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審決分類 |
審判 全部申し立て 1項2号公然実施 B65D 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 B65D |
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管理番号 | 1336196 |
異議申立番号 | 異議2017-701100 |
総通号数 | 218 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2018-02-23 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2017-11-22 |
確定日 | 2018-01-19 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 特許第6139741号発明「冷菓材用容器、および飲料の製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6139741号の請求項1ないし4に係る特許を維持する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件特許第6139741号(以下「本件特許」という。)の請求項1?4に係る特許についての出願は、平成29年5月12日にその特許権の設定登録がされ、その後、特許異議申立人鈴木啓文より請求項1?4に対して特許異議の申立てがされたものである。 第2 本件の発明 特許第6139741号の請求項1?4の特許に係る発明は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1?4に記載された事項により特定されるとおりのものである。 第3 申立理由の概要 特許異議申立人は、証拠として「月刊雑誌『日経トレンディ(TRENDY)』2014年8月号、平成26年7月4日発行、第38?39ページ」(以下「引用例1」という。)を提出し、請求項1?4に係る特許は、特許法第29条第1項第2号及び第3号の規定に違反してされたものであるから、請求項1?4に係る特許を取り消すべきものである旨主張している。 第4 刊行物の記載 引用例1には、ファミリーマートの新ドリンク「カフェフラッペ」についての発明が記載されている。 第5 判断 (1) 請求項1に係る発明について 請求項1に係る発明と引用例1に係る発明とを対比すると、当該引用例1のいずれにも、「第一の引張弾性率を有する材料により構成され、カップ形状の本体と、 前記本体とは別体に設けられ、前記第一の引張弾性率より大きい第二の引張弾性率を有する材料により構成された蓋体を有」すること(以下「特定事項A」という。)について、何ら開示されていない。また、「本体」の引張弾性率と「蓋体」の引張弾性率とを異ならせることについて、示唆するところもない。 そうすると、引用例1に係る発明の「本体」の引張弾性率と「蓋体」の引張弾性率との関係については、引用例1の開示事項から、不明であるというほかない。 特許異議申立人は、両者が上記特定事項Aで相違することについて、「本体及び蓋体を構成する材料の引張弾性率は不明であるが、蓋体の凸部はかき氷ミックスを冷凍する際に、かき氷の中央に凹部を形成するとともに、該凹部を内側から支持するものである。また、本体は、外表面から外力を加えると、かき氷を揉み崩すことが可能となる程度の撓み変形量を有している。 そうすると、・・・文言上の相違はあるが、当該相違は本質的な相違ではなく、・・・実質的に同じ発明であるといえる。」(特許異議申立書9ページ15?22行)と主張している。 しかしながら、請求項1に係る発明は、上記特定事項Aを有することにより、「本実施形態の冷菓材用容器110は、冷菓材18を封入して冷菓材製品とした場合、飲用時に本体112の外側から両手で揉むなどして外力を加え、冷菓材18を崩して飲料とする。このため、本体112は撓み変形量が大きく、僅かな力で変形可能となっている。」(本件特許公報【0070】)とともに、「本体112は、内蓋114(あるいは外蓋116)に対して撓み変形量が大きいものであるが、一旦冷菓材を充填し、内蓋114を本体112に装着した状態では、硬い内蓋114が芯となるため、冷菓材製品としての強度は維持される。更に、内蓋114に外蓋116を装着することによって、本体112の特に開口部付近の強度を高めることができ、これによっても冷菓材製品の強度を保つことができる。その一方で、外蓋116(及び内蓋114)を本体112から取り外した場合には、本体112を撓ませて容易に冷菓材を崩すことが可能となる。」(同じく【0075】)との効果を奏するものであるから、上記特許異議申立人の主張は理由がない。 以上のとおりであるから、請求項1に係る発明は、提示された証拠方法によっては、特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となつた発明とすることはできないし、特許出願前に日本国内又は外国において公然実施をされた発明であるとすることもできない。 (2) 請求項2?4に係る発明について 請求項2?4に係る発明は、請求項1に係る発明を引用し、更に特許請求の範囲を限定するものであるから、上記請求項1に係る発明についての判断と同様の理由により、提示された証拠方法によっては、特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となつた発明とすることはできないし、特許出願前に日本国内又は外国において公然実施をされた発明であるとすることもできない。 第6 むすび したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1?4に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1?4に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2018-01-11 |
出願番号 | 特願2016-86489(P2016-86489) |
審決分類 |
P
1
651・
112-
Y
(B65D)
P 1 651・ 113- Y (B65D) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 鳥居 敬司 |
特許庁審判長 |
田村 嘉章 |
特許庁審判官 |
山崎 勝司 莊司 英史 |
登録日 | 2017-05-12 |
登録番号 | 特許第6139741号(P6139741) |
権利者 | 赤城乳業株式会社 |
発明の名称 | 冷菓材用容器、および飲料の製造方法 |
代理人 | 佐原 雅史 |
代理人 | 横田 一樹 |