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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  C08G
審判 全部申し立て 2項進歩性  C08G
管理番号 1339148
異議申立番号 異議2017-700596  
総通号数 221 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-05-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-06-13 
確定日 2018-02-13 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6063059号発明「エポキシ樹脂の硬化剤または可塑剤として有効なスチレン化フェノール」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6063059号の特許請求の範囲及び明細書を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲及び訂正明細書のとおり、訂正後の請求項[1?3]、[4?6]、[7?9]について訂正することを認める。 特許第6063059号の請求項4に係る特許を維持する。 特許第6063059号の請求項1ないし3、5ないし9に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。  
理由 第1 主な手続の経緯等

特許第6063059号(設定登録時の請求項の数は9。以下、「本件特許」という。)は、平成25年11月25日に出願された特許出願に係るものであって、平成28年12月22日付けでその特許権の設定登録がされた。
特許異議申立人 三光株式会社(以下、単に「異議申立人」という。)は、平成29年6月13日(受理日:同月14日)、本件特許の請求項1ないし9に係る特許に対して特許異議の申立てをした。
当審において、平成29年9月11日付けで取消理由を通知したところ、特許権者から、同年12月12日付けで訂正請求書(以下、当該訂正請求書による訂正請求を「本件訂正請求」という。)及び意見書が提出されたので、同年12月13日付けで異議申立人に対して特許法第120条の5第5項に基づく通知をしたところ、異議申立人から、平成30年1月11日付けで意見書が提出されたものである。

第2 訂正の適否についての判断

1 訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は以下の訂正事項1ないし12である。なお、下線については訂正箇所に当審が付したものである。

(1) 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1を削除する。

(2) 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2を削除する。

(3) 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3を削除する。

(4) 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項4の
「エポキシ樹脂の可塑剤。」
との記載を、
「エポキシ樹脂の可塑剤であって、前記スチレン化フェノールは、n=1のモノスチレン化フェノール(MSP)50?75重量%、n=2のジスチレン化フェノール(DSP)15?35重量%、及びn=3のトリスチレン化フェノール(TSP)6?8重量%の含有比を有することを特徴とするエポキシ樹脂の可塑剤。」
に訂正する。

(5) 訂正事項5
特許請求の範囲の請求項5を削除する。

(6) 訂正事項6
特許請求の範囲の請求項6を削除する。

(7) 訂正事項7
特許請求の範囲の請求項7を削除する。

(8) 訂正事項8
特許請求の範囲の請求項8を削除する。

(9) 訂正事項9
特許請求の範囲の請求項9を削除する。

(10) 訂正事項10
願書に添付した明細書の段落【0009】に記載された
「本発明は、下記一般式(1)で表わされるスチレン化フェノールおよびアミンからなるエポキシ樹脂の硬化剤または可塑剤を特徴とする。」
との記載を
「下記一般式(2)で表されるスチレン化フェノール及びアミンからなるエポキシ樹脂の可塑剤であって、前記スチレン化フェノールは、n=1のモノスチレン化フェノール(MSP)50?75重量%、n=2のジスチレン化フェノール(DSP)15?35重量%、及びn=3のトリスチレン化フェノール(TSP)6?8重量%の含有比を有することを特徴とするエポキシ樹脂の可塑剤である。」
に訂正する。

(11) 訂正事項11
願書に添付した明細書の段落【0010】の
「【化1】


との記載を
「【化2】


に訂正する。

(12) 訂正事項12
願書に添付した明細書の段落【0011】の
「本発明は、エポキシ樹脂を含む主剤部と、前記一般式で表わされるスチレン化フェノールおよびアミンからなる硬化剤部と、からなるエポキシ塗料を特徴とする。」
との記載を
「(式中、nは1、2、または3である。)」
に訂正する。

2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否及び一群の請求項
(1) 訂正事項1ないし3、5ないし9について
ア 訂正事項1ないし3、5ないし9は、訂正前の特許請求の範囲の請求項1ないし3、5ないし9を削除するというものであるから、当該訂正事項1ないし3、5ないし9は、特許請求の範囲を減縮することを目的とするものであるといえる。そして、当該訂正事項1ないし3、5ないし9は、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

イ よって、訂正事項1ないし3、5ないし9は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号を目的とし、同法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合するものである。

(2)訂正事項4について
ア 訂正事項4の訂正は、訂正前の請求項4に記載されている「スチレン化フェノール」について、当該スチレン化フェノールに含有されるモノスチレン化フェノール(NSP)とジスチレン化フェノール(DSP)及びトリスチレン化フェノール(TSP)の含有比を特定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ そして、当該訂正事項4は、願書に最初に添付した明細書の段落【0024】及び実施例の記載から、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ウ よって、訂正事項4は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号を目的とし、同法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合するものである。

(3) 訂正事項10ないし12について
ア 訂正事項10ないし12は、上記訂正事項1ないし9で、特許請求の範囲が訂正されたことにより、明細書の発明の詳細な説明における課題を解決するための手段部分の記載を当該訂正事項1ないし9の訂正と整合させるための訂正であるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるといえる。そして、当該訂正事項10ないし12は、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

イ よって、訂正事項10ないし12は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号を目的とし、同法第120条の5第9項で準用する同法第126条第4項に適合するものである。

(4) 一群の請求項について
訂正事項10ないし12は、発明の詳細な説明の訂正であって、当該訂正は、特許請求の範囲全体にかかるものである。そして、訂正前の請求項は、請求項1ないし3、請求項4ないし6、請求項7ないし9という3つの一群の請求項からなるものである。そうすると、上記訂正事項1ないし12は、請求項1ないし3、請求項4ないし6、請求項7ないし9という3つの一群の請求項について求められているといえる。

3 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項及び同条第9項において準用する同法第126条第4項ないし第6項の規定に適合するので、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項[1?3]、[4?6]、[7?9]について訂正することを認める。

第3 本件発明

上記第2のとおり、本件訂正請求による訂正は認められるので、本件特許の請求項1ないし9に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」ないし「本件発明9」という。)は、平成29年12月12日付け訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1ないし12に記載された事項により特定される以下に記載のとおりのものである。

「【請求項1】
(削除)
【請求項2】
(削除)
【請求項3】
(削除)
【請求項4】
下記一般式(2)で表わされるスチレン化フェノールおよびアミンからなるエポキシ樹脂の可塑剤であって、
前記スチレン化フェノールは、n=1のモノスチレン化フェノール(MSP)50?75重量%、n=2のジスチレン化フェノール(DSP)15?35重量%、及びn=3のトリスチレン化フェノール(TSP)6?8重量%の含量比を有することを特徴とするエポキシ樹脂の可塑剤。
【化1】

(式中、nは1、2、または3である。)
【請求項5】
(削除)
【請求項6】
(削除)
【請求項7】
(削除)
【請求項8】
(削除)
【請求項9】
(削除)」

第4 取消理由の概要

平成29年9月11日付けで通知した取消理由は、概略、以下のとおりである。

「【理由1】 本件特許の請求項1ないし9に係る発明は、本件特許の出願前に頒布された下記の刊行物に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。
【理由2】 本件特許の請求項1ないし9に係る発明は、本件特許の出願前に頒布された下記の刊行物に記載された発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。

・・・
刊行物1: 特表2008-505996号公報(特許異議申立書の証拠方法である甲第1号証。)
刊行物2: 特表2013-506030号公報(特許異議申立書の証拠方法である甲第2号証。」
なお、当該取消理由は、概略特許異議申立書に記載された取消理由に対応している。

第5 合議体の判断

当合議体は、以下に述べるように、上記取消理由には、理由がないと判断する。

1 刊行物1に記載の発明
本件特許の出願前に頒布されたことが明らかな刊行物1には、特許請求の範囲の請求項1、2、7、8、9、段落【0001】、【0005】、【0011】、【0012】?【0016】、【0020】?【0022】、【0025】、【0037】、【0041】の記載から、請求項1を引用する請求項7を引用する請求項8として、次の発明(以下、「刊行物1発明」という。)が記載されているといえる。

「a) 一般式(I):
【化1】(イメージ省略)
[式中、nは、10?70である。]
で表されるポリエーテルジアミン30?70重量%;
b) 一般式R_(1)-NH_(2)[式中、R_(1)は、5?22個の炭素原子を有する炭化水素かまたは分子量400g/molまでを有する単官能性ポリエーテルアミンかの直鎖または分岐、飽和または、好ましくは、不飽和基である。]で表されるモノアミン3?30重量%;
c) ジ-またはトリアミン3?30重量%;および、
d) 一般式(II):
【化2】(イメージ省略)
[式中、R_(2)は、5?14個の炭素原子を有する炭化水素の直鎖、分岐または環式、飽和または不飽和基である。]
で表されるアルキルフェノール5?40重量%;
当該アルキルフェノールが、スチレン化されたフェノールである、
を含む組成物。」

2 刊行物2に記載された発明
刊行物2の特許請求の範囲の請求項1、3、4、5、17、段落【0001】、【0006】、【0007】、【0022】、【0029】?【0037】、【0041】、【0052】、【0053】、【0056】、【0057】、【0071】?【0083】の記載から、実施例2における第2の組成物として、次の発明(以下、「刊行物2発明」という。)が記載されているといえる。

「アミン硬化剤であるアミノエチレンエタノールアミン19.2重量部とフェノール系化合物であるスチレン化フェノール10.3部からなる第2の組成物。」

3 本件発明4と刊行物1発明との対比・判断
本件発明4と刊行物1発明とを対比する。
刊行物1発明の
「a) 一般式(I):
【化1】(イメージ省略)
[式中、nは、10?70である。]
で表されるポリエーテルジアミン30?70重量%;
b) 一般式R_(1)-NH_(2)[式中、R_(1)は、5?22個の炭素原子を有する炭化水素かまたは分子量400g/molまでを有する単官能性ポリエーテルアミンかの直鎖または分岐、飽和または、好ましくは、不飽和基である。]で表されるモノアミン3?30重量%;
c) ジ-またはトリアミン3?30重量%」
は、本件発明4における「アミン」に相当する。
刊行物1発明の
「d) 一般式(II):
【化2】(イメージ省略)
[式中、R_(2)は、5?14個の炭素原子を有する炭化水素の直鎖、分岐または環式、飽和または不飽和基である。]
で表されるアルキルフェノール5?40重量%;
当該アルキルフェノールが、スチレン化されたフェノールである」
は、本件発明4における「下記一般式(2)で表されるスチレン化フェノール
【化1】

(式中、nは1、2、または3である。)」に相当する。
本件発明4の「エポキシ樹脂の可塑剤」は、用途を除外した組成物という限りにおいて、刊行物1発明の「組成物」に相当する。

そうすると、本件発明4と刊行物1発明とは、
「下記一般式(2)で表わされるスチレン化フェノールおよびアミンからなる組成物。
【化1】

(式中、nは1、2、または3である。)」で一致し、以下の点で相違する。

<相違点1>
組成物の用途に関し、本件発明4は、「エポキシ樹脂の可塑剤」と特定するのに対し、刊行物1発明は、この点を特定しない点。

<相違点2>
本件発明4は、「前記スチレン化フェノールは、n=1のモノスチレン化フェノール(MSP)50?75重量%、n=2のジスチレン化フェノール(DSP)15?35重量%、及びn=3のトリスチレン化フェノール(TSP)6?8重量%の含量比を有する」と特定するのに対し、刊行物1発明は、この点を特定しない点。

以下、相違点について検討する。
相違点1について
本件特許の明細書における発明の詳細な説明において、「スチレン化フェノールの粘度は、ノニルフェノールの粘度よりも低いため、エポキシ樹脂との混合時に可塑性がさらに向上して作業性に優れるという特徴がある。」(段落【0027】)との記載はあるものの、本件発明4のエポキシ樹脂の可塑剤としての性能は全く確認されておらず、実施例として、エポキシ塗料に配合される硬化剤部に利用されているものが記載されているのみである。
一方、刊行物1においても、エポキシ樹脂の塗料に対してスチレン化フェノールが配合されていて、比較的低い粘度を有するとされている(段落【0041】)。
してみれば、刊行物1発明の組成物も本件特許の明細書における発明の詳細な説明の開示内容から見れば、エポキシ樹脂の可塑剤といいうるものであるから、相違点1は実質上の相違点ではない。

相違点2について
刊行物1には、用いられているスチレン化フェノールの成分については一切記載されていない。
一方で、刊行物2において、市販されているスチレン化フェノールとして記載されている「MSP-75(SI Group社から商業的に入手可能)」は、特許異議申立書に添付された参考資料(MSP-75のTECHNICAL DATA SHEET、04/10/2013 、SI Group Crios Resinas S/A)によれば、n=1のモノスチレン化フェノール(MSP)66?81重量%、n=2のジスチレン化フェノール(DSP)15?31重量%、及びn=3のトリスチレン化フェノール(TSP)最大3重量%の含量比を有するものであって、相違点2に係る配合比を有するスチレン化フェノールではない。
そして、刊行物1においては、相違点2に係る含有比を有するスチレン化フェノールは記載されていないし、特許異議申立書に添付されたいずれの証拠にも相違点2に係る特定の配合比を有するスチレン化フェノールは記載されていないから、刊行物1発明のスチレン化フェノールが相違点2に係るスチレン化フェノールということはできないので、相違点2は実質的な相違点である。
そして、刊行物1発明のスチレン化フェノールを相違点2に係る特定の配合比のスチレン化フェノールとすることは、そもそも、そのようなスチレン化フェノールが存在することが立証されておらず、そのようなスチレン化フェノールを選択する動機もなく、想到容易ということはできない。

以上のことから、本件発明4と刊行物1発明との間には、実質的な相違点として相違点2が存在することから、本件発明4は、刊行物1に記載された発明ではない。そして、相違点2の検討から、本件発明4は、刊行物1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

4 本件発明4と刊行物2発明との対比・判断
本件発明4と刊行物2発明とを対比する。
刊行物2発明の「アミン硬化剤であるアミノエチレンエタノールアミン」は、本件発明4における「アミン」に相当する。
刊行物2発明の「フェノール系化合物であるスチレン化フェノール」は、本件発明4における「下記一般式(2)で表されるスチレン化フェノール
【化1】

(式中、nは1、2、または3である。)」に相当する。
本件発明4の「エポキシ樹脂の可塑剤」は、用途を除外した組成物という限りにおいて、刊行物2発明の「第2の組成物」に相当する。

そうすると、本件発明4と刊行物2発明とは、
「下記一般式(2)で表わされるスチレン化フェノールおよびアミンからなる組成物。
【化1】

(式中、nは1、2、または3である。)」で一致し、以下の点で相違する。

<相違点3>
組成物の用途に関し、本件発明4は、「エポキシ樹脂の可塑剤」と特定するのに対し、刊行物2発明は、この点を特定しない点。

<相違点4>
本件発明4は、「前記スチレン化フェノールは、n=1のモノスチレン化フェノール(MSP)50?75重量%、n=2のジスチレン化フェノール(DSP)15?35重量%、及びn=3のトリスチレン化フェノール(TSP)6?8重量%の含量比を有する」と特定するのに対し、刊行物2発明は、この点を特定しない点。

事案に鑑み、相違点4から検討する。
刊行物2には、刊行物2発明のスチレン化フェノールに含まれるMSP、DSP、TSPの配合比については全く記載されていないが、利用できる市販のスチレン化フェノールとして、「MSP-75(SI Group社から商業的に入手可能)」が例示されている。
当該MSP-75は、特許異議申立書に添付された参考資料(MSP-75のTECHNICAL DATA SHEET、04/10/2013 、SI Group Crios Resinas S/A)によれば、n=1のモノスチレン化フェノール(MSP)66?81重量%、n=2のジスチレン化フェノール(DSP)15?31重量%、及びn=3のトリスチレン化フェノール(TSP)最大3重量%の含量比を有するものであって、相違点4に係る配合比を有するスチレン化フェノールではない。
そして、特許異議申立書に添付されたいずれの証拠にも相違点4に係る特定の配合比を有するスチレン化フェノールは記載されていない。
そうすると、刊行物2発明のスチレン化フェノールを相違点4に係る特定の配合比を有するスチレン化フェノールとすることは、そもそも、そのようなスチレン化フェノールが存在することが立証されておらず、そのようなスチレン化フェノールを選択する動機もなく、想到容易ということはできない。

以上のことから、相違点3について検討するまでもなく、本件発明4と刊行物2発明との間には、実質的な相違点として相違点4が存在することから、本件発明4は、刊行物2に記載された発明ではない。そして、相違点4の検討から、本件発明4は、刊行物2発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

5 異議申立人の主張の検討
異議申立人は、平成30年1月11日付け(受理日:同月15日)意見書において、概略以下の主張を行っている。

主張1:「・・・通常、流通し、使用されているスチレン化フェノールには、NSP、DSP、TSPを含有することが公知であり、公知の方法で合成できるものである。本件特許の訂正前の請求項4に記載のスチレン化フェノールも実質、公知のものと同じである。従って、スチレン化フェノールと言えば、MSP、DSP、TSPをそれぞれ適宜の重量%で含むものであることが周知であり当業者にとっても自明である。してみると、・・・訂正後の請求項4にMSP 50-75重量%、DSP 15-35重量% 及びTSP 6-8重量%の文言が加わったからと言って新規性ないし進歩性が認められるものではない。」
主張2:「TSPの含有量を6-8重量%に減縮することで、含有量Max3%のTSPに比し顕著な作用効果が得られるならば兎も角、本件特許明細書中にはそのような効果が得られるとする一言半句の記載もない。従って、甲2及びMSP-75の上記『TECHNICAL DATA SHEET』の存在下で、重複範囲を外すだけの目的で含有量を6-8重量%に減縮する程度のことは当業者にとって想到容易なことと言えるから、訂正後の請求項4は、新規性ないし進歩性を欠くものである。」
主張3:「本件特許の審査過程の『本願明細書にはスチレン化フェノールの含有比を特定範囲とすることによる有利な効果についての記載はないから、・・・格別顕著な効果とは認められない。』との認定判断は、TSPの重量%を6-8重量%に減縮した訂正後の請求項4の発明にもそのまま当てはまるものである。」
主張4:「減縮訂正は作用効果(可塑性をより向上させる)とは無縁のものである。減縮が作用効果に具現されない限り、単なる公知部分との重複を外す訂正に過ぎず、実質同一性の回避とはならない。」

以下、上記主張について検討する。
主張1、2及び4について
スチレン化フェノールには、NSP、DSP、TSPを含有することが公知であり、スチレン化フェノールと言えば、MSP、DSP、TSPをそれぞれ適宜の重量%で含むものであることが周知であることは、異議申立人の主張のとおりであるが、本件発明4は、MSP、DSP、TSPの具体的な配合量を特定しており、当該配合比が特定されたスチレン化フェノールが刊行物1及び刊行物2に記載されていないことは上記3及び4での検討のとおりであるから、新規性がないとの主張は失当であって採用できない。
進歩性の主張に関しては、相違点が存在したときに、想到容易というためには、まず、相違点に係る構成の効果についての検討の以前にその相違点に係る構成が想到容易であることを論証しなければならないのであって、その手順を踏まずに効果がない相違点は全て容易であるということはできず、進歩性に関する主張も失当であって採用できない。
主張3について
本件特許は審査を経て特許されたものであることからすると、審査過程における拒絶理由は解消されているとみるのが相当であるから、その主張は失当であるし、訂正後の本件発明4は、TSPの重量%を6-8重量%に減縮することによって存在が立証されていない配合比のスチレン化フェノールに限定されたから、それ以前の請求項に対する認定判断と異なるのは当然であって、異議申立人の主張は失当で採用できない。

6 まとめ
以上のことから、平成29年9月11日付けで通知した取消理由の理由1および理由2には、理由がなく、本件特許の請求項4に係る特許は、特許法第113条第2項に該当せず、取り消されるべきものではない。

第6 むすび

以上のとおりであるから、特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件特許の請求項4に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件特許の請求項4に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
加えて、請求項1ないし3及び5ないし9に係る特許は、訂正により、削除されたため、本件特許の請求項1ないし3及び5ないし9に対して、異議申立人がした特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しない。

よって、結論のとおり決定する。

 
発明の名称 (54)【発明の名称】
エポキシ樹脂の硬化剤または可塑剤として有効なスチレン化フェノール
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エポキシ樹脂の硬化剤または可塑剤として有効なスチレン化フェノールに関する。
【背景技術】
【0002】
エポキシ樹脂は、その硬化物が、機械的特性、電気的特性、熱的特性、耐薬品性、接着性などの点で優れた性能を有することから、塗料、電気電子用絶縁材料、接着剤などの幅広い用途に利用されている。
また、エポキシ樹脂は、硬さ強度、硬度、耐日光性、加工性などの物性に優れており、硬化時に揮発性物質が発生したり体積が収縮したりする虞がないことから、エポキシ樹脂に適合した硬化剤を配合してコンクリート素地に用いる塗料として使用することもある。コンクリートを保護するために用いられる他のタイプの塗料に比べて、エポキシ硬化型塗料は、収縮性が低く、機械・化学的耐性が高いため、高機能性塗料に好適である。
【0003】
一方、ノニルフェノール(Nonylphenol)は、固有の物理化学的特性によってエポキシ硬化型塗料分野で硬化剤または可塑剤として利用されることを始め、様々な産業分野で広範囲な用途に適用されている。しかし、ノニルフェノールは、腎臓への毒性及び内分泌系ホルモンの攪乱物質として知られており、産業界での使用禁止、または使用範囲がだんだん制限されている。
特に、ヨーロッパでは2003年に既に一部の分野でノニルフェノールの全面的な使用禁止または製品内で0.1%以上を超えないように規制している(非特許文献1)。
また、EU Reachでも同じく規制及び管理されている(非特許文献2)。韓国内でもノニルフェノールの危険性に関する報告があり、使用規制を強化して2010年1月から一部の品目を全面的に禁止している。
【0004】
しかし、ノニルフェノールの代替物質が開発されておらず、業界では多くの困難がある。ノニルフェノールの代替物質として使用するためには、優先的にノニルフェノールと同等またはほぼ同様の物理化学的特性を持つべきである。
【0005】
ここで、本発明者らはスチレン化フェノール(Styrenated phenol)の粘度物性及び硬化物性がノニルフェノールと似ているという点に着目し、エポキシ樹脂の硬化剤または可塑剤として用いられるノニルフェノールの代わりにスチレン化フェノールを適用すること鋭意検討した。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】EU Directive2003/53/EC
【非特許文献2】REACH法令集Annex17制限物質
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
スチレン化フェノールは、フェノールとスチレンのアルキル化反応により製造される。スチレン化フェノールは、フェノールのベンゼン環に1つのスチレンが結合されたモノスチレン化フェノール(MSP)、2つのスチレンが結合されたジスチレン化フェノール(DSP)、及び3つのスチレンが結合されたトリスチレン化フェノール(TSP)化合物がある。これらスチレン化フェノールは、合成ゴムまたは樹脂の酸化防止剤として主に使用しているが、スチレン化フェノールをエポキシ樹脂の硬化剤または可塑剤として用いることを記載した文献が報告されたことはまだない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、スチレン化フェノールをエポキシ樹脂の硬化剤に使用する用途を提供することにその目的がある。
また、本発明は、スチレン化フェノールをエポキシ樹脂の可塑剤に使用する用途を提供することにその目的がある。
また、本発明は、硬化剤または可塑剤としてスチレン化フェノールを含むエポキシ塗料を提供することにその目的がある。
【0009】
本発明は、下記一般式(2)で表わされるスチレン化フェノールおよびアミンからなるエポキシ樹脂の可塑剤であって、前記スチレン化フェノールは、n=1のモノスチレン化フェノール(MSP)50?75重量%、n=2のジスチレン化フェノール(DSP)15?35重量%、及びn=3のトリスチレン化フェノール(TSP)6?8重量%の含量比を有することを特徴とするエポキシ樹脂の可塑剤である。
【0010】
【化2】

【0011】
(式中、nは1、2、または3である。)
【発明の効果】
【0012】
スチレン化フェノールは、ノニルフェノールとほぼ同様の物理化学的特性を持つと共に、ノニルフェノール固有の適用性による粘度改善及び硬化促進性を保有しているため、ノニルフェノールの代替物質として効果的である。すなわち、スチレン化フェノールはエポキシ樹脂の硬化剤または可塑剤として好ましい。
【0013】
また、エポキシ樹脂を含む主剤部と、前記一般式(1)で表わされるスチレン化フェノールを含む硬化剤部と、からなるエポキシ塗料に適用する時、コンクリート素地に対する付着性に優れ、硬化時に塗膜の収縮性が低く、硬化塗膜の機械的化学的耐性に優れているため、厚膜型塗料として好ましい。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、スチレン化フェノールの粘度特性及び硬化特性がノニルフェノールのそれと似ていることを確認し、スチレン化フェノールをエポキシ硬化型塗料の製造時に硬化剤または可塑剤に使用することに関する。
【0015】
本発明でのスチレン化フェノールは下記一般式(1)で表わされる。
【0016】
【化2】

(式中、nは1、2、または3である。)
【0017】
本発明では、前記一般式(1)で表わされるスチレン化フェノールにおいて、n=1の化合物はモノスチレン化フェノール「MSP」とし、n=2の化合物はジスチレン化フェノール「DSP」とし、n=3の化合物はトリスチレン化フェノール「TSP」とする。
【0018】
前記一般式(1)で表わされるスチレン化フェノールにおいて、MSPは、具体的に2-(1-フェニルエチル)フェノール(MSP-1)、4-(1-フェニルエチル)フェノール(MSP-2)を含むことができる。
【0019】

【0020】
また、前記一般式(1)で表わされるスチレン化フェノールにおいて、DSPは、具体的に2,4-ビス(1-フェニルエチル)フェノール(DSP-1)、2,6-ビス(1-フェニルエチル)フェノール(DSP-2)を含むことができる。
【0021】

【0022】
また、前記一般式(1)で表わされるスチレン化フェノールにおいて、TSPは、具体的に2,4,6-トリス(1-フェニルエチル)フェノール(TSP-1)を含むことができる。
【0023】

【0024】
前記一般式(1)で表わされるスチレン化フェノールは、フェノールとスチレンを酸触媒下で100℃?150℃の温度で加熱する条件でアルキル化反応させて製造される。具体的には、フェノール1モルに対してスチレン1?1.5モルを反応させると、MSP、DSP、及びTSP化合物がMSP:DSP:TSP=50?75:15?35:1?8重量%の含量比を有する化合物が生成される。
【0025】
MSP、DSP、TSPの重量比は、反応物質として用いられるフェノールとスチレンの反応モル比から定められる。本発明に適合したスチレン化フェノールは、MSPの含量が50重量%以上、好ましくは50?75重量%となるように調節されることが良い。本発明では比較的に高MSP含量を有するスチレン化フェノールを使用するが、その理由はMSPの含量が高いほど粘度が低くなってエポキシ樹脂との混用時に可塑性を付与して作業性が良くなり、ヒドロキシル価(OH Value)が既存のノニルフェノール(240?250)とほぼ同様になって硬化反応を促進するからである。
下記表1にはKumanox-3110製品として商用化されているスチレン化フェノールと、使用規制物質として分類されたノニルフェノールの物性を比較して示す。
【0026】
【表1】

【0027】
前記表1に示すように、スチレン化フェノールは無毒性の物質であって、環境に優しく、重量平均分子量、ヒドロキシル価(OH価)、粘度、色価、水分含量がノニルフェノールとほぼ同様であることが分かる。特に、スチレン化フェノールの粘度は、ノニルフェノールの粘度よりも低いため、エポキシ樹脂との混用時に可塑性がさらに向上して作業性に優れるという特長がある。
【0028】
したがって、前記一般式(1)で表わされるスチレン化フェノールは、ノニルフェノールの代替物質として効果的であり、無毒性物質であるため環境に優しい。
【0029】
一方、本発明は、前記一般式(1)で表わされるスチレン化フェノールを、エポキシ樹脂を主剤として含むエポキシ塗料用硬化剤として使用することをその特徴とする。
【0030】
前記エポキシ塗料は、具体的にエポキシ主剤部と硬化剤部で区分することができる。エポキシ塗料を構成する主剤部には、エポキシ樹脂、非反応性希釈剤、可塑剤などが含まれており、硬化剤部には硬化促進剤、可塑剤などが含まれている。エポキシ塗料の組成成分及び成分比については現在まで多角的な研究が推進されており、本発明ではこれら組成成分及び成分比について特に制限することはない。本発明では、エポキシ塗料において、硬化剤部を構成する硬化剤または可塑剤として前記一般式(1)で表わされるスチレン化フェノールを適用することを特徴とする。スチレン化フェノールを含む硬化剤部は、具体的に硬化剤または可塑剤としてスチレン化フェノール1?40重量%と通常のエポキシ硬化剤60?99重量%を含むことができる。
本発明の実施例では、通常のエポキシ硬化剤としてポリエーテルジアミン系硬化剤を用いた例を具体的に示しているが、本発明は、通常のエポキシ硬化剤成分の選択を特に制限することはない。
【0031】
このようなスチレン化フェノールを含む硬化剤部は、2液型エポキシ塗料として使用することにより塗料の粘度が低くなって作業が容易であり、硬化時間を短縮させて作業性を改善し、塗装表面の硬度が増加して耐久性を向上させるという効果がある。
【0032】
エポキシ主剤部100重量部に対して硬化剤部は通常的に1?40重量部の範囲で配合して硬化塗膜を形成する。
【0033】
上述した本発明は、下記の実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明がこれらの実施例によって限定されることはない。
【0034】
また、下記の実施例で測定された物性は下記の方法で測定した。
[物性測定方法]
1)粘度
粘度は、25℃で回転粘度計測定装置(Brookfield HAT ViscometerまたはBrookfield LV DVE 230 Viscometer)を用いて測定した。
2)色
色は、カラー測定装置(NIPPON DENSHOKU OME 2000)を用いて測定した。
3)アミン価
アミン価は0.1N-HCl滴定法を用いて測定した。
4)硬化時間
硬化時間は100gスケールで25℃(50℃(0.1)水銀温度計)を基点として室温で測定した。
5)ショア硬度
硬度は硬度測定装置(e-Asker Durometer Super EX Type-D)を用いて測定した。最終硬度は80℃で2時間加熱硬化させた試料の硬度を意味し、室温で室温硬化させた試料の硬度変化を毎日測定した。
【0035】
[実施例]
実施例1.スチレン化フェノールの製造
フェノール(300g)、リン酸(H_(3)PO_(4))触媒(1.876g、0.006eq)を入れて140℃まで加熱してスチレン(381.6g、1.15eq)を120分間徐々に滴加した。スチレンの滴加によって反応温度は140℃から170℃まで上昇した。
スチレンの滴加が完了すると、同一反応温度で1時間をさらに反応させた。未反応物を除去するために反応温度を110℃に下げて反応物に硫酸(H_(2)SO_(4))触媒(0.02g、リン酸触媒に対して1?3重量%)を添加し、硫酸が添加されることによって反応温度が125℃まで上昇し、その状態で30分間さらに反応させた。反応物の温度を80℃にし、ここに炭酸ナトリウム水溶液を上述した硫酸と同様の当量比にして添加して30分間中和した。生成された中和塩は、減圧濃縮によって水分を除去し、濾過除去することによってスチレン化フェノール(反応転換率97%、純度97%以上)を得た。
得られたスチレン化フェノールをGC分析した結果、MSP67重量%、DSP27重量%、TSP6重量%の比率を有することを確認した。
【0036】
実験例2.エポキシ塗料用硬化剤部の製造
2-1)スチレン化フェノールを含む硬化剤部(A)
ポリエーテル素材の500mL容量の容器にD-230(Jeffamine、クッド化学製、ポリエーテルジアミン類)198gと前記製造例で製造されたスチレン化フェノール102gを投入し、マグネチック攪拌器を用いて攪拌した。発熱現象が終了すると、70℃まで昇温して30分間さらに攪拌し、100メッシュ分子ふるいを用いて硬化剤部(A)300gを得た。
2-2)ノニルフェノールを含む硬化剤部(B)
ポリエーテル素材の500mL容量の容器にD-230(Jeffamine、クッド化学製、ポリエーテルジアミン類)198gと前記製造例で製造されたノニルフェノール102gを投入し、マグネチック攪拌器を用いて攪拌した。発熱現象が終了すると、70℃まで昇温して30分間さらに攪拌し、100メッシュ分子ふるいを用いて硬化剤部(B)300gを得た。
前記実施例2で製造した硬化剤部(A)、(B)のそれぞれの粘度及びアミン価を測定して下記表2に示す。
【0037】
【表2】

【0038】
実験例.エポキシ塗料の物性比較
KER-828(クムホP&B化学製、エポキシ樹脂)90重量%とベンジルアルコール10重量%を含むエポキシ主剤部100重量部に、前記2-1)または2-2)で製造したそれぞれの硬化剤部40重量部を混合して硬化した。
【0039】
【表3】

【産業上の利用可能性】
【0040】
上述した通り、スチレン化フェノールは、粘度及びアミン価などの物性がノニルフェノールと同等またはほぼ同様の物理化学的性質を持っており、エポキシ塗料の硬化剤部に含む場合は、ノニルフェノールを含む硬化剤部に比べて、スチレン化フェノールを含む硬化剤部は硬化時間が短く、硬化塗膜の硬度が高く、物性に優れるため、作業性及び耐久性の改善効果が得られる。
したがって、スチレン化フェノールは、エポキシ樹脂の硬化剤または可塑剤として効果的である。
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(削除)
【請求項2】
(削除)
【請求項3】
(削除)
【請求項4】
下記一般式(2)で表わされるスチレン化フェノールおよびアミンからなるエポキシ樹脂の可塑剤であって、
前記スチレン化フェノールは、n=1のモノスチレン化フェノール(MSP)50?75重量%、n=2のジスチレン化フェノール(DSP)15?35重量%、及びn=3のトリスチレン化フェノール(TSP)6?8重量%の含量比を有することを特徴とするエポキシ樹脂の可塑剤。
【化1】

(式中、nは1、2、または3である。)
【請求項5】
(削除)
【請求項6】
(削除)
【請求項7】
(削除)
【請求項8】
(削除)
【請求項9】
(削除)
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2018-02-01 
出願番号 特願2015-549244(P2015-549244)
審決分類 P 1 651・ 121- YAA (C08G)
P 1 651・ 113- YAA (C08G)
最終処分 維持  
前審関与審査官 岡▲崎▼ 忠  
特許庁審判長 岡崎 美穂
特許庁審判官 大島 祥吾
渕野 留香
登録日 2016-12-22 
登録番号 特許第6063059号(P6063059)
権利者 錦湖石油化學株式會▲社▼
発明の名称 エポキシ樹脂の硬化剤または可塑剤として有効なスチレン化フェノール  
代理人 阿部 英樹  
代理人 阿部 英樹  
代理人 石島 茂男  
代理人 石島 茂男  

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