• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部無効 特36条4項詳細な説明の記載不備  C01B
審判 全部無効 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  C01B
審判 全部無効 2項進歩性  C01B
管理番号 1339369
審判番号 無効2015-800146  
総通号数 222 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-06-29 
種別 無効の審決 
審判請求日 2015-07-10 
確定日 2018-02-26 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第4889807号発明「8員環細孔開口構造を有するモレキュラーシーブまたはゼオライトを含んで成る新規マイクロポーラス結晶性物質およびその製法およびその使用」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第4889807号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?7,20?22,28〕〔8?12,29〕〔13?19〕〔23?27〕について訂正することを認める。 特許第4889807号の請求項1?9,11?16,19?29に係る特許を無効とする。 特許第4889807号の請求項10,17,18に係る特許についての無効審判の請求を却下する。 審判費用は、被請求人の負担とする。 
理由 第1.手続の経緯

本件特許第4889807号は、2008年3月26日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2007年3月26日、アメリカ合衆国(US))を国際出願日とする特願2010-500962号の願書に添付した特許請求の範囲に記載された請求項1?29に係る発明について、平成23年12月22日に設定登録がされたものである。
本件審判は、上記請求項1?29に係る特許の無効を請求するものであり、その手続の主な経緯は、次のとおりである。

平成27年 7月10日付け:審判請求書提出
同年 9月 2日付け:同請求書の手続補正書提出
同年12月16日付け:審判事件答弁書及び訂正請求書提出
平成28年 3月 4日付け:弁駁書提出
同年 3月31日付け:同弁駁書の手続補正書提出
同年 7月 6日付け:審理事項通知
同年 9月21日付け:口頭審理陳述要領書及び証拠説明書提出
(被請求人)
同年10月 6日付け:口頭審理陳述要領書及び証拠説明書提出
(請求人)
同年10月20日付け:上申書提出(請求人・被請求人)
同年10月20日 :口頭審理実施
平成29年 3月27日付け:審決の予告
同年 7月 3日付け:訂正請求書及び上申書提出(被請求人)
同年 7月13日付け:上申書提出(被請求人)
同年 7月24日付け:訂正拒絶理由通知
同年 7月26日付け:職権審理結果通知
同年 8月28日付け:意見書提出(請求人)
同年 9月15日付け:訂正請求取下書提出
同年 9月19日付け:意見書提出(被請求人)

第2.訂正請求について

1.訂正の内容

平成27年12月16日付けの訂正請求は、以下の訂正事項1?11からなる(下線は訂正箇所)。
なお、平成29年7月3日付けの訂正請求は取下げられている。


訂正事項1
請求項1に「水熱的に安定なマイクロポーラス結晶性物質」とあるのを「アンモニアまたは尿素でのNO_(X)のSCR用の水熱的に安定なマイクロポーラス結晶性物質」に訂正する。

訂正事項2
請求項2に「鉄および/または銅」とあるのを「銅」に訂正する。

訂正事項3
請求項3に「前記鉄および/または銅は、液相または固体のイオン交換によって前記固体へ導入され、または直接合成によって組込まれる」とあるのを「前記結晶性物質は銅陽イオン交換されたSAPO-34を含んで成ることを特徴とする」に訂正する。

訂正事項4
請求項8に「鉄および/または銅」とあるのを「銅」に訂正する。

訂正事項5
請求項9に「鉄および/または銅は液相または固体のイオン交換によって前記固体へ導入され、または直接合成によって組込まれる」とあるのを「前記結晶性物質は銅陽イオン交換されたSAPO-34を含んで成ることを特徴とする」に訂正する。

訂正事項6
請求項10を削除する。

訂正事項7
請求項13の「酸性度を有する」を「酸性度を有し、さらに、銅陽イオンを陽イオン交換工程によって前記モレキュラーシーブに導入する工程を含む」に訂正する。

訂正事項8
請求項17を削除する。

訂正事項9
請求項18を削除する。

訂正事項10
請求項23に「水熱的に安定なマイクロポーラス結晶性物質」とあるのを「アンモニアまたは尿素でのNO_(X)のSCR用の水熱的に安定なマイクロポーラス結晶性物質」に訂正する。

訂正事項11
請求項23に「10体積パーセントまでの水蒸気の存在下に」とあるを「該SAPO-34は10体積パーセントまでの水蒸気の存在下に」に訂正する。

2.訂正要件の判断

(1)訂正事項1,10は、本発明のマイクロポーラス結晶性物質について、用途に係る発明特定事項を直列的に付加するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。そして、訂正前の【請求項8】には、本発明のマイクロポーラス結晶性物質を当該用途に用いることが記載されていたから、この訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(2)訂正事項2,4は、本発明のマイクロポーラス結晶性物質における択一的な発明特定事項の一部を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、この訂正が、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかである。

(3)訂正事項3,5は、本発明のマイクロポーラス結晶性物質における択一的な発明特定事項の一部を削除すると共に、製法による特定に代えて当該製法により得られる製造物の状態を特定するものであるから、特許請求の範囲の減縮と明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、この訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(4)訂正事項6,8,9は、請求項を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、この訂正が、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかである。

(5)訂正事項7は、本発明の製造方法について、工程に係る発明特定事項を直列的に付加するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。そして、本件特許明細書の【0032】には、本発明の製造方法が当該工程を含むことが記載されていたから、この訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(6)訂正事項11は、本発明のマイクロポーラス結晶性物質における物性限定の対象を明確にするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。そして、本件特許明細書の【0042】には、当該物性限定の対象について記載されていたから、この訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(7)訂正事項1に係る訂正前の請求項1の記載を請求項2?7,20?22,28が引用し、訂正事項4に係る訂正前の請求項8の記載を請求項9?12,29が引用し、訂正事項7に係る訂正前の請求項13の記載を請求項14?19が引用し、訂正事項10,11係る訂正前の請求項23の記載を請求項24?27が引用するから、これらの訂正事項を含む本件訂正は、一群の請求項〔1?7,20?22,28〕〔8?12,29〕〔13?19〕〔23?27〕ごとに請求するものと認められる。

3.まとめ

以上のとおり、本件訂正請求による訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書及び同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1?7,20?22,28〕〔8?12,29〕〔13?19〕〔23?27〕について訂正することを認める。

第3.本件発明について

上記訂正請求が認められることから、本件特許の請求項1?9,11?16,19?29に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1?9,11?16,19?29」、まとめて「本件発明」ともいう。)は、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲において請求項1?9,11?16,19?29に記載された次の事項により特定されるものとなった。

【請求項1】
0.3ミクロンを超える結晶寸法を有するSAPO-34を含んで成るアンモニアまたは尿素でのNO_(X)のSCR用の水熱的に安定なマイクロポーラス結晶性物質であって、前記結晶性物質は、10体積パーセントまでの水蒸気の存在下に700?900℃の範囲の温度に16時間の暴露の後に、その表面積およびマイクロ細孔体積の少なくとも80%ならびに少なくとも0.40 mmol/gの酸性度を保持する、マイクロポーラス結晶性物質。
【請求項2】
前記結晶性物質は銅を含んで成ることを特徴とする、請求項1に記載されたマイクロポーラス結晶性物質。
【請求項3】
前記結晶性物質は銅陽イオン交換されたSAPO-34を含んで成ることを特徴とする、請求項2に記載したマイクロポーラス結晶性物質。
【請求項4】
前記SAPO-34は1?20%の量でSiO_(2)を含む、請求項1に記載されたマイクロポーラス結晶性物質。
【請求項5】
前記SAPO-34は0.3?5.0ミクロンの範囲の結晶寸法を有する、請求項1に記載されたマイクロポーラス結晶性物質。
【請求項6】
少なくとも650m^(2)/gの初期表面積を有する、請求項1に記載されたマイクロポーラス結晶性物質。
【請求項7】
少なくとも0.25cc/gの初期マイクロ細孔体積を有する、請求項1に記載されたマイクロポーラス結晶性物質。
【請求項8】
アンモニアまたは尿素でのNO_(x)のSCR用の水熱的に安定したマイクロポーラス結晶性物質であって、前記結晶性物質は0.3ミクロンを超える結晶寸法を有する銅含有SAPO-34を含んで成り、10体積パーセントまでの水蒸気の存在下に900℃までの温度に1時間までの暴露の後にその表面積およびマイクロ細孔体積の少なくとも80%を保持する、マイクロポーラス結晶性物質。
【請求項9】
前記結晶性物質は銅陽イオン交換されたSAPO-34を含んで成ることを特徴とする、請求項8に記載されたマイクロポーラス結晶性物質。
【請求項10】
(削除)
【請求項11】
前記銅が前記物質の総重量の少なくとも1.0重量パーセントを含んで成る、請求項8に記載されたマイクロポーラス結晶性物質。
【請求項12】
前記SAPO-34は1?20%のSiO_(2)を含む、請求項8に記載されたマイクロポーラス結晶性物質。
【請求項13】
SAPO-34を含んで成るシリコアルミノフォスフェート・モレキュラーシーブを製造する方法であって、前記方法は、
アルミナ、シリカおよびホスフェートの原料をTEAOH溶液および水と混合してゲルを形成する工程;
前記ゲルをオートクレーブ中で150?180℃の範囲の温度に加熱して、生成物を得る工程;
前記生成物を冷却し、および要すれば洗浄する工程;
前記生成物を焼成して0.3ミクロンを超える結晶寸法を有しおよび1?20%のSiO_(2)を含むSAPO-34を含んで成るモレキュラーシーブを形成する工程、を含んで成り、
前記モレキュラーシーブは、10体積パーセントまでの水蒸気の存在下に700?900℃の範囲の温度に16時間の暴露の後に、その表面積およびマイクロ細孔体積の少なくとも80%を保持しならびに少なくとも0.40 mmol/gの酸性度を有し、さらに、銅陽イオンを陽イオン交換工程によって前記モレキュラーシーブに導入する工程を含む、方法。
【請求項14】
アルミナの前記原料が擬ベーマイト・アルミナである、請求項13に記載された方法。
【請求項15】
シリカの前記原料がシリカゾルである、請求項13に記載された方法。
【請求項16】
ホスフェートの前記原料がリン酸である、請求項13に記載された方法。
【請求項17】
(削除)
【請求項18】
(削除)
【請求項19】
前記ゲルがオートクレーブ中で180℃の温度に加熱される、請求項13に記載された方法。
【請求項20】
前記暴露が900℃の温度を含んで成る、請求項1に記載されたマイクロポーラス結晶性物質。
【請求項21】
前記結晶性物質が暴露後に0.4?1.00 mmol/gの酸性度を有する、請求項1に記載されたマイクロポーラス結晶性物質。
【請求項22】
前記SAPO-34が0.3?5.0ミクロンの範囲の結晶寸法を有する、請求項1に記載されたマイクロポーラス結晶性物質。
【請求項23】
0.3ミクロンを超える結晶寸法および少なくとも0.40 mmol/gの酸性度を有するSAPO-34を含んで成るアンモニアまたは尿素でのNO_(X)のSCR用の水熱的に安定なマイクロポーラス結晶性物質であって、該SAPO-34は10体積パーセントまでの水蒸気の存在下に700?900℃の範囲の温度に1?16時間にわたっての暴露を含んで成る水熱的老化の後に、その表面積およびマイクロ細孔体積の少なくとも80%を保持する、マイクロポーラス結晶性物質。
【請求項24】
前記SAPO-34は、1?20%の範囲の量のSiO_(2)を含む、請求項23に記載されたマイクロポーラス結晶性物質。
【請求項25】
少なくとも650 m^(2)/gの初期表面積を有する、請求項23に記載されたマイクロポーラス結晶性物質。
【請求項26】
少なくとも0.25cc/gの初期マイクロ細孔体積を有する、請求項23に記載されたマイクロポーラス結晶性物質。
【請求項27】
前記SAPO-34は0.3?5.0ミクロンの範囲の結晶寸法を有する、請求項23に記載されたマイクロポーラス結晶性物質。
【請求項28】
前記銅が前記物質の総重量の約2.0重量パーセントを含んで成る、請求項2に記載されたマイクロポーラス結晶性物質。
【請求項29】
前記銅が前記物質の総重量の約2.0重量パーセントを含んで成る、請求項8に記載されたマイクロポーラス結晶性物質。

第4.当事者の主張について

1.請求人

請求人は、下記甲第1?39号証(以下、「甲1?39」という。)を提出し、上記訂正が認められた場合において、「本件発明1?9,11?16,19?29の特許を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、口頭審理にて確認した次の無効理由1?6を主張している。

無効理由1:甲19の記載も考慮すれば、本件発明1,4?7,19?27は、甲1に記載された発明に甲4?8,27,28に記載された発明を適用することにより、また、本件発明2,3,13?16,28は、甲1に記載された発明に甲4?9,27,28に記載された発明を適用することにより、さらに、本件発明8,9,11,12,29は、甲1に記載された発明に甲4?10,27,28に記載された発明を適用することにより、その優先権の基礎とされた先の出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第123条第1項第2号の規定に該当し、無効とすべきものである。

無効理由2:本件発明1,4?7,13?16,19?27は、甲11に記載された発明に甲4?8,27,28に記載された発明を適用することにより、また、本件発明2,3,28は、甲11に記載された発明に甲4?9,27,28に記載された発明を適用することにより、さらに、本件発明8,9,11,12,29は、甲11に記載された発明に甲1,4?10、27,28に記載された発明を適用することにより、その優先権の基礎とされた先の出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第123条第1項第2号の規定に該当し、無効とすべきものである。

無効理由3:甲13の記載も考慮すれば、本件発明1,4,6,20,21,23?25は、甲12に記載された発明に甲4?8,27,28に記載された発明を適用することにより、また、本件発明2,3,28は、甲12に記載された発明に甲4?9,27,28に記載された発明を適用することにより、さらに、本件発明8,9,11,12,29は、甲12に記載された発明に甲1,4?10、27,28に記載された発明を適用することにより、その優先権の基礎とされた先の出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第123条第1項第2号の規定に該当し、無効とすべきものである。

無効理由4:甲13,17の記載も考慮すれば、本件発明1?9,11,12,20?29は、甲9に記載された発明に甲1,4,6?8,10,20,21に記載された発明及び甲38,30,32,36に記載された周知技術を適用することにより、また、本件発明13?16,19は、甲9に記載された発明に甲1,4,6?8,10に記載された発明及び甲38,30,32,36に記載された周知技術を適用することにより、いずれもその優先権の基礎とされた先の出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第123条第1項第2号の規定に該当し、無効とすべきものである。

無効理由5:甲11,14,18の記載も考慮すれば、本件明細書の発明の詳細な説明の記載が、本件発明1?9,11?16,19?29を実施できる程度に明確かつ十分に記載したものでないから、その特許は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、また、本件特許請求の範囲に記載された本件発明1?9,11?16,19?29は、発明の詳細な説明に記載されたものではないから、その特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第123条第1項第4号の規定に該当し、無効とすべきものである。

無効理由6:甲15,16,26の記載も考慮すれば、本件特許請求の範囲に記載された本件発明1?9,11?16,19?29は、特許を受けようとする発明が明確でないから、その特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第123条第1項第4号の規定に該当し、無効とすべきものである。

2.被請求人

被請求人は、下記乙第1?37号証(以下、「乙1?37」という。)を提出し「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は、請求人の負担とする。」との審決を求めている。

3.証拠方法

甲1:特開昭59-35018号公報
甲2:国際ゼオライト協会の構造委員会のURLに記載のデータベース、平成27年(印刷日)
http://izasc.ethz.ch/fmi/xsl/IZA-SC/ftc_rm.xsl?-db=Atlas_main&-lay=ref&STC=CHA&-find
甲3:Brent M. LOK et al., "Silicoaluminophosphate Molecular Sieves: Another New Class of Microporous Crystalline Inorganic Solids", J. Am. Chem. Soc., 1984, vol.106, pp.6092-6093(乙2に同じ)
甲4:米国特許第5,589,147号明細書
甲5:米国特許第5,430,000号明細書
甲6:W. Addy MAJEWSKI, Magdi K. KHAIR, "Diesel Emissions and Their Control", SAE International, Warrendale, PA, 2006, pp.418-421,450-451(乙5に同じ)
甲7:Joo-Hyoung PARK et al., "Hydrothermal stability of CuZSM5 catalyst in reducing NO by NH_(3) for the urea selective catalytic reduction process", JOURNAL OF CATALYSIS, 2006, vol.240, pp.47-57(乙6に同じ)
甲8:Katariina Rahkamaa-TOLONEN et al., "The effect of NO_(2) on the activity of fresh and aged zeolite catalysts in the NH_(3)-SCR reaction", Catalysis Today, 2005, vol.100, pp.217-222
甲9:T. ISHIHARA et al., "Copper Ion-Exchanged SAPO-34 as a Thermostable Catalyst for Selective Reduction of NO with C_(3)C_(6"), JOURNAL OF CATALYSIS, 1997, vol.169, pp.93-102
甲10:H. YAHIRO et al., "Copper ion-exchanged zeolite catalysts in deNO_(x) reaction", Applied Catalysis A: General, 2001, vol.222, pp.163-181
甲11:特開2004-43296号公報
甲12:特開2003-183020号公報
甲13:審判請求人の指示を受けて試験を行った者である西岡氏の宣誓供述書、2010年9月17日
甲14:審判請求人の指示を受けて試験を行った者である西岡氏の宣誓供述書、2010年9月27日
甲15:J. ROUQUEROL et al.," RECOMMENDATIONS FOR THE CHARACTERIZATION OF POROUS SOLIDS", Pure & Appl. Chem., 1994, Vol.66, No.8, pp.1739-1758
甲16:M. POPOVA et al.,"Methanol conversion to light alkenes over SAPO-34 molecular sieves synthesized using various sources of silicon and aluminium", Applied Catalysis A: General, 1998, vol.169, pp.227-235
甲17:Zhendong Liu博士の宣誓陳述書、2016年3月4日
甲18:Zhendong Liu博士の宣誓陳述書、2016年3月4日
甲19:Zhendong Liu博士の宣誓陳述書、2016年3月4日
甲20:Masakazu IWAMOTO et al., "HANDBOOK OF ZEOLITE SCIENCE AND TECHNOLOGY" 19 Zeolites in the Science and Technology of Nitrogen Monoxide Removal, Marcel Dekker, Inc., 2003, pp.952-953,982-988
甲21:特開平5-31328号公報
甲22:西岡氏の宣誓陳述書、2016年3月3日
甲23:2012年の国際学会に提示したポスター表示物
甲24:西岡氏の実験ノート、2009年1月16日
甲25:国際公開第2010/084930号
甲26:Can LI et al., "HANDBOOK OF ZEOLITE SCIENCE AND TECHNOLOGY" 11 Microporous Materials Characterized by Vibrational Spectroscopies, Marcel Dekker, Inc., 2003, pp.423-425,442-453,502-513
甲27:米国特許第5,248,647号明細書
甲28:Stephen WILSON et al., "The characteristics of SAPO-34 which influence the conversion of methanol to light olefins", Microporous and Mesoporous Materials, 1999, vol.29, pp.117-126
甲29:Zhendong Liu博士の宣誓陳述書、2016年10月3日
甲30:W. Addy MAJEWSKI, Magdi K. KHAIR, "Diesel Emissions and Their Control", SAE International, Warrendale, PA, 2006, pp.403-457
甲31:V. I. PARVULESCU et al., "Catalytic removal of NO", Catalysis Today, 1998, vol.46, pp.233-316
甲32:滝田祐作、「NO_(x)除去SAPO触媒の開発」、季刊化学総説、1999年7月、第41号、第180?188頁
甲33:Bonnie K. MARCUS et al., "Going Green with Zeolites", CHEMICAL ENGINEERING PROGRESS, 1999, pp.47-53
甲34:Grigore POP et al., "NEW APPROACH TOWARD THE SYNTHESIS AND STABILITY OF SAPO-34 AND SAPO-44 MOLECULAR SIEVES", Progress in catalysis, Bucharest, 1993, pp.1-17
甲35:特表2002-534487号公報
甲36:James J. SPIVEY, "Catalysis Volume 12", THE ROYAL SOCIETY OF CHEMISTRY, 1996.05.24, pp.21-51
甲37:特開2000-271447号公報
甲38:国際公開第2006/064805号
甲39:石原達己博士の陳述書、2016年9月16日

参考資料1:米国特許第3,972,983号明細書
参考資料2:訂正後の本件特許発明の構成要件と実施例の関係

乙1:米国特許第4,440,871号明細書
乙2:Brent M. LOK et al., "Silicoaluminophosphate Molecular Sieves: Another New Class of Microporous Crystalline Inorganic Solids", J. Am. Chem. Soc., 1984, vol.106, pp.6092-6093(甲3に同じ)
乙3:米国特許第7,578,987号明細書
乙4:米国特許第5,233,117号明細書
乙5:W. Addy MAJEWSKI, Magdi K. KHAIR, "Diesel Emissions and Their Control", SAE International, Warrendale, PA, 2006, pp.418-421,450-451(甲6に同じ)
乙6:Joo-Hyoung PARK et al., "Hydrothermal stability of CuZSM5 catalyst in reducing NO by NH_(3) for the urea selective catalytic reduction process", JOURNAL OF CATALYSIS, 2006, vol.240, pp.47-57(甲7に同じ)
乙7:Y. WATANABE et al., "Multinuclear NMR Studies on the Thermal Stability of SAPO-34", J. Catalysis, 1993, vol.143, pp.430-436
乙8:T. ISHIHARA et al., "Copper Ion Exchanged Silicoaluminophosphate (SAPO) as a Thermostable Catalyst for Selective Reduction of NO_(x) with Hydrocarbons", Studies in Surface Science and Catalysis, 1994 vol.84, pp.1493-1500
乙9:本件特許に対応する米国特許第7,645,718号(米国特許出願第12/055639号)の審査経過においてUSPTOに提出したHong-Xin Li博士による宣誓供述書、2009年4月30日
乙10:Haijun CHEN et al., "Novel Catalysts Supported on AlPO Type AQSOA Zeolites for Selective Catalytic Reduction of NO_(x"), 要約およびポスター, International Symposium of Zeolites and MicroPorous Crystals, 日本, 広島, 2012年7月18日?8月1日
乙11:Hong-Xin Li博士による宣誓供述書、2015年12月10日
乙12:米国特許出願公開第2012/0020875号明細書
乙13:Zhendong LIU et al., "Widening Synthesis Bottlennecks: Realization of Ultrafast and Continuous-Flow Synthesis of High-Silica Zeolite SSZ-13 for NO_(x) Removal", Angew. Chem. Int. Ed., 2015, vol.54, pp.5683-5687
乙14:Zhendong LIU et al., "A top-down methodology for ultrafast tuning of nanosized zeolites", Chem. Commun., 2015, vol.51, pp.12567-12570
乙15:Pramatha PAYRA et al., "HANDBOOK OF ZEOLITE SCIENCE AND TECHNOLOGY" 1 Zeolites: A Primer, Marcel Dekker, Inc., 2003, pp.9-10
乙16:J. M. THOMAS et al., "Structural Elucidation of Microporous and Mesoporous Catalysts and Molecular Sieves by High-Resolution Electron Microscopy", Acc. Chem. Res., 2001, vol.34, pp.583-594
乙17:Jiri CEJKA et al., "Studies in Surface Science and Catalysis 168 INTRODUCTION TO ZEOLITE SCIENCE AND PRACTICE", 2007, vol.168, pp.196-205,804-819
乙18:Alexander Katz博士による宣誓供述書、2016年9月16日
乙19:米国特許第6,696,032号明細書
乙20:国際公開第01/36328号
乙21:Mehdi SEDIGHI et al., "Effect of phosphorus and water contents on physico-chemical properties of SAPO-34 molecular sieve", Powder Technology, 2014, vol.259, pp.81-86
乙22:乙18の作成時に、PQ社よりKarz博士に提供された社内データの写し
乙23:Joseph C. POSHUSTA et al., "Synthesis and Permeation Properties of SAPO-34 Tubular", Ind. Eng. Chem. Res., 1998, vol.37, pp.3924-3929
乙24:Joseph C. POSHUSTA et al., "Separation of Light Gas Mixtures Using SAPO-34 Membranes", AIChE Journal, April 2000, Vol.46, No.4, pp.779-789
乙25:Y. IWASE et al., "Influence of Si distribution in framework of SAPO-34 and its particle size on propylene selectivity and production rate for conversion of ethylene to propylene", Phys. Chem. Chem. Phys., 2009, vol.11, pp.9268-9277
乙26:米国特許第6,903,240号明細書
乙27:Michael G. ABRAHA et al., "Effects of Particle Size and Modified SAPO-34 on Conversion of Methanol to Light Olefins and Dimethyl Ether", Studies in Surface Science and Catalysis, 2001, vol.133, pp.211-218
乙28:Huaqun ZHOU et al., "In situ synthesis of SAPO-34 crystals onto α-Al_(2)O_(3) sphere supports as the catalyst for the fluidized bed conversion of dimethyl ether to olefins", Applied Catalysis A: General, 2008, vol.341, pp.112-118
乙29:Average Grain Intercept (AGI) Method
乙30:Standard Test Methods for Determining Average Grain Size, ASTM Designation: E112-13, 2013.10.01
乙31:O. KRESNAWAHJUESA et al., "A simple, inexpensive, and reliable method for measuring Brφnsted-acid site densities in solid acids", Catalysis Letters, October 2002, Vol.82, No.3-4, pp.155-160
乙32:W. E. FARNETH et al., "Methods for Characterizing Zeolite Acidity", Chem. Rev., 1995, vol.95, pp.615-635
乙33:Hong-Xin Li博士による宣誓供述書、2016年9月15日
乙34:国際公開第2008/132452号
乙35: "HANDBOOK OF ZEOLITE SCIENCE AND TECHNOLOGY" , Marcel Dekker, Inc., 2003, p.156,157,159
乙36:米国特許第6,709,644号明細書
乙37:Hong-Xin Li博士による宣誓供述書、2017年9月13日

第5.甲乙各号証の記載

一部の証拠については、翻訳文のみ摘示している。

甲1
●[甲1-A](第33頁左上欄第18行?左下欄第12行)
「例35(SAPO-34の製造)
(a)81.7gのアルミニウムイソプロポキシド(Al(OC_(3)H_(7))_(3))を水104.9g中の85重量%オルト燐酸46.1gの溶液と攪拌しながら合することにより反応混合物を調製した。この混合物へ30重量%SiO_(2)の水性ゾル12gと水5gとを加え、混合物を均質になるまで攪拌した。この混合物へ40重量%水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAOH)水溶液73.7gを加えた。1/2重量のこの混合物を36.8gの40%TEAOHと混合し、この混合物を均質になるまで攪拌した。最終反応混合物のモル酸化物比における組成は次の通りであつた:
(TEA)_(2):0.3SiO_(2):Al_(2)O_(3):P_(2)O_(5):50.0H_(2)O。
この反応混合物を不活性プラスチツク材料(ポリテトラフルオロエチレン)でライニングされたステンレス鋼の圧力容器中に入れ、そしてオーブン内で200℃にて自生圧力下に120時間加熱した。固体反応生成物(SAPO-34)を遠心分離により回収し、水洗し、かつ100℃にて風乾させた。化学分析により、この生成物は10.5重量%C、1.6重量%N、34.1重量%Al_(2)O_(3)、39.2重量%P_(2)O_(5)、6.8重量%SiO_(2)及び19.1重量%LOI、からなることが確認され、これはモル酸化物比における次の生成物組成:
0.17(TEA)_(2)O:.33SiO_(2):Al_(2)O_(3):0.82P_(2)O_(5):0.40H_(2)O、を与え、これは式(無水基準):
0.09(TEA)・(Si_(0.08)Al_(0.51)P_(0.41))O_(2)
に相当する。上記生成物は例32におけるとほぼ同一のX線粉末回折パターンを有した。
(b) 上記(a)の固体結晶質SAPO-34の1部を550℃にて2時間焼成した。標準マツクベイン-バクルの重量吸着装置を使用してこの焼成生成物につき吸着容量を測定した。350℃にて活性化した試料につき次のデータが得られた:」

●[甲1-B](第33頁左上欄左下欄第13?19行)


甲4
●[甲4-A](第2欄第38?50行)
「One embodiment of this invention is a method for treating an exhaust gas comprising NO_(x) and ammonia, said method comprising directing the exhaust gas along with a source of oxygen over a catalyst under treating conditions effective for the selective catalytic reduction of NO_(x) ; said catalyst comprising a molecular sieve which has been physically mixed with a metal and a binder or binder precursor under contacting conditions effective to produce a metal loading with reference to the molecular sieve of about 0.01 wt. % to about 5 wt. %; said binder or binder precursor comprising at least one selected from the group consisting of titania, zirconia, and silica; said catalyst having been finished in a humidified atmosphere.」
(訳)
「本発明の1つの実施態様は、NO_(x)とアンモニアを含む排気ガスを処理する方法であって、該方法は、NO_(x)の選択的接触還元に有効な処理条件下で、排気ガスを酸素と共に触媒に移動させることを含み;当該触媒は、分子篩に対して約0.01重量%?約5重量%の金属充填量を生成するのに有効な接触条件下で、金属及びバインダー又はバインダー前駆体と物理的に混合された分子篩を含み;当該バインダー又はバインダー前駆体は、チタニア、ジルコニア、及びシリカから成る群から選択される少なくとも1つを含み;当該触媒は、加湿環境において処理された、該方法である。」

●[甲4-B](第6欄第50?65行)
「The molecular sieve useful in this invention・・・, in general, includes all・・・silicoaluminophosphates,・・・. ・・・Other molecular sieves contemplated include, for example,・・・SAPO-34,・・・.」
(訳)
「本発明に有用な分子篩は、・・・一般に、全ての・・・シリコアルミノフォスフェート・・・が挙げられる。・・・他の検討される分子篩としては、例えば、・・・SAPO-34・・・が挙げられる。」

甲9
●[甲9-A](第93頁左欄)
「Selective reduction of NO with C_(3)H_(6) in the presence of oxygen was studied over Cu ion-exchanged SAPO-n (n=5, 11, 34), and Cu ion-exchanged Zeolites β, USY, and ZSM-5.」
(訳)
「酸素の存在下でC_(3)H_(6)を用いたNOの選択的還元を、Cuイオン交換したSAPO-n(n=5,11,34)、Cuイオン交換したZeolites β、USY、およびZSM-5に対して調べた。」

●[甲9-B](第93頁右欄?第94頁左欄)
「2. EXPERIMENTAL
Catalyst Preparation
SAPO-5, 11, and 34 (Si, Al and P contents: 1.77, 12.09, and 10.03 mmol g-1, respectively)・・・were synthesized according to U.S. patents (14, 15). To prepare SAPO-n, colloidal SiO_(2), Al compound [・・・, Al[OCH(CH_(3))_(2)]_(3) for SAPO-34], phosphoric acid (85%), and template amine (・・・10% tetraethylammonium hydroxide for SAPO-34) were mixed at room temperature for a few hours. The precursor of SAPO-n obtained in this way was heated (・・・483 K, 24 h for SAPO-34) in autoclaves (Taiatsu Glass TAF-150) in which all parts were coated with Teflon. The synthesized SAPO-n・・・were ion-exchanged with Cu^(2+) in a 0.01 M Cu^(2+) acetate aqueous solution. At the final stage of Cu ion exchange, ammonia water was added to adjust the pH to 7.5 to control the amount of Cu ion-exchanged. Exchanged amounts of Cu^(2+) for each type of SAPO-n,・・・were estimated to be about 3 wt% from ICP analysis.」
(訳)
「2.実験
触媒準備
SAPO-5、11及び34(Si、Al及びPの含有量:それぞれ、1.77、12.09、10.03mmolg^(-1))・・・を、米国特許に従って合成した(14、15)。SAPO-nを準備するために、コロイド状のSiO_(2)、Al化合物[・・・SAPO-34用のAl[OCH(CH_(3))_(2)]_(3))]、リン酸(85%)、及びテンプレートアミン(・・・SAPO-34用の10%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド)を、数時間室温で混合した。この方法で得られたSAPO-nの前駆体は、すべての部分がテフロンでコーティングされた加圧減菌器(耐圧硝子 TAF-150)で加熱した(・・・SAPO-34に対して483Kで24時間)。合成されたSAPO-n・・・は、0.01M Cu^(2+)酢酸水溶液でCu^(2+)を用いてイオン交換した。Cuイオン交換の最終段階で、pHを7.5に調整し、イオン交換されたCuの量を制御するためにアンモニア水を追加した。SAPO-n・・・に対するCu^(2+)の交換された量は、ICP分析から約3重量%であると推定された。」

●[甲9-C](第96頁左欄)
「Thermal Stability of Cu-SAPO-34
Exhaust gases from engines contain humidity at high concentration. The influence of calcination in a humidified atmosphere on NO reduction activity is shown in Fig. 5. Although the activity of Cu-SAPO-34 to NO reduction was unaffected by the calcination up to 1073 K in a dry atmosphere, calcination at 1073 K in a humidified atmosphere decreased the activity for NO reduction. 」
(訳)
「Cu-SAPO-34の熱安定性
エンジンからの排気ガスは、高濃度での湿気を含む。NO還元活性での加湿雰囲気における焼成の影響を図5に示す。NO還元に対するCu-SAPO-34の活性は、乾燥雰囲気における1073Kまでの焼成によって影響されなかったが、加湿雰囲気における1073Kでの焼成は、NO還元に対する活性を低減させた。」

●[甲9-D](第96頁の図5)

FIG. 5. Effects of heat treatment under an atmosphere containing 3 vol% H_(2)O on the activity for NO reduction with C_(3)H_(6) (PNO=5000 ppm,PC_(3)H_(6) =1000 ppm, PO_(2)=5%, W/F=0.3g・s cm^(-3)). (a) Cu-SAPO-34: (○) 773 K, (△) 973 K, (□) 1073 K. (b) Cu-ZSM-5: (●) 773 K, (▲) 973 K,(■) 1073 K.

●[甲9-E](第102頁 参考文献)
「14. Ciric, J., U.S. Patent 3972983 (1973)
15. Lok, B. M.,・・・U.S. Patent 4440871 (1984)」
(訳)
「14.Ciricによる米国特許第3972983号(1973)
15.Lokらによる米国特許第4440871号(1984)」

甲11
●[甲11-A](【0011】?【0013】)
「通常、8員環SAPOを合成する場合、水熱処理する混合物を下式(1)に示す組成式で表わして、使用する鋳型剤Rの量は、混合物中のAl_(2)O_(3)のモル数に対して1?3倍量(a/c=1?3)用いるのが一般的である。
aR,bSiO_(2),cAl_(2)O_(3),dP_(2)O_(5),eH_(2)O ・・・・ 式(1)
8員環SAPOの合成に用いられている鋳型剤の使用量について、種々の特許、文献を調べたところ、純粋で結晶化度の高いシャバサイト型の8員環SAPOを得るために、鋳型剤は少なくとも水熱処理をする混合物中のAl_(2)O_(3)のモル数に対して1倍量以上が用いられており、それより少ない場合、International Zeolite Association(IZA)が定めているIUPAC構造コードで表してAFI型に帰属される構造体(SAPO-5)やリン酸アルミニウムクリストバライト、ベルリナイトなどが不純物として存在するようになることが述べられている。
水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAOH)を鋳型剤に用いたSAPO-34の合成法について述べられた文献があり(例えば、非特許文献1参照)、純粋なSAPO-34はTEAOH/Al_(2)O_(3)のモル比が2?3の範囲で生成し、1?2の範囲ではSAPO-5が、1以下では高密度相が生成することが記載されている。そして3以上のTEAOHを用いると、非結晶のアモルファス構造を有する粒子が生成することが記載されている。」

●[甲11-B](【0028】【0029】)
「本発明の8員環SAPOの、最大の特徴は、結晶粒子全体のSi/Alの原子比よりも大きな原子比を持つ非晶質酸化物層を表面に有することである。この非晶質酸化物層は、FIB-STEM分析によって観察することができる。図1と2はSAPO-34の例であるが、これは、1個の立方体をしたSAPO-34粒子の両側を集束イオンビーム(FIB:Focused Ion Beam,日立製作所製FB-2100装置)で削りとり、残った厚さ80ナノメートルの薄片の断面を走査透過型電子顕微鏡(STEM:Scanning Transmission Electron Microscope,日立製作所製HD-2000薄膜評価装置)で観察したものである。・・・
この非晶質酸化物層の存在とその厚さは、メタノールとアンモニアの反応やモノメチルアミンの不均化反応によるメチルアミン類の製造において、反応活性とジメチルアミン選択性に大きな影響を及ぼす。前記SAPO-34を例に説明すると、非晶質酸化物層が3ナノメートルよりも薄いSAPO-34を用いた反応では、反応活性は高いものの、トリメチルアミンが10%以上の選択率で生成するため、ジメチルアミン選択性は悪い。その一方で、非晶質酸化物層が20ナノメートルを越えると、トリメチルアミン選択率は1%以下と低いけれども、反応活性が低い。・・・」

●[甲11-C](【0096】)
「実施例14
85%リン酸(89.8g)と純水(183.9g)及び、35wt%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(122.9g)の均一な混合物に、擬ベーマイト(51.3g:SASOL GERMANY GmbH,PURAL NF,Al_(2)O_(3)含有量77.5%)を撹拌しながら添加した。この混合物を1時間撹拌した後、シリカゾル(46.8g:日産化学工業株式会社,スノーテックスN,SiO_(2)含有量20wt%)とチタニアゾル(5.3g,石原産業株式会社,STS-01,TiO_(2)含有量29.5wt%)を添加し、更に30分間撹拌した。この混合物のpHは2.95であり、モル酸化物比における組成は次の通りであった:0.75TEAOH:1.0Al_(2)O_(3):1.0P_(2)O_(5):0.4SiO_(2):0.05TiO_(2):50H_(2)O。得られた混合物を内容積0.6Lのステンレス製オートクレーブ中、700rpmで撹拌しながら、水熱処理した。水熱処理は、内容物の温度で、第1工程として25℃から115℃までを20℃/hで昇温し、115℃で5時間保持したのち、115℃から170℃までを20℃/hで昇温し、第1工程の結晶化工程の一部と第2工程として170℃で50時間保持して行った。水熱処理時の圧力は自生圧とした。室温まで冷却した後、オートクレーブを開け、生成スラリーを遠心分離して沈殿を得た。得られた沈殿を200mlの純水で3回、洗浄・遠心分離したのち、80℃で12h乾燥した。更に空気気流下、600℃で4時間焼成して、白色粉末(88.2g)を得た。触媒収率は83%であり、良好であった。この粉末はX線回折の結果、純粋なシャバサイト型構造体であり、AFI型構造体、JCPDS番号20-0045化合物のピークは見られなかった。結晶化度は良好で、1.05であった。粒子性状は、立方体状の結晶であり、大きさ、形とも良く揃っていた。平均粒子径は、2.2μmであった。得られた焼成粉末の結晶粒子全体のSi/Alの原子比は0.16であり、表面のSi/Alの原子比は1.61、表面のSi/Pの原子比は2.45であった。また、走査透過型電子顕微鏡観察より、焼成粉末の結晶粒子は、厚さ7ナノメートルの非晶質酸化物層を有していた。原料流通開始後6h目の反応成績を表5に示した。」

●[甲11-D](【0115】)
「【発明の効果】
以上の実施例、比較例を用いた説明から明らかな様に、本発明の8員環SAPOは、アルミニウムに対するケイ素の原子比が、結晶粒子全体よりも大きな非晶質酸化物層を結晶粒子表面に有しており、該モレキュラーシーブは、工業的に行われているメタノールとアンモニアとの反応、モノメチルアミンの不均化反応等によるメチルアミン類の製造において、従来技術よりも優れた触媒活性とジメチルアミン選択性を示す。この非晶質酸化物層の厚さや表面組成は、触媒性能に大きな影響を及ぼすが、本発明の触媒の合成条件で容易に制御できる。・・・
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例14の触媒の走査透過型電子顕微鏡による像(×8万倍)」

甲12
●[甲12-A](【0031】?【0033】)
「・・・
実施例2
水180gに85%リン酸87.1gを加え、これに擬ベーマイト(25%水含有、コンデア製)57.2gをゆっくりと加え、3時間攪拌した。これをA液とした。A液とは別にfumedシリカ(アエロジル200)5.04g、モルホリン36.6g、水240gを混合した液を調製した。これをA液にゆっくりと加えた。さらにトリエチルアミン47.0gを加え、これを3時間攪拌し、以下の組成を有する水性ゲルを得た。0.2SiO_(2):Al_(2)O_(3):0.9P_(2)O_(5):1モルホリン:1.1トリエチルアミン:60H_(2)Oこうして得られた混合物をフッ素樹脂内筒の入った1lのステンレス製オートクレーブに仕込み、100rpmで攪拌しながら190℃で60時間反応させた。反応後冷却して、デカンテーションにより上澄みを除いて沈殿物を回収した。沈殿物を水で3回洗浄した後濾別し、120℃で乾燥した。
こうして得られたゼオライトのXRDを測定したところ、CHA構造であった。XRDの測定結果を図2に示す。その後、560℃で空気気流下焼成を行いテンプレートを除去したゼオライトを塩酸水溶液で加熱溶解させ、ICP分析により元素分析を行った。その結果、ケイ素とアルミニウムとリンの合計に対する各成分の構成割合(モル比)は、ケイ素が7.9%、アルミニウムが48.7%、リンが43.3%であった。
さらに、該ゼオライトの吸着等温線測定装置(ベルソーブ18:日本ベル(株))により測定した40℃における水蒸気吸着等温線を図3に示す。なお、吸着等温線の測定は、空気高温槽温度50℃、吸着温度40℃、初期導入圧力5.0torr、導入圧力設定点数0、飽和蒸気圧55.34mmHg、平衡時間500秒で行った。」

●[甲12-B](【図2】)


甲13
●[甲13-A](訳文第2頁)
「・・・
I.調製
試験-1:Takewaki特許出願の実施例2に記載されている手順に則り、試料1(SAPO-34)を調製した。
水180gに85%リン酸87.1gを加え、これに擬ベーマイト(25%水含有、Sasol製)57.2gをゆっくりと加え、混合物を3時間攪拌した。これをA液とした。A液とは別に、fumedシリカ(アエロジル200)5.04g、モルホリン36.6g、及び水240gを混合した液を調製した。これをA液にゆっくりと加えた。さらにトリエチルアミン47.0gを加え、これを3時間攪拌し、以下の組成を有する水性ゲルを得た。
0.2SiO_(2):Al_(2)O_(3):0.9P_(2)O_(5):1モルホリン:1.1トリエチルアミン:60H_(2)O
こうして得られた混合物をフッ素樹脂内筒の入った1Lのステンレス製オートクレーブに仕込み、100rpmで攪拌しながら190℃で60時間反応させた。反応後、混合物を冷却して、デカンテーションにより上澄みを除いて沈殿物を回収した。沈殿物を水で3回洗浄した後濾別し、100℃で乾燥した。
こうして得られたゼオライトのXRDを測定したところ、CHA構造であることが分かった。その後、560℃で空気気流下焼成を行い、テンプレートを除去したゼオライトを加熱し、塩酸水溶液中に溶解し、ICP分析により元素分析を行った。その結果、ケイ素とアルミニウムとリンの合計に対する各成分の構成割合(モル比)は、ケイ素が7.3%、アルミニウムが49.1%、リンが43.6%であった。
さらに、該ゼオライトの吸着等温線測定装置(ベルソーブ18:日本ベル(株))により測定した40℃における水蒸気吸着等温線を図3に示す。なお、吸着等温線の測定は、空気高温槽温度50℃、吸着温度40℃、初期導入圧力5.0torr、導入圧力設定点数0、飽和蒸気圧55.34mmHg、平衡時間500秒で行った。」

●[甲13-B](訳文第4頁?第6頁)
「・・・
II.試験手順
水熱老化手順
試料1、2及び3を対象特許に記載の手順に則り老化(エージング)した。・・・試料をこの気流に800?900℃で1?16時間曝した。

材料特性
表面積:Li宣誓書に記載されているように、再現した各SAPO-34又はCu-SAPO-34について老化の前及び後における表面積の特性を測定するために以下の手順を使用した。・・・

細孔体積:Li宣誓書に記載されているように、各SAPO-34試料について老化の前及び後における細孔体積の特性を測定するために以下の手順を使用した。・・・

酸性度::Li宣誓書に記載されているように、各試料について老化の前及び後における酸性度の特性を測定するために以下の手順を使用した。・・・

走査型電子顕微鏡:超音波浴を用いて試料をアセトン中に分散させた。分散液を載物台に滴下し、室温で乾燥した。観察前に、Au-Pd蒸気を台に蒸着した。15kVの加速電圧で日立S-4500により走査型電子顕微鏡図を得た。

III.結果
上述した試験の結果を以下の表と図にまとめた。」

●[甲13-C](訳文第6頁の表1)


甲14
●[甲14-A](訳文「5.」)
「・・・
I.調製
純粋なSAPO-CHAを製造するためには、反応混合物中の水の量、室温から結晶化温度までの加熱速度、及び結晶化の間の撹拌速度についての知識が必要となる。しかしながら、これらの特徴は対象特許には開示されていない。本宣誓供述書での試料の調製は、表1に記載の合成条件に則り行った。これらの条件はSAPO-CHA合成に一般的なものである。

対象特許の実施例1に記載の手順に則り、試料1-1を調製した。
201.1gの水に85%のリン酸92.2gを加え、擬ベーマイト(水25%含有、Sasol製)54.4gをゆっくり加え、混合物を30分間撹拌した。この混合物に30重量%コロイドSiO_(2)(Ludox LS)32.3gを加え、35重量%の水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAOH)168.1gを更に添加し、混合物を30分間撹拌して以下の組成の水性ゲルを得た。
0.4SiO_(2):Al_(2)O_(3):P_(2)O_(5):TEAOH:50H_(2)O
得られた混合物をフッ素樹脂内筒の入った1lのステンレス製オートクレーブに仕込んだ。オートクレーブを1.7℃/分の速度で室温から100℃まで、0.28℃/分の速度で100℃から150℃まで加熱した。100rpmで撹拌しながら、150℃で60時間結晶化を行った。反応後、混合物を冷却して、デカンテーションにより上澄みを除いて沈殿物を回収した。沈殿物を水で3回洗浄した後濾別し、100℃で乾燥した。
・・・
対象特許の実施例2に記載の手順に則り、試料2-1を調製した。
227.1gの水に85%のリン酸92.3gを加え、擬ベーマイト(水25%含有、Sasol製)54.4gをゆっくり加え、混合物を30分間撹拌した。この混合物に40重量%コロイドSiO_(2)(Ludox AS-40)36.1gを加え、12.0gの水、35重量%の水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAOH)117.6gを更に添加し、混合物を30分間撹拌して以下の組成の水性ゲルを得た。
0.6SiO_(2):Al_(2)O_(3):P_(2)O_(5):0.7TEAOH:50H_(2)O
得られた混合物をフッ素樹脂内筒の入った1lのステンレス製オートクレーブに仕込んだ。オートクレーブを1.7℃/分の速度で室温から100℃まで、0.44℃/分の速度で100℃から180℃まで加熱した。100rpmで撹拌しながら、180℃で12時間結晶化を行った。反応後、混合物を冷却して、デカンテーションにより上澄みを除いて沈殿物を回収した。沈殿物を水で3回洗浄した後濾別し、100℃で乾燥した。」

●[甲14-B](訳文の表1)


●[甲14-C](訳文「6.」)
「6.上の表及び図で示されるように、対象特許に則って化合物を製造することを試みたところ、いずれもAFI及びCHA相の混合物が得られ、純粋なSAPO-CHAを得ることはできなかった。・・・」

甲15
●[甲15-A](第1757頁 IV Conclusions and Recommendations)
「2. No experimental method provides the absolute value of parameters such as porosity, surface area, pore-size, surface roughness : each gives a characteristic value which depends on the principles involved and the nature of the probe used (atom or molecule, radiation wavelength ...). One cannot speak of the surface area of an adsorbent but, instead, of its "BET-nitrogen surface area", "equivalent BET-nitrogen surface area", modified HJ-calorimetric surface area, cumulative water thermoporometry surface area etc...」
(訳)
「2.細孔体積、表面積、細孔径、表面粗さなどのパラメータの絶対値を与える実験方法はない:各々は、関係する原理及び使用されるプローブの特性(原子又は分子、照射波長・・・)に依存した特性値を与える。吸着剤の表面積とは言うことはできず、その代わりに、吸着剤の「BET-窒素表面積」、「等価BET-窒素表面積」、修正HJ-熱量表面積、累積水熱ポロメトリー表面積などと言うことができる。」

甲16
●[甲16-A](第227頁の要約第1?2行)
「Depending on the various sources of Si and Al used for the synthesis, SAPO-34 materials with different degrees of crystallinity and density of acid sites, as shown by TPD of ammonia and TPD-TGA of 1-propanamine have been prepared.」
(訳)
「合成に使用される様々なSi源及びAl源に依存して、異なる結晶化度、アンモニアのTPD及び1-プロパンアミンのTPD-TGAで示される酸点の密度を有するSAPO-34を調製した。」

●[甲16-B](第231頁左欄第31行?右欄第6行)
「It is worth mentioning here that NH_(3) seems to detect more sites than 1-propanamine. This is quite understandable since the NH_(3) TPD experiment comprises a broader temperature range than the 1-propanamine thermodesorption. Hence, both weak-proton sites and some Lewis sites can be seen by the ammonia probe.」
(訳)
「ここで、NH_(3)は、1-プロパンアミンよりも多くの部位を検知するようであることは言及する価値がある。NH_(3)TPD実験は、1-プロパンアミン熱脱離よりも広い温度範囲を含んでいるため、このことは全く当然のことである。従って、アンモニアプローブにより、弱いプロトン部位といくつかのルイス部位の両方が見られる。」

甲17
●[甲17-A](訳文第2?5頁)
「・・・
I.調製
E3(SAPO-34)は、Ishihara文献の触媒調製に記載される手順に従って調製した。
水1.767gにリン酸1.983gを加え、これにアルミニウムイソプロポキシド3.509gを加え、その混合物を3時間攪拌した。次いで、これにコロイダルシリカ(Ludox(R)LS30)0.516gを加え、30分間攪拌した。最後に、先の混合物にテトラエチルアンモニウムヒドロキシド(TEAOH)(35重量%水溶液)7.225gを加えた。更に30分攪拌し、以下の組成を有する最終合成ゲルを得た:
0.3SiO_(2):Al_(2)O_(3):P_(2)O_(5):(TEA)_(2)O:50.0H_(2)O
23mlのテフロンでライニングされたオートクレーブに上記合成ゲルを移し、静的条件下、210℃にて24時間水熱処理を施した。水熱処理後、そのオートクレーブを冷却し、内部の生成物を集めて分けた。固相の生成物を慎重に洗浄し、80℃で一晩乾燥させて、E3試料を得た。
XRD測定では、E3試料はCHA構造であることが示された。その後、空気蒸気下での焼成を550℃で6時間行い、有機構造制御剤を除去し、得られた試料をE3-calとした。AES-ICP解析を行い、E3-calの化学組成を測定した。その結果、ケイ素、アルミニウム及びリンの合計に対する各成分の構成比(モル比)はそれぞれ8.4%、48.9%及び42.7%であった。
銅イオン交換した試料(Cu-SAPO-34)はIshihara文献の実験項に記載のものと同様な手順で調製した。
まず、以下の手順でアンモニウムイオン交換を行った。1mol/LのNH_(4)NO_(3)溶液60g中にE3-cal試料2.3gを分散させてスラリーを得、次いで、温度が予め80℃に設定されたオーブンに8時間置かれた。その後、スラリーをろ過し、固体の沈殿物を慎重に洗浄し、80℃にて一晩乾燥させた。これらの手順を再度繰り返し行い、SAPO-34のNH_(4)-型を得た。
次いで、銅イオン交換を以下の通り行った。酢酸銅溶液(3重量%)20ml中に2.0gのNH_(4)-型SAPO-34を分散させ、このスラリーを攪拌しながら70℃で30分間加熱した。次いで、スラリーをろ過し、固体の沈殿物を慎重に洗浄し、80℃にて一晩乾燥させた。その後、乾燥沈殿物を更に550℃で3時間焼成して、最終的なSAPO-34のCu-型(Cu-SAPO-34)を得た。これをE3-Cu-型とする。」
(当審注:(R)はRの囲み文字である。)

II.試験手順
水熱老化手順
E3-cal及びE3-Cu-型は、対象特許に記載の手順に従い老化させた。・・・他方の条件では、蒸気に試料を900℃で1時間曝した。

材料特性
表面積:Li宣誓書に記載されているように、SAPO-34及びCu-SAPO-34試料について老化の前及び後における表面積の特性を決定するために以下の手順を使用した。・・・

マイクロ細孔体積:Li宣誓書に記載されているように、SAPO-34及びCu-SAPO-34試料について老化の前及び後におけるマイクロ細孔体積の特性を決定するために以下の手順を使用した。・・・

酸性度::Li宣誓書に記載されているように、SAPO-34及びCu-SAPO-34試料について老化の前及び後における酸性度の特性を決定するために以下の手順を使用した。・・・

走査型電子顕微鏡:15keVの加速電圧でFE-SEM(JSM-7000,JEOL)により走査型電子顕微鏡画像を得た。・・・SAPO-34及びCu-SAPO-34試料の粒径及び粒径分布を適した倍率のSEM画像から判断した。正確さを確保するため、粒径分布の解析で観察した粒子数は150を超えた。

III.結果
以下の表及び図は上述した試験結果を集約する。」

●[甲17-B](訳文第5頁の表1)


●[甲17-C](訳文第6頁の図3)


甲18
●[甲18-A](訳文「5.])
「E2(SAPO-34)は、対象特許の実施例2に記載される手順に従って調製した。
水5.828gにリン酸2.709gを加え、更に擬ベーマイト(25重量%水含有、Sasol製)1.598gを加えた。次いで、これにコロイダルシリカ(Ludox(R) LS30)1.410gを加えた。最後に、先の混合物にテトラエチルアンモニウムヒドロキシド(TEAOH)(35重量%水溶液)3.454gを加えた。更に30分攪拌し、以下の組成を有する最終混合物を得た:
0.35(TEA)_(2)O:0.6SiO_(2):Al_(2)O_(3):P_(2)O_(5):50H_(2)O
23mlのテフロンでライニングされたオートクレーブに合成ゲルを移し、静的条件下、180℃にて12時間水熱処理を施した。水熱処理後、そのオートクレーブを冷却し、内部の生成物を集めて分けた。固相の生成物を慎重に洗浄し、80℃で一晩乾燥させて、E2試料を得た。」
(当審注:(R)はRの囲み文字である。)

●[甲18-B](図2)

●[甲18-C](訳文「6.」)
「6,上記の図に示されるように、対象特許に従ってE2試料を作製する試みはAFI相及びCHA相の混合物をもたらし、そのほとんどがAFI構造であった。純粋なSAPO-34-CHAを得ることはできなかった。」

甲19
●[甲19-A](訳文第2?4頁)
「・・・
I.調製
E4(SAPO-34)は、Lok特許の実施例35に記載される手順に従って調製した。
水1.767gにリン酸1.983gを加え、これにアルミニウムイソプロポキシド3.509gを加え、その混合物を3時間攪拌した。次いで、これにコロイダルシリカ(Ludox(R) LS30)0.516gを加え、30分攪拌した。 最後に、先の混合物にテトラエチルアンモニウムヒドロキシド(TEAOH)(35重量%水溶液)7.225gを加えた。更に30分攪拌し、以下の組成を有する最終合成ゲルを得た:
(TEA)_(2)O:0.3SiO_(2):Al_(2)O_(3):P_(2)O_(5):50.0H_(2)O
23mlのテフロンでライニングされたオートクレーブに上記合成ゲルを移し、静的条件下、200℃にて120時間水熱処理を施した。水熱処理後、そのオートクレーブを冷却し、内部の生成物を集めて分けた。固相の生成物を慎重に洗浄し、80℃で一晩乾燥させて、E4試料を得た。
XRD測定では、E4試料はCHA構造であることが示された。その後、空気蒸気下での焼成を550℃で6時間行い、有機構造制御剤を除去し、得られた試料をE4-calとした。AES-ICP解析を行い、E4-calの化学組成を測定した。その結果、ケイ素、アルミニウム及びリンの合計に対する各成分の構成比(モル比)はそれぞれ8.4%、48.9%及び42.6%であった。

II.試験手順
水熱老化手順
E4-calは、対象特許に記載の手順に従い老化させた。・・・この蒸気に試料を900℃で16時間曝した。

材料特性
表面積:Li宣誓書に記載されているように、SAPO-34試料について老化の前及び後における表面積の特性を決定するために以下の手順を使用した。・・・

マイクロ細孔体積:Li宣誓書に記載されているように、SAPO-34試料について老化の前及び後におけるマイクロ細孔体積の特性を決定するために以下の手順を使用した。・・・

酸性度:Li宣誓書に記載されているように、SAPO-34試料について老化の前及び後における酸性度の特性を決定するために以下の手順を使用した。・・・

走査型電子顕微鏡:15keVの加速電圧でFE-SEM(JSM-7000,JEOL)により走査型電子顕微鏡画像を得た。・・・SAPO-34試料の粒径及び粒径分布を適した倍率のSEM画像から判断した。正確さを確保するため、粒径分布の解析で観察した粒子数は150を超えた。

III.結果
以下の表及び図は上述した試験の結果を集約する。」

●[甲19-B](訳文第4頁の表1)


●[甲19-C](訳文第6頁の図3)


甲26
●[甲26-A](第443頁第18?23行)
「・・・This section will provide a description of the acidity of zeolites characterized by probing molecules.
Acid sites and their properties are most efficiently analyzed atu a molecular level by suitably selected probe molecules. Ammonia, pyridine, and less basic molecules (e.g., CO, benzene, alkanes, C_(2)Cl_(4), H_(2), and N_(2)) are often used to probe acid sites of zeolites. The spectral properties of different probes are briefly described as follows.」
(訳)
「・・・本セクションではプローブ分子によって特徴付けられるゼオライトの酸性について記述する。
酸性部位およびそれらの特性は、適切に選択したプローブ分子によって分子レベルで最も効率的に分析される。アンモニア、ピリジン、およびより塩基性の低い分子(例えば、CO、ベンゼン、アルカン、C_(2)Cl_(4)、H_(2)、およびN_(2)など)はゼオライトの酸性部位を探索するのにしばしば使用される。異なるプローブの分光学的特性を以下に簡単に記述する。」

●[甲26-B](第443頁第37行?末尾)
「b. Aliphatic Amines
・・・The most frequently used molecule is n-butylamine.・・・Since the kinetic diameter of aliphatic amines can be varied by choosing different alkyl groups, the accessibility of acid sites can be probed by selecting a series of amines with varied molecular size (122).」
(訳)
「b.脂肪族アミン
・・・最も頻繁に使用される分子はn-ブチルアミンである。・・・脂肪族アミンの動的直径は異なるアルキル基を選択することによって変動するので、異なる分子サイズを有する一連のアミンを選択することによって、酸性部位の到達可能性が探索できる(122)。」

甲29
●[甲29-A](訳文「5.」)
「E6試料は、対象特許の実施例2に記載される手順に従って調製した。
リン酸2.709g、擬ベーマイト(25重量%水含有、Sasol製)1.598g、コロイダルシリカ(Ludox(R) LS30)1.410g、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(TEAOH)(35重量%水溶液)3.454g、及び水5.828gに一緒に混合し、ゲルを形成させた。そのゲルを室温にて30分攪拌し、以下の組成を有する最終混合物を得た:
0.35(TEA)_(2)O:0.6SiO_(2):Al_(2)O_(3):P_(2)O_(5):50H_(2)O
23mlのテフロンでライニングされたオートクレーブに合成ゲルを移し、静的条件下、180℃にて12時間水熱処理を施した。水熱処理後、そのオートクレーブを冷却し、内部の生成物を集めて分けた。固相の生成物を慎重に洗浄し、80℃で一晩乾燥させて、E6試料を得た。」
(当審注:(R)はRの囲み文字である。)

●[甲29-B](図2)


●[甲29-C](訳文「6.」)
「6,上記の図に示されるように、対象特許に従ってE6試料を作製する試みは、E2試料と同様に、AFI相及びCHA相の混合物をもたらし、そのほとんどがAFI構造であり、純粋なSAPO-34-CHAを得ることはできなかった。」

乙3
●[乙3-A](第5欄第12?16行)
「The crystal size can be determined by procedures known to persons skilled in the art. One method of determining crystal size is Scanning Electron Microscopy (SEM) of representative samples of crystals.」
(訳)
「結晶サイズは当業者に既知の手順により決定することができる。結晶サイズを決定する一方法は、結晶の代表的試料の走査電子顕微鏡(SEM)である。」

乙9
●[乙9-A](第4頁 II. TESTING PROCEDURE)
(訳)
「・・・
表面積:・・・SAPO-34物質の表面積は、当分野において当業者によく知られたBET法に従う窒素ガス吸着法を用いて計測した。特に、ここに示した表面積データは、市販のQuantachrome Autosorbユニットで相対圧力(P/P_(0))から0.01および0.05の間で液体窒素温度にて収集した。
マイクロ細孔体積:・・・表面積測定と同時に収集した窒素吸着データを用いて、当業者によく知られた、いわゆるt-プロット法を用いてマイクロ細孔体積を計算した。
・・・」

乙11
●[乙11-A](訳文「24.」)
「24.請求項に記載される結晶寸法は周知技術の走査型電子顕微鏡法を用いて測定した。実施例1および2で得られた結晶のSEM写真を得た。これらの測定可能な結晶の各々は、(例えば、明瞭な稜線を有する結晶は、その最長軸の差し渡しを測定することが可能である。)最長軸の差し渡し長さで0.3ミクロン(赤線で示す)を有する。実施例2のSEMについていかに示すように、小さめの結晶ひとつひとつ全てが、0.3ミクロンを超える結晶寸法を有している。他の測定可能な結晶はいずれも上記測定した結晶よりも大きく、かくして、これらも0.3ミクロンを超える。」

乙12
●[乙12-A]([0142])
「The particle size of zeolite as referred to in the invention means the mean value of the primary particle diameter of arbitrarily-selected, 10 to 30 zeolite particles in observation of zeolite with an electron microscope; and the particle size is generally at least 1 μm, preferably at least 2 μm, more preferably at least 3 μm, and is generally at most 15 μm, preferably at most 10 μm.」
(訳)
「本発明のゼオライトの粒度は、電子顕微鏡でのゼオライトの観察において任意に選択される10?30個のゼオライト粒子の一次粒子径の平均値を意味し、その粒度は一般に、小さくとも1μm、好ましくは小さくとも2μm、より好ましくは小さくとも3μmであり、一般に大きくとも15μm、好ましくは大きくとも10μmである。」

乙15
●[乙15-A](V. ZEOLITE CHARACTERIZATION 第2パラグラフ)
「Scanning electron microscopy (SEM) is the method of choice for determining the size and morphology of zeolite crystallites. High-resolution transmission electron microscopy has been extensively used to study intergrowth fault planes and stacking faults and recently for structural analysis (27).」
(訳)「走査型電子顕微鏡(SEM)は、ゼオライト結晶の寸法及び形態を決定するための選択の方法である。高解像度透過型電子顕微鏡は、連晶断層面および積層断層を研究するために、および最近では構造分析のために広く用いられている(27)。」

乙16
●[乙16-A](第592頁右欄?第593頁左欄)
「6. Future Trends
In addition to being able to cope with the structure determination of beam-sensitive micro- and mesoporous materials by the various methods described above, many other developments in electron microscopy now underway are likely to contribute to further structural and physicochemical elucidation. Prominent among these are the following:
・・・
(c) combined HR(S)TEM and low-voltage scanning electron microscopy (SEM) for surface analysis;」
(訳)
「6.将来動向
上記の種々の方法によりビーム官能性マイクロ多孔質およびメソ多孔質物質の構造的決定に対処できることに加えて、多くの他の開発が、現在用いられている電子顕微鏡において、更なる構造的および物理化学的解明に寄与できる可能性がある。これらの中でも顕著なものは以下である:
・・・
(c)表面分析のための低電圧走査型電子顕微鏡(SEM)と組み合わさったHR(S)TEM;」

乙17
●[乙17-A](第196頁第38?45行)
「3.1. Static characterization methods
Scanning electron microscopy (SEM), coupled with energy dispersive X-ray analysis, is the most classical method used to study zeolite membranes. It gives access to the homogeneity, morphology, adhesion, infiltration and thickness of the zeolite layer. Crystal sizes can be also evaluated (the length of crystal boundaries influences the permeation properties). HR-TEM and coupled analysis are useful to study the zeolite structure and composition, also within the pores of the support [109].」
(訳)
「3.1 静的特徴評価法
エネルギー分散X線分析と結びついた走査型電子顕微鏡(SEM)は、ゼオライト膜を研究するための最も古典的な方法である。ゼオライト層の均一性、形態、接着性、侵入性及び厚みへ接近できる。結晶寸法もまた評価することができる(結晶境界の長さは透過性について影響を及ぼす)。HR-TEMと連結した分析は、支持体の細孔内においてもまた、ゼオライト構造および組成物を研究するために有用である。」

乙18
●[乙18-A](訳文「10.?13.」)
「10.Li特許は実施例1(1.0μmの中サイズの微結晶)と実施例2(1.4μmの平均的なサイズの微結晶)並びに比較例1(0.2μm未満の小サイズの微結晶)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す。本発明による実施例の微結晶の平均的な大きさを知ることにより、当業者は、水の役割と具体的にはSAPO-34の合成用のH_(2)O:Si比とその結晶寸法への影響に関して明確なガイダンスが提供されている米国特許6,696,032号(・・・以下「’032B2米国特許」と称する)のような公報に目を向けた。Katz乙第1号証として添付する。’032B2米国特許の実施例1と実施例2における合成の混合物の組成は水とシリコンの量において異なる。H_(2)O:Si比を実施例1の125から実施例2の133.3に増大することによりSiの希釈が増大されると平均SAPO-34結晶寸法における減少が、粉末X線回折データに基づいてシェラーの式を用いて計算するとそれぞれ50nmから36nmへ観察される。同傾向はそれより前に公開されたWO01/36328(・・・)でも言及された:「合成混合物中のシリコン濃度の減少が直径を減少した。」Katz乙第2号証として添付する。
11.実際にWO01/36328では「合成混合中のシリコンの濃度を変化させることにより回転楕円体粒子の寸法が調整可能であることが発見された。合成混合中のシリコンの濃度が増大するにつれ、回転楕円体粒子の直径が増大する。同様に反応混合中の含有シリコンが減少するにつれ回転楕円体粒子の直径が減少する。」と記載されている。・・・WO01/36328ではH_(2)O:Si比が・・・減少するにつれ、SAPO-34の平均結晶寸法の増大傾向が・・・認められた。
12.H_(2)O:Si比がどのようにSAPO-34結晶寸法に影響を及ぼすかについての上記傾向は更に、2014年3月17日に出版されたパウダーテクノロジー2014、第259巻、第81?86頁(・・・)において再確認される。Katz乙第3号証として添付する。当該文献では、図6のデータは、SAPO-34合成での水分量のみを増大し、全ての他の材料のモル量をそのままにした場合の影響を示す。これらの合成では、H_(2)O:Si比は・・・増大し、・・・SAPO-34平均結晶寸法が減少する傾向が認められた。加えて、H_(2)O:Si比を更に250に引き上げた際(図6c)、走査型電子顕微鏡の写真は、3つの合成のうち最も小さい平均結晶寸法を示し、著者達はこの合成から得られたSAPO-34は「区別できる形態を有さず、歪んだ半立方体粒子の組み合わせが含まれていた。これは高い含水量の為である。」と記した。
13.・・・表1にはWO01/36328からの走査型電子顕微鏡を用いて決定された平均結晶寸法の測定と上記パウダーテクノロジーに基づいたデータにまとめられている。図1はそのデータをグラフ形態で表しており、走査型電子顕微鏡を用いて決定されたSAPO-34の平均結晶寸法と合成混合のH_(2)O:Al_(2)O_(3)モル比との間の相対関係を表す、見て分かる通り、SAPO-34の結晶寸法が増大するにつれ、H_(2)O:Siモル比が減少するというのが共通の傾向である。」
(当審注:下線部はSiの誤記と認められる。また、「Katz乙第1?3号証」と記載されている文献は、乙19?21である。)

●[乙18-B](訳文の図1)


●[乙18-C](訳文の表1)


●[乙18-D](訳文「18.」)
「18.それ故にSAPO-34を含むゼオライトの合成についての知識を有する当業者にとってLi特許の出願が行われた当時、Li特許の実施例1と実施例2に於けるより大きい結晶の合成を再現することを試みる上で50未満(比較例2の値)の合成ゲルのH_(2)Oモル組成を減少することは明白であったとの結論に達する。SAPO-34合成の当業者は実施例1と実施例2により与えられた合成ゲル組成と機能する全範囲に亘るより望ましいSi:H_(2)O比を探ることに興味を抱くであろうと推測するならば、上記で挙げられている水モル量での最初の一連の実験である上記で計算されたLi特許の実施例1と実施例2のそれぞれの31と37の平均を試してみることは理に適うことである。これはLi特許の実施例1と実施例2の合成をそれぞれ78と62のSi:H_(2)O比で実施するのに相当する。

●[乙18-E](訳文「22.」)
「22.合成ゲルにおいて50よりかなり下回るH_(2)Oモル組成を使用することは当業者に取っては明白である故、西岡氏がLi特許の実施例1と実施例2(上記参照)の両方を再現する際に用いた合成ゲルのH_(2)Oモル組成がサンプル1-1の場合は50、サンプル1-2の場合は60、サンプル1-3の場合は50、サンプル2-1の場合は50、サンプル2-2の場合は50というのは全て高めと見受けられる。Li特許の実施例1と実施例2に関して上記でそれぞれ31と37と平均値が計算されたあたりの中央値により近いH_(2)Oモル組成を使用することの方がより理に適う様である。実施例1と実施例2を再現しようとする際に使用する合成ゲルのH_(2)Oモル組成を50以上のみにするやり方はより高いSi:H_(2)O比の方向へ傾いていると結論付ける。特許の比較例2のデータは高いSi:H_(2)O比では50のH_(2)Oモル組成を使用する場合にはより望ましいSAPO-34の欠乏に導くことをすでに示している。」

●[乙18-F](訳文の「33.」)
「33.西岡甲第14号証宣言書(・・・)同様に、Liu博士もLi特許の実施例2を再現しようとする際は合成ゲルに使用するH_(2)O量(・・・)は多い。上記で説明した様に、Li特許の実施例2の再現を試みる場合は上記で説明されている様に相似関係を利用し、計算される範囲の平均37位でのs合成ゲル内のH_(2)Oのより低いモル量を使うことが発明の分野の当業者に取ってよりバランスが取れたとらえ方が明白である。SAPO-34の合成の分野の当業者は高いH_(2)O:SiO_(2)比はLi特許ではより好ましくない比較例2の方に類似する可能性があるより小さいSAPO-34結晶をもたらすことは分かっている。」

●[乙18-G](訳文「40.」)
「40.・・・走査型電子顕微鏡を用いての視覚観察はゼオライト微結晶径の測定に広く使われ、認められている方法である。公開文献中には数多くの走査型電子顕微鏡を用いてのSAPO-34結晶寸法の推測の例があり、参照できるものとして下記がある:i)「150の粒子の大きさを走査型電子顕微鏡を用いて測定することによりSAPO-34の粒子の平均径を推測した」との記載がある2011年に出版されたPhysical Chemistry Chemical Physics の第11巻の9269?9277頁(Katz添付書類7として添付する)、ii)「走査型電子顕微鏡を用いた[・・・]点検で粒子の平均径を測定すくことができる」と記載されている米国特許6,903,240 B2(Katz添付書類8として添付する)、iii)2001年に出版されたStudies in Science and Catalysis 第133巻(211?218頁)(Katz添付書類9として添付)では「結晶の大きさの測定は3,500倍の拡大率を用いて走査型電子顕微鏡で行った」と記載されている、iv)上記2014年に出版されたPowder Technology 第259巻(81?86頁)と1999年出版のMicroporus and Mesoporous Materials 第29巻(159?171頁)とWO 01/36328特許は全てSAPO-34の結晶寸法を測定するのに走査型電子顕微鏡を用いている、v)2008年に出版されたApplied Catalysis A: General(112?118頁)の図2aと図2dはレーザー解析で測定されたSAPO-34のフリー結晶の結晶寸法とそれを確認する為の走査型電子顕微鏡の測定を示し、これらの手法での差が認められなかったことからSAPO-34の結晶寸法に関してはレーザー解析と信頼性が確立されている走査型電子顕微鏡との間で同じ結果が得られることを指す。」
(当審注:上記で「Katz添付書類7?9」と記載されている文献は、乙25?27であり、「Applied Catalysis A: General(112?118頁)」は乙28である。)

●[乙18-H](訳文「41.」)
「41.一旦走査型電子顕微鏡の画像を入手すると広く用いられていて認められている結晶寸法を割り出す為の方法は偶発的に位置付けられた線のセグメントを顕微鏡写真上に描き、各線が結晶の境界を交差する回数を数えて、交差と線の長さの比率を求める方法である。この方法は一般的にはAverage Grain Intercept(略して「AGI」)方法と呼ばれていて、粒子や結晶の大きさを定量化するのにある物質について偶発的に設置した線のセグメントを顕微鏡写真上に描き、各線が粒子の境界と交差する回数を数えて、その交差と長さの比率を求めるためによく知られた方法である。当該AGI方法の「Average Grain Intercept (AGI) Method」と題する説明・描写はKatz添付書類11として添付する。この方法が如何に広く認められているかはそれがASTM(・・・)であり、そのActive Standard ASTM E112-13(粒子径の平均を決めるための標準試験方法)(Katz添付書類12として添付する)では「これらの金属製の材質の粒子の平均径を決める為の方法は主として測定方法である故、それらの根拠は純粋に幾何学的である故その金属若しくは合金に左右されることがない。実際には基本的な基準は金属製でない粒子や結晶や細胞の大きさを推測するにも用いることができる」と記載されている。AGI方法が如何に広範囲に亘り認められているかについては4.1.3 Intercept ProcedureとASTM E112におけるIntercept Procedureに関するデスカションを参照されたい。」
(当審注:「Katz添付書類11、12」と記載されている文献は、乙29、30である。)

●[乙18-I](訳文「43.」)
「43.Li特許の実施例2で得られた結晶の高画質の走査型電子顕微鏡を入手した。それらを分析した結果、これらの顕微鏡写真で示されているのは0.3ミクロンを上回る大きさの結晶により形成されているのであることは極めて明白である。」

●[乙18-J](訳文「44.」)
「44.ゼオライトの酸性度もその応用に影響があり得る。表面の酸性の性質評価の為の大半の方法は間接的な方法である。即ち、活性がある箇所にプローブを投入し、吸着と脱着を探る訳である。ゼオライトの酸性箇所の検討や性質評価の為に最もよく用いられるプローブは単純な有機塩基である。Li特許の出願当時のゼオライトの酸性度を測定する理由(例えば、酸性度の度合いに対して何か所の測定を行うか)やゼオライトの細孔径等は適切なプローブの選択に影響を及ぼすことはその当時の当業者にとっては知られていたことである。甲第26号証であるHandbook of Science and Technology(443?447頁)を参照されたい。例えば、酸性若しくは塩基性部位での濃度を知るのには脂肪族アミンは便利である。Li特許では記載の老化条件に晒された後でも発明の物質の酸性箇所において濃度測定を行う。測定の目的と物質の細孔径が分かっているので、当業者は脂肪族アミンを酸性箇所での濃度を調べるのに用いただろうというのが私の意見である。Li特許の出願が行われた当時の文献ではn-プロピルアミンがゼオライト酸性箇所での濃度測定には他のプローブより低コストであるより好ましい手法の内の一つとして認められていた。n-プロピルアミンは物質上の酸性箇所との反応が生じるタイプのn-プロピルアミンは高温ではホフマン脱離反応が生じるので実験室では非常に安定的によく使われ、分析対象の物質の加熱と同時の重量測定に基づく熱重量的に幾つかの酸性化小の測定を行うのに特に便利な方法である。このホフマン脱離反応でプロペンガスが発生し、それが熱重量測定では減量として記録される。2002年10月に出版されたCatalysis Letter誌の「A Simple, inexpensive, and reliable method for measuring Bronsted acid site densities in solid acids」をKatz添付書類13として添付する。メチルアミンの様な他のアミンでは、さほどきれいな特徴的な減量が加熱した場合認められないので、その観点から見て、さほど好ましくない。1995年に出版されたChemical Review誌第95巻の615?635頁のゼオライトの酸性の性質評価に付いての権威ある論文の第622頁に下記の記載がある:「固体酸の性質評価にはアンモニアではなく、反応アミンの内のTPDの使用を我々のグループは推奨してきた。H-ZSM-5を始めとして、-/Aのカバレージに対応する明確に定義された量論的な吸着コンプレクスが一連のメチルアミン、エチルアミン、n-プロピルアミン、イソプロピルアミンとtert-ブチルアミンを含むアミン様に得ることが可能であることを我々は立証した。」(Katz添付書類14として添付)。メチルアミンのみが例外であるが、吸着コンプレクスはアルカリ基にのみ依存するTPDの特定温度領域ないのオルフィンとアンモニアに対する反応で容易に見分けることができる。Li博士の乙第9号証として提出された宣誓書を検討した結果、PQ社の特許の発明者達はn-プロピルアミンをSAPO-34の酸性部位上へ吸着される塩基プローブ分子として使用して発明されたゼオライトの酸性度測定を行ったと理解する。物理的に吸着したn-プロピルアミンが280℃までの加熱により除去される様な熱重量分析器(Thermal Gravimetric Analyzer - TGA)が測定に用いられている。化学的に吸着されたn-プロピルアミンは280℃?500℃の温度範囲内で決定され、これは酸性度をmmol/gの単位で表す。Li特許の出願が行われた当時その様な手順は酸性度の測定法としてかなりルーチン化しており、標準的なやり方として認められていた。」
(当審注:「Katz添付書類13、14」と記載されている文献は、乙31、32である。)

乙19
●[乙19-A](第4欄第33行?第5欄第7行)
「Example 1
・・・
A synthesis mixture was prepared as follows:
・・・to yield a synthesis mixture of molar composition:
Al_(2)O_(3):P_(2)O_(5):0.4 SiO_(2):2 TEAOH:50 H_(2)O:8 C_(2)H_(5)OH
・・・
Analysis of the peak widths of the XRD pattern and application of the Scherrer equation,・・・, gave a mean crystal size of about 50 nm.
Example 2
In a procedure similar to that of Example 1, a synthesis mixture was prepared of molar composition:
Al_(2)O_(3):P_(2)O_(5):0.3 SiO_(2):2 TEAOH:40 H_(2)O:8 C_(2)H_(5)OH
・・・, and analysis of the XRD pattern peak width and use of the Scherrer equation gave a mean crystal size of about 36 nm.


(当審訳)
「実施例1
・・・
合成混合物は下記のように準備された:
・・・次のモル組成の合成混合物を得るために:
Al_(2)O_(3):P_(2)O_(5):0.4SiO_(2):2TEAOH:50H_(2)O:8C_(2)H_(5)OH
・・・
XRDパターンのピーク幅の分析及びScherrerの式の適用は、約50nmの平均結晶サイズを与えた。
実施例2
実施例1と同様の手順で、次のモル組成の合成混合物が準備された:
Al_(2)O_(3):P_(2)O_(5):0.3SiO_(2):2TEAOH:40H_(2)O:8C_(2)H_(5)OH
・・・そして、XRDパターンのピーク幅の分析及びScherrerの式の使用は、約36nmの平均結晶サイズを与えた。」

乙20
●[乙20-A](第12頁第16?20行)
「In a desired embodiment of the invention, the process described above forms a SAPO-34 molecular sieve having a novel crystal morphology. This morphology is shown in Figs. 1-3. This morphology is described as being an isocrystalline spheroidal particle comprising a silicoaluminophosphate molecular sieve.」
(当審訳)
「本発明の望ましい態様において、上記に記載された方法は、新規な結晶形態を有するSAPO-34分子篩を形成する。この形態は図1?3に示されている。この形態は、シリコアルミノホスフェート分子篩を含む結晶類似回転楕円体粒子と表現される。」

●[乙20-B](第12頁第28行?第13頁第2行)
「The particle itself has a diameter of from about 0.5μ to about 30μ. The crystallites have a width, at their largest dimension, of from about 0.05μ to about 2.5μ. The diameter of the particle and the size of the crystallites can be determined by scanning electron microscopy (SEM).」
(当審訳)
「粒子自体は約0.5μから約30μの直径を有する。結晶は、最大幅で、約0.05μから約2.5μの幅を有する。粒子の直径及び結晶のサイズは、走査型電子顕微鏡(SEM)によって決定することができる。」

●[乙20-C](第13頁第26行?第16頁第7行)
「Example 1.・・・Scanning electron microscopy showed spheroidal isocrystalline particles having a particle size of 2-5 μm. These particles are shown in Figure 1.
Example 2.・・・Scanning electron microscopy showed the majority of the product to comprise spheroidal isocrystalline particles having a particle size of 3-6 μm. These particles are shown in Figure 2.
Example 3.・・・Scanning electron microscopy showed the majority of the product to comprise spheroidal isocrystalline particles having a particle size of 8-12 μm. These particles are shown in Figure 3.」
(当審訳)
「実施例1.・・・走査型電子顕微鏡は、回転楕円体結晶類似粒子が、2?5μmの粒子サイズを有することを示した。これらの粒子は図1に示されている。
実施例2.・・・走査型電子顕微鏡は、大多数の生成物が、3?6μmの粒子サイズを有する回転楕円体結晶類似粒子を含むことを示した。これらの粒子は図2に示されている。
実施例3.・・・走査型電子顕微鏡は、大多数の生成物が、8?12μmの粒子サイズを有する回転楕円体結晶類似粒子を含むことを示した。これらの粒子は図3に示されている。」

●[乙20-D](図1)

●[乙20-E](図2)

●[乙20-F](図3)


乙35
●[乙35-A](第156頁第1?18行)
「5. Dilution of Crystallizing System
Following a general principle that the rate of crystal growth is proportional to the concentration of reactants, expressed by the concentration function f(C)(67,88), that is,
dL/dt_(c)=k_(g)f(C)
it is not unexpected that dilution of crystallizing system (e.g., an increase of water content) causes a decrease of the concentration of reactive species in the liquid phase, and thus a decrease of the crystal growth rate. Iwasaki et al.(92) found that the growth rates for all faces of silicalite-1 crystals crystallized at 150℃ from reaction mixture 0.1TPABr/0.05Na_(2)O/SiO_(2):xH_(2)O decreased with an increase of the ratio x = H_(2)O/SiO_(2) (increased dilution), although the dependence of the growth rate was slightly different for each face (Fig. 38).
The observed influence of dilution of the system on the crystal growth rate is caused by the fact that the growth condition of silicalite crystals is mainly characterized by the superasaturation of the primary building units for the crystallization(134). By systematic study of the influence of the ratio x = H_(2)O/SiO_(2) (x = 100-1000) on the length [K_(g)(L)] and width [K_(g)(W)] growth rate of silicalite-1 crystals at 160℃ it was found that the growth rates are proportional to a power of x(134), that is:
K_(g)(L)∝x^(-0.75)
K_(g)(W)∝x^(-1.12)
(訳)
「5.結晶化系の希釈
結晶成長速度は、反応物質の濃度に比例し、濃度関数f(C)で表されるという一般則、すなわち、
dL/dt_(c)=k_(g)f(C)
に従えば、結晶化系の希釈(例えば、水の量の増加)が反応種の濃度を低下させ、その結果、結晶成長速度の低減を招くことは、予期できないことではない。Iwasakiらは、反応混合物0.1TPABr/0.05Na_(2)O/SiO_(2):xH_(2)Oから150℃で結晶化させたシリカライト-1結晶のすべての面の成長速度が、比率x=H_(2)O/SiO_(2)の増加(希釈の増加)とともに減少することを見いだしたが、成長速度の依存性は面ごとにわずかに異なっていた。
観察された系の希釈による結晶成長速度への影響は、シリカライト結晶の成長条件が、主に結晶化の一次構造単位の過飽和によって特徴付けられるという事実に起因する。160℃における、シリカライト-1結晶の長さ[K_(g)(L)]及び幅[K_(g)(W)]の成長速度について、比率x=H_(2)O/SiO_(2)(x=100?1000)の影響に関する体系的な研究によって、成長速度はxの累乗に比例することが見いだされた。すなわち、
K_(g)(L)=x^(-0.75)
K_(g)(W)=x^(-1.12) 」

●[乙35-B](第156頁第23行?第157頁2行)
「On the other hand, Twomey et al.(100) observed that the growth rate of silicalite-1 crystals from the system 25SiO_(2)/Na_(2)O/9TPAOH/yH_(2)O (x = y/25 = H_(2)O/SiO_(2) = 12-120) remained almost constant for any given temperature, and even that in some cases crystal growth rate of silicalite-1 increases with increasing H_(2)O/SiO_(2) ratio (K_(g) ∝ x^(n) with n > 0)(53,58).」
(訳)
「一方、Twomeyらは、25SiO_(2)/Na_(2)O/9TPAOH/yH_(2)O(x=y/25=H_(2)O/SiO_(2)=12-120)の系からのシリカライト-1の成長速度は、いかなる温度においてもほとんど一定であり、いくつかのケースでは、シリカライト-1の結晶成長速度がH_(2)O/SiO_(2)比の増大とともに増大したことさえも観察した。」

乙36
●[乙36-A](第6欄第35?37行)
「Using greater or lesser mole ratios of water/silica (ratios of 44, 8, 3.5 as compared with 16 above) results in products with larger crystals.」
(訳)
「より大きな又はより小さな水/シリカのモル比(モル比44、8、3.5)は、上記したモル比16と比較して、より大きな結晶の生成物を生じる。」


その余の甲乙各号証には以下の事項が記載されている。
甲2:SAPO-34は、CHA(chabazite)型構造に関連する物質の一つであること。
甲3(乙2):SAPO-34がシリコアルミノホスフェート系のchabazite型構造であること。
甲5:SAPO-34が選択的な接触還元(SCR)によるNO_(x)の除去に有用であること。
甲6?8:NO_(x)のSCR法に用いる触媒に水熱安定性が要求されること。
甲10:銅イオン交換されたゼオライトがNO_(x)排気制御触媒として広く用いられていること。
甲20,21:銅イオン交換されたゼオライトがNO_(x)のSCR法に用いられていること。
甲22:自らが発表したポスターの表記に誤りがあったことを認め、訂正すること。
甲23:International Symposium of Zeolites and MicroPorous Crystalsでの発表に使用したポスター。
甲24:西岡氏が、甲22の比較例3Bと同様にして、ゼオライトの合成及びCu担持触媒の調製を行っていたこと。
甲25:甲24に記載のCu/SAPO-34(a)の^(29)Si-NMRの測定結果と同一の位置にピークを有する測定結果が示されていること。
甲27,28:0.3μmより大きい結晶寸法を有し、水熱安定性を有するSAPO-34が公知であったこと。
甲30,31:NOの選択的な触媒的還元において、アンモニアないし炭化水素が用いられること。
甲32:SAPOは、ZSM-5などと同様にイオン交換能を有し、かつ優れた耐熱性を有すること。
甲33:SAPOは、ZSM-5などの第2世代のゼオライトに続く、第3世代のアルミノシリコホスフェートに属していること。
甲34:SAPO-34の結晶寸法については、0.3μmより大きい結晶寸法のものが公知であったこと。
甲35:0.3μmを超える結晶寸法を有するSAPO-34は、水熱的に安定な特性を有すること。
甲36:Cu-SAPO-34の安定性が自動車の排ガス処理に適していること。
甲37:SCR法において、アンモニアの方が炭化水素よりも高い選択性を有すること。
甲38:還元剤として炭化水素、尿素水を用いるNO_(x)還元においてCu-SAPO-34が使用できること。
甲39:甲9と甲17記載のSAPO-34が同一であること及びCu-SAPO-34をアンモニアを用いるNO_(x)還元において用いるに困難性がないこと。

乙1:甲9で「文献15」として引用された甲1のファミリー文献。
乙2:甲3に同じ。
乙4:SAPO-34の酸性度を変更してメタノールからオレフィンへの触媒の転化効率を向上させること。
乙5,6:モレキュラーシーブは熱安定性が悪く、窒素酸化物の選択的接触還元(SCR)の典型的な操作条件下で不活化されること。
乙7:SAPO-34は、微細孔構造及び高耐熱を有する排気ガス触媒として有望であること。
乙8:銅含有SAPO-34は、水熱老化するとNO_(x)のSCR特性が著しく低下すること。
乙10:Cu/SAPO-34(a)を、米国特許第7883678号に従って調製したこと。
乙13:三菱化学の資金援助を受けたLiu博士の研究論文。
乙14:三菱化学の資金援助を受けたLiu博士の研究論文。
乙21:1Al_(2)O_(3):0.4SiO_(2):1P_(2)O_(5):0.5TEAOH:1.5MOR,xH_(2)O(x=60,75,100)から得られたSAPO-34の結晶寸法。
乙22:1.0Al_(2)O_(3)/1.0P_(2)O_(5)/0.4SiO_(2)/32.2-51H_(2)O/0.72TEAOHから得られた物質のX線回折データ及びSEM写真。
乙23:TEAOHモル量を下げた結果、SAPO-34の結晶形成時間が短縮されたこと。
乙24:合成温度の減少により、SAPO-34の結晶形成速度が低減すること。
乙25?27:SAPO-34の結晶寸法を測定するために走査型電子顕微鏡を用いること。
乙28:SAPO-34の結晶寸法に関しては、レーザー解析と走査型電子顕微鏡との間で同じ結果が得られること。
乙29:「Average Grain Intercept (AGI) Method」の説明。
乙30:AGI方法が結晶の大きさを推測するにも用いることができること。
乙31,32:ゼオライトの酸性度を測定する際のプローブ分子としてn-プロピルアミンを用いること。
乙33:甲17,19,22に関する論評。
乙34:NH_(3)又は尿素によるNO_(x)のSCRに使用するための遷移金属含有アルミノリン酸塩ゼオライトの研究は、どの文献にも報告されていないこと。
乙37:甲1に記載された複数のSAPO-34の実施例の再現試験の結果、初期と老化試験後の表面積とマイクロ細孔体積に線形相関性があること。

第6.無効理由6について

本件発明の進歩性に関する無効理由1?4の検討に先立ち、本件明細書及び特許請求の範囲の記載不備に関する無効理由5,6から検討する。
無効理由6において、請求人は、特許請求の範囲に記載された「結晶寸法」、「表面積およびマイクロ細孔体積」、「酸性度」及び「水熱安定性」について明確性要件違反を主張している。

1.「結晶寸法」

(1)「結晶寸法」について、本件明細書には、【0029】に、「本発明のSAPO-34構造は・・・0.3ミクロンより大きい結晶寸法を有してもよい。」、同【0058】に、比較例2について、「・・・得られた生成物は小さな結晶(0.2ミクロン未満の寸法)であった。」との記載があるが、結晶寸法の測定方法について記載がないから、これらの値が、「個々の結晶の結晶寸法の値」なのか「複数の結晶の結晶寸法の平均値」なのかは明らかではない。

(2)これに対し、被請求人は、
「(a)走査型電子顕微鏡(SEM)が、ゼオライト結晶の寸法及び形態を決定するために当業者が選択する方法であること([乙3-A]、[乙15-A]、[乙16-A]、[乙17-A]、[乙18-G])、
(b)走査型電子顕微鏡の画像から結晶寸法を割り出すための方法として、Average Grain Intercept (AGI) methodがよく知られており、広く用いられていること([乙18-H]、以下に示す図面)、
(c)請求人自らも、ゼオライトの「粒度」をSEM観察により決定していること([乙12-A])、
(d)本件明細書に添付したSEM写真は、本件発明の物質が0.3μmを超える寸法を有していることを明らかに示している([乙11-A])」
と主張している。

(3)そこで検討するに、Katz博士の宣誓供述書([乙18-H])にも、「粒子や結晶の大きさを定量化するのにある物質について偶発的に設置した線のセグメントを顕微鏡写真上に描き、各線が粒子の境界と交差する回数を数えて、その交差と長さの比率を求めるために用いられる」(下線部は当審において付した。)と記載されるように、AGI法により結晶寸法の平均値を測定するためには、例えば多結晶体の断面組織のように、個々の結晶の境界が把握できなければならない。
※ Average Grain Intercept (AGI) method(被請求人上申書)

これに対し、本件発明の実施例1や比較例2のSEM写真(図1、7)では、複数の結晶が凝集ないし結合した状態になっており個々の結晶の境界を把握することができない。
※ 本件実施例1のSEM写真(請求人上申書)

※ 本件比較例2のSEM写真(本件図7)

したがって、0.3ミクロンや0.2ミクロンという値が、SEM写真からAGI法で測定された「複数の結晶の結晶寸法の平均値」であるとは認められない。

(4)さらに、被請求人が提出したLi博士の宣誓供述書には、「実施例2のSEMについていかに示すように、小さめの結晶ひとつひとつ全てが、0.3ミクロンを超える結晶寸法を有している。他の測定可能な結晶はいずれも上記測定した結晶よりも大きく、かくして、これらも0.3ミクロンを超える。」([乙11-A])と記載され、Katz博士の宣誓供述書には、「Li特許の実施例2で得られた結晶の高画質の走査型電子顕微鏡写真を入手した。それらを分析した結果、これらの顕微鏡写真で示されているのは0.3ミクロンを上回る大きさの結晶により形成されているのであることは極めて明白である。」([乙18-I])と記載されており、これらの記載は、本件発明の結晶寸法が、そもそも「複数の結晶の結晶寸法の平均値」ではなく、「個々の結晶の結晶寸法」又は「複数の結晶の結晶寸法の下限値」を意味することを主張するものと解される。
一方、同じKatz博士の宣誓供述書の「走査型電子顕微鏡を用いてのSAPO-34結晶寸法の推測の例」([乙18-G])には、「平均径」について言及する文献も記載されている。
すなわち、被請求人の提出した証拠の記載内容は、結晶寸法について互いに異なる定義を主張するものとなっている。

(5)また、被請求人は意見書で、実施例1(図1)や比較例2(図7)でAGI法の適用が困難であるとしても、実施例2において適用可能であるから、本件発明の結晶寸法が「複数の結晶の結晶寸法の平均値」を意味することは明確であると主張しているが、本件明細書において結晶寸法が明記された具体例は、実施例2ではなく比較例2なのだから、比較例2で適用困難な測定方法が採用されていると認めることはできない。さらに、本件明細書【0029】の「0.3ミクロンより大きい結晶寸法を有してもよい。」との記載は、単に大きな結晶粒の存在を許容することを説明したものと解することもでき、その場合、この結晶寸法は、平均値というより最大値(上限値)を意味することになる。

(6)したがって、被請求人の主張を考慮しても、特許請求の範囲に記載された「結晶寸法」が明確であるとはいえない。

2.「表面積およびマイクロ細孔体積」

(1)「表面積およびマイクロ細孔体積」について、本件明細書には、【0020】【0021】に、
「「初期表面積」とは、いかなる老化条件へも暴露する前の、製造したままの新鮮な結晶性物質の表面積を意味する。
「初期のマイクロ細孔体積」とは、いかなる老化条件へも暴露する前の、製造したままの新鮮な結晶性物質のマイクロ細孔体積を意味する。」
と記載されているが、「表面積およびマイクロ細孔体積」の測定方法については記載がない。

(2)この点について、請求人は、甲15に「2.細孔体積、表面積、細孔径、表面粗さなどのパラメータの絶対値を与える実験方法はない:各々は、関係する原理及び使用されるプローブの特性(原子又は分子、照射波長・・・)に依存した特性値を与える。吸着剤の表面積とは言うことはできず、その代わりに、吸着剤の「BET-窒素表面積」、「等価BET-窒素表面積」、修正HJ-熱量表面積、累積水熱ポロメトリー表面積などと言うことができる。」([甲15-A])と記載されているように、「表面積」、「マイクロ細孔体積」は、使用される測定方法により異なる結果が得られるものであると主張している。

(3)一方、被請求人は、「SAPO-34物質の表面積は、当分野において当業者によく知られたBET法に従う窒素ガス吸着法を用いて計測し、表面積測定と同時に収集した窒素吸着データを用いて、当業者によく知られた、いわゆるt-プロット法を用いてマイクロ細孔体積を計算した」([乙9-A])と主張している。

(4)そこで検討するに、甲15は、その表題に「RECOMMENDATIONS FOR THE CHARACTERIZATION OF POROUS SOLIDS」と記載されるように、多孔質固体(POROUS SOLIDS)一般の分析に係るものである。
そして、甲15に記載された測定方法のうち、「修正HJ-熱量表面積」、「累積水熱ポロメトリー表面積」について、ゼオライトの比表面積の測定方法として当業者に用いられていることを示す証拠は提出されていない。
一方、「BET-窒素表面積」と「等価BET-窒素表面積」とは、いずれも窒素ガスをプローブ分子とし、BET式を用いて表面積を計算する点で同じものであり、SAPO-34がマイクロ細孔を有することから、SAPO-34において窒素ガスをプローブ分子とし、BET式を用いて表面積を計算したとき、これを「等価BET-窒素表面積」と呼ぶことは、当業者の技術常識である。
してみると、特許請求の範囲に記載された「表面積」は、被請求人が主張するとおり、当業者によく知られたBET法に従う窒素ガス吸着法を用いて計測したものであると解され、BET法に従う窒素ガス吸着法を用いて表面積を求めるものであれば、当業者は、その吸着等温線から周知のt-プロット法などにより「マイクロ細孔体積」も求めることができると認められる。

(5)したがって、請求人の主張は採用できず、特許請求の範囲に記載された「表面積およびマイクロ細孔体積」は明確であるといえる。

3.「酸性度」

(1)「酸性度」について、本件明細書には、【0059】の【表1】に、「新鮮な触媒」及び「10vol%の水存在下、900℃で16時間老化後」について、「酸性度(mmol/g)」の値が記載されるのみであり、「酸性度」の測定方法については記載がない。

(2)請求人は、ゼオライトの酸性度の測定方法には、探査分子の異なる複数の方法が知られており([甲16-A,B][甲26-A,B])、測定方法によって異なる値となるから、測定方法の特定のない「酸性度」は明確なものではないと主張している。

(3)これに対し、被請求人は、本件発明における酸性度は、n-プロピルアミンを探査分子として用いて測定したものであり、n-プロピルアミンをゼオライトの酸性度の定量に採用することは、「簡便、安価かつ信頼性のある方法である」([乙18-J])と認識されていたと主張している。

(4)そこで検討するに、Katz博士の宣誓供述書は、ゼオライトの酸性度を測定する際の探査分子として、n-プロピルアミンが用いられることを記載しているにとどまり、本件発明の「酸性度」がn-プロピルアミンを用いて測定されたことが、当業者に自明なことであったとまでは認められない。 そして、探査分子の種類により塩基強度や分子サイズは異なるから、「酸性度」の測定値が異なることは技術常識といえる。

(5)したがって、被請求人の主張を考慮しても、特許請求の範囲に記載された「酸性度」が明確であるとはいえない。

4.「水熱安定性」

(1)特許請求の範囲において、「10体積パーセントまでの水蒸気の存在下に700?900℃の範囲の温度に16時間の暴露の後に、その表面積およびマイクロ細孔体積の少なくとも80%ならびに少なくとも0.40 mmol/gの酸性度を保持する」や「10体積パーセントまでの水蒸気の存在下に700?900℃の範囲の温度に1?16時間にわたっての暴露を含んで成る水熱的老化の後に、その表面積およびマイクロ細孔体積の少なくとも80%を保持する」と記載されている水熱安定性について、請求人は、範囲をもって記載された試験条件の記載が、その範囲内の少なくとも一点において水熱安定性を有することを意味するのか、全範囲において水熱安定性を有することを意味するのか明確ではないと主張している。

(2)これに対し、被請求人は、本件発明のマイクロポーラス結晶性物質が水熱安定性の要件を充足するためには、全範囲で水熱安定性を有することが必要があることは明らかであると主張している。

(3)そこで検討するに、本件明細書の【0009】に、「本開示・・・は、SAPO-34・・・を含むマイクロポーラス結晶性組成物のような、・・・水熱的に安定なマイクロポーラス結晶性物質を提供する」と記載されているように、本件発明は、高い水熱安定性を得ることを解決すべき課題としており、被請求人の主張は、当該課題と整合するものといえる。

(4)したがって、特許請求の範囲に記載された「水熱安定性」の記載は、いずれも明確であるといえる。

5.まとめ

以上のとおり、特許請求の範囲に記載された「結晶寸法」及び「酸性度」についての無効理由6には理由があり、これらの用語を発明特定事項とする本件発明1?9,11?16,19?29は、特許を受けようとする発明が明確でない。
なお、以下の無効理由においては、結晶寸法については、「複数の結晶の結晶寸法の平均値」、酸性度については、「n-プロピルアミン」を用いて測定されたものとして検討する。

第7.無効理由5について

1.物の開示

(1)サポート要件の判断に係る知財高裁大合議判決(平成17年(行ケ)第10042号)にしたがい、まず、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明であるか否かについて検討するに、本件発明はいずれも、「0.3ミクロンを超える結晶寸法を有するSAPO-34を含んで成る」「アンモニアまたは尿素でのNO_(X)のSCR用」「マイクロポーラス結晶性物質」を発明特定事項とするから、まず、これらの技術的事項が、発明の詳細な説明において具体的な裏付けをもって記載されているかについて検討する。

(2)本件明細書には、本件発明の実施例として「実施例1,2」が記載されているが、実施例1のSEM写真【図1】は、「第6.1.(3)」にて指摘したとおりAGI法が適用可能なものではなく、当該実施例において「0.3ミクロンを超える結晶寸法を有するSAPO-34」の存在を確認することはできない。
一方、実施例2のSEM写真【図2】は、下記のとおり個々の結晶の境界が明瞭であるからAGI法が適用可能であり、本件発明の「マイクロポーラス結晶性物質」が「0.3ミクロンを超える結晶寸法(平均値)を有するSAPO-34を含んで成る」ことや、さらに「SAPO-34は0.3?5.0ミクロンの範囲の結晶寸法(平均値)を有する」ことも確認することができる。
※ 本件実施例2のSEM写真の原図(被請求人上申書)


(3)そして、この実施例2について本件明細書の【表2】には、Cuイオン交換をしてNO_(x)のNH_(3)・SCR反応試験をしたことが記載されているから、これにより、本件発明の「マイクロポーラス結晶性物質」が「アンモニアまたは尿素でのNO_(X)のSCR用」であることも確認できる。
※ 【表2】


(4)さらに、本件明細書の【表1】には、実施例2のゲル組成及び水熱老化試験の前後の物性値について次のとおり記載されている。
※ 【表1】


これらの物性値から、本件発明の「マイクロポーラス結晶性物質」について、次の技術的事項も確認することができる。

「10体積パーセントの水蒸気の存在下に900℃の温度に16時間の暴露の後に、その表面積およびマイクロ細孔体積の少なくとも80%ならびに少なくとも0.40 mmol/gの酸性度を保持する」こと。
「SAPO-34は1?20%の量でSiO_(2)を含む」こと。
「少なくとも650m^(2)/gの初期表面積を有する」こと。
「少なくとも0.25cc/gの初期マイクロ細孔体積を有する」こと。
「暴露後に0.4?1.00 mmol/gの酸性度を有する」こと。

そして、「10体積パーセントの水蒸気の存在下に900℃の温度に16時間の暴露」の後の水熱安定性が開示されていれば、「10体積パーセントまでの水蒸気の存在下に700?900℃の範囲の温度に1?16時間にわたっての暴露」の後において、同等以上の水熱安定性を有することは、当業者に自明なことであるといえる。

してみると、これらの技術的事項を発明特定事項としている本件発明1,4?7,20?27の物の発明は、本件明細書の発明の詳細な説明に記載された発明といえる。そして、発明特定事項でもある水熱安定性は、本件発明の課題そのものであるから、これらの発明が、発明の詳細な説明の記載により当業者がその課題を解決できると認識できる範囲のものであることも明らかである。

(6)一方、本件明細書には、実施例2のマイクロポーラス結晶性物質にCuをイオン交換した後のマイクロ細孔体積や酸性度について記載も示唆もなく、表面積について、10体積パーセントの水蒸気の存在下に900℃の温度に16時間の暴露をすると初期の80%を保持できないことが、【表1】に開示されている。
してみると、Cuを含むマイクロポーラス結晶性物質において、マイクロ細孔体積や酸性度及びその水熱安定性を特定している本件発明2,3,8,9,11,12,28,29の物の発明は、本件明細書の発明の詳細な説明に記載された発明とはいえないし、発明の詳細な説明の記載が、これらの物の発明を実施できる程度に明確かつ十分に記載したものであるとはいえない。

(7)ここで、被請求人は意見書で、窒素ガス吸着法の吸着等温線から求められる表面積とマイクロ細孔体積とは、理論上高い相関性を有し、このことは、甲1に記載された複数のSAPO-34の実施例について、初期と老化試験後の表面積とマイクロ細孔体積を測定した結果(乙37)によっても裏付けられていることから、表面積のデータが開示されていれば、マイクロ細孔体積も同様になることは自明であると主張している。
しかしながら、表面積とマイクロ細孔体積が共に吸着等温線から求められるというだけでは、高い相関性を有する理由にはならないし、事後的な試験結果をもって、本件特許の出願時の技術常識とすることはできない。
したがって、【表2】において、Cuを含む実施例2のマイクロポーラス結晶性物質が、10体積パーセントの水蒸気の存在下に900℃の温度に1時間の暴露後に初期の表面積の80%を保持していることが開示されていることをもって、マイクロ細孔体積について特定する本件発明8,9を、本件明細書の発明の詳細な説明に記載された発明とすることはできない。

2.製法の開示

(1)「1.」にて指摘したように、本件明細書の発明の詳細な説明において、本件発明が特定する「マイクロポーラス結晶性物質」の具体的な開示は、「実施例2」のみと認められるから、当該実施例の製法の開示により、本件発明が特定する「マイクロポーラス結晶性物質」を製造することができるか否かについて検討する。

(2)本件明細書の【0053】には、実施例2について、
「実施例2(SAPO 34-大きな均一な結晶)
擬ベーマイト・アルミナ、リン酸、シリカ・ゾル(Nyacol 2040NH_(4))、TEAOH溶液および脱イオン水を一緒に混合して、ゲルを形成した。ゲルを室温で約30分間、オートクレーブに添加する前に撹拌した。オートクレーブを180℃に加熱し、その温度で12時間保った。冷却後、生成物をろ過によって回収し、脱イオン水で洗浄した。その後、有機物を除去するために生成物を乾燥し焼成した。得られた生成物は大きな均一な結晶であった。得られた特性を、以下の表1に示す。」
と記載され、また、表1には、上述したように実施例2のゲルの組成について記載されている。

(3)請求人は、これらの記載について、各原料の添加量、水の量、昇温速度や撹拌速度等が明らかにされておらず、いくつか追試をおこなってみても、SAPO-34の大きな均一な結晶が得られず、所定の水熱安定性も示さない([甲14-A?C][甲18-A?C][甲29-A?C])と主張している。また、甲11には、実施例2のゲル組成のTEAOH/Al_(2)O_(3)のモル比(0.7)では、通常、純粋なSAPO-34が生成しないことも記載されている([甲11-A])。

(4)これに対し、被請求人は、SAPO-34合成混合物のH_(2)O:Si比が小さいほど、すなわち、合成において水の量が少ないほど、SAPO-34の平均結晶寸法は大きくなり、水の量を選択することによって、得られるSAPO-34の結晶寸法を制御することができる([乙18-A?F])と主張している。

(5)そこで検討するに、本件明細書には、水の量について【0057】に、
「比較例2(SAPO34 -小さな不均一な結晶)
Alイソプロポキシド、リン酸、テトラエチル・オルトシリケート、TEAOH溶液および脱イオン水を一緒に混合して、以下の組成を有するゲルを形成した:
0.33 SiO_(2) : 1.0 Al_(2)O_(3) : 1.0 P_(2)O_(5) : 1.0 TEAOH: 51 H_(2)O」
と、比較例のゲル組成としての記載があるにすぎず、H_(2)O:Si比というパラメータについて記載も示唆もない。

(6)一方、被請求人が提出した乙18の図1には、「H_(2)O:Si比とSEMによるSAPO-34平均結晶寸法との間の相関関係」と題して、乙20の実施例1?3及び乙21に記載されたデータが示されている([乙18-B])が、乙20のデータは、回転楕円体結晶類似粒子(spheroidal isocrystalline particle)の粒径であって([乙20-A,C])、粒子を構成する結晶の寸法とは異なるもの([乙20-B,D?F])と認められ、乙21は、本件特許に係る出願の優先日後に公開された文献である。
また、乙18には、乙19の実施例1、2から、H_(2)O:Si比の増大でSAPO-34の結晶寸法の減少が観察されること([乙18-A])も記載されているが、これら2つの実施例の測定値([乙19-A])から、乙19において記載も示唆もない「H_(2)O:Si比」というパラメータを導き出すことはできない。

(7)また、被請求人は意見書で、乙35に記載されているように、H_(2)O/Si比の増加、すなわち反応種であるSi濃度の希釈により、結晶成長速度が低減することは、ゼオライトの合成において技術常識である([乙35-A])から、SAPO-34の結晶寸法を増大させるためにH_(2)O:Si比を減少させることは設計事項にすぎないと主張している。
しかしながら、乙35には、H_(2)O:Si比の増加により結晶成長速度が増大する例([乙35-B])も記載されている。さらに、H_(2)O:Si比の減少により反応種であるSi濃度が高くなれば、結晶成長速度だけでなく核生成も増加するから、結晶寸法の大きな単結晶粒子ではなく、粒径の大きな多結晶粒子となること([乙20-B,D?F])も予想され、乙18の図1における乙20のデータ([乙18-B])は、これを裏付けるものといえる。そして、乙36には、特定のH_(2)O:Si比において、結晶寸法が極小値となること([乙36-A])が記載されている。
したがって、H_(2)O:Si比がゼオライトの結晶成長速度に影響を与えることが技術常識であるとしても、本件明細書の比較例2の記載からH_(2)O:Si比を求め、これを減少させることにより、結晶寸法の増大した実施例2のマイクロポーラス結晶性物質を製造することが、当業者にとって設計事項にすぎないものであるとはいえない。

(8)したがって、H_(2)O:Si比というパラメータを前提とする被請求人の主張は採用できず、本件明細書の発明の詳細な説明の記載は、本件発明1,4?7,20?27の物の発明を実施できる程度に明確かつ十分に記載したものであるとはいえない。そして、このことは、本件発明13?16,19の製法発明が、本件明細書の発明の詳細な説明に記載された発明とはいえないことを意味し、また、発明の詳細な説明の記載は、これらの製法発明を実施できる程度に明確かつ十分に記載したものではないことも意味している。

3.まとめ

以上のとおり、無効理由5には理由があり、本件明細書の発明の詳細な説明の記載は、本件発明1?9,11?16,19?29を実施できる程度に明確かつ十分に記載したものでなく、また、本件発明2,3,8,9,11?16,19,28,29は、発明の詳細な説明に記載された発明ではない。

第8.無効理由1?4について

1.無効理由1

(1)甲1には、SAPO-34の製造の実施例35として、式(無水基準)0.09(TEA)・(Si_(0.08)Al_(0.51)P_(0.41))O_(2)の固体結晶質SAPO-34を製造し、これを活性化して吸着試験に供したこと([甲1-A])が記載されている。
してみると、甲1には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。
「吸着材用の焼成生成物であって、式(無水基準)0.09(TEA)・(Si_(0.08)Al_(0.51)P_(0.41))O_(2)の固体結晶質SAPO-34の焼成生成物。」

(2)ここで請求人は、甲1発明の再現実験及び水熱老化試験を実施し、甲19にて、甲1発明が「0.3ミクロンを超える結晶寸法を有し、10体積パーセントの水蒸気の存在下に900℃の温度に16時間の暴露の後に、その表面積およびマイクロ細孔体積の少なくとも80%ならびに少なくとも0.40 mmol/gの酸性度を保持するマイクロポーラス結晶性物質」であること([甲19-B,C])を示した上で、甲4には、SAPO-34がアンモニアでのNO_(X)のSCRに有用であること([甲4-A,B])が記載されているから、甲1発明をアンモニアでのNO_(X)のSCRに使用することにより、本件発明1は、当業者が容易に発明をすることができたものであると主張している。

(3)そこで検討するに、請求人が「第7.2.(3)」で指摘している撹拌速度や昇温速度について、甲1には記載がないにもかかわらず、再現実験において、それらの製造条件をどのように設定したのか明らかでない。また、再現実験で得られた焼成生成物に対し、甲1で測定されている吸着試験([甲1-B])を実施していないから、吸着特性の一致により甲1発明の再現実験であることを確認することもできない。
したがって、甲1発明が、本件発明1で特定する結晶寸法や水熱安定性を有することを、甲19の記載をもって直ちに認めることはできない。

(4)さらに、甲1発明が、本件発明1で特定する結晶寸法や水熱安定性を有することを、甲19により確認できるとしても、その結晶寸法や水熱安定性は、別途、試験しなければ知見できないものであって、甲1の記載から当業者に自明なものとはいえない。
してみると、甲1発明をアンモニアでのNO_(X)のSCRに用いた場合に、「0.3ミクロンを超える結晶寸法を有」し、「10体積パーセントまでの水蒸気の存在下に700?900℃の範囲の温度に16時間の暴露の後に、その表面積およびマイクロ細孔体積の少なくとも80%ならびに少なくとも0.40 mmol/gの酸性度を保持する」ことで、水熱老化後にも高いNO_(X)転化率を有することは、甲1及び甲4の記載から当業者が予期し得た作用効果にはならない。
したがって、本件発明1は、甲19の記載を考慮しても、甲1及び甲4に記載された発明に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものではなく、甲5?10,27,28に記載された発明を加えて検討しても、この判断を変更することはできない。
そして、本件発明1と同様に結晶寸法や水熱安定性を特定している本件発明2?9,11?16,19?29についても、同様の判断をすることができる。

2.無効理由2

(1)甲11には、結晶粒子全体のSi/Alの原子比よりも大きな原子比を持つ非晶質酸化物層を表面に有する8員環SAPOの実施例14として、平均粒子径2.2μmのSAPO-34の焼成粉末が得られ、この8員環SAPOをメチルアミン類の製造用の触媒として使用すること([甲11-B?D])が記載されている。
してみると、甲11には、次の発明(以下、「甲11発明」という。)が記載されていると認められる。
「メチルアミン類の製造用の焼成粉末であって、結晶粒子全体のSi/Alの原子比よりも大きな原子比を持つ非晶質酸化物層を表面に有する平均粒子径2.2μmのSAPO-34である焼成粉末。」

(2)ここで請求人は、甲11発明の再現実験及び水熱老化試験を実施し、弁駁書にて、甲11発明が「10体積パーセントの水蒸気の存在下に900℃の温度に16時間の暴露の後に、その表面積およびマイクロ細孔体積の少なくとも80%ならびに少なくとも0.40 mmol/gの酸性度を保持する」ものであることを示した上で、甲4には、SAPO-34がアンモニアでのNO_(X)のSCRに有用であること([甲4-A,B])が記載されているから、甲11発明をアンモニアでのNO_(X)のSCRに使用することにより、本件発明1は、当業者が容易に発明をすることができたものであると主張している。

(3)そこで検討するに、甲11発明は、メチルアミン類の製造において、従来技術よりも優れた触媒活性とジメチルアミン選択性を得るために、結晶粒子全体のSi/Alの原子比よりも大きな原子比を持つ非晶質酸化物層を表面に設けたもの([甲11-B,D])と認められる。
してみると、SAPO-34がアンモニアでのNO_(X)のSCRに有用であることが知られているとしても、別異の用途であるメチルアミン類の製造に適した表面改質層を有する甲11発明において、その用途を変更する動機付けにはならない。
したがって、本件発明1は、甲11及び甲4に記載された発明に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものではなく、甲5?10,27,28に記載された発明を加えて検討しても、この判断を変更することはできない。
そして、本件発明1と同様に用途を特定している本件発明2?9,11?16,19?29についても、同様の判断をすることができる。

3.無効理由3

(1)甲12には、Si含有量をコントロールできるシリコアルミノフォスフェートの実施例2において、CHA構造であるゼオライトが得られ、このゼオライトを水吸着材として使用すること([甲12-A])が記載されている。
してみると、甲12には、次の発明(以下、「甲12発明」という。)が記載されていると認められる。
「水吸着材用のゼオライトであって、CHA構造であるシリコアルミノフォスフェートからなるゼオライト。」

(2)ここで請求人は、甲12に記載されたXRDの測定結果([甲12-B])等から甲12発明はSAPO-34であると主張し、また、甲12発明の再現実験と水吸着試験及び水熱老化試験を実施し、甲13にて、甲12発明が「0.3ミクロンを超える結晶寸法を有し、10体積パーセントの水蒸気の存在下に900℃の温度に16時間の暴露の後に、その表面積およびマイクロ細孔体積の少なくとも80%ならびに少なくとも0.40 mmol/gの酸性度を保持する」ものであること([甲13-A?C])を示した上で、甲4には、SAPO-34がアンモニアでのNO_(X)のSCRに有用であること([甲4-A,B])が記載されているから、甲12発明をアンモニアでのNO_(X)のSCRに使用することにより、本件発明1は、当業者が容易に発明をすることができたものであると主張している。

(3)そこで検討するに、本件特許の図4には、本件発明の実施例2のXRDの測定結果が次のとおり記載されている。

甲12発明のXRD([甲12-B])を上記XRDと比較すると、ピークの位置や強度が対応しているとはいえず、甲12発明が、本件発明と同様のSAPO-34であるか否か不明である。

(4)さらに、甲12発明が、本件発明1で特定する結晶寸法や水熱安定性を有するSAPO-34であることが、仮に甲12,13により確認できるとしても、その結晶寸法や水熱安定性は、別途、試験しなければ知見できないものであって、甲12の記載から当業者に自明なものとはいえない。
してみると、甲12発明をアンモニアでのNO_(X)のSCRに用いた場合に、「0.3ミクロンを超える結晶寸法を有」し、「10体積パーセントまでの水蒸気の存在下に700?900℃の範囲の温度に16時間の暴露の後に、その表面積およびマイクロ細孔体積の少なくとも80%ならびに少なくとも0.40 mmol/gの酸性度を保持する」ことで水熱老化後にも高いNO_(X)転化率を有することは、甲12及び甲4の記載から当業者が予期し得た作用効果にはならない。
したがって、本件発明1は、甲13の記載を考慮しても、甲12及び甲4に記載された発明に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものではなく、甲5?10,27,28に記載された発明を加えて検討しても、この判断を変更することはできない。
そして、本件発明1と同様に結晶寸法や水熱安定性を特定している本件発明2?9,11?16,19?29についても、同様の判断をすることができる。

4.無効理由4

(1)甲9には、銅イオン交換をしたSAPO-34をC_(3)H_(6)を用いたNOの選択的還元に使用すること([甲9-A])が記載されている。
してみると、甲9には、次の発明(以下、「甲9発明」という。)が記載されていると認められる。
「C_(3)H_(6)を用いたNOの選択的還元(SCR)用のSAPO-34。」

(2)ここで請求人は、甲9発明の再現実験及び水熱老化試験を実施し、甲17にて、甲1発明が「0.3ミクロンを超える結晶寸法を有し、10体積パーセントの水蒸気の存在下に900℃の温度に16時間の暴露の後に、その表面積およびマイクロ細孔体積の少なくとも80%ならびに少なくとも0.40 mmol/gの酸性度を保持するマイクロポーラス結晶性物質」であること([甲17-A?C])を示した上で、甲4には、SAPO-34がアンモニアでのNO_(X)のSCRに有用であること([甲4-A,B])も記載されているから、甲9発明をアンモニアでのNO_(X)のSCRに使用することにより、本件発明1は、当業者が容易に発明をすることができたものであると主張している。

(3)そこで検討するに、甲9には、甲1の記載に従って合成された([甲9-B,E])とは記載されているが、特定の実施例の記載に従って合成されたとは記載されていないにもかかわらず、請求人は、甲9発明の前駆体の合成方法について、甲1記載の「実施例35」の手順を採用して再現実験をしている([甲17-A][甲1-A])と認められる。
また、甲9には、甲9発明の水熱安定性に関し、Cuをイオン交換後、3体積%H_(2)Oを含む雰囲気下で800℃(1073K)の熱処理をするとNO還元に対する活性が低下すること([甲9-C,D])が記載されているが、仮に、甲9発明が、10体積%の水蒸気の存在下に900℃の温度に16時間暴露しても安定なものであったら、Cuをイオン交換後に、甲9に記載されるような低湿度・低温・短時間の熱処理をしてもNO還元に対する活性は低下しないものと解される。
したがって、甲9発明が、本件発明1が特定する結晶寸法や水熱安定性を有することを、甲17の記載をもって直ちに認めることはできない。

(4)さらに、甲9発明が、本件発明1で特定する結晶寸法や水熱安定性を有することを、甲17により確認できるとしても、その結晶寸法や水熱安定性は、別途、試験しなければ知見できないものであって、甲9の記載から当業者に自明なものとはいえない。
してみると、甲9発明をアンモニアでのNO_(X)のSCRに用いた場合に、「0.3ミクロンを超える結晶寸法を有」し、「10体積パーセントまでの水蒸気の存在下に700?900℃の範囲の温度に16時間の暴露の後に、その表面積およびマイクロ細孔体積の少なくとも80%ならびに少なくとも0.40 mmol/gの酸性度を保持する」ことで水熱老化後にも高いNO_(X)転化率を有することは、甲9、甲1及び甲4の記載から当業者が予期し得た作用効果にはならない。
したがって、本件発明1は、甲13,17の記載を考慮しても、甲9、甲1及び甲4に記載された発明に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものではなく、甲6?8,10,20,21に記載された発明及び甲38,30,32,36に記載された周知技術を加えて検討しても、この判断を変更することはできない。
そして、本件発明1と同様に結晶寸法や水熱安定性を特定している本件発明2?9,11?16,19?29についても、同様の判断をすることができる。

5.まとめ

以上のとおり、無効理由1?4には理由がなく、本件発明1?9,11?16,19?29は、その優先権の基礎とされた先の出願前に当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

第9.むすび

以上のとおり無効理由5,6には理由があり、本件発明1?9,11?16,19?29に係る特許は、特許法第123条第1項第4号の規定に該当し、無効とすべきものである。
また、請求項10,17,18は、訂正により削除されたため、これらの請求項に係る特許無効の請求については、対象となる請求項が存在しない。
審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、被請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.3ミクロンを超える結晶寸法を有するSAPO-34を含んで成る、アンモニアまたは尿素でのNO_(x)のSCR用の水熱的に安定なマイクロポーラス結晶性物質であって、前記結晶性物質は、10体積パーセントまでの水蒸気の存在下に700?900℃の範囲の温度に16時間の暴露の後に、その表面積およびマイクロ細孔体積の少なくとも80%ならびに少なくとも0.40mmol/gの酸性度を保持する、マイクロポーラス結晶性物質。
【請求項2】
前記結晶性物質は銅を含んで成ることを特徴とする、請求項1に記載されたマイクロポーラス結晶性物質。
【請求項3】
前記結晶性物質は銅陽イオン交換されたSAPO-34を含んで成ることを特徴とする、請求項2に記載されたマイクロポーラス結晶性物質。
【請求項4】
前記SAPO-34は1?20%の量でSiO_(2)を含む、請求項1に記載されたマイクロポーラス結晶性物質。
【請求項5】
前記SAPO-34は0.3?5.0ミクロンの範囲の結晶寸法を有する、請求項1に記載されたマイクロポーラス結晶性物質。
【請求項6】
少なくとも650m^(2)/gの初期表面積を有する、請求項1に記載されたマイクロポーラス結晶性物質。
【請求項7】
少なくとも0.25cc/gの初期マイクロ細孔体積を有する、請求項1に記載されたマイクロポーラス結晶性物質。
【請求項8】
アンモニアまたは尿素でのNO_(x)のSCR用の水熱的に安定したマイクロポーラス結晶性物質であって、前記結晶性物質は0.3ミクロンを超える結晶寸法を有する銅含有SAPO-34を含んで成り、10体積パーセントまでの水蒸気の存在下に900℃までの温度に1時間までの暴露の後にその表面積およびマイクロ細孔体積の少なくとも80%を保持する、マイクロポーラス結晶性物質。
【請求項9】
前記結晶性物質は銅陽イオン交換されたSAPO-34を含んで成ることを特徴とする、請求項8に記載されたマイクロポーラス結晶性物質。
【請求項10】 (削除)
【請求項11】
前記銅が前記物質の総重量の少なくとも1.0重量パーセントを含んで成る、請求項8に記載されたマイクロポーラス結晶性物質。
【請求項12】
前記SAPO-34は1?20%のSiO_(2)を含む、請求項8に記載されたマイクロポーラス結晶性物質。
【請求項13】
SAPO-34を含んで成るシリコアルミノフォスフェート・モレキュラーシーブを製造する方法であって、前記方法は、
アルミナ、シリカおよびホスフェートの原料をTEAOH溶液および水と混合してゲルを形成する工程;
前記ゲルをオートクレーブ中で150?180℃の範囲の温度に加熱して、生成物を得る工程;
前記生成物を冷却し、および要すれば洗浄する工程;
前記生成物を焼成して0.3ミクロンを超える結晶寸法を有しおよび1?20%のSiO_(2)を含むSAPO-34を含んで成るモレキュラーシーブを形成する工程、を含んで成り、
前記モレキュラーシーブは、10体積パーセントまでの水蒸気の存在下に700?900℃の範囲の温度に16時間の暴露の後に、その表面積およびマイクロ細孔体積の少なくとも80%を保持しならびに少なくとも0.40mmol/gの酸性度を有し、さらに
銅陽イオンを陽イオン交換工程によって前記モレキュラーシーブに導入する工程を含む、方法。
【請求項14】
アルミナの前記原料が擬ベーマイト・アルミナである、請求項13に記載された方法。
【請求項15】
シリカの前記原料がシリカゾルである、請求項13に記載された方法。
【請求項16】
ホスフェートの前記原料がリン酸である、請求項13に記載された方法。
【請求項17】 (削除)
【請求項18】 (削除)
【請求項19】
前記ゲルがオートクレーブ中で180℃の温度に加熱される、請求項13に記載された方法。
【請求項20】
前記暴露が900℃の温度を含んで成る、請求項1に記載されたマイクロポーラス結晶性物質。
【請求項21】
前記結晶性物質が暴露後に0.4?1.00mmol/gの酸性度を有する、請求項1に記載されたマイクロポーラス結晶性物質。
【請求項22】
前記SAPO-34が0.3?5.0ミクロンの範囲の結晶寸法を有する、請求項1に記載されたマイクロポーラス結晶性物質。
【請求項23】
0.3ミクロンを超える結晶寸法および少なくとも0.40mmol/gの酸性度を有するSAPO-34を含んで成る、アンモニアまたは尿素でのNO_(x)のSCR用の水熱的に安定なマイクロポーラス結晶性物質であって、該SAPO-34は10体積パーセントまでの水蒸気の存在下に700?900℃の範囲の温度に1?16時間にわたっての暴露を含んで成る水熱的老化の後に、その表面積およびマイクロ細孔体積の少なくとも80%を保持する、マイクロポーラス結晶性物質。
【請求項24】
前記SAPO-34は、1?20%の範囲の量のSiO_(2)を含む、請求項23に記載されたマイクロポーラス結晶性物質。
【請求項25】
少なくとも650m^(2)/gの初期表面積を有する、請求項23に記載されたマイクロポーラス結晶性物質。
【請求項26】
少なくとも0.25cc/gの初期マイクロ細孔体積を有する、請求項23に記載されたマイクロポーラス結晶性物質。
【請求項27】
前記SAPO-34は0.3?5.0ミクロンの範囲の結晶寸法を有する、請求項23に記載されたマイクロポーラス結晶性物質。
【請求項28】
前記銅が前記物質の総重量の約2.0重量パーセントを含んで成る、請求項2に記載されたマイクロポーラス結晶性物質。
【請求項29】
前記銅が前記物質の総重量の約2.0重量パーセントを含んで成る、請求項8に記載されたマイクロポーラス結晶性物質。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2017-09-28 
結審通知日 2017-10-04 
審決日 2017-10-17 
出願番号 特願2010-500962(P2010-500962)
審決分類 P 1 113・ 537- ZAA (C01B)
P 1 113・ 121- ZAA (C01B)
P 1 113・ 536- ZAA (C01B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 大工原 大二  
特許庁審判長 大橋 賢一
特許庁審判官 永田 史泰
新居田 知生
登録日 2011-12-22 
登録番号 特許第4889807号(P4889807)
発明の名称 8員環細孔開口構造を有するモレキュラーシーブまたはゼオライトを含んで成る新規マイクロポーラス結晶性物質およびその製法およびその使用  
復代理人 竹本 晋也  
代理人 佐藤 剛  
代理人 岩瀬 吉和  
代理人 村上 遼  
代理人 城山 康文  
代理人 田村 啓  
代理人 飯野 陽一  
代理人 尼崎 匡  
代理人 森本 靖  
代理人 尼崎 匡  
代理人 玄番 佐奈恵  
代理人 佐藤 剛  
代理人 玄番 佐奈恵  
代理人 森本 靖  
代理人 田村 啓  
代理人 金山 賢教  
復代理人 赤羽 良之  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ