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審決分類 |
審判 一部申し立て 2項進歩性 B32B 審判 一部申し立て 1項3号刊行物記載 B32B |
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管理番号 | 1336154 |
異議申立番号 | 異議2017-700547 |
総通号数 | 218 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2018-02-23 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2017-05-31 |
確定日 | 2017-11-30 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6035144号発明「フェノール樹脂発泡体積層板及びその製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6035144号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-7〕について訂正することを認める。 特許第6035144号の請求項1、2、4?7に係る特許を維持する。 |
理由 |
第1.手続の経緯 特許第6035144号の請求項1?7に係る特許についての出願は、平成23年3月25日(優先権主張平成22年3月26日 日本国)を国際出願日とする出願であって、平成28年11月4日にその特許権の設定登録がされ、その後、請求項1、2、4?7に係る特許について、特許異議申立人森谷晴美(以下、「申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、平成29年7月11日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である同年9月12日に意見書の提出及び訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)があり、本件訂正請求に対して申立人から同年10月25日付けで意見書が提出されたものである。 第2.訂正の適否についての判断 1.訂正の内容 本件訂正請求による訂正の内容は以下のとおりである。 (1)訂正事項1 請求項1に「前記フェノール樹脂発泡体が炭化水素、塩素化脂肪族炭化水素又はこれらの組み合わせを含有し」と記載されているのを、「前記フェノール樹脂発泡体が、塩素化脂肪族炭化水素、又は、炭化水素と塩素化脂肪族炭化水素との組み合わせを含有し」に訂正する。 (2)訂正事項2 請求項7に 「請求項1?6のいずれか一項に記載のフェノール樹脂発泡体積層板の製造方法であって、 前記フェノール樹脂に含まれる残留フェノールが1.0重量%以上4.3重量%以下であり、 前記フェノール樹脂に含まれる水分率が1.0重量%以上9.2重量%以下であり、 前記フェノール樹脂の40℃における粘度が5000mPa・s以上100000mPa・s以下である、製造方法」と記載されているのを、 「フェノール樹脂発泡体積層板の製造方法であって、 前記フェノール樹脂に含まれる残留フェノールが1.0重量%以上4.3重量%以下であり、 前記フェノール樹脂に含まれる水分率が1.0重量%以上9.2重量%以下であり、 前記フェノール樹脂の40℃における粘度が5000mPa・s以上100000mPa・s以下であり、 前記フェノール樹脂発泡体積層板が、フェノール樹脂発泡体と、該フェノール樹脂発泡体の表面を被覆する面材と、を有し、 前記フェノール樹脂発泡体が炭化水素、塩素化脂肪族炭化水素又はこれらの組み合わせを含有し、 前記フェノール樹脂発泡体の密度が10kg/m^(3)以上100kg/m^(3)以下であり、 前記フェノール樹脂発泡体の平均気泡径が5μm以上200μm以下であり、 前記フェノール樹脂発泡体の独立気泡率が85%以上99%以下であり、 70℃、48時間後における前記フェノール樹脂発泡体の寸法変化率(EN1604に基づき測定される寸法変化率)が-0.1%?-0.49%である、製造方法」に訂正する。 2.訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否、一群の請求項 (1)訂正事項1は、フェノール樹脂発泡体の含有物について、「炭化水素、塩素化脂肪族炭化水素又はこれらの組み合わせ」を「塩素化脂肪族炭化水素、又は、炭化水素と塩素化脂肪族炭化水素との組み合わせ」に訂正するものであって、訂正前はフェノール樹脂発泡体の含有物が「炭化水素」、「塩素化脂肪族炭化水素」、「炭化水素と塩素化脂肪族炭化水素との組み合わせ」のいずれかであったものから、「炭化水素」である場合を除外するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (2)訂正事項2は、訂正前の請求項7の記載が訂正前の請求項1?6のいずれか一項を引用する記載であったものを、訂正前の請求項1のみを引用し、その記載を請求項7の記載に加えるものであって、特許請求の範囲の減縮を目的とするとともに他の請求項2?6の記載を引用しないものとすることを目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (3)そして、これら訂正は一群の請求項に対して請求されたものである。 (4)訂正事項1に係る訂正により請求項1が訂正されるのに伴って、特許異議の申立ての対象となっていない請求項3も訂正される。そして、上記のとおり訂正事項1の目的は特許請求の範囲の減縮であるから、訂正後の請求項3に係る発明がいわゆる独立特許要件を満たすかどうかについて検討する。 以下の第3.4(1)に示すように、本件の訂正された請求項1に係る発明は取消理由によっては取消すことができないから、本件の訂正された請求項1に係る発明を減縮した本件の訂正された請求項3に係る発明も取消すことができず、本件の訂正された請求項3に係る発明は特許出願の際独立して特許を受けることができたものである。 3.小括 以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は特許法第120条の5第2項第1号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び、同条第9項において準用する同法第126条第5項から第7項までの規定に適合するので、訂正後の請求項〔1-7〕について訂正を認める。 第3.特許異議の申立てについて 1.本件発明 本件訂正請求による訂正は認められたので、訂正された請求項1、2、4?7に係る発明(以下、「本件発明1、2、4?7」という。また、これらをまとめて「本件発明」ともいう。)は、その特許請求の範囲の請求項1、2、4?7に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。 「【請求項1】 フェノール樹脂発泡体と、該フェノール樹脂発泡体の表面を被覆する面材と、を有するフェノール樹脂発泡体積層板であって、 前記フェノール樹脂発泡体が、塩素化脂肪族炭化水素、又は、炭化水素と塩素化脂肪族炭化水素との組み合わせを含有し、 前記フェノール樹脂発泡体の密度が10kg/m^(3)以上100kg/m^(3)以下であり、 前記フェノール樹脂発泡体の平均気泡径が5μm以上200μm以下であり、 前記フェノール樹脂発泡体の独立気泡率が85%以上99%以下であり、 70℃、48時間後における前記フェノール樹脂発泡体の寸法変化率(EN1604に基づき測定される寸法変化率)が-0.1%?-0.49%である、フェノール樹脂発泡体積層板。 【請求項2】 前記フェノール樹脂発泡体中の揮発分含有率が1.0重量%以上7.0重量%以下である、請求項1に記載のフェノール樹脂発泡体積層板。 【請求項4】 前記面材の酸素透過率が4.5cm^(3)/24h・m^(2)以上である、請求項1?3のいずれか一項に記載のフェノール樹脂発泡体積層板。 【請求項5】 前記フェノール樹脂発泡体の熱伝導率が0.0150?0.0250W/m・Kである、請求項1?4のいずれか一項に記載のフェノール樹脂発泡体積層板。 【請求項6】 前記フェノール樹脂発泡体の密度が10kg/m^(3)以上28kg/m^(3)以下である、請求項1?5のいずれか一項に記載のフェノール樹脂発泡体積層板。 【請求項7】 面材上で、フェノール樹脂と、硬化触媒と、炭化水素、塩素化脂肪族炭化水素又はこれらの組み合わせを含有する発泡剤と、界面活性剤と、を含む発泡性フェノール樹脂組成物を、発泡及び硬化させる、フェノール樹脂発泡体積層板の製造方法であって、 前記フェノール樹脂に含まれる残留フェノールが1.0重量%以上4.3重量%以下であり、 前記フェノール樹脂に含まれる水分率が1.0重量%以上9.2重量%以下であり、 前記フェノール樹脂の40℃における粘度が5000mPa・s以上100000mPa・s以下であり、 前記フェノール樹脂発泡体積層板が、フェノール樹脂発泡体と、該フェノール樹脂発泡体の表面を被覆する面材と、を有し、 前記フェノール樹脂発泡体が炭化水素、塩素化脂肪族炭化水素又はこれらの組み合わせを含有し、 前記フェノール樹脂発泡体の密度が10kg/m^(3)以上100kg/m^(3)以下であり、 前記フェノール樹脂発泡体の平均気泡径が5μm以上200μm以下であり、 前記フェノール樹脂発泡体の独立気泡率が85%以上99%以下であり、 70℃、48時間後における前記フェノール樹脂発泡体の寸法変化率(EN1604に基づき測定される寸法変化率)が-0.1%?-0.49%である、製造方法。」 2.特許異議申立書における甲号証 甲第1号証:旭化成建材「ネオマフォーム」カタログ、第3版第1刷(2007年6月) 甲第2号証:特開昭58-1730号公報 甲第3号証:特開昭63-10642号公報 甲第4号証:特公昭63-20460号公報 甲第5号証:特開2002-309030号公報 甲第6号証:特開2009-90553号公報 甲第7号証:特開2007-70507号公報 甲第8号証:日本工業標準調査会 審議、「発泡プラスチック保温材 JIS A 9511:2006R(JTIA/JSA)」日本規格協会、平成18年11月20日第1刷発行、17頁 甲第9号証:The European Committee For Standardization「EN1604(November 1996)+A1(September 2006)」、British Standards Institution(2007)、表紙、1?3、7頁、奥付 以下、甲第1号証等を「甲1」等という。また、甲1に記載された発明、甲1等に記載された事項をそれぞれ「甲1発明」、「甲1事項」等という。 3.取消理由の概要 平成29年7月11日付けで特許権者に通知した取消理由の概要は、次のとおりである。 (1)本件発明1、4及び5は、甲1発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないものである。 (2)本件発明1は、甲1発明及び甲2事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。 (3)本件発明2、4?6は、甲1発明並びに甲2事項及び甲3事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。 4.甲各号証の記載 (1)甲1記載事項 甲1には、以下の事項が記載されている。 ア 「高性能フェノールフォーム保温板ネオマフォーム」のカタログであること(第1頁)。 イ ポリエステル不織布とフェノールフォームを積層した保温板であること(第8頁の最上欄「ネオマフォーム」の項目) ウ 「ネオマフォームはフロン系ガスを一切使用しない『炭化水素』での発泡」であること(第5頁) エ ネオマフォームの密度が27kg/m^(3)であること(第15頁の「基本物性比較」の表) オ 「ネオマフォームの気泡構造は100ミクロン以下という極微細」であること(第4頁上欄) カ ネオマフォームは「独立気泡率94?95%」であること(第4頁下欄) キ JIS A 9511に準拠した試験方法により試験すると寸法変化率が厚さについて24時間:+1.0%、72時間+1.2%、長さ・幅について24時間:+0.3%、72時間:+0.3%であること(第15頁「主要性能一覧」) (2)甲1発明 上記(1)から、甲1には以下の甲1発明が記載されていると認められる。 「ポリエステル不織布とフェノールフォームを積層した保温板であって、フェノールフォームが炭化水素を発泡したものであり、前記フォームの密度が27kg/m^(3)であり、前記フォームの気泡構造が100ミクロン以下であり、前記フォームの独立気泡率は94?95%であり、JIS A 9511に準拠した試験方法により試験すると寸法変化率が厚さについて24時間:+1.0%、72時間+1.2%、長さ・幅について24時間:+0.3%、72時間:+0.3%である、保温板。」 5.判断 (1)取消理由通知に記載した取消理由について ア.取消理由(1)(特許法第29条第1項第3号)について 本件発明1と甲1発明とを対比すると、両者は少なくとも以下の相違点1で相違する。 《相違点1》 「フェノール樹脂発泡体積層板におけるフェノール樹脂発泡体について、本件発明1では塩素化脂肪族炭化水素又は炭化水素と塩素化脂肪族炭化水素との組み合わせを含有するのに対し、甲1発明では炭化水素を含有する点。」 そうすると、相違点1は塩素化脂肪族炭化水素の含有の有無に関する相違点であるから、実質的な相違点である。 よって、本件発明1は甲1発明ではない。 また、本件発明4及び5も、本件発明1の特定事項をすべて含むものであるから、甲1発明ではない。 したがって、本件発明1、4及び5は特許法第29条第1項第3号に該当しないから、本件発明1、4及び5に係る特許は、特許法第113条第2号の規定に該当せず、取り消すことはできない。 イ.取消理由(2)及び(3)(特許法第29条第2項)について 本件発明1は、上記相違点1に係る構成を備えることで、低い熱伝導率を実現するものである(本件特許明細書の特に段落0021、段落0023、段落0062の表1、段落0076の表2を参照)。 そして、上記相違点1に係る構成を備えることで、低い熱伝導率を実現することは、甲2、甲3にも記載されていないし、示唆する記載もない。 よって、本件発明1は甲1発明及び甲2事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 また、本件発明2、4?6も、本件発明1の特定事項をすべて含むものであるから、甲1発明並びに甲2事項及び甲3事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 したがって、本件発明1、2、4?6は特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものとすることはできないから、本件発明1、2、4?6に係る特許は、特許法第113条第2号の規定に該当せず、取り消すことはできない。 (2)申立人の意見について 平成29年10月25日付け意見書において申立人は、甲1発明における「炭化水素」は「塩素化脂肪族炭化水素」も当然に包含するものである旨を主張する。しかし、甲1には、「炭化水素」について、「塩素化脂肪族炭化水素」を用いることで低い熱伝導率を得るという技術思想は開示されていない。 また、上記意見書において申立人は、フェノール樹脂発泡体の発泡剤として、塩素化脂肪族炭化水素は一般に使用されている周知のものに過ぎない旨を主張し、実際に甲7(特に段落0015、0016を参照。)には、フェノール樹脂発泡体の発泡剤として塩素化脂肪族炭化水素を用いることで、発泡体の初期熱伝導率が低くなることが記載されている。 しかし、本件発明のように、フェノール樹脂発泡体積層体において寸法安定性を改善(段落0010)しつつ、同時に熱伝導率を低下させるという技術思想は、甲1?甲9及び意見書において申立人が挙げる参考文献には開示されていない。そして本件発明は、本件特許明細書段落0014?0042に記載の方法により、フェノール樹脂発泡体積層体において寸法安定性を改善(段落0010参照)しつつ、同時に熱伝導率を低下させることを実現したものである。 したがって、申立人の意見には理由がない。 (3)取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について 申立人は、訂正前の請求項7に係る特許について、甲1発明及び甲2事項ないし甲9事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、請求項7に係る特許は取り消されるべきものである旨を主張する。 ここで、本件訂正請求は認められたので、訂正後の請求項7に係る発明である本件発明7について、以下に検討する。 本件発明7と甲1発明とを比較すると、両者は少なくとも以下の相違点2で相違する。 《相違点2》 フェノール樹脂について、本件発明7では「残留フェノールが1.0重量%以上4.3重量%以下であり、水分率が1.0重量%以上9.2重量%以下であり、40℃における粘度が5000mPa・s以上100000mPa/s以下」であるのに対し、甲1発明にはこのような特定がない点。 以下、相違点2について検討する。 本件発明7は、上記相違点2のようにすることで、寸法安定性が改善されたフェノール樹脂発泡体積層板の製造方法を提供するものである(段落0006)。甲1?甲9には、相違点2のようにすることで、寸法安定性が改善されたフェノール樹脂発泡体積層板の製造方法を提供するという技術思想は開示されていない。 この点、特許異議申立書において申立人は、「発泡剤の原料であるフェノール樹脂において、その残留フェノールの含有量、水分量、及び40℃における粘度の数値を考慮して発泡体を得ることは甲4及び甲5から、当業界において通常に行われていることであるから、必要とされる発泡体の物性等を考慮して、当業者であればこれらの数値を適宜決定し得るものと認められる。また、本件発明7の数値の特定により、本件明細書の記載を検討しても、格別予期し難い効果が奏されるとも認められない。」(第23頁第2?8行)と主張する。 しかし、本件発明のように、フェノール樹脂発泡体積層体における寸法安定性を改善(段落0010)するために残留フェノールの含有量、水分量、及び40℃における粘度の数値を相違点2のようにすることは、甲1?甲9には開示されていない。そして本件発明は、相違点2で特定される方法により、フェノール樹脂発泡体積層体において寸法安定性を改善(特に段落0010、段落0075、段落0076の表2を参照)するという格別な効果が奏されるものである。 よって、本件発明7は、甲1発明及び甲2?甲9事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。 したがって、本件発明7は特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものとすることはできないから、本件発明7に係る特許は、特許法第113条第2号の規定に該当せず、取り消すことはできない。 第4.むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件発明1、2、4?7に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1、2、4?7に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 フェノール樹脂発泡体と、該フェノール樹脂発泡体の表面を被覆する面材と、を有するフェノール樹脂発泡体積層板であって、 前記フェノール樹脂発泡体が、塩素化脂肪族炭化水素、又は、炭化水素と塩素化脂肪族炭化水素との組み合わせを含有し、 前記フェノール樹脂発泡体の密度が10kg/m^(3)以上100kg/m^(3)以下であり、 前記フェノール樹脂発泡体の平均気泡径が5μm以上200μm以下であり、 前記フェノール樹脂発泡体の独立気泡率が85%以上99%以下であり、 70℃、48時間後における前記フェノール樹脂発泡体の寸法変化率(EN1604に基づき測定される寸法変化率)が-0.1%?-0.49%である、フェノール樹脂発泡体積層板。 【請求項2】 前記フェノール樹脂発泡体中の揮発分含有率が1.0重量%以上7.0重量%以下である、請求項1に記載のフェノール樹脂発泡体積層板。 【請求項3】 前記フェノール樹脂発泡体が前記炭化水素及び前記塩素化脂肪族炭化水素を含有する、請求項1又は2に記載のフェノール樹脂発泡体積層板。 【請求項4】 前記面材の酸素透過率が4.5cm^(3)/24h・m^(2)以上である、請求項1?3のいずれか一項に記載のフェノール樹脂発泡体積層板。 【請求項5】 前記フェノール樹脂発泡体の熱伝導率が0.0150?0.0250W/m・Kである、請求項1?4のいずれか一項に記載のフェノール樹脂発泡体積層板。 【請求項6】 前記フェノール樹脂発泡体の密度が10kg/m^(3)以上28kg/m^(3)以下である、請求項1?5のいずれか一項に記載のフェノール樹脂発泡体積層板。 【請求項7】 面材上で、フェノール樹脂と、硬化触媒と、炭化水素、塩素化脂肪族炭化水素又はこれらの組み合わせを含有する発泡剤と、界面活性剤と、を含む発泡性フェノール樹脂組成物を、発泡及び硬化させる、フェノール樹脂発泡体積層板の製造方法であって、 前記フェノール樹脂に含まれる残留フェノールが1.0重量%以上4.3重量%以下であり、 前記フェノール樹脂に含まれる水分率が1.0重量%以上9.2重量%以下であり、 前記フェノール樹脂の40℃における粘度が5000mPa・s以上100000mPa・s以下であり、 前記フェノール樹脂発泡体積層板が、フェノール樹脂発泡体と、該フェノール樹脂発泡体の表面を被覆する面材と、を有し、 前記フェノール樹脂発泡体が炭化水素、塩素化脂肪族炭化水素又はこれらの組み合わせを含有し、 前記フェノール樹脂発泡体の密度が10kg/m^(3)以上100kg/m^(3)以下であり、 前記フェノール樹脂発泡体の平均気泡径が5μm以上200μm以下であり、 前記フェノール樹脂発泡体の独立気泡率が85%以上99%以下であり、 70℃、48時間後における前記フェノール樹脂発泡体の寸法変化率(EN1604に基づき測定される寸法変化率)が-0.1%?-0.49%である、製造方法。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2017-11-21 |
出願番号 | 特願2012-507103(P2012-507103) |
審決分類 |
P
1
652・
121-
YAA
(B32B)
P 1 652・ 113- YAA (B32B) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 佐藤 玲奈、福井 弘子、斎藤 克也、加賀 直人、増田 亮子 |
特許庁審判長 |
久保 克彦 |
特許庁審判官 |
井上 茂夫 谿花 正由輝 |
登録日 | 2016-11-04 |
登録番号 | 特許第6035144号(P6035144) |
権利者 | 旭化成建材株式会社 |
発明の名称 | フェノール樹脂発泡体積層板及びその製造方法 |
代理人 | 古下 智也 |
代理人 | 西本 博之 |
代理人 | 西本 博之 |
代理人 | 長谷川 芳樹 |
代理人 | 吉住 和之 |
代理人 | 清水 義憲 |
代理人 | 吉住 和之 |
代理人 | 古下 智也 |
代理人 | 長谷川 芳樹 |
代理人 | 清水 義憲 |