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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  B65D
管理番号 1337053
異議申立番号 異議2017-700253  
総通号数 219 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-03-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-03-10 
確定日 2018-01-10 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5993558号発明「シーラント、それを用いた積層体および電子レンジ用包装袋」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第5993558号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-5〕について訂正することを認める。 特許第5993558号の請求項1、4及び5に係る特許を維持する。 特許第5993558号の請求項2及び3に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 
理由 1.手続の経緯
特許第5993558号(以下、「本件特許」という。)の請求項1ないし5に係る特許についての出願は、平成23年9月30日に特許出願され、平成28年8月26日にその特許権の設定登録がされた。
その後、請求項1ないし5に係る特許について、特許異議申立人片桐麻希子(以下、「申立人」という。)により特許異議の申立てがなされ、平成29年6月7日付けで取消理由が通知され、平成29年8月8日付けで意見書の提出及び訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)がなされ、平成29年8月25日付けで申立人に対し本件訂正請求があった旨の通知がなされたが、申立人から意見書は提出されなかった。

2.本件訂正請求についての判断
(1)訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は以下のとおりである。
ア.訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記非鉄系酸素吸収性樹脂層が、ポリオクテニレン、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体およびポリブタジエンからなる群から選ばれる少なくとも1種の酸素吸収剤と、基材樹脂と、を含む樹脂組成物からなる」とあるのを、
「前記非鉄系酸素吸収性樹脂層が、ポリオクテニレン、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体およびポリブタジエンからなる群から選ばれる少なくとも1種の酸素吸収剤と、基材樹脂と、を含む樹脂組成物からなり、
前記食品接触層が、プロピレン-エチレンブロック共重合体(A)と、プロピレン-エチレンブロック共重合体(B)と、ブテン-1を15質量%以上含有するエチレン-ブテン-1共重合体と、を含有する樹脂組成物であって、前記プロピレン-エチレンブロック共重合体(A)が、プロピレン単独重合体またはエチレン含量が2質量%以下のプロピレン-エチレン共重合体よりなるプロピレンブロック(I)65?85質量%と、エチレン含量が20?95質量%のエチレン-プロピレン共重合体ブロック(II)15?35質量%とを含有し、前記プロピレン-エチレンブロック共重合体(B)が、プロピレン単独重合体またはエチレン含量が2質量%以下のプロピレン-エチレン共重合体よりなるプロピレンブロック(III)85?95質量%と、エチレン含量が20?95質量%のエチレン-プロピレン共重合体ブロック(IV)5?15質量%とを含有する樹脂組成物からなり、
前記シーラントが共押出により製造された」に訂正する。
イ.訂正事項3
特許請求の範囲の請求項2を削除する。
ウ.訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3を削除する。
エ.訂正事項4
特許請求の範囲の請求項4に、
「請求項1?3のうちいずれか一項記載の」とあるのを、
「請求項1記載の」に訂正する。

(2)訂正の適否
ア.一群の請求項
訂正前の請求項1及び請求項1を直接又は間接的に引用する請求項2ないし5は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項であり、訂正事項1ないし4による訂正は当該一群の請求項1ないし5に対し請求されたものである。
イ.訂正事項1について
訂正事項1は、訂正前の請求項1の「食品接触層」及び「電子レンジ用包装袋用シーラント」について、訂正前の請求項2及び3の記載、並びに本件特許明細書の段落【0010】等の記載に基いて、「食品接触層」が「プロピレン-エチレンブロック共重合体(A)と、プロピレン-エチレンブロック共重合体(B)と、ブテン-1を15質量%以上含有するエチレン-ブテン-1共重合体と、を含有する樹脂組成物であって、前記プロピレン-エチレンブロック共重合体(A)が、プロピレン単独重合体またはエチレン含量が2質量%以下のプロピレン-エチレン共重合体よりなるプロピレンブロック(I)65?85質量%と、エチレン含量が20?95質量%のエチレン-プロピレン共重合体ブロック(II)15?35質量%とを含有し、前記プロピレン-エチレンブロック共重合体(B)が、プロピレン単独重合体またはエチレン含量が2質量%以下のプロピレン-エチレン共重合体よりなるプロピレンブロック(III)85?95質量%と、エチレン含量が20?95質量%のエチレン-プロピレン共重合体ブロック(IV)5?15質量%とを含有する樹脂組成物からな」るものであって、「電子レンジ用包装袋用シーラント」が「共押出により製造された」ものであることを限定して特定するものである。
ゆえに、訂正事項1による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
ウ.訂正事項2及び3について
訂正事項2は、請求項2を削除するものであり、訂正事項3は、請求項3を削除するものであるから、いずれも特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
エ.訂正事項4について
訂正事項4は、請求項4の記載を、訂正事項1?3により訂正される請求項1?3の記載に整合させ、引用関係を整理し、特許請求の範囲の記載を明瞭化するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(3)むすび
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1-5〕について訂正を認める。

3.特許異議の申立てについて
(1)本件発明
上記2.のとおり訂正が認められるから、本件特許の請求項1ないし5に係る発明(以下「本件発明1ないし5」という。)は、本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
【請求項1】
少なくとも非鉄系酸素吸収性樹脂層と、食品接触層と、を有する電子レンジ用包装袋用シーラントであって、
前記シーラント同士を、食品接触層を内側にして熱接着したとき、23℃におけるシール強度が23?100N/15mmであり、かつ、90℃におけるシール強度が5?25N/15mmであり、
前記非鉄系酸素吸収性樹脂層が、ポリオクテニレン、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体およびポリブタジエンからなる群から選ばれる少なくとも1種の酸素吸収剤と、基材樹脂と、を含む樹脂組成物からなり、
前記食品接触層が、プロピレン-エチレンブロック共重合体(A)と、プロピレン-エチレンブロック共重合体(B)と、ブテン-1を15質量%以上含有するエチレン-ブテン-1共重合体と、を含有する樹脂組成物であって、前記プロピレン-エチレンブロック共重合体(A)が、プロピレン単独重合体またはエチレン含量が2質量%以下のプロピレン-エチレン共重合体よりなるプロピレンブロック(I)65?85質量%と、エチレン含量が20?95質量%のエチレン-プロピレン共重合体ブロック(II)15?35質量%とを含有し、前記プロピレン-エチレンブロック共重合体(B)が、プロピレン単独重合体またはエチレン含量が2質量%以下のプロピレン-エチレン共重合体よりなるプロピレンブロック(III)85?95質量%と、エチレン含量が20?95質量%のエチレン-プロピレン共重合体ブロック(IV)5?15質量%とを含有する樹脂組成物からなり、
前記シーラントが共押出により製造されたことを特徴とする電子レンジ用包装袋用シーラント。
【請求項2】
(削除)
【請求項3】
(削除)
【請求項4】
請求項1記載の電子レンジ用包装袋用シーラントを用いたことを特徴とする積層体。
【請求項5】
請求項4記載の積層体を用いたことを特徴とする電子レンジ用包装袋。

(2)取消理由の概要
当審において通知した取消理由の概要は、以下のとおりである。
なお、上記取消理由通知において申立人の特許異議申立理由は全て採用した。

《理由》
本件発明1ないし5は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となったものである、甲1に記載された発明及び甲2ないし甲4に例示される周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

《刊行物》
甲1.特開2006-321493号公報
甲2.特開2010-180388号公報
甲3.国際公開第2007/126157号
甲4.株式会社クラレ ニュースリリース2010年、2010年8月24日、インターネット<http://web.archive.org/web/20101011094645/http://www.kuraray.co.jp/release/2010/100824.html>

(3)判断
ア.甲1発明
甲1の段落【0001】、【0005】、【0015】、【0019】ないし【0024】、【0026】、【0028】及び【図1】の記載によれば、甲1には、以下の甲1発明が記載されている。
《甲1発明》
「電子レンジ用包装袋に用いられる、中間層14及びシーラント層15であって、
前記中間層14は、気体遮断性、機械的強靱性、耐屈曲性、耐突き刺し性、耐衝撃性、耐磨耗性、耐寒性、耐熱性、耐薬品性等、食品包装袋として要求される機能を実現するためのものであり、
前記シーラント層15を内側にして熱接着したとき、常温でのシール強度が23N/15mm以上であり、かつ、90℃におけるシール強度が5?25N/15mmであり、
前記シーラント層15が、プロピレン-エチレンブロック共重合体(A)と、プロピレン-エチレンブロック共重合体(B)と、ブテン-1を15質量%以上含有するエチレン-ブテン-1共重合体と、を含有する樹脂組成物であって、前記プロピレン-エチレンブロック共重合体(A)が、プロピレン単独重合体またはエチレン含量が2質量%以下のプロピレン-エチレン共重合体よりなるプロピレンブロック(I)65?85質量%と、エチレン含量が20?95質量%のエチレン-プロピレン共重合体ブロック(II)15?35質量%とを含有し、前記プロピレン-エチレンブロック共重合体(B)が、プロピレン単独重合体またはエチレン含量が2質量%以下のプロピレン-エチレン共重合体よりなるプロピレンブロック(III)85?95質量%と、エチレン含量が20?95質量%のエチレン-プロピレン共重合体ブロック(IV)5?15質量%とを含有する樹脂組成物からなり、
前記中間層14を前記シーラント層15と基材層12の層間に設け、共押出ラミネート法、ドライラミネート法等の方法で積層した、電子レンジ用包装袋に用いられる、中間層14及びシーラント層15。」

イ.本件発明1と甲1発明との対比
本件発明1と甲1発明を対比すると、甲1発明の「シーラント層15」は、本件発明1の「食品接触層」に、甲1発明の「中間層14及びシーラント層15」は、本件発明1の「電子レンジ用包装袋用シーラント」にそれぞれ相当し、甲1発明の「中間層14」は、「機能層」という限りにおいて、本件発明1の「非鉄系酸素吸収性樹脂層」と一致するから、両者は、少なくとも、以下の点で相違する。
《相違点》
機能層が、本件発明1では、「非鉄系酸素吸収性樹脂層」であって、「前記非鉄系酸素吸収性樹脂層が、ポリオクテニレン、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体およびポリブタジエンからなる群から選ばれる少なくとも1種の酸素吸収剤と、基材樹脂と、を含む樹脂組成物からなる」のに対し、甲1発明では、「気体遮断性、機械的強靱性、耐屈曲性、耐突き刺し性、耐衝撃性、耐磨耗性、耐寒性、耐熱性、耐薬品性等、食品包装袋として要求される機能を実現するための中間層14」である点。

ウ.相違点の検討
甲1には、「中間層14」に関して、「さらに、本発明においては、前記の基材層12と前記のシーラント層15の間に中間層14を設けてもよく、前記の中間層14は通常、前記の基材層12と前記のシーラント層15だけでは包装袋1としての機能を十分に果たすことができない場合等に設けられる。前記の機能としては、気体遮断性、機械的強靱性、耐屈曲性、耐突き刺し性、耐衝撃性、耐磨耗性、耐寒性、耐熱性、耐薬品性等であり、包装袋1として要求されるこれらの機能を中間層14として設けることで達成するものである。前記の中間層14として用いられる基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、エチレンープロピレン共重合体、エチレンー酢酸ビニル共重合体ケン化物等のフィルムあるいはこれらにポリ塩化ビニリデンを塗工したフィルムないしは酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機物の蒸着を施したフィルムあるいはポリ塩化ビニリデン等のフィルム等を用いることができる。また、これら基材の一種ないしそれ以上を組み合わせて使用することができる。」(段落【0024】)との記載がある。
すなわち、甲1には、「中間層14」が奏すべき機能の一つに気体遮断性が記載されているものの、酸素吸収機能を奏すべことについては、記載されておらず、示唆もされていない。
したがって、たとえ、食品包装袋として要求される機能の一つに酸素吸収性があること、及び、この酸素吸収性を実現するために、ポリオクテニレン、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体およびポリブタジエンからなる群から選ばれる酸素吸収剤と、基材樹脂と、を含む樹脂組成物を用いることが、甲2の記載事項(特許異議申立書の16頁1行?18頁8行を参照。)、甲3の記載事項(特許異議申立書の18頁9行?21頁4行を参照。)及び甲4の記載事項(特許異議申立書の21頁4行?22頁1行)からみて、本件特許の出願前の周知技術であったとしても、甲1発明の「中間層14」として、上記周知技術を採用することは、当業者が容易に想到し得たことであるとはただちにはいえない。
そして、本件発明1は、「ポリオクテニレン、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体およびポリブタジエンからなる群から選ばれる少なくとも1種の酸素吸収剤と、基材樹脂と、を含む樹脂組成物からなる」「非鉄系酸素吸収性樹脂層」を備えることにより、「電子レンジ用包装袋に用いることで、その内容物の風味の劣化を抑制することができ、かつ、輸送時や保管時に加わる圧力や衝撃によって剥離することなく、電子レンジでの加熱時に内圧により容易に剥離するシーラント、それを用いた積層体および電子レンジ用包装袋を提供する」(本件特許明細書の【0007】を参照。)という課題を解決し、「シーラント10に非鉄系の酸素吸収性樹脂層3を設けたことで、シーラント10の酸素バリア性が向上する。そのため、本発明のシーラント10を電子レンジ用包装袋のシーラントとして用いた場合、内容物の酸化による風味の劣化を防止し、内容物の長期保存が可能となる。」(同書【0016】を参照。)及び「酸素吸収性樹脂層3は、非鉄系酸素吸収剤と基材樹脂とを含む樹脂組成物からなるが、本発明においては、酸素吸収剤としては分子状酸素によって自動酸化され得る酸素吸収剤、好適には、ポリオクテニレン、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体およびポリブタジエンを用いる。従来、酸素吸収剤としては、鉄系の酸素吸収剤が広く用いられていたが、鉄系の酸素吸収剤を用いると、包装袋の透明性を害してしまい、また、電子レンジで加熱すると、発火する危険性も生じる。そのため、酸素吸収剤として鉄系の酸素吸収剤を用いる場合は発火の危険性のない程度や、包装袋の透明性を害しない程度の添加量に抑える必要がある。これに対して、分子状酸素によって自動酸化され得る酸素吸収剤であればこのような制限はなく、鉄系の酸素吸収剤よりも添加量を多くすることができる。」といった作用効果を奏するものであるところ、このような作用効果は、甲1発明及び甲2ないし甲4に例示される周知技術から、当業者が予測し得たものとは、ただちにはいえない。
したがって、本件発明1は、甲1発明及び甲2ないし甲4に例示される周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

エ.まとめ
上記のとおり、本件発明1は、甲1発明及び甲2ないし甲4に例示される周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
そして、本件発明1の発明特定事項の全てを含み、さらに、技術的な限定を加える事項を発明特定事項としている、本件発明4及び5は、上記と同様の理由により、甲1発明及び甲2ないし甲4に例示される周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(カ)本件発明2及び3について
上記2.で示したとおり本件訂正請求が認められたことにより、請求項2及び3は削除されたため、上記《理由》については、対象となる請求項が存在しないこととなった。

(4)小括
以上のとおり、本件発明1、4及び5は、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものではないから、同法第113条第2号の規定に該当することを理由に取り消されるべきものとすることはできない。

4.むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由によっては、本件発明1、4及び5に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明1、4及び5に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
そして、本件特許の請求項2及び3は、本件訂正が認められることにより、削除されたため、本件特許の請求項2及び3についての特許異議の申立ては、その対象が存在しないものとなった。
よって、本件特許の請求項2及び3についての特許異議の申立ては、不適法であって、その補正をすることができないものであるから、特許法第120条の8で準用する同法第135条の規定により、却下すべきものである。
したがって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも非鉄系酸素吸収性樹脂層と、食品接触層と、を有する電子レンジ用包装袋用シーラントであって、
前記シーラント同士を、食品接触層を内側にして熱接着したとき、23℃におけるシール強度が23?100N/15mmであり、かつ、90℃におけるシール強度が5?25N/15mmであり、
前記非鉄系酸素吸収性樹脂層が、ポリオクテニレン、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体およびポリブタジエンからなる群から選ばれる少なくとも1種の酸素吸収剤と、基材樹脂と、を含む樹脂組成物からなり、
前記食品接触層が、プロピレン-エチレンブロック共重合体(A)と、プロピレン-エチレンブロック共重合体(B)と、ブテン-1を15質量%以上含有するエチレン-ブテン-1共重合体と、を含有する樹脂組成物であって、前記プロピレン-エチレンブロック共重合体(A)が、プロピレン単独重合体またはエチレン含量が2質量%以下のプロピレン-エチレン共重合体よりなるプロピレンブロック(I)65?85質量%と、エチレン含量が20?95質量%のエチレン-プロピレン共重合体ブロック(II)15?35質量%と含有し、前記プロピレン-エチレンブロック共重合体(B)が、プロピレン単独重合体またはエチレン含量が2質量%以下のプロピレン-エチレン共重合体よりなるプロピレンブロック(III)85?95質量%と、エチレン含量が20?95質量%のエチレン-プロピレン共重合体ブロック(IV)5?15質量%とを含有する樹脂組成物からなり、
前記シーラントが共押出により製造されたことを特徴とする電子レンジ用包装袋用シーラント。
【請求項2】
(削除)
【請求項3】
(削除)
【請求項4】
請求項1記載の電子レンジ用包装袋用シーラントを用いたことを特徴とする積層体。
【請求項5】
請求項4記載の積層体を用いたことを特徴とする電子レンジ用包装袋。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2017-12-27 
出願番号 特願2011-218663(P2011-218663)
審決分類 P 1 651・ 121- YAA (B65D)
最終処分 維持  
前審関与審査官 谿花 正由輝  
特許庁審判長 千壽 哲郎
特許庁審判官 渡邊 豊英
井上 茂夫
登録日 2016-08-26 
登録番号 特許第5993558号(P5993558)
権利者 大日本印刷株式会社
発明の名称 シーラント、それを用いた積層体および電子レンジ用包装袋  
代理人 本多 一郎  
代理人 本多 一郎  

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