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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F
管理番号 1339760
審判番号 不服2017-7135  
総通号数 222 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-06-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-05-17 
確定日 2018-04-26 
事件の表示 特願2014-57930号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成27年10月22日出願公開、特開2015-181512号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1 手続の経緯の概要
本願は、平成26年3月20日の出願であって、平成27年10月27日に手続補正書が提出され、平成28年8月29日付けで拒絶の理由が通知され、同年10月24日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成29年3月23日付けで拒絶査定がなされ(発送日:同年3月28日)、それに対し、平成29年5月17日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。
そして、当審にて同年11月28日付けで拒絶理由を通知したところ、平成30年1月22日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。

2 本願発明
本願の請求項1?3に係る発明は、平成30年1月22日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?3に記載されたとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。

「A 可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
B 可変表示に関する情報を保留記憶として記憶する保留記憶手段と、
C 前記保留記憶に対応する保留表示を行う保留表示手段と、
D 実行中の可変表示に対応する特定表示を行う特定表示手段と、
E 前記保留表示の表示態様を変化させる第1変化演出を実行する第1変化演出実行手段と、
F 前記特定表示の表示態様を変化させる第2変化演出を実行する第2変化演出実行手段とを備え、
G 所定態様の演出を実行した後に、前記第1変化演出または前記第2変化演出を実行する場合と、実行しない場合とがあり、
H 可変表示の態様は、仮停止した後に再度可変表示を実行する態様を含み、
I 前記第1変化演出が実行された後に表示される前記保留表示の表示態様は、前記第2変化演出が実行された後には表示されない特殊態様を含み、
J 前記第2変化演出が実行された後に表示される前記特定表示の表示態様は、再度可変表示が実行されることを、可変表示の実行中に報知する報知態様を含み、
K 1の前記第1変化演出を実行することにより複数の前記保留表示の表示態様を変化可能である、
ことを特徴とする遊技機。」(A?Kは、当審にて分説して付与した。)

3 刊行物に記載された発明
当審による拒絶理由において刊行物として提示された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2014-36684号公報には、【図165】?【図213】、【1093】?【1585】に対応する他の実施の形態を中心に次の事項が記載されていると認められる。

・記載事項
ア 「【技術分野】
【0001】
本発明は、弾球遊技機(パチンコ機)や回胴遊技機(スロットマシン)に代表される遊技台に関する。
・・・
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の遊技台では、保留数の表示態様が単調なため、遊技者が図柄変動の保留数の変化に気付きにくい場合があったり、保留数や図柄変動に対する遊技者の興味が薄れてしまうといった問題点があった。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点を解決するためになされたものであって、遊技台の興趣を向上させることができる遊技台を提供することを目的とする。」

イ 「【1102】
払出装置152の図中左側には、遊技全般の制御処理を行う主制御部300を構成する主基板156を収納する主基板ケース158と、主制御部300が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部400を構成するとともにパチンコ機100から出力される音量を遊技店員の操作によって調整するロータリー式の音量調整スイッチ161を備える第1副基板160を収納する第1副基板ケース162と、第1副制御部400が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部500を構成する第2副基板164を収納する第2副基板ケース166と、遊技球の払出しに関する制御処理を行う払出制御部600を構成するとともに遊技店員の操作によってエラーを解除するエラー解除スイッチ168を備える払出基板170を収納する払出基板ケース172と、遊技球の発射に関する制御処理を行う発射制御部630を構成する発射基板174を収納する発射基板ケース176と、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源制御部660を構成するとともに遊技店員の操作によって電源をオンオフする電源スイッチ178と電源投入時に操作されることによってRWMクリア信号を主制御部300に出力するRWMクリアスイッチ180とを備える電源基板182を収納する電源基板ケース184と、払出制御部600とカードユニットとの信号の送受信を行うCRインタフェース部186と、パチンコ機100の情報を外部のホールコンピュータ等に出力するために主基板156や第1副基板160等とホールコンピュータ等との間を中継する中継基板188と、を配設している。」

ウ 「【1138】
図169(a)には、特図1の図柄変動停止表示における停止図柄態様として「特図A」?「特図E」の5種類の特図が示されている。図169(a)においては、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。「特図A」は15ラウンド(15R)特別大当り図柄であり、「特図B」は15R大当り図柄である。本実施形態のパチンコ機100では、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い、特別大当りか否かの決定はソフトウェア乱数の抽選によって行う。大当りと特別大当りの違いは、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い(特別大当り)か低い(大当り)かの違いである。以下、この大当りに当選する確率が高い状態のことを特図高確率状態(以下、「特図確変」または単に「確変」という場合がある)と称し、その確率が低い状態のことを特図低確率状態と称する。また、15R特別大当り遊技終了後および15R大当り遊技終了後にはいずれも時短状態(電サポ状態)に移行する。時短については詳しくは後述するが、時短状態のことを普図高確率状態(以下、「普図確変」という場合がある)と称し、時短状態でない状態のことを普図低確率状態と称する。15R特別大当り図柄である「特図A」は、特図高確率普図高確率状態であり、15R大当り図柄である「特図B」は、特図低確率普図高確率状態である。これらの「特図A」および「特図B」は、遊技者に対する有利度が相対的に大きくなる図柄である。」

エ 「【1142】
図169(c)は装飾柄の一例を示したものである。本実施形態の装飾図柄には、「装飾1」?「装飾10」の10種類がある。特図1始動口230または特図2始動口232に球が入賞したこと、すなわち、特図1始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したこと、あるいは特図2始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・→「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。
【1143】
そして、「特図A」の15R特別大当り、「特図B」の15R大当り、「特図a」の16R特別大当り、「特図b」の8R特別大当り、「特図c」の8R大当りを報知する場合には、図柄表示領域208a?208cに同じ装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾1-装飾1-装飾1」や「装飾2-装飾2-装飾2」等)を停止表示する。「特図A」の15R特別大当り、「特図a」の16R特別大当りを明示的に報知する場合には、同じ奇数の装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾3-装飾3-装飾3」や「装飾7-装飾7-装飾7」等)を停止表示する。」

オ 「【1274】
また本例では、保留が消化されて特図変動遊技が開始された後に、当該特図変動遊技に対応する1つの変動アイコンが表示される場合がある。変動アイコンは、例えば保留アイコンの表示態様と関連した表示態様からなり、保留アイコンと同様にテクスチャ画像のアニメーションとして表示される。変動アイコンは、その表示態様によって当該変動の当否についての予告(当該変動予告)が可能であり、基本的には当該変動の当否結果が報知されたタイミングで消去される。したがって、変動アイコンは、特図変動遊技の当否結果の報知を保留しているという意味では保留アイコンの一種と考えることもできる。変動アイコンと保留アイコンは同一の態様を有する場合がある。また、特図変動遊技が開始された場合に、該特図変動遊技に対応する保留に基づいて表示される保留アイコンの消去アニメーションが該特図変動遊技に対応する保留に基づいて表示される変動アイコンの表示を示す場合がある。つまり、保留アイコンから変動アイコンへと役割が切り替わることを示すアニメーションのことを保留アイコンの消去アニメーションとする場合がある。この場合、保留アイコンと変動アイコンの表示態様が同一の場合ある。つまり、該消去アニメーションは、保留アイコンとしての機能が失われたことを特に示すもので、且つ保留アイコンが変動アイコンへと切り替わったことを示すアニメーションである。」

カ 「<変動アイコン表示制御処理>
【1301】
図186は、変動アイコン表示制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、変動アイコン表示制御処理のステップS1301では、特図変動遊技が開始されたタイミングであるか否かを判定する。例えば、図柄変動開始コマンドを第1副制御部400から受信したタイミングであれば特図変動遊技が開始されたタイミングであると判定し、それ以外であれば特図変動遊技が開始されたタイミングではないと判定する。特図変動遊技が開始されたタイミングであると判定した場合にはステップS1303に進み、特図変動遊技が開始されたタイミングでないと判定した場合にはステップS1307に進む。
・・・
【1312】
ステップS1321では、変動アイコン変更アニメーション4表示処理(後述する図191に示すアイコン変更アニメ4の項目に従って変動アイコンを変更するアニメーションを表示する処理)を行った後にステップS1323に進み、ステップS1322では、変動アイコン変更アニメーション1表示処理(後述する図191に示すアイコン変更アニメ1の項目に従って変動アイコンを変更するアニメーションを表示する処理)、または、変動アイコン変更アニメーション2表示処理(後述する図191に示すアイコン変更アニメ2の項目に従って変動アイコンを変更するアニメーションを表示する処理)を行った後にステップS1323に進む。
・・・
【1316】
なお、変動アイコンは、全ての特図変動遊技中に表示されるようにしてもよいし、所定の条件が成立したとき(例えば、特定の演出モードが設定されたときや遊技状態に応じて表示可否を切り替える)の特図変動遊技中のみに表示されるようにしてもよい。
・・・
【1324】
上述の通り、本例の保留アイコンの表示態様には、「白」、「青」、「赤」、「箱」、「千両箱」の5種類がある。変動アイコンの表示態様には、「白」、「青」、「赤」、「金」、「煙」、「酒」、「刀」、「家紋」の8種類がある。これらのうち、「白」、「青」、「赤」の3種類は、保留アイコンと変動アイコンとで共通の表示態様である。「箱」、「千両箱」の2種類は、保留アイコンに固有の表示態様であり、「金」、「煙」、「酒」、「刀」、「家紋」の5種類は、変動アイコンに固有の表示態様である。言い換えれば、本例の保留アイコンの表示態様には、3種類の共通表示態様と2種類の固有表示態様とがあり、変動アイコンの表示態様には、3種類の共通表示態様と5種類の固有表示態様とがある。本例では、変動アイコンの固有表示態様の数(本例では5)は、保留アイコンの固有表示態様の数(本例では2)よりも大きい。保留アイコンの表示態様は、全て共通表示態様(固有表示態様が0)であってもよい。」

キ 「<アイコン変更アニメーション>
【1326】
図191は、アイコン変更アニメの実行契機、実行確率、アイコン表示態様変更、表示態様の一例を示した図である。ここで、アイコン変更アニメーションとは、第一の表示態様のアイコンを第二の表示態様のアイコンに変更するために行われるアニメーションを意味している。このアイコン変更アニメーションには、例えば、第一の表示態様(例えば、表示態様:白サボハニ)の保留アイコンを第二の表示態様(例えば、表示態様:青サボハニ)(例えば、表示態様:青)の保留アイコンに変更するために行われる保留アイコン変更アニメーションや、第一の表示態様の変動アイコン(例えば、表示態様:白)を第二の表示態様(例えば、表示態様:青)の変動アイコンに変更するために行われる変動アイコン変更アニメーションなどが含まれる。
【1327】
また、第一の表示態様の保留アイコン(例えば、表示態様:白)を第二の表示態様の変動アイコン(例えば、表示態様:青)に変更するために行われる変更アニメーションなどが含まれる。また、アイコン変更アニメーションは、アイコンの表示態様を第一から第二の表示態様へ変えるものと、第三から第四の表示態様へ変えるものとが共通の態様であっても良い。更にその逆に、第一から第二の表示態様へ変えるものと、第三から第四の表示態様へ変えるものを個別に設定していても良い。また、変更アニメーションが行われたからといって、保留アイコンの表示態様を必ず変化させる必要はなく、例えば第一の保留アイコンに対しアイコン変更アニメーションが行われたにも関わらず、該アイコン変更アニメーションの終了後も第一のアイコンの表示態様を変更しない場合があっても良い。また、実行された場合には、必ず対象となる保留アイコンの表示態様が変更されるアイコン変更アニメーションを実行可能に構成していても良い。
・・・
【1342】
上述のとおり、第2副制御部500は、図185に示す保留アイコン表示制御処理において、保留アイコン変更条件が成立し、かつ、当該変動のタイマ番号がタイマ2(変動時間3000msの短縮変動)の場合には、保留アイコン変動アニメーション3(アイコン変更アニメ3)を表示し、保留アイコン変更条件が成立し、かつ、当該変動のタイマ番号がタイマ2(変動時間3000msの短縮変動)以外の場合には、保留アイコン変動アニメーション1(アイコン変更アニメ1)または保留アイコン変動アニメーション2(アイコン変更アニメ2)を表示する。
・・・
【1366】
同図(d)?(e)のタイミングでは、アイコン変更アニメ4の(表示態様1:導入)に従って、殿のキャラクターが保留アイコン表示領域900の直上から落下するアニメーションを行っている。続いて、同図(e)?(f)のタイミングでは、アイコン変更アニメ4の(表示態様2:煽り)に従って、全ての保留アイコン902?904を視認困難にする煙を表示するアニメーションを行っている。つまり、アイコン変更アニメ4は、複数の保留アイコンに対し、表示態様が変更される可能性のあるアニメを行なう点で、アイコン変更アニメ3と相違する。また、対象となる保留アイコンの数が異なるため、それに伴い、保留アイコンを隠すエフェクト(本例では煙の表示)もアイコン変更アニメ3とは異なっている。」

ク 「【1542】
また、電断・復電に限らず、例えば、大当りやST終了等による遊技状態の変更があった場合にも所定の回数保留アイコンおよび変動アイコンを予め定められた態様で表示するようにしていてもよい。また、擬似連が行われる度に変動アイコンの消去と復帰を繰り返し複数回行ってもよい。また、当否判定結果として、特別な当否判定結果が導出された場合には、変動アイコンにおける移動アニメ・変化アニメ・消去アニメのうちの少なくともいずれか一つの実行を規制してもよい。
・・・
【1545】
また、本実施の形態による遊技台は、所定の保留記憶条件が成立した場合には、所定の始動情報を保留として少なくとも記憶可能な保留記憶手段(例えば、RAM308、特図1乱数値記憶領域、特図2乱数値記憶領域)と、所定の保留表示条件が成立した場合には、一の前記保留に対応する一の保留アイコンを少なくとも表示可能な保留表示手段(例えば、装飾図柄表示装置208、保留アイコン表示領域900、第1副制御部400、第2副制御部500)と、を備え、前記保留表示手段は、所定の保留移動条件(例えば、特図変動遊技の開始、保留の増加)が成立した場合には、所定の保留に対応する所定の保留アイコンの表示位置を移動させる所定の保留移動アニメーション(例えば、保留アイコンの移動アニメーション、増加アニメーション、消去アニメーション、保留・変動アイコン間の移動アニメーション)を表示可能なものであり、第一の保留移動条件が成立した場合に、前記所定の保留移動条件は成立するものであり、前記第一の保留移動条件とは別の第二の保留移動条件が成立した場合にも、前記所定の保留移動条件は成立するものであり、前記保留表示手段は、前記第一の保留移動条件が成立した場合には、前記保留記憶手段に記憶された第一の保留と対応する第一の保留アイコンについての第一の保留移動アニメーションを実行し、前記保留表示手段は、前記第二の保留移動条件が成立した場合には、前記保留記憶手段に記憶された前記第一の保留とは異なる第二の保留と対応する第二の保留アイコンについての第二の保留移動アニメーションを実行するものであって、前記保留表示手段は、前記第一の保留移動アニメーションの実行中に、前記第二の保留移動条件が成立した場合には、実行中の前記第一の保留移動アニメーションと共に前記第二の保留移動アニメーションを開始可能なものであり、前記保留表示手段は、前記第二の保留移動アニメーションの実行中に、前記第一の保留移動条件が成立した場合には、実行中の前記第二の保留移動アニメーションと共に前記第一の保留移動アニメーションを開始可能なものであることを特徴とする。
・・・
【1575】
また、本実施の形態による遊技台において、所定の予告条件が成立した場合には、予告を少なくとも開始可能な予告手段(例えば、装飾図柄表示装置208、変動アイコン表示領域800、保留アイコン表示領域900、第1副制御部400、第2副制御部500)を備え、前記予告手段は、前記所定の予告条件が成立した場合には、前記予告として、所定の変動アイコンを少なくとも表示可能なものであり、前記予告手段は、所定の先読み予告条件が成立した場合には、先読み予告として、前記保留アイコンを少なくとも表示可能なものであり、前記予告手段は、前記図柄変動が開始された後で、前記変動アイコンを表示可能なものであり、前記変動アイコンの表示態様は、前記保留アイコンの表示態様に関連した表示態様からなるものであり、前記保留表示位置変更手段は、前記第一の表示位置変更条件の成立に基づいて、前記保留アイコンの表示位置を第三の表示位置(例えば、保留アイコン表示領域900の第1領域)から第四の表示位置(例えば、変動アイコン表示領域800)に変更し、前記保留表示位置変更手段は、前記保留アイコンの表示位置を前記第三の位置から前記第四の位置へと変更する場合に、前記保留移動アニメーションを表示し、前記保留表示態様変更手段は、前記保留アイコンの表示位置を前記第三の位置から前記第四の位置へと変更する前記保留移動アニメーションの実行中に、前記保留アイコンを前記変動アイコンに変更することを特徴とする。」

・認定事項
ケ 【1102】に「第1副制御部400が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部500・・・」と記載され、
【1301】に「図186は、変動アイコン表示制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。」と記載され、
【1312】に「変動アイコン変更アニメーション1表示処理・・・または、変動アイコン変更アニメーション2表示処理・・・を行った」と記載され、
【1316】に「変動アイコンは、全ての特図変動遊技中に表示されるようにしてもよい・・・」と記載され、
アイコン変更アニメの実行契機、実行確率、アイコン表示態様変更、表示態様の一例を示した図である【図191】には、変動アイコン変更アニメーション1?4に「アイコンの表示態様を変更」する内容を含むことが図示されている。
したがって、刊行物1には、変動アイコン表示制御処理において、変動アイコン変更条件が成立した場合に、アイコンの表示態様を変更する内容の変動アイコン変更アニメーション表示処理を行う第2副制御部500について示されているものと認められる。

コ アイコン変更アニメの実行契機、実行確率、アイコン表示態様変更、表示態様の一例を示した図である【図191】には、変動アイコン変更アニメーション1?4に、「キャラクターがアイコンの直上から落下する内容」、「キャラクターがアイコンの直上から落下後、アイコンの上でジャンプする内容」、若しくは、「キャラクターがアイコン表示領域の直上から落下後、全アイコンを視認困難にする煙を表示する内容」を含むことが図示されている。
したがって、刊行物1には、アイコン変更アニメーションには、「キャラクターがアイコンの直上から落下する内容」、「キャラクターがアイコンの直上から落下後、アイコンの上でジャンプする内容」、若しくは、「キャラクターがアイコン表示領域の直上から落下後、全アイコンを視認困難にする煙を表示する内容」を含むことが示されているものと認められる。

サ 上記ア?クの記載事項、及び、上記ケ?コの認定事項を踏まえると、刊行物には、次の発明(以下「刊行物発明」という。)が記載されているものと認められる(a?kは、本願発明のA?Kに対応させて付与した。)。

「a 装飾図柄表示装置208により装飾図柄の変動表示を行い(【1142】)、遊技者に対する有利度が相対的に大きくなる15R特別大当り、15R大当りに対応する同じ装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せを停止表示する(【1138】、【1143】)遊技台であって(【1545】)、

b 所定の保留記憶条件が成立した場合には、所定の始動情報を保留として少なくとも記憶可能な保留記憶手段(【1545】)と、

c 所定の保留表示条件が成立した場合には、一の保留に対応する一の保留アイコンを表示可能な保留表示手段(例えば、装飾図柄表示装置208、保留アイコン表示領域900、第1副制御部400、第2副制御部500)(【1545】)と、

d 特図変動遊技中に、当該特図変動遊技に対応する1つの変動アイコンを表示可能な予告手段(例えば、装飾図柄表示装置208、変動アイコン表示領域800、第1副制御部400、第2副制御部500)(【1274】、【1316】、【1575】)と、

e 保留アイコン表示制御処理において、保留アイコン変更条件が成立した場合に、保留アイコン変動アニメーションとしての「アイコンの態様を変更」する表示態様の表示を行う第2副制御部500(【1342】、【図191】)と、

f 変動アイコン表示制御処理において、変動アイコン変更条件が成立した場合に、アイコンの表示態様を変更する内容の変動アイコン変更アニメーション表示処理を行う第2副制御部500(認定ケ)と、

g アイコン変更アニメーションには、「キャラクターがアイコンの直上から落下する内容」、「キャラクターがアイコンの直上から落下後、アイコンの上でジャンプする内容」、若しくは、「キャラクターがアイコン表示領域の直上から落下後、全アイコンを視認困難にする煙を表示する内容」を含み(認定コ)、
アイコン変更アニメーションには、保留アイコン変更アニメーションや、変動アイコン変更アニメーションなどが含まれ(【1326】)、
変更アニメーションが行われたからといって、保留アイコンの表示態様を必ず変化させる必要はなく(【1327】)、

h、j 擬似連が行われる度に変動アイコンの消去と復帰を繰り返し複数回行ってもよく(【1542】)、

i 保留アイコンに固有の表示態様には、「箱」、「千両箱」の2種類があり(【1324】)、

k アイコン変更アニメ4は、保留アイコンを隠すエフェクト(煙の表示)を行うことにより、複数の保留アイコンに対し、表示態様が変更される可能性のあることを示すアニメである(【1366】)、
遊技台。」

4 対比
本願発明と刊行物発明とを対比する。
(a)刊行物発明における「装飾図柄表示装置208により装飾図柄の変動表示を行」うこと、「遊技台」は、それぞれ、本願発明における「可変表示を行」うこと、「遊技機」に相当する。
そして、刊行物発明において、「15R特別大当り、15R大当りに対応する同じ装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せを停止表示する」と、遊技状態が「15R特別大当り」、または、「15R大当り」である遊技状態に制御されることは当業者にとって明らかである。
そうすると、刊行物発明における「15R特別大当り、15R大当りに対応する同じ装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せを停止表示する」ことは、本願発明における「遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な」ことに相当する。
したがって、刊行物発明における構成aは、本願発明における構成Aに相当する。

(b)刊行物発明における「所定の始動情報」、「保留として少なくとも記憶可能な」ことは、それぞれ、本願発明における「可変表示に関する情報」、「保留記憶として記憶する」ことに相当する。
したがって、刊行物発明における「保留記憶手段」は、本願発明における「保留記憶手段」に相当する。

(c)刊行物発明における「一の保留に対応する」こと、「一の保留アイコンを表示可能な」ことは、それぞれ、本願発明における「保留記憶に対応する」こと、「保留表示を行う」ことに相当する。
したがって、刊行物発明における「保留表示手段(例えば、装飾図柄表示装置208、保留アイコン表示領域900、第1副制御部400、第2副制御部500)」は、本願発明における「保留表示手段」に相当する。

(d)刊行物発明における「特図変動遊技中に、当該特図変動遊技に対応する1つの変動アイコン」は、本願発明における「実行中の可変表示に対応する特定表示」に相当する。
したがって、刊行物発明における「予告手段(例えば、装飾図柄表示装置208、変動アイコン表示領域800、第1副制御部400、第2副制御部500)」は、本願発明における「特定表示手段」に相当する。

(e)刊行物発明における「保留アイコン変動アニメーションとしての「アイコンの態様を変更」する表示態様」は、本願発明における「保留表示の表示態様を変化させる第1変化演出」に相当する。
したがって、刊行物発明における「第2副制御部500」は、本願発明における「第1変化演出実行手段」としての機能を有する。

(f)刊行物発明における「アイコンの表示態様を変更する内容の変動アイコン変更アニメーション表示処理」は、本願発明における「特定表示の表示態様を変化させる第2変化演出」に相当する。
したがって、刊行物発明における「第2副制御部500」は、本願発明における「第2変化演出実行手段」としての機能を有する。

(g)刊行物発明における「キャラクターがアイコンの直上から落下する内容」の「アイコン変更アニメーション」、「キャラクターがアイコンの直上から落下後、アイコンの上でジャンプする内容」の「アイコン変更アニメーション」、「キャラクターがアイコン表示領域の直上から落下後、全アイコンを視認困難にする煙を表示する内容」の「アイコン変更アニメーション」は、本願発明における「所定態様の演出」に相当する。
そして、刊行物発明における「アイコン変更アニメーションには、保留アイコン変更アニメーションや、変動アイコン変更アニメーションなどが含まれ、変更アニメーションが行われたからといって、保留アイコンの表示態様を必ず変化させる必要はな」いことは、「キャラクターがアイコンの直上から落下する内容」、「キャラクターがアイコンの直上から落下後、アイコンの上でジャンプする内容」、若しくは、「キャラクターがアイコン表示領域の直上から落下後、全アイコンを視認困難にする煙を表示する内容」のアイコン変更アニメーションが行われたとしても、アイコンの表示態様が変化する場合と変化しない場合のあることを意味するものである。
したがって、刊行物発明における構成gは、本願発明における「所定態様の演出を実行した後に、第1変化演出または第2変化演出を実行する場合と、実行しない場合とがあ」ることに相当する。

(h)刊行物発明における「擬似連」が、変動表示中に装飾図柄の仮停止と再度可変表示とを所定回行う遊技であることは、当業者において自明である。
したがって、刊行物発明における構成hの「擬似連が行われる」ことは、本願発明における構成Hの「可変表示の態様は、仮停止した後に再度可変表示を実行する態様を含」むことに相当する。

(i)刊行物発明における「保留アイコンに固有の表示態様には、「箱」、「千両箱」の2種類があ」ることは、変更される前後の保留アイコンの態様に、変更された変動アイコンの態様にない「箱」、「千両箱」の2種類の固有の態様があることを意味する。
そうすると、刊行物発明における「「箱」、「千両箱」の2種類」の「固有の表示態様」は、本願発明における「第2変化演出が実行された後には表示されない特殊態様」に相当する。
したがって、刊行物発明における構成iは、本願発明における構成Iの「第1変化演出が実行された後に表示される保留表示の表示態様は、第2変化演出が実行された後には表示されない特殊態様を含」むことに相当する。

(k)刊行物発明における「保留アイコンを隠すエフェクト(煙の表示)」は、構成gにおける「キャラクターがアイコン表示領域の直上から落下後、全アイコンを視認困難にする煙を表示する内容」の「アイコン変更アニメーション」に対応するものであり、「アイコン変更アニメーション」のうちの保留アイコン変更アニメーションに関する演出であるから、本願発明における「1の第1変化演出」に相当する。
そして、刊行物発明における「複数の保留アイコンに対し、表示態様が変更される可能性のあることを示す」ことは、本願発明における「複数の保留表示の表示態様を変化可能である」ことに相当する。
したがって、刊行物発明における構成kは、本願発明における構成Kに相当する。

上記(a)?(k)における対比から、本願発明と刊行物発明とは、
「A 可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
B 可変表示に関する情報を保留記憶として記憶する保留記憶手段と、
C 前記保留記憶に対応する保留表示を行う保留表示手段と、
D 実行中の可変表示に対応する特定表示を行う特定表示手段と、
E 前記保留表示の表示態様を変化させる第1変化演出を実行する第1変化演出実行手段と、
F 前記特定表示の表示態様を変化させる第2変化演出を実行する第2変化演出実行手段とを備え、
G 所定態様の演出を実行した後に、前記第1変化演出または前記第2変化演出を実行する場合と、実行しない場合とがあり、
H 可変表示の態様は、仮停止した後に再度可変表示を実行する態様を含み、
I 前記第1変化演出が実行された後に表示される前記保留表示の表示態様は、前記第2変化演出が実行された後には表示されない特殊態様を含み、
K 1の前記第1変化演出を実行することにより複数の前記保留表示の表示態様を変化可能である
遊技機。」
の点で一致し、構成Jに関し、次の点で相違する。

[相違点](構成Jについて)
特定表示の表示態様に関して、
本願発明は、第2変化演出が実行された後に表示される特定表示の表示態様は、再度可変表示が実行されることを、可変表示の実行中に報知する報知態様を含むのに対して、
刊行物発明は、そのような構成を備えるか否か明らかでない点。

5 当審の判断
(1)相違点について
上記相違点について検討する。
遊技機の技術分野において、実行中の可変表示に対応する特定表示を行う特定表示手段を備え、当該可変表示の実行中に特定表示の表示態様を、再度可変表示が実行されることを報知する表示態様に変化させることは、本願出願前に周知の技術事項である(例えば、特開2013-252456号公報には、「従来の遊技機では、当該変動の開始前に保留画像の表示態様が変化するものであり、変動開始直前に保留画像が変化しなければ遊技者は期待感を持つことができず、遊技者の期待感を高めるという点においては改善の余地があった。」(【0004】)ため、「本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、効果的な予告演出を行うことが可能な遊技機を提供すること」(【0005】)を目的とし、「擬似変動中に当該保留アイコン520自体の色が変化するとともに・・・「NEXT」サブアイコン53が当該保留アイコン520に付加されることで、当該保留アイコン520を変化させてもよい。」(【0116】)ことが記載され、
特開2011-171号公報には、「近年では、始動記憶に対応付けられた大当たり抽選の結果や変動パターンを先読みし、その始動記憶(保留玉)に係る変動表示ゲームにおいて大当たりとなる可能性等を示唆する先読み予告を実行可能なパチンコ遊技機が提案されている・・・。以下において、飾り特図始動記憶表示(保留玉の表示)による先読み予告を先読み予告表示と呼び、連続する複数ゲームにわたって実行される演出からなる先読み予告を先読み予告演出又は本物連続予告演出(以下、本連予告演出)と呼ぶ。」(【0003】)ことが記載され、「先読み予告(先読み予告表示、本連予告演出)と疑似連予告演出を関連させて演出表示を多様化することにより、遊技の興趣性を格段に向上できる遊技機を提供すること」(【0007】)を目的とし、「図18(c)に示すように、飾り特図始動記憶表示53から☆が1つとび出し、画面内で流れ星の演出表示がなされ、疑似1連目の特図1変動表示ゲームが開始されるとともに、飾り特図始動記憶表示53の☆マークは1減算されて2つとなる。つまり、飾り特図始動記憶表示53に表示されている☆マークの数は、残り何回疑似連が継続されるかを示している。図18(d)に示すように、疑似1連目の特図1変動表示ゲームではハズレ結果態様(図18(d)では「334」)が導出され、変動表示が一旦停止される。その後、図18(e)に示すように、飾り特図始動記憶表示53から☆が1つとび出し、画面内で流れ星の演出表示がなされ、疑似2連目の特図1変動表示ゲームが開始されるとともに、飾り特図始動記憶表示53の☆マークは1減算されて1つとなる(残り疑似連数1)。遊技機100では、このような疑似連予告演出が実行される。」(【0126】)ことが記載されている。)。
そして、刊行物発明と上記周知の技術事項とは、実行中の可変表示に対応する特定表示を行う特定表示手段を備え、擬似連を伴う可変表示の実行中に特定表示の表示態様を変化させる点で共通する。
また、刊行物発明と上記周知の技術事項とは、保留表示予告に対する遊技者の興趣を向上させるという同一の課題を解決するものである。
したがって、刊行物発明の擬似連が行われる可変表示中の変動アイコン(「特定表示」)に、上記周知の技術事項を適用して、変動アイコンの変更後の表示態様を再度可変表示が実行されることを報知する表示態様に変化させ、上記相違点に係る本願発明の構成Jを備えることは、当業者が容易になし得たものである。

(2)請求人の主張について
平成30年1月22日付け意見書における請求人の構成Jに関する「刊行物1に記載された発明では、変動アイコン表示領域208zから変動アイコンを消去して第2変動アイコン表示領域208tに表示する処理を行うのが、疑似変動の仮停止の開始から所定時間が経過した状態なので、疑似変動が実行されることに対する遊技者の興味を持続させることが、困難になるおそれがあるという問題が生じます。
加えて、刊行物1に記載された発明では、変動アイコン表示領域208zから消去した変動アイコンを第2変動アイコン表示領域208tに表示するだけなので、疑似変動が実行されることに対する遊技者の興味を向上させることが、困難になるおそれがあるという問題が生じます。
これに対し、本願の請求項1、2に係る発明では、再度可変表示が実行されることを、報知態様により可変表示の実行中に報知するので、このような報知が行われてから仮停止した後に再度可変表示が実行されるようになることで、再度可変表示が実行される期待感を持続させるように作用します。
また、本願の請求項1、2に係る発明では、第2変化演出が実行された後に表示される特定表示の表示態様として、再度可変表示が実行されることを、可変表示の実行中に報知する報知態様が含まれるので、特定表示に対する遊技者の注目を高めることで、再度可変表示が実行される期待感を向上させるように作用します。
本願の請求項1、2に係る発明は、こうした特定表示の表示態様が報知態様となることから得られる相乗的な作用により、再度可変表示が実行されることに対する遊技者の興味を持続させるとともに向上させ、上記の各問題を解決することができるという点において、刊行物1に記載された発明と比較した有利な効果が得られます。」(第3頁第12?31行)との主張について検討する。

本願発明の構成J、すなわち、実行中の可変表示に対応する特定表示を行う特定表示手段を備え、当該可変表示の実行中に特定表示の表示態様を、再度可変表示が実行されることを報知する表示態様に変化させることは、本願出願前に周知の技術事項である(上記周知の技術事項を参照。)。
そして、刊行物発明に上記周知の技術事項を適用し、刊行物発明において本願発明の構成Jに係る構成を備えることが当業者が容易になし得たことであることは、上記において検討したとおりである。
また、刊行物発明と上記周知の技術事項とが、保留表示予告に対する遊技者の興趣を向上させるという同一の課題を解決するものであり、刊行物発明に上記周知の技術事項を適用したものが、請求人が主張する本願発明が奏する効果、すなわち、「再度可変表示が実行されることに対する遊技者の興味を持続させるとともに向上させ」るという効果を奏することは明らかである。

ところで、請求人は、刊行物1に関して、本審決が刊行物発明を認定した際に引用した実施の形態と異なる実施の形態(【0953】?【0973】、【図162】?【図163】)を引用して、当該異なる引用箇所に示された実施の形態が本願発明の構成Jと異なる旨主張するが、そもそも、平成29年11月28日付け当審拒絶理由においては、刊行物1として、本審決における刊行物発明の認定の根拠とした箇所と同様の箇所を摘記するものであるから、請求人の上記主張は上記当審拒絶理由を回避する主張とはならない。
仮に、請求人の主張する箇所を考慮しても、刊行物1の【0963】には、「当該変動アイコンVI1を第2変動アイコン表示領域208tに表示する際にさらに変動アイコンVI1の表示態様を変化させてもよい。また、変動アイコンVI1を変動アイコン表示領域208zから第2変動アイコン表示領域208tに移動する移動アニメーションを行ってもよい。また、変動アイコンVI1が移動する際に他の表示(保留アイコン、他の変動アイコン、装飾図柄、特図演出、普図演出、予告演出、キャラクタ演出)の少なくとも一部を隠してもよいし、他の表示に変動アイコンVI1の少なくとも一部が隠されてもよい。」こと、すなわち、変動アイコンVI1を第2変動アイコン表示領域208tに表示する際にさらに変動アイコンVI1の表示態様を変化させることが記載されている。そうすると、変動アイコンVI1の表示態様を変化することにより遊技者が演出によって興趣が向上されることは明らかであり、請求人の上記刊行物1に関する主張のうち、「変動アイコン表示領域208zから消去した変動アイコンを第2変動アイコン表示領域208tに表示するだけなので、疑似変動が実行されることに対する遊技者の興味を向上させることが、困難になるおそれがある」なる主張は誤りである。

したがって、上記請求人の主張を採用することはできない。

(3)小括
本願発明により奏される効果は、当業者が、刊行物発明及び上記周知の技術事項から予測し得る効果の範囲内のものであって、格別のものではない。
よって、本願発明は、刊行物発明及び周知の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

6 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2018-02-21 
結審通知日 2018-02-27 
審決日 2018-03-13 
出願番号 特願2014-57930(P2014-57930)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大浜 康夫  
特許庁審判長 石井 哲
特許庁審判官 長崎 洋一
櫻井 茂樹
発明の名称 遊技機  
代理人 木村 満  

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