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審決分類 |
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 H04N 審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備 H04N |
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管理番号 | 1337016 |
異議申立番号 | 異議2017-700016 |
総通号数 | 219 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2018-03-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2017-01-11 |
確定日 | 2017-12-28 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第5951827号発明「異なる表示機能の間で知覚ルミナンス非線形性ベースの画像データ交換を改善する装置および方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第5951827号の特許請求の範囲及び図面を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲及び図面のとおり、訂正後の請求項〔1-22〕について訂正することを認める。 特許第5951827号の請求項1ないし22に係る特許を維持する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第5951827号の請求項1-22に係る特許についての出願は、2012年12月6日(パリ条約による優先権主張日外国庁受理2011年12月6日、米国、2012年7月23日、米国、2012年9月20日、米国)を国際出願日とする特許出願(特願2014-546070号)の一部を平成27年3月4日に新たな特許出願(特願2015-42448号)としたものであって、平成28年6月17日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許に対し、特許異議申立人松田純一により特許異議の申立てがされ、平成29年3月22日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成29年6月16日付けで意見書の提出及び訂正の請求がされ、その訂正の請求に対して特許異議申立人松田純一から平成29年8月7日付けで意見書が提出され、平成29年8月23日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成29年10月24日付けで意見書の提出及び訂正の請求がされ(以下、「本件訂正請求」という。)、その訂正の請求に対して特許異議申立人松田純一から平成29年12月6日付けで意見書が提出されたものである。 なお、平成29年6月16日に提出した訂正請求書による訂正請求は、特許法第120条の5第7項の規定により、取り下げられたものとみなす。 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正の内容 本件訂正請求による訂正の内容は以下の(1)、(2)のとおりである。 (1) 請求項1に係る訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に「……【数13】で表わされる関数モデルに少なくとも部分的に基づいて決定され」とあるのを、「……【数13】で表わされる関数モデルに基づいて決定され」と訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2-22も同様に訂正する)。 (2) 図11に係る訂正事項2 図11に「2.5166」とあるのを、「3.3555」と訂正する。 2 訂正の目的の適否、一群の請求項、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1) 訂正事項1について 訂正事項1に関連する記載として、明細書の発明の詳細な説明には、 段落【0072】に、 「【0072】 〈7.関数モデル〉 本稿に記載されるGSDF(参照GSDFまたは装置固有のGSDF)におけるデジタル符号値とグレーレベルとの間のマッピングを得るために、一つまたは複数の解析的な関数が使用されてもよい。該一つまたは複数の解析的な関数は、独自のもの、標準に基づくものまたは標準に基づく関数からの表式であってもよい。いくつかの実施形態では、GSDF生成器(たとえば図5の504)は、前記一つまたは複数の解析的な関数(または公式)に基づいて、一つまたは複数の順ルックアップテーブル(LUT)および/または一つまたは複数の逆LUTの形のGSDFを生成してもよい。これらのLUTの少なくともいくつかは、参照画像データをエンコードする目的で参照グレーレベルと参照デジタル符号レベルの間で変換する際に使用されるために、多様な画像データ・コーデック(たとえば図5の506)または幅広い多様な表示装置に提供されてもよい。追加的、任意的または代替的に、(係数が整数または浮動小数点表現である)前記解析的な関数のうち少なくともいくつかは、本稿に記載されるGSDFにおけるデジタル符号値とグレーレベルとの間のマッピングを得ることおよび/または画像データをエンコードする目的のためにグレーレベルとデジタル符号レベルの間で変換をすることにおいて使用されるために、画像データ・コーデックまたは幅広い多様な表示装置に直接提供されてもよい。」と記載され、 段落【0075】に、 「【0075】 いくつかの実施形態では、解析的な関数は、式(9)の順関数に対応する逆関数であり、次式のように、対応するデジタル符号値に基づいてルミナンス値を予測するために使用されてもよい。」と記載され、 段落【0076】に、 「【0076】 【数7】 式(9)を使って複数のルミナンス値に基づいて予測されるデジタル符号値は観察されるデジタル符号値と比較されてもよい。観察されるデジタル符号値は、先に論じたようなCSFモデルに基づく数値計算であってもよいが、それに限られない。ある実施形態では、予測されるデジタル符号値と観察されるデジタル符号値との間の偏差が計算され、式(9)におけるパラメータn、m、c1、c2およびc3の最適な値を導出するためにこの偏差が最小にされてもよい。」 と記載されており、請求項1中の「関数【数13】」は上記式(10)にほかならないから、 「前記参照マッピングおよび前記装置固有マッピングの少なくとも一方は関数【数13】で表わされる関数モデルに基づいて決定され」る発明は、明細書に記載されているものと認められる。 上記訂正事項1の訂正は、明細書に記載された事項の範囲内において、「前記参照マッピングおよび前記装置固有マッピング」と「関数【数13】」との関係を、「少なくとも部分的に」との記載を削除することによって、限定したものといえるから、特許特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正であって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (2) 訂正事項2について ア 本件明細書に接した当業者が、明細書の記載は原則として正しい記載であることを前提として、本件訂正前の本件明細書に何らかの誤記があることに気付くかどうか 上記訂正事項2に関連する記載として、明細書の発明の詳細な説明には、段落【0081】に、次の記載がある。 「図11は、ある例示的な実施形態に基づいて式(9)および(10)において使用されうるパラメータの値を示している。いくつかの実施形態では、図のように、本稿に記載される関数モデルの具体的実装におけるこれらの非整数値を表現/近似するために、整数ベースの公式が使用される。他のいくつかの実施形態では、本稿に記載される関数モデルの具体的実装におけるこれらの非整数値を表現/近似するために、一つまたは複数の精度(たとえば14-、16-または32ビット)の一つをもつ固定小数点、浮動小数点値が使用されてもよい。」 上記記載から、図11は「式(9)および(10)において使用されうるパラメータの値」を示すものであって、「パラメータの値」としては、「非整数値」による表現と、「これらの非整数値を表現/近似するため」の「整数ベースの公式」による表現とがあるといえる。 訂正前の図11には、「パラメータ」欄に、 「n:0.16956、 m:77.968、 c_(1):0.96484、 c_(2):3.7627、 c_(3):2.5166」 と記載され、「公式」欄に、 「n:(2778/4096)/4、 m:(2495/4096)*128、 c_(1):(3952/4096)、 c_(2):(3853/4096)*4、 c_(3):(3436/4096)*4」 と記載されている。 整数の乗除算で表現されている「公式」の値を、実際に計算すると、下記となる。 「n:(2778/4096)/4=0.169556… m:(2495/4096)*128=77.9687… c_(1):(3952/4096)=0.964843… c_(2):(3853/4096)*4=3.76269… c_(3):(3436/4096)*4=3.35546…」 これらのパラメータのうち「n、m、c_(1)、c_(2)」の値は、「パラメータ」欄と「公式」欄の値がいずれも略一致しており、上記段落【0081】記載のとおり、「整数ベースの公式」が、「これらの非整数値を表現/近似する」ものである。 しかし、パラメータ「c_(3)」の値は、「パラメータ」欄(「非整数値」)「2.5166」が、「公式」欄の値「(3436/4096)*4」、すなわち、「3.3555」と一致しない。 よって、図11に接した当業者であれば、パラメータ「c_(3)」の値の不整合により、図11に誤記があることに気付くものと認められる。 イ 図11のパラメータ「c_(3)」の値の不整合と、それに伴う誤記の存在を認識した当業者が、「2.5166」が誤記であると分かるかどうか 図11の誤記に気付いた当業者にとって、図11に記載されたパラメータ「c_(3)」の2つの値を他のパラメータの値とともに式(10)に代入し、さらに、デジタル符号値Dの値を12ビットの主要値(1、2、4、8、16、32、64、128、256、512、1024、2048、4096)としたときの、グレーレベルLの値を計算で求めて確認することは容易であるところ、以下に示すように、パラメータ「c_(3)」の値を「2.5166」とすると、本件明細書の記載と整合しないことが理解できる。 (ア) パラメータ「c_(3)」の値を「2.5166」とすると、(特許異議申立書6ページの表のとおり)次表となる。 D | L 1 | 7.2714×10^(-10) 2 | 3.07541×10^(-9) 4 | 1.02813×10^(-8) 8 | 2.92441×10^(-8) 16 | 7.39692×10^(-8) 32 | 1.71198×10^(-7) 64 | 3.69738×10^(-7) 128 | 7.55695×10^(-7) 256 | 1.47705×10^(-6) 512 | 2.78306×10^(-6) 1024 | 5.08697×10^(-6) 2048 | 9.0658×10^(-6) 4096 | 1.58187×10^(-5) (イ) パラメータ「c_(3)」の値を「公式」欄の「c_(3):(3436/4096)*4」、すなわち、「3.3555」とすると、(平成29年10月24日付け意見書3ページの表のとおり)次表となる。 D | L 1 | 5.32546×10^(-7) 2 | 3.17539×10^(-6) 4 | 1.55592×10^(-5) 8 | 6.7979×10^(-5) 16 | 0.000279705 32 | 0.001131404 64 | 0.004682198 128 | 0.020716167 256 | 0.103776178 512 | 0.642438204 1024 | 5.75639263 2048 | 106.5692656 4096 | 13548.13129 (ウ) パラメータ「c_(3)」の値が「2.5166」の場合、12ビットの最大値(D=4096)でも、グレーレベルLが1.58187×10^(-5)ニト(cd/m^(2))となるが、「10^(-5)ニト」は、「ディスプレイ装置が一般に達成できるより低くてもよいある暗い黒レベル」(段落【0051】「…いくつかの実施形態では、L_(min)は0の値をもっていてもよい。他のいくつかの実施形態では、L_(min)は0でない値(たとえば、ディスプレイ装置が一般に達成できるより低くてもよいある暗い黒レベル、10^(-5)ニト、10^(-7)ニトなど)をもっていてもよい。…」の記載を参照。)であるから、一般的なディスプレイ装置が達成可能な黒レベルよりも暗いL値(グレーレベル)にしかならず、適正なL値が得られない。 一方、パラメータ「c_(3)」の値が「(3436/4096)*4」、すなわち、「3.3555」の場合、対応するグレーレベルLの値は、下限(D=1)が5.32546×10^(-7)、上限(D=4096)が13548.13129となるから、適正なL値が得られる(段落【0059】-【0060】「いくつかの実施形態では、参照GSDFモデルは大きなルミナンス範囲をカバーする。たとえば、参照GSDFモデルによって表現されるグレーレベルまたは量子化されたルミナンス値は0または約0(たとえば10^(-7)cd/m^(2))から12,000cd/m^(2)の範囲にわたる。参照GSDFモデルにおける表現されるルミナンス値の下限は、10-^(7)cd/m^(2)またはより低いもしくはより高い値 (たとえば0、10^(-5)、10^(-8)、10^(-9)cd/m^(2)など)でありうる。……(中略)……参照GSDFモデルにおける表現されるルミナンス値の上限は12,000cd/m^(2)またはより低いもしくはより高い値(たとえば、6000-8000、8000-10000、10000-12000、12000-15000cd/m^(2)など)であってもよい。…」の記載を参照。)。 そうすると、明細書の記載を参照して、図11の記載をできるだけ合理的に理解すると、図11の「c_(3)」の「2.5166」の記載は、「(3436/4096)*4」、すなわち、「3.3555」の誤記であると認められる。 ウ 訂正事項2についてのまとめ 上記ア、イから、本件明細書に接した当業者であれば、訂正事項2に係る図11の「2.5166」の記載が誤りであることに気付いて、これを「(3436/4096)*4」、すなわち、「3.3555」の趣旨に理解するのが当然であるといえる。 したがって、訂正事項2は、誤記の訂正を目的とするものであるといえる。 また、上記のとおり、本件明細書に接した当業者であれば、訂正事項2に係る図11の「2.5166」の記載が誤りであることに気付いて、これを「(3436/4096)*4」、すなわち、「3.3555」の趣旨に理解するのが当然であるといえるから、訂正後の記載である「3.3555」は、本件訂正前の明細書等の記載から自明な事項として定まるものであるということができ、訂正事項2によって新たな技術的事項が導入されたとは認められない。 よって、上記訂正事項2の訂正は、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 そして、これら訂正は一群の請求項に対して請求されたものである。 3 小括 以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は特許法第120条の5第2項第1号及び第2号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び、同条第9項において準用する同法第126条第4項から第6項までの規定に適合するので、訂正後の請求項〔1-22〕について訂正を認める。 第3 特許異議の申立てについて 1 本件発明 上記第2のとおり、本件訂正は認容されるので、本件訂正請求により訂正された訂正請求項1-22に係る発明(以下「本件発明1」-「本件発明22という。)は、平成29年10月24日付け訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1-22に記載された事項により特定されるとおりのものである。 2 取消理由の概要 本件特許に対して平成29年8月23日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。 本件明細書の発明の詳細な説明の記載は、本件発明1及びこれを前提とする本件発明2-22を当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものとはいえない。 よって、請求項1-22に係る特許は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、取り消されるべきものである。 3 判断 (1) 平成29年8月23日付け取消理由通知に記載した取消理由(特許法第36条第4項第1号(実施可能要件違反))について 図11の「2.5166」との記載は、訂正により「3.3555」と訂正されたため、上記第2、2「(2) 訂正事項2について」イ(ウ)のとおり、図11に示されたパラメータの値から計算されるグレーレベルLの値として、適正なL値が得られるから、本件明細書の発明の詳細な説明の記載は、本件発明1及びこれを前提とする本件発明2-22を当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものとなった。 (2) 平成29年8月23日付け取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由(特許法第36条第6項第1号(サポート要件違反))について 特許異議申立人松田純一は、特許異議申立書(3(4)イ(ア)、第11ページ第18行-第15ページ第2行)において、訂正前の特許請求の範囲の請求項1-22に係る発明では、「前記参照マッピングおよび前記装置固有マッピングの少なくとも一方は関数【数13】…で表わされる関数モデルに少なくとも部分的に基づいて決定され」という事項については、詳細な説明の具体的な記載との対応関係が不明瞭であって、本件明細書の発明の詳細な説明に記載されたものとはいえないから、特許法第36条第6項第1号の要件を満たさない旨を主張している。 しかし、特許請求の範囲の請求項1において、訂正前に「……【数13】で表わされる関数モデルに少なくとも部分的に基づいて決定され」と記載されていたものが、訂正後に「……【数13】で表わされる関数モデルに基づいて決定され」と訂正されることで、訂正後の請求項1-22は、「少なくとも部分的に」との記載が削除されたから、かかる主張は理由がない。 第4 むすび 以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1-22に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1-22に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 画像処理装置上で実行される、参照エンコードされた画像データを装置固有画像データにトランスコードする方法であって: 一組の参照デジタル符号値と一組の装置固有デジタル符号値との間のデジタル符号マッピングを決定する段階(852)であって、前記一組の参照デジタル符号値は参照マッピングにおいて一組の参照グレーレベルにマッピングされており、前記一組の装置固有デジタル符号値は装置固有マッピングにおいて一組の装置固有グレーレベルにマッピングされている、段階と; 前記一組の参照デジタル符号値でエンコードされた参照エンコードされた画像データを受領する段階(854)であって、前記参照エンコードされた画像データ中のルミナンス値は前記一組の参照デジタル符号値に基づいている、段階と; 前記デジタル符号マッピングに基づいて、前記一組の参照デジタル符号値でエンコードされた前記参照エンコードされた画像データを、前記一組の装置固有デジタル符号値でエンコードされた装置固有画像データにトランスコードする段階(856)であって、前記装置固有画像データ中のルミナンス値は前記一組の装置固有デジタル符号値に基づく、段階とを含んでおり、 前記参照マッピングおよび前記装置固有マッピングの少なくとも一方は関数 【数13】 で表わされる関数モデルに基づいて決定され、 ここで、Dはマッピングされるべき値を表わし、Lはそのデジタル符号値に対応するグレーレベルを表わし、n、m、c_(1)、c_(2)、c_(3)はパラメータである、 方法。 【請求項2】 前記一組の参照デジタル符号値と前記一組の装置固有デジタル符号値との間の対応関係の集合を決定する段階であって、前記対応関係の集合における対応関係は、前記一組の参照デジタル符号値のうちの参照デジタル符号値を装置固有デジタル符号値に関係付ける、段階と; 前記参照デジタル符号値における第一のルミナンス差と前記装置固有デジタル符号値における第二のルミナンス差とを比較する段階(602)と; 前記第一のルミナンス差と前記第二のルミナンス差を比較することに基づいて、前記参照デジタル符号値についてディザリングが実行されるべきか、輪郭除去が実行されるべきか、または何の動作も実行されないべきかについてのアルゴリズム・フラグを記憶する段階と; あるピクセルについて、前記参照エンコードされた画像データから前記参照デジタル符号値を決定する段階と; 前記アルゴリズム・フラグが前記参照デジタル符号値についてセットされているかどうかを判定する段階と; 輪郭除去についてアルゴリズム・フラグがセットされていると判定することに応答して前記ピクセルに対して輪郭除去アルゴリズムを実行するまたはディザリングについてアルゴリズム・フラグがセットされていると判定することに応答して前記ピクセルに対してディザリング・アルゴリズムを実行する段階とを含む、 請求項1記載の方法。 【請求項3】 前記一組の装置固有デジタル符号値でエンコードされた前記装置固有画像データに基づいて、ディスプレイ上に一つまたは複数の画像をレンダリングする段階をさらに含み、前記ディスプレイは、可視ダイナミックレンジ(VDR)ディスプレイ、低ダイナミックレンジ(LDR)ディスプレイ、タブレット・コンピュータ・ディスプレイまたはハンドヘルド装置ディスプレイの一つである、 請求項1記載の方法。 【請求項4】 装置固有のグレースケール表示関数(GSDF)が、前記一組の装置固有デジタル符号値と前記一組の装置固有グレーレベルとの間の前記装置固有マッピングを指定する、請求項1記載の方法。 【請求項5】 前記装置固有マッピングが、一つまたは複数のディスプレイ・パラメータおよび0個以上の閲覧条件パラメータに基づいて導出される、請求項1記載の方法。 【請求項6】 前記一組の装置固有グレーレベルが:100ニト未満、100ニト以上500ニト未満、500ニトから1000ニトまでの間、1000ニトから5000ニトまでの間、5000ニトから10000ニトまでの間または10000ニト超の値を有する上限をもつダイナミックレンジにまたがる、請求項1記載の方法。 【請求項7】 入力ビデオ信号からの前記参照エンコードされた画像データを用いて表現される、受領される、伝送されるまたは記憶される一つまたは複数の入力画像を、出力ビデオ信号に含まれる前記装置固有画像データを用いて表現される、受領される、伝送されるまたは記憶される一つまたは複数の出力画像に変換する段階をさらに含む、 請求項1記載の方法。 【請求項8】 前記装置固有画像データは、高解像度の高ダイナミックレンジ(HDR)画像フォーマット、映画芸術科学アカデミー(AMPAS)のアカデミー色エンコード規格(ACES)標準に関連するRGB色空間、デジタル・シネマ・イニシアチブのP3色空間規格、参照入力媒体メトリック/参照出力媒体メトリック(RIMM/ROMM)規格、sRGB色空間または国際電気通信連合(ITU)のBT.709勧告の規格に関連するRGB色空間のうちの一つにおける画像レンダリングをサポートする、請求項1記載の方法。 【請求項9】 前記一組の参照デジタル符号値のうちの二つの隣り合う参照デジタル符号値によって表わされる二つの参照グレーレベルの間のルミナンス差は、ある特定の光レベルにおいて適応した人間の視覚のピーク・コントラスト感度に反比例し、前記特定の光レベルにおける最小可知差異閾値より小さい、請求項1記載の方法。 【請求項10】 前記一組の参照デジタル符号値のうちの二つの隣り合う参照デジタル符号値によって表わされる二つの参照グレーレベルの間のルミナンス差は、ある特定の光レベルにおいて適応した人間の視覚のピーク・コントラスト感度に反比例し、前記特定の光レベルは前記二つのルミナンス値の間(両端含む)にあるルミナンス値である、請求項1記載の方法。 【請求項11】 前記一組の装置固有デジタル符号値は、8ビット;8ビット超12ビット未満;または12ビットまたはそれ以上のビット深さをもつ符号空間における整数値を有する、請求項1記載の方法。 【請求項12】 前記一組の装置固有グレーレベルは一組の量子化されたルミナンス値を有する、請求項1記載の方法。 【請求項13】 前記パラメータn、m、c_(1)、c_(2)およびc_(3)の値が、予測される符号値と目標符号値との間の偏差を最小にすることを通じて最適化される、請求項1記載の方法。 【請求項14】 前記参照デジタル符号値および前記装置固有デジタル符号値は量子化きざみ単位で量子化され、第一の量子化きざみサイズは、第一の光レベルに対して空間周波数に適応した人間の視覚のピーク・コントラスト感度に関係する、請求項1記載の方法。 【請求項15】 前記第一の量子化きざみサイズは、前記第一の光レベルにおける最小可知差異(JND)閾値より小さい、請求項14記載の方法。 【請求項16】 第二の量子化きざみが、第二の光レベルにおいて空間周波数に適応した人間の視覚のピーク・コントラスト感度に関係し、前記第一および第二の量子化きざみサイズが異なる、請求項14または15記載の方法。 【請求項17】 前記第一の光レベルは前記第二の光レベルより小さく、前記第一の量子化きざみサイズは前記第二の量子化きざみサイズより大きい、請求項16記載の方法。 【請求項18】 請求項1ないし17のうちいずれか一項記載の方法を実行し、前記装置固有画像データを表示するよう構成されている、画像処理装置(512-A、512-B、512-C、512-D)。 【請求項19】 低ダイナミックレンジ・ディスプレイを有する、請求項18記載の画像処理装置。 【請求項20】 40度から25度までの間の中間水平角サイズおよび25度以下の狭い水平角サイズの一方の視野をサポートするよう構成されている、請求項18記載の画像処理装置。 【請求項21】 1.5メートルから0.5メートルまでの中間閲覧距離および0.5メートル以下の短い閲覧距離の一方をサポートするよう構成されている、請求項18記載の画像処理装置。 【請求項22】 実行されたときに一つまたは複数のプロセッサに請求項1ないし17のうちいずれか一項記載の方法を行なわせる命令を記憶している記憶媒体。 【図面】 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2017-12-20 |
出願番号 | 特願2015-42448(P2015-42448) |
審決分類 |
P
1
651・
536-
YAA
(H04N)
P 1 651・ 537- YAA (H04N) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 久保 光宏 |
特許庁審判長 |
新川 圭二 |
特許庁審判官 |
山澤 宏 稲葉 和生 |
登録日 | 2016-06-17 |
登録番号 | 特許第5951827号(P5951827) |
権利者 | ドルビー ラボラトリーズ ライセンシング コーポレイション |
発明の名称 | 異なる表示機能の間で知覚ルミナンス非線形性ベースの画像データ交換を改善する装置および方法 |
代理人 | 伊東 忠彦 |
代理人 | 大貫 進介 |
代理人 | 大貫 進介 |
代理人 | 伊東 忠重 |
代理人 | 伊東 忠重 |
代理人 | 伊東 忠彦 |