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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1340771
審判番号 不服2017-4826  
総通号数 223 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-07-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-04-05 
確定日 2018-06-19 
事件の表示 特願2016-147889「電子機器」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 2月 1日出願公開、特開2018- 18288、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成28年7月27日の出願であって、平成29年1月4日付けで拒絶査定がなされ、これに対して平成29年4月5日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされ、その後、平成29年9月11日付けで当審より拒絶理由が通知され(以下、「当審拒絶理由(1)」という。)、平成29年11月7日に手続補正がされるとともに意見書が提出され、平成29年12月6日付けで当審より拒絶理由(最後)(以下、「当審拒絶理由(2)」という。)が通知され、平成30年2月9日に手続補正がされるとともに意見書が提出され、平成30年2月28日付けで当審より拒絶理由(以下、「当審拒絶理由(3)」という。)が通知され、平成30年4月27日に手続補正がされるとともに意見書が提出されたものである。

第2 原査定の概要
原査定(平成29年1月4日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

理由1 本願請求項1-4に係る発明は、以下の引用文献Aに記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

理由2 本願請求項1-4に係る発明は、以下の引用文献Aに基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
A.国際公開第2016/098519号公報

第3 当審拒絶理由の概要
1 当審拒絶理由(1)の概要
本願請求項1-4に係る発明は、引用文献X-Zに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
X.特開2010-277198号公報
Y.国際公開第2016/098519号 (拒絶査定時の引用文献A)
Z.登録実用新案第3205420号公報

2 当審拒絶理由(2)の概要
本願請求項1-4に係る発明は、引用文献X-Z、P-Rに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
X.特開2010-277198号公報
Y.国際公開第2016/098519号 (拒絶査定時の引用文献A)
Z.登録実用新案第3205420号公報
P.国際公開第2015/002300号
Q.特表2014-527666号公報
R.特開2013-74546号公報

3 当審拒絶理由(3)の概要
本願請求項1-4に係る発明は、引用文献1-3に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.特表2010-516022号公報
2.特開2010-277198号公報(当審拒絶理由(1)、(2)の引用文献X)
3.国際公開第2016/098519号(拒絶査定時の引用文献A、当審拒絶理由(1)、(2)の引用文献Y)

第4 本願発明
本願請求項1-2に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明2」という。)は、平成30年4月27日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-2に記載された事項により特定される、以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
ジェスチャを検出するための近接センサと、
電子機器のある部屋の明るさを検出するための照度センサからの出力値を取得するコントローラと、
を備え、
前記コントローラは、
前記照度センサで検出される電子機器のある部屋の明るさが所定値を下回ると判定すると、前記近接センサで検出されるジェスチャに基づく処理を開始する、
電子機器。
【請求項2】
ジェスチャを検出するための近接センサと、
電子機器のある部屋の明るさを検出するための照度センサおよび電子機器の物理的な状態を検出するための加速度センサからの出力値を取得するコントローラと、
を備え、
前記コントローラは、
前記加速度センサからの出力値に基づいて電子機器が静止状態であり、かつ、前記照度センサで検出される電子機器のある部屋の明るさが所定値を下回ると判定すると、前記近接センサで検出されるジェスチャに基づく処理を開始する、
電子機器。」

第5 引用文献、引用発明等
1 引用文献1及び引用発明
当審拒絶理由(3)に引用した引用文献1には、図面とともに、以下の記載がある(下線は、特に着目した箇所を示す。以下同様。)。

(1) 段落【0008】
「【0008】
さらに、本発明のいくつかの実施形態によれば、電子デバイスのディスプレイを動作させる方法は、ディスプレイ明るさレベルのユーザが選択した明るさレベルへの変化を受け取ることと、変化に従って、ディスプレイ明るさレベルの制御に対する環境光センサ出力レベルの環境光センサ(ALS, ambient litht sensor)出力重みの影響を変更することとを含むことができる。・・・(以下略)」

(2) 段落【0025】-【0026】
「【0025】
ALSおよび/または近接センサ44は、1つまたは複数のALSセンサ、近接センサ、ならびに/あるいは組み合わされた近接センサおよびALSセンサを示すことができる。センサ44は、無線デバイス30に対する相対的な物体の位置(例えば、X、Y、Zのうちの少なくとも1つ)、動きの方向、速度など、および/またはデバイス30での環境光環境を検出することができる。
【0026】
さらに、処理デバイス(図示せず)が、近接センサ(1つまたは複数)44に結合される。処理デバイスを、ALSおよび/または近接センサ44によって供給される環境光、位置、および/または動きデータに基づいて、ポータブル・デバイス30、ALSおよび/または近接センサ44に対する相対的な物体の位置および/または環境光環境を判定するのに使用することができる。ALSおよび/または近接センサは、環境光および/または物体位置を継続的にまたは周期的に監視することができる。近接センサは、それが検出している物体のタイプを判定できる場合もある。本明細書で説明するALSは、ALSおよび/またはディスプレイ・デバイスに入射する環境光および/または環境可視光の強度、明るさ、振幅、またはレベルにおいて検出できる場合がある。図3に、図2に示されたポータブル・デバイス30に類似する、代替のポータブル・デバイス30aを示す。図3に示されたポータブル・デバイス30aは、ALSおよび/または近接センサ44a(図3)がマイクロホン40またはその近くに配置されるという点で、図2に示されたポータブル・デバイス30と異なるものとすることができる。」

(3) 段落【0076】
「【0076】
さらに、実施形態によれば、ALS値または強度は、複数のALSセンサの値または強度を表すことができる。例えば、デバイス、プロセッサ、またはソフトウェア・アプリケーションは、複数のセンサから複数の環境光センサ出力レベルを受け取ることができる。上で注記したように、複数の出力に、デバイス上の各センサの位置に依存してまたはこれに基づいて重みを付けることができる。例えば、デバイスのユーザを指す面上のALSセンサは、ディスプレイまたはディスプレイのカバーに直接にあたる光を最もよく表す可能性があるので、これに、より大きい重みを与えることができる。代替案では、地面に面するセンサは、ディスプレイに入射する光から離れて面するので、これに、より小さい重みを与えることができる。その後、複数のセンサ出力に、それぞれ重み付け係数を乗じ(例えば、スケーリングし)、一緒に加算して、デバイス全体にあたる全環境光を表す。その全環境光を、1が完全な太陽光を表し0が完全な暗黒を表す(例えば、照明された部屋が1と0との間であり、明るく照明された部屋は柔らかくまたは暗く照明された部屋より高い)0から1までの数になるように正規化される。したがって、ALS光値に関する上記の説明が、ALS出力レベルまたは値(例えば、環境可視光について)に重み付けされたALS出力の総計がセットされる場合など、本明細書で説明する複数のALSセンサの正規化された値にあてはまることが企図されている。」

(4) 段落【0079】-【0081】
「【0079】
いくつかの実施形態によれば、1つまたは複数のセンサから受け取られるALS出力値を、近接センサのオン/オフ・セッティングまたは状況を(いくつかの場合に自動的に)セットし、変更し、または変化させることによって、電子デバイスの近接センサを動作させるのに使用することができる。セッティングまたは変化は、ALSの出力レベルまたはレベルの変化によるものなど、パワー・アップ、ターン・オン、パワー・ダウン、ターン・オフなどを行うための近接センサのセッティングのセットまたは変更とすることができる。いくつかの例で、しきい値限度を超える光センサ出力レベルに対する変化(例えば、環境光レベルの変化)のときに、近接センサが、パワー・アップし、ターン・オンし、パワー・ダウンし、あるいはターン・オフする。出力レベルの変化は、環境光レベルの変化のレートおよびしきい値を超える環境光レベルの変化の量とすることができる。例えば、変化を、本明細書で説明する、1つまたは複数のALSセンサによって判定される可視光またはIR光のすばやい(例えば、短い時間期間にわたる)または劇的な(例えば、レベルの広い範囲にまたがる)変化とすることができる。複数のセンサについて、センサ出力を、本明細書で説明するように乗算し、または重みを付けることができる。さらに、ALSセンサ出力を、近接センサにパワー・アップさせるための変化のレートまたは変化しきい値の量と比較することができる。
【0080】
したがって、ALSセンサ出力を、本明細書で説明するように電子デバイス、プロセッサ、またはソフトウェア・アプリケーションによって受け取ることができ、これらは、ALSレベルがしきい値を超えることに応答して近接センサのパワー・アップまたはターン・オンを引き起こす。このプロセスが、近接センサによって(例えば、IR放射器、センサ、および処理論理によるものなど)消費される電力またはバッテリ・エネルギの使用の節約または削減を可能にすることを了解されたい。
【0081】
また、いくつかの場合に、ALSセンサ出力を、加速度計出力、「ロック」ボタン(例えば、デバイスのセッティングを保持するため)、および電子デバイスをオンにするための「オン」ボタンなどの他のセンサ出力と組み合わせて使用することができる。近接センサをオンにすることに関して上で説明した概念は、別のセンサ出力に加えてALSセンサ出力がしきい値を超える場合にのみデバイスをオンにすることによって電力またはバッテリ消費を節約するか減らすためなど、ここでもあてはまる。これが、不注意の「バンプ」、「ロック」ボタン、「オン」ボタン押下げがデバイスをオンにし、ユーザの意図しないときにバッテリ電力を消費することの発生または可能性を下げることを了解されたい。」

よって、上記各記載事項を関連図面に照らし、下線部に着目すれば、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。

「環境光センサ(ALS)および/または近接センサ44は、無線デバイス30に対する相対的な物体の位置(例えば、X、Y、Zのうちの少なくとも1つ)、動きの方向、速度など、および/またはデバイス30での環境光環境を検出することができ、
ALS値または強度は、複数のALSの値または強度を表すことができ、複数のセンサ出力に、それぞれ重み付け係数を乗じ、一緒に加算して、デバイス全体にあたる全環境光を表し、その全環境光を、1が完全な太陽光を表し0が完全な暗黒を表す(例えば、照明された部屋が1と0との間であり、明るく照明された部屋は柔らかくまたは暗く照明された部屋より高い)0から1までの数になるように正規化され、
1つまたは複数のセンサから受け取られるALSのセンサ出力値を、近接センサのオン/オフ・セッティングまたは状況を(いくつかの場合に自動的に)セットし、変更し、または変化させることによって、電子デバイスの近接センサを動作させるのに使用することができ、セッティングまたは変化は、ALSの出力レベルまたはレベルの変化によるものなど、パワー・アップ、ターン・オン、パワー・ダウン、ターン・オフなどを行うための近接センサのセッティングのセットまたは変更とすることができ、
ALSのセンサ出力を、電子デバイス、プロセッサ、またはソフトウェア・アプリケーションによって受け取ることができ、これらは、ALSレベルがしきい値を超えることに応答して近接センサのパワー・アップまたはターン・オンを引き起こし、このプロセスが、近接センサによって、消費される電力またはバッテリ・エネルギの使用の節約または削減を可能にする、
無線デバイス30。」

(2) 引用文献2、引用文献3
ア 当審拒絶理由(3)に引用した引用文献2には、図面とともに、段落【0063】-【0072】に、以下の記載がある。
「【0063】
[4-3.近接ジェスチャに基づく操作の特定処理]
以下では、表示パネル101上での操作体Mによる近接ジェスチャに基づいて、操作体Mにより入力される操作を特定する処理について説明する。

・・・(中略)・・・

【0065】
例えば、操作体Mの静止ジェスチャは、表示パネル101上で手を静止させる動作として検出される。操作体Mの反復移動ジェスチャは、表示パネル101上で手を水平方向(および/または垂直方向)で反復移動させる動作として検出される。操作体Mの移動ジェスチャは、表示パネル101上で手を水平方向(および/または垂直方向)で移動させる動作として検出される。

・・・(中略)・・・

【0067】
操作体検出部109は、操作体Mの近接を検知すると(S301)、所定期間(例えば500ms)に亘って操作体Mの近接の有無を連続して検出しているかを判定する(S303)。操作体検出部109は、操作体Mの近接を連続して検出していれば、移動状態の検出を開始し(S305)、検出していなければ、操作体Mの近接を継続して検知する。

・・・(中略)・・・

【0072】
これにより、表示パネル101上での操作体Mの近接ジェスチャに基づいて、様々な操作の入力が可能となる。よって、ユーザは、表示パネル101上のオブジェクト(または情報処理装置100の操作子)に操作体Mを接触させずに、操作体Mにより所望の操作を素早く入力できる。また、静止ジェスチャを消音操作に対応付け、反復移動ジェスチャを再生順序のシャッフル操作に対応付け、移動ジェスチャを再生順序の送り操作に対応付ける等、各近接ジェスチャに任意の意味づけをすることで、ユーザは、直感的な操作を行うことができる。」

イ 当審拒絶理由(3)に引用した引用文献3には、図面とともに、段落[0028]に、以下の記載がある。
「[0028]
本明細書において、「近接センサ」とは、物体、例えば人体の一部(手や指など)がユーザーの眼前に近接していることを検知するために、近接センサの検出面前方の近接範囲にある検出領域内に存在しているか否かを検出して信号を出力するものをいう。近接範囲は、操作者の特性や好みに応じて適宜設定すればよいが、例えば、近接センサの検出面からの距離が200mm以内の範囲とすることができる。近接センサからの距離が200mm以内であれば、ユーザーが腕を曲げた状態で、手のひらや指をユーザーの視野内に入れたり出したりできるため、手や指を使ったジェスチャーによって容易に操作を行うことができ、また、ユーザー以外の人体や家具等を誤って検出する恐れが少なくなる。ここで制御回路は、近接センサの前方の近接範囲にある検出領域に物体が入った際に近接センサから出力される信号に基づいて、物体が近接範囲に存在すると判定する。検出領域に物体が入った際に、近接センサから有効な信号を制御回路に出力するようにしても良い。」

ウ 上記引用文献2、引用文献3の各記載から、一般に、近接操作を検出可能なセンサを、ジェスチャを検出するために用いる点は、周知技術であると認められる。

2.対比・判断
(1) 本願発明1について

本願請求項1に係る発明(以下、「本願発明1」という。)と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。

(1) 引用発明の「無線デバイス30に対する相対的な物体の位置(例えば、X、Y、Zのうちの少なくとも1つ)、動きの方向、速度など、および/またはデバイス30での環境光環境を検出することができ」る、「近接センサ44」は、本願発明1の「ジェスチャを検出するための近接センサ」と、「近接センサ」である点で共通するといえる。

(2) 引用発明の「無線デバイス30」は、本願発明1の「電子機器」に相当する。
引用発明の「環境光センサ(ALS)」は、「ALS値または強度は、複数のALSの値または強度を表すことができ、複数のセンサ出力に、それぞれ重み付け係数を乗じ、一緒に加算して、デバイス全体にあたる全環境光を表し、その全環境光を、1が完全な太陽光を表し0が完全な暗黒を表す(例えば、照明された部屋が1と0との間であり、明るく照明された部屋は柔らかくまたは暗く照明された部屋より高い)0から1までの数になるように正規化され」るから、本願発明1の「電子機器のある部屋の明るさを検出するための照度センサ」に相当する。
引用発明の「プロセッサ」は、本願発明1の「コントローラ」に相当する。
よって、引用発明の「プロセッサ」は、「ALSのセンサ出力を、電子デバイス、プロセッサ、またはソフトウェア・アプリケーションによって受け取ることができ」るから、本願発明1の「電子機器のある部屋の明るさを検出するための照度センサからの出力値を取得するコントローラ」に相当する。

(3) 引用発明の「プロセッサ」が、「1つまたは複数のセンサから受け取られるALSのセンサ出力値を、近接センサのオン/オフ・セッティングまたは状況を(いくつかの場合に自動的に)セットし、変更し、または変化させることによって、電子デバイスの近接センサを動作させるのに使用することができ、セッティングまたは変化は、ALSの出力レベルまたはレベルの変化によるものなど、パワー・アップ、ターン・オン、パワー・ダウン、ターン・オフなどを行うための近接センサのセッティングのセットまたは変更とすることができ」、「ALSのセンサ出力を、電子デバイス、プロセッサ、またはソフトウェア・アプリケーションによって受け取ることができ、これらは、ALSレベルがしきい値を超えることに応答して近接センサのパワー・アップまたはターン・オンを引き起こし、このプロセスが、近接センサによって、消費される電力またはバッテリ・エネルギの使用の節約または削減を可能にする」ことは、本願発明1の「前記コントローラは、前記照度センサで検出される電子機器のある部屋の明るさが所定値を下回ると判定すると、前記近接センサで検出されるジェスチャに基づく処理を開始する」ことと、「前記コントローラは、前記照度センサで検出される電子機器のある部屋の明るさに応じて、前記近接センサに基づく処理を開始する」点で共通するといえる。

よって、本願発明1と引用発明との一致点・相違点は次のとおりであるといえる。

<一致点>
「近接センサと、
電子機器のある部屋の明るさを検出するための照度センサからの出力値を取得するコントローラと、
を備え、
前記コントローラは、
前記照度センサで検出される電子機器のある部屋の明るさに応じて、前記近接センサに基づく処理を開始する、
電子機器。」

[相違点1]
本願発明1の「近接センサ」は、「ジェスチャを検出するための近接センサ」であって、前記コントローラは、前記照度センサで検出される電子機器のある部屋の明るさに応じて、「前記近接センサで検出されるジェスチャ」に基づく処理を開始するのに対して、引用発明の「近接センサ44」は、「無線デバイス30に対する相対的な物体の位置」、「動きの方向、速度など」を検出可能であるものの、「ジェスチャ」を検出することは特定されていない点。

[相違点2]
本願発明1の「コントローラ」は、「前記照度センサで検出される電子機器のある部屋の明るさが所定値を下回ると判定すると」、近接センサに基づく処理を開始するのに対して、引用発明の「プロセッサ」は、「ALSレベルがしきい値を超えることに応答して近接センサのパワー・アップまたはターン・オンを引き起こ」すものであって、「電子機器のある部屋の明るさが所定値を下回ると判定すると」、近接センサに基づく処理を開始することは特定されていない点。

3.当審の判断
事案に鑑みて、上記[相違点2]について先に検討すると、本願発明1の上記[相違点2]に係る、コントローラが、「前記照度センサで検出される電子機器のある部屋の明るさが所定値を下回ると判定すると」、近接センサに基づく処理を開始することは、上記引用文献1-3には記載されておらず、本願出願前において周知技術であるともいえない。

したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明、引用文献2-3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

(2) 請求項2について
本願発明2も、本願発明1の上記[相違点2]に係る、コントローラが、「前記照度センサで検出される電子機器のある部屋の明るさが所定値を下回ると判定すると」、近接センサに基づく処理を開始することと、同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2-3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。

第6 当審拒絶理由(1)、(2)について
平成30年4月27日付けの補正により、補正後の請求項1-2は、コントローラが、「前記照度センサで検出される電子機器のある部屋の明るさが所定値を下回ると判定すると」、近接センサに基づく処理を開始するという技術的事項を有するものとなった。当該技術的事項は、当審拒絶理由(1)、(2)における引用文献X-Z、P-Rには記載されておらず、本願出願前における周知技術でもないので、本願発明1-2は、当業者であっても、当審拒絶理由(1)、(2)における引用文献X-Z、P-Rに基づいて容易に発明をすることができたものではない。したがって、この拒絶の理由は解消した。

第7 原査定についての判断
平成30年4月27日付けの補正により、補正後の請求項1-2は、コントローラが、「前記照度センサで検出される電子機器のある部屋の明るさが所定値を下回ると判定すると」、近接センサに基づく処理を開始するという技術事項を有するものとなった。当該技術的事項は、原査定における引用文献A(引用文献3)には記載されておらず、本願出願前における周知技術でもないので、本願発明1-2は、原査定における引用文献Aに記載された発明ではなく、また、当業者であっても、原査定における引用文献Aに基づいて容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定を維持することはできない。

第8 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2018-06-04 
出願番号 特願2016-147889(P2016-147889)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06F)
P 1 8・ 113- WY (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 若林 治男  
特許庁審判長 ▲吉▼田 耕一
特許庁審判官 松田 岳士
稲葉 和生
発明の名称 電子機器  
代理人 杉村 憲司  
代理人 鈴木 俊樹  
代理人 太田 昌宏  
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