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審決分類 |
審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する H01M 審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正する H01M 審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する H01M 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する H01M 審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する H01M 審判 訂正 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) 訂正する H01M |
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管理番号 | 1336415 |
審判番号 | 訂正2017-390111 |
総通号数 | 219 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2018-03-30 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2017-10-13 |
確定日 | 2017-12-28 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6094797号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第6094797号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項2?6について訂正することを認める。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件訂正審判に係る特許第6094797号(以下「本件特許」という。)は、平成24年12月26日(優先権主張 平成24年 8月 3日)を出願日とする特願2012-282964号の請求項1?6に係る発明について、平成29年 2月24日に特許権の設定登録がされ、同年10月13日付けで本件訂正審判の請求がされ、同年10月26日付けで手続補正指令がされ、同年11月16日付けで手続補正書が提出されたものである。 第2 請求の趣旨及び訂正事項 1 請求の趣旨 本件訂正審判の請求の趣旨は「特許第6094797号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項2?6について訂正することを認める、との審決を求める。」というものである。 2 訂正事項 本件訂正審判の請求に係る訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下の訂正事項1?4のとおりである。なお、下線は審判請求人が訂正箇所を示すために付したものである。 (1)訂正事項1 請求項2の「請求項1記載の非水電解質二次電池用正極活物質を用いた非水電解質二次電池用正極。」を「請求項1記載のリチウム二次電池用正極活物質を用いたリチウム二次電池用正極。」と訂正する。 (2)訂正事項2 請求項3の「請求項2記載の非水電解質二次電池用正極を備えた非水電解質二次電池。」を「請求項2記載のリチウム二次電池用正極を備えたリチウム二次電池。」と訂正する。 (3)訂正事項3 請求項4の「請求項3に記載のリチウム二次電池用正極活物質の製造方法」を「請求項1記載のリチウム二次電池用正極活物質の製造方法」と訂正する。 (4)訂正事項4 請求項5,6を削除する。 第3 当審の判断 1 一群の請求項について 本件訂正前の請求項2?6について、請求項3?6は、請求項2を引用しているから、本件訂正は、一群の請求項に対して請求されたものであり、特許法第126条第3号の規定に適合する。 2 訂正要件の検討 (1)訂正の目的の適否,新規事項の有無,特許請求の範囲の拡張・変更の存否について ア 訂正事項1について (ア)本件訂正前の請求項2が引用する請求項1の記載は以下のとおりである。なお、下線は当審が付したものである。 「【請求項1】 組成式Li_(1+α)Me_(1-α)O_(2)(MeはCo、Ni及びMnを含む遷移金属元素、1.2<(1+α)/(1-α)<1.6)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物(但し、ホウ素を0.110質量%含有するものを除く。)を含有するリチウム二次電池用正極活物質であって、前記リチウム遷移金属複合酸化物は、前記Me中のCoのモル比Co/Meが0.24?0.36であり、エックス線回折パターンを元に空間群R3-mを結晶構造モデルに用いたときに(003)面に帰属される回折ピークの半値幅が0.204°?0.303°の範囲であることを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質。」 (イ)前記(ア)のとおり、請求項1には「リチウム二次電池用正極活物質」という記載はあるものの「非水電解質二次電池用正極活物質」という記載はない。 それにもかかわらず、本件訂正前の請求項2には「請求項1記載の非水電解質二次電池用正極活物質を用いた非水電解質二次電池用正極。」と記載されており、当該記載が請求項1の記載と整合しない「非水電解質二次電池用正極活物質」及び「非水電解質二次電池用正極」という誤記を含むことは明らかであるから、訂正事項1に係る本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものであって、新規事項の追加にも該当しない。 (ウ)そして、本件特許の願書に添付された明細書の発明の詳細な説明に「リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池」(【0002】)と記載されているとおり「リチウム二次電池」は「非水電解質二次電池」に包含される下位の概念であるから、訂正事項1に係る本件訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 イ 訂正事項2について 訂正事項2に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項3が、誤記を含む本件訂正前の請求項2を引用することに伴って含むことになった「非水電解質二次電池用正極」及び「非水電解質二次電池」という誤記を解消するための訂正であるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものであって、新規事項の追加にも該当しない。 また、訂正事項1に係る本件訂正と同様の理由により、訂正事項2に係る本件訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ウ 訂正事項3について 訂正事項3に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項3に「リチウム二次電池用正極活物質」という記載がないにもかかわらず、本件訂正前の請求項4が当該請求項3を「請求項3に記載のリチウム二次電池用正極活物質の製造方法であって」と引用している誤記を解消して、製造方法の対象となる「リチウム二次電池用正極活物質」が請求項1に記載されたものであることを明らかにするための訂正であるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 エ 訂正事項4について 訂正事項4に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項5,6を削除する訂正であって、当該訂正によって、リチウム二次電池用の正極及び負極のいずれをも含む「リチウム二次電池用電極」及び、当該「リチウム二次電池用電極」を備えた「リチウム二次電池」のうち「リチウム二次電池用電極」がリチウム二次電池用負極であって「リチウム二次電池」が、当該リチウム二次電池用負極を用いた場合が特許請求の範囲から除外されることになるから、訂正事項4に係る本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (2)独立特許要件 本件訂正後の特許請求の範囲の請求項2?4に記載されている事項により特定される発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである理由は見いだせないから、本件訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 第4 むすび 以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第1号及び第2号に掲げる事項を目的とするものであって、かつ、同条第5?7項の規定に適合する。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 組成式Li_(1+α)Me_(1-α)O_(2)(MeはCo、Ni及びMnを含む遷移金属元素、1.2<(1+α)/(1-α)<1.6)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物(但し、ホウ素を0.110質量%含有するものを除く。)を含有するリチウム二次電池用正極活物質であって、前記リチウム遷移金属複合酸化物は、前記Me中のCoのモル比Co/Meが0.24?0.36であり、エックス線回折パターンを元に空間群R3-mを結晶構造モデルに用いたときに(003)面に帰属される回折ピークの半値幅が0.204°?0.303°の範囲であることを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質。 【請求項2】 請求項1記載のリチウム二次電池用正極活物質を用いたリチウム二次電池用正極。 【請求項3】 請求項2記載のリチウム二次電池用正極を備えたリチウム二次電池。 【請求項4】 請求項1記載のリチウム二次電池用正極活物質の製造方法であって、Co、Ni及びMnを含む遷移金属の炭酸塩前駆体にLi化合物を混合し、800?850℃で焼成して前記リチウム遷移金属複合酸化物を製造することを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。 【請求項5】 (削除) 【請求項6】 (削除) |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2017-12-01 |
結審通知日 | 2017-12-05 |
審決日 | 2017-12-18 |
出願番号 | 特願2012-282964(P2012-282964) |
審決分類 |
P
1
41・
841-
Y
(H01M)
P 1 41・ 851- Y (H01M) P 1 41・ 855- Y (H01M) P 1 41・ 854- Y (H01M) P 1 41・ 856- Y (H01M) P 1 41・ 852- Y (H01M) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 青木 千歌子 |
特許庁審判長 |
板谷 一弘 |
特許庁審判官 |
▲辻▼ 弘輔 長谷山 健 |
登録日 | 2017-02-24 |
登録番号 | 特許第6094797号(P6094797) |
発明の名称 | リチウム二次電池用正極活物質、その製造方法、リチウム二次電池用電極、リチウム二次電池 |
代理人 | 松本 悟 |
代理人 | 松本 悟 |