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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  A23B
審判 全部申し立て 2項進歩性  A23B
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  A23B
管理番号 1340152
異議申立番号 異議2017-700739  
総通号数 222 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-06-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-07-28 
確定日 2018-05-08 
異議申立件数
事件の表示 特許第6073534号発明「即席食肉加工品及びその製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6073534号の請求項1ないし4に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
特許第6073534号の請求項1?4に係る特許についての出願は、2016年3月18日(優先権主張2015年3月30日、日本国)を国際出願日とする出願であって、平成29年1月13日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許について、平成29年7月28日に特許異議申立人木村嘉弘により特許異議の申立てがされ、当審において平成29年12月6日付けで取消理由を通知し、平成30年2月6日付けで意見書が提出され、平成30年4月13日付けで特許異議申立人から上申書が提出されたものである。

2.本件発明
本件特許の請求項1?4に係る発明は、特許請求の範囲の請求項1?4に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「【請求項1】
α化澱粉を含む、湯戻り性に優れる常圧フライ乾燥即席食肉加工品であって、該常圧フライ乾燥即席食肉加工品は常圧フライ乾燥時に水分が蒸発することにより形成された多孔質内部構造を有し、該常圧フライ乾燥即席食肉加工品の質量あたり、α化澱粉を1?30質量%含み、油脂の含有量が45質量%以下である、湯戻り性に優れる常圧フライ乾燥即席食肉加工品。
【請求項2】
水分含有量が5質量%以下である、請求項1に記載の常圧フライ乾燥即席食肉加工品。
【請求項3】
即席食肉加工品原料、α化澱粉及び水を用意すること、
即席食肉加工品原料、α化澱粉及び水を混練して混練物を得ること、
該混練物を成形すること、及び
成形した該混練物を常圧フライ乾燥して、常圧フライ乾燥物を得ること、
を含む、湯戻り性に優れる常圧フライ乾燥即席食肉加工品の製造方法であって、該常圧フライ乾燥即席食肉加工品が多孔質内部構造を有し、α化澱粉の添加量が、即席食肉加工品原料の合計量の1?15質量%であり、水の添加量が、即席食肉加工品原料の合計量の10?50質量%であり、該常圧フライ乾燥物を、油脂の含有量が45質量%以下になるように脱油することをさらに含む、湯戻り性に優れる常圧フライ乾燥即席食肉加工品の製造方法。
【請求項4】
請求項1又は2のいずれかに記載の常圧フライ乾燥即席食肉加工品を含む、即席食品。」(以下、請求項1に係る発明を「本件発明1」などといい、本件発明1?4を総称して「本件発明」という。)

3.取消理由の概要
当審において、本件特許に対し通知した取消理由は、概ね、次の(1)?(3)とおりである。
(1) 本件特許の請求項1に係る発明は、本件特許の出願(優先日)前に日本国内又は外国において、頒布された下記の甲第1号証に記載された発明であって、特許法29条1項3号に該当し、特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消されるべきものである。
(2) 本件特許の請求項1、2及び4に係る発明は、本件特許の出願(優先日)前に日本国内又は外国において、頒布された下記の甲第1号証に記載された発明、甲第3号証に記載された事項及び周知の事項(甲第4号証、甲第5号証)に基いて、その出願(優先日)前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消されるべきものである。
(3) 本件特許の請求項1に係る発明は、特許請求の範囲の記載が「常圧フライ乾燥時に水分が蒸発することにより形成された多孔質内部構造を有し」と記載されており、「多孔質内部構造」を製造方法で特定しているから、本件特許の請求項1及び請求項1を引用する請求項2及び4は、不明確であって、その特許は、特許法36条6項2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものであり、取り消されるべきものである。
(4) 証拠方法
特許異議申立人が提出した証拠方法は以下のとおりである。
甲第1号証:特開平7-147888号公報
甲第2号証:特開平7-313139号公報
甲第3号証:特開2011-72285号公報
甲第4号証:特開2011-30429号公報
甲第5号証:特開昭58-162237号公報
甲第6号証:国際公開第2012/002540号
甲第7号証:特開2004-267116号公報

4.甲各号証の記載
(1) 甲第1号証には以下の事項が記載されている(下線は当審で付与したものである。)。
ア 「【0006】
【実施例】次に、本発明の衣つき即席乾燥肉食品及びその製造方法の実施例を順次説明する。先ず、生の畜肉例えば牛、豚、鶏等を原料とし、この原料の筋繊維をチョッパーなどにより繊断する。筋繊維の長さを大きくとると熱収縮が大きくなり、極端に短くしたものは食感が劣るので、1?10mmに繊断するのが望ましいが、得られる衣つき即席乾燥肉食品の食感に合わせて、適宜選択調整する。次に、必要な食品添加物例えば乾燥卵又は乳粉末等の蛋白、パーム又は粉末牛脂等の油脂、各種澱粉、香辛料、着色料、調味料等の単独又は組合わせたものを加えて混合することにより、平均粒径500μ以下の気泡をむらなく分散含有せしめ、弱い準結合水領域に調整した畜肉混合生地が得られる。ここで弱い準結合水領域とは、自由水をほぼ除いた準結合水領域をいう。この気泡は、後述の如く爾後の束縛加熱によって、瞬間的に130℃以上となり発生する水蒸気の圧力によって気泡が集合し、膨化頂点に達すると水蒸気が外部に脱出し、表面に達するキャピラリーを形成し、衣つき即席乾燥肉食品の吸水復元時間の短縮に寄与する。」
イ 「【0010】次ぎに、本発明の具体的実施例を説明する。
(実施例1)鶏肉をチョッパープレート穴径0.8mmのミンチチョッパーにかけ筋繊維を長さ1.0mm?2.0mmに繊断してミンチ肉を得、これに植物油としてパーム油10部、化学調味料2部、畜肉加水分解物3部、ホワイトペッパー0.3部、グリチルリチン2ナトリウム0.02部、多価アルコールとしてグリセリン2部、全卵粉10部、ワキシコーンスターチ7部、チキンオイルを加えてボールカッターで混合して、平均粒径100μ以下の気泡をむらなく分散含有し水中油滴型に乳化された、水分48%の弱い準結合水領域に調整した鶏肉混合生地を得た。この鶏肉混合生地を、1.5mm×150mmのスリットを有する成型機から水平に四弗化エチレンでコーティングしたガラス繊維製ベルトコンベア上に押出し、マイクロ波加熱時の電力密度(単位 投入電力Kw/被加熱物の重量Kg以下P.D.と略称する。)が40?60となるようマイクロ波場に導いて束縛加熱を施した。この束縛加熱によって、瞬間的に膨化頂点に達しマイクロ波の印加が終わるとややシュリンクし、小じわの多い厚さ2?3mmのシートが得られた。このシートをカッターで幅20mm、長さ30mmにスライスし、薄いバッター液をスプレーした後、から揚げミックス粉をブレッダーにて表面に付着せしめ、続いて連続式フライヤーに導き、油温165℃のパーム油中にて10?30秒間フライングし、油切り、放冷を行い、水分6%の強い準結合水領域まで乾燥し、水分活性0.50の即席乾燥鶏肉を得た。この即席乾燥鶏肉は、油分18%を含み、そのまま食べてもカリットして摘み物に好適であり、更にこれに熱湯を注ぐと120秒で十分に復元し、ソフトな食感を有する即席麺用具として極めて好適であった。」
ウ 以上のア及びイの記載事項より、甲第1号証には、以下の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。
「鶏肉をチョッパープレート穴径0.8mmのミンチチョッパーにかけ筋繊維を長さ1.0mm?2.0mmに繊断してミンチ肉を得、これに植物油としてパーム油10部、化学調味料2部、畜肉加水分解物3部、ホワイトペッパー0.3部、グリチルリチン2ナトリウム0.02部、多価アルコールとしてグリセリン2部、全卵粉10部、ワキシコーンスターチ7部、チキンオイルを加えてボールカッターで混合して、平均粒径100μ以下の気泡をむらなく分散含有し水中油滴型に乳化された、水分48%の弱い準結合水領域に調整した鶏肉混合生地を、マイクロ波場に導いて束縛加熱を施し、束縛加熱によって、瞬間的に膨化頂点に達し、膨化頂点に達すると水蒸気が外部に脱出し、表面に達するキャピラリーを形成し、小じわの多い厚さ2?3mmのシートが得られ、このシートをカッターで幅20mm、長さ30mmにスライスし、薄いバッター液をスプレーした後、から揚げミックス粉をブレッダーにて表面に付着せしめ、続いて連続式フライヤーに導き、油温165℃のパーム油中にて10?30秒間フライングし、油切り、放冷を行い、水分6%の強い準結合水領域まで乾燥した、水分活性0.50の即席乾燥鶏肉。」
(2) 甲第3号証には以下の事項が記載されている。
ア 「【請求項5】
食肉100質量部に対して、平均粒径が10μm以下の結晶セルロースを0.01?10質量部含有する、油で揚げられた食肉加工製品。
【請求項6】
食肉100質量部に対して、さらに部分アルファー化澱粉を0.01?10質量部含有する、請求項5に記載の油で揚げられた食肉加工製品。」
(3) 甲第4号証には以下の事項が記載されている。
ア 「【0016】
本発明の惣菜食品用品質改良剤100質量%中のセルロース含量は30?50質量%、好ましくは35?45質量%、α化澱粉含量は49.9?67質量%、好ましくは54.5?63.5質量%、ポリグリセリン脂肪酸エステル及び/又はグリセリン有機酸脂肪酸エステル含量は0.1?3.0質量%、好ましくは0.5?1.5質量%である。
その範囲内であると挽き肉及び/又はすり身を主体とする惣菜食品に用いた際、加熱前の保水性、成型性に富み、可熱後の食感がジューシーであり柔らかくなる為好ましい。」
イ 「【0022】
本発明の惣菜食品用品質改良剤の挽き肉及び/又はすり身、又は挽き肉及び/又はすり身と副原料への添加量は、挽き肉及び/又はすり身、又は挽き肉及び/又はすり身と副原料100質量部に対して0.3?5.0質量部、好ましくは0.5?2.5質量部である。」
(4) 甲第5号証には以下の事項が記載されている。
ア 「すなわち、一般に含水率が5%をきると、その口あたりはパリパリ、ないしはポリポリしたものとなり、10%程度ではややするめいか様のねばりが現われる。20%にもなると相当のソフトさもあらわれる。よって本発明においては、含水率20%までをその範囲とする。ただし、インスタント食品の具とするためには少くとも5%以下の含水率にしなければならないのは言うまでもない。」(公報第7ページ左上欄7?15行)

5.判断
(1) 取消理由通知に記載した取消理由について
ア 理由(1)(特許法第29条第1項3号)について
本件発明1と甲1発明とを対比するに、加熱手段及び得られる食品の多孔質内部構造について、本件発明1は、「該常圧フライ乾燥即席食肉加工品は常圧フライ乾燥時に水分が蒸発することにより形成された多孔質内部構造を有し」た「食肉加工製品」であるのに対して、甲1発明は、「マイクロ波場に導いて束縛加熱を施し、束縛加熱によって、瞬間的に膨化頂点に達し、膨化頂点に達すると水蒸気が外部に脱出し、表面に達するキャピラリーを形成し」、さらに、「薄いバッター液をスプレーした後、から揚げミックス粉をブレッダーにて表面に付着せしめ、続いて連続式フライヤーに導き、油温165℃のパーム油中にて10?30秒間フライングし、油切り」した「即席乾燥鶏肉」である点(以下「相違点」という。)で、少なくとも相違する。
以下に、相違点について、検討する。
本件発明1の加熱手段は、常圧フライを用い、甲1発明の加熱手段は、束縛加熱を用いた後、油中でフライングしているので、この点について、まず検討する。
常圧フライは、常圧下、100℃?250℃に加熱した油脂中で、被加熱物を乾燥する方法で、即席麺の乾燥に広く用いられるものである(本件特許明細書【0008】、【0033】)。そして、被加熱物が加熱された油脂と接触する部位から熱が伝導することにより加熱されるものであることは明らかであり、そのため、常圧フライは、被加熱物の外部から内部に熱が伝導される外部加熱といえ、加熱中、被加熱物中の水分が油に置換されながら、被加熱物の外部から乾燥が進行するものと認められる。
一方、束縛加熱は、被加熱物の水分量を準結合水領域に調整してからマイクロ波加熱するものであり(乙第1号証及び乙第2号証参照。)、弱い準結合水領域に調整された被加熱物が瞬間的に130℃以上となり、発生する水蒸気の圧力によって気泡が集合し、膨化頂点に達すると水蒸気が外部に脱出して表面に達するキヤピラリーが形成されるものである(上記4.(1)ア)。そして、束縛加熱の加熱原理は、マイクロ波による誘電加熱によるものであり、被加熱物の外部も内部もほぼ一様に加熱されるものと認められる。
そうすると、食品の多孔質内部構造に係る両加熱手段の加熱原理の違いは、被加熱物の深さ方向(外表面から中心部)で異なる熱履歴を被加熱物にもたらし、その結果、生じる多孔質内部構造は異なるものとなると認められる。よって、甲1発明の多孔質内部構造は、本件発明1の多孔質内部構造と同じとは認められない。
具体的には、外部加熱である常圧フライを用いる本件発明1においては、被加熱物である食肉加工品の乾燥は外部から進行し、食肉加工品の外表面に近い部分の水分は比較的容易に外部に排出されて、外表面は先に乾燥して硬化し始める。そのため、食肉加工品の内部の水分は外部に排出されにくくなり、内部で発生した水蒸気は食肉加工品の外表面付近と比較して中心部付近により大きな空隙を形成するものと認められる(乙第4号証参照。)。
一方、束縛加熱を用いる甲1発明においては、被加熱物である鶏肉混合生地の乾燥は中心部から進行し、乾燥中に発生した水蒸気は、被加熱物の中心部付近よりも低温の、すなわち乾燥しておらず柔らかい被加熱物の外表面を通して中心部から外部に排出される。そのため、束縛加熱によって形成される被加熱物の中心部付近と外表面付近に形成される空隙は常圧フライと比較してより均一なものになると認められる(乙第4号証参照。)。
以上のとおり、本件発明1と甲1発明とは、多孔質内部構造において相違するから、両者は、同一の発明ということはできない。
よって、本件発明1は、甲第1号証に記載された発明ではない。
イ 理由(2)(特許法第29条2項)について
(ア)本件発明1について
本件発明1と甲1発明とを対比すると、両者は、少なくとも上記相違点で相違する。そして、即席乾燥肉食品における内部構造を与える手段として、上記相違点に係る本件発明1の特定事項を採用することについては、甲第1号証?第7号証の何れにも記載されていない。
したがって、本件発明1は、甲1発明、甲第3号証に記載された事項及び周知の事項(甲第4号証)から当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(イ)本件発明2及び4について
本件発明2及び4は、本件発明1を減縮したものであり、本件発明1と同様の理由で、本件発明2及び4は、甲1発明、甲第3号証に記載された事項及び周知の事項(甲第4号証及び甲第5号証)から当業者が容易に発明をすることができたものではない。
ウ 理由(3)(特許法第36条6項第2号)について
平成29年12月6日付けの当審で通知した取消理由に対して、特許権者は、「断面観察から空隙率を特定しようとしても、即席食肉加工品の空隙の大きさ自体がまちまちであり、また空隙の大きさ及び分布が観察部分によって大きく異なるため、空隙面積の特定及びその統計的処理は膨大な時間とコストを掛けても困難である。空隙面積の特定及びその統計的処理が困難であることは、乙4の常圧フライ乾燥ダイス肉の断面を参照することでより容易に理解することができる。また、小麦粉が主原料であり厚みの小さい甲6の乾麺は容易に折ってその断面を観察することができるが、本件発明の即席食肉加工品は手で割ることが困難な場合があり、ナイフなどを用いても多くの場合切断時に空隙の形状が損なわれて断面観察に適したきれいな切断面を得ることができない。
また、甲7のように測定対象物の全体で決定される空隙率では、常圧フライ乾燥により形成される本件発明に特有の多孔質内部構造、すなわち被加熱物の深さ方向(外表面から中心部)の熱履歴に起因する多孔質内部構造は評価及び定量することができず、断面写真では断面観察に不適当な切断面に基づく定性的な評価しか行うことができない。
さらに、本件発明の常圧フライ乾燥即席食肉加工品の原料は多岐にわたるため(【0023】)、本件発明の課題を解決する多様な即席食肉加工品の空隙率を原料の種類に拘わらず一義的に決めることは、適切な権利範囲の保護という観点からも妥当しない。」(平成30年2月6日付け意見書11?12ページ)という理由により、出願時において当該物をその構造又は特性により直接特定することが不可能であるか、又はおよそ実際的でないという事情(以下「不可能・非実際的事情」という)が存在することから、本件発明1、2及び4は、明確性要件を満たすと主張している。
この点に関して、上記アで検討したとおり、本件発明1、2及び4は、常圧フライ乾燥により形成される被加熱物の深さ方向(外表面から中心部)の熱履歴に起因する多孔質内部構造を有している。そして、これを物の構造又は特性で特定することは、得られる常圧フライ乾燥即席食肉加工品のバラツキや特定することの困難性を考慮すると、その構造又は特性により直接特定することが技術的に不可能であるか、又は著しく過大な経済的支出や時間を要するものと認められる。
また、特許権者が、本件発明の多孔質内部構造について、本件発明と先行技術との相違点を主張し得たからといって、当該多孔質内部構造を、出願時において、その構造又は特性により直接特定することが可能であるといえるものではない。
よって、本件発明1、2及び4の物の発明について、製造方法で記載することに関し不可能・非実際的事情が存在するといえ、その発明は明確であるといえる。
(2)取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
特許異議申立人木村嘉弘は、特許異議申立書において、本件発明3は、甲1発明、甲第3号証に記載された事項及び周知の事項(甲第4号証)に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消されるべきものであると主張しているが、本件発明3と甲1発明との相違点及び相違点についての判断は、上記(1)ア及びイで検討したのと実質同様であるから、かかる主張は理由がない。
なお、特許異議申立人は、平成30年4月13日付けの上申書において、特許法第36条第4項第1号及び特許法第36条第6項第1号違反について主張をしているが、平成29年7月28日の特許異議申立書に記載されていない新たな主張であるから、これを採用しない。

6.むすび
したがって、本件発明1?4に係る特許は、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載された特許異議申立理由によっては、取り消すことができない。
また、他に本件発明1?4に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2018-04-26 
出願番号 特願2016-543259(P2016-543259)
審決分類 P 1 651・ 121- Y (A23B)
P 1 651・ 113- Y (A23B)
P 1 651・ 537- Y (A23B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 柴原 直司  
特許庁審判長 紀本 孝
特許庁審判官 佐々木 正章
山崎 勝司
登録日 2017-01-13 
登録番号 特許第6073534号(P6073534)
権利者 サンヨー食品株式会社
発明の名称 即席食肉加工品及びその製造方法  
代理人 胡田 尚則  
代理人 蛯谷 厚志  
代理人 高橋 正俊  
代理人 石田 敬  
代理人 吉井 一男  
代理人 古賀 哲次  
代理人 出野 知  
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