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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G01R
管理番号 1338463
審判番号 不服2017-10329  
総通号数 221 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-05-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-07-11 
確定日 2018-04-06 
事件の表示 特願2015-501720「分割リードフレームを有する集積回路パッケージ」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 9月26日国際公開、WO2013/142112、平成27年 6月18日国内公表、特表2015-517098、請求項の数(27)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2013年3月11日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2012年3月20日、2013年1月24日、2013年1月25日、いずれも米国)を国際出願日とする出願であって、平成28年7月21日付けで拒絶理由通知がされ、同年10月6日付けで手続補正がされ、平成29年3月15日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、同年7月11日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされたものである。

第2 原査定の概要
原査定の概要は、次のとおりである。

本願の請求項1-27に係る発明は、以下の引用文献1-5に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.特開平01-184885号公報
2.特開平06-055971号公報
3.特開昭63-026501号公報
4.特開2000-058740号公報
5.特開平10-093001号公報

第3 本願発明
本願請求項1-27に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明27」という。)は、平成29年7月11日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-27に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1、本願発明17、本願発明19及び本願発明26は、それぞれ、以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
磁界センサであって、
第1の面、第2の反対の面を有し、複数のリードを含むリードフレームであって、前記複数のリードのうちの少なくとも2つのリードが互いに電気的に絶縁され、前記少なくとも2つのリードの各々が、ダイ取付け部分と、前記ダイ取付け部分に近接した第1の端部から、前記ダイ取付け部分から遠位の第2の端部まで延在し、前記磁界センサの外部への電気的接続のために構成される、細長い接続部分とを有する、リードフレームと、
磁界検知要素を支持し、前記少なくとも2つのリードの前記ダイ取付け部分にわたって取り付けられる半導体ダイと、
前記少なくとも2つのリードのうちの1つのリードの前記ダイ取付け部分と前記少なくとも2つのリードのうちの他の1つのリードの前記ダイ取付け部分との間に結合された第1の受動構成要素と
を備える磁界センサ。」
「【請求項17】
磁界センサであって、
第1の面、第2の反対の面を有し、複数のリードを含むリードフレームであって、前記複数のリードのうちの少なくとも2つのリードが互いに電気的に絶縁され、前記少なくとも2つのリードの各々が、ダイ取付け部分と、前記ダイ取付け部分に近接した第1の端部から、前記ダイ取付け部分から遠位の第2の端部まで延在し、前記磁界センサの外部への電気的接続のために構成される、細長い接続部分とを有する、リードフレームと、
磁界検知要素を支持し、前記少なくとも2つのリードの前記ダイ取付け部分にわたって取り付けられる半導体ダイと、
前記少なくとも2つのリードのうちの1つのリードの前記ダイ取り付け部分と前記少なくとも2つのリードのうちの他の1つのリードの前記ダイ取付け部分との間に結合された受動構成要素と、
前記半導体ダイおよび前記少なくとも2つのリードの前記ダイ取付け部分を密閉する非導電性成形材料であって、約7.0mm未満の直径を有する、非導電性成形材料と
を備える磁界センサ。」
「【請求項19】
第1の面、第2の反対の面を有し、複数のリードを含むリードフレームであって、前記複数のリードのうちの少なくとも2つのリードが互いに電気的に絶縁され、前記少なくとも2つのリードの各々が、前記少なくとも2つのリードのうちの他の1つのリードの接続部分に隣接して延在する接続部分と、それぞれの前記接続部分の幅よりも大きな幅を有するダイ取付け部分とを有する、リードフレームと、
磁界検知要素および少なくとも2つのボンドパッドを支持する第1の面を有する半導体ダイであって、前記第1の面は、電気的に絶縁された前記少なくとも2つのリードの前記ダイ取付け部分の近位に配置されて該ダイ取付け部分に取付けられ、第2の反対の面が、電気的に絶縁された前記少なくとも2つのリードの前記ダイ取付け部分から遠位に配置され、電気的に絶縁された前記少なくとも2つのリードの前記ダイ取付け部分は、前記ダイ取付け部分の他の領域に対して縮小された領域を有し、前記縮小された領域は、電気的に絶縁された前記少なくとも2つのリードのうちの前記他の1つのリードの前記ダイ取付け部分の縮小された領域と反対であり該領域に隣接し、前記磁界検知要素および前記少なくとも2つのボンドパッドは、電気的に絶縁された前記少なくとも2つのリードの前記ダイ取付け部分の前記縮小された領域間に配置される、半導体ダイと、
前記半導体ダイの前記少なくとも2つのボンドパッドのうちの少なくとも1つのボンドパッドと前記リードフレームの前記第1の面との間に結合された少なくとも1つのワイヤボンドであって、前記半導体ダイが前記リードフレームの前記第2の面に取り付けられる、少なくとも1つのワイヤボンドと
を備える磁界センサ。」
「【請求項26】
第1の面、第2の反対の面を有し、複数のリードを含むリードフレームであって、前記複数のリードのうちの少なくとも2つのリードが互いに電気的に絶縁され、前記複数のリードのうちの前記少なくとも2つのリードの各々が、ダイ取付け部分と、前記ダイ取付け部分に近接した第1の端部から、前記ダイ取付け部分から遠位の第2の端部まで延在する接続部分とを有する、リードフレームと、
磁界検知要素および少なくとも2つのボンドパッドを支持する第1の面を有する半導体ダイであって、前記第1の面は、電気的に絶縁された前記少なくとも2つのリードの前記ダイ取付け部分の近位に配置されて該ダイ取付け部分に取り付けられ、第2の反対の面が、電気的に絶縁された前記少なくとも2つのリードの前記ダイ取付け部分から遠位に配置され、電気的に絶縁された前記少なくとも2つのリードの各々のリードの前記ダイ取付け部分は、前記ダイ取付け部分の他の領域に対して縮小された領域を有し、前記縮小された領域は、電気的に絶縁された前記少なくとも2つのリードのうちの他の1つのリードの前記ダイ取付け部分の縮小された領域と反対であり該領域に隣接し、前記磁界検知要素および前記少なくとも2つのボンドパッドは、電気的に絶縁された前記少なくとも2つのリードの前記ダイ取付け部分の前記縮小された領域間に配置される、半導体ダイと、
前記半導体ダイの前記少なくとも2つのボンドパッドのうちの少なくとも1つのボンドパッドと前記リードフレームの前記第1の面との間に結合された少なくとも1つのワイヤボンドであって、前記半導体ダイが前記リードフレームの前記第2の面に取り付けられる、少なくとも1つのワイヤボンドと、
前記少なくとも2つのリードのうちの1つのリードの前記ダイ取付け部分と前記少なくとも2つのリードのうちの他の1つのリードの前記ダイ取付け部分との間に結合された受動構成要素であって、前記半導体ダイは前記受動構成要素の下に延在する、受動構成要素と、
前記半導体ダイおよび前記少なくとも2つのリードの前記ダイ取付け部分を密閉する非導電性成形材料であって、約7.0mm未満の直径を有する、非導電性成形材料と
を備える磁界センサ。」

なお、本願発明2-16は、請求項1の従属項に係る発明であり、本願発明18は、請求項17の従属項に係る発明であり、本願発明20-25は、請求項19の従属項に係る発明であり、本願発明27は、請求項26の従属項に係る発明である。

第4 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、次の事項が記載されている(下線は、当審による。)。

ア 「本発明は、半導体装置、特に、ホール素子等の半導体素子をリードフレーム上に取り付けた半導体装置に関する。」(第1頁左下欄第16-18行)
イ 「この実施例はホール素子に適用したものであり、第2図に示す様に、ホール素子チップ1は底部に四つの電極2が取り付けられている。リードフレーム5は4本の所定形状に形成された導電材(例えば、りん青銅)からなり、各端部の表面には段部6が形成される。この段部6は各リードフレーム5の端部を同一平面上に集合させたとき、チップ1を載置して位置決め可能な形状とされている。リードフレーム5の加工は、例えば、エッチングにより行なわれる。エッチングは必要箇所に耐エッチングマスクを設けてハーフエッチングの手法により行なう。この場合、リードフレーム5の厚さが0.1mmとすると、段部6はハーフエッチングで0.05mmだけ切除されることとなる。
チップ1は、第3図に示す様に、半田クリーム7を塗布した段部6上に載置し、該半田クリーム7を融点以上に加熱することによりボンディングする。ボンディングはウェルダによる熱圧着、赤外線加熱、気相半田付けにて行なわれる。また、チップ1の電極2上に半田バンプを形成し、段部6上に載置しても良い。
次に、第1図に示す様に、チップ1の底面側にフェライトチップ10を取り付け、チップ1とフェライトチップ10の周囲を樹脂11にてモールドし、ホール素子として完成される。フェライトチップ10は磁気を集中させ、チップ1の感度を上げるために機能する。また、モールド樹脂11から突出したリードフレーム5は所定の形状に成形され、外部接続用の端子として機能する。」(第2頁左上欄第12行-右上欄第20行)


上記第2図の記載と技術常識からみて、「リードフレーム5」が第1の面、第2の反対の面を有すること、リードフレーム5の4本の導電材が互いに電気的に絶縁され、また4本の導電材の各々が、段部6と、前記段部6に近接した第1の端部から、前記段部6から遠位の第2の端部まで延在する細長い接続部分とを有することは明らかといえる。

以上によれば、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。
「ホール素子チップ1をリードフレーム5上に取り付けた半導体装置であって、
第1の面、第2の反対の面を有し、4本の導電材からなるリードフレーム5であって、4本の導電材が互いに電気的に絶縁され、また4本の導電材の各々が、段部6と、前記段部6に近接した第1の端部から、前記段部6から遠位の第2の端部まで延在する細長い接続部分とを有する、リードフレーム5と、を備え、
ホール素子チップ1は、段部6上に載置され、リードフレーム5は、外部接続用の端子として機能する
半導体装置。」

また、上記第2図の記載からみて、「リードフレーム5」の4本の導電材が他の導電材の接続部分に隣接して延在する接続部分と、それぞれの前記接続部分の幅よりも大きな幅を有する、段部6の周辺部を備え、第1の面を有するホール素子チップ1であって、前記第1の面は、電気的に絶縁された前記導電材の前記段部6の周辺部の近位に配置されて該段部6に取付けられ、第2の反対の面が、電気的に絶縁された前記4本の導電材の前記段部6の周辺部から遠位に配置されることも明らかといえる。
そうすると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明2」という。)も記載されていると認められる。
「第1の面、第2の反対の面を有し、4本の導電材からなるリードフレーム5であって、4本の導電材が互いに電気的に絶縁され、また4本の導電材が他の少なくとも1本の導電材の接続部分に隣接して延在する接続部分と、それぞれの前記接続部分の幅よりも大きな幅を有する、段部6の周辺部とを有する、リードフレーム5と、
第1の面を有するホール素子チップ1であって、前記第1の面は、電気的に絶縁された前記導電材の前記段部6の周辺部の近位に配置されて該段部6に取付けられ、第2の反対の面が、電気的に絶縁された前記4本の導電材の前記段部6の周辺部から遠位に配置される、ホール素子チップ1と、を備える
ホール素子チップ1をリードフレーム5上に取り付けた半導体装置。」

2 引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2には、段落【0013】-【0019】、及び【図1】-【図5】の記載からみて、リードフレーム間にコンデンサや抵抗を設けるという技術事項が記載されていると認められる。

3 引用文献3について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献3には、第4頁右下欄第7行-第5頁右上欄第9行及び第1図の記載からみて、ホール効果センサ素子を搭載するリード表面とホール効果センサ素子をワイヤによりボンディングするという技術事項が記載されていると認められる。

4 引用文献4について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献4には、段落【0014】-【0018】及び【図1】の記載からみて、リードに複合磁性材料を設けるという技術事項が記載されていると認められる。

5 引用文献5について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献5には、段落【0041】及び【図1】の記載からみて、リードフレームの一方の面に半導体チップを設け、リードフレームの他方の面と半導体チップのリードフレーム側の面をワイヤにより電気接続するという技術事項が記載されていると認められる。

第5 対比・判断
(1)対比
本願発明1と引用発明1を対比すると、次のことがいえる。
ア 引用発明1は、「ホール素子チップ1をリードフレーム5上に取り付けた半導体装置」であるから、「磁界センサ」といえる。
イ 引用発明1の「導電材」及び「段部6」がそれぞれ本願発明1の「リード」及び「ダイ取付け部分」に相当するから、引用発明1が「第1の面、第2の反対の面を有し、4本の導電材からなるリードフレーム5であって、4本の導電材が互いに電気的に絶縁され、また4本の導電材の各々が、段部6と、前記段部6に近接した第1の端部から、前記段部6から遠位の第2の端部まで延在する細長い接続部分とを有する、リードフレーム5と、を備え、」「ホール素子チップ1は、段部6上に載置され、リードフレーム5は、外部接続用の端子として機能する」ことは、本願発明1において「第1の面、第2の反対の面を有し、複数のリードを含むリードフレームであって、前記複数のリードのうちの少なくとも2つのリードが互いに電気的に絶縁され、前記少なくとも2つのリードの各々が、ダイ取付け部分と、前記ダイ取付け部分に近接した第1の端部から、前記ダイ取付け部分から遠位の第2の端部まで延在し、前記磁界センサの外部への電気的接続のために構成される、細長い接続部分とを有する、リードフレーム」を備えることに相当する。
ウ 引用発明1の「ホール素子チップ1」は「4本の導電材」の段部6上に「載置され」ているものであるから、本願発明1の「磁界検知要素を支持し、前記少なくとも2つのリードの前記ダイ取付け部分にわたって取り付けられる半導体ダイ」とは、「磁界検知要素を有し、前記少なくとも2つのリードの前記ダイ取付け部分にわたって取り付けられる半導体ダイ」である点で共通するといえる。


以上のことから、本願発明1と引用発明1との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

(一致点)
「磁界センサであって、
第1の面、第2の反対の面を有し、複数のリードを含むリードフレームであって、前記複数のリードのうちの少なくとも2つのリードが互いに電気的に絶縁され、前記少なくとも2つのリードの各々が、ダイ取付け部分と、前記ダイ取付け部分に近接した第1の端部から、前記ダイ取付け部分から遠位の第2の端部まで延在し、前記磁界センサの外部への電気的接続のために構成される、細長い接続部分とを有する、リードフレームと、
磁界検知要素を有し、前記少なくとも2つのリードの前記ダイ取付け部分にわたって取り付けられる半導体ダイと
を備える磁界センサ。」

(相違点)
相違点1
本願発明1の「半導体ダイ」は、「磁界検知要素を支持し」ているのに対し、引用発明1のホール素子チップ1は、ホール素子の機能を有するものであるが、その機能を奏する「磁界検知要素」を「支持」する構成となっているか否かは不明である点。

相違点2
本願発明1は、「前記少なくとも2つのリードのうちの1つのリードの前記ダイ取付け部分と前記少なくとも2つのリードのうちの他の1つのリードの前記ダイ取付け部分との間に結合された第1の受動構成要素」を備えるのに対し、引用発明1は、このような受動構成要素を備えるものでない点。

(2)相違点についての判断
本願発明1の内容に鑑み、上記相違点2について検討する。
引用文献2には、リードフレーム間にコンデンサや抵抗を設けることが記載されているが、引用文献2は、電子式方向指示器に関するものであって、その抵抗、コンデンサは、発振回路である集積回路ICの外付け部品となるものであるから、ホール素子チップ1をリードフレーム5上に取り付けた半導体装置である引用発明1に引用文献2に記載の技術事項を適用する動機付けがあるとはいえない。
また、引用文献2の抵抗、コンデンサは、発振回路である集積回路ICの外付け部品となるものであって、外部への電気的接続のための2つのリードの間に設けられるものでないから、引用文献2は、引用発明1における導電材間(本願発明1における1つのリードと他の1つのリードとの間)に受動構成要素であるコンデンサや抵抗を設けることを示唆するものとはいえない。
なお、仮に、引用発明1における導電材間に受動構成要素であるコンデンサや抵抗を設けるにしても、引用発明1におけるホール素子チップ1の取付け部分である段部6は、その段部6の周辺部を含めたとしても、受動構成要素であるコンデンサや抵抗を載置するものとはなっていないから、本願発明1のごとく、1つのリードのダイ取付け部分と他のリードのダイ取付け部分との間に受動構成要素を結合するという前記相違点に係る本願発明1の発明特定事項とすることを当業者が容易に想到し得るとはいえない。
また、引用文献3-5は、上記相違点2に関連する技術事項を記載するものではない。
以上のとおりであるから、相違点1について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用文献1-5に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

2 本願発明2-16について
本願発明2-16は、本願発明1を限定したものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用文献1-5に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

3 本願発明17及び18について
本願発明17は、上記相違点2に係る本願発明1の発明特定事項を含むものであり、本願発明18は、本願発明17をさらに限定したものであるから、両者は、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用文献1-5に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

4 本願発明19について
(1)対比
ア 本願発明19と引用発明2を対比するに、本願発明1と引用発明1の対比を踏まえると、本願発明19と引用発明2は、ともに「磁界センサ」であって、「第1の面、第2の反対の面を有し、複数のリードを含むリードフレームであって、前記複数のリードのうちの少なくとも2つのリードが互いに電気的に絶縁され」る「リードフレーム」を備える点で一致する。
イ さらに、引用発明2の「4本の導電材が他の少なくとも1本の導電材の接続部分に隣接して延在する接続部分と、それぞれの前記接続部分の幅よりも大きな幅を有する、段部6の周辺部とを有する、リードフレーム5」が、本願発明19の「少なくとも2つのリードの各々が、前記少なくとも2つのリードのうちの他の1つのリードの接続部分に隣接して延在する接続部分と、それぞれの前記接続部分の幅よりも大きな幅を有するダイ取付け部分とを有する、リードフレーム」に相当し、
ウ 本願発明1と引用発明1の対比を踏まえると、引用発明2の「第1の面を有するホール素子チップ1であって、前記第1の面は、電気的に絶縁された前記導電材の前記段部6の周辺部の近位に配置されて該段部6に取付けられ、第2の反対の面が、電気的に絶縁された前記4本の導電材の前記段部6の周辺部から遠位に配置される、ホール素子チップ1」と、本願発明19の「磁界検知要素および少なくとも2つのボンドパッドを支持する第1の面を有する半導体ダイであって、前記第1の面は、電気的に絶縁された前記少なくとも2つのリードの前記ダイ取付け部分の近位に配置されて該ダイ取付け部分に取付けられ、第2の反対の面が、電気的に絶縁された前記少なくとも2つのリードの前記ダイ取付け部分から遠位に配置され、電気的に絶縁された前記少なくとも2つのリードの前記ダイ取付け部分は、前記ダイ取付け部分の他の領域に対して縮小された領域を有し、前記縮小された領域は、電気的に絶縁された前記少なくとも2つのリードのうちの前記他の1つのリードの前記ダイ取付け部分の縮小された領域と反対であり該領域に隣接し、前記磁界検知要素および前記少なくとも2つのボンドパッドは、電気的に絶縁された前記少なくとも2つのリードの前記ダイ取付け部分の前記縮小された領域間に配置される、半導体ダイ」とは、「磁界検知要素を有し、第1の面を有する半導体ダイであって、前記第1の面は、電気的に絶縁された前記少なくとも2つのリードの前記ダイ取付け部分の近位に配置されて該ダイ取付け部分に取付けられ、第2の反対の面が、電気的に絶縁された前記少なくとも2つのリードの前記ダイ取付け部分から遠位に配置される、半導体ダイ」である点で共通する。

したがって、本願発明19と引用発明2との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

(一致点)
「第1の面、第2の反対の面を有し、複数のリードを含むリードフレームであって、前記複数のリードのうちの少なくとも2つのリードが互いに電気的に絶縁され、前記少なくとも2つのリードの各々が、前記少なくとも2つのリードのうちの他の1つのリードの接続部分に隣接して延在する接続部分と、それぞれの前記接続部分の幅よりも大きな幅を有するダイ取付け部分とを有する、リードフレームと、
磁界検知要素を有し、第1の面を有する半導体ダイであって、前記第1の面は、電気的に絶縁された前記少なくとも2つのリードの前記ダイ取付け部分の近位に配置されて該ダイ取付け部分に取付けられ、第2の反対の面が、電気的に絶縁された前記少なくとも2つのリードの前記ダイ取付け部分から遠位に配置される、半導体ダイと
を備える磁界センサ。」

(相違点)
相違点3
本願発明19の「半導体ダイ」は、「磁界検知要素および少なくとも2つのボンドパッドを支持する第1の面を有する」のに対し、引用発明1のホール素子チップ1は、ホール素子の機能を有するものであるが、その機能を奏する「磁界検知要素」と「少なくとも2つのボンドパッドを支持する第1の面を有する」か否かは不明である点。

相違点4
本願発明19の半導体ダイは、「電気的に絶縁された前記少なくとも2つのリードの前記ダイ取付け部分は、前記ダイ取付け部分の他の領域に対して縮小された領域を有し、前記縮小された領域は、電気的に絶縁された前記少なくとも2つのリードのうちの前記他の1つのリードの前記ダイ取付け部分の縮小された領域と反対であり該領域に隣接し、前記磁界検知要素および前記少なくとも2つのボンドパッドは、(半導体ダイの前記第1の面に支持されており、)電気的に絶縁された前記少なくとも2つのリードの前記ダイ取付け部分の前記縮小された領域間に配置され」、「前記半導体ダイの前記少なくとも2つのボンドパッドのうちの少なくとも1つのボンドパッドと前記リードフレームの前記第1の面との間に結合された少なくとも1つのワイヤボンドであって、前記半導体ダイが前記リードフレームの前記第2の面に取り付けられる、少なくとも1つのワイヤボンド」を備えるものであるのに対し、引用発明2は、このようなものでない点。

(2)相違点についての判断
本願発明19の内容に鑑み、上記相違点4について検討する。
引用発明2において、導電材の端部に縮小された領域を設け、その縮小された領域間に磁界検知要素及び電極2が位置するようにホール素子チップ1を載置し、電極2と導電材をワイヤボンドする構造とする理由がなく、上記相違点4に係る構成を本願発明19の発明特定事項とすることを当業者が容易に想到し得たとはいえない。。
引用文献3には、ホール効果センサ素子を搭載するリード表面とホール効果センサ素子をワイヤによりボンディングすることが記載され、また、引用文献5には、リードフレームの一方の面に半導体チップを設け、リードフレームの他方の面と半導体チップのリードフレーム側の面をワイヤにより電気接続することが記載されているが、引用発明2において、上記相違点4に係る構成を本願発明19の発明特定事項とすることを示唆するものとはいえない。
また、引用文献2,4,5は、上記相違点4に関連する技術事項を記載するものではない。

したがって、本願発明19は、当業者であっても、引用文献1-5に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

5 本願発明20-25について
本願発明20-25は、本願発明19を限定したものであるから、本願発明19と同様の理由により、当業者であっても、引用発明に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

6 本願発明26及び27について
本願発明26は、実質的に本願発明1と引用発明1との上記相違点2に係る本願発明1の発明特定事項を含むものであり、また、本願発明19と引用発明2との上記相違点4に係る本願発明19の発明特定事項を含むものであるから、本願発明1、19と同様の理由により、当業者であっても、引用文献1-5に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
また、本願発明27は、本願発明26を限定したものであるから、本願発明26と同様の理由により、当業者であっても、引用文献1-5に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

第6 原査定について
以上のとおりであって、本願発明1-27は、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1-5に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。したがって、原査定の理由を維持することはできない。

第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2018-03-27 
出願番号 特願2015-501720(P2015-501720)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G01R)
最終処分 成立  
前審関与審査官 山崎 仁之川瀬 正巳  
特許庁審判長 清水 稔
特許庁審判官 中塚 直樹
▲うし▼田 真悟
発明の名称 分割リードフレームを有する集積回路パッケージ  
代理人 宮前 徹  
代理人 小野 新次郎  
代理人 山本 修  
代理人 中西 基晴  
代理人 鳥居 健一  

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