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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A63F
審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する A63F
管理番号 1337258
審判番号 訂正2017-390133  
総通号数 220 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-04-27 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2017-11-29 
確定日 2018-01-18 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6233487号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第6233487号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔2?5〕について訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第6233487号(以下,「本件特許」という。)は,平成27年10月31日に出願された特願2015-215339号の一部を平成28年10月14日に特願2016-203138号として新たに特許出願され,平成29年11月2日に特許権の設定登録がなされ,平成29年11月29日に訂正審判の請求がなされたものである。

第2 請求の趣旨
本件訂正審判請求の趣旨は,本件特許の願書に添付した明細書(以下,「本件特許明細書」という。),特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書,特許請求の範囲のとおり,訂正後の請求項2?5について訂正することを認める,との審決を求めるものである。

第3 訂正の内容
1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項2を削除する。

2 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項3を削除する。

3 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項4を削除する。

4 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項5を削除する。

5 訂正事項5
本件特許明細書の段落【0007】を削除する。

6 訂正事項6
本件特許明細書の段落【0008】を削除する。

7 訂正事項7
本件特許明細書の段落【0009】を削除する。

8 訂正事項8
本件特許明細書の段落【0010】を削除する。

9 訂正事項9
本件特許明細書の段落【0012】を削除する。

10 訂正事項10
本件特許明細書の段落【0013】を削除する。

11 訂正事項11
本件特許明細書の段落【0014】を削除する。

12 訂正事項12
本件特許明細書の段落【0015】を削除する。

第4 当審の判断
1 訂正事項1?4について
(1)訂正の目的について
本件特許の特許請求の範囲には請求項1?5があるところ,訂正事項1?4は,訂正前の請求項2?5を削除する訂正であるから,特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる,特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。

(2)新規事項の有無,特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項1?4は,訂正前の請求項2?5を削除する訂正であるから,本件特許の願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面(以下,「本件特許明細書等」という。)のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
また,訂正事項1?4は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもない。
したがって,訂正事項1?4は,特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

2 訂正事項5?12について
(1)訂正の目的について
訂正事項5?12は,本件特許明細書の段落【0007】,【0008】,【0009】,【0010】,【0012】,【0013】,【0014】,【0015】の記載を,上記第3「1 訂正事項1」?「4 訂正事項4」による請求項2?5を削除する訂正に伴い,整合性を図るために削除する訂正であるから,特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる,明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。

(2)新規事項の有無,特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項5?12は,請求項2?5を削除する訂正に伴い,整合性を図るために削除する訂正であるから,本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
また,訂正事項5?12は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもない。
したがって,訂正事項5?12は,特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

3 独立特許要件について
訂正後の特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明は,特許出願の際独立して特許を受けることができない理由を発見することはできない。したがって,訂正事項1?4は,特許法第126条第7項の規定に適合する。

第5 むすび
したがって,本件訂正審判の請求は,特許法第126条第1項ただし書第1号又は第3号に掲げる事項を目的とし,かつ,同条第5?7項の規定に適合する。
よって,結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機などの遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機等の遊技機において、操作手段(演出ボタン等)を遊技者が操作することで、装飾体を待機位置から所定の動作位置まで動作させる演出が実行される遊技機が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-097827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、更なる遊技の興趣向上が求められていた。
【0005】
本発明は、上記に例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、演出を実行可能な演出手段と、その演出手段に予め定められた期間で特定演出を実行させる特定演出実行手段と、遊技者が操作することが可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことに基づいて所定の信号を出力する信号出力手段と、その信号出力手段により出力される信号を判別する信号判別手段と、所定の可動範囲で可動することが可能な複数の可動部材と、前記特定演出が実行されている場合に、前記信号判別手段により前記所定の信号が判別されたことに基づいて、前記複数の可動部材のうちの少なくとも1の可動部材を可動させる可動手段と、前記信号判別手段により前記所定の信号が判別された場合に実行されている前記特定演出の演出経過期間が特定の経過期間内である場合に可動させる前記可動部材の可動態様を可変させる可動態様可変手段と、前記特定の経過期間を越えた場合に前記信号判別手段が前記所定の信号を判別したことに基づく前記可動手段による可動を禁止する禁止手段と、を有するものである。
【0007】(削除)
【0008】(削除)
【0009】(削除)
【0010】(削除)
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の遊技機によれば、演出を実行可能な演出手段と、その演出手段に予め定められた期間で特定演出を実行させる特定演出実行手段と、遊技者が操作することが可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことに基づいて所定の信号を出力する信号出力手段と、その信号出力手段により出力される信号を判別する信号判別手段と、所定の可動範囲で可動することが可能な複数の可動部材と、前記特定演出が実行されている場合に、前記信号判別手段により前記所定の信号が判別されたことに基づいて、前記複数の可動部材のうちの少なくとも1の可動部材を可動させる可動手段と、前記信号判別手段により前記所定の信号が判別された場合に実行されている前記特定演出の演出経過期間が特定の経過期間内である場合に可動させる前記可動部材の可動態様を可変させる可動態様可変手段と、前記特定の経過期間を越えた場合に前記信号判別手段が前記所定の信号を判別したことに基づく前記可動手段による可動を禁止する禁止手段と、を有するものである。よって、遊技の興趣をより向上できるという効果がある。
【0012】(削除)
【0013】(削除)
【0014】(削除)
【0015】(削除)
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】 第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。
【図2】 パチンコ機の遊技盤の正面図である。
【図3】 パチンコ機の背面図である。
【図4】 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】 動作ユニットの正面斜視図である。
【図6】 分解した動作ユニットを正面視した動作ユニットの分解正面斜視図である。
【図7】 分解した動作ユニットを正面視した動作ユニットの分解正面斜視図である。
【図8】 動作ユニットの正面図である。
【図9】 動作ユニットの正面図である。
【図10】 動作ユニットの正面図である。
【図11】 動作ユニットの正面図である。
【図12】 動作ユニットの正面図である。
【図13】 (a)及び(b)は、揺動動作ユニットの正面斜視図である。
【図14】 揺動動作ユニットの分解正面斜視図である。
【図15】 揺動動作ユニットの分解背面斜視図である。
【図16】 (a)は、揺動動作ユニットの正面図であり、(b)は、揺動動作ユニットの背面図である。
【図17】 (a)は、揺動動作ユニットの正面図であり、(b)は、揺動動作ユニットの背面図である。
【図18】 (a)は、揺動動作ユニットの正面図であり、(b)は、揺動動作ユニットの背面図である。
【図19】 (a)は、揺動動作ユニットの正面図であり、(b)は、揺動動作ユニットの背面図であり、(c)は、揺動動作ユニットの底面図である。
【図20】 (a)から(d)は、アーム部材の基端側における揺動動作ユニットの部分正面拡大図である。
【図21】 (a)及び(b)は、第1スライド動作ユニットの正面斜視図である。
【図22】 第1スライド動作ユニットの分解正面斜視図である。
【図23】 第1スライド動作ユニットの分解背面斜視図である。
【図24】 第1スライド動作ユニットの正面図である。
【図25】 (a)は、第1スライド動作ユニットの正面図であり、(b)は、第1スライド動作ユニットの背面図である。
【図26】 (a)は、第1スライド動作ユニットの正面図であり、(b)は、第1スライド動作ユニットの背面図である。
【図27】 図26(a)のXXVII-XXVII線における第1スライド動作ユニットの断面図である。
【図28】 反転動作ユニットの正面斜視図である。
【図29】 反転動作ユニットの分解正面斜視図である。
【図30】 反転動作ユニットの分解背面斜視図である。
【図31】 (a)は、反転動作ユニットの部分側面図であり、(b)は、図31(a)のXXXIb-XXXIb線における反転動作ユニットの部分断面図である。
【図32】 (a)は、反転動作ユニットの部分正面図であり、(b)は、図32(a)のXXXIIb?XXXIIb線における反転動作ユニットの部分断面図であり、(c)は、図32(b)のXXXIIc?XXXIIc線における反転動作ユニットの部分断面図であり、(d)は、図32(b)のXXXIId?XXXIId線における反転動作ユニットの部分断面図である。
【図33】 (a)から(c)は、反転動作ユニットの部分正面図であり、(d)から(f)は、反転動作ユニットの部分側面図である。
【図34】 反射部材及び伝達部材の部分側面図である。
【図35】 (a)及び(b)は、第2スライド動作ユニットの正面斜視図である。
【図36】 第2スライド動作ユニットの分解正面斜視図である。
【図37】 第2スライド動作ユニットの分解正面斜視図である。
【図38】 第2スライド動作ユニットの分解背面斜視図である。
【図39】 第2スライド動作ユニットの分解背面斜視図である。
【図40】 (a)から(c)は、第2スライド動作ユニットの正面図である。
【図41】 (a)から(c)は、第2スライド動作ユニットの正面図である。
【図42】 第2スライド動作ユニットの部分背面図である。
【図43】 第2実施形態における駆動ギア、伝達装置及びL字型レバーの正面図である。
【図44】 駆動ギア、伝達装置及びL字型レバーの正面図である。
【図45】 (a)及び(b)は、揺動動作ユニットの正面図である。
【図46】 (a)及び(b)は、揺動動作ユニットの正面図である。
【図47】 (a)は、第1スライド動作ユニットの正面図であり、(b)は、第1スライド動作ユニットの背面図である。
【図48】 (a)から(c)は、第2スライド動作ユニットの部分正面図である。
【図49】 第1可変入賞装置の分解斜視図である。
【図50】 (a)はLa-La断面の第1可変入賞装置の断面図であり、(b)は、Lb-Lb断面図であり、(c)は、第1可変入賞装置の上面図である。
【図51】 (a)?(b)は、第1可変入賞装置の一部の背面図である。
【図52】 第1制御例における各種カウンタの概要を示す図である。
【図53】 (a)は、第1制御例における第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1制御例における主制御装置内のROMの電気的構成を示すブロック図であり、(c)は、第1制御例における主制御装置内のRAMの電気的構成を示すブロック図である。
【図54】 (a)は、第1制御例における音声ランプ制御装置内のROMの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、第1制御例における音声ランプ制御装置内のRAMの電気的構成を示すブロック図である。
【図55】 (a)は、第1制御例における変動パターン選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、長押し演出抽選テーブルの内容を模式的に示した模式図である。
【図56】 第1制御例における表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図57】 第1制御例における表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。
【図58】 第1制御例における転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。
【図59】 第1制御例における描画リストの一例を模式的に示した模式図である。
【図60】 (a)?(b)は、第3図柄表示装置で表示される報知態様の一例である。
【図61】 (a)?(b)は、第3図柄表示装置で表示される長押し演出の一例である。
【図62】 (a)?(b)は、第3図柄表示装置で表示される長押し演出の一例である。
【図63】 主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図64】 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示すフローチャートである。
【図65】 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動開始処理を示したフローチャートである。
【図66】 主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。
【図67】 主制御装置内のMPUにより実行される先読み処理を示すフローチャートである。
【図68】 主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示すフローチャートである。
【図69】 主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理を示すフローチャートである。
【図70】 主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。
【図71】 主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。
【図72】 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
【図73】 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理を示すフローチャートである。
【図74】 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり動作設定処理を示すフローチャートである。
【図75】 主制御装置内のMPUにより実行されるエンディング処理を示すフローチャートである。
【図76】 主制御装置内のMPUにより実行される報知処理を示すフローチャートである。
【図77】 主制御装置内のMPUにより実行される入賞処理を示すフローチャートである。
【図78】 主制御装置内のMPUにより実行される異常処理を示すフローチャートである。
【図79】 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。
【図80】 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
【図81】 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。
【図82】 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示したフローチャートである。
【図83】 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される枠ボタン入力監視・演出処理を示したフローチャートである。
【図84】 表示制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
【図85】 表示制御装置内のMPUにより実行されるブート処理を示すフローチャートである。
【図86】 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド割込処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるV割込処理を示したフローチャートである。
【図87】 表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。
【図88】 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される変動パターンコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される停止種別コマンド処理を示したフローチャートである。
【図89】 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される背面画像変更コマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるエラーコマンド処理を示したフローチャートである。
【図90】 表示制御装置内のMPUにより実行される長押し演出処理を示したフローチャートである。
【図91】 表示制御装置内のMPUにより実行される表示設定処理を示したフローチャートである。
【図92】 表示制御装置内のMPUにより実行される警告画像設定処理を示したフローチャートである。
【図93】 表示制御装置内のMPUにより実行されるポインタ更新処理を示したフローチャートである。
【図94】 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される転送設定処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される常駐画像転送設定処理を示したフローチャートである。
【図95】 表示制御装置内のMPUにより実行される通常画像転送設定処理を示したフローチャートである。
【図96】 表示制御装置内のMPUにより実行される描画処理を示したフローチャートである。
【図97】 (a)は、第2制御例における音声ランプ制御装置内のROMの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、第2制御例における音声ランプ制御装置内のRAMの電気的構成を示すブロック図であり、(c)は、捕獲演出抽選テーブルの一例を示した模式図である。
【図98】 (a)?(b)は、第3図柄表示装置で表示される捕獲演出の表示態様の一例である・
【図99】 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される枠ボタン入力監視・演出処理2を示したフローチャートである。
【図100】 表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理2を示したフローチャートである。
【図101】 表示制御装置内のMPUにより実行されるSW演出処理を示したフローチャートである。
【図102】 表示制御装置内のMPUにより実行される表示設定処理2を示したフローチャートである。
【図103】 表示制御装置内のMPUにより実行されるSW演出表示設定処理を示したフローチャートである。
【図104】 第3制御例における主制御装置内のRAMの電気的構成を示すブロック図である。
【図105】 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理2を示すフローチャートである。
【図106】 主制御装置内のMPUにより実行される時短中変動処理を示すフローチャートである。
【図107】 (a)?(b)は、第3図柄表示装置で表示される仮停止演出の表示態様の一例である。
【図108】 表示御装置内のMPUにより実行される表示設定処理3を示すフローチャートである。
【図109】 表示御装置内のMPUにより実行される図柄仮停止設定処理を示すフローチャートである。
【図110】 第1実施形態における遊技盤13の部分拡大図である。
【図111】 第5制御例におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。
【図112】 第5制御例における遊技盤13の部分拡大図である。
【図113】 (a)?(b)は、第5制御例におけるV入賞装置の一部の背面図である。
【図114】 第5制御例におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図115】 第5制御例における各種カウンタの概要を示す図である。
【図116】 (a)は、第5制御例における主制御装置内のROMの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、第5制御例における主制御装置内のRAMの電気的構成を示すブロック図である。
【図117】 (a)は、第5制御例における第1当たり乱数テーブルの内容を模式的に示す模式図であり、(b)は、第5制御例における第1乱数カウンタC1と第1特別図柄における大当たり判定値との対応関係を模式的に示した模式図であり、(c)は、第5制御例における第1乱数カウンタC1と第2特別図柄における大当たり判定値との対応関係を模式的に示した模式図であり、(d)は、第5制御例における第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。
【図118】 (a)は、第5制御例における第1当たり種別選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、第5制御例における第1当たり種別カウンタC2と第1特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(c)は、第5制御例における第1当たり種別カウンタC2と第2特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図である。
【図119】 (a)は、第5制御例における小当たり種別選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、第5制御例における小当たり種別カウンタC5と第1特別図柄における小当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(c)は、小当たり種別カウンタC5と第2特別図柄における小当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図である。
【図120】 (a)は、第5制御例における変動パターン選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、第5制御例における大当たり時における変動種別カウンタCS1と変動種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(c)は、第5制御例における外れ時(通常)における変動種別カウンタCS1と変動種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(d)は、第5制御例における時短における変動種別カウンタCS1と変動種別との対応関係を模式的に示した模式図である。
【図121】 (a)は第5制御例における音声ランプ制御装置内のROMの構成を模式的に示す模式図であり、(b)は第5制御例における音声ランプ制御装置内のRAMの構成を模式的に示す模式図である。
【図122】 第5制御例におけるゲームフローを模式的に示した模式図である。
【図123】 (a)は第5制御例における第2入賞口への遊技球の入賞からV入賞スイッチへの遊技球の通過に基づく大当たりの発生までを示したタイムチャートであり、(b)は第5制御例における第2入賞口への遊技球の入賞から特別図柄による大当たりの発生までを示したタイムチャートである。
【図124】 (a)は第5制御例における第3図柄表示装置上で表示される表示画面であって、特図2遊技状態のうち、特図2未変動状態を示した模式図であり、(b)は第5制御例における第3図柄表示装置上で表示される表示画面であって、特図2遊技状態のうち、特図2変動状態を示した模式図である。
【図125】 (a)は第5制御例における第3図柄表示装置上で表示される表示画面であって、特図2遊技状態のうち、小当たり遊技状態を示した模式図であり、(b)は第5制御例における第3図柄表示装置上で表示される表示画面であって、特図2遊技状態のうち、V入賞スイッチへの遊技球の通過に基づく大当たりが発生示した状態を示した模式図である。
【図126】 (a)は、第5制御例における第3図柄表示装置上で表示される表示画面であって、特図2遊技状態のうち、大当たり開始時の状態を示した模式図であり、(b)は第5制御例における第3図柄表示装置上で表示される表示画面であって、特図2遊技状態のうち、大当たり後に時短遊技が付与される状態であることを示す模式図であり、(c)は第5制御例における第3図柄表示装置上で表示される表示画面であって、特図2遊技状態のうち、大当たり後に特図1遊技状態へと移行する状態であることを示す模式図である。
【図127】 (a)は、図125(b)のタイミングで表示される表示画面であって、大当たりDが発生した状態であることを示す模式図であり、(b)は図125(b)のタイミングで表示される表示画面であって、保留内に大当たりCがある状態発を示した模式図である。
【図128】 第5制御例における主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図129】 第5制御例における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示すフローチャートである。
【図130】 第5制御例における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動開始処理2を示すフローチャートである。
【図131】 第5制御例における主制御装置内のMPUにより実行される通常変動開始処理を示すフローチャートである。
【図132】 第5制御例における主制御装置内のMPUにより実行される時短変動開始処理を示すフローチャートである。
【図133】 第5制御例における主制御装置内のMPUにより実行される小当たり開始設定処理を示すフローチャートである。
【図134】 第5制御例における主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。
【図135】 第5制御例における主制御装置内のMPUにより実行される先読み処理2を示すフローチャートである。
【図136】 第5制御例における主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示すフローチャートである。
【図137】 第5制御例における主制御装置内のMPUにより実行されるV入口通過処理を示すフローチャートである。
【図138】 第5制御例における主制御装置内のMPUにより実行されるV通過処理を示すフローチャートである。
【図139】 第5制御例における主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
【図140】 第5制御例における主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理2を示すフローチャートである。
【図141】 第5制御例における主制御装置内のMPUにより実行される小当たり制御処理を示すフローチャートである。
【図142】 第5制御例における主制御装置内のMPUにより実行される小当たり終了処理を示すフローチャートである。
【図143】 第5制御例における音声ランプ御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理2を示すフローチャートである。
【図144】 第5制御例における音声ランプ御装置内のMPUにより実行される当たり関連処理を示すフローチャートである。
【図145】 第5制御例における音声ランプ御装置内のMPUにより実行されるV通過処理を示すフローチャートである。
【図146】 第5制御例における表示御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示すフローチャートである。
【図147】 第5制御例における表示御装置内のMPUにより実行される当たり関連コマンド処理を示すフローチャートである。
【図148】 (a)は、第5制御例における表示御装置内のMPUにより実行される大当たり開始コマンド処理を示すフローチャートであり、(b)は、第5制御例における表示制御装置内のMPUにより実行されるラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。
【図149】 (a)は、第5制御例における表示御装置内のMPUにより実行される大当たり終了コマンド処理を示すフローチャートであり、(b)は、第5制御例における表示制御装置内のMPUにより実行される小当たり開始コマンド処理を示すフローチャートである。
【図150】 (a)は、第5制御例における表示御装置内のMPUにより実行される小当たり終了コマンド処理を示すフローチャートであり、(b)は、第5制御例における表示制御装置内のMPUにより実行されるV入口通過コマンド処理を示すフローチャートである。
【図151】 (a)は、第5制御例における表示御装置内のMPUにより実行される3V演出コマンド処理を示すフローチャートであり、(b)は、第5制御例における表示制御装置内のMPUにより実行される2V演出コマンド処理を示すフローチャートである。
【図152】 第5制御例における表示御装置内のMPUにより実行されるV演出コマンド処理を示すフローチャートである。
【図153】 第5制御例における変形例のゲームフローを模式的に示した模式図である。
【図154】 第6制御例における迂回路部材の斜視拡大図である。
【図155】 第6制御例における第1可変入賞装置の一部の背面図である。
【図156】 第6制御例における流路開放装置を斜視した模式図である。
【図157】 第7制御例における(a)?(c)は、連続チャンス演出の実行システムについて模式的に示した模式図である。
【図158】 第7制御例における(a)及び(b)は、連続チャンス演出の表示態様の一例を模式的に示した模式図である。
【図159】 第7制御例における(a)及び(b)は、連続チャンス演出の表示態様の一例を模式的に示した模式図である。
【図160】 (a)は、第7制御例における主制御装置内のROMの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、第7制御例における主制御装置内のRAMの電気的構成を示すブロック図である。
【図161】 (a)は、第7制御例における大当たり時における変動種別カウンタCS1と変動種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(b)は、第7制御例における外れ時(通常)における変動種別カウンタCS1と変動種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(c)は、第7制御例における外れ時(確変)における変動種別カウンタCS1と変動種別との対応関係を模式的に示した模式図である。
【図162】 (a)は、第7制御例における当たり時の連続チャンス回数テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、第7制御例における外れ時の連続チャンス回数テーブルの内容を模式的に示した模式図である。
【図163】 第7制御例における潜伏回数抽選テーブルの内容を模式的に示した模式図である。
【図164】 第7制御例における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示すフローチャートである。
【図165】 第7制御例における主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。
【図166】 第7制御例における主制御装置内のMPUにより実行される先読み処理2を示すフローチャートである。
【図167】 第7制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理3を示すフローチャートである。
【図168】 第7制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される入賞情報処理を示すフローチャートである。
【図169】 第7制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理2を示すフローチャートである。
【図170】 第7制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される後前兆設定処理を示すフローチャートである。
【図171】 第8制御例におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図172】 (a)は、第8制御例における主制御装置内のROMの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、第8制御例における第1当たり種別テーブルの内容を模式的に示す模式図である。
【図173】 第8制御例における主制御装置内のRAMの電気的構成を示すブロック図である。
【図174】 (a)及び(b)は、第8制御例における大当たり遊技が実行される場合の、遊技状態と確変スイッチへの遊技球の通過状態と外部出力端子板の各端子の出力との関係を示したタイミングチャートである。
【図175】 (a)及び(b)は、第8制御例における大当たり遊技が連続して実行される場合の、遊技状態と確変スイッチへの遊技球の通過状態と外部出力端子板の各端子の出力との関係を示したタイミングチャートである。
【図176】 第8制御例における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示すフローチャートである。
【図177】 第8制御例における主制御装置内のMPUにより実行される外部出力処理を示すフローチャートである。
【図178】 第9制御例における主制御装置内のRAMの電気的構成を示すブロック図である。
【図179】 (a)及び(b)は、第8制御例における大当たり遊技が実行される場合の、遊技状態と確変スイッチへの遊技球の通過状態と外部出力端子板の各端子の出力との関係を示したタイミングチャートである。
【図180】 第9制御例における主制御装置内のMPUにより実行される外部出力処理を示すフローチャートである。
【図181】 (a)は、第10制御例における役物Aを模式的に示した模式図である。(b)は、第10制御例における役物Bを模式的に示した模式図である。(c)は、第10制御例における役物Cを模式的に示した模式図である。
【図182】 (a)は、第10制御例における役物配置を模式的に示した模式図である。(b)は、第10制御例における役物動作を模式的に示した模式図である。
【図183】 (a)は、第10制御例における役物Aの待機位置を模式的に示した模式図である。(b)は、第10制御例における役物Aの通常駆動パターンの動作を示した図である。(c)は、第10制御例における役物Aの短縮駆動パターンの動作を示した図である。
【図184】 第10制御例におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図185】 第10制御例におけるボタン連打演出中の役物動作の流れを示したタイミングチャートである。
【図186】 (a)は、第10制御例における音声ランプ制御装置内のROMの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第10制御例における音声ランプ制御装置内のRAMの構成を模式的に示した模式図である。
【図187】 (a)は、第10制御例における連打演出選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、第10制御例における動作シナリオテーブルの構成を模式的に示した模式図である。
【図188】 (a)は、第10制御例における役物Aシナリオテーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、第10制御例における役物Bシナリオテーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、第10制御例における役物Cシナリオテーブルの内容を模式的に示した模式図である。
【図189】 第10制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
【図190】 第10制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理3を示したフローチャートである。
【図191】 第10制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される枠ボタン入力監視・演出処理3を示したフローチャートである。
【図192】 第10制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される連打ボタン処理を示したフローチャートである。
【図193】 第10制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるボタンタイマ減算処理を示したフローチャートである。
【図194】 第10制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される役物A動作設定処理を示したフローチャートである。
【図195】 (a)は、第10制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される役物B動作設定処理を示したフローチャートであり、(b)は、第10制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される役物C動作設定処理を示したフローチャートである。
【図196】 第10制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される役物動作処理を示したフローチャートである。
【図197】 (a)?(c)は、第11制御例における遅延処理の動作を示した図である。
【図198】 第11制御例におけるボタン連打演出中の役物動作の流れを示したタイミングチャートである。
【図199】 第11制御例における音声ランプ制御装置内のRAMの構成を模式的に示した模式図である。
【図200】 第11制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される連打ボタン処理2を示したフローチャートである。
【図201】 第11制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される遅延タイマ減算処理を示したフローチャートである。
【図202】 第11制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される役物A動作設定処理2を示したフローチャートである。
【図203】 第11制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される役物B動作設定処理2を示したフローチャートである。
【図204】 第11制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される役物C動作設定処理2を示したフローチャートである。
【図205】 第11制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される役物動作処理2を示したフローチャートである。
【図206】 (a)?(c)は、第12制御例における反復動作の流れを示した模式図である。
【図207】 第12制御例におけるボタン連打演出中の役物動作の流れを示したタイミングチャートである。
【図208】 第12制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される連打ボタン処理3を示したフローチャートである。
【図209】 第12制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される役物A動作設定処理3を示したフローチャートである。
【図210】 (a)は、第12制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される役物B動作設定処理3を示したフローチャートであり、(b)は、第12制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される役物C動作設定処理3を示したフローチャートである。
【図211】 (a)および(b)は、第13制御例における役物の動作を示した図である。
【図212】 第13制御例におけるボタン連打演出中の役物動作の流れを示したタイミングチャートである。
【図213】 第13制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される連打ボタン処理4を示したフローチャートである。
【図214】 第13制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される役物A動作設定処理4を示したフローチャートである。
【図215】 第13制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される役物B動作設定処理4を示したフローチャートである。
【図216】 第13制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される役物C動作設定処理4を示したフローチャートである。
【図217】 (a)は、第14制御例における役物の弱動作を模式的に示した模式図である。(b)は、第14制御例における役物の強動作を模式的に示した模式図である。
【図218】 第14制御例におけるボタン連打演出中の役物動作の流れを示したタイミングチャートである。
【図219】 第14制御例における駆動モータを詳細に示すブロック図である。
【図220】 (a)は、第14制御例における音声ランプ制御装置内のROMの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第14制御例における音声ランプ制御装置内のRAMの構成を模式的に示した模式図である。
【図221】 (a)は、第14制御例における第2動作シナリオテーブルの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第14制御例における役物A第2シナリオテーブルの内容を模式的に示した模式図である。
【図222】 第14制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される連打ボタン処理5を示したフローチャートである。
【図223】 第14制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される間隔タイマ減算処理を示したフローチャートである。
【図224】 第14制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される役物A動作設定処理5を示したフローチャートである。
【図225】 第14制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される役物動作処理3を示したフローチャートである。
【図226】 第15制御例におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。
【図227】 第15制御例におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図228】 第15制御例におけるソレノイド駆動回路を模式的に示した模式図である。
【図229】 第15制御例における普電ソレノイドの動作を示したタイミングチャートである。
【図230】 第15制御例における普電ソレノイドの動作内容を示したタイミングチャートである。
【図231】 第15制御例における主制御装置内のRAMの構成を模式的に示した模式図である。
【図232】 第15制御例における主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図233】 第15制御例における主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄制御処理を示すフローチャートである。
【図234】 第15制御例における主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理2を示すフローチャートである。
【図235】 第15制御例における主制御装置内のMPUにより実行される普電動作設定処理を示すフローチャートである。
【図236】 第15制御例における主制御装置内のMPUにより実行される普電開閉処理を示すフローチャートである。
【図237】 第15制御例における主制御装置内のMPUにより実行される普電タイマ減算処理を示すフローチャートである。
【図238】 (a)は、第15制御例の変形例におけるソレノイド駆動回路を模式的に示した模式図である。(b)は、第15制御例の変形例における出力信号を示すタイミングチャートである。
【図239】 第15制御例の変形例における普電(電動役物)640aの動作の流れを示したタイミングチャートである。
【図240】 (a)?(c)は、従動役物の動作の流れを模式的に示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図42を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の後面図である。
【0018】
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
【0019】
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
【0020】
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
【0021】
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
【0022】
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
【0023】
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29?33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29?33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29?33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
【0024】
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29?33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
【0025】
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
【0026】
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
【0027】
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
【0028】
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
【0029】
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(可動部材310を図示し、その他は図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置(図示せず)、普通図柄始動口(スルーゲート)67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の後面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置(図示せず)、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
【0030】
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
【0031】
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
【0032】
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
【0033】
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
【0034】
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
【0035】
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64及び第2入賞口640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
【0036】
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
【0037】
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
【0038】
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
【0039】
なお、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
【0040】
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、普通図柄始動口(スルーゲート)67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
【0041】
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
【0042】
第2図柄表示装置は、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
【0043】
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
【0044】
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
【0045】
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
【0046】
普通図柄始動口(スルーゲート)67は、可変表示装置ユニット80の下側の領域における右方において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の右方を流下する球の一部が通過可能に構成されている。普通図柄始動口(スルーゲート)67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
【0047】
球の普通図柄始動口(スルーゲート)67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
【0048】
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右方に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
【0049】
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
【0050】
一方、第1入賞口64の正面視右方には、球が入賞し得る第2入賞口640が配設されている。この第2入賞口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
【0051】
また、第1入賞口64および第2入賞口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
【0052】
第2入賞口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、普通図柄始動口(スルーゲート)67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。
【0053】
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
【0054】
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
【0055】
よって、通常中においては、第2入賞口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
【0056】
一方、確変中や時短中は、普通図柄始動口(スルーゲート)67に球を通過させることで、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入賞口640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
【0057】
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
【0058】
第1入賞口64の下方右側には第1可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
【0059】
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
【0060】
第1可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を正面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
【0061】
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の下方右側や、第1入賞口64の下方左側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
【0062】
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
【0063】
遊技盤13には、第1アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640にも入賞しなかった球は、第1アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。第1アウト口71は、第1入賞口64の下方に配設される。
【0064】
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。本実施形態においては、風車の内の一つ(可動部材310と称す)が遊技盤13の正面視左側上方に配設され、図2において図示されている。
【0065】
図3に示すように、パチンコ機10の後面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
【0066】
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
【0067】
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100?104に収納されている。基板ボックス100?104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
【0068】
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
【0069】
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
【0070】
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
【0071】
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
【0072】
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
【0073】
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
【0074】
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
【0075】
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
【0076】
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
【0077】
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
【0078】
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
【0079】
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
【0080】
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
【0081】
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
【0082】
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29?33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
【0083】
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には、駆動装置340,464,560や駆動モータ441,771,772,773,774が含まれる。
【0084】
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた後面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた後面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、後面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の後面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
【0085】
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
【0086】
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
【0087】
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110?114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110?114等に対して必要な電圧を供給する。
【0088】
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
【0089】
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
【0090】
次いで、図5から図42を参照して、動作ユニット200について説明する。まず、図5から図7を参照して、背面ケース210への各ユニット300?700の収容構造について説明する。
【0091】
図5は、動作ユニット200の正面斜視図であり、図6及び図7は、分解した動作ユニット200を正面視した動作ユニット200の分解正面斜視図である。なお、図7では、第2スライド動作ユニット700が背面ケース210に装着された状態が図示される。
【0092】
図5から図7に示すように、動作ユニット200は、底壁部211と、その底壁部211の外縁から立設される外壁部212とから一面側(図6紙面手前側)が開放された箱状に形成される背面ケース210を備える。背面ケース210は、その底壁部211の中央に矩形状の開口211aが開口形成されることで、正面視矩形の枠状に形成される。開口211aは、第3図柄表示装置81(図2参照)の外形に対応した(即ち、第3図柄表示装置81を配設可能な)大きさに形成される。
【0093】
動作ユニット200は、背面ケース210の内部空間に、揺動動作ユニット300、第1スライド動作ユニット400、反転動作ユニット500、装飾動作ユニット600及び第2スライド動作ユニット700がそれぞれ収容され、これを1ユニットとして構成される。
【0094】
具体的には、第2スライド動作ユニット700は、背面ケース210の外壁部212の内側面が形成する形状よりも若干小さな外形で形成され、外壁部212の内側面に当接しながら、外壁部212に囲われる態様で底壁部211に配設される(図7参照)。第2スライド動作ユニット700は、組立状態(図5参照)において、正面視で背面ケース210の開口211aと一致する位置に矩形状の開口が形成される。
【0095】
この図7に示す状態に対し、揺動動作ユニット300、第1スライド動作ユニット400、反転動作ユニット500及び装飾ユニット600は、第2スライド動作ユニット700の正面側に、それぞれ重ね合わされた積層状態で配設され、背面ケース210に収容される(図5参照)。
【0096】
このように、本実施形態では、所定の動作ユニット(例えば、第2スライド動作ユニット700)に対し、他の動作ユニット(例えば、第1スライド動作ユニット400)が正面側に重ね合わされた積層状態で配設されるので、正面視において、所定の動作ユニットを、他の動作ユニットによって遮蔽することができる。
【0097】
言い換えれば、遊技盤13(図2参照)が光透過性材料から形成され、その遊技盤13の背面側に配設される動作ユニットを遊技者が視認可能とされる場合に、所定の動作ユニットの必要な部分のみを遊技者に視認させ、他の部分を他の動作ユニットにより遊技者から遮蔽することができる。これにより、他の動作ユニットによって遮蔽される所定の演出部材については、その全体が遊技者から視認されることを前提として設計する必要がないので、その設計の自由度の向上を図ることができる。
【0098】
次いで、図8から図10を参照して、揺動動作ユニット300、第1スライド動作ユニット400及び第2スライド動作ユニット700の動作態様の概略について説明する。なお、図8から図10の説明においては、図5から図7を適宜参照する。
【0099】
図8から図10は、動作ユニット200の正面図である。なお、図8では揺動動作ユニット300の起立部材330及びアーム部材320が張出位置に配置された状態が、図9では第1スライド動作ユニット400の傾倒部材460及び吊下部材430(図22参照)が張出位置に配置された状態が、図10では第2スライド動作ユニットの各スライド部材720,740が張出位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
【0100】
図8に示すように、揺動動作ユニット300は、基端側が揺動可能に軸支されるアーム部材320と、そのアーム部材320の基端側の反対側である揺動端側に揺動可能に軸支される起立部材330とを備えると共に、これらのアーム部材320及び起立部材330を、図5に示す退避位置と図8に示す張出位置との間で動作させる。図5に示す退避位置では、アーム部材320及び起立部材330は、背面ケース210の開口211aの下方に退避され、遊技者から視認不能とされる(図2参照)。一方、図8に示す張出位置では、アーム部材320が持ち上げられ、起立部材330が背面ケース210の開口211aの中央(即ち、第3図柄表示装置81の正面、図2参照)に配置される。
【0101】
図9に示すように、第1スライド動作ユニット400は、斜め下方にスライド移動される吊下部材430(図22参照)と、その吊下部材430の屈曲腕部433(図22参照)に揺動可能に軸支される傾倒部材460とを備えると共に、これらの吊下部材430及び傾倒部材460を、図5に示す退避位置と図9に示す張出位置との間で動作させる。図5に示す退避位置では、吊下部材430及び傾倒部材460は、背面ケース210の開口211aの右方に退避され、遊技者から視認不能とされる(図2参照)。一方、図9に示す張出位置では、吊下部材430がスライド方向(左方)終端に配置され、傾倒部材460が背面ケース210の開口211aの中央(即ち、第3図柄表示装置81の正面、図2参照)に配置される。
【0102】
図10に示すように、第2スライド動作ユニット700は、スライド移動可能に形成されるそれぞれ一対の各スライド部材720,740を備えると共に、それらの各スライド部材720,740を、図5に示す退避位置と、図10に示す張出位置との間で動作させる。図5に示す退避位置では、一対の第1スライド部材720は、背面ケース210の開口211aの左右外方に退避されると共に、一対の第2スライド部材740は、背面ケース210の開口211aの上下外方に退避され、遊技者から視認不能とされる(図2参照)。一方、図10に示す張出位置では、各スライド部材720,740が背面ケース210の開口211aの中央(即ち、第3図柄表示装置81の正面、図2参照)に配置される。
【0103】
なお、第2スライド動作ユニット700は、各スライド部材720,740が張り出した状態において、正面視で「ハート」の形状を視認可能に形成される。
【0104】
なお、後述するように、反転動作ユニット500は、矩形板状の反射部材520(図28参照)を備えると共に、その反射部材520が遊技者から視認される面を反転(裏返し)可能に形成される。反転動作ユニット500は、他の動作ユニット300,400,700に備えられるような、背面ケース210の開口211aの中央(即ち、第3図柄表示装置81の正面)に張り出す部材を持たない。そのため、反転動作ユニット500は、常に背面ケース210の開口211aの左方(図5参照)において動作される。
【0105】
これら各動作ユニット300?700は、それぞれ独立して動作可能に形成されると共に、上述したように、重ね合わされた(積層された)状態で配設されるので、各動作ユニット300?700のうちの層を違えて配設されるものについては、例え動作部材が背面ケース210の開口211aの内方に張り出す態様のものであっても同時に動作させることができる。即ち、図8から図10で例示したように、各動作ユニット300?700をそれぞれ単体で動作させるだけでなく、これらの動作を組み合わせることができるので、その演出効果を高めることができる。なお、各動作ユニット300?600が同じ層に配設され、それらの各動作ユニット300?600と、第2スライド動作ユニット700とは層を違えて配設される(図7参照)。
【0106】
図11は、動作ユニット200の正面図である。なお、図11では、第1スライド動作ユニット400の傾倒部材460が張出位置に配置されると共に、第2スライド動作ユニット700の各スライド部材720,740が張出位置に配置される。
【0107】
ここで、第1スライド動作ユニット400と第3図柄表示装置81(図2参照)との間には第2スライド動作ユニット700が配設されるため、第1スライド動作ユニット400と第3図柄表示装置81との間には第2スライド動作ユニット700分の隙間が生じる。そのため、第1スライド動作ユニット400の傾倒部材460のみが張出位置に配置される場合、正面視で第3図柄表示装置81の表示領域P(図2参照)の一部を視認できないように遮蔽することはできるが、遊技者が斜め方向(例えば正面視から左右方向に傾いた方向)から隙間を覗いて第3図柄表示装置81の表示領域Pを視認することを防止することは難しい。
【0108】
これに対し、図11に示すように、第1スライド動作ユニット400の傾倒部材460と第2スライド動作ユニット700の各スライド部材720,740とが共に張出位置に配置されることで、遊技者が斜め方向から覗く隙間を各スライド部材720,740で埋めることができる。これにより、第3図柄表示装置81の表示領域Pの一部を視認できないように確実に遮蔽することができ、動作ユニット200の演出効果を向上させることができる。
【0109】
図12は、動作ユニット200の正面図である。なお、図12では、揺動動作ユニット300の起立部材330が張出位置に配置されると共に、第2スライド動作ユニット700の各スライド部材720,740が張出位置に配置される。
【0110】
ここで、揺動動作ユニット300と第3図柄表示装置81(図2参照)との間には第2スライド動作ユニット700が配設されるため、揺動動作ユニット300と第3図柄表示装置81との間には第2スライド動作ユニット700分の隙間が生じる。そのため、揺動動作ユニット300の起立部材330のみが張出位置に配置される場合、正面視で第3図柄表示装置81の表示領域P(図2参照)の一部を視認できないように遮蔽することはできるが、遊技者が斜め方向(例えば正面視から左右方向に傾いた方向)から隙間を覗いて第3図柄表示装置81の表示領域Pを視認することを防止することは難しい。
【0111】
これに対し、図12に示すように、揺動動作ユニット300の起立部材330と第2スライド動作ユニット700の各スライド部材720,740とが共に張出位置に配置されることで、遊技者が斜め方向から覗く隙間を各スライド部材720,740で埋めることができる。これにより、第3図柄表示装置81の表示領域P(図2参照)の一部を視認できないように確実に遮蔽することができ、動作ユニット200の演出効果を向上させることができる。
【0112】
図13から図20を参照して、揺動動作ユニット300について説明する。図13(a)及び図13(b)は、揺動動作ユニット300の正面斜視図である。なお、図13(a)では、アーム部材320及び起立部材330が退避位置に配置され、図13(b)では、アーム部材320及び起立部材330が張出位置に配置される。
【0113】
図13に示すように、揺動動作ユニット300のアーム部材320は、揺動軸312を中心に揺動され、その揺動の前後で起立部材330のアーム部材320に対する姿勢が変化される(張出位置に向かうほど起立する)。次に、揺動動作ユニット300の全体構成について説明する。
【0114】
図14は、揺動動作ユニット300の分解正面斜視図であり、図15は、揺動動作ユニット300の分解背面斜視図である。
【0115】
図14及び図15に示すように、揺動動作ユニット300は、板状に形成されるベース部材310と、そのベース部材310に基端側を軸支されるアーム部材320と、そのアーム部材320の基端側の反対側の端部である揺動端側に内嵌軸支される起立部材330と、ベース部材310の正面視(図14参照)右下部の背面に配設される駆動装置340と、その駆動装置340の駆動ギア341に歯合されると共にアーム部材320に連結される伝達装置350と、アーム部材320に付勢力を与えるねじりバネ360と、ベース部材310の正面視右下部の正面に取り付けられるカバー部材370と、を主に備えて構成される。
【0116】
ベース部材310は、厚み方向と前後方向を一致させると共に揺動動作ユニット300の骨格となる部材であって、厚み方向に穿設される嵌合孔311と、その嵌合孔311に固着される円柱状の揺動軸312と、嵌合孔311の下方において厚み方向に突設される伝達軸313と、その伝達軸313と隣り合って穿設される駆動ギア挿通孔314と、嵌合孔311と同心円状に延設される一対の長孔である案内孔315と、その案内孔315の正面視(図14参照)左方に形成されると共に、案内孔315とは左右反対側に曲げられて延設される長孔である起立孔316と、嵌合孔311の正面視右方において正面側に鉤状に突設される鉤部317と、を備える。
【0117】
アーム部材320は、揺動動作ユニット330を背面ケース210の開口211a(図5参照)の内方に張り出させるための部材であって、長尺板状に形成される本体部321と、その本体部321の基端側に配設される貫通した筒状の筒状部322と、本体部321の揺動端側に筒状部322と同じ方向に開口される摺動リング部323と、本体部321の正面側に嵩上げされて配設される板状の前当部324と、筒状部322から放射状に引かれる直線に沿って延設される長孔状の解除孔325と、本体部321の背面側に形成されベース部材310へ向けて突設される一対の摺動部326と、筒状部322の正面視(図14参照)左方において正面側へ向けて突設される突設部327と、を備える。
【0118】
筒状部322は、ベース部材310の揺動軸312に外嵌軸支される部分である。即ち、アーム部材310は揺動軸312に軸支された筒状部322を支点に揺動される。
【0119】
摺動リング部323は、起立部材330を内嵌軸支する部分である。大径に形成されており、起立部材330のぐらつきを抑制する。
【0120】
前当部324は、本体部321に基端側付近で締結固定され、揺動端側付近においては締結されない。そのため、前当部324と本体部321との間に隙間が形成され、アーム部材320が退避位置に配置された状態において、起立部材330の張出端側の部分が前当部324と本体部321との間の隙間に収容される(図16参照)。
【0121】
解除孔325は、伝達装置350の規制摺動部351と連結される長孔であり、伝達装置350、筒状部322及び解除孔325の位置関係でアーム部材320の揺動を規制するという作用を生じる孔であるが、詳細は後述する。
【0122】
一対の摺動部326は、ベース部材の一対の案内孔315にそれぞれ挿通されるので、アーム部材320の揺動中に、一対の摺動部326が一対の案内孔315に摺動されることでアーム部材320のがたつきを抑制すると共に、アーム部材320の揺動を安定させる。なお、摺動部326の先端にはリング状のカラー部材が回転可能に締結固定されるので、摺動部326が案内孔315から脱落することを防止すると共にアーム部材320の揺動動作を安定させることができる。
【0123】
突設部327は、ねじりバネ360の移動端側腕部362が係止される部分であって、ねじりバネ360の付勢力が伝達される部分である。
【0124】
起立部材330は、アーム部材320の上昇方向への揺動により背面ケース210の開口211a(図5参照)の正面側に配置される部材であって、板状の本体部331と、その本体部331の背面側から大径リング状に張り出される張出リング部332と、基端側において背面側に突設される変化摺動部333と、張出リング部332の外径よりも大径の円板状に形成されると共に変化摺動部333に締結固定される抜止部334と、を備える。
【0125】
本体部331は、長径方向D1(図16参照)と、短径方向D2(図16参照)とを備える楕円形板状に形成される。
【0126】
張出リング部332は、アーム部材320の摺動リング部323の内径よりも若干小さな外径で形成される。そのため、起立部材330は、張出リング部332の外側面が摺動リング部323の内側面に広範囲(大面積)で当接され揺動可能に軸支される。そのため、大型の起立部材330を一カ所で軸支する場合であっても、アーム部材320の揺動に伴う起立部材330のぐらつきを抑制することができる。
【0127】
変化摺動部333は、ベース部材310の起立孔316に挿通され、アーム部材320が揺動されるに伴って起立部材330の姿勢を変化させる役割を有する部分であるが、詳細は後述する。なお、変化摺動部333の先端にはリング状のカラー部材が回転可能に締結固定されるので、変化摺動部333が起立孔316から脱落することを防止すると共にアーム部材320の揺動動作を安定させることができる。
【0128】
抜止部334は、アーム部材320の摺動リング部323の内径よりも若干大きな外形で形成され、起立部材330の本体部331に締結固定されると共に、アーム部材320の摺動リング部323の背面側に当接される。よって、抜止部334によって、起立部材330をアーム部材320から引き抜き不能に形成することができる。
【0129】
駆動装置340は、ベース部材310の背面側に配設されると共にアーム部材320を駆動させるモータであり、回転駆動される駆動ギア341を備え、その駆動ギア341は、ベース部材310の駆動ギア挿通孔314を通してベース部材310の正面側に配設される(図20参照)。
【0130】
伝達装置350は、駆動装置340の駆動力が最初に伝達される部材であって、基端側においてベース部材310の伝達軸313に軸支されると共に駆動装置340の駆動ギア341に歯合される。また、基端側の反対側の端部である揺動端に、正面側へ向けて突設される規制摺動部351を備える。
【0131】
その規制摺動部351は、アーム部材320の解除孔325に挿通され、アーム部材320の揺動動作中において、規制摺動部351は、アーム部材320の解除孔325に摺動される。また、特にアーム部材320が張出位置から退避位置へ向けて揺動される場合には、伝達装置350を通して伝達される駆動装置340の駆動力によりアーム部材320が揺動される。
【0132】
ねじりバネ360は、アーム部材320の揺動動作において、特にアーム部材320が退避位置から張出位置へ揺動される場合の動力源となる弾性バネであって、ベース部材310の鉤部317に支えられる(下方へ向けて押さえられる)基端側腕部361と、アーム部材320の突設部327に支えられる(下方へ向けて押さえられる)移動端側腕部362と、を備える。
【0133】
次いで、図16から図18を参照して、揺動動作ユニット300の揺動動作について説明する。図16(a)、図17(a)及び図18(a)は、アーム部材320の揺動動作および起立部材330の姿勢変化を時系列で図示した揺動動作ユニット300の正面図であり、図16(b)、図17(b)及び図18(b)は、アーム部材320の揺動動作および起立部材330の姿勢変化を時系列で図示した揺動動作ユニット300の背面図である。なお、図16では、アーム部材320が退避位置に配置された状態が、図17では、起立孔316の曲率が変化する点に起立部材330の変化摺動部333が配置された状態が、図18では、アーム部材320が張出位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
【0134】
図16に示すように、アーム部材320が退避位置に配置された状態において、起立部材330は長径方向D1(図16左右方向)を水平方向に倒した姿勢をとる。このとき、起立部材330の張出端側の部分は、アーム部材320の本体部321と前当部324との間に収納される。
【0135】
即ち、アーム部材320が退避位置に配置された状態において、アーム部材320を遊技者から遮蔽するために必要なスペースを利用して、起立部材330を遊技者から遮蔽することができる。よって、第3図柄表示装置81の表示領域P(図2参照)の外方において限られたスペースを有効に利用することができる。
【0136】
また、アーム部材320の一対の摺動部326が案内孔315の下端に配置されると共に、起立部材330の変化摺動部333が起立孔316の下端に配置される。これにより、一対の摺動部326と変化摺動部333とをアーム部材320が下方へ向けて揺動される際のストッパとして機能させることができる。
【0137】
図17に示すように、アーム部材320が張出位置へ向けて揺動されると、長径方向D1が鉛直方向へ向く姿勢(起立姿勢)に起立部材330が姿勢変化される。
【0138】
ベース部材310の案内孔315の壁面(ベース部材310の厚み方向に形成される壁面)の厚み方向に沿った寸法(板厚)は、案内孔315の下端付近よりも上端付近の方が大きくされる。そして、案内孔315の上端付近において、案内孔315の壁面の寸法がアーム部材320の本体部321とカラー部材とで挟まれる摺動部326の長さより若干短い寸法で形成される。即ち、アーム部材320の本体部321及びカラー部材とベース部材310との間で形成される隙間は、案内孔315の上端付近よりも下端付近の方が大きくなる。なお、本実施形態では、形成される隙間が徐々に変化する態様で形成される。
【0139】
アーム部材320の本体部321及びカラー部材とベース部材310との間で形成される隙間は、案内孔315の上端付近よりも下端付近の方が大きくなる。そのため、退避位置からの始動時にアーム部材320が案内孔315から受ける抵抗を抑制でき、アーム部材320の始動時の高速さを確保することができる。
【0140】
また、案内孔315の上端付近では、ベース部材310の厚み方向における案内孔315の壁面の寸法(板厚)がアーム部材320の本体部321とカラー部材とで挟まれる摺動部326の長さより若干短い寸法で形成される(摺動部326の長さとベース部材310の板厚とが略同等で形成される)。そのため、案内孔315の上端付近に配置されたアーム部材320がベース部材310の厚み方向にぐらつくことを防止することができる。
【0141】
本実施形態では、アーム部材320が張出位置に配置された状態(図18参照)において、起立部材330がアーム部材320の摺動部326の上方に配置される。そのため、アーム部材320が起立部材330の重みで前倒れする(図18(a)の紙面手前側に倒れる)際に、摺動部326が前倒れの支点となる。ここで、ベース部材310の厚み方向における案内孔315の壁面の寸法(板厚)がアーム部材320の本体部321とカラー部材とで挟まれる摺動部326の長さより若干短い寸法で形成されるので、アーム部材320をベース部材310に対して面で当接させて支えることができ、アーム部材320の前倒れに対する抵抗力を向上させることができる。
【0142】
ここで、起立孔316は、下端付近に形成される姿勢変化部316aと、上端付近に形成される同心円部316bと、を備える。
【0143】
姿勢変化部316aは、長孔の延設方向が、アーム部材320の揺動軸である筒状部322(図14参照)へ向けられる部分である。姿勢変化部316aを起立部材330の変化摺動部333が摺動される場合、アーム部材320の揺動角の大きさに対する起立部材330の姿勢変化の度合いが最大となる。これは、姿勢変化部316aが、摺動リング部323の移動軌跡が形成する円と垂直な関係にあるためである。
【0144】
これにより、始動から短期間で起立部材330の姿勢変化を完了させ、遊技者に起立部材330が視認される際に、起立部材330とアーム部材320との姿勢変化を小さくすることができる。よって、退避位置では起立部材330の上下方向の遮蔽スペースを抑制しつつ、張出位置では起立部材330とアーム部材320とを一体として視認させる効果を向上させることができる。
【0145】
また、アーム部材320の退避位置からの始動時において、起立部材330に係る抵抗が抑制される。即ち、起立部材330が退避位置に配置される場合において、変化摺動部333が筒状部322を中心として回転される方向は、姿勢変化部316aと直交する。そのため、退避位置からのアーム部材320の始動時において、変化摺動部333に筒状部322を中心とした回転力がする仕事はゼロとなる(力×距離=0)。よって、退避位置からの始動時にアーム部材320に与えられる抵抗を抑制することができる。これにより、アーム部材320の始動時の高速さを確保することができる。
【0146】
同心円部316bは、長孔の延設方向がアーム部材320の筒状部322を中心とした円に沿った方向へ向けられる部分である。同心円部316bを起立部材330の変化摺動部333が摺動される場合、アーム部材320の摺動リング部323と起立部材330の変化摺動部333との相対的な位置関係が変化しないので、アーム部材320に対する起立部材330の姿勢が維持される。これにより、起立部材330とアーム部材320とを一体として視認させることができ、起立部材330とアーム部材320とを一体として行う演出を容易に実現することができる。
【0147】
図18に示すように、アーム部材320が張出位置に配置されると、アーム部材320の一対の摺動部326が案内孔315の上端に配置されると共に、起立部材330の変化摺動部333が起立孔316の上端に配置される。これにより、アーム部材320が上方へ揺動される際に、一対の摺動部326をストッパとして機能させることができる。特に、後述するように、アーム部材320はねじりバネ360の付勢力で上昇方向へ揺動されるので、モータ等で駆動させる場合に比較して、終端でのストッパの必要性は大きい。また、摺動部326が一対で形成されるので、摺動部326がストッパとして機能した場合に生じる力を分散させることができる。これにより、摺動部326の耐久性を向上させることができる。
【0148】
なお、起立部材330の変化摺動部333をストッパとして機能させることもできるが、起立部材330はアーム部材320に軸支される部材なので、強度的な問題が生じる。一方、一対の摺動部326はアーム部材320に一体に形成されているので、十分な強度を有するので。ストッパとして用いるのにより適している。
【0149】
図18に示すように、アーム部材320が張出位置に配置された場合において、起立部材330の張出端側(図18上側)は、アーム部材320の摺動リング部323よりも上方に張り出して形成される。よって、アーム部材320の揺動角度を小さくしても、起立部材330を第3図柄表示装置81(図2参照)の正面側へ張り出させる作用を確保することができ、アーム部材320の揺動角度の設計自由度を向上させることができる。
【0150】
また、アーム部材320の揺動角度を小さくしたまま、起立部材330の張出端側の移動距離は大きく確保することができるので、起立部材330の移動速度を高速にする効果を向上させることができる。この効果は、アーム部材320の揺動に対する起立部材330の姿勢変化の度合いが激しい退避位置付近(図16参照)において顕著になるので、アーム部材320の始動時の速度を高速にする効果を顕著とすることができる。
【0151】
次いで、図19を参照して、起立部材330がアーム部材320と前当部324との間に収納される直前の状態について説明する。図19(a)は、揺動動作ユニット300の正面図であり、図19(b)は、揺動動作ユニット300の背面図であり、図19(c)は、揺動動作ユニット300の底面図である。なお、図19(a)から図19(c)は、アーム部材320が張出位置と退避位置との間の中間位置に配置された状態が図示され、詳細には、アーム部材が張出位置から退避位置へ向けて揺動される場合に、起立部材330の張出端側がアーム部材320の本体部321と前当部324との間に収納され始める状態が図示される。
【0152】
図19(c)に示すように、前当部324は起立部材330の正面側(図19(c)上方)に配設される。これにより、アーム部材320の揺動時に起立部材330が摺動リング部323を支点にぐらつく(図19(c)上下方向に振れる)場合にも、起立部材330が前当部324に当接され、起立部材330のぐらつきを抑制することができる。
【0153】
ここで、起立部材330とアーム部材320の前当部324とが正面視において重なり始める位置Aが、第3図柄表示装置81の表示領域P(図2参照)の下側の縁Bよりも上方に形成される。そのため、アーム部材320が張出位置から退避位置へ揺動される場合に、起立部材330のぐらつきが大きくなる前段階(第3図柄表示装置81の表示領域Pの内方に配置される段階)で、起立部材330と前当部324との移動軌跡を前後方向に重ねることができると共に、アーム部材320の前当部324に起立部材330を当接させ起立部材330のぐらつきを抑制することができる。
【0154】
図20(a)から図20(d)は、揺動動作ユニット300のアーム部材320を退避位置から張出位置へ揺動動作させる過程を時系列で説明する図であり、アーム部材320の基端側における揺動動作ユニット300の部分正面拡大図である。なお、図20(b)は、アーム部材320が退避位置から張出位置へ向けて所定量だけ揺動動作された状態が図示され、図20(c)は、図20(b)の状態からアーム部材320が張出位置へ向けて所定量だけ揺動動作された状態が図示され、図20(a)から図20(d)は、カバー部材370の図示が省略される。
【0155】
まず、アーム部材320が張出位置から退避位置へ揺動される場合(図20(d)から図20(a)への姿勢変化)について説明する。図20(d)に示すアーム部材320の張出位置から、駆動装置340(図14参照)の駆動ギア341が回転されることで駆動ギア341に歯合される伝達装置350が回転され、伝達装置350の規制摺動部351がアーム部材320の解除孔325を押すことによりアーム部材320が図20(c)及び図20(b)の状態を経由して移動されることで退避位置(図20(a)参照)へ配置される。即ち、アーム部材320が張出位置から退避位置へ揺動される場合には、駆動装置340の駆動力によりアーム部材320は揺動される。
【0156】
この場合、アーム部材320は下方向へ揺動されるので(図16から図18参照)、駆動装置340の必要容量を抑制することができる。例えば、電気モータであれば、モータ容量を抑制することができる。
【0157】
また、アーム部材320が張出位置に配置された状態において、案内孔315及び起立孔316は鉛直下方へ延設される(図18(b)参照)。これにより、張出位置からの揺動開始時に案内孔315及び起立孔316からアーム部材320及び起立部材330へ与えられる抵抗を抑制することができる。
【0158】
次いで、アーム部材320が退避位置から張出位置へ揺動される場合(図20(a)から図20(d)への姿勢変化)について説明する。アーム部材320には、ねじりバネ360の付勢力が作用される。アーム部材320が退避位置(図20(a)参照)に配置された状態において、ねじりバネ360の基端側腕部361はベース部材310の鉤部317に上側から押さえられ、移動端側端部362はアーム部材320の突設部327により右下方向へ押さえられる。
【0159】
これにより、ねじりバネ360は、筒状部322を支点に基端側腕部361及び移動端側腕部362の距離が縮められており、アーム部材320を持ち上げる方向(左上方向)に向けた弾性力が最も蓄積された状態にある。その弾性力によるアーム部材320の揺動は、アーム部材320の解除孔325と伝達装置350との機械的な位置関係により規制される。以下、解除孔325と伝達装置350との機械的な位置関係について説明する。
【0160】
図20(a)に示すように、アーム部材320が退避位置に配置された場合、アーム部材320の回転軸としての筒状部322と伝達装置350の規制摺動部351とを結ぶ方向Xが、伝達装置350を揺動可能に軸支するベース部材310の伝達軸313と伝達装置350の規制摺動部351とを結ぶ方向Yと直交される。
【0161】
この場合、規制摺動部351をアーム部材320と伝達装置350との関係において死点に位置させることができる。これにより、駆動装置340からの駆動力を不要としても、アーム部材320を退避位置に機械的に保持できるので、駆動装置340の消費エネルギーを抑制することができる。
【0162】
なお、本実施形態においては、アーム部材320が張出位置に配置された状態においても、規制摺動部351がアーム部材320と伝達装置350との関係において死点に位置される。これにより、駆動装置340からの駆動力を不要としても、アーム部材320を張出位置に機械的に保持できるので、駆動装置340の消費エネルギーを抑制することができる。
【0163】
アーム部材320が退避位置から張出位置へ揺動される場合の、駆動装置340の動作態様について説明する。まず、アーム部材320が退避位置(図20(a)参照)に配置された状態から、規制摺動部351をアーム部材320と伝達装置350との関係における死点から解除するために駆動装置340の駆動ギア341が正面視時計回りに所定量回転(ON状態)される。すると、駆動ギア341に歯合される伝達装置350も回転され、規制摺動部351がアーム部材320と伝達装置350との関係における死点から解除される(図20(b)参照)。
【0164】
ここで、アーム部材320が退避位置に配置された状態において、ねじりバネ360は、筒状部322を支点に基端側腕部361及び移動端側腕部362の距離が縮められており、アーム部材320を持ち上げる方向(左上方向)に向けた弾性力が最も蓄積された状態にある。
【0165】
この状態から、規制摺動部351がアーム部材320と伝達装置350との関係における死点から解除されると、ねじりバネ360の弾性力によりアーム部材320が揺動される。これにより、アーム部材320を始動時から高速で揺動させることができる。
【0166】
例えば駆動モータのように徐々に駆動力を上げる態様では、はじめから大きな駆動力をアーム部材320に加えることは難しく、アーム部材320の始動時の速度がゆっくりになりやすい。一方、本実施形態では、始動時から大きな弾性力を加えることができるので、アーム部材320の始動時の加速度を大きく確保することができる。よって、アーム部材320を始動時から高速で揺動させることができる。
【0167】
駆動ギア341を所定量回転させたら、駆動装置340は停止(OFF状態)され、駆動ギア341は空回り可能な状態にされる。アーム部材320はねじりバネ360に蓄積された弾性力で上昇方向へ揺動される(図20(c)参照)。
【0168】
アーム部材320が張出位置付近(図20(c)参照)に到達したら、駆動装置340の駆動ギア341が再度正面視時計回りに所定量回転(ON状態)され、規制摺動部351がアーム部材320と伝達装置350との関係における死点に配置される。
【0169】
即ち、アーム部材320が退避位置から張出位置へ向けて揺動される場合は、常時駆動装置340の駆動力がアーム部材320に生じるのではなく、アーム部材320が退避位置および張出位置付近に配置される場合においてのみ駆動装置340が駆動され(ON状態)、退避位置および張出位置の間においては駆動装置340が停止される(OFF状態)。これにより、常時駆動装置340の駆動力がアーム部材320に加えられる場合に比較して、駆動装置340を駆動させる期間を低減できるので、駆動装置340の寿命を向上させることができる。
【0170】
図20(a)及び図20(d)に示すように、アーム部材320が退避位置または張出位置に配置された場合、規制摺動部351及び伝達装置350を軸支する伝達軸313を結ぶ直線に直交する方向と、解除孔325の延設方向とが一致して配設される。
【0171】
これにより、退避位置または張出位置に配置された状態からアーム部材320を回転させる回転開始時点において、規制摺動部351の回転方向と解除孔325の延設方向とが一致するので、移動開始時に規制摺動部351が解除孔325から受ける抵抗を抑えることができる。よって、最も大きな力を必要とする動作開始時に必要な駆動力を低減することができる。
【0172】
次いで、図21から図27を参照して、第1スライド動作ユニット400について説明する。図21(a)及び図21(b)は、第1スライド動作ユニット400の正面斜視図である。なお、図21(a)では、吊下部材430及び傾倒部材460が退避位置に配置された状態が図示され、図21(b)では、吊下部材430及び傾倒部材460が張出位置に配置された状態が図示される。
【0173】
図21に示すように、第1スライド動作ユニット400の吊下部材430は、退避位置から斜め下方向(正面視右上から左下)へスライド移動され、そのスライド移動の過程で傾倒部材460の姿勢が変化する(張出位置に向かうほど傾倒する)。次に、第1スライド動作ユニット400の全体構成について説明する。
【0174】
図22は、第1スライド動作ユニット400の分解正面斜視図であり、図23は、第1スライド動作ユニット400の分解背面斜視図である。
【0175】
図22及び図23に示すように、第1スライド動作ユニット400は、正面視L字状に形成されるベース部材410と、そのベース部材410に正面側から取り付けられるカバー部材420と、そのカバー部材420とベース部材410との間に挟まれると共にベース部材410の正面側の側面に沿ってスライド移動される正面視略T字形状の吊下部材430と、その吊下部材430をスライド移動させる駆動力を発生する駆動装置440と、吊下部材430の基端側に一方の端部が軸支されると共に他方の端部がベース部材410に連結される長尺板状の補助部材450と、吊下部材430の基端側の反対側の端部である張出端側に軸支される傾倒部材460と、補助部材450と傾倒部材460とを連結する連結部材470と、を主に備えて構成される。
【0176】
ベース部材410は、正面視L字の板状に形成されると共に第1スライド動作ユニット400の骨格を成す部材であって、板状の本体横長部411と、その本体横長部411の右端部付近から鉛直下方へ延設される板状の本体縦長部412と、本体横長部411の正面側に左右方向に対して若干傾斜して延設されると共に直線リブ状に突設される案内リブ部413と、本体横長部の略中央部に穿設されると共に駆動装置441の駆動軸が挿通される挿通孔414と、本体縦長部412の下側部分に正面視右下方から左上方へ向けて延設される長孔状に穿設される案内孔415と、駆動装置440の各種ギアが軸支される一対の回転軸416と、を主に備える。
【0177】
本体横長部411は、上側および左右の縁に正面側へ向けて壁状に突設される外枠411aを備える。外枠411aは、正面側にカバー部材420が当接される部分であって、吊下部材430のスライド本体部431の厚み方向(吊下部材430のスライド平面の垂直方向)の長さよりも若干長く形成される。
【0178】
なお、吊下部材430のスライド平面とは、ベース部材410の正面と平行な平面を意味する。
【0179】
案内孔415は、ベース部材410の右下方から左上方へ向けて延設される。
【0180】
カバー部材420は、ベース部材410の正面側から取り付けられると共にベース部材410との間に隙間を形成する部材であって、正面視で本体横長部411と略同一形状の板状に形成される本体部421と、ベース部材410の案内リブ部413の延設される方向に沿って長孔状に穿設される連通孔422と、を主に備える。
【0181】
本体部421は、ベース部材410の本体横長部411と略同一形状に形成されるため、吊下部材430がスライド移動される場合に前後方向へ揺れたとしても、吊下部材430は前後の方向によらずベース部材410の本体横長部411及びカバー部材420の本体部421との当接面積を均等に確保することができる。
【0182】
吊下部材430は、ベース部材410とカバー部材420とで形成される隙間に配設されると共にベース部材410の案内リブ部413に沿ってスライド移動される部材であって、上側面にラックギアが刻設される横長板状のスライド本体部431と、スライド本体部431の背面側に溝状に凹設されると共にベース部材410の案内リブ部413に当接される凹設溝432と、スライド本体部431の略中央部から垂下されると共に中間で張出位置側に屈曲される板状の屈曲腕部433と、スライド本体部431の屈曲腕部433が垂下され始める部分においてスライド本体部431から正面側へ向けて突設される揺動軸434と、屈曲腕部433の先端(張出端)において正面側へ向けて延設される筒状の吊下筒435と、を主に備える。
【0183】
スライド本体部431は、ベース部材410とカバー部材420とが形成する隙間よりも若干薄く形成される。そのため、吊下部材430はベース部材410とカバー部材420との間をスライド可能となると共に厚さ方向(カバー部材420のベース部材410への締結方向)への移動を防止される。
【0184】
凹設溝432は、案内リブ部413の幅よりも若干大きい幅で形成される凹溝であり、吊下部材430は案内リブ部413を凹設溝432が摺動することにより斜め下方へスライド移動される。
【0185】
屈曲腕部433は、吊下部材430が張出位置に配置された状態において、補助部材450の長手方向に沿って延設され、吊下部材430が退避位置に配置された状態においてベース部材410の本体横長部411の下方に形成される部分に、正面側に肉厚を増して形成される増厚部433aを備える。その増厚部433aよりもスライド本体部431側の屈曲腕部433の厚みは、スライド本体部431及び増厚部433aよりも薄厚で形成される。これにより、屈曲腕部433の厚さ方向への変形が増厚部433aよりもスライド本体部431側の屈曲腕部433で局所的に生じる態様で形成される。また、屈曲腕部433の厚み方向は、ラックギアが刻設される方向(スライド方向)と垂直に形成される。
【0186】
揺動軸434は、カバー部材420の連通孔422を貫通しカバー部材420の正面側へ張り出して形成される軸であって、補助部材450の揺動孔452に挿通される。
【0187】
吊下筒435は、補助部材450の厚みを越えて延設される。これにより、吊下部材430が退避位置(図21(a)、図25(a)参照)に配置された場合に、補助部材450が吊下部材430と傾倒部材460との間に収納可能となる。
【0188】
駆動装置440は、各部材がベース部材410を前後から挟み込む形で形成されると共に吊下部材430の移動に必要な駆動力を発生させる装置であり、ベース部材410の挿通孔414に背面側から貫通される駆動軸を備える駆動モータ441と、その駆動モータ441の駆動軸に軸支されると共にベース部材410の正面に配設される駆動ギア442と、その駆動ギア442に歯合されると共に一対の回転軸416にそれぞれ軸支される一対の伝達ギア443と、を主に備える。
【0189】
一対の伝達ギア443の内の一方は、吊下部材430のスライド本体部431の上側面に刻設されるラックギアに歯合される(図25参照)。そのため、駆動モータ441の駆動力により駆動ギア442及び一対の伝達ギア443が回転されると、その伝達ギア443に歯合される吊下部材430がスライド移動される。
【0190】
補助部材450は、カバー部材420の正面側に配設される部材であって一方の端部が吊下部材430に軸支されると共に他方の端部がベース部材410の案内孔415にスライド移動可能に連結され、長尺板状に形成される本体部451と、一方の端部に穿設される揺動孔452と、他方の端部で背面方向へ突設されるスライド軸453と、本体部451の中間位置から背面方向へ突設される吊下軸454と、を主に備える。
【0191】
なお、補助部材450は吊下部材430に軸支されると共に他方の端部がベース部材410の案内孔415にスライド移動可能に連結されることで厚み方向(図25紙面垂直方向)に移動不能に形成される。また、吊下部材430が退避位置へスライド移動するほど補助部材450が屈曲腕部433の増厚部433aの先端に近づく(揺動される)態様で形成される。これにより、吊下部材430が厚み方向にぐらついても、吊下部材430が補助部材450に当接することで吊下部材430のぐらつきを抑制することができる。
【0192】
揺動孔452は、吊下部材430の揺動軸434に外嵌軸支される。これにより、揺動軸434を軸に補助部材450が揺動可能に形成される。即ち、吊下部材430がスライド移動されるのに伴って、補助部材450は揺動軸434を軸に揺動(傾倒)される。
【0193】
スライド軸453は、ベース部材410の案内孔415にスライド可能に連結される。これにより、補助部材450の他方の端部(正面視右下方の端部)は案内孔415の延設方向に沿ってスライド移動される。なお、吊下部材430が張出位置(図26参照)に配置された場合にスライド軸453は案内孔415の上端(左上端)に配置され、吊下部材430が退避位置(図25参照)に配置された場合にスライド軸453は案内孔415の下端(右下端)に配置される。
【0194】
傾倒部材460は、吊下部材430の吊下筒435に軸支されると共に独立の駆動源(駆動装置464)を有する部材であって、吊下部材430に軸支されると共に長尺板状に形成されるベース部材461と、そのベース部材461の下部に正面側から締結されると共にベース部材461との間に隙間を形成する第1カバー部材462と、その第1カバー部材462とベース部材461との間に形成される隙間に配設される伝達装置463と、その伝達装置463に伝達される駆動力を発生する駆動装置464と、伝達装置463に連結されると共にベース部材461の長手方向にスライド可能に形成される移動ベース部材465と、その移動ベース部材465の正面側に配設されると共に移動ベース部材465に締結固定される第2カバー部材466と、を主に備える。
【0195】
ベース部材461は、長尺板状に形成される部材であって、背面側に円柱状に突設されると共に吊下部材430の吊下筒435に内嵌軸支される吊下軸461aと、その吊下軸461aと併設される連結軸461bと、その連結軸461bと隣接されると共に背面側へ開口が向けられる箱状に形成される収納部461cと、その収納部461cの上方において正面側に突設される一対の回転軸461dと、ベース部材461の長手方向に沿って複数併設される長孔状のスライド孔461eと、を主に備える。
【0196】
収納部461cは、駆動装置464を収納するスペースを形成すると共に、底部に駆動装置464の駆動軸464aを貫通させる孔が穿設される。
【0197】
伝達装置463は、駆動軸464aに軸支される駆動ギア463aと、その駆動ギア463aに歯合されると共に一対の回転軸461dに軸支される一対の伝達ギア463bと、その一対の伝達ギア463bの内、移動ベース部材465側に配設される伝達ギア463bから偏心した位置において突設されるクランクピン463cと、を主に備える。
【0198】
クランクピン463cは、駆動ギア463aが回転され伝達ギア463bが回転されることで、回転軸461dを支点に回転される。
【0199】
移動ベース部材465は、長尺板状に形成される部材であって、背面側から複数(本実施形態では3箇所)が突設されると共に複数のスライド孔461eに挿通される姿勢維持ピン465aと、長手方向と垂直な方向に延設され穿設される長孔状のスライド孔465bと、正面側に突設される一対の嵩上部465cと、を主に備える。
【0200】
スライド孔465bは、伝達ギア463bのクランクピン463cが連結されるので、伝達ギア463bが回転されクランクピン463cの位置が変化されるにつれて、移動ベース部材465はスライド孔461eの延設方向に沿ってスライド移動される。
【0201】
第2カバー部材466は、一対の嵩上部465cに締結固定される一対の締結部466aを備える。そのため第2カバー部材466が移動ベース部材465に締結される状態において、移動ベース部材465がスライド移動されるのに伴って、第2カバー部材466もスライド移動される。
【0202】
連結部材470は、補助部材450と傾倒部材460とを連結すると共に樹脂材料から形成される部材であって、上端部に穿設されると共に補助部材450の吊下軸454に揺動可能に軸支される吊下孔471と、下端部に筒状に形成されると共に傾倒部材460の連結軸461bに揺動可能に外嵌軸支される筒状部472と、を備える。
【0203】
次いで、図24を参照して、傾倒部材460の駆動態様について説明する。図24は、吊下部材430が張出位置に配置された状態における第1スライド動作ユニット400の正面図である。なお、第1カバー部材466が斜め上方へスライド移動された状態が破線で図示され、カバー部材420の図示が部分的に省略される。
【0204】
第1スライド動作ユニット400の傾倒部材460は、駆動装置464(図23参照)が駆動されることで、第2カバー部材466がスライド移動され、傾倒部材460の正面視(図24参照)における外形が変化する演出を行うことができる。
【0205】
ここで、傾倒部材460は、吊下部材430の屈曲腕部433の先端側に軸支されるので、傾倒部材460の外形変化時に振動やぐらつきが生じやすい。本実施形態では、その振動やぐらつきを抑制する構成を複数有するため、それについて以下説明する。
【0206】
図25を参照して、吊下部材430が退避位置に配置された状態(図21(a)参照)における第1スライド動作ユニット400の構成について詳細に説明する。図25(a)は、第1スライド動作ユニット400の正面図であり、図25(b)は、第1スライド動作ユニット400の背面図である。なお、図25(a)及び図25(b)では、吊下部材430がスライド移動する移動経路の上端位置(退避位置)に配置された状態が図示され、カバー部材420の図示が部分的に省略される。
【0207】
図25(a)に示すように、吊下部材430が退避位置に配置されることで、吊下部材430に軸支される補助部材450及び傾倒部材460は、第3図柄表示装置81(図2参照)の表示領域Pの右外方に移動される。
【0208】
このとき、補助部材450が、吊下部材430の正面側かつ傾倒部材460の背面側である位置に収納される。即ち、吊下部材430、補助部材450及び傾倒部材460が厚み方向(図25(a)紙面垂直方向)に積層配置されるので、吊下部材430、補助部材450及び傾倒部材460の厚み方向視における個々の部材の総面積に比較してコンパクトに配置することができる。よって、第3図柄表示装置81(図2参照)の表示領域Pの右外方のスペースを抑制でき、表示領域Pを大きく確保することができる。
【0209】
また、図25に示すように、吊下部材430の屈曲腕部433は、大部分がベース部材410とカバー部材420との間に収納され、張出端側(先端側)の背面にはベース部材410の本体縦長部412が配設される。これにより、退避位置における吊下部材430の厚み方向のぐらつきを抑制することができる。
【0210】
また、本実施形態では、補助部材450は吊下部材430の屈曲腕部433が垂下される付近に形成される揺動軸434に軸支され、吊下部材430が張出位置に配置される場合には屈曲腕部433の延設方向に沿って補助部材450の長手方向が形成され、吊下部材430が退避位置から張出位置へスライド移動するほど補助部材450が屈曲腕部433の増厚部433aの先端に近づく(揺動される)態様で形成される。
【0211】
そのため、吊下部材430が張出位置に配置された場合に比較して退避位置に配置された方が、補助部材450から屈曲腕部433の増厚部433a先端までの出代(張出長さ)が短くされる。これにより、傾倒部材460が駆動されることで吊下部材430がぐらつく場合でも、吊下部材430と補助部材450との当接位置から吊下部材430の先端までの長さが短く形成されるので、退避位置における吊下部材430の厚み方向のぐらつき(屈曲腕部433先端のぐらつき)を抑制することができる。
【0212】
ここで、吊下部材430のスライド移動について説明する。吊下部材430は、背面側に形成される凹設溝432(図23参照)でベース部材410の案内リブ部413を挟み込むので、案内リブ部413の延設方向に沿ってスライド移動される。案内リブ部413は、上述した通り、斜め下方向(図25(a)右上から図25(a)左下)へ向けて一直線に延設される。
【0213】
吊下部材430のスライド移動は駆動装置440の駆動力が伝達されることにより生じる。例えば、退避位置から張出位置まで吊下部材430がスライド移動される場合は、吊下部材430が退避位置に配置された状態(図25参照)から、駆動モータ441の駆動力により駆動ギア442が正面視時計回りに回転され、その回転により一対の伝達ギア443が回転され、その一対の伝達ギア443の一方(図25(a)の左側)に歯合されるラックギアが移動されることで、そのラックギアを上面側に備える吊下部材430が張出位置までスライド移動される。
【0214】
次いで、図26を参照して、吊下部材430が張出位置に配置された状態(図21(b)参照)における第1スライド動作ユニット400の構成について詳細に説明する。図26(a)は、第1スライド動作ユニット400の正面図であり、図26(b)は、第1スライド動作ユニット400の背面図である。なお、図26(a)及び図26(b)では、吊下部材430がスライド移動する移動経路の下端位置(張出位置)に配置された状態が図示され、カバー部材420の図示が部分的に省略される。
【0215】
図26(a)に示すように、吊下部材430は張出位置に配置された状態において、スライド本体部431の移動方向の下端(図26(a)左下端)がベース部材410の外枠411aに当接される。また、上述した通り、吊下部材430は張出位置へ向かうほど下方へ移動するため、駆動装置440の駆動力の吊下部材430への伝達を解除しても、吊下部材430の位置を確実に張出位置に維持することができる。
【0216】
例えば、吊下部材430のスライド移動の方向が水平方向である場合、張出位置に吊下部材430が配置されてもスライド移動の方向に対して重力がかからないため、吊下部材430を張出位置に維持しておくための力を別で付加しておく必要がある。
【0217】
一方、本実施形態の吊下部材430によれば、駆動装置440の駆動力の吊下部材430への伝達を解除しても、重力の分力がスライド移動の方向に作用されるため、吊下部材430を張出位置に維持することができる。よって、駆動装置440の消費電力を抑制することができる。
【0218】
図26に示すように、吊下部材430が張出位置に配置された場合において、屈曲腕部433がベース部材410とカバー部材420との間に収納される部分は、吊下部材430が退避位置(図25(b)参照)に配置される場合に比較して小さくなる。よって、吊下部材430の厚み方向への屈曲腕部433のぐらつきをベース部材410とカバー部材420とにより抑制することは難しい。
【0219】
一方で、屈曲腕部433の根本側は、吊下部材430が張出位置に配置された状態における補助部材450の延設方向(図26(b)左下方向)へ向けて延設される。これにより、吊下部材430が張出位置に配置された場合には、吊下部材430の厚み方向への補助部材450と屈曲腕部433との重なり面積が広く形成される。
【0220】
補助部材450は、上述したように、吊下部材430の屈曲腕部433とはカバー部材420の厚み分のみ離間して形成されると共に屈曲腕部433が吊下部材430の厚み方向へぐらつく場合に当接可能に形成される。吊下部材430が張出位置に配置された状態において屈曲腕部433の薄厚部分(増厚部433aよりスライド本体部431側の部分)がベース部材410及びカバー部材420からはみ出して形成されるので、傾倒部材460が駆動されることによる吊下部材430の屈曲腕部433のぐらつきを厚み方向に生じやすくする(厚み方向のぐらつきが支配的にする)ことができる。これにより、吊下部材430のスライド方向へのぐらつきを抑制することができる。
【0221】
また、屈曲腕部433の薄厚部分(増厚部433aよりスライド本体部431側の部分)は、ベース部材410及びカバー部材420に挟まれてスライド移動されるスライド本体部431の短手方向(スライド方向に垂直な方向)に隣接して形成される。これにより、傾倒部材460が駆動されることにより生じるぐらつきを屈曲腕部433の撓みで吸収することができ、スライド本体部431が厚み方向(図26紙面垂直方向)へぐらつくことを抑制することができる。これにより、スライド本体部431がベース部材410及びカバー部材420に押し当てられることを抑制し、スライド本体部431の厚さ方向の摩耗を抑制することができる。
【0222】
例えば、スライド本体部431の短手方向へ向けてスライド本体部431と同等の厚みを有する腕部が延設され、その腕部の先端側が薄厚に形成されることも考えられる。しかし、この場合には、例えその薄厚部分が撓みを吸収するとしても、スライド本体部431と同等の厚みを有する腕部の先端がぐらつくことで、その腕部のぐらつきがスライド本体部431に伝達されスライド本体部431がぐらつくおそれがある。
【0223】
一方、本実施形態では、スライド本体部431から延設される屈曲腕部433の根本から薄厚にされるので、屈曲腕部433の先端で生じたぐらつきは薄厚部分の撓みに使用され、スライド本体部431がぐらつくことを防止する効果を顕著にすることができる。
【0224】
図27は、図26(a)のXXVII-XXVII線における第1スライド動作ユニット400の断面図である。図27に示すように、屈曲腕部433は補助部材450側へ向けて増厚される増厚部433aを備えるため、屈曲腕部433が吊下部材430の厚み方向へぐらつく場合に、そのぐらつきの振幅が小さなときから屈曲腕部433を補助部材450に当接させやすくすることができる。
【0225】
図26に戻って説明する。補助部材450は、吊下部材430の揺動軸434とベース部材410の案内孔415とに連結されるので、厚み方向への移動を規制される。そのため、補助部材450は吊下部材430の屈曲腕部433が正面側へ移動しようとするのをせき止めるストッパの役割を果たす。これにより、吊下部材430が張出位置に配置された場合における吊下部材430の厚み方向へのぐらつきを抑制することができる。
【0226】
図26(a)に示すように、吊下部材430が張出位置に配置された場合において、傾倒部材460の下端は第3図柄表示装置81(図2参照)の表示領域Pの下端よりも若干上方に配置される。ここで、傾倒部材460が吊下部材430に対して姿勢変化しない場合(固定される場合)には、吊下部材430は張出位置へ向かうほど下降傾斜してスライド移動される。そのため、吊下部材430が張出位置へ配置された状態において本実施形態の傾倒部材460の下端と同じ位置に傾倒部材460の下端を配置させるためには、吊下部材430が退避位置に配置された場合において下降傾斜分の距離L1だけ上方へオフセットした位置に傾倒部材460が配置される必要がある。
【0227】
そのため、第3図柄表示装置81(図2参照)の表示領域Pの右外方のスペースが余分に必要となったり、傾倒部材460の大きさの設計自由度を低くする要因となったりする。
【0228】
しかし、本実施形態では、吊下部材430が張出位置へ向かうほど、補助部材450に連結される連結部材470に吊り上げられる態様で傾倒部材460が姿勢変化され、傾倒部材460の下端が吊下部材430に対して持ち上げられる。これにより、吊下部材430が退避位置に配置された場合(図25(a)参照)における傾倒部材460の下端位置と、吊下部材430が張出位置に配置された場合(図26(a)参照)における傾倒部材460の下端位置とが、ほぼ同じ高さ(図25及び図26上下方向)に位置する。
【0229】
よって、吊下部材430が退避位置に配置された場合において下降傾斜分の距離L1だけ上方へオフセットした位置に傾倒部材460を配置する必要がなく、第3図柄表示装置81の表示領域Pの右外方のスペースを有効に使用することができると共に、傾倒部材460の大きさの設計自由度を向上させることができる。
【0230】
ここで、傾倒部材460の重心位置は、駆動装置464の配設される下端側に形成される。そのため、傾倒部材460の下端側が持ち上げられ傾斜されることにより、傾倒部材460の重心位置が上方へ移動される。そのため、吊下部材430のぐらつきの支点となる第3図柄表示装置81(図2参照)の表示領域Pの上縁から、傾倒部材460の重心までの距離が短縮化されるので、吊下部材430の厚み方向への屈曲腕部433のぐらつきを抑制することができる。
【0231】
また、傾倒部材460は、駆動装置464(図22参照)付近に重心位置が形成されるので、重力により吊下筒435を中心とした回転方向の力Rを下向きにかけられる。この力Rにより、補助部材450が連結部材470に引っ張られる。その際に、補助部材450のスライド軸453は、案内孔415の幅方向に沿った方向へ向けて力を受ける。そのため、スライド軸453と案内孔415との間の摩擦力を向上させ、補助部材450のスライド移動を防止することができるので、補助部材450と連結される他の部材のぐらつきを抑制することができる。
【0232】
上述したように、傾倒部材460の下端側が補助部材450に軸支される連結部材470に連結される。これにより、傾倒部材460の駆動時に発生するぐらつきに対する抵抗力が吊下部材430と補助部材450とから生じるので、傾倒部材460のぐらつきを抑制することができる。即ち、傾倒部材460が吊下部材430だけに連結される場合、傾倒部材460で発生する振動やぐらつきは全て吊下部材430に伝達されるが、本実施形態では傾倒部材460の振動やぐらつきを吊下部材430と連結部材470とに分けて伝達させることができる。これにより、吊下部材430や連結部材470の剛性を過大に設定する必要がなくなり、吊下部材430や連結部材470の設計自由度を向上させることができる。
【0233】
次いで、図28から図34を参照して、反転動作ユニット500について説明する。図28は、反転動作ユニット500の正面斜視図である。なお、図28では、反射部材520が回転方向に互いに当接された閉鎖状態が図示される。反転動作ユニット500は、反射部材520が回転されることで閉鎖状態(図28参照)と開放状態(図33(b)参照)とを形成可能に構成される。次に、反転動作ユニット500の全体構成について説明する。
【0234】
図29は、反転動作ユニット500の分解正面斜視図であり、図30は、反転動作ユニット500の分解背面斜視図である。
【0235】
図29及び図30に示すように、反転動作ユニット500は、骨格を成す枠状のベース部材510と、そのベース部材510の軸支溝512a,513aに軸支される反射部材520と、その反射部材520の回転軸522が内嵌される軸支孔531を備える第1蓋部材530と、反射部材520の駆動部側においてベース部材510の第2壁部513に取り付けられる第2蓋部材540と、反射部材520の回転ギア523に歯合される第1ラックギア553が刻設される伝達部材550と、その伝達部材550を移動させる駆動力を発生させる駆動装置560と、その駆動装置560の伝達ギア群562の背面側に配置されると共にベース部材510に締結固定されるカバー部材570と、を主に備える。
【0236】
ベース部材510は、中央に矩形状の開口を有すると共に平面枠状に形成される底面部511と、その底面部511の右端から底面部511の正面側および背面側へ向けて垂直に延設される第1壁部512と、底面部511の左端から底面部511の正面側へ向けて垂直に延設される第2壁部513と、を主に備える。なお、底面部511の開口はLED等の光源を有する基盤(図示せず)を配設するための開口であり、組立状態(図28参照)において光源から反射部材520へ向けて光が照射される。
【0237】
底面部511は、背面視(図30参照)における底面部511の右側部分において上下方向に延設されると共に、伝達部材550を案内する長孔状のスライド孔511aを備える。
【0238】
スライド孔511aは、延設方向が一直線上に一致する態様で底面部511の上下方向(図30上下方向)に複数(本実施形態では4箇所)並べられて形成され、そのうち上下両端に形成されるスライド孔511aには、その下端からスライド孔511aの延設方向に延設される長孔であって、スライド孔511aより細幅の長孔であると共に伝達部材550のリブ部555を案内するリブ部スライド孔511bが形成される。
【0239】
また、底面部511は、開口の下方において背面側へ向けて複数が突設されると共に駆動装置560の伝達ギア群562が軸支される回転軸511cを備える。
【0240】
第1壁部512は、正面側から背面側へ向けてU字状に切りかかれる溝であって反射部材の回転軸部の外径より若干大きな幅の軸支溝512aが複数形成される。なお、軸支溝512aの配設間隔は等間隔であり反射部材520の幅寸法(回転軸方向視長手寸法)よりも短い間隔で形成される。
【0241】
第2壁部513は、軸支溝512aと対向配置されると共に軸支溝512aと同一の態様で形成される複数の軸支溝513aと、その複数の軸支溝513aのうち隣接する軸支溝513aの間に形成されると共に第2壁部513の外壁面から正面側(図29手前側)へ向けて延設される延設部513bと、を備える。
【0242】
延設部513bは、正面側へ向かうほど幅寸法(図29上下方向の寸法)が小さくなる階段状に形成され、組立状態(図28参照)において、第2蓋部材540の位置決め突設部543に嵌合される。
【0243】
反射部材520は、光源から照射される光の進行方向を変化させる部材であって、不透明な樹脂材料から形成される長尺板状の本体部521と、その本体部521の左右両端から一直線上に突設される一対の回転軸522と、それら一対の回転軸522のうち伝達部材550が配設される側の回転軸522に軸どうしを一致させて締結固定される回転ギア523と、を備える。
【0244】
本体部521は、幅方向の端面に面取り形成される面取部521a(図34参照)を備える。
【0245】
回転軸522は、本体部521の幅方向(図29上下方向)中心位置に形成される。また、一対の回転軸522のうち伝達部材550が配設される側の回転軸522の方が長尺に延設されることで、回転ギア523と本体部521との間に第2壁部513が配設可能に形成される。
【0246】
回転ギア523は、隣接して刻設される歯が連結されると共に回転中心からの径が他の歯よりも長く形成される膨張歯523aを備える。膨張歯523aにより、反射部材520の過回転を防止することができる。
【0247】
第1蓋部材530は、第1壁部512の厚み方向(図29左右方向)から締結固定される長尺板状の部材であって、反射部材520の回転軸522が挿通される複数の軸支孔531と、第1蓋部材530の正面(図29手前側の面)に沿って第1壁部512へ向けて垂直に延設される部分であって複数の軸支孔531の正面側の縁に外接する端面を有する延設蓋部532(図31参照)と、を備える。
【0248】
ここで、例えば、第1蓋部材530を第1壁部512の正面側から締結固定する場合、第1壁部512には締結ネジの頭の径以上の厚みが必要となる。この場合、本実施形態のように、反転動作ユニット500が第3図柄表示装置81の表示領域P(図2参照)の外縁に第1壁部512を挟んで隣接していると、第1壁部512の厚みが邪魔となり、反転動作ユニット500と第3図柄表示装置81の表示領域P(図2参照)の演出とを一体として視認させることが難しい。
【0249】
一方、第1蓋部材530は、第1壁部512の厚み方向(図29左右方向)から締結固定されるため、反射部材520の右方の壁の厚みを締結ネジの頭の径によらず薄くすることができる。そのため、第1壁部512の厚みが邪魔とならず、反転動作ユニット500と第3図柄表示装置81の表示領域P(図2参照)での演出とを一体として視認させることが容易となり、演出効果を向上させることができる。
【0250】
なお、ベース部材510、反射部材520及び第1蓋部材530の組立方法に関して、少なくとも2通りの組立方法を行うことができる。例えば、第1に、ベース部材510の軸支溝512a,513aに反射部材520の回転軸522を嵌め込んだ状態で第1蓋部材530をベース部材510に締結固定する方法がある。この方法であれば、反射部材520を一度に第1蓋部材530の軸支孔531に挿通させることができる。
【0251】
また、第2に、先にベース部材510に第1蓋部材530を締結固定した状態で、反射部材520の駆動部側とは反対側の回転軸522を第1蓋部材530の軸支孔531に斜め方向(正面側から斜め右奥へ向かう方向)で差し込んだ後に、駆動部側の回転軸522を第2壁部512の軸支溝513aに嵌め込む方法がある。
【0252】
図31を参照して、第1壁部512の軸支溝512a、第1蓋部材530及び反射部材520の嵌合関係について説明する。図31(a)は、反転動作ユニット500の部分側面図であり、図31(b)は、図31(a)のXXXIb-XXXIb線における反転動作ユニット500の部分断面図である。なお、図31(a)は、第1蓋部材530が締結される側の側面が図示される。
【0253】
図31(a)に示すように、第1壁部512の軸支溝512aの深さは反射部材520の回転軸522の直径と略同一に形成される。そのため、例えば第1蓋部材530に軸支孔531が形成されていない場合であっても、反射部材520は第1壁部512の軸支溝512aと第1蓋部材530の延設蓋部532との間に位置決めされ、軸支される。
【0254】
さらに本実施形態では、第1壁部512の軸支溝512aの深さと第1蓋部材530の軸支孔531の径とが同一に形成される。そのため、反射部材520の回転軸522は、上述したように第1壁部512の軸支溝512aと第1蓋部材530の延設蓋部532との間に軸支されると共に、第1蓋部材530の軸支孔531にも軸支される(図31(b)参照)。
【0255】
よって、反射部材520の回転軸522を軸支する面積を大きく確保することができる。これは、第1蓋部材530を第1壁部512に右方から締結固定することで第1壁部512の厚みを抑制した本実施形態の構成において特に有効である。
【0256】
即ち、第1壁部512の厚みを抑制したために、そのままでは反射部材520を軸支する軸支溝512aの面積を十分確保することが困難になるおそれがある。そこで、第1蓋部材530に軸支孔531を穿設し、その軸支孔531でも反射部材520を軸支するようにしている。これにより、第1蓋部材530及び第1壁部512が反射部材520の軸方向に占めるスペースを有効利用し、反射部材520を軸支する面積を十分に確保することができる。
【0257】
図30に戻って説明する。第2蓋部材540は、反射部材520の駆動部側をベース部材510に軸支するための部材であって、最も正面側に配置される長尺板状のベース部材541と、そのベース部材541から背面側へ向けて突設されると共に上下方向(図30上下方向)に延設される延設軸支部542と、その延設軸支部542とベース部材541とを連結する態様で突設される位置決め突設部543と、を備える。
【0258】
図32を参照して、第2蓋部材540とベース部材510との係合について説明する。図32(a)は、反転動作ユニット500の部分正面図であり、図32(b)は、図32(a)のXXXIIb?XXXIIb線における反転動作ユニット500の部分断面図であり、図32(c)は、図32(b)のXXXIIc?XXXIIc線における反転動作ユニット500の部分断面図であり、図32(d)は、図32(b)のXXXIId?XXXIId線における反転動作ユニット500の部分断面図である。
【0259】
図32(b)に示すように、第2蓋部材540の複数の位置決め突設部543は、ベース部材510の隣接する延設部513bの間にそれぞれ嵌合される。これにより、第2蓋部材540をベース部材510に対して上下方向(図32(b)上下方向)に精度よく位置合わせすることができる。
【0260】
ここで、第2壁部513は長尺板状に形成されるため、厚み方向への剛性が低くなりがちであり、第2壁部513が厚み方向へ撓むことにより反射部材520に軸方向の力が加えられ、反射部材520の回転が阻害されるおそれがある。
【0261】
一方、図32(c)に示すように、本実施形態ではベース部材510の延設部513bの厚み方向(図32(c)左右方向)から第2蓋部材540の延設軸支部542が当接される。これにより、第2壁部513の厚み方向の剛性を向上させることができる。
【0262】
第2蓋部材540の延設軸支部542の延設方向の端部とベース部材510の軸支溝513aが形成される端部とは当接され、軸支溝513aの開放端を閉鎖する(図32(d)参照)。これにより、軸支溝513aと第2蓋部材540の延設軸支部542とが形成する孔により、反射部材520の回転軸522が軸支される(図32(b)参照)。
【0263】
図29に戻って説明する。伝達部材550は、駆動装置560の駆動力を反射部材520に伝達するための部材であって、長尺板形状に形成されると共にベース部材510の底面部511の背面に当接される本体部551と、その本体部551の端面(図29左側端面)から正面側に延設される長尺板形状の延設壁部552と、その延設壁部552の正面側の端面に断続的に刻設されると共に反射部材520の回転ギア523に歯合される第1ラックギア553と、本体部551の正面側に複数(本実施形態では4箇所)が配設されると共にベース部材510のスライド孔511aに連結されるスライド軸554と、それらのスライド軸554のうち上下端のスライド軸554から下方に延設されると共にベース部材510のリブ部スライド孔511b(図30参照)の幅寸法よりも若干小さい幅寸法で突設されるリブ部555と、本体部551の側面に刻設されると共に駆動装置560の伝達ギア群に歯合される第2ラックギア556と、を備える。
【0264】
第1ラックギア553は、四つの歯が連設される歯群が、一つの歯を省略する場合の間隔よりも若干短い間隔を空けて複数配設される。この間隔を空けられた空間により、反射部材520の回転ギア523の過回転を防止することができるが、詳細は後述する。
【0265】
駆動装置560は、駆動力を発生させる装置であって、駆動軸に軸支される駆動ギア561と、その駆動ギア561に歯合されるギアと伝達部材550の第2ラックギア556に歯合されるギアとを含む複数のギアであってそれぞれが複数の回転軸511cに歯合される伝達ギア群562と、を備える。
【0266】
駆動装置560の駆動ギア561が回転されると、伝達ギア群562が回転され駆動装置560の駆動力が第2ラックギア556を介して伝達部材550に伝達される。伝達部材550は、駆動装置560の駆動力によりベース部材510のスライド孔511aの延設方向へスライド移動される。伝達部材550の第1ラックギア553は反射部材520の回転ギア523に歯合されるため、伝達部材550がスライド移動されることで反射部材520が回転軸522を支点に回転される。
【0267】
図33(a)、図33(b)及び図33(c)は、反射部材520の回転動作を時系列で図示した反転動作ユニット500の部分正面図であり、図33(d)、図33(e)及び図33(f)は、反射部材520の回転動作を時系列で図示した反転動作ユニット500の部分側面図であり、図34は、図33(d)の姿勢における反射部材520及び伝達部材550の部分側面図である。
【0268】
なお、図33では第2蓋部材540の図示は省略され、図33(a)及び図33(d)では、反射部材520の本体部521どうしが当接される状態(閉鎖状態)が図示され、図33(b)及び図33(e)では、図33(a)及び図33(d)の状態から反射部材520が所定量回転された状態(開放状態)が図示され、図33(c)及び図33(f)では、反射部材520が図33(a)及び図33(d)で正面側へ向けている面と反対側の面が正面側へ向けられると共に反射部材520の本体部521どうしが当接される状態(閉鎖状態)が図示される。
【0269】
図33(d)に示すように、閉鎖状態において、反射部材520の回転ギア523は、伝達部材550の第1ラックギア553に歯合され回転を規制される。
【0270】
反射部材520の回転動作について説明する。図33(d)の状態から、伝達部材550の第1ラックギア553が駆動装置560(図29参照)により上方(図33(d)左方)へスライド移動されると反射部材520の回転ギア523が回転されることに伴い反射部材520の本体部521が回転される(図33(e)参照)。さらに第1ラックギア553が左方へスライド移動されることで反射部材520は互いの厚み方向の面が当接されるまで回転され、伝達部材550が停止される(図33(f)参照)。
【0271】
ここで、伝達部材550のスライド移動の終端位置では、反射部材520が端部で当接され姿勢が矯正される(図34参照)。そのため、反射部材520の回転ギア523と伝達部材550の第1ラックギア553とが精度よく歯合されていなくても、伝達部材550がスライド移動の終端位置に配置された状態における反射部材520の姿勢を安定化させることができる。
【0272】
反射部材520は、閉鎖状態において、本体部521の端部が厚み方向に当接される。このとき、ベース部材510の第1壁部512と第2壁部513との間の領域が反射部材520に閉鎖されるので、上述した光源から照射される光を反射部材520で遮断することができる。
【0273】
ここで、光の漏れの抑制は、例えば板状のシャッター部材をスライド移動させて、そのシャッター部材を遊技者へ照射される光と遊技者との間に配置することでも達成できる。この場合、シャッター部材が開ききってしまえば遊技者へ照射される光の全体を遊技者は視認できる。しかし、遊技者へ照射される光と遊技者との間にシャッター部材が配置された状態からシャッター部材がスライド移動する途中では、シャッター部材と重なる光を視認することはできない。即ち、遊技者が光の全体を視認するまでの期間が長くなる。
【0274】
一方、本実施形態によれば、反射部材520は、閉鎖状態では光の漏れを抑制しながら、閉鎖状態から反射部材520が回転することで遊技者へ照射される光を通過可能にする。ここで、複数の反射部材520には例示として上述した単一のシャッター部材と同じ役割を持たせることができる。即ち、シャッター部材に比較してそれぞれの反射部材520を小型に形成することができる。そのため、シャッター部材をスライド移動させる場合に比較して、反射部材520を回転させる場合の方が、遊技者が光の全体を視認するまでの時間を短くできる。
【0275】
また、本実施形態では、反射部材520が回転することにより、正面視(図32(a)参照)における反射部材520の占める領域が縮小されることで、反射部材の背面側に形成される光源の光を視認可能となる。そのため、反射動作ユニット500の配設スペースを省スペース化することができる。
【0276】
反射部材520は、閉鎖状態において面取部521aどうしが互いに当接される(図34参照)。これにより、厚み方向における反射部材520どうしの厚み方向の間隔を短くすることができ、複数の反射部材520で形成される面をより平坦面化することができる。
【0277】
例えば、複数の反射部材520の厚み方向の面で一体として認識される模様が複数の反射部材520の厚み方向の面に形成される場合、隣接する反射部材520間の境界を目立たせなくし、模様のずれを抑制することができる。そのため、模様をより綺麗に認識させることができる。
【0278】
反射部材520の回転軸522から膨張歯523aの外端までの距離は、回転軸522から伝達部材550の本体部551までの距離よりも長く形成される。そのため、図33(a)の状態から、回転ギア523を図33(d)の反時計回りに回転させようとすると、膨張歯523aが本体部551にせき止められるため、回転させることができない。これにより、反射部材520の過回転を防止でき、反射部材520の当接面で圧力が過度に生じ、反射部材520が破損することを防止することができる。
【0279】
また、上述したように、第1ラックギア553は四つの歯が連設される歯群が一つの歯を省略する場合の間隔よりも若干短い間隔を空けて配設されるため、図33(f)の状態から反射部材520の回転ギア523を図33(f)の時計回りに回転させようとすると、回転ギア523の歯が伝達部材550の第1ラックギア553の歯群間に形成される間隔にはまり込む。この場合、回転ギア523をそれ以上回転させることができない。よって反射部材520の過回転により、反射部材520が当接面である面取部521aで破損することを防止することができる。
【0280】
次いで、図35から図42を参照して、第2スライド動作ユニット700について説明する。図35(a)及び図35(b)は、第2スライド動作ユニット700の正面斜視図である。なお、図35(a)では、一対の第1スライド部材720及び一対の第2スライド部材740が退避位置に配置された状態が図示され、図35(b)では、一対の第1スライド部材720及び一対の第2スライド部材740が張出位置(第3図柄表示装置81の表示領域Pの正面側、図2参照)に配置された状態が図示される。
【0281】
第2スライド動作ユニット700は、一対の第1スライド部材720及び一対の第2スライド部材740が第3図柄表示装置81の表示領域P(図2参照)の正面側に張り出すことで、表示領域Pを格子状に分割可能に形成される。次に、第2スライド動作ユニット700の全体構成について説明する。
【0282】
図36及び図37は、第2スライド動作ユニット700の分解正面斜視図であり、図38及び図39は、第2スライド動作ユニット700の分解背面斜視図である。なお、図36及び図38では、ベース部材710及びベース部材710の正面側に配設される部材が分解された状態が図示され、図37及び図39では、ベース部材710及びベース部材710の背面側に配設される部材が分解された状態が図示される。
【0283】
図36から図39に示すように、第2スライド動作ユニット700は、中央に第3図柄表示装置81の表示領域P(図2参照)を形成する矩形状の開口を有する矩形板形状のベース部材710と、そのベース部材710の正面と所定間隔を空けてベース部材710に固定されると共に長手方向を水平方向と一致させる第1スライド軸棒S1と、その第1スライド軸棒S1に沿ってスライド移動される一対の第1スライド部材720と、それらの一対の第1スライド部材720の正面側からベース部材710に締結固定されると共に上下一対で形成される正面側カバー部材730と、を主に備える。
【0284】
また、第2スライド動作ユニット700は、ベース部材710の背面と所定間隔を空けてベース部材710に固定されると共に長手方向を鉛直方向と一致させる第2スライド軸棒S2と、その第2スライド軸棒S2に沿ってスライド移動される一対の第2スライド部材740と、それらの第2スライド部材740に歯合される複数のギアが配設される伝達装置750と、一対の第2スライド部材740及び伝達装置750の背面側からベース部材710に締結固定されると共に左右および上部に形成される背面側カバー部材760と、それらの背面側カバー部材760に配設されると共に第1スライド部材720及び第2スライド部材740をスライド移動させる駆動力を発生させる駆動装置770と、を主に備える。
【0285】
図36に示すように、第1スライド部材720は、形状の略同等な一対の部材により構成されるので、ここではその片方(図36左方)について説明し、他方の説明を省略する。
【0286】
第1スライド部材720は、正面視L字の板形状に形成される本体部721と、その本体部721に締結固定される台車部722と、その台車部722の下端から下方へ延設される装飾部723と、を備える。
【0287】
本体部721は、左右方向へ延設される長尺板形状に形成されると共に上面にラックギアが刻設されるラック部721aと、そのラック部721aの下方に連設されると共にラック部721aの正面視左寄りに配設される板形状の台車受け部721bと、を備える。
【0288】
台車部722は、左端を台車受け部721bの左端と一致させて台車受け部721bの背面側に締結固定される。台車部722は、板状の底面の上下端から正面側にそれぞれ壁部が張り出すことで断面コ字状に形成される台車本体部722aと、その台車本体部722aの内方に配設されると共に底面と垂直な回転軸を有して形成される上下一対の回転体が左右一対で配設される回転体群722bと、を備える。
【0289】
回転体群722bは、上下一対の回転体が左右に平行に配設されると共に、上下間隔の長さは第1スライド軸棒S1の直径より若干長く形成される。回転体群722bは、台車本体部722aの長手方向の側面(図36左右側面)から若干外方へ張り出して配置される。
【0290】
第1スライド軸棒S1は、両端にベース部材710に締結固定される一対の締結板部S1aを備えると共にステンレスなどの金属材料から形成される。
【0291】
第1スライド部材720のベース部材710への配設態様について説明する。まず、スライド軸棒S1を第1スライド部材720の回転体群722aの間に挿入し、その状態で締結板部S1aをベース部材710に締結固定する。これにより、台車部722aがベース部材710と第1スライド軸棒S1との間に配設される。また、これによりベース部材710が第1スライド軸棒S1の剛性により補強される。
【0292】
次いで、本体部721の台車受け部721bと台車部722とを締結固定する。これにより、第1スライド軸棒S1により第1スライド部材720がスライド移動可能に軸支される。
【0293】
この状態で、第1スライド部材720のラック部721aが、駆動ギア711a,712aに歯合される伝達ギアに歯合される。そのため、駆動ギア711a,712a及び伝達ギアを介して駆動装置770(図35参照)の駆動力が第1スライド部材720に伝達されることで、第1スライド部材720が左右にスライド移動される。
【0294】
第1スライド部材720のスライド移動時には、回転体群722bが第1スライド軸棒S1を挟み込むため、第1スライド部材720と第1スライド軸棒S1との接触面積を小さくでき摩擦が低減される。また、上下一対の回転体が左右に一対で配設され、それらが第1スライド軸棒S1に当接されるので、第1スライド部材720のぐらつきを複数点で抑制することができる。よって、第1スライド軸棒S1に対する第1スライド部材720の姿勢を安定させることができる。
【0295】
正面側カバー部材730は、第1スライド部材720がベース部材710に配設された後にベース部材710に締結固定される。下側のカバー部材730は、装飾部723の下端の正面側に配設される。これにより、第1スライド部材720が第1スライド軸棒S1を軸に前後方向(図36左手前方向)にぐらつく場合に、第1スライド部材720のぐらつきを抑制することができる。
【0296】
図38に示すように、ベース部材710は、前後方向に貫通して配設されると共に軸回転可能に形成される伝達筒711,712と、背面視左方においてベース部材710の背面に締結固定され鉛直方向に沿って延設されると共に内方(図38右方)へ向く壁面にギアが刻設される固定ギア部713と、その固定ギア部713に歯合されると共にラックギア754(図39参照)の軸支部754a(図37参照)に軸支される転動ギア714と、背面視右方においてベース部材710の背面から突設されると共に鉛直方向に延設される案内壁部715と、を主に備える。
【0297】
伝達筒711,712は、ベース部材710の正面側に駆動ギア711a,712a(図36参照)をそれぞれ備える。伝達筒711,712は、駆動装置770の駆動モータ771,772の駆動軸が固着される部材であって、駆動装置770の駆動力を第1スライド部材720に伝達する部材である。
【0298】
案内壁部715は、内方(図38左方)へ向く壁面に刻設される受けギア部715aを備える。
【0299】
図37に示すように、第2スライド部材740は、形状の略同等な一対の部材により構成されるので、ここではその片方(図37上方)について説明し、他方の説明を省略する。
【0300】
第2スライド部材740は、長尺板形状に形成される本体部741と、その本体部741に締結固定される台車部742と、その台車部742の正面視左端から左方へ延設される装飾部743と、を備える。
【0301】
本体部741は、上下方向へ延設される長尺板形状に形成されると共に右面にラックギアが刻設される。
【0302】
台車部742は、上端を本体部741の上端と一致させて本体部741の背面側に締結固定される。台車部742は、板状の底面の左右端から正面側にそれぞれ壁部が張り出すことで断面コ字状に形成される台車本体部742aと、その台車本体部742aの内方に底面と垂直な回転軸を有して形成される左右一対の回転体が上下一対で配設される回転体群742bと、を備える。
【0303】
回転体群742bは、左右一対の回転体が上下に平行に配設されると共に、左右間隔の長さは第2スライド軸棒S2の直径より若干長く形成される。
【0304】
装飾部743は、正面視左方の端に、背面へ向けて突設される軸に軸支される上下一対の撓み抑制ギア743aを備える。
【0305】
第2スライド軸棒S2は、両端にベース部材710に締結固定される一対の締結板部S2aを備える。
【0306】
第2スライド部材740のベース部材710への配設態様について説明する。まず、スライド軸棒S2を第2スライド部材740の回転体群742aの間に挿入し、本体部741を台車部742の正面側に締結固定する。これにより、第2スライド軸棒S2により第2スライド部材740がスライド移動可能に軸支される。また、これによりベース部材710が第2スライド軸棒S2の剛性により補強される。
【0307】
次いで、第2スライド軸棒S2の締結板部S2aをベース部材710の背面に締結固定する。これにより、本体部741がベース部材710と第2スライド軸棒S2との間に配設される。
【0308】
ここで、第2スライド部材740の本体部741から刻設されるラックギアは、ベース部材710の転動ギア714に歯合される。そのため、転動ギア714が回転されると、第2スライド部材740は上下にスライド移動される。
【0309】
第2スライド部材740のスライド移動時には、回転体群742bが第2スライド軸棒S2を挟み込むため、第2スライド部材740と第2スライド軸棒S2との接触面積を小さくでき摩擦が低減される。また、左右一対の回転体が上下に一対で配設され、それらが第2スライド軸棒S2に当接されるので、第2スライド部材740のぐらつきを複数点で抑制することができる。よって、第2スライド軸棒S2に対する第2スライド部材740の姿勢を安定させることができる。
【0310】
ここで、転動ギア714(駆動部側)に歯合されるラックギアを有する本体部741と、第2スライド軸棒S2を挟み込む台車部742とが、第2スライド部材740の延設方向における同一端部に形成される。よって、第2スライド部材740の第2スライド軸棒S2を支点とする撓みが、ラックギアと転動ギア714との歯合状態に影響する度合いを低減することができる。よって、第2スライド部材740が歯合状態のずれにより受ける抵抗を抑制することができる。
【0311】
図39に示すように、伝達装置750は、駆動装置770の駆動力を第2スライド部材740へ伝達させる装置であって、長尺板形状の本体部751と、その本体部751の背面側に配設されると共に駆動装置770の駆動軸773a,774aが固着される駆動ギア752と、その駆動ギア752に歯合される伝達ギア753と、その伝達ギアに歯合される歯を有し上下方向に延設される長尺板形状の部材であると共に本体部751のスライド長孔751aに沿って上下にスライド移動されるラックギア754と、を主に備える。
【0312】
なお、伝達装置750の構成の説明において、上下一対の部分(図39参照)においてはその片方(上方)の説明のみを行い、もう一方の説明は省略する。
【0313】
本体部751は、鉛直方向(図39上下方向)に長手方向を向けた長孔状に穿設されるスライド長孔751aを備える。
【0314】
ラックギア754は、正面から垂直に突設されると共に本体部751のスライド長孔751aを貫通する円柱状の軸支部754a(図37参照)を備える。その軸支部754aは、転動ギア714の軸支孔に挿通される。
【0315】
ここで、第2スライド部材740への駆動力の伝達態様について説明する。まず、駆動装置773の駆動軸773aが回転されると、その駆動軸773aに固着される駆動ギア752が回転され、その駆動ギア752に歯合される伝達ギア753の回転を介してラックギア754がスライド長孔751aの長手方向に沿って上下にスライド移動される。
【0316】
ラックギア754の軸支部754a(図37参照)は、転動ギア714の軸支孔に挿通されるので、ラックギア754が上下にスライド移動されることで、転動ギア714も上下にスライド移動される。
【0317】
このとき、転動ギア714は、ベース部材710の固定ギア部713の歯に歯合されると共に、固定ギア部713に対向配置される第2スライド部材740の本体部741とも歯合される。即ち、固定ギア部713、転動ギア714及び本体部741でダブルラックピニオン機構が形成され、第2スライド部材740はラックギア754に対して倍速で移動される。
【0318】
背面側カバー部材760は、第2スライド部材740の駆動部側に配設される背面駆動部カバー部材761と、上部に配設される背面上部カバー部材762と、背面駆動部カバー部材761と左右方向に対向配置される背面抜け止めカバー部材763と、を主に備える。
【0319】
背面駆動部カバー部材761は、伝達装置750の背面側に締結固定されると共に、駆動装置770の駆動モータのうち第2スライド部材740を駆動させる駆動モータ773,774が背面に締結固定される。
【0320】
背面上部カバー部材762は、ベース部材710の背面に締結固定されると共に、駆動装置770の駆動モータのうち第1スライド部材720を駆動させる駆動モータ771,772が背面に締結固定される。
【0321】
背面抜け止めカバー部材763は、装飾部743の延設端側の背面に形成され、第2スライド部材740が第2スライド軸棒S2を支点に背面側に回転され抜け出してしまうことを防止する。
【0322】
駆動装置770は、第1スライド部材720を駆動させる駆動モータ771,772と、第2スライド部材740を駆動させる駆動モータ773,774と、を主に備える。それらの駆動モータ771,772,773,774は駆動軸771a,772a,773a,774aをそれぞれ備える。
【0323】
図40を参照して、一対の第1スライド部材720の移動態様の一例について説明する。図40は、第1スライド部材720の配置の変化の一例を時系列で図示した第2スライド動作ユニット700の正面図である。
【0324】
なお、図40(a)では、一対の第1スライド部材720がそれぞれ退避位置に配置された状態が、図40(b)では、一対の第1スライド部材720の本体部721と台車部722とが張出位置で当接された状態が、図40(c)では、一対の第1スライド部材720が図40(b)の位置から正面視右方へ所定量移動された状態が、それぞれ図示され、図40(a)から図40(c)では、上下一対の正面側カバー部材730のうち上側の正面側カバー部材730の図示が省略される。
【0325】
ここで、一対の第1スライド部材720のスライド移動時における駆動ギア711a,712aへの駆動力の伝達について説明する。図40(a)に示す退避位置から、駆動ギア711a,712aが(駆動ギア711aは正面視時計回り、駆動ギア712aは正面視反時計回りに)回転されると、一対の第1スライド部材720はそれぞれ張出位置へ向けてスライド移動され、張出位置において当接される(図40(b)参照)。
【0326】
一対の第1スライド部材720のうち正面視右方に配設される第1スライド部材720をスライド移動させる駆動力を発生させる駆動モータ772(図35参照)は、図40(b)の状態に至る直前に駆動力の発生を止めるよう制御される。本実施形態では、一対の第1スライド部材720の当接が、台車受け部721bと台車部722の台車本体部722aとで生じるので、装飾部723のスライド方向への撓みを考慮することが不要であって、一対の第1スライド部材720の当接位置を正確に算出することができる。
【0327】
一対の第1スライド部材720は回転体群722bが台車本体部722aの長手方向の側面(図36左右側面)から若干外方へ張り出して配置されるため、一対の第1スライド部材720が当接される際には、回転体群722bのうち当接面側から外方へ張り出す回転体同士が初めに当接され、その後、台車受け部721bと台車部722の台車本体部722aとが押しつけられる。即ち、台車受け部721bと台車本体部722aとが当接される最中において、回転体群722bのうち当接面側から外方へ張り出す回転体同士には圧力がかけられる。これにより、一対のスライド部材720が当接された状態において回転体群722bの回転を制動させることができるので、一対の第1スライド部材720の当接時の衝撃を緩和することができる。
【0328】
一対の第1スライド部材720は、当接されたあと、一対の第1スライド部材720のうち正面視左方に配設される第1スライド部材720をスライド移動させる駆動力を発生させる駆動モータ771(図35参照)の駆動力により(正面視左方に配設される第1スライド部材720に正面視右方に配設される第1スライド部材720が押されることで)一対の第1スライド部材720が右方へスライド移動される(図40(c)参照)。
【0329】
即ち、一対の第1スライド部材720が互いに当接された後は、駆動モータ771,772を協調動作させることなく、一対の第1スライド部材720をスライド移動させることができる。これにより、駆動モータ771,772(図35参照)全体での電力消費量を抑制することができる。
【0330】
また、例えば、駆動モータ771(図35参照)のみで一対の第1スライド部材720を駆動させる場合、片方の第1スライド部材720のみを駆動させるよりもモータ負荷が増加する。しかし、第1スライド部材720が水平方向へ移動されるため、上下方向へ移動される場合のように重力負荷を考える必要は無く、モータ負荷の増加量は駆動モータ771,772(図35参照)それぞれで均等に生じる。
【0331】
そのため、駆動モータ771,772(図35参照)のモータ寿命を調整しやすく、駆動モータ771,772の交換時期の調整を容易にすることができる。これにより、駆動モータ771,772のメンテナンス回数を減少させることができる。
【0332】
図41を参照して、一対の第2スライド部材740の移動態様の一例について説明する。図41は、第2スライド部材720の配置の変化の一例を時系列で図示した第2スライド動作ユニット700の正面図である。
【0333】
なお、図41(a)では、一対の第2スライド部材740がそれぞれ退避位置に配置された状態が、図41(b)では、一対の第2スライド部材740の本体部741どうしが張出位置で当接された状態が、図41(c)では、一対の第2スライド部材740が図41(b)の位置から正面視上方へ所定量移動された状態が、それぞれ図示される。
【0334】
ここで、一対の第2スライド部材740のスライド移動時における駆動ギア752(図39参照)への駆動力の伝達について説明する。図41(a)に示す退避位置から、駆動モータ773,774(図35参照)により駆動ギア752が(駆動モータ773は正面視時計回り、駆動モータ774は正面視反時計回りに)回転されると、一対の第2スライド部材740はそれぞれ張出位置へ向けてスライド移動され、張出位置において当接される(図41(b)参照)。
【0335】
一対の第2スライド部材740のうち正面視上方に配設される第2スライド部材740をスライド移動させる駆動力を発生させる駆動モータ773(図35参照)は、図41(b)の状態に至る直前に駆動力の発生を止めるよう制御される。
【0336】
一対の第2スライド部材740は、当接されたあと、一対の第2スライド部材740のうち正面視下方に配設される第2スライド部材740をスライド移動させる駆動力を発生させる駆動モータ774(図35参照)の駆動力により(正面視下方に配設される第2スライド部材740に正面視上方に配設される第2スライド部材740が押されることで)一対の第2スライド部材740が上方へスライド移動される(図41(c)参照)。
【0337】
即ち、一対の第2スライド部材740が互いに当接された後は、駆動モータ773,774(図35参照)を協調動作させることなく、一対の第2スライド部材740をスライド移動させることができる。これにより、駆動モータ773,774全体で見た電力消費量を抑制することができる。
【0338】
ここで、下降移動する部材が上方へ移動方向を転換する場合、重力の影響により駆動モータへの負荷が上昇することでモータ寿命が低下するおそれがある。また、方向転換のための減速時間が長くかかるので、演出の自由度を低下させるおそれがある。
【0339】
しかし、本実施形態では、一対の第2スライド部材740のうちの上側の部材が下降移動から上方へ移動方向を転換する場合に、一対の第2スライド部材740のうちの下側の部材の上昇移動の勢いを利用することができる。これにより、重力の影響により第2スライド部材740の方向転換時に生じるモータ負荷を低減させることができ、モータ寿命を長期化することができる。また、第2スライド部材740の方向転換のための減速時間を短縮し、演出の自由度を向上させることができる。
【0340】
次いで、図42を参照して、第2スライド部材740の撓み抑制ギア743aの作用について説明する。図42は、第2スライド動作ユニット700の部分背面図である。なお、背面側カバー部材760の背面抜け止めカバー763(図39参照)の図示が省略される。
【0341】
図42に示すように、第2スライド部材740は、第2スライド軸棒S2で支持される端部の反対側の端部が撓み抑制ギア743aを介してベース部材710の受けギア部715aに当接される。
【0342】
ここで、第2スライド部材740の始動時には、撓み抑制ギア743aと受けギア部715aとの歯合関係は適正化され撓み抑制ギア743aはスムーズに回転されるため、第2スライド部材740と受けギア部715aとの間に生じる抵抗は抑制される。よって、第2スライド部材740の始動時に必要な駆動力を抑制することができる。
【0343】
一方、一対の第2スライド部材740が台車部742どうしで当接される場合には、当接時の衝撃が装飾部743に伝達され、装飾部743の撓み抑制ギア743aが配設される側の端部が案内壁部715に対して傾斜される。これにより、受けギア部715への撓み抑制ギア743aからの負荷が上昇する。詳述すると、例えば第2スライド部材740の装飾部743が台車部742を支点に下方(図42下方)へ傾斜されると、一対の撓み抑制ギア743aのうち上側の撓み抑制ギア743aが受けギア部715へ押しつけられる。
【0344】
これにより、第2スライド部材740の傾斜を戻す方向の力が第2スライド部材740へ加えられるので、一対の第2スライド部材740が当接されることで生じる装飾部743の姿勢の傾斜を抑制することができる。
【0345】
また、第2スライド部材740と案内壁部715との当接がギアの歯合により構成されることで、当接面を増加させることができる。これにより、一対の第2スライド部材740の当接時に第2スライド部材740と案内壁部715との間で滑りが発生することを抑制することができるので、装飾部743の姿勢の傾斜を抑制する効果を向上させることができる。
【0346】
<第1実施形態における第1可変入賞装置について>
図49?図51を参照して、第1実施形態における第1可変入賞装置65の詳細について説明する。図49は、この第1可変入賞装置65の分解斜視図である。第1可変入賞装置65は、図49に示すように、遊技盤13の前面側に突出して配置される開口部形成部材65b、その開口部形成部材65bの背面側に組み合わされて、第1可変入賞装置65を遊技盤13にビス留めするためのベース部材65cと、そのベース部材65cの背面側に配置されてベース部材65cの背面側よりパチンコ機10の前面側に対してLEDを点灯させるためのLEDが複数配置されたLED基板65dと、そのLED基板65dをベース部材65cと狭持する裏カバー体65eと、開口部形成部材65dに形成されている特定入賞口65aを開閉するための開閉扉65f1を有した開閉ユニット65fと、裏カバー体65eの背面側に組み合わされて流路を形成する流路カバー体65gと、裏カバー体65eと流路カバー体65gとで形成された流路に突出して遊技球の流路を切り替える切替部材65hと、その切替部材65hと係止されるリンク部材65iと、流路カバー体65gの背面側に配置される背面カバー体65jと、その背面カバー体65jの背面側に固定されて、リンク部材65iを作動させる流路ソレノイド65kと、その流路ソレノイド65kを背面側から覆って背面カバー体65jにビスにより固定するための固定用カバー体65mとで構成されている。
【0347】
図50は、第1可変入賞装置65の断面図である。図50(c)は第1可変入賞装置65の上面図であり、図50(b)は、第1可変入賞装置65のLb-Lb断面図である。図50(b)に示すように、第1可変入賞装置65には、遊技球が入球可能な開口部である特定入賞口65aが形成されている。特定入賞口65aは、パチンコ機10の上方を略長方形状の開口が形成されており、その開口を通過した遊技球が図50(b)の左方向に誘導されるように左下方に傾斜した底面が形成されている。底面の左端部には、遊技球の入賞を検知するための磁気センサ65c1で構成された検出口65a1が配置されている。この検出口65a1を通過した遊技球は、図51(b)で示す裏カバー体65eの背面側に形成された振り分け流路へと誘導される。
【0348】
なお、図50(b)に示すように特定入賞口65aの開口は、遊技盤13側より出没可能なシャッター機構で構成された開閉扉65f1により遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能(入球困難)な閉鎖状態とに可変される。閉鎖状態では、開口が完全に開閉扉65f1によって覆われ、開閉扉の上部を遊技球が転動可能に構成される。また、開放状態では、開閉扉65f1は、ベース部材65cの内側(遊技盤13の内部)に退避されることにより特定入賞口65a内から退避されるように構成されている。
【0349】
このように構成することで、第1可変入賞装置65の開口が閉鎖されている場合には、遊技球が第1可変入賞装置65の上面を転動して、第2入賞口640側へと誘導されるように構成されている。よって、時短遊技中(確変遊技中含む)にも、右打ちした状態のまま、第2入賞口640へと遊技球を入球させることが可能となり、大当たり遊技後に直ちに左打ちへと遊技方法を変更させる手間を軽減できる。従って、より楽に遊技を行うことができる。
【0350】
また、開放状態においては、遊技球が流下する方向と直交する面を第1可変入賞装置65の開口として構成できるので、より多くの遊技球が効率よく特定入賞口65a内に入賞できる。よって、大当たり遊技に要する時間を短くすることができ、遊技の効率化をはかることができる。
【0351】
図50(a)は、図50(b)に示すLa-La断面図である。図50(a)に示すように検出口65a1を有する磁気センサ65c1は、裏カバー体65eの振り分け流路側へと検出口65a1が傾くようにベース部材65cに固定されている。
【0352】
図51を参照して、裏カバー体65eの振り分け流路に誘導された遊技球が後述する通常排出流路65e1と特別排出流路65e2とに振り分けられる構成について説明する。
【0353】
図51(a)は、遊技球が特別排出口65e2に振り分けられるように切替部材65hが作動された状態を示す裏カバー体65eの背面図である。図51(a)に示すように、切替部材65hは、リンク部材65iの突部が挿入される係止穴65h1と遊技球を誘導する誘導片65h2とを有しており、流路カバー体65gに背面側より回動可能に軸支されている。ここで、流路カバー体65gには、この誘導片65h2を挿通することが可能な開口部が設けられており、流路カバー体65gの背面側より振り分け流路内に誘導片65hを回動可能に配置することが可能に構成されている。
【0354】
図51(a)に示すように、検出口65a1より振り分け流路内に誘導された遊技球は、左斜め下方に配置された誘導片65h2の上面に誘導されて特別排出口65e2に誘導される。特別排出口65e2を通過した遊技球は特別排出口65e2に設けられた遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成された確変スイッチ65e3により検出されてアウト球としてパチンコ機10外へ排出される。
【0355】
ここで、詳細については後述するが、本実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり遊技中に上記した確変スイッチ65e3を遊技球が通過することにより、大当たり遊技後の遊技状態が高確率遊技状態(確変遊技状態)に設定される。即ち、確変スイッチ65e3は、確変遊技状態を付与するための入賞口として構成されている。また、切替部材65hは、大当たり後の遊技状態を低確率遊技状態(通常遊技状態)か確変遊技状態かに振り分けるための構成となる。
【0356】
このように、大当たり遊技中に第1可変入賞口65に入賞した遊技球の流下ルートにより大当たり遊技後に設定される遊技状態が可変されるので、大当たり遊技中にも遊技者の興趣を向上させることができる。なお、第1可変入賞装置65の開口から特別排出口65e2の入り口(切替部材65hの誘導片65h2により閉鎖さる開口面)を通過するのに必要な時間は、最短でも1秒で構成されている。切替部材65hの作動は、大当たり種別により作動タイミングと作動時間が設定されている。本実施形態では、大当たりAに当選した場合には、13ラウンド目の開始における第1可変入賞装置65の開放タイミングに合わせて切替部材65hが5秒間作動されるように構成されている。また、大当たりBに当選した場合には、13ラウンド目の開始における第1可変入賞装置65の開放タイミングに合わせて切替部材65hが0.5秒間作動されるように構成されている。
【0357】
よって、大当たりAでは、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球が確変スイッチ65e3を通過することが可能に構成されているが、大当たりBでは、確変スイッチ65e3を通過することが不可能に構成されている。よって、大当たり種別により確変付与割合を制御することができ、過剰に有利不利が発生してしまわないように構成できる。
【0358】
図51(b)を参照して、通常排出口65e2に遊技球が誘導される場合について説明する。図51(b)は、流路ソレノイド65kが非作動であり、特別排出口65e2の入り口の開口面を切替部材65hの誘導片65h2が塞いでいる状態を示す図である。
【0359】
検出口65a1より振り分け流路に誘導された遊技球は、切替部材65hの誘導片65h2の上面に誘導されて通常排出口65e1に誘導される。この通常排出口65e1の端部には遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成された排出確認スイッチ65e4が設けられている。これにより、第1可変入賞装置65内に入球した遊技球が全て排出されたかを排出確認スイッチ65e4と確変スイッチ65e3との合計により判別できる。
【0360】
よって、13ラウンド前に入賞した遊技球が排出されていない状態で13ラウンド目に入賞して、大当たりBであっても確変スイッチ65e3に入賞する不具合を抑制できる。
【0361】
このように、第1可変入賞装置65内に特定入賞口65aに入賞した遊技球が磁気センサ65c1により検出され、それに基づいて、遊技者に特典として賞球(本実施形態では1球入賞に対して15個の賞球)を払い出すことができる。また、その検出された後の遊技球を利用して、確変スイッチ65e3に通過するか否かを振り分け可能に構成することで、確変遊技状態を付与するか否かの抽選も実行することができる。よって、確変遊技状態を付与するための専用の入賞口を第1可変入賞装置65とは別に設ける必要がなく、遊技盤13のスペースを有効に利用することができる。
【0362】
次に、図110を参照して、第1可変入賞装置65と第2入賞口640との関係について説明する。第1可変入賞装置65の開閉扉65f1の右側には遊技球が1球通過可能な開口部が形成されており、その開口部を通過した遊技球が第1可変入賞装置65の下方に設けられている一般入賞口65b1まで誘導される誘導路が形成されている。一般入賞口65b1に遊技球が入球すると遊技者に対して10個の遊技球が賞球として上皿に払いだされる。ここで、遊技球が液晶表示ユニット80の右側を通過するように発射される遊技方法である右打ちで遊技された場合には、第1可変入賞装置65の開閉扉65f1上を転動せずに、第1可変入賞装置65の右側を転動する遊技球は全てこの開口部を通過して、一般入賞口65b1に入賞するように構成されている。第1可変入賞装置65の上部には、遊技球の転動方向を変えるための遊技釘が複数設けられている。
【0363】
ここで、図110に示すように、開閉扉65f1が開放状態である場合に、特定入賞口65aに割合を調整するための手段として遊技釘K2、K3の角度を調整して、その間隔を狭くしたり、広くすることができるように構成されている。ここで、遊技店は、大当たり時に特定入賞口65aに入賞する遊技球を少なくすることで、1ラウンドで10球入球させるのに、発射する遊技球が多くなるようにして、利益を多くしようとすることが考えられる。しかしながら、本実施形態の構成では、遊技釘K2を左方向に傾けて、特定入賞口65aに入賞し難く調整すると調整釘K1とK2との間隔が広くなり、開閉扉65f1の右側の開口部に入球し易くなる。さらに、遊技釘K1とK2の間隔を狭くしようと、遊技釘K1を狭くすると、遊技釘K1の右側の流路が広くなり、その流路から開閉扉65f1の右側の開口部より遊技球が入球し易くなってしまう。よって、大当たり遊技中でない場合にも、一般入賞口65b1に入賞する割合が高くなってしまい、遊技店側の損害が大きくなってしまうので、特定入賞口65aに入賞する割合を低くするように遊技釘が調整されることを抑制できる。よって、遊技店側の調整により、遊技の趣向性が著しく低下してしまう不具合を抑制できる。
【0364】
また、遊技釘K1を右側方向に傾けることで、遊技釘K2とK3との間隔を狭くして、特定入賞口65aへの入賞率を低くしようと調整すると、第2入賞口640側へ遊技球が流下し易くなる。これにより第2入賞口640への入賞率が高くなってしまい、時短遊技中や確変遊技状態中に第2入賞口640へ入賞する割合が高くなってしまい、遊技店側の損害が大きくなるので、特定入賞口65aの入賞率が低く設定されることを抑制できる。なお、第1可変入賞装置65と第2入賞口640との間には、遊技釘が複数配置されており、第1可変入賞装置65の開閉扉65f1の上面を左側方向に流下した遊技球が全て、第2入賞口640まで到達することが可能に構成されている。第1可変入賞装置65と第2入賞口640との間に配置去れた遊技釘は、調整しても、全ての遊技球が第2入賞口640まで案内されるように配置されている。
【0365】
次いで、図43から図48を参照して、第2実施形態について説明する。まず、図43から図46を参照して、第2実施形態における揺動動作ユニット2300について説明する。
【0366】
第1実施形態では、伝達装置350と駆動装置340の駆動ギア341とが常に歯合される場合を説明したが、第2実施形態における揺動動作ユニット2300は、伝達装置2350及び駆動装置2340の駆動ギア2341が歯合する状態(係合状態)と伝達装置2350及び駆動ギア2341の歯合が解除される状態(非係合状態)とを形成可能とされる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0367】
図43及び図44は、第2実施形態における駆動ギア2341、伝達装置2350及びL字型レバー2380の揺動動作を時系列で図示した駆動ギア2341、伝達装置2350及びL字型レバー2380の正面図である。
【0368】
なお、アーム部材320の本体部321及び解除孔325が想像線で図示され、図43(a)では、アーム部材320が張出位置に配置された状態が、図43(b)では、アーム部材320が張出位置から退避位置へ向けて所定量揺動された状態が、図43(c)では、アーム部材320が退避位置に配置された状態が、図44(a)では、図43(c)の状態から伝達装置2350がL字型レバー2380に引かれる直前の状態が、図44(b)では、アーム部材320が張出位置の手前まで張り出された状態が、図44(c)では、L字型レバー2380に伝達装置2350が引かれることでアーム部材320が張出位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
【0369】
図43(a)に示すように、駆動ギア2341と伝達装置2350とは歯合可能に形成される。
【0370】
駆動ギア2341は、駆動軸に軸視されると共に正面視扇形状に形成される本体部2341aと、その本体部2341aの周面付近において正面側に突設される押し出しピン2341bと、を備える。
【0371】
伝達装置2350は、規制摺動部351の正面視反対側の端部に正面側へ向けて突設される解除ピン2352を備える。
【0372】
ベース部材2310は、駆動ギア2341の軸支位置の正面視右下方において正面側へ突設される揺動軸2318を備える。
【0373】
L字型レバー2380は、長尺棒状に形成されると共に一端をベース部材2310の揺動軸2318に揺動可能に軸支される第1本体部2381と、その第1本体部2381の一端の反対側の他端に揺動可能に軸支されると共に長尺棒状に形成される第2本体部2382と、その第2本体部2382の延設方向に沿った長孔状に穿設されると共に解除ピン2352が連結される引きスライド孔2383と、を備える。なお、L字型レバー2380は、駆動ギア2341の正面側を揺動可能に形成されると共に駆動ギア2341が回転する際に押し出しピン2341bに当接可能に形成される。
【0374】
アーム部材320が張出位置から退避位置へ揺動される場合について説明する。アーム部材320は、解除孔325で連結される伝達装置2350が駆動ギア2341の回転により図43(c)の状態まで揺動されることで、アーム部材320が退避位置へ配置される。このとき、L字型レバー2380は、引きスライド孔2383を伝達装置2350の解除ピン2352に引かれ、伝達装置側へ傾斜される。
【0375】
図43(c)の状態から更に駆動ギア2341が正面視反時計回りに回転されると、伝達装置2350と駆動ギア2341との歯合が解除される(図44(a)参照)。次いで、アーム部材320が退避位置から張出位置へ向けて揺動される場合について説明する。
【0376】
アーム部材320が退避位置に配置された状態(図43(c)参照)では、伝達装置2350の規制摺動部351とアーム部材320の解除孔325とが死点を形成するので、伝達装置2350と駆動ギア2341との歯合が解除されてもアーム部材320は退避位置に維持される。
【0377】
図44(a)に示す状態から、駆動ギア2341が更に回転され、L字型レバー2380を外方(図44右方)へ押すと、L字型レバー2380の引きスライド孔2383に伝達装置2350の解除ピン2352が引っ張られ、伝達装置2350がわずかに正面視反時計回りに回転される。
【0378】
伝達装置2350がわずかに回転されることで、伝達装置2350の規制摺動部351とアーム部材320の解除孔325とが形成する死点が解除され、アーム部材320はねじりバネ360(図20参照)の付勢力により張出位置へ向けて揺動される(図44(b)参照)。
【0379】
駆動ギア2341が更に回転され、押し出しピン2341bが回転軸の右方に配置されるとL字型レバー2380が再度伝達装置2350の解除ピンを引っ張る。これにより、伝達装置2350の規制摺動部351とアーム部材320の解除孔325とが死点を形成し、アーム部材320を張出位置に維持することができる(図44(c)参照)。
【0380】
即ち、アーム部材320が退避位置から張出位置へ向けて揺動される場合に、駆動ギア2341とアーム部材320に連結される伝達装置2350との歯合を解除することができ、アーム部材320にかけられる抵抗を減少させることができる。よって、ねじりバネ360(図20参照)の付勢力でアーム部材320を始動させることにより、始動時からアーム部材320を高速で揺動させるという作用を顕著にすることができる。
【0381】
ここで、アーム部材320が張出位置から退避位置へ揺動される場合にのみ伝達装置2350と駆動ギア2341とが歯合される。そのため、伝達装置2350と駆動ギア2341との間で生じる抵抗の変化は、アーム部材320が張出位置から退避位置へ揺動される場合にのみアーム部材320の揺動に影響し、アーム部材320が退避位置から張出位置へ揺動される場合にはアーム部材320の揺動に影響しない。
【0382】
そのため、ねじりバネ360の弾性力を大きく設定することで、アーム部材320を張出位置から退避位置へ揺動させる時に大きな力が必要となることに伴い駆動装置2340の容量を大きく選定したとしても、アーム部材320が退避位置から張出位置へ揺動される際の始動時の高速さを確保する事ができる。
【0383】
図45(a)、図45(b)、図46(a)及び図46(b)は、アーム部材320が退避位置から張出位置へ揺動される動作を時系列で図示した第2実施形態における揺動動作ユニット2300の正面図である。なお、図45(a)では、アーム部材320が退避位置に配置された状態が図示され、図45(b)では、アーム部材320が退避位置から所定量揺動された状態が図示され、図46(a)では、図45(b)の状態からアーム部材320が所定量揺動された状態が図示され、図46(b)では、アーム部材320が張出位置に配置された状態が図示される。
【0384】
第1実施形態では、起立部材330が緩やかに起立される場合を説明したが、第2実施形態における揺動動作ユニット2300は、起立部材330が急激に起立される。
【0385】
図46(b)に示すように、ベース部材2310の起立孔2316は、折れ曲がる点の上部に形成される姿勢変化部2316aと、下端付近に形成される同心円部2316bと、を備える。
【0386】
姿勢変化部2316aは、長孔の延設方向が、アーム部材320の揺動軸である筒状部322へ向けられる部分である。姿勢変化部2316aを起立部材330の変化摺動部333が摺動される場合、アーム部材320の揺動角に対する起立部材330の姿勢変化の度合いが最大となる(図45(b)及び図46(a)参照)。これは、姿勢変化部2316aが、摺動リング部323(図17(b)参照)の移動軌跡が形成する円と垂直な関係にあるためである。
【0387】
同心円部2316bは、長孔の延設方向がアーム部材320の筒状部322を中心とした円に沿った方向へ向けられる部分である。同心円部2316bを起立部材330の変化摺動部333が摺動される場合、アーム部材320の摺動リング部323と起立部材330の変化摺動部333との相対的な位置関係が変化しないので、アーム部材320に対する起立部材330の姿勢が維持される。
【0388】
本実施形態では、同心円部2316bが起立孔2316の下端に形成されるため、アーム部材320が退避位置から図45(b)に図示される位置に配置されるまでの間、アーム部材320に対する起立部材330の相対的な姿勢は維持される。
【0389】
そして、姿勢変化部2316aは、起立孔2316の折れ曲がる点の上部(即ち同心円部2316bの上部付近)に形成されるので、図45(b)に図示される配置から図46(a)に図示される配置にアーム部材320が揺動されると、起立部材320が急激に起立される。
【0390】
これにより、起立部材320が遊技者に視認された後における姿勢変化を急激なものにすることができる。よって、遊技者が感じる揺動動作ユニット2300の動作の高速さをより向上させることができる。
【0391】
図47を参照して、第2実施形態における第1スライド動作ユニット2400について説明する。第1実施形態では、連結部材470が樹脂材料から形成される場合を説明したが、第2実施形態における第1スライド動作ユニット2400は、連結部材2470が弾性ゴム材料から形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0392】
図47(a)は、第2実施形態における第1スライド動作ユニット2400の正面図であり、図47(b)は、第1スライド動作ユニット2400の背面図である。なお、図47では、吊下部材430が張出位置に配置された状態が図示され、カバー部材420の図示が部分的に省略される。
【0393】
図47(a)に示すように、傾倒部材2460の第2カバー部材2466は、上側の端部に配設される質量部2466mを備える。
【0394】
質量部2466mは、吊下部材430が張出位置に配置された状態において傾倒部材2460の重心が吊下軸461aの鉛直上方に形成されるのに必要な質量を有する部分である。よって、傾倒部材2460の重心Gは、吊下軸461aの鉛直上方に形成される。
【0395】
傾倒部材2460の連結軸461bは、連結部材2470により補助部材450の吊下軸454と連結される。
【0396】
連結部材2470は、ゴム状弾性体から形成される長尺部材であり、傾倒部材2460の揺動により伸縮可能に形成される。
【0397】
ここで、吊下部材430が張出位置に配置された状態において、傾倒部材2460の重心Gは吊下軸461aの鉛直上方に形成されるので、傾倒部材2460は不安定に形成される。そのため、吊下部材430が張出位置に配置された状態において、駆動装置464(図23参照)が駆動され傾倒部材2460が伸縮動作を行うと、傾倒部材2460は吊下軸461aを中心に揺動される。
【0398】
この場合、傾倒部材2460の連結軸461bが連結部材2470を伸縮させるので、傾倒部材2460に対して弾性力を負荷する。これにより、傾倒部材2460の揺動方向とは逆向きの力が傾倒部材2460に負荷される。この場合、傾倒部材2460の揺れ戻りまでの時間が短縮され、傾倒部材2460の動作が高速化される。よって、駆動装置464(図23参照)が駆動された場合に生じる傾倒部材2460の揺動動作の速度を高速化することができ、傾倒部材2460の揺動(振動)による演出を効果的に行うことができる。
【0399】
図48を参照して、第2実施形態における第2スライド動作ユニット2700について説明する。第1実施形態では、一対の第1スライド部材720の一方が停止され、他方の第1スライド部材720に当接される場合を説明したが、第2実施形態における第2スライド動作ユニット2700は、他方の第1スライド部材2720の位置と速度とを検出し、その検出結果に応じて一方の第1スライド部材2720が逆走するように制御される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0400】
図48は、第1スライド部材2720が退避位置から張出位置へスライド移動される動作の一例を時系列で図示した第2実施形態における第2スライド動作ユニット2700の部分正面図である。なお、図48では、上側の正面側カバー部材730の図示が省略され、図48(a)では、一対の第1スライド部材2720が退避位置に配置された状態が図示され、図48(b)では、一対の第1スライド部材2720のうち右側の第1スライド部材2720が所定量スライド移動された状態が図示され、図48(c)では、図48(b)の状態から左側の第1スライド部材2720が所定量スライド移動された状態が図示される。
【0401】
図48(a)に示すように、第1スライド部材2720の本体部2721は、前後方向(図48紙面垂直方向)に穿設されると共に左右方向(図48左右方向)に延設される長孔状の検出孔2721cを備える。
【0402】
ベース部材2710は、正面側に配設される透過型の光センサであって第1スライド部材2720がスライド移動されることにより透過光が検出孔2721cを貫通可能な位置に配設される検出装置2716を備える。なお、検出装置2716はベース部材2710の左右方向略中央に配設される(図48(a)参照)。
【0403】
図48(b)に示すように、図48(a)の状態から、右側の第1スライド部材2720がスライド移動され、検出装置2716の透過光が検出孔2721cを貫通する位置に到達すると右側の第1スライド部材2720は停止するように制御される。
【0404】
図48(c)に示すように、左側の第1スライド部材2720がスライド移動され、検出装置2716の透過光が検出孔2721cを貫通する位置に到達すると、右側のスライド部材2720は左側のスライド部材2720と等速で当接可能な速度で逆送(右方向へスライド移動)するように制御される。
【0405】
即ち、左側の第1スライド部材2720がスライド移動する間は、その第1スライド部材2720のラック部721aに検出装置2716の透過光が遮光されるが、検出装置2716の透過光が検出孔2721cを貫通する位置に到達すると検出装置2716の透過光が検出され主制御装置に左側の第1スライド部材2720の位置情報が出力される。また、検出孔2721cは長孔状に形成されるので、検出装置2716の透過光が検出される長さを検出することで、主制御装置に左側の第1スライド部材2720の速度情報が出力される。
【0406】
これらの左側の第1スライド部材2720の位置情報と速度情報とにより、右側の第1スライド部材2720が左側の第1スライド部材2720と等速で当接されるために必要な逆送の加速度を算出し、その加速度で右側の第1スライド部材2720がするように制御される。
【0407】
これにより、一対の第1スライド部材2720の当接時の衝撃を和らげることができ、第1スライド部材2720の耐久性を向上させることができる。
【0408】
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
【0409】
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。
【0410】
上記各実施形態では、起立部材330の変化摺動部333が起立孔316,2316に摺動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、変化摺動部333に回転可能なローラが配設され、そのローラが起立孔316,2316を転動しても良い。これにより、起立部材330の姿勢変化時に発生する抵抗を抑制することができる。
【0411】
上記各実施形態では、アーム部材320の本体部321及びカラー部材とベース部材310との間で形成される隙間の寸法が、案内孔315の下端付近から上端付近へむけて徐々に小さくなる態様で形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、アーム部材320の本体部321及びカラー部材とベース部材310との間で形成される隙間の寸法を案内孔315の一部分で急激に変化させても良い。即ち、隙間の変化の程度を少なくとも2種類形成するようにしても良い。この場合、アーム部材320のスライド抵抗の変化の程度を変化させる(急激にしたり、緩くしたりする)ことができる。
【0412】
上記各実施形態では、アーム部材320の本体部321及びカラー部材とベース部材310との間で形成される隙間の寸法が、案内孔315の下端付近から上端付近へむけて徐々に小さくなる態様で形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、起立部材330の本体部331及びカラー部材とベース部材310との間で形成される隙間の寸法が、起立孔316の下端付近から上端付近へむけて徐々に小さくなる態様で形成されてもよい。この場合、アーム部材320が退避位置から張出位置へ向けて始動する際に起立部材330にかけられる抵抗を抑制し、アーム部材320が張出位置に配置された状態において起立部材330のぐらつきを抑制することができる。
【0413】
上記各実施形態では、アーム部材320の本体部321及びカラー部材とベース部材310との間で形成される隙間の寸法が変化される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、案内孔315の延設方向に直交する溝幅が、下端から上端へ向かうにつれて小さくされても良い。この場合に、案内孔315の延設方向に直交する径の縮小度合いを摺動部326の中心に対して左右違えて形成することもできる。
【0414】
即ち、案内孔315の右側面(図18(a)右側)は、アーム部材320の摺動部326の上側に形成される箇所であって、アーム部材320が退避位置から張出位置へ揺動される際に、アーム部材320が揺動軸との遊びによりベース部材310の面方向(面厚方向と垂直な方向)にわずかに移動する際に積極的に当接される箇所であるので、溝幅の縮小度合いを退避位置に近い段階から大きく縮小させることで、アーム部材320の張出方向への揺動を滑らかにすることができる。
【0415】
一方で、案内孔315の左側面(図18(a)左側)は、アーム部材320が張出位置から退避位置へ揺動される際およびアーム部材320が前倒れする際に当接される箇所であるので、溝の縮小度合いを案内孔315の上端付近に至るまでは緩やかにし、上端付近において急激に形成することで、アーム部材320が退避位置へ向けて揺動される際に受ける抵抗を抑制することができる。即ち、アーム部材320が張出位置から退避位置へ揺動される場合や、アーム部材320が前倒れする場合に、摺動部326が案内孔315の左側面に当接することを防止でき、アーム部材320が張出位置から退避位置へ揺動する際に生じる抵抗を抑制することができる。これにより、駆動装置340に必要な駆動力を低減し、駆動装置340の小型化をすることができる。
【0416】
なお、案内孔315の溝幅は変化させずに、揺動軸312から案内孔315までの径を案内孔315の部分によって変化させることでも同様の効果を得ることができる。例えば、案内孔315の下端付近において、上端付近に比較して揺動軸312からの径を大きくすることで、アーム部材320が退避位置から張出位置へ揺動される際の始動時から、摺動部326を案内孔315の上側面に当接させやすくすることができる。これにより、アーム部材320の揺動を滑らかにすることができる。
【0417】
また、案内孔315の上端付近において、下端付近に比較して揺動軸312からの径を大きくすることで、アーム部材320が張出位置に配置された状態において案内孔315の上側面からアーム部材320の摺動部326へ向けて下向きの力が作用する。これにより、アーム部材320が張出位置から退避位置へ揺動される始動時に必要な駆動力を低減することができる。
【0418】
上記各実施形態では、反転動作ユニット500の全ての反射部材520が同時に回転される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、反射部材520ごとに回転のタイミングをずらしたり、回転の速度をずらしたりしても良い。これにより、光源から照射され反射部材520に反射される光の反射方向を様々に設定でき、反転動作ユニットの正面側をきらびやかに演出することができる。
【0419】
上記各実施形態では、反転動作ユニット500の反射部材520の回転ギア523が伝達部材550の第1ラックギア553と噛み合うことで反射部材520が回転される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、伝達部材550が回転ベルトで形成され、回転ギア523がローラで形成されても良い。この場合は、反射部材520どうしが当接された状態で、回転ベルトが更に回転しても、回転ベルトとローラとの間で滑りが生じ反射部材520のそれ以上の回転が抑制される。よって、反射部材520の破損を防止することができる。
【0420】
上記各実施形態では、反転動作ユニット500の回転ギア523に膨張歯523aが形成され、伝達部材550の第1ラックギア553が間隔を空けて形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、膨張歯523aが伝達部材550に形成されると共に歯の間隔が回転ギア523に形成されても良い。
【0421】
上記各実施形態では、反転動作ユニット500の反射部材520が不透明な樹脂材料から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、反射部材520が透明な樹脂材料から形成されても良い。この場合、反射部材520が閉鎖状態か開放状態かに関わらず、光源から照射される光を遊技者が視認可能となるので、光源から照射される光による演出を長期間遊技者に視認させることができる。
【0422】
上記各実施形態では第2スライド動作ユニット700の一対の第1スライド部材720のうち、一方のスライド部材720が他方のスライド部材720に押されてスライド移動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、一対の第1スライド部材720のそれぞれが、それぞれ独立した駆動モータで常に駆動されるように形成しても良い。
【0423】
上記各実施形態では、一対の第2スライド部材740が本体部741どうしを直接当接させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、本体部741の互いに当接される面にゴムやコイルスプリングなどの弾性部材を配設しても良い。この場合、本体部741どうしが直接当接される場合に比較して衝撃を和らげることができるので、第2スライド部材740の耐久性を向上させることができる。
【0424】
上記各実施形態では、第2スライド動作ユニット700が、各スライド部材720,740が張り出した状態において、正面視で「ハート」の形状を視認可能に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、視認される形状は「ハート」に限られず、例えば「星」、「魚」や「車」などでもよい。また、各スライド部材720,740の張出の程度が違う場合に異なった形状を視認可能に形成しても良い。この場合には、第2スライド動作ユニット700の演出効果を向上させることができる。
【0425】
上記各実施形態では、一対の第2スライド部材740の内、一方の第2スライド部材740が他方の第2スライド部材740を押しこみ移動させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2スライド部材740の当接箇所に磁石を取り付けることで、引っ張り方向に移動させることができる。この場合、一方の第2スライド部材740をスライド移動させる駆動モータ773により一対のスライド部材740を往復移動させることができる。よって、例えば一方の駆動モータ773が他方の駆動モータ774に比較して新しい場合に、駆動モータ773のみを用いて第2スライド部材740を駆動させるなど状況に合わせて駆動させるモータを切り替えることができるので、一対の駆動モータ773,774の寿命の調整を行うことができる。
【0426】
上記各実施形態では、一対の第1スライド部材720の当接時に、台車受け部721bと台車部722の台車本体部722aとが当接される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、装飾部723の下端側、即ち装飾部723の長手方向両端のうち、駆動力が伝達される上端側の反対側である下端側で一対の第1スライド部材720が当接されても良い。この場合、一対の第1スライド部材720が当接される時の第1スライド部材720上端側における衝撃を和らげることができるので、駆動モータ771,772にかかる負担を低減することができる。
【0427】
上記各実施形態では、一対の第1スライド部材720の当接時に、台車受け部721bと台車部722の台車本体部722aとが当接される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、装飾部723の上端側および下端側の両方で一対の第1スライド部材720が当接されても良い。この場合には、一対の第1スライド部材720の当接面積を増加させることができるので、一対の第1スライド部材720の当接時に単位面積あたりにかかる荷重を低減することができる。
【0428】
更に、一対の第1スライド部材720の内の一方の動きが確実に他方に伝達されるので、一対の第1スライド部材720を当接させた状態でスライド移動させる際に一対のスライド部材720を一体として視認させる効果を顕著にすることができる。このとき、両側の当接点を正面側カバー部材730で隠すと、互いに離間する一対のスライド部材720が協調動作する態様で視認されるので、一対のスライド部材720の演出効果を向上させることができる。
【0429】
上記各実施形態では、台車部722の回転体群722bが同一径で形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転体群722bの径を、一方の第1スライド部材720では大きく形成し、他方の第1スライド部材720では小さく形成しても良い。この場合、径の小さい回転体群722bを径の大きい回転体群722bと第1スライド軸棒S1との間に挟み込むことができる。これにより、回転体群722b同士が当接されることで回転体群722bを制動させる効果を向上させることができる。
【0430】
上記第2実施形態では、検出孔2721cが第1スライド部材2720に一箇所穿設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、検出孔2721cが複数箇所(例えば、第1スライド部材2720の本体部2721の一方の端部、中央部及び他方の端部)に穿設されることで、第1スライド部材2720の停止する位置を複数箇所形成することができる。このとき、検出孔2721cの長手方向の長さをそれぞれ違えることで、検出装置2716の検出期間により第1スライド部材2720の位置を複数箇所で検出することができる。
【0431】
上記第2実施形態では、検出孔2721cが長孔状に穿設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、検出孔2721cが円状に穿設されても良い。この場合には、検出孔2721cの加工コストを抑制することができる。なお、検出孔2721cが円状の場合でも、第1スライド部材2720のスライド方向に沿って検出孔2721cが複数個連続で穿設されることで、第1スライド部材2720の移動中に検出装置2716の透過光を遮る時間間隔により第1スライド部材2720の移動速度を判断することができる。また、第1スライド部材2720の長手方向の位置(例えば両端と中央部)ごとに円状の検出孔2721cの穿設個数を違えることで、第1スライド部材2720の移動中に検出装置2716の透過光を遮る回数により第1スライド部材2720の位置を検出することができる。
【0432】
上記第2実施形態では、一方のスライド部材2720が張出位置に停止された後、検出装置2716と検出孔2721cとの位置関係により他方の第1スライド部材2720の位置および速度を検出する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、他方の第1スライド部材2720の位置または速度だけを検出する場合には、少なくとも一方の第1スライド部材2720を逆走させることで一対の第1スライド部材720の相対速度差を抑制することができ、当接時の衝撃を抑制することができる。
【0433】
上記第2実施形態では、一の検出装置2716で一対の第2スライド部材740の位置と速度とを検出する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、一対の検出装置2716が一対の第2スライド部材740にそれぞれ対応して配設されても良い。この場合には、一方の第2スライド部材740の配置によらず他方の第2スライド部材740の位置や速度を検出することができる。
【0434】
上記第2実施形態では、検出装置2716がベース部材2710に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、検出装置2716が一対の第2スライド部材740の内の少なくとも一方に配設されても良い。この場合には、一対の第2スライド部材740の相対速度を検出することができる。
【0435】
<第1制御処理例について>
次に、図52?図96を参照して、本パチンコ機10の制御処理における第1制御処理例について説明する。
【0436】
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入賞口64または第2入賞口640へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において第1特別図柄または第2特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。なお、第3図柄は、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示に対して、共通して変動表示が行われる。また、第2特別図柄は、第1特別図柄よりも優先して、変動表示されるように構成されており、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動表示することがないように構成されている。
【0437】
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とは、同時に変動表示されない構成としたが、それに限らず、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に変動表示をさせることが可能な構成としてもよい。このように構成することで、同じ時間で、より多くの抽選遊技を実行させることができ、遊技の効率を向上させることができる。
【0438】
第3図柄表示装置81は、8インチサイズの液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。なお、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。第3図柄は、「0」から「9」の数字よりなる10種類の主図柄により構成されている。
【0439】
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
【0440】
第3図柄表示装置81の表示領域には、主図柄が3つの図柄列が表示される。各図柄列には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。図柄列は、表示領域の左側に表示される左図柄列、左図柄列の右隣に表示される中図柄列、中図柄列の右隣に表示される右図柄列で表示される。
【0441】
また、各図柄列毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この第3図柄の中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列→右図柄列→中図柄列の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
【0442】
一方、第3図柄表示装置81の表示領域の下方には、第1入賞口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数が保留球1つに対して「黒丸」の識別図柄(保留図柄)が一つ表示されて遊技者に報知される。遊技者は、この保留図柄の個数により現在の保留球数を判別することができる。
【0443】
第3図柄表示装置81の表示領域には、第3図柄や保留図柄以外にも、第3図柄の変動表示(動的表示)中に表示される予告表示態様として、キャラクタ図柄や文字等が表示される。また、所定期間遊技が行われない場合には、パチンコ機10の機種名やリーチ表示態様のダイジェスト等の待ち受け表示画像が表示される。
【0444】
第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入賞口64または第2入賞口640へ入球した場合、その入球回数はそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81にも保留図柄が表示される。
【0445】
なお、本実施形態においては、第1入賞口64と第2入賞口640とへの入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
【0446】
<第1制御例におけるパチンコ機10の電気的構成について>
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
【0447】
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
【0448】
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図52を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
【0449】
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
【0450】
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図63参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図72参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1?第4エリア)とからなる第1入賞口64への入賞に対応する特別図柄1保留球格納エリア203aと第2入賞口640への入賞に対応する特別図柄2保留球格納エリア203bとがそれぞれ設けられており、これらの各エリアには、第1入賞口64または第2入賞口640への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1?第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203cが設けられており、これらの各エリアには、球が左右何れかの普通始動口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
【0451】
図52を参照して、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0?299)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0?299の値を取り得るカウンタの場合は299)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
【0452】
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0?299の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0?299の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図63参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図72参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
【0453】
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入賞口64または第2入賞口640に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル(図示せず)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブルによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブルは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。尚、特別図柄の高確率時用の第1当たり乱数テーブル(図示せず)と、特別図柄の低確率時用の第1当たり乱数テーブル(図示せず)とは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
【0454】
ここで、第1当たり乱数テーブル202aについて説明する。第1当たり乱数テーブル202aは、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選において、各遊技状態で当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。具体的には、遊技状態が高確率遊技状態である場合には、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選において、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0?9」のいずれであるか判別されて、「0?9」のいずれかであれば、大当たりであると判別される。また、遊技状態が通常遊技状態である場合には、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「9」であるか判別されて、「9」であれば大当たりであると判別される。
【0455】
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0?99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0?99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入賞口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aに格納される。
【0456】
ここで、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
【0457】
一方で、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄1保留球格納エリア203aに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
【0458】
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0?299の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、第1特別図柄、第2特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は1個あり、その乱数値である「9」は、前述したように低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/300」となる。
【0459】
一方で、特別図柄の高確率時に、第1特別図柄または第2特別図柄の大当たりとなる乱数値は10個あり、その値である「0?9」は、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が10なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/30」となる。
【0460】
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0?99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、この第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0?49」のいずれかであった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となる。また、乱数値が「50?99」のいずれかであった場合の大当たり種別は、「大当たりB」となる。なお、本実施形態では、大当たりの種類は2種類としたが、それに限らず、1種類でもよいし、2種類以上設けるように構成してもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とで、同じ第1当たり種別カウンタC2の値であっても、異なる大当たり種別が選択されるように構成してもよい。このように構成することで、例えば、第2特別図柄で大当たりした場合に、よりラウンド数が多く実行される大当たり種別を設定しておくことで、第2特別図柄での当たりをより遊技者に期待させることができる。よって、高確率遊技状態での当たりをより遊技者に有利にすることができ、高確率状態中における遊技の趣向性を向上させることができる。従って、高確率状態へ移行させたいと遊技者に強く思わせることができ、より長く遊技を行わせることができる。
【0461】
変動種別カウンタCS1は、例えば0?198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆる短時間はずれ、長時間はずれ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図72参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターンテーブル(図55(a)参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
【0462】
変動パターン選択テーブル202bには、例えば、外れ用の変動パターンとして、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種が規定され、大当たりAの変動パターンとして、「ノーマルリーチ」各種、「スーパーリーチ」各種が規定されている。そして、変動パターンテーブルに規定された各種変動パターンから、予測された抽選結果や、予測された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に応じて変動パターンが選定される。なお、図示は省略したが、音声ランプ制御装置113にも変動パターン選択テーブル222aが設定されており、主制御装置110が出力する変動パターンコマンドが示す変動パターンの種別に対応して更に詳細な変動パターン内容が変動パターン選択テーブル222aより選択される。
【0463】
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0?239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図63参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの普通始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cに格納される。
【0464】
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202c(図53(a)参照)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202cによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄(第2図柄)の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブル202cは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
【0465】
図53(a)は、上述した第2当たり乱数テーブル202cの内容を模式的に示した模式図である。この第2当たり乱数テーブル202cでは、普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は24個あり、その範囲は「5?28」となっている。これら乱数値は、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202Cに格納されている。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が24なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
【0466】
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球が普通始動口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5?28」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入賞口640が「0.2秒間×1回」だけ開放される。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第2入賞口640が「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
【0467】
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5?204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202Cに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
【0468】
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球が普通始動口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5?204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入賞口640が「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第2入賞口640の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入賞口64へ球が入球し易い状態となる。尚、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、普通図柄の当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第2入賞口640が「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
【0469】
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0?239)、タイマ割込処理(図63参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図72参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
【0470】
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
【0471】
図52に戻り、説明を続ける。RAM203は、図52に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
【0472】
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
【0473】
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図72参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図71参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図15参照)が即座に実行される。
【0474】
また、RAM203は、図53(c)に示すように、特別図柄1保留球格納エリア203a、特別図柄2保留球格納エリア203b、普通図柄保留球格納エリア203c、特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203f、確変フラグ203g、確変設定フラグ203h、確変通過カウンタ203i、入賞個数カウンタ203j、動作カウンタ203k、報知カウンタ203m、残球タイマフラグ203n、残球タイマ203o、確変有効フラグ203p、確変有効タイマ203r、排出個数カウンタ203s、時短中カウンタ203t、その他メモリエリア203zを有している。
【0475】
特別図柄1保留球格納エリア203aは、図52に示すように1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア?保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1入賞口64に入賞したことに基づいて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2の各値がそれぞれ格納される。
【0476】
より具体的には、球が第1入賞口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1?C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア?保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1?第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
【0477】
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄1保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1?C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1?C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
【0478】
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア?保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア?保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄1保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア?第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
【0479】
特別図柄2保留球格納エリア203bは、特別図柄1保留球格納エリア203aに対して、第2入賞口640への入賞に対して取得されたカウンタ値がそれぞれ記憶される点で異なるのみで、その他の構成については、同一であるので、詳細な説明については省略する。
【0480】
普通図柄保留球格納エリア203cは、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア?保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
【0481】
より具体的には、球が左右何れかの普通始動口67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア?保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1?第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄1保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
【0482】
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
【0483】
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄1保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
【0484】
特別図柄1保留球数カウンタ203dは、第1入賞口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる第1特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄1保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、第1入賞口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図66のS404参照)。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図64のS210参照)。
【0485】
この特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、特別図柄1保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図64のS211、図66のS405参照)。特別図柄1保留球数コマンドは、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
【0486】
音声ランプ制御装置113は、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110より送信される特別図柄1保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
【0487】
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の保留球数図柄(保留図柄)を表示する。
【0488】
特別図柄2保留球数カウンタ203eは、特別図柄1保留球数カウンタ203dに対して、第2入賞口640に入賞して、保留された保留球の数が格納される点で相違する点で異なるので、その詳細な説明については省略する。なお、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値が変更されると、特別図柄2保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に対して通知される。
【0489】
普通図柄保留球数カウンタ203fは、普通始動口67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、球が普通始動口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図69のS704参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図68のS605参照)。
【0490】
球が左右何れかの普通始動口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203cに記憶される(図69のS705)。一方、球が左右いずれかの普通始動口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203cには新たに何も記憶されない(図69のS703:No)。
【0491】
確変フラグ203gは、現在の遊技状態が確変遊技状態(確変遊技状態)であるか否かを示すフラグである。確変フラグ203gがオンに設定されていると、遊技状態が確変遊技状態であることを示し、オフであると低確率遊技状態(時短遊技状態含む)であることを示している。本実施形態では、大当たり遊技終了時に後述する確変設定フラグ203hがオンに設定されている場合に確変フラグ203gがオンに設定される(図75のS1213参照)。一方、大当たり遊技が開始される場合にオフに設定される。なお、初期化された状態では、オフに設定され、通常の電源断が発生した場合には、電源断直前の状態がバックアップされるように構成されている。
【0492】
確変設定フラグ203hは、大当たり遊技後に遊技状態を確変遊技状態に移行させるか否かを示すフラグである。本パチンコ機10では、遊技状態が確変遊技状態に設定されるか否かは、大当たり遊技中に確変スイッチ65e3(図51(a)参照)に遊技球が通過したか否かにより決定される。ここで、この確変スイッチ65e3に遊技球が通過すると確変設定フラグ203hがオンに設定される(図77のS1242)。一方、この確変設定フラグ203hは、確変フラグ203gがオンに設定される(図75のS1213)のに基づいて、オフに設定される。なお、この確変設定フラグ203hは、電源断時にはバックアップされ、復帰時(電源投入時)には電源断直前の状態に設定される。また、初期化された状態ではオフに設定される。
【0493】
なお、電源投入時に確変設定フラグ203hがオンに設定されている場合には、確変スイッチ65e3に電源断前に通過したかを判別して、通過していると判別できた場合に、確変設定フラグ203hを正式にオンに設定して復帰するように構成してもよい。この場合、電源断前に確変スイッチ65e3を通過しているかの判別は、後述する確変通過カウンタ203iが0より大きい値であるかにより判別できる。このように構成することで、電源断されている状態で、確変設定フラグ203hのみをオンに書き換えて電源を再投入されるような不正を判別して、遊技店側の被害を低減することができる。
【0494】
確変通過カウンタ203iは、大当たり遊技中の1つのラウンド(本実施形態では、大当たりAでの13ラウンド)で確変スイッチ65e3を通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。なお、この確変通過カウンタ203iと後述する排出個数カウンタ203sとの合計により第1可変入賞装置65に入賞した遊技球が全て排出されたかを判別することができる。この確変通過カウンタ203iは、確変スイッチ65e3を通過した場合に1ずつ加算されて更新される(図77のS1241)。また、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球の数と排出個数が一致するかの処理を実行した後に、初期値である「0」にリセットされる(図78のS1271)。なお、この確変通過カウンタ203iは、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
【0495】
入賞個数カウンタ203jは、大当たり遊技における1つのラウンドで第1可変入賞装置65の特定入賞口65aに入賞した遊技球の数(即ち、第1可変入賞装置65に入球した遊技球の数)をカウントするためのカウンタである。具体的には、第1可変入賞装置65に設けられた検出口65a1(図49参照)を遊技球が通過したと検出されることに基づいて、1ずつ加算されて更新される(図77のS1233)。一方、1つのラウンドが終了した場合に、第1可変入賞装置65に入賞した個数(入賞個数カウンタ203jの値)と排出された個数(排出個数カウンタ203sと確変通過カウンタ203iとの合計値)とが一致しているか判別(図78のS1267)された後に、初期値である「0」にリセットされる。なお、この入賞個数カウンタ203jの値は、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
【0496】
動作カウンタ203kは、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kがオン(励磁)に設定される時間を計時(カウント)するためのカウンタである。本パチンコ機10では、大当たりAでは、13ラウンドの開始に基づいて流路ソレノイド65kが5秒間オンに設定され、大当たりBでは13ラウンドの開始に基づいて流路ソレノイド65kが0.5秒間オンに設定される。動作カウンタ203kには、大当たりAでは、13ラウンドの開始データとして5秒に対応するカウンタ値が設定され、大当たりBでは0.5秒に対応するカウンタ値が設定される(図74のS1202)。一方、主制御装置110のMPU2011の実行する入賞処理(図77、S1112)のS1239の処理において1ずつ減算されて更新される。また、この動作カウンタ203kの値が0と判別されること(図77のS1243:Yes)に基づいて、流路ソレノイド65kがオフに設定される。なお、この動作カウンタ203kは、電源断時にはバックアップされ、初期化された状態では、初期値である0が設定される。このように、動作カウンタ203kを設定して流路ソレノイド65kを制御することで、確変スイッチ65e3への入賞を大当たり種別により制御できる。
【0497】
報知カウンタ203mは、遊技者の注意を惹きつけるための報知演出(本実施形態では、「液晶を見て」という音声)を出力するタイミングを判別するためのカウンタである。本実施形態では12ラウンド目の終了タイミング(第1可変入賞装置65に10球入賞か30秒が経過)に1秒間に対応する報知カウンタ203mが設定される。この報知カウンタ203mは、主制御装置110の報知処理(図76、S1111)のS1224の処理により1ずつ減算されて更新される。報知カウンタ203mが0となることに基づいて、音声ランプ制御装置113に対して出力される報知コマンドが設定される。音声ランプ制御装置113では、このコマンドを受信すると上記した音声を出力する為の処理が実行される。
【0498】
このように構成することで、流路ソレノイド65kが動作される13ラウンド目の開始前に「液晶を見て」という音声が出力されるので、遊技者は、液晶に相当する第3図柄表示装置81を注視する。ここで、詳細については後述するが、大当たり遊技の12ラウンド目は、第3図柄表示装置81では、図60(b)に示すように、女の子のキャラクタが表示されて、第3図柄表示装置81を遊技者に見るように促す報知である「注目」の文字が表示されている。13ラウンド目には、流路ソレノイド65kが作動するので、その作動を遊技者に注視されると、実行されている大当たり種別を流路ソレノイド65kの動作期間により判別されてしまう。遊技者には大当たり遊技の終了まで確変遊技状態が付与されることへの期待を持ち続けさせるために、切替部材65h(図51(a)参照)の動きを遊技者が見え難くするような報知演出が実行されている。しかしながら、12ラウンド目が終了した場合に、インターバル表示中に切替部材65hを遊技者が見てしまう虞があるので、そのインターバル期間中に、音声により第3図柄表示装置81を注視するように報知する報知演出が実行される。これにより、インターバル演出が実行された後に、表示される表示内容に遊技者の注意を惹きつけることができ、切替部材65hの動作から遊技者の注意をそらすことができる。
【0499】
なお、本実施形態では、第3図柄表示装置81を見せるように報知することで、切替部材65hから遊技者の注意をそらすように構成したが、それに限らず、13ラウンド開始前に、第1可変入賞装置65に遊技者の手をかざすように報知することで、切替部材65hの動きを遊技者の手によって隠れるように報知してもよい。また、第3図柄表示装置81に限らず、装飾ランプ34等を遊技者に見るように報知することで、遊技者の注意をそらすように構成してもよい。さらに、12ラウンド中に、3次元コード等を表示させて、携帯電話で読み取るように促す報知をすることで、遊技者の注意をそらすように構成してもよい。本実施形態では、注意をそらす演出は、切替部材65hの動作が終了するまでの最長時間(13ラウンド開始から5秒間)が設定される。これにより、報知時間により大当たりAであるか大当たりBであるかが判別される不具合を抑制できる。
【0500】
残球タイマフラグ203nは、1のラウンドで第1可変入賞装置65の開閉扉65f1が閉鎖したことを示すフラグである。この残球タイマフラグ203nがオンに設定されていると、1のラウンドで第1可変入賞装置65の開閉扉65f1が開放状態から閉鎖状態に設定されたことを示している。この残球タイマフラグ203nがオンに設定されることで、後述する残球タイマ203oが1ずつ加算されて更新される(図78のS1264参照)。残球タイマ203oは、開閉扉65f1が閉鎖されてからの時間を判別するためのカウンタであり、第1可変入賞装置65内の遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。
【0501】
残球タイマ203oは、予め設定されている1のラウンドが終了して第1可変入賞装置65の開閉扉65f1が閉鎖した場合に、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。本実施形態では、第1可変入賞装置81に入賞した遊技球が排出されるまでに必要な時間は2秒であり、本実施形態では、予め3秒に対応するカウンタ値が残球タイマ203oの上限値として設定されている。この残球タイマ203oの上限値(本実施形態では、3秒)となったことに基づいて、第1可変入賞装置65への入賞個数とその排出個数とが一致しているかの判別が実行される(図78のS1267)。一致しない場合には、エラーコマンドが設定されて、その旨が報知される。よって、第1可変入賞装置65内に遊技球が球詰まりしていることを早期に知らせることができる。よって、不正に第1可変入賞装置65内に遊技球を残存させておき、13ラウンドの開始タイミングで衝撃等を与えて、実際よりも早く切替部材65hまで遊技球を到達させて、大当たりBであっても確変スイッチ65e3に遊技球を通過させる不正を抑制できる。
【0502】
なお、入賞個数と排出個数が一致しない場合には、専用のフラグをオンに設定しておき、そのフラグがオンである場合には確変スイッチ65e3を遊技球が通過しても確変設定フラグ203hをオンに設定しない構成にしてもよい。このように構成することで、不正に確変遊技状態が付与されることを抑制できる。
【0503】
確変有効フラグ203pは、流路ソレノイド65kがオフに設定された後に、遊技球が確変スイッチ65e3に通過した場合に、その通過を有効とするか否かを判別するためのフラグである。この確変有効フラグ203pがオンに設定されている場合には、流路ソレノイド65kがオンであることに基づいて、特別排出口65e2(図51(a)参照)に流入した遊技球が確変スイッチ65e3を通過するのに必要な時間以下であることを示している。即ち、確変有効フラグ203pがオンである期間は、確変スイッチ65e3に遊技球が通過することが正常な期間であることを示している。
【0504】
確変有効タイマ203rは、上述した確変有効フラグ203pがオンに設定されてからの時間をカウントする為のカウンタである。この確変有効タイマ203rにより流路ソレノイド65kがオフとなった後に、確変スイッチ65e3を正常に通過するのに必要な期間を判別(計測)することができる。本実施形態では、特別排出口65e2に入球した遊技球が確変スイッチ65e3を通過するのに要する時間は1秒である。確変有効タイマ203rの上限値は1.2秒に対応するカウンタ値に設定されており、それ以後に確変スイッチ65e3を通過しても不正と判別して通過と判別しない。
【0505】
これにより、切替部材65hが特別排出口65e2に誘導しない状態で、不正に特別排出口65e2に入球させて確変スイッチ65e3に遊技球を通過させたり、確変スイッチ65e3の下方よりピアノ線等で遊技球を押し上げて通過させたり、電波等により磁気センサを通過と誤検出させたりする不正による被害を抑制できる。
【0506】
排出個数カウンタ203sは、1のラウンドで排出確認スイッチ65e4(図51(a)参照)を通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。この排出個数カウンタ203sは、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球の数と排出個数とが判別された後に初期値である0にリセットされる(図78のS1271)。
【0507】
時短中カウンタ203tは、時短遊技状態における残りの特別図柄の変動回数をカウントするためのカウンタである。この時短中カウンタ203tは、大当たり遊技終了時に確変設定フラグがオフである場合に、100が設定される。即ち、本実施形態では、大当たり遊技後に確変遊技状態に設定されない場合には、100回の時短遊技状態に移行する。
【0508】
その他メモリエリア203zは、遊技に必要なその他のデータや、カウンタ、フラグ等が設定(記憶)される。
【0509】
図4に戻って説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
【0510】
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
【0511】
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
【0512】
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図70参照)が即座に実行される。
【0513】
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
【0514】
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
【0515】
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29?33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
【0516】
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
【0517】
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
【0518】
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
【0519】
音声ランプ制御装置113のROM222には、図54(a)に示すように、変動パターン選択テーブル222a、長押し演出抽選テーブル222b、その他、遊技の制御に必要な各種データやプログラム等が記憶されている。
【0520】
変動パターン選択テーブル222aは、図示しない変動パターン選択用のカウンタ値に各変動パターンの種別(ど外れ、リーチ外れ、リーチ各種等)の変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した選択用のカウンタ値に基づいて、詳細な変動パターンを選択する。これにより、変動時間や変動パターンの種別等の大まかな情報は厳守しつつ、音声ランプ制御装置113が多種多様の変動態様を選択することができる。よって、同じ変動表示態様等が頻繁に表示されることが防止でき、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
【0521】
長押し演出抽選テーブル222bは、後述する変動パターンの一つとして、枠ボタン22を押下することにより表示態様が可変する表示態様が表示されるSW変動パターンが選択された場合に、その枠ボタン22の操作タイミング等を報知する報知態様を選択するための選択テーブルである。図55(b)は、この長押し演出抽選テーブル222bの内容を模式的に示した模式図である。この長押し演出抽選テーブル222bには、枠ボタン22を連続して一定期間以上押下させる長押し操作に関わる操作方法の報知態様種別が長押しナビ種別として設定されている。長押しナビ種別としては、長押しナビA、長押しナビB、長押しナビCの3種類が設定されている。
【0522】
ここで、図61から図62を参照して、各長押しナビ種別について説明する。図61(a)から(b)は、長押しナビBの表示態様の一例を示した図である。SW変動パターンが選択されて、長押し演出Bが選択されると、図61(a)に示すように「長押しで大当たりをGETしろ!!」という文字が表示されて、遊技者に長押しを実行することで、大当たりが付与されることを期待させる報知態様が報知される。
【0523】
その後、図61(a)に示すように、第3図柄表示装置81に「期間メーター内で長押し開始タイミングを予測しろ!!」という文字が表示され、その下方に時間と共に色が左側より右側方向に順に可変するインジケータが表示される。遊技者は、この報知により、正しい長押し開始期間を予測してインジケータの色が全て可変するまでの任意のタイミングで枠ボタン22の押下を開始する。枠ボタン22の押下が開始されると、図61(b)に示すように、長押しを解除するタイミング(枠ボタン22の押下を解除するタイミング)が報知される。具体的には、図61(b)に示すように、「カウント0で離せ!!」という文字が表示されて、その下方に左側より右側に順に色が可変するインジケータが表示される。そのインジケータの右端上部には、「3・2・1・0・離せ!!」という文字が表示されて、「0」の文字の真下までインジケータの色が可変したタイミングで枠ボタン22の押下を解除することをナビゲーションしている。なお、ここでは、文字でカウントダウンが表示されて、「離せ!!」の文字が表示されたタイミングで枠ボタン22の解除をさせるように構成してもよい。
【0524】
このように、長押しナビBの報知態様では、長押し開始のタイミングは遊技者に予測させるようにして、長押し解除のタイミングを明確に報知するようにすることで、中難度のナビゲーションで構成している。
【0525】
長押し開始のタイミングが予めSW変動パターンで設定されている開始タイミングと一致した場合に、当否判定結果が大当たりであると遊技者に大当たりであることの報知が実行される。これにより、遊技者は早期に大当たりであることを知ることができる。
【0526】
図62(a)は、長押しナビAが選択された場合に、第3図柄表示装置81で表示される表示態様を示した図である。長押しナビAの報知態様では、第3図柄表示装置81に「長押しタイミングで大当たりをGETしろ!!」の文字が表示されて長押しのタイミングにより大当たりが付与されることを遊技者に期待させる報知態様が表示される。その後、図62(a)に示すように、インジケータが表示されて、そのインジケータの色が可変する間の任意の期間で長押しをした後に、遊技者の任意の期間、予め設定されている長押し期間を当てるように促す「長押し期間を当てろ!!」の文字が表示される。
【0527】
このように、長押しナビAでは、長押しの開始タイミングと長押しの解除タイミングとの両方を遊技者が予測せねばならない報知態様となっており、最も難易度の高いナビゲーション報知態様で構成されている。
【0528】
図62(b)は長押しナビCが選択された場合に、第3図柄表示装置81で表示される表示態様を示した図である。長押しナビCが選択されると、図62(b)に示すように、「指定の長押し期間で大当たりをGETしろ!!」という文字が表示され、長押しを指定通りのタイミングと期間で実行するように遊技者に促す報知が実行される。その後、図62(b)に示すように、インジケータが表示されて、そのインジケータの下側に「開始」「終了」の文字が表示されて、インジケータの色が開始まで可変したタイミングで長押しを開始して、「終了」のタイミングで長押しを解除することが報知される。
【0529】
このように、長押しナビCは、長押しナビ種別の中で最も難易度の低いナビゲーション内容となっており、後述するが当否判定結果が大当たりである場合にのみ、選択される報知態様となっている。
【0530】
図55(b)に示すように、長押し演出抽選テーブル222bでは、当否判定結果別に、それぞれの長押しナビ種別に対して後述する演出カウンタ223fの値(0?198の範囲)が設定されている。当否判定結果が当たりである場合には、外れである場合よりも難易度の低い長押しナビ種別が選択され易いように設定されている。これにより、表示される長押しナビ種別により大当たりへの期待感を変えるように構成できる。また、遊技者の操作方法によって大当たりが付与されるか否かが変化するように感じさせることができ、遊技者に新鮮味のある遊技を提供できる。
【0531】
なお、長押しの操作が所定期間経過しても実行されない場合には、長押し演出を途中で終了して、予め定められた主図柄の変動演出に切り替えるように構成してもよい。このように構成することで、枠ボタン22を操作しない遊技者にも遊技を楽しませることができる。
【0532】
図54(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明する。図54(b)に示すように、音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223a、特別図柄1保留球数カウンタ223bと、特別図柄2保留球数カウンタ223c、変動開始フラグ223d、停止種別選択フラグ223e、演出カウンタ223f、長押しフラグ223g、長押しカウンタ223h、SW有効時間記憶エリア223i、その他メモリエリア223zとが少なくとも設けられている。
【0533】
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア?第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。この入賞情報格納エリア223aに格納される情報により、保留球の抽選結果等が変動開始前に音声ランプ制御装置113により判別できる。
【0534】
特別図柄1保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。即ち、第1特別図柄に対応する保留球の数が、主制御装置110より出力される保留球数コマンドに基づいて設定される。
【0535】
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄1保留球数カウンタ223bにて、その第1特別図柄の保留球数を管理するようになっている。
【0536】
具体的には、主制御装置110では、第1入賞口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
【0537】
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を取得して、特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する(図25のS1408参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dと同期させながら、その値を更新することができる。
【0538】
特別図柄1保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
【0539】
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄1保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
【0540】
特別図柄2保留球数カウンタ223cは、特別図柄1保留球数カウンタ223bに対して、第2特別図柄に対応する保留球の数が主制御装置110から出力される保留球数コマンドに基づいて記憶される点で異なるのみであるので、その詳細な説明については省略する。
【0541】
変動開始フラグ223dは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図81のS1602参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図82のS1702参照)。変動開始フラグ223dがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
【0542】
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図80参照)のコマンド出力処理(S1502)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
【0543】
停止種別選択フラグ223eは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図81のS1605参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図82のS1706参照)。停止種別選択フラグ223eがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別がそのまま設定される。
【0544】
演出カウンタ223fは、予告演出や、各種抽選に使用されるカウンタである。0?198の範囲で繰り返し更新される。図示は省略したが、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図80参照)が実行される毎に1ずつ更新される。
【0545】
長押しフラグ223gは、枠ボタン22が3秒以上押下されて長押しされていることを示すフラグである。枠ボタン22が連続して押下されている時間を後述する長押しカウンタ223hによりカウントして、そのカウント値が3秒を示すカウント値以上である場合にこの長押しフラグ223gがオンに設定される。
【0546】
長押しカウンタ223hは、枠ボタン22が連続して押下されている時間をカウントするためのカウンタである。本実施形態では、枠ボタン22を連続して3秒以上押下し続けると長押しとして、通常の短時間で枠ボタン22を押下した状態とは異なる操作が実行されたと判別する(図83のS1810)ように構成されている。この長押しカウンタ223hにより長押しが実行されているか否かを判別することができる。
【0547】
SW有効時間記憶エリア223iは、枠ボタン22が有効として判別される期間が記憶される記憶される記憶エリアである。本実施形態では、音声ランプ制御装置113のMPU221が選択した変動パターンが上述したSW変動パターンであった場合に、その変動パターンで設定されている枠ボタン22がオフであると判別された場合枠ボタン22の有効とされる(図83のS1807:No)にオフに設定されている期間(時間)がSW有効時間としてSW有効時間記憶エリア23iに設定される。SW有効時間記憶エリア223iにSW有効時間が設定されると、SW有効時間の経過に基づいて1ずつ減算されて更新される(図83のS1806参照)。
【0548】
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図81参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
【0549】
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、詳細について後述する。
【0550】
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110?114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110?114等に対して必要な電圧を供給する。
【0551】
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図70参照)を正常に実行し完了することができる。
【0552】
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
【0553】
<第1制御例における表示制御装置の電気的構成について>
次に、図56?図59を参照して、本第1制御例における表示制御装置114の電気的構成について説明する。図56は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
【0554】
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
【0555】
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
【0556】
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
【0557】
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
【0558】
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
【0559】
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
【0560】
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
【0561】
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
【0562】
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
【0563】
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
【0564】
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有している。
【0565】
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
【0566】
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
【0567】
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
【0568】
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
【0569】
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
【0570】
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
【0571】
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
【0572】
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
【0573】
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
【0574】
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
【0575】
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
【0576】
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
【0577】
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
【0578】
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
【0579】
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
【0580】
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
【0581】
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
【0582】
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
【0583】
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
【0584】
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
【0585】
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
【0586】
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図84のS2001参照)の終了後に実行される初期化処理(図84のS2002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
【0587】
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
【0588】
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
【0589】
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
【0590】
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図59参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
【0591】
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図86(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
【0592】
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
【0593】
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
【0594】
尚、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
【0595】
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
【0596】
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
【0597】
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
【0598】
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
【0599】
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
【0600】
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
【0601】
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
【0602】
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
【0603】
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
【0604】
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
【0605】
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
【0606】
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入賞口64への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
【0607】
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図84のS2003,S2004参照)。
【0608】
電源投入時変動画像について説明する。表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる(第3図柄表示装置81に「○」と「×」の表示)。
【0609】
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は、画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
【0610】
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
【0611】
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
【0612】
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入口球64に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
【0613】
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入口球64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
【0614】
図56に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入賞口64への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
【0615】
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
【0616】
エラーメッセージ画象エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
【0617】
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画象エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
【0618】
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
【0619】
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、各サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
【0620】
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
【0621】
尚、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
【0622】
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
【0623】
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
【0624】
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
【0625】
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
【0626】
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
【0627】
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233j、描画対象バッファフラグ233kを少なくとも有している。
【0628】
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
【0629】
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
【0630】
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア434に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
【0631】
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
【0632】
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。尚、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
【0633】
エンディング演出において普通図柄の時短期間を報知することによって、遊技者は、普通図柄の時短期間を容易に認識することができる。この普通図柄の時短期間が長ければ長い程、球が第2入球口67を通過する機会が多くなるので、普通図柄の抽選が行われる機会が多くなり、普通図柄の当たりになる機会も多くなる。よって、普通図柄の大当たりとなって電動役物が開放される機会も多くなるので、球が第2入賞口640へ入球し易くなり、特別図柄の抽選が行われ易くなる。従って、表示される普通図柄の時短期間が長いほど、特別図柄の大当たりになるという期待感を強く、遊技者に対して持たせることができるので、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。故に、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
【0634】
また、第1入賞口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口であるので、普通図柄の大当たりとなって電動役物が開放され、球が第2入賞口640へ入り易くなると賞球が多くなる。これにより、パチンコ機10は、遊技を行っても、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態になるので、遊技者は、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態で特別図柄の大当たりを得られるという期間感を得ることができる。従って、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
【0635】
また、エンディング演出において、保留されている特別図柄の抽選のうち何れかの抽選結果が特別図柄の大当たりになることを報知することによって、遊技者は、保留されている特別図柄の抽選において特別図柄の大当たりになることを認識できるので、確実に特別図柄の大当たりになるという期待感を、遊技者に対して持たせることができる。よって、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
【0636】
尚、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
【0637】
データテーブル格納エリア233bには、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
【0638】
ここで、図57を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図57は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
【0639】
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
【0640】
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。尚、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
【0641】
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
【0642】
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。尚、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
【0643】
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A?Cのいずれかを表示させるか、背面A?Cとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A?Cとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
【0644】
MPU231は、この背面種別によって、背面A?Cのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A?Cのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A?Cとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
【0645】
尚、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
【0646】
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
【0647】
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
【0648】
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
【0649】
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
【0650】
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
【0651】
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
【0652】
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図57の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
【0653】
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図59参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
【0654】
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
【0655】
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
【0656】
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
【0657】
次いで、図58を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図58は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、各演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
【0658】
尚、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
【0659】
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図58のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
【0660】
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図15のアドレス「0002H」が該当)。
【0661】
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
【0662】
尚、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図15の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
【0663】
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図59参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
【0664】
例えば、図58の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
【0665】
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
【0666】
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
【0667】
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
【0668】
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
【0669】
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
【0670】
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
【0671】
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図84参照)の中でオンに設定される(図84のS2005参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図86(b)のS2305参照)。
【0672】
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図86(b)のS2301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図86(b)のS2308参照)および簡易表示設定処理(図86(b)のS2309参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図87?図90参照)および表示設定処理(図91?図93参照)が実行される。
【0673】
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図94(a)のS3301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図94(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図95参照)を実行する。
【0674】
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図59参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
【0675】
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図59参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
【0676】
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。尚、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
【0677】
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図59参照)に、その転送データ情報を追加する。
【0678】
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
【0679】
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
【0680】
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図86(b)のS2303参照)の中で、ポインタ更新処理(図93のS3005参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
【0681】
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図59参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
【0682】
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
【0683】
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
【0684】
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
【0685】
ここで、図59を参照して、描画リストの詳細について説明する。図59は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図59に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といった各スプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
【0686】
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233kで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
【0687】
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
【0688】
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
【0689】
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
【0690】
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、一番最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
【0691】
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
【0692】
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
【0693】
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
【0694】
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図86(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図91のS3007参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
【0695】
格納画像データ判別フラグ233jは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
【0696】
この格納画像データ判別フラグ233jは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図84のS2002参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233jは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
【0697】
そして、格納画像データ判別フラグ233jの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図95参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
【0698】
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233jを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM235の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図46のS3517参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図95のS3518参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
【0699】
描画対象バッファフラグ233kは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233kが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図96のS3602参照)。
【0700】
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
【0701】
描画対象バッファフラグ233kは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233kの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図86(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われる(図96のS3602参照)。
【0702】
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
【0703】
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
【0704】
<第1制御例における主制御装置110により実行される制御処理について>
次に、図63から図78のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
【0705】
図63は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
【0706】
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
【0707】
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、299,99、239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1?C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
【0708】
次に、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行する(S104)。その後、第1入賞口64または第2入賞口640への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、始動入賞処理の詳細は、図64?図66を参照して後述する。
【0709】
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図68および図69を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための発射停止スイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
【0710】
次に、図64を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図64は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図63参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
【0711】
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
【0712】
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(特別図柄における変動表示の保留回数N2)を取得する(S203)。次に、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0よりも大きいか否かを判別する(S204)。
【0713】
特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンド(特図2保留球数コマンド)を設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図72参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223cにそれぞれ格納する。
【0714】
S206の処理により特図2保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄2保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄2保留球格納エリア203bの保留第1エリア?保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S213)。なお、特別図柄変動開始処理については、図65を参照して後述する。
【0715】
一方、S204の処理において、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0であると判別された場合には(S204:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)の値を取得する(S208)。特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きいか判別する(S209)。特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判別された場合には(S209:No)、この処理を終了する。
【0716】
一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0でなければ(S209:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を減算し(S210)、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(S211)。S211の処理により特図1保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄1保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S212)。その後、S213の処理が実行される。
【0717】
S202の処理において、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S214)。第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S214:No)、本処理を終了する。
【0718】
一方、S214の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S214:Yes)、第1図柄表示装置37A,37Bの停止図柄に対応した表示態様を設定する(S215)。停止図柄の設定は、図65を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S213)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりAとなるか、小当たりとなるか、外れとなるかが決定される。
【0719】
尚、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて青色のLEDを点灯させる。また、小当たりである場合には、赤色のLEDを点灯させ、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
【0720】
S215の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S216)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S216:Yes)、大当たり種別に基づいて、特定入賞口の開放シナリオを設定し(S217)、その後、大当たりAの開始の設定(16ラウンド等の大当たりの設定)を実行する(S218)。
【0721】
一方、S216の処理において、今回の抽選結果が外れであれば(S216:No)、時短中カウンタ203tの値が1以上であるか判別する(S220)。時短中カウンタ203tの値が0であると判別された場合には(S220:No)、この処理を終了する。一方、時短中カウンタ203tが1以上であると判別された場合には(S220:Yes)、時短中カウンタ203tの値を1減算する(S221)。
【0722】
次に、図65を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S213)について説明する。図65は、特別図柄変動開始処理(S213)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S213)は、タイマ割込処理(図63参照)の特別図柄変動処理(図64参照)の中で実行される処理であり、特別図柄1保留球格納エリア203aと特別図柄2保留球格納エリア203bとの共通の実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
【0723】
特別図柄変動開始処理では、まず、特別図柄1保留球格納エリア203aと特別図柄2保留球格納エリア203bとの共通の実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び、停止種別カウンタCN1の各値を取得する(S301)。次に、RAM203の確変フラグ203gがオンであるかを判定する(S302)。
【0724】
確変フラグ203gがオンである場合は(S302:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を第1当たり乱数テーブル202a(図53(b)参照)より取得する(S303)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、第1当たり乱数テーブル202a(図53(b)参照)に設定された10の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0?9」の10個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
【0725】
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、大当たりと判定される判定値を同じとしたが、それに限らず、異なる乱数値としてもよい。このように構成することで、第1特別図柄では外れと判定される乱数値が第2特別図柄では、当たりと判定されるように構成され、大当たりの偏りを抑制できる。
【0726】
また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とで、大当たり乱数値の個数を同じに設定したが、それに限らず、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当たりと判定される乱数値の数を異なるように設定してもよい。このように、構成することで、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当たりの確率を異ならせることができ、大当たり確率の高い方の特別図柄で抽選が実行される場合には、遊技者により大当たりへの期待を持たせることができる。
【0727】
一方、S302の処理において、時短中カウンタ203gが0である場合は(S302:No)、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(低確率遊技状態)であるので、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図53(b)参照)とに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている1の乱数値と比較する。特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「9」の1個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、この当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
【0728】
そして、S303またはS304の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S305)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S305:Yes)、大当たりAを示す大当たり時の表示態様を設定する(S306)。
【0729】
このS306の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA)に応じて、第1図柄表示装置37A、37Bの表示態様が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別が停止種別として設定される。次に、大当たり時の変動パターンを変動種別カウンタCS1の値に基づいて、変動パターン選択テーブル202b(図55(a)参照)より変動パターンを決定する(S307)。
【0730】
一方、S305の処理において、特別図柄の外れであると判定された場合には(S305:No)、特別図柄に対応した外れ時の表示様態を設定する(S308)。このS308の処理では、判定された外れに応じて、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が設定される。次に、外れ時の変動パターンを、現在の保留球数に基づいて決定する(S309)。その後、この処理を終了する。
【0731】
なお、図示は省略したが、決定した各変動パターンを音声ランプ制御装置113へ通知するための変動パターンコマンドが生成される。この処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
【0732】
次に、始動入賞情報処理(S105)を説明する。まず、図66のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図66は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図63参照)の中で実行され、第1入賞口64または第2入賞口640への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタを取得し、その値の保留処理を実行するための処理である。
【0733】
始動入賞処理(図66,S105)が実行されると、まず、球が第1入賞口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、第1入賞口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入賞口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S402)。そして、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
【0734】
そして、第1入賞口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、第1入賞口64への入賞があっても特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満でなければ(S403:No)、S407の処理へ移行する。一方、第1入賞口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満であれば(S403:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(S405)。
【0735】
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図72参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する。
【0736】
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア?保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S406)。尚、S406の処理では、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
【0737】
次いで、S407?S412までの処理では、S401?S406までの処理に対して、同様の処理が第2入賞口640の入賞に対しても実行される。第2入賞口640の入賞に対して、第2特別図柄に対する保留処理が実行される点で異なるのみで、その他の処理については同一であるので、その詳細な説明は省略する。そして、S407の処理において球が第2入賞口へ入賞していないと判定された場合(S407:No)と、S412の処理の後、先読み処理を実行する(S413)。その後、この処理を終了する。
【0738】
次に、図67を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(図66のS105参照)内の1処理である先読み処理(S413)について説明する。図67は、この先読み処理(S413)を示すフローチャートである。
【0739】
この先読み処理(図67,S413)では、まず、第1入賞口64または第2入賞口640に新たな入賞があるかどうかが判定される(S501)。判定の結果、第1入賞口64または第2入賞口640に新たな入賞がない場合(S501;No)、そのまま本処理を終了する。一方、第1入賞口64または第2入賞口640に新たな入賞があった場合(S501:Yes)、変動開始時の遊技状態が確変であるかどうか否かを判定し(S502)、遊技状態が確変であれば(S502:Yes)、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに基づいて抽選結果を取得し(S503)、S505の処理に移る。S502の処理において、遊技状態が確変でなければ(S502:No)、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに基づいて抽選結果を取得し(S504)、S505の処理に移る。S505の処理では、S503,S504の処理で実行した大当たり判定結果を含む入賞情報コマンドを設定し(S505)、この処理を終了する。
【0740】
次に、図68を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図68は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図63参照)の中で実行され、第2図柄表示装置において行う第2図柄の変動表示や、第2入賞口640に付随する電動役物の開放時間などを制御するための処理である。
【0741】
この普通図柄変動処理(図68,S106)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S601)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置において当たりを示す表示がなされている最中と、第1入賞口64に付随する電動役物640aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S601:Yes)、そのまま本処理を終了する。
【0742】
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S601:No)、第2図柄表示装置の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S602)、第2図柄表示装置の表示態様が変動中でなければ(S602:No)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S603)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S604)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0であれば(S604:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0でなければ(S604:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1減算する(S605)。
【0743】
次に、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S606)。S606の処理では、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリア?保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S607)。
【0744】
次に、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを判定する(S608)。
【0745】
パチンコ機10が普通図柄の時短状態である場合は(S608:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S609)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S609:Yes)、S611の処理に移行する。
【0746】
S609の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S609:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2図柄当たり乱数テーブル202cと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S610)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2図柄当たり乱数テーブル202cに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5?204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0?4,205?239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図53(a)参照)。
【0747】
S608の処理において、パチンコ機10が普通図柄の時短状態である場合は(S608:No)、S611の処理へ移行する。S611の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202cとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S611)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202cに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5?28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0?4,29?239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図53(a)参照)。
【0748】
次に、S610またはS611の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S612)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S612:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S613)。このS613の処理では、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
【0749】
そして、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるかを判定し(S614)、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であれば(S614:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S615)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S615:Yes)、S617の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、球が第1入賞口64に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物640aの開放回数および開放時間が設定される。
【0750】
S615の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S615:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S616)、S619の処理へ移行する。S614の処理において、パチンコ機10が普通図柄の時短状態でない場合は(S614:No)、S617の処理へ移行する。S617の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S617)、S619の処理へ移行する。
【0751】
S612の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S612:No)、外れ時の表示態様を設定する(S618)。このS618の処理では、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S619の処理へ移行する。
【0752】
S619の処理では、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるかを判定し(S619)、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であれば(S619:Yes)、第2図柄表示装置における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S620)、本処理を終了する。一方、パチンコ機10が普通図柄の時短状態でない場合は(S619:No)、第2図柄表示装置における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S621)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第2入賞口640の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入賞口640へ球が入球し易い状態となる。
【0753】
S602の処理において、第2図柄表示装置の表示態様が変動中であれば(S602:Yes)、第2図柄表示装置において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S622)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置において変動表示が開始される前に、S620の処理またはS621の処理によって予め設定された時間である。
【0754】
S622の処理において、変動時間が経過していなければ(S622:No)、本処理を終了する。一方、S622の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S622:Yes)、第2図柄表示装置の停止表示を設定する(S623)。S623の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S613の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S618の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S623の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図72参照)の第2図柄表示更新処理(S1007参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置における変動表示が終了し、S613の処理またはS618の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)される。
【0755】
次に、第2図柄表示装置において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理(図68,S106)によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S624)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S624:Yes)、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開閉制御開始を設定し(S625)、本処理を終了する。S625の処理によって、電動役物640aの開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図72参照)の電動役物開閉処理(S1005参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S616の処理またはS617の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。一方、S624の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S624:No)、S625の処理をスキップして、本処理を終了する。
【0756】
次に、図69のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図69は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図63参照)の中で実行され、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
【0757】
スルーゲート通過処理(図69,S107)では、まず、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したか否かを判定する(S701)。ここでは、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したと判定されると(S701:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S702)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S703)。
【0758】
球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過していないか(S701:No)、或いは、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満でなければ(S703:No)、本処理を終了する。一方、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過し(S701:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満であれば(S703:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1加算する(S704)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cの空き保留エリア(保留第1エリア?保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S705)、本処理を終了する。尚、S705の処理では、普通図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
【0759】
図70は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S801)、NMI割込処理を終了する。
【0760】
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
【0761】
次に、図71を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図71は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S902)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S903)。
【0762】
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S904)、オンされていれば(S904:Yes)、処理をS912へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S904:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S905)、記憶されていなければ(S905:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS912へ移行する。
【0763】
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S905:Yes)、RAM判定値を算出し(S906)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S907:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS912へ移行する。なお、図72のS1014の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
【0764】
S912の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S912)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S913,S914)を実行する。
【0765】
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S913,S914)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S913,S914)を実行する。RAMの初期化処理(S913,S914)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S913)、その後、RAM203の初期値を設定する(S914)。RAM203の初期化処理の実行後は、S910の処理へ移行する。
【0766】
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S904:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S905:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S907:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S908)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S909)、S910の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
【0767】
S910の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(S911)、後述するメイン処理に移行する。
【0768】
次に、図72を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図72は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1001?S1007の各処理が実行され、その残余時間でS1010,S1011のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
【0769】
メイン処理(図72参照)においては、まず、タイマ割込処理(図63参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1001)。具体的には、タイマ割込処理(図63参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図64参照)や始動入賞処理(図66参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図73参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
【0770】
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1002)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
【0771】
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1003)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、第1可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1004)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本実施形態では、大当たり制御処理(S1004)をメイン処理(図72参照)において実行しているが、タイマ割込処理(図62参照)において実行しても良い。
【0772】
次に、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1005)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図68参照)のS625の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS616の処理またはS617の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
【0773】
次に、第1図柄表示装置37A,37Bの表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1006)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図65参照)のS307の処理またはS309の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37BのLEDの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
【0774】
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
【0775】
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図65参照)のS307,S309の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図65参照)のS306,S310の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37A,37Bに停止表示(点灯表示)する。
【0776】
次に、第2図柄表示装置の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1007)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動開始処理(図68参照)のS620の処理またはS621の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図68参照)のS623の処理によって第2図柄表示装置の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動開始処理(図68参照)のS613の処理またはS618の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)する。
【0777】
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1008)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1008:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1009)、既に所定時間が経過していれば(S1009:Yes)、処理をS1001へ移行し、上述したS1001以降の各処理を繰り返し実行する。
【0778】
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1009:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1010,S1011)。
【0779】
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1010)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1002の処理と同一の方法によって実行する(S1011)。
【0780】
ここで、S1001?S1007の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
【0781】
また、S1008の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1008:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図70のNMI割込処理が実行されたということなので、S1012以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1012)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1013)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1014)、RAM203のアクセスを禁止して(S1015)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
【0782】
なお、S1008の処理は、S1001?S1007で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1010とS1011の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1001の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1001の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S901)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1001の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
【0783】
次に、図73のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1004)を説明する。図73は、この大当たり制御処理(S1004)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1004)は、メイン割込処理(図72参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
【0784】
大当たり制御処理(図73,S1004)では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(S1101)。具体的には、特別図柄変動処理(図64参照)のS218またはS220の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始が設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判定する。S1101の処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1101:Yes)、オープニングコマンドを設定して(S1102)、本処理を終了する。
【0785】
一方、S1101の処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(S1101:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1103)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1103の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1103:No)、そのまま本処理を終了する。
【0786】
一方、S1103の処理において、特別図柄の大当たり中であると判別した場合には(S1103:Yes)、S1104の処理を実行する。S1104の処理では、新たなラウンドの開始タイミングであるか判別する(S1104)。S1104の処理において、新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合には(S1104:Yes)、大当たり動作設定処理を実行する(S1105)。
【0787】
ここで、図74を参照して、大当たり動作設定処理について説明する(S1105)。図74は、この大当たり動作設定処理(S1105)の内容を示したフローチャートである。大当たり動作設定処理(図74、S1105)では、まず、開始する大当たりのラウンド数に対応した開放動作を設定されている開放シナリオから読み込む(S1201)。流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kの開放動作をS1201で読み込んだデータに基づいて設定する(S1202)。第1可変入賞装置65の開閉扉65f1の開放動作をS1201の処理で読み込んだデータにより設定する。その後、この処理を終了する。なお、S1202の処理では、1ラウンド毎の流路ソレノイド65kの動作、開閉扉65f1の動作が設定される。
【0788】
このように、各ラウンドの開始毎に、第1可変入賞装置65の各動作が設定されるので、予期せぬ電源断が大当たり遊技中に発生しても、大当たり遊技が途中で終了してしまうような不具合を抑制できる。
【0789】
図73に戻って説明を続ける。S1104の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでないと判別した場合には(S1104:No)、開閉扉65f1、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kの動作タイミングであるか判別する(S1106)。動作タイミングであると判別した場合には(S1106:Yes)、開放ソレノイド65f2をオンに設定する(S1107)。その後、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kをオンに設定する(S1108)。その後、この処理を終了する。
【0790】
一方、S1106の処理において、開放動作のタイミングでないと判別した場合には(S1106:No)、エンディング演出の開始タイミングであるか判別する(S1109)。エンディング演出の開始タイミングは、15ラウンドが終了して開閉扉65f1が閉状態にされ、球はけ時間である待機時間(本実施形態では、3秒)が経過した場合に、エンディング演出の開始タイミングとして判別する。エンディング演出の開始タイミングであると判別した場合には(S1109:Yes)、エンディング処理を実行する(S1110)。その後、この処理を終了する。
【0791】
ここで、図75を参照して、このエンディング処理(S1110)の詳細について説明する。図75は、このエンディング処理(図75、S1110)の内容を示したフローチャートである。エンディング処理(図75、S1110)では、まず、エンディングの開始を示すエンディングコマンドを音声ランプ制御装置113に対して設定する(S1211)。確変設定フラグ203hはオンであるか判別する(S1212)。確変フラグ203gをオンに設定する(S1213)。図示は省略したが、確変フラグ203gがオンに設定されるのに基づいて、確変設定フラグ203hはオフに設定されるように構成されている。その後、この処理を終了する。
【0792】
このように、本実施形態では、大当たり遊技の終了時に、確変設定フラグ203hがオンであるか判別されて、オンであれば、確変フラグ203gがオンに設定される。よって、大当たり遊技の終了時に、確変スイッチ65e3を遊技球が通過しているかを判別して確変を設定できる。よって、大当たり遊技が終了するまで、確変遊技状態へ移行することを遊技者に期待させ続けることができる。さらには、確変スイッチ65e3に遊技球が大当たり遊技中に通過させることができれば、確変遊技状態が大当たり遊技後に付与されるので、大当たり遊技中にも確変スイッチ65e3に遊技球が通過するか否かに関心を持って遊技を行うことができる。
【0793】
図73に戻って説明を続ける。S1109の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別した場合には(S1109:No)、報知処理を実行する(S1111)。ここで、図76を参照して、報知処理(S1111)の詳細について説明する。図76は、この報知処理(S1111)の内容を示したフローチャートである。
【0794】
報知処理(S1111)では、まず、報知カウンタ203mの値が0より大きい値であるか判別する(S1221)。報知カウンタ203mの値が0であると判別した場合には(S1221:No)、12ラウンド目の終了タイミングであるか判別する(S1222)。12ラウンド目の終了タイミングの判別は、12ラウンド目において、10球入賞したことを検知した場合または30秒が経過したと判別した場合によって判別を行う。12ラウンド目の終了タイミングであると判別した場合には(S1222:Yes)、報知カウンタ203mに2秒に対応するカウンタ値を設定する。その後、この処理を終了する。一方、S1222の処理において、12ラウンド目の終了タイミングでないと判別した場合には(S1222:No)、この処理を終了する。ここで、S1223で2秒のカウンタが設定されることで、12ラウンドが終了した後の球はけ時間であるインターバル時間の3秒間中に報知カウンタ203mが0となり、液晶を見てという音声が出力される。よって、13ラウンド目に流路ソレノイド65kが動作するが、遊技者は12ラウンド終了後のインターバル時間より液晶に注意が惹きつけられるので、第1可変入賞装置65の切替部材65hの動きを識別されて、大当たり種別を遊技者に識別されてしまうことを抑制できる。よって、遊技者は、大当たり遊技の終了まで、確変遊技状態が付与されることを期待して遊技を行うことができる。
【0795】
なお、本実施形態では、報知カウンタ203mを設けることにより、インターバル時間の終了1秒前より13ラウンド目に跨って液晶に注意を惹きつける演出を行うようにしたがそれに限らず、12ラウンド目より継続的に実行してもよい。
【0796】
一方、S1221の処理において、報知カウンタ203mの値が0より大きい値であると判別した場合には(S1221:Yes)、報知カウンタ203mの値を-1して更新する(S1224)。更新後の報知カウンタ203mの値が0であるか判別する(S1225)。報知カウンタ203mの値が0であると判別した場合には(S1225:Yes)、報知コマンドを設定する(S1226)。その後、この処理を終了する。この報知コマンドにより音声ランプ制御装置113により、「液晶を見て」という音声の出力の設定が実行される。
【0797】
図73に戻って説明を続ける。報知処理(図76、S1111)が実行されると、入賞処理を実行する(S1112)。ここで、図77を参照して、この入賞処理(S1112)について詳細に説明する。図77は、この入賞処理(S1112)の内容を示したフローチャートである。
【0798】
入賞処理(図77、S1112)では、まず、ラウンド有効期間であるか判別する(S1231)。ラウンド有効期間とは、ラウンド遊技が設定されている期間、即ち、開放扉65f1の開放状態からインターバル期間(3秒)が終了するまでの期間である。ラウンド有効期間外であると判別した場合には(S1231:No)、この処理を終了する。一方、ラウンド有効期間内であると判別した場合には(S1231:Yes)、特定入賞口65aの検出スイッチ65c1を通過したか判別される。特定入賞口65aの検出スイッチ65c1を通過したと判別した場合には(S1232:Yes)、入賞個数カウンタ203jを1加算して更新する(S1233)。その後、S1234の処理を実行する。一方、検出スイッチ65c1を通過していないと判別した場合には(S1232:No)、S1234の処理を実行する。
【0799】
S1234の処理では、入賞個数カウンタ203jの値が10以上であるか判別する(S1234)。入賞個数カウンタ203jの値が10以上であると判別した場合には(S1234:Yes)、特定入賞口65aの開閉扉65f1の閉鎖を設定する(S1236)。その後、残球タイマフラグ203nをオンに設定する(S1237)。その後、S1238の処理を実行する。この残球タイマフラグ203nがオンに設定されることで、開閉扉203nが閉鎖されてから球はけ時間中であることが判別できる。
【0800】
一方、S1234の処理において、入賞個数カウンタ203jの値が10未満であると判別した場合には、ラウンド時間(本実施形態では、30秒)が経過したか判別する(S1235)。ラウンド時間が経過したと判別した場合には(S1235:Yes)、S1236の処理を実行する。一方、ラウンド時間が経過していないと判別した場合には(S1235:No)、S1238の処理を実行する。
【0801】
S1238の処理では、動作カウンタ203kの値が0より大きい値であるか判別する(S1238)。動作カウンタ203kの値が0より大きい値であると判別した場合には(S1238:Yes)、動作カウンタ203kの値を-1して更新する(S1239)。確変スイッチ65e3を遊技球が通過したか判別する(S1240)。確変通過スイッチ65e3を遊技球が通過したと判別した場合には(S1240:Yes)、確変通過カウンタ203iの値に1加算して更新する(S1241)。確変設定フラグ203hをオンに設定する(S1242)。その後、S1243の処理を実行する。一方、S1240の処理において、確変スイッチ65e3を遊技球が通過していないと判別した場合には(S1240:No)、S1243の処理を実行する。S1243の処理では、動作カウンタ203kが0であるか判別する(S1243)。動作カウンタ203kが0であると判別した場合には、流路ソレノイド65kをオフに設定する(S1244)。確変有効フラグ203pをオンに設定する(S1245)。その後、この処理を終了する。ここで、確変有効フラグ203pがオンに設定されることで、切替部材65hが切り替えられた後も、特別流路65e2に残存している遊技球が確変スイッチ65e3を通過した場合には、確変遊技が設定されるように制御できる。
【0802】
一方、S1238の処理において、動作カウンタ203kが0であると判別した場合には(S1238:No)、確変有効フラグ203pがオンであるか判別する(S1246)。確変有効フラグ203pがオフである場合には(S1246:No)、この処理を終了する。一方、確変有効フラグ203pがオンであると判別した場合には(S1246:Yes)、確変有効タイマ203rに1加算して更新する(S1247)。確変有効タイマの値が上限値(本実施形態では、1.2s)であるか判別する(S1248)。確変有効タイマ203rが上限値であると判別した場合には(S1248:Yes)、確変有効フラグ203pをオフに設定する(S1249)。確変有効タイマ203rを初期値である0にリセットする。その後、この処理を終了する。一方、S1248の処理において、確変有効タイマ203rが上限値でないと判別した場合には(S1248:No)、S1240の処理を実行する。
【0803】
これにより、確変有効タイマ203rが上限値でないと、確変スイッチ65e3を遊技球が通過したか判別されるので、球はけの時間を考慮して確変遊技状態を設定できる。また、有効と判別される時間に上限があるので、不正に確変スイッチ65e3に遊技球を通過させて確変遊技状態が付与されることを抑制できる。
【0804】
図73に戻って説明を続ける。入賞処理(図77、S1112)が実行されると、異常処理を実行する(S1113)。その後、この処理を終了する。ここで、この異常処理(S1113)について、図78を参照して、詳細を説明する。図78は、この異常処理(S1113)の内容を示したフローチャートである。異常処理(S1113)では、不正に確変スイッチ65e3を通過させられていないかを監視する処理を実行する。
【0805】
異常処理(図78、S1113)では、まず、ラウンド有効期間であるか判別する(S1261)。ラウンド有効期間外である場合には(S1261:No)、この処理を終了する。一方、ラウンド有効期間内であると判別した場合には(S1261:Yes)、球排出口スイッチ65e4を遊技球が通過したか判別する(S1262)。球排出口スイッチ65e4を遊技球が通過したと判別した場合には(S1262:Yes)、球排個数カウンタ203sの値を1加算して更新する(S1263)。その後、S1264の処理を実行する。一方、球排出口スイッチ65e4を遊技球が通過していないと判別した場合には(S1262:No)、S1264の処理を実行する。
【0806】
S1264の処理では、残球タイマフラグ203nがオンであるか判別する(S1264)。残球タイマフラグ203nがオフであると判別した場合には(S1264:No)、この処理を終了する。一方、残球タイマフラグ203nがオンであると判別した場合には(S1264:Yes)、球はけ時間の期間中であるので、残球タイマ203oを1加算して更新する(S1265)。残球タイマ203oは上限値(本実施形態では、3秒)が経過したか判別する(S1266)。上限値でないと判別した場合には(S1266:No)、この処理を終了する。一方、上限値であると判別した場合には(S1266:Yes)、排出個数(確変通過カウンタ203iと排出個数カウンタ203sとの合計値)と入賞個数(入賞個数カウンタ203jの値)とが一致するか判別する(S1267)。
【0807】
一致すると判別した場合には(S1267:Yes)、S1269の処理を実行する。一方、一致しないと判別した場合には(S1267:No)、エラーコマンドを設定する(S1268)。その後、S1269の処理を実行する。エラーコマンドを音声ランプ制御装置113が受信することにより、エラー表示(例えば、入賞個数不一致エラーの文字を表示)がされ、ホールコンピュータに対して、エラー信号の出力がされる。よって、第1可変入賞装置65内に不正に遊技球を残存させて、大当たりBであっても確変スイッチ65e3に遊技球を通過させる不正を抑制できる。
【0808】
S1269の処理では、残球タイマフラグ203nをオフに設定し(S1269)、残球タイマ203oを初期値である0にリセットする(S1270)。その後、入賞個数カウンタ203j、排出個数カウンタ203s、確変通過カウンタ203iが初期値にそれぞれリセットされ(S1271)、その後、この処理を終了する。
【0809】
<第1実施形態における音声ランプ制御装置113により実行される制御処理>
次に、図79から図83を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
【0810】
まず、図79を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図79は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
【0811】
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1401)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1514の電源断処理(図80参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1402)。図80を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図80のS1513参照)、S1514の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1514の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
【0812】
電源断処理中フラグがオフであれば(S1402:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1514の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1403)。
【0813】
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1406の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1403:Yes)、S1404へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1403:No)、S1408へ移行する。
【0814】
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1403:Yes)、S1404へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1516の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1403:No)、S1408へ移行する。
【0815】
電源断処理中フラグがオンであれば(S1402:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1516の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1404へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
【0816】
S1404の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1404)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
【0817】
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1405:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1406)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1405:No)、RAM223の異常を報知して(S1407)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
【0818】
S1408の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1408)。電源断フラグはS1516の電源断処理の実行時にオンされる(図80のS1515参照)。つまり、電源断フラグは、S1516の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1408の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1516の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1408:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1409)、RAM223の初期値を設定した後(S1410)、割込み許可を設定して(S1411)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
【0819】
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1408の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1404からS1406の処理を経由してS1408の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1408:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1409をスキップして、処理をS1410へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1410)、割込み許可を設定して(S1411)、メイン処理へ移行する。
【0820】
なお、S1409のクリア処理をスキップするのは、S1404からS1406の処理を経由してS1408の処理へ至った場合には、S1404の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
【0821】
次に、図80を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図80は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS1501の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1501)、1m秒以上経過していなければ(S1501:No)、S1502?S1510の処理を行わずにS1512の処理へ移行する。S1501の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1502?S1510が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1512の変動表示設定処理や、S1511のコマンド判定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1511の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1512の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
【0822】
S1501の処理で1m秒以上経過していれば(S1501:Yes)、まず、S1503?S1512の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1502)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1508の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1503)、その後電源投入報知処理を実行する(S1504)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1505の処理へ移行する。
【0823】
S1505の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1506)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
【0824】
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1507)。この枠ボタン入力監視・演出処理は、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22の操作に対応する表示用コマンドを設定する。尚、この枠ボタン入力監視・演出処理の詳細については、図83を参照して後述する。
【0825】
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1508)、その後音編集・出力処理を実行する(S1509)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29?33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
【0826】
S1509の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S1510)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1508のランプ編集処理が実行される。なお、S1509の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
【0827】
液晶演出実行管理処理の後に、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1511)。このコマンド判定処理の詳細については、図81を参照して後述する。
【0828】
次に、S1512の処理へ移行する。S1512の処理では、変動表示設定処理が実行される(S1512)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理の詳細については、図82を参照して後述する。
【0829】
そして、変動表示設定処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1513)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1513の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1513:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1515)、電源断処理を実行する(S1516)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1517)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
【0830】
一方、S1513の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1513:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1514)、RAM223が破壊されていなければ(S1514:No)、S1501の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1514:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
【0831】
次に、図81を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1511)について説明する。図81は、このコマンド判定処理(S1511)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1511)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図80参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。また、この処理では、主制御装置110から保留球数コマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81による連続予告演出の開始の決定も行う。
【0832】
コマンド判定処理(図81,S1511)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1601)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S1601:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223dをオンし(S1602)、また、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S1603)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図82参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
【0833】
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1601:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1604)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1604:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223eをオンに設定し(S1605)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1606)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図82参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
【0834】
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S1604:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S1607)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S1607:Yes)、受信した保留球数コマンドが特図1保留球数コマンドであるか、特図2保留球数コマンドであるかを判別して、そのコマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を抽出し、主制御装置110の特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(特別図柄における変動表示の保留回数N2)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄2保留球数カウンタ223cに格納する(S1608)。また、S1608の処理では、更新された特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223cの値をそれぞれ表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S1608の処理の終了後は、メイン処理に戻る。
【0835】
ここで、特図1保留球数コマンド又は特図2保留球数コマンドは、球が第1入賞口64又は第2入賞口640に入賞(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S1608の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223cの値を主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bまたは特別図柄2保留球数カウンタ223cの値が主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dまたは特別図柄2保留球数カウンタ203eの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bまたは特別図柄2保留球数カウンタ223cの値を修正し、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dまたは特別図柄2保留球数カウンタ203eの値に合わせることができる。尚、S1608の処理が実行されると、更新された特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223cの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
【0836】
S1607の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S1607:No)、次いで、主制御装置110より報知コマンドを受信したか判別する(S1609)。報知コマンドを受信したと判別した場合には(S1609:Yes)、受信したコマンドに対応した報知音声(本実施形態では、「液晶を見て」)を選択し、報知用の表示用コマンドを設定する(S1610)。
【0837】
次に、S1609の処理において、報知コマンドを受信していないと判別した場合には(S1609:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1619)、メイン処理に戻る。その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行うものである。
【0838】
次に、図82を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1512)について説明する。図82は、この変動表示設定処理(S1512)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1512)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図80参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
【0839】
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223dがオンか否かを判別する(S1701)。そして、変動開始フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1701:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S1706の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223dがオンであると判別された場合(S1701:Yes)、変動開始フラグ223dをオフし(S1702)、次いで、コマンド判定処理(図81参照)のS1603の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S1703)。
【0840】
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1704)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
【0841】
S1705の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223eがオンか否かを判別する(S1705)。そして、停止種別選択フラグ223eがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1705:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、停止種別選択フラグ223eがオンであると判別された場合(S1705:Yes)、停止種別選択フラグ223eをオフし(S1706)、次いで、コマンド判定処理(図81参照)のS1606の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S1707)。主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別をそのまま、第3図柄表示装置81における変動演出の停止種別として設定し(S1708)、S1709の処理へ移行する。S1709の処理では、設定された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1709)。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
【0842】
次に、図83を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される枠ボタン入力監視・演出処理(S1507)について説明する。図83は、この枠ボタン入力監視・演出処理(S1507)を示したフローチャートである。この枠ボタン入力監視・演出処理(S1507)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図80参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において演出効果を高めるために遊技者の操作に応じた演出を実行させるために、枠ボタン22の操作に基づいて表示用コマンドを生成し設定する。
【0843】
枠ボタン入力監視・演出処理(図83,S1507)では、まず、長押し演出の変動パターンが開始されているか否かを判別する(S1801)。そして、長押し演出の変動パターンが開始されていないと判別された場合(S1801:No)、S1805の処理へ移行する。一方、長押し演出の変動パターンが開始されていると判別された場合(S1801:Yes)、演出カウンタを取得し(S1802)、長押し演出抽選テーブル222b(図55(b)参照)より長押しナビパターンを選択する(S1803)。次いで、その選択された長押しパターンを示す表示用コマンドへ設定し(S1804)、S1805の処理へ移行する。
【0844】
S1805の処理では、SW有効時間記憶エリア223iのSW有効時間が0より大きいか否かを判別する(S1805)。SW有効時間が0であると判別された場合(S1805:No),枠ボタン入力監視・演出処理(図83,S1507)を終了し、メイン処理(図80参照)へ戻る。一方、SW有効時間が0より大きいと判別された場合(S1805:Yes)、SW有効時間を減算し(S1806)、枠ボタンがオンであるか否かを判別する(S1807)。ここで、SW有効時間の減算は、経過時間を減算するものである(本実施形態ではカウンタ値を1減算する)。
【0845】
枠ボタン22がオンである(枠ボタン22が押下された)と判別された場合は長押しカウンタ223hに1を加算し(S1808)、長押しフラグ223gがオンであるか否かを判別する(S1809)。長押しフラグ223gがオンであると判別された場合は(S1809:Yes)、枠ボタン入力監視・演出処理を終了し、メイン処理へ戻る。一方、長押しフラグ223gがオフであると判別された場合は(S1809:No)、長押しカウンタ223hが3秒以上となっているか否かを判別する(S1810)。
【0846】
長押しカウンタ223hが3秒以上であると判別されなかった場合は(S1810:No)、そのまま本処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、長押しカウンタ223hが3秒以上であると判別された場合は(S1810:Yes)、長押しフラグ223gをオンし(S1811)、長押し中を示す表示用コマンドを設定し(S1812)、メイン処理に戻る。
【0847】
一方、S1807の処理において枠ボタン22がオフである(枠ボタン22が押下されていない)と判別された場合(S1807:No)、長押しカウンタ223hが3秒以上となっているかを判別する(S1813)。長押しカウンタ223hの値が3秒以上であると判別された場合は(S1813:Yes)、長押しオフを示す表示用コマンドを設定し(S1814)、S1815の処理へ移行する。一方、長押しカウンタ223hが3秒以上であると判別されなかった場合は(S1813:No)、S1814の処理をスキップし、S1815の処理へ移行する。S1815の処理では、長押しカウンタ223hをリセットし(本実施形態ではカウンタ値を0に設定)(S1815)、次いで、長押しフラグ223gをオフに設定し(S1816)、メイン処理へ戻る。
【0848】
<第1制御処理例における表示制御装置が実行する制御処理について>
次に、図84から図96を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
【0849】
まず、図84を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図84は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
【0850】
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
【0851】
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
【0852】
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
【0853】
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S2001)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
【0854】
ここで、図85を参照して、ブート処理(S2001)について説明する。図85は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S2001)を示すフローチャートである。
【0855】
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
【0856】
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
【0857】
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S2301)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
【0858】
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S2302)。これにより、MPU231は、S2101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
【0859】
また、S2102の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
【0860】
S2302の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S2303)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
【0861】
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S2304)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図84のS2001参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図84のS2002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S2305)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
【0862】
このように、ブート処理(S2001)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
【0863】
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
【0864】
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
【0865】
尚、図85に示すブート処理では、S2101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S2101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S2102の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S2103?S2105の処理を実行するようにしてもよい。
【0866】
また、S2101の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S2101及びS2102の処理を含めて複数回繰り返した後、S2103?S2105の処理を実行するようにしてもよい。
【0867】
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
【0868】
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S2101及びS2102の処理を行わずに、S2103?S2105の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
【0869】
ここで、図84の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S2002)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。尚、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
【0870】
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
【0871】
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S2003)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
【0872】
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
【0873】
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S2003の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S2004)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
【0874】
S2004の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S2005)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図94(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図94(a)のS3302参照)。
【0875】
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図86(b)参照)において、電源投入時画像である電源投入時主画像や電源投入時変動画像(図示せず)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図86(b)のS2308参照)および簡易表示設定処理(図86(b)のS2309参照)が実行される。
【0876】
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置114に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
【0877】
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
【0878】
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入賞口64へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像(図示せず)をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
【0879】
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
【0880】
S2005の処理の後、割込許可を設定し(S2006)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S2006の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
【0881】
次いで、図86(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図86(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
【0882】
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S2201)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
【0883】
次いで、図86(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図86(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図59参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
【0884】
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
【0885】
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図86(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S2301)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S2301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像(図示せず)ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S2302)を実行し、次いで、表示設定処理(S2303)を実行する。
【0886】
コマンド判定処理(S2302)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
【0887】
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。尚、このコマンド割込処理の詳細については、図87?図90を参照して後述する。
【0888】
表示設定処理(S2303)では、コマンド判定処理(S2302)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。尚、この表示設定処理の詳細については、図91?図93を参照して後述する。
【0889】
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S2304)。このタスク処理では、表示設定処理(S2303)もしくは簡易表示設定処理(S2309)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
【0890】
次に、転送設定処理を実行する(S2305)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。尚、転送設定処理の詳細については、図94および図95を参照して後述する。
【0891】
次いで、描画処理を実行する(S2506)。この描画処理では、タスク処理(S2304)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S2305)により設定された転送指示とから、図59に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。尚、描画処理の詳細については、図96を参照して後述する。
【0892】
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S2307)。そして、V割込処理を終了する。S2307の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、チャンス目)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
【0893】
一方、S2301の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S2301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像(図示せず)を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S2308)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S2309)を実行して、S2304の処理へ移行する。
【0894】
次いで、図87?図89を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S2302)の詳細について説明する。まず、図87は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
【0895】
このコマンド判定処理では、図87に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S2401)、未処理の新規コマンドがなければ(S2401:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S2401:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S2303)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S2402)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S2403)。
【0896】
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S2404)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S2404:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S2405)、S2401の処理へ戻る。
【0897】
ここで、図88(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S2405)の詳細について説明する。図88(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
【0898】
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2501)。
【0899】
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2501の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
【0900】
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
【0901】
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
【0902】
次いで、S2501で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S2502)。そして、各変動パターンに対応する変動表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S2501の処理によって設定された変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S2503)。表示設定処理では、S2503の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルが、どの変動パターンに対応するものであるかを容易に判断することができる。
【0903】
次いで、S2501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2504)、ポインタ233fを0に初期化する(S2505)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2506)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
【0904】
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S2505の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S2501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S2502の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
【0905】
また、表示設定処理では、S2504の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
【0906】
ここで、図87の説明に戻る。S2404の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S2404:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S2406)、表示用変動種別コマンドがあれば(S2406:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S2407)、S2401の処理へ戻る。
【0907】
ここで、図88(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S2407)の詳細について説明する。図88(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
【0908】
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、チャンス目のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S2601)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図86(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S2602)。
【0909】
そして、停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S2602の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定し(S2603)、この停止種別コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
【0910】
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S2602の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S2304)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S2603によって設定された停止図柄判別フラグからS2602の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。尚、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
【0911】
上述したように、本実施形態では、キャラクタROM234を、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しているが、第3図柄表示装置81において描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送することができる。よって、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81における描画の応答性を高く保つことができる。
【0912】
尚、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2601の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS2602の処理によって設定される。
【0913】
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
【0914】
ここで、図87の説明に戻る。S2406の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S2406:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S2408)、背面画像変更コマンドがあれば(S2408:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S2409)、S2401の処理へ戻る。
【0915】
ここで、図89(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S2409)の詳細について説明する。図89(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
【0916】
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S3303)に通知する背面画像変更フラグをオンに設定する(S2701)。そして、背面画像種別(背面A?C)毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して(S2702)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
【0917】
通常画像転送設定処理では、S2701の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S2702の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。そして、その特定された背面画像種別が背面B又は背面Cである場合は、上述したように、それらの背面画像に対応する画像データの一部が常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されていないので、所定の範囲の背面画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。
【0918】
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A?Cのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S2702によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
【0919】
尚、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2702の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
【0920】
ここで、図87の説明に戻る。S2408の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S2408:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S2410)、エラーコマンドがあれば(S2410:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S2411)、S2401の処理へ戻る。
【0921】
ここで、図89(b)を参照して、エラーコマンド処理(S2411)の詳細について説明する。図89(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
【0922】
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S2801)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S2802)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
【0923】
表示設定処理では、S2801の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S2802の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
【0924】
尚、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S2802に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
【0925】
ここで、図87の説明に戻る。S2410の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S2410:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、長押しを示すコマンドがあるか否かを判別し(S2412)、長押しを示すコマンドがあれば(S2412:Yes)、長押し演出処理を実行して(S2413)、S2401の処理へ戻る。なお、ここで長押しを示すコマンドとは、S1804の処理で設定される長押しナビパターンを示す表示用コマンドと、S1812の処理で設定される長押し中を示す表示用コマンドと、S1814の処理で設定される長押しオフを示す表示用コマンドとが該当する。
【0926】
ここで、図90を参照して、長押し演出処理(S2413)の詳細について説明する。図90は、長押し演出処理を示すフローチャートである。この長押し演出処理は、音声ランプ制御装置114より受信した長押しを示すコマンドに対応する処理を実行するものである。
【0927】
長押し演出処理(図90,S2413)では、まず、長押しナビ演出のコマンド(図83のS1804参照)であるかを判定する(S2901)。S2901の処理において、長押しナビ演出と判定されると(S2901:Yes)、長押しナビに対応した表示データを設定し(S2902)、コマンド判定処理へ戻る。
【0928】
一方、長押しナビ演出と判定されなかった場合は(S2901:No)、長押しコマンド(図83のS1812参照)であるかを判定する(S2903)。S2903の処理において、長押しコマンドと判定されると(S2903:Yes)、長押しの開始を示す表示データを設定し(S2904)、コマンド判定処理へ戻る。一方、長押しコマンドと判定されなかった場合は(S2903:No)、長押しオフに対応した表示データを設定し(S2905)コマンド判定処理へ戻る。
【0929】
ここで、図87の説明に戻る。S2412の処理において、長押しを示すコマンドがないと判別されると(S2412:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S2419)、S2401の処理へ戻る。
【0930】
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS2401の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S2401:Yes)、再びS2402?S2413,S2419の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S2401?S2413,S2419の処理が繰り返し実行され、S2401の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
【0931】
尚、V割込処理(図86(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S2309)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像(図示せず)を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図88(a)参照)および停止種別コマンド処理(図88(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
【0932】
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図88(a)参照)では、S2501の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S2502の処理では、転送データテーブルバッファ233bにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
【0933】
次いで、図91?図93を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S2303)の詳細について説明する。図91は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
【0934】
この表示設定処理では、図91に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S3001)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S3001:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S3002?S3004の処理をスキップし、S3005の処理へ移行する。一方、新規フラグがオンであれば(S3001:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S3002)、S3003?S3004の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
【0935】
S3003の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S3003)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S3003:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S3004)。
【0936】
ここで、図92を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図92は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S3101)。
【0937】
タスク処理では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
【0938】
そして、警告画像設定処理では、S3101の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S3102)、表示設定処理に戻る。
【0939】
ここで、図91の説明に戻る。警告画像設定処理(S3004)の後、又は、S3003の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S3003:No)、次いで、S3005の処理へ移行する。
【0940】
S3005では、ポインタ更新処理を実行する(S3005)。ここで、図93を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図93は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
【0941】
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S3201)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
【0942】
S3201の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S3202)。その結果、End情報であれば(S3202:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
【0943】
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S3203)、デモ用表示データテーブルであれば(S3203:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3204)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S3205)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
【0944】
一方、S3203の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S3203:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S3206)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S3202の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S3202:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
【0945】
ここで、図91に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S3006)。タスク処理では、先に展開された警告画像などと共に、S3006の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
【0946】
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S3007)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S3008)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S3008:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S3008:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S3009)。
【0947】
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S3009:Yes)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3010)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3011)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3012)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S3013)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S3014)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S3015)、V割込処理に戻る。
【0948】
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
【0949】
尚、S3015の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S2304)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S3015によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
【0950】
一方、S3009の処理において、確定表示フラグがオンではなくオフであれば(S3009:No)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S3016)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S3016:Yes)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3017)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3018)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S3019)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S3020)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S3021)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
【0951】
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
【0952】
S3016の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S3016:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
【0953】
尚、V割込処理(図86(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S2309)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像(図示せず)を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
【0954】
次いで、図94及び図95を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S2305)の詳細について説明する。まず、図94(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
【0955】
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S3301)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S3301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S3302)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図94(b)を参照して後述する。
【0956】
一方、S3301の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S3301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S3303)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図95を参照して後述する。
【0957】
次いで、図94(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2305)の一処理である常駐画像転送設定処理(S3302)について説明する。図94(b)は、この常駐画像転送設定処理(S3302)を示すフローチャートである。
【0958】
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S3401)、転送指示を送信していれば(S3401:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S3402)。このS3402の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3402の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S3402:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S3402:Yes)、S3403の処理へ移行する。また、S3401の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S3401:No)、S3403の処理へ移行する。
【0959】
S3403の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S3403)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S3403:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S3404)、常駐画像転送設定処理を終了する。
【0960】
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM236の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM236の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
【0961】
S3403の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S3403:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S3405)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図86(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図86(b)のS2308参照)および簡易表示設定処理(図86(b)のS2309参照)ではなく、コマンド判定処理(図87?図89参照)および表示設定処理(図91?図93参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図95参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図94(a)のS3301:No参照)。
【0962】
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
【0963】
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
【0964】
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
【0965】
次いで、図95を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2305)の一処理である通常画像転送設定処理(S3303)について説明する。図95は、この通常画像転送設定処理(S3303)を示すフローチャートである。
【0966】
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S2303)のポインタ更新処理(S3005)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S3501)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S3502)、転送データ情報であれば(S3502:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S3503)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S3504)、S3505の処理へ移行する。
【0967】
また、S3502の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S3502:No)、S3503及びS3504の処理をスキップして、S3505の処理へ移行する。S3505の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S3505)、転送指示を設定していれば(S3505:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S3506)。
【0968】
このS3506の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3506の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S3506:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S3506:Yes)、S3507の処理へ移行する。また、S3505の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S3505:No)、S3507の処理へ移行する。
【0969】
S3507の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S3507)、転送開始フラグがオンであれば(S3507:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S3508)、S3503の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S3517の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S3507:No)、次いで、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S3513)。そして、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S3513:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
【0970】
一方、背面画像変更フラグがオンであれば(S3513:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S3514)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S3515)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S3516)、S3517の処理へ移行する。
【0971】
尚、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S3515の処理では、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものであれば、そのまま通常画像転送処理を終了する。
【0972】
S3517の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S3517)。このS3517の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233jを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233jより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
【0973】
そして、S3517の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S3517:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
【0974】
一方、S3517の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S3517:Yes)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S3518)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
【0975】
S3518の処理の後、格納画像データ判別フラグ233jを更新し(S3519)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233jの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
【0976】
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
【0977】
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
【0978】
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
【0979】
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
【0980】
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
【0981】
次いで、図96を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S2306)の詳細について説明する。図96は、この描画処理を示すフローチャートである。
【0982】
描画処理では、タスク処理(S2304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S2305)により設定された転送指示から、図59に示す描画リストを生成する(S3601)。即ち、S3601の処理では、タスク処理(S2304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S2305)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
【0983】
尚、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
【0984】
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233kによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S3602)。ここでは、描画対象バッファフラグ233kが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233kが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
【0985】
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
【0986】
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
【0987】
尚、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
【0988】
描画処理は、S3602の処理の後、描画対象バッファフラグ233kを更新する(S3603)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233kの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
【0989】
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図86(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
【0990】
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
【0991】
<第2制御例>
次に、図97?図103を参照して本パチンコ機10の第2制御例について説明する。本第2制御例では、第1制御例に対して、SW変動パターンの内容が変更されている。上述した第1制御例では、枠ボタン22を長押しする演出がSW変動パターンでは実行されるように説明したが、本第2制御例では、枠ボタン22を押下するタイミングにより魚を捕獲する演出が実行される点で相違する。その他の構成については同一であるのでその他の構成については省略する。
【0992】
<第2制御例における電気的構成について>
本第2制御例では、第1制御例に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222とRAM223の内容が変更されている点で相違する。その他の点については、第1制御例と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
【0993】
図97(a)は、第2制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221におけるROM222の内容を模式的に示した模式図である。本第2制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222は、第1制御例に対して、長押し演出抽選テーブル222bが削除され、捕獲演出抽選テーブル222cが追加されている。その他の構成については、第1制御例と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
【0994】
捕獲演出抽選テーブル222cは、第2制御例におけるSW変動パターンで表示される魚と網の移動方向等が設定されたデータテーブルである。ここで、図98を参照して、本第2制御例で表示されるSW変動パターンで表示される表示態様の一例について説明する。図98(a)?(b)は、本第2制御例におけるSW変動パターンにおける第3図柄表示装置81で表示される表示態様の一例を示した図である。本第2制御例では、図98(a)に示すように、魚と網がそれぞれ表示され、さらに「魚にあわせてボタンを押せ!!」という文字が表示される。魚が網の中に入った位置で枠ボタン22を押下することで魚を遊技者が得られるような表示態様が表示される。さらに、表示領域の右側には、複数の目盛りで構成されたインジケータが表示され、高速で(例えば、0.5sに1マスの速度)上下に一マスずつ色が可変(例えば、青色から赤色に可変)して表示される。目盛りは6目盛りあり、下から3目盛り目と6目盛り目に「GET」という文字が表示されている。図98(b)に示すようにその目盛りの色が可変されている状態で枠ボタン22を押下すると、ちょうど魚が網の中に入っている表示タイミングとなるように構成されている。
【0995】
一方、魚と網とは、捕獲演出抽選テーブル222cで選択されたSW演出種別で設定されている移動方向に移動して表示されるように制御される。魚と網とは、不規則な位置に移動するが、インジケータの目盛り「GET」の位置が可変されるタイミングでは、魚が網の中に位置するように表示制御される。
【0996】
これにより、遊技者は、魚と網との位置関係だけでなく、インジケータが可変するタイミングも頼りにして、より容易に枠ボタン22を押下するタイミングが分かり易くなり、SW変動パターンの演出に参加して遊技をし易くできる。よって、遊技者は、魚が網の位置に表示されるタイミングをインジケータによって予測しながら遊技を行うことができる。なお、本実施形態では、常にインジケータが表示される構成としたが、それに限らず、大当たりの期待度が高い場合に、インジケータを表示し、低い場合には表示しないように構成してもよい。このように構成することで、インジケータが表示されることで、大当たりへの期待を高め、さらに、遊技者に魚を捕獲出来た状態で大当たりの演出を行うことができる。
【0997】
図97(c)は、捕獲演出抽選テーブル222cの内容を模式的に示した模式図である。捕獲演出抽選テーブル222cでは、当否判定結果が当たりである場合に、捕獲演出A?Cに対して、外れである場合に捕獲演出D?Fに対して、それぞれ演出カウンタ223fの値が割り付けて設定されている。捕獲演出A?Cは、魚が網の中に入っているタイミングで枠ボタン22を押下することが可能に構成されており、魚を捕獲することが可能な演出として設定されている。一方、捕獲演出D?Fは、魚が網の中に入っているタイミング(期間)が枠ボタン22を押下して枠ボタン22が押下されていると検出されるのに必要な期間よりも短く設定されているため捕獲することが不可能に設定されている。
【0998】
なお、本実施形態では、図示は省略したが、当否判定結果が外れの場合には、偶然、網と魚とが一致するタイミングで枠ボタン22を押下しても、その表示がずれて表示される、即ち、魚が捕獲出来た演出が表示されないように構成した。しかしながら、それに限らず、魚と網とが一致するタイミングでは、枠ボタン22の有効期間から瞬間的(例えば、0.2sの一致する表示期間)に除外して制御するように構成することで、ずらして表示する制御を行う負荷を軽減できる。
【0999】
捕獲演出Aおよび捕獲演出Dは、魚と網とがそれぞれ横方向にランダムな位置に高速で移動して表示される表示態様が設定される。捕獲演出Bおよび捕獲演出Eは、魚と網とがそれぞれランダムな位置に移動して表示される表示態様である。捕獲演出CおよびFは、魚と網とが斜め方向にそれぞれランダムな位置に移動して表示される表示態様である。
【1000】
図97(c)に示すように、当否判定結果が当たりである場合には、捕獲演出Aと捕獲演出Bとが外れである場合よりも選択され易く設定されている。よって、遊技者は、魚と網との移動方向(即ち、捕獲演出の種別)により当否判定結果を予測することができる。従って、遊技者にSW変動パターンの演出が実行されることを期待させることができる。
【1001】
なお、本実施形態では、SW変動パターンが選択されることに基づいて、捕獲演出の内容を抽選して決定するように構成したが、選択されるSW変動パターンに予め設定しておいてもよい。また、本制御例では、魚と網との移動方向を捕獲演出の種別によって設定するように構成したが、移動方向は予め設定せず、魚と網との表示位置を更新する毎に表示位置を抽選により決定して更新するようにしてもよい。この場合には、現在表示されている魚と網との表示位置から表示を更新する場合に、移動方向と移動距離を抽選により決定して表示するように構成してもよい。このように構成することで、より魚と網の位置をランダムにすることができ、遊技者に新鮮味のある演出を行うことができる。
【1002】
次に、図97(b)を参照して、第2制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明する。図97(b)は、本第2制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223の内容を模式的に示した模式図である。本第2制御例では、第1制御例のRAM223(図54(b)参照)に対して、長押しフラグ223gと長押しカウンタ223hとがそれぞれ削除されている点で相違する。その他の構成については同一であるので詳細な説明は省略する。
【1003】
<第2制御例における制御処理について>
第2制御例における制御処理は、第1制御例に対して、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114における制御処理の内容が変更されている。その他の処理については、第1制御例と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
【1004】
次に、図99を参照して第2制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理について説明する。本第2制御例では、第1制御例に対して、枠ボタン入力監視・演出処理(図83、S1507)が枠ボタン入力監視・演出処理(図99、S1520)に変更されている点で相違する。その他の構成については同一であるので、その詳細な説明は省略する。図99は、本第2制御例における枠ボタン入力監視・演出処理2(S1520)の内容を示したフローチャートである。
【1005】
枠ボタン入力監視・演出処理2(図99、S1520)では、まず、SW変動パターンである捕獲演出の変動パターンが選択されているか判別する(S1821)。ここでは、主制御装置110より出力されている変動パターンコマンドに基づいて選択された変動パターンがSW変動パターン(捕獲演出の変動パターン)であるかが判別される。捕獲演出の変動パターンであると判別された場合には(S1821:Yes)、演出カウンタ223fの値を取得する(S1822)。捕獲演出抽選テーブル222c(図97(c)参照)より捕獲演出の内容を取得した演出カウンタ223f、選択されているSW変動パターンに対応する当否判定結果に基づいて、捕獲演出の種別を選択する(S1823)。選択された捕獲演出を示す表示用コマンドを設定する(S1824)。この表示用コマンドが表示制御装置113に対して出力されることにより、選択された捕獲演出に対応する表示態様が表示制御装置114により第3図柄表示装置81に表示される。SW変動パターンに設定されているSW有効時間をSW有効時間記憶エリア223iに設定する(S1825)。その後、S1826の処理を実行する。
【1006】
一方、S1821の処理において、捕獲演出の変動パターンが選択されてないと判別した場合には(S1821:No)、S1826の処理を実行する。S1826の処理では、SW有効時間記憶エリア223iに記憶されているカウンタ値が0より大きい値であるか、即ち、SW有効時間が設定されているか判別する(S1826)。SW有効時間が設定されていると判別した場合には(S1826:Yes)、SW有効時間を減算して(S1827)、枠ボタン22はオン(押下されている)か判別する(S1828)。枠ボタン22が押下されていると判別した場合には(S1828:Yes)、SW押下を示す表示用コマンドを設定する(S1829)。SW有効時間を初期値である0にリセットする。これにより、SW有効時間が枠ボタン22の操作と共にリセットされるので、複数演出が可変されて遊技者が混乱してしまうのを抑制できる。一方、S1826の処理において、SW有効時間が0であると判別した場合(S1826:No)またはS1828の処理において、枠ボタン22がオフであると判別した場合には(S1828:No)、この処理を終了する。
【1007】
なお、本制御例では、捕獲演出において、枠ボタン22を押下できる1度としたがそれに限らず、複数回設定してもよい。
【1008】
<第2制御例における表示制御装置114が実行する制御処理について>
次に、図100?図103を参照して第2制御例における表示制御装置114のMPU231が実行する制御処理について説明する。本第2制御例では、第1制御例に対して、コマンド判定処理(図87、S2302)がコマンド判定処理2(図100、S2320)に、表示設定処理(図91、S2303)が表示設定処理2(図102、S2330)にそれぞれ変更されている点で相違する。その他の処理については、第1制御例と同一であるので、その詳細な説明を省略する。
【1009】
図100を参照して、本第2制御例における表示制御装置114のMPU231により実行されるコマンド判定処理2(図100、S2320)について説明する。図100は、このコマンド判定処理2(図100、S2320)の内容を示したフローチャートである。本第2制御例におけるコマンド判定処理2(図100、S2320)は、第1制御例におけるコマンド判定処理(図87、S2302)に対して、S2412?S2413の処理が削除され、S2414?S2415の処理がそれぞれ追加されている点で相違する。その他の処理については、第1制御例と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
【1010】
S2410の処理において、エラーコマンドを受信していないと判別された場合には(S2410:No)、SW演出に関連することを示すコマンドを受信しているか判別する(S2414)。SW演出に関連するコマンドとは、選択された捕獲演出を示す表示用コマンド(図99のS1824参照)や、枠ボタン22を押下したことを示すSW押下を示す表示用コマンド等が該当する。
【1011】
S2414の処理においてSW演出に関連するコマンドを受信していると判別した場合には(S2414:Yes)、SW演出処理を実行する(S2415)。このSW演出処理(S2415)については、図101を参照して詳細について説明する。図101は、このSW演出処理(S2415)の内容を示したフローチャートである。SW演出処理では、音声ランプ制御装置113より受信したSW演出(捕獲演出)のコマンドや枠ボタン22を押下したことを示すコマンドに基づいて、対応する表示データの設定等を実行する処理が行われる。
【1012】
SW演出処理(図101、S2415)では、まず、SW演出である捕獲演出A?Fのいずれかを示すコマンドであるか判別する(S2911)。捕獲演出A?Fのいずれかを示すコマンドであれば(S2911:Yes)、捕獲演出に対応した表示データが表示データテーブルに設定される。その後、この処理を終了する。
【1013】
一方、S2911の処理において、捕獲演出A?Fのいずれかを示すコマンドでないと判別した場合には(S2911:No)、枠ボタン22を押下したことを示すコマンドであるか判別する(S2913)。枠ボタン22を押下したことを示すコマンドであると判別した場合には(S2913:Yes)、表示されている捕獲演出の内容の停止を設定する(S2914)。その後、この処理を終了する。
【1014】
枠ボタン22が押下された場合には、捕獲演出の網と魚との位置が表示されている位置で固定されて一定期間(本制御例では、最初に設定されているSW有効時間が経過するまでの期間と同じ期間)が経過するまで表示され続ける。その後、魚が網の中に入っている位置で停止できていた場合には魚を捕獲できたことを示す表示態様(例えば「Get!!」の文字)が表示される。一方、魚が網の中に入っている位置以外の位置で停止した場合には、魚を捕獲できなかったことを示す表示態様(例えば、「捕獲失敗!!」の文字)が表示される。
【1015】
次に、図102を参照して、本第2制御例における表示制御装置114のMPU231が実行する表示設定処理2(S2330)について説明する。図102は、この表示設定処理2(S2330)の内容を模式的に示した模式図である。本第2制御例における表示設定処理2(図102、S2330)は、第1制御例における表示設定処理(図91、S2303)に対して、SW演出表示設定処理(図103、S3030)が追加されている点で相違する。その他の処理については、第1制御例と同一であるので、その詳細な説明は省略する。S3005の処理が実行された後には、SW演出表示設定処理を実行する(S3030)。このSW演出表示設定処理(S3030)については、図103を参照して詳細について説明する。
【1016】
図103は、このSW演出表示設定処理(S3030)の内容を示したフローチャートである。SW演出表示設定処理(S3030)では、まず、SW演出(捕獲演出)の表示中であるか判別する(S3031)。ここでは、捕獲演出の表示中であるかとは、インジケータが可変して表示される期間、即ち、SW有効時間中であり、枠ボタン22が押下される前のインジケータが高速で可変表示されている期間であるかを示している。
【1017】
捕獲演出の表示中でないと判別された場合には(S3031:No)、この処理を終了する。一方、捕獲演出の表示中であると判別した場合には(S3031:Yes)、インジケータは「Get」対応した目盛りの色が可変して表示されているか判別する(S3032)。インジケータがGetの目盛りが可変して表示されている場合には(S3032:Yes)、魚データと網データとの表示位置を一致させた表示データを設定する(S3033)。その後、この処理を終了する。ここでは、網データの表示座標が魚データの表示されている表示座標に合わせて設定される。このように構成することで、インジケータがGetの目盛りが可変されているタイミングに合わせて魚と網との表示位置を一致させることができる。なお、本制御例では、捕獲演出A?Cでは、インジケータがGetに表示されている期間は、枠ボタン22を押下するのに必要な期間よりも長い期間で設定されており、タイミング良く枠ボタン22を押下すれば、魚を捕獲することができるように設定されている。一方、捕獲演出D?Fでは、インジケータがGetに表示されている期間は、枠ボタン22を押下するのに必要な期間よりも短く設定されており、枠ボタン22をどのタイミングで押下しても捕獲できないように構成されている。
【1018】
なお、本実施形態では、インジケータが可変される時間を可変することで、捕獲可能状態と捕獲不可能状態を設定したがそれに限らず、捕獲演出D?Fでは、捕獲されるタイミングで枠ボタン22が押下された場合には、魚と網との位置を強制的にずらして表示して捕獲できないように構成してもよい。
【1019】
また、本制御例では、捕獲成功を当否判定結果の大当たりを報知するように構成したがそれに限らず、捕獲成功することで、遊技者に遊技特典として、遊技内で使用するポイントを付与したり、携帯電話で使用する待ち受け画像をダウンロードできるURLや、3次元コードを表示したり、特殊な背景画像を設定するように構成してもよい。このように構成することで、当否判定結果が外れの場合にも捕獲を成功する演出を実行できる。よって、遊技者をよりSW演出で楽しませることができる。
【1020】
S3032の処理において、インジケータがGetに対応する位置以外の目盛りが可変して表示されている場合には(S3032:No)、インジケータが次の目盛りが可変して表示されるタイミングであるか判別する(S3034)。インジケータが次ぎの目盛りが可変して表示されるタイミングであると判別した場合には(S3034:Yes)、魚が表示される座標データと網が表示される座標データとをそれぞれ、選択されている捕獲演出で設定されている移動方向にそれぞれ移動させて設定する(S3035)。ここでは、所定のカウンタ(図示せず)を取得して抽選により、移動座標数を決定して設定される。魚と網との更新後の表示座標が一致するか判別する(S3036)。一致すると判別された場合には(S3036:Yes)、S3035と同一の処理が再度実行される(S3037)。これにより、インジケータがGetの目盛りでない場合に、魚と網との表示位置が一致して魚が網の中に表示される不具合を抑制できる。一方、S3034の処理において、インジケータの目盛りが可変するタイミングでない場合(S3034:No)、またはS3036の処理において位置データが一致しないと判別された場合には(S3036:No)、この処理を終了する。
【1021】
このように、捕獲演出で設定された移動方向は定められているものの、魚と網との表示位置はランダムに抽選により設定されるので、魚と網との表示を不規則にすることができる。一方、インジケータの可変は、SW変動パターンに対応する表示データテーブルで予め設定されている。よって、インジケータの表示は規則的に可変して表示されるように構成できる。
【1022】
なお、本制御例では、魚と網との表示位置を表示位置の更新毎に抽選して決定するように構成したが、それに限らず、インジケータと同様に表示データテーブルに予め設定するように構成してもよい。
【1023】
また、本制御例では、選択された捕獲演出の種別により魚の移動方向は規定されるように構成したがそれに限らず、魚と網との位置をランダムに抽選により設定するように構成してもよい。
【1024】
<第3制御例>
次に、図104?図106を参照して、第3制御例におけるパチンコ機10について説明する。第1制御例では、遊技状態(確変遊技状態、時短遊技状態等)に関わらず、保留球が記憶されていない場合に特別図柄が変動開始されるタイミングは一定で構成されていた。しかしながら、本第2制御例では、遊技状態により変動開始のタイミングが異なるように処理が実行される点で相違する。その他の構成については、第1制御例と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
【1025】
<第3制御例における電気的構成について>
図104を参照して、第3制御例における電気的構成について説明する。本第3制御例では、第1制御例に対して、主制御装置113のMPU201のRAM203の内容が変更されている点で相違する。その他の構成については、第1制御例と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
【1026】
図104は、第3制御例における主制御装置110のMPU201のRAM203の内容を模式的に示した模式図である。本第3制御例では、第1制御例におけるRAM203(図53(c)参照)に対して、ウエイトカウンタ203uが追加されている。その他の構成については、第1制御例と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
【1027】
ウエイトカウンタ203uは、時短中である場合(確変遊技状態または時短遊技状態である場合)に保留球が0個であると、第2特別図柄の変動開始タイミングを遅延させる遅延時間をカウントするためのカウンタである。
【1028】
このウエイトカウンタ203uは、時短中である場合に第2特別図柄の保留球が0個であると判別されると、ウエイトカウンタ203uに1秒に対応するカウンタ値が設定される(図106のS314参照)。また、ウエイトカウンタ203uにカウンタ値が設定されている場合には、時短中変動処理(図106、S231)が実行される毎に1ずつ減算されて更新される。
【1029】
このように、時短中に第2特別図柄の保留球が0個であると判別されて、特別図柄の変動も実行されていない場合には、その後、第2入賞口640に遊技球が入球したとしてもその変動開始が1秒間遅延される。ここで、第2入賞口640は、電動役物640aが付随されており、その電動役物640aが開放状態となると、第2入賞口640に容易に遊技球が入賞可能となる。この場合には、1度の開放状態で2球以上の遊技球が入賞し易くなる。しかしながら、保留球が0個の状態で一度の開放で複数の遊技球が入球しても、1個目の遊技球が入球したタイミングで第2特別図柄の変動開始が直ぐに設定されると、第2特別図柄の保留球が0個として判別されてしまい、変動時間の比較的長い変動パターンが選択され易くなってしまう。これにより、時短中にも関わらず、遊技の効率が悪くなってしまい、遊技者を不快にさせてしまう。
【1030】
しかしながら、本制御例の特徴的な構成では、ウエイトカウンタ203uにより変動開始のタイミングが1秒遅延されるので、その間に電動役物640aが開放状態となった場合には、複数の遊技球が連続して入球した場合には、第2特別図柄の保留球が0個として判別されて1つめの変動が開始される不具合を抑制できる。
【1031】
なお、本制御例では、時短中に変動停止している状態で、第2特別図柄の保留球が0個である場合に、1秒間の遅延時間を設定するように構成したがそれに限らず、時短中の普通図柄の変動時間である3秒よりも長い遅延時間(例えば、4秒)を設定するように構成してもよい。このように構成することで、より電動役物640aが開放するタイミングまで第2特別図柄の変動開始を遅延させることができ、遊技球が第2入賞口640に入賞するタイミングまで遅延させることができる。また、電動役物640aの開放が設定されるタイミングに合わせて、遅延時間を設定するように構成してもよい。この場合には短い遅延時間でも効果的に保留球が0個として判別されて比較的長い変動パターンが選択されることを抑制できる。また、時短中に限らず、第2入賞口640にも限らない。
【1032】
なお、本制御例では、図55(a)に示すように、変動パターン選択テーブル202bでは、保留球が0個?2個である場合に、比較的に長い変動パターンが選択され易く設定されている。よって、保留球が3個以上となる期間まで遅延させる遅延時間を設定することが好ましい。
【1033】
また、本制御例では、時短遊技状態において、第2特別図柄の変動開始を遅延させるように構成したが、それに限らず、確変遊技状態であってもよいし、抽選により遅延させるタイミングを決定してもよいし、保留球数が一定以下(例えば1個等)の場合に遅延させるように構成してもよい。さらに、第2特別図柄に限らず、第1特別図柄で遅延させるように構成してもよい。また、大当たり遊技の終了タイミングで、第2特別図柄の変動開始タイミングを遅延させることで、第2特別図柄の保留球数が無いと判別されて変動開始される不具合を抑制するように構成してもよい。
【1034】
なお、本制御例では、変動開始のタイミングを遅延させるように構成したが、それに限らず、変動中の特別図柄の確定時間(変動時間が経過してから変動停止と判別されるまでの期間、即ち、図柄が確定停止されてから図64のS202の処理において変動停止中と判別されるまでの期間)を可変可能に設定して、第2特別図柄の保留球が記憶されていない場合には、その期間を長く設定するように構成してもよい。
【1035】
また、本制御例では、時短中である場合に遅延させる構成としたが、第2特別図柄の変動開始時には、毎回変動開始を設定するまでの期間(保留球を判別して変動開始の設定をするまでの期間)を長く設定するように構成してもよい。また、遊技状態に関わらず、電動役物640aが開放状態となる場合には、第2特別図柄の変動開始を設定するタイミングを遅延させるように構成してもよい。
【1036】
<第3制御例における制御処理について>
次に、図105?図106を参照して、本第3制御例における制御処理について説明する。本第3制御例では、第1制御例に対して、特別図柄変動処理(図64、S104)が特別図柄変動処理2(図105、S111)に変更されている点で相違する。その他の構成については、第1制御例と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
【1037】
図105は、本第3制御例における主制御装置110のMPU201が実行する特別図柄変動処理2(S111)の内容を示したフローチャートである。第3制御例における特別図柄変動処理2(図105、S111)は、第1制御例における特別図柄変動処理(図64、S104)に対して、S231?S233までの処理が追加されている。その他の処理については、第1制御例と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。
【1038】
S202の処理において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動中でないと判別された場合には(S202:No)、時短中であるか判別する(S231)。時短中であるとは、確変遊技状態または時短遊技状態であるかが判別される。時短中であると判別した場合には(S231:Yes)、時短中変動処理を実行する(S232)。
【1039】
ここで時短中変動処理(S232)について、図106を参照して、詳細について説明する。図106は、この時短中変動処理(S232)の内容を示したフローチャートである。時短中変動処理(図106,S232)では、まず、ウエイトカウンタ203uが0より大きい値であるか判別する(S311)。ウエイトカウンタ203uが0より大きい値である場合には、すでに第2特別図柄の変動開始に遅延時間が設定されている場合である。ウエイトカウンタ203uが0より大きい値であると判別した場合には(S311:Yes)、ウエイトカウンタ203uの値を-1減算して設定する(S312)。その後、この処理を終了する。
【1040】
一方、S311の処理において、ウエイトカウンタ203uが0であると判別した場合には(S311:No)、第2特別図柄の保留球数である特別図柄2保留球数カウンタ203eの値が0であるか判別する(S313)。第2特別図柄の保留球数が0個であると判別した場合には(S313:Yes)、ウエイトカウンタ203uに1秒に対応するカウンタ値を設定する(S314)。その後、この処理を終了する。一方、S313の処理において、第2特別図柄の保留球数が0でないと判別した場合には(S313:No)、この処理を終了する。
【1041】
ここで、図105に戻って説明を続ける。時短中変動処理(図106、S232)の処理を実行した後には、S233の処理を実行する。S233の処理では、ウエイトカウンタ203uが0より大きい値であるか判別する(S233)。ウエイトカウンタ203uにカウンタ値が設定されている場合には、この処理を終了する。一方、ウエイトカウンタ203uの値が0であると判別した場合には(S233:No)、S203の処理を実行する。
【1042】
このように、ウエイトカウンタ203uが実行されるまでは、特別図柄の変動開始が設定されないので、時短中に第2特別図柄の変動が保留0個から2個と判別されて実行されるのを抑制できる。なお、本制御例では、ウエイトカウンタ203uに設定される値は、1秒としたが、それに限らず、時短中の普通図柄の変動時間(本制御例では3秒)よりも長い時間である5秒を設定するように構成してもよい。このように構成することで、より確実に第2特別図柄の保留球数を3個以上にしてから第2特別図柄の変動開始が設定されるように制御できる。よって、保留球が少ない状態(0個?2個)として判別されて比較的長い変動パターンが選択されて時短中の遊技効率が悪化する不具合を抑制できる。
【1043】
<第4制御例>
次に、図107?図109を参照して、本第4制御例におけるパチンコ機10について説明する。第4制御例では、第1制御例に対して、一の特別図柄の変動期間中に第3図柄を複数回仮停止(揺れ変動させて停止)して、複数回の特別図柄の変動であるかのように、擬似的に見せる演出が設定されている点で相違する。その他の構成についは、第1制御例と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
【1044】
図107を参照して、本第4制御例における第3図柄表示装置81で表示される疑似連続演出における表示態様の一例について説明する。疑似連続演出とは、1の特別図柄の変動において、1回以上第3図柄を仮停止させて、再び変動表示させる表示をすることで、1の変動を複数回の変動であるかのように遊技者に見せる演出である。
【1045】
図107(a)は、疑似連続演出において、第3図柄表示装置81で表示される第3図柄が変動表示されている表示態様の一例を示した図である。疑似連続演出の変動パターンの変動表示が開始された場合には、変動開始から図柄の識別が可能な速度の変動(動的表示)である低速変動され、その後、図柄の種別を識別困難な変動速度の変動(動的表示)である高速変動となり、図107(b)に示すように突然、仮停止表示される。図107(b)は、疑似連続演出において仮停止表示された場合の表示態様の一例であり、第3図柄は、わずかに上下に揺れて変動されており、その前面側にキャラクタが表示された静止図柄が各第3図柄に重なってそれぞれ表示されている。この静止図柄は、各第3図柄の大きさよりも小さく設定されており、背面側の第3図柄の一部が視認可能に構成されている。また、静止図柄は、第3図柄が仮停止される前の高速変動している状態から仮停止される直前の変動表示のタイミングで付されて表示される。具体的には、高速表示されている場合には第3図柄は半透明で表示されて背景画像が透けて視認可能となる。そして、仮停止表示される直前、具体的には0.5秒前に半透明の表示が解除されて、不透明の状態で表示される。その表示タイミングで静止図柄が付されて表示される。なお、この静止図柄は、第3図柄のように揺れ変動して表示されず、静止表示されるので、遊技者は、仮停止しているのではなく第3図柄があたかも確定停止しているかのように感じることができる。
【1046】
よって、疑似連続演出における仮停止を確定停止であるかのように遊技者に感じさせることができ、複数回の変動表示がされているように見せることができる。
【1047】
なお、本制御例では、静止図柄は、各第3図柄に対して同一の図柄としたが、異なる図柄や形であってもよい。また、背面に表示される第3図柄の輝度を静止図柄の輝度よりも低く表示してもよい。このように表示することで、より静止図柄を目立たせることができ、遊技者に確定停止しているかのように思わせることができる。
【1048】
なお、本制御例では、静止図柄はキャラクタが表示されているのみとしたが、それに限らず、背面側に表示される第3図柄の識別番号(例えば、7図柄であれば7)を付して表示するように構成してもよい。このように構成することで、静止図柄を第3図柄であるかのうように錯覚させることができ、より遊技者が確定停止しているかのように見せることができる。
【1049】
<第4制御例における制御処理について>
次に、図108?図109を参照して、本第4制御例における制御処理について説明する。本第4制御例は、第1制御例に対して、表示制御装置114のMPU231が実行する表示設定処理(図91、S2303)が表示設定処理3(図108、S2340)に、変更されている点で相違する。その他の処理については、第1制御例と同一であるので、その説明は省略する。
【1050】
図108は、本第4制御例における表示制御装置114のMPU231が実行する表示設定処理3(S2340)の内容を示したフローチャートである。本第4制御例における表示設定処理3(図108、S2340)は、第1制御例における表示設定処理(図91、S2303)に対して、図柄仮停止設定処理(図109、S3040)が追加されている点で相違する。その他の構成については、第1制御例と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。
【1051】
図109を参照して、表示設定処理3(図108、S2340)内の一処理である図柄仮停止設定処理(S3040)について説明する。図109は、この図柄仮停止設定処理(S3040)の内容を示したフローチャートである。図柄仮停止設定処理(S3040)では、疑似連続演出が設定されている場合に図柄を仮停止して表示する処理が実行される。なお、疑似連続演出では、図柄を仮停止するタイミングについては、予め変動パターンで設定されており、表示データテーブルを規定することで自動的に設定される。
【1052】
図柄仮停止設定処理(図109、S3040)では、まず、疑似連続演出の変動パターンの変動表示中であるか判別される。疑似連続演出の変動パターンであると判別した場合には(S3041:Yes)、第3図柄の仮停止のタイミングであるか判別する(S3042)。第3図柄の仮停止タイミングでないと判別した場合には(S3042:No)、この処理を終了する。一方、図柄仮停止のタイミングであると判別した場合には(S3043:Yes)、仮停止する図柄位置に静止画像データを設定する(S3043)。その後、この処理を終了する。
【1053】
ここでは、表示データテーブルの図柄情報に静止画像データが重なるように設定される。このように、重ねて表示させる静止画像データを第3図柄の仮停止表示タイミングにより実行することで、静止画像データの種別等を遊技者の枠ボタン22の操作により可変させたり、その他抽選や、予告表示等に合わせて可変させて設定することができ、多種多様な静止画像にすることができる。
【1054】
本制御例では、疑似連続演出では、予めその変動パターンで設定されている回数で、第3図柄が仮停止表示され、その後、第3図柄が必ずリーチ表示態様となり、スーパーリーチの表示態様が表示される。仮停止される第3図柄には、静止図柄が仮停止表示され、仮停止がされた回数を遊技者が識別可能であるように、静止画像の色が1回目の仮停止では、緑色、2回目では、黄色、3回目では赤色、4回目では金色に設定されて表示される。実際には、静止画像が揺れ変動がされずに表示されると、遊技者には、仮停止ではなく実際に変動表示された回数として認識され易くなる。よって、遊技者は、複数の特別図柄の変動で、連続した回数を報知する静止図柄が表示されると、その後の特別図柄の変動表示でスーパーリーチとなる変動表示がされることを期待することができる。なお、本制御例では、仮停止される回数が多いほど、大当たりの期待度が高い(当否判定結果が大当たりの場合に選択され易く)ように設定されており、4回の仮停止が実行されるのは、当否判定結果が大当たりとなる疑似連続演出のみで構成されている。よって、3回目を示す赤色の静止図柄が表示されると、遊技者は、次の変動でも静止画像が表示されることを期待することができ、遊技の興趣を向上できる。
【1055】
なお、本制御例では、仮停止されてから、再度、第3図柄が動的表示されるタイミングで、静止画像は非表示に設定される。これにより、遊技者に第3図柄の変動を見やすく設定できる。
【1056】
なお、静止画像は、本制御例のキャラクタに限らず、文字でもよいし、背面の第3図柄の揺れ変動を隠すような大きさで表示してもよい。なお、実際には、仮停止であるので、背面の第3図柄が揺れ変動されているのがわずかに分かるように静止画像を透過して背面の第3図柄を視認可能に構成してもよい。
【1057】
<第5制御例>
図111から図151を参照して、本第5制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した各制御例では、大当たり遊技中に遊技球が入球可能な第1可変入賞装置65における、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kの動作により、確変遊技状態が付与されるか否かが決定されるように構成されていた。これに対し、第5制御例では、小当たり遊技中に遊技球が入球可能なV入賞装置900における、流路ソレノイド900kの動作により、大当たり遊技状態が付与されるか否かが決定されるように構成されている点で相違する。その他の構成については、第1制御例と同一であり、同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【1058】
図111を参照して、本制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成について説明する。本制御例では、上述した各制御例に対して、第2入賞口640に代えて第1可変入賞装置65が中央下部に設けられ、第1可変入賞装置65に代えてV入賞装置900が右下部に設けられ、第2入賞口640はV入賞装置900の上部に設けられ、第2入賞口640の右側に電動役物640aが設けられる点で相違する。その他の構成については、第1制御例と同一であるので、同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【1059】
なお、詳細は後述するが、第1可変入賞装置65は、上述した各制御例における第2入賞口と同一の構造である。また、V入賞装置900は、上述した各制御例における第1可変入賞装置65に滞留部材900nを設けた点で相違し、その他の点は同一の構造である。
【1060】
次に図112を参照して、本制御例における遊技盤13の相違点について説明する。図112は、遊技盤13の右下部の部分拡大図である。
【1061】
本制御例における遊技盤13の右下部には、普通図柄始動口(スルーゲート)67が設けられており、この普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過した遊技球が、自然落下によって入球することがない位置(左下の位置)に第2入賞口640が設けられている。また、第2入賞口640の左部から右上部にかけて釘が設けられており、それらの釘は上述した普通図柄始動口(スルーゲート)67まで所定の間隔(遊技球が通過不可能な間隔)で設けられている。さらに、普通図柄始動口(スルーゲート)67(または、その右側)を通過した遊技球を第2入賞口640へ入球するように誘導できる位置に電動役物640aが設けられている。
【1062】
ここで、電動役物640aは図示しないソレノイド(その他ソレノイド209zの一つ)の作動により、遊技盤13の前後方向に動作する。この電動役物640aは、前方へと進出動作(開放動作)することで、遊技球を第2入賞口640へ入球するように誘導する働きをする。一方、後方へと退避動作(閉鎖動作)することで、遊技球を第2入賞口640へ誘導しない(入球しない)働きをする。
【1063】
即ち、第2入賞口640は、電動役物640aが開放動作しななければ遊技球が入球しないように構成されている。また、電動役物640aが開放動作したとしても、その開放動作の時間(開放時間)が短い場合、遊技球が誘導されている最中に開放動作が終了してしまうことにより、遊技球が第2入賞口640へ入球しないこととなる。
【1064】
なお、本実施形態では、普通図柄始動口(スルーゲート)67から第2入賞口640にかけて釘を設けることで、普通図柄始動口(スルーゲート)67の左側を流下する遊技球が第2入賞口640へ入球しないように構成したが、これに限られず、ケース体で覆うなどすることで、同様の構成としてもよい。これにより、釘の間隔を遊技球が通過可能となるように変更するような不正行為を抑制することができる。また、そのケース体と普通図柄始動口(スルーゲート)67と第2入賞口640とを一体としたケース体としてもよいし、それらの一部のみを一体としたケース体としてもよい。
【1065】
また、電動役物640aに連動する遮蔽部材を設け、電動役物640aが閉鎖状態(退避状態)のときに第2入賞口640を塞ぎ、電動役物640aが開放状態(進出状態)のときに第2入賞口を開放するようにしてもよい。これにより、電動役物640aが閉鎖状態であるにも関わらず、第2入賞口640へ遊技球が入球してしまうことをより確実に防止できる。
【1066】
さらに、普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過した遊技球が、電動役物640aの動作に基づいて、第2入賞口640へ入球するか否かが変更されるように構成したが、これに限られず、所定の領域を通過した遊技球(例えば、通過口を通過した遊技球、単に発射された遊技球など)が、電動役物640aの動作に基づいて、第2入賞口640へ入球するか否かが変更されるように構成してもよい。
【1067】
上述した第2入賞口640、電動役物640a等の下に、V入賞装置900が設けられている。このV入賞装置900には、V入賞口900aが設けられており、このV入賞口900aに遊技球が入球することで、遊技者に対して所定の遊技球(例えば、3球)が払い出される。また、V入賞口900aへ入球した遊技球が後述するV入賞スイッチ900e3を通過することにより、大当たり遊技が付与されることとなる。
【1068】
V入賞口900aの上部には、上述した第1制御例と同様に遊技盤13側より出没可能なシャッター機構で構成された開閉扉900f1が設けられており、この開閉扉900f1が開放されることで遊技球がV入賞口900aへ入球可能となり、開閉扉900f1が閉鎖されることで遊技球がV入賞口900aへ入球不可能となる。このV入賞装置900の詳細については図113を参照して後述する。この開閉扉900f1は、図示しないV入口ソレノイド(その他ソレノイド209zの一つ)により開閉されるものである。
【1069】
尚、開閉扉900f1の上面及び、V入賞装置900上部の遊技球転動面には転動する遊技球の勢いを抑制する構成が設けられている(図示せず)。具体的には、摩擦係数の高い素材(例:ゴム、凹凸のある素材)を用いて転動速度を落としたり、転動する遊技球が衝突する構造を用いて転動速度を落としたり、遊技盤奥行き方向に玉を誘導させ転動距離を長くしたりする構造がある。これは、開閉扉900f1が開放した際に多くの遊技球をまとめてV入賞装置へと入球させるための構成である。
【1070】
V入賞装置900の左側であって、遊技盤の中央下部には、第1入賞口64が設けられ、その第1入賞口64の下部に第1可変入賞装置65が設けられている。この第1可変入賞装置65は、大当たり遊技において所定回数(例えば、大当たりCの場合は16回)開閉されるものであり、この第1可変入賞装置65aに遊技球が入球することにより所定の遊技球(例えば、15球)が払い出される。なお、本制御例では、第1制御例において上述した第2入賞口640と同一の構造の装置を第1可変入賞装置65として取り扱うため、同一の部分については、符号を640から65へと変更した上で付して、その詳細な説明を省略する。
【1071】
次に、図113を参照して、V入賞装置900における裏カバー体900eの振り分け流路に誘導された遊技球が後述する通常排出流路900e1と特別排出流路900e2とに振り分けられる構成について説明する。本制御例におけるV入賞装置900は、第1制御例において上述した、第1可変入賞装置65の特別排出流路65e2上に滞留部材900nが設けられる点と、確変スイッチ65e3に代えてVスイッチ900e3が設けられる点で相違し、その他の点で同一である。なお、本制御例では、第1制御例において上述した第1可変入賞装置65と同様の構造である装置を、V入賞装置900として取り扱うため、同一の部分については、符号を65から900に変更した上で付して、その詳細な説明を省略する。
【1072】
図113(a)は、遊技球が特別排出流路900e2に振り分けられるように切替部材900hが作動された状態を示す裏カバー体900eの背面図である。
【1073】
上述したように、切替部材900hが作動されていると、V入賞装置900の検出口900a1を通過した遊技球は、特別排出流路900e2へと振り分けられる。本制御例では、特別排出流路900e2に滞留部材900nが設けられる。この滞留部材900nにより、切替部材900hにより遊技球が特別排出流路900e2側に振り分けられる先の領域である振分先領域900h3に、遊技球を1球だけ滞留させることができる。これにより、振分先領域900h3に遊技球が1球滞留している場合は、V入賞装置900の検出口900a1を通過した遊技球は、特別排出流路900e2へと振り分けられずに、通常排出流路900e1へと流下することとなる。
【1074】
滞留部材900nは遊技盤13側より出没可能なシャッター機構で構成されている。この滞留部材900nは、図示しない滞留ソレノイド209aの作動により、遊技盤13の前後方向に動作する。この滞留部材900nは、前方へと進出動作(閉鎖動作)することで、振分先領域900h3に遊技球を1球滞留させることができる。一方、後方へと退避動作(開放動作)することで、振分先領域900h3に滞留する遊技球が特別排出流路900e2へと流下する。
【1075】
ここで、V入賞装置900は、小当たり遊技中において開閉扉900f1が開放されることで、遊技球が入球可能となるものである。また、滞留部材900nは、小当たり遊技中(V入賞装置900への入球が可能な場合)に閉鎖動作となり、小当たり遊技が終了してから(V入賞装置900へ新たな入球が不可能となってから)から所定時間経過後(本制御例では3秒後)に開放動作するものである。即ち、本制御例では、V入賞装置900へ入球した遊技球は、切替部材900hが動作していたとしても、特別排出流路900e2へ流下する遊技球は1球に制限される。これにより、特別排出流路900e2へ流下する遊技球が過剰となることを抑制することができる。
【1076】
特別排出流路900e2へと流下した遊技球は、Vスイッチ900e3を通過することとなる。第1制御例では確変スイッチ65e3の通過に基づいて確変遊技が付与されるよう構成したが、本制御例ではVスイッチ900e3の通過に基づいて、大当たり遊技が付与されるように構成している(後述する図138のS4603,S4607、図142のS4904参照)。
【1077】
なお、本制御例では、特別排出流路900e2へと流下する遊技球を1球に制限するように構成したが、これに限られず、振分先領域900h3に遊技球が2球以上滞留可能としたり、滞留部材が小当たり遊技中において所定回数(例えば、2回)動作させるようにしたりすることで、制限する遊技球の個数を適宜変更してもよい。
【1078】
図113(b)を参照して、通常排出流路900e2に遊技球が誘導される場合について説明する。図113(b)は、流路ソレノイド900kが非作動であり、特別排出流路900e2の入り口の開口面を切替部材900hの誘導片900h2が塞いでいる状態を示す図である。
【1079】
本制御例では、流路ソレノイド900kが非作動である場合においても、特別排出流路900e2に設けられた滞留部材900nが動作するように構成している。これにより、流路ソレノイド900kの作動の有無に応じて処理を切り替える必要がないため、設計コストの低減やプログラム容量の削減を図ることができる。
【1080】
流路ソレノイド900kが非作動である場合は、V入賞装置900の検出口900a1を通過した遊技球は全て通常排出流路900e1へと流下する。一方、特別排出流路900e2へと流下する遊技球はないため、本制御例において新たに設けた滞留部材900nによる影響はなく、上述した第1制御例と同一の動作となるので、詳細な説明を省略する。
【1081】
<第5制御例における電気的構成について>
次に、図114から図127を参照して、第5制御例における電気的構成について説明する。この第5制御例におけるパチンコ機10が第1制御例におけるパチンコ機10と電気的構成上において相違する点は、主制御装置110におけるROM202およびRAM203と、音声ランプ制御装置113におけるROM222およびRAM223の一部と、表示制御装置114におけるROM234(演出)の一部とが変更(追加)されている点と、主制御装置110に接続されるソレノイド209として滞留ソレノイド209aが追加されている点とで相違し、その他の点で同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【1082】
まず、図114を参照して、第5制御例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。図114は、第5制御例におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
【1083】
本制御例では、上述した第1制御例に対し、ソレノイド209として滞留ソレノイド209aが設けられている点で相違する。この滞留ソレノイド209aは、上述した通り、V入賞装置900における滞留部材900nを動作させるために用いられるものである。また、上述した各制御例において説明したソレノイド(例えば、流路ソレノイド900kなど)はその他ソレノイド209zの一部として取り扱うこととする。
【1084】
他の変更点としては、主制御装置110におけるROM202およびRAM203と、音声ランプ制御装置113におけるROM222およびRAM223の一部と、表示制御装置114におけるROM234(演出)の一部とが変更(追加)されている点であり、図115から図127を参照して後述する。その他の部分は同一であるので、同一の符号を付してその説明を省略する。
【1085】
次に、図115を参照して、本制御例における各カウンタについて詳しく説明する。本制御例では上述した第1制御例における各カウンタに加え、小当たり種別カウンタC5が追加されている点で相違する。
【1086】
この小当たり種別カウンタC5は、所定の範囲(本制御例では、0?99)内で順に1ずつ加算され、最大値(99)に達した後0に戻る構成となっている。この小当たり種別カウンタC5は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入賞口64または第2入賞口640に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。そして、この小当たり種別カウンタC5の値に基づいて、小当たり種別が選択されることとなる。詳細については、図119を参照して後述する。
【1087】
その他のカウンタについては、上述した第1制御例と同一であるので、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【1088】
次に、図116を参照して、本制御例の主制御装置110におけるROM202とRAM203との内容について説明する。図116(a)は主制御装置110におけるROM202の内容を模式的に示した模式図であり、図116(b)は、主制御装置110におけるRAM203の内容を模式的に示した模式図である。
【1089】
本制御例におけるROM202は、第1制御例におけるROM202に加え、小当たり種別選択テーブル202eを少なくとも有している(図116(a)参照)。この小当たり種別選択テーブル202eは、第1入賞口64または第2入賞口640への遊技球の入球に基づいて小当たりとなった場合に、その小当たり種別を選択するために用いられるものである。詳細については、図119を参照して後述する。
【1090】
また、本制御例におけるRAM203は、第1制御例におけるRAM203に加え、大当たり開始フラグ203v1、大当たり中フラグ203v2、小当たり開始フラグ203w1、小当たり中フラグ203w2、V通過時大当たり種別値203x1、Vフラグ203x2、普通図柄時短初回フラグ203yとを少なくとも有している。なお、本制御例においては、確変フラグ203eは不要であるため図示を省略した。
【1091】
大当たり開始フラグ203v1は、大当たりの開始タイミングであるか否かを判別するために用いるフラグである。この大当たり開始フラグ203v1は、特別図柄変動処理において抽選結果が大当たりである場合にオンに設定され(図129のS241参照)、大当たり制御処理2において大当たりの開始タイミングであるかを判別するために参照され(図140のS4701参照)、その大当たり制御処理2において大当たり開始タイミングであると判別された場合にオフに設定されるものである(図140のS4702参照)。これにより、大当たり開始タイミングに応じた処理を実行することができる。上述した各制御例においても、図示は省略したが、同様にして大当たり開始タイミングを判別している。
【1092】
大当たり中フラグ203v2は、大当たり中であるか否か、即ち、大当たり遊技が実行されているか否かを判別するために用いるフラグである。この大当たり中フラグ203v2は、上述した大当たり開始フラグ203hと同様に、特別図柄変動処理において抽選結果が大当たりである場合にオンに設定される(図129のS241参照)。そして、大当たり制御処理2において、大当たり中であるか否かを判別するために参照され(図140のS4704参照)、その大当たり制御処理2において、大当たり終了のタイミングであると判別された場合に、オフに設定される(図140のS4712参照)。
【1093】
小当たり開始フラグ203w1は、小当たりの開始タイミングであるか否かを判別するために用いられるフラグである。この小当たり開始フラグ203w1は、特別図柄変動処理において抽選結果が小当たりであると判別された場合に実行される、小当たり開始設定処理においてオンに設定される(図133のS4308参照)。そして、小当たり制御処理において小当たりの開始タイミングであるか否かを判別するために参照され(図141のS4801参照)、その小当たり制御処理において小当たりの開始タイミングであると判別された場合にオフに設定される(図141のS4802参照)。
【1094】
小当たり中フラグ203w2は、小当たり中であるか否か、即ち、小当たり遊技が実行されているか否かを判別するために用いるフラグである。この小当たり中フラグ203w2は、上述した小当たり開始フラグ203w1と同様に、小当たり開始設定処理においてオンに設定される(図133のS4308参照)。そして、小当たり制御処理において小当たり中であるか否かを判別するために参照され(図141のS4807)、その小当たり制御処理において小当たりの終了タイミングであると判別された場合にオフに設定される(図141のS4812)。
【1095】
V通過時大当たり種別値203x1は、V入賞装置900のV入賞スイッチ900e3を遊技球が通過した際に付与する大当たり種別を設定するために用いられる。このV通過時大当たり種別値203x1は、小当たり開始設定処理において小当たり種別に応じて設定されるものである(図133のS4305またはS4306)。そして、設定されたV通過時大当たり種別値203x1は、V通過処理において取得され(図138のS4601)、その取得した値に基づいてVフラグ203x2が設定される(図138のS4603、S4607)。このV通過時大当たり種別値203x1は、小当たり遊技の終了時に実行される小当たり終了処理においてクリアされる(図142のS4908)。
【1096】
Vフラグ203x2は、V入賞装置900のV入賞スイッチ900e3を遊技球が通過したことを記憶するためのフラグであり、小当たり終了時にこのVフラグ203x2の値に基づいて大当たり種別を決定するものである。このVフラグ203x2は、V通過処理においてV通過時大当たり種別値203x1の値に基づいて設定され(図138のS4603、S4607)、小当たり終了処理において参照され(図142のS4902、S4904)、その参照された後にオフに設定される(図142のS4906)。
【1097】
普通図柄時短初回フラグ203yは、時短遊技における普通図柄の変動が初回であるか否かを判別するためのフラグである。この普通図柄時短初回フラグ203yは、大当たり制御処理2において大当たり終了のタイミングに大当たり種別がCであった場合にオンに設定されるものであり(図140のS4715参照)、普通図柄変動処理において参照される(図136のS642参照)。詳細は後述するが、普通図柄変動処理において参照され、普通図柄時短初回フラグ203yがオンであると判別された場合は(図136のS641:Yes)、電動役物640aが長時間(5秒)開放されて第2入賞口640へ多くの遊技球が入球可能な状態となるよう設定され(図136のS642)、その後オフにされる(図136のS643)。一方、普通図柄時短初回フラグ203yがオフであると判別された場合は(図136のS641:No)、電動役物が短時間(0.5秒)開放された第2入賞口へ少しの遊技球が入球可能な状態となるよう設定される(図136のS644)。
【1098】
次に、図117を参照して、第1当たり乱数テーブル202aと第2当たり乱数テーブル202cとの内容について説明する。図117の(a)?(c)は、第1当たり乱数テーブル202aの内容を模式的に示した模式図であり、図117(d)は、第2当たり乱数テーブル202cの内容を模式的に示した模式図である。
【1099】
第1当たり乱数テーブル202aは、図117(a)に示す通り、第1入賞口64へ遊技球が入球することにより取得される第1当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりであるか否かを判別するための特別図柄1乱数テーブル202a1と、第2入賞口640へ遊技球が入球することにより取得される第1当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりであるか否かを判別するための特別図柄2乱数テーブル202a2とが設けられている。
【1100】
具体的には、特別図柄1乱数テーブル202a1は、図117(b)に示す通り、第1入賞口64への入球に基づく、第1特別図柄の抽選において、当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。第1特別図柄の抽選では、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0」であるかが判別されて、「0」であれば、大当たりであると判別される。また、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「1?3」であるか判別されて、「1?3」であれば小当たりであると判別される。その他、「4?399」の値であると判別された場合は、外れであると判別される。
【1101】
一方、特別図柄2乱数テーブル202a2は、図117(c)に示す通り、第2入賞口640への入球に基づく、第2特別図柄の抽選において、当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。第2特別図柄の抽選では、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0」であるかが判別されて、「0」であれば、大当たりであると判別される。また、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「1?398」であるか判別されて、「1?398」であれば小当たりであると判別される。その他、「399」であると判別された場合は、外れであると判別される。
【1102】
このように、本制御例のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0?399の範囲の、2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、第1入賞口64への入球に基づく第1特別図柄の抽選時に、第1特別図柄の大当たりとなる乱数値は1個であり、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、第1特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/400」となる。また、小当たりとなる乱数値の総数は3であるので、第1特別図柄の小当たりとなる確率は「3/400」となる。
【1103】
一方で、第2入賞口640への入球に基づく第2特別図柄の抽選時に、第2特別図柄の大当たりとなる乱数値は1個であり、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が11なので、第2特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/400」となる。また、小当たりとなる乱数値の総数は398であるので、第2特別図柄の小当たりとなる確率は「398/400」となる。
【1104】
第2当たり乱数テーブル202c(図117(d)参照)は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。図117(d)に示した通り、遊技機の状態に関わらず、第2当たり乱数カウンタバッファに格納された第2当たり乱数カウンタC4の値が5?204の範囲の場合に普通図柄の当たりと判定される(図136のS640参照)。
【1105】
なお、上述の各制御例と同じく、普通図柄の当たりと判定された場合は、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、電動役物640aが所定時間だけ開放される。
【1106】
ここで、本制御例における電動役物640aは、図112などで上述した通り、図示しないソレノイド(その他ソレノイド209zの一つ)の作動により、遊技盤13の前後方向に動作する。この電動役物640aは、前方へと進出動作(開放動作)することで、遊技球を第2入賞口640へ入球するように誘導する働きをする。一方、後方へと退避動作(閉鎖動作)することで、遊技球を第2入賞口640へ誘導しない(入球しない)働きをする。
【1107】
詳細は後述するが、本制御例における電動役物640aは、時短中の場合は5秒間又は0.5秒間開放されるが、時短中でない場合は0.2秒間しか開放されない。また、電動役物640aの開放時間0.2秒は、遊技球が第2入賞口640へと誘導されるのに必要な時間より短い時間である。よって、時短中でない場合に第2当たり乱数カウンタC4の値が当たりとなったとしても、第2入賞口へと遊技球を入賞させることができない。これにより、時短中でない(時短有りの大当たりを現出させていない)にも関わらず、第2入賞口へと入球させようとする遊技を抑制することができる。
【1108】
具体的には、電動役物640aは、開放動作中において電動役物640a上に自然落下した遊技球を受け止める遊技球落下領域a(図112のa)と、遊技球が自然落下してこない位置であって、遊技球落下領域aから転動してきた遊技球を第2入賞口640へと誘導する遊技球誘導領域bを有している。
【1109】
つまり、遊技球誘導領域bの長さ(遊技球の転動する距離)を、少なくとも電動役物640aの時短中ではない場合の開放時間(0.2秒)中に遊技球が転動する距離より長く且つ時短中の開放時間(0.5秒)中に遊技球が転動する距離より短く設計することで、時短中の開放動作では電動役物640a上に落下した遊技球を確実に第2入賞口640へと誘導し、時短中ではない場合の開放動作では電動役物640a上に落下した遊技球が第2入賞口に入賞することを防止することを可能としている。
【1110】
次に、図118を参照して、第1当たり種別選択テーブル202bの内容について説明する。図118の(a)?(c)は、第1当たり種別選択テーブル202bの内容を模式的に示した模式図である。
【1111】
第1当たり種別選択テーブル202bは、第1入賞口64に基づく大当たりの、大当たり種別を選択するための特別図柄1大当たり選択テーブル202b1と、第2入賞口640に基づく大当たりの、大当たり種別を選択するための特別図柄2大当たり選択テーブル202b2とを有している(図118(a)参照)。
【1112】
図118(b)に示すように、第1入賞口64に基づく大当たり時には、第1当たり種別カウンタC2の値が、「0?49」の場合は大当たりC(16R時短有大当たり)が選択され、「50?99」の場合は大当たりD(16R時短無大当たり)が選択される。
【1113】
一方、図118(c)に示すように、第2入賞口640に基づく大当たり時には、第1当たり種別カウンタC2の値に関わらず(値が「0?99」の場合において)大当たりC(16R時短有大当たり)が選択される。
【1114】
次に、図119を参照して、小当たり種別選択テーブル202eの内容について説明する。図119(a)?(c)は、小当たり種別選択テーブル202eの内容を模式的に示した模式図である。
【1115】
小当たり種別選択テーブル202eは、第1入賞口64に基づく小当たりの、小当たり種別を選択するための特別図柄1小当たり選択テーブル202e1と、第2入賞口640に基づく小当たりの、小当たり種別を選択するための特別図柄2小当たり選択テーブル202e2とを有している(図119(a)参照)。
【1116】
図119(b)に示すように、第1入賞口64に基づく小当たり時には、小当たり種別カウンタC5の値が、「0?1」の場合は小当たりC(V通過可能)が選択され、「2?99」の場合は小当たりE(V通過不可能)が選択される。
【1117】
一方、図119(c)に示すように、第2入賞口640に基づく小当たり時には、第1当たり種別カウンタC5の値が、「0?49」の場合は小当たりC(V通過可能)が選択され、「50?99」の場合は小当たりD(V通過可能)が選択される。
【1118】
詳細は後述するが、本制御例では、小当たり種別に応じて、V入賞装置900の流路ソレノイド900kの動作が設定される。具体的には、小当たりCおよびDによる小当たり遊技では、V入賞装置900の流路ソレノイド900kが動作しており、特別排出流路900e2へと遊技球が入球可能となっている。一方、小当たりEによる小当たり遊技では、V入賞装置900の流路ソレノイド900kが動作していないため。特別排出流路900e2へと遊技球が入球不可能となっている。即ち、小当たりCおよびDは、その後V入賞スイッチ900e3を遊技球が通過することで大当たりが付与される小当たりであり、小当たりEは大当たりが付与されない小当たりである。
【1119】
また、本制御例では、小当たりの種別に応じて、その後付与される大当たりの種別が定められており、小当たりCの後に付与される大当たりは大当たりC(16R時短有大当たり)となり、小当たりDの後に付与される大当たりは大当たりD(16R時短無大当たり)となるように構成されている。
【1120】
尚、本制御例では、小当たりの種別に応じて、その後付与される大当たりの種別が定められているが、それ以外の仕様として、第2特別図柄の抽選結果が小当たりの場合であっても、大当たり選択テーブルによって大当たりの種別を決定(大当たりの権利のみ獲得)しておき、その後の小当たり遊技においてV入賞スイッチ900e3を遊技球が通過することで先ほど権利を獲得した大当たりを実行するようにしてもよい。このようにすることで、V入賞スイッチ900e3を通過させる小当たりを遊技者が選択可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
【1121】
次に、図120を参照して変動パターンテーブル202dの内容について説明する。変動パターンテーブル202dは、変動パターンの表示態様を決定するために用いられるデータテーブルであり、変動種別カウンタCS1の値毎に表示態様が規定されている。この変動パターンテーブル202dには、特別図柄の抽選結果に対応した複数の異なるテーブルが規定されている。
【1122】
具体的には、図120(a)に示すように、大当たり用変動パターンテーブル202d1(図67(b)参照)と、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2(図67(c)参照)と、時短用変動パターンテーブル202d4とが少なくとも規定されている。なお、本制御例では確変状態を設けていないため、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3は省略している。また、大当たり用変動パターンテーブル202d1および外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2の内容については、上述した第1制御例と同一であるので、その詳細な説明を省略する。
【1123】
時短用変動パターンテーブル202d4は、時短中における変動パターンが図120(d)に示す通り、規定されている。具体的には、時短中において、外れの場合は変動種別カウンタCS1の値に関わらず、短外れ(0.5秒)の変動パターンとなり、小当たりの場合は長小当たり(10秒)となり、大当たりの場合は長大当たり(20秒)となるように規定されている。尚、時短中における外れの場合の変動パターンを長外れ(10秒)とし、小当たりと同じ長さにしてもよい。
【1124】
次に、図121を参照して、音声ランプ制御装置113のROM222およびRAM223の内容について説明する。本制御例におけるRAM223は、第1制御例におけるRAM223に加え、V入口通過カウンタ223jと、ラウンド数累積カウンタ223kと、継続判定カウンタ223mと、を少なくとも有している(図124(b)参照)。なお、ROM222は、第1制御例におけるROM222と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
【1125】
V入口通過カウンタ223jは、V入賞装置900の検出口900a1を通過した遊技球をカウントするためのカウンタである。このV入口通過カウンタ203jは、検出口900a1を遊技球が通過した場合に送信されるV入口通過コマンドを受信した場合に1加算されるものである(図144のS5014)。このV入口通過カウンタ203jは、V通過処理において表示用の演出コマンドを設定する際に参照され(図145のS5103)、そのV通過処理において表示用の演出コマンドが設定された後に0に初期化される(図145のS5106)。
【1126】
ラウンド数累積カウンタ223kは、大当たりまたは小当たりが継続した場合において、大当たり遊技におけるラウンド数を累積してカウントするためのカウンタである。このラウンド数累積カウンタ223kは、新たなラウンドの開始を示すラウンド数コマンドを受信した場合に1加算されるものであり(図144のS5004)、大当たり終了コマンドを受信した場合に継続判定カウンタ223mが0であれば初期化される(図144のS5009)。音声ランプ制御装置113において、このラウンド数累積カウンタ203kに基づいて表示用ラウンド数コマンドが設定されることで(図144のS5005)、ラウンド数累積カウンタ203kの値に基づいた演出が第3図柄表示装置81に表示されることとなる。
【1127】
継続判定カウンタ223mは、大当たりまたは小当たりが継続しているか否かを判別するために用いられるカウンタであり、上述したラウンド数累積カウンタ223kを初期化するかを判定するために用いられる。この継続判定カウンタ223mは、小当たりCの小当たり開始コマンドを受信した場合に2に設定され(図144のS5013参照)、小当たりDの小当たり開始コマンドを受信した場合に1減算されるものである(図144のS5015参照)。この継続判定カウンタ223mは、大当たり終了コマンドを受信した場合に参照され(図144のS5008参照)、継続判定カウンタが0であれば、即ち、小当たりDが2回連続した場合に、大当たりおよび小当たりの継続が終了したと判定し、ラウンド数累積カウンタ203kが0に初期化される(図144のS5009参照)。
【1128】
その他メモリエリア223zは、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理2(図143参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
【1129】
次に、図122を参照して本制御例における大当たりの流れを説明する。本制御例は遊技状態が特図1(以下、特1とも記述する)遊技状態(左打ち遊技)と、特図2(以下、特2とも記述する)遊技状態(右打ち遊技)とに分けられる。特図1遊技状態は第1入賞口64を狙って遊技球を発射する通常遊技状態である。第1入賞口64への遊技球の入球に基づいて第1特別図柄の抽選を行い、その抽選結果の大当たり種別が大当たりCの場合、その大当たりの終了後に第2入賞口640への入賞が容易となる時短遊技状態(図122では時短中と記載)が付与される。時短遊技状態に移行すると、遊技盤13の右側に配設されている第2入賞口640を狙うべく遊技球を遊技盤13右側へ発射する右打ちを行う右打遊技が行われる。一方、第1特別図柄の抽選結果の大当たり種別が大当たりDの場合は、その大当たりの終了後に時短遊技状態が付与されないため、再度特図1遊技状態を行うこととなる。又、本制御例では第1特別図柄の抽選結果が小当たりであって、その小当たり種別が小当たりCの場合に大当たり(V入賞)となるルートもある。この場合は、大当たり終了後に時短遊技状態へと移行する。
【1130】
次に、第2入賞口640への遊技球の入賞に基づいて行われる第2特別図柄の抽選は、第1特別図柄の抽選よりも遊技者にとって有利な状態となる大当たりの確率が高く設定されている。本制御例では、第2特別図柄に基づく抽選を受ける権利を保留記憶する保留記憶機能を有しており、第2特別図柄の変動中(詳しくは、第2特別図柄の変動表示が開始されてから停止表示をした後、確定表示されるまでの間)に、第2入賞口640へと遊技球が入賞した場合、当該入賞に基づく抽選を行う権利を現在変動中である第2特別図柄が確定表示されるまで保留(保留上限=1)することができるようになっている。
【1131】
次に、特図2遊技状態のうち、時短中遊技における大当たりの流れを説明する。この状態では、第2特別図柄の抽選が主として行われる。第2特別図柄の抽選内容は図117、図119に先述した通り、その殆どが小当たりに振り分けられている。これは、第2特別図柄の大当たり確率を高めるために、小当たり経由の大当たり(V入賞)の発生確率を高めるためである。ここで、第2特別図柄の抽選結果の小当たり種別が小当たりCの場合は、その大当たりの終了後に再度時短遊技状態が付与される。一方、小当たり種別が小当たりDの場合は、その大当たりの終了後に時短遊技状態が付与されないため、特図2遊技状態の時短遊技が付与されない非時短中に移行する。
【1132】
次に、特図2遊技状態のうち、非時短中遊技における大当たりの流れを説明する。この状態では、先述したように、第2特別図柄の保留記憶機能により保留記憶された第2特別図柄の抽選が実行される。その抽選の結果、小当たり種別が小当たりCの場合は、その大当たりの終了後に時短遊技が付与されるため、時短遊技状態へと移行する。一方、小当たり種別が小当たりDの場合は、その大当たりの終了後に時短遊技状態が付与されなく、且つ保留記憶も無いことから特図1遊技状態へと移行することになる。尚、本状態は非時短中であるため新たな保留記憶を獲得することができない。
【1133】
尚、本制御例では第2特別図柄の抽選において、大当たり種別が大当たりCの図柄当たりが選ばれることもある。
【1134】
つまり、遊技者にとって有利な抽選である第2特別図柄に基づく抽選を上述した保留機能を用いて少なくとも2回の行えるように設計されており、特図2遊技状態に突入後、小当たり種別の小当たりDが2回連続で選択されない限り、特図2遊技状態をループすることが可能となっている。
【1135】
図123は、本制御例における第2入賞口640への入賞から大当たり遊技の発生までの流れを説明したタイムチャートであり、(a)は第2入賞口640への入賞に基づく抽選結果が小当たりであって、特別排出経路900e2を通過することによる大当たり(V入賞)を、(b)は第2入賞口への入賞に基づく抽選結果が大当たり(図柄当たり)である場合を説明するものである。尚、各種装置の動作制御の詳細については後述する。
【1136】
まず、図123(a)を参照して説明をする。第2入賞口640への遊技球の入賞に基づき、主制御装置110にて第2特別図柄の変動制御が行われる。その際に表示制御装置114では第2特別図柄が変動中であることを示す第2特別図柄変動演出が実行される。尚、表示制御装置114によって実行される第2特別図柄変動演出の時間については後述する。そして、第2特別図柄の変動が停止し、主制御装置100が小当たり制御を開始すると、V入賞装置900に設けられたV入口ソレノイド,流路ソレノイド900k,滞留ソレノイド209aがオン状態となる(図113(a)の状態)。この状態では遊技者はV入賞装置900のV入賞口900aを狙い遊技球を発射しているため、V入賞装置900内に複数の遊技球が入球し、そのうちの1個が滞留部材900nによって滞留状態(図113の900h)となり、その他の遊技球は通常排出流路900e1を流下することとなる。尚、表示制御装置114によって実行される小当たり演出の時間については後述する。
【1137】
次に、主制御装置110による小当たり制御の流れを説明する。ここでは小当たり制御全体の時間を10秒と設定している。まず小当たり制御が開始されてから設定時間t1(6.5秒)が経過すると、上述した複数ソレノイドのうち、V入口ソレノイドがオフ状態となり、開閉扉900f1が閉鎖する。開閉扉900f1が閉鎖することによりV入賞装置900内に新たな遊技球が入賞することが無くなる。次いで、設定時間t2(9秒)が経過し、滞留ソレノイド209aがオフ状態となり滞留部材900nが開状態(退避状態)となり、滞留部材900nによって滞留していた遊技球が特別排出経路900e2へと流下していく。設定時間t2は、設定時間t1経過時にV入賞装置900内に存在していた遊技球が通常排出流路900e1を流下するのに十分な時間が設定してあるため、設定時間t2経過時にV入賞装置900内には滞留部材900nによって滞留されていた遊技球のみが特別排出流路900e2を流下することとなる。次いで、設定時間t3(1秒)が経過し、流路ソレノイド900kがオフ状態となり特別排出流路900e2の入り口の開口面を切替部材900hの誘導片900h2が塞ぐ。設定時間t3は設定時間t2経過時に特別排出流路900e2を流下する遊技球を誘導片900h2の可動範囲より下流に流下させるのに十分な時間が設定されている。
【1138】
このように滞留ソレノイド209aと流路ソレノイド900kとを時間差を設けて駆動させることで、誘導片900h2の可動範囲内に滞留部材900nによって遊技球を滞留させたとしても、誘導片900h2と滞留部材900nによって滞留させた遊技球とが干渉することなく、確実に特別排出流路900e2へと流下させることができるため、装置のコンパクト化を図ることが出来る。
【1139】
最後に、特別排出流路900e2を流下した遊技球がV入賞スイッチ900e3を通過したことに基づいて、主制御装置110では小当たり遊技制御を終了し、大当たり遊技制御を行い、特定入賞口が開放される。
【1140】
次に、図123(b)を参照して図123(a)と相違する点を説明する。図123(b)は、第2入賞口640への入賞に基づく第2特別図柄の抽選結果が大当たり(図柄当たり)であるため、V入賞装置900の作動は行われない。つまり、主制御装置110による第1特別図柄の変動制御が終了後、大当たり制御が開始される。その間表示制御装置114では第2特別図柄が変動中であることを示す第2特別図柄変動演出が実行される。
【1141】
ここで、図123(a)にて表示制御装置114が実行する演出と図123(b)にて表示制御装置114が行う演出の時間の関係について説明する。図123(a)では第2特別図柄の変動時間(10秒)と小当たり演出時間(10秒)の合算が20秒で設定されており、図123(b)では第2特別図柄の変動時間が20秒で設定されている。これは、第2特別図柄の抽選結果に基づく大当たりが上述したV入賞当たり又は図柄当たりの何れかであっても大当たり遊技が開始されるタイミング、つまり、第1可変入賞装置65(特定入賞口65a)が開放するタイミングを合わせるためであり、このように構成することで、遊技者に対して第2特別図柄の抽選結果を把握させないようにし、表示制御装置が実行する演出を最後まで楽しませることができる。
【1142】
次に、図124?図127を参照して演出制御装置114によって実行される第3図柄表示装置81上の演出表示について説明する。図124(a)は本制御例における時短遊技開始時の演出画像である。第3図柄表示装置81の右上側には第2特別図柄の変動表示(動的表示)を示す変動表示領域が、第3図柄表示装置81の左上側には第2特別図柄の抽選保留数を示す保留表示領域が、第3図柄表示装置81の下側にはコメント表示および右打ち遊技を案内するコメント領域が、そして、中央部には遊技の進行に伴ってストーリー展開される演出領域が設けられている。図124(a)は、第2入賞口640への遊技球の入球が無い状態であるため、変動表示領域は変動していなことを示す表示が、保留表示領域では、保留が無いことを示す表示が、そして、コメント領域には現在のモード名と右打ち報知表示がされている。
【1143】
図124(b)は、第2特別図柄が変動中の演出画像である。図124(b)と異なる点は、変動表示領域に第2特別図柄が変動中であることを示す表示がされている点と、演出領域に分かれ道が表示されている点である。演出領域は第2特別図柄変動中において、キャラクタが洞窟の奥深くに進んで行く演出がなされており、第2入賞口640に遊技球が入賞する、つまり保留領域に保留ありの表示がされると、分かれ道の一方を進んでいく。このように、第3図柄表示装置81の演出領域にて表示されるストーリーの展開が第2入賞口640への入賞に基づいて行われるようにすることで、第2特別図柄変動中における遊技球の発射停止を防止し、確実に第2特別図柄の保留を確保できるようにしている。尚、本制御例では保留ありの表示に基づいて分かれ道の一方を選択し進んでいく制御を示したが、第2入賞口に遊技球が入賞する毎に分かれ道を進むようにしてもよいし、遊技者が所定の操作手段を操作することで進行すべき道を選択し、当該選択完了後に発生した第2入賞口640への遊技球の入賞を起因として選択された道に進むよう制御してもよい。更に、当該変動中の第2特別図柄の抽選結果や保留されている第2特別図柄の抽選結果に基づいて分かれ道の色調やデザインを変更してもよい。このようにすることで、演出領域で進行されるストーリーの展開に遊技者が参加できるとともに、第2特別図柄の抽選結果を示唆する演出を味わうことができることから、第2特別図柄変動中における遊技球の発射停止をより一層防止することができる。
【1144】
次に図125(a)は、第2特別図柄の抽選結果が小当たりの場合における変動停止後の演出画像である。演出領域では扉が、変動表示領域は小当たりを示す確定表示が、保留表示領域では、保留があることを示す表示が、そして、コメント領域には右打ち報知表示がされている。本演出画像が表示されているときは、遊技盤面右下側でV入賞装置900が開放されている状態であるため、右打をしてV入賞装置900を狙うようコメント表示がされ、V入賞装置900への遊技球の入賞に基づいて演出領域ではキャラクタが扉を破壊する演出が実行される。又、演出領域に表示される扉の色調やデザインは当該変動の第2特別図柄の抽選結果や保留されている第2特別図柄の抽選結果に基づいて変更されるものである。
【1145】
尚、第2特別図柄の抽選結果が大当たりの場合も、同じタイミングで同じ演出画像が表示される。ただし、図123の説明にて上述したように、第2特別図柄は未だ変動中であるため変動表示領域は変動中の表示がされることとなる。よって、表示領域を小さくしたり、第3図柄表示装置81以外に設けたりすることでより一層第2特別図柄の抽選結果が小当たりであるか大当たりであるかを遊技者に把握され難くすることができる。
【1146】
また、第2特別図柄の抽選結果が外れの場合の変動パターンを10秒(本制御例では0.5秒)とするならば、このタイミングで扉が出てこない演出画像を表示すればよい。
【1147】
次に図125(b)は、遊技球がV入賞装置900内の特別排出流路900e2に設けられたV入賞スイッチ900e4を通過したときの演出画像であって、演出領域では図125(a)の演出領域で表示した扉から怪獣が登場する。扉の中から登場するキャラクタの種類については図127にて後述する。怪獣が登場した場合は、図126に示す大当たり演出に移行する。図126(a)は大当たり中の演出画像である。大当たり中の演出画像は演出領域にて行われるバトル演出がメインとなるため、変動表示領域および保留表示領域は目立たない箇所又は第3図柄表示装置81外の適宜位置に移動される。代わりに大当たりのラウンド数表示や大当たり中の出玉表示(図示せず)が表示される。図126(b)では大当たり中のバトル演出において怪獣を討伐した際の演出画像である。バトル演出において怪獣を討伐したときは、少なくともあと一回大当たりがある状態(保留されている第2特別図柄の抽選結果が大当たり又は大当たり後に時短遊技が付与される状態)である。一方、図126(c)では大当たり中のバトル演出において怪獣に敗北した際の演出画像であり。バトル演出において怪獣に敗北したときは、通常遊技状態に移行する状態(第2特別図柄の保留が無く、大当たり後に時短遊技が付与されない状態)である。尚、一旦バトルに敗北する演出画像を表示させた後に、復活して怪獣を討伐するような所謂復活演出を設けてもよい。また、小当たり中にV入賞しなかった場合は、扉が開かない演出となる(図示せず)。
【1148】
次に、図127を参照して、図125(a)にて表示した扉から登場するキャラクタについて説明する。図127(a)は第2特別図柄の抽選結果が大当たり(特別図柄2乱数テーブル202a2にて第1当たり乱数カウンタ値C1が「0」)の場合に表示される。
【1149】
図127(b)は第2特別図柄の抽選結果及び保留されている第2特別図柄の抽選結果がともに時短付小当たり(特別図柄2乱数テーブル202e2にて小当たり種別カウンタ値C5が「0?49」)の場合に表示される。つまり、少なくともあと3回は大当たりが付与される状態となるプレミア演出となる。
【1150】
以上、演出制御装置114によって実行される第3図柄表示装置81上の演出表示について説明したが、図123にて示したように第2特別図柄の抽選に基づくどの大当たりも、大当たり状態の開始を同一タイミングに設定し、且つ、図125(b),図127に示すように第3図柄表示装置81にて大当たりの種別を表示するタイミングも同一タイミングとしたため、遊技者に第2特別図柄の抽選結果を把握し難くさせることができる。
【1151】
又、図124(b),図125(a)の表示を行うことで、遊技者による遊技球発射の停止を抑制し、第2特別図柄の保留を確実に獲得させ且つV入賞装置への入賞を確実に行わせることができる。
【1152】
<第5制御例における主制御装置が実行する制御処理について>
次に、図128?図152を参照して、本第5制御例における主制御装置110のMPU201が実行する制御処理について説明する。本第5制御例では、上述した第1制御例に対し、タイマ割込み処理においてV入口通過処理とV通過処理とを実行する点と、タイマ割込み処理における特別図柄変動処理、始動入賞処理、普通図柄変動処理の一部処理が変更されている点と、メイン処理において大当たり制御処理2と小当たり制御処理とを実行する点とで相違する。その他の点は同一であるため、同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【1153】
まず、図128を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理について説明する。図128は、本第5制御例におけるタイマ割込処理についてのフローチャートである。このタイマ割込処理のうち、S101?S103、S107、S108?S109の各処理では、それぞれ第1制御例におけるタイマ割込処理(図63参照)のS101?S103、S107、S108?S109の各処理と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。本第5制御例では、タイマ割込処理の中で実行されるS104の特別図柄変動処理(図129参照)、S105の始動入賞処理(図134参照)、S106の普通図柄変動処理(図136参照)の中の一部の処理と、後述するS140のV入口通過処理(図137参照)、S141のV通過処理(図138参照)が行われる点において、第1制御例と相違する。
【1154】
まず、図129を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)の第1制御例との相違点を説明する。図129は、タイマ割込処理(図128参照)の中で実行される特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートであり、S240?S244の処理が、第1制御例と相違する。その他の処理は、上述した第1制御例と同一であるので、その詳細な説明を省略する。
【1155】
S240の特別図柄変動開始処理2は、第1制御例の特別図柄変動開始処理に代えて行われる(S213、図64参照)。特別図柄変動開始処理2(S240)の詳細は、図130?図132を参照して後述する。
【1156】
S241?S242の処理は、第1制御例のS219の処理に代えて行われる。具体的には、変動時間経過後(S214:Yes)に今回の抽選結果が大当たりであると判別された場合は(S216:Yes)、大当たり種別に基づいて、特定入賞口の開放シナリオを設定し(S217)、大当たりの開始を設定する(S218)。次いで、大当たり開始フラグ203v1と大当たり中フラグ203v2とをオンに設定し(S241)、時短中カウンタ203fを0に設定して、本処理を終了する。
【1157】
S241の処理において大当たり開始フラグ203v1と大当たり中フラグ203v2とがオンに設定されることにより、後述する大当たり制御処理2(図140)において、大当たり開始タイミングであるか否か、大当たり遊技中であるか否かを判別することが可能となる。
【1158】
また、S242の処理において時短中カウンタ203fを0に設定することにより、大当たり遊技が開始されると時短遊技が終了するように構成されている。
【1159】
一方、S216の処理において、今回の抽選結果が大当たりでないと判別された場合は(S216:No)、今回の抽選結果が小当たりであるか否かを判別する(S243)。
【1160】
S243の処理において、今回の抽選結果が小当たりであると判別された場合は(S243:Yes)、小当たり開始設定処理を実行し(S244)、本処理を終了する。一方、S243の処理において、今回の抽選結果が小当たりでないと判別された場合は、上述した第1制御例と同様にS220?S221の処理を実行し、本処理を終了する。
【1161】
本制御例では、上述したように、各特別図柄の抽選において小当たりとなるように構成したため、S243?244の処理により抽選結果が小当たりであると判別された場合に、小当たり遊技を開始するように構成されている。S244の処理の詳細については、図133を参照して後述する。
【1162】
次いで、図130?図132を参照して、特別図柄変動開始処理2について説明する。まず、図130は、第1制御例のS213の特別図柄変動開始処理に代えて実行される特別図柄変動開始処理2を示すフローチャートである。特別図柄変動開始処理2(S240)では、まず、時短中であるか否かを判定する(S4001)。時短中ではない場合(S4001:No)、通常変動開始処理(S4002)を実行し、本処理を終了する。一方、時短中である場合(S4001:Yes)、時短変動開始処理(S4003)を実行し、本処理を終了する。
【1163】
次いで、上述した特別図柄変動開始処理2(S240)の中で実行される、通常変動開始処理(S4002)及び時短変動開始処理(S4003)について説明する。
【1164】
まず、図131を参照して通常変動開始処理(S4002)について説明する。図131は、特別図柄変動開始処理2(図130のS240参照)の中で実行される通常変動開始処理(S4002)を示すフローチャートである。
【1165】
通常変動開始処理では、まず特別図柄保留球格納エリア203aにおける実行エリアのデータを取得する(S4101)。その後、取得した特別図柄の種別に対応した特別図柄大当たり乱数テーブルに基づいて、抽選結果を取得する(S4102)。具体的には、第1入賞口64への入球に基づく第1特別図柄の抽選であれば、特別図柄1乱数テーブル202a1(図117(b)参照)を参照して大当たりまたは小当たりの判別を行い、第2入賞口640への入球に基づく第2特別図柄の抽選であれば、特別図柄2乱数テーブル202a2(図117(c)参照)を参照して大当たりまたは小当たりの判別を行う。
【1166】
次いで、抽選結果が大当たりであるか否かを判定する(S4103)。抽選結果が大当たりである場合(S4103:Yes)、特別図柄と大当たり種別とに対応した通常大当たり時の表示態様を設定する(S4104)。その後、変動種別カウンタの値に基づいて通常大当たり変動パターンを決定し(S4105)、本処理を終了する。
【1167】
一方、抽選結果が大当たりではない場合(S4103:No)、さらに、抽選結果が小当たりか否かを判定する(S4106)。抽選結果が小当たりである場合(S4106:Yes)、特別図柄と大当たり種別とに対応した通常小当たり時の表示態様を設定する(S4107)。その後、変動種別カウンタの値に基づいて通常小当たり変動パターンを決定し(S4108)、本処理を終了する。
【1168】
抽選結果が小当たりではない場合(S4106:No)、特別図柄に対応した通常外れ時の表示態様を設定する(S4109)。その後、保留球数に基づいて通常外れ時の変動パターンを決定し(S4110)、本処理を終了する。
【1169】
次に、図132を参照して、時短変動開始処理(S4003)について説明する。図132は、特別図柄変動開始処理2(S240、図130参照)の中で実行される時短変動開始処理(S4003)を示すフローチャートである。この時短変動開始処理(S4003)では、上述した通常変動開始処理(S4002)に対し、時短用の表示態様と変動パターンとを設定(決定)する点で相違し、その他の点は同一であるため、その詳細な説明を省略する。S4105、S4108、S4110において決定される時短用の変動パターンは、上述したように時短用変動パターンテーブル202d4(図120(d)参照)に基づいて決定されるものである。
【1170】
次に、図133を参照して、上述した第5制御例で加えられた処理である小当たり開始設定処理について説明する。図133は、特別図柄変動開始処理2(S240)の中で実行される、小当たり開始設定処理(S244)を示すフローチャートである。
【1171】
小当たり開始設定処理(S244)では、まず、V入口ソレノイドの開放シナリオを設定する(S4301)。その後、小当たり種別C又はDであるか否か判定する(S4302)。小当たり種別C又はDではない場合(S4302:No)、S4303?S4306の処理をスキップして、S4307の処理へ移行する。
【1172】
小当たり種別C又はDである場合は(S4302:Yes)、流路ソレノイド900kの開放シナリオを設定する(S4303)。次いで、小当たり種別がCであるか否かを判定する(S4304)。小当たり種別がCである場合(S4304:Yes)、V通過時大当たり種別値に大当たり種別Dを設定し、S4307の処理へ移行する。
【1173】
一方、小当たり種別がCではない場合(S4304:No)、V通過時大当たり種別値に大当たり種別Dを設定し、S4307の処理へ移行する。
【1174】
S4302、S4305またはS4306の処理を終えると、小当たり種別に基づいて、小当たりの開始を設定する(S4307)。次いで、小当たり開始フラグ203w1、小当たり中フラグ203w2をオンに設定し(S4308)、本処理を終了する。
【1175】
次に、図134を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)について説明する。図134は、本第5制御例におけるタイマ割込処理(図128参照)の中で実行される始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。
【1176】
この始動入賞処理(S105)では、上述した第1制御例と同様にS401?405の処理を実行する。S405の処理を終えると、各種カウンタ値を取得して、特別図柄1保留球格納エリアにその取得した値を格納する(S406)。このS406では、本制御例において新たに設けた小当たり種別カウンタC5の値も取得し、格納するようにしている。
【1177】
次いで、S407?S408の処理を実行する。S408の処理を終えると、特別図柄2保留球数カウンタの値(N2)が1より小さいか否かを判別する(S409)。S409の処理では、本制御例において、第2特別図柄の抽選における保留数の上限を1とするため、このように構成している。
【1178】
S409の処理において、特別図柄2保留球数カウンタの値(N2)が1より小さいと判別された場合(S409:Yes)、第1制御例と同様に、S410?S411の処理を実行する。S411の処理を終えると、各種カウンタ値を取得して、特別図柄2保留球格納エリアにその取得した値を格納する(S412)。このS412では、上述したS406の処理と同様に、本制御例において新たに設けた小当たり種別カウンタC5の値も取得し、格納するようにしている。
【1179】
S407,S409またはS412の処理を終えると先読み処理2(S440)を実行し、本処理を終了する。
【1180】
次に、図135を参照して、先読み処理2(S440)について説明する。図135は、第1制御例の始動入賞処理(図66参照)において実行されるS413の先読み処理に代えて、始動入賞処理(図134参照)の中で実行される先読み処理2(S440)を示すフローチャートである。
【1181】
先読み処理2では、まず新たな入賞があったか否かを判定する(S4401)。新たな入賞がない場合(S4401:No)、そのまま本処理を終了する。一方、新たな入賞があった場合(S4401:Yes)、次いで、その入賞が第1特別図柄の入賞であるか否かを判別する(S4402)。
【1182】
S4402の処理において、入賞が第1特別図柄の入賞であると判別された場合は(S4402:Yes)、特別図柄1乱数テーブル、特別図柄1大当たり選択テーブルおよび特別図柄1小当たり選択テーブルに基づいて抽選結果、大当たり種別および小当たり種別を取得し(S4403)、S4405の処理へ移行する。
【1183】
一方、S4402の処理において、入賞が第2特別図柄の入賞であると判別された場合は(S4402:No)、特別図柄2乱数テーブル、特別図柄2大当たり選択テーブルおよび特別図柄2小当たり選択テーブルに基づいて抽選結果、大当たり種別および小当たり種別を取得し(S4404)、S4405の処理へ移行する。
【1184】
次に、図136を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図136は、タイマ割込み処理(図128参照)の中で実行される普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、上述した第1制御例に対し、普通図柄の抽選における抽選確率の変化を無くしたため、S608?S611の処理に代えてS640の処理を実行するようにした点と、S616の処理に代えてS641?S644の処理を実行するようにした点と、時短中か否かによる変動時間の変化を無くした(S619、S621の処理を削除)点とで相違する。その他の点は同一であるため、同一の部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【1185】
本制御例における普通図柄変動処理(S106)では、第1制御例と同様に、S601?S607の処理を実行する。S607の処理を終えると、第2当たり乱数テーブルに基づいて抽選結果を取得する(S640)。本制御例では、普通図柄の抽選における、高確率状態と低確率状態との区別がなく、普通図柄の当たりとなる確率は常に一定となっている。
【1186】
S640の処理を終えると、第1制御例と同様に、S612?S615の処理を実行する。S614の処理において、時短中であると判別され(S614:Yes)、S615の処理において、特別図柄の大当たり中でないと判別された場合は(S615:No)、普通図柄時短初回フラグ203yがオンであるか否かを判別する(S641)。
【1187】
S641の処理において、普通図柄時短初回フラグ203yがオンであると判別された場合は(S641:Yes)、付与された時短遊技において、初回の普通図柄変動処理が実行される場合であるので、第2入賞口640へ遊技球を多く入賞させるために、電動役物640aの開放時間および回数を「5秒間×1回」に設定する(S642)。これにより、電動役物640が長時間(5秒)開放されることとなり、その間、普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過する遊技球は第2入賞口640へ誘導されることとなる。よって、時短遊技における初回の普通図柄変動処理が実行されると、多くの遊技球が第2入賞口640へ入球し、第2入賞口640に基づく抽選(第2特別図柄の抽選)の保留球数を上限(本制御例では1)まで貯めさせることができる。
【1188】
S642の処理を終えると、普通図柄時短初回フラグ203yをオフに設定し(S643)、S620の処理へ移行する。
【1189】
一方、S641の処理において、普通図柄時短初回フラグ203yがオフであると判別された場合は(S641:No)、初回の普通図柄変動処理が実行された後であり、第2入賞口640に基づく抽選(第2特別図柄の抽選)の保留球数が上限(本制御例では1)となっている場合であるので、電動役物640aの開放時間および回数を「0.5秒×2回」に設定し(S644)、S620の処理へ移行する。これにより、電動役物が短期間(0.5秒)開放されることとなり、その間、普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過する遊技球のうち一部の遊技球のみが第2入賞口640へ誘導されることとなる。よって、時短遊技における初回以降の普通図柄変動処理の実行時には、多くの遊技球が第2入賞口640へ入球せず、その下に配置されるV入賞装置900へと入球可能となる。よって、時短遊技中において、第2入賞口640ばかりに遊技球が入球し、V入賞装置900へ遊技球が入球しないという不具合を抑制できる。
【1190】
また、S644の処理で設定される電動役物640aの開放時間(0.5秒)は、普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過した遊技球が第2入賞口640へ入球不可能な時間ではなく、普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過した遊技球のうち一部が入球可能な時間となっている。これにより、初回の普通図柄変動処理の実行時において、遊技球が発射されなかった場合などでも、その後の普通図柄変動処理の実行中に、第2入賞口640に基づく抽選(第2特別図柄の抽選)の保留球数を上限(本制御例では1)まで貯めさせることができる。一方、S617の処理で設定される電動役物640aの開放時間(0.2秒)は、普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過した遊技球が第2入賞口640へ入球することが不可能な時間となっている。これにより、時短遊技が付与されていない場合には、第2入賞口640へ遊技球を入球させないという遊技性を実現できる。
【1191】
S617,643またはS644の処理を終えると、普通図柄の変動時間を3秒に設定し(S620)、本処理を終了する。これにより、本制御例では、時短中であるか否かに関わらず、普通図柄の変動時間が3秒に固定されることとなる。
【1192】
尚、普通図柄の変動時間についてはこれに限定されるものではなく、特別図柄の時短機能と連動して時短機能を持たせてもよい。例えば、時短中は変動時間を2秒にしてもよい。また、本制御例では電動役物640aの動作を終了する条件が時間経過のみであったが、それ以外にも所定個数(例えば、保留記憶数の上限数)の入球を条件に電動役物640aの動作を終了してもよい。このようにすることで、保留記憶が上限数に達すると電動役物640aが直ちに閉鎖動作し、初回の普通図柄時短動作が終了する。そして、2回目以降の普通図柄時短動作が開始されることとなる。よって、V入賞装置900のV入賞口900aが開放される小当たり遊技開始時には、電動役物640aが長期間開放状態になることを抑制することができ、小当たり遊技を円滑に行うことができる。
【1193】
次に、図137を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるV入口通過処理(S140)について説明する。図137は、タイマ割込処理(図128参照)の中で実行されるV入口通過処理(S140)を示すフローチャートである。
【1194】
V入口通過処理(S140)では、まず小当たり中であるか否かを判定する(S4501)。S4501の処理において、小当たり中であると判別された場合(S4501:Yes)、V入口通過コマンドを設定し(S4502)、本処理を終了する。小当たり中ではない場合は(S4502:No)、小当たり遊技でないにも関わらず、V入賞装置900へ遊技球が入球した場合であるので、エラーコマンドを設定し(S4503)、本処理を終了する。
【1195】
S4502の処理において設定されたV入口通過コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図139参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113では、V入口通過コマンドを受信すると、V入口を通過した遊技球をカウントすると共に、表示制御装置114へV入口通過に基づく演出を実行させるためのコマンドを送信する。これにより、V入賞装置900への入球に基づく小当たり遊技中の演出を実行することができる(図122参照)。
【1196】
次に、図138を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるV通過処理(S141)について説明する。図137は、V通過処理(S141)を示すフローチャートである。このV通過処理(S141)は、タイマ割込処理(図28参照)の中で実行される処理である。
【1197】
V通過処理では、まずV通過時大当たり種別値を取得する(S4601)。次いで、大当たりCに該当するか否かを判定する(S4602)。大当たりCに該当する場合(S4602:Yes)、大当たりCを示すVフラグ203x2をオンに設定し(S4603)、S4604の処理へ移行する。
【1198】
一方、S4602の処理において、大当たりCに該当しない判別された場合(S4602:No)、次いで、大当たりDに該当するか否かを判別する(S4606)。S4606の処理において、大当たりDに該当すると判別された場合は(S4606:Yes)、次いで、大当たりDを示すVフラグ203x2をオンに設定し(S4607)、S4604の処理へ移行する。S4603またはS4607の処理を終えると、V通過コマンドを設定し(S4604)、時短中カウンタ203fを0に設定して(S4605)、本処理を終了する。S4605の処理において、時短中カウンタ203fが0に設定されることにより、時短遊技が終了することとなる。
【1199】
S4606の処理において、大当たりDに該当しないと判別された場合は(S4606:No)、エラーコマンドを設定し(S4608)、本処理を終了する。本制御例では、V入賞装置900のV入賞スイッチ900e3を遊技球が通過可能となるのは、小当たりCまたは小当たりDとなり、V通過時大当たり種別値に大当たりCまたは大当たりDが設定されている場合のみである。よって、V通過時大当たり種別値が大当たりCまたは大当たりDでない場合に、遊技球がV入賞スイッチ900e3を通過することに基づいて実行されるV通過処理(S141)が実行される場合は、不正にV入賞スイッチ900e3へ遊技球が入賞された場合であると考えられる。この場合、S4608の処理においてエラーコマンドを設定されることにより、エラーの出力が実行され、不正行為を発見することができる。
【1200】
次に、図139を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図139は、本第5制御例におけるメイン処理についてのフローチャートである。このメイン処理では、第1制御例における大当たり制御処理(S1004)に代えて大当たり制御処理2(S1040)が実行され、その大当たり制御処理2(S1040)の実行後に小当たり制御処理(S1041)が実行される点で相違する。
【1201】
その他のS1001?S1003、1005?S1015の各処理は、それぞれ第1制御例におけるメイン処理(図72参照)のS1001?S1003、1005?S1015の各処理と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。
【1202】
図140を参照して、大当たり制御処理2(S1040)について説明する。図140は、メイン処理(図139参照)の中で実行される大当たり制御処理2(S1040)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理2(S1040)は、メイン処理(図139参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、第1可変入賞装置65の特定入賞口65aを開放又は閉鎖するための処理である。
【1203】
大当たり制御処理2では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(S4701)。具体的には、特別図柄変動処理(図129参照)のS241の処理により大当たり開始フラグ203v1がオンに設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判定する。S4701の処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S4701:Yes)、大当たり開始フラグ203v1をオフに設定し(S4702)、オープニングコマンドを設定して(S4703)、本処理を終了する。
【1204】
ここで設定された大当たり開始コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図139参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、大当たり開始コマンドを受信すると、表示用大当たり開始コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用大当たり開始コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において大当たりを開始する演出が表示される。
【1205】
一方、S4701の処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(S4701:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S4704)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。具体的には、大当たり中フラグ203v2がオンであるか否かにより判別する。S4704の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S4704:No)、そのまま本処理を終了する。
【1206】
一方、S4704の処理において、特別図柄の大当たり中であれば(4704:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判定する(S4705)。新たなラウンドの開始タイミングであれば(S4705:Yes)、第1可変入賞装置65の特定入賞口65aを開放し(S4706)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S4707)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図139参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、ラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
【1207】
詳細は後述するが、本制御例では、音声ランプ制御装置113において、継続した大当たりが実行される場合には、ラウンド数の累積数に応じた表示用ラウンド数コマンドが送信されることとなる。よって、第3図柄表示装置81において継続した大当たりにおける累積されたラウンド数が表示されることとなる。これにより、大当たりが長く継続していることを遊技者に認識させることができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
【1208】
一方、S4705の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでなければ(S4705:No)、第1可変入賞装置65の特定入賞口65aの閉鎖条件が成立したかを判定する(S4708)。具体的には、第1可変入賞装置65の特定入賞口65aを開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、第1可変入賞装置65に球が所定数(例えば、合計10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。
【1209】
S4708の処理において、第1可変入賞装置65の特定入賞口65aの閉鎖条件が成立した場合には(S4708:Yes)、第1可変入賞装置65の特定入賞口65aを閉鎖して、本処理を終了する。一方、第1可変入賞装置65の特定入賞口65aの閉鎖条件が成立していない場合には(S4708:No)、大当たり終了のタイミングであるか否かを判定する(S4710)。具体的には、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(16ラウンド全て)が終了した場合に、大当たり終了のタイミングであると判定する。
【1210】
S4710の処理において、大当たり終了のタイミングである場合には(S4710:Yes)、大当たり終了コマンドを設定し(S4711)、大当たり中フラグをオフに設定する(S4712)。
【1211】
次いで、実行されていた特別遊技が大当たりCであったか否かを判別する(S4713)。S4713の処理において、大当たりC(16R時短有大当たり)であったと判別された場合は(S4713:Yes)、時短中カウンタ203fを99に設定し(S4714)、普通図柄時短初回フラグ203yをオンに設定して(S4715)、本処理を終了する。一方、S4713の処理において、大当たりD(16R時短無大当たり)であったと判別された場合は(S4713:No)、S4714およびS4715の処理をスキップして、本処理を終了する。
【1212】
ここで設定された大当たり終了コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図139参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、大当たり終了コマンドを受信すると、RAM223の入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報に基づいて、大当たり終了の演出の表示態様を選択する。そして、選択した大当たり終了の表示態様に応じた表示用大当たり終了コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用大当たり終了コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において大当たり終了の演出が開始される。一方、S4710の処理において、大当たり終了のタイミングでない場合には(S4710:No)、本処理を終了する。
【1213】
次いで、図141を参照して、小当たり制御処理(S1041)について説明する。図141は、メイン処理(図139参照)の中で実行される小当たり制御処理(S1041)を示すフローチャートである。この小当たり制御処理(S1041)は、メイン処理(図139参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の小当たり状態である場合に、小当たりに応じた各種演出の実行や、V入賞装置900の開閉扉900f1を開放又は閉鎖するための処理である。
【1214】
小当たり制御処理では、まず、特別図柄の小当たりが開始されるかを判定する(S4801)。具体的には、小当たり開始設定処理(図133参照)のS4308の処理により小当たり開始フラグ203w1がオンに設定されていれば、特別図柄の小当たりが開始されると判定する。S4801の処理において、特別図柄の小当たりが開始される場合には(S4801:Yes)、小当たり開始フラグ203w1をオフに設定し(S4802)、小当たり開始コマンド設定する(S4803)。
【1215】
ここで設定された小当たり開始コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図139参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、小当たり開始コマンドを受信すると、表示用小当たり開始コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用小当たり開始コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において小当たりを開始する演出が表示される。
【1216】
S4803の処理を終えると、開放シナリオに基づいてV入口ソレノイドと流路ソレノイド900kをオンに設定し(S4804)、滞留部材の作動を開始して(S4805)、本処理を終了する。
【1217】
このS4804の処理において参照する開放シナリオは、上述した小当たり開始設定処理(図133参照)において設定されるものであり、V入口ソレノイドの開放シナリオは小当たり種別に関わらず設定され、流路ソレノイド900kの開放シナリオは小当たり種別がCまたはDの場合にのみ設定される。よって、全ての小当たり遊技においてV入賞装置900の開閉扉900f1の開放が行われ、V入賞装置900へ遊技球を入球させることが可能となる。一方、流路ソレノイド900kがオンとなる小当たりCまたはDのみにおいて、V入賞装置900へ入球した遊技球が特別排出流路900e2へ流下可能となる。即ち、小当たりCまたはDは大当たりが付与される小当たり種別であり、小当たり種別Cは大当たりが付与されない小当たり種別である。
【1218】
また、S4805の処理において滞留部材の作動が開始(滞留ソレノイド209aがオン)されることで、振分先領域900h3に遊技球が1球滞留させることが可能となる。
【1219】
一方、S4801の処理において、特別図柄の小当たりが開始されるタイミングでない場合には(S4801:No)、特別図柄の小当たり中であるかを判定する(S4806)。特別図柄の小当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の小当たり(特別図柄の小当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の小当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。具体的には、小当たり中フラグ203w2がオンであるか否かにより判別する。S4804の処理において、特別図柄の小当たり中でなければ(S4804:No)、そのまま本処理を終了する。
【1220】
S4806の処理において、特別図柄の小当たり中であると判別された場合は(S4806:Yes)、次いで、V入口の閉鎖条件が成立したか否かを判別する(S4807)。具体的には、V入賞装置900の開閉扉900f1を開放した後に所定時間(例えば、6.5秒)が経過した場合、または、V入賞装置900に球が所定数(例えば、合計10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。
【1221】
尚、V入賞口900aに所定個数(例えば10個)の遊技球が入球したことを閉鎖条件としてもよい。
【1222】
S4807の処理において、V入賞装置900の開閉扉900f1の閉鎖条件が成立した場合には(S4708:Yes)、V入賞装置900の開閉扉900f1を閉鎖するためにV入口ソレノイドをオフに設定し(S4808)、滞留部材の作動を終了させるために滞留ソレノイド209aをオフに設定し(S4809)、本処理を終了する。一方、V入賞装置900の開閉扉900f1の閉鎖条件が成立していない場合には(S4808:No)、小当たり終了のタイミングであるか否かを判定する(S4810)。具体的には、上述したV入口の閉鎖条件が成立してから所定時間経過後(本制御例では3秒)に、小当たり終了のタイミングであると判別する。これにより、滞留部材900nの作動が終了してから小当たり終了処理(流路ソレノイドのオフ)を実行することができるので、振分先領域900h3に滞留されている遊技球をV入賞スイッチ900e3へ確実に入球させることができる。
【1223】
S4810の処理において、小当たり終了のタイミングである場合には(S4810:Yes)、小当たり中フラグ203w2をオフに設定し(S4811)、小当たり終了コマンドを設定し(S4811)、各ソレノイドの開放シナリオをクリアして(S4813)、本処理を終了する。
【1224】
一方、S4810の処理において、小当たり終了のタイミングでない場合には(S4810:No)、そのまま本処理を終了する。
【1225】
ここで、図142を参照して、小当たり終了処理(S4812)の詳細について説明する。図142は小当たり終了処理(S4812)を示すフローチャートである。この小当たり終了処理(S4812)は、小当たり制御処理において小当たり終了のタイミングであると判別された場合に実行される処理である。
【1226】
小当たり終了処理(S4812)では、まず、流路ソレノイド900kをオフに設定し(S4901)、Vフラグ203x2がオンであるか否かを判別する(S4902)。S4902の処理において、Vフラグ203x2がオンであると判別された場合は(S4902:Yes)、小当たり遊技中に遊技球がV入賞装置900のV入賞スイッチ900e3を通過した場合であるので、V入賞スイッチ900e3の通過に基づく大当たり遊技の実行を開始するための処理を行う。
【1227】
具体的には、Vフラグに対応する大当たり種別に基づいて特定入賞口65aの開放シナリオを設定し(S4903)、Vフラグに対応する大当たり種別に基づいて大当たりの開始を設定する(S4904)。次いで、大当たり開始フラグ203v1と大当たり中フラグ203v2とをオンに設定し(S4905)、Vフラグ203x2をオフに設定して(S4906)、S4908の処理へ移行する。
【1228】
一方、S4902の処理において、Vフラグ203x2がオンでないと判別された場合は(S4902:No)、小当たり遊技球に遊技球がV入賞スイッチ900e3を通過しなかった場合であるので、大当たりを付与せず終了するために、小当たり終了コマンドを設定して(S4907)、S4909の処理へ移行する。
【1229】
ここで設定された小当たり終了コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図139参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、大当たり終了コマンドを受信すると、RAM223の入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報に基づいて、大当たり終了の演出の表示態様を選択する。そして、選択した大当たり終了の表示態様に応じた表示用大当たり終了コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用大当たり終了コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において大当たり終了の演出が開始される。
【1230】
S4906またはS4907の処理を終えると、V通過時大当たり種別値203x1の値をクリアして(S4908)、本処理を終了する。
【1231】
<第5制御例における音声ランプ制御装置が実行する制御処理について>
次に、図143から図145を参照して、本第5制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する制御処理について説明する。本制御例では、上述した第1制御例に対し、コマンド判定処理2(S1530)において当たり関連のコマンドの受信に基づく処理を実行する点で相違する。その他の部分は同一であり、同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【1232】
まず、図143を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理2(S1530)について説明する。図143は、このコマンド判定処理2(S1530)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1511)は、上述した第1制御例と同様に、主制御装置110より受信したコマンドに対応する処理を行う処理である。
【1233】
コマンド判定処理2(S1530)では、第1制御例と同様に、S1601からS1610の処理を実行する。その後、S1609の処理において、報知コマンドを受信していないと判別された場合は(S1609)、その受信した入賞情報コマンドに基づいた入賞情報を入賞情報格納エリア223aに格納し(S1641)、S1619の処理へ移行する。一方、入賞情報コマンドを受信しなかった場合(S1640:No)、当たり関連のコマンドを受信したか否かを判定する(S1642)。当たり関連のコマンドを受信した場合(S1643:Yes)、当たり関連処理を実行し(S1643)、その後、S1619の処理へ移行する。一方、当たり関連のコマンドを受信していないと判別された場合は(S1642:No)、S1643の処理をスキップして、S1619の処理へ移行する。
【1234】
S1619の処理では、第1制御例と同様に、その他コマンドに応じた処理を実行し(S1619)、その後、本処理を終了する。
【1235】
ここで、図144を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される当たり関連処理(S1643)について説明する。図144は、当たり関連処理(S1643)を示すフローチャートである。この当たり関連処理(S1643)は、コマンド判定処理(図143参照)において当たり関連のコマンドを受信したと判別された場合に実行される処理である。
【1236】
当たり関連処理では、まず大当たり開始コマンドを受信したか否かを判定する(S5001)。大当たり開始コマンドを受信したと判別された場合(S5001:Yes)、表示用大当たり開始コマンドを設定し(S5002)、本処理を終了する。ここで設定される表示用大当たり開始コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図80参照)のコマンド出力処理(S1502)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用大当たり開始コマンドを受信すると、大当たりの開始を示唆する演出(例えば、図125(b)、図127)を第3図柄表示装置81に表示する。
【1237】
一方、大当たり開始コマンドを受信していないと判別された場合は(S5001:No)、次いで、ラウンド数コマンドを受信したか否かを判別する(S5003)。S5003の処理において、ラウンド数コマンドを受信したと判別された場合(S5003:Yes)、ラウンド数累積カウンタ223kに1を加算する(S5004)。その後、ラウンド数累積カウンタ223kに基づいて表示用ラウンド数コマンドを設定し(S5005)、本処理を終了する。
【1238】
S5003の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別された場合は(S5003:No)、大当たり終了コマンドを受信したか否かを判別する(S5006)。S5006の処理において、大当たり終了コマンドを受信したと判別された場合(S5006:Yes)、表示用大当たり終了コマンドを設定し(S5007)、次いで、継続判定カウンタ223mが0であるか否かを判別する(S5008)。
【1239】
S5008の処理において、継続判定カウンタ223mが0であると判別された場合は(S5008:Yes)、大当たりDが2回連続で実行された場合であり、大当たりの継続が終了するタイミングであるので、ラウンド累積カウンタ223kを0に設定し(S5009)、本処理を終了する。一方、S5008の処理において、継続判定カウンタが0ではないと判別された場合は(S5008:No)、そのまま本処理を終了する。
【1240】
S5006の処理において、大当たり終了コマンドを受信していないと判別された場合は(S5006:No)、小当たり開始コマンドを受信したか否かを判定する(S5010)。
【1241】
S5010の処理において、小当たり開始コマンドを受信したと判別された場合は(S5006:Yes)、小当たり種別に基づいて表示用小当たり開始コマンドを設定し(S5011)、次いで、開始される小当たり遊技が小当たりCであるか否かを判別する(S5012)。S5012の処理において、開始される小当たり遊技が小当たりCであると判別された場合は(S5012:Yes)、その後、大当たりCに基づく大当たり遊技が付与されるので、大当たりDの連続実行回数をカウントするための継続判定カウンタ223mを初期化(2に設定)し(S5013)、本処理を終了する。
【1242】
一方、S5012の処理において、小当たりCではないと判別された場合は(S5012:No)、次いで、小当たりDであるか否かを判別する(S5014)。S5014の処理において、小当たりDであると判別された場合は(S5014:Yes)、その後、大当たりDに基づく大当たり遊技が付与されるので、大当たりDの連続実行回数をカウントするための継続判定カウンタ223mを1減算して(S5015)、本処理を終了する。S5014の処理において、小当たりDでないと判別された場合は(S5014:No)そのまま本処理を終了する。
【1243】
S5010の処理において、小当たり開始コマンドを受信していないと判別された場合は(S5010:No)、小当たり終了コマンドを受信したか否かを判別する(S5016)。
【1244】
S5016の処理において、小当たり終了コマンドを受信したと判別された場合は(S5016:Yes)、小当たり遊技の終了を示唆する演出を実行するため、表示用小当たり終了コマンドを設定し(S5017)、本処理を終了する。
【1245】
一方、S5016の処理において、小当たり終了コマンドを受信していないと判別された場合は(S5016:No)、V入口通過コマンドを受信したか否かを判別する(S5018)。
【1246】
S5018の処理において、V入口通過コマンドを受信したと判別された場合は(S5018:Yes)、V入口通過カウンタ223jに1を加算する(S5019)。ここで加算されたV入口通過カウンタ223jは、後述するV通過処理において、小当たり遊技中におけるV入賞装置900への遊技球の入球数を判別するために参照される。
【1247】
S5109の処理を終えると、小当たり遊技中におけるV入賞装置900への入球に基づく演出(例えば、図125(a)参照)を実行するために、表示用V入口通過コマンドを設定し(S5020)、本処理を終了する。
【1248】
一方、S5018の処理において、V入口通過コマンドを受信していないと判別された場合は(S5018:No)、V通過コマンドを受信したか否かを判定する(S5021)。
【1249】
S5021の処理において、V通過コマンドを受信したと判別された場合は(S5021:Yes)、V入賞装置900のV入賞スイッチ900e3への入球に基づく処理を実行するために、V通過処理を実行し(S5022)、本処理を終了する。一方、S5021の処理において、V通過コマンドを受信していないと判別された場合は(S5021:No)、そのまま本処理を終了する。
【1250】
ここで、図145を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるV通過処理(S5022)について説明する。図145は、V通過処理(S5022)を示すフローチャートである。このV通過処理(S5022)は、当たり関連処理(図144参照)において、V通過コマンドを受信したと判別された場合に実行される処理である。
【1251】
V通過処理では、まず、実行されていた小当たり遊技が小当たりCであるか否かを判定する(S5101)。S5101の処理において、小当たりCであると判別された場合(S5101:Yes)、次いで、保留に当たりがあるか否かを判定する(S5102)。
【1252】
S5102の処理において、保留に当たりが無いと判別された場合は(S5102:No)、保留球に基づく大当たりまたは小当たりがないものの、V入賞スイッチ900e3の通過に基づいて大当たりCが付与される場合である。ここで、大当たりCは時短有り大当たりであり、その時短遊技において小当たりCまたはDとなる(即ち、その後大当たりCまたはDとなる)確率が「397/399」となっている。よって、その後に大当たり遊技が2連続で付与される確率が高いことを示唆する演出である2V演出を実行するために、表示用2V演出コマンドを設定し(S5105)、S5106の処理へ移行する。
【1253】
ここで設定される表示用2V演出コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図80参照)のコマンド出力処理(S1502)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用2Vコマンドを受信すると、大当たり遊技が2連続で付与される確率が高いことを示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示する。
【1254】
一方、S5102の処理において、保留に当たりがあると判別された場合は(S5102:Yes)、V入賞スイッチ900e3の通過に基づいて大当たりCが付与され、かつ、保留球に基づく大当たりまたは小当たりが付与される場合である。即ち、2連続で大当たり遊技が実行される確率が高いと共に、保留における小当たりに基づいて大当たり遊技が実行されるため、大当たり遊技が3連続で付与される確率が高い場合となる。
【1255】
ここで、S5102の処理において、保留に小当たりがあると判別された場合は(S5102:Yes)V入口通過カウンタ223jが5より大きいか否かを判別する(S5103)。
【1256】
S5103の処理において、V入口通過カウンタ223jが5より大きいと判別された場合は(S5103:Yes)、大当たり遊技が3連続で付与される確率が高いことを示唆する演出(例えば、図127(b)参照)を実行するために、表示用3V演出コマンドを設定し(S5104)、S5106の処理へ移行する。一方、V入口通過カウンタ223jが5より大きいと判別されなかった場合は(S5103:No)、小当たり遊技中において遊技球を十分に発射していないなど、V入賞装置900への遊技球の入球が十分でない場合である。この場合において、本制御例では、大当たり遊技が3連続で付与される確率が高いことを示唆する演出を表示しないようにするため、S5105の処理を実行して、S5106の処理へ移行する。これにより、V入賞装置900への入球に基づく賞球が少ない場合においても、V入賞装置900へ遊技球を入球させようとする遊技者の意欲を向上させることができる。
【1257】
S5015の処理において設定される表示用3V演出コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図80参照)のコマンド出力処理(S1502)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用3Vコマンドを受信すると、大当たり遊技が3連続で付与される確率が高いことを示唆する演出(例えば、図127(b)参照)を第3図柄表示装置81に表示する。
【1258】
S5101の処理において、実行されていた小当たり遊技が小当たりCでなかったと判別された場合は(S5101:No)、保留に当たりがあるか否かを判定する(S5107)。S5107の処理において保留に当たりがあると判別された場合(S5107:Yes)、次いで、小当たりCか否かを判定する(S5108)。
【1259】
S5108の処理において、保留に小当たりCがあると判別された場合は(S5108:Yes)、V通過に基づく大当たり遊技が実行され、保留球に基づいて小当たりCが付与される(即ち、2連続の大当たり遊技が付与される可能性が高い)場合である。よって、この場合、大当たり遊技が3連続で付与される確率が高いことを示唆する演出(例えば、図127(b)参照)を実行するために、表示用3V演出コマンドを設定し(S5109)、S5106の処理へ移行する。
【1260】
一方、S5108の処理において、保留が小当たりCではないと判別された場合は(S5108:No)、V通過に基づく大当たり遊技が実行され、保留球に基づいて小当たりDが付与される(即ち、1の大当たり遊技が付与される)場合である。よって、この場合、大当たり遊技が2連続で付与されることを示唆する演出を実行するために、表示用2V演出コマンドを設定し(S5110)、S5106の処理へ移行する。
【1261】
S5107の処理において、保留に当たりがないと判別された場合は(S5107:No)、V通過に基づく大当たり遊技の実行後に、継続して大当たり遊技が実行される場合ではないので、V通過に基づく大当たりとなったことを示唆する演出を実行するために、表示用V演出コマンドを設定し(S5111)、S5106の処理へ移行する。
【1262】
S5111の処理において設定される表示用V演出コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図80参照)のコマンド出力処理(S1502)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用Vコマンドを受信すると、小当たり遊技においてV入賞スイッチ900e3を遊技球が通過したことに基づいて、大当たり遊技が付与されること示す演出を第3図柄表示装置81に表示する。
【1263】
S5104,S5105,S5109,S5110またはS5111の処理を終えると、V入口通過カウンタを0に設定し(S5106)、本処理を終了する。
【1264】
<第5制御例における表示制御装置が実行する制御処理について>
次に、図146から図152を参照して、本第5制御例における表示制御装置114のMPU231が実行する制御処理について説明する。本第5制御例では、上述した第1制御例に対し、当たり関連のコマンドを受信した場合に当たり関連コマンド処理を実行する点で相違する。その他の部分については、同一であるため、同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【1265】
まず、図146を参照して、本制御例におけるコマンド判定処理(S2302)について説明する。図146はコマンド判定処理(S2302)を示すフローチャートである。このコマンド判定処理(S2302)では、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドを判定し、その判定したコマンドに応じた処理を行うための処理である。
【1266】
コマンド判定処理(S2302)では、上述した第1制御例と同様にS2401?S2413の処理を実行する。次いで、S2412の処理において、長押しを示すコマンドが無いと判別された場合(S2412:No)、当たり関連コマンドがあるか否かを判別する(S2440)。
【1267】
S2440の処理において、当たり関連コマンドがあると判別された場合は(S2440:Yes)、当たり関連コマンド処理を実行し(S2441)、S2401の処理へ戻る。一方、S2440の処理において、当たり関連コマンドが無いと判別された場合は(S2440:No)、その他コマンド処理を実行し(S2419)、S2401の処理へ戻る。
【1268】
ここで、図147を参照して、当たり関連コマンド処理(S2441)の詳細について説明する。この当たり関連コマンド処理(S2441)は、コマンド判定処理(図146参照)において、当たり関連コマンドがあると判別された場合に実行される処理である。
【1269】
当たり関連コマンド処理(S2441)では、まず、表示用大当たり開始コマンドがあるか否かを判別する(S5201)。S5201の処理において表示用当たり開始コマンドがあると判別された場合は(S5201:Yes)、大当たり開始コマンド処理を実行し(S5202)、S5203の処理へ移行する。
【1270】
ここで、図148(a)を参照して、大当たり開始コマンド処理(S5202)の詳細について説明する。図148(a)は、大当たり開始コマンド処理(S5202)を示すフローチャートである。この大当たり開始コマンド処理(S5202)は、当たり関連コマンド処理(図147)において、表示用大当たり開始コマンドがあると判別された場合に実行される処理であり、大当たりの開始を示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示させるための処理である。
【1271】
大当たり開始コマンド処理(S5202)では、まず、コマンドに対応した(例えば、大当たり種別に対応した)大当たり開始表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5301)。次いで、大当たり開始表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S5302)。その後、大当たり開始表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定し(S5303)、ポインタ233fを初期化し(S5304)、デモ表示フラグと確定表示フラグとをオフに設定して(S5305)、本処理を終了する。
【1272】
図147に戻り、説明を続ける。S5201の処理において、表示用大当たり開始コマンドが無いと判別された場合は(S5201:No)、S5203の処理へ移行する。S5201またはS5202の処理を終えると、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別する(S5203)。S5203の処理において、表示用ラウンド数コマンドがあると判別された場合は、ラウンド数コマンド処理を実行し(S5204)、S5205の処理へ移行する。
【1273】
ここで図148(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S5204)の詳細について説明する。図148(b)は、ラウンド数コマンド処理(S5204)を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理(S5204)は、当たり関連コマンド処理(図147)において、表示用ラウンド数コマンドを受信したと判別された場合に実行される処理であり、大当たり遊技中のラウンド数が更新される際の演出を第3図柄表示装置81に表示させるための処理である。
【1274】
ラウンド数コマンド処理(S5204)では、まず、コマンドに対応したラウンド数表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5401)。次いで、転送データテーブルバッファ233eをクリアし(S5402)、ラウンド数表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定する(S5403)。その後、ポインタ233fを初期化し(S5404)、デモ表示フラグと確定表示フラグとをオフに設定して(S5405)、本処理を終了する。
【1275】
図147に戻り、説明を続ける。S5203の処理において、表示用ラウンド数コマンドが無いと判別された場合は(S5203:No)、S5205の処理へ移行する。S5203またはS5204の処理を終えると、表示用大当たり終了コマンドを受信したか否かを判別する(S5205)。
【1276】
S5205の処理において、表示用大当たり終了コマンドがあると判別された場合は(S5205:Yes)、大当たり終了コマンド処理を実行し(S5206)、S5207の処理へ移行する。
【1277】
ここで、図149(a)を参照して、大当たり終了コマンド処理(S5206)の詳細について説明する。図149(a)は、大当たり終了コマンド処理(S5206)を示すフローチャートである。この大当たり終了コマンド処理(S5206)は、コマンド判定処理(図147)において大当たり終了コマンドを受信したと判別された場合に実行される処理であり、大当たり遊技の終了を示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示させるための処理である。
【1278】
大当たり終了コマンド処理(S5206)では、まず、コマンドに対応した大当たり終了表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5501)。次いで、転送データテーブルバッファ233eをクリアして(S5502)、大当たり終了表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定する(S5503)。その後、ポインタ233fを初期化し(S5504)、デモ表示フラグと確定表示フラグをオフに設定して(S5505)、本処理を終了する。
【1279】
図147に戻り、説明を続ける。S5205の処理において、表示用大当たり終了コマンドが無いと判別された場合は、S5206の処理をスキップしてS5207の処理へ移行する。
【1280】
S5205またはS5206の処理を終えると、表示用小当たり開始コマンドがあるか否かを判別する(S5207)。S5207の処理において、表示用小当たり開始コマンドがあると判別された場合は(S5207:Yes)、小当たり開始コマンド処理を実行し(S5208)、S5209の処理へ移行する。
【1281】
ここで、図149(b)を参照して、小当たり開始コマンド処理(S5208)の詳細について説明する。図149(b)は、小当たり開始コマンド処理(S5208)を示すフローチャートである。この小当たり開始コマンド処理(S5208)は、コマンド判定処理(図147参照)において、小当たり開始コマンドを受信したと判別した場合に実行される処理であり、小当たり遊技の開始を示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示するための処理である。
【1282】
小当たり開始コマンド処理(S5208)では、まず、受信したコマンドに対応した小当たり開始表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5601)。次いで、小当たり開始表示データテーブルに対応する転送データテーブルバッファを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S5602)。その後、小当たり開始表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定し(S5603)、ポインタ233fを初期化し(S5604)、デモ表示フラグと確定表示フラグとをオフに設定して(S5605)、本処理を終了する。
【1283】
図147に戻り、説明を続ける。S5207の処理において、表示用小当たり開始コマンドが無いと判別された場合は(S5207:No)、S5208の処理をスキップしてS5209の処理へ移行する。
【1284】
S5207またはS5208の処理を終えると、表示用小当たり終了コマンドがあるか否かを判別する(S5209)。S5209の処理において、小当たり終了コマンドがあると判別された場合は(S5209:Yes)、小当たり終了コマンド処理を実行し(S5210)、S5211の処理へ移行する。
【1285】
ここで、図150(a)を参照して、小当たり終了コマンド処理(S5210)の詳細について説明する。図150(a)は、小当たり終了コマンド処理(S5210)を示すフローチャートである。この小当たり終了コマンド処理(S5210)は、コマンド判定処理(図147参照)において、小当たり終了コマンドを受信したと判別された場合に実行される処理であり、小当たり遊技の終了を示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示するための処理である。
【1286】
小当たり終了コマンド処理(S5210)では、まず、受信したコマンドに対応した小当たり終了表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5701)。次いで、転送データテーブルバッファ233eをクリアし(S5702)、小当たり終了表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定する(S5703)。その後、ポインタ233fを初期化し(S5704)、デモ表示フラグと確定表示フラグとをオフに設定して(S5705)、本処理を終了する。
【1287】
図147に戻り、説明を続ける。S5209の処理において、表示用小当たり終了コマンドを受信していないと判別された場合は(S5209:No)、S5210の処理をスキップして、S5211の処理へ移行する。
【1288】
S5209またはS5210の処理を終えると、表示用V入口通過コマンドがあるか否かを判別する(S5211)。S5211の処理において、表示用V入口通過コマンドがあると判別された場合は(S5211:Yes)、V入口通過コマンド処理を実行し(S5212)、S5213の処理へ移行する。
【1289】
ここで、図150(b)を参照して、V入口通過コマンド処理(S5212)の詳細について説明する。図150(b)は、V入口通過コマンド処理(S5212)を示すフローチャートである。このV入口通過コマンド処理(S5212)は、コマンド判定処理(図147)において、V入口通過コマンドを受信したと判別された場合に実行される処理であり、小当たり遊技中においてV入賞装置900への遊技球の入球に基づく演出を第3図柄表示装置81に表示するための処理である。
【1290】
」V入口通過コマンド処理(S5212)では、まず、受信したコマンドに対応したV入口通過表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5801)。次いで、転送データテーブルバッファ233eをクリアし(S5802)、V入口通過表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定する(S5803)。その後、ポインタ233fを初期化し(S5804)、デモ表示フラグと確定表示フラグとをオフに設定し(S5805)、本処理を終了する。
【1291】
図147に戻り、説明を続ける。S5211の処理において、表示用V入口通過コマンドが無いと判別された場合は(S5211:No)、S5212の処理をスキップしてS5213の処理へ移行する。
【1292】
S5211またはS5212の処理を終えると、表示用3V演出コマンドがあるか否かを判別する(S5213)。S5213の処理において、表示用3V演出コマンドがあると判別された場合は(S5213:Yes)、3V演出コマンド処理(S5214)を実行し、S5215の処理へ移行する。
【1293】
ここで、図151(a)を参照して、3V演出コマンド処理(S5214)の詳細について説明する。図151(a)は、3V演出コマンド処理(S5214)を示すフローチャートである。この3V演出コマンド処理(S5214)は、コマンド判定処理(図147参照)において、表示用3V演出コマンドを受信したと判別された場合に実行される処理であり、小当たり遊技の終了時に3V(大当たりが3回継続)となることを示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示させるための処理である。
【1294】
具体的に、表示用3V演出コマンドは、上述したように、小当たり遊技中において、遊技球がV入賞装置900のV入賞スイッチ900e3を通過したことで大当たりが付与され、かつ、大当たりCとなる第2特別図柄の保留球が存在する場合に、音声ランプ制御装置113より受信するものである。
【1295】
3V演出コマンド処理(S5214)では、まず、受信したコマンドに対応した3V演出表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5901)。次いで、転送データテーブルバッファ233eをクリアし(S5902)、3V演出表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定する(S5903)。その後、ポインタ233fを初期化し(S5904)、デモ表示フラグと確定表示フラグとをオフに設定し(S5905)、本処理を終了する。
【1296】
図147に戻り、説明を続ける。S5213の処理において、表示用3V演出コマンドがないと判別された場合は(S5213:No)、S5214の処理をスキップしてS5215の処理へ移行する。
【1297】
S5213またはS5214の処理を終えると、表示用2V演出コマンドがあるか否かを判別する(S5215)。S5215の処理において、表示用2V演出コマンドがあると判別された場合は(S5215:Yes)、2V演出コマンド処理を実行し(S5216)、S5217の処理へ移行する。
【1298】
ここで、図151(b)を参照して、2V演出コマンド処理(S5216)の詳細について説明する。図151(b)は、2V演出コマンド処理(S5216)を示すフローチャートである。この2V演出コマンド処理は、コマンド判定処理(図147参照)において、表示用2V演出コマンドを受信したと判別された場合に実行される処理であり、小当たり遊技の終了時に2V(大当たりが2回継続)となることを示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示させるための処理である。
【1299】
具体的には、表示用2V演出コマンドは上述したように、小当たり遊技中において、遊技球がV入賞装置900のV入賞スイッチ900e3を通過したことで大当たりが付与され、かつ、大当たりDとなる第2特別図柄の保留球が存在する場合に、音声ランプ制御装置113より受信するものである。
【1300】
2V演出コマンド処理(S5216)では、まず、コマンドに対応した2V演出表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6001)。次いで、転送データテーブルバッファをクリアし(S6002)、2V演出表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定する(S6003)。その後、ポインタ233fを初期化し(S6004)、デモ表示フラグと確定表示フラグとをオフに設定し(S6005)、本処理を終了する。
【1301】
図147に戻り、説明を続ける。S5215の処理において、表示用2V演出コマンドが無いと判別された場合は(S5215:No)、S5216の処理をスキップしてS5217の処理へ移行する。
【1302】
S5215またはS5216を終えると、表示用V演出コマンドがあるか否かを判別する(S5217)。S5217の処理において、表示用V演出コマンドがあると判別された場合は(S5217:Yes)、V演出コマンド処理を実行し(S5218)、本処理を終了する。一方、S5217の処理において、表示用V演出コマンドが無いと判別された場合は(S5217:No)、当たり関連のコマンドで実行すべきコマンドはないので、そのまま本処理を終了する。
【1303】
ここで、図152を参照して、V演出コマンド処理(S5218)の詳細について説明する。図152は、V演出コマンド処理(S5218)を示すフローチャートである。このV演出コマンド処理(S5218)は、コマンド判定処理(図147参照)において、表示用V演出コマンドを受信したと判別された場合に実行される処理であり、小当たり遊技の終了時にV入賞したこと(V入賞スイッチ900e3を遊技球が通過したこと)を示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示させるための処理である。
【1304】
V演出コマンド処理(S5218)では、まず、受信したコマンドに対応したV演出表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6101)。次いで、転送データテーブルバッファ233eをクリアして(S6102)、V演出表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定する(S6103)。その後、ポインタ233fを初期化し(S6104)、デモ表示フラグと確定表示フラグとをオフに設定して(S6105)、本処理を終了する。
【1305】
以上、説明したように、本第5制御例のパチンコ機10によれば、第1特別図柄の抽選結果に基づき第2特別図柄の抽選を受けやすい状態(時短遊技状態)へと移行させ、第2特別図柄の抽選結果に基づきV入賞装置900を開放させ、V入賞装置900内の特定領域(特別排出流路900e2)を通過(V入賞スイッチ900e4を通過)することで大当たりを提供する遊技性を備えている。
【1306】
このような遊技性を備えるパチンコ機10では、適正な遊技順序以外での各種装置への遊技球の入球又は通過を防ぐための技術構成を複数具備している。
【1307】
第1に、通常遊技状態(遊技盤13の左側を狙う遊技)において第2入賞口640が開かないように遊技盤13の左側に普通図柄始動口(スルーゲート)67を設けず、遊技盤13の右側にのみ設けた。第2に、通常遊技状態において普通図柄始動口(スルーゲート)67を遊技球が通過したことに基づき、第2入賞口に遊技球が入賞しやすい状態(電動役物640aが開)になったとしても、通常遊技状態における電動役物640aが開状態となる時間として遊技球が入球困難な時間(0.2秒)を設定する。第3に、電動役物640aに流下(自然落下)してきた遊技球を受け止める遊技球落下領域aと、遊技球落下領域aから転動していた遊技球を受け入れ第2入賞口640へと誘導可能で且つ遊技盤13上から自然落下した玉が緩衝することが無い遊技球誘導領域bを設け、遊技球が遊技球誘導領域bを転動して第2入賞口640に入賞するのに要する時間より、電動役物640aの開放時間を短くする。第4に、主制御装置110による第1特別図柄の抽選の結果、大当たりではないがV入賞装置900が開放する、所謂小当たりが選ばれた場合、V入賞スイッチ900e4が設けられた特別排出流路900e2への遊技球の流下を防ぐために、切替部材900hと滞留部材900nの2つを設ける。といった構成である。このような構成の全部又は一部を用いることで、適正な遊技順序以外での各種装置への遊技球の入球又は通過を防ぐことが可能となる。
【1308】
又、本第5制御例では、遊技球の流下経路上流側から普通図柄始動口(スルーゲート)67,第2入賞口640(電動役物640a),V入賞装置900,第1可変入賞装置65(特定入賞口65a)と配置したが、遊技盤13に設けられた各種装置の配置については適宜変更してもよく。右打ち状態の大当たり遊技中に第2入賞口640やV入賞装置900に遊技球が入球することにより、予期しない事態が発生してしまうことを防止するためには、普通図柄始動口(スルーゲート)67,第2入賞口640,V入賞装置900の全部または一部よりも遊技球流下経路上流側に第1可変入賞装置65を設ける構成にするとよい。このように構成することで、大当たり遊技中において、発射された遊技球は遊技球の流下経路上流側の第1可変入賞装置65へと入球するため、その下流に設けられた各種装置への入球を防止することができ、適正な遊技順序以外での各種装置への遊技球の入球又は通過を防ぐことができる。より確実に防止するためには、遊技球流下経路の上流側に設けられた第1可変入賞装置65の開閉板が開放することにより、下流側に設けられた各種装置の入球又は通過口を塞ぐようにするとよい。尚、万が一適正な遊技順序以外で各種装置への遊技球の入球又は通過が発生した際は、各種装置に設けられる遊技球を検出する各種スイッチからの検出信号と現在の遊技状態とに基づいて報知を行うとよい。その際の報知内容については、通常遊技状態において直接大当たり遊技に関わるV入賞装置900内で遊技球が検出された場合は異常報知、通常遊技状態において普通図柄始動口(スルーゲート)67の通過が検出された場合は状態報知と報知の緊急性を変えることで、遊技場店員が遊技場にとって不利益となり得る状況をいち早く察知することが可能となる。尚、異常報知としては、遊技音量よりも大きな音で報知をするとともに外部にも信号出力する報知で、状態報知としては、第3図柄表示装置の液晶上で正常な打ち方を指示する報知が考えられる。
【1309】
更に、本制御例では、遊技球の流下経路上流側から普通図柄始動口(スルーゲート)67,第2入賞口640(電動役物640a),V入賞装置900,第1可変入賞装置65(特定入賞口65a)と配置したが、小当たり遊技中のV入賞装置900への遊技球の入球を円滑に行うために、第2入賞口640(電動役物640a)より上方にV入賞装置900を設けてもよい。このように構成することで、小当たり遊技中に電動役物640aが可変動作して開状態になったとしてもV入賞装置900への遊技球の入球に影響を与えることが無い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67よりもV入賞装置を上方に設けてもよい。このような構成にすることで、小当たり遊技中に普通図柄始動口(スルーゲート)67を遊技球が通過することを抑制することができるため、小当たり遊技中に電動役物640aが可変動作することを抑制することができ、V入賞装置900への遊技球の入球に影響を与えることが無い。
【1310】
また、本制御例ではV入賞装置900上部の遊技球転動面及び開閉扉900f1上面にて遊技球の流れを遅延させる構成を用いて、小当たり遊技時におけるV入賞装置900内への遊技球の入球をサポートしているが、それ以外に、例えば、V入賞装置内に遊技球が1個入るポケットを10個備えた回転体であって、そのうちの1つを遊技盤13に設けられた特別排出経路900e2と連通する開口が設けられるVポケットとし、小当たり遊技開始時に10球目に入球した遊技球がVポケットに格納されるような構成や、V入賞装置内に遊技球を貯めるスペースを設け、当該スペースに所定個数(10個)の遊技球が滞在することにより初めてV入賞スイッチ900e3を遊技球が通過する構成にしてもよい。また、電動役物640aの進退動作を利用して電動役物640a上を転動する遊技球をまとめてV入賞装置900へ入球させる制御及び構成を用いてもよい。
【1311】
尚、普通図柄の時短回数に制限を設けることにより、小当たり遊技中のV入賞装置900への遊技球の入球を円滑に行うようにしてもよい。具体的には、抽選結果が小当たりである第2特別図柄の変動時間(例えば22秒)よりも時短中の普通図柄変動時間(例えば3秒)と電動役物640a作動時間(例えば2秒)を合算した時間(例えば5秒)が少なくなる範囲を時短回数にすればよい(上記例示の場合なら時短回数は4回)。このように構成することで、小当たり遊技開始時には普通図柄の時短遊技が終了しているため、小当たり遊技中に電動役物640aが可変動作する時間を短くすることができる。また、小当たり遊技が開始されたことを契機に普通図柄の変動時間を延長したり電動役物640aの可変動作を禁止、短期間開放(0.2秒)に変更する制御を行ってもよいし、第2特別図柄の保留記憶が上限に達したことを契機に普通図柄の変動時間を延長したり電動役物640aの可変動作を禁止、短期間開放(0.2秒)に変更する制御を行ってもよい。なお、ここでいう普通図柄の時短とは、内部的に時短遊技を終了させて通常遊技に戻す制御以外にも、普通図柄の時短遊技のうち、初めの所定回数のみ変動時間を短くして、所定回数以降は変動時間を長く設定するものや、初めの所定回数のみ電動役物640aの可変動作時間を長く設定し、所定回数以降は可変動作時間を短く設定するといった制御の所定回数まで、つまり、第2入賞口640に遊技球が入球し易い状態の制御のすべてを含む概念である。
【1312】
また、本制御例のパチンコ機10では第2特別図柄の抽選を保留記憶する保留記憶機能(特別図柄2保留球数カウンタ223c)を有している。この保留記憶は本制御例の遊技性を維持する上で重要な構成であるため、本制御例のパチンコ機10では、保留記憶を貯めさせるための技術構成を複数具備している。
【1313】
第1に、時短遊技状態における第3図柄表示装置81の演出領域にて表示されるストーリーの展開を第2入賞口640への入賞に基づいて行われるようにする。第2に、時短遊技中における抽選結果が小当たりとなる第2特別図柄の変動時間10秒(図120(d))を普通図柄の変動時間3秒(S620)よりも長くする。といった構成である。このような構成の全部又は一部を用いることで、保留記憶を貯めさせることが可能となる。尚、上述した第2の構成について、本制御例では普通図柄の変動時間を時短遊技中か否かに関わらず一定にしているが、時短遊技中の普通図柄の変動時間を時短遊技中以外(通常遊技中)より短く設定してもよい。ただし、その場合は、時短遊技中における抽選結果が小当たりとなる第2特別図柄の変動時間を通常遊技中の普通図柄変動時間より長く設定する必要がある。即ち、一般的にパチンコ機は、大当たり遊技中は時短機能が解除され通常遊技状態に基づく変動時間で普通図柄が変動する。よって、大当たり遊技終了後の時短遊技においては、最大で通常遊技中における普通図柄の変動時間が経過しなければ電動役物640aが作動せず、第2入賞口へ遊技球を入球させることが出来なくなる。その間に第2特別図柄の変動が確定し、小当たりを経由して大当たりが発生してしまうと、本制御例の特長である第2特別図柄の保留記憶を貯めることが出来なくなってしまうという問題が発生してしまう。そのような問題を解決するために第2特別図柄の変動時間と普通図柄の変動時間を上述した時間に設定しているのである。
【1314】
尚、上述した内容では特別図柄の変動時間を普通図柄の変動時間より長く設定しているが、時短遊技中における抽選結果が小当たりとなる第2特別図柄の変動時間と小当たり遊技中(V入賞スイッチ900e4による遊技球の検出まで)の時間の合計が通常遊技中の普通図柄変動時間より長く設定されていてもよい。これは、小当たり遊技中は時短遊技状態であるためである。ただしこの場合は本制御例のようにV入賞装置内で特別排出経路900e2へと流下する玉を滞留させる等の構成を用いて小当たり遊技を所定期間継続させる必要がある。尚、万が一、時短遊技中に第2特別図柄の保留記憶数が0になってしまう場合は、第1特別図柄の変動が開始してしまう恐れがあるため、第3図柄表示装置81にて右打を行うよう強調表示を行ったり、音声ランプ制御装置113を用いて音声案内を行ったりするとよい。
【1315】
尚、本制御例では、図117(c)に示すように、第2特別図柄の抽選結果に若干の大当たりや外れが含まれているが、全てを小当たりに振り分けてもよい。そうすることで、特別図柄の保留記憶分は必ずV入賞装置を経由した大当たりとなり、遊技の速度を高めることができ遊技の興趣を向上させることができる。
【1316】
尚、本制御例では、大当たり遊技を行う際に開放される第1可変入賞装置65(特定入賞口65a)と、V入賞装置900とを別構成で設けたが、その両方の機能をV入賞装置900に持たせてもよい。その場合、大当たり遊技中は、V入賞装置900に入球した遊技球を、切替部材900hを用いて図113(a)のように通常排出流路へと流下させる。こうすることで、装置の点数を減らすことができ、コストの削減とともに省スペース化を図ることが可能となる。また、V入賞装置900内の通常排出流路900e1と特別排出流路900e2とを用いて、大当たり遊技終了後に時短遊技を付与するか否かを決定する構成にしてもよい。この場合、特別排出流路900e2へと遊技球が流下したときに時短が付与されることとなる。尚、この場合の切替部材900hの切替制御は、第1特別図柄又は2の抽選に基づいて予め定められていてもよいし、一定の間隔で規則的に切替部材900hを可動させることで排出流路を切り替えるようにしてもよい。又、上記第1制御例?第4制御例の技術構成と組み合わせ、確変を付与するか否かを決定する構成としてもよい。
【1317】
また、V入賞装置900内の排出流路は2つに限定されるものではなく、機能数に応じて3つ以上に構成してもよい。更に、各排出流路の切替を行う切替部材についても、本制御例の構成に限定されるものではなく、流路の切替が可能な構成であればよい。
【1318】
尚、本制御例では、V入賞スイッチ900e4による遊技球の検出に基づく大当たりによって提供されるラウンド数を16ラウンドに固定しているが、大当たりのラウンド数は適宜変更してもよく、出玉が少なく(例えば2ラウンド)時短なしの大当たりを設定してもよい。そうすることで、出玉を大量に獲得することなく時短が終了してしまう遊技性(所謂、時短転落機能)を提供することができる。更に、本制御例では時短遊技中に開放状態となったV入賞装置900に遊技球を入球させると必ず大当たりとなる構成にしたが、小当たりE(図119(C)参照)への振り分けを設けてもよい。
【1319】
上述した各構成を用いることにより、時短遊技中にV入賞装置900へ入球させた結果に、出玉が少なく時短が終了するパターンや大当たりにならないパターンを加えることができるため、大当たり遊技を獲得した際に遊技者が一喜一憂することができる。
【1320】
また、大当たり終了後に時短遊技を付与するか否かの決定について、本制御例では、小当たり種別(尚書きでは大当たり種別)に基づいて決定するとしたが、例えば時短遊技中に大当たりした場合は、その大当たりの終了後には必ず時短が付与されず、非時短遊技中に大当たりした場合は、その大当たりの終了後には必ず時短が付与されるといった現在の遊技状態(時短中か否か)に応じて、大当たり終了後に時短が付与されるか否かを決定する制御を行ってもよい。このような制御であっても、第2特別図柄の抽選結果(小当たり又は外れ)に基づいて、大当たり後に時短遊技を付与するか否かを設定しているものである。
【1321】
尚、第2特別図柄の抽選を保留記憶可能な数については適宜設定すればよく、第2特別図柄の抽選保留記憶数と第2特別図柄の小当たり抽選確率を変更することで、様々な遊技性を持たせることが可能となる。
【1322】
<第5制御例の変形例>
以下に、第5制御例の変形例について図153を参照して説明する。本変形例では、第2特別図柄の抽選を保留記憶可能な数を増やし(例えば4つ)、第2特別図柄の抽選に基づく特2当たりの確率を下げた(例えば1/6)パターン(図117(C)の小当たり判定値に該当する値C1を減らし、はずれを増やすパターン)であって、る。このようにすることで、特2当たりが2回発生する保障は無くなるが、第1特別図柄よりも大当たり期待度の高い第2特別図柄の抽選を多くうけることができるため、抽選結果次第で多くの連荘を獲得できる可能性を高めることができ、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。また、保留記憶されている抽選の結果を先読みすることで、4連荘確定演出といった遊技者にとって至福の演出を提供することも可能となる。
【1323】
<第6制御例>
次に、図154?図156を参照して、第6制御例について説明する。本第6制御例では、第1可変入賞装置65の上部に迂回路部材660が配置され、遊技球を遊技領域の右側に発射する(右打ち)ように遊技すると、開閉扉65f1が閉状態である場合には、開閉扉65f1上に遊技球が約12球まで転動するように構成した点で相違する。さらに、第1可変入賞装置65の内部の構成を第1制御例に対して変更した点で第1制御例とは相違する。その他の構成については、第1制御例と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
【1324】
図154は、遊技盤13の一部(迂回路部材660が配置された部分)を拡大した斜視拡大図である。迂回路部材660は、遊技盤13に形成された開口部に挿入され、遊技盤13の前面側に遊技球が流下可能な流路を突出した状態で、ネジにより遊技盤13に固定されている。迂回路部材660は、遊技盤13の前後方向で対向した流路壁部660aで構成されている。
【1325】
この流路壁部660aは、前面側流路壁部660a1と後面側流路壁部660a2とで構成されており、前面側流路壁部660a1と後面側流路壁部660a2とは、底面の一部で連結されており、一体に形成されている。前面側壁部660a1は、図154に示すように、後方側に突出した壁部を3つそれぞれ遊技球2球分以上の間隔(本制御例では、遊技球2.5個分)空けて配置されている。また、後面側壁部660a2は、前面側に3つ突出した壁部が形成されており、それぞれの壁部の間隔が前面側壁部と同様に構成されている。
【1326】
前面側壁部660a1と後面側壁部660a2とは、前面側壁部660a1の突出壁部が後面側壁部660a2の突出した壁部間の中央に挿入され、さらに、前面側壁部660a1と後面側壁部660a2との間を遊技球が通過可能な位置に配置されている。迂回路部材660は、右から左方向に向かって若干下り傾斜で底面が構成されており、開閉扉65f1が閉状態となることで、底面が閉塞され、開閉扉65f1の上面を遊技球が迂回路部材660により遊技盤13の前後方向に蛇行しながら転動する。さらに、前面側壁部660a1と後面側壁部660a2とを底面でつなぐ連結部660kが迂回路部材660の入り口部と前面側壁部660a1の各突出壁から後面側壁部660a2に対してそれぞれの壁部をつなぐように形成されている。この連結部660kは、開閉扉65f1が閉状態でも開閉扉65f1の上面よりもわずかに突出して段差を形成するため、開閉扉65f1の上面を転動する遊技球の転動速度を減速させる。
【1327】
連結部660kで遊技球の転動速度が減速され、さらに、遊技球は迂回路部材660により遊技盤13の前面側から後面側へと蛇行して転動するので、遊技球が開閉扉65f1上を転動できる個数を増加させることができる。本制御例における迂回路部材660では、前面側壁部660a1と後面側壁部660a2との間隔は遊技球2.5球分で構成されている。ここで、前面側壁部660a1より突出する壁部と後面側壁部660a2から突出する壁部とで囲まれて形成される第1迂回流路部660c2には、前後方向に遊技球が2球分入る流路で構成されている。同様な流路が5つ連通してそれぞれ形成されていることにより最大12球の遊技球が迂回路部材660内を転動することが可能に構成されている。
【1328】
これにより、大当たり遊技が開始され、開閉扉65f1が開放された状態となると、開閉扉65f1上を流下していた遊技球が第1可変入賞装置65内に入球するように構成でき、より多くの遊技球を短時間に入球させるこができる。さらに、後述するが、本制御例における第1可変入賞装置65では、遊技球が通常排出流路65e1を1球通過する毎に、回動片650aを回動させることにより特別排出流路65e2を閉鎖する開放片650iが特別排出流路65e2を開放する方向(図155の左方向)へと少しずつ可動される。そして、遊技球が9球、通常排出流路65e4を通過すると、特別排出流路65e2へと遊技球が通過可能となる間隔となる位置まで開放片650iが可動される。よって、迂回路部材660に遊技球が9球以上転動している状態で開閉扉65f1が開放状態となると、特別排出路65e2に遊技球を流下させることが可能な状態にすることができる。従って、確変スイッチ65e3に遊技球を通過させることが可能となり、遊技者に確変遊技状態を付与することができる。その結果、遊技者は、大当たり遊技の開始となるタイミングで、迂回路部材660に遊技球がより多く転動している状態になるように、大当たりの開始前から多くの遊技球を迂回路部材660へ向けて発射させるように遊技を行わせることができる。よって、開閉扉65f1の開放時間を短時間に設定した大当たり遊技であっても、遊技者に多量の遊技球を消費させて遊技を行わせることができる。従って、遊技店側の利益を増大させるこができる。さらに、短時間の大当たり遊技であっても、興趣を増大させることができる。
【1329】
次に、図155を参照して、第1可変入賞装置65について説明する。本制御例では、第1制御例における第1可変入賞装置65に対して、切替部材65hとその切替部材65hを可動させる流路ソレノイド65kに代えて、流路開放装置650が設けられている点で相違する。
【1330】
ここで、図156を参照して、この流路開放装置650の詳細について説明する。図156は、流路開放装置650の概略図を示した斜視図である。流路開放部材650は、特別排出流路65e2を開閉する開放片650iと、その開放片650iを可動させるためのバネワイヤ650hとそのバネワイヤ650hを回動して巻き上げる回動ドラム650b、その回転ドラム650bを一定方向に回動させるための回動片650aと、回動ドラム650bの回動を規制する規制片650dを前後方向に可動させる可動ソレノイド650cとで構成されている。
【1331】
開放片650iは、図155に示すように、特別排出流路65e2の上流側開口を塞ぐように扉形状で構成されており、左右にスライド可能に第1可変入賞装置65に保持されている。また、開放片650iの一端側には、バネワイヤ650hの一端が取り付けられている。このバネワイヤ650hは、ステンレス製の極細ワイヤで構成されており、中間部にコイル状のバネで構成されている。このコイルバネ650hは、常には、開放片650iが特別排出流路65e2を閉鎖する方向に付勢するように取り付けされている。コイルバネ650hの他端側には、回転ドラム650bのワイヤ取り付け部650fに取り付けされており、回転ドラム650bがバネワイヤ650hを巻き上げる方向(図156の右回転方向)に回動することで、バネワイヤ650hが回転ドラム650bに巻き付き開放片650iがバネワイヤ650hにより引っ張られ、開放片650iが所定量可動される。
【1332】
回動片650aは、常に通常排出流路65e4に突出して配置されている。この回動片650aは、回動ドラム650bの軸部に係合されており、回動ドラム650bがバネワイヤ650hを巻き上げる方向にのみ回動するワンウエイクラッチ構造を有している。回動片650aに遊技球が当接して、回動片650aを下方向(図155参照)に回動させると、回動ドラム650hを所定角度(本制御例では、90度)バネワイヤ650hにより巻き上げる方向に回動させた後に、回動片650aに付されている付勢力により遊技球と当接する前の位置(図155に示した位置)に回動して戻るように構成されている。回動片650aが反転して戻る場合には、回転ドラム650bは回動させずに回動片650aのみが回動するように構成されている。ここで、回動ドラム650bには、図156に示すように、後方側(パチンコ機10の後方側)に突出したストッパ部材650e1?e4が取り付けされている。このストッパ部材650e1?e4はそれぞれ、回転ドラム650bの外周側に90度毎にそれぞれ取り付けされている。このストッパ部材650e1?e4は、規制片650dと当接するように構成されており、規制片650dは、ストッパ部材65e1からe4のいずれかと当接すると、回転ドラム650bがバネワイヤ650hを巻き上げる方向と反対方向に回動することを規制する。一方、規制片650dは、回転ドラム650bがバネワイヤ650hを巻き上げる方向に回動すると、ストッパ部材650e1からe4と当接することにより回動方向に可変して、ストッパ部材65e1?e4が規制部材650dの左側(図156参照)に位置することを許容した状態で、左側にストッパ部材e1からe4が位置した状態でワイヤを巻き上げる方向と反対方向の回動を規制する。
【1333】
これにより、通常排出流路65e4を流下した遊技球が回動片650aを回動させ、その回動片650aにより回動ドラム650bが90度回動されると、ストッパ部材650e1?e4が規制部材650dによりその回動位置で規制されることにより、回動ドラム650hは回動された位置で保持される。次の遊技球が通常排出流路65e4を流下することで、同様の動作が繰り返され、バネワイヤ650hがさらに回動ドラム650bにより巻き上げられる。本制御例では、開閉扉65f1が閉状態に可変されるタイミングで、可動ソレノイド650cも励磁されて、規制部材650dがパチンコ機10の背面側(ストッパ部材650e1?e4と離間する方向)に可動されることにより、ストッパ部材65e1?e4と規制部材650dとの係合が解除されて、回動ドラム650dがバネワイヤ650hの付勢力により巻き上げ方向と反対方向に回動され、開放片650iが閉鎖位置にスライドして可動される。
【1334】
よって、本制御例における第1可変入賞装置65では、第1可変入賞装置65に入球した遊技球の数により、確変を付与するか否かを決定することができる。よって、遊技者は大当たり遊技が開始されてからも、確変遊技が付与されるかに関心を持って遊技を行うことができる。また、第1可変入賞装置65の1ラウンドの開放時間により確変遊技の付与割合を可変させることができ、遊技の興趣をより向上させることができる。
【1335】
なお、本実施形態では、回動片650aを通常排出流路65e4に配置したがそれに限らず、第1可変入賞装置65の特定入賞口65a1の位置に配置して、入球した遊技球が直ぐに、開放片650iを可動させるように構成してもよい。このように構成することで、10球目の遊技球が入球するタイミングでは、開放片650iが開放状態となり、特別排出流路65e2に流下させやすく構成することができる。よって、より10球入球することで確実に確変が付与されるように構成できる。
【1336】
また、本実施形態では、開放片650iが9個の入賞により開放状態となるように構成したが、それに限らず、他の個数で構成してもよい。さらに、本制御例の構成に限らず、遊技球が第1可変入賞装置65に入賞することで、スプロケットを回動させ、10球目の遊技球では、スプロケットに設けられた入賞口が入賞可能な位置を向くように構成してもよい。
【1337】
<第7制御例について>
図157?図170を参照して、第7制御例について説明する。本第7制御例では、上記した第1制御例にはない、後述する連続チャンス演出が実行される点で第1制御例とは異なる。その他の構成については、第1制御例と同一であるので、その詳細な説明と図示は省略する。
【1338】
まず、図157?159を参照して、連続チャンス演出について説明する。本制御例では、第1制御例とは異なり、特別図柄の変動順序については、第1入賞口64、第2入賞口640に遊技球が入賞して、保留球が記憶された順序で変動されるように構成されている。図157(a)は、第1特別図柄と第2特別図柄との保留球を合わせた最大8個の保留球について示した図であり、それぞれの保留球に対して、選択される変動パターンの種別が記号にて示してある。なお、本第7制御例では、先読み処理2(図166、S450)において、選択される変動パターンの種別(短外れ、長外れ、リーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチのいずれか)まで判別可能に構成されている。
【1339】
図157(a)に示した保留球が記憶されている一例では、保留球が第1特別図柄と第2特別図柄とを合わせて6個記憶されており、6個目の保留球が記憶された場合に、後述する音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される入賞情報処理(図168、S1651)により連続チャンス演出の設定がされた状態を示している。詳細は、後述するが、主制御装置110より保留球が発生した場合に送信される入賞情報コマンドが、スーパーリーチまたはスペシャルリーチであった場合に、抽選により、連続チャンス演出を実行するか否かの判定が行われる。連続チャンスの演出を実行すると決定された場合には、既に記憶されている保留球の範囲内で、連続チャンス演出を実行する回数が決定される。この回数は、連続チャンスを実行すると決定された保留球(この一例では、6個目の保留球)を含んだ回数で決定される。例えば、保留球が図157(a)に示すように6個であれば、最大6回の回数で抽選により決定される。
【1340】
ここで、図158(a)?図159(a)を参照して、連続チャンス演出において、第3図柄表示装置81で表示される表示態様の一例について説明する。図158(a)は、図157(a)に示す6個目の保留球に対する入賞情報コマンドにより連続チャンス演出の実行が決定され、1個目の保留球に対する特別図柄の変動表示から連続チャンス演出の実行が設定された場合におけるその1個目の特別図柄の変動表示の表示態様の一例を示した図である。
【1341】
連続チャン演出の実行が設定された演出では、特別図柄の変動開始時に、まだ特別図柄が前回の変動表示で停止した状態のままで、図柄が震える演出が実行される。その後、背景画像として、「連続チャンス!!」という文字が特別図柄の変動と同時に表示される。ここで、第3図柄表示装置81の左下に表示されている5個の「黒丸」で示した図柄haは、現在記憶されている保留球の数が示されている。ここで、保留図柄ha1は、図157(a)に示す保留球2個目の保留であり、保留図柄ha2は保留球3個目、保留図柄ha3は保留球4個目、保留図柄ha4は保留球5個目、保留図柄ha5は保留球6個目に対応している。
【1342】
図158(b)は、図158(a)で示した特別図柄の変動(図157(a)で示す1個目の保留球に対応した変動)における変動時間が経過して、特別図柄が停止表示した場合の表示態様を示している。この連続チャンス演出は、次の保留球に対する変動も連続チャンス演出が設定されている場合には、前の連続チャンス演出では、チャンス目と呼ばれる特定の主図柄の組み合わせ(本制御例では、「341」)が表示されるように構成されている。なお、チャンス目は、大当たり(ぞろ目で表示)を示す図柄とは異なる図柄で設定され、外れであることを報知している。このチャンス目が表示されることで、遊技者は、抽選結果が外れであることを認識するだけでなく、次の変動についても連続チャンス演出が継続して実行されることを認識できる。そして、背景画像に表示されている「連続チャンス演出!!」の文字は、特別図柄の変動が停止した場合にも継続して表示され、次の特別図柄の変動開始に跨って表示される。
【1343】
図159(a)は、図157(a)で示す、保留2個目の変動である保留図柄ha1(図158(a)?(b)参照)に対応する特別図柄の変動表示態様の一例について示した図である。図159(a)では、保留図柄ha2は、図157(a)に示すようにスーパーリーチの変動パターンが選択される保留球(図157(a)の2個目の保留球)であるので、変動開始から一定時間が経過した後に、リーチ状態となった場合の表示態様が示してある。ここで、この変動の当否判定結果は外れであるので、図159(b)に示した特別図柄の組み合わせのように、外れの組み合わせで停止表示される。
【1344】
ここで、図157(a)に戻って、連続チャンス演出における潜伏演出について説明する。既に上述したように、6個目の保留球に対応する入賞情報コマンドにより連続チャンス演出の実行が決定され、保留球1個目からの連続チャンス演出の実行が決定される。この場合に、入賞情報格納エリア223aに記憶されている保留球1個目から5個目までの入賞情報に基づいて、スーパーリーチまたはスペシャルリーチとなる保留球が記憶されているか判別される。スーパーリーチまたはスペシャルリーチとなる保留球が図157(a)に示す例(2個目の保留球がスーパーリーチ)のように記憶されている場合には、その保留球で連続チャンス演出が一度終了したように見せる演出の設定を実行して、その後の保留球(図157(a)の例では、3個目の保留球から5個目の保留球)のうち、1以上の連続する保留球に対して潜伏演出を実行する保留球について設定される。
【1345】
ここで、潜伏演出とは、図159(b)に示すように、特別図柄の変動開始時に、前回の特別図柄の停止状態の図柄を停止させた状態で、震えるように表示される演出である。連続チャンス演出の開始時にも同様に、停止図柄を震えさせて表示させた後に、変動と同時に連続チャンス演出であることを示す表示がされるが、この潜伏演出では、停止図柄を震えて表示させた後に、変動が開始されても連続チャンス演出であることを示す背景表示は表示されない。このように潜伏演出を構成することで、遊技者は、停止図柄が震えて表示されることで、連続チャンス演出が開始されるのでは、という期待を持つことが出来る。なお、この潜伏演出と同様の演出は、連続チャンス演出の実行が決定されていない場合にも、通常の特別図柄の変動時にも選択されて実行される場合があるように構成されている。よって、潜伏演出が表示されたからといって、その後の保留に対応する特別図柄の演出で必ず連続チャンス演出が実行されるわけではないことは遊技者も認識しており、潜伏演出により連続チャンス演出の実行を期待して遊技を行わせることができる。
【1346】
図157(a)では、3個目から5個目の保留球のうち、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する入賞情報処理(図168、S1651)のS1726の処理により5個目の保留球(3個目?5個目の保留球)までは潜伏演出の実行が決定されている(決定されているとする)。これにより、3個目から5個目の保留球に対する特別図柄の変動では、図159(b)に示す潜伏演出が変動時間の開始時に実行される。よって、遊技者は、2個目の保留球で、連続チャンス演出での最終変動が外れてしまったが、再度連続チャンス演出が開始されるのではないか、または実は、連続チャンス演出は潜伏しているだけで継続しているのではないかという期待を持つことが出来る。そして、図157(a)の例では、6個目の保留球の特別図柄の変動において、連続チャンス演出が再度実行されることとなる。
【1347】
なお本制御例では、潜伏演出が何回連続して実行しようが、連続チャンス演出がその後実行される保証がない構成となっているが、それに限らず、例えば、3回以上潜伏演出が連続した場合には、その後に必ず連続チャンス演出が実行されるように構成してもよい。このように構成することで、遊技者に、潜伏演出が実行された場合に、その連続回数まで興味を持たせることができ、より興趣を向上できるという効果がある。
【1348】
次に、図157(b)を参照して、連続チャンス演出の実行が決定される契機となった保留球の後に、成立する保留球の数を判断して、その保留球の数を最大として、潜伏演出の実行を設定する場合について説明する。図157(b)で示した例では、6個の保留球が成立しており、6個目の保留が成立した場合に出力された入賞情報コマンドにより3個目の保留球から連続チャンス演出の実行が決定された場合を示している。図157(c)は、図157(b)の状態より保留球の消化が進み、図157(b)で示した3個目の保留球が1個目の保留球までシフトされている場合を示した状態である。この状態で、1個目の保留球(図157(c)で示した1個目の保留球)が変動開始となるタイミングで、連続チャンス演出の実行が決定された保留球(図157(c)では、4個目の保留球)以降に成立している保留球数を最大として、潜伏演出の実行回数が決定される。ここでは、潜伏演出は、4個目の保留球に対する変動が終了して、その後に変動する保留球の変動に対して上述した潜伏演出が決定された連続回数で実行される。
【1349】
これにより、遊技者は、連続チャンス演出における最終変動(本制御例では、4個目の保留球に対する特別図柄の変動)が終了した後でも、潜伏演出が実行されるのでさらに連続チャンス演出は継続しているのではないかと期待することができる。さらに、最初の連続チャンス演出の開始時に成立している保留球の範囲内で潜伏演出は実行されるように構成されているので、成立していた保留球に大当たりとなるスーパーリーチまたはスペシャルリーチの変動が記憶されていて、連続チャンス演出または潜伏演出が実行されているのではないかと期待することができる。
【1350】
さらに、本制御例の構成に加えて、連続チャンス演出の開始変動時に成立している保留球(連続チャンス演出の最終変動の保留球よりも後に記憶されている保留球)にスーパーリーチまたはスペシャルリーチがある場合にはその変動の前までの保留球の潜伏演出を実行するように設定し、スーパーリーチまたはスペシャルリーチの変動で再度、連続チャンス演出を実行することで、より遊技者に潜伏演が表示された場合の連続チャンス演出の期待を増大させることができる。また、この場合では、スペシャルリーチまたはスーパーリーチとなる保留球よりも前に記憶されている保留球で連続チャンス演出を開始するように構成しても当然よい。
【1351】
なお、連続チャンス演出については、本制御例では、背景で報知態様が表示されるように構成したが、それに限らず、特定のキャラクタが表示されてもよいし、背景の色が通常時とは異なる色に可変してもよいし、BGMの種類や特殊な効果音が出力されるように構成してもよい。さらに、連続チャンス演出で表示されるチャンス目については、本制御例の構成に限らず、他の組み合わせとしてもよいし、通常の図柄ではない例えば「継続」という文字の図柄に可変して表示されるように構成してもよいし、キャラクタ等の図柄に可変して表示するようにすれば良く、適宜、通常時の外れを示す図柄とは異なる特殊な外れの態様(大当たり(ぞろ目での表示等)とは異なる態様)で表示するように構成すればよい。
【1352】
次に、図160?図163を参照して、本第7制御例における電気的構成について説明する。なお、第1制御例に対して相違する点のみについて説明する。本第7制御例では、第1制御例の主制御装置110のMPU201のROM202に記憶されている変動パターン選択テーブル202aの内容が変更され、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222、RAM223の内容が変更されている点で相違する。その他の構成については、第1制御例と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
【1353】
本制御例における変動パターン選択テーブル202aの詳細については、図161(a)?(c)を参照して後述し、先に、図160を参照して、本第7制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221におけるROM222とRAM223との説明をする。図160(a)は、本第7制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221におけるROM222の内容を模式的に示した模式図である。本第7制御例におけるROM222は、第1制御例におけるROM222に対して、連続チャンス回数テーブル222dと潜伏回数テーブル222eとが追加されている点で相違する。その他の構成については、第1実施形態と同一であるのでその詳細な説明は省略する。
【1354】
図162を参照して、本第7制御例における連続チャンス回数テーブル222dについて説明する。この連続チャンス回数テーブル222dは、受信した入賞情報コマンドが示す当否判定結果が当たりである場合に参照される当たり用の連続チャンス回数テーブル202d(図162(a)参照)と当否判定結果が外れである場合に参照される外れ用の連続チャンス回数テーブル222d(図162(b)参照)とで構成されている。連続チャンス回数テーブル222dは、連続チャンス演出の実行、非実行を決定し、実行する場合にはその回数を決定するためのデータデーブルである。
【1355】
図162(a)は、当たり用の連続チャンス回数テーブル222dの内容を模式的に示した模式図である。この当たり用の連続チャンス回数テーブル222dでは、現在の保留球数別に連続チャンス演出の非実行、現在の保留球数を最大値として各実行回数に対して、後述する回数決定カウンタ223n(0?198)に対する判定値がそれぞれ設定されている。保留球数が1個記憶されている状態である場合には、図162(a)に示すように、連続チャンス演出を非実行とする決定内容の判定値として「0?160」の値が設定され、連続チャンス演出1回の判定値として「161?198」の判定値が設定されている。ここで、取得した回数決定カウンタ223nの値に基づいて、連続チャンス回数テーブル222dの判定値と照合して、一致する判定値に設定されている決定内容が選択される。ここで、非実行が選択されれば、連続チャンス演出は実行されない。また、1回の連続チャンス演出回数が決定された場合には、1個目の保留球の実行に対して、連続チャンス演出が設定される。なお、この連続チャンス回数テーブル222dで設定されている実行回数は、連続チャンス演出を実行するか否かの契機となった保留球(図157(a)の例では、6個目の保留球)を含んでその前に連続して記憶されている保留球の数を示している。例えば、図157(a)に示す6個目の保留球に対して、連続チャンス演出の抽選を実行して、4回の実行回数が連続チャンス回数テーブル222dにより選択された場合には、3個目の保留球から連続チャンス演出が開始され、6個目の保留球まで継続して連続チャンス演出が実行される。
【1356】
同様にして、入賞情報コマンドを受信した際の保留球数によって、参照される判定値が連続チャンス回数テーブル222dよりそれぞれ設定される。なお、本制御例では、入賞コマンドを受信した際の保留球数の数が多いほど、連続チャンス演出が実行され易く設定している。また、図162(b)に示した外れ用の連続チャンス回数テーブル222dと比較した明らかなように、当否判定結果が当たりである場合の方が、全ての保留球数に対して、連続チャンス演出が実行される確率が高く設定されている。これにより、当否判定結果が当たりであるスーパーリーチまたはスペシャルリーチを示す入賞情報コマンドに対しては、連続チャンス演出の実行が設定され易く設定されている。さらに、保留球数が多いほど連続チャンス演出が決定され易く設定されているので、より多くの連続した保留球に対する変動に対して連続チャンス演出が実行され易くなり、外れ変動に対しても遊技者は大当たりへの期待度を高く持って遊技を行うことができる。
【1357】
なお、外れ用の連続チャンス回数テーブル222dに示したように、保留球数が6個以上である場合にも、当否判定結果が外れである場合には最大6回の連続チャンス演出となるように判定値が設定されている。これにより、6回目の連続チャンス演出が開始された場合には、もう一回連続チャンス演出が継続することで、当否判定結果が大当たりであることを遊技者は早期に認識することができる。よって、連続チャンス演出の回数に対しても興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上できる。
【1358】
次に、図163を参照して、本第7制御例における潜伏回数抽選テーブル222eについて説明する。図163は、この潜伏回数抽選テーブル222eの内容を模式的に示した模式図である。潜伏回数抽選テーブル222eは、上述した連続チャンス回数テーブル222dにより連続チャンス演出の実行が決定された場合に、その決定された連続チャンス演出の回数に対応した保留球のうち、連続チャンス演出の抽選契機となった保留球(スーパーリーチまたはスペシャルリーチとなる保留球)を除くその他の保留球に、スーパーリーチまたはスペシャルリーチとなる保留球が記憶されているか判別して、そのスーパーリーチまたはスペシャルリーチとなる保留球が記憶されている場合に、その保留球と連続チャンス演出の抽選契機となった保留球までの保留球で潜伏演出を実行する回数を決定するための抽選テーブルである。
【1359】
図157(a)に示した例で説明すると、6個目の保留球が成立したことにより、実行回数6回の連続チャンス演出が決定され、1個目から6個目の保留球で連続チャンス演出が実行されることが決定される。そこで、1個目から5個目の保留球にスーパーリーチまたはスペシャルリーチとなる保留球があるか判別すると、図157(a)の例では、2個目の保留球がスーパーリーチまたはスペシャルリーチとなる保留球となっているので、3個目の保留球から5個目の保留球に対して、最大3回の潜伏演出を実行することが可能となる。ここで、潜伏回数抽選テーブル222eを参照して、6個目の保留球に対する当否判定結果に対して、それぞれ、選択されるテーブル内容が設定されており、各最大潜伏回数別にそれぞれ後述する潜伏回数決定カウンタ223oに対応する判定値が設定されている。図157(a)の例では、6個目の保留球の当否判定結果が当たりであるとすると、当たりのテーブル内容のうち、最大潜伏回数が3回の判定値が参照される。ここでは、取得した潜伏回数決定カウンタ223oの値が「0?50」であれば潜伏回数1回、「51?149」であれば潜伏回数2回、「150?198」であれば潜伏回数3回が設定される。ここで、2回の潜伏回数が決定されると、図157(a)に示した例では、3個目と4個目の保留球の連続チャンス演出が非実行となり、上述した潜伏演出が実行される。5個目の保留球で再び連続チャンス演出が開始され、6個目の保留球まで継続して実行される。なお、図157(c)で示した連続チャンス演出後の潜伏演出の回数についても、同様に、潜伏回数抽選テーブル222eにより決定される。なお、連続チャンス演出が決定される契機となった保留球(図157(c)の例では、4個目の保留球に該当)以降の保留球(図157(c)の例では、5個目?7個目の保留球に該当)にスーパーリーチまたはスペシャルリーチとなる保留球がない場合には、潜伏回数抽選テーブル222e(図163参照)の外れに対応したテーブル内容が参照される。
【1360】
なお、潜伏回数抽選テーブル222eでは、図163に示すように、当否判定結果が外れである場合には、潜伏演出可能な保留球数の数に関わらず、最大3回の潜伏演出に制限されている。これにより、3回目の潜伏演出が実行されると、遊技者は、次の保留球で潜伏演出が実行されると、その後の連続チャンス演出で大当たりすることを認識できる。よって、遊技者は潜伏演出の連続回数についても、興味を持つことができ、遊技の興趣を向上できる。
【1361】
次に図160(b)を参照して、本第7制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明する。図160(b)は、本第7制御例におけるRAM223の内容を模式的に示した模式図である。本第7制御例におけるRAM223は、第1制御例に対して、回数決定カウンタ223n、潜伏回数決定カウンタ223o、連続チャンス格納エリア223pがそれぞれ追加されている点で相違する。その他の構成については、第1制御例と同一であるのでその詳細な説明は省略する。
【1362】
回数決定カウンタ223nは、連続チャンス演出の実行、非実行および実行する場合のその回数を決定するためのカウンタである。この回数決定カウンタ223nは、0?198の範囲で繰り返し更新されるカウンタである。なお図示は省略したが、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図80参照)により所定周期毎に1ずつ加算されて更新される。なお、演出カウンタ223f、後述する潜伏回数決定カウンタ223oとは更新周期がそれぞれ異なるように設定されており、同期しないよう構成される。この回数決定カウンタ223nは、電源投入時にはランダムな初期値より更新が開始されるようにプログラムされている。
【1363】
潜伏回数決定カウンタ223oは、連続チャンス演出における潜伏演出を実行する回数を潜伏回数抽選テーブル222e(図163)より決定するためのカウンタである。この潜伏回数決定カウンタ223oは、0?198の範囲で繰り返し1ずつ加算されて更新されるカウンタであり、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図80参照)により所定周期毎に1ずつ加算され更新される。この潜伏回数決定カウンタ223oは、電源投入時にはランダムな初期値より更新が開始されるようにプログラムされている。
【1364】
連続チャンス格納エリア223pは、連続チャンス演出を実行する場合に、各保留球に対して実行する演出の内容を示すデータを記憶するための記憶エリアである。この連続チャンス格納エリア223pは、8個の保留球に対応した記憶エリアと1つの実行エリアにより構成されている。連続チャンス演出が決定されると対応する保留球のエリアに決定された演出内容を示すデータが格納され、保留球の消化に伴い一つまえの保留球に対応するエリアにシフトされる。変動開始する保留球は、実行エリアへとシフトされる。これにより連続チャンス演出を確実に実行することができる。
【1365】
なお、この連続チャンス格納エリア223pは、電断時にはバックアップされるように構成されており、電源が再投入された場合に、電断時の状態に復帰される。よって、電断が発生した場合にも、連続チャンス演出を継続して実行できる。
【1366】
次に、図161を参照して、本第7制御例における主制御装置110のMPU201のROM202に設定されている変動パターン選択テーブル202bについて説明する。変動パターンテーブル202dは、変動パターンの表示態様を決定するために用いられるデータテーブルであり、変動種別カウンタCS1の値毎に表示態様が規定されている。この変動パターンテーブル202dには、特別図柄の抽選結果に対応した複数の異なるテーブルが規定されている。具体的には、図161に示すように、大当たり用変動パターンテーブル202d1(図161(a)参照)と、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2(図161(b)参照)と、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3(図161(c)参照)とが少なくとも規定されている。なお、図示は省略したが、このほかにも、時短遊技状態における変動パターンテーブル等が設定されている。
【1367】
まず、大当たり用変動パターンテーブル202d1について説明する。図161(a)は、この大当たり用変動パターンテーブル202d1の内容を模式的に示した模式図である。大当たり用変動パターンテーブル202d1は、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合に、選択される変動パターンの種別(変動時間)が設定されたデータテーブルである。大当たりの変動パターンとしては、ノーマルリーチ各種(30秒)、スーパーリーチ各種(60秒)、スペシャルリーチ(90秒)がそれぞれ設定されている。各変動パターンに対して、それぞれ変動種別カウンタCS1の値が判定値として設定されている。
【1368】
具体的には、ノーマルリーチ各種(30秒)の変動パターンについては、「0?50」が、スーパーリーチ各種(60秒)の変動パターンについては、「51?179」が、スペシャルリーチ各種(90秒)の変動パターンについては、「180?198」がそれぞれ変動種別カウンタCS1の判定値として設定される。主制御装置110のMPU201は、特別図柄の抽選結果が大当たりとなる場合の変動パターンを選択する時には、取得している変動種別カウンタCS1の値に対応する判定値が設定されている変動パターンを大当たり用変動パターンテーブル202d1より選択する。
【1369】
図161(b)は、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2の内容を模式的に示した模式図である。外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2は、特別図柄の抽選結果が外れである場合に、選択される変動パターンの種別(変動時間)が設定されたデータテーブルである。特別図柄の抽選結果が外れである場合には、上述したように、図示しない停止種別選択テーブルより停止種別が完全外れ(非リーチ)であるか、リーチ外れ(リーチ共通)であるかが停止種別選択カウンタC3の値によって決定される。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0?79」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「80?99」の範囲にあれば外れリーチを設定する。
【1370】
ここで、変動パターン種別が、完全外れである場合には、変動時間の比較的に短い短外れ(7秒)と変動時間の長い長外れ(10秒)が設定されている。短外れ(7秒)に対しては、「0?98」が、長外れ(10秒)に対しては、「99?198」が変動種別カウンタCS1の判定値として設定されている。
【1371】
また、外れリーチに対しては、外れのノーマルリーチ各種(30秒)に対して「0?149」が、外れのスーパーリーチ各種(60秒)に対して「150?197」が、外れのスペシャルリーチ各種(90秒)に対して「198」が、変動種別カウンタCS1の判定値として設定されている。
【1372】
このように、主制御装置110のMPU201は、通常遊技状態時に特別図柄の抽選結果が外れである場合には、停止種別が決定され、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2より取得している変動種別選択カウンタCS1の値に基づいて、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2より変動パターンを選択する。
【1373】
図161(c)は、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3の内容を模式的に示した模式図である。この外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3は、遊技状態が確変遊技状態である場合に、外れとなる特別図柄の変動パターンを選択するためのデータテーブルである。この外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3では、設定されている変動種別選択カウンタCS1の値が、上述した外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2とは異なる点で相違する。
【1374】
なお、上述したように、遊技状態が確変遊技状態である場合には、図示しない停止種別選択テーブルにより停止種別選択カウンタC3の値が「0?89」の範囲にあれば、完全外れが決定され、「90?99」の範囲にあれば外れリーチが決定される。
【1375】
このように、通常遊技状態よりも確変遊技状態である場合には、外れである場合にリーチとなる確率が低く設定されている。よって、確変時に外れの変動時間が長くなってしまい、大当たりとなるまでの期間が長くなってしまうことを抑制できる。よって、大当たりし易い確変遊技状態時に遊技が間延びしてしまい、遊技者が退屈に感じる不具合を抑制できる。
【1376】
なお、本制御例では、上記したように変動パターン選択テーブル202dを構成して、第1入賞口64または第2入賞口640に遊技球が入賞したタイミング変動種別カウンタCS1を取得するように構成したので、入賞時に選択される変動種別まで変動開始前に判別することができる。また、本制御例の構成に限らず、第1制御例で示すように変動開始時の保留球数により選択される変動種別が異なるように構成する場合にも、スーパーリーチ等に割付けられる変動種別カウンタCS1の値を保留球数が可変した場合にも一定に割り付けることで、入賞時に変動種別を判別することができる。
【1377】
<第7制御例における主制御装置110の制御処理について>
次に、図164?図166を参照して、本第7制御例における主制御装置110のMPU201により実行される制御処理について説明する。本第7制御例における主制御装置110のMPU201により実行される制御処理は、第1制御例に対して、特別図柄変動処理(図64、S104)が特別図柄変動処理(図164、S104)に、始動入処理処理(図66、S105)が始動入賞処理(図165、S105)にそれぞれ変更されている点で相違する。その他の処理については第1制御例と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
【1378】
図164を参照して、本第7制御例における主制御装置110のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図164は、この特別図柄変動処理(S104)の内容を示したフローチャートである。本第7制御例における特別図柄変動処理(図164、S104)は、第1制御例における特別図柄変動処理(図64、S104)に対して、S203?S204,S208?S209の処理がS250?S252の処理に変更されている点で相違する。その他の処理については、第1制御例と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
【1379】
S202の処理において、特別図柄の停止中であると判別した場合には(S202:No)、S250の処理を実行する。S250の処理では、特別図柄1保留球格納エリア203aと第2特別図柄保留球格納エリア203bとを参照して、保留順序が1の保留球が記憶されているか判別する(S251)。詳細については後述するが、本第7制御例では、第1入賞口64または第2入賞口640に入賞した場合に双方を合わせた入賞順序で特別図柄の変動が開始されるように構成されている。なお、第1特別図柄と第2特別図柄との最大保留数は第1制御例と変わらず4個である。保留球が発生すると対応する特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bにそれぞれ格納され、その場合に入賞順序を示す情報が記憶される。この入賞順序は、第1特別図柄と第2特別図柄との入賞数の合計に1加算した順序が記憶される。そして、保留球が1球消化(変動開始)されるのに基づいて、入賞順序も1減算されて更新される。
【1380】
S251の処理では、S250で判別した入賞順序が第2特別図柄(第2入賞口640)であるか判別する(S251)。ここでは、特別図柄2保留球格納エリア203aに記憶されている保留エリア1に記憶されている入賞順序が0であれば、第2特別図柄が次に変動開始される入賞順序であると判別される。S251の処理により次に変動開始する順序は第2特別図柄であると判別した場合には(S251:Yes)、S205の処理が実行される。なお、S205?S207の処理については、第1制御例と同一であるので説明を省略する。
【1381】
S251の処理において、次に変動開始する順序が第2特別図柄でないと判別した場合うには(S251:No)、次に変動開始する順序が第1特別図柄であるか判別する(S252)。次に変動開始する入賞順序が第1特別図柄であると判別した場合には(S252:Yes)、S210の処理が実行される。S210?S212の処理においては、第1制御例と同一であるので、その詳細な説明は省略する。一方、S252の処理において、入賞順序が第1特別図柄でない、即ち、保留球が記憶されていないと判別した場合には(S252:No)、この処理を終了する。その他の処理については、第1制御例については省略する。
【1382】
次に、図165を参照して、本第7制御例における主制御装置110のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)について説明する。図165は、この始動入賞処理(S105)の内容を示したフローチャートである。本第7制御例における始動入賞処理(図165、S105)は、第1制御例における始動入賞処理(図66、S105)に対して、S406の処理がS420に、S412の処理がS430の処理に、先読み処理(S413)が先読み処理2(S450)にそれぞれ変更されている点で相違する。その他の処理については、第1制御例と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
【1383】
S420およびS430の処理では、第1制御例に対して、変動種別カウンタCS1の値を取得することが加えられ、第1特別図柄と第2特別図柄との保留球の合計に1加算した値が入賞順の情報として特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに記憶される点で相違する。このように構成することで、本制御例では、入賞時に、変動種別カウンタCS1の値を取得することで、後述する先読み処理2(図166、S450)により選択される変動種別(短外れ、長外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチのいずれか)を判別して、入賞情報コマンドとして音声ランプ制御装置113に対して通知することが可能に構成されている。
【1384】
S407の処理でNoと判別した場合またはS430の処理が実行された後には、先読み処理2を実行する(S450)。先読み処理2(S450)を実行した後には、この処理を終了する。
【1385】
この先読み処理2(S450)については、図166を参照して、詳細を説明する。図166は、この先読み処理2(S450)の内容を示したフローチャートである。本第7制御例における先読み処理2(図166、S450)は、第1制御例における先読み処理(図67、S413)に対して、S510の処理が加えられている点で相違する。その他の処理については、第1制御例と同一であるのでその詳細な説明は省略する。
【1386】
S503またはS504の処理が実行されると、S510の処理を実行する。S510の処理では、S503またはS504で実行した取得した入賞情報(各カウンタ値)に基づく抽選結果(当否判定)と取得した停止種別選択カウンタC3と変動種別カウンタCS1の値とに基づいて、変動パターン選択テーブル202dより選択する変動種別を判別する(S510)。その後、S510で判別した大当たり判定結果と変動種別とを示す入賞情報コマンドが設定される。
【1387】
このように、本制御例では、選択される変動種別についても入賞情報コマンドで音声ランプ制御装置113に対して通知することができる。よって、本制御例では、音声ランプ制御装置113により特定の変動パターンが実行される保留球が記憶されたことを契機に複数の変動に跨ぐ特殊な演出である連続チャンス演出を実行することができる。なお、本実施形態では、主制御装置110にて、変動種別を先読みして判別したがそれに限らず、取得した各カウンタ値の情報を示す入賞情報コマンドを設定して、音声ランプ制御装置113によって判別できる各データを設定しておいて、変動種別等を判別するように構成してもよい。
【1388】
<第7制御例における音声ランプ制御装置113による制御処理について>
図167?図170を参照して、本第7制御例における音声ランプ制御装置113により実行される制御処理について説明する。本第7制御例では、第1制御例に対して、コマンド判定処理(図81、S1511)がコマンド判定処理3(図167、S1540)に、変動表示設定処理(図82、S1512)が変動表示設定処理2(図169、S1550)にそれぞれ変更されている点で相違する。その他の処理については、第1制御例と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。
【1389】
図167を参照して、本第7制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるコマンド判定処理3(S1540)について説明する。図167は、このコマンド判定処理3(S1540)の内容を示したフローチャートである。本第7制御例におけるコマンド判定処理3(図167、S1540)は、第1制御例におけるコマンド判定処理(図81、S1511)に対して、S1650?S1651の処理が追加されている点で相違する。その他の処理については、第1制御例と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。
【1390】
S1609の処理において、報知コマンドを受信していないと判別した場合には(S1609:No)、S1650の処理を実行する。S1650の処理では、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか判別する(S1650)。入賞情報コマンドを受信した場合には(S1650:Yes)、入賞情報処理を実行する(S1651)。入賞情報処理を実行した後には、S1619の処理を実行する。
【1391】
ここで、入賞情報処理(S1651)について、図168を参照して、詳細について説明する。図168は、この入賞情報処理(S1651)の内容を示したフローチャートである。この入賞情報処理(図168、S1651)では、まず、連続チャンス演出の設定中であるか判別する(S1721)。連続チャンス演出の設定中であるか否かは、連続チャンス格納エリア223pに連続チャンス演出に関する情報が記憶されているか判別する連続チャンス演出が設定されていると判別した場合には(S1721:Yes)、この処理を終了する。このように、連続チャンス演出が設定されている間には、新たな連続チャンス演出が設定されないように構成されているので、連続チャンス演出の実行途中で演出が上書きされる等の不具合を抑制できる。
【1392】
S1721の処理において、連続チャンス演出が設定されていないと判別した場合には(S1721:No)、受信した入賞情報コマンドは、スーパーリーチまたはスペシャルリーチを示す入賞情報コマンドであるか判別する(S1722)。受信した入賞情報コマンドがスーパーリーチまたはスペシャルリーチを示す入賞情報コマンドでない場合には(S1722:No)、この処理を終了する。一方、S1722の処理において、受信した入賞情報コマンドがスーパーリーチまたはスペシャルリーチを示す入賞情報コマンドであると判別した場合には(S1722:Yes)、回数決定カウンタ223nおよび潜伏回数決定カウンタ223oの値を取得する(S1724)。
【1393】
取得した回数決定カウンタ223nと受信した入賞情報コマンド、現在の保留球数(受信した入賞情報コマンドに対応する保留球数)に基づいて、連続チャンス回数テーブル222d(図162(a)?(b)参照)より連続チャンス演出の実行に関する情報(実行回数または非実行)を取得(決定)する。S1724で取得した情報は、連続チャンス演出の実行回数、即ち、連続チャンス演出の実行であるか判別する(S1725)。連続チャンス演出の実行が決定されていない場合には(S1725:No)、この処理を終了する。一方、S1726の処理において、連続チャンス演出の実行が決定されていると判別した場合には(S1725:Yes)、決定された連続チャンス演出の回数に対応する保留球にスーパーリーチまたはスペシャルリーチとなる保留球(入賞情報コマンドを受信した保留球(連続チャンス演出の最終変動となる保留球)は除く)が記憶されているかを、入賞情報格納エリア223aより判別する(S1726)。なお、図示は省略したが、第1制御例と同様に、入賞情報コマンドを受信すると、その保留球に対応して入賞情報格納エリア223aに受信した入賞情報コマンドが示す情報に対応したデータが記憶される。なお、保留球の消化に伴って、データは対応する保留球のエリアにシフトされ、変動開始と共に次の保留球に対応する入賞情報のデータに上書きされる。
【1394】
S1726の処理において、スーパーリーチまたはスペシャルリーチとなる保留球が記憶されていないと判別した場合には、S1728の処理を実行する。一方、S1726の処理において、スーパーリーチまたはスペシャルリーチとなる保留球があると判別した場合には(S1726:Yes)、潜伏回数抽選テーブル222eより受信した入賞情報コマンドが示す当否判定結果、S1726の処理で判別したスーパーリーチまたはスペシャルリーチとなる保留球から受信した入賞情報コマンドに対応する保留球の1つ前に記憶されている保留球までの保留球数である潜伏可能回数と、S1723の処理で取得した潜伏回数決定カウンタ223oの値より潜伏回数を決定する(S1727)。その後、決定された連続チャンス演出の内容に基づいて、連続チャンス格納エリア223pに各保琉球に対して実行する演出をそれぞれ保留球毎に記憶する。なお、連続チャンス格納エリア223pは、8個の保留球に対応してそれぞれ記憶領域が設定されており、各保留球に対して、連続チャンス演出の開始、連続チャンス演出の終了、潜伏演出、連続チャンス演出の再突入等を識別できるデータ記憶される(S1728)。なお、この連続チャンス格納エリア223pに記憶された各データは、保留球が消化される毎に対応する保留球に対応するエリアにシフトされる。連続チャンス演出が終了すると、記憶されていた全てのデータがクリアされることとなるので、連続チャンス格納エリア223pにデータが格納されているか否かにより連続チャンス演出が設定されているかを判別できる。S1728の処理が実行されると、この処理を終了する。
【1395】
次に、図169を参照して、本第7制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される変動表示設定処理2(図169、S1550)について説明する。図169は、この変動表示設定処理2(S1550)の内容を示したフローチャートである。本第7制御例における変動表示設定処理2(図169、S1550)は、第1制御例における変動表示設定処理(図82、S151)に対して、後潜伏設定処理(S1750)が追加されている点で相違する。その他の処理については、第1制御例と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
【1396】
S1709の処理を実行すると、後潜伏設定処理を実行する(S1750)。なお、この後潜伏設定処理(S1750)については、図170を参照して詳細を説明する。図170は、この後潜伏設定処理(S1750)の内容を示したフローチャートである。
【1397】
後潜伏設定処理(図170、S1750)では、まず、連続チャンス演出の最開始変動であるかを連続チャンス格納エリア223pに設定されているデータに基づいて判定する(S1751)。ここでは、変動開始する保留球に対応して連続チャンス格納エリア223pに設定されているデータが連続チャンス演出の開始を示すデータであるか判別する。
【1398】
S1751の処理において、連続チャンス演出の開始変動でないと判別した場合には(S1751:No)、この処理を終了する。一方、連続チャンス演出の開始変動であると判別した場合には(S1751:Yes)、現在の保留球の情報を入賞情報格納エリア223aより取得する(S1752)。取得した保留球の情報について、連続チャンス演出の最終変動よりも後に記憶されている保留球に対して、スーパーリーチまたはスペシャルリーチとなる保留球が記憶されているか判別する(S1753)。スーパーリーチまたはスペシャルリーチとなる保留球が記憶されていると判別した場合には(S1753:Yes)、連続チャンス演出の最終変動に対応されている保留球の次に記憶されている保留球からスーパーリーチまたはスペシャルリーチとなる保留球よりも一つ前までに記憶されている保留球までの保留数を最大値(潜伏可能回数)として判定する(S1754)。潜伏回数決定カウンタ223oの値を取得してその値と、スーパーリーチまたはスペシャルリーチとなる保留球の当否判定結果と、S1754で判定した潜伏可能回数とに基づいて、潜伏回数抽選テーブル222eより潜伏回数を決定する(S1755)。S1755で決定した潜伏回数に基づいて、連続チャンス演出を決定する。ここでは、潜伏回数分の保留球の後に記憶されている保留球からスーパーリーチまたはスペシャルリーチとなる保留球までを連続チャンス演出を実行する保留球として設定する。S1756の処理の後には、S1758の処理を実行する。
【1399】
S1753の処理において、スーパーリーチまたはスペシャルリーチとなる保留球がないと判定した場合には(S1753:No)、潜伏回数決定カウンタ223oの値を取得しその値と連続チャンス演出の最終変動後に記憶されている保留球数である潜伏可能回数とに基づいて、潜伏回数抽選テーブル222e(図163参照)より潜伏回数を決定する(S1757)。その後、S1758の処理を実行する。S1757の処理では、当否判定結果が外れのデータに基づいて潜伏回数が決定される。
【1400】
S1758の処理では、S1755?S1756,S1757の処理で決定した連続チャンス演出、潜伏演出の情報に基づいて、連続チャンス格納エリア223pに設定される(S1758)。その後、この処理を終了する。
【1401】
このように、連続チャンス演出の開始時にも、決定されてから開始するまでに成立している保留球に対して潜伏演出や新たな連続チャンス演出が設定されるので、遊技者により多様な連続チャンス演出を楽しませることができる。また、連続チャンス演出は、成立している保留球の判定結果を先読みして複数の連続する保留球の変動表示に対して行われる演出である。これにより、遊技者は、連続チャンス演出が開始されると、その時に成立している保留球の中にスーパーリーチまたはスペシャルリーチとなる保留球が成立しており、さらにその抽選結果が当たりではないかという期待を持つ。ここで、本制御例では、連続チャンス演出の開始タイミングで成立している保留球に対して連続チャンス演出や潜伏演出が設定されるので、遊技者により多くの保留球に対して期待を持たせることができる。よって、連続チャンス演出の終了後の保留球に対する潜伏演出についても、期待を持続して持たせることができる。
【1402】
なお、本制御例では、潜伏演出は、図柄を震えさせる演出としたがそれに限らず、変動開始時等に効果音やキャラクタの表示等を実行するように構成してもよい。また、特別図柄の模様等を通常とは異なる模様に変えて表示してもよい。
【1403】
<第8制御例>
次に、図171から図177を参照して、第8制御例におけるパチンコ機10について説明する。本第8制御例では、上述した第1制御例に対し、大当たり種別に応じて外部出力端子板261へ出力する信号を変更する点で相違する。
【1404】
具体的に、本制御例では、外部出力端子板261に役物連続作動装置の作動に基づいて出力がオンとなる役物連続作動端子と、大当たりの状態や種別を示すための大当たり1端子とが設けられている。
【1405】
そして、大当たりF(16R確変抽選有・時短有大当たり)に基づく大当たりが実行される場合には、大当たり遊技が開始される時点では、外部出力端子板261の大当たり1端子はオフとなっており、確変スイッチ65e3を遊技球が通過した時点で、大当たり1端子がオンになるように制御される。これに対し、大当たりG(16R確変抽選無・時短有大当たり)に基づく大当たりが実行される場合には、大当たり遊技が開始される時点で、外部出力端子板261の大当たり1端子がオンになるように制御されるまた、大当たりH(16R確変抽選無・時短無大当たり)に基づく大当たりが実行される場合には、大当たり1端子はオフのままとなるように制御される。さらに、これら大当たり種別に関わらず、大当たり遊技が実行される場合には、各大当たり遊技の開始時に役物連続作動端子がオンとなるよう制御される(図174および図175参照)。
【1406】
よって、外部出力端子板261の信号を検出しているホールコンピュータ262では、役物連続作動端子の信号と、大当たり1端子の信号との、それぞれがオンとなったタイミングを比較することによって、大当たり種別を判別することができる。これにより、大当たり種別毎(大当たりF,G,H)に外部出力端子板261の端子を設けずとも、ホールコンピュータ262において、大当たり種別を判別することができ、遊技機の製造コストを低減することができる。
【1407】
なお、本制御例は、第1制御例に上述した構成を付加する形としたが、これに限られず、上述した各制御例に付加するようにしても良い。以下の説明では、第1制御例と相違する点について説明する。第1制御例と同一の部分については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【1408】
<第8制御例における遊技機の電気的構成について>
まず、図171を参照して、本第8制御例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。図171は、パチンコ機10の電気的構成を模式的に示した模式図である。本第8制御例では、上述した第1制御例に対し、主制御装置110の入出力ポート205に外部出力端子板261が備えられていることを明示した点で相違する。その他の点は同一であるため、その同一部分についての詳細な説明は省略する。
【1409】
本制御例における、主制御装置110の入出力ポート205には、外部出力端子板261が接続されている。この外部出力端子板261には、役物連続作動端子、大当たり1端子および大当たり2端子が少なくとも設けられている。
【1410】
役物連続作動端子は、連続役物作動装置が作動され、開閉扉65f1が開閉される期間、即ち、大当たり遊技が実行されている期間か否かを示す端子である。役物連続作動端子は、オンである場合は、開閉扉65f1が開閉される期間、即ち、大当たり遊技が実行される期間であることを示し、オフである場合は、それ以外の期間(大当たり遊技が実行されない期間)であることを示す。この役物連続作動端子は、主制御装置110のメイン処理で実行される外部出力処理において、大当たり遊技が開始されたと判別された場合にオンに設定され(図177のS7002参照)、当該処理において大当たり遊技が終了されたと判別された場合にオフに設定される(図177のS7007参照)。
【1411】
大当たり1端子は、大当たり遊技中であるか否かを示す端子であり、オンである場合は、大当たり遊技中であることを示し、オフである場合は、大当たり遊技中でないことを示す。ただし、上述した役物連続作動端子と異なり、大当たり1端子は、大当たりF(16R確変抽選有・時短有大当たり)に基づく大当たり遊技の開始時には、オンに設定されず、確変スイッチ65e3への遊技球の通過時にオンに設定されるものである。
【1412】
具体的に、大当たり1端子は、主制御装置110のメイン処理で実行される外部出力処理において、大当たり遊技中であると判別され(図177のS7001:Yes)、かつ、その大当たり遊技に係る大当たり種別が大当たりGであると判別された場合に(図177のS7003:Yes)、大当たり1端子がオンに設定される(図177のS7004参照)、また、当該処理において、大当たり遊技中であると判別され(図177のS7001:Yes)、かつ、その大当たり遊技に係る大当たり種別が大当たりFである場合は(図177のS7003:No)、更に、確変設定フラグ203hがオンであると判別された場合において(図177のS7005:Yes)、オンに設定される(図177のS7004参照)。そして、大当たり遊技が終了したと判別された場合に(図177のS7001:No)、オフに設定される(図177のS7007参照)。
【1413】
大当たり2端子は、遊技機の状態が遊技者にとって有利な状態である、大当たり遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態のいずれかの状態であるかを示す端子であり、大当たり2端子がオンである場合は、上述した遊技者にとって有利な状態であることを示し、オフである場合は、そうでないことを示す。ただし、上述した大当たり1端子と同様に、大当たりF(16R確変抽選有・時短有大当たり)に基づく大当たり遊技の開始時には、オンに設定されず、確変スイッチ65e3を遊技球が通過した時にオンに設定されるものである。
【1414】
具体的に、大当たり2端子は、主制御装置110のメイン処理で実行される外部出力処理において、大当たり遊技中であると判別され(図177のS7001:Yes)、かつ、その大当たり遊技に係る大当たり種別が大当たりGであると判別された場合に(図177のS7003:Yes)、大当たり2端子がオンに設定される(図177のS7004)。また、当該処理において、大当たり遊技中であると判別され(図177のS7001:Yes)、かつ、その大当たり遊技に係る大当たり種別が大当たりFである場合は(図177のS7003:No)、更に、確変設定フラグ203hがオンであると判別された場合において(図177のS7005:Yes)、オンに設定される(図177のS7004参照)。そして、遊技者にとって有利な状態である確変状態または時短状態が終了したと判別された場合に(図177のS7008:No)、オフに設定される(図177のS7009参照)。
【1415】
外部出力端子板261には、その他の端子(例えば、賞球端子など)が備えられており、主制御装置110の入出力ポート205や払出制御装置111の入出力ポート215から出力される信号を受信可能となっている。その他の端子については、受信した信号をホールコンピュータ262によって検出可能に構成されており、既に公知の構成であるため、その詳細な説明を省略する。
【1416】
次に、図172を参照して、本制御例における主制御装置110のROM202の内容について説明する。図172は、主制御装置110のROM202の内容を模式的に示した模式図である。
【1417】
図172(a)は、主制御装置110のROM202の内容を模式的に示した模式図であり、上述した第1制御例に対して、大当たり種別を選択するための第1当たり種別選択テーブル202fを新たに設けた点で相違する。その他の点は同一であるので、その同一部分についての詳細な説明は省略する。
【1418】
本制御例では、上述した第1制御例と異なり、大当たりの種別として大当たりF、大当たりG、大当たりHが設けられている。これらの大当たり種別は、大当たりFと大当たりG大当たりHとがそれぞれ選択可能となるように設定されている第1当たり種別選択テーブル202f(図172(b)参照)と、第1当たり種別カウンタ値C2とに基づいて選択される。
【1419】
図172(b)を参照して、第1当たり種別選択テーブル202fの詳細について説明する。図172(b)は、第1当たり種別選択テーブル202fと第1当たり種別カウンタ値C2との関係を示した模式図である。この第1当たり種別選択テーブル202fは、大当たりFの判定値として第1当たり種別カウンタC2の値「0?33」が、大当たりGの判定値として「34?66」が、大当たりHの判定値として「67?99」が設定されている。主制御装置110のタイマ割込処理で実行される特別図柄変動開始処理(図65参照)において、特別図柄の抽選結果を取得すると共に(図65のS303参照)、第1当たり種別選択テーブル202fと、第1当たり種別カウンタ値C2とに基づいて大当たり種別が選択されることとなる。ここで選択された大当たり種別に基づいて、大当たり遊技が実行される。
【1420】
大当たりF(16R確変抽選有・時短有大当たり)に基づく大当たり遊技では、大当たり遊技において流路ソレノイド65kが作動し、特定入賞口65aへ入球した遊技球が確変スイッチ65e3へ通過可能な大当たりとなっている。この確変スイッチ65e3へ遊技球が通過することに基づいて、当該大当たり遊技の終了後に確変遊技が付与されることとなる。また、大当たりG(16R確変抽選無・時短有大当たり)に基づく大当たり遊技では、大当たり遊技において流路ソレノイド65kは作動せず、特定入賞口65aへ入球した遊技球が確変スイッチ65e3へ入球することが無い大当たりとなっている。大当たりGに基づく大当たり遊技の終了後には、時短遊技が付与されることとなる。さらに、大当たりH(16R確変抽選無・時短無大当たり)に基づく大当たり遊技では、上述した大当たりGと同様に、特定入賞口65aへ入球した遊技球が確変スイッチ65e3へ入球することがない大当たりである。また、大当たりHに基づく大当たり遊技の終了後は、時短遊技は付与されず、通常遊技状態へと移行することとなる。
【1421】
さらに、ここで選択された大当たり種別は、主制御装置110の特別図柄変動処理において、変動停止時に抽選結果が大当たりであると判別された場合(図176のS216:Yes)に参照され、大当たり種別に基づいて特定入賞口65aの開放シナリオが設定されたり(図176のS217参照)、大当たり種別格納エリア203αへ格納され(図176のS260)、後述する外部出力処理(図177参照)において参照されたりすることとなる。
【1422】
次に、図173を参照して、本制御例における主制御装置110のRAM203の内容について説明する。図173は、主制御装置110のRAM203の内容を模式的に示した模式図である。本制御例における主制御装置110のRAM203は、上述した第1制御例のRAM203の内容に加え、大当たり種別格納エリア203αが設けられている点で相違する。その他の点は同一であるため、その同一部分についての詳細な説明は省略する。
【1423】
大当たり種別格納エリア203αは、実行されている大当たり遊技に係る大当たり種別を判別するためのものであり、大当たり種別(大当たりF,G,H)に対応する値が格納される。この大当たり種別格納エリア203αは、主制御装置110のタイマ割込処理で実行される特別図柄変動処理(図176)において、抽選結果が大当たりであると判別された場合に設定されるものである(図176のS260参照)。
【1424】
そして、主制御装置110のメイン処理で実行される外部出力処理において参照され、大当たり種別が大当たりFであり、大当たりGでないと判別された場合は(図177のS7003:No)、確変設定フラグ203hがオンである場合に(図177のS7005:Yes)、外部出力端子板261のV入賞端子、大当たり1端子、大当たり2端子の出力がオンに設定される(図176のS7004参照)。一方、当該処理において、大当たり種別が大当たりGであると判別された場合は(図176のS7003:Yes)、そのまま大当たり1端子と大当たり2端子とへの出力がオンに設定される(図177のS7004参照)。また、大当たり種別が大当たりHである場合は、大当たり種別が大当たりFである場合と同様に、大当たり種別が大当たりGでないと判別される(図177のS7003:No)。しかし、大当たりHに基づく大当たり遊技では、遊技球が確変入賞スイッチ65e3を通過することがなく、確変設定フラグ203hがオンとなることはないため(図177のS7005:No)、大当たり1端子と大当たり2端子とがオンに設定されることはない。
【1425】
よって、大当たり遊技が実行される場合に、外部出力端子板261に設けられた役物連続作動端子と、大当たり1端子との出力を比較することで、大当たり遊技の種別を判別することが可能となる。具体的には、大当たり遊技開始時に役物連続作動端子と大当たり1端子とのいずれもがオンとなる場合は、大当たりGであると判別でき、一方、大当たり開始時に役物連続作動端子がオンとなり、大当たり1端子がオフである場合は、大当たりFまたは大当たりHであると判別できる、そして、大当たり遊技中にV入賞(確変スイッチ65e3への遊技球の通過)に基づいて大当たり1端子がオンとなる場合は、大当たりFであると判別でき、一方、大当たり遊技中にV入賞(確変スイッチ65e3への遊技球の通過)がなく、大当たり1端子がオンとならない場合は、大当たりHであると判別できる。なお、役物連続作動端子と大当たり2端子とを比較して、大当たり遊技の大当たり種別を判別するように構成してもよい。
【1426】
次に、図174を参照して、本制御例における、遊技機の遊技状態と外部出力端子板261の各端子の信号との関係について説明する。図174は、遊技機の遊技状態と確変スイッチ65e3の遊技球の通過状態、外部出力端子板261の各端子の信号との状態を示したタイミングチャートである。
【1427】
図174(a)は、大当たりGに基づく大当たり遊技が実行される場合における、遊技機の遊技状態と、外部出力端子板261の役物連続作動端子の出力、確変スイッチ65e3の遊技球の通過状態、外部出力端子板261の大当たり1端子および大当たり2端子の出力を示したタイミングチャートである。
【1428】
具体的には、遊技機の遊技状態が通常遊技状態である場合には、役物連続作動端子、大当たり1端子および大当たり2端子はオフの状態となっている。そして、遊技機の遊技状態が大当たりGに基づく大当たり遊技が開始されると、後述する外部出力処理(図177参照)において役物連続作動端子、大当たり1端子および大当たり2端子がオンに設定される。その後、大当たりGに基づく大当たり遊技が終了すると、遊技機の遊技状態が時短状態へと移行し、後述する外部出力処理において役物連続作動端子と、大当たり1端子との出力がオフに設定される(図177のS7007参照)。そして、時短遊技が終了すると、遊技機の遊技状態が通常遊技状態へと移行すると共に、大当たり2端子の出力がオフされる(図177のS7009参照)。
【1429】
次いで、図174(b)を参照して、大当たりFに基づく大当たり遊技が実行される場合における、遊技機の遊技状態と、外部出力端子板261の役物連続作動端子の出力、確変スイッチ65e3の遊技球の通過状態、外部出力端子板261の大当たり1端子および大当たり2端子の出力を示したタイミングチャートである。大当たりFに基づく大当たり遊技が実行される場合には、上述した大当たりGに基づく大当たり遊技が実行される場合に比べて、大当たり遊技が開始される時点では大当たり1端子および大当たり2端子の出力がオンに設定されず、大当たり遊技中に確変スイッチ65e3を遊技球が通過した時点(V入賞した時点)で、大当たり1端子および大当たり2端子の信号がオンに設定される点で相違する。
【1430】
具体的には、遊技機の遊技状態が通常遊技状態である場合には、外部出力端子板261の役物連続作動端子、大当たり1端子および大当たり2端子はオフの状態となっている。そして、遊技機の遊技状態が大当たりFに基づく大当たり遊技状態となった場合に、後述する外部出力処理において役物連続作動端子への出力がオンに設定される(図177のS7002参照)。そして、大当たり遊技中に、確変スイッチ65e3を遊技球が通過することに基づいて、外部出力端子板261の大当たり1端子および大当たり2端子がオンに設定される(図177のS7004参照)。その後、上述した大当たりGに基づく大当たり遊技が実行される場合と同様に、大当たり遊技が終了すると共に、大当たり1端子がオフに設定され(図177のS7007参照)、大当たり遊技終了後に付与される確変遊技が終了すると、遊技機の遊技状態が通常遊技状態へと移行し、大当たり2端子がオフに設定される(図177のS7010参照)。
【1431】
なお、大当たりHに基づく大当たり遊技が実行される場合には、遊技機の状態が大当たり遊技状態となると、役物連続作動端子の出力がオンになる一方、確変スイッチ65e3を遊技球が通過することもないため、大当たり1端子および大当たり2端子の出力はオフのままとなる。そして、大当たり遊技が終了すると遊技状態が通常遊技状態へと移行すると共に、役物連続作動端子の出力がオフとなる(図177のS7007参照)。大当たりHでは大当たり遊技の実行後に確変遊技または時短遊技の付与もされないため、大当たり1端子および大当たり2端子はオフのままに設定される(図175(b)参照)。
【1432】
次に、図175を参照して、大当たり遊技が連続して実行される場合について説明する。図175は、大当たりGに基づく大当たり遊技が実行される場合における、遊技機の遊技状態と、外部出力端子板261の役物連続作動端子の出力、確変スイッチ65e3の遊技球の通過状態、外部出力端子板261の大当たり1端子および大当たり2端子の出力を示したタイミングチャートである。
【1433】
図175(a)は、大当たりGに基づく大当たり遊技が連続して実行される場合におけるタイミングチャートであり、図175(b)は、大当たりH、大当たりG、大当たりFの順に各大当たり種別に基づく大当たり遊技が連続して実行される場合におけるタイミングチャートである。
【1434】
まず、図175(a)を参照して、大当たりGに基づく大当たり遊技が連続して実行される場合について説明する。通常遊技状態では、外部出力端子板261の役物連続作動端子、大当たり1端子および大当たり2端子の出力は、全てオフに設定されている。その後、抽選結果が大当たりGの大当たりとなり、大当たりGに基づく大当たり遊技が開始される場合に、役物連続作動端子、大当たり1端子および大当たり2端子の出力が全てオンに設定される(図177のS7002,S7004参照)。その後、大当たりGに基づく大当たり遊技が終了すると、時短遊技が付与されると共に、役物連続作動端子と、大当たり1端子とがオフに設定され(図177のS7007参照)、一方、大当たり遊技の終了後には、時短遊技が付与され、遊技機の遊技状態が時短遊技状態となるため、大当たり2端子はオフに設定されず、継続してオンの信号が出力される。
【1435】
そして、時短遊技の実行中に、再度大当たりGの大当たりとなり、大当たりGに基づく大当たり遊技が実行されると、役物連続作動端子、大当たり1端子がオンに設定され、大当たり2端子も継続してオンに設定されることとなる(図177のS7002,S7004参照)。その後、再度実行される大当たり遊技が終了すると、時短遊技が付与されると共に、役物連続作動端子と、大当たり1端子とがオフに設定され(図177のS7007参照)、一方、大当たり2端子はオフに設定されず、継続してオンの信号が出力される。そして、時短遊技の実行中に大当たりとならず、時短遊技が終了すると、通常遊技状態へと移行すると共に、大当たり2端子の出力がオフに設定される(図177のS7009参照)。
【1436】
次いで、図175(b)を参照して、大当たりH、大当たりG、大当たりFの順に各大当たり種別に基づく大当たり遊技が連続して実行される場合について説明する。通常遊技状態では、役物連続作動端子、大当たり1端子および大当たり2端子の出力は、全てオフに設定されている。その後、抽選結果が大当たりHの大当たりとなり、大当たりHに基づく大当たり遊技が実行される場合には(図177のS7001:Yes)、役物連続作動端子の出力がオンに設定され(図177のS7002参照)、一方、大当たり1端子および大当たり2端子の出力はオンに設定されず、オフのままとなる(図177のS7005:No)。そして、大当たり遊技が終了すると遊技状態が通常遊技状態へと移行すると共に、役物連続作動端子の出力がオフとなる(図177のS7007参照)。大当たりHでは大当たり遊技の実行後に確変遊技または時短遊技の付与もされないため、大当たり1端子および大当たり2端子はオフのままに設定される(図175(b)参照)。
【1437】
その後、抽選結果が大当たりGとなり、大当たりGに基づく大当たり遊技が実行されると(図177のS7001:Yes,S7003:Yes)、役物連続作動端子、大当たり1端子および大当たり2端子への出力がオンに設定される(図177のS7002,S7004参照)。そして、大当たりGに基づく大当たり遊技が終了すると、時短遊技が付与されると共に、役物連続作動端子と、大当たり1端子とへの出力がオフに設定される(図177のS7007参照)。一方、遊技機の遊技状態は時短遊技状態となるので、大当たり2端子への出力はオフに設定されず、出力がオンのままとなる。その後、時短遊技の実行中に、大当たりFの大当たりとなり、大当たりFに基づく大当たり遊技が実行されると、役物連続作動端子がオンに設定され(図177のS7002)、大当たり2端子は継続してオンに設定されることとなる。
【1438】
そして、大当たり遊技中に確変スイッチ65e3を遊技球が通過すると、大当たり1端子の出力がオンに設定され(図177のS7004参照)、大当たり遊技の終了後に確変遊技が付与されることとなる。大当たり遊技が終了すると、役物連続作動端子および大当たり1端子への出力はオフに設定され(図177のS7007)、一方、大当たり遊技の終了後には確変遊技が付与されるので、大当たり2端子への出力はオフされず、オンのままとなる。その後、確変遊技が終了すると、通常遊技へと移行すると共に、大当たり2端子への出力がオフに設定されることとなる。
【1439】
このように、本制御例では、外部出力端子板261に設けられた役物連続作動端子と、大当たり1端子との出力タイミングを、大当たり種別に応じて異なるように構成している。これにより、役物連続作動端子と、大当たり1端子との出力タイミングを比較することで、大当たり遊技の種別を判別することが可能となる。具体的には、大当たり遊技開始時に役物連続作動端子と大当たり1端子とのいずれもがオンとなる場合は、大当たりGであると判別でき、一方、大当たり開始時に役物連続作動端子がオンとなり、大当たり1端子がオフである場合は、大当たりFまたは大当たりHであると判別できる、そして、大当たり遊技中にV入賞(確変スイッチ65e3への遊技球の通過)に基づいて大当たり1端子がオンとなる場合は、大当たりFであると判別でき、一方、大当たり遊技中にV入賞(確変スイッチ65e3への遊技球の通過)がなく、大当たり1端子がオンとならない場合は、大当たりHであると判別できる。
【1440】
また、外部出力板261に設けられている大当たり1端子と大当たり2端子とにより、発生した大当たりが継続した大当たりであるか否かを容易に判別することができる。具体的には、大当たり1端子では、大当たりの発生に基づく大当たり遊技が終了する毎に出力がオフとなるため、大当たりの発生は検出できるが、その大当たりが継続した大当たりであるか否かは判別できない。ここで、継続した大当たりとは、確変遊技中または時短遊技中における大当たりのことを指す。
【1441】
本制御例における大当たり2端子は、確変遊技中または時短遊技中において大当たりとなった場合、出力がオフされずに継続して出力がオン(出力がオンの期間が継続)となる。よって、大当たり2端子の出力がオンの期間に発生した大当たり(大当たり1端子の出力がオンとなったもの)は一連の継続した大当たりであると判別することができる。
【1442】
<第8制御例における主制御装置の制御処理について>
次に、図176および図177を参照して、本制御例における主制御装置110の制御処理について説明する。本第8制御例は、上述した第1制御例に対し、特別図柄変動処理と外部出力処理との一部処理を変更した点で相違し、その他の部分は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【1443】
まず、図176を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)の詳細について説明する。図176は、特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。本第8制御例では、上述した第1制御例に比べ、変動時間経過時に抽選結果が大当たりであると判別された場合(S216:Yes)、当該抽選結果に係る大当たり種別を大当たり種別格納エリア203αへ格納するように構成した点で相違し、その他の部分は同一であるため、その部分の詳細な説明は省略する。
【1444】
特別図柄変動処理では、まず、第1制御例と同様にS201からS216の処理を実行する。次いで、今回の抽選結果が大当たりであると判別された場合(S216:Yes)、大当たり種別に基づいて、特定入賞口65aの開放シナリオを設定し(S217)、大当たりの開始を設定する(S218)。その後、抽選結果の大当たり種別に基づく値を大当たり種別格納エリア203αへ格納する(S260)。ここで格納された大当たり種別格納エリア203αの値は、後述する外部出力処理(図177参照)において参照され、大当たり種別に基づいて外部出力端子板261へ出力する信号のタイミングが制御されることとなる。
【1445】
S260の処理を終えると、そのまま本処理を終了する。また、S216の処理において、抽選結果が大当たりでないと判別された場合は(S216:No)、第1制御例と同様にS220とS221との処理を実行して、本処理を終了する。
【1446】
次に、図177を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される外部出力処理(S1001)の詳細について説明する。図177は、外部出力処理(S1001)を示すフローチャートである。この外部出力処理(S1001)は、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理において4ミリ秒毎に実行され、主制御装置110のMPU201により実行される他の処理で設定されたコマンドを音声ランプ制御装置113などへ送信する処理や、RAM203の各領域の値などに応じて外部出力端子へ信号を出力する処理などを実行する処理である。
【1447】
外部出力処理では、まず、遊技機の遊技状態が大当たり中であるか否かを判別する(S7001)。S7001の処理において、遊技機の遊技状態が大当たり中であると判別された場合は(S7001:Yes)、外部出力端子板261に設けられている役物連続作動端子の出力をオンにし(S7002)、S7003の処理へ移行する。S7002の処理において出力がオンにされる役物連続作動端子は、ホールコンピュータ262により検知される。これにより、ホールコンピュータ262は、当該遊技機が大当たり遊技状態へ移行したことを検知することができる。
【1448】
次に、大当たり種別格納エリア203αの値が大当たりGを示す値であるか否かを判別する(S7003)。S7003の処理において、大当たり種別格納エリア203αの値が大当たりGを示す値であると判別された場合(S7003:Yes)、大当たり1端子への出力と、大当たり2端子への出力をオンにして(S7004)、S7010の処理へ移行する。S7004の処理により、大当たりGに基づく大当たり遊技の開始時に、大当たり1端子と大当たり2端子とへの出力がオンとなり、この大当たり1端子と大当たり2端子とは、ホールコンピュータ262により検知されている。これにより、ホールコンピュータ262は、S7002の処理において出力がオンにされる役物連続作動端子と、S7004の処理において出力がオンにされる大当たり1端子とが同じタイミングでオンとなったことを検知すると(図174(a)参照)、大当たりGによる大当たり遊技が実行されたことを判別し、それに応じた処理を行うことができる。
【1449】
一方、大当たり種別格納エリア203αの値が大当たりFまたは大当たりHを示す値であり、大当たりGを示す値でないと判別された場合は(S7003:No)、S7005の処理へ移行する。S7005の処理では、確変設定フラグ203hがオンであるか否かを判別する。確変設定フラグ203hがオンであると判別された場合は(S7005:Yes)、確変スイッチ65e3へ遊技球が入球した場合であり、当該大当たり遊技の終了後に確変遊技が付与されることが確定する。この場合、S7004の処理へ移行し、大当たり1端子と大当たり2端子とへの出力をオンにし(S7004)、S7010の処理へ移行する。
【1450】
ここで、大当たりFは確変抽選が有る大当たりであるので、大当たり遊技の実行中に流路ソレノイド65kが動作し、確変スイッチ65e3を遊技球が通過可能となる。一方、大当たりHは確変抽選が無い大当たりであるので、大当たり遊技の実行中に流路ソレノイド65kは動作せず、確変スイッチ65e3を遊技球が通過することがない。よって、ホールコンピュータ262は、大当たり遊技の開始時に出力がオンになる役物連続作動端子に遅れて、確変スイッチ65e3の通過時に大当たり1端子の出力がオンとなった場合は、大当たりFに基づく大当たり遊技が実行されたことを判別することができ、それに応じた処理を行うことができる。
【1451】
これに対し、大当たり遊技の開始時に役物連続作動端子がオンとなり、その後、大当たり1端子がオンとならなかった場合は、確変スイッチ65e3へ遊技球が通過しない大当たりHに基づく大当たり遊技が実行されていたとして判別することができる。
【1452】
一方、S7005の処理において、確変設定フラグ203hがオフであると判別された場合は(S7005:No)、S7010の処理へ移行する。
【1453】
S7001の処理において、大当たり中でないと判別された場合は(S7001:No)、大当たり種別格納エリア203αの値をクリアして(S7006)、役物連続作動端子への出力と、大当たり1端子への出力をオフにし(S7007)、S7008の処理へ移行する。
【1454】
S7007の処理を終えると、次いで、遊技状態が確変遊技状態または時短遊技状態であるか否かを判別する(S7008)。具体的には、確変フラグ203gがオンである場合は確変遊技状態であると判別し、時短中カウンタが0より大きい場合は時短遊技状態であると判別する。S7008の処理において、確変遊技状態または時短遊技状態であると判別された場合は(S7008:Yes)、大当たり2端子への出力をオフにすることなく、S7010の処理へ移行する。一方、S7008の処理において、確変遊技状態または時短遊技状態でないと判別された場合は(S7008:No)、大当たり2端子への出力をオフして(S7009)、S7010の処理へ移行する。
【1455】
S7007の処理により、大当たり遊技の終了時に役物連続作動端子と大当たり1端子との出力をオフにすることができる。そして、大当たり遊技の終了時に確変遊技または時短遊技が付与され、遊技機の遊技状態が確変遊技状態または時短遊技状態となる場合は(S7008:Yes)、大当たり2端子の出力はオフにされず、継続して大当たり2端子の出力はオンとなる。一方、大当たり遊技の終了時に確変遊技または時短遊技が付与されず、遊技機の遊技状態が通常遊技状態となる場合には(S7008:No)、大当たり2端子の出力はオフとなる。
【1456】
S7010の処理では、その他の外部出力処理を実行し(S7010)、本処理を終了する。S7010の処理では、例えば、上述したRAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶された保留球数コマンドなどの各種コマンドを、音声ランプ制御装置113に向けて送信する処理などが実行される。これにより、音声ランプ制御装置113や、払出制御装置111に対して、主制御装置110からの情報を送信することができる。
【1457】
以上、説明したように、本第8制御例では、抽選結果の大当たり種別に応じて、その大当たり種別に基づく大当たり遊技において、外部出力端子板261に設けられた端子に送信する信号のタイミングを異ならせるように構成している。具体的には、大当たりFの場合は、大当たり遊技が開始されると、役物連続作動端子がオンとなり、その後、確変スイッチ65e3を遊技球が通過すると、大当たり1端子がオンとなる。また、大当たりGの場合は、大当たり遊技が開始されると、役物連続作動端子がオンになると共に、大当たり1端子がオンとなる。さらに、大当たりHの場合は、大当たり遊技が開始されると、役物連続作動端子がオンとなり、その後、役物連続作動端子がオフとなるまで、大当たり1端子がオンとなることがない。
【1458】
これにより、外部出力端子板261の端子の出力を検知しているホールコンピュータ262は、外部出力端子板261の役物連続作動端子と大当たり1端子との出力を検出することによって、3種類設けられている大当たり種別のうち、どの大当たり種別に基づく大当たり遊技が実行されているかを判別することができる。よって、各大当たり種別(3種類)に対応する端子をそれぞれ設けることなく、大当たり種別を判別することを可能とすることができる。
【1459】
また、外部出力板261に設けられている大当たり1端子と大当たり2端子とにより、発生した大当たりが継続した大当たりであるか否かを容易に判別することができる。具体的には、大当たり1端子では、大当たりの発生に基づく大当たり遊技が終了する毎に出力がオフとなるため、大当たりの発生は検出できるが、その大当たりが継続した大当たりであるか否かは判別できない。ここで、継続した大当たりとは、確変遊技中または時短遊技中における大当たりのことを指す。
【1460】
本制御例における大当たり2端子は、確変遊技中または時短遊技中において大当たりとなった場合、出力がオフされずに継続して出力がオン(出力がオンの期間が継続)となる。よって、大当たり2端子の出力がオンの期間に発生した大当たり(大当たり1端子の出力がオンとなったもの)は一連の継続した大当たりであると判別することができる。
【1461】
なお、本制御例では、役物連続作動端子と大当たり1端子とにより大当たり種別を判別するようにしたが、これに限られず、役物連続作動端子と大当たり2端子とにより大当たり種別を判別可能としてもよい。また、大当たり1端子と大当たり2端子とのいずれか一方を設けないようにしてもよいし、別途大当たりに関わる出力を行う端子を外部出力端子板261へ設けるようにしてもよい。
【1462】
さらに、本制御例は、上述したものに限られず、その他の大当たり遊技に関わる情報を出力するための外部出力端子板261の端子を設けるようにしてもよい。例えば、確変スイッチ65e3の通過に基づいて、所定期間(例えば、100ms)のオン信号を出力するV入賞端子を外部出力端子板261に設けるようにしてもよい。これにより、確変抽選がない大当たりHの大当たり遊技の実行中にも関わらず、確変スイッチ65e3に遊技球を通過させるなどの不正行為を検出することが可能となる。具体的には、確変スイッチ65e3への遊技球の通過に基づいて、V入賞端子の出力がオンとなるが、大当たり種別Hの場合は、確変スイッチ65e3を遊技球が通過したとしても、大当たり1端子の出力はオンとならない。よって、ホールコンピュータ262は、V入賞端子の出力がオンとなったが、大当たり1端子の出力がオンとならない場合は不正行為によって確変スイッチ65e3へ遊技球が入球されたとして当該不正行為を検出し、報知することができる。
【1463】
また、上述した第8制御例では、大当たり遊技の実行中であることを示す役物連続作動端子を設けるようにしたが、これに限られず、当該端子を設けないようにし、大当たり1端子のオン時間の差異によって、ホールコンピュータ262が大当たり種別を判別可能となるよう構成してもよい。
【1464】
具体的には、大当たりGの大当たり遊技が実行される場合は、大当たり遊技開始時に大当たり1端子の出力をオンにし、大当たり遊技終了時に大当たり1端子の出力をオフにする。この場合、大当たり1端子の出力がオンとなる時間は大当たり遊技の時間(例えば、120秒)となる。また、大当たりFの大当たり遊技が実行される場合は、大当たり遊技開始時には大当たり1端子の出力をオンとせず、確変スイッチ65e3へ遊技球が通過した時点で大当たり1端子の出力をオンとし、大当たり遊技が終了時に大当たり1端子の出力をオフにする。この場合、大当たり1端子の出力がオンとなる時間は大当たり遊技の時間より短く、流路ソレノイド65kが動作している期間から大当たり遊技の終了までの時間(例えば、50秒から30秒)となる。さらに、大当たりHの大当たり遊技が実行される場合は、大当たり遊技の開始時には大当たり1端子の出力はオンとせず、大当たり遊技の終了時に所定時間(例えば、1秒)オンとする。この場合、大当たり1端子の出力がオンとなる時間は所定時間(例えば、1秒)となる。
【1465】
このように構成することで、ホールコンピュータ262は、大当たり1端子の出力がオンとなっていた時間が120秒であったと判別した場合は、大当たりGによる大当たり遊技が実行されていたと判別することができる。また、大当たり1端子の出力がオンとなっていた時間が50秒から30秒の間であれば、大当たりFによる大当たり遊技が実行されていたと判別することができる。さらに、大当たり1端子の出力がオンとなっていた時間が1秒であったと判別した場合は、大当たりHによる大当たり遊技が実行されていたと判別することができる。よって、役物連続作動端子を設けることなく、ホールコンピュータ262で実行されていた大当たり遊技に係る大当たり種別を判別可能な遊技機とすることができ、遊技機の製造コストを低減することができる。なお、大当たり1端子の出力がオンである時間を大当たり種別毎に全て定めて、所定の契機(例えば、大当たり開始時)に規定されたオン時間だけ大当たり1端子の出力をオンにするようにしてもよい。
【1466】
さらに、本第8制御例において、特定入賞口65aへの入球に基づいて出力がオンに設定される外部出力端子261の端子(入賞端子)を設けるようにしてもよい。これにより、大当たりFに基づく大当たり遊技が実行されているが、遊技球が発射されないなどにより、特定入賞口65aへ遊技球が入球されない場合は、確変スイッチ65e3を遊技球が通過することがなく、大当たり1端子および大当たり2端子との出力がオンにならないため、大当たりFであることを検出できない。そこで、特定入賞口65aへ遊技球が入球することに基づいて出力がオンとなる入賞端子を検出することで、特定入賞口65aへ遊技球が入球しているにも関わらず確変スイッチ65e3を遊技球が通過していない場合(大当たりHの場合)であるか否かを判別することができる。
【1467】
<第9制御例>
次に、図178から図180を参照して、第9制御例におけるパチンコ機10について説明する。本第9制御例では、上述した第8制御例に対し、特定入賞口65aへの入賞に応じて信号が出力される外部出力端子板261を備え、特定入賞口65aへ継続した入賞が行われていることを検出可能となるように構成した点で相違する。
【1468】
具体的には、外部出力端子板261には入賞端子と、継続入賞端子とが設けられており、入賞端子は遊技機において入賞があった場合に所定時間(100ミリ秒)オンとなるよう制御される。継続入賞端子は、入賞が発生した後の継続入賞出力期間(2秒)に入賞があり、継続した入賞が行われている場合に出力がオンとなり続けるように制御される。
【1469】
よって、外部出力端子板261の信号を検出しているホールコンピュータ262では、入賞端子と継続入賞端子との信号を取得することで、発生した入賞が継続して入賞されたものであるか否かを判別することができる。また、ホールコンピュータ262では、入賞端子の信号の取得結果を演算して継続した入賞が発生しているか否かを判別することなく、継続した入賞が発生している場合に実行する必要のある処理を、継続入賞端子の信号の取得結果に基づいて実行することで、処理負荷を軽減させることができる。
【1470】
なお、本制御例は、第8制御例に上述した構成を付加する形としたが、これに限られず、上述した各制御例に付加するようにしても良い。例えば、第5制御例におけるV入賞装置への入球に応じて入賞端子、継続入賞端子の出力を制御するようにしてもよい。以下の説明では、第8制御例と相違する点について説明する。第8制御例と同一の部分については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【1471】
<第9制御例における遊技機の電気的構成について>
まず、図178を参照して、本第9制御例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。図178は、主制御装置110のRAM203の内容を模式的に示した模式図である。本制御例における主制御装置110のRAM203は、上述した第8制御例のRAM203の内容に加え、入賞期間カウンタ203βおよび継続入賞期間カウンタ203γが設けられている点で相違する。その他の点は同一であるため、その同一部分についての詳細な説明は省略する。
【1472】
入賞期間カウンタ203βは、入賞端子に信号を出力する期間(入賞出力期間)をカウントするためのカウンタである。この入賞期間カウンタ203βは、主制御装置110のメイン処理で実行される外部出力処理において、特定入賞口65aへの遊技球の入球(入賞)があったと判別された場合に(図180のS8001:Yes)、25(100ミリ秒に相当)に設定される(図180のS8003参照)。ここで、外部出力処理は、主制御装置110のメイン処理において4ミリ秒毎に実行される処理であり、当該外部出力処理が実行される毎に、入賞期間カウンタ203βが1以上の場合(図180のS8008:Yes)、1ずつ減算される(図180のS8009参照)。そして、入賞期間カウンタ203βが0となった場合に(図180のS8004:Yes)、外部出力端子板261の入賞端子への出力がオフに設定される(図180のS8005参照)。
【1473】
これにより、特定入賞口65aへの入賞に基づいて、外部出力端子板261の入賞端子の出力を所定時間(100ミリ秒)オンにすることができる。
【1474】
継続入賞期間カウンタ203γは、継続入賞端子に信号を出力する期間をカウントするためのカウンタである。この継続入賞期間カウンタ203γは、主制御装置110のメイン処理で実行される外部出力処理において、特定入賞口65aへの遊技球の入球(入賞)があったと判別された場合に(図180のS8001:Yes)、500(2秒に相当)に設定される(図180のS8003参照)。ここで、外部出力処理は、主制御装置110のメイン処理において4ミリ秒毎に実行される処理であり、当該外部出力処理が実行される毎に、継続入賞期間カウンタ203γが1以上の場合に(図180のS8010:Yes)、1ずつ減算される(図180のS8011参照)。そして、継続入賞期間カウンタ203γが0となった場合に、外部出力端子板261の継続入賞端子への出力がオフに設定される。継続入賞期間カウンタ203γが0になる前に、特定入賞口65aへ遊技球が入球すると、再度継続入賞期間カウンタ203γが500(2秒に相当)に設定される(図18のS8003参照)。
【1475】
これにより、継続入賞期間カウンタ203γが0になるまでの期間(本制御例では2秒間)において、特別入賞装置65aへ遊技球が入球している間は、外部出力端子板261の継続入賞端子への出力をオンとし続けることができる。継続入賞期間カウンタ203γを経過するまで遊技球が特定入賞口65aへ入球しなかった場合は、外部出力端子板261の継続入賞端子への出力がオフとなる(図180のS8007参照)。
【1476】
次に、図179を参照して、本制御例における、遊技機の遊技状態と外部出力端子板261の各端子の信号との関係について説明する。図179は、大当たり遊技が実行される場合における、遊技機の遊技状態と、外部出力端子板261の役物連続作動端子、入賞端子および継続入賞端子から出力される信号を示したタイミングチャートである。
【1477】
図179(a)を参照して、大当たり遊技中に特定入賞口65aへ遊技球が入球する場合について説明する。図179(a)は、大当たり遊技中に特定入賞口65aへ遊技球が入球する場合における、遊技機の遊技状態と、外部出力端子板261の役物連続作動端子、入賞端子および継続入賞端子から出力される信号を示したタイミングチャートである。
【1478】
まず、遊技機の遊技状態が通常遊技状態である場合には、役物連続作動装置は作動しておらず、役物連続作動端子はオフとなっており、特定入賞口65aへ遊技球が入球することもないため、入賞端子、継続入賞端子は共にオフとなっている。
【1479】
次いで、第1入賞口64への入球に基づく抽選結果が大当たりとなり、大当たり遊技が開始され、役物連続作動装置が作動すると、役物連続作動端子がオンに設定される(図180のS8012参照)。役物連続作動装置が作動すると、第1可変入賞装置65の開閉扉65f1が開閉され、特定入賞口65aへ遊技球が入球可能な状態となる。役物連続作動装置の作動後に、遊技球が特定入賞口65aへ入球(入賞)したことを、検知スイッチ65c1が検出すると、入賞端子と継続入賞端子との出力が所定時間(本制御例では100ミリ秒と2秒)オンとなるように制御される(図180のS8002,S8003参照)。
【1480】
そして、入賞端子の出力は、入賞出力期間(100ミリ秒)の経過後にオフとなる(図180のS8005参照)。一方、継続入賞装置の出力は継続入賞出力期間(2秒)の経過後までオンのままに制御され、継続入賞出力期間(2秒)経過後にオフとなる(図180のS8007)。その後、大当たり遊技が終了すると、役物連続作動装置が停止されると共に、役物連続作動端子の出力がオフに設定され、通常遊技(若しくは確変遊技または時短遊技)へ移行することとなる。
【1481】
次に、図179(b)を参照して、大当たり遊技中に特定入賞口65aへ遊技球が入球し、その入球に基づく継続入賞出力期間に新たな入球がある場合について説明する。図179(b)は、大当たり遊技中に特定入賞口65aへ遊技球が入球し、その入球に基づく継続入賞出力期間に新たな入球がある場合における、遊技機の遊技状態と、外部出力端子板261の役物連続作動端子、入賞端子および継続入賞端子から出力される信号を示したタイミングチャートである。
【1482】
まず、遊技機の遊技状態が通常遊技状態である場合には、上述したように、役物連続作動端子、入賞端子、継続入賞端子は共にオフとなっている。次いで、第1入賞口64への入球に基づく抽選結果が大当たりとなり、大当たり遊技が開始されると、役物連続作動端子がオンに設定される(図180のS8012参照)。
【1483】
そして、遊技球が特定入賞口65aへ入球すると、検出スイッチ65c1により遊技球の入球が検出され、入賞端子と継続入賞端子との出力が所定時間(本制御例では100ミリ秒と2秒)オンとなるように制御される(図180のS8002,S8003参照)。その後、入賞端子の出力は、入賞出力期間(100ミリ秒)の経過後にオフとなり(図180のS8005参照)、継続入賞装置の出力は継続入賞出力期間(2秒)の経過後までオンのままとなる(図180のS8006:Yes)。
【1484】
継続入賞出力期間(2秒)の間に、新たに遊技球が特定入賞口65aへ入球したことを検出スイッチ65c1が検出すると、入賞端子の出力が入賞出力期間(100ミリ秒)オンとなるよう設定される(図180のS8002,S8003参照)。また、入賞継続端子の出力も、継続入賞出力期間(2秒)オンとなるように再設定(更新)され(図180のS8003参照)、継続して出力がオンとなる。
【1485】
そして、特定入賞口65aへの新たな入球に基づく入賞出力期間の経過後に入賞端子の出力がオフに設定され(図180のS8005参照)、さらにその後、更新された継続入賞期間の経過後に継続入賞端子の出力がオフに設定される(図180のS8007)。なお、更新(再設定)された継続入賞期間において、新たに特定入賞口65aへ遊技球が入球した場合には、再度継続入賞期間が更新(再設定)され、継続して継続入賞端子の出力がオンとなるよう設定されることとなる。
【1486】
大当たり遊技が終了すると、役物連続作動装置が停止されると共に、役物連続作動端子の出力がオフに設定され、通常遊技(若しくは確変遊技または時短遊技)へ移行することとなる。
【1487】
このように、本制御例では、外部端子出力板261に設けられた継続入賞端子によって、特定入賞口65aへ遊技球が継続して入球(入賞)していることを判別可能となっている。これにより、外部出力端子板261の信号を検出しているホールコンピュータ262では、外部出力端子板261に設けられた入賞端子によって、特定入賞口65aへ遊技球が入球(入賞)したことを検出することができ、その入賞が継続して入賞したものであるか否かを判別することができる。よって、ホールコンピュータ262では、入賞端子より検出した入賞が継続した入賞であるか否かを判別するために前回の入賞情報を元に演算せずとも、継続入賞端子の出力を参照するだけで判別することができ、ホールコンピュータ262の処理負荷を軽減させることができる。
【1488】
<第9制御例における主制御装置の制御処理について>
次に、図180を参照して、本制御例における主制御装置の制御処理について説明する。本第9制御例は、上述した第8制御例に対し、外部出力処理との一部処理を変更した点で相違する。その他の部分は同一であるため、その同一部分についての詳細な説明は省略する。
【1489】
図180を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される外部出力処理(S1001)の詳細について説明する。図180は、本制御例における外部出力処理(S1001)を示すフローチャートである。この外部出力処理(S1001)は、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理において4ミリ秒毎に実行され、主制御装置110のMPU201により実行される他の処理で設定されたコマンドを音声ランプ制御装置113などへ送信する処理や、RAM203の各領域の値に応じて外部出力端子へ信号を出力する処理などを実行する処理である。
【1490】
外部出力処理では、まず、特定入賞口65aへ遊技球が入球したか否かを判別する(S8001)。具体的には、特定入賞口65aへ入球した遊技球は、検出スイッチ65c1を通過することとなるので、主制御装置110のスイッチ読み込み処理において、検出スイッチ65c1のスイッチがオンであったか否かによって判別する。
【1491】
S8001の処理において、特定入賞口65aへ遊技球が入球したと判別された場合(S8001:Yes)、外部出力端子板261の入賞端子および継続入賞端子の出力をオンに設定し(S8002)、入賞期間カウンタ203βに25(100ミリ秒に相当)を設定すると共に、継続入賞期間カウンタ203γに500(2秒に相当)を設定し(S8003)、S8008の処理へ移行する。
【1492】
一方、S8001の処理において、特定入賞口65aへ遊技球が入球していないと判別された場合(S8001:No)、次いで、入賞期間カウンタが0であるか否かを判別する(S8004)。S8004の処理において、入賞期間カウンタ203βが0であると判別された場合は(S8004:No)、特定入賞口65aへ遊技球が入球してから入賞出力期間(100ミリ秒)が経過した場合であるので、外部出力端子板261の入賞端子をオフに設定して、S8008の処理へ移行する。
【1493】
S8004の処理において、入賞期間カウンタ203βが0でないと判別された場合は(S8004:No)、継続入賞期間カウンタ203γが0であるか否かを判別する(S8006)。S8006の処理において、継続入賞期間カウンタ203γが0であると判別された場合は(S8006:Yes)、特定入賞口65aへ遊技球が入球してから継続入賞期間(2秒)を経過し、継続入賞期間(2秒)において新たに特定入賞口65aへ遊技球が入球しなかった場合であるので、外部出力端子板261の継続入賞端子の出力をオフに設定し(S8007)、S8008の処理へ移行する。
【1494】
S8006の処理において、継続入賞期間カウンタ203γが0でないと判別された場合は(S8006:No)、そのままS8008の処理へ移行する。
【1495】
ここで、遊技機の遊技状態が大当たり遊技状態以外の状態である場合など、特定入賞口65aへ入球しておらず、入賞期間カウンタ203βが既に0となっている場合にも、S8005の処理が実行される。この場合、既に外部出力端子板261の入賞端子の出力はオフとなっているので、そのまま継続して入賞端子の出力をオフとするよう設定する。なお、特定入賞口65aへ遊技球が入球するのは大当たり遊技中のみであることから、大当たり遊技中においてのみ、S8001からS8007の処理を実行するように構成してもよい。
【1496】
これにより、大当たり遊技中以外の遊技状態において、S8001からS8007の処理を実行する必要がなくなり、処理負荷を軽減することができる。また、大当たり遊技中以外の状態において、特定入賞口65aへ遊技球が入球した場合は、不正行為や異常の発生が考えられるため、外部出力端子261に別途エラー用端子を設け、そのエラー用端子の出力をオンにすることで、不正行為や異常発生を検出できるように構成してもよい。なお、不正行為や異常発生の検知にはエラー用端子を用いなくてもよく、エラーを報知する報知音を出力したり、エラーの発生を示唆する表示を第3図柄表示装置81に表示させたりするようにしてもよい。
【1497】
S8003,S8005,S8006またはS8007の処理を終えると、次いで、入賞期間カウンタ203βが0より大きいか否かを判別する(S8008)。S8008の処理において入賞期間カウンタ203βが0より大きいと判別された場合は(S8008:Yes)、特別入賞口65aへ遊技球が入球し、外部出力端子261の入賞端子の出力がオンとなっている入賞出力期間(100ミリ秒)であるので、入賞出力期間を計測するための入賞期間カウンタ203βを1減算して(S8009)、S8010の処理へ移行する。
【1498】
一方、S8008の処理において、入賞期間カウンタ203βが0であると判別された場合は(S8010:Yes)、入賞出力期間ではなく、入賞出力期間を計測する必要がないため、S8009の処理をスキップして、S8010の処理へ移行する。S8010の処理では、継続入賞期間カウンタ203γが0より大きいか否かを判別する(S8010)。S8010の処理において継続入賞期間カウンタ203γが0より大きいと判別された場合は(S8010:Yes)、特別入賞口65aへ遊技球が入球し、外部出力端子261の継続入賞端子の出力がオンとなっている継続入賞出力期間(2秒)であるので、継続入賞出力期間を計測するための継続入賞期間カウンタ203γを1減算して(S8011)、S8012の処理へ移行する。
【1499】
S8010の処理において、継続入賞期間カウンタ203γが0であると判別された場合は(S8010:No)、継続入賞出力期間ではなく、継続入賞出力期間を計測する必要がないため、S8011の処理をスキップして、S8012の処理へ移行する。
【1500】
S8012の処理では、その他の外部出力処理を実行する(S8012)。その他の外部出力処理は、例えば、上述した第8制御例における外部出力処理と同様に、役物連続作動装置が作動する期間、即ち、大当たり遊技が実行される期間であることを示す外部出力端子板261の役物連続作動端子を所定の契機にオンにする処理などが実行される。S8012の処理を終えると、本処理を終了し、メイン処理へ戻る。
【1501】
以上、説明したように、本第9制御例では、外部端子出力板261に設けられた継続入賞端子によって、特定入賞口65aへ遊技球が継続して入球(入賞)していることを判別可能としている。具体的には、外部出力端子板261には入賞端子と、継続入賞端子とが設けられており、入賞端子は遊技機において入賞があった場合に所定時間(100ミリ秒)オンとなるよう制御される。一方、継続入賞端子は、入賞が発生した後の継続入賞出力期間(2秒)に入賞があり、継続した入賞が行われている場合に出力がオンになり続けるように制御される。
【1502】
これにより、外部出力端子板261の信号を検出しているホールコンピュータ262では、外部出力端子板261に設けられた入賞端子によって、特定入賞口65aへ遊技球が入球(入賞)したことを検出することができ、その入賞が継続して入賞したものであるか否かを継続入賞端子の出力により判別することができる。よって、ホールコンピュータ262では、入賞端子より検出した入賞が継続した入賞であるか否かを判別するために前回の入賞情報を元に演算せずとも、継続入賞端子の出力を参照するだけで判別することができ、ホールコンピュータ262の処理負荷を軽減させることができる。
【1503】
なお、本制御例は、上述したものに限られず、特定の大当たり種別の時にのみ継続入賞端子の出力が継続するように構成してもよい。これにより、ホールコンピュータ262など、外部出力端子板261の端子の出力を検出している装置が、入賞端子と継続入賞端子との出力を検出し比較することで、大当たりとなった大当たり種別を判別可能にすることができる。
【1504】
また、特定入賞口65aへの遊技球の入球に基づいて、外部出力端子板261の入賞端子の出力がオンとなる期間(入賞出力期間)を、大当たり種別毎に異なるようにしてもよい。例えば、大当たり種別が、大当たりFの場合は入賞出力期間を50ミリ秒とし、大当たりGの場合は入賞出力期間を100ミリ秒とし、大当たりHの場合は入賞出力期間を150ミリ秒とする。これにより、ホールコンピュータ262は、外部出力端子板261の入賞端子の出力を検出し、入賞端子の出力がオンである期間(入賞出力期間)を計測することで、実行されている大当たり遊技の大当たり種別を判別することができる。よって、大当たり種別を判別することを目的として、外部出力端子板261に別途端子を設けることなく、大当たり種別を判別することが可能な遊技機とすることができ、遊技機の製造コストを低減することができる。
【1505】
さらに、本第9制御例では、特定入賞口65aへの遊技球の入球に基づき、外部出力端子板261の入賞端子の出力がオンとなる入賞出力期間は、特定入賞口65aへ遊技球が入球する間隔より短く設定する必要がある。入賞出力期間に新たに特定入賞口65aへ遊技球が入球すると、外部出力端子板261の入賞端子が継続してオンされることとなり、ホールコンピュータ262側で入賞数を正確に検出できなくなるからである。また、入賞出力期間が短くなると、ホールコンピュータ262による入賞端子の検出間隔もそれに対応して短くする必要がある。入賞出力期間内に入賞端子の出力を検出しなければ、入賞端子の出力がオフされてしまい、入賞数を正確に検出できなくなるからである。
【1506】
よって、特定入賞口65aへ遊技球が入球する間隔が非常に短い場合(10ミリ秒など)、その非常に短い間隔でホールコンピュータ262が外部出力端子板261の入賞端子を検出する必要があり、ホールコンピュータ262の処理負荷が高くなってしまうとの問題がある。
【1507】
そこで、入賞出力期間に新たに特定入賞口65aへ遊技球が入球した場合は、当該入賞出力期間が終了した後に外部出力端子板261の入賞端子の出力をオフにする期間(入賞出力停止期間)を設け、その入賞出力停止期間(例えば50ミリ秒)を経過してから、新たに特定入賞口65aへ入球した遊技球に基づいて、外部出力端子261の入賞端子の出力をオンするようにしてもよい。
【1508】
これにより、外部出力端子261の入賞端子がオンに設定される入賞出力期間を、遊技球が入球する間隔よりも長い期間(例えば、100ミリ秒)としていても、入賞出力期間に新たに入球した遊技球に基づく出力を、入賞出力停止期間(例えば50ミリ秒)後に実行することができるので、ホールコンピュータ262が入賞を正確に検知可能(取りこぼさないよう)にできる。また、ホールコンピュータ262では、遊技球が入球する間隔よりも短い間隔(例えば、5ミリ秒)で外部出力端子板261の入賞端子の出力を検知する必要がなくなり、ホールコンピュータ262の処理負荷を軽減することができる。
【1509】
ここで、外部出力端子板261の入賞端子の出力がオンとなるのは、大当たり遊技において特定入賞口65aへ遊技球が入球した場合である。大当たり遊技は第1可変入賞装置65の開閉扉65f1が開動作となり、特定入賞口65aへ遊技球が入球可能となる状態(ラウンド)が所定回数(例えば16ラウンド)実行されるよう構成されている。このラウンドは所定時間(30秒)の経過または特定入賞口65aへの所定球数(例えば、10球)の入球により終了し、その後ラウンド間インターバル(例えば、2秒)を経過することで、次のラウンドが開始されるものである。よって、特定入賞口65aへ遊技球が入球する間隔よりも、入賞出力期間を長く設定したとしても、ラウンド間インターバルの期間において、全ての入球(例えば、10球)に基づいて外部出力端子板261の入賞端子の出力をすることができる。
【1510】
具体的には、特定入賞口65aへ遊技球が10球連続して非常に短い間隔(例えば、10ミリ秒)で入球した場合は、特定入賞口65aへの遊技球の入球(10球分)に基づいて外部出力端子板261の入賞端子が計10回、入賞出力期間(100ミリ秒)オンに設定する必要がある。ここで、入賞出力期間において新たに特定入賞口65aへ遊技球が入球した場合、当該入賞出力期間が終了し入賞端子の出力がオフされてから、入賞出力停止期間(50ミリ秒)後に、次の入賞出力期間を開始するように構成しているとする。この場合、全ての入球に基づく信号を外部出力端子板261の入賞端子に出力するのに必要な時間は、入賞端子の出力をオンにする回数(10回)と入賞出力期間(100ミリ秒)とを乗算したものと、入賞端子の出力後に必要な入賞出力期間の回数(9回)と入賞出力期間(50ミリ秒)とを乗算したものとを加算した、1450ミリ秒となる。この時間は、ラウンド間インターバル(2秒)より短いため、ラウンド間インターバルの期間において、全ての入球(例えば、10球)に基づいて外部出力端子板261の入賞端子の出力を実行し終えることが可能となる。
【1511】
よって、外部出力端子261の入賞端子がオンに設定される入賞出力期間を、遊技球が入球する間隔よりも長い期間(例えば、100ミリ秒)にしても、入賞出力期間に新たに入球した遊技球に基づく出力を、その後のラウンド間インターバルの期間において全て実行することができるので、ホールコンピュータ262が入賞を検知可能(取りこぼさないよう)にできる。なお、ラウンド間インターバルの期間において、入賞出力期間に新たに入球した遊技球に基づく出力を全て実行できないとしても、大当たり遊技が実行されてから次の大当たり遊技が実行されるまでにも特定入賞口65aへ遊技球が入球しない期間(大当たり遊技のインターバル)があるため、その大当たり遊技のインターバルにおいて実行できるように構成してもよい。なお、上述した具体例は一例であり、入賞出力期間、入賞出力停止期間、ラウンド間インターバルなどの期間は適宜変更してもよい。
【1512】
また、本第9制御例において、例えば、確変スイッチ65e3への遊技球の通過に基づいて、所定期間(例えば、100ミリ秒)のオン信号を出力するV入賞端子を外部出力端子板261に設けるようにしてもよい。これにより、特定入賞口65aへの入球に基づいて出力がオンとなる入賞端子と、V入賞端子との出力タイミングを比較することで、不正なV入賞(確変スイッチ65e3への遊技球の入球)が行われたか否かをホールコンピュータ262で判別することが可能となる。
【1513】
具体的には、入賞端子の出力がオンとなっていない、即ち、特定入賞口65aへ遊技球が入球していないにも関わらず、確変スイッチ65e3への遊技球の通過が検知され、V入賞端子の出力がオンとなった場合は不正にV入賞(確変スイッチ65e3へ遊技球が入球)された可能性が高い。よって、外部出力端子板261の入賞端子の出力がオフにも関わらずV入賞端子がオンである場合を、不正または異常であるとして検知することができる。
【1514】
さらに、特定入賞口65aへ遊技球が入球し、その遊技球が確変スイッチ65e3を通過するには所定の通過時間(例えば1秒)が必要となる。そこで、継続入賞端子がオンとなる期間(継続入賞出力期間)を通過に必要な時間(1秒)とすることで、継続入賞端子がオフの期間(継続入賞出力期間以外)にV入賞端子がオンとなる場合を、不正なV入賞であるとしてホールコンピュータ262が検出することができる。
【1515】
具体的には、特定入賞口65aへ入球した遊技球は、所定の通過時間(1秒)の経過後には、通常排出流路65e1と特別排出流路65e2のいずれかに振り分けられており、所定の通過時間(1秒)の経過後に確変スイッチ65e3を通過することはない。よって、特定入賞口65aへ遊技球が入球したことに基づきオンとなり、その後、所定の通過時間(1秒)の経過後にオフとなる継続入賞端子がオフとなっている場合には、確変スイッチ65e3を遊技球が通過することはない。従って、外部出力端子板261の継続入賞端子がオフの期間(継続入賞出力期間以外)に、V入賞端子がオンとなる場合は、不正なV入賞であるとして判別することができる。
【1516】
<第10制御例>
次に、図181から図196を参照して、第10制御例におけるパチンコ機10について説明する。本第10制御例では、遊技者が枠ボタン22を操作することで第1スライド部材(以下、役物Aと称す)720と、第2スライド部材(以下、役物Bと称す)740と、傾倒部材(以下、役物Cと称す)460とが駆動する役物操作演出が実行される点で相違する。
【1517】
この役物操作演出は、所定期間(例えば10秒)実行される演出であり、遊技者が枠ボタン22を操作(押下)することで、上述した複数の役物(役物A720?役物C460)が駆動される演出である。
【1518】
このように、枠ボタン22を遊技者が操作することに基づいて役物を駆動させる演出では、遊技者の操作に基づいて役物を駆動させることができるため、遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができるというものであった。
【1519】
また、所定期間(例えば、10秒)の間、枠ボタン22の操作に基づいて役物を複数回駆動させることが可能な役物操作演出が実行されることにより、遊技者が枠ボタン22を操作した回数に基づいて役物操作演出が複数回実行されるため、遊技者に対してより意欲的に遊技を行わせることができるというものであった。
【1520】
しかし、役物操作演出中において役物が駆動されている期間は枠ボタン22を操作しても役物を駆動させることができず、役物操作演出の演出効果が低下してしまう問題があった。ここで、枠ボタン22が操作されることに基づいて実行される役物の駆動期間を予め短くした場合では、役物が駆動されている期間を短くすることができ、枠ボタン22の操作に基づいて役物を駆動させやすくすることは可能となるが、枠ボタン22の操作に基づいて役物が駆動する範囲が小さくなり演出効果が低下してしまうという問題があった。
【1521】
本第10制御例にて実行される役物操作演出は上述した問題を解決するものである。具体的には、役物操作演出が実行されている場合において、所定条件(例えば、役物駆動中に枠ボタン22を操作(押下)する)が成立すると、次回実行される役物の駆動パターンとして通常の駆動期間(例えば1秒)よりも短い駆動期間(例えば、0.5秒)が設定される。
【1522】
このような構成を有している遊技機では、役物操作演出中に所定条件(例えば、役物駆動中に枠ボタン22を操作(押下)する)が成立すると、次回駆動される役物動作として短い動作期間が設定されるため、例えば、遊技者が枠ボタン22を連続して操作(押下)した場合は役物の駆動期間として短い駆動期間を設定し、遊技者が枠ボタン22を1回だけ操作(押下)した場合は役物の駆動期間として長い駆動期間を設定することが可能となる。よって、所定期間実行される役物操作演出中において枠ボタン22の操作に基づく役物の駆動回数を増加させることができ、さらに、1回の役物駆動の演出効果が低下することを抑制することができる。
【1523】
次に、図181から図183を参照して、本制御例における役物の駆動内容について説明をする。なお、上述した第1実施形態と同一の要素については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【1524】
まず、図181を参照して、本制御例における役物駆動演出に用いられる各役物(役物A720?役物C460)の動作概要について説明をする。図181(a)は、本制御例における役物駆動演出に用いられる役物A720の動作概要を示す模式図である。図181(a)に示す通り、本制御例の役物駆動演出では、動作用モータ(以下、役物A用モータと称す)771,772が駆動されることにより、役物A720が左右方向に駆動する(図40参照)。具体的には、図40(a)に示す退避位置から図40(b)に示す張出位置へと移動(動作期間0.5秒)し、その後、張出位置から退避位置へと移動(動作期間0.5秒)する合計の動作期間が1秒の動作が実行される。
【1525】
図181(b)は、本制御例における役物駆動演出に用いられる役物B740の動作概要を示す模式図である。図181(b)に示す通り、本制御例の役物駆動演出では、動作用モータ(以下、役物B用モータと称す)773,774が駆動されることにより、役物Bが上下方向に駆動する(図41参照)。具体的には、図41(a)に示す退避位置から図41(b)に示す張出位置へと移動(動作期間1秒)し、その後、張出位置から退避位置へと移動(動作期間1秒)する合計の動作期間が2秒の動作が実行される。
【1526】
図181(c)は、本制御例における役物駆動演出に用いられる役物C460の動作概要を示す模式図である。図181(c)に示す通り、本制御例の役物駆動演出では、動作用モータ(以下、役物C用モータと称す)441が駆動されることにより、役物B740が回動駆動する(図25および図26参照)。具体的には、図25(a)に示す退避位置から図26(a)に示す張出位置へと移動(動作期間1.5秒)し、その後、張出位置から退避位置へと移動(動作期間1.5秒)する合計の動作期間が3秒の動作が実行される。
【1527】
次に、図182を参照して、本制御例における役物駆動演出について説明をする。図182(a)は、各役物(役物A720?役物C460)が退避位置(待機位置)に位置していることを示す模式図であり、図182(b)は、各役物(役物A720?役物C460)が張出位置(動作位置)に位置していることを示す模式図である。
【1528】
本制御例における役物駆動演出は、図182(a)に示す通り、第3図柄表示装置81の周辺に設けられた各役物(役物A720?役物C460)を、枠ボタン22の操作に基づいて駆動させる演出である。具体的には、遊技者が枠ボタン22を1回操作(押下)することで、退避位置(待機位置)に位置している役物が全て駆動する(図182(a)の場合は、役物A720?役物C460の全てが駆動する)演出が実行される。このように、1回の枠ボタン22操作に基づいて、複数の役物を駆動させることができるため、遊技者の操作に基づく役物駆動演出の演出効果を高めることができる。
【1529】
この役物駆動演出では、上述したように各役物(役物A720?役物C460)の動作時間が異なるように設定されており、役物A720は動作期間1秒、役物B740は動作期間2秒、役物C460は動作期間3秒がそれぞれ設定している。このように、各役物(役物A720?役物C460)の動作期間を異ならせることにより、各役物(役物A720?役物C460)が全て退避位置(待機位置)に位置している状態(役物駆動演出が開始された状態)で枠ボタン22が操作(押下)されると、各役物(役物A720?役物C460)が全て駆動を開始する。そして、1秒後に役物A720が退避位置(待機位置)に戻り(動作を完了し)、その1秒後に役物B740が退避位置(待機位置)に戻り(動作を完了し)、最後に役物C460が退避位置(待機位置)に戻る(動作を完了する)。
【1530】
よって、役物駆動演出中に退避位置(待機位置)に役物が位置するタイミングを異ならせることができ、役物駆動演出中に遊技者が枠ボタン22を操作するタイミングによって、駆動される役物を異ならせることができ、役物駆動演出の演出効果を高めることができる。
【1531】
また、詳細な説明は図187を参照して後述するが本制御例では役物駆動演出における枠ボタン22を操作可能な期間(枠ボタン22の操作を有効に判別する期間)が10秒の役物駆動演出(長連打演出)と、5秒の役物駆動演出(短連打演出)とが設定可能に構成されている。これにより、限られた期間内に役物を複数回駆動させるよう遊技者に意欲的に枠ボタン22を操作させることができる。
【1532】
そして、枠ボタン22の操作に基づいて駆動した各役物(役物A720?役物C460)は、図182(b)に示す通り、第3図柄表示装置81の表示領域Pを覆うように駆動する。このように、第3図柄表示装置の表示領域Pを覆うように役物が駆動することで遊技者に対して役物が駆動していることを確実に把握させることができる。
【1533】
次に、図183を参照して、本制御例の役物駆動演出における役物A720の動作について説明をする。図183(a)は、本制御例における役物駆動演出において駆動される役物A720を示す模式図であり、図183(b)は、本制御例における役物駆動演出において通常駆動パターンで駆動される役物A720の駆動範囲を模式的に示した模式図であり、図183(c)は、本制御例における役物駆動演出において短縮駆動パターンで駆動される役物A720の駆動範囲を模式的に示した模式図である。
【1534】
図183(a)に示す通り、役物A720は、第2スライド動作ユニット700の左右にそれぞれ設けられる1対のスライド部材720である。1対のスライド部材720のうち、左スライド部材720aと右スライド部材720bとの間には、第3図柄表示装置81の表示領域Pが位置している(図2参照)。
【1535】
このスライド部材720は、枠ボタン22の操作に基づいて駆動されるように構成されており、駆動が開始されると、1対のスライド部材720(左スライド部材720a,右スライド部材720)がそれぞれ第2スライド動作ユニット700の中央方向(第3図柄表示装置81の表示領域Pを覆う方向)に移動する。
【1536】
図183(b)に示す通り、役物A720が通常駆動パターンで駆動される場合には、1対のスライド部材720が第2スライド動作ユニット700の中央付近(第3図柄表示装置81の表示領域Pの中央付近)で近接(当接)する位置まで駆動される。この通常駆動パターンは、待機位置(図183(a)の位置)から最大駆動位置(図183(b)の位置)までの移動期間が0.5秒に設定されており、通常駆動パターンの駆動期間は1秒(0.5秒の移動期間を往復動作するため1秒)に設定されている。
【1537】
このように、通常駆動パターンで駆動される役物A720は、遊技者が注視している第3図柄表示装置81の表示領域Pを覆うように駆動されるため、遊技者が役物A720の駆動に気付きやすく演出効果を高めることができる。なお、役物駆動演出が実行されている間は第3図柄表示装置81に表示される各種画像(上述した各制御例にて実行される演出表示の画像)が、駆動中の役物A720を避ける位置で表示される。これにより、役物を駆動させる演出と、第3図柄表示装置81に表示させる演出とを同時に実行することが可能となり、より演出効果を高めることができる。
【1538】
次に、図183(c)に示す通り、役物A720が短縮駆動パターンで駆動される場合には、1対のスライド部材720が通常駆動パターンの駆動範囲の半分の範囲で駆動される。この短縮駆動パターンは、待機位置(図183(a)の位置)から短縮駆動位置(図183(b)の位置)までの移動時間が0.25秒に設定されており、通常駆動パターンの駆動期間は0.5秒(0.25秒の移動期間を往復動作するため0.5秒)に設定されている。
【1539】
このように、短縮駆動パターンが設定された場合の役物A720の駆動期間は、通常駆動パターンが設定された場合の役物A720の駆動期間の約半分となる。よって、枠ボタン22の操作に基づいて実行される駆動期間を短縮することができ、所定期間(5秒または10秒)実行される役物駆動演出中に枠ボタン複数回枠ボタン22を操作された場合において、枠ボタン22の操作に基づいて役物A720を駆動させやすくすることができる。
【1540】
詳細に説明をすると、通常駆動パターンにて役物A720が実行された場合は、次に、枠ボタン22の操作に基づいて役物A720が駆動可能となるのは通常駆動パターンによる駆動が終了するタイミング(即ち、1秒後)となるのに対して、短縮駆動パターンにて役物A720が実行された場合は、次に、枠ボタン22の操作に基づいて役物A720が駆動可能となるのは短縮駆動パターンによる駆動が終了するタイミング(即ち、0.5秒後)となる。
【1541】
即ち、役物A720が通常駆動パターンで駆動した場合では、その駆動が開始されてから1秒間が役物A720に対して枠ボタン22の操作を無効扱いされ、役物A720が短縮駆動パターンで駆動した場合では、その駆動が開始されてから0.5秒間が役物A720に対して枠ボタン22の操作が無効扱いされる。
【1542】
次に、図184を参照して、本制御例における役物駆動演出である「ボタン連打演出」における枠ボタン22の操作と各役物(役物A720?役物C460)の動作の流れについて説明をする。この図184は、本制御例における役物駆動演出の流れを示すタイミングチャートである。図184に示す通り、「ボタン連打演出」が開始されると、枠ボタン22の操作(押下)が有効となる「有効期間」が設定される(例えば10秒)。そして、その「有効期間」中に遊技者が枠ボタン22を操作すること(「ボタン押下」ON)で、停止状態(待機位置に位置している状態)の各役物(役物A720?役物C460)の動作が開始される(図184の地点a)。
【1543】
本制御例では、役物A720の駆動期間は1秒、役物B740の駆動期間は2秒、役物C460の駆動期間は3秒に設定されており、それぞれ定められている期間で駆動される。そして、役物A720が駆動中のタイミングに枠ボタン22が再度操作される(「ボタン押下」ON)と、無効期間中に枠ボタン22が操作されたことを示す無効フラグ223af(図186参照)がオンに設定される(図184の地点b)。
【1544】
その後、役物A720の駆動期間(1秒)が経過し、役物A720が停止状態(待機位置に位置している状態)であるタイミングで枠ボタン22が操作されると、役物A720の駆動パターンとして短縮駆動パターンが実行され、無効フラグ223afがオフに設定される(図184の地点c)。なお、この地点cでは、役物B740が停止状態で役物C460が動作状態であるため、地点cにおける枠ボタン22の操作に基づいて、役物A720が短縮駆動パターンで駆動され、役物B740が所定の駆動パターンで駆動される。
【1545】
本制御例では、上述したように役物A720が駆動中に枠ボタン22が操作されることで、無効フラグ223afがオンに設定され、無効フラグ223afがオンに設定されている状態で役物A720が新たに駆動する場合は、短縮駆動パターンが設定されるように構成されている。これにより、役物A720が駆動中に枠ボタン22を意欲的に操作した遊技者に対して、通常とは異なる役物の駆動態様を提供することができるため、演出効果を高めることができる。
【1546】
さらに、本制御例では、無効フラグ223afがオンに設定されている状態で役物A720が新たに駆動する場合は、短縮駆動パターンが設定されるように構成されているため、役物駆動演出である「ボタン連打演出」中に枠ボタン22を短期間で複数回操作された場合に、役物A720の駆動回数を増加させることが可能となる。
【1547】
次に図184に戻り、枠ボタン22が短期間に複数回操作された場合の流れについて説明をする。図184の地点dに示すタイミングでは地点aと同様に枠ボタン22の操作に基づいて各役物(役物A720?役物C460)が動作状態となる。そして、地点dで駆動を開始した役物A720が動作中のタイミング(即ち、地点dから1秒以内)で、枠ボタン22が操作されることで無効フラグ223afがオンに設定される(図184の地点e)。その後、地点dで駆動を開始した役物A720が停止状態となり、役物B740および役物C460が動作中のタイミング(即ち、地点dから1秒が経過してから2秒が経過するまでの期間)において枠ボタン22が操作されると短縮駆動パターン(0.5秒)で役物A720が動作を開始する(図184の地点f)。
【1548】
そして、地点fで駆動を開始した役物A720の動作が終了してから0.5秒以内に再度枠ボタン22が操作された場合に通常駆動パターン(1秒)で役物A720が動作を開始する(図184の地点g)。
【1549】
この地点gは、地点dにて駆動を開始した役物B740と役物C460とが動作を終了していないタイミングで且つ地点fから1秒が経過していないタイミングであるため、例えば、役物A720の駆動パターンとして短縮駆動パターン(0.5秒)が設定されない構成の場合であれば、地点gは全ての役物(役物A720?役物C460)が動作状態となり、枠ボタン22の操作に基づいて役物を駆動させることができない。
【1550】
一方、本制御例では、地点fにおいて役物A720を短縮変動パターン(0.5秒)で駆動させることが可能であるため、地点gにおいて役物A720を停止状態にすることが可能となる。以上、説明をしたように本制御例では、役物の駆動パターンとして短縮駆動パターンを設定可能に構成しているため、短期間(例えば、図184の地点d?地点g)で複数回(例えば、4回)の枠ボタン操作が実行された場合に、枠ボタン22の操作に基づく役物の駆動回数を増加させることが可能となる。
【1551】
<第10制御例における電気的構成について>
次に、図185を参照して、第10制御例における電気的構成について説明する。本第10制御例では、第1制御例に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222およびRAM223の内容が変更されている点で相違する。その他の構成については、第1制御例と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
【1552】
図185は、第10制御例におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。本制御例では、上述した第1制御例に対し、各駆動モータ(771,772,773,774,441)への信号出力制御の構成を異ならせた点で相違する。その他の部分は同一であるので、同一の符号を付してその説明を省略する。
【1553】
図185に示す通り、音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、駆動モータ群が接続されている。この駆動モータ群には役物A用モータ(第1スライド部材用モータ)771,772と、役物B用モータ(第2スライド部材用モータ)773,774と、役物C用モータ(傾倒部材用モータ)441と、その他モータが含まれている。
【1554】
上述した各モータはステッピングモータとモータドライバとにより構成されており、音声ランプ制御装置113のMPU221から各モータドライバに対して動作内容を設定する動作コマンド(動作(回転)速度(pps)、動作ステップ数と、および動作(回転)方向を指定可能なコマン)が出力される。この音声ランプ制御装置113から出力されるモータ動作コマンドは、音声ランプ制御装置113のRAM223に格納される動作シナリオテーブル222abに規定される内容を参照して設定される。
【1555】
次に、図186から図188を参照して、本第10制御例における音声ランプ制御装置113内のROM222とRAM223との内容について説明する。図186(a)は、本第10制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221におけるROM222の内容を模式的に示した模式図である。本第10制御例におけるROM222は、第1制御例におけるROM222に対して、連打演出選択テーブル222aaと、動作シナリオテーブル222abとが追加されている点で相違する。その他の構成については、第1実施形態と同一であるのでその詳細な説明は省略する。
【1556】
ここで、図187(a)を参照して、連打演出選択テーブル222aaについて説明をする。図187(a)は、連打演出選択テーブル222aaの内容を模式的に示した模式図である。連打演出選択テーブル222aaは、連打演出の実行、非実行を決定し、実行する場合には、連打演出の種別を選択するためのテーブルであって、主制御装置110から出力される変動パターンがノーマルリーチ以上(即ち、変動時間が30秒以上)の場合に参照される。
【1557】
図187(a)に示す通り、連打演出選択テーブル222aaは、今回の特図変動の当否判定結果および演出カウンタ223fの値に基づいて連打演出の種別を選択するテーブルであり、連打演出開始時間が10000ミリ秒(10秒)で、枠ボタン22の操作が有効な期間を設定する連打有効タイマ223abに10000ミリ秒を設定する「長連打演出」と、連打演出開始時間が10000ミリ秒(10秒)で、枠ボタン22の操作が有効な期間を設定する連打有効タイマ223abに5000ミリ秒を設定する「短連打演出」と、連打演出が実行されない「-」の何れかが選択される。
【1558】
この連打演出選択テーブル222aaは、後述する変動表示設定処理3(図190のS1512)にて参照される(S1762)。具体的には、今回の当否判定結果が「当たり」で、取得した演出カウンタ223fの値が「0?9」の場合は、連打演出種別として「長連打演出」が選択され、演出カウンタ223fの値が「10?19」の場合は、連打演出種別として「短連打演出」が選択され、演出カウンタ223fの値が「20?198」の場合は、連打演出種別として「-」が選択される。
【1559】
一方、今回の当否判定結果が「外れ」で、取得した演出カウンタ223fの値が「0?4」の場合は、連打演出種別として「長連打演出」が選択され、演出カウンタ223fの値が「5?19」の場合は、連打演出種別として「短連打演出」が選択され、演出カウンタ223fの値が「20?198」の場合は、連打演出種別として「-」が選択される。
【1560】
上述したように、本制御例における連打演出選択テーブル222aaでは、当否判定結果が「当たり」の場合と「外れ」の場合とで、連打演出が選択される割合(約10%)が同一となるように設定しているが、当否判定結果が「当たり」の場合のほうが、当否判定結果が「外れ」の場合よりも、連打演出種別として「長連打演出」が選択される割合を高く設定している(「当たり」=50%、「外れ」=25%)。これにより、連打演出として「長連打演出」が実行された場合に遊技者に対して当たりの期待度を高めさせることができる。
【1561】
さらに、本制御例では連打演出が実行される時間(連打演出開始時間)を。「長連打演出」と「短連打演出」とで同一(10000ミリ秒)にしているため、連打演出が開始されたタイミングによって今回実行される連打演出が「長連打演出」なのか「短連打演出」なのかを遊技者が把握してしまうことを抑制している。これにより、連打演出が開始された場合に、遊技者に対して演出が長く継続することを期待させることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
【1562】
次に、図187(b)を参照して、動作シナリオテーブル222abについて説明をする。図187(b)は、動作シナリオテーブル222abに規定されている内容を模式的に示した模式図である。動作シナリオテーブル222abは、連打演出における各役物の動作シナリオが格納されているテーブルであって、連打演出中に枠ボタン22が操作(押下)された場合に設定される各役物動作タイマ223ac?223aeの値に対応した動作コマンドが規定されている。
【1563】
図187(b)に示す通り、この動作シナリオテーブル222abには、役物A720の動作シナリオが設定されている役物A720シナリオテーブル222ab1と、役物Bシナリオテーブル222ab2と、役物Cシナリオテーブル222ab3とが規定されており、各役物(役物A720?役物C460)を駆動させる場合に、対応するシナリオテーブルが参照される。
【1564】
ここで、図188(a)?(c)を参照して、動作シナリオテーブル222abに規定されている役物A720?役物C460にそれぞれ対応する各シナリオテーブルの内容について説明をする。
【1565】
まず、図188(a)を参照して、役物Aシナリオテーブル222ab1について説明をする。図188(a)は、役物Aシナリオテーブル222ab1の内容を模式的に示した模式図である。この役物Aシナリオテーブル222ab1は、連打演出中に実行される役物A720に対する動作シナリオが設定されるテーブルであって、動作種別が「通常」の場合に実行される動作シナリオ(通常動作シナリオ)と、動作種別が「短縮」の場合に実行される動作シナリオ(短縮動作シナリオ)とが設定されている。
【1566】
図188(a)に示す通り、役物Aシナリオテーブル222ab1には、連打演出中に枠ボタン22が操作(押下)され、役物A720が駆動可能と判別されてからの経過時間を示す役物A動作タイマ223acの値に対応して、動作シナリオに基づく設定の進捗状況を示す動作ポインタの値毎に、役物Aモータ(役物Aモータ用ドライバ)に対して設定する設定値(動作速度(pps)、動作ステップ数、および動作方向)が規定されている。
【1567】
具体的には、動作種別が「通常」の場合、役物A動作タイマ223acの値「1000」に対応して、動作ポインタの値「01H」が設定される。この動作ポインタ「01H」には、動作速度として「100pps」、ステップ数として「50」、動作方向として「正方向」が規定される。その後、役物A動作タイマ223acの値「500」に対応して、動作ポインタの値「02H」が設定される。この動作ポインタ「02H」には、動作速度として「100pps」、ステップ数として「50」、動作方向として「負方向」が規定される。
【1568】
そして、役物A動作タイマ223acの値「0」に対応して、動作ポインタの値「03H」設定される。この動作ポインタ「03H」には、動作シナリオの終了を示す「END」の情報が規定されている。
【1569】
つまり、動作種別が「通常」の役物A動作が実行されると、役物A用モータ771,772が0.5秒間「正方向」(往復動作の往方向、即ち、左スライド部材720aと右スライド部材720bとがそれぞれ近接する方向(図183(b)参照))に駆動し、その後、0.5秒間「負方向」(往復動作の復方向、即ち、左スライド部材720aと右スライド部材720bとがそれぞれ離間する方向(図183(b)参照))に駆動する動作(即ち、全体の動作期間が1秒の役物動作)が実行される。
【1570】
そして、動作種別が「短縮」の場合、役物A動作タイマ223acの値「500」に対応して、動作ポインタの値「01H」が設定される。この動作ポインタ「01H」には、動作速度として「100pps」、ステップ数として「25」、動作方向として「正方向」が規定される。その後、役物A動作タイマ223acの値「250」に対応して、動作ポインタの値「02H」が設定される。この動作ポインタ「02H」には、動作速度として「100pps」、ステップ数として「25」、動作方向として「負方向」が規定される。
【1571】
そして、役物A動作タイマ223acの値「0」に対応して、動作ポインタの値「03H」設定される。この動作ポインタ「03H」には、動作シナリオの終了を示す「END」の情報が規定されている。
【1572】
つまり、動作種別が「短縮」の役物A動作が実行されると、役物A用モータ771,772が0.25秒間「正方向」(往復動作の往方向、即ち、左スライド部材720aと右スライド部材720bとがそれぞれ近接する方向(図183(b)参照))に駆動し、その後、0.25秒間「負方向」(往復動作の復方向、即ち、左スライド部材720aと右スライド部材720bとがそれぞれ離間する方向(図183(b)参照))に駆動する動作(即ち、全体の動作期間が0.5秒の役物動作)が実行される。
【1573】
上述したように、連打演出中における役物A720の動作内容は、動作期間が長い(1秒)動作シナリオ(通常駆動パターン)と、動作期間が短い(0.5秒)動作シナリオ(短縮駆動パターン)の2種類が規定されており、役物A720の駆動が開始される場合の状況(短縮フラグ223agの設定状況)に応じて、何れかの駆動パターンが選択し、実行される。
【1574】
なお、詳細は後述するが、この短縮フラグ223agは、役物A720が動作中のタイミングで枠ボタン22が操作(押下)された場合にオンに設定されるフラグである。この短縮フラグ223agがオンの状態で、役物A720の動作が開始される(短縮フラグ223agがオンに設定された際の役物A動作が終了し、次の役物A720の動作が開始される)場合に、動作種別「短縮」が設定される。よって、遊技者が連打演出中に積極的に枠ボタン22を複数回操作した場合に、動作期間が短い短縮駆動パターンが設定されるため、連打演出中に枠ボタン22の操作に基づいて役物A720を動作させる回数を増加させることができる。
【1575】
また、遊技者が連打演出中に枠ボタン22を複数回操作しない遊技者に対しては、通常駆動パターンが設定されるため、1回の役物動作における演出効果を高めることができる。このように、連打演出中における枠ボタン22の操作(押下)状況に基づいて、役物の動作パターン(動作期間)を異ならせることで、遊技者の枠ボタン22に対する操作(押下)状況に応じた役物駆動演出を実行することが可能となり、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
【1576】
次に、図188(b)を参照して、役物Bシナリオテーブル222ab2について説明をする。図188(b)は、役物Bシナリオテーブル222ab2の内容を模式的に示した模式図である。この役物Bシナリオテーブル222ab2は、連打演出中に実行される役物B740に対する動作シナリオが設定されるテーブルであって、動作種別が「通常」の場合に実行される動作シナリオ(通常動作シナリオ)のみが設定されている。
【1577】
図188(b)に示す通り、役物Bシナリオテーブル222ab2には、上述した役物Aシナリオテーブル222ab1と同じく、連打演出中に枠ボタン22が操作(押下)され、役物B740が駆動可能と判別されてからの経過時間を示す役物B動作タイマ223adの値に対応して、動作シナリオに基づく設定の進捗状況を示す動作ポインタの値毎に、役物B用モータ(役物Bモータ用ドライバ)に対して設定する設定値(動作速度(pps)、動作ステップ数、および動作方向)が規定されている。
【1578】
具体的には、動作種別が「通常」の場合、役物B動作タイマ223adの値「2000」に対応して、動作ポインタの値「01H」が設定される。この動作ポインタ「01H」には、動作速度として「100pps」、ステップ数として「100」、動作方向として「正方向」が規定される。その後、役物B動作タイマ223adの値「1000」に対応して、動作ポインタの値「02H」が設定される。この動作ポインタ「02H」には、動作速度として「100pps」、ステップ数として「100」、動作方向として「負方向」が規定される。
【1579】
そして、役物B動作タイマ223adの値「0」に対応して、動作ポインタの値「03H」設定される。この動作ポインタ「03H」には、動作シナリオの終了を示す「END」の情報が規定されている。
【1580】
つまり、動作種別が「通常」の役物B動作が実行されると、役物B用モータ773,774が1秒間「正方向」(往復動作の往方向、即ち、上スライド部材740aと下スライド部材740bとがそれぞれ近接する方向に駆動し、その後、1秒間「負方向」(往復動作の復方向、即ち、上スライド部材740aと下スライド部材740bとがそれぞれ離間する方向に駆動する動作(即ち、全体の動作期間が2秒の役物動作)が実行される。
【1581】
次に、図188(c)を参照して、役物Cシナリオテーブル222ab3について説明をする。図188(c)は、役物Cシナリオテーブル222ab3の内容を模式的に示した模式図である。この役物Cシナリオテーブル222ab3は、連打演出中に実行される役物C460に対する動作シナリオが設定されるテーブルであって、動作種別が「通常」の場合に実行される動作シナリオ(通常動作シナリオ)のみが設定されている。
【1582】
図188(c)に示す通り、役物Cシナリオテーブル222ab3には、上述した役物Aシナリオテーブル222ab1および役物Bシナリオテーブル222ab2と同じく、連打演出中に枠ボタン22が操作(押下)され、役物C460が駆動可能と判別されてからの経過時間を示す役物C動作タイマ223aeの値に対応して、動作シナリオに基づく設定の進捗状況を示す動作ポインタの値毎に、役物C用モータ(役物Cモータ用ドライバ)に対して設定する設定値(動作速度(pps)、動作ステップ数、および動作方向)が規定されている。
【1583】
具体的には、動作種別が「通常」の場合、役物C動作タイマ223aeの値「3000」に対応して、動作ポインタの値「01H」が設定される。この動作ポインタ「01H」には、動作速度として「100pps」、ステップ数として「150」、動作方向として「正方向」が規定される。その後、役物C動作タイマ223aeの値「1500」に対応して、動作ポインタの値「02H」が設定される。この動作ポインタ「02H」には、動作速度として「100pps」、ステップ数として「150」、動作方向として「負方向」が規定される。
【1584】
そして、役物C動作タイマ223aeの値「0」に対応して、動作ポインタの値「03H」設定される。この動作ポインタ「03H」には、動作シナリオの終了を示す「END」の情報が規定されている。
【1585】
つまり、動作種別が「通常」の役物C動作が実行されると、役物C用モータ441が1.5秒間「正方向」(往復動作の往方向、即ち、傾倒部材460が傾く方に駆動し、その後、1.5秒間「負方向」(往復動作の復方向、即ち、傾倒部材460の傾きが復帰する方向に駆動する動作(即ち、全体の動作期間が3秒の役物動作)が実行される。
【1586】
上述したように、本制御例では動作種別の「短縮」を役物Aシナリオテーブル223ab1のみ設定している。これは、連打演出中に駆動される複数の役物(役物A720?役物C460)の中で、最も動作期間が短い役物(役物A720)の動作を短縮させることで、通常の役物動作における演出効果の低下を抑制しながら、連打演出中における役物の動作回数を増加させるためである。
【1587】
なお、上述した役物B740および役物C460に対応する各シナリオテーブル(役物Bシナリオテーブル222ab2、役物Cシナリオテーブル222ab3)には動作種別「短縮」が設定されていないが、動作種別「短縮」を設定してもよい。
【1588】
図186に戻り説明を続ける。図186(b)は、本第10制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM223の内容を模式的に示した模式図である。本第10制御例におけるRAM223は、第1制御例におけるRAM223に対して、連打演出種別格納エリア223aaと、連打有効タイマ223abと、役物A動作タイマ223acと、役物B動作タイマ223adと、役物C動作タイマ223aeと、向こうフラグ223afと、短縮フラグ223agとが追加されている点で相違する。その他の構成については、第1実施形態と同一であるのでその詳細な説明は省略する。
【1589】
連打演出種別格納エリア223aaは、連打演出選択テーブル222aaを参照して選択された連打演出の種別を格納するための領域である。この連打演出種別格納エリア223aaには、変動表示設定処理3(図190参照)において、ノーマルリーチ以上(変動時間が30秒(30000ミリ秒)以上)と判別された場合に(S1761:Yes)、連打演出選択テーブル222aaを参照して選択された連打演出種別(図190のS1762)が設定される(図190のS1763)。そして、特図変動が終了(連打演出が終了)した場合に、設定された情報(連打演出種別)がクリアされる。
【1590】
連打有効タイマ223abは、連打演出において枠ボタン22に対する操作が有効に判別される期間を計測するためのタイマである。この連動有効タイマ223abは、枠ボタン入力監視・設定処理3(図191参照)で実行される連打ボタン処理(図192のS1857)において、連打演出開始時間に到達したと判別された場合、つまり、今回実行されている連打演出に対応する動作シナリオテーブル223abに設定されている連打演出開始時間(変動開始から10000ミリ秒経過)に到達したと判別された場合に(図192のs1902:yes)、今回実行されている連打演出に対応する動作シナリオテーブル223abに設定されている連打有効タイマ23abの値が設定される(図192のS1903)。そして、連打ボタン演出を実行可能な期間であるかを判別するために参照され(図192のS1906)、ボタンタイマ減算処理(図193のS1907)が実行される度に(1ミリ秒毎に)、値が0になるまで(図193のS2211)1減算される(図193のS2212)。
【1591】
役物A動作タイマ223acは、連打演出において役物A720の動作シナリオをカウントするタイマであって、役物A動作タイマ223acの値に対応した役物Aシナリオテーブル222ab1に規定されている動作シナリオに基づいて、役物A720が動作制御される。
【1592】
この役物A動作タイマ223acは、連打ボタン処理(図192参照)において、連打演出開始時間に達した場合に(図192のS1902:Yes)、0にクリアされ(図192のS1904)、連打有効タイマ223abの値が0よりも大きく(図192のS1906:Yes)、枠ボタン22が操作(押下)された場合(図192のS1908:Yes)に実行される役物A動作設定処理(図194参照)において、状態に応じた値が設定される(図194のS3704,S3705)。
【1593】
具体的には、役物A720を通常駆動パターンで駆動させる場合は、役物A動作タイマ223acの値に「1000」が設定され(図194のS3704)、短縮駆動パターンで駆動させる場合は、役物A動作タイマ223acの値に「500」が設定される(図194のS3705)。
【1594】
そして、役物A動作タイマ223acに設定された値は、連打ボタン処理(図192参照)において実行されるボタンタイマ減算処理(図193のS1907)が実行される毎に(即ち、1ミリ秒毎)に、値が「0」になるまで(図193のS2213:Yes)、1減算される(図193のS2214)。
【1595】
役物B動作タイマ223adは、連打演出において役物B740の動作シナリオをカウントするタイマであって、役物B動作タイマ223adの値に対応した役物Bシナリオテーブル222ab2に規定されている動作シナリオに基づいて、役物B740が動作制御される。
【1596】
この役物B動作タイマ223adは、連打ボタン処理(図192参照)において、連打演出開始時間に達した場合に(図192のS1902:Yes)、0にクリアされ(図192のS1904)、連打有効タイマ223abの値が0よりも大きく(図192のS1906:Yes)、枠ボタン22が操作(押下)された場合(図192のS1908:Yes)に実行される役物B動作設定処理(図195(a)参照)において、役物B動作タイマ223adの値に「2000」が設定される(図195(a)のS3802)。
【1597】
そして、役物B動作タイマ223adに設定された値は、連打ボタン処理(図192参照)において実行されるボタンタイマ減算処理(図193のS1907)が実行される毎に(即ち、1ミリ秒毎)に、値が「0」になるまで(図193のS2215:Yes)、1減算される(図193のS2216)。
【1598】
役物C動作タイマ223aeは、連打演出において役物C460の動作シナリオをカウントするタイマであって、役物C動作タイマ223aeの値に対応した役物Cシナリオテーブル222ab3に規定されている動作シナリオに基づいて、役物C460が動作制御される。
【1599】
この役物C動作タイマ223aeは、連打ボタン処理(図192参照)において、連打演出開始時間に達した場合に(図192のS1902:Yes)、0にクリアされ(図192のS1904)、連打有効タイマ223abの値が0よりも大きく(図192のS1906:Yes)、枠ボタン22が操作(押下)された場合(図192のS1908:Yes)に実行される役物C動作設定処理(図195(b)参照)において、役物C動作タイマ223aeの値に「3000」が設定される(図195(b)のS3902)。
【1600】
そして、役物C動作タイマ223aeに設定された値は、連打ボタン処理(図192参照)において実行されるボタンタイマ減算処理(図193のS1907)が実行される毎に(即ち、1ミリ秒毎)に、値が「0」になるまで(図193のS2217:Yes)、1減算される(図193のS2218)。
【1601】
このように、連打演出中に枠ボタン22への操作に基づいて駆動される各役物(役物A720?役物C460)のそれぞれに、動作シナリオおよび動作タイマを設けているため、各役物を独立して駆動させることが可能となる。さらに、本制御例では、各役物(役物A720?役物C460)に設定される動作タイマの値を異ならせているため、各役物(役物A720?役物C460)を駆動させる動作期間が異なる。これにより、枠ボタン22を操作した際に駆動していない役物(動作タイマの値が「0」の役物)のみ駆動させることができる。よって、各役物(役物A720?役物C460)の動作状況に応じて、枠ボタン22を操作した際における役物全体の動きに多様性を持たせることができ、演出効果を高めることができる。
【1602】
また、各役物(役物A720?役物C460)のうち、動作期間が他の役物(役物B740および役物C460)より短い役物A720に対して、さらに動作期間が短い動作シナリオ(短縮駆動パターン)を設定可能にしているため、連打演出中に全ての役物(役物A720?役物C460)が同時に駆動している(全ての役物(役物A720?役物C460)の動作タイマの値が「0」ではない)期間を短くすることができ、枠ボタン22の操作に基づいた役物の駆動演出が実行されやすくすることができる。
【1603】
無効フラグ223afは、役物A720が動作中(役物A動作タイマの値が「0」ではない状態)において、枠ボタン22が操作されたことを判別するためのフラグであって、役物A720が動作中に枠ボタン22が操作された場合にオンに設定される。この無効フラグ223afがオンに設定されている状態で、役物A720の駆動が開始される場合に通常よりも動作期間が短い動作シナリオ(短縮駆動パターン)が設定される。
【1604】
この無効フラグ223afは、連打ボタン処理(図192参照)において、連打演出開始時間に達した場合に(図192のS1902:Yes)、オフに設定され(図192のS1905)、連打有効タイマ223abの値が0よりも大きく(図192のS1906:Yes)、枠ボタン22が操作(押下)された場合(図192のS1908:Yes)に実行される役物A動作設定処理(図194参照)において、役物A動作タイマ223ac値が「0」ではない場合に(図194のS3701:No)、オンに設定される(図194のS3702)。
【1605】
そして、役物A動作設定処理(図194参照)において、役物A動作タイマ223ac値が「0」で(図194のS3701:Yes)、無効フラグ223afがオンに設定されている場合(図194のS3703:Yes)に、短縮駆動パターンである動作シナリオが設定された(図194のS3705)後に、オフに設定される(図194のS3706)。
【1606】
なお、本制御例では、役物A720が動作中に枠ボタン22が操作された場合に、無効フラグ223afがオンに設定され、次の連打演出が開始されるタイミングまたは、次の役物A720の動作が実行されるまでオフに設定されない構成にしているが、無効フラグ223afをオフに設定する条件を更に設けても良い。例えば、無効フラグ223afがオンに設定されてから、所定期間(例えば、3秒)の間、枠ボタン22が操作されなかったことを判別した場合には、無効フラグ223afをオフに設定してもよい。
【1607】
これにより、継続的に枠ボタン22を複数回操作している遊技者に対してのみ動作期間を短縮させた短縮駆動パターンが実行させることになる。よって、遊技者に枠ボタン22への操作状況に応じた役物演出を提供することができる。この場合、無効フラグ223afをオフに設定する期間としては、連打演出にて駆動可能な役物のうち、最も動作期間が長い役物(役物C460)の動作期間(3秒)とするとよい。このように構成することで、連打演出にて全ての役物(役物A720?役物C460)が駆動していない状態で枠ボタン22が操作された場合に、役物A720のみ短縮駆動パターンが設定されることを防止することができる。
【1608】
また、本制御例では、役物A720が動作している間に枠ボタン22が1回操作されると無効フラグ223afがオンに設定されるが、無効フラグ223afをオンに設定する条件として別の条件を設定してもよく、例えば、役物A720が動作している間に複数回(例えば、3回)枠ボタン22が操作された場合をオンに設定する条件としてもよいし、連打演出期間の残期間(連打有効タイマの残期間)が所定期間(例えば、3秒以内)となった場合をオンに設定する条件としてもよい。
【1609】
加えて、本制御例では、短縮駆動パターンである動作シナリオが設定されると無効フラグ223afがオフに設定されるが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、一度無効フラグ223afがオンに設定されると、連打演出が終了するまで無効フラグ223afがオフに設定されないようにしてもよい。
【1610】
短縮フラグ223agは、役物A720の動作種別を判別するためのフラグであって、動作種別「短縮」が選択される場合にオンに設定される。この短縮フラグ223agは、連打ボタン処理(図192参照)で実行される役物A動作設定処理(図194参照)において、無効フラグ223afがオンに設定されていると判別された場合に(図194のS3703:Yes)、オンに設定される(図194のS3703)。
【1611】
そして、役物動作処理(図196)において、役物Aシナリオテーブルの動作種別を選択する際に参照され(図196のS2512)、動作種別を選択し動作シナリオが設定されると(S2514)、オフに設定される(図196のS2515)。
【1612】
<第10制御例における制御処理について>
次に、図189から196を参照して本第10制御例における制御処理について説明をする。本第10制御例における制御処理は、第1制御例に対して、音声ランプ制御装置113の内容が変更されている。その他の処理については、第1制御例と同じであり、その詳細な説明は省略する。
【1613】
本第10制御例では、第1制御例のメイン処理(図80参照)に対して、変動表示設定処理(図82のS1512)が変動表示設定処理3(図190のS1512)に変更されている点と、枠ボタン入力監視・演出処理(図83のS1507)が枠ボタン入力監視・演出処理3(図191のS1560)に変更されている点と、役物動作処理(図196のS1561)を新たに追加した点とで相違する。
【1614】
まず、図189を参照して第10制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理について説明する。図189は、本第10制御例におけるメイン処理の内容を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、上述した第1制御例のメイン処理(図80参照)と同様にS1501?S1506の処理を実行し、S1506の処理を終えると、枠ボタン入力監視・演出処理(図83のS1507)に代えて枠ボタン入力監視・演出処理3(S1560)が実行される。この、枠ボタン入力監視・演出処理3(図191のS1560)の詳細な説明については、図191を参照して後述する。
【1615】
S1560の処理を終えると、上述した第1制御例のメイン処理(図80参照)と同様にS1508?S1510の処理を実行し、S1510の処理を終えると、次に、役物動作処理(S1512)を実行する。この役物動作処理(S1561)の詳細な説明については、図196を参照して後述する。
【1616】
そして、S1561の処理を終えると、次いで、上述した第1制御例のメイン処理(図80参照)と同様にコマンド判定処理(S1511)を実行し、その後、変動表示設定処理(S1512)に代えて、変動表示設定処理3(S1512)が実行される。この変動表示設定処理3(S1512)の詳細な説明については、図190を参照して後述する。その後、上述した第1制御例のメイン処理(図80参照)と同様にS1513?S1517の処理を実行し、本処理を終了する。
【1617】
次に、図190を参照して、本制御例における変動表示設定処理3(S1512)について説明をする。図190は、変動表示設定処理3(S1512)の内容を示すフローチャートである。この変動表示設定処理3(S1512)は、上述した第1制御例における変動表示設定処理(図82のS1512)に対して、連打演出を実行するための処理を追加した点で相違している。その他の処理については同じであり、その詳細な説明は省略する。
【1618】
変動表示設定処理3(S1512)が実行されると、上述した第1制御例の変動表示設定処理(図82のS1512)と同様にS1701?S1703の処理を実行する。そして、S1703の処理にて抽出した変動パターンはノーマルリーチ以上であるか(抽出した変動パターンの変動時間が30秒(30000ミリ秒)以上であるか)を判別する(S1761)。
【1619】
S1761の処理にて、ノーマルリーチ以上であると判別された場合には、次いで、連打演出選択テーブル222aaと演出カウンタ223fの値とに基づいて連打演出種別を選択し(S1762)、選択された連打演出種別を連打演出種別格納エリア223aaに設定し(S1763)する。
【1620】
S1763の処理を終えると、S1703で抽出した変動パターンおよび、S1763で連打演出種別格納エリア223aaに設定された連打演出種別とに基づいて表示用変動パターンコマンドを設定する(S1704)。一方、S1761の処理において、S1703の処理にて抽出した変動パターンはノーマルリーチ以上ではないと判別された場合は(S1761:No)、S1762,S1763の処理をスキップし、S1703で抽出した変動パターンに基づいて表示用変動パターンコマンドを設定する(S1704)。
【1621】
S1704の処理を終えると、上述した第1制御例の変動表示設定処理(図82のS1512)と同様にS1706?S1709の処理を実行し、本処理を終了する。
【1622】
次に、図191を参照して、本制御例における枠ボタン入力監視・演出処理3(S1560)について説明をする。図191は枠ボタン入力監視・演出処理3(S1560)の内容を示したフローチャートである。この枠ボタン入力監視・演出処理3(S1560)は、枠ボタン入力監視・演出処理(図83のS1507)に対して、連打ボタン処理(S1857)が追加された点で相違する。
【1623】
枠ボタン入力監視・演出処理3(S1560)が実行されると、上述した第1制御例の枠ボタン入力監視・演出処理(図83のS1507)と同様にS1801?S1816の処理を実行し、その後、連打ボタン処理が実行される(S1851)。そして、S1851の処理を終えると本処理を終了する。
【1624】
ここで、図192を参照して、枠ボタン入力監視・演出処理3(S1560)にて実行される連打ボタン処理(S1851)について説明をする。図192は、連打ボタン処理(S1851)の内容を示すフローチャートである。この連打ボタン処理(S1851)では、連打演出中に実行される枠ボタン22への操作(押下)に基づいて実行される各役物(役物A720?役物C460)の動作内容を決定するための処理が実行される。
【1625】
連打ボタン処理(S1851)は実行されると、まず、連打演出種別格納エリア223aaに連打演出種別(「長連打演出」、「短連打演出」)が設定されているかが判別される(S1901)。S1901の処理において、連打演出種別が設定されていないと判別された場合、つまり、今回の変動において連打ボタン演出が実行されない場合は(S1901:No)、このまま本処理を終了する。一方、連打演出種別が設定されていると判別された場合は(S1901:Yes)、次に、連打演出開始時間であるかを判別する(S1902)。このS1902の処理では、連打演出が開始されてから10秒(10000ミリ秒)であるかが判別される(図187(a)参照)。
【1626】
S1902の処理において、連打演出開始時間であると判別された場合は(S1902:Yes)、連打演出を開始する際の初期処理として、連打有効タイマ223abに今回の連打演出種別に対応する値(「長連打演出」の場合は「10000」、「短連打演出」の場合は「5000」)を設定し(S1903)、各役物動作タイマ(役物A動作タイマ223ac、役物B動作タイマ223ad、役物C動作タイマ223ae)を0にクリアし(S1904)、無効フラグ223afをオフに設定する(S1905)。その後、S1906へ移行する。
【1627】
一方、S1902の処理において、連打演出開始時間ではないと判別された場合は(S1902:No)、初期処理であるS1903?S1905をスキップしてS1906へ移行する。
【1628】
S1906の処理では、連打有効タイマ223abの値が「0」よりも大きいかが判別される(S1906)。ここで、連打有効タイマ223abの値が「0」よりも大きくない(「0」である)と判別された場合、つまり、連打演出が実行される変動において、連打演出が開始されていない期間である場合は(S1906:No)、このまま本処理を終了する。
【1629】
一方、S1906の処理において、連打有効タイマ223abの値が「0」よりも大きいと判別された場合は(S1906:Yes)、次いで、ボタンタイマ減算処理が実行される(S1907)。ここで、図193を参照して、ボタンタイマ減算処理(S1907)について説明をする。
【1630】
図193はボタンタイマ減算処理(S1907)の内容を示したフローチャートである。このボタンタイマ減算処理(S1907)は、連打演出中に設定される各種タイマ(連打有効タイマ223ab、役物A動作タイマ223ac、役物B動作タイマ223ad、役物C動作タイマ223ae)を減算するための処理である。
【1631】
ボタンタイマ減算処理(S1907)が実行されると、まず、連打有効タイマ223abの値が「0」より大きいかが判別され(S2211)、「0」より大きいと判別された場合は(S2211:Yes)、連打有効タイマ223abの値を1減算し(S2212)、S2213の処理に移行する。一方、「0」より大きくない(「0」である)と判別された場合は、S2212の処理をスキップしてS2213の処理に移行する。
【1632】
次に、S2213の処理において、役物A動作タイマ223acの値が「0」より大きいかが判別され(S2213)、「0」より大きいと判別された場合は(S2213:Yes)、役物A動作タイマ223acの値を1減算し(S2214)、S2215の処理に移行する。一方、「0」より大きくない(「0」である)と判別された場合は(S2213:No)、S2214の処理をスキップしてS2215の処理に移行する。
【1633】
S2215の処理では、役物B動作タイマ223adの値が「0」より大きいかが判別され(S2215)、「0」より大きいと判別された場合は(S2215:Yes)、役物B動作タイマ223adの値を1減算し(S2216)、S2217の処理に移行する。一方、「0」より大きくない(「0」である)と判別された場合は(S2215:No)、S2216の処理をスキップしてS2217の処理に移行する。
【1634】
S2217の処理では、役物C動作タイマ223aeの値が「0」より大きいかが判別され(S2217)、「0」より大きいと判別された場合は(S2217:Yes)、役物C動作タイマ223aeの値を1減算し(S2218)、本処理を終了する。一方、「0」より大きくない(「0」である)と判別された場合は(S2217:No)、S2218の処理をスキップして本処理を終了する。
【1635】
図192に戻り説明を続ける。ボタンタイマ減算処理(S1907)を終えると、次いで、枠ボタン22が操作(押下)されたかを判別し(S1908)、枠ボタン22が操作されたと判別した場合は(S1908:Yes)、各役物を駆動させるための処理として、役物A動作設定処理(S1909)、役物B動作設定処理(S1910)、役物C動作設定処理(S1911)を実行し、本処理を終了する。一方、S1908の処理において、枠ボタン22の操作がされていないと判別した場合は(S1908:No)、このまま本処理を終了する。
【1636】
次に図194を参照して、役物A動作設定処理(S1909)について説明をする。図194は役物A動作設定処理(S1909)の内容を示すフローチャートである。この役物A動作設定処理(S1909)では、連打演出中における役物A720の動作を開始させるための処理および役物A720の動作種別(「通常」、「短縮」)を設定するための処理が実行される。
【1637】
役物A動作設定処理(S1909)が実行されると、まず、役物A動作タイマ223acの値が「0」であるかが判別される(S3701)。値が「0」であると判別された場合、つまり、役物A720が動作していない状態で枠ボタン22が操作(押下)された場合は(S3701:Yes)、次に、無効フラグ223afがオンに設定されているかが判別され(S3703)、オンに設定されていない(オフに設定されている)と判別された場合は(S3703:No)、役物A動作タイマ223acの値に「1000」を設定し、本処理を終了する。
【1638】
一方、S3701の処理において、役物A動作タイマ223acの値が「0」ではないと判別された場合、つまり、役物A720が動作している状態で枠ボタン22が操作(押下)された場合は(S3701:No)、無効フラグ223afをオンに設定し(S3702)、本処理を終了する。
【1639】
また、S3703の処理において、無効フラグ223afがオンに設定されていると判別された場合は(S3703:Yes)、次に、役物動作Aタイマ223afの値に「500」を設定し(S3705)、無効フラグ223afをオフに設定し(S3706)、短縮フラグ223agをオンに設定し(S3707)、本処理を終了する。
【1640】
次に、図195(a)を参照して、役物B動作設定処理(S1910)について説明をする。図195(a)は、役物B動作設定処理(S1910)の内容を示すフローチャートである。この役物B動作設定処理(S1910)では、連打演出中における役物B740の動作を開始させるための処理が実行される。
【1641】
役物B動作設定処理(S1910)が実行されると、まず、役物B動作タイマ223adの値が「0」であるかが判別される(S3801)。値が「0」であると判別された場合、つまり、役物B740が動作していない状態で枠ボタン22が操作(押下)された場合は(S3801:Yes)、役物B動作タイマ223adの値に「2000」を設定し、本処理を終了する。一方、S3801の処理において、役物B動作タイマ223adの値が「0」ではないと判別された場合、つまり、役物B740が動作している状態で枠ボタン22が操作(押下)された場合は(S3801:No)、このまま本処理を終了する。
【1642】
図195(b)は、役物C動作設定処理(S1911)の内容を示すフローチャートである。この役物C動作設定処理(S1911)では、連打演出中における役物C460の動作を開始させるための処理が実行される。
【1643】
役物C動作設定処理(S1911)が実行されると、まず、役物C動作タイマ223aeの値が「0」であるかが判別される(S3901)。値が「0」であると判別された場合、つまり、役物C460が動作していない状態で枠ボタン22が操作(押下)された場合は(S3901:Yes)、役物C動作タイマ223aeの値に「3000」を設定し、本処理を終了する。一方、S3901の処理において、役物C動作タイマ223aeの値が「0」ではないと判別された場合、つまり、役物C460が動作している状態で枠ボタン22が操作(押下)された場合は(S3901:No)、このまま本処理を終了する。
【1644】
次に、図196を参照して、本制御例のメイン処理(図189参照)において実行される役物動作処理(S1561)について説明をする。図196は、役物動作処理(S1561)の内容を示すフローチャートである。この役物動作処理(S1561)では、上述した連打ボタン処理(図192のS1851)において実行される役物A動作設定処理(S1909)、役物B動作設定処理(S1910)、役物C動作設定処理(S1911)にて設定された各種タイマおよびフラグに基づいて、各役物(役物A720?役物C460)の動作コマンドを設定するための処理が実行される。本処理にて設定された動作コマンドは、各役物(役物A720?役物C460)を駆動させるための駆動用モータ(モータドライバ)に出力される。
【1645】
役物動作処理(S1561)が実行されると、まず、役物A動作タイマ223acの値が「0」より大きいかが判別される(S2511)。役物A動作タイマ223acの値が「0」よりも大きくない(「0である」と判別された場合は(S2511:No)、役物A720に関する処理(S2512?S2514)をスキップして、短縮フラグ223agをオフに設定し(S2515)、S2516の処理に移行する。
【1646】
S2511の処理において、役物A動作タイマ223acの値が「0」より大きいと判別された場合は(S2511:Yes)、次に、短縮フラグ223agがオンに設定されているかが判別され(S2512)、短縮フラグ223agがオンに設定されていると判別された場合は(S2512:Yes)、役物Aシナリオテーブル222ab1に規定されている動作種別「短縮」に対応する動作内容を読み出し(S2513)、S2516の処理へ移行する。
【1647】
一方、短縮フラグ223agがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別された場合は(S2512:No)、役物Aシナリオテーブル222ab1に規定されている動作種別「通常」に対応する動作内容を読み出し(S2514)、S2516の処理へ移行する。
【1648】
S2516の処理では、役物B動作タイマ223adの値が「0」より大きいかが判別される(S2516)。役物B動作タイマ223adの値が「0」よりも大きくない(「0である」と判別された場合は(S2516:No)、S2517をスキップして、S2518の処理に移行する。一方、役物B動作タイマ223adの値が「0」より大きいと判別された場合は(S2518:Yes)、役物Bシナリオテーブル222ab2の動作内容を読み出し(S2517)、S2518の処理へ移行する。
【1649】
S2518の処理では、役物C動作タイマ223aeの値が「0」より大きいかが判別される(S2518)。役物C動作タイマ223aeの値が「0」よりも大きくない(「0である」と判別された場合は(S2518:No)、S2519をスキップして、S2520の処理に移行する。一方、役物C動作タイマ223aeの値が「0」より大きいと判別された場合は(S2518:Yes)、役物Cシナリオテーブル222ab3の動作内容を読み出し(S2519)、S2520の処理へ移行する。
【1650】
そして、上述したS2513,S2514,S2547,S2519の処理で読み出された各動作内容に基づいて動作コマンドを設定し(S2520)、本処理を終了する。
【1651】
以上、説明をしたように、本制御例では、1回の枠ボタン22への操作(押下)に基づいて、駆動可能な状態の各役物(役物A720?役物C460)が全て駆動されるように構成されている。よって、1回の枠ボタン22への操作(押下)で複数の役物を駆動させることが可能となり、遊技者の操作に基づいて実行される役物駆動演出の演出効果を高めることができる。
【1652】
また、各役物(役物A720?役物C460)毎に、動作期間を異ならせているため、枠ボタン22が操作されるタイミングによって、駆動可能な状態の各役物(役物A720?役物C460)を異ならせることができる。これにより、枠ボタン22を操作した場合における役物の駆動態様を多様にすることができるため、遊技者の操作に基づいて実行される役物駆動演出の演出効果を高めることができる。
【1653】
さらに、役物(役物A720)が動作中に枠ボタン22が操作された場合には、次回役物を駆動させる場合に、役物の動作期間が短い短縮駆動パターンが設定されるため、枠ボタン22を意欲的に複数回操作する遊技者に対して、枠ボタン22への操作に基づく役物の駆動回数を増加させることができる。また、枠ボタン22を複数回操作しない遊技者に対しては、短縮駆動パターンで役物が駆動することが無く、長い動作期間で役物が駆動するため、1回の役物動作における演出効果を高めることができる。
【1654】
つまり、本制御例における役物駆動演出では、遊技者が枠ボタン22を操作する状況(1回操作、連打操作)に応じて、役物の駆動パターンを変えることで、遊技者の枠ボタン操作に応じた役物駆動演出を実行することができるという効果がある。
【1655】
なお、上述した第10制御例では、役物A720の動作中に枠ボタン22が操作された場合に短縮駆動パターンを実行するための条件である無効フラグ223afをオンに設定するように構成しているが、無効フラグ223afをオンに設定する条件(即ち、通常の駆動パターンとは異なる駆動パターンとして短縮駆動パターンが実行される条件)として別の条件を設定してもよく、例えば、役物A720が動作している間に複数回(例えば、3回)枠ボタン22が操作された場合に条件が成立するようにしてもよいし、連打演出期間の残期間(連打有効タイマの残期間)が所定期間(例えば、3秒以内)となった場合に条件が成立するようにしてもよいし、特別図柄の当否判定結果に基づいて条件が成立するようにしてもよい。
【1656】
さらに、1回の役物動作中に枠ボタン22を操作した回数の累積値ではなく、複数回の役物動作(例えば、1回の役物駆動演出が実行されている期間中に動作される役物動作)を跨いで枠ボタン22を操作した回数を累積する構成にしてもよい。
【1657】
加えて、上述した第10制御例では、役物A720の動作中に枠ボタン22が操作された場合に短縮駆動パターンを実行するための条件である無効フラグ223afが、次の連打演出が開始されるタイミングまたは、次の役物A720の動作が実行されるまでオフに設定されない構成にしているが、無効フラグ223afをオフに設定する条件を更に設けても良い。例えば、無効フラグ223afがオンに設定されてから、所定期間(例えば、3秒)の間、枠ボタン22が操作されなかったことを判別した場合には、無効フラグ223afをオフに設定してもよい。
【1658】
これにより、継続的に枠ボタン22を複数回操作している遊技者に対してのみ動作期間を短縮させた短縮駆動パターンが実行させることになる。よって、遊技者に枠ボタン22への操作状況に応じた役物演出を提供することができる。この場合、無効フラグ223afをオフに設定する期間としては、連打演出にて駆動可能な役物のうち、最も動作期間が長い役物(役物C460)の動作期間(3秒)とするとよい。このように構成することで、連打演出にて全ての役物(役物A720?役物C460)が駆動していない状態で枠ボタン22が操作された場合に、役物A720のみ短縮駆動パターンが設定されることを防止することができる。
【1659】
また、本制御例では、役物A720に対してのみ短縮駆動パターンを設定可能に構成しているが、他の役物(役物B740および役物C460)に対しても、短縮駆動パターンを設定可能にしてもよい。
【1660】
さらに、本制御例では、一連の役物駆動演出において、役物の動作パターン(駆動パターン)を可変させる(通常駆動パターンから短縮駆動パターンに可変させる)ために、その役物駆動演出中における枠ボタン22の操作に基づいて可変条件が成立(無効フラグ223afをオンに設定)する構成を用いているが、それ以外にも、例えば、一連の役物駆動演出が実行されるよりも前の期間における枠ボタン22の操作状況(操作回数や操作間隔等)に基づいて、役物の動作パターンを予め可変させる構成を用いてもよい。
【1661】
このように構成することで、一連の役物駆動演出における1回目の役物動作において短縮駆動パターンを設定することが可能となり、一連の役物駆動演出において、枠ボタン22への操作に対応した役物動作が実行される回数を増加させやすくすることができる。
【1662】
なお、上述した本制御例では、通常の動作パターンに対して動作期間が短い短縮動作パターン(短縮駆動パターン)が1種類の構成を用いているが、動作期間が異なる複数の短縮動作パターンを設け、枠ボタン22の操作状況(操作回数や操作間隔等)や演出の残期間や遊技状態(特別図柄の当否判定結果)に基づいて複数の短縮動作パターンのうち一の短縮動作パターンを設定するように構成してもよい。
【1663】
<第11制御例>
次に、図197から図205を参照して、第11制御例におけるパチンコ機10について説明する。本第11制御例では、上述した第10制御例に対して、役物駆動演出における役物の駆動タイミングを異ならせる制御を追加した点で相違する。
【1664】
具体的には、上述した第10制御例では、役物駆動演出中において枠ボタン22が操作(押下)された場合に、退避位置(待機位置)に位置する各役物(役物A720?役物C460)が同時に駆動されるように構成していたが、本第11制御例では、枠ボタン22が操作(押下)された場合に、役物A720に対して役物B740が駆動するタイミングを0.1秒遅らせ、役物A720に対して役物C460が駆動するタイミングを0.2秒(役物B740に対しては0.1秒)遅らせるよう設定している。
【1665】
このように、枠ボタン22の操作に対して各役物(役物A720?役物C460)が駆動するタイミングを異ならせることにより、全ての各役物(役物A720?役物C460)が同時に駆動している期間を短縮させることが可能となり、役物駆動演出中において枠ボタン22の操作に基づいて各役物(役物A720?役物C460)の何れかを駆動させやすくすることができ、役物駆動演出中における演出効果を高めることができる。
【1666】
また、役物の駆動タイミングを遅らせている状態(例えば、役物C460の駆動タイミングを0.2秒遅延させている状態)中に、枠ボタン22が操作された場合は、遅延状態が解除され、その枠ボタン22の操作に基づいて対象の役物(役物C460)の駆動が開始されるよう設定している。これにより、枠ボタン22の操作に基づいて各役物(役物A720?役物C460)の何れかを駆動させやすくすることができ、役物駆動演出中における演出効果を高めることができる。
【1667】
なお、上述したように、役物駆動演出における役物の駆動タイミングを異ならせる制御を用いる場合は、複数の役物のうち設定されている動作期間が長い役物に対して駆動タイミングを遅らせる処理(遅延処理)を実行するとよい。このように構成することで、遅延期間中に動作期間が短い役物の駆動が実行されるため、各役物(役物A720?役物C460)が同時に駆動する期間を効率よく短縮させることができる。
【1668】
次に図197を参照して、本制御例の役物駆動演出における遅延動作について説明をする。図197(a)は、本制御例における役物駆動演出において駆動される各役物(役物A720?役物B740)が退避位置(待機位置)に位置する状態を模式的に示した模式図であり、図197(b)は、役物駆動演出中に枠ボタン22が操作(押下)され、役物A720が駆動を開始した状態を模式的に示した模式図であり、図197(c)は、役物駆動演出において遅延処理が実行された役物B740が動作を開始した状態を模式的に示した模式図である。
【1669】
図197(a)に示す通り、退避位置(待機位置)に位置する役物A720および役物B740は、上述した第10制御例同様に、第3図柄表示装置81の表示領域Pの周辺に配置される。なお、説明の便宜上、図197では役物C460を示していないが、実際は上述した第10制御例(図182(a)参照)と同一の箇所に役物C460が設けられている。
【1670】
本制御例において、役物駆動演出が開始され、枠ボタン22が操作(押下)されると、まず図197(b)に示す通り、役物A720が動作を開始する。具体的には、動作種別「通常」(動作期間1秒)の動作(図188(a)参照)が実行される。そして、その0.1秒後に、図197(c)に示す通り、役物B740が動作を開始する。具体的には、動作種別「通常」(動作期間2秒)の動作(図188(b)参照)が実行される。
【1671】
上述したように、役物A720および役物B740が駆動可能な状態(退避位置(待機位置)に位置している状態)(図197(a)参照)で、枠ボタン22が操作(押下)された場合に、役物A720の動作開始に対して(図197(b)参照)、役物B740が遅れて動作を開始させる(図197(c))ことにより、1回の枠ボタン22の操作によって異なるタイミングで複数の役物を駆動させることができる。よって、枠ボタン22の操作に対して様々なタイミングで役物を駆動させることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
【1672】
さらに、図197(b)に示す状態から図197(c)に示す状態に至るまでの期間、つまり、役物A720が動作をしてから役物B740が動作を開始するまでの期間(遅延期間)中に枠ボタン22が操作された場合は、その遅延期間の経過を待たずに役物B740が動作を開始する。これにより、これにより、枠ボタン22の操作に基づいて各役物(役物A720?役物C460)の何れかを駆動させやすくすることができ、役物駆動演出中における演出効果を高めることができる。
【1673】
なお、本制御例では、上述したように遅延期間中に枠ボタン22が操作(押下)されると、その遅延期間の経過を待たずに役物B740が動作を開始する構成を用いているが、遅延期間中に枠ボタン22が操作(押下)されたとしても、遅延期間が経過するまでは役物B740の動作が開始されないように構成してもよい。この場合、遅延期間中の枠ボタン22の操作(押下)に基づいて役物を駆動させることは出来ないが、遅延期間経過後に役物B740が駆動を開始するため、遊技者に対して、遅延期間中の枠ボタン22の操作(押下)に基づいて役物B740の駆動が実行された(開始された)と思わせることができる。
【1674】
次に、図198を参照して、本制御例における役物駆動演出である「ボタン連打演出」における枠ボタン22の操作と各役物(役物A720?役物C460)の動作の流れについて説明をする。この図198は、本制御例における役物駆動演出の流れを示すタイミングチャートである。本制御例では、特定の役物(役物B740または役物C460)が動作している間に枠ボタン22が操作(押下)されたことを判別し、その後、特定の役物(役物B740または役物C460)の駆動が実行される場合に、その動作開始タイミングを遅延させるよう構成している。
【1675】
具体的には、役物B740または役物C460の何れかが動作中に枠ボタン22が操作(押下)された場合に後述する無効フラグ223afがオンに設定されるように構成されており、その無効フラグ223afがオンに設定されている状態で役物B740または役物C460の動作が開始させる場合に、その動作開始タイミングを遅延させる遅延処理が実行される。
【1676】
図198に示す通り、「ボタン連打演出」の有効期間中に遊技者が枠ボタン22を操作すること(「ボタン押下」ON)で、停止状態(待機位置に位置している状態)に位置している各役物(役物A720?役物C460)の動作が開始される(図198の地点a)。
【1677】
本制御例では、上述した第10制御例と同様に役物A720の駆動期間は1秒、役物B740の駆動期間は2秒、役物C460の駆動期間は3秒に設定されており、それぞれ定められている期間で駆動される。そして、役物B740または役物C460が駆動中のタイミングに枠ボタン22が操作される(「ボタン押下」ON)と、無効期間中に枠ボタン22が操作されたことを示す無効フラグ223afがオンに設定される(図198の地点b)。
【1678】
その後、役物A720および役物B740が停止状態(待機位置に位置している状態)のタイミングで枠ボタン22が操作(押下)されると、役物A720は通常の動作が実行され、役物B740は遅延処理(遅延期間0.1秒)が実行される(図198の地点c)。なお、この地点cにおいては、役物C460が駆動中であるため、無効フラグ223afは継続してオンに設定される。
【1679】
詳細に説明をすると、本制御処理では、役物B740に関する動作設定処理(役物B動作設定処理(図203のS1910))を終えた後に役物C460に関する動作設定処理(役物C動作設定処理(図204のS1911))が実行されるように構成されていることから、図198の地点cにおける枠ボタン22の操作では、役物B動作設定処理において無効フラグ223afが一旦オフに設定された後、役物C動作設定処理において無効フラグ223afが再度オンに設定されるため、無効フラグ223afは継続してオンが設定されることになる。
【1680】
そして、遅延期間経過後(0.1秒後)に、役物B740の動作(動作期間2秒)が実行される(図198の地点d)。その後、役物C460の動作が終了した状態で枠ボタン22が操作された場合(図198の地点e)は、役物A720は通常の動作が実行され、役物C460は遅延処理(遅延期間0.2秒)が実行される(図198の地点e)。なお、この地点eにおいては、役物C460に対して遅延処理が実行されるため、無効フラグ223afがオフに設定される。そして、遅延期間経過後(0.2秒後)に、役物C460の動作(動作期間3秒)が実行される(図198の地点f)。
【1681】
その後、図198の地点gのタイミング、即ち、無効フラグ223afがオフに設定されている状態で、且つ、役物A720および役物B740が停止状態(待機位置に位置している状態)で、役物C460が動作状態(動作中の状態)のタイミングで枠ボタン22が操作されると、役物A720および役物B740の動作が実行され、無効フラグ223afがオンに設定される。
【1682】
そして、図198の地点hのタイミング、即ち、無効フラグ223afがオンに設定されている状態で、且つ、役物A720、役物B740、役物C460の全てが停止状態(待機位置に位置している状態)のタイミングで枠ボタン22が操作されると、役物A720および役物C460の動作が実行されるとともに、役物B740に対して遅延処理が実行される。
【1683】
これは、上述したように、本制御例では、役物B740に関する動作設定処理(役物B動作設定処理(図203のS1910))を終えた後に役物C460に関する動作設定処理(役物C動作設定処理(図204のS1911))が実行されるように構成されていることから、図198の地点hにおける枠ボタン22の操作では、役物B動作設定処理において無効フラグ223afがオフに設定された後に、役物C動作設定処理において役物C460の動作内容が設定されるためである。
【1684】
このように、複数の役物(役物B740および役物C460)の何れかが動作中に枠ボタン22が操作されることで、無効フラグ223afがオンに設定され、無効フラグ223afがオンに設定されている状態で複数の役物(役物B740および役物C460)の何れかが動作を実行する場合に遅延処理を行い、無効フラグ223afをオフに設定する処理を、役物B740、役物C460の順で実行することにより、無効フラグ223afがオンに設定されている状態で役物B740および役物C460の動作が実行される場合には、役物B740のみ遅延処理が実行されることになる。
【1685】
これにより、複数の役物(役物B740および役物C460)に対して同時に遅延処理が実行されることを抑制することができる。
【1686】
次に、遅延処理中に枠ボタン22が操作された場合における各役物の動作の流れについて、図198の地点hおよび地点iを参照して説明する。図198の地点hにおいて役物B740に対して遅延処理(0.1秒)が実行されている間(遅延処理が実行されてから0.08秒後)に枠ボタン22が操作されると(図198の地点i)、実行中の遅延処理を終了し、役物B740が図198の地点iにおける枠ボタン操作に基づいて動作を実行する。
【1687】
このように、遅延処理が実行されている間に枠ボタン22が操作された場合に、遅延処理を中止し役物を駆動させることで、「ボタン連打演出」中の枠ボタン操作に基づく役物動作回数を増加させることができる。
【1688】
なお、本制御例では「ボタン連打演出」が開始されるタイミングで無効フラグ223afを初期状態に設定(オフに設定)するように構成しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、「ボタン連打演出」の「有効期間」が終了するタイミングでオフに設定してもよいし、「ボタン連打演出」が終了するタイミングでオフに設定してもよい。
【1689】
<第11制御例における電気的構成について>
次に、図199を参照して、本第11制御例における音声ランプ制御装置113内のRAM223の内容について説明する。図199は、本第11制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM223の内容を模式的に示した模式図である。本第11制御例におけるRAM222は、第10制御例におけるRAM222に対して、役物B遅延タイマ222baと、役物C遅延タイマ222bbとが追加されている点で相違する。その他の構成については、第10制御例と同一であるのでその詳細な説明は省略する。
【1690】
役物B遅延タイマ223baは、役物B740に対して遅延処理が実行された場合における遅延期間をカウントするためのタイマであって、このタイマに設定された値(例えば、「100」)は1ミリ秒毎に減算され、タイマの値が「0」となった場合に遅延処理が終了する。この役物B遅延タイマ223baは、連打ボタン演出処理2(図200参照)で実行される役物B動作設定処理2(図203参照)において、役物B動作タイマ223adの値が「0」で(図203のS3811:Yes)、無効フラグ223afがオンに設定されている場合(図203のS3813:Yes)に、「100」の値が設定され、連打ボタン演出処理2(図200参照)で実行される遅延タイマ減算処理(図201参照)が実行される毎に、タイマの値が「0」になるまで1減算される(図201のS2352)。
【1691】
そして、役物B動作設定処理2(図203参照)において、役物B遅延タイマ223baの値が「0」では無い状態で枠ボタン22が操作された場合に、タイマの値が「0」に設定される。
【1692】
役物C遅延タイマ223bbは、役物C460に対して遅延処理が実行された場合における遅延期間をカウントするためのタイマであって、このタイマに設定された値(例えば、「200」)は1ミリ秒毎に減算され、タイマの値が「0」となった場合に遅延処理が終了する。る。この役物C遅延タイマ223bbは、連打ボタン演出処理2(図200参照)で実行される役物C動作設定処理2(図204参照)において、役物C動作タイマ223aeの値が「0」で(図203のS3911:Yes)、無効フラグ223afがオンに設定されている場合(図203のS3913:Yes)に、「200」の値が設定され、連打ボタン演出処理2(図200参照)で実行される遅延タイマ減算処理(図201参照)が実行される毎に、タイマの値が「0」になるまで1減算される(図201のS2354)。
【1693】
そして、役物C動作設定処理2(図204参照)において、役物C遅延タイマ223bbの値が「0」では無い状態で枠ボタン22が操作された場合に、タイマの値が「0」に設定される。
【1694】
以上、説明をしたように、上述した役物B遅延タイマ223baおよび役物C遅延タイマ223bbは、遅延処理が実行される場合に設定される遅延期間(役物B740は0.1秒、役物C460は0.2秒)をカウントするためのタイマである。
【1695】
さらに、役物B740および役物C460の何れにおいても、遅延処理が実行されている間に(遅延期間がカウントされている間に)枠ボタン22が操作された場合に、各遅延タイマ(役物B遅延タイマ223ba、役物C遅延タイマ223bb)の値を「0」に設定するように構成している。これにより、遅延期間中に遊技者が枠ボタン22を操作した場合に、その枠ボタン22への操作に基づいて役物を駆動させることができる。よって、役物駆動演出中(連打演出中)において枠ボタン22の操作に基づいて役物B740または役物C460を駆動させやすくすることができ、役物駆動演出中における演出効果を高めることができる。
【1696】
<第11制御例における制御処理について>
次に、図200から図205を参照して本第11制御例における制御処理について説明をする。本第11制御例における制御処理は、第10制御例に対して、音声ランプ制御装置113の内容が変更されている。その他の処理については、第10制御例と同じであり、その詳細な説明は省略する。
【1697】
本第11制御例では、第10制御例の連打ボタン処理(図192参照)が連打ボタン処理2(図200参照)に変更されている点と、役物動作処理(図196参照)が役物動作処理2(図205参照)に変更されている点とで相違する。
【1698】
まず、図200を参照して、枠ボタン入力監視・演出処理3(S1560)にて実行される連打ボタン処理2(S1851)について説明をする。図200は、連打ボタン処理2(S1851)の内容を示すフローチャートである。この連打ボタン処理2(S1851)では、連打演出(「ボタン連打演出」)中における枠ボタン22への操作(押下)に基づいて実行される各役物(役物A720?役物C460)の動作内容を決定するための処理が実行される。
【1699】
この第11制御例における連打ボタン処理2(S1851)の各処理では、それぞれ第10制御例における連打ボタン処理(図192参照)に対して、遅延タイマ減算処理(S1921)が追加された点で相違する。
【1700】
連打ボタン処理2(S1851)が実行されると、上述した第1制御例の連打ボタン処理(図192参照)と同様にS1901?S1907の処理の処理を実行し、その後、遅延タイマ減算処理を行い(S1921)、その後S1908?S1911の処理を行い、本処理を終了する。
【1701】
次に図201を参照して、第11制御例における遅延タイマ減算処理(S1921)について説明をする。図201は遅延タイマ減算処理(S1921)の内容を示したフローチャートである。遅延タイマ減算処理(S1921)が実行されると、まず、役物B遅延タイマ223baの値が「0」より大きいか否かを判別する(S2351)。役物B遅延タイマ223baの値が「0」より大きい(「1」以上)であると判別された場合は(S2351:Yes)、役物B遅延タイマ223baの値を1減算し(S2352)、S2353の処理へ移行する。
【1702】
一方、役物B遅延タイマ223baの値が「0」であると判別された場合は(S2351:No)、S2352の処理をスキップして、S2353の処理へ移行する。
【1703】
S2353の処理では、役物C遅延タイマ223caの値が「0」より大きいか否かを判別する(S2353)。役物C遅延タイマ223caの値が「0」より大きい(「1」以上)であると判別された場合は(S2353:Yes)、役物C遅延タイマ223caの値を1減算し(S2354)、本処理を終了する。
【1704】
一方、役物C遅延タイマ223caの値が「0」であると判別された場合は(S2353:No)、S2354の処理をスキップし、本処理を終了する。
【1705】
次に、図202を参照して、役物A動作設定処理2(S1909)について説明する。図202は役物A動作設定処理2(S1909)の内容を示したフローチャートである。本第11制御例では、第10制御例の役物A動作設定処理(図194参照)が役物A動作設定処理2(図202参照)に変更されている点で相違する。
【1706】
この役物A動作設定処理2(S1909)が実行されると、まず、役物A動作タイマ223acの値が「0」であるか否かを判別する(S3711)。役物A動作タイマ223acの値が「0」では無い(「1」以上)と判別された場合は(S3711:No)、無効フラグ223afをオンに設定し(S3712)、本処理を終了する。一方、S3711の処理において、役物A動作タイマ223acの値が「0」であると判別された場合は(S3711:Yes)、役物A動作タイマ223acの値に「1000」を設定し(S3713)、本処理を終了する。
【1707】
つまり、上述した役物A動作設定処理2(S1909)では、役物A動作タイマ223acの値を参照し、現在の役物A720の動作状態が動作中か否かを判別し、動作中である場合は、動作中に枠ボタン22が操作されてことを示す無効フラグ223afをオンに設定し、動作中でなければ(停止状態(待機状態)であれば)、役物A720の動作を実行するために役物A動作タイマ223acに「1000」の値(1秒に相当)を設定する処理が実行される。
【1708】
次に、図203を参照して役物B動作設定処理2(S1910)について説明する。図203は役物B動作設定処理2(S1910)の内容を示したフローチャートである。
【1709】
本第11制御例では、第10制御例の役物B動作設定処理(図195(a)参照)が役物B動作設定処理2(図203参照)に変更されている点で相違する。
【1710】
この役物B動作設定処理2では、まず、役物B動作タイマ223adの値が「0」であるか否かを判別する(S3811)。役物B動作タイマ223adの値が「0」では無い(「1」以上である)と判別された場合は(S3811:No)、無効フラグ223afをオンに設定し(S3812)、本処理を終了する。
【1711】
一方、役物B動作タイマ223adの値が「0」の場合は(S3811:Yes)、無効フラグ223afがオンに設定されているか否かを判別する(S3813)。無効フラグ223afがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別された場合は(S3813:No)、役物B遅延タイマ223baの値が「0」であるか否かを判別する(S3814)。役物B遅延タイマ223baの値が「0」ではない(「1」以上である)と判別された場合は(S3814:No)、役物B遅延タイマ223baの値を「0」に設定し(S3815)、S3816の処理へ移行する。一方、S3814の処理において、役物B遅延タイマ223baの値が「0」であると判別された場合は(S3814:Yes)、S3815の処理をスキップし、S3816の処理へ移行する。
【1712】
S3816の処理では、役物B動作タイマ223adの値に「2000」を設定し(S3816)、本処理を終了する。
【1713】
また、S3813の処理において、無効フラグ223afがオンに設定されている(オン中である)と判別した場合は(S3813:Yes)、役物B遅延タイマ223baの値に「100」を設定し(S3817)、無効フラグ223afをオフに設定し(S3818)、本処理を終了する。
【1714】
以上、説明をしたように、役物B動作設定処理2(図203のS1910)では、枠ボタン22の操作タイミングに基づいて役物B740を動作させたり、遅延させたりすることができるとともに、遅延処理中(役物B遅延タイマ223baの値が「1」以上)のタイミングで枠ボタン22が操作された場合には、その遅延処理を終了させ、役物B740を動作させる処理が実行される。
【1715】
次に、図204を参照して役物C動作設定処理2(S1911)について説明する。図204は役物B動作設定処理2(S1911)の内容を示したフローチャートである。
【1716】
本第11制御例では、第10制御例の役物C動作設定処理(図195(b)参照)が役物C動作設定処理2(図204参照)に変更されている点で相違する。
【1717】
この役物C動作設定処理2(S1911)では、まず、役物C動作タイマ223aeが「0」であるか否かを判別する(S3911)。役物C動作タイマ223aeが「0」ではない(「1」以上)と判別された場合は(S3911:No)、無効フラグ223afをオンに設定し(S3912)、本処理を終了する。
【1718】
一方で、役物C動作タイマ223aeの値が「0」であると判別された場合は(S3911:Yes)、無効フラグ223afがオンか否かを判別する(S3913)。無効フラグ223afがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別された場合は(S3913:No)、役物C遅延タイマ223bbの値が「0」か否かを判別する(S3914)。
【1719】
S3914の処理において、役物C遅延タイマ223bbの値が「0」ではない(「1」以上)と判別された場合は(S3914:No)、役物C遅延タイマ223bbの値を「0」に設定し(S3915)、S3916の処理へ移行する。一方で、S3914の処理において、役物C遅延タイマ223bbの値が「0」である場合は(S3914:Yes)、S3915の処理をスキップし、S3916の処理へ移行する。
【1720】
S3916の処理では、役物C動作タイマ223aeの値に「3000」を設定し(S3916)、本処理を終了する。
【1721】
また、S3913の処理において、無効フラグ223afがオンに設定されていると判別した場合は(S3913:Yes)、役物C遅延タイマ223bbの値を「200」に設定し(S3917)、無効フラグ223afをオフに設定し(S3918)、本処理を終了する。
【1722】
次に、図205を参照して役物動作処理2(S1561)について説明する。図205は役物動作処理2(S1561)の内容を示したフローチャートである。
【1723】
本第11制御例では、第10制御例の役物動作処理(図196参照)が役物動作処理2(図205参照)に変更されている点で相違する。
【1724】
この役物動作処理2(S1561)では、まず、役物A動作タイマ223acの値が「0」か否かを判別する(S2531)。役物A動作タイマ223acの値が「0」より大きい(「1」以上)と判別された場合は(S2531:Yes)、役物Aシナリオテーブル222ab1の動作種別「通常」に対応する動作内容を読み出し(S2532)、S2533の処理へ移行する。一方で、S2531の処理において、役物A動作タイマ223acの値が「0」と判別された場合は(S2531:No)、S2532の処理をスキップして、S2533の処理へ移行する。
【1725】
S2533の処理では、役物B動作タイマ223adの値が「0」より大きいか否かを判別する(S2533)。役物B動作タイマ223adの値が「0」より大きい(「1」以上)と判別された場合は(S2533:Yes)、役物B遅延タイマ223baの値が「0」より大きいか否かを判別する(S2534)。役物B遅延タイマ223baの値が「0」より大きい(「1」以上)と判別された場合は(S2534:Yes)、役物Bシナリオテーブル222ab2の動作種別に対応する動作内容を読み出して(S2535)、S2536の処理へ移行する。
【1726】
一方、S2533の処理で、役物B動作タイマ223adの値が「0」と判別された場合(S2533:No)、あるいは、S2534の処理において役物B遅延タイマ223baの値が「0」と判別された場合は(S2534:No)、S2535の処理をスキップして、S2536の処理へ移行する。
【1727】
S2536の処理では、役物C動作タイマ223aeの値が「0」より大きいか否かを判別する。S2536の処理において、役物C動作タイマ223aeの値が「0」より大きい(「1」以上)と判別された場合は(S2536:Yes)、次に、役物C遅延タイマ223bbの値が「0」より大きいか否かを判別する(S2537)。
【1728】
S2537の処理において、役物C遅延タイマ223bbの値が「0」より大きい(「1」以上)と判別された場合は(S2537:Yes)、役物Cシナリオテーブル222ab3の動作種別に対応する動作内容を読み出して(S2538)、S2539の処理へ移行する。
【1729】
一方、S2536の処理において役物C動作タイマ223aeの値が「0」と判別された場合(S2536:No)、あるいは、S2537の処理において役物C遅延タイマ223bbの値が「0」と判別された場合は(S2537:No)、S2538の処理をスキップしてS2539の処理へ移行する。
【1730】
S2539の処理では,読み出した動作内容に基づいて動作コマンドを設定し(S2539)、本処理を終了する。
【1731】
以上、説明をしたように、本制御例では、枠ボタン22の操作に対して各役物(役物A720?役物C460)が駆動するタイミングを異ならせるため、全ての各役物(役物A720?役物C460)が同時に駆動している期間を短縮させることが可能となり、役物駆動演出中において枠ボタン22の操作に基づいて各役物(役物A720?役物C460)の何れかを駆動させやすくすることができ、役物駆動演出中における演出効果を高めることができる。
【1732】
また、本制御例では役物の駆動タイミングを遅らせている状態(例えば、役物C460の駆動タイミングを0.2秒遅延させている状態)中に、枠ボタン22が操作された場合は、遅延状態が解除され、その枠ボタン22の操作に基づいて対象の役物(役物C460)の駆動が開始されるよう設定している。これにより、枠ボタン22の操作に基づいて各役物(役物A720?役物C460)の何れかを駆動させやすくすることができ、役物駆動演出中における演出効果を高めることができる。
【1733】
さらに、本制御例では、役物A720(動作期間1秒)よりも動作期間が長い役物B740(動作期間2秒)、役物C460(動作期間3秒)に対して遅延処理が実行されるように構成している。つまり、同時に複数の役物が駆動される場合に、動作期間が長い役物に対して遅延処理が実行されるように構成している。これにより、遅延処理が実行されている間に、動作期間が短い役物の動作が実行されることとなるため、複数の役物が同時に動作する期間をより短縮させることができるという効果がある。
【1734】
なお、本制御例では、遅延期間中に枠ボタン22が操作(押下)されると、その遅延期間の経過を待たずに遅延処理が実行されている役物の動作が開始される構成を用いているが、遅延期間中に枠ボタン22が操作(押下)されたとしても、遅延期間が経過するまでは役物Bの動作が開始されないように構成してもよい。
【1735】
この場合、遅延期間中の枠ボタン22の操作(押下)に基づいて役物を駆動させることは出来ないが、遅延期間経過後に役物が動作を開始するため、遊技者に対して、遅延期間中の枠ボタン22の操作(押下)に基づいて役物の動作が実行された(開始された)と思わせることができる。
【1736】
さらに、本制御例では複数の役物(役物B740および役物C460)に対して、遅延処理を実行可能にしながらも、1回の枠ボタン操作により複数の役物に対して同時に遅延処理が実行されることがないよう構成しているため、複数の役物(役物B740および役物C460)に対して同時に遅延処理が実行されることを抑制することができる。これにより、複数の役物に対して同時に遅延処理が実行されてしまい、複数の役物が同時に動作する期間が短縮されないという事態が発生することを抑制することができる。
【1737】
また、本制御例では、遅延処理において設定される遅延期間を役物毎に異ならせているため、複数の役物が同時に動作する期間が短縮されないという事態が発生することをより抑制することができる。
【1738】
なお、本制御例では遅延処理において遅延される期間を短期間(0.1秒または0.2秒)としているが、遅延期間の長さはこれに限定されるものではなく、例えば、他の役物が動作する動作期間よりも長い遅延期間を設定してもよい。このようにすることで、複数の役物が同時に動作することをより抑制することができる。
【1739】
また、本制御例では遅延処理において遅延される期間が、役物毎に1種類しか規定されていないが、遅延期間を各役物に対して複数種類設定可能に構成してもよい。この場合、同時に実行される役物を判別し、その判別結果に基づいて遅延期間を選択するとよい。このように構成することで、複数の役物が同時に動作する期間をより短縮させることができるという効果がある。
【1740】
さらに、本制御例では、一連の役物駆動演出において遅延処理を実行するために、その役物駆動演出中における枠ボタン22の操作に基づいて遅延条件が成立(無効フラグ223afをオンに設定)する構成を用いているが、それ以外にも、例えば、一連の役物駆動演出が実行されるよりも前の期間における枠ボタン22の操作状況(操作回数や操作間隔等)に基づいて、役物動作を予め遅延させる構成を用いてもよい。
【1741】
このように構成することで、一連の役物駆動演出における1回目の役物動作において遅延パターンを設定することが可能となり、一連の役物駆動演出において、枠ボタン22への操作に対応した役物動作が実行される回数を増加させやすくすることができる。
【1742】
<第12制御例>
次に、図206から図210を参照して、第12制御例におけるパチンコ機10について説明する。本第12制御例では、上述した第10制御例に対して、役物駆動演出において動作中の役物への動作コマンドを途中で変更させる制御を追加した点で相違する。
【1743】
具体的には、上述した第10制御例では、役物駆動演出中において枠ボタン22が操作(押下)された場合に、所定の駆動パターン(通常駆動パターンまたは短縮駆動パターン)を設定し、設定された駆動パターンに基づいて各役物(役物A720?役物C460)を動作させる構成であった。
【1744】
これに対し、本第12制御例では、枠ボタン22が操作(押下)された場合に、動作中の各役物(役物A720?役物C460)の動作状況を判別し、動作中の役物(役物A720または役物B740)が所定条件を満たしていた場合(正方向に駆動している状態と判別された場合)に、その役物を、現在の位置から待機位置に向けて(負方向に向けて)動作させる(以下、反復動作と称する)動作コマンドを設定するように構成した。
【1745】
このように、動作中の役物(役物A720または役物B740)に対して、動作コマンドを途中で変更し、反復動作を実行することにより、1回の役物動作の動作期間を短縮させることが可能となり、役物駆動演出中において枠ボタン22の操作に基づいて各役物(役物A720?役物C460)の何れかを動作させやすくすることができ、役物駆動演出中における演出効果を高めることができる。
【1746】
また、正方向に駆動している動作状態と判別された場合にのみ反復動作を実行するように構成しているため、動作コマンドを途中で変更させた役物の動作期間を確実に短縮させることができる。
【1747】
次に、図206を参照して、本制御例の役物駆動演出における反復動作について説明をする。図206(a)は、本制御例における役物駆動演出において動作される役物A720の動作(駆動)範囲(最大駆動域)および反復動作の可能範囲(反復可能域)を模式的に示した模式図であり、図206(b)は、役物駆動演出中に枠ボタン22が操作(押下)され、役物A720が正方向に動作(往動作)している状態を模式的に示した模式図であり、図206(c)は、役物A720が正方向に動作している状態において枠ボタン22が操作(押下)され、役物A720が負方向に動作(復動作)する反復動作が実行された役物A720を模式的に示した模式図である。
【1748】
図206(a)に示す通り退避位置(待機位置)に位置する役物A720は、上述した第10制御例と同様に、第3図柄表示装置81の表示領域Pの周辺に配置される。なお、説明の便宜上、図206(a)では役物B740および役物C460を示していないが、実際は上述した第10制御例(図182(a)参照)と同一の箇所に役物B740および役物C460が設けられている。
【1749】
本制御例の役物A720は、上述した第10制御例の動作種別「通常」に規定されている動作コマンドと同一の動作コマンドで駆動されるよう設定(動作期間が1秒(往動作0.5秒、復動作0.5秒))されており、図206(a)に示す通り、役物A720の左スライド部材720aと右スライド部材720bとが第3図柄表示装置81の略中央付近まで張り出されるよう構成されている(最大駆動域)。
【1750】
退避位置(待機位置)に位置する役物A720は、図206(a)に示す通り、役物A720の左スライド部材720aおよび右スライド部材720bが役物A用モータ771,772の駆動によりそれぞれが第3図柄表示装置81の略中央方向に向けて移動を開始する(正方向に駆動する)。図206(b)は、役物A720が正方向への駆動を開始し0.25秒経過した状態を示している。この図206(b)に示す状態において、通常の動作コマンドに基づいて実行される場合には、残りの往動作を0.25秒実行した後、0.5秒の復動作が実行される。
【1751】
この図206(b)に示す状態で、枠ボタン22が操作(押下)された場合には、図206(c)に示すように、枠ボタン22が操作されたタイミング(往動作が0.25秒実行されたタイミング)で、復動作(動作期間0.25秒)が実行されることになる(反復動作が実行されることになる)。
【1752】
これにより、通常であれば動作期間が1秒(往動作0.5秒、復動作0.5秒)である役物A720の動作を、動作期間が0.5秒(往動作0.25秒、復動作0.25秒)の動作(反復動作)に可変させることができ、役物駆動演出中において枠ボタン22の操作に基づいて各役物(役物A720?役物C460)の何れかを動作させやすくすることができ、役物駆動演出中における演出効果を高めることができる。
【1753】
なお、図206では、往動作が実行され0.25秒経過時に枠ボタン22が操作(押下)された場合における反復動作の例を示したものであるが、本制御例では役物が往動作(正方向の動作)している期間に枠ボタン22が操作(押下)されると反復動作が実行されるよう構成されている。よって、例えば往動作が0.1秒実行されたタイミングで枠ボタン22を操作(押下)した場合には、復動作が0.1秒実行されることになり、役物A720の動作期間を0.2秒に可変することができる。
【1754】
また、図206では役物A720を用いて本制御例の反復動作を説明しているが、役物B740も同様に反復動作が実行可能に構成されており、役物B740の動作期間(2秒)のうち往動作(1秒)が実行されている期間中(例えば、往動作が0.5秒実行されているタイミング)枠ボタン22が操作された場合は、その後0.5秒の復動作が実行される。これにより、通常であれば動作期間(2秒)の役物動作を動作期間(1秒)に可変することができる。
【1755】
以上、説明をしたように、本第12制御例では、枠ボタン22への操作に基づいて動作する役物の動作中に枠ボタン22が操作されることで、動作中の役物の動作内容(動作期間)を可変させることができる。よって、枠ボタン22の操作に基づく役物動作回数を増加させることができる。
【1756】
本制御例では、枠ボタン22への操作に基づいて動作する役物が駆動している状態において枠ボタン22が操作されることで、駆動中の役物の動作期間を短縮させるように構成している。これにより、役物が退避位置(待機位置)に位置しやすくなるため、枠ボタン22の操作に基づく役物動作回数を増加させることができる。
【1757】
さらに、本制御例では、役物が正方向に(退避位置から張出位置に向けて)移動している状態であるか否かを判別し、正方向に移動している状態であると判別された場合に、役物が負方向に(退避位置に向けて)移動させるように役物の動作内容を変更しているため、役物の動作期間を確実に短縮させることができる。
【1758】
なお、本制御例では、役物が動作している状態で枠ボタン22が操作された場合に、動作期間を短縮させる動作(反復動作)を実行するように構成しているが、これ以外の構成を用いてもよく、例えば、枠ボタン22が操作(押下)されることで動作中の役物の動きを一旦停止し(各役物動作タイマのカウントを停止し)、次に枠ボタン22が操作された場合に役物の動作を再開する(役物動作タイマのカウントを再開する)ように構成してもよい。このように構成することで、枠ボタン22の操作に基づいて動作中の役物の動作態様を可変させることが可能となり、枠ボタン22の操作に基づく役物動作回数を増加させることができる。また、動作中の役物の動きを一旦停止させる代わりに、戻り方向(負の方向)へ所定量(例えば、10ms)戻す動作を実行させるようにしてもよい。
【1759】
次に、図207を参照して、本制御例における役物駆動演出である「ボタン連打演出」における枠ボタン22の操作と各役物(役物A720?役物C460)の動作の流れについて説明をする。この図207は、本制御例における役物駆動演出の流れを示すタイミングチャートである。なお、上述した第10制御例の図185と同一の内容については、その詳細な説明を省略する。
【1760】
図207に示す通り、「ボタン連打演出」に枠ボタン22が操作(押下)されると、上述した第10制御例と同様に各役物(役物A720?役物C460)が動作を開始する(図207の地点aおよび地点b参照)。次に、本制御例における反復動作の流れについて図207の地点c?地点gを参照して説明をする。
【1761】
図207の地点cにおいて枠ボタン22が操作(押下)されると、停止状態(待機状態)に位置する役物B740の動作が実行される(動作期間2秒)。そして、地点cから0.8秒後に枠ボタン22が操作(押下)されると、役物A720の動作が開始される(図207の地点d)。この地点dは、役物B740が動作を開始してから0.8秒後であり、役物B740が正方向に動作をしている期間であるため、反復動作が実行され、負方向に0.8秒移動する動作コマンドが設定される。
【1762】
そして、地点dから0.25秒後に枠ボタン22が操作(押下)されると、役物A720に対して反復動作が実行され、負方向に0.25秒移動する動作コマンドが設定される。なお、地点dにおいては、役物B740は負方向に動作をしているため、枠ボタン22の操作(動作)に基づいて動作内容が可変することはない。
【1763】
そして、地点eから0.25秒後に反復動作が実行された役物A720が動作を完了し(図207の地点f)、地点dから0.8秒後に、反復動作が実行された役物B740が動作を完了する(図207の地点g)。
【1764】
さらに、役物A720および役物B740の両方が動作を実行可能なタイミング(図207の地点h)で枠ボタン22が操作(押下)された後、0.6秒後に枠ボタン22が操作(押下)されると、役物A720は、動作期間(1秒)の半分を経過した状態(負方向へ移動している状態)であるため、反復動作が実行されず、役物B740は、動作期間(2秒)の半分を経過していない状態(正方向へ移動している状態)であるため、反復動作(合計の動作期間が1.2秒となる反復動作)が実行される(地点i)。そして、地点iから0.6秒後に役物B740の反復動作が完了する。
【1765】
<第12制御例における制御処理について>
次に、図208から図210を参照して本第12制御例における制御処理について説明をする。本第12制御例における制御処理は、第10制御例に対して、連打ボタン処理(図192参照)に代えて連打ボタン処理3(図208参照)を実行する点で相違し、その他の処理については、第10制御例と同じであり、その詳細な説明は省略する。
【1766】
図208を参照して、連打ボタン処理3(S1851)について説明をする。図208は、連打ボタン処理3(S1851)の内容を示すフローチャートである。連打ボタン処理3(S1851)が実行されると、上述した第10制御例の連打ボタン処理(図192参照)と同様にS1901?S1908の処理を実行し、その後、役物A動作設定処理3を実行し(図209のS1909参照)、役物B動作設定処理3を実行し(図210のS1910参照)、役物C動作設定処理3を実行し(図211のS1911参照)、本処理を終了する。
【1767】
次に、図209を参照して、役物A動作設定処理3(S1909)について説明をする。図209は役物A動作設定処理3(S1909)の内容を示すフローチャートである。役物A動作設定処理3(S1909)が実行されると、まず、役物A動作タイマ223acの値が「0」であるかを判別する(S3721)。役物A動作タイマ223acの値が「0」であると判別された場合、つまり、役物A720が動作していない状態で枠ボタン22が操作(押下)された場合は(S3721:Yes)、次に、役物A動作タイマ223acの値に「1000」を設定し(S3723)、本処理を終了する。
【1768】
一方、S3721の処理において、役物A動作タイマ223acの値が「0」ではない(「1」以上)と判別された場合、つまり、役物A720が動作している状態で枠ボタン22が操作(押下)された場合は(S3721:No)、役物A動作タイマ223acの値が「500」より大きいかが判別され(S3724)、役物A動作タイマ223acの値が「500」以下であると判別された場合は(S3724:No)、本処理を終了する。
【1769】
一方、役物A動作タイマ223acの値が「500」より大きいと判別された場合は(S3724:Yes)、「1000」より役物A動作タイマ223acを減算した値を役物A動作タイマ223acの値に設定し(S3726)、本処理を終了する。
【1770】
つまり、役物A動作設定処理3(S1909)によれば、役物A動作タイマ223acの値が設定値(「1000」)の半分(「500」)に到達していない場合、即ち、役物Aが正方向(待機位置から離れていく方向)に動作中であると判別した場合に、役物A動作タイマ223acの設定値(「1000」)から現在の役物A動作タイマ223acの値を差し引いた値(即ち、既に正方向に動作した動作量に対応した負方向への動作を行う値)を役物A動作タイマ223acに設定することで、役物Aシナリオテーブル222ab1を用いて反復動作を実行することができる。
【1771】
なお、本制御例のように、役物を動作させる動作シナリオテーブルを変えることなく、動作シナリオテーブルを進行させるタイマ(カウンタ)の値を変更することで動作期間を可変させる制御を実行する場合には、役物の実際の動作位置を検出するための位置検出センサを設けるとよい。
【1772】
次に、図210(a)を参照して、役物B動作設定処理3(S1910)について説明をする。図210(a)は、役物B動作設定処理3(S1910)の内容を示すフローチャートである。役物B動作設定処理3(S1910)が実行されると、まず、役物B動作タイマ223adの値が「0」であるかが判別される(S3821)。役物B動作タイマ223adの値が「0」であると判別された場合、つまり、役物B740が動作していない状態で枠ボタン22が操作(押下)された場合は(S3821:Yes)、役物B動作タイマ223adの値に「2000」を設定し(S3823)、本処理を終了する。
【1773】
一方、S3821の処理において、役物B動作タイマ223adの値が「0」ではないと判別された場合、つまり、役物B740が動作している状態で枠ボタン22が操作(押下)された場合は(S3821:No)、役物B動作タイマ223adの値が「1000」より大きいかが判別され(S3824)、役物B動作タイマ223adの値が「1000」未満であると判別された場合は(S3824:No)、本処理を終了する。一方、役物B動作タイマ223adの値が「1000」より大きいと判別された場合は(S3824:Yes)、「2000」より役物B動作タイマ223adを減算した値を役物B動作タイマ223adの値に設定し(S3826)、本処理を終了する。
【1774】
次に、図210(b)を参照して、役物C動作設定処理3(S1911)について説明をする。図210(b)は、役物C動作設定処理3(S1911)の内容を示すフローチャートである。第12制御例では、第10制御例の役物C動作設定処理(図195参照)が役物C動作設定処理3(図210参照)に変更されている点、役物C動作タイマ223aeの値に「500」を設定している点(S3922)で相違し、その他の処理については、第10制御例と同じであり、その詳細な説明は省略する。
【1775】
以上、説明をしたように、本第12制御例では、枠ボタン22への操作に基づいて動作する役物の動作中に枠ボタン22が操作されることで、動作中の役物の動作内容(動作期間)を可変させることができる。よって、枠ボタン22の操作に基づく役物動作回数を増加させることができる。
【1776】
本制御例では、枠ボタン22への操作に基づいて動作する役物が駆動している状態において枠ボタン22が操作されることで、駆動中の役物の動作期間を短縮させるように構成している。これにより、役物が退避位置(待機位置)に位置しやすくなるため、枠ボタン22の操作に基づく役物動作回数を増加させることができる。
【1777】
さらに、本制御例では、役物が正方向に(退避位置から張出位置に向けて)移動している状態であるか否かを判別し、正方向に移動している状態であると判別された場合に、役物が負方向に(退避位置に向けて)移動させるように役物の動作内容を変更しているため、役物の動作期間を確実に短縮させることができる。
【1778】
なお、本制御例では、役物が動作している状態で枠ボタン22が操作された場合に、動作期間を短縮させる動作(反復動作)を実行するように構成しているが、これ以外の構成を用いてもよく、例えば、枠ボタン22が操作(押下)されることで動作中の役物の動きを一旦停止し(各役物動作タイマのカウントを停止し)、次に枠ボタン22が操作された場合に役物の動作を再開する(役物動作タイマのカウントを再開する)ように構成してもよい。このように構成することで、枠ボタン22の操作に基づいて動作中の役物の動作態様を可変させることが可能となり、枠ボタン22の操作に基づく役物動作回数を増加させることができる。
【1779】
<第13制御例>
次に、図211から図216を参照して、第13制御例におけるパチンコ機10について説明する。本第13制御例では、上述した第10制御例に対して、役物駆動演出において枠ボタン22の操作に基づいて動作する各役物(役物A720?役物C460)を特定のタイミングで全て退避位置(待機位置)に位置させる制御を追加した点で相違する。
【1780】
上述した第10制御例の構成では、役物駆動演出中に枠ボタン22が操作されると、動作可能な役物(退避位置(待機位置)に位置する役物)を動作させる制御が枠ボタン22の操作を有効に判別する期間(有効期間)の間実行される。ここで、例えば、上述した役物駆動演出の終盤に、大当たりの期待度を報知する役物演出として各役物(役物A720?役物C460)を一斉に動作させる演出を設定しようとする場合には、それぞれ異なるタイミングで且つ異なる動作期間で動作される各役物(役物A720?役物C460)の動作が確実に終了するまでの期間(第10制御例の場合、役物C460の動作期間である3秒間)を、枠ボタン22の操作を有効に判別しない期間(無効期間)と設定する必要があった。
【1781】
このように各役物(役物A720?役物C460)に対して、同一の無効期間を設定してしまうと、遊技者に対して役物駆動演出が終了したと誤認させてしまう虞があり、役物駆動演出全体の演出効果が低下してしまうという問題があった。
【1782】
これに対して、本第13制御例では、動作期間の異なる各役物(役物A720?役物C460)に対して枠ボタン22の操作を無効に判別する無効期間をそれぞれ設定可能にし、その設定される無効期間を各役物(役物A720?役物C460)の動作期間に対応して設定するように構成した。
【1783】
このように、各役物(役物A720?役物C460)に対して、動作期間に対応する無効期間を設定することで、つまり、1回の枠ボタン22の操作に基づいて駆動される各役物(役物A720?役物C460)に対して異なる無効期間を設定することで、役物駆動演出中に設定される無効期間(全ての役物に対して設定される無効期間)を短縮させることができ、役物駆動演出全体の演出効果を高めることができるという効果がある。
【1784】
次に図211を参照して、本制御例の役物駆動演出における各役物(役物A720?役物C460)の動作態様について説明をする。図211(a)は役物駆動演出の序盤に設定される枠ボタン22の操作に基づいて各役物(役物A720?役物C460)をそれぞれ駆動させる期間(以下、自由動作期間と称す)における各役物(役物A720?役物C460)の動作の一例として後述する図212の地点cを示す模式図であり、図211(b)は、役物駆動演出終盤では、各役物(役物A720?役物C460)を意図的に退避位置(待機位置)に位置させた状態で一斉に各役物(役物A720?役物C460)が動作させる一斉動作を模式的に示す模式図である。
【1785】
図211(a)に示す通り、自由動作期間中は、各役物(役物A720?役物C460)が異なるタイミングで動作されるため、後述する図212の地点cでは、役物A720(左スライド部材720aおよび右スライド部材720b)が負方向に移動しており(動作開始から約0.8秒経過している状態)、役物B740(上スライド部材740aおよび下スライド部材740b)が負方向に移動しており(動作開始から約1.1秒経過している状態)、役物C460が動作を開始していない状態である。
【1786】
このように自由動作期間中は、枠ボタン22の操作タイミングによって、各役物(役物A720?役物C460)が異なるタイミングで動作を開始し、さらに、各役物(役物A720?役物C460)が異なる動作期間で動作を実行するため、各役物(役物A720?役物C460)が同一のタイミングで動作を終了することが殆ど無い。
【1787】
このように構成することで、自由動作期間中は遊技者の枠ボタン操作に対応して様々な役物動作演出を実行することができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制している。
【1788】
図211(b)は、役物駆動演出の終盤に設定される一斉動作を示すものである。この一斉動作は全ての役物が同一のタイミングで動作を実行するものであり、パチンコ機10に設けられた複数の役物(役物A720?役物C460)を同時に動作させることで遊技者にインパクトを与える演出である。
【1789】
このような自由動作期間と一斉動作が実行される期間とを有する役物駆動演出は、例えば、第3図柄表示装置81において、特別図柄が大当たりに当選しているか否かを示唆する表示演出が実行されている期間中であって、第3図柄がリーチ状態(例えば、3つの第3図柄のうち、2つの第3図柄が同じ図柄で停止し、残る1つの第3図柄が変動している状態)となった場合に、役物駆動演出として自由動作期間が設定され、第3図柄表示装置81において、リーチ状態で変動中している1の第3図柄が停止するタイミング付近で一斉動作が設定されるように構成するとよい。
【1790】
これにより、リーチ状態中の煽りとして自由動作期間による多様な役物動作を実行し、特別図柄の当否判定結果を示すタイミングにおいて一斉動作を実行することが可能となるため、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
【1791】
以上、説明をしたように、本制御例によれば、役物駆動演出序盤において自由動作期間を実行し、役物駆動演出終盤では一斉動作を実行可能にしている。また、自由動作期間から一斉動作期間に移行する際には、各役物(役物A720?役物C460)の動作期間に対応した期間の無効期間を設定しているため、枠ボタン22の操作に基づいて各役物(役物A720?役物C460)の全てが動作不可能な期間を短縮することができる。
【1792】
なお、本制御例では、各役物(役物A720?役物C460)の動作期間を一定としているが、上述した第10制御例のように役物の動作期間を短縮する制御を用いても良いし、上述した第11制御例のように役物の動作タイミングを遅延させる制御を用いても良いし、上述した第12制御例のように動作中の役物の動作内容を可変させる制御を用いても良い。また、上述した各制御例にて用いた制御を組み合わせてもよい。これにより、役物駆動演出の序盤に実行される自由駆動動作を多様化することができる。
【1793】
さらに、本制御例では、役物駆動演出終盤に実行される一斉動作を遊技者の枠ボタン操作に基づいて実行するように構成しているが、役物駆動演出の所定期間(例えば、演出の残期間が1秒)が経過した場合に自動的に一斉動作が実行されるようにしてもよい。
【1794】
また、本制御例では一斉動作として各役物(役物A720?役物C460)の動作タイミングを同一にしているが、例えば、各役物(役物A720?役物C460)の動作範囲が最大となるタイミング(役物が待機位置から最も離れるタイミング)が同一となるように設定してもよい。
【1795】
次に、図212を参照して、本制御例における役物駆動演出である「ボタン連打演出」における枠ボタン22の操作と各役物(役物A720?役物C460)の動作の流れについて説明をする。この図212は、本制御例における役物駆動演出の流れを示すタイミングチャートである。なお、上述した第10制御例のタイミングチャート(図185参照)と同一の要素についてはその詳細な説明を省略する。
【1796】
図212に示す通り、本制御例における「ボタン連打演出」は、有効期間の序盤に枠ボタン22の操作に基づいて各役物(役物A720?役物C460)をそれぞれ駆動させる自由動作期間を設定し、有効期間の終盤に各役物(役物A720?役物C460)を一斉に動作させる一斉動作期間を設定している。
【1797】
そして、自由動作期間が終了するタイミング(図212の地点h)において、自由動作されていた各役物(役物A720?役物C460)を退避位置(停止状態)に位置させるために各役物(役物A720?役物C460)に対してそれぞれ無効時間が設定されている。具体的には、動作期間が3秒の役物C460に対しては、動作期間と同一の3秒間の無効期間が設定され(図212の地点dから地点hの期間)、動作期間が2秒の役物B740に対しては、動作期間と同一の2秒間の無効期間が設定され(図212の地点fから地点hの期間)、動作期間が1秒の役物A720に対しては、動作期間と同一の1秒間の無効期間が設定される。
【1798】
このように、地点hにおいて各役物(役物A720?役物C460)を退避位置(待機位置)に位置させるために各役物(役物A720?役物C460)に対して異なる無効期間を設定することで、枠ボタン22の操作に対して各役物(役物A720?役物C460)の全てが駆動しない無効期間の長さを動作期間の最も長い役物C460の動作期間(3秒間)ではなく、動作期間の最も短い役物A720の動作期間(1秒)とすることができる。
【1799】
よって、役物C460に対して無効期間が設定されているタイミング(図212の地点e)において枠ボタン22が操作された場合に、役物A720および役物B740を駆動させることができ、「ボタン連打演出」の演出効果を高めることができる。
【1800】
そして、各役物(役物A720?役物C460)が退避位置(待機位置)に位置する一斉動作期間(図212の地点h?地点j)中に枠ボタン22が操作されることで、各役物(役物A720?役物C460)を一斉に動作させることができる(図212の地点j)。
【1801】
なお、本制御例では、一斉動作期間が開始されるタイミング(図212の地点h)において、各役物(役物A720?役物C460)を退避位置(待機位置)に位置させる制御のみ用いているが、例えば、自由動作期間の最後に駆動する各役物(役物A720?役物C460)の終了タイミングが近くなる(同一になる)ように各役物(役物A720?役物C460)の動作期間および動作開始タイミングを制御するように構成してもよく、枠ボタン22をが操作されたタイミングから一斉動作期間が開始されるまでの期間や、無効時間が設定されるまでの期間を判別し、その判別結果に基づいて、各役物(役物A720?役物C460)の動作内容を決定してもよい。
【1802】
例えば、一斉動作期間が開始されるタイミング(図212の地点)よりも前に所定のタイミング(例えば、図212の地点dと地点hとの間のタイミング)として一括停止タイミングを設定し、枠ボタン22が操作された場合に実行される役物駆動の駆動期間と、一斉動作期間が開始されるまでの残期間または無効時間が設定されるまでの残期間とを比較し、通常の動作内容(動作期間)が、上述した一括停止タイミングとは離れた箇所にて停止表示される場合には、その役物の駆動開始時間をずらしたり、その役物の駆動内容を可変(延長、短縮)させることで、一括停止タイミングに合わせる方向に各役物(役物A720?役物C460)の動作内容を選択することが可能となる。
【1803】
<第13制御例における制御処理について>
次に、図213から図216を参照して本第13制御例における制御処理について説明をする。本第13制御例における制御処理は、第10制御例に対して、音声ランプ制御装置113の内容が変更されている。その他の処理については、第10制御例と同じであり、その詳細な説明は省略する。
【1804】
本第13制御例では、第10制御例の連打ボタン処理(図192参照)が連打ボタン処理4(図213参照)に変更されている点で相違する。
【1805】
まず、図213を参照して第13制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理について説明する。図213は、本第13制御例における連打ボタン処理4(S1851)の内容を示したフローチャートである。なお、第10制御例における連打ボタン処理(図192参照)と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【1806】
連打ボタン処理4(図213のS1851)が実行されると、上述した第10制御例の連打ボタン処理(図192参照)と同様にS1901?S1908の処理を実行し、S1908の処理において、枠ボタン22がオンであると判別された場合(S1908:Yes)、役物A動作設定処理4(S1909)、役物B動作設定処理4(S1910)、役物C動作設定処理4(S1911)を実行し、本処理を終了する。なお、役物A動作設定処理4(S1909)、役物B動作設定処理4(S1910)、及び役物C動作設定処理4(S1911)の詳細な説明については、図214?216をそれぞれ参照して後述する。
【1807】
次に、図214を参照して、本制御例における役物A動作設定処理4(S1909)について説明をする。図214は、役物A動作設定処理4(S1909)の内容を示すフローチャートである。役物A動作設定処理4(S1909)が実行されると、まず、連打有効タイマ223abの値が「1000」以下か否か、つまり、一斉動作期間(図212参照)であるか否かを判別する(S3731)。連打有効タイマ223abの値が「1000」以下ではない(「1000」より大きい)と判別された場合、つまり一斉動作期間では無いと判別された場合は(S3731:No)、次いで、連打有効タイマ223abの値が「2000」以下か否か、つまり、無効時間中(図212参照)か否かを判別する(S3732)。連打有効タイマの値が「2000」以下であれば(S3732:Yes)、そのまま本処理を終了し、連打ボタン処理4(図213参照)へ戻る。
【1808】
一方、S3732の処理において、連打有効タイマ223abの値が「2000」以下ではないと判別した場合は(S3732:No)、S3733の処理へ移行する。また、S3731の処理において、連打有効タイマ223abの値が「1000」以下であると判別した場合も、(S3731:Yes)、S3733の処理へ移行する。
【1809】
S3733の処理では、役物A動作タイマ223acの値が「0」であるか否かを判別する(S3733)。役物A動作タイマ223acの値が「0」ではない、つまり、役物A720が動作している状態で枠ボタン22が操作(押下)された場合は(S3733:No)、そのまま本処理を終了する。一方、役物A動作タイマ223acの値が「0」である、つまり、役物A720が動作していない状態で枠ボタン22が操作(押下)された場合は(S3733:Yes)、役物A動作タイマ223acの値に「1000」を設定し(S3734)、その後、本処理を終了して連打ボタン処理4へ戻る。
【1810】
次に、図215を参照して、本制御例における役物B動作設定処理4(S1910)について説明をする。図215は、役物B動作設定処理4(S1910)の内容を示すフローチャートである。なお、第10制御例における役物B動作設定処理(図195(a)参照)と同一部分については、同一の符号を付しその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【1811】
役物B動作設定処理4(S1910)が実行されると、まず、連打有効タイマ223abの値が「1000」以下か否か、つまり、一斉動作期間(図212参照)であるか否かを判別する(S3831)。連打有効タイマ223abの値が「1000」以下ではないと判別した場合、つまり一斉動作期間では無いと判別された場合は(S3831:No)、次いで、連打有効タイマ223abの値が「3000」以下か否か、つまり、無効時間中(図212参照)か否かを判別する(S3832)。連打有効タイマの値が「3000」以下であれば(S3832:Yes)、そのまま本処理を終了し、連打ボタン処理4(図213参照)へ戻る。
【1812】
一方、S3832の処理において、連打有効タイマ223abの値が「3000」以下ではないと判別した場合は(S3832:No)、S3833の処理へ移行する。また、S3831の処理において、連打有効タイマ223abの値が「1000」以下であると判別された場合も、(S3831:Yes)、S3833の処理へ移行する。
【1813】
S3833の処理では、役物B動作タイマ223adの値が「0」であるか否かを判別する(S3833)。役物B動作タイマ223adの値が「0」ではない、つまり、役物B740が動作している状態で枠ボタン22が操作(押下)された場合は(S3833:No)、そのまま本処理を終了する。一方、役物B動作タイマ223adの値が「0」である、つまり、役物B740が動作していない状態で枠ボタン22が操作(押下)された場合は(S3833:Yes)、役物B動作タイマ223adの値に「2000」を設定し(S3834)、その後、本処理を終了して連打ボタン処理4へ戻る。
【1814】
次に、図216を参照して、本制御例における役物C動作設定処理4(S1911)について説明をする。図216は、役物C動作設定処理4(S1911)の内容を示すフローチャートである。なお、第10制御例における役物C動作設定処理(図195(b)参照)と同一部分については、同一の符号を付しその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【1815】
役物C動作設定処理4(S1911)が実行されると、まず、連打有効タイマ223abの値が「1000」以下か否か、つまり、一斉動作期間(図212参照)であるか否かを判別する(S3931)。連打有効タイマ223abの値が「1000」以下でないと判別した場合、つまり、一斉動作期間では無いと判別された場合は(S3931:No)、次いで、連打有効タイマ223abの値が「4000」以下か否か、つまり、無効時間中(図212参照)か否かを判別する(S3932)。連打有効タイマの値が「4000」以下であれば(S3932:Yes)、そのまま本処理を終了し、連打ボタン処理4(図213参照)へ戻る。
【1816】
一方、S3932の処理において、連打有効タイマ223abの値が「4000」以下ではないと判別した場合は(S3932:No)、S3933の処理へ移行する。また、S3931の処理において、連打有効タイマ223abの値が「1000」以下であると判別された場合も、(S3931:Yes)、S3933の処理へ移行する。
【1817】
S3933の処理では、役物C動作タイマ223aeの値が「0」であるか否かを判別する(S3933)。役物C動作タイマ223aeの値が「0」ではない、つまり、役物C460が動作している状態で枠ボタン22が操作(押下)された場合は(S3933:No)、そのまま本処理を終了する。一方、役物C動作タイマ223aeの値が「0」である、つまり、役物C460が動作していない状態で枠ボタン22が操作(押下)された場合は(S3933:Yes)、役物C動作タイマ223aeの値に「3000」を設定し(S3934)、その後、本処理を終了して連打ボタン処理4へ戻る。
【1818】
以上、説明をしたように、本第13制御例によれば各役物(役物A720?役物C460)に対して、動作期間に対応する無効期間を設定することで、つまり、1回の枠ボタン22の操作に基づいて動作される各役物(役物A720?役物C460)に対して異なる無効期間を設定することで、役物駆動演出中に設定される無効期間(全ての役物に対して設定される無効期間)を短縮させることができ、役物駆動演出全体の演出効果を高めることができるという効果がある。
【1819】
また、本制御例によれば、役物駆動演出序盤において自由動作期間を実行し、役物駆動演出終盤では一斉動作を実行可能にしている。また、自由動作期間から一斉動作期間に移行する際には、各役物(役物A720?役物C460)の動作期間に対応した期間の無効期間を設定しているため、枠ボタン22の操作に基づいて各役物(役物A720?役物C460)の全てが駆動不可能な期間を短縮することができる。
【1820】
なお、本制御例では、各役物(役物A720?役物C460)の動作期間を一定としているが、上述した第10制御例のように役物の動作期間を短縮する制御を用いても良いし、上述した第11制御例のように役物の動作タイミングを遅延させる制御を用いても良いし、上述した第12制御例のように動作中の役物の動作内容を可変させる制御を用いても良い。また、上述した各制御例にて用いた制御を組み合わせてもよい。これにより、役物駆動演出の序盤に実行される自由駆動動作を多様化することができる。
【1821】
さらに、本制御例では、役物駆動演出終盤に実行される一斉動作を遊技者の枠ボタン操作に基づいて実行するように構成しているが、役物駆動演出の所定期間(例えば、演出の残期間が1秒)が経過した場合に自動的に一斉動作が実行されるようにしてもよい。
【1822】
また、本制御例では一斉動作として各役物(役物A720?役物C460)の動作タイミングを同一にしているが、例えば、各役物(役物A720?役物C460)の動作範囲が最大となるタイミング(役物が待機位置から最も離れるタイミング)が同一となるように設定してもよい。
【1823】
なお、本制御例では、一斉動作期間が開始されるタイミング(図212の地点h)において、各役物(役物A720?役物C460)を退避位置(待機位置)に位置させる制御のみ用いているが、例えば、自由動作期間の最後に駆動する各役物(役物A720?役物C460)の終了タイミングが近くなる(同一になる)ように各役物(役物A720?役物C460)の動作期間および動作開始タイミングを制御するように構成してもよく、枠ボタン22が操作されたタイミングから一斉動作期間が開始されるまでの期間や、無効時間が設定されるまでの期間を判別し、その判別結果に基づいて、各役物(役物A720?役物C460)の動作内容を決定してもよい。
【1824】
例えば、一斉動作期間が開始されるタイミング(図212の地点)よりも前に所定のタイミング(例えば、図212の地点dと地点hとの間のタイミング)として一括停止タイミングを設定し、枠ボタン22が操作された場合に実行される役物駆動の駆動期間と、一斉動作期間が開始されるまでの残期間または無効時間が設定されるまでの残期間とを比較し、通常の動作内容(動作期間)が、上述した一括停止タイミングとは離れた箇所にて停止表示される場合には、その役物の駆動開始時間をずらしたり、その役物の駆動内容を可変(延長、短縮)させることで、一括停止タイミングに合わせる方向に各役物(役物A720?役物C460)の動作内容を選択することが可能となる。
【1825】
<第14制御例>
次に、図217から図225を参照して、第14制御例におけるパチンコ機10について説明する。本第14制御例では、上述した第10制御例に対して、役物A用モータ771,772を構成するモータドライバMD1(図219参照)からステッピングモータM1(図219参照)に対して出力する出力信号を複数設けた点と、役物駆動演出において枠ボタン22の操作間隔に基づいて役物A720の動作内容を異ならせる制御を追加した点で相違する。
【1826】
上述した第10制御例は、役物駆動演出中における枠ボタン22の操作内容に基づいて各役物(役物A720?役物C460)に対する動作コマンドを設定し、その動作コマンドに対応した役物動作を実行させることで、枠ボタン22の操作に基づく役物駆動演出の演出効果を高めるものであった。
【1827】
しかし、設定された動作コマンドに基づいて駆動するステッピングモータ(例えばM1)の回転速度が常に一定であり(例えば、図188参照)、役物の動作速度が一定になってしまうため、更なる演出効果の向上が求められていた。
【1828】
これに対して、本第14制御例では、モータドライバMD1からステッピングモータM1へ出力する出力信号として、ステッピングモータM1を高速(200pps)で回転させる強出力信号と、ステッピングモータM1を高速(200pps)よりも低速(100pps)で回転させる弱出力信号とを出力可能に構成した。
【1829】
これにより、役物A720を動作させる際にモータドライバMD1から出力される出力信号によって、役物A720の動作速度を可変させることができる。つまり、モータドライバMD1から出力される信号が強出力信号の場合は、弱出力信号の場合に比べて、同一期間での移動量を倍にすることが可能となる。言い換えれば、同一距離を移動するために要する期間を半分にすることができる。
【1830】
よって、役物駆動演出における役物の演出態様をより多様化させることが可能となり、演出効果を高めることができるという効果がある。
【1831】
さらに、本制御例では、枠ボタン22が操作(押下)される間隔に基づいて、モータドライバMD1が出力する出力信号の種別(強出力信号または弱出力信号)が設定されるように構成している。具体的には、枠ボタンが操作(押下)される間隔が所定期間以内の場合(3秒以内の場合)は、弱出力信号が出力され、枠ボタンが操作(押下)される間隔が所定期間よりも長い場合(3秒より長い場合)は、強出力信号が出力されるよう構成している。
【1832】
このように構成することで、遊技者が枠ボタン22を短い間隔(3秒以内の間隔)で複数回操作する場合には、弱出力信号に基づく役物演出が複数回実行され、長い間隔(3秒よりも長い間隔)で操作する場合には、強出力信号に基づく役物演出が実行されるため、遊技者が実行する枠ボタン22への操作内容(操作間隔)に基づいて役物演出を可変させることができ、遊技者を意欲的に遊技に参加させることができる。
【1833】
また、本制御例では、モータドライバMD1が出力する出力信号の種別に関わらず枠ボタン22の操作に基づいて役物が動作する期間を一定期間(1秒)に設定している。このように、役物が動作する期間を可変させることなく役物を駆動させる出力信号の種別を可変させることで、役物動作の制御負荷を軽減させながら多様な役物動作を実行することができる。
【1834】
さらに、枠ボタン22の操作に基づいて役物が動作する期間を一定期間(1秒)に設定し、その一定期間に実行される役物動作として、枠ボタンが操作(押下)される間隔が所定期間以内の場合(3秒以内の場合)は、弱出力信号に基づく役物動作が、枠ボタンが操作(押下)される間隔が所定期間よりも長い場合(3秒より長い場合)は、強出力信号に基づく役物動作が実行されるよう構成しているため、例えば、役物駆動演出中に1回だけ枠ボタン22を操作した遊技者に対しては、動作範囲が大きい役物動作を実行し、役物駆動演出中に複数回枠ボタン22を操作した遊技者に対しては、動作範囲が小さい役物動作が複数回実行されることになる。これにより、遊技者の枠ボタン22への操作内容により対応した役物動作を実行することが可能となり、遊技者を意欲的に遊技に参加させることができる。
【1835】
なお、本制御例では枠ボタン22の操作間隔に基づいてモータドライバMD1が出力する出力信号の種別を設定する構成を用いているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、役物駆動演出中に枠ボタン22が操作された回数に基づいて、モータドライバMD1が出力する出力信号の種別を可変するようにしてもよい。この場合、例えば、役物駆動演出中に枠ボタン22が所定回数(例えば20回)以上操作(押下)された場合に強出力信号が設定されるよう構成するとよい。
【1836】
これにより、遊技者が枠ボタン22を操作する回数が増加するほど役物動作を大きくさせる(動作速度を速め、動作範囲を大きくさせる)ことができるため、遊技者を意欲的に遊技に参加させることができる。
【1837】
また、本制御例ではモータドライバMD1が出力する出力信号の種別を2種類(強、弱)にしているが、これ以上の種別を出力可能にしてもよい。
【1838】
次に図217を参照して、本制御例の役物駆動演出における役物A動作について説明をする。図217(a)は、モータドライバMD1から弱出力信号が出力された場合における役物A720の駆動範囲を模式的に示した模式図であり、図217(b)は、モータドライバMD1から強出力信号が出力された場合における役物A720の駆動範囲を模式的に示した模式図である。
【1839】
図217(a)に示す通り弱出力信号が出力された場合の役物A720の動作範囲(動作期間1秒における動作範囲)は、役物A720の最大動作範囲(図183(b)参照)の略半分の範囲となり、図217(b)に示す通り強出力信号が出力された場合の役物A720の動作範囲(動作期間1秒における動作範囲)は、役物A720の最大動作範囲(図183(b)参照)と同一の範囲となるように設定されている。
【1840】
次に、図218を参照して、本第14制御例における役物駆動演出である「ボタン連打演出」における枠ボタン22の操作と各役物(役物A720?役物C460)の動作の流れについて説明をする。この図218は、本制御例における役物駆動演出の流れを示すタイミングチャートである。
【1841】
図218に示す通り、「ボタン連打演出」が開始されると、枠ボタン22の操作(押下)が有効となる「有効期間」が設定される(例えば、10秒)。そして、その「有効期間」中に遊技者が枠ボタン22を操作すること(「ボタン押下」ON)で、上述した第10制御例と同様に停止状態(待機位置に位置している状態)である各役物(役物A720?役物C460)に対して動作が開始される(図218の地点a)。なお、「ボタン連打演出」が開始されてから枠ボタン22が操作(押下)されるまでの期間は、枠ボタン22の操作間隔を計測するタイマ(役物A間隔タイマ223ca)の値が「0」に設定されているため、役物A720に対して強出力信号が出力される(図218の地点a)。
【1842】
次に、枠ボタン22が操作(押下)されると(図218の地点b)、前回枠ボタン22が操作(押下)されたタイミング(図218の地点a)との間隔が判別され(T1=3.6秒)、その判別結果が所定値(本制御例では3秒)を越えているため役物A720に対して強出力信号が出力される(図218の地点b)。
【1843】
さらに、「ボタン連打演出」の「有効期間中」に枠ボタン22が操作(押下)されると(図218の地点c)前回枠ボタン22が操作(押下)されたタイミング(図218の地点b)との間隔が判別され(T2=2.2秒)、その判別結果が所定値(本制御例では3秒)を超えていないため役物A720に対して弱出力信号が出力される(図218の地点c)。
【1844】
以下、同様に枠ボタン22を操作(押下)し、役物A720を動作させる場合には、前回枠ボタン22を操作(押下)したタイミングとの間隔に基づいて役物A720に対して出力される出力信号の種別が決定される。
【1845】
次に図218の地点d?地点fを参照して、役物A720が動作中に枠ボタン22が操作された場合における制御の流れを説明する。まず、図218の地点dにおいて、枠ボタン22が操作されると、前回の枠ボタン操作タイミングとの間隔(T4=3.2秒)が所定値(本制御例では3秒)を越えているため、役物A720に対して強出力信号が出力される。
【1846】
そして、地点dの枠ボタン操作(押下)に基づいて役物A720が動作している間に、新たな枠ボタン操作が実行された場合(図218の地点e)は、その枠ボタン操作に基づく役物A720の動作は実行されることなく、さらに、枠ボタン22の操作間隔を計測するタイマ(役物A間隔タイマ223ca)の値もリセットされることなく継続して計測される。
【1847】
そして、図218の地点dの枠ボタン操作(押下)に基づく役物A720の動作が終了した状態で、枠ボタン22が操作(押下)されると(図218の地点f)、図218の地点dとの間隔(T5=4.8秒)に基づいて役物A720に対して強出力信号が出力される。即ち、本制御例では、役物A720に対して出力する出力信号の種別(強出力信号または弱出力信号)を枠ボタン22の操作間隔に基づいて設定しているが、この枠ボタン22の操作間隔には役物A720を動作させることのない枠ボタン22の操作(即ち、役物A動作中の枠ボタン22の操作)が含まれないように構成している。
【1848】
このように構成することにより、役物A720が実際に動作する間隔に対応した枠ボタン操作間隔に基づいて役物A720に対して出力する出力信号の種別(強出力信号または弱出力信号)を設定することができる。よって、遊技者に対して分かりやすい演出を提供することができるという効果がある。
【1849】
なお、本制御例では、役物A720を動作させることのない枠ボタン22の操作(即ち、役物A動作中の枠ボタン22の操作)を含めることなく枠ボタン22の操作間隔を判別する構成を用いているが、それ以外の構成でもよく、例えば、全ての枠ボタン22に対する操作を対象として枠ボタン22の操作間隔を判別するようにしてもよい。
【1850】
また、本制御例では、枠ボタン22の操作間隔に基づいて、役物A720に対して出力する出力信号の種別(強出力信号または弱出力信号)を設定しているが、それ以外の条件で出力信号の種別を設定するようにしてもよい。例えば、役物Aが実際に動作する間隔(役物A720に対して動作コマンドが出力される間隔)を判別し、その判別結果に基づいて出力信号の種別を設定してもよい。このように構成しても本制御例と同様の効果を奏することができる。
【1851】
さらに、「ボタン連打演出」の「有効期間」中に枠ボタン22が操作された回数に基づいて役物A720に対して出力する出力信号の種別(強出力信号または弱出力信号)を設定してもよいし、特別図柄の抽選結果に基づいて役物A720に対して出力する出力信号の種別(強出力信号または弱出力信号)を設定してもよい。また、他の役物(役物B740または役物C460)との動作間隔に基づいて役物A720に対して出力する出力信号の種別(強出力信号または弱出力信号)を設定してもよい。
【1852】
<第14制御例における電気的構成について>
次に、図219から図221を参照して、第14制御例における電気的構成について説明する。本第14制御例では、第10制御例に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222およびRAM223の内容が変更されている点、および音声ランプ制御装置113の入出力ポート225に接続される駆動モータ群の内容を詳細に説明した点で相違する。その他の構成については、第10制御例と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
【1853】
まず、図219を参照して、本第14制御例における音声ランプ制御装置113の入出力ポート225に接続される駆動モータ群の内容について説明をする。図219は、駆動モータ群の内容を模式的に示した模式図である。なお、図219では音声ランプ制御装置113のうち上述した第10制御例と同一の要素について一部省略している。
【1854】
本制御例における駆動用モータ群に設けられる役物A用モータ771,772は、モータドライバMD1およびステッピングモータM1を有している。具体的には、役物A用モータ771はモータドライバMD1およびステッピングモータM1とから構成されており、役物A用モータ772はモータドライバMD2(図示せず)およびステッピングモータM2(図示せず)とから構成されている。
【1855】
本制御例では役物A用モータ771と役物A用モータ772とがモータの回転方向が異なるだけであり、同一の動作コマンドに対して駆動するよう構成しているため、役物A用モータ771の説明のみを行い、役物A用モータ772の詳細な説明を省略する。また、役物B用モータ773,774、役物C用モータ441、および、その他モータの構成についても、上述した役物Aモータ771と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
【1856】
まず、役物A用モータ771に設けられるモータドライバMD1について説明をする。モータドライバMD1は、音声ランプ制御装置113から出力される動作コマンドに基づいて、少なくともステッピングモータM1の回転方向(正転・逆転)、回転速度(加速・減速)、回転量(ステップ数)を制御可能に構成されるものであって、音声ランプ制御装置113のROM222に規定されている動作シナリオテーブル222abの内容に対応する動作コマンドを受信した場合に、動作シナリオに対応した駆動をステッピングモータM1が実行するようにステッピングモータM1に対して電力を出力するものである。
【1857】
なお、本制御例では、単一のステッピングモータM1に対して1つのモータドライバMD1を設けているが、単一のモータドライバで複数の駆動モータ(ステッピングモータ)に対して動作を設定可能なものを採用してもよい。この場合、回転ステップ数等の動作コマンドに、駆動モータ(ステッピングモータ)の種別を特定するための情報を含ませて出力すればよい。
【1858】
ステッピングモータM1は、公知のステッピングモータであってその詳細な説明は省略するが、モータの回転制御(回転方向、回転速度、回転量)を一定角度(基本ステップ角)のパルス数とその周波数で制御するモータであり、モータドライバMD1から出力される出力信号の周波数が高くなるほどモータの回転速度が上がるよう構成されている。このステッピングモータM1の駆動態様に基づいて役物A720が動作される。
【1859】
上述したように、本制御例では、役物A720を高速で動作させる役物動作(高速役物動作)と、役物A720を低速で動作させる役物動作(低速役物動作)とをモータドライバMD1から出力される出力信号の種別によって制御可能に構成しているため、例えば、高速回転用の駆動モータと低速回転用の駆動モータとを切り替えることで役物の動作速度を可変させる構成に比べて役物動作に用いる部品点数を削減することができ、装置の省スペース化を図ることができる。また、役物動作に関わる動作制御内容を簡素化することができる。
【1860】
次に、図220および図221を参照して、本第14制御例における音声ランプ制御装置113内のROM222とRAM223との内容について説明する。図220(a)は、本第14制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221におけるROM222の内容を模式的に示した模式図である。本第14制御例におけるROM222は、上述した第10制御例におけるROM222に対して、動作シナリオテーブル222abに代えて第2動作シナリオテーブル222abを設けた点で相違する。その他の構成については、第10制御例と同一であるのでその詳細な説明は省略する。
【1861】
ここで、図221(a)を参照して、第2動作シナリオテーブル222abについて説明をする。図221(a)は、第2動作シナリオテーブル222abに規定されている内容を模式的に示した模式図である。第2動作シナリオテーブル222abは、上述した第10制御例の動作シナリオテーブル222ab(図187(b)参照)に対して、役物Aシナリオテーブル222ab1に代えて役物A第2シナリオテーブル222ab4を設けた点で相違し、その他の要素は同一である。同一の要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【1862】
次に、図221(b)を参照して、役物A第2シナリオテーブル222ab4について説明をする。図221(b)は、役物A第2シナリオテーブル222ab4の内容を模式的に示した模式図である。この役物A第2シナリオテーブル222ab4は、本制御例における「ボタン連打演出」中に実行される役物A720に対する動作シナリオが設定されるテーブルであって、役物A720の動作速度が遅い(100pps)動作シナリオと役物A720の動作速度が速い(200pps)動作シナリオとが設定されている。
【1863】
具体的には、役物A選択値223cbの値が「1」(動作種別が「弱」)の場合に実行される動作シナリオ(弱動作シナリオ)と、役物A選択値223cbの値が「2」(動作種別が「強」)の場合に実行される動作シナリオ(弱動作シナリオ)とが設定されている。
【1864】
ここで、役物A選択値223cbとは、「ボタン連打演出」中に操作される枠ボタン22の操作間隔に基づいて設定されるものであり、枠ボタン22の操作間隔が所定期間以上(3秒以上)の場合に選択値として「2」が設定され、所定期間未満(3秒未満)の場合には選択値として「1」が設定されるものである。なお、この役物A選択値223cbについては、図220(b)を参照して詳細な内容の説明を後述する。
【1865】
この役物A第2シナリオテーブル222ab4のうち動作種別「弱」に規定されている内容は上述した第10制御例の役物A動作シナリオテーブル222ab1の動作種別「通常」に規定されている内容と同一であり、その詳細な説明を省略する。一方、動作種別「強」に規定されている内容は、動作種別「弱」に規定されている内容に対して、ステッピングモータM1の動作速度(回転速度)が速くなる情報が規定されている。
【1866】
具体的には、役物A動作タイマ223acの値「1000」に対応して、動作ポインタの値「01H」が設定される。この動作ポインタ「01H」には、動作速度として「200pps」、ステップ数として「100」、動作方向として「正方向」が規定される。その後、役物A動作タイマ223acの値「500」に対応して、動作ポインタの値「02H」が設定される。この動作ポインタ「02H」には、動作速度として「200pps」、ステップ数として「100」、動作方向として「負方向」が規定される。
【1867】
そして、役物A動作タイマ223acの値「0」に対応して、動作ポインタの値「03H」設定される。この動作ポインタ「03H」には、動作シナリオの終了を示す「END」の情報が規定されている。
【1868】
つまり、役物A第2シナリオテーブル222ab4では、動作種別(「弱」、「強」)に関わらず、役物A720を1秒間動作させる動作シナリオが規定されており、動作種別が「弱」の役物A720動作に対して、動作種別が「強」の役物A動作の動作範囲が2倍(ステップ数が2倍)となるように情報が規定されている。
【1869】
図220に戻り説明を続ける。図220(b)は、本第14制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM222の内容を模式的に示した模式図である。本第14制御例におけるRAM223は、第10制御例におけるRAM223に対して、役物A間隔タイマ223caと、役物A選択値223cbとが追加されている点で相違する。その他の構成については、第10制御例と同一であるのでその詳細な説明は省略する。
【1870】
役物A間隔タイマ223caは、役物駆動演出(「ボタン連打演出」)において枠ボタン22が操作される間隔(役物A720が動作する間隔)が所定値(本制御例では3秒)以内であるかを判別する際に参照されるタイマであって、所定値(本制御例では3秒)を示す値が設定された後、1ミリ秒毎に減算されているタイマである。この役物A間隔タイマ223caは、役物A動作設定処理5(図224のS1909)において役物A動作タイマの値に「1000」が設定された(S3745)後に、所定値(「3000」)が設定され(S3746)、連打ボタン処理5(図222のS1851)の間隔タイマ減算処理(図223のS1931)において役物A間隔タイマ223caの値が「0」となるまで減算され(図223のS2362)、役物A動作設定処理5(図224のS1909)において後述する役物A選択値223cbを選択する際に参照される。
【1871】
役物A選択値223cbは、第2動作シナリオテーブル222abの役物A第2シナリオテーブル222ab4から1の動作シナリオを選択する際に参照されるものである。この役物A選択値223cbは、役物A動作設定処理5(図224のS1909)において、役物A間隔タイマ223caの値が「0」と判別された場合に「2」が設定され、役物A間隔タイマ223caの値が「0」ではない(「1」以上)と判別された場合に「1」が設定される。そして、役物動作処理3(図225のS1561)において、役物A720の動作シナリオを読み出す際に参照され(図225のS2551)、役物A720の動作が終了した場合に設定されている情報がクリアされる(図225のS2554)。
【1872】
以上、説明をしたように、本制御例では役物A間隔タイマ223caの値に基づいて役物A選択値223cbの値を設定し、その設定された役物A選択値の値に基づいて役物A720の動作シナリオとして強動作シナリオまたは弱動作シナリオが設定される。このように構成することで、枠ボタン22の操作間隔(役物A720の動作間隔)に基づいて役物A720の動作内容を可変させることができる。
【1873】
<第14制御例における制御処理について>
次に、図222から図225を参照して本第14制御例における制御処理について説明をする。本第14制御例における制御処理は、第10制御例に対して、音声ランプ制御装置113の内容が変更されている。その他の処理については、第10制御例と同じであり、その詳細な説明は省略する。
【1874】
本第14制御例では、第10制御例の連打ボタン処理(図192参照)が連打ボタン処理5(図222参照)に変更されている点と、役物動作処理(図196参照)が役物動作処理2(図225参照)に変更されている点とで相違する。
【1875】
まず、図222を参照して連打ボタン処理5(S1851)について説明をする。図222は連打ボタン処理5(S1851)の内容を示すフローチャートである。連打ボタン処理5(S1851)が実行されると、上述した第10制御例の連打ボタン処理(図192参照)と同様にS1901?S1907の処理が実行され、S1907の処理を終えると、次に、間隔タイマ減算処理(S1931)が実行される。この間隔タイマ減算処理(S1931)は、上述した役物A間隔タイマ223caに設定された値を減算する処理であり、詳細な説明は図223を参照して後述する。
【1876】
S1931の処理を終えると、次いで、上述した第10制御例の連打ボタン処理(図192参照)と同様にS1908?S1911の処理が実行され、本処理を終了する。
【1877】
ここで、図223を参照して、連打ボタン処理5(図222のS1851)において実行される間隔タイマ減算処理(S1931)について説明をする。図223は間隔タイマ減算処理(S1931)の内容を示すフローチャートである。この間隔タイマ減算処理(S1931)は、音声ランプ制御装置113のメイン処理内に設けられており、処理間隔が1ミリ秒に設定されている。即ち、本処理が実行される毎に役物A間隔タイマ223caの値を1ミリ秒に該当する「1」減算する処理を実行する。
【1878】
間隔タイマ減算処理(S1931)が実行されると、まず、役物A間隔タイマ223caの値が「0」よりも大きい(「1」以上)か判別する(S2361)。S2361の処理において、「0」よりも大きい(「1」以上)と判別された場合は(S2361:Yes)、役物A間隔タイマ223caの値を1減算し(S2362)、本処理を終了する。一方、役物A間隔タイマ223caの値が「0」よりも大きくない(「0」である)と判別された場合は(S2361:No)、S2362の処理をスキップして本処理を終了する。
【1879】
次に、図224を参照して、本制御例にて実行される役物A動作設定処理5(図224のS1909)について説明をする。図224は役物A動作設定処理5(S1909)の内容を示すフローチャートである。この役物A動作設定処理5(S1909)では、枠ボタン22が操作(押下)された場合に、役物A720の動作内容を設定するとともに、枠ボタン22の操作(押下)間隔(役物A720の動作間隔)が所定期間(例えば3秒)以内であるかを判別する際に参照される役物A間隔タイマ223caに所定値(「3000」)を設定する処理が実行される。
【1880】
役物A動作設定処理5(S1909)が実行されると、まず、役物A動作タイマ223acの値が「0」であるかを判別し、「0」ではない(「1」以上)と判別された場合は(S3741:No)、役物A720が動作中であるため新たな動作設定を行うこと無くそのまま本処理を終了する。
【1881】
一方、役物A動作タイマ223acの値が「0」であると判別された場合は(S3741:Yes)、役物A720が動作を終了し、退避位置に位置している状態であるため(動作可能な状態であるため)、次いで、役物A間隔タイマ223caの値が「0」であるかを判別する(S3742)。S3742の処理において、役物A間隔タイマ223caの値が「0」であると判別された場合は(S3742:Yes)、前回の枠ボタン操作(役物A動作)から所定期間(3秒)が経過しているため、役物A選択値223cbを「2」に設定し(S3744)、S3745の処理に移行する。
【1882】
S3742の処理において、役物A間隔タイマ223caの値が「0」ではない(「1」以上である)と判別された場合は(S3742:No)、前回の枠ボタン操作(役物A動作)から所定期間(3秒)が経過していないため(間隔が短いため)、役物A選択値223cbを「1」に設定し(S3743)、S3745の処理に移行する。
【1883】
そして、S3745の処理おいて、役物A動作タイマ223acの値に「1000」を設定し(S3745)、次に、役物A間隔タイマ223caの値に「3000」を設定し(S3746)、本処理を終了する。
【1884】
上述した役物A動作設定処理5(図224のS1909)では、役物A720の動作内容を設定する際に、前回の枠ボタン操作(役物A動作)との間隔が所定値以内であるか否かを役物A間隔タイマ223caの値を参照して判別し、その判別結果に基づいて今回の役物A720の動作内容(強動作、弱動作)が設定されるようにしている。これにより、遊技者の枠ボタン操作に対応した役物(役物A720)動作を実行することが可能となり、遊技者に対して変化に富んだ役物動作を提供することができる。
【1885】
次に、図225を参照して、役物動作処理3(図225のS1561)について説明をする。図225は役物動作処理3(S1561)の内容を示すフローチャートである。役物動作処理3(S1561)が実行されると、まず役物A動作タイマ223acの値が「0」よりも大きい(「1」以上)であるかを判別し(S2511)、「0」よりも大きい(「1」以上)であると判別された場合は(S2511:Yes)、次に、役物選択値223cbが「1」に設定されているかを判別する(S2551)。
【1886】
S2551の処理において、役物選択値223cbが「1」に設定されていると判別された場合は(S2551:Yes)、役物A第2シナリオテーブル222ab4の動作種別「弱」に対応する動作内容を読み出し(S2552)、S2516の処理に移行する。
【1887】
一方、S2551の処理において、拓物選択値223cbが「1」に設定されていない(「2」に設定されている)と判別された場合は(S2551:No)、役物A第2シナリオテーブル222ab4の動作種別「強」に対応する動作内容を読み出し(S2553)、S2516の処理に移行する。また、S2511の処理において、役物A動作タイマ223acの値が「0」であると判別された場合は(S2511:No)、次に、役物選択値223cbをクリア(リセット)し(S2554)、S2516へ移行する。
【1888】
S2516の処理に移行すると、上述した第10制御例の役物動作処理(図196参照)と同様にS2516から?S2520の処理を実行し、本処理を終了する。
【1889】
以上、説明をしたように本第14制御例によれば、モータドライバMD1からステッピングモータM1へ出力する出力信号として、ステッピングモータM1を高速(200pps)で回転させる強出力信号と、ステッピングモータM1を高速(200pps)よりも低速(100pps)で回転させる弱出力信号とを出力可能に構成した。
【1890】
これにより、役物A720を動作させる際にモータドライバMD1から出力される出力信号によって、役物A720の動作速度を可変させることができる。つまり、モータドライバMD1から出力される信号が強出力信号の場合は、弱出力信号の場合に比べて、同一期間での移動量を倍にすることが可能となる。言い換えれば、同一距離を移動するために要する期間を半分にすることができる。
【1891】
よって、役物駆動演出における役物の演出態様をより多様化させることが可能となり、演出効果を高めることができるという効果がある。
【1892】
さらに、本制御例では、枠ボタン22が操作(押下)される間隔に基づいて、モータドライバMD1が出力する出力信号の種別(強出力信号または弱出力信号)が設定されるように構成している。具体的には、枠ボタンが操作(押下)される間隔が所定期間以内の場合(3秒以内の場合)は、弱出力信号が出力され、枠ボタンが操作(押下)される間隔が所定期間よりも長い場合(3秒より長い場合)は、強出力信号が出力されるよう構成している。
【1893】
このように構成することで、遊技者が枠ボタン22を短い間隔(3秒以内の間隔)で複数回操作する場合には、弱出力信号に基づく役物演出が複数回実行され、長い間隔(3秒よりも長い間隔)で操作する場合には、強出力信号に基づく役物演出が実行されるため、遊技者が実行する枠ボタン22への操作内容(操作間隔)に基づいて役物演出を可変させることができ、遊技者を意欲的に遊技に参加させることができる。
【1894】
また、本制御例では、モータドライバMD1が出力する出力信号の種別に関わらず枠ボタン22の操作に基づいて役物が動作する期間を一定期間(1秒)に設定している。このように、役物が動作する期間を可変させることなく役物を駆動させる出力信号の種別を可変させることで、役物動作の制御負荷を軽減させながら多様な役物動作を実行することができる。
【1895】
さらに、枠ボタン22の操作に基づいて役物が動作する期間を一定期間(1秒)に設定し、その一定期間に実行される役物動作として、枠ボタンが操作(押下)される間隔が所定期間以内の場合(3秒以内の場合)は、弱出力信号に基づく役物動作が、枠ボタンが操作(押下)される間隔が所定期間よりも長い場合(3秒より長い場合)は、強出力信号に基づく役物動作が実行されるよう構成しているため、例えば、役物駆動演出中に1回だけ枠ボタン22を操作した遊技者に対しては、動作範囲が大きい役物動作を実行し、役物駆動演出中に複数回枠ボタン22を操作した遊技者に対しては、動作範囲が小さい役物動作が複数回実行されることになる。これにより、遊技者の枠ボタン22への操作内容により対応した役物動作を実行することが可能となり、遊技者を意欲的に遊技に参加させることができる。
【1896】
なお、本制御例では枠ボタン22の操作間隔に基づいてモータドライバMD1が出力する出力信号の種別を設定する構成を用いているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、役物駆動演出中に枠ボタン22が操作された回数に基づいて、モータドライバMD1が出力する出力信号の種別を可変するようにしてもよい。この場合、例えば、役物駆動演出中に枠ボタン22が所定回数(例えば20回)以上操作(押下)された場合に強出力信号が設定されるよう構成するとよい。
【1897】
これにより、遊技者が枠ボタン22を操作する回数が増加するほど役物動作を大きくさせる(動作速度を速め、動作範囲を大きくさせる)ことができるため、遊技者を意欲的に遊技に参加させることができる。
【1898】
また、本制御例ではモータドライバMD1が出力する出力信号の種別を2種類(強、弱)にしているが、これ以上の種別を出力可能にしてもよい。
【1899】
さらに、本制御例では、役物動作制御の簡素化を図るために、モータドライバMD1が出力する出力信号の種別に関わらず常時一定の役物動作期間を設定する構成を用いているが、モータドライバMD1が出力する出力信号の種別に対応して役物動作期間を異ならせるように構成してもよく、例えば、強出力信号(200pps)が出力される場合は、役物動作期間を0.5秒に設定し、弱出力信号(100pps)が出力される場合は、役物動作期間を1秒に設定するとよい。これにより、モータドライバMD1が出力する出力信号の種別に関わらず役物の動作範囲を一定にし、役物の動作期間を可変(強出力信号の役物動作期間が弱出力信号の役物動作期間の半分に短縮)することができ、演出効果を高めることができる。
【1900】
なお、上述した構成を本制御例に用いる場合は、枠ボタン22の操作間隔が短い場合にモータドライバMD1が強出力信号を出力し、操作間隔が長い場合にモータドライバMD1が弱出力信号を出力するように構成するとよい。
【1901】
以上、第10制御例から第14制御例において、遊技者が枠ボタン22を操作することに基づいて動作される役物(役物A720?役物C460)に対する様々な制御処理について説明をしたが、各制御例の構成を一部または全部組み合わせてもよい。例えば、上述した第10制御例の短縮動作パターンと、第11制御例の遅延処理と、第12制御例の反復動作と、第13制御例の動作速度可変処理とを実行可能な構成において、枠ボタン22に対する遊技者の操作内容(操作タイミング、操作回数、操作間隔等)や遊技状態(特別図柄や普通図柄の当否判定結果や、確変状態、時短状態の有無等)に基づいて実行される内容が異ならせるように構成するとよい。これにより、より多様な演出を実行することができる。
【1902】
また、上述した第10制御例の短縮動作パターンと、第11制御例の遅延処理と、第12制御例の反復動作と、第13制御例の動作速度可変処理とを実行可能な構成において、実行される内容を遊技者が選択可能に構成してもよい。
【1903】
また、上述した各制御例では、遊技者が枠ボタン22を操作することに基づいてパチンコ機10に設けられた各役物(役物A720?役物C460)を動作させる構成を用いているが、遊技者の操作に基づいて演出態様が可変する構成であればよく、例えば、遊技者が所定の操作手段(枠ボタン22等)を操作することで、音声出力装置226から出力される音声態様が可変する音声演出や、ランプ表示装置227の発光態様を可変する発光演出や、第3図柄表示装置81等の表示装置に表示される表示態様を可変する表示演出を用いても良いし、それら各態様を組み合わせた構成にしてもよい。
【1904】
さらに、上述した各制御例では、遊技者が操作可能な操作手段として枠ボタン22の構成を用いているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、遊技者が接触または近接したことを検知して反応するセンサ装置や、遊技者が回転操作可能なダイヤル装置や、遊技者が前後左右に操作可能なレバー装置等でもよい。また、遊技者が操作するための手段の数は1つに限られることはなく、複数の操作手段を設けても良い。この場合、複数の操作手段を操作した場合に演出態様が可変する構成とすることで遊技者を意欲的に演出に参加させることができる。
【1905】
また、上述した第10制御例から第14制御例と同様の効果を奏する構成として、各役物(役物A720?役物C460)の動作状況(動作中か否か、動作残期間)を判別可能な役物動作状況判別手段と、その判別結果を記憶する記憶手段を設け、所定の役物(各役物(役物A720?役物C460)のうち何れかの役物)の動作を実行する際に、その他の役物の駆動状況に基づいて役物の動作パターンを設定する構成を用いても良い。
【1906】
この構成を上述した第10制御例に用いた各役物(役物A720?役物C460)に対する制御を例に説明すると、役物A720を動作させる場合において、その他の役物(役物B740および役物C460)が動作中か否かを判別し、その他の役物が動作していると判別した場合に役物A720の動作を短縮動作パターンに設定するとよい。これにより、各役物(役物A720?役物C460)が全て動作している期間を短縮させることができる。
【1907】
また、その他の役物が動作している場合には、動作中の役物の動作残期間を判別し、今回実行される役物の短縮動作パターンの動作期間よりも、動作中の役物の動作残期間が長い場合のみ短縮動作パターンを設定するとよい。
【1908】
さらに、複数の役物に対して優先順位を設定し、複数の役物が同時に駆動可能な状態では優先順位に基づいて動作パターンを可変させる役物を決定するとよい。この場合、例えば、第3図柄表示装置81にて実行される演出パターンに対応付けて複数の役物に優先順位を設定するとよい。これにより、第3図柄表示装置81にて実行される表示演出と役物動作とを違和感無く実行することができる。
【1909】
また、複数の役物に対して優先順位を設定する方法として、それ以外の方法を用いてもよく、例えば、役物の動作期間の長短で優先順位を設定してもよいし、複数の役物の配置(前後位置)に基づいて優先順位を設定してもよいし、複数の役物に設定される駆動速度に基づいて優先順位を設定してもよい。
【1910】
さらに、第11制御例に用いた各役物(役物A720?役物C460)に対する制御を例に説明すると、各役物(役物A720?役物C460)を少なくとも2つ以上同時に動作させる場合に、設定されている動作期間が長い役物(役物A720と役物C460が同時に動作する場合であれば、役物C460)の動作を遅延させるよう設定するとよい。これにより、同時に動作される複数の役物が共に動作している期間を短縮させることができる。また、上述した第10制御例の各役物(役物A720?役物C460)に対する制御を例に説明した内容と同一の制御を実行してもよいし、それぞれの制御を組み合わせてもよい。
【1911】
さらに、第12制御例に用いた各役物(役物A720?役物C460)に対する制御を例に説明すると、各役物(役物A720?役物C460)を少なくとも2つ以上同時に動作させる場合に、反復動作が実行された場合に、待機位置に戻るまでの動作期間が短い役物のみ反復動作を実行させるよう設定するとよい。これにより、無駄に反復動作が実行されることを抑制することができる。また、上述した第10制御例、第11制御例の各役物(役物A720?役物C460)に対する制御を例に説明した内容と同一の制御を実行してもよいし、それぞれの制御を組み合わせてもよい。
【1912】
なお、上述した第10制御例から第14制御例では複数の役物が枠ボタン22の操作に基づいて同時に動作する構成を用いているが、各役物(役物A720?役物C460)を動作させるための条件をそれぞれ異ならせて設定してもよく、例えば、役物A720は枠ボタン22を操作する毎に動作されるようにし(動作条件がボタン操作1回)、役物B740は枠ボタン22を2回操作した場合に動作されるようにし(動作条件がボタン操作2回)、役物C460は枠ボタン22を5回操作した場合に動作されるように設定してもよい。このように設定することで、枠ボタン22の操作内容に基づいて多様な役物動作を実行させることができる。
【1913】
さらに、上述した第10制御例から第14制御例と同様の効果を奏する構成として、以下の構成を用いても良い。
【1914】
<連打演出の種別に対応して短縮・遅延される役物の優先順位を定める変形例>
連打演出の種別に対応して主可動役物を定め、その主可動役物の動作は短縮や遅延等がされないように構成してもよい。即ち、主可動役物以外の動作を短縮・遅延させるように構成してもよい。これにより、実行されている(または実行される)連打演出において、演出の主となる役物の動作が短縮・遅延されることがないので、演出効果を損なうことなく役物の動作を短縮・遅延させることができる。
【1915】
具体的には、連打演出の種別として、役物Aを主可動役物として規定した「連打演出A」と、役物Bを主可動役物として規定した「連打演出B」と、役物Cを主可動役物として規定した「連打演出C」とを設ける。そして、当否判定結果が大当たりである場合には、連打演出Aが選択されやすいように構成し、当否判定結果が外れである場合には、連打演出Cが選択されやすいように構成する。これにより、主可動役物が役物Aである連打演出が表示されることにより、大当たりとなる期待度が高いことを示唆することができ、遊技者の興趣を向上できる。
【1916】
各連打演出では、ボタン押下有効期間において、枠ボタン22が5回押下される毎に、予め定められた順で役物A?Cが可動される。例えば、連打演出Aでは、枠ボタン22が5回押下されると、まず、主可動役物である役物Aの可動が開始される。そして、更に枠ボタン22が5回押下されると、役物Bの可動が開始される。その後、更に枠ボタン22が5回押下されると、役物Cの可動が開始される。よって、枠ボタン22が短期間で15回押下されると、役物A?Cの全てが可動している状態となる。
【1917】
このように、本変形例における各連打演出では、主可動役物が役物A?Cのいずれであるかを判別するためには、連打演出において連打操作を実行する必要があるので、連打操作を意欲的に実行させることができ、遊技者の参加意欲を向上できる。
【1918】
<第15制御例>
次に、図226から図236を参照して、第15制御例におけるパチンコ機10について説明する。本第15制御例では、上述した第1制御例に対して、パチンコ機10の盤面構成を変更した点と、主制御装置110が制御するソレノイド209(普電用ソレノイド209d、開放ソレノイド65f2、流路ソレノイド65k)の制御内容を変更した点と、主制御装置110のMPU201のRAM203の内容が変更されている点で相違する。
【1919】
上述した第1実施形態では、各種電動役物を駆動させるソレノイドの動作制御として、一定の出力に基づいてソレノイドの可動および保持を実行していた。このようなソレノイドの動作制御では、ソレノイドを起動(吸引)させるために必要な電力を用いてソレノイドの状態を保持しているため、必要以上に電力を使用してしまい、消費電力が多くなったり、過剰に熱が発生したりする虞があった。
【1920】
これに対して、本第15制御例では、各種電動役物を駆動させるためのソレノイドに対して状態(吸引状態、保持状態)に応じた電力を供給可能に構成した。これにより、ソレノイドを保持する際に使用する電力を抑えることが可能となる。さらに、過剰に使用される電力を抑えることによりソレノイドが過剰に熱を発生することを抑制することができる。
【1921】
まず、図226を参照して本制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13について説明をする。図226は本制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の正面図である。なお、上述した第1実施形態のパチンコ機10の遊技盤13と同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【1922】
図226に示す通り、本制御例では遊技盤13の下方領域(第3図柄表示装置81の下方)に第1入賞口64が設けられ、その右下側に第2入賞口640および第2入賞口640に付随する電動役物640aが設けられている。この電動役物640aは、スルーゲート67を球が通過したことに基づいて実行される第2図柄の当たり抽選(普図抽選)の結果が当たりの場合に所定パターンで開放されるものである。この電動役物640aは、普電用ソレノイド209dにより駆動される。
【1923】
また、上述した第1実施形態と同様の箇所、つまり遊技盤13に発射された遊技球のうち、センターフレーム86を越えた遊技球が通過する領域(所謂、右打ち領域)の下流側に、可変入賞装置65が設けられている。この可変入賞装置65は上述した第1実施形態の可変入賞装置65(図49から図51参照)と同一の構成であるため、その詳細な説明を省略するが、可変入賞装置65の開閉扉65f1は開放ソレノイド65f2により駆動され、可変入賞装置65の切替部材65hが流路ソレノイド65kにより駆動される。
【1924】
以上、説明をしたように本制御例のパチンコ機10は、主制御装置110が駆動制御を行うソレノイドとして、普電用ソレノイド209dと開放ソレノイド65f2と流路ソレノイド65kとが設けられており、各ソレノイドに対して遊技状態に対応した制御信号が出力されるよう構成されている。
【1925】
<第15制御例における電気的構成について>
次に、図227から図231を参照して、第15制御例における電気的構成について説明する。本第15制御例では、第1制御例に対して、主制御装置110のMPU201のRAM223の内容が変更されている点、および主制御装置110の入出力ポート205とソレノイド209とをソレノイド駆動回路1200を介して接続した点で相違する。その他の構成については、第1制御例と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
【1926】
まず、図227を参照して本第15制御例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明をする。図227は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。図227に示す通り、本制御例では主制御装置110の入出力ポート205にソレノイド駆動回路1200が接続されている。
【1927】
ソレノイド駆動回路1200は、主制御装置110から出力されるソレノイド制御用の出力信号の種別(各ソレノイドを強動作させる出力信号と弱動作させる出力信号)に基づいて、各種ソレノイド209(普電用ソレノイド209d、開放ソレノイド65f2、流路ソレノイド65k)に対して動作を実行させるための回路である。なお、このソレノイド駆動回路1200の詳細な説明については図228および図229を参照して後述する。
【1928】
次に、図228および図229を参照して、各種ソレノイド209(普電用ソレノイド209d、開放ソレノイド65f2、流路ソレノイド65k)のオンオフを、主制御装置110のMPU201の指示に基づいて切り替えるための電気的構成について説明する。
【1929】
図228は、主制御装置110のMPU201にバスライン204を介して接続されている入出力ポート205と、その入出力ポート205に接続されるソレノイド駆動回路1200と、そのソレノイド駆動回路1200に接続される各種ソレノイド209(普電用ソレノイド209d、開放ソレノイド65f2、流路ソレノイド65k)とを模式的に示した模式図である。
【1930】
図228に示す通り、各種ソレノイド209(普電用ソレノイド209d、開放ソレノイド65f2、流路ソレノイド65k)は、ソレノイド駆動回路1200を介して主制御装置110の入出力ポート205に接続されている。この入出力ポート205は主制御装置110のMPU201に接続されており(図227参照)、MPU201の出力信号を切り替えることでソレノイド駆動回路1200を駆動し、各種ソレノイド209のオンオフを切り替えることができる。
【1931】
具体的に、入出力ポート205には、ソレノイド駆動回路1200内に設けられるソレノイド駆動用IC1201が接続されている。ここで、ソレノイド駆動用IC1201は、入力ポートに入力された信号を、クロックの立ち上がりで出力ポートから出力し、その後、クリア信号が入力されるまで出力ポートの出力を保持することが可能なICである。
【1932】
ソレノイド駆動用IC1201は、入力端子(ポート)D1?D6、出力端子(ポート)Q1?Q6、クロック入力端子CK、クリア信号入力端子CLR、電源入力端子Vcc、接地端子GNDを有している。
【1933】
電源入力端子Vccと接地端子GNDとの間に2?6Vの電圧を印加することで、ソレノイド駆動用IC1201は動作可能となる。本制御例では、電源入力端子Vccに電源5Vを接続し、接地端子GNDにGNDを接続する(接地させる)ことで、電源入力端子Vccと接地端子GNDとの間に5Vの電圧を印加するように構成している。なお、電源入力端子Vccと接地端子GNDとの間となる回路上には、静電容量が10μFのコンデンサC1が設けられている。このコンデンサC1によりソレノイド駆動用IC1201に対する外部電源からのノイズを除去することができ、ソレノイド駆動IC1201の破壊や誤作動を抑制(防止)できる。コンデンサC1の静電容量は適宜変更しても当然よい。
【1934】
電源入力端子Vccと接地端子GNDとの間に5Vが印加されている状態で、クロック入力端子CK、クリア信号入力端子CLRへの入力信号を制御することにより、入力ポートD1?D6に入力された信号を出力ポートQ1?Q6から出力させることができる。具体的には、クロック入力端子CKに周波数10kHzの矩形波(クロック信号)を入力し、クリア信号入力端子CLRへON信号(5V)を入力する。この場合、クロック入力端子CKに入力されるクロック信号の立ち上がりで、入力ポートD1?D6に入力された信号が、出力ポートQ1?Q6へ出力される。クロック入力端子CKに入力されるクロック信号の周波数は10kHzであるので、0.1msに1回の頻度で入力ポートD1?D6への入力信号が参照され、出力ポートQ1?Q6の出力信号が更新されることになる。なお、本制御例では、クロック入力端子CKに入力するクロック信号の周波数を10kHzとしたが、これに限られるものではなく、5kHzとしてもよいし、20kHzとしても当然よい。また、クロック入力端子CKに周期的なクロックを入力することに代えて、出力ポートQ1?Q6の出力信号を更新するタイミングにのみクロック入力端子CKに信号を入力するようにしてもよい。
【1935】
一方、クロック入力端子CKに周波数10kHzのクロック信号が入力されていても、クリア信号入力端子CLRへOFF信号(0V)が入力されている場合には、入力ポートD1?D6に入力されている信号とは無関係に、出力ポートQ1?Q6の各出力信号はOFF(0V)となる。よって、クリア信号入力端子CLRへのOFF信号(0V)を入力することで、ソレノイド駆動用IC1201を非動作状態にし、各種ソレノイド209の動作を停止させることができる。
【1936】
入出力ポート205とクリア信号入力端子CLRとを繋ぐ信号線の途中にはコンデンサC2のプラス端子が接続されており、そのコンデンサC2のマイナス端子はGNDに接続されている(接地されている)。このコンデンサC2により、入出力ポート205とクリア信号入力端子CLRとを繋ぐ信号線に混入したノイズを低減することができ、ソレノイド駆動用IC1201が誤って動作してしまうことを抑制(防止)できる。
【1937】
入力ポートD1?D6は、入出力ポート205から信号が入力されるポートであり、OFF信号(0V)またはON信号(5V)のいずれかが入力される。入力ポートD1?D6へ入力される信号は、主制御装置110のMPU201からシリアルデータとしてバスライン224を介して入出力ポート225に送信され、入出力ポート225においてシリアルーパラレル変換が行われ、送信されたシリアルデータに基づいて各入力ポートD1?D6に信号が入力される。
【1938】
上述したように、ソレノイド駆動用IC1201が動作状態であれば、クロック入力端子CKに入力されているクロック信号の立ち上がりタイミングで、入力ポートD1?D6に入力されている信号に基づいて、出力ポートQ1?Q6の出力信号が更新される。
【1939】
入力ポートD1に出力ポートQ1が対応し、入力ポートD2に出力ポートQ2が対応し、入力ポートD3に出力ポートQ3が対応し、入力ポートD4に出力ポートQ4が対応し、入力ポートD5に出力ポートQ5が対応し、入力ポートD6に出力ポートQ6が対応している。そして、入力ポートに入力される信号がOFF信号(0V)であれば、対応する出力ポートから出力される信号はOFF信号(0V)となり、入力ポートに入力される信号がON信号(5V)であれば、対応する出力ポートから出力される信号はON信号(5V)となる。
【1940】
出力ポートQ1?Q6は、上述したように、入力ポートD1?D6へ入力される入力信号に基づいて出力が変更される。クロック入力端子CKに入力されているクロック信号の立ち上がりタイミングで、入力ポートD1?D6に入力された信号に基づいて、出力ポートQ1?Q6の出力信号が更新され、クロック入力端子CKに入力されているクロック信号の立ち下がりタイミングでは、更新された出力信号が保持される。即ち、次のクロック入力端子CKに入力されているクロック信号の立ち上がりタイミングまで、出力ポートQ1?Q6の出力信号が保持されることになる。
【1941】
ここで、出力ポートQ1およびQ2に接続されている普電用ソレノイド駆動回路1202と、その普電用ソレノイド駆動回路1202によって駆動される普電用ソレノイド209dについて説明する。
【1942】
出力ポートQ1およびQ2は、普電用ソレノイド駆動回路1202のFET1-1およびFET1-2のゲート端子にそれぞれ接続されている。ここで、FET1-1およびFET1-2はnチャネルのFET(Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)で構成されており、ゲート端子に所定の電圧(5V)を印加することで、ドレイン端子からソース端子に電流が流れる状態(導通状態)となる。一方、ゲート端子に電圧が印加されていない場合は、ドレイン端子からソース端子に電流が流れない状態(非導通状態)となる。
【1943】
FET1-1およびFET1-2のドレイン端子には、普電用ソレノイド209dの一方の端子が接続されており、普電用ソレノイド209dの他端の端子には5Vの電源が接続されている。また、FET1-1およびFET1-2のソース端子にはGNDが接続されている(接地されている)。よって、FET1-1またはFET1-2が導通状態となると、普電用ソレノイド209dを介して接続されている5Vの電源からGNDへと電流が流れることになり、普電用ソレノイド209dに電流が流れることになる。これにより、普電用ソレノイド209dがオン状態に可変され、普通電動役物640aが可動されることになる。
【1944】
FET1-1が導通状態となるのは、入出力ポート205よりソレノイド駆動用IC1201の入力ポートD1へON信号が入力され、クロック入力端子CKに入力される信号の立ち上がりタイミングで出力ポートQ1の出力がONとなった場合である。即ち、入出力ポート205よりソレノイド駆動用IC1201の入力ポートD1へON信号を入力することにより、FET1-1を用いて普電用ソレノイド209dをオン状態へと駆動することができる。
【1945】
また、FET1-2が導通状態となるのは、入出力ポート205よりソレノイド駆動用IC1201の入力ポートD2へON信号が入力され、クロック入力端子CKに入力される信号の立ち上がりタイミングで出力ポートQ2の出力がONとなった場合である。即ち、入出力ポート205よりソレノイド駆動用IC1201の入力ポートD2へON信号を入力することにより、FET1-2を用いて普電用ソレノイド209dをオン状態へと駆動することができる。
【1946】
ここで、FET1-1のドレイン端子は普電用ソレノイド209dに直接接続されているのに対し、FET1-2のドレイン端子は抵抗R1を経由して普電用ソレノイド209dに接続されている。即ち、FET1-2のドレイン端子と普電用ソレノイド209dの間に抵抗R1が直列に接続されている。抵抗R1の抵抗値は普電用ソレノイドの抵抗値と同一の10オームである。よって、FET1-1が導通状態に可変されることより普電用ソレノイド209dに電流が流れる場合には、普電用ソレノイド209dには5Vの電圧が印加される。一方、FET1-2が導通状態に可変されることより普電用ソレノイド209dに電流が流れる場合には、抵抗R1と普電用ソレノイド209dとに同一の電圧(2.5V)が印加されることになる。
【1947】
これにより、FET1-1を用いて普電用ソレノイド209dを駆動する場合と、FET1-2を用いて普電用ソレノイド209dを駆動する場合とで、その駆動力に差を設けることができる。詳細は図229を参照して後述するが、本制御例では、普電用ソレノイド209dの駆動力を強くする必要がある普通電動役物640aを開状態に可変する場合と、それよりも普電用ソレノイド209dの駆動力が弱くても問題のない可変した普通電動役物640aを開状態で保持する場合とで、普電用ソレノイド209dの駆動力を変更するように構成している。その結果、普電用ソレノイド209dの駆動力を必要最小限に抑えることができるので、普電用ソレノイド209dの駆動に必要な電力を抑えることができる。
【1948】
また、普電用ソレノイド209dには並列に還流ダイオードD1が設けられている。この還流ダイオードD1のカソード端子は、普電用ソレノイド209dの電源側に接続されている端子側に接続され、アノード端子は、普電用ソレノイド209dの接地側(FET1-1またはFET1-2が接続されている側)に接続される。よって、普電用ソレノイド209dの電源側から接地側へは電流が流れないが、接地側から電源側へは電流が流れることになる。これにより、FET1-1またはFET1-2をオフにした場合に普電用ソレノイド209dの逆起電力により発生する電流が還流ダイオードD1を通して普電ソレノイド209dで消費されることになり、普電用ソレノイド209dの逆起電力によりFET1-1やFET1-2が破壊されてしまうことを抑制(防止)できる。
【1949】
なお、この還流ダイオードD1に代えてFET等のスイッチング素子を採用し、普電用ソレノイド209dに逆起電力が発生した場合にスイッチング素子を導通状態にするようにしても当然よい。また、ソレノイド209dの逆起電力をコンデンサ等に蓄電するように構成してもよい。蓄電したコンデンサのエネルギーを、次のソレノイド209dの動作またはその他のソレノイド、モータの駆動等に用いることで、消費電力を低減させることができる。ソレノイド209dの逆起電力に対して低い電圧のコンデンサを用いれば、ソレノイド209dのエネルギーが即座にソレノイド209dに蓄電されるので、ソレノイド209dのエネルギーを即座に減らすことができ、ソレノイド209dの応答性能(オフ動作の動作速度)を高めることができる。
【1950】
このように、主制御装置110のMPU201からソレノイド駆動用IC1201の入力ポートD1、D2に入力信号が入力され、普電用ソレノイド駆動回路1202が駆動されることで、普電用ソレノイド209dが入力ポートに応じた2種類の駆動力で駆動される。これにより、普電用ソレノイド209dの駆動力を強くする必要がある普通電動役物640aを開状態に可変する場合と、それよりも普電用ソレノイド209dの駆動力が弱くても問題のない可変した普通電動役物640aを開状態で保持する場合とで、普電用ソレノイド209dの駆動力を変更でき、普電用ソレノイド209dの駆動力を必要最小限に抑えることができるので、普電用ソレノイド209dの駆動に必要な電力を抑えることができる。
【1951】
開放ソレノイド駆動回路1203は、ソレノイド駆動用IC1201の入力ポートD3、D4に入力された信号に基づいて更新される出力ポートQ3、Q4によって駆動される回路である。この開放ソレノイド駆動回路1203が駆動されることにより、開放ソレノイド65f2が駆動される。開放ソレノイド駆動回路1203は普電用ソレノイド駆動回路1202と同様の構成となっており、開放ソレノイド65f2を2種類の駆動力で駆動することができる。詳細な内容については、普電用ソレノイド駆動回路1202と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
【1952】
流路ソレノイド駆動回路1204は、ソレノイド駆動用IC1201の入力ポートD5、D6に入力された信号に基づいて更新される出力ポートQ5、Q6によって駆動される回路である。この流路ソレノイド駆動回路1204が駆動されることにより、流路ソレノイド65kが駆動される。流路ソレノイド駆動回路1203は普電用ソレノイド駆動回路1202と同様の構成となっており、流路ソレノイド65kを2種類の駆動力で駆動することができる。詳細な内容については、普電用ソレノイド駆動回路1202と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
【1953】
次に、図229のタイミングチャートを参照して、ソレノイド駆動用IC1201における入出力信号の関係と、ソレノイド駆動用ICの出力信号に対する普電ソレノイド209dの動作とについて説明する。
【1954】
本制御例では、普電ソレノイド209dを可変する場合に、電動役物640aを閉状態から開状態へと可変する吸引期間と、電動役物640aを開状態で保持する保持期間とで、普電ソレノイド209dを駆動する駆動力に差を設けるようにしている。具体的には、電動役物640aを閉状態から開状態へと可変する場合に対し、電動役物640aを開状態で維持する場合の方が必要なエネルギーが少なくて済む。よって、吸引期間では電動役物640aを大きい駆動力(強動作)で駆動し、その後の保持期間では電動役物640aを小さい駆動力(弱動作)で駆動するようにすることで、消費電力を低減している。
【1955】
まず、電源投入直後において、ソレノイド駆動用IC1201のクリア信号入力端子CLRへの入力信号がOFF(0V)である場合には、クロック入力端子CKにON信号が入力されたとしても、入力ポートD1、D2への入力信号に基づいて出力ポートQ1、Q2の出力信号が更新されることはなく、出力ポートQ1、Q2の出力信号はともにOFF(0V)となる。これにより、クリア信号入力端子CLRへの入力信号をOFF(0V)にしておくことで、ノイズ等の影響によりクロック入力端子CKにON信号が入力されたとしても、出力ポートQ1、Q2の出力信号がON(5V)となることがないので、普電用ソレノイド209dの誤作動を防止(抑制)できる。
【1956】
その後、ソレノイド駆動用IC1201のクリア信号入力端子CLRの入力信号をON(5V)にすることで、入力ポートD1、D2への入力信号に基づいて出力ポートQ1、Q2の出力信号が更新される状態となる。
【1957】
この場合に、クロック入力端子CKの信号がOFF(0V)からON(5V)へと立ち上がると、入力ポートD1、D2への入力信号に基づいて出力ポートQ1、Q2の出力信号が更新される。普電ソレノイド209dを駆動する場合、即ち、電動役物640aを開放する場合には、まず、入力ポートD1の入力信号をON(5V)にする。入力ポートD1の入力信号がON(5V)になると、クロック入力端子CKへのクロック信号の立ち上がりタイミングで出力ポートQ1の出力信号がON(5V)に更新される。
【1958】
出力ポートQ1の出力信号がON(5V)になると、FET1-1(図228参照)が駆動され、普電ソレノイド209dは5Vが印加されることで、強動作(2.5W)で駆動される。入力ポートD1の入力信号は80msの間ON(5V)に維持されるので、普電ソレノイド209dは80msの間強動作(2.5W)で駆動されることになる。この80msの期間を吸引期間といい、この吸引期間において電動役物640aが閉状態から開状態へと可変される。
【1959】
吸引期間では、入力ポートD2への入力信号はOFF(0V)のままであるので、出力ポートQ2の出力信号もOFF(0V)のままとなり、FET1-2(図228参照)は駆動されない。
【1960】
80ms間の吸引期間を終えると、普電ソレノイド209dを開状態で320msの間保持する保持期間へと移行する。保持期間へと移行する場合には、まず、入力ポートD1への入力信号をOFF(0V)にする。そして、その所定期間後(本制御例では2ms後)に、入力ポートD2への入力信号をON(5V)にする。入力ポートD2の入力信号がON(5V)になると、FET1-2が駆動されて、普電ソレノイド209dが駆動される。図228において上述したように、FET1-2を用いて普電ソレノイド209dを駆動する場合には、その回路上に抵抗R1が設けられていることにより、普電ソレノイド209dに印加される電圧が低くなり(2.5V)、普電ソレノイド209dに流れる電流が低下する(0.25A)。よって、普電ソレノイド209dの駆動力が低下する(0.625W)と共に、普電ソレノイド209dで消費される電力が低下する。これにより、保持期間における普電ソレノイド209dの駆動力を必要最小限とすることで、消費電力を低下させることができる。
【1961】
入力ポートD1への入力信号がOFFとなってから、入力ポートD2への入力信号がONとなるまでの所定期間(2ms)では、期間が十分に短いために、普電ソレノイド209dが開状態から閉状態へと可変されることはない。また、クロック入力端子CKに入力している入力信号の周波数は10kHzであり、0.1ms間隔で入力ポートへの入力信号を参照し、出力ポートの出力へと反映することができるので、入力ポートD1への入力信号がOFFとなってから(即ち、出力ポートQ1の出力がOFFとなってから)所定期間(2ms)経過後に出力ポートQ2の出力をONにすることができる。
【1962】
なお、本制御例では、入力ポートD1への入力信号をOFFとしてから、入力ポートD2への入力信号をONにするようにしたが、これに限られるものではない。例えば、入力ポートD1への入力信号をOFFにすると同時に、入力ポートD2への入力信号をONにするようにしても良いし、入力ポートD2への入力信号をONにしてから、入力ポートD1への入力信号をOFFにするようにしてもよい。入力ポートD2への入力信号をONにしてから、入力ポートD1への入力信号をOFFにする場合には、入力ポートD2への入力信号をONにすると、FET1-1とFET1-2とが同時に駆動される状態となる。この場合に普電ソレノイド209dに印加される電圧は、FET1-1のみが駆動している場合の電圧(5V)よりも低く、FET1-2のみが駆動している場合の電圧(2.5V)よりも高くなる。よって、FET1-1が駆動され、普電ソレノイド209dに高い電圧が印加される状態から、FET1-2が駆動され、普電ソレノイド209dに低い電圧が印加される状態へと移行する場合に、FET1-1とFET1-2とを同時に駆動する状態を経るようにすることで、普電ソレノイド209dに印加される電圧をスムーズに低下させることができる。普電ソレノイド209dに印加される電圧を可変させる方法としては、FETをスイッチング動作させ、そのスイッチング動作の期間を可変することで印加される電圧を可変させる方法、所謂、PWM制御を採用しても当然よい。
【1963】
また、本制御例では、クロック入力端子CKに周期的なクロック信号を入力し、そのクロック信号の立ち上がり周期で出力ポートの出力信号が更新されるように構成したが、これに限られるものではない。入力ポートへの入力信号を可変した場合にクロック入力端子CKにパルス信号を入力することで、出力ポートの出力信号が更新されるようにしてもよい。この場合、入力ポートへの入力信号を可変し、その後、入力ポートへの入力信号を監視して、指定した入力信号となっているかをチェックしてからクロック入力端子CKにパルス信号を入力するようにすることで、出力ポートの出力信号が意図しないものとなり、各種ソレノイドが誤作動してしまうことを防止(抑制)できる。
【1964】
保持期間の320msを経過すると、入力ポートD2への入力信号をOFF(0V)に可変し、FET1-2の駆動を停止させることで、普電ソレノイド209dを開状態から閉状態へと可変させて、計0.4秒の電動役物の開放動作を終了させる。
【1965】
次に、図230を参照して、本制御例における普電(電動役物)の動作の流れについて説明をする。図230は、遊技状態(時短状態と通常状態)と普電(電動役物)640aの動作の流れを示すタイミングチャートである。
【1966】
本制御例では、普電(電動役物)640aの開放動作として、1回の動作で普電(電動役物)640aを0.08秒開放させるショート開放と、0.4秒開放させるロング開放とが設けられており、遊技状態が時短状態であればロング開放が設定され、通常状態であればショート開放が設定されるよう構成されている。
【1967】
そして、時短中におけるロング開放では、普電(電動役物)640aの動作間隔に基づいて普電ソレノイド209dに対して出力される信号が設定されるように構成されており、普電(電動役物)640aの動作間隔が所定期間(例えば、300ミリ秒)以上の場合は、普電ソレノイド209dを強動作させる強出力信号が開放期間中(400ミリ秒間)出力され(図230の地点aと地点b参照)、普電(電動役物)640aの動作間隔が所定期間(例えば、300ミリ秒)より短い場合は(図230の地点aと地点b参照)、普電(電動役物)640aを開放させる期間(吸引期間)の間(80ミリ秒)強出力信号が出力され(図230の地点cと地点d参照)、その後、弱出力信号が、普電(電動役物)640aの開放状態を保持する保持期間(320ミリ秒)の間出力される(図230の地点dと地点e参照)。
【1968】
このように構成することで、普電(電動役物)640aが頻繁に動作する場合に、開放状態を保持する電力を抑えることができる。なお、本制御例では、普電(電動役物)640aの開放状態として、パチンコ機10の遊技状態(ロング開放が実行される遊技状態、即ち、時短中であるか否か)と、動作間隔とを判別し、その判別結果に基づいて普電ソレノイド209dへ出力する信号の種別切り替わるように設定しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、パチンコ機10の遊技状態が普電(電動役物)640aを頻繁に開閉する遊技状態となったことを判別した場合に、出力する信号の種別を切り替えてもよいし、単位時間当たりにおける普電(電動役物)640aの合計開放期間に基づいて出力する信号の種別を切替えても良い。
【1969】
さらに、普電ソレノイド209dの温度を検知可能なサーミスタを設け、普電ソレノイド209dの温度が所定温度(例えば、60度)を超えた場合に、出力する信号の種別を切替えても良い。
【1970】
次に、図231を参照して、本第15制御例における主制御装置110内のRAM203の内容について説明する。図231は、本第15制御例における主制御装置110のMPU201におけるRAM203の内容を模式的に示した模式図である。本第15制御例におけるRAM203は、第1制御例におけるRAM203に対して弱出力待機タイマ203daと、待機完了フラグ203dbと、弱出力タイマ203dcと、強出力タイマ203ddと、普電間隔タイマ203deとが追加されている点で相違する。その他の構成については、第1制御例と同一であるのでその詳細な説明は省略する。
【1971】
弱出力待機タイマ203daは、普電(電動役物)640aが開放動作を行う際に、普電ソレノイド209dに対して弱出力信号を出力するまでの期間をカウントするためのタイマであって、このタイマに設定された値(例えば、「40」)は2ミリ秒毎に減算され、タイマの値が「0」となった場合に弱出力信号が普電ソレノイド209dに対して出力されるよう構成されている。この弱出力待機タイマ203daは、普電動作設定処理(図235のS654参照)において、時短中であると判別され(S711:Yes)、次いで、普電間隔タイマ203deの値が「0」ではないと判別された場合に(S712:No)、「40」の値が設定され、普電タイマ減算処理(図237のS264参照)が実行される毎に、タイマの値が「0」になるまで1減算される(図237のS852)。
【1972】
そして、普電タイマ減算処理(図237のS264)において、弱出力待機タイマ203daの値が「0」であると判別された場合に(S853:Yes)、待機完了フラグ203dbがオンに設定される。
【1973】
待機完了フラグ203dbは、普電(電動役物)640aが開放動作を行う際に、普電ソレノイド209dに対して弱出力信号を出力する状態を示すものであって、弱出力待機タイマ203daの値が「0」となった場合にオンに設定される。この待機完了フラグ203dbは、普電タイマ減算処理(図237のS264)において、弱出力待機タイマ203daの値が「0」であると判別された場合に(S853:Yes)、オンに設定され(S854)、普電開閉処理(図236のS263)において弱出力信号を出力するか否かを判別する際に参照され(S813)、弱出力タイマ203dcの値が「0」であると判別された場合に(S816:Yes)、オフに設定される(S820)。
【1974】
弱出力タイマ203dcは、普電ソレノイド209dに対して弱出力信号を出力する期間をカウントするタイマであって、弱出力信号を出力するタイミングに所定値(例えば「160」)が設定され所定間隔(2ミリ秒)毎に1減算される。弱出力信号は、弱出力タイマ203dcの値が「0」となるまでの間出力される。
【1975】
この弱出力タイマ203dcは、普電開閉処理(図236のS263)において、待機完了フラグ203dbがオンに設定されていると判別された場合に(S813:Yes)、「160」の値が設定され(S814)、普電タイマ減算処理(図237のS264参照)が実行される毎(2ミリ秒毎)に、タイマの値が「0」になるまで1減算される(図237のS856)。
【1976】
強出力タイマ203ddは、普電ソレノイド209dに対して強出力信号を出力する期間をカウントするタイマであって、強出力信号を出力するタイミングに所定値(例えば「40」)が設定され所定間隔(2ミリ秒)毎に1減算される。強出力信号は、強出力タイマ203ddの値が「0」となるまでの間出力される。
【1977】
この強出力タイマ203ddは、普電動作設定処理(図235のS654)において、普電間隔タイマ203deの値が「0」と判別された場合に(S712:Yes)、「200」の値で設定され(S716)、普電間隔タイマ203deの値が「0」ではない(「1」以上である)と判別された場合に(S712:No)、「40」の値が設定される(S714)。
【1978】
そして、普電タイマ減算処理(図237のS264)が実行される毎(2ミリ秒毎)に、タイマの値が「0」になるまで1減算され(図237のS858)、普電開閉処理(図236のS263)において、強出力タイマ203ddの値が「0」であると判別されると(S811:Yes)、強出力ソレノイド信号の出力が停止される(オフに設定される)(S812)。
【1979】
普電間隔タイマ203deは、普電(電動役物)640aの開放動作が実行される間隔をカウントするためのタイマであって、普電(電動役物)640aの開放動作に対して普電ソレノイド209dへの出力信号の種別(強出力信号または弱出力信号)および出力期間を設定する際に参照されるものである。
【1980】
この普電間隔タイマ203deは、普電開閉処理(図236のS263)において、普通図柄を待機状態に設定(S818)した後に、「200」の値が設定され(S819)、普電タイマ減算処理(図237のS264)が実行される毎(2ミリ秒毎)に、タイマの値が「0」になるまで1減算される(図237のS860)。
【1981】
そして、普電動作設定処理(図235のS654)において、普電ソレノイド209dへ出力する出力信号の種別および出力期間を判別する際に参照される(S712)。
【1982】
<第15制御例における制御処理について>
次に、図232から図236を参照して本第15制御例における制御処理について説明をする。本第15制御例における制御処理は、第1制御例に対して、主制御装置の内容が変更されている。その他の処理については、第1制御例と同じであり、その詳細な説明は省略する。
【1983】
本第15制御例では、第1制御例に対し、タイマ割込処理において普通図柄変動処理(図63のS106参照)に代えて普通図柄制御処理(図232のS155参照)を実行する点で相違する。その他の点は同一であるため、同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【1984】
まず、図232を参照して本第15制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110MPU201により実行されるタイマ割込処理について説明する。図232は、本第15制御例におけるタイマ割込処理の内容を示したフローチャートである。なお、第1制御例におけるタイマ割込処理(図63参照)と同一部分については、同一の符号を付しその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【1985】
タイマ割込処理(図232参照)が実行されると、上述した第1制御例のタイマ割込処理(図63参照)と同様にS101?S105の処理を実行し、その後、普通図柄制御処理(S155)が実行される。この普通図柄制御処理(S155)については、図233を参照して、その詳細な説明を後述する。
【1986】
そして、普通図柄制御処理(S155)を終えると、上述した第1制御例のタイマ割込処理(図63参照)と同様にS107?S109の処理を実行し、本処理を終了する。
【1987】
次に、図233を参照して普通図柄制御処理(S155)について説明する。図233は普通図柄制御処理(S155)の内容を示したフローチャートである。この普通図柄制御処理(S155)では、普通図柄(第2図柄)の変動を実行する普通図柄変動処理2(S262)と、普通図柄(第2図柄)の抽選結果が当たりの場合に開放される電動役物(普電)640aの開閉処理を行う普電開閉処理(S263)と、普電開閉処理を実行する際に設定される各種タイマ(弱出力待機タイマ203da、弱出力タイマ203dc、強出力タイマ203dd)の減算を行う普電タイマ減算処理(S264)が実行される。
【1988】
普通図柄制御処理(S155)が実行されると、まず現在が普通図柄の当たり中であるかを判別する(S261)。S261の処理において当たり中では無い(変動中または待機中である)と判別された場合は(S261:No)、次に、普通図柄変動処理2(S262)を実行し、本処理を終了する。一方、S261の処理において当たり中であると判別された場合は(S261:Yes)、次いで、普電開閉処理(S263)を実行し、次いで、普電タイマ減算処理(S264)を実行し、本処理を終了する。
【1989】
ここで、普通図柄変動処理2(S262)について、図234を参照して説明する。図234は、普通図柄変動処理2(S262)の内容を示したフローチャートである。この普通図柄変動処理2(S262)は、上述した第1制御例の普通図柄変動処理(図68のS106参照)に対して、普通図柄の変動時間を変更した点と、電動役物(普電)640aの動作内容を設定する普電動作設定処理(S625)を設けた点で相違する。なお、上述した第1制御例の普通図柄変動処理(図68のS106参照)と同一部分については、同一の符号を付しその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【1990】
普通図柄変動処理2(図234のS262)が実行されると、上述した第1制御例の普通図柄変動処理(図68のS106参照)と同様にS602?S611の処理を実行する。S608の処理において、時短中であると判別された場合は(S608:Yes)、S610の処理を実行した後、普通図柄の変動時間を0.1秒に設定し(S652)、S612の処理へ移行し、上述した第1制御例の普通図柄変動処理(図68のS106参照)と同様に、S612,S613,S618の処理を実行し、本処理を終了する。
【1991】
一方、S608の処理において、時短中ではないと判別された場合は(S608:No)、S611の処理を実行した後、普通図柄の変動時間を0.5秒に設定し(S653)、S612の処理へ移行する。
【1992】
また、S602の処理において、普通図柄が変動中であると判別された場合は(S602:Yes)、上述した第1制御例の普通図柄変動処理(図68のS106参照)と同様にS622?S624の処理を実行し、次いで、普電動作設定処理(S654)を実行した後に本処理を終了する。
【1993】
次に、図235を参照して、普電動作設定処理(S654)について説明をする。図235は、普電動作設定処理(S654)の内容を示したフローチャートである。この普電動作設定処理(S654)では、遊技状態(時短中か否か)および普電の動作間隔に基づいて普電ソレノイド209dへ出力する出力ソレノイド信号を設定する処理が実行される。
【1994】
普電動作設定処理(S654)が実行されると、まず、現在が時短中であるかを判別し(S711)、時短中であると判別された場合は(S711:Yes)、次に、普電間隔タイマ203deの値が「0」であるかを判別し(S712)、普電間隔タイマ203deの値が「0」では無い(「1」以上である)と判別された場合は(S712:No)、弱出力待機タイマ203daの値に「40」を設定し(S713)、S714の処理へ移行する。一方、S711の処理において、時短中ではないと判別された場合は(S711:No)、そのままS714の処理へ移行する。
【1995】
S714の処理では、強出力タイマ203ddの値に「40」を設定し(S714)、次いで、強出力ソレノイド信号を出力し(オンに設定し)(S715)、本処理を終了する。一方、S712の処理において、普電間隔タイマ203deの値が「0」であると判別された場合は(S712:Yes)、強出力タイマ203ddの値を「200」に設定し(S716)、S715の処理へ移行する。
【1996】
次に、図236を参照して普電開閉処理(S263)について説明する。図236は普電開閉処理(S263)の内容を示すフローチャートである。普電開閉処理(S263)が実行されると、まず、強出力タイマ203ddの値が「0」であるかを判別し(S811)、強出力タイマ203ddの値が「0」であると判別された場合は(S811:Yes)、強出力ソレノイド信号の出力を停止し(オフに設定し)(S812)、S813の処理へ移行する。一方、S811の処理において、強出力タイマ203ddの値が「0」ではない(「1」以上)と判別された場合は(S811:No)、S812の処理をスキップし、S813の処理へ移行する。
【1997】
S813の処理では、待機完了フラグ203dbがオンに設定されているかを判別し(S813)、オンに設定されていない(オフに設定されている)と判別された場合は(S813:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S813の処理において、待機完了フラグ203dbがオンに設定されていると判別された場合は(S813:Yes)、次に、弱出力タイマ203dcの値に「160」を設定し(S814)、弱出力ソレノイドを出力する(オンに設定し)(S815)。
【1998】
S815の処理を終えると、次に、弱出力タイマ203dcの値が「0」であるかを判別し(S816)、弱出力タイマ203dcの値が「0」であると判別された場合は(S816:Yes)、次に、弱出力ソレノイド信号の出力を停止し(オフに設定し)(S817)、普通図柄を待機状態に設定し(S818)、普電間隔タイマ203deの値に「200」を設定し(S819)、待機完了フラグ203dbをオフに設定し(S820)、本処理を終了する。一方、S816の処理において、弱出力タイマ203dcの値が「0」ではないと判別された場合は(S816:No)、S814?S816の処理をスキップして、本処理を終了する。
【1999】
図237は、普通図柄制御処理(図233のS155)にて実行される普電タイマ減算処理(S264)の内容を示したフローチャートである。この普電タイマ減算処理(S264)では、普通図柄の制御処理を実行する際に設定される各種タイマの減算処理が実行される。
【2000】
普電タイマ減算処理(S264)が実行されると、まず、弱出力待機タイマ203daの値が「0」よりも大きいかを判別する(S851)。S851の処理において、弱出力待機タイマ203daの値が「0」よりも大きい(「1」以上)と判別された場合は(S851:Yes)、弱出力待機タイマ203daの値を1減算し(S852)、次に、減算された弱出力待機タイマ203daの値が「0」であるかを判別する(S853)。S853の処理において、弱出力待機タイマ203daの値が「0」であると判別された場合は(S853:Yes)、待機完了フラグ203dbをオンに設定し(S854)、S855の処理へ移行する。一方、S853の処理において、弱出力待機タイマ203daの値が「0」ではない(「1」以上)と判別された場合には(S853:No)、S854の処理をスキップしてS855の処理へ移行する。また、S851の処理において、弱出力待機タイマ203daの値が「0」よりも大きくない(「0」である)と判別された場合も、そのままS855の処理へ移行する。
【2001】
S855の処理では、弱出力タイマ203dcの値が「0」よりも大きいかを判別する(S855)。S855の処理において、弱出力タイマ203dcの値が「0」よりも大きい(「1」以上)と判別された場合は(S855:Yes)、次いで、弱出力タイマ203dcの値を1減算して(S856)、S857の処理へ移行する。一方、S855の処理において、弱出力タイマ203dcの値が「0」よりも大きくない(「0」である)と判別された場合は(S855:No)、S856の処理をスキップしてS857の処理へ移行する。
【2002】
S857の処理では、強出力タイマ203ddの値が「0」よりも大きいかを判別する(S857)。S857の処理において、強出力タイマ203ddの値が「0」よりも大きい(「1」以上)と判別された場合は(S857:Yes)、次いで強出力タイマ203ddの値を1減算して(S858)、S859の処理へ移行する。一方、S857の処理において、強出力タイマ203ddの値が「0」よりも大きくない(「0」である)と判別された場合は(S857:No)、S858の処理をスキップして、S859の処理へ移行する。
【2003】
S859の処理では、普電間隔タイマ203deの値が「0」よりも大きいかを判別する(S859)。S859の処理において、普電間隔タイマ203deの値が「0」よりも大きい(「1」以上)と判別された場合は(S859:Yes)、次いで、普電間隔タイマ203deの値を1減算して(S860)、本処理を終了する。一方、S859の処理において、普電間隔タイマ203deの値が「0」よりも大きくない(「0」である)と判別された場合は(S859:No)、S860の処理をスキップして、本処理を終了する。
【2004】
以上、説明したように本第15制御例によれば、各種電動役物を駆動させるためのソレノイドに対して状態(吸引状態、保持状態)に応じた電力を供給可能に構成した。これにより、ソレノイドを保持する際に使用する電力を抑えることが可能となる。さらに、過剰に使用される電力を抑えることによりソレノイドが過剰に熱を発生することを抑制することができる。
【2005】
また、本制御例のパチンコ機10は、各ソレノイドに対して遊技状態に対応した制御信号が出力されるよう構成されているため、例えば、普電(電動役物)640aが頻繁に開放される遊技状態(例えば、時短状態)と、普電(電動役物)640aの開放が頻繁ではない遊技状態(通常状態)とで、ソレノイドへの出力信号の種別を可変させることができる。
【2006】
本制御例では、普電(電動役物)640aが頻繁に動作する場合に、開放状態を保持する電力を抑えることができる。なお、本制御例では、普電(電動役物)640aの開放状態として、パチンコ機10の遊技状態(ロング開放が実行される遊技状態、即ち、時短中であるか否か)と、動作間隔とを判別し、その判別結果に基づいて普電ソレノイド209dへ出力する信号の種別切り替わるように設定しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、パチンコ機10の遊技状態が普電(電動役物)640aを頻繁に開閉する遊技状態となったことを判別した場合に、出力する信号の種別を切り替えてもよいし、単位時間当たりにおける普電(電動役物)640aの合計開放期間に基づいて出力する信号の種別を切替えても良い。
【2007】
このように構成することで、各種ソレノイド(普電ソレノイド209d、開放ソレノイド65f2、流路ソレノイド65k)が過剰に熱を発生する可能性がある状態において、過剰に熱が発生する前に事前に出力信号の種別を切替えることができる。
【2008】
なお、本制御例では、電力が供給され励磁電流が流れることで、可動鉄芯が突き出るプッシュ型のソレノイドを用いているが、それ以外の構成でもよく、例えば、電力が供給され励磁電流が流れることで、可動鉄芯が埋没するプル型のソレノイドを用いても良い。
【2009】
なお、上述した第15制御例では、ソレノイド駆動回路1200としてソレノイドを強動作させる強出力信号と弱動作させる弱出力信号とを出力可能な回路を用いているが(図228参照)、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、図238(a)に示す構成を用いても良い。
【2010】
次に、図238(a)を参照して、ソレノイド駆動回路1200の別例について説明をする。図238(a)は、上述した第15制御例のソレノイド駆動回路1200の別例である第2ソレノイド駆動回路を模式的に示した模式図である。なお、上述したソレノイド駆動回路1200と同一の要素についてはその説明を省略する。
【2011】
図238(a)に示す通り、第2ソレノイド駆動回路では、普電用ソレノイド209dの電力を可変させるために、通電時における供給電圧を異ならせるように構成されており、スイッチ(SW)1およびスイッチ(SW)2がオン(閉鎖)されている状態では、30Vの電圧で普電用ソレノイド209dが動作(強動作)し、スイッチ(SW)1がオン(閉鎖)し、スイッチ(SW)2がオフ(開放)されている状態では、20Vの電圧で普電用ソレノイド209dが動作(弱動作1)し、スイッチ(SW)1がオフ(開放)し、スイッチ(SW)2がオン(閉鎖)されている状態では、10Vの電圧で普電用ソレノイド209dが動作(弱動作2)するように構成されている。
【2012】
なお、上述した第2ソレノイド駆動回路に設けられる各スイッチ(SW1,SW2)は、主制御装置110から出力される信号に基づいてオン、オフが切り替わるように構成されており、その内容については上述したソレノイド駆動回路1200と同一であるため、詳細な説明を省略する。
【2013】
次に、図238(b)を参照して、上述した第2ソレノイド駆動回路を用いた場合における普電ソレノイド209dの動作態様について説明する。図238(b)は、第2ソレノイド駆動回路と普電ソレノイド209dの関係を示したタイミングチャートである。
【2014】
図238(b)に示すように、スイッチ(SW)1、スイッチ(SW)2がともにオンの状態では普電ソレノイド209dが強動作を実行し、スイッチ(SW)1がオンでスイッチ(SW)2がオフの状態では普電ソレノイド209dが弱動作1(L1)を実行し、スイッチ(SW)1がオフでスイッチ(SW)2がオンの状態では普電ソレノイド209dが弱動作2(L2)を実行するし、スイッチ(SW)1、スイッチ(SW)2が共にオフの状態では普電ソレノイド209dが動作を実行しない。
【2015】
ソレノイド駆動回路を本変形例のように構成することで、例えば、普電(電動役物)640aを開放させる場合はスイッチ(SW)1、スイッチ(SW)2を共にオン状態にし、普電ソレノイド209dを強動作で実行させ、普電(電動役物)640aの開放状態を保持する場合に、弱動作1と弱動作2とを使い分けることが可能となる。
【2016】
弱動作1と弱動作2とを使い分ける方法としては、第2入賞口640に球が入球し易い状態(例えば、時短状態)では、第2入賞口640に入球する球の衝撃で普電ソレノイド209dの保持力に抗する力が発生する虞があるため、弱動作1を設定し、一方、第2入賞口640に球が入球し難い状態(例えば、非時短状態)では、弱動作2を設定するように構成してもよい。これにより消費電力を抑えることができるとともに、普電ソレノイド209dにて過剰な熱を発生させることも抑制することができる。
【2017】
次に、図239を参照して、ソレノイド駆動回路1200の変形例である第2ソレノイド駆動回路を用いた普電ソレノイド209dの動作を説明する。図239は第2ソレノイド駆動回路を用いた場合における普電ソレノイド209dの動作の流れを示したタイミングチャートである。なお、上述した第15制御例の普電ソレノイド209dの動作の流れ(図230参照)と同一の要素については、その詳細な説明を省略する。
【2018】
図239に示す通り、遊技状態が時短中(時短作動)の普電ソレノイド209dの開放動作(ロング開放)においては、普電(電動役物)640aを開放させるために、強出力信号(スイッチ(SW)1)、弱出力信号(スイッチ(SW)2)を共にオン状態にし(80ms)(図239の地点cと地点d参照)、普電(電動役物)640aの開放状態を保持する場合に、強出力信号(スイッチ(SW)1)のみをオン状態にする場合と、弱出力信号(スイッチ(SW)2)のみをオン状態にする場合(図239の地点dと地点e参照)とが交互に実行されるよう構成されている。これにより、普電ソレノイド209dを動作させるために導通する回路が偏ってしまうことを抑制することができる。
【2019】
なお、弱動作1と弱動作2とを使い分ける方法としては、第2入賞口640に球が入球し易い状態(例えば、時短状態)では、第2入賞口640に入球する球の衝撃で普電ソレノイド209dの保持力に抗する力が発生する虞があるため、弱動作1を設定し、一方、第2入賞口640に球が入球し難い状態(例えば、非時短状態)では、弱動作2を設定するように構成してもよい。これにより消費電力を抑えることができるとともに、普電ソレノイド209dにて過剰な熱を発生させることも抑制することができる。
【2020】
以上、説明をしたように本制御例では、複数のソレノイドに同一の規格を用いているが、それぞれのソレノイドの動作環境に合わせて適宜ソレノイドの仕様を決定してもよい。
【2021】
また、本制御例では、普電ソレノイド209dのソレノイド駆動回路を用いて構成を説明したが、その他のソレノイド(開放ソレノイド65f2、流路ソレノイド65k)の駆動回路も同一の構成を有しているものである。
【2022】
<役物駆動演出の変形例について>
上述した第10制御例から第14制御例において実行される役物駆動演出に用いられる各役物(役物A720?役物C460)は、それぞれが、操作手段(枠ボタン22等)への操作に基づいて駆動手段(ソレノイド等)を駆動させることで役物動作を実行するものであった。これに対し、本変形例では、上述した各役物(役物A720?役物C460)の動作に従動して可動する従動役物725,726を設けた点で相違している。その他の構成については上述した第10制御例から第14制御例において実行される役物駆動演出に用いられる構成と同一である。よって、同一の要素については、同一の符号を付しその詳細な説明を省略する。
【2023】
本変形例のように、従動役物725,726を設けることにより、駆動手段(モータ等)が駆動することにより動作が実行される各役物(役物A720?役物C460)の動きに追随して役物(従動役物725,726)を可動させることが可能となるため、演出効果の高い役物動作を実行することができるとともに、各役物(役物A720?役物C460)が動作するタイミングとは異なるタイミングで役物(従動役物725,726)を動作させることが可能となるため、操作手段(枠ボタン22)を複数回操作している遊技者に対して、操作手段(枠ボタン22)の操作に基づいて役物(従動役物725,726)が動作したと思わせることができる。
【2024】
次に、図240を参照して、本変形例に用いられる従動役物725,726の構成および動作の流れを説明する。図240(a)は従動役物725,726の構成を示す模式図であり、図240(b)および(c)は、役物A720の動作に従動する従動役物725,726の動きを示した模式図である。
【2025】
図240(a)に示す通り、従動役物725,726は、役物A720の左スライド部材720aに従動役物725が設けられており、右スライド部材720bに従動役物725が設けられている。ここで、従動役物725の構成について説明をする。
【2026】
従動役物725は、その上端部に設けられた軸支部725aにより左スライド部材720aに軸支固定されており、左スライド部材720aが動作を停止した場合に(図240(b)参照)、慣性力によって軸支部725aを中心に回動可能に構成されている。
【2027】
さらに、左スライド部材720aに設けられた従動役物725と右スライド部材720bに設けられた従動役物726とが共に回動動作をした場合に、各従動役物の先端部725bが当接するように構成されており、従動役物725の先端部725bには、各従動役物(従動役物725、従動役物726)が当接した状態を保持するための保持手段として磁石が設けられている。なお、保持手段としては、各従動役物(従動役物725、従動役物726)が当接した状態を保持可能なものであれば良く、磁石に限られるものではない。例えば、粘着性のある材質や摩擦係数の高い材質で先端部725bを構成してもよい。
【2028】
また、左スライド部材720aには、従動役物725の回動動作を規制するための規制部材725cが設けられている。この規制部材725cは図示しない駆動手段(ソレノイド等)により、従動役物725の回動動作を規制する突出位置と、従動役物725の回動動作を許容する埋没位置(許容位置)とに可変可能なピンで構成されており、所定条件が成立した場合(例えば、特別図柄が大当たりに当選した場合)に、従動役物725が回動動作可能となる許容位置に可変されるよう構成されている。
【2029】
次に、図240(b)および(c)を参照して、従動役物725,726の動作の流れを説明する。図240(b)に示す通り、役物Aの動作が停止(或いは、急な減速)すると、従動役物725,726が慣性力により、各軸支部725a,726aを中心に回動動作する。そして、各先端部725b,726bが当接しすることで、第3図柄表示装置81を覆う位置で略V字状の形状(役物合成形態)を構成する。なお、各先端部725b,726bに設けられた保持手段(磁石等)により、この役物合成形態が保持される。また、規制部材725cは役物Aの動作が実行される場合に、許容位置に可変されるよう構成されているが、役物Aが往動作を実行している間は、役物Aの動作によって生じる推進力により、回動動作が規制され、役物Aが停止(或いは、急な減速)をした場合に回動される。
【2030】
そして、図240(c)に示す通り、役物Aが離間する方向に動作を行うことで(復動作を実行することで)、従動役物725,726の各先端部725b,726bが離間し、自重により従動役物725,726が待機位置(図240(a)に示す位置)へと戻る。なお、従動役物725,726が待機位置に戻るタイミングで規制部材725cが規制位置へと可変されるよう構成しているため、従動役物725,726が待機位置へと戻る動作の反動により、再度、役物A720から飛び出すことを抑制している。
【2031】
以上、説明をした本変形例の構成は、上述した各制御例の構成と組み合わせてもよく、例えば、上述した第12制御例における反復動作と組み合わせ、遊技者が操作手段(枠ボタン22)を操作し、役物A720が反復動作を開始する場合に、規制部材725c,726cを許容位置へと可変させるようにしてもよい。これにより、通常の役物動作では従動役物が回動せず、反復動作が実行される場合にのみ従動役物を回動させることができる。よって、遊技者が操作手段(枠ボタン22)を操作することに基づいて、新たな役物動作を提供することが可能となり、遊技者に意欲的に操作手段(枠ボタン22)を操作させることができるという効果がある。
【2032】
また、上述した第14制御例の構成と組み合わせ、駆動手段(モータ等)の動作速度を速めた役物動作(強動作)が停止(或いは急な減速)した場合のみ従動役物725,726が回動動作をするように構成してもよい。
【2033】
また、本変形例では、規制部材725bを可変させることで従動役物725,726の回動を規制しているが、それ以外の構成として、例えば、従動役物725,726が待機位置に位置することを保持する部材として、左スライド部材720a、右スライド部材720bのそれぞれに保持部材(磁石)等を設けてもよい。この場合、従動役物725,726の各先端部725b,726bに設けられた保持手段(磁石等)により、従動役物725,726が待機位置に位置することを保持することができる。よって、従動役物725,726の先端部に設けられた保持手段を、待機位置を保持する際と完成役物形態を保持する際の両方に用いることが可能となり、部品点数の削減を図ることが可能となる。
【2034】
さらに、従動役物725,726を役物A720の背面側(遊技者が視認困難な箇所)に設けるとよい。これにより、待機位置の位置する従動役物725,726を役物A720で覆うことができるため、従動役物725,726が待機位置付近で揺動したとしても遊技者に気付かれることを抑制することができ、演出効果が低下することを抑制することができる。なお、待機位置に位置する従動役物725,726を遊技者が視認困難にする構成を設ければよく、役物A720以外の構成を用いても良い。
【2035】
また、本制御例のように、規制部材を可変制御する構成を用いる場合は、従動役物725,726を共に回動可能にさせたり、何れか一方を回動可能にさせたりすることができるため、演出効果を高めることができる。例えば、特別図柄が大当たりに当選している場合には、従動役物725,726の両方を回動可能とし(規制部材725c,726cを共に許容位置に可変し)、完成役物形態が構成される演出を実行し、特別図柄が大当たりに当選していない場合(当選していることを報知しない場合)は、いずれか一方の従動役物のみ回動可能とし、遊技者を煽る演出を実行するようにすることができる。
【2036】
以上、説明をした本変形例では、役物A720に従動役物725,726を設けているが、それ以外の役物(役物B740、役物C460)に従動役物を設けてもよい。また、本制御例では、左スライド部材720aと右スライド部材720bとを同じタイミングで動作させているが、それぞれ異なるタイミングで動作させるようにしてもよい。このように、駆動手段(モータ等)で駆動する役物の動作を複雑にすることで、従動役物の動作をより複雑にすることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
【2037】
また、本変形例では、駆動手段を用いない動作を実行する従動役物として、慣性力と重力を用いた構成を説明したが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、弾性部材の復元力を用いて従動役物を構成してもよい。
【2038】
上記した各実施形態および各制御例の全部または一部をそれぞれ組み合わせても良い。
【2039】
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
【2040】
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【2041】
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
【2042】
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
【2043】
<付勢力のみで移動される移動部材の技術的思想の一例>
一方向への弾性的な付勢力を発生させる付勢装置と、その付勢装置の発生させる付勢力により液晶表示装置の表示領域の外方に位置する退避位置から前記液晶表示装置の前記表示領域の正面側に位置する所定位置へ移動可能に形成される移動部材と、前記退避位置において前記移動部材の移動を規制可能に形成される位置規制装置と、その位置規制装置による規制を解除する解除装置と、を備えることを特徴とする遊技機A1。
【2044】
ここで、パチンコ機等の遊技機において、第1位置と第2位置との間で移動可能に形成される移動部材と、その移動部材を移動させるための駆動力を発生する駆動モータと、を備える遊技機がある(例えば特開2011-120640号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、移動部材をモータ駆動により移動させる場合に、移動部材を徐々に加速させ高速にすることは容易であるが、始動時から移動部材を高速で移動させることは難しいという問題点があった。
【2045】
これに対し、遊技機A1によれば、一方向への付勢力により退避位置から所定位置へ移動可能に形成される移動部材は、退避位置において位置規制装置により移動を規制される(停止される)。そして、位置規制装置による規制が解除装置により解除されると、移動部材は退避位置に配置されることで蓄積された付勢力により移動を開始される。
【2046】
そのため、退避位置から移動部材の移動を開始させる始動時から、移動部材にかかる力を目標値に形成することができ、移動部材を高速で始動させることができる。
【2047】
なお、付勢装置としては、磁石の反発力を利用した装置や、バネ弾性を利用した装置等が例示され、解除装置としては、位置規制装置を機械的に移動させる駆動力を与える駆動装置や、位置規制装置の電磁気的な吸着を解除する装置等が例示される。
【2048】
遊技機A1において、少なくとも前記移動部材を前記所定位置から前記退避位置へ向けて移動させる駆動力を発生させる機能を有する駆動装置を備え、その駆動装置によって前記解除装置が構成されることを特徴とする遊技機A2。
【2049】
ここで、一方向への付勢力により移動部材が移動される場合、繰り返し演出を行うために、移動部材を付勢力に逆らって復帰させるための駆動力を発生させる装置が必要になる。そのため、駆動力を発生させる装置を配設するスペースが必要である。しかし、遊技機の内部に移動部材や駆動装置を配設するスペースは限られているので、駆動装置を追加することで移動部材の配設スペースが十分確保できなくなる恐れがある。
【2050】
これに対し、遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、駆動装置によって解除装置が構成されるため、駆動装置を移動部材の規制の解除と、移動部材の所定位置から退避位置への復帰とに兼用することができる。よって、駆動装置を別で用意する場合に比較して、解除装置および駆動装置の配設スペースを抑制することができる。
【2051】
また、移動部材が退避位置から所定位置へ移動した後は、駆動装置による駆動力で移動部材を退避位置へ移動させることが可能なので、移動部材による演出を繰り返し行うことができる。
【2052】
なお、駆動装置としては、モータやエアシリンダー等が例示される。
【2053】
遊技機A2において、前記移動部材は、基端側において回転可能に軸支され、前記位置規制装置は、第1軸を中心に回転される第1回転体と、その第1回転体から突出されると共に前記第1軸に偏心して位置するピン部材と、を備え、そのピン部材は、前記移動部材の前記基端側で前記移動部材と連結され、前記移動部材が前記退避位置に配設される場合に、前記第1軸および前記ピン部材を結ぶ方向が、前記移動部材の前記基端側に形成される回転軸および前記ピン部材を結ぶ方向と直交されることを特徴とする遊技機A3。
【2054】
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、位置規制装置のピン部材が移動部材と連結され、移動部材が退避位置に配設される場合に、第1軸およびピン部材を結ぶ方向が、移動部材の基端側に形成される回転軸およびピン部材を結ぶ方向と直交される態様で形成される。
【2055】
そのため、移動部材が退避位置に移動されることで、自動的にピン部材を第1回転体と移動部材との関係において死点に位置させることができ、移動部材を退避位置に機械的に保持できる。これにより、例えば、移動部材が退避位置に配置されることを検出して位置規制装置を動作させて移動部材を規制するという構造は不要となる。
【2056】
また、移動部材が、第1軸、移動部材の基端側の回転軸およびピン部材の位置関係により機械的に保持されるため、駆動モータなどの駆動力がなくとも、移動部材を退避位置に規制する力を大きく確保することができる。そのため、付勢装置に蓄積される付勢力を大きく確保することができ、移動部材を高速で始動させる効果を顕著にすることができる。
【2057】
遊技機A3において、前記移動部材は、前記ピン部材を案内する案内部を備えると共に、前記退避位置または前記所定位置の少なくとも一方において、前記位置規制装置の前記ピン部材および前記第1軸を結ぶ直線に直交する方向と、前記案内部の延設方向とが一致して配設され、前記位置規制装置は、前記駆動装置に係合されると共に、前記駆動装置が発生させる駆動力が伝達されることにより回転されることで、前記ピン部材を案内部に沿って移動可能に形成されることを特徴とする遊技機A4。
【2058】
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、移動部材が退避位置または所定位置に配置された状態から移動部材を回転させ始める際に、ピン部材の移動方向と案内部の延設方向とが一致するので、第1回転体の回転開始時にピン部材が案内部から受ける抵抗を抑えることができる。
【2059】
そのため、移動部材に対する位置規制装置の規制を解除するために、第1軸、移動部材の基端側の回転軸およびピン部材の位置関係をずらす(位置規制装置を回転させる)際に、必要な駆動装置の駆動力を低減させることができる。
【2060】
遊技機A2からA4のいずれかにおいて、前記位置規制装置および前記駆動装置が互いに係合する係合状態と、前記位置規制装置および前記駆動装置の係合が解除される非係合状態とを形成可能であり、その非係合状態は、少なくとも前記移動部材が前記退避位置から始動する際に形成されることを特徴とする遊技機A5。
【2061】
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、移動部材が退避位置から始動する際に、位置規制装置および駆動装置が非係合状態を形成することで、位置規制装置にかけられる抵抗を抑制し、結果として移動部材の始動時の抵抗を削減することができる。この場合、駆動装置と位置規制装置とが係合状態を形成することで位置規制装置にかけられる抵抗は、移動部材が退避位置から始動する際には発生しない。よって、付勢装置の付勢力に対抗するために大型の駆動装置を選定しても、移動部材の始動時の高速さを確保できるので、付勢装置の設計自由度を向上することができる。即ち、より付勢力の大きい付勢装置を選定することが可能になる。
【2062】
なお、位置規制装置および駆動装置で非係合状態を形成する態様としては、例えば、位置規制装置の第1回転体の側面にギアが刻設され、そのギアに歯合されるギアが部分的に形成される第2回転体が駆動装置に配設され、それら第1回転体と第2回転体とのギアの歯合により駆動装置の駆動力が伝達される場合や、位置規制装置の第1回転体の側面に磁性体が形成され、その磁性体に吸着される磁性体が部分的に形成される第2回転体が駆動装置に配設され、それら第1回転体と第2回転体との吸着により駆動装置が伝達される場合などが例示される。
【2063】
詳述すると、第1回転態と第2回転体とがギアの歯合により駆動力を伝達する場合において、第1回転体または第2回転体の少なくとも一方のギアが、部分的に形成されることにより、ギアの歯合される領域においては位置規制装置と駆動装置とが係合状態を形成し、ギアの歯合が解除される領域(ギアが形成されない領域)においては位置規制装置と駆動装置とが非係合状態を形成する。
【2064】
遊技機A1からA5において、前記移動部材に揺動可能に軸支されると共に前記移動部材が少なくとも所定位置に配置されると前記液晶表示装置の正面側に配置される演出部材を備え、前記移動部材は、基端側から、その基端側の反対側の端部である揺動端側まで延設され、その延設方向を長手方向とする態様で形成され、前記基端側が、前記液晶表示装置の表示領域の外方において揺動可能に軸支され、前記演出部材は、第1の方向における長さが、その第1の方向に直交する第2の方向における長さよりも長い態様で形成され、前記退避位置においては、前記第1の方向を前記移動部材の長手方向に沿わせた姿勢をとり、前記所定位置においては、前記第1の方向を前記移動部材の回転軌跡の接線方向へ向けると共に前記第1の方向の一端が前記退避位置の反対側に張り出す姿勢をとることを特徴とする遊技機A6。
【2065】
遊技機A6によれば、遊技機A1からA5のいずれかの奏する効果に加え、演出部材が退避位置に配置される場合には、演出部材が、その第1の方向を移動部材の長手方向に沿わせた姿勢とされる。そのため、退避位置において、液晶表示装置の表示領域の外方に移動部材の長手方向に直角な方向の空間が十分形成しづらい場合においても、演出部材を液晶表示装置の表示領域の外方に配設しやすくすることができる。
【2066】
また、演出部材が所定位置に配置される場合には、第1の方向を移動部材の回転方向の接線方向に向けるように姿勢が変化され、更に演出部材の第1方向の一端が演出端を挟んで退避位置の反対側に張り出されるので、液晶表示装置の表示領域を効果的に使用して演出を行うことができる。
【2067】
なお、液晶表示装置の外方に移動部材の長手方向に直角な方向の空間が十分形成しづらい場合としては、例えば、液晶表示装置の表示領域の下側に退避位置が配置される場合が例示される。
【2068】
遊技機A6において、前記移動部材の前記基端側に形成される前記揺動軸に垂直な平面に形成される第1案内部を備え、前記演出部材は、前記第1案内部に案内される第1突出部を備え、前記演出部材の姿勢の変化は、前記第1突出部が前記第1案内部を案内されることで生じることを特徴とする遊技機A7。
【2069】
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、演出部材の姿勢の変化は、演出部材の突出部が第1案内部を案内されることにより生じるので、演出部材の姿勢変化の設計自由度を向上させることができる。
【2070】
即ち、例えば、演出部材の姿勢の変化が、移動部材が上昇移動されることで演出部材が傾倒される変化である場合において、移動部材が上昇移動される過程で徐々に演出部材を傾倒させるか、移動部材が上昇移動端に配置された時に突然演出部材が傾倒されるかを、第1案内部の設計次第で任意に選択することができる。
【2071】
なお、第1案内部としては、貫通して形成されると共に長尺方向を有する態様で形成される長穴や、長尺方向を有する窪みとして形成される溝等が例示され、また、案内される態様としては、第1突出部が第1案内部に摺動される態様や、第1突出部に回転体が配設され、その回転体が第1案内部に転動される態様等が例示される。
【2072】
遊技機A7において、前記第1案内部は、前記移動部材の前記揺動軸から放射線状に延設される直線に沿って形成される姿勢変化部と、前記移動部材の前記揺動軸を中心とした円に沿って延設される同心円部と、を備え、その同心円部が、前記所定位置側に形成されると共に、前記姿勢変化部が前記退避位置側に形成されることを特徴とする遊技機A8。
【2073】
遊技機A8によれば、遊技機A7の奏する効果に加え、演出部材が移動部材に対して姿勢変化する期間を短くすることで、移動部材に対する姿勢変化はせずに移動部材と演出部材とが一体として移動される期間を長くすることができる。
【2074】
即ち、姿勢変化部が移動部材の回転軸から放射状に延設される直線に沿って形成されるので、演出部材の端部が姿勢変化部を案内されると、演出部材の端部と演出端軸部の移動軌跡が形成する円との距離が大きく変化され、移動部材の回転角度に対して演出部材の姿勢変化を大きくすることができる。
【2075】
一方、同心円部が移動部材の回転軸を中心とした円に沿って延設されるので、演出部材の第1突出部が同心円部を案内されると、演出部材の第1突出部と、演出部材および移動部材の軸支位置との相対的な位置関係が保持された状態で演出部材が移動される。よって、演出部材の移動部材に対する姿勢変化を抑制することができる。
【2076】
この場合に、同心円部が所定位置側に形成されるので、移動部材の回転移動中に長期間にわたって演出部材と移動部材とを一体として遊技者に視認させることができる。
【2077】
遊技機A7において、前記第1案内部は、前記移動部材の前記揺動軸から放射線状に延設される直線に沿って形成される姿勢変化部と、前記移動部材の前記揺動軸を中心とした円に沿って延設される同心円部とを備え、前記姿勢変化部が、前記所定位置側に形成されることを特徴とする遊技機A9。
【2078】
遊技機A9によれば、遊技機A7の奏する効果に加え、演出部材が移動部材に対して姿勢変化する期間を短くすることで、移動部材に対する姿勢変化はせずに移動部材と演出部材とが一体として移動される期間を長くすることができる。
【2079】
即ち、姿勢変化部が移動部材の回転軸から放射状に延設される直線に沿って形成されるので、演出部材の端部が姿勢変化部を案内されると、演出部材の端部と演出端軸部の移動軌跡が形成する円との距離が大きく変化され、移動部材の回転角度に対して演出部材の姿勢変化を大きくすることができる。
【2080】
一方、同心円部が移動部材の回転軸を中心とした円に沿って延設されるので、演出部材の第1突出部が第1案内部に案内されると、演出部材の第1突出部と、演出部材および移動部材の軸支位置との相対的な位置関係が保持された状態で演出部材が移動される。よって、演出部材の移動部材に対する姿勢変化を抑制することができる。
【2081】
この場合に、姿勢変化部が、所定位置側に形成されるので、演出部材が遊技者に視認された状態で演出部材の姿勢を素早く変化させることができる。
【2082】
遊技機A6からA9のいずれかにおいて、前記移動部材の前記揺動軸に垂直な平面に形成されると共に、前記移動部材の回転軌跡に沿って延設される第2案内部を備え、前記移動部材は、前記第2案内部に案内される少なくとも1の第2突出部を備え、その第2突出部は、前記移動部材と一体的に形成され、前記移動部材が、前記所定位置に配置される場合に、前記第2突出部は、前記第2案内部の一方の端部に当接されることを特徴とする遊技機A10。
【2083】
移動部材は付勢装置の付勢力により移動されるため、モータ駆動を行う場合のようにモータを停止させて移動部材の勢いを減少させることはできず、移動部材の勢いを減少させるためにストッパ機構を形成する必要がある。
【2084】
これに対し、遊技機A10によれば、遊技機A6からA9のいずれかの奏する効果に加え、移動部材が所定位置に配置されると、第2突出部が第2案内部の端部に当接されることで、移動部材の移動を所定位置で確実に止めることができる。
【2085】
また、第2突出部が移動部材の回転軌跡に沿って延設される第2案内部に案内されるので、第2案内部および第2突出部が移動部材の回転を適正化させると同時に、移動部材の揺動軸方向へのぐらつきを抑制することができる。
【2086】
ここで、演出部材の第1突出部および第1案内部を当接させ、ストッパとしての役割を持たせることもできるが、演出部材は移動部材に回転可能に軸支されているので、軸支部分に強度的な問題が生じる。一方、第2突出部は移動部材から一体的に突設されるので、強度的な問題は小さく、ストッパとしての信頼性を高めることができる。
【2087】
なお、第2突出部および第2案内部の組を複数形成することで、移動部材が所定位置に到達したときに必要となる力を分散させることができる。これにより、第2突出部の耐久性を向上させることができる。また、第2案内部としては、貫通して形成されると共に長尺方向を有する態様で形成される長穴や、長尺方向を有する窪みとして形成される溝等が例示され、また、案内される態様としては、第2突出部が第2案内部に摺動される態様や、第2突出部に回転体が配設され、その回転体が第2案内部に転動される態様等が例示される。
【2088】
遊技機A10において、前記第2案内部は、前記一方の端部の方が、その一方の端部の反対側の端部である他方の端部よりも、延設方向と垂直な方向の溝幅が縮小される態様で形成されることを特徴とする遊技機A11。
【2089】
遊技機A11によれば、遊技機A10の奏する効果に加え、第2案内部は、一方の端部の方が他方の端部に比較して溝幅が縮小される態様で形成される。即ち、移動部材が退避位置に配置される場合の第2突出部と第2案内部とで形成される隙間が大きく確保されるので、移動部材の始動時の抵抗を抑制することができる。また、移動部材が所定位置に配置される場合の第2突出部と第2案内部とで形成される隙間を小さくすることができ、第2突出部のぐらつきを抑制することができる。
【2090】
ここで、第2案内部の溝幅が縮小される態様としては、第2案内部の一方の端部から他方の端部へ向かうにつれて溝幅が徐々に縮小される場合や、第2案内部の一部分で急激に溝幅が縮小される(溝幅の縮小の度合いが少なくとも2種類で形成される)場合等が例示される。
【2091】
なお、第2案内部を貫通孔で形成し、第2突出部が第2案内部に挿通されると共に第2突出部の先端に抜け止め部材を締結固定する場合において、第2案内部の穿設方向における厚みを、他方の端部に比較して、一方の端部の方が縮小される態様で形成しても、同様の作用効果を得ることができる。この場合には、更に、移動部材が張出位置に配置される場合において、特に第2案内部の穿設方向に移動部材がぐらつくことを抑制することができる。
【2092】
遊技機A11において、前記移動部材の前記退避位置から前記所定位置への揺動は上昇移動で形成され、前記第2案内部は、小径側の側面が、前記一方の端部から前記他方の端部付近までに亘って前記第2突出部との隙間が小さくされると共に、その隙間に比較して前記他方の端部では前記第2突出部との隙間が大きくされ、大径側の側面が、前記一方の端部において前記第2突出部との隙間が小さくされると共に、その隙間に比較して前記一方の端部付近から前記他方の端部付近までに亘って第2突出部との隙間が大きくされることを特徴とする遊技機A12。
【2093】
遊技機A12によれば、退避位置から所定位置への移動部材の揺動が上昇移動で形成されるので、移動部材が退避位置から所定位置へ揺動される場合には、移動部材が揺動軸との遊びにより軸垂直方向にわずかに移動する場合に第2突出部は第2案内部の小径側に当接されやすい。ここで、第2案内部の小径側は移動部材が退避位置から所定位置へ揺動する過程の初期の段階で第2突設部との隙間が小さくされる。これにより、移動部材の退避位置から所定位置への揺動を滑らかにすることができる。
【2094】
また、所定位置から退避位置へ揺動される場合には、第2突出部は第2案内部の大径側に当接されやすい。ここで、第2案内部の大径側は移動部材が所定位置に揺動されてようやく第2突設部との隙間が小さくされる。これにより、移動部材が所定位置から退避位置へ揺動する際に第2案内部から受ける摩擦抵抗を低減することができる。そのため、駆動装置の設計自由度を向上させることができる。
【2095】
遊技機A6からA12のいずれかにおいて、前記移動部材は、前記基端側から前記揺動端側まで延設される本体部と、前記演出部材の厚さより若干大きい隙間を空けて前記本体部の正面側に離間して配設される装飾部を備え、前記演出部材が姿勢変化すると、前記第1の方向の一端もしくはその一端の反対側の他端のうち少なくとも一方が、前記本体部と前記装飾部との間に収納されることを特徴とする遊技機A13。
【2096】
遊技機A13によれば、遊技機A6からA12のいずれかの奏する効果に加え、演出部材が姿勢を変化させると、演出部材の第1の方向の両端のうち少なくとも一方が、本体部と装飾部との間に若干の隙間を空けて収納される。そのため、演出部材が姿勢変化する時に、何らかの理由で、演出部材が本体部に対して、揺動軸方向に大きく移動可能となった場合に、本体部と装飾部とがその移動を妨げるガイドとなり、演出部材の揺動軸方向への大きな移動を制限することができる。
【2097】
これによれば、演出部材と、他の役物が積層関係に配設される場合において、演出部材が他の役物に干渉することを防止することができる。
【2098】
遊技機A13において、前記演出部材のいずれかの部分の移動軌跡と、前記装飾部材のいずれかの部分の移動軌跡とが、前記液晶表示装置の表示領域の内方において、前記演出部材の前記揺動軸方向視で重なることを特徴とする遊技機A14。
【2099】
遊技機A14によれば、遊技機A13の奏する効果に加え、液晶表示装置の表示領域の内方において、演出部材を本体部と装飾部との間に確実に収納させることができる。これにより、固定板で前後方向のずれを防止する場合のように、液晶表示装置の表示領域の外方において初めて演出部材が本体部と装飾部との間に収納される場合に比較して、より早い段階から演出部材の揺動軸方向への動きを規制するガイド機能を発揮させることができる。
【2100】
これにより、複数の移動ユニットが積層配置される場合に、液晶表示装置の表示領域の外方における移動ユニットの移動部材間の干渉だけでなく、液晶表示装置の表示領域の内方における移動ユニットの移動部材間の干渉を防止することができる。
【2101】
<移動部材のぐらつきを抑制する技術的思想の一例>
退避位置と所定位置とをスライド移動可能に形成される移動部材と、その移動部材を駆動させる駆動力を発生させる第1駆動装置と、前記移動部材に配設される演出部材と、その演出部材を駆動させる駆動力を発生させる第2駆動装置と、を備える遊技機において、前記退避位置は、前記所定位置から前記遊技機の横方向へ所定距離だけ離間された位置であると共に前記所定位置から前記遊技機の縦方向上側へ所定距離だけ離間された位置であり、少なくとも前記所定位置は前記移動部材の移動終端とされ、少なくとも前記移動部材が前記所定位置に配置された状態において前記演出部材は駆動されることを特徴とする遊技機B1。
【2102】
ここで、スライド移動可能に形成される移動部材と、その移動部材に配置されると共に、移動部材とは独立して駆動される演出部材と、を備え、移動部材が水平方向へスライド移動される遊技機がある(例えば特開2012-085811号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、演出部材の駆動の反作用による力を移動部材が受け、移動部材がスライド方向へ移動されるため、移動部材を所定位置に維持しておくには、演出部材の駆動の反作用による力に抵抗する力を移動部材に加え続ける必要があるという問題点があった。
【2103】
これに対し、遊技機B1によれば、移動部材の移動終端である所定位置は、退避位置の斜め下方向に形成される。そのため、所定位置で演出部材が第2駆動装置の駆動力により駆動され、その反作用による力を移動部材が受けても、移動部材の自重による力が所定位置へ向けて働き、移動部材を所定位置に維持できるため(押し戻すため)、第1駆動装置から移動部材に与えられる駆動力を不要としても、移動部材を所定位置に維持することができる。
【2104】
なお、遊技機の縦方向とは、遊技機をホールに設置した際に鉛直方向に沿う方向を意味し、遊技機の横方向とは、遊技機の縦方向と略垂直に交差する方向を意味する。
【2105】
なお、第1駆動装置の駆動力を移動部材に伝達させる方法としては、移動部材の基端側にラックギアを形成し、そのラックギアに歯合するピニオンギアを第1駆動装置の駆動力で回転させる方法や、移動部材の基端側にベルトを取り付け、そのベルトを巻き取る方法等が例示される。
【2106】
遊技機B1において、前記移動部材のスライド移動する平面と垂直な方向に所定距離だけ離間して配置される補助部材を備え、前記移動部材は、少なくとも前記所定位置に配置された状態において、液晶表示装置の表示領域の内方に形成される張出部を備え、前記移動部材が、少なくとも前記所定位置に配置された状態において、前記張出部が前記移動部材のスライド移動する平面と垂直な方向に揺動する場合に、前記補助部材と当接されることを特徴とする遊技機B2。
【2107】
ここで、移動部材の張出部は、移動部材が所定位置に配置される場合において、液晶表示装置の表示領域の内方に張り出して形成されるので、他の役物との干渉を防止するため、スライドする平面と垂直な方向への揺れを抑制することが求められる。
【2108】
これに対し、遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、補助部材が移動部材のスライドする平面と垂直な方向に所定距離離間して配置されると共に、移動部材が所定位置に配置された状態において、張出部が移動部材のスライド移動する平面と垂直な方向に揺動する場合に、補助部材と移動部材の張出部とが当接される。よって、張出部のぐらつきを抑制し、他の役物と張出部とが衝突することを防止することができる。
【2109】
遊技機B2において、前記張出部は、先端側に比較して根本側の剛性が弱められていることを特徴とする遊技機B3。
【2110】
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、張出部の先端側に比較して根本側の剛性が弱められているので、張出部の先端で生じるぐらつきが張出部の根本側に伝達される度合いを弱めることができる。
【2111】
ここで、剛性を弱める方法としては、二色成型により部分的に剛性の異なる樹脂材料で張出部を構成する場合や、張出部の厚みが部分的に変化される場合などが例示される。
【2112】
張出部が移動部材のスライド移動する平面と略垂直な方向に薄厚で形成される場合には、張出部の撓み変形により移動部材がスライド移動方向にぐらつくことを抑制することができる。
【2113】
また、張出部の根本側が先端側に比較して薄厚に形成される場合には、張出部の先端側でのぐらつきが張出部の根本側を支点とする撓み変形に変換される。これにより、張出部の根本側において移動部材がスライド移動する平面と垂直な方向に水平移動されることを抑制することができる。
【2114】
遊技機B2又はB3において、前記補助部材は、前記移動部材に一方の端部が軸支され、その一方の端部の反対側の端部である他方の端部が前記液晶表示装置の表示領域の外方で軸支され、前記移動部材が前記退避位置に配置される場合には、前記補助部材は前記液晶表示装置の表示領域の外方に配置されることを特徴とする遊技機B4。
【2115】
遊技機B4によれば、遊技機B2又はB3の奏する効果に加え、補助部材の一方の端部が移動部材に軸支され、補助部材の他方の端部が液晶表示装置の表示領域の外方で軸支されると共に、移動部材が退避位置に配置される場合には補助部材が液晶表示装置の表示領域の外方に配設される。よって、移動部材が退避位置に配置された場合において、液晶表示装置の表示領域の内方から補助部材を退避させることができる。
【2116】
これにより、移動部材の配設される層と同じ層に他の移動部材を配設し、移動部材が退避位置に配置される場合に他の移動部材が液晶表示装置の内方に張り出すという演出を行うことが可能になり、限られたスペースで多様な演出を行うことができる。
【2117】
なお、補助部材がベース部材に軸支される態様としては、補助部材が回転軸により軸支される態様や、長孔に挿通される突出部を備えその突出部が長孔を案内される態様が例示される。
【2118】
遊技機B4において、前記張出部は、前記所定位置に前記移動部材が配置された状態において、前記補助部材の前記一方の端部の軸支部から前記他方の端部へ向けた方向に沿って延設される当接部を備えることを特徴とする遊技機B5。
【2119】
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、移動部材の張出部が当接部を備え、その当接部は、移動部材が所定位置に配置された状態において、補助部材の一方の端部の軸支部から他方の端部へ向けた方向に沿って延設される。そのため、移動部材が所定位置に配置された状態において、移動部材と補助部材とが当接される面積を、当接部で確保することができる。
【2120】
遊技機B5において、前記張出部は、前記当接部の延設先端から屈曲して延設される手先部を有し、その手先部の先端部に前記演出部材が配設され、前記移動部材が前記退避位置へスライド移動するにつれて、前記張出部と前記補助部材との重なり位置が前記手先部の先端側に移動することを特徴とする遊技機B6。
【2121】
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、張出部の手先部に演出部材が配設されると共に、移動部材が退避位置へスライド移動するにつれて張出部と補助部材との重なり位置が手先部の先端側に移動される。そのため、移動部材が退避位置へスライド移動されるにつれて、補助部材を基準として演出部材まで延びる張出部の出代(張出距離)を短縮することができる。これにより、演出部材が駆動されることで張出部の先端側がぐらついたとしても、そのぐらつきが小さな段階から張出部を補助部材に当接させることができる。これにより、移動部材が退避位置に配置される場合に移動部材がスライド移動する平面と垂直な方向にぐらつくことを抑制する効果を顕著とすることができる。
【2122】
遊技機B4からB6において、前記演出部材は、前記移動部材の下方に配設されると共に、一方の端部が前記移動部材に揺動可能に軸支され、その一方の端部からその反対側の端部である他方の端部を結ぶ方向を長手方向として形成され、前記移動部材が前記退避位置に配置される場合に比較して、前記移動部材が前記所定位置に配置される場合の方が、前記演出部材の前記長手方向が水平方向に傾倒した姿勢をとることを特徴とする遊技機B7。
【2123】
移動部材が所定位置に向かうほど斜め下方に移動されるため、移動部材が所定位置に配置された場合にも演出部材を液晶表示装置の表示領域の正面側に形成するためには、移動部材が退避位置に配置される場合において、移動部材が退避位置から所定位置へ向けて下方へ移動される距離だけ液晶表示装置の表示領域の下端から上昇した位置に演出部材の下端を配置する必要があった。そのため、移動部材が退避位置に配置された場合の演出部材の下方がデッドスペースとして無駄が生じていた。
【2124】
これに対して、遊技機B7によれば、遊技機B3又はB4の奏する効果に加え、演出部材が移動部材の下方に配設されると共に、移動部材が退避位置に配置される場合に比較して、移動部材が所定位置に配置される場合の方が、演出部材の長手方向と水平方向との成す角度が小さく形成されるので、移動部材が所定位置に配置される場合において、演出部材が水平方向に倒れた姿勢をとる。
【2125】
そのため、移動部材が退避位置に配置された場合において、演出部材を液晶表示装置の表示領域の下端に演出部材の下端を配置しても、移動部材が退避位置から所定位置へ向けて下方へ移動される距離を、演出部材の姿勢変化に吸収させることができる。よって、移動部材が退避位置に配置された場合の演出部材の下方がデッドスペースとして無駄となることを防止し、演出部材を長手方向により長い大きな部材として形成することができる。
【2126】
遊技機B7において、前記演出部材の他方の端部と前記補助部材とを連結する連結部材を備え、前記補助部材は、前記移動部材が前記退避位置に配置される場合に比較して、前記移動部材が前記所定位置に配置される場合の方が水平方向に傾倒した姿勢をとることを特徴とする遊技機B8。
【2127】
遊技機B8によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、補助部材は、移動部材が退避位置に配置される場合に比較して、移動部材が所定位置に配置される場合の方が水平方向に傾倒した姿勢をとると共に、演出部材の他方の端部が連結部材を介して補助部材に連結されるので、補助部材が水平方向に傾倒されるのに伴って、演出部材を水平方向に傾倒させることができる。
【2128】
また、演出部材が移動部材だけでなく、その移動部材に軸支される補助部材を介して連結部材とも連結されることから、複数の部材により支持されるので、演出部材の駆動により生じる力を分散させ、演出部材および移動部材のぐらつきを抑制する効果を顕著にすることができる。
【2129】
遊技機B8において、前記演出部材の重心位置が、前記演出部材の前記他方の端部側に形成されることを特徴とする遊技機B9。
【2130】
遊技機B9によれば、遊技機B8の奏する効果に加え、演出部材の重心位置が演出部材の他方の端部側に形成されるため、演出部材の重さを、連結部材に効果的に作用させることができる。よって、移動部材が所定位置に配置された場合において、補助部材に対して補助部材をより傾倒させる方向へ向けた力が効果的にかけられるので、補助部材のぐらつきを抑制することができる。結果として、補助部材と連結される移動部材および演出部材のぐらつきを抑制することができる。
【2131】
遊技機B8において、前記演出部材の重心位置が、前記演出部材が前記移動部材に軸支される位置の前記遊技機縦方向上側に形成されることを特徴とする遊技機B10。
【2132】
遊技機B10によれば、遊技機B8の奏する効果に加え、演出部材の重心位置は、演出部材が移動部材に軸支される位置の遊技機縦方向上側に形成されるので、演出部材の重さを、移動部材と演出部材との軸支位置を境に水平方向に均等に割り振ることができる。
【2133】
そのため、演出部材が第2駆動装置により駆動された場合の演出部材のぐらつきを、連結部材を通して補助部材に伝達しやすくすることができ、結果として、補助部材と連結される移動部材および演出部材のぐらつきを発生させることができる。これにより、演出部材が駆動されることにより、移動部材および演出部材をぐらつかせるという演出を行うことができる。
【2134】
<組立工数を抑制する技術的思想の一例>
同方向に張り出して形成される一対の壁部を有するベース部材と、前記一対の壁部のうち少なくとも一方の壁部の張出端に当接される蓋部材と、前記一対の壁部に両端部が回転可能に軸支される複数の反射部材と、その複数の反射部材のうちの少なくとも一の反射部材へ向けて光を照射する光源と、を備え、前記一対の壁部のうち少なくとも一方の壁部は、張出端の端面に複数の軸支溝が形成され、前記反射部材は、本体部と、その本体部から突設されると共に前記軸支溝に嵌め込まれることで軸支される少なくとも一の回転軸部と、から構成され、前記軸支溝に嵌め込まれる回転軸部は、前記複数の軸支溝の開放端から嵌め込まれ、前記軸支溝の開放端が前記蓋部材に塞がれることで軸支されることを特徴とする遊技機C1。
【2135】
ここで、両端を軸支され、LED光源から照射される光の進行方向を変更させるために姿勢変化可能に形成される可動体を備えた遊技機がある(例えば特開2008-272332号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、LED光源が複数配設される場合には、可動体も複数必要であって、可動体を軸支するために可動体を孔に挿通する作業や、その後で可動体を孔から引き抜き不能に固定するための部品を取り付ける作業を、可動体の数だけ行う必要があり、組立工数が増大するという問題点があった。
【2136】
これに対し、遊技機C1によれば、ベース部材の壁部に複数の軸支溝が形成され、反射部材の回転軸部がその軸支溝に嵌め込まれ、軸支溝の開放端が蓋部材により塞がれることで、複数の反射部材を回転可能に軸支することができる。これらの反射部材を回転させることで、反射部材へ向けて光源から照射される光の向きを変化させることができる。
【2137】
そのため、軸支するために反射部材を孔に挿通する作業や、その後で反射部材を孔から引き抜き不能に固定するための部品(ねじや抜け止めストッパ等)を取り付ける作業を不要とでき、反射部材の数に比例して組み立て工数を増加させることを防止できる。
【2138】
なお、一対の壁部の一方のみに軸支溝を形成する場合としては、例えば、その一方の反対側の他方に孔が穿設され、その孔に反射部材の軸部が斜めに挿入されたのち、反射部材が倒されることで、その一方の反対側の他方に形成される軸部が軸支溝にはめ込まれる場合や、その一方の反対側の他方に軸ピンが突設され、その軸ピンに反射部材が外嵌されたのち、反射部材が倒されることで、その一方の反対側の他方に形成される軸部が軸支溝にはめ込まれる場合等が例示される。
【2139】
遊技機C1において、前記蓋部材が、前記壁部の側面に締結されることを特徴とする遊技機C2。
【2140】
ここで、ベース部材の壁部が薄く形成されることが望まれる場合に、例えば、壁部の張出端面に蓋部材を締結固定すると、締結ネジの頭部の径が壁部の薄さの下限となり、設計自由度が低下する。
【2141】
これに対し、遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、蓋部材が壁部の側面に締結されるので、締結ネジの頭部の径に限定されず、壁部を薄く形成することができる。
【2142】
この場合、例えば、壁部と液晶表示装置の表示領域が隣接する際には、壁部の存在を目立たなくすることができ、液晶表示装置の表示領域と、反射部材とで組み合わせて演出する場合の演出効果を向上させることができる。
【2143】
遊技機C2において、前記蓋部材は、前記反射部材の前記回転軸部を軸支する複数の軸支孔を備えることを特徴とする遊技機C3。
【2144】
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、蓋部材に形成される軸支孔に反射部材の回転軸部が挿通されるため、回転軸部を軸支する面積を、壁部が回転軸部を軸支する厚み分の面積と、軸支孔の形成長さ分の面積とで、十分に確保することができる。
【2145】
遊技機C1からC3のいずれかにおいて、前記一対の壁部のうち、少なくとも一方の壁部は、隣接する軸支溝の間から延設される延設部を備え、前記蓋部材は、前記延設部に嵌合される嵌合部を備え、前記蓋部材を前記ベース部材に取り付けた状態において、前記嵌合部は前記延設部に、少なくとも前記軸支溝の隣接する方向と、前記回転軸部の軸方向とから当接されることを特徴とする遊技機C4。
【2146】
遊技機C4によれば、遊技機C1からC3のいずれかの奏する効果に加え、蓋部材の嵌合部と壁部の延設部とが軸支溝の隣接する方向で当接されるので、軸支溝の隣接する方向における壁部と、蓋部材との位置合わせを容易に行うことができる。
【2147】
また、蓋部材の嵌合部と壁部の延設部とが回転軸部の軸方向で当接されるため、壁部と蓋部材とを回転軸部の軸方向に位置合わせすると共に、壁部の剛性を蓋部材で補強することができる。
【2148】
遊技機C1からC4のいずれかにおいて、前記一対の壁部および隣接する前記一対の反射部材のそれぞれの軸心で形成される領域が、前記一対の反射部材の前記本体部により閉鎖される閉鎖状態を形成可能であり、その閉鎖状態において、前記一対の反射部材は、回転方向の面どうしが当接されることを特徴とする遊技機C5。
【2149】
遊技機C5によれば、遊技機C1からC4のいずれかの奏する効果に加え、一対の壁部と、隣接する一対の反射部材のそれぞれの軸心とで形成される領域が、一対の反射部材の本体部により閉塞可能なので、光源から照射される光を複数の反射部材で遮蔽することができる。
【2150】
また、閉鎖状態において、一対の反射部材の回転方向の面どうしが当接されるので、隣り合う反射部材の本体部の間に形成される隙間を塞ぐことができ、反射部材の間の隙間から光が漏れることを抑制することができる。
【2151】
ここで、光の漏れの抑制は、例えば板状のシャッター部材をスライド移動させて、そのシャッター部材を遊技者へ照射される光と遊技者との間に配置することでも達成できる。この場合、シャッター部材が開放しきってしまえば遊技者は照射される光の全体を遊技者は視認できる。しかし、遊技者へ照射される光と遊技者との間にシャッター部材が配置された状態からシャッター部材がスライド移動する途中では、シャッター部材と重なる光を視認することはできない。即ち、遊技者が光の全体を視認するまでの期間が長くなる。
【2152】
一方、遊技機C5によれば、反射部材は、閉鎖状態では光の漏れを抑制しながら、閉鎖状態から反射部材が回転することで遊技者へ照射される光を通過可能にする。ここで、複数の反射部材には例示として上述した単一のシャッター部材と同じ役割を持たせることができる。即ち、シャッター部材に比較してそれぞれの反射部材を小型に形成することができる。そのため、シャッター部材をスライド移動させる場合に比較して、反射部材を回転させる場合の方が、遊技者が光の全体を視認するまでの時間を短くできる。
【2153】
また、隣り合う反射部材の反射面部の端部どうしが当接可能に形成されるので、反射部材の姿勢のずれを、他の反射部材により修正することができる。そのため、複数の反射部材の内、回転角度の精度が悪い反射部材があるとしても、他の反射部材に当接されることで、回転後の反射部材の姿勢が修正される。よって、反射部材の演出の品質を担保することができる。
【2154】
遊技機C5において、前記反射部材は、前記互いに向かい合う面の当接部分が面取りされることを特徴とする遊技機C6。
【2155】
遊技機C6によれば、遊技機C5の奏する効果に加え、反射部材の、互いに向かい合う面の当接部分が面取りされるので、反射部材を隣接する反射部材へ向けてより傾倒させることができる。よって、閉鎖状態において複数の反射部材で形成される面を、より平坦面化することができる。この場合、例えば、複数の反射部材の回転方向の側面を組み合わせて模様を形成する場合に、反射部材の境界での模様のずれを抑制することができる。
【2156】
なお、面取りの方法としては、曲面に削る方法(Rをつける)や、平坦面で削る方法等が例示される。
【2157】
遊技機C1からC6のいずれかにおいて、前記複数の反射部材を回転動作させる駆動力を発生させる駆動装置と、その駆動装置によりスライド移動される伝達部材と、を備え、前記伝達部材は、前記回転軸部の軸方向に対して垂直方向にスライド移動可能に形成され、前記複数の反射部材は、前記一対の回転軸部のうち少なくとも一方に、前記伝達部材に当接される被伝達部をそれぞれ備え、前記伝達部材をスライド移動させることで、前記被伝達部および前記反射部材を回転可能に形成されることを特徴とする遊技機C7。
【2158】
遊技機C7によれば、遊技機C1からC6のいずれかの奏する効果に加え、駆動装置により移動される伝達部材が、回転軸部の軸方向に対して垂直方向にスライド移動される態様で形成され、複数の反射部材の回転軸部にそれぞれ形成される被伝達部が伝達部材に当接される。ここで、伝達部材をスライド移動させることで、被伝達部が回転されると共に連動して反射部材が回転されるので、複数の反射部材を、一の伝達部材のスライド移動により回転させることができる。
【2159】
なお、伝達部材としてはベルトやラックギアが例示される。伝達部材がベルトの場合には、被伝達部として円柱状部分が例示され、伝達部材がラックギアの場合には、被伝達部として回転ギア形状の部分が例示される。
【2160】
遊技機C7において、前記伝達部材は、前記被伝達部と対向する側面に歯が刻設されるラックギア部を備え、前記被伝達部は、前記ラックギア部に歯合可能な歯が形成されることを特徴とする遊技機C8。
【2161】
遊技機C8によれば、遊技機C7の奏する効果に加え、伝達部材がラックギア部を備え、伝達部材のラックギア部に歯合可能に形成される歯が被伝達部に形成される。これにより、伝達部材がスライド移動されると、ラックギア部に歯合される複数の反射部材の被伝達部が回転されるため、伝達部材と反射部材との間で滑りが生じることを防止することができる。よって、複数の反射部材を同期回転させることができる。
【2162】
遊技機C8において、前記伝達部材の前記ラックギア部または前記被伝達部に形成される歯の少なくとも一方に、向かい合う前記被伝達部または前記ラックギア部の隣接する歯の間隔よりも大きな幅で形成される膨張歯が形成されることを特徴とする遊技機C9。
【2163】
遊技機C9によれば、遊技機C8の奏する効果に加え、伝達部材のラックギア部または被伝達部に形成される歯の少なくとも一方に、向かい合う被伝達部またはラックギア部の隣接する歯の間隔よりも大きな幅で形成される膨張歯が形成されるため、その膨張歯が歯合される場合にラックギア部から被伝達部への駆動力の伝達抵抗を一時的に上昇させることができる。
【2164】
これにより、伝達部材のスライド移動を機械的に停止させることができる。よって、伝達部材の移動端のセンサが異常を起こした場合でも、伝達部材により回転される反射部材の過回転を防止することができる。
【2165】
<相手部材を自らの駆動装置で移動させる技術的思想の一例>
液晶表示装置の正面側に配設され、その液晶表示装置の表示領域の外方と内方とを往復スライド移動可能に形成されると共に前記表示領域の内方において移動方向に形成される内側面が互いに当接可能な位置関係で形成される一対の移動部材と、それら一対の移動部材を駆動させる駆動装置と、を備え、前記一対の移動部材のうち、一方の移動部材の移動可能な範囲が、その一方の移動部材の反対側の移動部材である他方の移動部材の移動可能な範囲と干渉し、前記一方の移動部材を移動させることで前記他方の移動部材に当接させ、更に前記一方の移動部材を同一方向に移動させることで、前記他方の移動部材を押し進めて移動可能に形成されることを特徴とする遊技機D1。
【2166】
ここで、液晶表示装置の表示領域の外方から、液晶表示装置の表示領域の内方へ向けて一対の役物が移動され、互いに当接することで、液晶表示装置を視認不能にする遊技機が知られている(例えば特開2005-040413号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、一対の役物の動作が単調であるという問題点があった。
【2167】
これに対し、遊技機D1によれば、一方の移動部材が他方の移動部材に当接し、更に一方の移動部材が移動することで、他方の移動部材を移動可能に形成されるので、他方の移動部材を駆動させる駆動装置のみでは形成することが難しい予想外の動きを形成することができる。
【2168】
例えば、移動部材を単一の駆動装置で駆動させると、駆動方向の反転時に、減速時間に伴う遅れが生じ、移動部材の単調さの原因となる。そこで、一方の移動部材の駆動装置の駆動方向が方向転換されるのに合わせて、他方の移動部材を一方の移動部材に当接させ、更に他方の移動部材を同一方向に移動させる。これにより、他方の移動部材の駆動力を一方の移動部材を移動させる補助力として利用することができ、一方の移動部材の方向転換に必要な期間を短縮化することができる。よって、他方の移動部材を駆動させる駆動装置のみでは形成することが難しい、予想外の動きを形成することができる。
【2169】
また、一対の移動部材を駆動させる駆動装置を同調動作しなくとも、一対の移動部材を移動させることができるので、駆動装置の消費電力を抑制すると共に駆動装置の制御負担を軽減することができる。
【2170】
遊技機D1において、前記一対の移動部材の移動方向が、略鉛直方向であることを特徴とする遊技機D2。
【2171】
ここで、一方の移動部材が退避位置から下方に移動する場合、重力の作用により一方の移動部材は下方向への力を受けている。そのため、一方の移動部材が方向転換をする場合に必要な駆動力は重力の分大きくなり、移動部材の方向転換時に移動部材の減速時間を短くすることは難しい。
【2172】
これに対し、遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、移動部材が略鉛直方向にスライド移動可能に形成されるので、退避位置から下方へ移動する過程で当接する一方の移動部材の方向転換時に、その一方の移動部材に退避位置から上方へ移動する他方の移動部材を当接させ、さらに、他方の移動部材を同一方向に移動させることで、一方の移動部材の方向転換に必要な期間を短くすることができる。なお、略鉛直方向とは、鉛直方向に限られず、若干の水平成分を許容する方向を意味する。
【2173】
遊技機D1において、前記一対の移動部材の移動方向が、略水平方向であることを特徴とする遊技機D3。
【2174】
一方の移動部材が移動する過程で他方の移動部材に当接し、更に一方の移動部材が同方向に移動することで他方の移動部材を移動させる場合、一方の移動部材の駆動装置は、一対の移動部材を共に移動させているので、駆動装置に係る負担が大きくなる。
【2175】
ここで、一対の移動部材が上下に配置される場合、下方に配置される移動部材を駆動させる駆動装置にかかる負担の方が、上方に配置される移動部材を駆動させる駆動装置にかかる負担に比較し大きくなり、駆動装置の寿命に差が生じる。そのため、一方の駆動装置の交換周期が他方の駆動装置に比較して短くなり、一対の駆動装置を同時に交換する場合に比較して、メンテナンスの予定がたてづらくなる。
【2176】
これに対し、遊技機D3によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、一対の移動部材が略水平方向にスライド移動可能に形成されるので、一対の駆動装置にかかる負担の差を軽減することができる。
【2177】
即ち、移動部材が略水平方向に移動可能に形成される場合、移動部材は移動可能方向に重力による力を受けないため、駆動装置にかかる負担は移動の向きに寄らない。よって、駆動装置ごとの交換時期を合わせることができる。
【2178】
なお、移動部材のスライド移動の方向は、水平方向と一致する必要はなく、移動部材が駆動装置との摩擦力により静止可能な程度の水平方向からの傾きは許容される。
【2179】
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、前記移動部材が配設されるベース部材を備え、そのベース部材には、前記移動部材をスライド移動可能に案内する軸棒が固定されることを特徴とする遊技機D4。
【2180】
遊技機D4によれば、遊技機D1からD3のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材に固定される軸棒により、ベース部材の剛性を向上させることができる。また、軸棒は、移動部材をスライド移動可能に案内する役割を有する。
【2181】
これにより、軸棒を、移動部材をスライド移動可能に案内する部材と、ベース部材の剛性を向上させる部材とに兼用することができる。
【2182】
遊技機D4において、前記軸棒を挟み込む態様で配置されると共に、前記軸棒に対して転動可能に形成される一対の車輪部を少なくとも両端に有する台車部を備え、その台車部は、前記移動部材の少なくとも一方の端部に固定されることを特徴とする遊技機D5。
【2183】
遊技機D5によれば、移動部材の少なくとも一方の端部に台車部が固定され、その台車部は軸棒に転動可能な車輪部を有するため、移動部材のスライド移動時に生じる摩擦抵抗を抑制することができる。
【2184】
また、車輪部は、軸棒を挟み込む態様で一対が配置されると共に、それらが台車部の少なくとも両端に配設されるため、軸棒と台車部との姿勢を一定に維持することができる。
【2185】
遊技機D5において、前記一対の移動部材が当接される場合に、前記一対の移動部材にそれぞれ配設される車輪部が互いに当接されることを特徴とする遊技機D6。
【2186】
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、一対の移動部材の当接時に一対の移動部材にそれぞれ配設される車輪部が互いに当接される。これにより、一対の移動部材の当接時に車輪部にかかる抵抗を上昇させることができるので、一対の移動部材の当接時の衝撃を緩和することができる。
【2187】
なお、当接される一対の車輪部を互いに異径に形成してもよい。この場合には、大径の車輪部と軸棒との間に小径の車輪部を挟み込むことで、車輪部にかけられる抵抗をより上昇させることができる。
【2188】
遊技機D6において、前記移動部材は、前記駆動装置の駆動力が伝達される伝達部を備えると共に前記軸棒の軸心方向と垂直方向に長尺に形成され、前記移動部材の長手方向の一方の端部に、前記伝達部および前記台車部が配設されることを特徴とする遊技機D7。
【2189】
遊技機D7によれば、遊技機D6の奏する効果に加え、駆動装置の駆動力が伝達される伝達部が、台車部の配設される一方の端部に形成される。台車部は軸棒に案内されてスライド移動されるので、伝達部と駆動装置との係合関係を適正化することができる。
【2190】
即ち、移動部材は長尺に形成されるので撓みが生じやすく、その撓みは軸棒に案内される台車部が配設される一方の端部を支点として生じる。伝達部が、台車部の配設される一方の端部の反対側の端部である他方の端部に形成される場合、移動部材の撓みにより伝達部の位置が変化しやすく、また、移動部材の伝達部と駆動装置との係合関係にずれが生じやすい。移動部材の伝達部と駆動装置との係合関係にずれが生じると、移動部材のスライド移動時に伝達部と駆動装置との間で発生する抵抗が大きくなり問題である。
【2191】
一方、伝達部が、台車部の配設される一方の端部に形成されていれば、駆動力の伝達位置と、移動部材の支持位置とが共に一方の端部に形成され、移動部材が撓んだとしても、それにより移動部材の伝達部の位置が変化されることはない。よって、移動部材の伝達部と駆動装置との係合関係を維持でき、移動部材のスライド移動時に伝達部と駆動装置との間で発生する抵抗を抑制することができる。
【2192】
なお、伝達部の態様としては、例えば、駆動装置側から回転ギアが形成されている場合に、一方の端部に形成されるラックギア部が例示される。
【2193】
遊技機D7において、前記一対の移動部材の当接が前記伝達部側で生じることを特徴とする遊技機D8。
【2194】
遊技機D8によれば、遊技機D7の奏する効果に加え、一対の移動部材の当接位置の算出において移動部材の撓みによるずれを考慮する必要がないので、一対の移動部材の当接位置を正確に算出することができる。
【2195】
遊技機D7において、前記一対の移動部材の当接が前記伝達部側の反対側の端部で生じることを特徴とする遊技機D9。
【2196】
遊技機D9によれば、遊技機D7の奏する効果に加え、一対の移動部材の当接が伝達部側の反対側の端部で生じるので、一対の移動部材が当接される場合において伝達部側が受ける衝撃を緩和することができる。これにより、一対の移動部材が当接することで駆動装置が受ける負担を低減することができる。
【2197】
遊技機D7からD9において、前記移動部材がスライド移動する方向と平行に延設されると共に、前記移動部材の前記一方の端部の反対側の端部である他方の端部に、前記軸棒の軸心方向と垂直な方向から当接される案内壁部を備え、前記移動部材は、前記他方の端部に回転可能に軸支されると共に、前記案内壁部に当接される一対の回転体を備え、それら一対の回転体は、前記移動部材のスライド方向に併設され、前記移動部材がスライド移動されるのに伴い回転されることを特徴とする遊技機D10。
【2198】
遊技機D10によれば、遊技機D7からD9の奏する効果に加え、案内壁部が、移動部材のスライドする方向と平行に延設されると共に、移動部材の他方の端部に軸支される一対の回転体が案内壁部に当接される。
【2199】
ここで、移動部材が急停止するなどして、移動部材が一方の端部を支点に大きく撓み振動する場合、移動部材の他方の端部に軸支される一対の回転体のうち、移動部材の撓みの方向と逆側の回転体が案内壁部に押しつけられる。そのため、移動部材の撓み振動の方向と逆方向に抵抗がかかるので、移動部材の他方の端部を自由端で形成する場合に比較して、移動部材の撓み振動を抑制しやすくすることができる。
【2200】
また、移動部材の始動時には、回転体と案内壁部とが滑らかに当接されるため、移動部材の始動時に案内壁部と移動部材との間で生じる摩擦抵抗を抑制することができる。
【2201】
なお、案内壁部と回転体との当接の態様としては、案内壁部にラックギアが形成され、回転体の側面に案内壁部のラックギアに歯合されるギアが刻設される態様が例示される。
【2202】
遊技機D10において、前記回転体は、側面に刻設されるギア状の歯部を備え、前記案内壁部は、前記歯部に歯合されるラックギア部を備えることを特徴とする遊技機D11。
【2203】
遊技機D11によれば、遊技機D10の奏する効果に加え、回転体の側面に歯部が形成され、その歯部に歯合されるラックギア部が案内壁部に形成される。よって、案内壁部と回転体との当接面積を増大させ、移動部材の撓み振動をより抑制することができる。
【2204】
遊技機D1からD11のいずれかにおいて、前記一対の移動部材の位置と速度とを検出可能な検出装置を備え、その検出装置の検出結果により、一対の移動部材の移動速度が決定される遊技機D12。
【2205】
ここで、例えば、移動部材が電気モータで移動される場合、電気モータの電圧の不安定さにより移動部材の速度が不安定になることがある。これにより、一対の移動部材が予期せぬ速度で衝突するおそれがある。
【2206】
これに対し、遊技機D12によれば、遊技機D1からD11のいずれかの奏する効果に加え、一対の移動部材の位置と速度とを検出可能な検出装置を備え、その検出装置の検出結果により、一対の移動部材の移動速度が決定されるので、一対の移動部材が予期せぬ相対速度で衝突し、破損することを防止することができる。
【2207】
例えば、一対の移動部材が近接した状態で一方の移動部材の位置と速度とを検出可能な検出装置の検出結果により、他方の移動部材の速度を調節して、衝突時に一対の移動部材がほとんど等速な状態を形成することができる。これにより、一対の移動部材の衝突時の衝撃を和らげることができる。
【2208】
<特徴E群>(V確作動時にV確アタッカーから注意をそらす)
抽選条件の成立に基づいて、抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果を示す識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に所定の抽選結果であることを示す前記識別情報が表示されたことに基づいて、遊技球が入球し難い閉鎖状態から入球し易い開放状態とに可変可能な可変入賞手段と、を有した遊技機において、前記可変入賞手段は、所定条件の成立に基づいて、前記可変入賞手段に入球した遊技球が入球可能な特定領域を開閉する開閉手段と、その特定領域に遊技球が入球したことを検出する入球検出手段と、を有し、前記入球検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて、遊技者に有利となる特典状態を付与する特典状態付与手段と、少なくとも前記開閉手段が動作される場合に、所定の演出をする演出実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機E1。
【2209】
遊技機E1によれば、次の効果を奏する。即ち、抽選条件の成立に基づいて、抽選手段による抽選結果を示す識別情報が表示手段によって表示される。その表示手段に所定の抽選結果であることを示す識別情報が表示されたことに基づいて、可変入賞手段によって遊技球が入球し難い閉鎖状態から入球し易い開放状態とに可変される。可変入賞手段では、所定条件の成立に基づいて、可変入賞手段に入球した遊技球が入球可能な特定領域を開閉手段によって開閉される。そして、特定領域に遊技球が入球したことを入球検出手段によって検出されることに基づいて、特典状態付与手段によって遊技者に有利となる特典状態を付与される。また、少なくとも開閉手段が動作される場合に、演出実行手段によって所定の演出が行われる。これにより、開閉手段の動作が所定の演出により目立たなくすることができる。よって、遊技の違和感を抑制できるという効果がある。
【2210】
遊技機E1において、前記演出実行手段は、前記表示手段に特定の表示態様を表示させるものであることを特徴とする遊技機E2。
【2211】
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、表示手段に特定の表示態様が演出実行手段によって表示されるので、開閉手段から遊技者の注意をそらすことができるという効果がある。
【2212】
遊技機E1またはE2において、前記演出実行手段は、前記演出として前記可変入賞手段の前面側に手をかざすことを示す報知態様を報知するものであることを特徴とする遊技機E3。
【2213】
遊技機E3によれば、遊技機E1または遊技機E2の奏する効果に加え、演出として可変入賞手段の前面側に手をかざすことを示す報知態様が演出実行手段によって報知されるので、開閉手段の動作が遊技者に判別でき難くすることができるという効果がある。
【2214】
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、前記演出実行手段は、前記開閉手段が動作される所定期間前から動作される期間に跨って少なくとも実行されるものであることを特徴とする遊技機E4。
【2215】
遊技機E4によれば、遊技機E1からE3の何れかの奏する効果に加え、開閉手段が動作される所定期間前から動作される期間に跨って、少なくとも演出実行手段が実行されるので、より開閉手段の動作に遊技者が気づき難くすることができるという効果がある。
【2216】
遊技機E1からE4のいずれかにおいて、前記可変入賞手段は、遊技球が入球可能な開口部と、その開口部を前記閉鎖状態で遊技球が入球困難な状態と前記開放状態で入球可能な状態とに可変する規制部材とを有し、前記開閉手段は、前記開口部から前記特定領域まで遊技球が流下するのに必要な時間よりも短い短開時間と、前記開口部から前記特定領域まで遊技球が流下するのに必要な時間以上の長開時間とのどちらか一方を所定条件に基づいて実行するものであることを特徴とする遊技機E5。
【2217】
遊技機E5によれば、遊技機E1からE4の何れかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変入賞手段では、遊技球が入球可能な開口部と、その開口部を遊技球が入球困難な閉鎖状態と入球可能な開放状態とに可変する規制部材とが備えられる。そして、開口部から特定領域まで遊技球が流下するのに必要な時間よりも短い短開時間と、開口部から特定領域まで遊技球が流下するのに必要な時間以上の長開時間とのどちらか一方を所定条件に基づいて、開閉手段が実行される。これにより、開口部に遊技球を入球させるか否かを容易な構成で制御できる。よって、遊技の制御を容易に構成できるという効果がある。
【2218】
遊技機E5において、前記抽選手段により前記特定の抽選結果であると抽選されたことに基づいて、前記可変入賞手段を前記開放状態に可変させる特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、前記抽選手段により特定の抽選結果であると抽選された場合に、前記特別遊技の種別を決定する種別決定手段と、を有し、前記開閉手段は、前記種別決定手段により決定された特別遊技の種別に基づいて、前記短開時間と前記長開時間とのどちらか一方を決定するものであることを特徴とする遊技機E6。
【2219】
遊技機E6によれば、遊技機E5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、抽選手段により特定の抽選結果であると抽選されたことに基づいて、特別遊技実行手段によって可変入賞手段を開放状態に可変させる特別遊技が実行される場合に、種別決定手段によって特別遊技の種別が決定される。そして、開閉手段では、種別決定手段により決定された特別遊技の種別に基づいて、短開時間と長開時間とのどちらか一方が決定される。これにより、特典遊技の種別によって遊技者に与える特典を容易に可変できる。よって、遊技者に公平な遊技を提供できるという効果がある。
【2220】
<特徴F群>(アタッカー1個でV確ルートを形成)
抽選条件の成立に基づいて、抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果を示す識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に特定の抽選結果であることを示す前記識別情報が表示された場合に、遊技球が入球し難い閉鎖状態から入球し易い開放状態とに可変可能な可変入賞手段と、前記抽選手段が前記所定の抽選結果を抽選する確率を通常時の通常確率とその通常確率よりも高い確率である特別確率とのどちらか一方を設定する確率設定手段と、を有した遊技機において、前記可変入賞手段は、遊技球が前記開放状態となると入球可能とされる開口部と、その開口部に入球した遊技球が通過可能な第1特定領域とその第1特定領域とは異なる第2特定領域と、前記第1特定領域と前記第2特定領域とのどちらか一方に前記開口部に入球した遊技球を振り分ける振り分け手段と、を有し、前記確率設定手段は、前記第1特定領域に遊技球が通過したことを条件として、前記特別確率を設定するものであることを特徴とする遊技機F1。
【2221】
遊技機F1によれば、次の効果を奏する。即ち、抽選条件の成立に基づいて、抽選手段による抽選結果を示す識別情報が表示手段によって表示される。その表示手段に特定の抽選結果であることを示す識別情報が表示された場合に、可変入賞手段によって遊技球が入球し難い閉鎖状態から入球し易い開放状態とに可変される。そして、抽選手段による所定の抽選結果の抽選確率を通常時の通常確率とその通常確率よりも高い確率である特別確率とのどちらか一方が確率設定手段によって設定される。可変入賞手段では、開放状態となり開口部へ入球された遊技球が通過可能な第1特定領域とその第1特定領域とは異なる第2特定領域とのどちらか一方に、振り分け手段によって遊技球が振り分けられる。また、確率設定手段では、第1特定領域に遊技球が通過したことを条件として、特別確率が設定される。よって、可変入賞手段により特別確率が設定されるか否かを決定することができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
【2222】
遊技機F1において、前記特定の抽選結果を示す前記識別情報が表示されたことに基づいて、所定の条件が成立するまでの間、前記可変入賞手段を前記開放状態に可変され易くする特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、前記抽選手段により前記特定の抽選結果と抽選された場合に、前記特別遊技実行手段により実行される特別遊技の種別を決定する種別決定手段と、を有し、前記第1特定領域に遊技球を振り分け易い第1状態と前記第2特定領域に遊技球を振り分け易い第2状態とのどちらか一方に前記種別決定手段により決定された前記特別遊技の種別に基づいて前記1の特別遊技の期間内に設定される振り分け設定手段と、を有するものである特徴とする遊技機F2。
【2223】
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定の抽選結果を示す識別情報が表示されたことに基づいて、所定の条件が成立するまでの間、可変入賞手段が開放状態に可変され易くする特別遊技が特別遊技実行手段によって実行される。そして、抽選手段により特定の抽選結果と抽選された場合に、特別遊技実行手段により実行される特別遊技の種別が種別決定手段によって決定される。また、第1特定領域に遊技球を振り分け易い第1状態と第2特定領域に遊技球を振り分け易い第2状態とのどちらか一方が、種別決定手段により決定された特別遊技の種別に基づいて1の特別遊技の期間内に振り分け設定手段によって設定される。これにより、種別決定手段により決定された特別遊技の種別により振り分け手段を制御できるので、制御を容易に構成できる。よって、より遊技の制御を単純に行うことができるという効果がある。
【2224】
遊技機F1において、前記振り分け設定手段は、前記開口部から前記第1特定領域まで遊技球が到達するのに必要な時間よりも短い第1時間を前記第2状態として前記開放状態から設定し、前記開口部から前記第1特定領域まで遊技球が到達するのに必要な時間以上である第2時間を前記第1状態として前記開放状態から設定するものであることを特徴とする遊技機F3。
【2225】
遊技機F3によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、振り分け設定手段では、開口部から第1特定領域まで遊技球が到達するのに必要な時間よりも短い第1時間が、第2状態として開放状態から設定され、開口部から第1特定領域まで遊技球が到達するのに必要な時間以上である第2時間が、第1状態として開放状態から設定される。これにより、特別確率に設定するか否かを容易に制御することができる。よって、遊技の制御負荷を軽減できるという効果がある。
【2226】
遊技機F1からF3のいずれかにおいて、前記可変入賞手段は、前記特定の抽選結果を示す前記識別情報が表示された場合に、前記開放状態に複数回可変されるものであり、前記振り分け手段は、前記複数回の開放状態のうち、予め定められた開放状態で前記第2特定領域に遊技球を振り分ける状態に一定期間作動されるものであることを特徴とする遊技機F4。
【2227】
遊技機F4によれば、遊技機F1からF3の何れかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変入賞手段では、特定の抽選結果を示す前記識別情報が表示された場合に、開放状態に複数回可変される。そして、振り分け手段では、複数回の開放状態のうち、予め定められた開放状態で第2特定領域に遊技球を振り分ける状態に一定期間作動される。これにより、遊技者に第2特定領域に遊技球が振り分けられることを期待させることができる。よって、遊技の興趣をより向上できるという効果がある。
【2228】
遊技機F1からF4のいずれかにおいて、前記第1特定領域または前記第2特定領域を遊技球が通過することに基づいて、遊技者に所定数の遊技球を払い出す払出手段を有するものであることを特徴とする遊技機F5。
【2229】
遊技機F5によれば、遊技機F1からF4の何れかの奏する効果に加え、第1特定領域または第2特定領域を遊技球が通過することに基づいて、遊技者に所定数の遊技球が払出手段によって払い出されるので、より遊技者に遊技に対する興味を増大できるという効果がある。
【2230】
<特徴G群>(長押し演出)
抽選条件の成立に基づいて、抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果に基づいて、演出を実行する演出実行手段と、遊技者が操作することが可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことに基づいて、操作信号を出力する信号出力手段と、その信号出力手段により出力された操作信号を受信しているかを判別する判別手段と、その判別手段により前記操作信号を受信したと判別されてからその操作信号を受信していないと判別される解除タイミングに基づいて、前記演出実行手段により実行される演出を可変させる演出可変手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機G1。
【2231】
遊技機G1によれば、次の効果を奏する。即ち、抽選条件の成立に基づいて、実行される抽選手段の抽選結果に基づいて、演出実行手段によって演出が実行される。また、操作手段による遊技者の操作に基づいて、信号出力手段によって出力される操作信号が、判別手段により操作信号を受信したと判別されてから、その操作信号を受信していないと判別される解除タイミングに基づいて、演出実行手段により実行される演出が演出可変手段によって可変される。これにより、遊技者の操作により演出を多様に可変することができる。よって、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
【2232】
遊技機G1において、前記演出可変手段は、前記解除タイミングが予め定められている許容期間内であるかを判別して、前記許容期間内である場合には、前記許容期間外である場合よりも遊技者に有利となる演出に可変させるものであることを特徴とする遊技機G2。
【2233】
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、演出可変手段では、解除タイミングが予め定められている許容期間内であると判別された場合には、許容期間外である場合よりも遊技者に有利となる演出に可変されるので、操作手段を操作することにより遊技者に興味を持たせることができるという効果がある。
【2234】
遊技機G1またはG2において、前記判別手段により前記操作信号を受信していると判別されている場合に、前記許容期間のタイミングを報知する報知手段を有するものであることを特徴とする遊技機G3。
【2235】
遊技機G3によれば、遊技機G1またはG2の奏する効果に加え、判別手段により操作信号を受信していると判別されている場合に、許容期間のタイミングが報知手段によって報知されるので、遊技者に分かり易く遊技を行わせることができるという効果がある。
【2236】
遊技機G3において、前記報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果である場合に、前記許容期間が他の抽選結果よりも識別し易い特別報知態様で報知するものであることを特徴とする遊技機G4。
【2237】
遊技機G4によれば、遊技機G3の奏する効果に加え、報知手段では、抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果である場合に、許容期間が他の抽選結果よりも識別し易い特別報知態様で報知されるので、遊技者が報知態様により抽選結果を予測して遊技を行うことができるという効果がある。
【2238】
遊技機G1からG4のいずれかにおいて、前記演出可変手段は、前記判別手段が前記操作信号を受信してから所定期間以上の間、継続して前記操作信号を受信した判別された後に、受信しなくなった場合に、前記演出を可変させるものであることを特徴とする遊技機G5。
【2239】
遊技機G5によれば、遊技機G1からG4の何れかの奏する効果に加え、演出可変手段では、判別手段が操作信号を受信してから所定期間以上の間、継続して操作信号を受信したと判別され、その後、操作信号を受信しなくなったと判別された場合に、演出が可変されるので、操作手段の操作をより楽しむこができるという効果がある。
【2240】
<特徴H群>(SW演出)
遊技の演出が表示される表示手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことを判別する操作判別手段と、その操作判別手段による判別結果に基づいて、前記演出を可変する演出可変手段と、前記操作手段を操作するタイミングにより前記演出可変手段により可変される演出内容を設定する演出設定手段と、前記操作手段が操作されたことに基づいて、遊技者に有利な演出内容が設定される第1期間と、その第1期間よりも遊技者に不利となる演出内容が設定される第2期間とを少なくとも設定する期間設定手段と、前記第1期間と前記第2期間とを判別可能に報知する第1報知態様とその第1報知態様とはことなる報知態様で前記第1期間と前記第2期間とを判別可能に報知する第2報知態様とを少なくとも同一期間に報知する報知手段と、有するものであることを特徴とする遊技機H1。
【2241】
遊技機H1によれば、次の効果を奏する。即ち、操作判別手段によって判別される操作手段による遊技者の操作の判別結果に基づいて、表示手段によって表示される遊技の演出が演出可変手段によって可変される。次に、遊技者が操作手段を操作するタイミングに基づいて、演出可変手段により可変される演出内容が演出設定手段によって設定される。そして、操作手段が操作されたことに基づいて、遊技者に有利な演出内容が設定される第1期間と、その第1期間よりも遊技者に不利となる演出内容が設定される第2期間とが、少なくとも期間設定手段によって設定される。その第1期間と第2期間とを判別可能に報知する第1報知態様とその第1報知態様とはことなる報知態様で第1期間と第2期間とを判別可能に報知する第2報知態様とが少なくとも同一期間に報知手段によって報知される。これにより、遊技者が報知手段の報知により分かり易く遊技ができる。よって、遊技者により分かり易い遊技を提供できるという効果がある。
【2242】
遊技機H1において、前記期間設定手段は、前記操作手段の操作が有効となる有効期間内に前記第1期間を複数設定するものであることを特徴とする遊技機H2。
【2243】
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、期間設定手段では、操作手段の操作が有効となる有効期間内に第1期間が複数設定されるので、より第1期間で操作し易く構成できるという効果がある。
【2244】
遊技機H2において、前記第1報知態様は、予め定められた規則で期間の推移について図柄を可変させて表示させ、設定されている現在の期間を報知するものであることを特徴とする遊技機H3。
【2245】
遊技機H3によれば、遊技機H2の奏する効果に加え、第1報知態様では、予め定められた規則で期間の推移を図柄が可変されて表示され、設定されている現在の期間が報知されるので、遊技者が分かり易く遊技を行うことができるという効果がある。
【2246】
遊技機H1からH3のいずれかにおいて、前記第2報知態様は、ランダムに設定された規則に基づいて期間の推移について図柄を可変させて報知するものであることを特徴とする遊技機H4。
【2247】
遊技機H4によれば遊技機H1からH3の何れかの奏する効果に加え、第2報知態様では、ランダムに設定された規則に基づいて期間の推移を図柄が可変されて報知されるので、遊技者に多種多様な演出を提供できるという効果がある。
【2248】
<特徴I群>(オーバーフロー制御)
遊技球が入球可能な入球口と、その入球口に遊技球が入球したことに基づいて、情報を取得する情報取得手段と、その情報取得手段により取得された前記情報に基づいて抽選条件の成立を契機に抽選する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果を示す識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示する動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、前記表示手段に特定の抽選結果を示す前記識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記抽選条件が成立するまでの間、前記取得手段により取得された前記情報を所定数まで記憶可能な記憶手段と、前記入球口に遊技球が入球し易い第1状態とその第1状態よりも入球し難くなる第2状態とに可変する入球可変手段と、その入球可変手段が前記第1状態に通常時の通常状態よりも可変され易く設定される特別状態に所定条件の成立に基づいて設定する状態設定手段と、を有した遊技機において、前記動的表示態様決定手段は、前記記憶手段に記憶されている前記情報の数に基づいて、前記識別情報の動的表示期間が可変され易いように前記動的表示態様を決定するものであり、前記特別状態が設定されている場合に、少なくとも前記記憶手段に記憶された前記情報が所定数以下である場合には、前記抽選条件の成立が所定期間、遅延される遅延手段を有するものであることを特徴とする遊技機I1。
【2249】
遊技機I1によれば、次の効果を奏する。即ち、入球口に遊技球が入球したことに基づいて情報取得手段によって情報が取得される。その情報に基づいて、抽選条件の成立を契機に抽選手段による抽選結果を示す識別情報が表示される表示手段に、識別情報が動的表示手段によって動的表示される。その動的表示される動的表示態様が動的表示態様決定手段によって決定される。その表示手段に特定の抽選結果を示す識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる特典遊技が特典遊技実行手段によって実行される。次に、抽選条件が成立するまでの間、取得手段により取得された情報は所定数まで記憶手段によって記憶される。また、入球口に遊技球が入球し易い第1状態とその第1状態よりも入球し難くなる第2状態とが入球可変手段によって可変される。そして、所定条件の成立に基づいて、通常時の通常状態よりも第1状態に可変され易い特別状態が、状態設定手段によって設定される。更に、動的表示態様決定手段では、記憶手段に記憶されている情報の数に基づいて、識別情報の動的表示期間が可変され易いように動的表示態様が決定されると共に、特別状態が設定されている場合に、少なくとも記憶手段に記憶された情報が所定数以下である場合には、抽選条件の成立が所定期間、遅延手段によって遅延される。これにより、遅延手段により遅延されるので、記憶手段により多くの情報が記憶された状態で、動的表示期間が決定されるように構成できる。よって、安定した遊技を遊技者に提供できるという効果がある。
【2250】
遊技機I1において、前記動的表示態様決定手段は、前記記憶手段に記憶された前記情報の数が設定数以下である場合には、動的表示期間の長い動的表示態様を前記設定数よりも多く記憶されている場合よりも決定し易いものであることを特徴とする遊技機I2。
【2251】
遊技機I2によれば、遊技機I1の奏する効果に加え、動的表示態様決定手段では、記憶手段に記憶された情報の数が設定数以下である場合には、設定数よりも多く記憶されている場合よりも動的表示期間の長い動的表示態様が決定され易いので、動的表示がされない期間を短く設定できるという効果がある。
【2252】
遊技機I1またはI2において、前記遅延手段は、前記入球可変手段が前記第2状態から前記第1状態に可変される期間よりも長い期間を遅延させるものであることを特徴とする遊技機I3。
【2253】
遊技機I3によれば、遊技機I1またはI2の奏する効果に加え、遅延手段では、入球可変手段が第2状態から第1状態に可変される期間よりも長い期間が遅延されるので、より情報が多く記憶された状態で動的表示期間を決定することができるという効果がある。
【2254】
遊技機I1からI3のいずれかにおいて、前記入球可変手段は、前記第1状態に可変される場合に、前記記憶手段に前記情報が記憶される所定数以下の遊技球が入球可能な期間以下で前記第1状態に維持されるものであることを特徴とする遊技機I4。
【2255】
遊技機I4によれば、遊技機I1からI3の何れかの奏する効果に加え、入球可変手段では、第1状態に可変される場合に、記憶手段に情報が記憶される所定数以下の遊技球が入球可能な期間以下で第1状態に維持されるので、より効率的に遊技を行うことができるという効果がある。
【2256】
<特徴J群>(揺れ変動隠し)
抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果を示す識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示する動的表示手段と、その動的表示手段による動的表示される動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、前記表示手段に特定の抽選結果を示す前記識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有する遊技機において、前記識別情報は、複数の識別図柄の組み合わせにより前記抽選手段による抽選結果を示すものであり、前記動的表示態様決定手段により決定される動的表示態様には、1の抽選結果の動的表示として、前記識別図柄を仮停止させた後、再び動的表示させる疑似連続動的表示態様が含まれるものであり、前記疑似連続動的表示態様で前記識別図柄が仮停止された場合に、その識別図柄の前面側に静止図柄を重ねて表示させる静止図柄表示手段を有するものであることを特徴とする遊技機J1。
【2257】
遊技機J1によれば、次の効果を奏する。即ち、抽選手段による抽選結果を示す識別情報が表示される表示手段に、識別情報が動的表示手段によって動的表示される。その動的表示される動的表示態様が動的表示態様決定手段によって決定される。そして、表示手段に特定の抽選結果を示す識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技が特典遊技実行手段によって実行される。その識別情報は、複数の識別図柄の組み合わせにより抽選手段による抽選結果が示されるものである。また、動的表示態様決定手段により決定される動的表示態様には、1の抽選結果の動的表示として、識別図柄が仮停止した後、再び動的表示される疑似連続動的表示態様が含まれ、疑似連続動的表示態様で識別図柄が仮停止された場合に、その識別図柄の前面側に静止図柄表示手段によって静止図柄が重ねて表示される。これにより、仮停止された識別図柄が静止図柄により確定停止されているかのうように見せることができる。よって、遊技者に多様な演出を提供することができるという効果がある。
【2258】
遊技機J1において、前記識別図柄は、仮停止される場合には、わずかに表示位置を定期的に変更して動的表示されるものであることを特徴とする遊技機J2。
【2259】
遊技機J2によれば、遊技機J1の奏する効果に加え、識別図柄が仮停止される場合には、わずかに表示位置が定期的に変更され動的表示されるので、仮停止されていることを分かり易く報知できるという効果がある。
【2260】
遊技機J1またはJ2において、前記静止図柄は、前記識別図柄が仮停止されるのに基づいて表示され、再び前記識別図柄が動的表示を開始するよりも前に非表示にされるものであることを特徴とする遊技機J3。
【2261】
遊技機J3によれば、遊技機J1またはJ2の奏する効果に加え、静止図柄が識別図柄の仮停止に基づいて表示され、識別図柄の動的表示が開始されるよりも前に非表示にされるので遊技者に識別図柄を見やすく構成できるという効果がある。
【2262】
遊技機J1からJ3のいずれかにおいて、前記識別図柄は、予め定められた順序で停止表示されるものであることを特徴とする遊技機J4。
【2263】
遊技機J4によれば、遊技機J1からJ3の何れかの奏する効果に加え、識別図柄が予め定められた順序で停止表示されるので、遊技者に分かり易い遊技を提供できるという効果がある。
【2264】
遊技機J1からJ4のいずれかにおいて、前記動的表示態様決定手段は、前記抽選手段による抽選結果に基づいて1の前記動的表示態様を決定するものであり、前記疑似連続表示態様は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定の抽選結果である場合に決定され易く設定されているものであることを特徴とする遊技機J5。
【2265】
遊技機J5によれば、遊技機J1からJ4の何れかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示態様決定手段では、抽選手段による抽選結果に基づいて1の動的表示態様が決定される。そして、疑似連続表示態様では、抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果である場合に決定され易く設定されているので、疑似連続表示態様により遊技者に特定の抽選結果を期待させることができるという効果がある。
【2266】
<特徴K群>(普電チャッカーとアタッカーの入賞率を同じにして、アタッカーを絞ると普電入賞高くなる)
遊技が入球可能な入球口と、その入球口に遊技球が入球し易い第1状態とその第1状態よりも入球し難くなる第2状態とに可変可能な入球可変手段と、前記入球口に遊技球に遊技球が入球したことに基づいて情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された情報に基づいて抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段により特定の抽選結果であると判別されたことに基づいて、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記遊技球が入球可能な開口部と、その開口部を遊技球が入球可能な開放状態と、困難な閉鎖状態とに可変させる開口可変手段と、を有し、前記特典遊技実行手段は、前記可変手段を前記開放状態に所定期間、可変させるものであり、前記開口部と前記入球口とは、前記開口部が前記閉鎖状態であり、前記入球口が前記第1状態である場合に、前記開口部に入球する遊技球が前記入球口に入球し易くなる位置にそれぞれ配置されるものであることを特徴とする遊技機K1。
【2267】
遊技機K1によれば、入球口に遊技球が入球したことに基づいて取得された取得手段の情報に基づいて、抽選手段によって抽選が実行される。その抽選手段により特定の抽選結果であると判別されることに基づいて、遊技者に有利となる特典遊技が特典遊技実行手段によって実行される。入球口に遊技球が入球し易い第1状態とその第1状態よりも入球し難くなる第2状態とが入球可変手段によって可変される。開口部を遊技球が入球可能な開放状態と、困難な閉鎖状態とを可変させる開口可変手段によって可変され、特典遊技実行手段では、可変手段が開放状態に所定期間、可変される。更に、開口部と入球口とは、開口部が閉鎖状態であり、入球口が前記第1状態である場合に、開口部に入球する遊技球が入球口に入球し易くなる位置にそれぞれ配置される。これにより、効率良く遊技を行うことができる。よって、遊技の興趣をより向上することができるという効果がある。
【2268】
遊技機K1において、前記開口可変手段は、前記開口部を開閉可能な壁部部材で構成され、前記閉鎖状態では前記遊技球を前記壁部部材の上面で受けて前記入球口側へと遊技球を誘導するように構成されているものであることを特徴とする遊技機K2。
【2269】
遊技機K2によれば、遊技機K1の奏する効果に加え、開口可変手段では、開口部を開閉可能な壁部部材で構成され、閉鎖状態では遊技球を壁部部材の上面で受けて入球口側へと遊技球が誘導されるので、遊技球が入球し易く構成でき、遊技の効率を向上できるという効果がある。
【2270】
遊技機K2において、記壁部部材から前記入球口へ遊技球を誘導する誘導手段が設けられていることを特徴とする遊技機K3。
【2271】
遊技機K3によれば、遊技機K2の奏する効果に加え、より効率良く入球口へ遊技球を入球させることができるという効果がある。
【2272】
遊技機K1からK3のいずれかにおいて、前記遊技球を遊技領域へ発射する発射手段と、
その発射手段により発射される遊技球の発射力を遊技者の操作に基づいて調整することが可能な発射力調整手段と、を有し、前記遊技領域には前記発射手段より発射された遊技球が流下することが可能な第1領域と、その第1領域とは異なる第2領域とが少なくとも形成されており、前記開口部は、前記第2領域を流下した遊技球が入球可能な位置に配置され、前記入球口は、前記第1領域と前記第2領域とのいずれかを流下した遊技球が共通して入球可能な位置に配置されているものであることを特徴とする遊技機K4。
【2273】
遊技機K4によれば、遊技機K1からK3の奏する効果に加え、発射力調整手段により入球する状態を変えることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
【2274】
遊技機K4において、前記第2領域を流下した遊技球が入球可能な特別入球口と、その特別入球口に遊技球が入球した場合に遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、前記第2領域を流下した遊技球を前記開口部へ案内され易く、前記特別入球口へ案内され難い第1設定状態と、前記開口部へ案内され難く、前記特別入球口へ案内され易い第2設定状態とのどちらかに設定されることが可能な設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機K5。
【2275】
遊技機K5によれば、遊技機K4の奏する効果に加え、遊技の状態を可変させることができ、新鮮味のある遊技を遊技者に提供できるという効果がある。
【2276】
遊技機K5において、前記設定手段は、遊技機外部より設定することが可能に構成されていることを特徴とする遊技機K6。
【2277】
遊技機K6によれば、遊技機K5の奏する効果に加え、設定手段により設定を可変することができ、遊技の趣向を調整できるという効果がある。
【2278】
遊技機K4からK5のいずれかにおいて、前記第2領域を流下した遊技球が前記開口部へ案内され易く、前記入球口側へ案内され難い第1調整状態と、前記開口部へ案内され難く、前記入球口側へ案内され易い第2調整状態とに調整されることが可能な調整手段を有するものであることを特徴とする遊技機K7。遊技機K7によれば、遊技機K4からK5のいずれかの奏する効果に加え、調整手段により調整することにより、遊技の射幸性を調整できるという効果がある。
【2279】
<特徴L群>(Vアタッカーで2回ループ)
遊技球が入球可能な第1入球手段と、遊技球が入球し難い第1状態から入球し易い第2状態へとに可変可能な第2入球手段と、その第1入球手段への遊技球の入球に基づいて判定を行う第1判定手段と、その第1判定手段の判定結果が第1判定結果であることに基づいて、前記第2入球手段が前記第2状態に可変され易い特別状態を設定する特別状態設定手段と、前記第2入球手段への遊技球の入球に基づいて判定を行う第2判定手段と、その第2判定手段の判定結果が第2判定結果である場合に、入球が可能となる第3入球手段と、その第3入球手段に入球した遊技球が通過可能な特定領域と、その特定領域を遊技球が通過したことに基づいて遊技者にとって有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記特別状態設定手段によって前記第2判定手段により判定が実行される権利を少なくとも2つ記憶可能な権利記憶手段と、前記第2判定手段の判定結果に基づいて、前記特別状態を前記特別状態設定手段により設定させるか否かを決定する決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機L1。
【2280】
従来より、液晶表示装置等の表示手段に変動演出を始めとする種々の演出画像を表示して、遊技の興趣向上を図ったパチンコ機などの遊技機が知られている。変動演出は、始動口に遊技球等の遊技媒体が入賞(始動入賞)する等の始動条件が成立したことで行われる演出であり、例えば、有効表示領域に横又は縦に3個、或いは3×3のマス目に表示させた合計9個の図柄等を変動表示させ、その変動表示が停止した際に、所定の停止位置において停止表示される図柄等が予め定められた組み合わせとなっている場合に、大当たり等の所定の遊技価値を遊技者に付与するものである。
【2281】
そのような遊技機においては、所定の条件を満たすことで大当たり等の所定の遊技価値が付与される確率が高くなる確率変動機能(確変)を備えるものも多く、中には、一度確変に突入すると、最低2回は大当たり等の所定の遊技価値を付与されるものもあり(例えば、特開平9-140880)、遊技の興趣向上を図っている。
【2282】
しかしながら、上述した遊技機は一度確変に突入すると2回当たる点が斬新なだけであり、その他の遊技性については従来の遊技機と何ら変わらないもので、更なる遊技の興趣向上が求められていた。
【2283】
これに対し、遊技機L1によれば、第1判定手段によって所定の第1判定結果が選ばれることで、第2判定手段による判定が受けやすくなる特別状態を提供し、更に、第2判定手段によって所定の第2判定結果が選ばれた後、特定領域に遊技球を通過させることで初めて大当たりが付与されるという興趣に富んだゲーム性を備えたうえで、第2判定手段による判定を実行する権利を記憶することで、一旦特別状態から通常状態へ移行したとしても、記憶されている第2判定手段による判定を実行できるようにしている。よって、遊技状態が大当たりから遠のいた(特別状態から通常状態へ移行した)場合に、少なくとも、もう一度大当たりのチャンスが付与されることにより、遊技者が最後まで大当たりを期待しながら楽しむことが出来、遊技の興趣を向上させるという効果がある。
【2284】
遊技機L1において、前記第2入球手段は、前記第3入球手段の上流側に配置され、前記第3入球手段に遊技球が入球可能となる期間の少なくとも一部での期間では、前記第1状態に可変されるものであることを特徴とする遊技機L2。
【2285】
上述した遊技機L1では、特別状態時において、第2判定手段による判定を確実に行わせるために、第2入球手段を入球し易い第2状態にする制御を行っていたが、第2状態となっている第2入球手段によって、第3入球手段への入球が阻害されるという問題が浮上した。
【2286】
これに対し、遊技機L2によれば、遊技機L1が奏する効果に加え、第3入球手段が入球可能となる期間において、第2入球手段を閉鎖状態(退避状態)とさせることにより、第3入球手段への入球を阻害することなくスムーズに行わせることができるという効果を奏する。
【2287】
遊技機L2において、前記第2入球手段を前記第2状態に可変させるか否かを判定する第3判定手段と、その第3判定手段の判定結果を示す識別情報を動的表示可能な表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示する動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段と、を有し、前記動的表示期間決定手段は、前記特別状態が設定されたことに基づいて、所定条件が成立するまで、通常よりも短い動的表示期間を決定し易く設定されるものであることを特徴とする遊技機L3。
【2288】
上述した遊技機L2は、第3入球手段への遊技球の入球をスムーズに行わせることが可能となったが、本技術的思想の遊技機ではそれに加え、特別状態中に第2特別図柄の保留記憶を確保するための構成も同時に達成しなければならなかった。
【2289】
これに対し、遊技機L3では、第2入球手段を前記第2状態に可変させるための動的表示の期間を、特別状態では通常状態よりも短く設定させる制御を有している。
【2290】
この制御により、遊技機L2の奏する効果に加え、所定条件(例えば、第3入球手段の開放、所定時間経過、第2入球手段への所定個数の入球、保留記憶が上限到達等)が成立するまでは、第2入球手段への遊技球の入球を優先させ、所定条件が成立した後は第3入球手段への遊技球の入球を優先させることができる。よって、円滑に遊技を行うことができるという効果を奏する。
【2291】
遊技機L2において、前記第2入球手段を前記第2状態に可変させるか否かを判定する第3判定手段と、その第3判定手段の判定結果を示す識別情報を動的表示可能な表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示する動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段と、その動的表示期間決定手段により決定された動的表示期間が経過し、前記第2状態に可変させる判定結果を示す前記識別情報が表示された場合に、前記第2入球手段を前記第2状態に可変させる可変制御手段と、を有し、前記可変制御手段は、前記特別状態が設定されたことに基づいて、所定条件が成立するまで、前記第2入球手段を前記第2状態に通常よりも長い期間可変させるものであることを特徴とする遊技機L4。
【2292】
遊技機L4では、遊技機L2の奏する効果に加え、第2入球手段を長い期間第2状態として可変させる制御を所定条件が成立するまで行う制御を有しており、この制御により、上記遊技機L3と同様の効果を奏することができる。
【2293】
遊技機L3またはL4において、前記所定条件は、前記第3入球手段が入球可能となるよりも前に成立するものであることを特徴とする遊技機L5。
【2294】
遊技機L5によれば、遊技機L3またはL4の奏する効果に加え、第3入球手段が入球可能となる前に確実に所定条件を成立させることが可能となるため、より第3入球手段への入球を円滑に行うことができる。
【2295】
遊技機L3からL5のいずれかにおいて、前記第2判定手段の判定結果を示す第2識別情報を前記表示手段に動的表示する第2動的表示手段と、その第2動的表示手段により前記第2識別情報が動的表示される期間を決定する第2動的表示期間決定手段と、を有し、前記第2動的表示期間決定手段は、前記特別状態が設定されてから少なくとも1回目の動的表示について、前記動的表示期間決定手段により決定される動的表示期間よりも長い期間を設定するものであることを特徴とする遊技機L6。
【2296】
上述した遊技機L5によって、第3入球手段への入球に対しては円滑な遊技が可能となった。しかし、本技術的思想の遊技機では、特別状態中の遊技において、第2判定手段による判定が実行される権利を少なくとも2つ記憶可能となっているが、特別状態中の各判定手段の判定タイミングによっては、第2判定手段による判定が実行される権利を少なくとも2つ記憶させることができないという新たな問題が浮上した。つまり、特別状態中において第3判定手段の判定結果として第2入球手段を第2状態とする前に、第2判定手段の判定結果に基づく大当たりが提供されてしまうと、その特別遊技が第2入球手段が第2状態になる前に終了してしまい、新たに第2判定手段による判定が実行される権利を記憶させることができないという問題が発生する。
【2297】
これに対し、遊技機L6によれば、遊技機L3からL5の何れかの遊技機の奏する効果に加え、特別遊技(時短遊技)が開始されてから少なくとも1回目の第2動的表示(第2特別図柄の変動表示)の期間を、動的表示(普通図柄の変動表示)時間より長く設定するため、1回目の第2動的表示が終了するまでに、動的表示が終了し、第2入球手段を第2状態へ可変することができる。よって、上述した新たな問題を解決し、本技術的思想の遊技機が有する特長的な遊技性を確保することができる。
【2298】
遊技機L1からL6において、前記第3入球手段は、所定数以上の遊技球が入球した場合に、前記特定領域に遊技球が通過するものであることを特徴とする遊技機L7。
【2299】
遊技機L7によれば、遊技機L1から遊技機L6の奏する効果に加え、遊技者は所定数以上の遊技球を入球させるまで第3入球手段を狙う遊技を行うことができる。即ち、第3入球手段が即座に終わってしまい遊技者が興醒めする事態を防ぎ、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
【2300】
遊技機L7において、前記第3入球手段は、入球可能となった1の状態で、前記所定数以上の遊技球が入球した場合に、前記特定領域に遊技球が通過するものであることを特徴とする遊技機L8。
【2301】
遊技機L8によれば、遊技機L1から遊技機L6の奏する効果に加え、遊技者は所定数以上の遊技球を入球させるまで第3入球手段を狙う遊技を行うことができる。即ち、第3入球手段が即座に終わってしまい遊技者が興醒めする事態を防ぎ、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
【2302】
遊技機L7またはL8において、前記第3入球手段は、前記特定領域へ遊技球が通過することを規制する規制手段と、前記所定数の遊技球が入球することで、前記規制手段を前記特定領域へ遊技球が通過可能となる解除状態に可変させる可変手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機L9。
【2303】
遊技機L9によれば、遊技機L7またはL8の奏する効果に加え第3入球手段に入球した遊技球が所定数になるまで特定領域を通過することが無くなるため、第3入球手段が即座に終わってしまい遊技者が興醒めする事態を防ぎ、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
【2304】
遊技機L1からL6のいずれかにおいて、前記特定領域に遊技球が入球可能となる開放状態と前記特定領域に遊技球が入球することを規制する規制状態とに可変可能な可変部材と、その可変部材を可変させる可変制御手段と、前記第1判定手段の判定結果が特定判定結果であることに基づいて、前記第3入球手段への入球が可能となり、前記第1判定手段により前記特定判定結果と判定された場合には、前記可変制御手段は、前記可変部材を前記第3入球手段に入球可能となる期間について前記規制状態に可変させるように制御するものであり、前記第2判定手段により前記第2判定結果と判定された場合には、前記可変制御手段は、前記可変部材を前記遊技球が特定領域に入球可能となる期間について前記開放状態に可変させるものであることを特徴とする遊技機L10。
【2305】
遊技機L10によれば、遊技機L1からL6のいずれかの遊技機が奏する効果に加え、第1判定手段により特定判定結果となった場合にも第3入球手段への入球を可能としているため、第1判定手段及び第2判定手段の何れの判定結果でも第3入球手段へ入球させる遊技を行うことが可能となり遊技の興趣を向上させることが可能となる。
【2306】
遊技機L1からL10のいずれかにおいて、前記決定手段は、前記第2判定結果であることに基づいて、前記特別状態を前記特別状態設定手段により設定させるか否かを決定するものであることを特徴とする遊技機L11。
【2307】
遊技機L11によれば、遊技機L1からL10のいずれかの遊技機が奏する効果に加え、第2判定手段の判定結果が第2判定結果の場合に、特別状態を設定するか否かを決定するため、遊技者は第3入球手段が入球可能となったことで、特別状態になる可能性があると把握することで、先の遊技への期待感を持たせることができるため、遊技の興趣を向上することができる。
【2308】
遊技機L1からL11のいずれかにおいて、前記第2判定手段は、すべての判定について前記第2判定結果または前記特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行される判定結果のいずれかを判定するものであることを特徴とする遊技機L12。
【2309】
遊技機L12によれば、遊技機L1からL11のいずれかの遊技機が奏する効果に加え、第2判定手段による判定が行われる状態自体が遊技者にとって有利な状態となるため、興趣に富んだ遊技機を提供することができる。
【2310】
遊技機L1からL12のいずれかにおいて、前記特典遊技実行手段は、前記第1判定結果であることに基づいても、前記特典遊技を実行するものであることを特徴とする遊技機L13。
【2311】
遊技機L13によれば、遊技機L1からL12のいずれかの遊技機が奏する効果に加え、第1判定結果でも、特典遊技が実行されるため興趣に富んだ遊技機を提供することができる。
【2312】
遊技機L1からL13のいずれかにおいて、前記特典遊技実行手段は、前記特典遊技として、前記第3入球手段とは異なる第4入球手段に遊技球が入球可能にさせるものであることを特徴とする遊技機L14。
【2313】
遊技機L14によれば、遊技機L1からL13のいずれかの遊技機が奏する効果に加え、遊技機L1からL13のいずれかの遊技機が奏する効果に加え、4つの入球手段に向けて遊技球を発射する遊技を行うことになるため、興趣に富んだ遊技機を提供することができる。
【2314】
遊技機L1からL14のいずれかにおいて、前記第2入球手段は、前記遊技球が入球可能な入球部と、その入球部へ遊技球が入球するように誘導可能な誘導位置と遊技球が前記入球部へ入球することが困難な非誘導位置とに可変可能な誘導部材と、を有するものであることを特徴とする遊技機L15。
【2315】
本技術的思想の遊技機の遊技性を活かすためには、第2入球手段において、第1状態は入球し難く、第2状態は入球しやすい構成しなければならないという課題がある。
【2316】
遊技機L15によれば、遊技機L1からL14のいずれかの遊技機が奏する効果に加え、第2入球手段に誘導部材を設け、その誘導部材を誘導位置と非誘導位置とに可変可能にすることで、第1状態は入球し難く、第2状態は入球しやすい構成となり、本遊技機の遊技性を活かすことが可能となるという効果がある。
【2317】
遊技機L15において、前記誘導部材は、落下してくる遊技球を受け止め可能な第1領域と、その第1領域から転動する遊技球が前記入球部へと転動可能な第2領域と、を有し、前記第2領域へと転動した遊技球が前記入球部へと入球可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機L16。
【2318】
遊技機L16によれば、遊技機L15の奏する効果に加え、誘導部材を第1領域と第2領域とで構成し、第2領域から入球部へと入球可能としているため、誘導部材が非誘導位置にある状態において遊技盤を落下してくる遊技球が入球し難い位置に入球部を設けたとしても、誘導部材が誘導位置にある状態においては入球部への入球を容易にすることができ、本遊技機の遊技性を活かすことができるという効果がある。
【2319】
遊技機L16において、前記特別状態では、前記誘導部材は、前記第1領域に受け止められた遊技球が前記入球部へと入球するのに要する転動期間よりも長い期間で前記第2状態に可変され、前記特別状態が設定されていない場合には、前記転動期間よりも短い期間で前記第2状態に可変されるものであることを特徴とする遊技機L17。
【2320】
遊技機L17によれば、遊技機L16の奏する効果に加え、誘導部材を非誘導位置から誘導位置へと可変させる期間を、特別状態が設定されている場合は誘導部材上の遊技球が入球部に入球しやすい期間と、特別状態が設定されていない場合は誘導部材上の遊技球が入球部に入球し難い期間と、それぞれ設定することが可能となるため、本遊技機の遊技性を活かすことが可能となるという効果がある。
【2321】
遊技機L1からL17のいずれかにおいて、前記第2判定手段の判定結果を示す第2識別情報を動的表示可能な第2動的表示手段と、その第2動的表示手段により前記第2識別情報が動的表示される期間を決定する第2動的表示期間決定手段と、前記第2判定手段の判定結果が前記第2判定結果となってから、前記特典遊技が実行されるまでの特典前遊技を実行する特典前遊技実行手段と、を備え、前記第2動的表示期間決定手段は、前記第2判定手段の判定結果が前記第2判定結果であるときの動的表示期間の長さと、前記特典前遊技の期間の長さとの合計が、前記第2判定手段の判定結果が前記第2判定結果以外の所定の判定結果であるときの動的表示期間の長さと等しくなるよう決定するものである。ことを特徴とする遊技機L18。
【2322】
本技術的思想の遊技機では、第2判定手段の判定結果が第2判定結果の場合、直ちに大当たり遊技が提供されるのではなく、その後、特定領域を通過させて初めて大当たり遊技が提供される。このような遊技機おいては、第2判定手段の判定結果を示す識別情報を動的表示する際に、可能な限り大当たり遊技が提供される寸前まで遊技者に期待を持たせたいという課題が浮上した。つまり、第2判定手段の判定結果をすべて同じタイミングで表示してしまうと、第2判定手段の判定結果が第2判定結果に基づく特典前遊技を実行する前に第2判定手段の判定結果を遊技者が認識してしまい、特典前遊技を実行している間の遊技性の興趣が乏しくなるという問題があった。
【2323】
遊技機L18によれば、遊技機L1?L17のいずれかの遊技機が奏する効果に加え、第2判定手段の判定結果が第2判定結果であるときの動的表示期間の長さと、特典前遊技の期間の長さの合計、つまり、第2判定結果に基づく動的表示が開始されてから大当たり遊技が提供されるまでの間の期間と、第2判定手段の判定結果が第2判定結果以外の所定の判定結果であるときの動的表示期間の長さ、つまり、第2判定手段の判定結果(第2判定結果以外)に基づく動的表示が開始されてから終了するまでの期間とを等しくすることで、特典前遊技が終了するタイミングになるまで、遊技者に対して第2判定手段の判定結果を認識し難くすることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
【2324】
前記第1判定手段の判定結果が前記第1判定結果であることに基づいて遊技者にとって有利な第2特典遊技を実行する第2特典遊技実行手段を備え、前記所定の判定結果とは、前記第2判定手段の判定結果が、前記第2特典遊技が実行される判定結果であることを特徴とする遊技機L19。
【2325】
遊技機L19によれば、遊技機L18が奏する効果に加え、第2判定手段による判定に基づく大当たりの表示を同じタイミングとすることが可能となり、遊技者に最後まで動的表示を楽しませることができ、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
【2326】
尚、第2判定結果に基づく大当たりと、所定の判定結果に基づく大当たりとで遊技者に付与される特典を異ならせることで、さらに遊技の興趣を向上させることが可能となる。
【2327】
前記遊技機L19において、前記第2動的表示手段の動的表示に対応した演出表示を実行する演出実行手段と、その演出実行手段によって実行される演出を表示する表示体と、を備え、前記演出実行手段は、前記第2判定結果に対応した第2判定結果演出と、前記特典前遊技に対応した特典前遊技演出とを前記表示体に表示するものであり、前記第2特典遊技が実行される判定結果に対応した演出を前記表示体に表示する場合は、少なくとも前記第2判定結果演出の一部を用いることを特徴とする遊技機L20。
【2328】
一般的に遊技機では、各種判定の結果を示す識別情報に基づく演出表示について表示体(例えば液晶装置)を用いて実行し、遊技者が把握できるようにされている。そして、遊技者は表示体に表示される演出表示の内容を把握しながら一喜一憂するものである。本技術的思想の遊技機においても、遊技性に適した演出表示が求められていた。
【2329】
遊技機L20によれば、遊技機L19の奏する効果に加え、特典遊技が実行されることとなる判定結果に基づく演出表示の一部を第2特典遊技が実行されることとなる判定結果に基づく演出表示に用いることで、遊技者は表示体に表示される演出内容の一部だけではどちらの特典遊技が実行されることになるのかを把握できず、遊技者に対して表示される演出内容の全部に関心を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることが可能となる効果がある。
【2330】
前記遊技機L20において、前記第2判定結果演出は、前記第2識別情報が動的表示されている間に対応する第2判定結果動的表示中演出と、前記第2識別情報が確定表示されたことに対応する第2判定結果動的表示確定演出とから構成され、前記演出実行手段により、前記第2特典遊技が実行される判定結果に対応した演出を実行する場合は、その一部に少なくとも前記第2判定結果動的表示中演出を用いることを特徴とする遊技機L21。
【2331】
遊技機L21によれば、遊技機L20の奏する効果に加え、第2特典遊技が実行される判定結果に対応した演出を実行する場合において、その一部に第2判定結果動的表示中演出を用いることにより、第2判定手段の判定結果に基づく演出が開始されてからしばらくの間は共通の演出が行われることになり、遊技者は表示体に表示される演出内容の開始部分だけではどちらの特典遊技が実行されることになるのかを把握できず、遊技者に対して表示される演出内容の全部に関心を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることが可能となる効果がある。また、共通の演出を用いることでプログラム容量の削減を図ることも可能とすることができるという効果がある。
【2332】
前記遊技機L20において前記特典前遊技演出は、前記特典前遊技が行われている間に対応する特典前遊技中演出と、前記特定領域を遊技球が通過したことに対応する特典遊技確定演出とから構成され、前記演出実行手段により、前記第2特典遊技が実行される判定結果に対応した演出を実行する場合は、その一部に少なくとも前記特典遊前遊技中演出を用いることを特徴とする遊技機L22。
【2333】
遊技機L22によれば、遊技機L20からL21の奏する効果に加え、第2特典遊技が実行される判定結果に対応した演出を実行する場合において、その一部に特典前遊技中演出を用いることにより、第2判定手段の判定結果が表示される直前の最終段階において共通の演出が行われることになり、遊技者は表示体に表示される演出内容の最終段階部分だけではどちらの特典遊技が実行されることになるのかを把握できず、遊技者に対して表示される演出内容の全部に関心を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることが可能となる効果がある。また、共通の演出を用いることでプログラム容量の削減を図ることも可能とすることができるという効果がある。
【2334】
遊技機L20からL22おいて、前記演出実行手段は、前記第2判定手段による判定結果が前記第2判定結果であることを報知する第1報知演出と、前記第2判定手段による判定結果が前記第2特典遊技の実行される判定結果であることを報知する第2報知演出を実行するものであり、前記演出実行手段が演出を実行してから、前記第1報知演出又は前記第2報知演出とを実行するタイミングを同一にしたことを特徴とする遊技機L23。
【2335】
遊技機L23によれば、遊技機L20からL22の奏する効果に加え、第2判定手段の判定結果が報知される演出が表示されるタイミングを同一にしたため、遊技者が異なるタイミングで判定結果を把握してしまうことを防ぐことができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
【2336】
尚、遊技機L21からL23までの構成の2つまたは全てを備えることにより、より有効な効果を奏することが可能となる。
【2337】
<特徴M群>(レッツマンボ中に潜伏演出を実行)
第1条件の成立に基づいて、情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された情報が記憶される情報記憶手段と、その情報記憶手段に記憶された情報に基づいて判定を実行する判定手段と、第2条件の成立に基づいて、前記判定手段による判定結果を示す識別情報を表示手段に動的表示する動的表示手段と、前記表示手段に特定の判定結果を示す前記識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる特典を付与する特典付与手段と、前記第2条件が成立するよりも前に、前記情報記憶手段に記憶された情報を判定する事前判定手段と、その事前判定手段により判定された判定結果に基づいて、前記情報記憶手段に既に記憶されている情報に対する前記動的表示で特定の演出を実行するか否かを決定する特定演出決定手段と、その特定演出決定手段により前記特定の演出を実行すると決定された前記情報について、所定条件が成立しているか判別する判別手段と、その判別手段により前記所定条件が成立していると判別された情報よりも後に記憶され、前記特定演出の実行が決定される契機となった情報よりも前に記憶されている前記情報に対して、前記特定の演出の実行を規制する特定演出規制手段とを有するものであることを特徴とする遊技機M1。
【2338】
従来より、液晶表示装置等の表示手段に変動演出を始めとする種々の演出画像を表示して、遊技の興趣向上を図ったパチンコ機などの遊技機が知られている。変動演出は、始動口に遊技球等の遊技媒体が入賞(始動入賞)する等の始動条件が成立したことで行われる演出であり、例えば、有効表示領域に横又は縦に3個、或いは3×3のマス目に表示させた合計9個の図柄等を変動表示させ、その変動表示が停止した際に、所定の停止位置において停止表示される図柄等が予め定められた組み合わせとなっている場合に、大当たり等の所定の遊技価値を遊技者に付与するものである。そのような遊技機においては、所定の条件を満たすことで大当たり等の所定の遊技価値が付与される確率が高くなる確率変動機能(確変)を備えるものも多く、中には、一度確変に突入すると、最低2回は大当たり等の所定の遊技価値を付与されるものもあり(例えば、特開平9-140880)、遊技の興趣向上を図っている。しかしながら、上述した遊技機は大当たりに対する興味を遊技者に持たせるのみであり、外れである変動表示に対しては遊技の興趣を低下させるという不具合があった。更なる遊技の興趣向上が求められていた。
【2339】
これに対し、遊技機M1によれば、第1条件の成立に基づいて、情報が取得手段により取得される。その取得手段により取得された情報が情報記憶手段により記憶される。その情報記憶手段に記憶された情報に基づいて判定が判定手段により実行される。第2条件の成立に基づいて、判定手段による判定結果を示す識別情報が表示手段に動的表示手段により動的表示される。表示手段に特定の判定結果を示す前記識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる特典が特典付与手段により付与される。第2条件が成立するよりも前に、情報記憶手段に記憶された情報が前判定手段により判定される。その事前判定手段により判定された判定結果に基づいて、情報記憶手段に既に記憶されている情報に対する動的表示で特定の演出を実行するか否かが特定演出決定手段により決定される。その特定演出決定手段により特定の演出を実行すると決定された情報について、所定条件が成立しているか判別手段により判別される。その判別手段により所定条件が成立していると判別された情報よりも後に記憶され、特定演出の実行が決定される契機となった情報よりも前に記憶されている情報に対して、特定の演出の実行が特定演出規制手段により規制される。
【2340】
これにより、特定の演出が決定されている情報のうち、所定条件が成立している情報の後に記憶されている情報に対して特定の演出の実行が規制されるので、特定の演出が連続して実行される演出が終了したと思わせた後に、特定の演出を再び実行させることができる。よって、遊技者に意外性のある演出を提供でき、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
【2341】
遊技機M1において、前記動的表示手段により動的表示される動的表示態様として、1の動的表示態様を前記情報記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて決定する動的表示態様決定手段を有し、前記判別手段は、前記動的表示態様決定手段により特定の動的表示態様が決定される前記情報であると判別した場合に前記所定条件が成立すると判別するものであることを特徴とする遊技機M2。
【2342】
遊技機M2によれば、遊技機M1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示手段により動的表示される動的表示態様として、1の動的表示態様を情報記憶手段に記憶されている情報に基づいて動的表示態様決定手段により決定される。動的表示態様決定手段により特定の動的表示態様が決定される情報であると判別した場合に所定条件が成立すると判別手段により判別される。これにより、特定の動的表示態様が表示されることで、遊技者に特定の演出が終了したように思わせることができるという効果がある。
【2343】
遊技機M2において、前記特定演出決定手段は、前記事前判定手段により前記特定の動的表示態様が決定される前記情報であると判定されたことに基づいて、前記特定の演出の実行を決定するものであることを特徴とする遊技機M3。
【2344】
遊技機M3によれば、遊技機M2の奏する効果に加え、事前判定手段により特定の動的表示態様が決定される情報であると判定されたことに基づいて、特定の演出の実行が特定演出決定手段により決定されるので、特定の演出が実行されると連続する保留のいずれかの変動で特定の動的表示態様が実行されることを早期に遊技者に認識させ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
【2345】
遊技機M1からM3のいずれかにおいて、前記特定演出決定手段により前記特定の演出を実行すると決定された場合に、既に記憶されている前記情報に対して、前記特定の演出の実行を開始する前記情報を所定の抽選により決定する開始情報決定手段を有するものであることを特徴とする遊技機M4。
【2346】
遊技機M4によれば、遊技機M1からM3のいずれかの遊技機の奏する効果に加え、特定演出決定手段により特定の演出を実行すると決定された場合に、既に記憶されている情報に対して、特定の演出の実行を開始する情報が所定の抽選により開始情報決定手段によって決定されるので、特定の演出が連続して実行される回数をランダムにして、遊技者に多様な演出を提供できるという効果がある。
【2347】
遊技機M1からM4のいずれかにおいて、前記特定演出規制手段は、前記判別手段により前記所定条件が成立していると判別された情報よりも後に記憶され、前記特定の演出の実行が決定される契機となった情報よりも前に記憶されている前記情報のうち、前記所定条件が成立すると判別された前記情報の次に記憶されている前記情報から所定の回数連続して記憶される前記情報に対して、前記特定の演出を規制するものであることを特徴とする遊技機M5。
【2348】
遊技機M5によれば、遊技機M1からM4のいずれかの遊技機の奏する効果に加え、特定演出規制手段は、判別手段により所定条件が成立していると判別された情報よりも後に記憶され、特定の演出の実行が決定される契機となった情報よりも前に記憶されている情報のうち、所定条件が成立すると判別された情報の次に記憶されている情報から所定の回数連続して記憶される情報に対して、特定の演出が特定演出規制手段により規制されるので、連続した回数特定の演出が規制され、遊技者に特定の演出が再び実行される期待を高めることができるという効果がある。
【2349】
遊技機M5において、前記特定演出規制手段は、前記所定の回数を抽選により決定するものであることを特徴とする遊技機M6。
【2350】
遊技機M6によれば、遊技機M5の奏する効果に加え、所定の回数が抽選により特定規制手段により決定されるので、特定の演出が規制される回数をランダムにでき、遊技者の興趣を向上できるという効果がある。
【2351】
遊技機M1からM6のいずれかにおいて、前記特定演出規制手段により前記特定の演出が規制された前記情報に対する動的表示について、所定の示唆演出を実行する示唆演出実行手段を有することを特徴とする遊技機M7。
【2352】
遊技機M7によれば、遊技機M1からM6のいずれかの遊技機の奏する効果に加え、特定演出規制手段により特定の演出が規制された情報に対する動的表示について、所定の示唆演出が示唆演出実行手段により実行されるので、示唆演出により特定の演出が継続しているのではないかという期待を遊技者に持たせることができるという効果がある。
【2353】
<特徴N群>(レッツマンボ後の潜伏回数をレッツマンボ実行開始時の保留数によって決定)
第1条件の成立に基づいて、情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された情報が記憶される情報記憶手段と、その情報記憶手段に記憶された情報に基づいて判定を実行する判定手段と、第2条件の成立に基づいて、前記判定手段による判定結果を示す識別情報を表示手段に動的表示する動的表示手段と、前記表示手段に特定の判定結果を示す前記識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる特典を付与する特典付与手段と、
前記第2条件が成立するよりも前に、前記情報記憶手段に記憶された情報を判定する事前判定手段と、その事前判定手段により判定された判定結果に基づいて、前記情報記憶手段に既に記憶されている情報に対して、前記識別情報の動的表示が実行される毎に特定の演出を実行する連続演出の実行を決定する演出決定手段と、その演出決定手段により前記連続演出を実行すると判別された前記情報の動的表示の終了までの所定の契機で、その判別された前記情報よりも後に記憶されている前記情報記憶手段に記憶されている前記情報の動的表示に対して示唆演出を実行するか否かを決定する示唆演出決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機N1。
【2354】
従来より、液晶表示装置等の表示手段に変動演出を始めとする種々の演出画像を表示して、遊技の興趣向上を図ったパチンコ機などの遊技機が知られている。変動演出は、始動口に遊技球等の遊技媒体が入賞(始動入賞)する等の始動条件が成立したことで行われる演出であり、例えば、有効表示領域に横又は縦に3個、或いは3×3のマス目に表示させた合計9個の図柄等を変動表示させ、その変動表示が停止した際に、所定の停止位置において停止表示される図柄等が予め定められた組み合わせとなっている場合に、大当たり等の所定の遊技価値を遊技者に付与するものである。そのような遊技機においては、所定の条件を満たすことで大当たり等の所定の遊技価値が付与される確率が高くなる確率変動機能(確変)を備えるものも多く、中には、一度確変に突入すると、最低2回は大当たり等の所定の遊技価値を付与されるものもあり(例えば、特開平9-140880)、遊技の興趣向上を図っている。しかしながら、上述した遊技機は大当たりに対する興味を遊技者に持たせるのみであり、外れである変動表示に対しては遊技の興趣を低下させるという不具合があった。更なる遊技の興趣向上が求められていた。
【2355】
遊技機N1によれば、第1条件の成立に基づいて、情報が取得手段により取得される。その取得手段により取得された情報が情報記憶手段により記憶される。その情報記憶手段に記憶された情報に基づいて判定が判定手段により実行される。第2条件の成立に基づいて、判定手段による判定結果を示す識別情報が表示手段に動的表示手段により動的表示される。表示手段に特定の判定結果を示す識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる特典が特典付与手段により付与される。第2条件が成立するよりも前に、情報記憶手段に記憶された情報が事前判定手段により判定される。その事前判定手段により判定された判定結果に基づいて、情報記憶手段に既に記憶されている情報に対して、識別情報の動的表示が実行される毎に特定の演出を実行する連続演出の実行が演出決定手段により決定される。その演出決定手段により連続演出を実行すると判別された情報の動的表示の終了までの所定の契機で、その判別された情報よりも後に記憶されている情報記憶手段に記憶されている情報の動的表示に対して示唆演出を実行するか否かが示唆演出決定手段により決定される。これにより、連続演出が終了した後にも示唆演出が実行されるので、連続演出が継続しているのではと遊技者に思わせることができる。よって、連続演出を実際の連続回数よりも多い回数であるかのように思わせることができ、遊技者の興趣を向上できるという効果がある。
【2356】
遊技機N1において、前記動的表示手段により動的表示される動的表示態様として、1の動的表示態様を前記情報記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて、決定する動的表示態様決定手段を有し、前記演出決定手段は、前記事前判定手段により前記特定の動的表示態様が前記動的表示態様決定手段により決定される前記情報であると判定された場合に、前記連続演出を実行すると決定するものであることを特徴とする遊技機N2。
【2357】
遊技機N2によれば、遊技機N1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示手段により動的表示される動的表示態様として、1の動的表示態様を情報記憶手段に記憶されている情報に基づいて動的表示態様決定手段により決定される。事前判定手段により特定の動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される情報であると判定された場合に、連続演出が演出決定手段により実行されるので、連続演出では、特定の動的表示態様が行われることとなり、連続演出の開始により特定の動的表示態様が実行されることを早期に認識させることができるという効果がある。
【2358】
遊技機N1またはN2において、前記示唆演出は、前記連続演出の演出開始まえの所定期間にも実行される演出であることを特徴とする遊技機N3。
【2359】
遊技機N3によれば、遊技機N1またはN2の奏する効果に加え、連続演出の演出開始まえの所定期間にも示唆演出が実行されるので、示唆演出が実行されることで、連続演出の開始を遊技者に期待させることができるという効果がある。
【2360】
遊技機N1からN3のいずれかにおいて、前記示唆演出を実行すると前記示唆演出決定手段により決定された場合に、連続回数を抽選により決定する回数決定手段を有するものであることを特徴とする遊技機N4。
【2361】
遊技機N4によれば、遊技機N1からN3のいずれかの遊技機の奏する効果に加え、示唆演出を実行すると示唆演出決定手段により決定された場合に、連続回数が抽選により回数決定手段により決定されるので、示唆演出が行われる回数をランダムにすることができ、遊技者の興趣を向上できるという効果がある。
【2362】
<特徴P群>(ボタン操作により1連の演出態様を開始し、無効操作により演出態様を可変させる)
演出を実行することが可能な演出手段と、所定の第1演出パターンで前記演出手段に特定演出を実行させることが可能な演出実行手段と、遊技者が操作することが可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことに基づいて所定の信号を出力する信号出力手段と、その信号出力手段により出力される信号を判別する信号判別手段と、その信号判別手段により前記所定の信号が判別されたことに基づいて、前記演出実行手段により前記演出手段に前記特定演出の実行を開始させることが可能な可能状態であるか判定する可能状態判定手段と、その可能状態判定手段により前記可能状態であると判定されたことに基づいて、前記演出実行手段により前記特定演出の実行を開始させる演出制御手段と、前記可能状態判定手段により前記可能状態でないと判定されたことに基づく情報により特定条件の成立を判定する特定条件判定手段と、その特定条件判定手段により前記特定条件が成立したと判定されたことに基づいて、前記特定演出の第1演出パターンを異なる第2演出パターンに可変させる演出可変手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機P1。
【2363】
ここで、パチンコ機等の遊技機において、操作手段(演出ボタン等)を遊技者が操作することで、装飾体を待機位置から所定の動作位置まで動作させる役物駆動演出が実行されるものがある(例えば、特開2015-97827号公報)。
【2364】
かかる従来型の遊技機では、装飾体が動作している間(即ち、役物駆動演出中)に、遊技者が操作手段(演出ボタン等)を操作したとしても、新たな役物駆動演出が実行されることはなく、操作手段(演出ボタン等)への操作に基づいて実行される役物駆動演出の演出効果を低下させてしまうという問題があった。また、装飾体の動作(例えば、動作時間など)を遊技者の好みに合わせることができず、遊技者の興趣を向上できないという問題があった。
【2365】
これに対して、遊技機P1によれば、演出を実行することが可能な演出手段に、演出実行手段により所定の第1演出パターンで特定演出が実行され、遊技者が操作することが可能な操作手段が操作されたことに基づいて信号出力手段により所定の信号が出力され、その所定の信号出力手段により出力される信号が信号判別手段により判別される。信号判別手段により所定の信号が判別されたことに基づいて、演出手段に特定演出の実行を開始させることが可能な可能状態であるかが可変状態判定手段により判定される。その可変状態判定手段により可能状態であると判定されたことに基づいて、演出実行手段による特定演出の実行が演出制御手段により開始される。一方、可能状態判定手段により可能状態でないと判定されたことに基づく情報により特定条件の成立が特定条件判定手段により判定されたことに基づいて、演出可変手段により、特定演出の第1演出パターンが異なる第2演出パターンに可変される。
【2366】
これにより、操作手段の操作に基づく特定演出が実行できないと判定されたことに基づいて、特定演出の演出パターンを第1演出パターンから第2演出パターンへと可変させることが可能となる。よって、特定演出を実行することができなかった操作手段の操作に基づいて、次に実行される特定演出の演出パターンを可変することができるため、操作手段の操作に基づいて実行される演出の演出効果を高めることができるという効果がある。
【2367】
遊技機P1において、前記第2演出パターンは、前記第1演出パターンよりも短い演出期間で設定されているものであることを特徴とする遊技機P2。
【2368】
遊技機P2によれば、遊技機P1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2演出パターンが、第1演出パターンよりも短い演出期間で設定されるものであるため、第2演出パターンが実行されることで、特定演出の演出期間を短縮することができる。よって、単一の期間において、演出実行手段により特定演出を実行させる回数を増加させることが可能となるため、操作手段の操作に基づいて実行される演出の演出効果を高めることができるという効果がある。さらに、操作手段が短期間に連続して操作された場合にも、特定演出の実行が開始される機会が増え、遊技者が操作手段を操作することで特定演出を開始させることができるという感覚をより与えることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
【2369】
遊技機P1またはP2において、前記演出手段は、演出を実行することが可能な複数の演出部を有しており、前記演出パターンは、前記複数の演出部のうち、少なくとも2以上の前記演出部に対して演出を実行させるものであることを特徴とする遊技機P3。
【2370】
遊技機P3によれば、遊技機P1またはP2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出を実行することが可能な複数の演出部を演出手段が有し、演出パターンが複数の演出部のうち、少なくとも2以上の演出部に対して演出を実行させるものであるため、操作手段の操作に基づいて多様な演出を実行することができる。よって、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
【2371】
遊技機P1またはP2において、前記演出手段は、演出を実行することが可能な複数の演出部を有しており、前記演出実行手段は、前記複数の演出部のうち、任意の演出部に前記特定演出を実行することが可能なものであることを特徴とする遊技機P4。
【2372】
遊技機P4によれば、遊技機P1またはP2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出手段が、演出を実行することが可能な複数の演出部を有し、演出実行手段により、複数の演出部のうち、任意の演出部に特定演出が実行される。
【2373】
これにより、操作手段の操作に基づいて多様な演出を実行することができる。よって、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
【2374】
遊技機P4において、前記可能状態判定手段は、前記演出実行手段により前記演出パターンで演出を開始することが可能な少なくとも1の前記演出部がある場合に、前記可能状態と判定するものであることを特徴とする遊技機P5。
【2375】
遊技機P5によれば、遊技機P4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出実行手段により演出パターンで演出を開始することが可能な少なくとも1の演出部がある場合に、可能状態判定手段により可能状態と判定される。
【2376】
これにより、複数の演出部のうち少なくとも1の演出部が可能状態である場合に、特定演出を実行することができる。よって、単一の期間において、演出実行手段により特定演出を実行させる回数を増加させることが可能となるため、操作手段の操作に基づいて実行される演出の演出効果を高めることができるという効果がある。
【2377】
遊技機P1からP5のいずれかにおいて、前記特定条件は、前記可能状態判定手段により前記可能状態でないと判定された回数が成立条件の少なくとも一つに設定されているものであることを特徴とする遊技機P6。
【2378】
遊技機P6によれば、遊技機P1からP5のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定条件が成立する成立条件の少なくとも一つに、可能状態判定手段により可能状態でないと判定された回数が設定される。
【2379】
これにより、可能状態判定手段により可能状態でないと判定された回数、即ち、操作手段を操作したにも関わらず、演出実行手段により特定演出が実行されなかった回数に基づいて特定条件を成立させることが可能となる。よって、遊技者に対して積極的に操作手段を操作させることができ、遊技者の遊技意欲を高めることができるという効果がある。
【2380】
遊技機P1からP6のいずれかにおいて、前記特定条件は、予め定められた所定期間以内に前記可能状態判定手段により前記可能状態でないと判定された回数が成立条件の少なくとも一つに設定されているものであることを特徴とする遊技機P7。
【2381】
遊技機P7によれば、遊技機P1からP6の何れかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定条件が成立する成立条件の少なくとも一つに、予め定められた所定期間以内に可能状態判定手段により可能状態判定手段により可能状態でないと判定された回数が設定される。
【2382】
これにより、予め定められた所定期間以内に可能状態判定手段により可能状態でないと判定された回数、即ち、所定期間以内に、操作手段を操作したにも関わらず、演出実行手段により特定演出が実行されなかった回数に基づいて特定条件を成立させることが可能となる。よって、遊技者に対して積極的に操作手段を操作させることができ、遊技者の遊技意欲を高めることができるという効果がある。
【2383】
遊技機P1からP7のいずれかにおいて、前記特定条件判定手段により前記特定条件が成立したと判定されたことに基づいて、複数の異なる前記第2演出パターンより1の演出パターンを選択する演出パターン選択手段を有するものであることを特徴とする遊技機P8。
【2384】
遊技機P8によれば、遊技機P1からP7のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定条件判定手段により特定条件が成立したと判定されたことに基づいて、複数の異なる第2演出パターンより1の演出パターンが演出パターン選択手段により選択される。
【2385】
これにより、特定演出の演出パターンが可変した場合に、複数の演出パターンを実行することができるため、操作手段の操作に基づいて多様な演出を実行することができる。よって、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
【2386】
遊技機P8において、前記演出パターン選択手段は、前記可能状態でないと判定されたことに基づく情報に対応する第2演出パターンを選択するものであることを特徴とする遊技機P9。
【2387】
遊技機P9によれば、遊技機P8の奏する効果に加え、可能状態でないと判定されたことに基づく情報に対応した第2演出パターンが選択されるため、操作手段への操作に基づく演出を遊技者に分かりやすく実行することができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
【2388】
遊技機P8またはP9において、前記複数の異なる第2演出パターンは、少なくとも前記演出期間が異なるように設定されているものであることを特徴とする遊技機P10。
【2389】
遊技機P10によれば、遊技機P8またはP9の奏する効果に加え、複数の異なる第2演出パターンが、少なくとも演出期間を異ならせて設定されるため、実行される演出パターンによって、特定演出が実行される期間を異ならせることができる。これにより、単一の期間において、特定演出が実行可能な回数を可変させることが可能となるため、操作手段の操作に基づいて実行される演出の演出効果を高めることができるという効果がある。
【2390】
遊技機P1からP10のいずれかにおいて、前記演出手段は、少なくとも可動可能な可動部材を有し、前記演出実行手段は、前記可動部材を前記第1演出パターンと前記第2演出パターンとのそれぞれに対応する可動パターンで可動させるものであることを特徴とする遊技機P11。
【2391】
遊技機P11によれば、遊技機P1からP10のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出手段が、少なくとも可動可能な可動部材を有し、演出実行手段により可動部材が第1演出パターンと第2演出パターンとのそれぞれに対応する可動パターンで可動される。
【2392】
これにより、操作手段への操作に基づいて可動する可動部材に対して第1演出パターンと第2演出パターンとを実行させることができるため、遊技者に対して分かりやすい遊技を提供することができるという効果がある。
【2393】
遊技機P1またはP2において、前記演出手段は、演出を実行することが可能な複数の演出部を有しており、前記演出実行手段は、前記複数の演出部のそれぞれに対して前記特定演出を実行させることが可能なものであり、前記複数の演出部は、前記特定演出として異なる演出期間が設定されるものであることを特徴とする遊技機P12。
【2394】
遊技機P12によれば、遊技機P1またはP2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出手段が、演出を実行することが可能な複数の演出部を有し、演出実行手段により、複数の演出部のそれぞれに対して特定演出が実行される。そして、複数の演出部には、それぞれ異なる演出期間が設定される。
【2395】
これにより、操作手段の操作に基づいて演出期間が異なる複数の演出部に対して特定演出を実行することが可能となる。よって、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
【2396】
遊技機P12において、前記複数の演出部のそれぞれに設定される前記動作期間の経過を判別する経過期間判別手段を有し、前記可能状態判定手段は、前記複数の演出部のうち前記経過期間判別手段により前記動作期間が経過した演出部を前記可能状態と判定するものであることを特徴とする遊技機P13。
【2397】
遊技機P13によれば、遊技機P12の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、経過期間判別手段により、複数の演出部のそれぞれに設定される演出期間の経過が判別され、動作期間が経過したと判別された演出部が可能状態判定手段により可能状態と判定される。これにより、異なる演出期間が設定される複数の演出部のうち、動作期間が経過した演出部を操作手段が操作されたタイミングで動作を開始することができ、操作手段が操作されても、遊技機側で演出が実行されないという無効状態の発生を抑制できるという効果がある。
【2398】
<特徴Q群>(無効ボタン操作により演出実行タイミング可変)
遊技者が操作することが可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことに基づいて所定の信号を出力する信号出力手段と、その信号出力手段により出力される信号を判別する信号判別手段と、演出を実行することが可能な複数の演出手段と、前記信号判別手段により前記所定の信号を判別されたことに基づいて、所定の第1演出パターンで前記複数の演出手段のうちの少なくとも2以上の前記演出手段に対して特定演出を実行させることが可能な演出実行手段と、を有し、前記演出実行手段は、前記2以上の演出手段で前記特定演出を実行する場合に、予め定められた待機期間、前記2以上の演出手段のうちの少なくとも1の前記演出手段に対して演出の実行を待機させるものであり、前記待機期間中に前記信号判別手段により前記所定の信号を受信したことに基づいて待機中の少なくとも1の前記演出手段に対して演出の実行を開始させるものであることを特徴とする遊技機Q1。
【2399】
遊技機、パチンコ機等の遊技機において、操作手段(演出ボタン等)を遊技者が操作することで、複数の装飾体を待機位置から所定の動作位置まで動作させる役物駆動演出が実行されるものがある(例えば、特開2015-97827号公報)。
【2400】
かかる従来型の遊技機では、装飾体が動作している間(即ち、役物駆動演出中)に、遊技者が操作手段(演出ボタン等)を操作したとしても、新たな役物駆動演出が実行されることはなく、操作手段(演出ボタン等)への操作に基づいて実行される役物駆動演出の演出効果を低下させてしまうという問題があった。また、複数の装飾体のうち、一の装飾体が動作している間に操作手段が操作された場合に、他の装飾体を動作させるようにすることが考えられる。この場合であっても、短期間で操作手段の操作が複数回実行されるなどで、全ての装飾体が動作してしまうと、遊技者が操作手段(演出ボタン等)を操作したとしても、新たな役物駆動演出を実行できず、遊技者の興趣を向上できないという問題があった。
【2401】
これに対して、遊技機Q1によれば、遊技者が操作することが可能な操作手段が操作されたことに基づいて所定の信号が信号出力手段より出力される。その信号出力手段により出力される信号が信号判別手段により判別される。信号判別手段により所定の信号を判別されたことに基づいて、所定の第1演出パターンで演出を実行することが可能な複数の演出手段のうちの少なくとも2以上の演出手段に対して特定演出が演出実行手段により実行される。
【2402】
そして、2以上の演出手段で特定演出を実行する場合には、予め定められた待機期間、2以上の演出手段のうちの少なくとも1の演出手段に対して演出の実行を待機させるものであり、待機期間中に信号判別手段により所定の信号を受信したことに基づいて待機中の少なくとも1の演出手段に対して演出の実行が演出実行手段により開始される。
【2403】
これにより、操作手段の操作により複数の演出手段に対して特定演出の実行が開始される場合にも、少なくとも1の演出手段が特定演出の実行を待機しており、待機期間中に操作手段が操作されたことにより待機を終了して特定演出が実行されるので、遊技者が操作手段を操作しても、特定演出の実行が開始されない無効な期間が発生してしまうことを抑制でき、操作手段の操作に基づいて実行される演出の演出効果を高めることができる。よって、遊技の興趣をより向上できるという効果がある。
【2404】
遊技機Q1において、前記待機期間は、前記操作手段が連続で操作された場合に、前記信号出力手段がそれぞれの操作に対して前記所定の信号を出力することが可能な最短期間よりも長い期間で設定されているものであることを特徴とする遊技機Q2。
【2405】
遊技機Q2によれば、遊技機Q1の奏する効果に加え、待機期間は、操作手段が連続で操作された場合に、信号出力手段がそれぞれの操作に対して所定の信号を出力することが可能な最短期間よりも長い期間で設定されているので、連続で操作手段を操作した場合にも無効な期間が発生するのを抑制することができるという効果がある。
【2406】
遊技機Q1またはQ2において、前記信号判別手段が前記所定の信号を判別する間隔を判定する間隔判定手段と、その間隔判定手段により判定された情報を記憶可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報に基づいて、前記待機期間を可変して設定する期間設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機Q3。
【2407】
遊技機Q3によれば、遊技機Q1またはQ2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、信号判別手段が所定の信号を判別する間隔が間隔判定手段により判定される。その間隔判定手段により判定された情報が記憶手段により記憶される。その記憶手段に記憶された情報に基づいて、待機期間が期間設定手段により可変して設定される。
【2408】
これにより、遊技者が操作手段を操作する間隔は、遊技者によって異なるが、操作された間隔が間隔判定手段により判定され、その情報が記憶されるので、遊技者の操作手段を操作する癖や、頻度等を記憶することができる。さらに、記憶手段に記憶された情報に基づいて待機期間が設定手段により可変して設定されるので、遊技者が操作手段を操作する状況に合わせて待機期間を可変させてより遊技者に合わせた遊技機の状態にすることができる。よって、遊技の興趣をより向上できるという効果がある。なお。記憶手段に情報を記憶しなくとも、間隔判定手段により判定された情報に基づいて直接、待機期間を設定手段が可変して設定して、操作される毎に適した待機期間を設定するように構成しても、より最適な演出を行うように設定できるという効果がある。
【2409】
遊技機Q1からQ3のいずれかにおいて、前記信号判別手段により前記所定の信号が判別された場合に、その判別を有効とする有効期間を設定する有効期間設定手段と、その有効期間設定手段により有効期間が設定される前に、前記所定の信号が前記信号判別手段により判別された情報を判定する無効判定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機Q4。
【2410】
遊技機Q4によれば、遊技機Q1からQ3のいずれかの遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、信号判別手段により所定の信号が判別された場合に、その判別を有効とする有効期間が有効期間設定手段により設定される。その有効期間設定手段により有効期間が設定される前に、所定の信号が信号判別手段により判別された情報が無効判定手段により判定される。
【2411】
これにより、操作手段が操作された場合に、その操作を有効として判定する有効期間が設定される前に操作された場合にも無効判定手段によりその判定がされるので、遊技者が有効期間よりも前から操作手段の操作を開始する癖があることを判定することができるという効果がある。
【2412】
遊技機Q4において、前記無効判定手段により判定された情報が特定情報であることに基づいて、前記演出実行手段による待機を規制する規制手段を有するものであることを特徴とする遊技機Q5。
【2413】
遊技機Q5によれば、遊技機Q4の奏する効果に加え、無効判定手段により判定された情報が特定情報であることに基づいて、演出実行手段による待機が規制手段により規制されるので、無効判定手段により判定された情報が特定情報(例えば、有効期間開始の所定期間(5秒間等)前の期間に無効を判定しなかった等)であれば、規制手段により待機が規制されるので、操作手段を連続で操作しない遊技者である可能性が高いことを事前に判定して、特定演出を待機する演出手段を設定することなく、同じタイミングで操作手段が操作されたことにより特定演出を開始させて、より一体感のある演出を遊技者に提供できるという効果がある。
【2414】
遊技機Q1からQ5のいずれかにおいて、前記演出手段は、所定範囲を可動可能な複数の可動部材を少なくとも有し、前記演出実行手段は、前記複数の可動部材のうち、少なくとも2以上の可動部材を前記第1演出パターンに基づいて可動させることが可能なものであることを特徴とする遊技機Q6。
【2415】
遊技機Q6によれば、遊技機Q1からQ5のいずれかの遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、少なくとも所定範囲を可動可能な複数の可動部材が演出手段として備えられている。その複数の可動部材のうち、少なくとも2以上の可動部材が第1演出パターンに基づいて演出実行手段により可動される。
【2416】
これにより、1の操作により複数の可動部材を可動させるこができるので、遊技者に迫力ある演出を提供できるという効果がある。
【2417】
<特徴R群>(ボタン操作により一連の演出態様を巻き戻し制御)
遊技者が操作することが可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことに基づいて所定の信号を出力する信号出力手段と、その信号出力手段により出力される信号を判別する信号判別手段と、演出を実行することが可能な演出手段と、前記信号判別手段により前記所定の信号が判別されたことに基づいて、所定の第1演出パターンで前記演出手段に特定演出を実行させることが可能な演出実行手段と、を有した遊技機において、前記演出実行手段により前記特定演出が実行されている場合に、前記信号判別手段により前記所定の信号が判別されたことに基づいて、前記第1演出パターンとは異なる第2演出パターンで前記特定演出を前記演出実行手段により実行させる演出可変手段を有するものであることを特徴とする遊技機R1。
【2418】
遊技機、パチンコ機等の遊技機において、操作手段(演出ボタン等)を遊技者が操作することで、装飾体を待機位置から所定の動作位置まで動作させる役物駆動演出が実行されるものがある(例えば、特開2015-97827号公報)。
【2419】
かかる従来型の遊技機では、装飾体が動作している間(即ち、役物駆動演出中)に、遊技者が操作手段(演出ボタン等)を操作したとしても、新たな役物駆動演出が実行されることはなく、操作手段(演出ボタン等)への操作に基づいて実行される役物駆動演出の演出効果を低下させてしまうという問題があった。
【2420】
これに対して、遊技機R1によれば、遊技者が操作することが可能な操作手段が操作されたことに基づいて所定の信号が信号出力手段により出力される。その信号出力手段により出力される信号が信号判別手段により判別される。その信号判別手段により所定の信号が判別されたことに基づいて、所定の第1演出パターンで演出を実行することが可能な演出手段による特定演出が演出実行手段により実行される。
【2421】
そして、演出実行手段により特定演出が実行されている場合に、信号判別手段により所定の信号が判別されたことに基づいて、第1演出パターンの所定演出位置から逆方向に第1演出パターンの少なくとも一部を実行する第2演出パターンで特定演出を演出実行手段により実行させるように演出可変手段により可変される。
【2422】
これにより、第1演出パターンで特定演出が操作手段の操作により実行されている場合に、さらに操作手段が操作されたとしても第2演出パターンに可変して特定演出が実行されるので、遊技者の操作に反応がない無効な状態の発生を抑制でき、操作手段の操作に基づいて実行される演出の演出効果を高めることができる。よって、遊技者の興趣をより向上できるという効果がある。
【2423】
遊技機R1において、前記第2演出パターンは、前記第1演出パターンの少なくとも一部を逆方向に実行する演出パターンで構成されていることを特徴とする遊技機R2。
【2424】
遊技機R2によれば、遊技機R1の奏する効果に加え、第2演出パターンが第1演出パターンの少なくとも一部を逆方向に実行する演出パターンで構成されているので、第1演出パターンの演出データを逆方向に設定することで実行することができ、簡易に異なる演出を実行させることができるという効果がある。
【2425】
遊技機R1またはR2において、前記演出可変手段は、前記信号判別手段により前記所定の信号が判別されたタイミングで実行されている前記第1演出パターンの演出位置から逆方向に前記第1演出パターンの少なくとも一部を前記第2演出パターンとして実行させるものであることを特徴とする遊技機R3。
【2426】
遊技機R3によれば、遊技機R1またはR2の奏する効果に加え、演出可変手段が信号判別手段により所定の信号が判別されたタイミングで実行されている第1演出パターンの演出位置から逆方向に前記第1演出パターンの少なくとも一部を前記第2演出パターンとして実行させるものであるので、操作手段が操作されたタイミングでスムーズに第2演出パターンへと繋がり、遊技者に与える違和感を抑制できるという効果がある。
【2427】
遊技機R1からR3のいずれかにおいて、前記演出可変手段は、前記第2演出パターンで前記特定演出が実行されている場合に、前記信号判別手段により前記所定の信号が判別された場合には、前記第2演出パターンで実行されている演出位置に対応する前記第1演出パターンの演出位置から前記第1演出パターンで前記特定演出を実行させるものであることを特徴とする遊技機R4。
【2428】
遊技機R4によれば、遊技機R1からR3のいずれかにおいて、演出可変手段は、第2演出パターンで特定演出が実行されている場合に、信号判別手段により所定の信号が判別された場合には、第2演出パターンで実行されている演出位置に対応する第1演出パターンの演出位置から前記第1演出パターンで前記特定演出を実行させるものであるので、遊技者の操作に合わせて第1演出パターンの巻き戻しに対応する第2演出パターンが終了し、順方向の第1演出パターンとなり、遊技者の操作により第1演出パターンの実行方向を切り替えることができ、遊技の興趣をより向上できるという効果がある。
【2429】
遊技機R1からR4のいずれかにおいて、前記第2演出パターンは、予め定められた特定期間の演出期間で前記第1演出パターンを逆方向に実行するパターンで設定されるものであり、前記演出可変手段は、前記第2演出パターンが前記特定期間実行されたことに基づいて、その第2演出パターンの終了した演出位置に対応する前記第1演出パターンの演出位置から前記第1演出パターンで前記特定演出を実行させるものであることを特徴とする遊技機R5。
【2430】
遊技機R5によれば、遊技機R1からR4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2演出パターンは、予め定められた特定期間の演出期間で第1演出パターンを逆方向に実行するパターンで設定されるものであり、演出可変手段は、第2演出パターンが前記特定期間実行されたことに基づいて、その第2演出パターンの終了した演出位置に対応する第1演出パターンの演出位置から第1演出パターンで特定演出を実行させるものであるので、より第1演出パターンと第2演出パターンとの切り替えをスムーズに行い、違和感を抑制した演出を提供できるという効果がある。
【2431】
遊技機R1からR5のいずれかにおいて、前記演出実行手段により前記特定演出が実行されている経過期間を判別する実行期間判別手段を有し、前記演出可変手段は、前記実行期間判別手段の判別結果に基づいて前記第2演出パターンで前記特定演出を実行させるものであることを特徴とする遊技機R6。
【2432】
遊技機R6によれば、遊技機R1からR5のいずれかの奏する効果に加え、演出実行手段により特定演出が実行されている経過期間が実行期間判別手段により判別される。そして、演出可変手段は、実行期間判別手段の判別結果に基づいて第2演出パターンで特定演出を実行させるものであるので、第1演出パターンから第2演出パターンへと自動的に切り替えることができ、遊技者に新鮮味のある演出を提供できるという効果がある。
【2433】
遊技機R6において、前記演出手段は、所定範囲を可動可能な可動手段であり、前記演出実行手段は、前記特定演出として、所定の第1演出位置と、その第1演出位置とは異なる第2演出位置との間を往復する演出を前記可動手段に実行させるものであり、前記演出可変手段は、前記実行期間判別手段により、前記特定演出が前記第1演出位置から前記第2演出位置に向けて演出が実行されている期間であると判別された場合に、前記第2演出パターンで前記特定演出を実行させるものであることを特徴とする遊技機R7。
【2434】
遊技機R7によれば、遊技機R6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出実行手段は、特定演出として、所定の第1演出位置と、その第1演出位置とは異なる第2演出位置との間を往復する演出を可動可能な可動手段に実行させる。演出可変手段は、実行期間判別手段により、特定演出が第1演出位置から第2演出位置に向けて演出が実行されている期間であると判別された場合に、第2演出パターンで特定演出が実行されるので、遊技者の興趣を向上できるという効果がある。
【2435】
遊技機R6またはR7において、前記実行期間判別手段により、前記特定演出が実行されている経過期間が所定期間を経過していないと判別される場合に、前記演出可変手段の実行を規制する可変規制手段を有するものであることを特徴とする遊技機R8。
【2436】
遊技機R8によれば、遊技機R6またはR7の奏する効果に加え、実行期間判別手段により、特定演出が実行されている経過期間が所定期間を経過していないと判別される場合に、演出可変手段の実行が可変規制手段により規制されるので、頻繁に演出パターンが切り替えられて、演出の興趣が損なわれる不具合を抑制できるという効果がある。
【2437】
遊技機R5からR8のいずれかにおいて、前記演出実行手段は複数の前記演出手段に対して前記特定演出を実行するものであり、前記演出可変手段は、前記複数の演出手段のうち前記実行期間判別手段による判別結果に基づいて少なくとも一の前記演出手段に対して前記第2演出パターンで前記特定演出を実行させるものであることを特徴とする遊技機R9。
【2438】
遊技機R9によれば、遊技機R5からR8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、複数の演出手段に対して特定演出が演出実行手段により実行される。演出可変手段は、複数の演出手段のうち実行期間判別手段による判別結果に基づいて少なくとも一の演出手段に対して第2演出パターンで特定演出を実行させる。
【2439】
これにより、複数の演出手段を実行期間判別手段の判別結果に基づいて第2演出パターンに可変して実行することができ、多様な演出を遊技者に提供できるという効果がある。
【2440】
遊技機R1からR9のいずれかにおいて、前記演出実行手段は複数の前記演出手段に対して前記特定演出を実行するものであり、前記演出可変手段は、前記複数の演出手段のうち前記第2演出パターンとして実行される演出期間が短い前記演出手段に対して前記第2演出パターンで前記特定演出を実行させるものであることを特徴とする遊技機R10。
【2441】
遊技機R10によれば、遊技機R1からR9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出実行手段は複数の演出手段に対して特定演出を実行するものであり、演出可変手段は、複数の演出手段のうち第2演出パターンとして実行される演出期間が短い演出手段に対して第2演出パターンで特定演出を実行させるものであるので、操作手段が操作された場合の無効な状態を抑制できるという効果がある。
【2442】
<特徴S群>(演出のきわに合わせて複数の可動位置と、可動非実行タイミングとを合わせる)
演出を実行可能な演出手段と、その演出手段に予め定められた期間で特定演出を実行させる特定演出実行手段と、遊技者が操作することが可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことに基づいて所定の信号を出力する信号出力手段と、その信号出力手段により出力される信号を判別する信号判別手段と、所定の可動範囲で可動することが可能な複数の可動部材と、前記特定演出が実行されている場合に、前記信号判別手段により前記所定の信号が判別されたことに基づいて、前記複数の可動部材のうちの少なくとも1の可動部材を可動させる可動手段と、前記信号判別手段により前記所定の信号が判別された場合に実行されている前記特定演出の演出経過期間が特定の経過期間内である場合に可動させる前記可動部材の可動態様を可変させる可動態様可変手段と、前記特定の経過期間を越えた場合に前記信号判別手段が前記所定の信号を判別したことに基づく前記可動手段による可動を禁止する禁止手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機S1。
【2443】
遊技機、パチンコ機等の遊技機において、操作手段(演出ボタン等)を遊技者が操作することで、装飾体を待機位置から所定の動作位置まで動作させる役物駆動演出が実行されるものがある(例えば、特開2015-97827号公報)。
【2444】
かかる従来型の遊技機では、演出経過期間に関わらず、操作手段の操作に基づいて装飾体が動作されてしまうと、遊技にメリハリがなくなり、遊技者の興趣を向上できないという問題があった。また、複数設けられている装飾体が全て動作状態となってしまうと、遊技者が操作手段(演出ボタン等)を操作したとしても、新たな装飾体の動作を実行することができないので、操作手段(演出ボタン等)への操作に基づいて実行される装飾体を動作させる演出の演出効果を低下させてしまうという問題があった。
【2445】
これに対して、遊技機S1によれば、演出を実行可能な演出手段に予め定められた期間で特定演出が特定演出実行手段により実行される。遊技者が操作することが可能な操作手段が操作されたことに基づいて所定の信号が信号出力手段により出力される。その信号出力手段により出力される信号が信号判別手段により判別される。
【2446】
特定演出が実行されている場合に、信号判別手段により所定の信号が判別されたことに基づいて、複数の可動部材のうちの少なくとも1の可動部材が可動手段により可動される。信号判別手段により所定の信号が判別された場合に実行されている特定演出の演出経過期間が特定の経過期間内である場合に可動させる可動部材の可動態様が可動態様可変手段により可変される。一方、特定の経過期間を越えた場合に信号判別手段が所定の信号を判別したことに基づく可動手段による可動が禁止手段により禁止される。
【2447】
これにより、特定演出の演出経過期間が特定の経過期間内となると、操作手段の操作に基づいて可動部材の可動態様が可変される一方で、特定の経過期間を越えると操作手段の操作に基づく可動部材の可動が禁止されるので、特定の経過期間内に限って効果的な可動部材を可動させた演出を行うことができる。よって、メリハリのある演出を提供できる。従って、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
【2448】
遊技機S1において、前記可動態様可変手段は、前記特定の経過期間内に前記信号判別手段に前記所定の信号が判別された場合には、前記複数の可動部材を予め定められたそれぞれの所定位置に可動手段により可動させるものであることを特徴とする遊技機S2。
【2449】
遊技機S2によれば、遊技機S1の奏する効果に加え、可動態様可変手段は、特定の経過期間内に信号判別手段に所定の信号が判別された場合には、複数の可動部材を予め定められたそれぞれの所定位置に可動手段により可動させるものであるので、特定演出の期間内で特定の演出期間内に操作手段が操作されることで、可動部材に一定の動作をさせることができ、遊技者に斬新な印象を与えることができるという効果がある。
【2450】
遊技機S1またはS2において、可動手段は、特定の経過期間内における所定期間が経過しても信号判別手段により所定の信号が判別されないことに基づいて、複数の可動部材のうち少なくとも1の可動部材を予め定められた所定位置に可動させるものであることを特徴とする遊技機S3。
【2451】
遊技機S3によれば、遊技機S1またはS2の奏する効果に加え、可動手段は、特定の経過期間内における所定期間が経過しても信号判別手段により所定の信号が判別されないことに基づいて、複数の可動部材のうち少なくとも1の可動部材を予め定められた所定位置に可動させるものであるので、操作手段の操作頻度が少ない遊技者であっても、特定演出を効果的に楽しませることができるという効果がある。
【2452】
遊技機S1からS3のいずれかにおいて、判定条件の成立に基づいて、判定を実行する判定手段と、その判定手段により特定の判定結果と判定されたことに基づいて、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、を有し、前記特定演出は、前記判定手段による判定結果に基づく報知演出が実行されるものであることを特徴とする遊技機S4。
【2453】
遊技機S4によれば、遊技機S1からS3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定条件の成立に基づいて、判定が判定手段により実行される。その判定手段により特定の判定結果と判定されたことに基づいて、遊技者に有利な特典が特典付与手段により付与される。判定手段による判定結果に基づく報知演出が特定演出で実行される。よって、特定演出で実行される報知演出に興味を持つことができ、遊技者の特定演出に対する興味を増大させることができるという効果がある。
【2454】
遊技機S4において、前記特定演出は、前記特定の経過期間が経過した後に、所定期間以内に前記報知演出が実行されるものであることを特徴とする遊技機S5。
【2455】
遊技機S5によれば、遊技機S4の奏する効果に加え、特定演出は、特定の経過期間が経過した後に、所定期間以内に報知演出が実行されるものであるので、報知演出が実行されるタイミングに合わせて可動部材による演出を実行して、報知演出が実行されることが近づいていることを遊技者に報知できるという効果がある。
【2456】
遊技機S1からS5のいずれかにおいて、前記禁止手段により前記禁止が実行されたことに基づいて、前記可動された前記可動手段が可動前の初期位置へと可動手段により可動されるものであることを特徴とする遊技機S6。
【2457】
遊技機S6によれば、遊技機S1からS6の奏する効果に加え、禁止手段により禁止が実行されたことに基づいて、可動された可動手段が可動前の初期位置へと可動手段により可動されるので、遊技者に可動部材を使用した演出が終了したことを分かり易く報知できるという効果がある。
【2458】
<特徴T群>(ボタン連打により駆動させるための出力を高、低可変させて、ストロークを可変)
遊技者が操作することが可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことに基づいて所定の信号を出力する信号出力手段と、その信号出力手段により出力される信号を判別する信号判別手段と、所定の可動範囲で可動することが可能な可動部材と、前記信号判別手段により前記所定の信号を判別されたことに基づいて、前記可動部材を可動させる可動手段と、を有した遊技機において、前記可動手段により前記可動部材を単位期間に可動させる可動量を可変させる可動信号を出力する可動信号出力手段と、前記信号判別手段により前記所定の信号が判別されたことに基づいて、前記可動信号出力手段により出力される可動信号の種別を選択する選択手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機T1。
【2459】
ここで、パチンコ機等の遊技機において、操作手段(演出ボタン等)を遊技者が操作することで、装飾体を待機位置から所定の動作位置まで動作させる役物駆動演出が実行されるものがある(例えば、特開2015-97827号公報)。
【2460】
かかる従来型の遊技機では、装飾体の動作態様が単調であるために、役物駆動演出による演出効果を低下させてしまうという問題があった。また、装飾体が動作している間(即ち、役物駆動演出中)に、遊技者が操作手段(演出ボタン等)を操作したとしても、新たな役物駆動演出が実行されることはなく、操作手段(演出ボタン等)への操作に基づいて実行される役物駆動演出の演出効果を低下させてしまうという問題があった。
【2461】
これに対して、遊技機T1によれば、遊技者が操作することが可能な操作手段が操作されたことに基づいて所定の信号が信号出力手段により出力される。その信号出力手段により出力される信号が信号判別手段により判別される。信号判別手段により所定の信号が判別されたことに基づいて、所定の可動範囲で可動することが可能な可動部材が可動手段により可動される。
【2462】
可動手段により可動部材を単位期間に可動させる可動量を可変させる可動信号が可動信号出力手段により出力される。信号判別手段により所定の信号が判別されたことに基づいて、可動信号出力手段により出力される可動信号の種別が選択手段により選択される。
【2463】
これにより、操作手段が操作されたことに基づいて、可動信号の種別が選択されて可動部材の可動量が可変されるので、可動部材の可動態様を多様にできる。よって、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
【2464】
遊技機T1において、前記信号判別手段により前記所定の信号が判別された間隔を判定する間隔判定手段を有し、前記選択手段は、前記間隔判定手段により前記所定の信号が判別された間隔が所定間隔以下である場合には、所定間隔以上である場合よりも前記可動量が小さい可動信号を選択するものであることを特徴とする遊技機T2。
【2465】
遊技機T2によれば、遊技機T1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、信号判別手段により前記所定の信号が判別された間隔が間隔判定手段により判定される。間隔判定手段により所定の信号が判別された間隔が所定間隔以下である場合には、所定間隔以上である場合よりも可動量が小さい可動信号が選択手段により選択される。
【2466】
これにより、操作手段の操作頻度が高い場合には、可動部材の可動量を小さくすることで、可動部材が破損する不具合を抑制することができるという効果がある。
【2467】
遊技機T2において、前記選択手段は、特定条件が成立している場合には、前記間隔判定手段により前記所定の信号判別された間隔が所定間隔以下であっても、前記可動量が大きい可動信号を選択するものであることを特徴とする遊技機T3。
【2468】
遊技機T3によれば、遊技機T2の奏する効果に加え、特定条件が成立している場合には、間隔判定手段により所定の信号判別された間隔が所定間隔以下であっても、可動量が大きい可動信号が選択手段により選択されるので、操作頻度が高い場合であっても、特定条件が成立することにより大きい可動量の可動信号が選択されるので、可動部材の演出が単調になる不具合を抑制できるという効果がある。
【2469】
遊技機T1からT3のいずれかにおいて、前記可動手段は、少なくともステッピングモータで構成され、前記可動信号は、所定周波数で構成された信号で構成されているものであることを特徴とする遊技機T4。
【2470】
遊技機T4によれば、遊技機T1からT3のいずれかの奏する効果に加え、可動手段が少なくともステッピングモータで構成され、所定周波数で構成された信号で可動信号が構成されているので、可動部材の可動制御を容易に行うことができるという効果がある。
【2471】
遊技機T4において、前記可動信号は、周波数の高い信号により前記可動量が大きくなり、周波数の低い信号により前記可動量が小さくなるものであることを特徴とする遊技機T5。
【2472】
遊技機T5によれば、遊技機T4の奏する効果に加え、周波数の高い信号により可動量が大きくなり、周波数の低い信号により可動量が小さくなるので、容易に可動量を制御できるという効果がある。
【2473】
遊技機T3からT4のいずれかにおいて、前記可動部材を複数有し、前記複数の可動部材のそれぞれを可動させることが可能な前記可動手段を有し、前記可動信号出力手段は、前記信号判別手段により前記所定の信号が判別された場合に、予め設定された可動条件に基づいて可動させる前記可動部材を決定して前記可動信号を出力するものであることを特徴とする遊技機T6。
【2474】
遊技機T6によれば、遊技機T3またはT4のいずれかの奏する効果に加え、複数の可動部材のそれぞれが可動手段により可動され、信号判別手段により所定の信号が判別された場合に、予め設定された可動条件に基づいて可動させる可動部材を決定して可動信号が可動信号出力手段により出力されるので、容易に可動部材を制御することができるという効果がある。
【2475】
遊技機T1またはT2において、前記可動手段は、少なくともソレノイドで構成され、前記可動信号は、所定の電力値で構成された信号であることを特徴とする遊技機T7。
【2476】
遊技機T7によれば、遊技機T1またはT2の奏する効果に加え、可動手段は、少なくともソレノイドで構成され、可動信号は、所定の電力値で構成された信号であるので、可動部材の制御を容易に実行できるという効果がある。
【2477】
遊技機T7において、前記選択手段は、前記信号判別手段により前記所定の信号が判別された場合に、前記可動手段に出力される前記可動信号の電力値として、第1電力値とその第1電力値よりも低い第2電力値とを少なくとも選択し、前記信号判別手段により前記所定の信号を受信した場合に所定の条件が成立する場合に、前記第1電力値と前記第2電力値とを交互に選択するものであることを特徴とする遊技機T8。
【2478】
遊技機T8によれば、遊技機T7の奏する効果に加え、選択手段は、信号判別手段により所定の信号が判別された場合に、可動手段に出力される可動信号の電力値として、第1電力値とその第1電力値よりも低い第2電力値とを少なくとも選択し、信号判別手段により所定の信号を受信した場合に所定の条件が成立する場合に、第1電力値と第2電力値とを交互に選択するものであるので、連続で操作手段が操作された場合にも可動部材の可動量を可変させることができ、可動部材の可動を多様にできるという効果がある。
【2479】
<特徴U群>(ソレノイドの駆動電力を駆動開始時と駆動後で可変させて発熱防止)
第1位置とその第1位置とは異なる第2位置とに少なくとも駆動可能な駆動部材と、その駆動部材を第1電力値以上の電力が供給されることで少なくとも前記第1位置から前記第2位置へと駆動させ、供給された電力値が第2電力値以下となった場合に、前記第2位置から前記第1位置へと駆動させる駆動手段と、その駆動手段に電力を供給する電力供給手段と、前記駆動部材を前記第1位置から前記第2位置へと駆動開始する場合に、前記電力供給手段により前記駆動手段に供給される電力値を前記第1電力値以上の駆動開始電力に制御し、前記第1位置と前記第2位置との間に前記駆動部材が駆動された状態において、前記電力供給手段により供給される電力値を前記第2電力値以上の前記駆動開始電力未満の電力値に制御する供給電力制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機U1。
【2480】
ここで、パチンコ機等の遊技機において、ソレノイドを駆動することにより、可動体(役物など)を待機位置から所定の動作位置まで動作させ、その所定の動作位置で保持するものがある(例えば、特開2008-301906号公報)。
【2481】
かかる従来型の遊技機では、可動体を待機位置から所定の動作位置まで動作させる場合と、所定の動作位置で保持する場合とで、同一の電力でソレノイドを駆動している。この場合、可動体を待機位置から所定の動作位置まで動作させるよりも、所定の動作位置で保持する方が必要なエネルギー(電力)が少ないにも関わらず、可動体を待機位置から所定の動作位置まで動作させる時と同一のエネルギー(電力)で可動体を保持することになる。その結果、可動体の保持時間が長くなると、ソレノイドに不必要にエネルギー(電力)を供給することになり、消費電力の増加や、ソレノイドの発熱・破損等の問題があった。
【2482】
これに対して、遊技機U1によれば、駆動手段に第1電力値以上の電力が供給されることで駆動部材が第1位置から第2位置へと駆動され、駆動手段に供給される電力値が第2電力値以下となった場合に、駆動部材が第2位置から第1位置へと駆動される。供給電力制御手段によって、駆動部材を第1位置から前記第2位置へと駆動開始する場合に、電力供給手段から駆動手段に供給される電力値が第1電力値以上の駆動開始電力に制御され、第1位置と第2位置との間に駆動部材が駆動された状態において、電力供給手段から供給される電力値が第2電力値以上の駆動開始電力未満の電力値に制御される。
【2483】
これにより、駆動部材を第1位置から第2位置へと駆動開始する場合には、駆動部材が第1位置から第2位置へと駆動される第1電力値以上の駆動開始電力が、駆動手段に供給される。一方、第1位置と第2位置との間に駆動部材が駆動された状態では、駆動部材が第1位置へと駆動されない第2電力値以上かつ駆動開始電力未満の電力値が、駆動手段に供給される。よって、駆動部材を第1位置から第2位置へと駆動し、その駆動に必要な電力よりも少ない電力で駆動部材を第2位置で保持することができ、消費電力を低減することができるという効果がある。
【2484】
遊技機U1において、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段に遊技球が入球することに基づいて、所定の遊技価値を付与することが可能な付与手段と、を備え、前記駆動部材が前記第1位置へと駆動されることにより、前記入球手段へ遊技球が入球することが困難となり、前記駆動部材が前記第2位置へと駆動されることにより、前記駆動部材が前記第1位置へ駆動されている場合よりも前記入球手段へ遊技球が入球することが容易となるものであることを特徴とする遊技機U2。
【2485】
遊技機U2によれば、遊技機U1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球可能な入球手段に遊技球が入球することに基づいて、付与手段によって所定の遊技価値が付与される。入球手段は、駆動部材が第1位置へと駆動されることにより入球困難となり、駆動部材が第2位置へと駆動されることにより入球容易となる。これにより、駆動部材が第1位置または第2位置のどちらに駆動されるかに注目させることができ、遊技者の興趣を向上できるという効果がある。
【2486】
遊技機U1またはU2において、前記電力供給手段は、前記駆動手段に前記駆動開始電力を供給するための第1電力供給手段と、前記駆動手段に前記第2電力値以上の前記駆動開始電力未満の電力値を供給するための第2電力供給手段とを有し、前記供給電力制御手段は、前記駆動部材を前記第1位置から前記第2位置へと駆動開始する場合に、前記第1電力供給手段より前記駆動手段へ電力を供給するように制御し、前記第1位置と前記第2位置との間に前記駆動部材が駆動された状態において、前記第2電力供給手段より前記駆動手段へ電力を供給するように制御するものであることを特徴とする遊技機U3。
【2487】
遊技機U3によれば、遊技機U1またはU2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、電力供給手段は、駆動手段に駆動開始電力を供給するための第1電力供給手段と、駆動手段に第2電力値以上の駆動開始電力未満の電力値を供給するための第2電力供給手段とを有している。駆動部材を第1位置から第2位置へと駆動開始する場合は、供給電力制御手段によって第1電力供給手段から駆動手段へ電力が供給され、第1位置と第2位置との間に駆動部材が駆動された状態では、供給電力制御手段によって第2電力供給手段から駆動手段へ電力が供給される。これにより、供給電力制御手段は、駆動手段へ供給する電力を、場合に応じて第1電力供給手段と第2電力供給手段とのいずれかから供給するように選択するように制御すればよいので、制御負荷を軽減することができるという効果がある。
【2488】
遊技機U3において、前記供給電力制御手段は、前記駆動部材を前記第2位置で保持する保持期間が所定期間よりも短い場合には、前記第1電力供給手段より前記駆動手段へ電力を供給するように制御した後、前記第2電力供給手段より前記駆動手段へ電力を供給するように制御することなく、前記駆動手段へ供給する電力を前記第2電力値以下の電力値に制御するものであることを特徴とする遊技機U4。
【2489】
遊技機U4によれば、遊技機U3の奏する効果に加え、駆動部材を第2位置で保持する保持期間が所定期間よりも短い場合は、供給電力制御手段によって、第1電力供給手段より駆動手段へ電力が供給された後、第2電力供給手段より駆動手段へ電力が供給されることなく、駆動手段へ供給する電力が第2電力値以下の電力値となる。これにより、第2電力供給手段より駆動手段へ電力を供給する制御を省略できるので、処理負荷を軽減できるという効果がある。
【2490】
遊技機U3またはU4において、前記供給電力制御手段は、前記第1電力供給手段より前記駆動手段へ電力を供給するように制御した後、前記第2電力供給手段より前記駆動手段へ電力を供給するように制御する場合、前記第2電力供給手段より前記駆動手段へ電力を供給するように制御する前に、前記第1電力供給手段から前記駆動電力手段へ電力を供給しないように制御することを特徴とする遊技機U5。
【2491】
遊技機U5によれば、遊技機U3またはU4の奏する効果に加え、供給電力制御手段によって、第1電力供給手段より駆動手段へ電力が供給された後に、第1電力供給手段から駆動電力手段への電力の供給がされなくなってから、第2電力供給手段より駆動手段へ電力が供給される。これにより、第1電力供給手段と、第2電力供給手段とから同時に駆動手段へ電力が供給されてしまうことを防止(抑制)でき、駆動手段が破壊されてしまうことを防止(抑制)できるという効果がある。
【2492】
遊技機U3からU5のいずれかにおいて、前記供給電力制御手段は、前記第1電力供給手段より前記駆動手段へ電力を供給させるための指示信号を出力する第1指示手段と、その第1指示手段からの指示信号に基づいて、前記第1電力供給手段から前記駆動手段への電力の供給を制御する第1供給制御手段と、前記第2電力供給手段より前記駆動手段へ電力を供給させるための指示信号を出力する第2指示手段と、その第2指示手段からの指示信号に基づいて、前記第2電力供給手段から前記駆動手段への電力の供給を制御する第2供給制御手段と、前記第1指示手段と前記第2指示手段との指示信号に基づく前記第1供給制御手段と前記第2供給制御手段との制御タイミングを指示するタイミング指示手段とを備えることを特徴とする遊技機U6。
【2493】
遊技機U6によれば、遊技機U3からU5のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、供給電力制御手段は、第1指示手段からの指示信号に基づいて、第1電力供給手段から駆動手段への電力の供給を制御する第1供給制御手段と、第2指示手段からの指示信号に基づいて、第2電力供給手段から駆動手段への電力の供給を制御する第2供給制御手段と、を備えており、第1供給制御手段と第2供給制御手段との制御タイミングはタイミング指示手段によって指示される。これにより、第1指示手段と第2指示手段との指示信号の同期が取れていなかった(ずれていた)としても、タイミング指示手段による指示によって第1供給制御手段と第2供給制御手段との制御タイミングの同期を取ることができ、適切なタイミングで駆動手段への電力の供給を行うことができるという効果がある。
【2494】
遊技機U6において、前記タイミング指示手段は、所定周期毎に前記第1供給制御手段と前記第2供給制御手段との制御タイミングを指示するものであることを特徴とする遊技機U7。
【2495】
遊技機U7によれば、遊技機U6の奏する効果に加え、タイミング指示手段によって、第1供給制御手段と第2供給制御手段との制御タイミングが所定周期毎に指示される。これにより、第1供給制御手段と第2供給制御手段とに所定周期毎に制御タイミングを指示できるので、第1供給制御手段と第2供給制御手段との制御を所定周期以上遅延することなく実行できるという効果がある。
【2496】
遊技機U6またはU7において、前記第1指示手段と前記第2指示手段との指示信号を強制的にオフにすることを指示するクリア信号を出力するクリア信号出力手段と、そのクリア信号出力手段から前記クリア信号を受信することに基づいて前記第1指示手段と前記第2指示手段との指示信号を強制的にオフにするクリア手段とを備えることを特徴とする遊技機U8。
【2497】
遊技機U8によれば、遊技機U6またはU7の奏するこうかに加え、次の効果を奏する。即ち、クリア信号出力手段からクリア信号が出力され、そのクリア信号をクリア手段が受信することによって、第1指示手段と第2指示手段との指示信号が強制的にオフにされる。これにより、第1指示手段と第2指示手段との指示信号を一括でオフにすることができ、第1供給制御手段と第2供給制御手段との制御を一括で止めることができるという効果がある。
【2498】
遊技機U8において、前記クリア信号手段から前記クリア手段に対して出力される信号のノイズを除去することが可能なノイズ除去手段を備えることを特徴とする遊技機U9。
【2499】
遊技機U9によれば、遊技機U8の奏する効果に加え、クリア信号手段からクリア手段に対して出力される信号のノイズがノイズ除去手段によって除去することが可能となる。よって、ノイズによってクリア手段が誤動作し、第1供給制御手段と第2供給制御手段との制御が誤って止められてしまうことを防止できるという効果がある。
【2500】
遊技機U6からU9のいずれかにおいて、前記第1供給制御手段は、前記第1指示手段からの指示信号の電圧が所定の電圧以上である場合に、前記第1電力供給手段から前記駆動手段への電力が供給される導通状態となるものであり、前記第2供給制御手段は、前記第2指示手段からの指示信号の電圧が所定の電圧以上である場合に、前記第2電力供給手段から前記駆動手段への電力が供給される導通状態となるものであることを特徴とする遊技機U10。
【2501】
遊技機U10によれば、遊技機U6からU9のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1供給制御手段が所定の電圧以上の電圧となる第1指示信号を受信することで、第1供給制御手段が導通状態となり、第1電力供給手段から前記駆動手段への電力が供給される。また、第2供給制御手段が所定の電圧以上の電圧となる第2指示信号を受信することで、第2供給制御手段が導通状態となり、第2電力供給手段から前記駆動手段への電力が供給される。これにより、第1供給制御手段と第2供給制御手段とを電圧で制御することができるので、駆動手段への電力を供給するための制御に必要な電力を低減できるという効果がある。
【2502】
遊技機U1からU10のいずれかにおいて、前記供給電力制御手段は所定範囲の電力が供給されることで動作するものであり、前記供給電力制御手段に電力を供給する制御電力供給手段と、その供給手段から前記供給電力制御手段に対して供給される電力のノイズを除去することが可能なノイズ除去手段と、を備えることを特徴とする遊技機U11。
【2503】
遊技機U11によれば、遊技機U1からU10のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定範囲の電力が供給されることで動作される供給電力制御手段に対して、制御電力供給手段から供給される電力のノイズがノイズ除去手段によって除去される。これにより、供給電力制御手段に所定範囲以上の電力が供給されることで、供給電力制御手段が破壊されることを防止(抑制)できる。また、ノイズによって供給電力制御手段に所定範囲の電力が供給されてしまい、供給電力制御手段が誤動作してしまうことを防止できるという効果がある。
【2504】
遊技機U1からU11のいずれかにおいて、前記駆動手段は、電力が供給されることで磁力が発生し、前記駆動部材を駆動することが可能なコイルと、そのコイルの一端を前記電力供給手段へ接続し、他端を接地させる電源ラインと、その電源ラインに前記コイルに並列して接続される消磁ラインと、を有し、前記消磁ラインは、前記コイルの前記他端側から前記一端側へ向かう方向に電流を整流する整流手段を備えることを特徴とする遊技機U12。
【2505】
遊技機U12によれば、遊技U1からU11のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。駆動手段のコイルに電力が供給されることで磁力が発生し、駆動部材が駆動される。駆動手段の電源ラインとして、コイルの一端は電力供給手段へ接続され、他端が接地されており、電源ラインにはコイルに並列して消磁ラインが接続される。消磁ラインを流れる電流は、整流手段によってコイルの他端側から一端側へと向かう方向に整流される。これにより、電力供給手段から電力が供給される場合には、消磁ラインを電流が流れることなくコイルに電力が供給され、コイルに磁力が発生する。一方、コイルへの電力供給が遮断されると、コイルに発生していた磁力のエネルギーは電力として消磁ラインを介して消費でき、コイルに発生していた磁力のエネルギーによって供給電力制御手段が破損することを防止(抑制)できるという効果がある。
【2506】
遊技機U1からU12のいずれかにおいて、前記電力供給手段は、前記第2電力値以上の前記駆動開始電力未満の電力値を供給するための第2電力供給手段と、その第2電力供給手段により供給される電力値との合計で前記駆動開始電力となる電力値を供給するための第3電力供給手段と、を備え、前記供給電力制御手段は、前記駆動部材を前記第1位置から前記第2位置へと駆動開始する場合に、前記第2電力供給手段と前記第3供給手段との両方より前記駆動手段に電力を供給するように制御し、前記第1位置と前記第2位置との間に前記駆動部材が駆動された状態において、前記第2電力供給手段より前記駆動手段に電力を供給するように制御するものであることを特徴とする遊技機U13。
【2507】
遊技機U13によれば、遊技機U1からU12のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、電力供給手段の第2電力供給手段により第2電力値以上の前記駆動開始電力未満の電力値が駆動手段へ供給され、電力供給手段の第3電力供給手段と第2電力供給手段との合計により駆動開始電力となる電力値が駆動手段へ供給される。供給電力制御手段によって、駆動部材を第1位置から第2位置へと駆動開始する場合に、第2電力供給手段と第3電力供給手段との両方より駆動手段に電力が供給され、第1位置と第2位置との間に駆動部材が駆動された状態において、第2電力供給手段より駆動手段に電力が供給される。これにより、駆動部材を第1位置から第2位置へと駆動し、その駆動に必要な電力よりも少ない電力で駆動部材を第2位置で保持することができ、消費電力を低減することができるという効果がある。
【2508】
上述した各実施形態または各制御例における遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【2509】
上述した各実施形態または各制御例における遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【2510】
上述した各実施形態または各制御例における遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【符号の説明】
【2511】
10 パチンコ機(遊技機)
22 枠ボタン(操作手段)
113 音声ランプ制御装置(特定演出実行手段)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
演出を実行可能な演出手段と、
その演出手段に予め定められた期間で特定演出を実行させる特定演出実行手段と、
遊技者が操作することが可能な操作手段と、
その操作手段が操作されたことに基づいて所定の信号を出力する信号出力手段と、
その信号出力手段により出力される信号を判別する信号判別手段と、
所定の可動範囲で可動することが可能な複数の可動部材と、
前記特定演出が実行されている場合に、前記信号判別手段により前記所定の信号が判別されたことに基づいて、前記複数の可動部材のうちの少なくとも1の可動部材を可動させる可動手段と、
前記信号判別手段により前記所定の信号が判別された場合に実行されている前記特定演出の演出経過期間が特定の経過期間内である場合に可動させる前記可動部材の可動態様を可変させる可動態様可変手段と、
前記特定の経過期間を越えた場合に前記信号判別手段が前記所定の信号を判別したことに基づく前記可動手段による可動を禁止する禁止手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機。
【請求項2】(削除)
【請求項3】(削除)
【請求項4】(削除)
【請求項5】(削除)
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2017-12-19 
結審通知日 2017-12-21 
審決日 2018-01-09 
出願番号 特願2016-203138(P2016-203138)
審決分類 P 1 41・ 851- Y (A63F)
P 1 41・ 853- Y (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 上田 正樹  
特許庁審判長 瀬津 太朗
特許庁審判官 後藤 順也
蔵野 いづみ
登録日 2017-11-02 
登録番号 特許第6233487号(P6233487)
発明の名称 遊技機  
代理人 工藤 洋平  
代理人 工藤 洋平  

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