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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B01D
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 B01D
管理番号 1338880
審判番号 不服2016-9060  
総通号数 221 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-05-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-06-17 
確定日 2018-03-27 
事件の表示 特願2014-130675「水から異物を取り除くための薄板装置」拒絶査定不服審判事件〔平成27年2月26日出願公開、特開2015-37780〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
1 本願は、2010年9月2日(パリ条約による優先権主張 2009年9月2日 米国、2010年9月1日 米国)を国際出願日とする特願2012-527865号の一部を平成26年6月25日に新たな特許出願としたものである。
2 審査官は、平成27年9月28日付けで拒絶理由を通知し、審判請求人ら(以下「請求人」という。)は、平成28年1月29日付けで意見書を提出すると共に手続補正をした。
3 審査官は、平成28年2月15日付けで拒絶査定をし、請求人は、平成28年6月17日付けで本件審判を請求すると同時に、手続補正を行った。

第2 平成28年6月17日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成28年6月17日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について
(1)本件補正前の請求項1には、次のように記載されている。
「固体の異物を包含している水から前記異物を取り除くための薄板装置における、少なくとも2つの取付板の組み合わせであって、
各前記取付板は、内側面およびその中の中心の開口部を有し、
各取付板の開口部は、その中に挿入された共通の回転軸の1つの端部を有し、
各取付板の内側面近くに正方形の軌道の滑車が取り付けられ、および
滑車各々の上に、剛体のリンクバーで構成された駆動チェーンが取り付けられ、
前記剛体のリンクバーは、互いに連結され、
その結果、各リンクバーが、隣接するリンクバーと枢動可能に相互に作用することによって、複数の剛体のスキミングバーによって、間隔を置いた配置で互いに付けられている2つの隣接する駆動チェーンを形成することを特徴とする組み合わせ。」
(2)本件補正後の請求項1には、次のように記載されている。なお、下線は、請求人による。
「固体の異物を包含している水から前記異物を取り除くための薄板装置における、少なくとも2つの取付板の組み合わせであって、
各前記取付板は、内側面およびその中の中心の開口部を有し、
各取付板の開口部は、その中に挿入された共通の回転軸の1つの端部を有し、
各取付板の内側面近くに正方形の軌道の滑車が取り付けられ、および
滑車各々の上に、剛体のリンクバーで構成された駆動チェーンが取り付けられ、
前記剛体のリンクバーは、互いに連結され、
その結果、各リンクバーが、隣接するリンクバーと枢動可能に相互に作用することによって、多孔板(9)の表面をかするように配された複数の剛体のスキミングバーによって、間隔を置いた配置で互いに付けられている2つの隣接する駆動チェーンを形成し、
バックウォッシュの作用により、前記個体の異物が丸められて球にされ、前記多孔板(9)の開口部(15)から離される
ことを特徴とする組み合わせ。」
(3)そうすると、本件補正は、次の補正事項を含むものである。
ア スキミングバーに関して、その配置を「多孔板(9)の表面をかするように配された」と減縮する補正事項(以下「補正事項1」という。)
イ 「組み合わせ」に関して、「バックウォッシュの作用により、前記個体の異物が丸められて球にされ、前記多孔板(9)の開口部(15)から離される」という機能を有することを減縮する補正事項(以下「補正事項2」という。)
2 目的要件について
(1)目的要件
ア 本件補正は、特許法(以下「法」という。)第17条の2第1項4号に規定された審判の請求と同時にされたものである。
イ 法第17条の2第5項には、次のように規定されている。
前二項に規定するものほか、第一項第一号、第三号及び第四号に掲げる場合(同項第一号に掲げる場合にあつては、拒絶理由通知と併せて第五十条の二の規定による通知を受けた場合に限る。)において特許請求の範囲についてする補正は、次に掲げる事項を目的とするものに限る。
一 第三十6条第5項に規定する請求項の削除
二 特許請求の範囲の減縮(第三十6条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであつて、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)
三 誤記の訂正
四 明りようでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)
(2)補正事項2について
ア 本件明細書には次の記載がある。
(ア)本明細書に開示され、利益を主張される発明は、異物を包含している水からその異物を取り除くための装置である製品に関する。本発明の本質は、多孔板から異物をこすり落とすことなく、多孔板から異物を取り除く手段を提供するために、多孔板およびその多孔板の背部に隣接する背面板(backer plate)を使用することである。(【0003】、【0004】)
(イ)バックウォッシュ(14)が、実際に固体材料を丸めて球(balls)にし、その球は、バックウォッシュ(14)によって開口部(15)から離され、廃水の上部表面の方へ浮かび、その後、固体が上部に到着するまで、スキミングバー(8)によって動かされ、そこで、それらは、回収デバイスへと移動され、処分されるということが分かった。(【0041】)
(ウ)本発明の目的のために、用語「ヒドロプレッション(hydropression)効果」は、本発明が先行技術装置より優れている根拠を示すために使用される。ヒドロプレッションは、本発明およびこの方法(すなわち、水からの固体の多孔板/ウルトラスクリーニング)に適用されるような、薄い平板流体力学の効力について記述するために発明者によって本明細書において造られた用語である。ヒドロプレッション効果は、本質的に流体力学輸送効果である。この効果を生み出すために、薄い平板は、流れる流体(この場合、水)へと垂直に配置される。正圧は板の前部に生じ、および負圧は板の背面に生じる。スクリーンの背部(板の負圧側)上のエフェクター板(以下に記述される)およびスクリーンの前面(正)上のスキマーは、調和して動くことで圧力差を生み出す。この差異は、異物をスクリーン上へ押しあげる偏った水の流れを生み出し、およびスキマーまたは同様の装置によって回収するために、それを利用可能なものとする。その後、異物は、排出され、水路から取り除かれる。図4は、(14)でのこの効果を示す。(【0029】)
(エ)図4


イ 以上の記載から、補正事項2における「バックウォッシュの作用により、前記個体の異物が丸められて球にされ、前記多孔板(9)の開口部(15)から離される」とは、多孔板の一部が背面板によりふさがれることにより、ヒドロプレッション効果が生じることによるものであることが読み取れる。
ウ 一方、本件補正前の請求項1に係る「組み合わせ」は、取付板と各取付板に共通の回転軸と滑車と駆動チェーンとスキミングバーとを構成要素とするものであるから、ヒドロプレッション効果を生じ得るものとは認められない。
エ そうすると、補正事項2は、形式的には「組み合わせ」を減縮しているものの、実体的には、「組み合わせ」を限定的に減縮する補正とは認めることができない。
オ したがって、補正事項2は、上記(1)に示した法第17条の2第5項2号に規定された発明特定事項の減縮には該当しないものである。
(3)審判請求書における請求人の主張に対して
ア 請求人は、「バックウォッシュの作用により、前記個体の異物が丸められて球にされ、前記多孔板(9)の開口部(15)から離される」は、本願明細書段落[0041]の記載「バックウォッシュ(14)が、実際に固体材料を丸めて球(balls)にし、その球はバックウォッシュ(14)によって開口部(15)から離され、廃水の上部表面の方へ浮かび、その後、固体が上部に到着するまで、スキミングバー(8)によって動かされ、そこで、それらは、回収デバイスへと移動され、処分されるということが分かった。」を根拠にしています。以上より、上記補正は新規事項の追加にあたるものではなく、限定的減縮の要件を満たすものと思料します。」と、審判請求書の請求の理由を補正する平成28年7月26日付け補正書で述べている。
イ しかしながら、「バックウォッシュ(14)」を生じさせるために必要な多孔板と背面板の組み合わせが補正前の請求項1の発明特定事項とされていないことから、限定的減縮の要件を満たすということはできない。
3 小括
上記のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項に規定する限定的減縮を目的とするものではなく、かつ、請求項の削除、誤記の訂正、又は明りょうでない記載の釈明とも認められず、いずれの目的要件にも適合しない。したがって、本件補正は、不適法な補正であり、却下されるべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
(1)上記第2に示したとおり、本件補正は却下されたので、本願発明は、平成28年1月29日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載されたとおりのものであると認められるところ、その請求項1には、次のように記載されている。
「固体の異物を包含している水から前記異物を取り除くための薄板装置における、少なくとも2つの取付板の組み合わせであって、
各前記取付板は、内側面およびその中の中心の開口部を有し、
各取付板の開口部は、その中に挿入された共通の回転軸の1つの端部を有し、
各取付板の内側面近くに正方形の軌道の滑車が取り付けられ、および
滑車各々の上に、剛体のリンクバーで構成された駆動チェーンが取り付けられ、
前記剛体のリンクバーは、互いに連結され、
その結果、各リンクバーが、隣接するリンクバーと枢動可能に相互に作用することによって、複数の剛体のスキミングバーによって、間隔を置いた配置で互いに付けられている2つの隣接する駆動チェーンを形成することを特徴とする組み合わせ。」(以下「本願発明」という。)
(2)正方形の軌道の滑車に関して、本願明細書には、次のように記載されている。
ア 各取付板の内側面の近くに、正方形の軌道の(square-tracked)滑車が取り付けられ(mounted)、およびそのような滑車各々の上に、剛体のリンクバー(rigid link bars)で構成された駆動チェーンが取り付けられされ、剛体のリンクバーは、互いに連結され、その結果、各リンクバーが、隣接するリンクバーと枢動可能に相互に作用することによって、複数の剛体のスキミングバーによって、間隔を置いた配置で互いに付けられている2つの隣接する駆動チェーンを形成する。各剛体のスキミングバーは、遠位縁部を有し、各遠位縁部上には、例えば、超高分子量ポリエチレンのような、柔軟で弾力のあるスキミング材料が取り付けられる。(段落【0017】)
イ 図1に戻って、ハウジングが取り除かれた本発明の装置(1)が、垂直ポスト(2)、側部の上方の支持アーム(3)、モータ取付台パネル(4)、連結チェーン(5)、滑車(7)のための回転軸(6)、スキミングバー(8)、多孔板(9)、固体のエフェクター背部板(10)、ダンプナー手段(11)、および連結部(19)の上部のフック(12)と共に示される。連結チェーン(5)は、この装置の操作に非常に重要である。このようなチェーンは、そのようなチェーンに関して教示している、1995年6月20日に発行された米国特許第5,425,875号において見出されることができる。その米国特許は、そのようなチェーン、それらの機能および利点についてその特許が教示することに関して、参照によって本明細書に組み入れられる。(段落【0030】)
ウ 図1

(3)上記滑車7は、回転するものであって、回転する場合の軌道は円であることが技術常識であるから、上記請求項1の「正方形の軌道の滑車」の解釈としては、滑車の外形が正方形であると解するほかない。

2 引用発明及び周知技術
(1)本願優先日前に頒布され、原査定の拒絶理由に引用された引用文献1(実願昭56-167511号(実開昭57-96217号)のマイクロフィルム)には次の記載が認められる。
ア 明細書2頁8行ないし3頁3行
「本考案は、・・・流路を横断する如く壁体に網状スクリーンを緊張架設し、該流路の下流側には昇降装置によりブラシが網状スクリーン裏側を摺動するようにして網状スクリーンの目詰まりを清掃する後面清掃装置を設け、上流側には、昇降装置により網状スクリーン及び該網状スクリーンの上方に延設する壁体の上面を摺動する前面レーキを網状スクリーンと平行して移送して塵芥を掻上げて排出する前面レーキ装置から成るものである。尚、網状スクリーンは織ったもの或いは突を打抜いたものが良い。」
イ 明細書3頁4行ないし5頁6行
「本考案の実施例を図面に基づいて説明する。
(1)は流路であり、該流路(1)には後傾してネットスクリーン(2)が横断する如く上部(2a)を、ネットスクリーン(2)と同一面になるように設けた壁体(3)に充分な張力を与えて緊張架設している。尚、(2b)はネットスクリーン(2)の目である。
(4)はネットスクリーン(2)の下流側に平行に設けられた後面レーキ装置[審決注:後面清掃装置の誤記]である。該後面清掃装置(4)は昇降装置(5)とブラシ(10)から形成される。昇降装置(5)はネットスクリーン(5)[審決注:(2)の誤記]の流路(1)の下流側の上下端左右にスプロケットホイール(7)(8)を軸架し、該スプロケットホイール(7)(8)間に無端チェーン(9)をネットスクリーン(2)と平行に懸架し、該無端チェーン(9)にブラシ(10)を適宜間隔に装着する。尚、ブラシ(10)は左右の無端チェーン(9)に側板(11)を横架し、該側板(11)の上面に装着しており、ブラシ(10)の先端はネットスクリーン(2)の裏面を摺動するように設けられている。
(12)はネットスクリーン(2)の上流側にネットスクリーン(2)と平行に設けられた前面レーキ装置であり、支持台(13)におけるネットスクリーン(2)の上部(2a)と壁体(3)の上方にチェーンスプロケット(14)を軸架し、該チェーンスプロケット(14)のチェーン(15)に前面レーキ(16)を等間隔に装着する。該前面レーキ(16)は、ネットスクリーン(2)の表側を摺動するように櫛歯状に形成して設けられている。
(17)は、壁体(3)上端に形成したシュートであり、(18)は受タンク、(19)は後面レーキ装置(4)及び前面レーキ装置(12)の駆動モータである。
ウ 第1図


エ 第2図

オ 明細書5頁7行ないし6頁3行
「しかして、後面清掃装置(4)を時計方向に或いは反時計方向に、前面レーキ装置(12)を反時計方向に後面レーキ装置[審決注:後面清掃装置の誤記](4)よりも速く回転する。後面清掃装置(4)のブラシ(10)はネットスクリーン(2)の裏側を摺動してネットスクリーン(2)の目(2b)に詰まっている塵芥を清掃し、前面レーキ装置(12)の前面レーキ(16)により塵芥をネットスクリーン(2)に沿って上方へ掻き上げる。
次に前面レーキ(16)によってネットスクリーン(2)の上部に掻上げられた塵芥は前面レーキ(16)によって壁体(3)の上端まで移送されると共に傾斜するシュート(17)から受タンク(18)内に自動的に投入される。」
(2)以上から、引用文献1に記載された発明を次のように認定できる。
「ネットスクリーンよりも水流の上流にネットスクリーンと平行に設けられた前面レーキ装置であって、支持台における壁体の上方にチェーンスプロケットを軸架し、該チェーンスプロケットのチェーンに前面レーキを等間隔に装着され、駆動モータにより駆動され、前面レーキにより塵芥をネットスクリーンに沿って上方に掻き上げ、塵芥が受けタンクに自動的に投入される前面レーキ装置。」(以下「引用発明」という。)
(3)原査定の拒絶理由において周知技術を示す文献として引用された引用文献4(実公昭8-12892号公報)には、おおむね次のような記載がある。
ア 考案ノ名称
水路自働除塵装置
イ 図面ノ略解
図面ハ本考案装置ヲ示ス
ウ 実用新案ノ性質、作用及効果ノ要領
図ニ於イテハ塵芯篩トシテ水路内ニ傾斜シテ設置セラレタル公知ノ鉄格子(30)ヲ示シ水ハ矢ニ示ス方向ニ流レ塵芥ハ該鉄格子ニ篩ハレテ其ノ表面ニ附着スルモノトス篩ハレタル塵芥ノ掻取装置ハ無端状ノ鎖ニ前記鉄格子ノ間隙ヘ突出スヘキ掻出爪(31)ヲ突設シタルモノヨリ成リ電動機(32)ニ駆動セラレテ順次矢ノ方向ニ循環移行シ鉄格子表面ニ附着セル塵芥ヲ掻出爪ニヨリテ掻取ルコト普通ノ如シ
エ 図


3 対比・判断
(1)本願発明と引用発明とを対比する
ア 引用発明は、その全体的な作用からみて、「固体の異物を包含している水から前記異物を取り除くための薄板装置」における装置である。
イ 引用発明における「支持台」は、その構造からみて、本願発明における「取付板」に相当する。引用発明において、支持台にチェーンスプロケットが軸架されていることから、支持台の内側面には、軸を保持するための開口が存在することが読み取れる。
ウ 引用発明における「チェーンスプロケット」は、本願発明における「滑車」に対応する。前記第3、1(3)で検討したように、本願発明における滑車は外形が正方形になっており、この点で、外形が円形の引用発明のスプロケットと相違がある。
エ チェーンとは、剛体をリンクで結合したものであり、隣接する剛体と枢動可能に結合されていることは技術常識であるから、引用発明におけるチェーンも、剛体のリンクバーで構成された駆動チェーンであって、各前記剛体のリンクバーは、互いに連結され、その結果、各リンクバーが、隣接するリンクバーと枢動可能に相互に作用することも読み取れることである。
オ 引用発明における「前面レーキ」は、本願発明におけるスキミングバーに相当する。引用発明においても、引用文献1の第1図から読み取れるように、前面レーキ(16)は、2つの隣接する駆動チェーンに取り付けられており、前面レーキによって2つの隣接する駆動チェーンの間隔が定められるということができる。
(2)一致点・相違点
ア 以上から、本願発明と引用発明との一致点は、
「固体の異物を包含している水から前記異物を取り除くための薄板装置における、少なくとも2つの取付板の組み合わせであって、
各前記取付板は、内側面およびその中の中心の開口部を有し、
各取付板の開口部は、その中に挿入された共通の回転軸の1つの端部を有し、
各取付板の内側面近くに滑車が取り付けられ、および
滑車各々の上に、剛体のリンクバーで構成された駆動チェーンが取り付けられ、
前記剛体のリンクバーは、互いに連結され、
その結果、各リンクバーが、隣接するリンクバーと枢動可能に相互に作用することによって、複数の剛体のスキミングバーによって、間隔を置いた配置で互いに付けられている2つの隣接する駆動チェーンを形成することを特徴とする組み合わせ。」である点と認められる。
イ 本願発明と引用発明との相違点は、
滑車に関して、本願発明では、外形が正方形の滑車であるのに対し、引用発明では、外形が円形のスプロケットである点で相違する。
(3)相違点についての検討
上記第3、2(3)で摘記したように、原査定の拒絶理由において引用された引用文献4の図面から、外形が6角形の滑車が、水から異物を取り除くための装置に用いられていることが周知であることが読み取れる。多角形の滑車として、外形を正方形とした滑車を採用することにも、チェーンにおけるリンクバーの長さや軌道の回転径に応じて周知技術から容易になし得ることというべきである。
また、上記相違点による、作用効果上の相違が格別なものであるとの請求人の主張・立証はなされていないが、念のため検討しても、滑車における外形を円形から正方形に変更したところで、作用効果上、予測を超える効果が生ずるということはできない。
(4)請求人の平成28年1月29日付け意見書における主張について
ア 請求人は、本願発明における「スキミングバー」は、異物を掻き上げることなく回収するものであるから、引用発明における「スクレーパー」と相違する旨主張する。
イ しかしながら、「スキミング」には、すくい取るという意味があるところ、多孔板と接触する態様を除外する意味があるとは解せないし、前記第3、1(2)アにおいて摘記したように、スキミングバーの遠位端に柔軟で弾力のあるスキミング材料が取り付けられるところ、接触しても破損等しないように、すくい取る手段を柔軟で弾力のある材料で構成する周知技術に照らすと、本願発明でも、多孔板との接触は許容されていると解される。請求人の主張は採用できない。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項に係る発明に論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2017-10-31 
結審通知日 2017-11-01 
審決日 2017-11-14 
出願番号 特願2014-130675(P2014-130675)
審決分類 P 1 8・ 572- Z (B01D)
P 1 8・ 121- Z (B01D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 関根 崇長谷川 真一青木 太一  
特許庁審判長 千壽 哲郎
特許庁審判官 門前 浩一
小野田 達志
発明の名称 水から異物を取り除くための薄板装置  
代理人 清原 義博  
代理人 清原 義博  
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