて200℃、油圧指示0MPaの条件で7分間保持した。次いで同一温度にて油圧指示2MPa(プレス圧0.55MPa)の条件で7分間保持後、金型を冷却プレスに移動させ、30℃,油圧指示5MPa(プレス圧1.38MPa)にて3分間保持することで繊維強化樹脂積層体を得た。 【0064】 (実施例5) 表1記載のようにPPGと厚み0.5mmのガラス繊維強化ナイロン6シート(ナイロン6:宇部興産製、製品名:1015GC6)を重ねた以外は、実施例1と同様の方法で繊維強化樹脂積層体を作製し、評価を行った。尚、この際の表面層に使用したPPGの1m^(2)あたりの切込長の総和1a=56.6mであった。 【0065】 (実施例6) 表1記載のようにPPGと厚み0.5mmの酸変性ポリプロピレンのシート(酸変性ポリプロピレン:三菱化学社製、製品名:P958V)を重ねた以外は、実施例4と同様の方法で繊維強化樹脂積層体を作製し、評価を行った。尚、この際の表面層に使用したPPGの1m^(2)あたりの切込長の総和1a=56.6mであった。 【0066】 (比較例1) 表1記載のようにPPGと厚み0.16mmのガラス繊維強化ナイロン6シート(ナイロン6:宇部興産製、製品名:1015GC6)を重ねた以外は、実施例1と同様の方法で繊維強化樹脂積層体を作製し、評価を行った。尚、この際の表面層に使用したPPGの1m^(2)あたりの切込長の総和1a=56.6mであった。 【0067】 (比較例2) 300mm角で深さ1.5mmの印籠金型内に、炭素繊維強化ナイロン66短繊維ペレット(ナイロン66:三菱レイヨン社製、製品名:N66-C-20)120gを金型内に均一にばらまき、加熱し、圧縮成形機(神藤金属工業所製、製品名:SFA-50HH0)を用いて、高温側プレスにて300℃、油圧指示0MPaの条件で7分間保持し、次いで同一温度にて油圧指示2MPa(プレス圧0.55MPa)の条件で7分間保持後、金型を冷却プレスに移動させ、30℃,油圧指示5MPa(プレス圧1.38MPa)にて3分間保持することで繊維強化樹脂積層体を得た。 【0068】 (比較例3) 表1記載のようにPPGと厚み2.5mmのナイロン6シート(ナイロン6:宇部興産製、製品名:1013B)を重ねた以外は、実施例1と同様の方法で繊維強化樹脂積層体を作製し、評価を行った。尚、この際の表面層に使用したPPGの1m^(2)あたりの切込長の総和1a=56.6mであった。 【0069】 【表1】 【0070】 【表2】 【0071】 表1及び2より明らかなように、実施例1?6は、成形性、力学特性共に良好であった。これに対し、比較例1は成形性に劣り、比較例2と3は力学特性に劣るので、構造材としては不適である。又、これらの中でも実施例3は、成形性と力学特性のバランスが優れたものであった。」 まず、本件発明2及び4における「軟化点」および「融点」について、本件特許明細書の発明の詳細な説明には、その定義や測定方法が記載されていない。 一方、本件特許明細書の段落【0060】?【0071】には、本件発明等の実施例として、予め、融点の値が解っている既存の製品(段落【0060】「ナイロン6のフィルム(ナイロン6:宇部興産社製、製品名:1013B、融点:218℃、厚み:40μ)」や【0063】「酸変性ポリプロピレンのフィルム(酸変性ポリプロピレン:三菱化学社製、製品名:958V、融点:168℃、厚み:40μ)」との記載を参照。)を用いて(A)層を形成することで、本件発明等を実施し、所望の効果が得られた例が説明されており、本件発明2及び4を実施しようとする当業者は、上記段落【0060】?【0071】の記載を参考に、予め、融点や軟化点が解っている既存の製品を用いて(A)層を形成することで、本件発明等を実施し得るといえる。 そして、そのような既存の製品については、その融点や軟化点がどのように測定されたものであるかは、当業者であれば容易に知り得るものである。 申立人は、融点と軟化点の双方をもつ樹脂の場合、いずれの値を用いて複素弾性率を測定すればよいのかが不明である旨主張している(特許異議申立書24頁下から2行?26頁10行及び申立人意見書2頁(同意見書の2枚目)下から5行?3頁(同意見書の3枚目)5行)ことを踏まえ、融点と軟化点の双方が解っている製品を用いる場合に、いずれを用いるかについても検討する。 本件発明2及び4は、本件特許明細書の段落【0048】の記載からみて、「(A)層を形成する樹脂」の「軟化点もしくは融点+40℃」という温度で測定した、(A)層の複素粘性率の絶対値である「A1」及び(B)層の複素粘性率の絶対値である「B1」が、「0.85≦A1/B1≦4.0」という関係を満足することで、成形時に必要十分な流動性を担保し、リブ等の薄肉部にも充填可能でかつ、炭素繊維の密度が均一な成形品を得ることができるというものであることが理解できる。 一方、「軟化点」及び「融点」は、一般的な用語であって、その意味は各々「非晶質で明確な融点をもたない固体物質が、軟化して変形を起こしはじめる温度」(デジタル大辞泉)、「融解の起こり始める温度。固体と液体とが平衡を保って存在する温度」(大辞林第三版)である。 してみると、上記「(A)層を形成する樹脂」の「軟化点もしくは融点+40℃」という温度は、上記「成形時に必要十分な流動性」の評価温度であるといえるから、融点の値と軟化点の値の双方が解っている製品を用いる場合には、より流動性が高いことがその意味から明らかである「融点」の値を用いると解するのが自然である。 ゆえに、融点と軟化点の双方をもつ樹脂の場合、いずれの値を用いて複素弾性率を測定すればよいのかが不明であるとまではいえず、このことを理由として、本件発明2及び4を実施し得ないとまではいえない。 以上のとおり、本件発明2及び4における「軟化点」および「融点」について、本件特許明細書の発明の詳細な説明には、その定義や測定方法が記載されていないからといって、本件特許明細書の発明の詳細な説明は、本件発明2及び4について、当業者がその実施をし得る程度に、明確かつ十分に記載したものでないとまではいえない。 ウ.理由3の(イ)について 上記2.で示したとおり本件訂正請求が認められたことにより、請求項10は削除されたため、理由3の(イ)については、対象となる請求項が存在しないこととなり、理由のないものとなった。 (4)取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について 申立人は、本件発明2及び4における「軟化点」および「融点」について、本件特許明細書の発明の詳細な説明には、その定義や測定方法が記載されておらず不明であるから、本件発明2、4は、特許法第36条第6項第1号の規定を満たしていない旨(特許異議申立書22頁末行?26頁14行)及び同項第2号の規定も満たしていない旨(申立人意見書1頁(同意見書の1枚目)下から15行?3頁(同意見書の3枚目)11行)を主張している。 しかしながら、そもそも「本件発明2及び4における「軟化点」および「融点」が不明である」から、本件発明2及び4は、本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載された発明ではないとはいえず、また、本件発明2及び4は、本件特許明細書の段落【0048】の記載からみて、本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載された発明であることは明らかである。 そして、「軟化点」、「融点」は、各々、意味が明確な用語であり、さらに、融点と軟化点の双方をもつ樹脂の場合であっても、いずれの値を用いて複素弾性率を測定すればよいのかが不明であるとまではいえないことは、上記「3.(3)イ.」で説示したとおりである。 したがって、本件発明2及び4は、特許法第36条第6項第1号及び第2号の規定に違反するものではなく、申立人の主張は採用できない。 (5)小括 以上のとおり、本件発明1、2、4?9、11及び12に係る特許は、特許法第29条第1項第3号、同条第2項、第36条第4項第1号、同条第6項第1号及び第2号の規定に違反してされたものではないから、同法第113条第2号及び第4号の規定に該当することを理由に取り消されるべきものとすることはできない。 4.むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由によっては、本件発明1、2、4?9、11及び12に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件発明1、2、4?9、11及び12に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 そして、本件特許の請求項10及び14は、本件訂正が認められることにより、削除され、本件特許の請求項10についての特許異議の申立ては、その対象が存在しないものとなった。 よって、本件特許の請求項10についての特許異議の申立ては、不適法であって、その補正をすることができないものであるから、特許法第120条の8で準用する同法第135条の規定により、却下すべきものである。 したがって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 下記(A)層と下記(B)層が積層されており、前記(A)層の厚みの総和を前記(B)層の厚みの総和で除した値が0.5以上3.0以下であることを特徴とする繊維強化樹脂積層体。 (A)層:平均単繊維繊度が0.5dtex以上、2.4dtex以下の炭素繊維である強化繊維に樹脂a又は樹脂組成物aを含浸したプリプレグからなる積層体であって、前記の強化繊維の体積含有率Vfの2乗と平均繊維長Laの積が2.0より大きく15以下である。 (B)層:樹脂組成物b、並びに樹脂c及び充填物を含む充填物含有樹脂組成物からなる群から選択される少なくとも一種の組成物からなるシートであって、前記充填物の体積含有率Vfの2乗と充填物の最大長さの平均値Lbの積が2.0以下である。 【請求項2】 下記式(1)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の繊維強化樹脂積層体。 0.85≦A1/B1≦4.0・・・式(1) A1:前記(A)層を形成する樹脂aの軟化点もしくは融点+40℃、100rad/secにおける前記(A)層の複素粘性率の絶対値 B1:前記(A)層を形成する樹脂aの軟化点もしくは融点+40℃、100rad/secにおける前記(B)層の複素粘性率の絶対値 【請求項3】 前記(A)層の厚みの総和を前記(B)層の厚みの総和で除した値が1.0以上2.0以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の繊維強化樹脂積層体。 【請求項4】 平均単繊維繊度が0.5dtex以上、2.4dtex以下の炭素繊維である強化繊維に樹脂a’又は樹脂a’を含む樹脂組成物a’を含浸したプリプレグからなる積層体である(A)層と;樹脂b’を含む樹脂組成物b’、並びに樹脂c’及び充填物を含む充填物樹脂組成物からなる群から選択される少なくとも一種の組成物からなるシートである(B)層と;が積層されており、下記式(1)を満たし、 前記(A)層の厚みの総和を前記(B)層の厚みの総和で除した値が0.5以上3.0以下であることを特徴とする繊維強化樹脂積層体。 0.85≦A1/B1≦4.0 ・・・式(1) A1:前記(A)層を形成する樹脂a’の軟化点もしくは融点+40℃、100rad/secにおける前記(A)層の複素粘性率の絶対値 B1:前記(A)層を形成する樹脂a’の軟化点もしくは融点+40℃、100rad/secにおける前記(B)層の複素粘性率の絶対値 【請求項5】 前記(A)層および/または前記(B)層の構成樹脂が、熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂積層体。 【請求項6】 前記(A)層を形成する前記プリプレグが、前記強化繊維の長さ方向を横切る方向に前記強化繊維を切断する深さの切込を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂積層体。 【請求項7】 前記(A)層を形成する前記プリプレグの前記切込が直線状であって、前記切込と前記強化繊維の長さ方向のなす角度が30°以上60°以下であり、前記プリプレグ1m^(2)あたりの前記切込の長さの総和が20m以上、150m以下であることを特徴とする請求項6に記載の繊維強化樹脂積層体。 【請求項8】 前記(A)層の前記強化繊維の平均繊維長が10mm以上50mm以下であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂積層体。 【請求項9】 前記(A)層ともう一つの(A)層の間に前記(B)層が積層されている請求項1から8のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂積層体。 【請求項10】 (削除) 【請求項11】 前記(A)層の前記強化繊維の体積含有率が20%以上60%以下であることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂積層体。 【請求項12】 前記(A)層の前記強化繊維が炭素繊維であることを特徴とする請求項1から9及び11のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂積層体。 【請求項13】 前記(B)層の前記充填物がリサイクル材であることを特徴とする請求項1から9及び11から12のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂積層体。 【請求項14】 (削除) 【請求項15】 前記(A)層の前記強化繊維に用いられる繊維束のフィラメント数が3,000本以上100,000本以下である請求項1から9及び11から13のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂積層体。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2017-11-14 |
出願番号 | 特願2014-560155(P2014-560155) |
審決分類 |
P
1
652・
536-
YAA
(B32B)
P 1 652・ 121- YAA (B32B) P 1 652・ 113- YAA (B32B) P 1 652・ 537- YAA (B32B) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 中村 勇介、岩本 昌大 |
特許庁審判長 |
千壽 哲郎 |
特許庁審判官 |
谿花 正由輝 渡邊 豊英 |
登録日 | 2016-03-18 |
登録番号 | 特許第5900663号(P5900663) |
権利者 | 三菱ケミカル株式会社 |
発明の名称 | 繊維強化樹脂積層体 |
代理人 | 志賀 正武 |
代理人 | 鈴木 三義 |
代理人 | 鈴木 三義 |
代理人 | 高橋 詔男 |
代理人 | 高橋 詔男 |
代理人 | 志賀 正武 |