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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F02D
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 F02D
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 F02D
管理番号 1337371
審判番号 不服2016-18915  
総通号数 220 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-04-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-12-16 
確定日 2018-02-07 
事件の表示 特願2013-168085「内燃機関の運用方法」拒絶査定不服審判事件〔平成26年2月27日出願公開、特開2014-37835〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成25年8月13日(パリ条約による優先権主張2012年8月17日、オーストリア)の出願であって、平成25年10月9日に明細書、特許請求の範囲及び図面についての翻訳文が提出され、平成27年10月30日付けで拒絶理由が通知され、平成28年3月30日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年8月1日付けで拒絶査定がされ、これに対して、同年12月16日に拒絶査定不服審判が請求され、その審判の請求と同時に手続補正書が提出されたものである。

第2 平成28年12月16日の手続補正についての補正却下の決定
〔補正却下の決定の結論〕
平成28年12月16日の手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

〔理由〕
1 本願補正発明
本件補正は、特許請求の範囲の請求項1について、補正前(平成28年3月30日の手続補正書)の請求項1に、

「【請求項1】
少なくとも3つのシリンダ(2)を有した内燃機関(1)を運用する方法であって、シリンダ特有信号(p_(max)、E)がそれぞれのシリンダ(2)から取得され、基準値(p_(median)、E_(median))が前記シリンダ(2)からの前記信号(p_(max)、E)から発生され、対応するシリンダ(2)の少なくとも1つの燃焼パラメータ(Q、Z)は、前記基準値(p_(median)、E_(median))からの信号(p_(max)、E)の偏差の関数として制御され、前記信号(p_(max)、E)は前記基準値(p_(median)、E_(media)n)に追従し、前記信号(p_(max)、E)のメジアンが前記基準値(p_(median)、E_(median))として発生されることを特徴とする方法。」
とあったものを、

「【請求項1】
3つよりも多い偶数のシリンダ(2)を有した内燃機関(1)を運用する方法であって、シリンダ特有信号(p_(max)、E)がそれぞれのシリンダ(2)から取得され、基準値(p_(median)、E_(median))が前記シリンダ(2)からの前記信号(p_(max)、E)から発生され、対応するシリンダ(2)の少なくとも1つの燃焼パラメータ(Q、Z)は、前記基準値(p_(median)、E_(median))からの信号(p_(max)、E)の偏差の関数として制御され、前記信号(p_(max)、E)は前記基準値(p_(median)、E_(median))に追従し、前記信号(p_(max)、E)のメジアンが前記基準値(p_(median)、E_(median))として発生されることを特徴とする方法。」
と補正することを含むものである(下線は補正箇所を示すために審判請求人が付した。)。

上記補正は、発明を特定するために必要な事項である「シリンダ(2)」について「少なくとも3つ」を「3つよりも多い偶数」と限定するものであり、かつ、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)否かについて検討する。

2 刊行物
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の優先日前に頒布された特開2005-240712号公報(以下「刊行物」という。)には、「ガスエンジン」に関して、図面(特に、図1ないし図3参照)と共に次の事項が記載されている。下線は当審で付した。

ア「【0007】
本発明の目的は、運転寿命の長いガスエンジンを提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、熱効率を向上させることができるガスエンジンを提供することにある。」

イ「【0020】
(第一の実施の形態)
図2は、本発明の第一の実施の形態に係るガスエンジンの構成を示す概略図である。図2において、ガスエンジン10aは、複数のシリンダ(気筒)42a?42fと複数の副室52a?52fを備える。複数の副室52a?52fは、複数のシリンダ42a?42fのそれぞれに対して備えつけられており、その複数のシリンダ42a?42fのそれぞれにおける燃焼を引き起こす着火源としての役割を果たす。また、複数の副室52a?52fのそれぞれには、複数の点火栓44a?44fが備えつけられている。この複数の点火栓44a?44fのそれぞれは、点火制御装置(図示されない)によって制御され、複数の副室52a?52fのそれぞれにおいて混合気に点火を行う。
【0021】
複数のシリンダ42a?42fのそれぞれは、複数の吸気マニホールド21a?21fのそれぞれ及び複数の排気マニホールド31a?31fのそれぞれに接続される。また、複数の副室52a?52fは、複数の副室燃料ガス供給管51a?51fにそれぞれ接続される。複数の副室燃料ガス供給管51a?51fのそれぞれには、複数の絞り弁(ガス供給量調節機構)53a?53fが備えつけられている。この複数の絞り弁53a?53fによって、複数の副室52a?52fへのガス供給量がそれぞれ調節される。
【0022】
燃料ガスと空気の燃料希薄な混合気である主室混合気25a?25fは、複数の吸気マニホールド21a?21fから複数のシリンダ42a?42fにそれぞれ供給される。また、副室燃料ガス55は、複数の副室燃料ガス供給管51a?51fから複数の絞り弁53a?53fを介して、複数の副室52a?52fにそれぞれ供給される。複数のシリンダ42a?42fの各々において、ピストン(図示されない)が上昇すると、一部の主室混合気が副室内へ流入する。副室内で、主室混合気と副室燃料ガスが混合し、その混合気の濃度は着火に適した濃度になる。あるピストンが上死点(TDC; Top Dead Center)近傍に来た時、そのピストンを有するシリンダに対応する点火栓(44a?44f)は、その混合気に点火する。副室内の混合気が燃焼すると、その燃焼火炎は対応するシリンダへ噴出する。これにより、主室の希薄混合気は着火され、シリンダ内に燃焼火炎が広がる。複数のシリンダ42a?42fのそれぞれにおける燃焼後のガスは、複数の排気マニホールド31a?31fから排気35a?35fとしてそれぞれ排気される。
【0023】
図2に示されるように、ガスエンジン10aは、複数の絞り弁53a?53fに接続される制御部70を更に備える。この制御部70は、例えば複数の絞り弁53a?53fのそれぞれの開度を調節することによって、その複数の絞り弁53a?53fのそれぞれを通過する副室燃料ガス55の流量を制御する。つまり、この制御部70は、複数の絞り弁53a?53fのそれぞれにおける副室燃料ガス55の供給量を制御する。
【0024】
本発明の第一の実施の形態において、ガスエンジン10aは、複数のシリンダ42a?42fのそれぞれにおける燃焼状態を検出する。例えば、図2に示されるように、複数の温度センサ61a?61fが、複数の点火栓44a?44fのそれぞれに備えつけられている。この複数の温度センサ61a?61fは、それぞれ複数の点火栓44a?44fの温度を測定する。温度センサとして、熱電対が例示される。これら複数の温度センサ61a?61fのそれぞれは、測定された温度(状態値)を示す信号を制御部70に出力する。
【0025】
図3は、複数の温度センサ61a?61fによりそれぞれ測定された複数の点火栓44a?44fの温度を示すグラフの一例である。図3に示されるように、複数の点火栓44a?44fの温度として、それぞれ温度Ta?Tfが検出されたとする。ここで、これら温度Ta?Tfは、所定の期間に測定される温度データが平均されることにより算出される。図3に示されるように、複数の点火栓44a?44fのそれぞれに対して測定された温度Ta?Tfは同じではない。
【0026】
この時、制御部70は、複数の点火栓44a?44fの温度が等しいある値(以下、目標値と参照される)になるように、複数の絞り弁53a?53fのそれぞれにおけるガス供給量を制御する。ここで、その目標値として、例えば、検出された温度Ta?Tfの平均値Taveが挙げられる。この平均値Taveは、Tave=(Ta+Tb+Tc+Td+Te+Tf)/6により与えられる(図3における点線を参照)。平均値Taveを目標値として用いることは、制御幅が最小になる点で好ましい。あるいは、その目標値として、検出された温度Ta?Tfの中間値(図3におけるTdもしくはTe)が挙げられる。中間値を目標値として用いることは、検出されたある点火栓の温度が異常な値である場合に有効である。
【0027】
具体的な制御部70によるガス供給量の制御は次の通りである。すなわち、制御部70は、検出された温度が目標値より大きいシリンダに備え付けられた副室へのガス供給量を増加させる。また、制御部70は、検出された温度が目標値より小さいシリンダに備え付けられた副室へのガス供給量を減少させる。例えば、図3に示された検出結果によれば、制御部70は、点火栓44a、44e、44fに対応する副室52a、52e、52fへのガス供給量を増加させる。逆に、制御部70は、点火栓44b、44c、44dに対応する副室52b、52c、52dへのガス供給量を減少させる。ここで、ガス供給量の増加・減少は、対応する絞り弁(53a?53f)の開度を増減させることにより行われる。
【0028】
以上に説明されたように、本発明の第一の実施の形態に係るガスエンジン10aによれば、複数の点火栓44a?44fの全ての温度が上記目標値に近づくように制御される。つまり、複数のシリンダ42a?42fにおける燃焼状態が均一になるように制御される。複数のシリンダ42a?42fにおける燃焼状態のばらつきが解消されることは、運転領域が拡大することを意味する。例えば、燃焼状態のばらつきが無くなることで、ノッキングが発生しない点火時期の幅が広がるので、点火時期を更に進角側に設定することが可能となる。同様に、失火が発生しない空燃比の幅も広がる。これらのことにより、エンジン運転における熱効率が向上する。また、運転領域が拡大することにより、ノッキングや失火が発生する確率が低減される。従って、エンジンの寿命が長くなる。」

上記記載事項及び図示内容を総合し、本願補正発明の記載ぶりに則って整理すると、刊行物には、次の発明(以下「刊行物発明」という。)が記載されている。

「6つのシリンダ42a?42fを有したガスエンジン10aを運用する方法であって、複数の点火栓44a?44fの温度Ta?Tfがそれぞれのシリンダ42a?42fから取得され、目標値が前記シリンダ42a?42fからの前記温度Ta?Tfから求められ、対応するシリンダ42a?42fの副室52a?52fへのガス供給量は、検出された温度が目標値より大きいシリンダに備え付けられた副室へのガス供給量を増加させ、また、検出された温度が目標値より小さいシリンダに備え付けられた副室へのガス供給量を減少させ、全ての温度Ta?Tfが目標値に近づくように制御され、前記温度Ta?Tfの中間値を目標値として用いる方法。」

3 対比・判断
本願補正発明と刊行物発明とを対比すると、後者の「ガスエンジン10a」は前者の「内燃機関(1)」に相当し、以下同様に、「6つのシリンダ42a?42f」は「3つよりも多い偶数のシリンダ(2)」に、「複数の点火栓44a?44fの温度Ta?Tf」は「シリンダ特有信号(P_(max)、E)」に、「それぞれのシリンダ42a?42f」は「それぞれのシリンダ(2)」に、「目標値」は「基準値(P_(median)、 E_(median))」に、「目標値が前記シリンダ42a?42fからの前記温度Ta?Tfから求められ」ることは「基準値(P_(median)、 E_(median))が前記シリンダ(2)からの前記信号(P_(max)、E)から発生され」ることに、「対応するシリンダ42a?42fの副室52a?52fへのガス供給量」は「対応するシリンダ(2)の少なくとも1つの燃焼パラメータ(Q、Z)」に、「全ての温度Ta?Tfが目標値に近づくように制御され」ることは「前記信号(P_(max)、E)は前記基準値(P_(median)、E_(median))に追従」することに、「前記温度Ta?Tfの中間値を目標値として用いることは「前記信号(P_(max)、E)のメジアンが前記基準値(P_(median)、E_(median))として発生される」ことにそれぞれ相当する。

したがって、両者は、
「3つよりも多い偶数のシリンダを有した内燃機関を運用する方法であって、シリンダ特有信号がそれぞれのシリンダから取得され、基準値が前記シリンダからの前記信号から発生され、前記信号は前記基準値に追従し、前記信号のメジアンが前記基準値として発生される方法。」
である点で一致し、次の点で一応相違する。

〔相違点1〕
本願補正発明は、「対応するシリンダ(2)の少なくとも1つの燃焼パラメータ(Q、Z)は、前記基準値(P_(median)、 E_(median))からの信号(P_(max)、E)の偏差の関数として制御され」るのに対し、
刊行物発明は、「対応するシリンダ42a?42fの副室52a?52fへのガス供給量は、検出された温度が目標値より大きいシリンダに備え付けられた副室へのガス供給量を増加させ、また、検出された温度が目標値より小さいシリンダに備え付けられた副室へのガス供給量を減少させ」る点。

そこで、相違点1を検討する。
刊行物発明の「副室52a?52fへのガス供給量」、「検出された温度」及び「目標値」は、前述のとおり、本願補正発明の「燃焼パラメータ(Q、Z)」、「シリンダ特有信号(P_(max)、E)」及び「基準値(P_(median)、 E_(median))」に相当するところ、刊行物発明は、検出された温度が目標値より大きい、或いは目標値より小さいを判断しているから、目標値からの検出された温度の偏差を用いるといえ、「ガス供給量の増減量が当該偏差の関数として制御される」ものである。
そうすると、刊行物発明の「対応するシリンダ42a?42fの副室52a?52fへのガス供給量は、検出された温度が目標値より大きいシリンダに備え付けられた副室へのガス供給量を増加させ、また、検出された温度が目標値より小さいシリンダに備え付けられた副室へのガス供給量を減少させ」ることは、本願補正発明の「対応するシリンダ(2)の少なくとも1つの燃焼パラメータ(Q、Z)は、前記基準値(P_(median)、 E_(median))からの信号(P_(max)、E)の偏差の関数として制御され」ることに相当するから、上記相違点は、実質的な相違点ではない。

また、仮にそうでないとしても、刊行物発明において検出された温度が目標値より大きい、或いは目標値より小さいを判断していることから、目標値からの検出された温度の偏差を用いるようにして、刊行物発明において、「対応するシリンダ(2)の少なくとも1つの燃焼パラメータ(Q、Z)は、前記基準値(P_(median)、 E_(median))からの信号(P_(max)、E)の偏差の関数として制御され」るようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

以上に関し、審判請求人は、審判請求書において「本願発明では、上記の通り『3つよりも多い偶数のシリンダ(2)を有し』ており、『前記信号(p_(max)、E)のメジアンが前記基準値(p_(median)、E_(median))として発生される』という特徴を備えています。ここで、本願発明における『メジアン』は、出願当初明細書の段落0012に『信号数が偶数である場合、例えばシリンダの数が偶数である場合には、メジアンは配置されたサンプル分布の2つの中央値の算術平均として決定される。』(下線は当職が付した)と記載されていることからも分かるように、2つの中央値の算術平均で定義されています。すなわち、例えばシリンダが4つの場合で、各シリンダから取得された信号がP1?P4(ただし、P1>P2>P3>P4)であるとすると、メジアンは2つの中央値であるP2とP3との算術平均((P2+P3)/2)で定義されます。」(「4-2 本願発明と引用文献1および2に係る発明(引用発明1および2)との対比」の欄)と述べ、審判請求人は、メジアンが上記のように定義されている旨主張する。ここでは、審判請求人の主張に沿って「メジアン」の意味を理解することとして、以下、検討する。

本願補正発明と刊行物発明とを対比すると、上記相違点1の他に、次の点でも相違する。

〔相違点2〕
信号の基準値に関して、本願補正発明は、信号(P_(max)、E)の「メジアン」を用いるのに対し、刊行物発明は、温度Ta?Tfの「中間値」を用いる点。

そこで、上記相違点2について検討する。
一般に、ある物理量についての複数の測定値等から、そのメジアン(中央値、中間値)を求める場合、測定値が偶数個のときに、中央(中間)の2つの値の算術平均をメジアンとすることは、例えば、特開2005-180256号公報(特に、段落【0026】)、特開平9-217646号公報(特に段落【0020】)に開示されているように周知である(以下「周知技術」という。)。
6気筒であり、したがって、測定値(温度)が偶数である刊行物発明に関して、刊行物には、「あるいは、その目標値として、検出された温度Ta?Tfの中間値(図3におけるTdもしくはTe)が挙げられる。」(段落【0026】)と記載されているが、「挙げられる」というように、これは一例であって、これに絶対的に限定されるとする理由はない。刊行物発明において目標値を求める場合、周知技術を適用して、中央(中間)の2つの値の算術平均を目標値とすることに格別の困難性はない。

そして、本願補正発明は、全体としてみて、刊行物発明、又は刊行物発明及び周知技術から予測される以上の格別な効果を奏するものではない。

したがって、本願補正発明は、刊行物発明と同一であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、又は刊行物発明或いは刊行物発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際に独立して特許を受けることができないものである。

4 まとめ
よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし20に係る発明は、平成28年3月30日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし20に記載されたとおりのものであると認められるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、前記「第2〔理由〕1」に補正前の請求項1として記載したとおりのものである。

2 刊行物
原査定の拒絶の理由に引用した刊行物、その記載事項、及び刊行物発明は、前記「第2〔理由〕2」に記載したとおりである。

3 対比・判断
本願発明は、前記「第2〔理由〕」で検討した本願補正発明における「シリンダ(2)」についての「3つよりも多い偶数」を「少なくとも3つ」と拡張したものである。
そうしてみると、本願発明の発明特定事項をすべて含んだものに実質的に相当する本願補正発明が、前記「第2〔理由〕3」に記載したとおり、刊行物発明と同一である、又は刊行物発明或いは刊行物発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、実質的に同様の理由により、刊行物発明と同一である、又は刊行物発明或いは刊行物発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

4 まとめ
したがって、本願発明は、刊行物発明と同一であるから特許法第29条第1項第3号に該当し、又は刊行物発明或いは刊行物発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し、又は特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないから、本願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2017-08-29 
結審通知日 2017-09-05 
審決日 2017-09-19 
出願番号 特願2013-168085(P2013-168085)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (F02D)
P 1 8・ 575- Z (F02D)
P 1 8・ 113- Z (F02D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山村 和人  
特許庁審判長 佐々木 芳枝
特許庁審判官 冨岡 和人
槙原 進
発明の名称 内燃機関の運用方法  
代理人 荒川 聡志  

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