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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 F01N |
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管理番号 | 1339086 |
審判番号 | 不服2017-11331 |
総通号数 | 221 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2018-05-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2017-07-31 |
確定日 | 2018-04-24 |
事件の表示 | 特願2014-38111「建設機械」拒絶査定不服審判事件〔平成27年9月7日出願公開、特開2015-161259、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成26年2月28日の出願であって、平成28年12月14日付けで拒絶理由通知がされ、平成29年2月16日に意見書及び手続補正書が提出され、平成29年4月27日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、平成29年7月31日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。 第2 原査定の概要 原査定(平成29年4月27日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 本願の請求項1及び2に係る発明は、以下の引用文献1ないし4に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.特開2012-237232号公報 2.特開2013-75728号公報(周知技術を示す文献) 3.特開2008-273236号公報(周知技術を示す文献) 4.特開2003-20936号公報(周知技術を示す文献) 第3 本願発明 本願の請求項1及び2に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」及び「本願発明2」という。)は、平成29年2月16日の手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。 「【請求項1】 エンジンの排気流路中に設置され、排気ガスの窒素酸化物を還元剤により還元浄化する還元触媒、ならびに、前記排気流路中に還元剤を噴射する還元剤噴射弁を備えた排気ガス浄化装置と、 前記還元剤噴射弁に還元剤供給配管を介して接続された還元剤タンクと、 前記エンジンと機械的に接続し、前記エンジンの駆動により、作動油タンクに貯留された作動油を送り出す油圧ポンプと、 走行体と、 前記走行体の上部に旋回可能に設けられ、メインフレームを含む旋回体と、 前記旋回体の前部に設けられた運転室と、 前記メインフレームの一方の側部に取り付けられた、単一のベッドとを備え、 前記ベッドには、前記運転室の側から前記ベッドの長手方向に沿って、前記還元剤タンク、前記作動油タンク、前記油圧ポンプ、前記エンジンの順にこれらが並んで配設されて単一のモジュールとされ、 前記排気ガス浄化装置は、前記ベッドに固着した支持台により支持され、前記油圧ポンプの上方に配設している建設機械。」 また、本願発明2は、本願発明1の全ての発明特定事項を含むものである。 第4 引用文献、引用発明等 1.引用文献1について (1)引用文献1の記載事項 原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された上記引用文献1(特開2012-237232号公報)には、図面(特に、図1ないし図3を参照。)とともに次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。 ア 「【0022】 図1において、1は土砂の掘削作業等に用いられる建設機械としての油圧ショベルである。この油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載され、該下部走行体2と共に車体を構成する上部旋回体3と、該上部旋回体3の前側に俯仰動可能に設けられた作業装置4とにより大略構成されている。 【0023】 作業装置4は、後述の旋回フレーム5を構成する左,右の縦板5B,5Cの前側位置に俯仰動可能に取付けられたブーム4Aと、該ブーム4Aの先端部に俯仰動可能に取付けられたアームと、該アームの先端部に回動可能に取付けられたバケット等の作業具(いずれも図示せず)とにより大略構成されている。 【0024】 さらに、作業装置4には、ブーム4Aを俯仰動するためのブームシリンダ4Bが設けられ、該ブームシリンダ4Bは、基端側が左,右の縦板5B,5Cの最前部に回動可能に取付けられ、先端側がブーム4Aの中間位置に取付けられている。同様に、ブーム4Aとアームとの間にはアームシリンダが設けられ、アームと作業具との間には作業具シリンダ(いずれも図示せず)が設けられている。 【0025】 上部旋回体3は、図2に示すように、後述の旋回フレーム5、キャブ6、エンジン8、熱交換装置10、ラジエータ循環路14、物品収容箱18、排気ガス後処理装置21、尿素水噴射弁24、尿素水タンク25、接続配管26、暖房用室内機28、暖房用循環路29、尿素水加熱部30、分岐循環路31等により大略構成されている。 【0026】 5は上部旋回体3の支持構造体を形成する旋回フレームである。この旋回フレーム5は、前,後方向に延びる厚肉な鋼板等からなる底板5Aと、該底板5A上に立設され、左,右方向に所定の間隔をもって前,後方向に延びた左縦板5B,右縦板5Cと、該各縦板5B,5Cの左,右方向の外側に間隔をもって配置され、前,後方向に延びた左サイドフレーム5D,右サイドフレーム5Eと、前記底板5A、各縦板5B,5Cから左,右方向の外側に張出し、その先端部に前記左,右のサイドフレーム5D,5Eを支持する複数本の張出しビーム5Fと、前記底板5A、各縦板5B,5Cと各サイドフレーム5D,5Eとの間を覆うアンダカバー5Gとにより大略構成されている。 【0027】 6は左縦板5Bの左側に位置して旋回フレーム5上に搭載されたキャブである。このキャブ6は、オペレータが搭乗するもので、その内部にはオペレータが着座する運転席6A、作業用レバー6B、走行用レバー6C等(いずれも図示せず)が配設されている。キャブ6内には、例えば運転席6Aの後側に位置して後述の暖房用室内機28が設けられている。 【0028】 7は旋回フレーム5の後端部に取付けられたカウンタウエイトで、該カウンタウエイト7は、作業装置4との重量バランスをとるものである。カウンタウエイト7は、前面が平坦面となり、後面が湾曲するように突出した中空容器として形成され、その内部には、鉄スクラップ、コンクリート等の重量物が充填されている。また、カウンタウエイト7の前側には、後述のエンジン8等が配設されている。 【0029】 8は旋回フレーム5の後側に設けられたエンジンである。このエンジン8は、ディーゼルエンジンとして構成され、旋回フレーム5上に横置き状態で搭載されている。このエンジン8には、外気を吸込んで後述の熱交換装置10に供給するための冷却ファン8Aが設けられている。エンジン8内には、図3に示すように、稼動時の温度上昇を抑えるための冷却水が流通するウォータジャケット8Bが設けられ、該ウォータジャケット8Bの流入側には、冷却水を圧送供給するための冷却水ポンプ8Cが設けられている。さらに、エンジン8の外面には、ウォータジャケット8Bに接続するための4個の接続口8D,8E,8F,8Gが設けられている。」 イ 「【0034】 15はエンジン8を挟んで熱交換装置10と反対側に取付けられた油圧ポンプで、該油圧ポンプ15は、エンジン8によって駆動されることにより、後述の作動油タンク16からの作動油を圧油として各種アクチュエータに向けて吐出するものである。 【0035】 16はエンジン8(油圧ポンプ15)の前側に位置して旋回フレーム5上に設けられた作動油タンクで、この作動油タンク16は、油圧ポンプ15に供給する作動油を貯えるものである。17は作動油タンク16の前側に隣接するように旋回フレーム5上に設けられた燃料タンクで、この燃料タンク17は、エンジン8に供給する燃料を貯えるものである。 【0036】 18はキャブ6と左,右方向の反対側となる燃料タンク17の前側に位置して旋回フレーム5上に設けられた物品収容箱である(図1参照)。この物品収容箱18は、内部が空洞となるボックス構造をなし、その内部には、後述の尿素水タンク25等が収容されている。」 ウ 「【0039】 次に、粒子状物質を除去するPM捕集装置22と窒素酸化物(NOx)を除去するNOx浄化装置23とを備えた排気ガス後処理装置21の構成について、図2、図3を参照しつつ述べる。 【0040】 21はエンジン8の排気管9に接続して設けられた排気ガス後処理装置である。この排気ガス後処理装置21は、排気ガス中の粒子状物質(PM:Particulate Matter)を捕集して除去するPM捕集装置22と、排気ガス中の窒素酸化物(NOx)を還元剤となる尿素水(尿素水溶液)を用いて浄化する後述のNOx浄化装置23とを備えるものである。そして、排気ガス後処理装置21は、PM捕集装置22とNOx浄化装置23とにより大略構成されている。 【0041】 22はエンジン8の排気管9の出口側に接続して設けられたPM捕集装置(粒子状物質除去装置)である。このPM捕集装置22は、排気ガスに含まれる粒子状物質(PM)を捕集して除去するものである。PM捕集装置22は、円筒状容器として形成された筒状ケース22Aと、該筒状ケース22A内に収容されたPM捕集フィルタ22Bとにより大略構成されている。このPM捕集フィルタ22Bは、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集し、捕集した粒子状物質を燃焼させて除去するものである。 【0042】 23はPM捕集装置22の下流側に接続して設けられたNOx浄化装置である。このNOx浄化装置23は、尿素水を利用して排気ガス中の窒素酸化物(NOx)を浄化するものである。NOx浄化装置23は、筒状容器として形成された筒状ケース23Aと、該筒状ケース23Aの入口側をPM捕集装置22の出口側に接続する中間配管23Bと、前記筒状ケース23Aの出口側から上側に延びた尾管23Cと、前記筒状ケース23A内に収容された尿素選択還元触媒23Dと、該尿素選択還元触媒23Dの下流側に設けられた酸化触媒23Eとにより大略構成されている。 【0043】 ここで、NOx浄化装置23は、中間配管23Bに設けられた後述の尿素水噴射弁24により排気ガス中に尿素水を噴射し、尿素選択還元触媒23Dにより尿素水から生成されたアンモニアを用いて排気ガス中のNOxを還元反応させ、水と窒素に分解し、さらに、酸化触媒23Eでは、NOxを還元した後に残った残留アンモニアを酸化することにより、水と窒素に分離することができる。 【0044】 24はNOx浄化装置23の中間配管23Bに設けられた尿素水噴射弁で、該尿素水噴射弁24は、尿素選択還元触媒23Dの上流側となる中間配管23B内に尿素水を噴射するものである。尿素水噴射弁24は、後述の接続配管26、供給ポンプ27を介して尿素水タンク25に接続されている。 【0045】 次に、還元剤である尿素水を貯え、この貯えた尿素水をNOx浄化装置23に対して供給するための構成について説明する。 【0046】 25はNOx浄化装置23と接続して設けられた尿素水タンクを示している。この尿素水タンク25は、尿素水噴射弁24からNOx浄化装置23に噴射するための尿素水を貯えるもので、物品収容箱18内に収容されている。尿素水タンク25は、ボックス状の密閉容器として形成され、上部には給水用の給水口25Aが設けられている。一方、尿素水タンク25の下部には、後述の接続配管26が接続されている。 【0047】 ここで、尿素水は、-11℃以下で凍結するから、寒冷地で作業する場合には、尿素水が凍結しないように熱を加える必要がある。そこで、尿素水タンク25には、温度上昇したエンジン8の冷却水を利用して尿素水に熱を加える後述の尿素水加熱部30が設けられている。 【0048】 26は尿素水タンク25と尿素水噴射弁24とを接続して設けられた接続配管である。この接続配管26には、尿素水タンク25側寄りに位置して供給ポンプ27が設けられている。これにより、尿素水タンク25内の尿素水は、接続配管26を介して尿素水噴射弁24に加圧状態で供給することができる。」 エ 上記アの「上部旋回体3は、図2に示すように、後述の旋回フレーム5、キャブ6、エンジン8、熱交換装置10、ラジエータ循環路14、物品収容箱18、排気ガス後処理装置21、尿素水噴射弁24、尿素水タンク25、接続配管26、暖房用室内機28、暖房用循環路29、尿素水加熱部30、分岐循環路31等により大略構成されている。」(段落【0025】)並びに図1及び図2の記載から、キャブ6は、上部旋回体3の前側に設けられたことが分かる。 オ 上記アの「8は旋回フレーム5の後側に設けられたエンジンである。このエンジン8は、ディーゼルエンジンとして構成され、旋回フレーム5上に横置き状態で搭載されている。」(段落【0029】)、上記イの「15はエンジン8を挟んで熱交換装置10と反対側に取付けられた油圧ポンプで、該油圧ポンプ15は、エンジン8によって駆動されることにより、後述の作動油タンク16からの作動油を圧油として各種アクチュエータに向けて吐出するものである。」(段落【0034】)、「16はエンジン8(油圧ポンプ15)の前側に位置して旋回フレーム5上に設けられた作動油タンクで、この作動油タンク16は、油圧ポンプ15に供給する作動油を貯えるものである。」(段落【0035】)及び「18はキャブ6と左,右方向の反対側となる燃料タンク17の前側に位置して旋回フレーム5上に設けられた物品収容箱である(図1参照)。この物品収容箱18は、内部が空洞となるボックス構造をなし、その内部には、後述の尿素水タンク25等が収容されている。」(段落【0036】)の記載並びに図1及び図2の記載から、旋回フレーム5には、前側からL字状に、尿素水タンク25、作動油タンク16、油圧ポンプ15、エンジン8の順にこれらが並んで配設されていることが分かる。 カ 図1及び図2の記載から、排気ガス後処理装置21は、油圧ポンプ15の上方に配設していることが分かる。 (2)引用発明 上記(1)からみて、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「エンジン8の排気管9に接続して設けられ、排気ガスの窒素酸化物を尿素水により還元反応させ、浄化する尿素選択還元触媒23D、ならびに、中間配管23B中に尿素水を噴射する尿素水噴射弁24を備えた排気ガス後処理装置21と、 前記尿素水噴射弁24に接続配管26を介して接続された尿素水タンク25と、 前記エンジン8によって駆動されることにより、作動油タンク16に貯えられた作動油を吐出する油圧ポンプ15と、 下部走行体2と、 前記下部走行体2上に旋回可能に搭載され、旋回フレーム5を含む上部旋回体3と、 前記上部旋回体3の前側に設けられたキャブ6とを備え、 前記旋回フレーム5には、前側からL字状に、前記尿素水タンク25、前記作動油タンク16、前記油圧ポンプ15、前記エンジン8の順にこれらが並んで配設され、 前記排気ガス後処理装置21は、前記油圧ポンプ15の上方に配設している油圧ショベル1。」 2.引用文献2について (1)引用文献2の記載事項 原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された上記引用文献2(特開2013-75728号公報)には、図面(特に図1、図2及び図4を参照。)とともに次の事項が記載されている。 ア 「【0009】 図1?10を参照して、本発明による作業機械の一実施の形態を説明する。図1は、本実施の形態に係る作業機械の一例としてのクローラクレーンの外観側面図である。このクローラクレーン(以下、単にクレーンと呼ぶ)100は、走行体1と、旋回輪2を介して走行体1上に旋回可能に設けられた作業機械本体である旋回体3と、旋回体3に回動可能に軸支されたブーム4とを有する。なお、後述する図2に示すように、走行体1は、トラックフレーム1aと、トラックフレーム1aの左右に設けられた一対のサイドフレーム1R,1Lとを有する。旋回体3の右側前部には運転室8が設けられ、旋回体3の後部にはカウンタウエイト9が取り付けられている。旋回体3には巻き上げ用のウインチドラムである巻上ドラム5と、起伏用のウインチドラムである起伏ドラム6が搭載されている。」 イ 「【0011】 図2は、旋回体3の周囲に設けられたステップ20の配設状況について示す図であり、図2(a)は側面図であり、図2(b)は平面図であり、図2(c)は正面図である。なお、図2では、ブーム4や巻上ドラム5、起伏ドラム6等の記載を省略している。図3は、旋回体3のフレームのうち、メインフレーム50の左側に取り付けられる左側フレーム(左側ベッド)60を示す図であり、図3(a)は上面図であり、図3(b)は側面図であり、図3(c)は下面図である。図4は、旋回体3のフレームのうち、メインフレーム50の右側に取り付けられる右側フレーム(右側ベッド)70を示す図であり、図4(a)は上面図であり、図4(b)は側面図であり、図4(c)は下面図である。なお、以下の説明では、特にことわりがない限り、各図で示す前後上下方向および左右方向を、図2に示したクレーン100の前後上下方向および左右方向と同じ方向を指すこととする。 【0012】 図2に示すように、旋回体3のフレームは、メインフレーム50と、メインフレーム50の左側に取り付けられる左側ベッド60と、メインフレーム50の右側に取り付けられる右側ベッド70と、メインフレーム50の右側前部に取り付けられる運転室フレーム(運転室ベッド)80とを有する。左側のステップ20は、後述する支持部材であるブラケット30,40を介して左側ベッド60の左方に取り付けられている。右側のステップ20は、ブラケット30,40を介して右側ベッド70および運転室ベッド80の右方に取り付けられている。なお、ステップ20は、取り付けおよび取り外しの便宜上(主として1人で取り付け、取り外しができるように重量の観点から)、前後方向に複数枚に分割して設けられている。 【0013】 メインフレーム50は、図2では図示していないが、巻上ドラム5や起伏ドラム6、旋回モータ等が搭載され、ブーム4やカウンタウエイト9等が取り付けられるフレームである。 【0014】 左側ベッド60は、たとえば、不図示の燃料タンクや、巻上ドラム5や起伏ドラム6などを駆動する不図示の油圧モータに供給する圧油を制御するコントロールバルブ等が搭載されるフレームである。左側ベッド60の上部には、左側建屋カバー13が取り付けられている。左側建屋カバー13の左側面には扉が設けられている。左側建屋カバー13の扉を開けば、左側ベッド60に取り付けられたステップ20の上に作業者が載って、左側ベッド60に搭載された各機器の点検が可能である。 【0015】 右側ベッド70は、たとえば、不図示のエンジンや油圧ポンプ、作動油タンク、ラジエータ等が搭載されるフレームである。右側ベッド70の上部には、右側建屋カバー14が取り付けられている。右側建屋カバー14の右側面には扉が設けられている。右側建屋カバー14の扉を開けば、右側ベッド70に取り付けられたステップ20の上に作業者が載って、右側ベッド70に搭載された各機器の点検が可能である。運転室ベッド80は、運転室8が搭載されるフレームである。なお、クレーン100の機種によっては、右側ベッド70と運転室ベッド80とが一体化されていることもある。」 (2)引用文献2記載技術 上記(1)からみて、上記引用文献2には次の技術(以下、「引用文献2記載技術」という。)が記載されていると認められる。 「クローラクレーン100において、走行体1上に旋回可能に設けられ、メインフレーム50を含む旋回体3と、前記メインフレーム50の右側に取り付けられた、単一の右側ベッド70とを備え、前記右側ベッド70には、作動油タンク、油圧ポンプ、エンジンが搭載される技術。」 3.引用文献3について (1)引用文献3の記載事項 原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された上記引用文献3(特開2008-273236号公報)には、図面(特に図1ないし図5及び図9ないし図12を参照。)とともに次の事項が記載されている。 ア 「【0022】 以下、本発明に係る建設機械の実施の形態を、大型の油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、図1ないし図12を参照しつつ詳細に説明する。 【0023】 1は建設機械の代表例としての大型の油圧ショベルで、この油圧ショベル1は、例えば鉱山での露天掘り作業等に好適に用いられるものである。そして、油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、該上部旋回体3の前部側に俯仰動可能に設けられた作業装置4とにより大略構成されている。 【0024】 ここで、上部旋回体3は、図3及び図4に示すように、強固な支持構造体をなして前,後方向に延びる旋回フレーム5と、該旋回フレーム5の後端部に取付けられ作業装置4との重量バランスをとるカウンタウエイト6と、旋回フレーム5の右側に取付けられ前,後方向に延びる後述の右エンジンユニット9と、旋回フレーム5の左側に取付けられ前,後方向に延びる後述の左エンジンユニット24とにより大略構成されている。 【0025】 そして、これら旋回フレーム5、カウンタウエイト6、右エンジンユニット9、左エンジンユニット24は、例えばトレーラ、貨物船等の輸送手段によって個別に作業現場に輸送された後、作業現場において上部旋回体3として組立てられる構成となっている。 【0026】 ここで、旋回フレーム5は、図4及び図9等に示すように、厚肉な鋼板等からなり前,後方向に延びる底板5Aと、該底板5A上に立設され左,右方向で対面しつつ前,後方向に延びる左,右の縦板5B,5Cとにより大略構成されている。そして、左,右の縦板5B,5Cの前端側には、作業装置4の基端側が回動可能に取付けられ、左,右の縦板5B,5Cの後端側には、カウンタウエイト6が着脱可能に取付けられる構成となっている。また、旋回フレーム5のうちカウンタウエイト6よりも前側となる部位には、作動油タンク7と燃料タンク8とが前,後方向に並んで配設されている。」 イ 「【0044】 24は旋回フレーム5の左側に着脱可能に取付けられた左エンジンユニットで、該左エンジンユニット24は、旋回フレーム5に沿って前,後方向に延びる1個のユニットからなっている。そして、左エンジンユニット24も、上述した右エンジンユニット9とほぼ同様に、後述のベース部材25と、エンジン組立体部26と、熱交換器組立体部30とにより大略構成されている(図4、図10参照)。 【0045】 25は左エンジンユニット24のベースとなるベース部材で、該ベース部材25は、全体として前,後方向に延びる長方形の枠状に形成され、強固な支持構造体をなしている。そして、ベース部材25は、旋回フレーム5の底板5A、左縦板5Bにボルト等を用いて着脱可能に取付けられ、後述のエンジン組立体部26、熱交換器組立体部30等が搭載されるものである。 【0046】 26はベース部材25上に搭載されたエンジン組立体部(エンジンアッセンブリ)で、該エンジン組立体部26は、後述のエンジン27、油圧ポンプ28、エンジン建屋29等により大略構成されている。 【0047】 27はベース部材25の後部側に搭載された左側のエンジンで、該エンジン27は、図4等に示すように、前,後方向に延びる縦置き状態でベース部材25上に支持されている。そして、エンジン27の前端側には、油圧ショベル1に搭載された各種油圧アクチュエータに向けて圧油を供給する複数の油圧ポンプ28が取付けられている。 【0048】 29はベース部材25上に設けられたエンジン建屋で、該エンジン建屋29は、ベース部材25上に搭載されたエンジン27、油圧ポンプ28等を覆うものである。そして、エンジン建屋29は、エンジン27、油圧ポンプ28等と共にエンジン組立体部26を構成している。」 ウ 「【0055】 35は左エンジンユニット24を構成するベース部材25の前部側に設けられたキャブベッドで、該キャブベッド35は角筒状の箱体からなり、後述のキャブ36を支持するものである。 【0056】 36は上部旋回体3の前部左側に配置されたキャブで、該キャブ36は、左エンジンユニット24に設けられたキャブベッド35上に取付けられている。そして、キャブ36内には、オペレータが着席する運転席、操作レバー、走行レバー等の操作機器類(いずれも図示せず)が配設される構成となっている。」 エ 「【0058】 本実施の形態による油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、次に、油圧ショベル1の上部旋回体3を組立てる手順について図9ないし図12を参照して説明する。なお、上部旋回体3の組立作業は、通常、下部走行体上に旋回フレーム5を取付けた状態で行われるが、図9ないし図11は、簡略化のため下部走行体を省略した状態で示す。 【0059】 まず、図9に示すように、右エンジンユニット9を、クレーン等(図示せず)を用いて旋回フレーム5の右側に配置する。そして、右エンジンユニット9のベース部材10を、ボルトを用いて旋回フレーム5の右縦板5C等に取付ける。この場合、右エンジンユニット9は、ベース部材10と、該ベース部材10に互いに分割可能に取付けられるエンジン組立体部11及び熱交換器組立体部17とにより構成されている。 【0060】 このため、例えばベース部材10にエンジン組立体部11を取付けた状態で、ベース部材10を旋回フレーム5に取付けた後、このベース部材10の後部側に熱交換器組立体部17のみを単独で取付けることができる。 【0061】 次に、図10に示すように、左エンジンユニット24を、クレーン等を用いて旋回フレーム5の左側に配置する。そして、左エンジンユニット24のベース部材25を、ボルトを用いて旋回フレーム5の左縦板5B等に取付ける。この場合、左エンジンユニット24は、ベース部材25と、該ベース部材25に互いに分割可能に取付けられるエンジン組立体部26及び熱交換器組立体部30とにより構成されている。 【0062】 このため、例えばベース部材25にエンジン組立体部26を取付けた状態で、ベース部材25を旋回フレーム5に取付けた後、このベース部材25の後部側に熱交換器組立体部30のみを単独で取付けることができる。 【0063】 そして、図11に示すように、旋回フレーム5の右側に右エンジンユニット9を取付け、旋回フレーム5の左側に左エンジンユニット24を取付けた状態で、図12に示すように、旋回フレーム5の後端部にカウンタウエイト6を取付け、左エンジンユニット24の前部側に配置されたキャブベッド35上にキャブ36を取付ける。さらに、例えば右エンジンユニット9のベース部材10に通路部材37を取付けると共に、左エンジンユニット24のベース部材25に通路部材38を取付けることにより、上部旋回体3を組立てることができる。」 (2)引用文献3記載技術 上記(1)からみて、上記引用文献3には次の技術(以下、「引用文献3記載技術」という。)が記載されていると認められる。 「油圧ショベル1において、下部走行体2上に旋回可能に搭載され、旋回フレーム5を含む上部旋回体3と、前記上部旋回体3の前部に設けられたキャブ36と、前記旋回フレーム5の左側に取り付けられた、単一のベース部材25とを備え、前記ベース部材25には、前記キャブ36の側から前記ベース部材25の長手方向に沿って、油圧ポンプ28、エンジン27の順にこれらが並んで搭載されて1個のユニットとされる技術。」 4.引用文献4について (1)引用文献4の記載事項 原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された上記引用文献4(特開2003-20936号公報)には、図面(特に図1及び図3を参照。)とともに次の事項が記載されている。 ア 「【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構成においては構造複雑でコストも高く、寒冷時には常時ヒータを入れておく必要があり、エネルギーを浪費するという問題がある。 【0005】本発明は、上記の問題点に着目してなされたものであり、寒冷時の液体還元剤の凍結防止に効果があり、エンジン始動後早期に温度を上昇させることができ、構造簡単でコストが安く、エネルギーを浪費することのないNOx還元触媒用液体還元剤タンクの配置構造を提供することを目的としている。」 イ 「【0021】図1はNOx還元触媒付エンジンを搭載した車両の一例である油圧ショベル50の外観斜視図である。図1において、走行体51に旋回自在に搭載された上部旋回体1には、運転室2、エンジン、油圧機器等を覆う外装3および作業機52が搭載されている。 【0022】図2は前記の上部旋回体1の概略平面図である。図2において、上部旋回体1には運転室2と、外装3を構成するエンジンルーム4、タンクカバー5、および油圧機器20のバルブ21を収納するバルブ室6が搭載されている。エンジンルーム4内には吸い込み式の冷却ファン11と、油圧機器20の油圧ポンプ22とを有するエンジン10と、熱交換器12としてのラジエータ13、作動油クーラ14、空冷式アフタークーラ15とが配置されている。タンクカバー5内には作動油タンク23と燃料タンク24とが配置されている。冷却風は矢印aのように外部から吸い込まれ、熱交換器12を通ってエンジンの周囲を矢印のように流れる。運転室2とバルブ室6との間の上部旋回体1の中央部には、油圧機器20である旋回用の油圧モータ26が配置されている。」 ウ 「【0029】図3は第7実施形態のものを示す。図2に示したものと同一部材には同一符号を付して説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。図2において、液体還元剤タンク25はタンクカバー5内の、作動油タンク23と燃料タンク24との間のに配置されている。そのため液体還元剤タンク25は保温され、液体還元剤の凍結防止に効果があるとともに、稼動後は作動油タンク23および燃料タンク24の熱により暖められる。」 (2)引用文献4記載技術 上記(1)からみて、上記引用文献4には、図3に示される第7実施形態に関して、次の技術(以下、「引用文献4記載技術」という。)が記載されていると認められる。 「油圧ショベル50において、走行体51に旋回自在に搭載された上部旋回体1と、前記上部旋回体1の前部に設けられた運転室2とを備え、前記上部旋回体1には、前部側からL字状に、液体還元剤タンク25、作動油タンク23、油圧ポンプ22、エンジン10の順にこれらが並んで配置される技術。」 第5 対比・判断 1.本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを、その機能、構造又は技術的意義を考慮して対比すると、引用発明の「エンジン8」は本願発明1の「エンジン」に相当し、以下同様に、「排気管9に接続して設けられ」ることは「排気流路中に設置され」ることに、「排気ガス」は「排気ガス」に、「窒素酸化物」は「窒素酸化物」に、「尿素水」は「還元剤」に、「還元反応させ、浄化する」ことは「還元浄化する」ことに、「尿素選択還元触媒23D」は「還元触媒」に、「中間配管23B中に尿素水を噴射する」ことは「排気流路中に還元剤を噴射する」ことに、「尿素水噴射弁24」は「還元剤噴射弁」に、「排気ガス後処理装置21」は「排気ガス浄化装置」に、「接続配管26」は「還元剤供給配管」に、「尿素水タンク25」は「還元剤タンク」に、「作動油タンク16」は「作動油タンク」に、「貯えられ」ることは「貯留され」ることに、「作動油」は「作動油」に、「吐出する」ことは「送り出す」ことに、「油圧ポンプ15」は「油圧ポンプ」に、「下部走行体2」は「走行体」に、「下部走行体2上に旋回可能に搭載され」ることは「走行体の上部に旋回可能に設けられ」ることに、「上部旋回体3」は「旋回体」に、「キャブ6」は「運転室」に、「前側」は「前部」に、「油圧ショベル1」は「建設機械」にそれぞれ相当する。 引用発明の油圧ポンプ15は、技術常識に照らせば、エンジン8と機械的に接続しているから、引用発明の「前記エンジン8によって駆動されることにより、作動油タンク16に貯えられた作動油を吐出する油圧ポンプ15」は、本願発明1の「前記エンジンと機械的に接続し、前記エンジンの駆動により、作動油タンクに貯留された作動油を送り出す油圧ポンプ」に相当する。 引用発明の「旋回フレーム5を含む上部旋回体3」と、本願発明1の「メインフレームを含む旋回体」とは、「フレームを含む旋回体」という限りにおいて一致する。 引用発明の「前記旋回フレーム5には、前側からL字状に、前記尿素水タンク25、前記作動油タンク16、前記油圧ポンプ15、前記エンジン8の順にこれらが並んで配設され」ることと、本願発明1の「前記ベッドには、前記運転室の側から前記ベッドの長手方向に沿って、前記還元剤タンク、前記作動油タンク、前記油圧ポンプ、前記エンジンの順にこれらが並んで配設され」ることとは、「前部側から、前記還元剤タンク、前記作動油タンク、前記油圧ポンプ、前記エンジンの順にこれらが並んで配設され」という限りにおいて一致する。 したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。 <一致点> 「エンジンの排気流路中に設置され、排気ガスの窒素酸化物を還元剤により還元浄化する還元触媒、ならびに、前記排気流路中に還元剤を噴射する還元剤噴射弁を備えた排気ガス浄化装置と、 前記還元剤噴射弁に還元剤供給配管を介して接続された還元剤タンクと、 前記エンジンと機械的に接続し、前記エンジンの駆動により、作動油タンクに貯留された作動油を送り出す油圧ポンプと、 走行体と、 前記走行体の上部に旋回可能に設けられ、フレームを含む旋回体と、 前記旋回体の前部に設けられた運転室とを備え、 前部側から、前記還元剤タンク、前記作動油タンク、前記油圧ポンプ、前記エンジンの順にこれらが並んで配設され、 前記排気ガス浄化装置は、前記油圧ポンプの上方に配設している建設機械。」 <相違点> 本願発明1においては、走行体の上部に旋回可能に設けられた旋回体が「メインフレーム」を含み、「メインフレームの一方の側部に取り付けられた、単一のベッド」を備え、「ベッド」には、「運転室の側からベッドの長手方向に沿って」、還元剤タンク、作動油タンク、油圧ポンプ、エンジンの順にこれらが並んで配設されて「単一のモジュールとされ」、排気ガス浄化装置は、「ベッドに固着した支持台により支持され」、油圧ポンプの上方に配設しているのに対し、 引用発明においては、下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3が「旋回フレーム5」を含み、「旋回フレーム5」には、「前側からL字状に」、尿素水タンク25、作動油タンク16、油圧ポンプ15、エンジン8の順にこれらが並んで配設され、排気ガス後処理装置21は、油圧ポンプ15の上方に配設している点。 (2)相違点についての判断 引用文献2記載技術は「クローラクレーン100において、走行体1上に旋回可能に設けられ、メインフレーム50を含む旋回体3と、前記メインフレーム50の右側に取り付けられた、単一の右側ベッド70とを備え、前記右側ベッド70には、作動油タンク、油圧ポンプ、エンジンが搭載される技術。」というものである。 引用文献2記載技術は、「単一の右側ベッド70」を備えるものであるが、「右側ベッド70には、作動油タンク、油圧ポンプ、エンジンが搭載」されるものに過ぎないから、本願発明1の「『ベッド』には、『運転室の側からベッドの長手方向に沿って』、還元剤タンク、作動油タンク、油圧ポンプ、エンジンの順にこれらが並んで配設」される構成を有するものではない。 引用文献3記載技術は、「油圧ショベル1において、下部走行体2上に旋回可能に搭載され、旋回フレーム5を含む上部旋回体3と、前記上部旋回体3の前部に設けられたキャブ36と、前記旋回フレーム5の左側に取り付けられた、単一のベース部材25とを備え、前記ベース部材25には、前記キャブ36の側から前記ベース部材25の長手方向に沿って、油圧ポンプ28、エンジン27の順にこれらが並んで搭載されて1個のユニットとされる技術。」というものである。 引用文献3記載技術は、「単一のベース部材25」を備えるものであるが、「ベース部材25には、前記キャブ36の側から前記ベース部材25の長手方向に沿って、油圧ポンプ28、エンジン27の順にこれらが並んで搭載」されるものに過ぎないから、本願発明1の「『ベッド』には、『運転室の側からベッドの長手方向に沿って』、還元剤タンク、作動油タンク、油圧ポンプ、エンジンの順にこれらが並んで配設」される構成を有するものではない。 引用文献4記載技術は、「油圧ショベル50において、走行体51に旋回自在に搭載された上部旋回体1と、前記上部旋回体1の前部に設けられた運転室2とを備え、前記上部旋回体1には、前部側からL字状に、液体還元剤タンク25、作動油タンク23、油圧ポンプ22、エンジン10の順にこれらが並んで配置される技術。」というものである。 引用文献4記載技術は、「前記上部旋回体1には、前部側からL字状に、液体還元剤タンク25、作動油タンク23、油圧ポンプ22、エンジン10の順にこれらが並んで配置」されるものに過ぎないから、本願発明1の「『ベッド』には、『運転室の側からベッドの長手方向に沿って』、還元剤タンク、作動油タンク、油圧ポンプ、エンジンの順にこれらが並んで配設」される構成を有するものではない。 したがって、引用文献2記載技術、引用文献3記載技術及び引用文献4記載技術は、相違点に係る本願発明1の構成のうち、少なくとも、「『ベッド』には、『運転室の側からベッドの長手方向に沿って』、還元剤タンク、作動油タンク、油圧ポンプ、エンジンの順にこれらが並んで配設」される構成を備えていない。 また、引用発明において、「旋回フレーム5」の「前側からL字状に」、尿素水タンク25、作動油タンク16、油圧ポンプ15、エンジン8の順にこれらが並んで配設される構成を、引用文献2記載技術、引用文献3記載技術及び引用文献4記載技術を適用して、「『ベッド』には、『運転室の側からベッドの長手方向に沿って』、還元剤タンク、作動油タンク、油圧ポンプ、エンジンの順にこれらが並んで配設」される構成とする動機付けを見出すことができない。 したがって、本願発明1は、当業者が引用発明、引用文献2記載技術、引用文献3記載技術及び引用文献4記載技術に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 2.本願発明2について 本願発明2は、本願発明1の全ての発明特定事項を含むものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者が引用発明、引用文献2記載技術、引用文献3記載技術及び引用文献4記載技術に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 第6 むすび 以上のとおり、本願発明1及び2は、当業者が引用発明、引用文献2記載技術、引用文献3記載技術及び引用文献4記載技術に基づいて容易に発明をすることができたものではない。 したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2018-04-09 |
出願番号 | 特願2014-38111(P2014-38111) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(F01N)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 稲村 正義 |
特許庁審判長 |
冨岡 和人 |
特許庁審判官 |
西山 智宏 佐々木 芳枝 |
発明の名称 | 建設機械 |
代理人 | 特許業務法人 武和国際特許事務所 |