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審決分類 審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  H04N
審判 全部申し立て 判示事項別分類コード:857  H04N
審判 全部申し立て 2項進歩性  H04N
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  H04N
審判 全部申し立て ただし書き1号特許請求の範囲の減縮  H04N
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  H04N
管理番号 1336986
異議申立番号 異議2016-700663  
総通号数 219 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-03-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-08-02 
確定日 2017-11-20 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5852302号発明「ポータルとして機能を果たす双方向テレビ番組ガイドシステム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第5852302号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-5〕、〔6-10〕について訂正することを認める。 特許第5852302号の請求項1、6に係る特許を取り消す。 同請求項2ないし5、7ないし10に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
特許第5852302号の請求項1?10に係る特許についての出願は、1999年7月16日(パリ条約による優先権主張外国庁受理1998年7月23日、米国)を国際出願日とする特願2000-561771号の一部を平成22年9月13日に新たな特許出願としたものであり、平成27年12月11日付けでその特許権の設定登録がされ(特許公報発行日 平成28年2月3日)、平成28年8月2日付けで、特許異議申立人岡本敏夫より請求項1乃至請求項10に対して、特許異議の申立てがされたものであり、特許異議の申立て後の手続の経緯の概要は以下のとおりである。

平成28年 9月29日 取消理由通知
平成28年12月27日 意見書の提出(特許権者)
平成29年 2月28日 取消理由通知(決定の予告)
平成29年 6月 1日 意見書の提出及び訂正請求(特許権者)

2.訂正の適否
(1)訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は、以下のとおりである。
(下線は、訂正箇所である。)
ア.一群の請求項1?5に係る訂正
(ア)訂正事項1
請求項1において、
「前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものに対するペアレンタルコントロールをユーザ入力デバイスを用いることによって選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供することにより、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するアクセスを妨げる手段」を、
「前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものを選択するためにユーザ入力デバイスを用いることによって、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するペアレンタルコントロールを選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供することにより、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するアクセスを妨げる手段」に訂正する。

(イ)訂正事項2
請求項2において、
「インタラクティブテレビ番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装する手段と、
前記インタラクティブテレビ番組ガイドアプリケーションが前記複数の非番組ガイドアプリケーションに対するアクセスを前記ユーザに提供することを可能にするアプリケーション番組インタフェースを提供する手段と
をさらに含む、請求項1に記載のシステム。」を、
「ユーザテレビ機器を有するシステムであって、前記システムは、
複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装する手段と、
前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものに対するペアレンタルコントロールをユーザ入力デバイスを用いることによって選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供することにより、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するアクセスを妨げる手段と、
インタラクティブテレビ番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装する手段と、
前記インタラクティブテレビ番組ガイドアプリケーションが前記複数の非番組ガイドアプリケーションに対するアクセスを前記ユーザに提供することを可能にするアプリケーション番組インタフェースを提供する手段と
を含む、システム。」に訂正する。

(ウ)訂正事項3
請求項3において、
「複数の番組ガイドリソースを有するインタラクティブテレビ番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装する手段と、
前記複数の非番組ガイドアプリケーションが前記複数の番組ガイドリソースにアクセスすることを可能にするアプリケーション番組インタフェースを提供する手段と
をさらに含む、請求項1に記載のシステム。」を、
「ユーザテレビ機器を有するシステムであって、前記システムは、
複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装する手段と、
前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものに対するペアレンタルコントロールをユーザ入力デバイスを用いることによって選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供することにより、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するアクセスを妨げる手段と、
複数の番組ガイドリソースを有するインタラクティブテレビ番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装する手段と、
前記複数の非番組ガイドアプリケーションが前記複数の番組ガイドリソースにアクセスすることを可能にするアプリケーション番組インタフェースを提供する手段と
を含む、システム。」に訂正する。

(エ)訂正事項4
請求項4において、
「複数のプラットフォームリソースを提供する手段と、
前記複数の非番組ガイドアプリケーションが前記複数のプラットフォームリソースにアクセスすることを可能にするアプリケーション番組インタフェースを提供する手段と
をさらに含む、請求項1に記載のシステム。」を、
「ユーザテレビ機器を有するシステムであって、前記システムは、
複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装する手段と、
前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものに対するペアレンタルコントロールをユーザ入力デバイスを用いることによって選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供することにより、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するアクセスを妨げる手段と、
複数のプラットフォームリソースを提供する手段と、
前記複数の非番組ガイドアプリケーションが前記複数のプラットフォームリソースにアクセスすることを可能にするアプリケーション番組インタフェースを提供する手段と
を含む、システム。」に訂正する。

(オ)訂正事項5
請求項5において、
「どの非番組ガイドアプリケーションがペアレンタルコントロールによってロックされているかを示す番組ガイド表示画面を生成する手段をさらに含む、請求項1に記載のシステム。」を、
「ユーザテレビ機器を有するシステムであって、前記システムは、
複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装する手段と、
前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものに対するペアレンタルコントロールをユーザ入力デバイスを用いることによって選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供することにより、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するアクセスを妨げる手段と、
どの非番組ガイドアプリケーションがペアレンタルコントロールによってロックされているかを示す番組ガイド表示画面を生成する手段を含む、システム。」に訂正する。

イ.一群の請求項6?10に係る訂正
(ア)訂正事項6
請求項6において、
「前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものに対するペアレンタルコントロールをユーザ入力デバイスを用いることによって選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供することにより、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するアクセスを妨げること」を、
「前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものを選択するために、ユーザ入力デバイスを用いることによって、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するペアレンタルコントロールを選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供することにより、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するアクセスを妨げること」に訂正する。

(イ)訂正事項7
請求項7において、
「インタラクティブテレビ番組ガイドアプリケーションを実装することと、
前記インタラクティブテレビ番組ガイドアプリケーションが前記複数の非番組ガイドアプリケーションに対するアクセスを前記ユーザに提供することを可能にするアプリケーション番組インタフェースを提供することと
をさらに含む、請求項6に記載の方法。」を、
「ユーザテレビ機器を有するシステムを用いる方法であって、前記方法は、
複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装することと、
前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものに対するペアレンタルコントロールをユーザ入力デバイスを用いることによって選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供することにより、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するアクセスを妨げることと、
インタラクティブテレビ番組ガイドアプリケーションを実装することと、
前記インタラクティブテレビ番組ガイドアプリケーションが前記複数の非番組ガイドアプリケーションに対するアクセスを前記ユーザに提供することを可能にするアプリケーション番組インタフェースを提供することと
を含む、方法。」に訂正する。

(ウ)訂正事項8
請求項8において、
「複数の番組ガイドリソースを有するインタラクティブテレビ番組ガイドアプリケーションを実装することと、
前記複数の非番組ガイドアプリケーションが前記複数の番組ガイドリソースにアクセスすることを可能にするアプリケーション番組インタフェースを提供することと
をさらに含む、請求項6に記載の方法。」を、
「ユーザテレビ機器を有するシステムを用いる方法であって、前記方法は、
複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装することと、
前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものに対するペアレンタルコントロールをユーザ入力デバイスを用いることによって選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供することにより、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するアクセスを妨げることと、
複数の番組ガイドリソースを有するインタラクティブテレビ番組ガイドアプリケーションを実装することと、
前記複数の非番組ガイドアプリケーションが前記複数の番組ガイドリソースにアクセスすることを可能にするアプリケーション番組インタフェースを提供することと
を含む、方法。」に訂正する。

(エ)訂正事項9
請求項9において、
「複数のプラットフォームリソースを提供することと、
前記複数の非番組ガイドアプリケーションが前記複数のプラットフォームリソースにアクセスすることを可能にするアプリケーション番組インタフェースを提供することと
をさらに含む、請求項6に記載の方法。」を、
「ユーザテレビ機器を有するシステムを用いる方法であって、前記方法は、
複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装することと、
前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものに対するペアレンタルコントロールをユーザ入力デバイスを用いることによって選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供することにより、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するアクセスを妨げることと、
複数のプラットフォームリソースを提供することと、
前記複数の非番組ガイドアプリケーションが前記複数のプラットフォームリソースにアクセスすることを可能にするアプリケーション番組インタフェースを提供することと
を含む、方法。」に訂正する。

(オ)訂正事項10
請求項10において、
「どの非番組ガイドアプリケーションがペアレンタルコントロールによってロックされているかを示す番組ガイド表示画面を生成することをさらに含む、請求項6に記載の方法。」を、
「ユーザテレビ機器を有するシステムを用いる方法であって、前記方法は、
複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装することと、
前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものに対するペアレンタルコントロールをユーザ入力デバイスを用いることによって選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供することにより、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するアクセスを妨げることと、
どの非番組ガイドアプリケーションがペアレンタルコントロールによってロックされているかを示す番組ガイド表示画面を生成することと
を含む、方法。」に訂正する。

(2)一群の請求項について
ア.請求項1?5について
訂正事項1?5に係る訂正前の請求項1?5は、請求項2?5がそれぞれ訂正の請求の対象である請求項1の記載を引用する関係にあるから、訂正前において一群の請求項に該当するものである。したがって、訂正の請求は、一群の請求項ごとにされたものである。

イ.請求項6?10について
訂正事項6?10に係る訂正前の請求項6?10は、請求項7?10がそれぞれ訂正の請求の対象である請求項6の記載を引用する関係にあるから、訂正前において一群の請求項に該当するものである。したがって、訂正の請求は、一群の請求項ごとにされたものである。

(3)訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
ア.訂正事項1は、ユーザ入力デバイスを用いることについて、「前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものを選択するために」用いることに限定するものといえるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
訂正事項1に関連する記載として、明細書の発明の詳細な説明の段落0076には、「ユーザは、アプリケーションリスト中のアプリケーション(例えば、図25aに示すような番組ガイド表示画面上のアプリケーション)を強調表示し、ロックキー260(図9)を押すかまたは別の方法でアプリケーションを選択することにより、所与のアプリケーションをロックし得る。」と記載され、段落0019には、「図25aは、本発明による、特定の番組ガイドと関係のないアプリケーションをお気に入りとして設定する機会」と記載されていることから、「前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものを選択するためにユーザ入力デバイスを用いる」ことは、明細書に記載されているものと認められるので、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

イ.訂正事項2は、訂正前の請求項2が、訂正前の請求項1を引用する形式で記載されていたものを、独立形式請求項へ改めるための訂正であり、請求項間の引用関係の解消を目的とするものである。内容を変更するものでないので、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

ウ.訂正事項3は、訂正前の請求項3が、訂正前の請求項1を引用する形式で記載されていたものを、独立形式請求項へ改めるための訂正であり、請求項間の引用関係の解消を目的とするものである。内容を変更するものでないので、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

エ.訂正事項4は、訂正前の請求項4が、訂正前の請求項1を引用する形式で記載されていたものを、独立形式請求項へ改めるための訂正であり、請求項間の引用関係の解消を目的とするものである。内容を変更するものでないので、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

オ.訂正事項5は、訂正前の請求項5が、訂正前の請求項1を引用する形式で記載されていたものを、独立形式請求項へ改めるための訂正であり、請求項間の引用関係の解消を目的とするものである。内容を変更するものでないので、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

カ.訂正事項6?10の内容は、訂正事項1?5の内容と同様のものであり、訂正事項6は、特許請求の範囲の減縮、訂正事項7?10は、請求項間の引用関係の解消を目的とするものであるから、いずれも、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(4)小括
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び、同条第9項において準用する同法第126条第4項から第6項までの規定に適合するので、訂正後の請求項〔1?5〕、〔6?10〕について訂正を認める。

3.本件特許発明
本件訂正により訂正された訂正請求項1?10に係る発明は、その特許請求の範囲の請求項1?10に記載された事項によって特定される以下のとおりのものである。
(以下、「本件特許発明1」・・・「本件特許発明10」という。)
(なお、A、B、・・・については、説明のために当審にて付したものであり、以下、「構成A」、「構成B」、・・・という。)
本件特許発明1
「A ユーザテレビ機器を有するシステムであって、前記システムは、
B 複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装する手段と、
C 前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものを選択するためにユーザ入力デバイスを用いることによって、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するペアレンタルコントロールを選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供することにより、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するアクセスを妨げる手段と
を含む、
D システム。」


本件特許発明2
「A2 ユーザテレビ機器を有するシステムであって、前記システムは、
B2 複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装する手段と、
C2 前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものに対するペアレンタルコントロールをユーザ入力デバイスを用いることによって選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供することにより、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するアクセスを妨げる手段と、
E2 インタラクティブテレビ番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装する手段と、
F2 前記インタラクティブテレビ番組ガイドアプリケーションが前記複数の非番組ガイドアプリケーションに対するアクセスを前記ユーザに提供することを可能にするアプリケーション番組インタフェースを提供する手段と
を含む、
D2 システム。」

本件特許発明3
「A3 ユーザテレビ機器を有するシステムであって、前記システムは、
B3 複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装する手段と、
C3 前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものに対するペアレンタルコントロールをユーザ入力デバイスを用いることによって選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供することにより、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するアクセスを妨げる手段と、
E3 複数の番組ガイドリソースを有するインタラクティブテレビ番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装する手段と、
F3 前記複数の非番組ガイドアプリケーションが前記複数の番組ガイドリソースにアクセスすることを可能にするアプリケーション番組インタフェースを提供する手段と
を含む、
D3 システム。」

本件特許発明4
「A4 ユーザテレビ機器を有するシステムであって、前記システムは、
B4 複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装する手段と、
C4 前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものに対するペアレンタルコントロールをユーザ入力デバイスを用いることによって選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供することにより、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するアクセスを妨げる手段と、
E4 複数のプラットフォームリソースを提供する手段と、
F4 前記複数の非番組ガイドアプリケーションが前記複数のプラットフォームリソースにアクセスすることを可能にするアプリケーション番組インタフェースを提供する手段と
を含む、
D4 システム。」

本件特許発明5
「A5 ユーザテレビ機器を有するシステムであって、前記システムは、
B5 複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装する手段と、
C5 前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものに対するペアレンタルコントロールをユーザ入力デバイスを用いることによって選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供することにより、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するアクセスを妨げる手段と、
E5 どの非番組ガイドアプリケーションがペアレンタルコントロールによってロックされているかを示す番組ガイド表示画面を生成する手段と
を含む、
D5 システム。」

本件特許発明6
「ユーザテレビ機器を有するシステムを用いる方法であって、前記方法は、
複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装することと、
前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものを選択するために、ユーザ入力デバイスを用いることによって、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するペアレンタルコントロールを選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供することにより、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するアクセスを妨げることと
を含む、方法。」

本件特許発明7
「ユーザテレビ機器を有するシステムを用いる方法であって、前記方法は、
複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装することと、
前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものに対するペアレンタルコントロールをユーザ入力デバイスを用いることによって選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供することにより、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するアクセスを妨げることと、
インタラクティブテレビ番組ガイドアプリケーションを実装することと、
前記インタラクティブテレビ番組ガイドアプリケーションが前記複数の非番組ガイドアプリケーションに対するアクセスを前記ユーザに提供することを可能にするアプリケーション番組インタフェースを提供することと
を含む、方法。

本件特許発明8
「ユーザテレビ機器を有するシステムを用いる方法であって、前記方法は、
複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装することと、
前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものに対するペアレンタルコントロールをユーザ入力デバイスを用いることによって選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供することにより、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するアクセスを妨げることと、
複数の番組ガイドリソースを有するインタラクティブテレビ番組ガイドアプリケーションを実装することと、
前記複数の非番組ガイドアプリケーションが前記複数の番組ガイドリソースにアクセスすることを可能にするアプリケーション番組インタフェースを提供することと
を含む、方法。」

本件特許発明9
「ユーザテレビ機器を有するシステムを用いる方法であって、前記方法は、
複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装することと、
前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものに対するペアレンタルコントロールをユーザ入力デバイスを用いることによって選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供することにより、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するアクセスを妨げることと、
複数のプラットフォームリソースを提供することと、
前記複数の非番組ガイドアプリケーションが前記複数のプラットフォームリソースにアクセスすることを可能にするアプリケーション番組インタフェースを提供することと
を含む、方法。」

本件特許発明10
「ユーザテレビ機器を有するシステムを用いる方法であって、前記方法は、
複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装することと、
前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものに対するペアレンタルコントロールをユーザ入力デバイスを用いることによって選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供することにより、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するアクセスを妨げることと、
どの非番組ガイドアプリケーションがペアレンタルコントロールによってロックされているかを示す番組ガイド表示画面を生成することと
を含む、方法。」

4.取消理由の概要
訂正前の請求項1?10に係る特許に対して、平成29年2月28日付けで特許権者に通知した取消理由通知(決定の予告)の取消理由の要旨は、以下のとおりである。
(なお、以下の記載における「本件特許発明」は、訂正前の発明である。)

本件特許発明1、6は、甲第1号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

5.各甲号証の記載
なお、下線は当審にて付したものである。

(1)甲第1号証(特開平8-214281号公報)には、以下の記載がある。

ア.「【0016】
【実施例】図1は、本発明の課金システムの一実施例の構成と、対価の流れを示す図である。ステップS1において、まず、親は、ネットワーク・サービス会社に設置されたサーバおよび処理用演算装置1(設定手段、課金手段)内に、子供専用の課金用の架空口座2を設定する。図2を参照して後述するように、サーバおよび処理用演算装置1は、サーバ(データベース)1aと、管理処理用コンピュータ1bにより構成されている。次に、ステップS2において、この課金用の架空口座2に適当な金額を予め設定する。いま、50ドルを架空口座2に設定するものとする。
【0017】次に、ステップS3において、子供は、テレビジョン受像機(以下テレビという)などよりなる表示装置4を操作して、自分が受けたいと思うサービス、例えばショッピング、ビデオ・オン・デマンド、またはゲームなどのサービスに対するチャージ・リクエスト(課金リクエスト)を、セットトップボックス3を介してサーバおよび処理用演算装置1に送信する。その際、子供のID情報も同時に送信されるようにする。これにより、いま、子供がチャージ・リクエストを行ったサービスに対する課金が、サーバおよび処理用演算装置1に設定された子供用の架空口座2から引き落とされる。」

イ.「【0020】図2は、図1の課金システムをさらに詳細に示したブロック図である。契約家庭に備えられたセットトップボックス3は、サービス提供会社との間でケーブル等を介してデータの送受信を行い、受信した所定のデータをテレビ等からなる表示装置4に供給したり、後述するリモートコントローラ(以下リモコンという)6を操作してなされた所定の指令に対応する信号をサービス提供会社に送信するようになされている。
【0021】表示装置4は、セットトップボックス3から供給された所定のデータに対応する文字、図形、または画像等を表示するようになされている。リモコン6は、セットトップボックス3に対して所定の指令を行うようになされ、サービス提供会社からの送信を希望する例えばゲームプログラムを選択したり、課金の了承を行ったりすることができるようになされている。」

ウ.「【0051】そのため、クレジットカードでは利用状況は1カ月を単位として送付されてくる利用明細をもって伝えられるのに対して、オンラインという形を生かして、逐次、モニタすることが可能となる。例えば、親は、テレビ4またはリモコン6を操作して、架空口座2の利用状況をモニタするよう指示するための指令を、セットトップボックス3を介してサーバおよび処理用演算装置1に送信する。サーバおよび処理用演算装置1は、テレビ4またはリモコン6からの指令に従って、架空口座2の利用状況を調査し、その結果をセットトップボックス3を介してテレビ4に送信する。その結果、架空口座2の利用状況がテレビ4の画面に表示される。このように、子供の架空口座が設定されているため、子供の利用状況を親が逐次モニタするためのアプリケーションプログラムを容易に構築することができる。
【0052】また、通常のクレジットカードを子供に持たせた場合、そのカードを子供がどこで使用するかまで親が制限することは不可能であるのに対して、子供用の架空口座2が使用可能なプログラムを予め制限することによって、子供にアクセスしてもらいたくないサービスを制限するようにすることも可能である。これにより、子供が参加するのにふさわしくないサービスや情報の提供に制限を加えることができる。」

上記ア.?ウ.の記載及び関連する図面並びにこの分野における技術常識を考慮すると、甲第1号証には、以下のことが記載されている。

(ア)上記ア.の記載から、甲第1号証には、テレビを含む課金システムが記載されている。

(イ)上記ア.の段落0017の記載及び上記イ.の記載から、子供が、ショッピング、ビデオ・オン・デマンド、またはゲームなどのサービスに対するチャージ・リクエストを送信することにより、サービスを提供するものといえ、甲第1号証の課金システムは、ショッピング、ビデオ・オン・デマンド、ゲームなどのサービスを提供するものである。

(ウ)上記ア.の段落0017、上記ウ.の段落0052の記載から、甲第1号証の課金システムは、子供がチャージ・リクエストを行ったサービスに対する課金が、子供用架空口座から引き落とされ、親は、子供用架空口座が使用可能なプログラムを予め制限することによって、子供にアクセスしてもらいたくないサービスを制限することを可能とするものである。

(エ)上記イ.の記載から、甲第1号証の課金システムは、リモコンを操作することにより、ゲームプログラムを選択したり、課金の了承を行ったりするものである。
また、上記ウ.の段落0051の記載から、リモコンを操作することにより、架空口座の利用状況をテレビの画面に表示したりするものである。

したがって、甲第1号証には以下の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。
(a1、b1、・・・については、説明のために当審にて付したものであり、以下、「構成a1」、「構成b1」、・・・という。)

「a1 テレビを含む課金システムであって、前記課金システムは、
b1 ショッピング、ビデオ・オン・デマンド、ゲームなどのサービスを提供するものであり、
c1 子供が、チャージ・リクエストを行ったサービスに対する課金が、子供用架空口座から引き落とされ、親は、子供用架空口座が使用可能なプログラムを予め制限することによって、子供にアクセスしてもらいたくないサービスを制限することを可能とし、
リモコンを操作することにより、ゲームプログラムを選択したり、課金の了承を行ったり、架空口座の利用状況をテレビの画面に表示したりする
d1 課金システム。」

(2)甲第2号証(米国特許第5751287号明細書)には、以下の記載がある。
なお、仮訳は、異議申立人が提出した甲第2号証-2を参考にして、当審で訳したものである。)

ア.「A user interface providing a cabinet, drawers, folders and documents for manipulating and organizing the documents. An image of a file cabinet is used where the user can create, name, describe, lock and position the drawer within a space in the file cabinet. Each drawer can be marked with a graphic icon for easier visual identification. The drawer, and drawer text, can also be colored. When a drawer is selected it "opens" and to show file folders within the drawer in or more windows on the screen. The folders can similarly be named, described and keyed with a color. Each file folder is shown having a label tab with a name on the label tab. The label tabs are visible even when multiple folders are shown on the within a window. When a folder is opened, documents within that folder are shown in thumbnail size in an open-folder window. Suggestions may be given to associated documents with file folders.」(ABSTRACTの項)

(仮訳)
「ユーザインターフェースは、ドキュメントを操作し整理するためのキャビネット、ドロワー、フォルダ、及びドキュメントを提供する。ファイルキャビネットの画像は、ファイルキャビネット内の空間内に、ユーザがドロワーを生成し、名称を付け、注釈し、ロックし、配置することに使用される。(以下略)」

イ.「A major use of computer systems today is for organizing and manipulating documents. Typical documents can contain text, data, scanned images, applications, executable code, sounds, movies, etc.」(1欄9?12行)

(仮訳)
「今日のコンピュータシステムの主な用途として、ドキュメントの整理及び操作がある。典型的なドキュメントは、テキスト、データ、スキャンした画像、アプリケーション、実行可能なコード、サウンド、ムービーなどを含むことができる。」

ウ.「FIGS. 13A and 13B illustrate the process of storing documents from an application program;
FIG. 14 illustrates storing a document from another application program into an inbox of a file cabinet; 」(3欄53?56行)

(仮訳)
「図13A及びBは、アプリケーションプログラムからドキュメントを格納するプロセスを示す;
図14は、他のアプリケーションプログラムからファイルキャビネットの受信トレイにドキュメントを格納することを示す。」

エ.「FIG. 2 is an illustration of a system according to a preferred embodiment of the present invention. FIG. 2 depicts but one example of many possible computer types or configurations capable of being used with the present invention. FIG. 2 shows computer system 210 including display device 220, display screen 230, cabinet 240, keyboard 250, a scanner 260, and mouse 270. Mouse 270 and keyboard 250 illustrate "user input devices." Other examples of user input devices are a touch screen, light pen, track ball, data glove, etc.
In a preferred embodiment, System 1 includes a Pentium ○R class based computer, running Windows ○R Version 3.1 or Windows 95 ○R operating system by Microsoft Corporation, and PaperMaster ○R from DocuMagix Incorporated.」(4欄56?5欄5行)
(なお、「○R」は、「○の中にR」を表す。)

(仮訳)
「図2は、本発明の好ましい実施形態によるシステムの図である。図2は、本発明で使用可能な多くの可能なコンピュータタイプまたは構成の中の一例を示す。図2は、表示装置220、表示画面230、キャビネット240、キーボード250、スキャナ260、およびマウス270を含むコンピュータシステム210を示す。マウス270およびキーボード250は、“ユーザ入力装置”を示す。ユーザ入力装置の他の例には、タッチスクリーン、ライトペン、トラックボール、データグローブ等がある。
好ましい実施形態において、システム1は、マイクロソフト社によるオペレーティングシステムであるウィンドウズ3.1又ウィンドウズ95を実行するペンティアムクラスのコンピュータ、及びドッキュマジックス社製のペーパーマスタを含む。」

オ.「FIGS. 7A and 7B illustrate the process of locking a file drawer. FIG. 7A includes file drawer image 750 including an opened lock icon 760 and a pull down "Tools" menu 770 including a "Lock Cabinet" command 780. FIG. 7B includes file drawer image 750 including closed lock icon 820.
Contents of a file drawer associated with file drawer image 750 is restricted when the user invokes a "Lock Cabinet" command 780. In the default mode, the contents of a file drawer associated with a file drawer image are accessible if there is either an opened lock icon 760 on the file drawer image or if there is no lock icon at all. When the file drawer image includes an opened lock icon, such as 760, the user selects the "Lock Cabinet" command 780 to prevent the contents of the file drawer to be accessed, searched, viewed, etc. Preferably once the user enters a password authorizing the locking of file drawers, all file drawers having file drawer images with opened lock icon 760 are locked, and then the file drawer images are displayed with a closed lock icon 820, as in FIG. 7B. To open locked file drawers, the user clicks upon a file drawer image such as 750, then is prompted for the correct password.
In alternative embodiments of the present invention, file drawers may be individually locked and unlocked using individual, unique passwords. In the present, an entire file cabinet may be locked and unlocked with a single password.」(6欄60行?7欄18行)

(仮訳)
「図7A及び7Bは、ファイルドロワーをロックするプロセスを示す。図7Aは、解除ロックアイコン760を含むファイルドロワーイメージ750、及び“ロックキャビネット”コマンド780を含むプルダウンの“ツール”メニュー770を有する。図7Bは、施錠ロックアイコン820を含むファイルドロワーイメージ750を含む。
ファイルドロワーイメージ750と関連付けられたファイルドロワーのコンテンツは、ユーザが“ロックキャビネット”コマンド780を呼び出した時に制限される。デフォルトモードにおいて、ファイルドロワーイメージと関連付けられたファイルドロワーのコンテンツは、解除ロックアイコン760がファイルドロワーイメージ上にあるか、もしくはロックアイコンが存在しないのであればアクセスできる。ファイルドロワーイメージが760のような解除ロックアイコンを含む場合、ユーザはファイルドロワーのコンテンツに対してアクセス、検索、閲覧等をできないようにするために、“ロックキャビネット”コマンド780を選択する。好ましくは一度ユーザがファイルドロワーをロックするパスワード認証を入力すると、解除ロックアイコン760の付いたファイルドロワーイメージを持つ全てのファイルドロワーがロックされ、同時にファイルドロワーイメージが、図7Bに示すように、施錠ロックアイコン820とともに表示される。ロックされたファイルドロワーを開くには、ユーザは750のようなファイルドロワーイメージ上をクリックし、それから正しいパスワードの入力が要求される。
本発明の別の実施形態において、ファイルドロワーは個別のユニークパスワードを使用して個別にロック、アンロックすることができる。本発明において、全てのファイルキャビネットは単一のパスワードでロック及びアンロックすることができる。」

カ.「FIG. 10 illustrates a screen display 1060 according to a preferred embodiment of the present invention. Screen display includes windows 1070, 1080, and 1090. Window 1070 includes a visible region of the file cabinet including file drawer images 1100 and an open file drawer image 1110. Window 1080 includes file folder images 1120-1140, each having a respective file folder name 1150-1170. Window 1090 includes an open file folder image 1180 including document icons 1190-1220, vertical scroll bars 1230, and document names 1270-1300.」(8欄28?37行)

(仮訳)
「図10は、本発明の実施形態に係る画面表示1060を示す。画面表示は、ウインドウ1070、1080、及び1090を含む。ウインドウ1070は、ファイルドロワーイメージ1100、及び開いているファイルドロワーイメージ1110を含むファイルキャビネットの表示領域を有する。ウインドウ1080は、ファイルフォルダイメージ1120-1140を含み、それぞれがファイルフォルダ名1150-1170を含む。ウインドウ1090は、開いているファイルフォルダイメージ1180を含み、それは、ドキュメントアイコン1190-1220、垂直スクロールバー1230、及びドキュメント名1270-1300を含む。」

キ.「As illustrated in FIG. 10, in response to the selection of the file drawer associated with open file drawer image 1110, a window 1080 is opened displaying the contents of the file drawer. Here, the file drawer includes three file folders: 1120-1140.」(8欄45?49行)

(仮訳)
「図10に示すように、開いているファイルドロワーイメージ1110に関連するファイルドロワーの選択に応じて、ウインドウ1080は、ファイルドロワーのコンテンツを表示して開かれる。ここでは、ファイルドロワーは、1120-1140の3つのファイルフォルダを含む。」

ク.「To view the contents of a particular file folder, the user selects one of the file folder images such as file folder image 1160. As illustrated, in response to selecting file folder image 1160, a window 1090 is opened which displays the contents of the file folder associated with file folder image 1160. Documents stored in the file folder are displayed to the user as document icons 1190-1120 having associated document names 1270-1300. 」(8欄57?64行)

(仮訳)
「特定のファイルフォルダのコンテンツを閲覧するため、ユーザは、このようなファイルフォルダイメージ1160のようなファイルフォルダイメージのうちの1つを選択する。図示のように、ファイルフォルダイメージ1160の選択に応じて、ウインドウ1090は、ファイルフォルダイメージ1160に関連付けられたファイルフォルダのコンテンツを表示して開かれる。ファイルフォルダに格納されたドキュメントは、関連するドキュメント名1270-1300を有するドキュメントアイコン1190-1120のように、ユーザに表示される。」

ここで、図13A、Bをみると、Word Perfectを利用して処理を行っており、図14をみると、Paintbrushを利用して処理を行っていることから、Word PerfectやPaintbrushのようなアプリケーションプログラムからドキュメントを格納しているといえる。

また、上記イ.の「典型的なドキュメントは、テキスト、データ、スキャンした画像、アプリケーション、実行可能なコード、サウンド、ムービーなどを含むことができる。」という記載における「ドキュメントは、」「アプリケーション」「を含む」とは、ドキュメント内にアプリケーションが含まれており、何らかの方法により、ドキュメントに含まれるアプリケーションを起動できるようなドキュメントを想定しているといえ、ファイルドロワーに格納されているのは、ドキュメントであり、アプリケーションではない。

以上の記載によれば、甲第2号証には以下の発明(以下、「甲2発明」という。)が記載されていると認められる。
(a2、b2、・・・については、説明のために当審にて付したものであり、以下、「構成a2」、「構成b2」、・・・という。)

「a2 コンピュータを含むシステムであって、前記システムは、
b2 Word PerfectやPaintbrushのようなアプリケーションプログラムからドキュメントを格納し、
c2 ドキュメントを格納した複数のファイルドロワーのうちの幾つかのファイルドロワーに対して、マウス、キーボードを用いて、個別にロックすることをユーザが行い、ドキュメントを格納した複数のファイルドロワーのうちの幾つかのファイルドロワー内をアクセスできないようにする
d2 システム。」

(3)甲第3号証(特開平9-69795号公報)には、以下の記載がある。

「【0002】
【従来の技術】従来、このようなチューナ装置は、例えばパーソナルコンピュータの拡張スロットに装着するようにした、内蔵式チューナカードが知られている。このようなチューナ装置を組み込んだパーソナルコンピュータは、例えば図2に示すように使用される。
【0003】即ち、図2において、パーソナルコンピュータ1は、その汎用スロットにチューナカード2が装着されている。そして、テレビ放送を受信するための受信アンテナ3からの受信信号Sが、分配器4により二手に分配された後、分配された一方の受信信号S1が、このチューナカード2の入力端子に入力されると共に、他方の受信信号S2は、例えばテレビ受像機4の入力端子に入力されるようになっている。
【0004】これにより、パーソナルコンピュータ1は、受信アンテナ3から分配器4を介してチューナカード2に受信信号S1が入力されることにより、そのディスプレイ(図示せず)の画面上に、テレビ画面が表示されるようになっている。また、テレビ受像機4は、受信アンテナ3から分配器4を介して入力端子に受信信号S2が入力されることにより、そのブラウン管等の表示部の画面上に、テレビ画面が表示されるようになっている。」

以上の記載によれば、甲第3号証には以下の技術(以下、「甲3技術」という。)が記載されていると認められる。

「パーソナルコンピュータの拡張スロットにチューナ装置を装着して、ディスプレイにテレビ画面を表示する技術。」

(4)甲第4号証(特開平9-247632号公報)には、以下の記載がある。

「【0003】これらのパーソナルコンピュータは、種々の情報機器と接続して使用することが可能であり、例えば、電話回線と接続してファクシミリを送受信したり、テレビジョン放送受信用のチューナと接続してテレビジョン放送を受信することが可能である。」

以上の記載によれば、甲第4号証には以下の技術(以下、「甲4技術」という。)が記載されていると認められる。

「パーソナルコンピュータとテレビジョン放送受信用のチューナと接続してテレビジョン放送を受信する技術。」

(5)甲第5号証(特開平10-191468号公報)には、以下の記載がある。

「【0042】図1を参照すると、本発明に係る実施形態の音声及び映像システムは、独立型のテレビセット又は他のより簡単な家庭用娯楽システムとの使用に適切である簡単な実施形態において図示される。図1において図示されるように、本発明に係る実施形態は音声及び映像コントロールユニット20を含み、上記音声及び映像コントロールユニット20はテレビ22の上部に設けるように設計されたセットトップボックスとして1つの装置として一体化される。ハンドヘルド型のリモートコントローラ24はディジタル書込み面26を含み、ユーザーは適切なペン又はペン型入力装置(スタイラス)28を用いて上記ディジタル書込み面26上に手書き命令を入力する。パーソナルディジタルアシスタンツ(PDA:個人向けペン入力小型情報機器の総称)はまた、代用されたり、又はリモートコントローラ24とともに用いられ、ディジタル書込み面26とペン型入力装置28とを含む。音声及び映像コントロールユニット20は、30で概略的に図示される赤外線リンクを介してもう1つのものと通信する。この実施形態において、音声及び映像コントロールユニット20は、テレビ22の映像ポートと接続するユニットの後方部のポート(図示せず。)を含む。このように、テレビ22は、映像ユーザーインターフェースが投射される映像表示装置として機能する。図1において、映像ユーザーインターフェースは、コマンドバー32とユーザー双方向パネル34とを含むように、縮小された詳細で図示されている。コマンドバー32とユーザー双方向パネル34は、テレビチューナによって生成される既存のNTSC映像信号を用いて(適切な信号の包含によって)テレビ22のスクリーン上に投影される。映像ユーザーインターフェースの完全な詳細は、以下で表される。もし所望すれば、音声及び映像コントロールユニット20は、アンテナ又はケーブル入力を介して無線周波のテレビ放送を受信して復号するために適切なテレビチューナモジュールを含んでもよい。上記テレビチューナモジュールは、テレビ22の内部チューナセクションを使用する必要性を無視して、NTSC信号をテレビ22の映像入力ポートに与える。」

「【0052】多くの映像ユーザー環境は好ましくは、分散処理アーキテクチャ72(例えば、72a及び72b)によって実行されるソフトウェアとして実施される。このソフトウェアのアーキテクチャは図6に図示される。上記ソフトウェアは、それぞれリモートコントローラ24と音声及び映像コントロールユニット20の読出し専用メモリのROM76とROM88に記憶されることが可能である。あるいは代わって、上記ソフトウェアはまた、種々の転送媒体をわたってランダムアクセスメモリのRAM74とRAM86にダウンロードされることが可能であり、上記種々の転送媒体は制限されないが、一般的には、電話線、光ファイバーケーブル又は映像信号を伝送するテレビケーブルである。
【0053】図6を参照すると、本発明に係る実施形態のソフトウェアのコンポーネントは、100で概略的に図示される。図示されるように、ソフトウェアのコンポーネント100はユーザー102とハードウェア104との間に位置決めされる。ソフトウェアのコンポーネント100は、106で一般的に図示される複数の機能の各々を提供する。」

「【0055】ハードウェア抽出層108の1つ上の層はマイクロカーネル層110である。マイクロカーネル層110は、映像ユーザー環境のためのリアルタイム動作システムとして機能する。リアルタイム動作システムは、層112において図示されるドライバとライブラリを使用し、より高いレベルの層の入力、映像及びネットワークの管理機能を生成する。ユーザーインターフェース層114は、下にある層108、110及び112によってサポートされる。電子番組ガイド、映像プレイヤ及びマルチユーザーゲームのようなアプリケーションは、ユーザーインターフェース層114内で実行される。例示的なアプリケーションは116で図示される。」

「【0057】図7を参照すると、好ましい映像ユーザーインターフェースはスクリーンの最下端のように好ましくは予め決められた位置でコマンドバー32を表示する。コマンドバー32は種々の機能へのアクセスを提供する;好ましいコマンドバー32は、機能の名前がボタン上に表示されるそれらの機能にアクセスするための8個のボタンを提供する。通常は、映像ユーザー環境が特定の映像表示装置又はテレビ上で動作していることの表示はない。普通に見えている動作の間、映像写真は全体のスクリーンを占めて、コマンドバー32は表示されない。ユーザーが映像ユーザーインターフェースの機能にアクセスしたいときに、ユーザーは、ディジタルタブレット上のどこかをペンで一度軽くたたく(tap)こと、又はリモートコントローラ24上のボタンを押すことによってコマンドバーを要求し、コマンドバー32をスクリーン上に表示させる。もう1度、ペンにより軽くたたく又はボタンを押すことによって、コマンドバー32は消去される。」

「【0066】好ましい本実施形態は、上述したような通常のテレビ制御機能を実行する複数の伝統的リモートコントロールプッシュボタンを使用することを継続する。連続性と最大の柔軟性のために、これらの同一の機能は、映像ユーザーインターフェースを介してスクリーン上で複製される。
【0067】映像ユーザーインターフェースは同一の機能を提供し、通常のテレビ制御機能を伝統的なリモートコントローラとして制御するが、本発明に係る実施形態の映像ユーザーインターフェースは、伝統的なリモートコントローラを越えた大きな効果がある。本発明に係る本実施形態は洗練されたツールを提供し、ユーザーが彼又は彼女の映像プログラミングを管理することを援助する。図10は、TVボタン136が軽くたたかれるときに表示されるテレビコントロールパネル138を示す。数値キーパッド140はテレビのチャンネルを直接入力するために使用され、上下ボタン142は前進方向及び後進方向における複数のチャンネルを介して連続してサーフィングする。チャンネルリストボタン144上を軽くたたくことによって、図11に図示される手書き注釈を伴うチャンネルのスクロール可能なリストを表示する。パネルにおけるサインを用いて、ユーザーは手動で1つの項目を選択すること又は近似インク若しくはテキストマッチング技術を用いて1つの項目を検索することが可能である。この場合において、(適切な数値のキーボードアイコン134上を軽くたたくことによってアクセスされる)数値キーパッド140は、ユーザーの数値入力(例えば、TVチャンネル)を制限する。スケジュールボタン146上を軽くたたくことが、図12において図示される便利なTVスケジュールを表示する。好ましい実施形態は、伝統的な紙によるテレビガイドの形状におけるTVスケジュールを描く。しかしながら、上記TVスケジュールは、それが何時にあるかを知る大きな利点を有する。従って、TVスケジュ-ルスクリ-ン(図12)は現在放送されている番組を強調表示し、ユーザーが選択を行うことを助ける。従って、図12のTVスケジュールは、リアルタイムで表示を更新して、現在の番組を強調表示することができる動的なスケジュールである。図12において、進行中の番組は、強調を示すために148で点線によって指定される。しかしながら、本発明に係る本実施形態は、さらに1ステップ、動的にスケジュールする概念を実行する。上記表示における各番組はそれのジャンルを示す予め画成されたアイコンをタグ付けされる。従って、ニュース、スポーツ、ドラマ、コメディ、子供向け及び種々雑多なものが指定される。ユーザーは、“オールクリア”ボタン150を軽くたたくことと、次いで、カテゴリパレット152における1つ又はそれ以上のチェックボックスをオンすることによって、あるジャンルにおけるそれらの番組だけを表示するようにTVスケジュールを制限する。図13に示される例において、ユーザーはスポーツ、コメディ及び子供向けカテゴリにおける番組の表示に制限するように選択している。映像ユーザー環境におけるこの特徴は、ユーザーが、彼又は彼女が見たい番組はどれかを識別することがより容易に行えるようにする。」

「【0072】“ゲーム”ボタン(図14)を軽くたたくことは、ユーザー(子供でも)が種々のオンラインゲームにアクセスすることが素早くかつ容易にできるインターフェースを提供するウィンドウ(図15)を表示する。これらの幾つかのゲームは、ネットワーク上の他の複数のプレイヤを含んでもよい。そのようなゲームは複数の商業的ゲーム開発者によって供給されることが考えられるので、映像ユーザー環境の好ましい本実施形態はこれらのゲームを直接実施しない。好ましい双方向ゲームのインターフェースは単に、複数のアイコンを表示してユーザーのシステム上に利用できるゲームの各々を表す。」

ここで、「上記ソフトウェアは、それぞれリモートコントローラ24と音声及び映像コントロールユニット20の読出し専用メモリのROM76とROM88に記憶されることが可能である。あるいは代わって、上記ソフトウェアはまた、種々の転送媒体をわたってランダムアクセスメモリのRAM74とRAM86にダウンロードされることが可能であり、・・・」(段落0052)、「ソフトウェアのコンポーネント100は、106で一般的に図示される複数の機能の各々を提供する。」(段落0053)、「マルチユーザーゲームのようなアプリケーションは、ユーザーインターフェース層114内で実行される。例示的なアプリケーションは116で図示される。」(段落0055)の記載から、マルチユーザゲーム等のようなアプリケーションは、リモートコントローラや音声及び映像コントロールユニットのROMやRAMに記憶されているといえる。
また、図12、13をみると、TVスケジュールと共に、ゲームボタン等のコマンドバーが表示されているといえる。

以上の記載によれば、甲第5号証には以下の発明(以下、「甲5発明」という。)が記載されていると認められる。
(a5、b5、・・・については、説明のために当審にて付したものであり、以下、「構成a5」、「構成b5」、・・・という。)

「a5 テレビ等を含む音声及び映像システムであって、前記音声及び映像システムは、
b5 マルチユーザゲーム等のようなアプリケーションは、リモートコントローラや音声及び映像コントロールユニットのROMやRAMに記憶され、
c5 ユーザは、リモートコントロールプッシュボタンを使用してスケジュールボタン上を軽くたたき、TVスケジュールを表示し、“オールクリア”ボタンを軽くたたいて、次いで、カテゴリパレットにおける1つ又はそれ以上のチェックボックスをオンすることによって、スポーツ、コメディ及び子供向けカテゴリの番組だけに制限してTVスケジュールに表示するように選択し、見たい番組はどれかを識別することがより容易に行えるようにし、
TVスケジュールと共に、ゲームボタン等のコマンドバーが表示され、
e5 電子番組ガイドのアプリケーションを有することを含む
d5 音声及び映像システム。」

(6)甲第6号証(三省堂編 コンサイスカタカナ語辞典 第3版 三省堂 2005年10月20日 p.1259))には、以下の記載がある。

「API4[application program interface]アプリケーション-プログラムとコンピュータの仲立ちをするコマンドの集まり」

(7)甲第7号証(松村明編 大辞林 第三版 三省堂 2006年10月27日)には、以下の記載がある。

「API2【application program interface】アプリケーションの開発を容易にするために、OSなどのプラットホームにあらかじめ備えられたソフトウェア資源。描画など共通して用いられる機能を一定の規約に基づいて利用する。」

(8)甲第8号証(松村明監修 大辞泉 第二版 小学館 2012年11月7日 p.392)には、以下の記載がある。

「エー-ピー-アイ[API]<application programming interface>オペレーティングシステムやアプリケーションソフトが、他のアプリケーションソフトに対し、機能の一部を利用できるよう提供するインターフェース。一般に、ファイル制御、文字制御、メモリー管理など、さまざまなアプリケーションソフトにとって共通で、かつ利用頻度が高い一連の手続や関数の集まりを提供する。」

(9)甲第9号証(エクスメディア著 超図解 パソコン用語辞典2002年版 株式会社エクスメディア 2001年9月28日 p.22)には、以下の記載がある。

「API[エーピーアイ] 言語 ソフト application programming interface ソフトウェアからOSの機能を利用するための仕様、またはインターフェースのこと。一般的にAPIといった場合は、OSの機能を利用するための関数を指す。APIの概念が登場するまでは、OSの機能を利用するためのプログラムをそのつど開発していたが、APIの登場によりそれらの関数を呼び出すだけでOSの機能を利用できるようになった。
開発工程を大幅に短縮できるという利点がある。」

(10)甲第10号証(特開平10-116193号公報)の図1には、コンテキストAPI121、ネーミングAPI123、トレーディングAPI125、サービス制御API131等の各種APIが、アプリケーション113とオペレーティングシステム109の間に位置していることが開示されている。

(11)甲第3号証、甲第4号証に記載された周知技術について
甲第3号証、甲第4号証は、いずれも、「パーソナルコンピュータにチューナを接続し、テレビを視聴すること」が周知技術であることを示す文献である。

(12)甲第6号証?甲第10号証に記載された周知技術について
甲6号証?甲第10号証は、いずれも、「API」が周知技術であることを示す文献である。

6.当審の判断
(1)平成29年2月28日付け取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由について
(1-1)本件特許発明1について
(1-1-1)本件特許発明1と甲1発明について
(1-1-1-1)対比
(ア)構成Aについて
甲1発明の構成a1の「テレビ」、「課金システム」は、本件特許発明1の構成Aの「ユーザテレビ機器」、「システム」に相当するので、構成a1の「テレビを含む課金システム」は、構成Aの「ユーザテレビ機器を有するシステム」と一致する。

(イ)構成Bについて
甲1発明の構成b1において、「ショッピング、ビデオ・オン・デマンド、ゲームなどのサービスを提供する」ためには、課金システム内に、ショッピング、ビデオ・オン・デマンド、ゲームなどが提供されるサービスを実行するためのアプリケーションを有するものであるといえる。
そうすると、甲1発明の構成b1は、『ショッピング、ビデオ・オン・デマンド、ゲームなどが提供されるサービスを実行するためのアプリケーションを有する』といえる。
そして、『ショッピング、ビデオ・オン・デマンド、ゲームなどが提供されるサービスを実行するためのアプリケーション』は、番組ガイドアプリケーションとは異なるものであるから、本件特許発明1の構成Bの「非番組ガイドアプリケーション」に相当する。
したがって、甲1発明は、構成Bのように、「複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装する」ものであり、そのような手段を有しているといえる。
よって、構成b1は、構成Bに相当する。

(ウ)構成Cについて
甲1発明の構成c1の「子供用架空口座が使用可能なプログラム」とは、構成b1の「ショッピング、ビデオ・オン・デマンド、ゲームなどのサービス」のプログラムであり、「親は、子供用架空口座が使用可能なプログラムを予め制限することによって、子供にアクセスしてもらいたくないサービスを制限する」ことは、親が、ショッピング、ビデオ・オン・デマンド、ゲームなどの複数のサービスのプログラムのうちの幾つかのプログラムに対して、アクセス制限を行うことであり、すなわち、プログラムに対し、アクセス制限を選択的にアクティブにすることである。

また、『ショッピング、ビデオ・オン・デマンド、ゲームなどの複数のサービスのプログラム』は、本件特許発明1の構成Cの「前記複数の非番組ガイドアプリケーション」に相当し、『プログラムに対するアクセス制限』は、「ペアレンタルコントロール」に相当する。

したがって、甲1発明の構成c1と本件特許発明1の構成Cは、「前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものに対するペアレンタルコントロールを選択的にアクティブにすることにより、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するアクセスを妨げる」という点で共通するものであり、そのような手段を有しているといえる。

構成c1の「リモコン」は、構成Cの「ユーザ入力デバイス」に相当するものである。
しかし、構成c1の「リモコン」は、「ゲームプログラムを選択したり、課金の了承を行ったり、架空口座の利用状況をテレビの画面に表示したりする」ために利用されるものであり、本件特許発明1のように、「ペアレンタルコントロールを選択的にアクティブにする」ことに関して、「前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものを選択するためにユーザ入力デバイスを用いることによって、」「ペアレンタルコントロールを選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供する」ことに特定された構成ではない点で相違する。

なお、特許権者は、構成Cに関して、平成29年6月1日付けで提出された意見書において、以下の主張をしている。
「プログラムに対する制限をどのように行うかについては、様々な態様が存在し、例えば、所定のカテゴリを選択することや、架空口座で利用可能とする金額を制限することのような、選択的にアクティブにすることを必要としない態様も存在するので、甲第1号証は、『前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものに対するペアレンタルコントロールを選択的にアクティブにする』という概念を開示も示唆もしていない。」

当該主張について検討するに、『親が』『プログラムのうちの幾つかのプログラムに対して使用できないように制限をする』こととは、特許権者が主張する、所定のカテゴリを選択することや、架空口座で利用可能とする金額を制限することとは関係なく、親自身が、全てのプログラムのうちの幾つかのプログラムに対して、アクセス制限することを意味するものと捉えられることは明らかである。

したがって、特許権者の主張を採用することができない。

(エ)構成Dについて
甲1発明の構成d1の「課金システム」は、本件特許発明1の構成Dの「システム」と一致する。


(カ)一致点・相違点
以上をまとめると、本件特許発明1と甲1発明は以下の点で一致ないし相違する。

[一致点]
「ユーザテレビ機器を有するシステムであって、前記システムは、
複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装する手段と、
前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものに対するペアレンタルコントロールを選択的にアクティブにすることにより、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するアクセスを妨げる手段と
を含む、システム。」

[相違点]
「ペアレンタルコントロールを選択的にアクティブにする」ことに関して、本件特許発明1は、「前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものを選択するためにユーザ入力デバイスを用いることによって、」「ペアレンタルコントロールを選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供する」構成であるのに対して、甲1発明は、「ユーザ入力デバイス」を有するものの、そのような特定がなされた構成ではない点。

(1-1-1-2)相違点に関する検討
甲1発明のリモコンは、「ゲームプログラムを選択したり、課金の了承を行ったり、架空口座の利用状況をテレビの画面に表示したりする」ためのものであり、このうち、「架空口座の利用状況をテレビの画面に表示」することは、親が子供の利用状況を管理するために行うものである。
また、テレビのリモコンを利用する際には、ユーザは、テレビの前で操作指示を行うものである。
すなわち、甲1発明においても、テレビの前で親がリモコンを用いて子供を管理する制御を行う構成を有しており、その際には、親自身がテレビを利用しているので、テレビのユーザであるといえる。
そうすると、甲1発明における「子供にアクセスしてもらいたくないサービスを制限する」という子供を管理する制御を行う場合においても、当業者が、当該リモコンを利用しようと考えることに、格別の困難性はなく、本件特許発明1のように、「前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものを選択するためにユーザ入力デバイスを用いることによって、」「ペアレンタルコントロールを選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供する」構成にすることは容易に想到し得るものである。

(1-1-2)まとめ
以上のように、本件特許発明1は、甲第1号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

(1-2)本件特許発明6について
本件特許発明6は、本件特許発明1とカテゴリが相違するだけであり、上記(1-1)を援用するに、本件特許発明6は、甲第1号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。

(2)平成29年2月28日付け取消理由通知(決定の予告)の取消理由において採用しなかった特許異議申立理由について
(2-1)本件特許発明2について
(2-1-1)本件特許発明2と甲5発明について
(2-1-1-1)対比
(ア)構成A2について
甲5発明の構成a5の「テレビ」、「音声及び映像システム」は、本件特許発明2の構成A2の「ユーザテレビ機器」、「システム」に相当するので、構成a5の「テレビ等を含む音声及び映像システム」は、構成A2の「ユーザテレビ機器を有するシステム」と一致する。

(イ)構成B2について
甲5発明の構成b5の「マルチユーザゲーム等のようなアプリケーション」は、「電子番組ガイド、映像プレイヤ及びマルチユーザーゲームのようなアプリケーションは、ユーザーインターフェース層114内で実行される。」(段落0055)の記載から、電子番組ガイドと異なるアプリケーションであるから、本件特許発明2の構成B2の「非番組ガイドアプリケーション」に相当する。
また、構成b5は「リモートコントローラや音声及び映像コントロールユニットのROMやRAMに記憶され」ているので、構成B2のように、「少なくとも部分的に実装する」ものであり、そのような手段を有しているといえる。
したがって、構成b5と構成B2は一致する。

(ウ)構成C2について
甲5発明の構成c5は、『TVスケジュールの複数の番組のうち、スポーツ、コメディ及び子供向けカテゴリだけ、リモートコントロールプッシュボタンを使用して、オンにする選択を、テレビのユーザに行わせることにより、TVスケジュールの複数の番組のうち、スポーツ、コメディ及び子供向けカテゴリの番組だけに制限してTVスケジュールに表示する』ものといえる。
そして、『スポーツ、コメディ及び子供向けカテゴリ』、『リモートコントロールプッシュボタン』は、本件特許発明2の構成C2の「特定のもの」、「ユーザ入力デバイス」に対応する。
そうすると、構成c5の『TVスケジュールの複数の番組のうち、スポーツ、コメディ及び子供向けカテゴリだけ、リモートコントロールプッシュボタンを使用して、オンにする選択を、テレビのユーザに行わせることにより、TVスケジュールの複数の番組のうち、スポーツ、コメディ及び子供向けカテゴリの番組だけに制限してTVスケジュールに表示する』と構成C2は、「特定のものに対して、ユーザ入力デバイスを用いることによって選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供する」という点で共通するものであり、そのような手段を有しているといえる。

しかし、「特定のもの」に関して、構成c5は、『TVスケジュールの複数の番組のうち』の「特定のもの」であり、『特定のものに制限してTVスケジュールに表示する』のに対し、構成C2は、「前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のもの」であり、当該「特定のもの」に対する「ペアレンタルコントロールを」「選択的にアクティブに」し、「特定のものに対するアクセスを妨げる」ものである点で相違する。

なお、構成c5は、さらに、「TVスケジュールと共に、ゲームボタン等のコマンドバーが表示される」構成を含むものであり、「ゲームボタン等のコマンドバー」をクリックすることにより、『マルチユーザゲーム等のようなアプリケーションが起動する』ものであるといえる。
ここで、上記(イ)で検討したように、『マルチユーザゲーム等のようなアプリケーション』は、本件特許発明2の「非番組ガイドアプリケーション」に相当する。
しかし、構成c5は、『マルチユーザゲーム等のようなアプリケーション』のうちの特定のものに対する「ペアレンタルコントロールを」「選択的にアクティブに」し、「アクセスを妨げる」ものでない。

(エ)構成D2について
甲5発明の構成d5の「音声及び映像システム」は、本件特許発明2の構成D2の「システム」と一致する。

(オ)構成E2について
電子番組ガイドは、ユーザが対話形式で操作を進めていくものであるから、甲5発明の構成e5の「電子番組ガイドのアプリケーション」は、本件特許発明2の構成E2の「インタラクティブテレビ番組ガイドアプリケーション」に相当する。
そうすると、構成e5の「電子番組ガイドのアプリケーションを有する」は、構成E2の「インタラクティブテレビ番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装する」ものであり、そのような手段を有しているといえる。
したがって、構成e5は構成E2と一致する。

(カ)構成F2について
甲5発明の「電子番組ガイドのアプリケーション」は、「マルチユーザゲーム等のようなアプリケーション」に対するアクセスをユーザに提供するか特定されておらず、甲5発明は、本件特許発明2の構成F2のような「前記インタラクティブテレビ番組ガイドアプリケーションが前記複数の非番組ガイドアプリケーションに対するアクセスを前記ユーザに提供することを可能にするアプリケーション番組インタフェースを提供する手段」を含むか特定されていない点で相違する。

(キ)一致点・相違点
以上をまとめると、本件特許発明2と甲5発明は以下の点で一致ないし相違する。

[一致点]
「ユーザテレビ機器を有するシステムであって、前記システムは、
複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装する手段と、
特定のものに対して、ユーザ入力デバイスを用いることによって選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供する手段と
インタラクティブテレビ番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装する手段と、
を含む、システム。」

[相違点]
相違点1
「特定のもの」に関して、本件特許発明2は、「前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のもの」であり、当該「特定のもの」に対する「ペアレンタルコントロールを」「選択的にアクティブに」し、「特定のものに対するアクセスを妨げる」ものであるのに対し、甲5発明は、『TVスケジュールの複数の番組のうち』の「特定のもの」であり、『特定のものに制限してTVスケジュールに表示する』ものである点。

相違点2
本件特許発明2は、「前記インタラクティブテレビ番組ガイドアプリケーションが前記複数の非番組ガイドアプリケーションに対するアクセスを前記ユーザに提供することを可能にするアプリケーション番組インタフェースを提供する手段」を含むのに対し、甲5発明が、そのような手段を含むと特定されていない点。

(2-1-1-2)相違点に関する検討
相違点1について検討する。
「特定のもの」に関して、甲5発明が『TVスケジュールの複数の番組のうち』の「特定のもの」であり、当該「特定のもの」をオンにして『表示する』ようにするのは、「見たい番組はどれかを識別することがより容易に行えるように」するためであり、自分自身が見たいカテゴリの番組のみを表示し、自分が見たくないカテゴリの番組については、表示されないようにしたものである。

それに対して、「特定のもの」に関して、本件特許発明2が「前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のもの」であり、当該「特定のもの」に対する「ペアレンタルコントロールを」「選択的にアクティブに」し、「特定のものに対するアクセスを妨げる」のは、特許明細書の段落0015に、「ユーザは、また、特定の番組ガイドと関係のないアプリケーションについて視聴制限を設定することができる。これにより、ユーザが、ショッピング、またはビデオオンデマンドのようなアプリケーションをロックすることが可能になる。」と記載されているように、アクセスを制限したいために、非番組ガイドアプリケーションの特定のものに対してペアレンタルコントロールによりアクセスを妨げるような設定を行うものである。

そうすると、甲5発明と本件特許発明2は、そもそもの課題が異なるものであり、甲5発明が「TVスケジュールと共に、ゲームボタン等のコマンドバーが表示される」構成を有しているとしても、甲5発明の「特定のもの」に関して、『TVスケジュールの複数の番組のうち』の「特定のもの」であり、『特定のものに制限してTVスケジュールに表示する』構成に代えて、本件特許発明2のように、「前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のもの」であり、当該「特定のもの」に対する「ペアレンタルコントロールを」「選択的にアクティブに」し、「特定のものに対するアクセスを妨げる」ようにすることは、論理に飛躍があり、容易に想到できるといえない。

また、甲1発明は、上記5.(1)で記載したとおりのものであり、「子供にアクセスしてもらいたくないサービスを制限することを可能と」する構成であるが、「子供用架空口座が使用可能なプログラムを予め制限する」ための発明であり、当業者であっても、甲5発明のような「見たい番組はどれかを識別することがより容易に行えるように」するために、自分自身が見たいカテゴリの番組のみを表示するような発明に、甲1発明のような「子供用架空口座が使用可能なプログラムを予め制限する」ための発明を組み合わせる動機付けがない。
さらに、甲2発明は、上記5.(2)で記載したとおりのものであり、「ファイルドロワーに対してアクセス等をできないようにするため」の発明であるから、当業者であっても、甲5発明に、甲2発明のような「ファイルドロワーに対してアクセス等をできないようにするため」の発明を組み合わせる動機付けがない。

したがって、上記相違点1に係る本件特許発明2の構成は、容易に想到できるといえない。

(2-1-2)まとめ
以上のように、相違点1については、容易に想到できるといえないので、相違点2に関して、甲第6号証?甲第10号証に記載されるように、「API」が周知技術であるとしても、本件特許発明2は、甲第5号証、甲第1号証、甲第2号証に記載された発明、及び甲第6号証?甲第10号証に記載された周知技術に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

(2-2)本件特許発明3について
(2-2-1)本件特許発明3と甲5発明について
(2-2-1-1)対比
(ア)構成A3?D3について
構成A3?D3は、本件特許発明2の構成A2?D2と同じ構成であり、本件特許発明3の構成A3?D3と甲5発明の対比は、上記(2-1-1-1)(ア)?(エ)の記載と同様である。

(イ)構成E3について
上記(2-1-1-1)(オ)と同様に、構成e5の「電子番組ガイドのアプリケーションを有する」は、構成E3の「インタラクティブテレビ番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装する」ものであり、そのような手段を有しているといえる。
よって、構成e5と、構成E3は、「インタラクティブテレビ番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装する手段」を含む点で、共通する。

しかし、甲5発明の「電子番組ガイドのアプリケーション」は、本件特許発明3の構成E3のような「複数の番組ガイドリソース」を有するか特定されていない点で相違する。

(ウ)構成F3について
甲5発明は、本件特許発明3の構成F3のような「前記複数の非番組ガイドアプリケーションが前記複数の番組ガイドリソースにアクセスすることを可能にするアプリケーション番組インタフェースを提供する手段」を含むか特定されていない点で相違する。

(エ)一致点・相違点
以上をまとめると、本件特許発明3と甲5発明は以下の点で一致ないし相違する。

[一致点]
「ユーザテレビ機器を有するシステムであって、前記システムは、
複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装する手段と、
特定のものに対して、ユーザ入力デバイスを用いることによって選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供する手段と
インタラクティブテレビ番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装する手段と
を含む、システム。」

[相違点]
相違点1
「特定のもの」に関して、本件特許発明3は、「前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のもの」であり、当該「特定のもの」に対する「ペアレンタルコントロールを」「選択的にアクティブに」し、「特定のものに対するアクセスを妨げる」ものであるのに対し、甲5発明は、『TVスケジュールの複数の番組のうち』の「特定のもの」であり、『特定のものに制限してTVスケジュールに表示する』ものである点。

相違点2
「インタラクティブテレビ番組ガイドアプリケーション」に関して、本件特許発明3は、「複数の番組ガイドリソースを有する」のに対し、甲5発明が、そのようなものを有すると特定されていない点。

相違点3
本件特許発明3は、「前記複数の非番組ガイドアプリケーションが前記複数の番組ガイドリソースにアクセスすることを可能にするアプリケーション番組インタフェースを提供する手段」を含むのに対し、甲5発明が、そのような手段を含むと特定されていない点。

(2-2-1-2)相違点に関する検討
相違点1について検討する。
相違点1は、本件特許発明2と甲5発明との相違点1と同じであり、上記(2-1-1-2)の記載を援用するに、上記相違点1に係る本件特許発明3の構成は、容易に想到できるといえない。

(2-2-2)まとめ
以上のように、相違点1については、容易に想到できるといえないので、相違点3に関して、甲第6号証?甲第10号証に記載されるように、「API」が周知技術であるとしても、本件特許発明2は、甲第5号証、甲第1号証、甲第2号証に記載された発明、及び甲第6号証?甲第10号証に記載された周知技術に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

(2-3)本件特許発明4について
(2-3-1)本件特許発明4と甲5発明について
(2-3-1-1)対比
(ア)構成A4?D4について
構成A4?D4は、本件特許発明2の構成A2?D2と同じ構成であり、本件特許発明4の構成A4?D4と甲5発明の対比は、上記(2-1-1-1)(ア)?(エ)の記載と同様である。

(イ)構成E4、F4について
甲5発明は、本件特許発明4の構成E4、F4のように、「複数のプラットフォームリソースを提供する手段」、「前記複数の非番組ガイドアプリケーションが前記複数のプラットフォームリソースにアクセスすることを可能にするアプリケーション番組インタフェースを提供する手段」を含むか特定されていない点で相違する。

(ウ)一致点・相違点
以上をまとめると、本件特許発明4と甲5発明は以下の点で一致ないし相違する。

[一致点]
「ユーザテレビ機器を有するシステムであって、前記システムは、
複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装する手段と、
特定のものに対して、ユーザ入力デバイスを用いることによって選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供する手段と
を含む、システム。」

[相違点]
相違点1
「特定のもの」に関して、本件特許発明4は、「前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のもの」であり、当該「特定のもの」に対する「ペアレンタルコントロールを」「選択的にアクティブに」し、「特定のものに対するアクセスを妨げる」ものであるのに対し、甲5発明は、『TVスケジュールの複数の番組のうち』の「特定のもの」であり、『特定のものに制限してTVスケジュールに表示する』ものである点。

相違点2
本件特許発明4は、「複数のプラットフォームリソースを提供する手段」を含むのに対し、甲5発明が、そのような手段を含むと特定されていない点。

相違点3
本件特許発明4は、「前記複数の非番組ガイドアプリケーションが前記複数のプラットフォームリソースにアクセスすることを可能にするアプリケーション番組インタフェースを提供する手段」を含むのに対し、甲5発明が、そのような手段を含むと特定されていない点。

(2-3-1-2)相違点に関する検討
相違点1について検討する。
相違点1は、本件特許発明2と甲5発明との相違点1と同じであり、上記(2-1-1-2)の記載を援用するに、上記相違点1に係る本件特許発明4の構成は、容易に想到できるといえない。

(2-3-1-3)小括
以上のように、相違点1については、容易に想到できるといえないので、相違点3に関して、甲第6号証?甲第10号証に記載されるように、「API」が周知技術であるとしても、本件特許発明4は、甲第5号証、甲第1号証、甲第2号証に記載された発明、及び甲第6号証?甲第10号証に記載された周知技術に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

(2-3-2)本件特許発明4と甲2発明について
(2-3-2-1)対比
(ア)構成A4について
甲2発明の構成a2の「コンピュータ」と、本件特許発明4の構成A4の「テレビ機器」は、「機器」という点で共通するので、構成a2と構成A4は、「機器を有するシステムであって、前記システムは、」という点で共通する。
しかし、「機器」に関して、甲2発明は、「コンピュータ」であるのに対し、本件特許発明4は、「テレビ機器」であるという点で相違する。

(イ)構成B4について
甲2発明の構成b2において、「Word PerfectやPaintbrushのようなアプリケーションプログラムからドキュメントを格納」するためには、コンピュータシステム内に、Word PerfectやPaintbrushを行うためのアプリケーションを有するものである。
そうすると、甲2発明の構成b2は、『Word PerfectやPaintbrushを行うためのアプリケーションを有する』といえる。
そして、『Word PerfectやPaintbrushを行うためのアプリケーション』は、番組ガイドアプリケーションとは異なるものであるから、本件特許発明4の構成B4の「非番組ガイドアプリケーション」に相当する。
したがって、甲2発明は、構成B4のように、「複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装する」構成を有している。

(ウ)構成C4について
甲2発明の構成c2の「幾つかのファイルドロワー」、「マウス、キーボード」、「個別にロック」は、本件特許発明4の構成C4の「特定のもの」、「ユーザ入力デバイス」、「選択的にアクティブ」に相当する。
構成c2の「ユーザ」は、コンピュータを使用しているユーザであるから、構成C4の「ユーザテレビ機器のユーザ」とは、「機器のユーザ」という点で共通する。

そうすると、構成c2と構成C4は、「特定のものに対してユーザ入力デバイスを用いることによって選択的にアクティブにするための機会を機器のユーザに提供することにより、前記特定のものに対するアクセスを妨げる」という点で共通する。
しかし、「特定のもの」に関して、甲2発明は、「ドキュメントを格納した複数のファイルドロワー」のうちの「特定のもの」であるのに対し、本件特許発明4は、「前記複数の非番組ガイドアプリケーション」のうちの「特定のもの」である点、
「機器」に関して、甲2発明は「コンピュータ」であるのに対して、本件特許発明4は「テレビ機器」である点、
「選択的にアクティブにする」ことに関して、甲2発明は、特定のものを選択的にアクティブにするのに対し、本件特許発明4は、特定のものに対する「ペアレンタルコントロール」を選択的にアクティブにする点で相違する。

(エ)構成D4について
甲2発明の構成d2の「システム」は、本件特許発明4の構成D4の「システム」と一致する。

(オ)構成E4、F4について
甲2発明は、本件特許発明4の構成E4、F4のように、「複数のプラットフォームリソースを提供する手段」、「前記複数の非番組ガイドアプリケーションが前記複数のプラットフォームリソースにアクセスすることを可能にするアプリケーション番組インタフェースを提供する手段」を含むか特定されていない点で相違する。

(カ)一致点・相違点
以上をまとめると、本件特許発明4と甲2発明は以下の点で一致ないし相違する。

[一致点]
「機器を有するシステムであって、前記システムは、
複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装する手段と、
特定のものに対してユーザ入力デバイスを用いることによって選択的にアクティブにするための機会を機器のユーザに提供することにより、前記特定のものに対するアクセスを妨げる手段と
を含む、システム。」

[相違点]
相違点1
「機器」に関して、本件特許発明4は「テレビ機器」であるのに対して、甲2発明は「コンピュータ」である点。

相違点2
「特定のもの」に関して、本件特許発明4は、「前記複数の非番組ガイドアプリケーション」のうちの「特定のもの」であるのに対し、甲2発明は、「ドキュメントを格納した複数のファイルドロワー」のうちの「特定のもの」である点。

相違点3
「選択的にアクティブにする」ことに関して、本件特許発明4は、特定のものに対する「ペアレンタルコントロール」を選択的にアクティブにするのに対し、甲2発明は、特定のものを選択的にアクティブにする点。

相違点4
本件特許発明4は、「複数のプラットフォームリソースを提供する手段」を含むのに対し、甲2発明が、そのような手段を含むと特定されていない点。

相違点5
本件特許発明4は、「前記複数の非番組ガイドアプリケーションが前記複数のプラットフォームリソースにアクセスすることを可能にするアプリケーション番組インタフェースを提供する手段」を含むのに対し、甲2発明が、そのような手段を含むと特定されていない点。

(2-3-2-2)相違点に関する検討
相違点2について検討する。
甲2発明の「ドキュメントを格納した複数のファイルドロワーのうちの幾つかのファイルドロワー内をアクセスできないようにする」ことは、ファイルドロワーに対してアクセスできないようにすることであり、アプリケーションプログラムにアクセスできないようにするものではない。
そして、甲2号証には、「ユーザインターフェースは、ドキュメントを操作し整理するためのキャビネット、ドロワー、フォルダ、及びドキュメントを提供する。ファイルキャビネットの画像は、ファイルキャビネット内の空間内に、ユーザがドロワーを生成し、名称を付け、注釈し、ロックし、配置することに使用される。」(上記5.(2)ア.)、「今日のコンピュータシステムの主な用途として、ドキュメントの整理及び操作がある。」(上記5.(2)イ.)と記載されているように、甲2発明は、ドキュメントを操作し整理するため、ファイルドロワーに対してロックすることを目的とした発明であり、アプリケーションを制限しようとする思想は、想定できないものである。
したがって、「特定のもの」に関して、甲2発明の「ドキュメントを格納した複数のファイルドロワー」に代えて、本件特許発明4のような「前記複数の非番組ガイドアプリケーション」にすることは、論理に飛躍があり、容易に想到できるといえない。

また、取消理由で引用された甲第3号証、甲第4号証は、上記5.(11)のように、「パーソナルコンピュータにチューナを接続し、テレビを視聴すること」が周知技術であることを開示するものであって、相違点2に係る本件特許発明4の構成に関して、甲第3号証、甲第4号証に記載されておらず、甲2発明に、甲第3号証、甲第4号証に記載された技術の適用を勘案しても、上記相違点2に係る本件特許発明4の構成は、容易に想到できるといえない。

(2-3-2-3)小括
以上のように、相違点2については、容易に想到できるといえないので、相違点5に関して、甲第6号証?甲第10号証に記載されるように、「API」が周知技術であるとしても、本件特許発明4は、甲第2号証、甲第3号証、甲第4号証に記載された発明、及び甲第6号証?甲第10号証に記載された周知技術に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

(2-3-3)まとめ
本件特許発明4は、甲第2号証、甲第3号証、甲第4号証に記載された発明、及び甲第6号証?甲第10号証に記載された周知技術に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
本件特許発明4は、甲第5号証、甲第1号証、甲第2号証に記載された発明、及び甲第6号証?甲第10号証に記載された周知技術に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

(2-4)本件特許発明5について
(2-4-1)本件特許発明5と甲5発明について
(2-4-1-1)対比
(ア)構成A5?D5について
構成A5?D5は、本件特許発明2の構成A2?D2と同じ構成であり、本件特許発明5の構成A5?D5と甲5発明の対比、検討については、上記(2-1-1-1)(ア)?(エ)の記載と同様である。

(イ)構成E5について
甲5発明は、本件特許発明5のように、「どの非番組ガイドアプリケーションがペアレンタルコントロールによってロックされているかを示す番組ガイド表示画面を生成する手段」を含まない点で相違する。

(ウ)一致点・相違点
以上をまとめると、本件特許発明5と甲5発明は以下の点で一致ないし相違する。

[一致点]
「ユーザテレビ機器を有するシステムであって、前記システムは、
複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装する手段と、
特定のものに対して、ユーザ入力デバイスを用いることによって選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供する手段と
を含む、システム。」

[相違点]
相違点1
「特定のもの」に関して、本件特許発明5は、「前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のもの」であり、当該「特定のもの」に対する「ペアレンタルコントロールを」「選択的にアクティブに」し、「特定のものに対するアクセスを妨げる」ものであるのに対し、甲5発明は、『TVスケジュールの複数の番組のうち』の「特定のもの」であり、『特定のものに制限してTVスケジュールに表示する』ものである点。

相違点2
本件特許発明5は、「どの非番組ガイドアプリケーションがペアレンタルコントロールによってロックされているかを示す番組ガイド表示画面を生成する手段」を含むのに対し、甲5発明が、そのような手段を含まない点。

(2-4-1-2)相違点に関する検討
相違点1について検討する。
相違点1は、本件特許発明2と甲5発明との相違点1と同じであり、上記(2-1-1-2)の記載を援用するに、上記相違点1に係る本件特許発明5の構成は、容易に想到できるといえない。

(2-4-1-3)小括
以上のように、相違点1については、容易に想到できるといえないので、本件特許発明5は、甲第5号証、甲第1号証、甲第2号証に記載された発明に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

(2-4-2)本件特許発明5と甲2発明について
(2-4-2-1)対比
(ア)構成A5?D5について
構成A5?D5は、本件特許発明4の構成A4?D4と同じ構成であり、本件特許発明5の構成A5?D5と甲2発明の対比、検討については、上記(2-3-2-1)(ア)?(エ)の記載と同様である。

(イ)構成E5について
甲2発明は、本件特許発明5の構成E5のように、「どの非番組ガイドアプリケーションがペアレンタルコントロールによってロックされているかを示す番組ガイド表示画面を生成する手段」を含まない点で相違する。

(ウ)一致点・相違点
以上をまとめると、本件特許発明5と甲2発明は以下の点で一致ないし相違する。

[一致点]
「機器を有するシステムであって、前記システムは、
複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装する手段と、
特定のものに対して、ユーザ入力デバイスを用いることによって選択的にアクティブにするための機会を機器のユーザに提供することにより、前記特定のものに対するアクセスを妨げる手段と
を含む、システム。」

[相違点]
相違点1
「機器」に関して、本件特許発明5は「テレビ機器」であるのに対して、甲2発明は「コンピュータ」である点。

相違点2
「特定のもの」に関して、本件特許発明5は、「前記複数の非番組ガイドアプリケーション」のうちの「特定のもの」であるのに対し、甲2発明は、「ドキュメントを格納した複数のファイルドロワー」のうちの「特定のもの」である点。

相違点3
「選択的にアクティブにする」ことに関して、本件特許発明5は、特定のものに対する「ペアレンタルコントロール」を選択的にアクティブにするのに対し、甲2発明は、特定のものを選択的にアクティブにする点。

相違点4
本件特許発明5は、「どの非番組ガイドアプリケーションがペアレンタルコントロールによってロックされているかを示す番組ガイド表示画面を生成する手段」を含むのに対し、甲2発明が、そのような手段を含まない点。

(2-4-2-2)相違点に関する検討
相違点2について検討する。
相違点2は、本件特許発明4と甲2発明との相違点2と同じであり、上記(2-3-2-2)の記載を援用するに、上記相違点2に係る本件特許発明5の構成は、容易に想到できるといえない。

(2-4-2-3)小括
以上のように、相違点2については、容易に想到できるといえないので、本件特許発明5は、甲第2号証、甲第3号証、甲第4号証に記載された発明に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

(2-4-3)まとめ
本件特許発明5は、甲第2号証、甲第3号証、甲第4号証に記載された発明に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
本件特許発明5は、甲第5号証、甲第1号証、甲第2号証に記載された発明に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

(2-5)本件特許発明7、8について
本件特許発明7、8は、本件特許発明2、3とカテゴリが相違するだけであり、上記(2-1)、(2-2)を援用するに、甲第5号証、甲第1号証、甲第2号証に記載された発明、及び甲第6号証?甲第10号証に記載された周知技術に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

(2-6)本件特許発明9について
本件特許発明9は、本件特許発明4とカテゴリが相違するだけであり、上記(2-3)を援用するに、甲第2号証、甲第3号証、甲第4号証に記載された発明、及び甲第6号証?甲第10号証に記載された周知技術に基づいて容易に発明できたものであるとはいえず、甲第5号証、甲第1号証、甲第2号証に記載された発明、及び甲第6号証?甲第10号証に記載された周知技術に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

(2-7)本件特許発明10について
本件特許発明10は、本件特許発明5とカテゴリが相違するだけであり、上記(2-4)を援用するに、甲第2号証、甲第3号証、甲第4号証に記載された発明に基づいて容易に発明できたものであるとはいえず、甲第5号証、甲第1号証、甲第2号証に記載された発明に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

(2-8)記載不備について
(2-8-1)本件特許発明1について
(2-8-1-1)特許異議申立書の3(4)<ウ>(一)-1について
異議申立人は、請求項1の「複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装する手段」の「少なくとも部分的に実装する」に関し、実装するハードウェアとしての対象が明確でないことを主張し、
段落0028の記載では、アプリケーションをユーザテレビ機器40上に完全にインプリメントするのではなく、ユーザテレビ機器40とサーバ59に分けて部分的にインプリメントするという旨が説明されるが、請求項1の要件1A-1Cでは、システムがサーバを有することまでは規定されていないので、請求項1では、実装対象が「ユーザテレビ機器」になり、異なるハードウェアに分けて部分的に実装することはできないので、上述した不明点が発生することを主張し、
「ユーザテレビ機器」だけに「非番組ガイドアプリケーション」を実装することが、何故「少なくとも部分的に実装する」ことになるという点について、明確性要件違反が存在することを主張している。

上記主張について検討する。

アプリケーションを実装する際に、分散して実装することは、電子機器の分野で周知の技術であり、本件特許明細書の段落0028のように、ユーザテレビ機器とサーバに分けて実装する例以外にも、様々なハードウェアに分散して実装することは、普通に考えうることである。
また、本件特許発明1の「ユーザテレビ機器を有するシステム」とは、少なくとも、システムにユーザ機器が含まれることが限定されているだけであり、その他どのような機器が含まれるかや、システム外にどのような機器が含まれるかについては任意のものである。
そうすると、本件特許発明1の「ユーザテレビ機器を有するシステムであって、前記システムは、複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装する手段」とは、申立人が主張するように、「ユーザテレビ機器」だけに「非番組ガイドアプリケーション」を実装するのではなく、システム内のハードウェアに、一部もしくは全部が実装されており、全部でない場合には、当該システム外に残りが実装されていると考えることが自然である。
したがって、「少なくとも部分的に実装する」に関し、実装するハードウェアとしての対象は、システム内の任意のハードウェアを指すので、その記載は明確である。

(2-8-1-2)特許異議申立書の3(4)<ウ>(一)-2について
異議申立人は、訂正前の請求項1の「前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものに対するペアレンタルコントロールをユーザ入力デバイスを用いることによって選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供することにより、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するアクセスを妨げる手段」の、「前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものに対するペアレンタルコントロールをユーザ入力デバイスを用いることによって選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供する」が明確でないことを主張し、
図32に示す例の場合、「ユーザテレビ機器」に実装されない「ホームショッピングアプリケーション」、「ビデオオンデマンドアプリケーション」、「バンキングアプリケーション」を、どのようにして「ユーザテレビ機器」は、認識するようにしているのかが不明であることを主張し、
「ユーザテレビ機器」が、どのようにして認識するのかが不明な「ホームショッピングアプリケーション」、「ビデオオンデマンドアプリケーション」、「バンキングアプリケーション」を、例えば、図25aに示す「番組ガイド表示画面」に載せて、特定のものを選択的にアクティブにするための機会を「ユーザテレビ機器」のユーザに提供できるようにしているのかが、明確で無いこと主張している。

ここで、上記2.(1)に記載したように、本件特許発明1は、訂正により、当該箇所は、「前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものを選択するためにユーザ入力デバイスを用いることによって、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するペアレンタルコントロールを選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供する」と訂正されたので、上記主張について、訂正後の「前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものを選択するためにユーザ入力デバイスを用いることによって、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するペアレンタルコントロールを選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供する」についての明確性を検討する。
ただし、本件特許発明2?5については、訂正前の請求項1と同じ記載であるから、「前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものに対するペアレンタルコントロールをユーザ入力デバイスを用いることによって選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供する」についての明確性も検討する。

図32に関連する記載として、本件特許明細書には、以下のような記載がある。(下線は、当審にて付与。)

「【0092】
ユーザテレビ機器358以外の場所にあるアプリケーションは全て、番組ガイドと関係のないアプリケーション(例えば、ユーザテレビ機器358に配置されたウェブブラウザアプリケーション374および番組ガイドアプリケーション376)により、リソースとの対話およびリソースの共用を行い得る。アプリケーション番組インターフェース378は、システム内の様々なリソースへのアクセスを調整する上で役に立ち得る。これは、任意の適切な通信プロトコルを用いて達成され得る。例えば、ユーザテレビ機器358から離れた位置にあるアプリケーションは、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)またはインターネットプロトコル(IP)などのプロトコルを用いて、リソースおよびそのようなものへのアクセスをリクエストするメッセージをアプリケーション番組インターフェース378に送り得る。
(中略)
【0094】
複数のアプリケーションがリソースを共用する家庭内構成の別の例として、番組ガイドを1つのユーザテレビ機器デバイスにインプリメントし、ホームショッピングアプリケーションを別のユーザテレビ機器デバイスにインプリメントする構成がある。ユーザテレビ機器デバイスは、任意の適切な家庭内ネットワークまたは通信経路を用いて相互接続され得る。アプリケーション番組インターフェース378(これは、どちらのユーザテレビ機器デバイスにでもインプリメントされ得る)は、番組ガイドおよびホームショッピングアプリケーションからシステム内のリソース(例えば、番組ガイドリソースおよびユーザテレビ機器デバイスのリソース)へのアクセスを調整する。例えば、アプリケーション番組インターフェース378は、ホームショッピングアプリケーションにより用いられる番組ガイドの購入リソースへのアクセスを調整し得る。」

すなわち、アプリケーションがユーザテレビ機器でなく、他装置に実装されている構成の場合には、インターネット等の通信回線を利用することにより、当該アプリケーションにアクセスし、対話をすることが可能である。
また、他装置に実装されているアプリケーションに対して、対話が可能であれば、対話により、アクセス許可や禁止を設定する程度のことは、周知の技術である。

そうすると、ユーザテレビ機器に実装されていないアプリケーションを、インターネット等の通信回線を利用してユーザテレビ機器は認識できるものであるし、認識されたアプリケーションを番組ガイド表示画面に載せて、特定のものを選択的にアクティブにすることも、当然に可能なことである。

したがって、本件特許発明1の「前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものを選択するためにユーザ入力デバイスを用いることによって、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するペアレンタルコントロールを選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供する」という記載は明確である。
また、本件特許発明2?5の「前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものに対するペアレンタルコントロールをユーザ入力デバイスを用いることによって選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供する」という記載も明確である。

(2-8-1-3)特許異議申立書の3(4)<ウ>(一)-3について
異議申立人は、図32のような、「ユーザテレビ機器」に実装されていない「ホームショッピングアプリケーション」、「ビデオオンデマンドアプリケーション」、「バンキングアプリケーション」を、「番組ガイド表示画面」に載せて、ユーザが選択できるようにする機会を、どのようにして提供するのかについて本件特許明細書に記載されておらず、サポート要件違反を主張している。

上記主張について検討する。

上記(2-8-1-2)でも検討したように、本件特許明細書には、アプリケーションがユーザテレビ機器でなく、他装置に実装されている構成の場合には、インターネット等の通信回線を利用することにより、当該アプリケーションにアクセスし、対話をすることが可能であることが記載され、他装置に実装されているアプリケーションに対して、対話が可能であれば、対話により、アクセス許可や禁止を設定する程度のことは、周知の技術である。

そうすると、「ユーザテレビ機器」に実装されていないアプリケーションを、番組ガイド表示画面に載せて、ユーザが選択できるようにする機会を提供することについて、本件特許明細書に記載されているものである。

(2-8-1-4)特許異議申立書の3(4)<ウ>(一)-4について
異議申立人は、「ユーザテレビ機器」に実装されていない「ウェブブラウザアプリケーション」以外の「ホームショッピングアプリケーション」、「ビデオオンデマンドアプリケーション」、「バンキングアプリケーション」を、「番組ガイド表示画面」に載せて、ユーザが選択できるようにする機会を、どのようにして提供するのかについて本件特許明細書に記載されていないことから、当業者が実施できず、実施可能要件違反に該当することを主張している。

上記主張について検討する。

上記(2-8-1-3)でも検討したように、「ユーザテレビ機器」に実装されていないアプリケーションを、番組ガイド表示画面に載せて、ユーザが選択できるようにする機会を提供することについて、本件特許明細書に記載されているものであるから、当該記載により当業者が実施できるといえる。

(2-8-2)本件特許発明2について
(2-8-2-1)特許異議申立書の3(4)<ウ>(二)-1について
異議申立人は、本件特許発明1について、明確性要件違反、サポート要件違反、及び実施可能要件違反に該当することから、本件特許発明2も同様な点について、明確性要件違反、サポート要件違反、及び実施可能要件違反に該当することを主張しているが、上記(2-8-1-1)?(2-8-1-4)で検討したように、本件特許発明1について、明確性要件違反、サポート要件違反、及び実施可能要件違反に該当しないため、本件特許発明2も同様な点について、明確性要件違反、サポート要件違反、及び実施可能要件違反に該当しない。

(2-8-2-2)特許異議申立書の3(4)<ウ>(二)-2について
異議申立人は、「インタラクティブテレビ番組ガイドアプリケーション」及び「前記複数の非番組ガイドアプリケーション」が「ユーザテレビ機器」に実装されず、且つ「ユーザテレビ機器」が「アプリケーション番組インタフェース」を提供しない場合、どのようにして「前記インタラクティブテレビ番組ガイドアプリケーションが前記複数の非番組ガイドアプリケーションに対するアクセスを前記ユーザ(ユーザテレビ機器のユーザ)に提供する」のかが不明であり、本件特許明細書に記載されておらず、本件特許明細書に基づき当業者が実施できず、明確性要件違反、サポート要件違反、実施可能要件違反に該当することを主張している。

上記主張について検討する。

上記主張における、『「ユーザテレビ機器」が「アプリケーション番組インタフェース」を提供しない場合』についての検討を行う。

「アプリケーション番組インタフェース」に関して、本件特許明細書の段落0089には、「本発明のアプリケーション番組インターフェースは、ユーザのユーザテレビ機器以外の場所に常駐する番組ガイドアプリケーションおよび番組ガイドと関係のないアプリケーションのアクティビティを調整し得る。」、段落0093には、「アプリケーション番組インターフェース378(これは、第1または第2のユーザテレビ機器デバイスのどちらにでもインプリメントされ得る)」、段落0094には、「アプリケーション番組インターフェース378(これは、どちらのユーザテレビ機器デバイスにでもインプリメントされ得る)」と記載され、本件特許図面の図32には、「アプリケーション番組インタフェース」が、ユーザテレビ機器に提供される例が記載されている。
そうすると、本件特許明細書には、「アプリケーション番組インタフェース」がユーザテレビ機器に提供される例のみが記載されているものであり、本件特許発明2に、ユーザテレビ機器が「アプリケーション番組インタフェース」を提供することが限定されていなくても、当業者であれば、本件特許明細書に記載されているように、ユーザテレビ機器に提供するように考えるものである。

そうすると、『「ユーザテレビ機器」が「アプリケーション番組インタフェース」を提供しない場合』という本件特許明細書の記載に基づかない構成を前提として、明確性要件違反、サポート要件違反、実施可能要件違反を主張する異議申立人の主張を認めることはできない。

(2-8-3)本件特許発明3について
(2-8-3-1)特許異議申立書の3(4)<ウ>(三)-1について
異議申立人は、本件特許発明1について、明確性要件違反、サポート要件違反、及び実施可能要件違反に該当することから、本件特許発明3も同様な点について、明確性要件違反、サポート要件違反、及び実施可能要件違反に該当することを主張しているが、上記(2-8-1-1)?(2-8-1-4)で検討したように、本件特許発明1について、明確性要件違反、サポート要件違反、及び実施可能要件違反に該当しないため、本件特許発明3も同様な点について、明確性要件違反、サポート要件違反、及び実施可能要件違反に該当しない。

(2-8-3-2)特許異議申立書の3(4)<ウ>(三)-2について
異議申立人は、「複数の番組ガイドリソース」の一例として、「チューニング」を挙げ、
「インタラクティブテレビ番組ガイドアプリケーション」及び「前記複数の非番組ガイドアプリケーション」が「ユーザテレビ機器」に実装されず、且つ「ユーザテレビ機器」が「アプリケーション番組インタフェース」を提供しない場合、どのようにして「複数の番組ガイドリソース(例えば、ユーザテレビ機器のチューニング)」に、「前記複数の非番組ガイドアプリケーション」がアクセスすることが可能になるのかが不明であり、本件特許明細書に記載されておらず、本件特許明細書に基づき当業者が実施できず、明確性要件違反、サポート要件違反、実施可能要件違反に該当することを主張している。

上記主張について検討する。

上記(2-8-2-2)で検討したように、『「ユーザテレビ機器」が「アプリケーション番組インタフェース」を提供しない場合』という本件特許明細書の記載に基づかない構成を前提として、明確性要件違反、サポート要件違反、実施可能要件違反を主張する異議申立人の主張を認めることはできない。

(2-8-4)本件特許発明4について
(2-8-4-1)特許異議申立書の3(4)<ウ>(四)-1について
異議申立人は、本件特許発明1について、明確性要件違反、サポート要件違反、及び実施可能要件違反に該当することから、本件特許発明4も同様な点について、明確性要件違反、サポート要件違反、及び実施可能要件違反に該当することを主張しているが、上記(2-8-1-1)?(2-8-1-4)で検討したように、本件特許発明1について、明確性要件違反、サポート要件違反、及び実施可能要件違反に該当しないため、本件特許発明4も同様な点について、明確性要件違反、サポート要件違反、及び実施可能要件違反に該当しない。

(2-8-4-2)特許異議申立書の3(4)<ウ>(四)-2について
異議申立人は、「複数のプラットフォームリソース」の例として、「リモコンキー(キー割り当て等)」を挙げ、
「前記複数の非番組ガイドアプリケーション」が「ユーザテレビ機器」に実装されず、且つ「ユーザテレビ機器」が「アプリケーション番組インタフェース」を提供しない場合、どのようにして「複数のプラットフォームリソース(例えば、ユーザテレビ機器のリモコンのキーの割り当て等)」に、「前記複数の非番組ガイドアプリケーション」がアクセスすることが可能になるのかが不明であり、本件特許明細書に記載されておらず、本件特許明細書に基づき当業者が実施できず、明確性要件違反、サポート要件違反、実施可能要件違反に該当することを主張している。

上記主張について検討する。

上記(2-8-2-2)で検討したように、『「ユーザテレビ機器」が「アプリケーション番組インタフェース」を提供しない場合』という本件特許明細書の記載に基づかない構成を前提として、明確性要件違反、サポート要件違反、実施可能要件違反を主張する異議申立人の主張を認めることはできない。

(2-8-5)本件特許発明5について
(2-8-5-1)特許異議申立書の3(4)<ウ>(五)-1について
異議申立人は、本件特許発明1について、明確性要件違反、サポート要件違反、及び実施可能要件違反に該当することから、本件特許発明5も同様な点について、明確性要件違反、サポート要件違反、及び実施可能要件違反に該当することを主張しているが、上記(2-8-1-1)?(2-8-1-4)で検討したように、本件特許発明1について、明確性要件違反、サポート要件違反、及び実施可能要件違反に該当しないため、本件特許発明5も同様な点について、明確性要件違反、サポート要件違反、及び実施可能要件違反に該当しない。

(2-8-5-2)特許異議申立書の3(4)<ウ>(五)-2について
異議申立人は、「ユーザテレビ機器」が、「番組ガイド表示画面」で、「ユーザテレビ機器」のユーザに、特定の非番組ガイドアプリケーションを選択的にアクティブにするための機会を何故提供できるようになるのかが不明であるから、「どの非番組ガイドアプリケーションがペアレンタルコントロールによってロックされているかを示す番組ガイド表示画面を生成する手段」についても、「ユーザテレビ機器」に実装されていない非番組ガイドアプリケーションを「ユーザテレビ機器」がどのように認識して、ペアレンタルコントロールによってロックされているかを示す番組ガイド表示画面を生成するのかも不明であり、本件特許明細書に記載されておらず、本件特許明細書に基づき当業者が実施できず、明確性要件違反、サポート要件違反、実施可能要件違反に該当することを主張している。

上記主張について検討する。

上記(2-8-1-2)で検討したように、「ユーザテレビ機器」に実装されないアプリケーションを、インターネット等の通信回線を利用して「ユーザテレビ機器」は、認識できるものであるし、認識されたアプリケーションを「番組ガイド表示画面」に載せて、特定のものを選択的にアクティブにすることも、当然に可能である。

すなわち、「ユーザテレビ機器」に実装されていない非番組ガイドアプリケーションを「ユーザテレビ機器」が認識することにより、どの非番組ガイドアプリケーションがペアレンタルコントロールによってロックされているかを示す番組ガイド表示画面を生成することは可能である。
したがって、「どの非番組ガイドアプリケーションがペアレンタルコントロールによってロックされているかを示す番組ガイド表示画面を生成する手段」について、当該記載は、明確であり、本件特許明細書に記載されており、本件特許明細書に基づき当業者が実施できるものである。

(2-8-6)本件特許発明6?10について
異議申立人は、本件特許発明6?10は、本件特許発明1?5と実質的に同一であるので、本件特許発明1?5と同様の記載不備が存在することを主張しているが、上記(2-8-1)?(2-8-5)で検討したように、本件特許発明1?5について、明確性要件違反、サポート要件違反、及び実施可能要件違反に該当しないため、本件特許発明6?10についても、明確性要件違反、サポート要件違反、及び実施可能要件違反に該当しない。

(2-8-7)小括
したがって、本件特許発明1?10については、明確であり、発明の詳細な説明に記載されており、発明の詳細な説明の記載は、発明を実施できる程度に明確かつ十分に記載されているものである。

7.むすび
以上のとおりであるから、請求項1、6に係る特許は、甲第1号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、請求項1、6に係る特許は、特許法第29条第2項に違反してされたものである。
したがって、請求項1、6に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。
また、請求項2?5、7?10に係る特許については、特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては取り消すことはできない。
さらに、他に請求項2?5、7?10に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザテレビ機器を有するシステムであって、前記システムは、
複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装する手段と、
前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものを選択するためにユーザ入力デバイスを用いることによって、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するペアレンタルコントロールを選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供することにより、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するアクセスを妨げる手段と
を含む、システム。
【請求項2】
ユーザテレビ機器を有するシステムであって、前記システムは、
複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装する手段と、
前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものに対するペアレンタルコントロールをユーザ入力デバイスを用いることによって選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供することにより、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するアクセスを妨げる手段と、
インタラクティブテレビ番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装する手段と、
前記インタラクティブテレビ番組ガイドアプリケーションが前記複数の非番組ガイドアプリケーションに対するアクセスを前記ユーザに提供することを可能にするアプリケーション番組インタフェースを提供する手段と
を含む、システム。
【請求項3】
ユーザテレビ機器を有するシステムであって、前記システムは、
複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装する手段と、
前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものに対するペアレンタルコントロールをユーザ入力デバイスを用いることによって選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供することにより、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するアクセスを妨げる手段と、
複数の番組ガイドリソースを有するインタラクティブテレビ番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装する手段と、
前記複数の非番組ガイドアプリケーションが前記複数の番組ガイドリソースにアクセスすることを可能にするアプリケーション番組インタフェースを提供する手段と
を含む、システム。
【請求項4】
ユーザテレビ機器を有するシステムであって、前記システムは、
複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装する手段と、
前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものに対するペアレンタルコントロールをユーザ入力デバイスを用いることによって選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供することにより、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するアクセスを妨げる手段と、
複数のプラットフォームリソースを提供する手段と、
前記複数の非番組ガイドアプリケーションが前記複数のプラットフォームリソースにアクセスすることを可能にするアプリケーション番組インタフェースを提供する手段と
を含む、システム。
【請求項5】
ユーザテレビ機器を有するシステムであって、前記システムは、
複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装する手段と、
前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものに対するペアレンタルコントロールをユーザ入力デバイスを用いることによって選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供することにより、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するアクセスを妨げる手段と、
どの非番組ガイドアプリケーションがペアレンタルコントロールによってロックされているかを示す番組ガイド表示画面を生成する手段と
を含む、システム。
【請求項6】
ユーザテレビ機器を有するシステムを用いる方法であって、前記方法は、
複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装することと、
前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものを選択するためにユーザ入力デバイスを用いることによって、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するペアレンタルコントロールを選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供することにより、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するアクセスを妨げることと
を含む、方法。
【請求項7】
ユーザテレビ機器を有するシステムを用いる方法であって、前記方法は、
複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装することと、
前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものに対するペアレンタルコントロールをユーザ入力デバイスを用いることによって選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供することにより、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するアクセスを妨げることと、
インタラクティブテレビ番組ガイドアプリケーションを実装することと、
前記インタラクティブテレビ番組ガイドアプリケーションが前記複数の非番組ガイドアプリケーションに対するアクセスを前記ユーザに提供することを可能にするアプリケーション番組インタフェースを提供することと
を含む、方法。
【請求項8】
ユーザテレビ機器を有するシステムを用いる方法であって、前記方法は、
複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装することと、
前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものに対するペアレンタルコントロールをユーザ入力デバイスを用いることによって選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供することにより、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するアクセスを妨げることと、
複数の番組ガイドリソースを有するインタラクティブテレビ番組ガイドアプリケーションを実装することと、
前記複数の非番組ガイドアプリケーションが前記複数の番組ガイドリソースにアクセスすることを可能にするアプリケーション番組インタフェースを提供することと
を含む、方法。
【請求項9】
ユーザテレビ機器を有するシステムを用いる方法であって、前記方法は、
複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装することと、
前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものに対するペアレンタルコントロールをユーザ入力デバイスを用いることによって選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供することにより、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するアクセスを妨げることと、
複数のプラットフォームリソースを提供することと、
前記複数の非番組ガイドアプリケーションが前記複数のプラットフォームリソースにアクセスすることを可能にするアプリケーション番組インタフェースを提供することと
を含む、方法。
【請求項10】
ユーザテレビ機器を有するシステムを用いる方法であって、前記方法は、
複数の非番組ガイドアプリケーションを少なくとも部分的に実装することと、
前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの特定のものに対するペアレンタルコントロールをユーザ入力デバイスを用いることによって選択的にアクティブにするための機会を前記ユーザテレビ機器のユーザに提供することにより、前記複数の非番組ガイドアプリケーションのうちの前記特定のものに対するアクセスを妨げることと、
どの非番組ガイドアプリケーションがペアレンタルコントロールによってロックされているかを示す番組ガイド表示画面を生成することと
を含む、方法。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2017-07-07 
出願番号 特願2010-204959(P2010-204959)
審決分類 P 1 651・ 113- ZDA (H04N)
P 1 651・ 121- ZDA (H04N)
P 1 651・ 536- ZDA (H04N)
P 1 651・ 851- ZDA (H04N)
P 1 651・ 857- ZDA (H04N)
P 1 651・ 537- ZDA (H04N)
最終処分 一部取消  
前審関与審査官 川崎 優  
特許庁審判長 清水 正一
特許庁審判官 渡辺 努
小池 正彦
登録日 2015-12-11 
登録番号 特許第5852302号(P5852302)
権利者 ロヴィ ガイズ, インコーポレイテッド
発明の名称 ポータルとして機能を果たす双方向テレビ番組ガイドシステム  
代理人 飯田 貴敏  
代理人 山本 秀策  
代理人 山本 健策  
代理人 石川 大輔  
代理人 石川 大輔  
代理人 飯田 貴敏  
代理人 森下 夏樹  
代理人 森下 夏樹  
代理人 山本 秀策  
代理人 山本 健策  

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