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審決分類 審判 全部申し立て ただし書き1号特許請求の範囲の減縮  C08B
審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  C08B
審判 全部申し立て ただし書き3号明りょうでない記載の釈明  C08B
審判 全部申し立て 2項進歩性  C08B
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  C08B
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  C08B
管理番号 1341035
異議申立番号 異議2016-700884  
総通号数 223 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-07-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-09-16 
確定日 2018-04-12 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5886332号発明「超高性能清澄化ジェランガム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第5886332号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項[1?12]について訂正することを認める。 特許第5886332号の請求項1?10、12に係る特許を維持する。 特許第5886332号の請求項11に係る特許についての特許異議申立てを却下する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第5886332号の請求項1?12に係る特許についての出願は、2007年12月12日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2006年12月15日アメリカ合衆国(US))を国際出願日とする特願2009-541536号の一部が平成26年1月31日に新たな特許出願として出願され、平成28年2月19日に特許権の設定登録がされ、同年3月16日にその特許公報が発行され、その後、同年9月16日に、その請求項1?12に係る発明の特許に対し、特許異議申立人 藤本 博基(以下「特許異議申立人」という。)により特許異議の申立てがされたものである。
その後の手続の経緯は以下のとおりである。
平成28年11月22日付け 取消理由通知
平成29年 2月23日 意見書・訂正請求書(特許権者)
同年 3月27日付け 訂正拒絶理由通知
(指定期間内に特許権者からの応答無し)
同年 6月26日付け 取消理由通知(決定の予告)
同年 9月28日 意見書・訂正請求書(特許権者)
同年11月24日付け 訂正拒絶理由通知
平成30年 1月17日 意見書(特許権者)
同年 1月30日付け 通知書
同年 3月 2日 意見書(特許異議申立人)

第2 訂正の適否

1 訂正の内容
特許権者は、特許法第120条の5第1項の規定により審判長が指定した期間内である平成29年9月28日に訂正請求書を提出し、本件特許の特許請求の範囲を訂正請求書に添付した特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1?12について訂正することを求めた(以下「本件訂正」という。なお、平成29年2月23日付けの訂正請求は、特許法第120条の5第7項の規定により取り下げられたものとみなす。)。
その訂正内容は、以下のとおりである。

(1)訂正事項1
訂正前の請求項1が「2.0%以下の総アシル含有量を有し、0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度が少なくとも300g/cm^(2)であることを特徴とする、低アシルジェランガム。」であるのを、
訂正後の請求項1の「2.0%以下の総アシル含有量を有し、0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度が少なくとも300g/cm^(2)であり、0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度が少なくとも117g/cm^(2)であり、
前記0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度が、2グラムのジェランガムサンプル、61.6g/lの乳酸カルシウム水溶液10ml、及び純水からなる1000gの試料から調製したゲルを用いて測定した値であり、
前記0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度が、1グラムのジェランガムサンプル、61.6g/lの乳酸カルシウム水溶液10ml、及び純水からなる1000gの試料から調製したゲルを用いて測定した値であることを特徴とする、低アシルジェランガム。」と訂正する(審決注:下線は訂正部分を示す。以下同様。)。

(2)訂正事項2
訂正前の請求項6が「ジェランガムが、テクスチャープロファイル分析硬度、少なくとも9ポンド(lb)を有する、請求項1に記載の低アシルジェランガム。」であるのを、
訂正後の請求項6の「テクスチャープロファイル分析硬度が少なくとも9ポンド(lb)であり、前記テクスチャープロファイル分析硬度が、1.5グラムのジェランガムサンプル、3mLの0.6M塩化カルシウム水溶液、及び脱イオン水からなる301gの試料から調製したゲルを用いて測定した値である、請求項1に記載の低アシルジェランガム。」と訂正する。

(3)訂正事項3
請求項11を削除する。

2 訂正の適否

(1)一群の請求項ごとに訂正を請求することについて
訂正後の請求項1?12に対応する訂正前の請求項1?12について、請求項2?12は請求項1を直接又は間接的に引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項1?12に対応する、訂正後の請求項1?12は、特許法施行規則第45条の4に規定する関係を有する一群の請求項であって、本件訂正の請求は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項に対してなされたものである。

(2)訂正事項1

ア 訂正の目的の適否

(ア)訂正事項1のうち、「0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度が少なくとも117g/cm^(2)であり」「前記0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度が、1グラムのジェランガムサンプル、61.6g/lの乳酸カルシウム水溶液10ml、及び純水からなる1000gの試料から調製したゲルを用いて測定した値である」とする事項は、「低アシルジェランガム」について、0.1%ジェランガムのゲル強度とその測定方法をさらに特定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

(イ)訂正事項1のうち、「前記0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度が、2グラムのジェランガムサンプル、61.6g/lの乳酸カルシウム水溶液10ml、及び純水からなる1000gの試料から調製したゲルを用いて測定した値であり」とする事項は、平成29年6月26日付け取消理由通知において、本件特許発明1における「0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度」とはどのような測定方法によるゲル強度値なのか不明であるから本件特許発明1は明確でない旨を指摘したのに対し、「前記0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度が、2グラムのジェランガムサンプル、61.6g/lの乳酸カル シウム水溶液10ml、及び純水からなる1000gの試料から調製したゲルを用いて測定した値であり」と、0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度の測定方法を特定したものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。

新規事項の追加の有無

(ア)訂正事項1のうち、「0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度が少なくとも117g/cm^(2)であり」「前記0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度が、1グラムのジェランガムサンプル、61.6g/lの乳酸カルシウム水溶液10ml、及び純水からなる1000gの試料から調製したゲルを用いて測定した値である」とする事項については、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に「【請求項45】ジェランガムが0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度、少なくとも約117g/cm^(2)を有する、約2.0%未満の総アシル含有量を含むジェランガム」及び「【0047】実施例1・・・0.1%カードメーターゲル強度分析・・・【0048】・・1グラムの乾燥粉末サンプルを周囲温度で950mlの純水でもどした。・・サンプルの混合をサンプルが90℃に達するまで続けた。・・次に、61.6g/lの乳酸カルシウム10mlを熱サンプルに加え、さらに1分間撹拌した。次に、サンプルを総溶液重量が1000gになるまで熱純水を加えることによって調整した。・・【0049】ゲル強度は、Neo Curdmeter(登録商標)Model ME-303で測定した。・・このサンプルの場合、0.1%のグラムカードメーターゲル強度は317g/cm^(2)であった」と記載されていることから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内でなされたものといえる。

(イ)訂正事項1のうち、「前記0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度が、2グラムのジェランガムサンプル、61.6g/lの乳酸カルシウム水溶液10ml、及び純水からなる1000gの試料から調製したゲルを用いて測定した値であり」とする事項については、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に、0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度を測定する測定試料の調製方法の直接的な記載はない。
しかし、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面には、前記(ア)で示した段落【0047】?【0049】の記載に加え、「【0020】本発明の高性能低アシルジェランガムは、先行技術の低アシルジェランガムより大きいゲル強度を有する。・・・低アシルジェランガムのゲル強度は従来0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度試験を用いて記載されてきた。この試験法の上限は400g/cm^(2)であるが、本発明の新規ジェランガムはこれを超過する。従って、ゲル強度試験法は、0.1%ジェランガムを使用するように変更されている。」と記載されている。
この段落【0020】の記載より、本件請求項1に係る発明の低アシルジェランガムは、先行技術の低アシルジェランガムより大きいゲル強度を有するものであり、この低アシルジェランガムのカードメーターゲル強度を、従来の0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度の試験法を用いて測定すると上限を超過することから、本件請求項1に係る発明の低アシルジェランガムのカードメーターゲル強度の測定においては、測定サンプル中のジェランガムの濃度を0.1%に変更していることが分かる。そして、低アシルジェランガムのゲル強度は、低アシルジェランガムのゲル濃度が一定であっても、ゲルを形成させる媒体、カチオン濃度、pH等の測定条件を変えることにより大きく異なるものであるといえるところ、媒体やカチオン濃度を変えずにジェランガムの濃度を低下させればゲル強度も低下するものといえるのであるから、ゲル強度を測定可能な上限を超過しないよう適切に測定できる範囲とするためには、0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度の測定方法における、ゲルを形成させる媒体、カチオン濃度、pH等の測定条件を変えることなく、ジェランガムの濃度だけを0.2%から0.1%に変更したと理解され、この解釈が技術的に矛盾があり不合理であるとまではいえない。
そうすると、前記段落【0048】に、0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度は、1グラムのジェランガムサンプル、61.6g/lの乳酸カルシウム水溶液10ml、及び純水からなる1000試料から調製したゲルを用いて測定した値であることが記載され、前記段落【0020】の記載や前記検討も踏まえると、0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度が「2グラムのジェランガムサンプル、61.6g/lの乳酸カルシウム水溶液10ml、及び純水からなる1000gの試料から調製したゲルを用いて測定した値」であるということは、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された全ての事項から導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものとはいえない。
したがって、訂正事項1のうち当該事項についても、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内でなされたものといえる。

(ウ)したがって、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内でなされたものであって、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合する。

ウ 実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否
前記アで述べたとおり、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載を釈明するものであるから、実質上特許請求の範囲の拡張・変更するものではない。
したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

(3)訂正事項2

ア 訂正の目的の適否
訂正事項2は、平成29年6月26日付け取消理由通知において、本件特許発明6における「ジェランガムが、テクスチャープロファイル分析硬度、少なくとも9ポンド(1b)を有する」という記載について、ジェランガム自体はゲルではなく、テクスチャープロファイル分析によりゲル強度を測定できるものではないから、前記記載は技術的に理解できず、不明りょうである旨、及び、低アシルジェランガムのゲル硬度は、一般に、形成されたゲルにおける低アシルジェランガムの濃度が一定であっても、ゲルを形成させるカチオンの濃度やpHによって大きく異なるものであり、前記記載はゲル硬度の特定につき、低アシルジェランガムの濃度しか特定されておらず、ゲルを形成させる媒体の種類、カチオンの存否、カチオンの濃度及びpHが特定されていないから、ゲル硬度を明確に特定することはできない旨を指摘したのに対し、「テクスチャープロファイル分析硬度が」少なくとも9ポンド(1b)であることを明確にすると共に、「前記テクスチャープロファイル分析硬度が、1.5グラムのジェランガムサンプル、3mLの0.6M塩化カルシウムストック水溶液、及び脱イオン水からなる301gの試料から調製したゲルを用いて測定した値である」と、テクスチャープロファイル分析硬度の測定方法を特定したものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。
イ 新規事項の有無
テクスチャープロファイル分析硬度の測定方法については、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の段落【0052】に「次に該ゲルをTPAによって試験した(Sanderson,G.R.ら,ジェランガムゲルのテクスチャー(The Texture of Gellan Gum Gels),Gums and Stability for the Food Industry,4:219-227(1988))。これは自立ゲルの圧縮試験である。サンプルを元の高さの20%に2インチ/分の速度で2回圧縮した。モジュラス、硬度、脆性及び弾性を測定した。硬度の測定は、最初の圧縮サイクル時の最大力で、サンプルのゲル化性能(ゲル強度)を表す。TPA硬度25.7ポンド(lb)が測定された。」と記載されていることから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものといえるから、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

ウ 実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否
前記アで述べたとおり、訂正事項2は、明瞭でない記載を釈明するものであるから、実質上特許請求の範囲の拡張・変更するものではない。
したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

(4)訂正事項3

ア 訂正の目的の適否
訂正事項3は、請求項を削除したものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

イ 新規事項の有無
訂正事項3は、請求項を削除したもので、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものといえるから、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

ウ 実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項3は、請求項を削除したもので、実質上特許請求の範囲特許請求の範囲の拡張・変更するものとはいえないから、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

(5)特許異議申立人の主張

ア 特許異議申立人の主張の概要
特許異議申立人は、訂正事項1について、平成30年3月2日付け意見書の第1頁下から3行?第3頁8行において、以下のように主張している。
「・・本願出願時、ジェランガムは、カルシウムイオン等のカチオンで、カルボキシル基が架橋されてゲル化することが公知であった。このことは、甲第1号証のp156の第2段落から第3段落に・・記載されている。・・・してみれば、測定においてゲル濃度を変更する場合に、当業者が測定条件を変えないようにしようとすれば、乳酸カルシウム濃度をそのままにするよりも、むしろ、[ジェランガム/乳酸カルシウム]の量比を一定にしようとするほうが、技術常識に合致し、当業者にとって合理的である。少なくとも、特許権者が述べるように、「本件明細書に接した当業者であれば、・・・本件発明者が、・・・カチオン濃度の条件を変えることなく、0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度試験を用いて記載されてきた試験法を、0.1%ジェランガムを使用したと理解する」とは、到底、いえるものではない。さらに言えば、本件明細書の段落0020の「・・・0.1%ジェランガムを使用するように変更されている。」という記載からすれば、当業者は、ゲル濃度を変更しても適切に測定が可能なようにするために、他の条件を適切に変更した、と理解する。従って、・・・0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度試験の条件を請求項1に追加する訂正は、・・新たな技術的事項を導入するものに他ならない。」

イ 検討
前記(2)イで述べたように、低アシルジェランガムのゲル強度は、低アシルジェランガムのゲル濃度が一定であっても、ゲルを形成させる媒体、カチオン濃度、pH等の測定条件を変えることにより大きく異なるものであるといえるところ、媒体やカチオン濃度を変えずにジェランガムの濃度を低下させればゲル強度も低下するものといえるのであるから、ゲル強度を測定可能な上限を超過しないよう適切に測定できる範囲とするためには、0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度の測定方法における、ゲルを形成させる媒体、カチオン濃度、pH等の測定条件を変えることなく、ジェランガムの濃度だけを0.2%から0.1%に変更したと理解され、この解釈が技術的に矛盾があり不合理であるとまではいえない。
加えて、特許異議申立人の主張する「少なくとも、特許権者が述べるように、「本件明細書に接した当業者であれば、・・・本件発明者が、・・・カチオン濃度の条件を変えることなく、0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度試験を用いて記載されてきた試験法を、0.1%ジェランガムを使用したと理解する」とは、到底、いえるものではない」ことを客観的に裏付ける証拠も示されていない。
したがって、特許異議申立人の主張は採用することができない。

3 まとめ
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は特許法第120条の5第2項ただし書き第1及び3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条第4項、及び同条第9項において準用する同法第126条第5項、第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項[1?12]についての訂正を認める。

第3 本件発明
本件訂正により訂正された特許の請求項1?12に係る発明(以下「本件発明1」?「本件発明12」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1?12に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。
「【請求項1】2.0%以下の総アシル含有量を有し、0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度が少なくとも300g/cm^(2)であり、0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度が少なくとも117g/cm^(2)であり、
前記0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度が、2グラムのジェランガムサンプル、61.6g/lの乳酸カルシウム水溶液10ml、及び純水からなる1000gの試料から調製したゲルを用いて測定した値であり、
前記0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度が、1グラムのジェランガムサンプル、61.6g/lの乳酸カルシウム水溶液10ml、及び純水からなる1000gの試料から調製したゲルを用いて測定した値であることを特徴とする、低アシルジェランガム。
【請求項2】ジェランガムが0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度、少なくとも117g/cm^(2)を有する、2.0%未満の総アシル含有量を含む、請求項1に記載の低アシルジェランガム。
【請求項3】0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度が117g/cm^(2)?400g/cm^(2)である、請求項1に記載の低アシルジェランガム【請求項4】再水和された水中1%のジェランガムが少なくとも60%の光透過率を有する、請求項1に記載の低アシルジェランガム。
【請求項5】再水和された水中1%のジェランガムが60%超の光透過率を有する、請求項1に記載の低アシルジェランガム。
【請求項6】テクスチャープロファイル分析硬度が少なくとも9ポンド(lb)であり、前記テクスチャープロファイル分析硬度が、1.5グラムのジェランガムサンプル、3mLの0.6M塩化カルシウムストック水溶液、及び脱イオン水からなる301gの試料から調製したゲルを用いて測定した値である、請求項1に記載の低アシルジェランガム。
【請求項7】ジェランガムが、1%ジェランガムの90℃熱粘度、少なくとも25cPを有する、請求項1に記載の低アシルジェランガム。
【請求項8】請求項1、2、又は7に記載の低アシルジェランガムを含む工業製品。
【請求項9】製品が、飲料、菓子、ジャム及びゼリー、加工食品、水性ゲル、パイの詰め物、デザートゲル、アイシング、ヨーsグルト、プディング、ホイップ、クリーマー、ゲル化ミルク、及びアイスクリームからなる群から選ばれる、請求項8に記載の工業製品。
【請求項10】製品が、ゲル化ペットフード、微生物及び組織用培地、液体クリーナー、練り歯磨き、石鹸及びボディソープ、脱臭用ゲル、空気清浄用ゲル、及び軟質カプセルからなる群から選ばれる、請求項8に記載の工業製品。
【請求項11】(削除)
【請求項12】ジェランガムが、カラギーナン、ローカストビーンガム、コンニャク、及びキサンタンガムからなる群から選ばれる少なくとも一つのゲル化ハイドロコロイドと共に使用される、請求項8に記載の工業製品。」

第4 取消理由の概要

1 特許異議申立人が申し立てた取消理由の概要
本件発明1?12に対して特許異議申立人が申し立てた取消理由の概要は、以下のとおりである。

理由1:訂正前の請求項1?6及び8?12に係る発明は、その出願前に日本国内において頒布された甲第1号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し、同法第29条の規定に違反してなされたものであるから、本件発明1?6及び8?12に係る特許は、同法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。
甲第1号証:國崎直道等著、「食品多糖類 乳化・増粘・ゲル化の知識」(2001年11月25日)p.154-165、株式会社 幸書房発行(以下「甲1」という。)

理由2:訂正前の請求項1?6及び8?12に係る発明は、その出願前に日本国内において頒布された甲1に記載された発明に基いて、本件出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本件発明1?6及び8?12に係る特許は、同法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。

理由3:訂正前の請求項1?12に係る発明は、以下(1)?(3)の点で、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号に適合するものではないから、同法第36条第6項の規定を満たさない特許出願に対してなされたものであり、本件発明1?12に係る特許は、同法第113条第4号の規定により取り消されるべきものである。

(1)訂正前の請求項1に記載の「0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度が少なくとも300g/cm^(2)である」、訂正前の請求項2に記載の「0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度、少なくとも117g/cm^(2)を有する」及び本件発明3の訂正前の請求項3に記載の「0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度が117g/cm^(2)?400g/cm^(2)である」について、当該ゲル強度の特定につき、カルシウム濃度及びpHが特定されていないのでゲル強度を明確に特定することはできないから、訂正前の請求項1?3に係る発明及びこれらを引用して特定されている訂正前の請求項4?12に係る発明は明確でない。

(2)訂正前の請求項6に記載の「ジェランガムが、テクスチャープロファイル分析硬度、少なくとも9ポンド(lb)を有する」について、ジェランガム自体はゲルでなく、「テクスチャープロファイル分析硬度」を測定できるものではないから、当該記載は技術的に理解できず、そのゲルは、種々の製造条件によりその強度が異なるように硬度もまた異なり、測定条件によっても硬度の数値も異なり、ゲル硬度を明確に特定することはできないから、訂正前の請求項6に係る発明は明確でない。

(3)訂正前の請求項11に記載の「ジェランガムが、工業製品に使用される現在入手可能な市販の低アシルジェランガムの濃度より15%?90%低い濃度で使用される」について、「工業製品に使用される現在入手可能な市販の低アシルジェランガムの濃度」を明確に特定することはできず、それとの相対的な濃度である「工業製品に使用される現在入手可能な市販の低アシルジェランガムの濃度より15%?90%低い濃度」とは、低アシルジェランガムが、具体的にどのような濃度範囲となるのか分からないから、訂正前の請求項11に係る発明は、明確でない。

理由4:訂正前の請求項1?12に係る発明については、以下の点で、その発明の詳細な説明が特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていないから、同法第36条第4項第1号の規定を満たさない特許出願に対してなされたものであり、本件発明1?12に係る特許は、同法第113条第4号の規定により取り消されるべきものである。

低アシルジェランガムのゲル強度は、低アシルジェランガムの濃度が一定であっても、カルシウム濃度及びpHによって大きく異なるものであり、訂正前の請求項1に係る発明が、訂正前の請求項1の記載のみで発明を特定するならば、多々あるゲル強度に影響する因子いずれかの条件を設定することで、0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度が少なくとも300g/cm^(2)である、2.0%以下の総アシル含有量を有する低アシルジェランガムに該当することとなり、そのような低アシルジェランガムとしては、ありとあらゆるジェランガムが該当し得るが、特許登録時の明細書等にはそのようなありとあらゆるジェランガムを製造し得る記載はなく、そのようなジェランガムを製造するには当業者は試行錯誤を要するから、発明の詳細な説明は、訂正前の請求項1に係る発明及びそれを引用して特定されている訂正前の請求項2?12に係る発明の実施をすることができる程度に、明確かつ十分に記載したものではない。

理由5:訂正前の請求項1?12に係る発明は、以下の点で、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に適合するものではないから、同法第36条第6項の規定を満たさない特許出願に対してなされたものであり、本件発明1?12に係る特許は、同法第113条第4号の規定により取り消されるべきものである。

前記理由4で述べたことと表裏一体の理由から、訂正前の請求項1に係る発明は、多々あるゲル強度に影響する因子いずれかの条件を設定することで、0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度が少なくとも300g/cm^(2)である、2.0%以下の総アシル含有量を有する低アシルジェランガムに該当することとなるが、特許登録時の明細書等に開示された内容はその一例にすぎず、これを訂正前の請求項1に係る発明の低アシルジェランガムに一般化ないし拡張することはできない。

2 当審が通知した取消理由(決定の予告)の概要
訂正前の請求項1?12に係る発明に対して、平成29年6月26日付けで当審が特許権者に通知した取消理由(決定の予告)の概要は、以下のとおりである。

訂正前の請求項1?12に係る発明は、以下(1)?(3)の点で、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第2号に適合しないため、同法第36条第6項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものであるから、本件発明1?12に係る特許は、同法第113条第4号の規定により取り消されるべきものである。

(1)訂正前の請求項1に記載の「0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度が少なくとも300g/cm^(2)である」、訂正前の請求項2に記載の「0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度、少なくとも117g/cm^(2)を有する」及び訂正前の請求項3に記載の「0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度が117g/cm^(2)?400g/cm^(2)である」について、「カードメーターゲル強度」とはどのような測定方法による測定値なのか明らかでなく、当該ゲル強度の特定につき、ゲルを形成させる媒体の種類、カチオンの存否、カチオンの濃度及びpHが特定されていないのでゲル強度を明確に特定することはできないから、訂正前の請求項1?3に係る発明及びこれらを引用して特定されている訂正前の請求項4?12に係る発明は明確でない。

(2)訂正前の請求項6に記載の「ジェランガムが、テクスチャープロファイル分析硬度、少なくとも9ポンド(lb)を有する」について、ジェランガム自体はゲルでなく、「テクスチャープロファイル分析硬度」を測定できるものではないから、当該記載は技術的に理解できず、「テクスチャープロファイル分析硬度」とはどのような試験方法によるゲル硬度値なのか不明であり、ゲル硬度の特定につき、ゲルを形成させる媒体の種類、カチオンの存否、カチオンの濃度及びpHが特定されておらず、ゲル硬度を明確に特定することはできないから、訂正前の請求項6に係る発明は明確でない。

(3)訂正前の請求項11に記載の「ジェランガムが、工業製品に使用される現在入手可能な市販の低アシルジェランガムの濃度より15%?90%低い濃度で使用される」について、「工業製品に使用される現在入手可能な市販の低アシルジェランガムの濃度」を明確に特定することはできず、それとの相対的な濃度である「工業製品に使用される現在入手可能な市販の低アシルジェランガムの濃度より15%?90%低い濃度」とは、低アシルジェランガムが、具体的にどのような濃度範囲となるのか分からないから、訂正前の請求項11に係る発明は、明確でない。

なお、当審が通知した取消理由は、特許異議申立人が申し立てた取消理由3と同じである。

第5 当審の判断
当審は、本件発明1?10、12は、当審の通知した取消理由(決定の予告)によっては、取り消すことはできないと判断する。
また、特許異議申立人が申し立てた取消理由によっても、取り消すことはできないと判断する。
理由は以下のとおりである。
さらに、訂正前の請求項11は、訂正により削除されているので、請求項11に係る特許についての特許異議の申立を却下する。

1 取消理由(決定の予告)についての判断

(1)取消理由(決定の予告)の概要の(1)に対して
取消理由(決定の予告)の概要の(1)に対し、前記第2 1(1)に記載の訂正事項1の訂正がなされ、本件発明1となった。そこで、取消理由(決定の予告)の概要の(1)で指摘した事項を踏まえつつ、本件発明1(全体)が明確であるか、以下検討する。

ア 本件発明1の「0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度が少なくとも117g/cm^(2)であり」及び「前記0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度が、1グラムのジェランガムサンプル、61.6g/lの乳酸カルシウム水溶液10ml、及び純水からなる1000gの試料から調製したゲルを用いて測定した値である」という特定について

(ア)「カードメーターゲル強度」の測定方法について
特許登録時の明細書等の実施例1の段落【0049】には「ゲル強度は、Neo Curdmeter(登録商標)Model ME-303で測定した。この測定では、Neo Curdmeter(登録商標)の操作マニュアルに記載されているように、100グラムのバネ、延長ロッド、5.6mmのプランジャー、及び100グラム荷重のセルウェイトを使用した。このサンプルの場合、0.1%のグラムカードメーターゲル強度は317g/cm^(2)であった。」と記載されている。

ここで、「Neo Curdmeter(登録商標)の操作マニュアル」に関し、平成29年2月23日付け意見書に添付して、乙第1号証(以下「乙1」と略す。乙1の表紙に「'91.10.」の印があり1991年10月には入手されていたと理解され、その前に頒布されていたと推認される)「カードメーター・マックス 形式ME-303取扱説明書」(写し)が提出されている。
乙1は「カードメーター・マックス 形式ME-303取扱説明書」で、カードメーターの名称が、特許登録時の明細書等の実施例1の段落【0049】に記載の「Neo Curdmeter」(登録商標)とは異なるものの、乙1には、カードメーターの作動原理、カードメーターの仕様と構成、その取扱方法及び測定操作が詳細に記載され、且つ、前記段落【0049】に記載されているように、操作マニュアルである該取扱説明書には、使用する100グラムのバネ、延長ロッド、5.6mmのプランジャー及び100グラム荷重のセルウェイトも記載されている。
そうすると、乙1に記載のカードメーターの作動原理、カードメーターの取扱方法及びその測定操作に基づき、特許登録時の明細書等の段落【0049】に記載され乙1にも記載されている100グラムのバネ、延長ロッド、5.6mmのプランジャー及び100グラム荷重のセルウェイトを使用してカードメーターゲル強度を測定する方法は明らかであるといえる。

(イ)「0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度」を測定する測定試料の調製方法について
本件発明1には、「前記0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度が、1グラムのジェランガムサンプル、61.6g/lの乳酸カルシウム水溶液10ml、及び純水からなる1000gの試料から調製したゲルを用いて測定した値である」と特定されている。
これは、「0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度」を測定する測定試料の調製するための、ゲルを形成させる媒体の種類、乳酸カルシウムが存在すること及び乳酸カルシウム濃度が特定されていると共に、試料1000g中の組成が明確であることからpHも特定されるものといえる。
そうすると、本件発明1の「0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度」を測定する測定試料の調製方法については、本件発明1に記載の「前記0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度が、1グラムのジェランガムサンプル、61.6g/lの乳酸カルシウム水溶液10ml、及び純水からなる1000gの試料から調製したゲルを用いて測定した値である」に従った測定試料の調製方法により明確であるといえる。

(ウ)したがって、前記(イ)で述べた、本件発明1に記載の「前記0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度が、1グラムのジェランガムサンプル、61.6g/lの乳酸カルシウム水溶液10ml、及び純水からなる1000gの試料から調製したゲルを用いて測定した値である」に従って測定試料を調製し、前記(ア)で述べた「カードメーターゲル強度」の測定方法に従って前記試料を用いてゲル強度を測定すれば、0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度を明確に特定できるといえるから、本件発明1の「0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度が少なくとも117g/cm^(2)であり」及び「前記0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度が、1グラムのジェランガムサンプル、61.6g/lの乳酸カルシウム水溶液10ml、及び純水からなる1000gの試料から調製したゲルを用いて測定した値である」という特定は明確といえる。

イ 本件発明1の「0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度が少なくとも300g/cm^(2)であり」及び「前記0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度が、2グラムのジェランガムサンプル、61.6g/lの乳酸カルシウム水溶液10ml、及び純水からなる1000gの試料から調製したゲルを用いて測定した値であり」という特定について

「0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度」を測定する測定試料の調製方法について、本件発明1には「前記0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度が、2グラムのジェランガムサンプル、61.6g/lの乳酸カルシウム水溶液10ml、及び純水からなる1000gの試料から調製したゲルを用いて測定した値であり」と特定されており、これは、「0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度」を測定する測定試料の調製するための、ゲルを形成させる媒体の種類、乳酸カルシウムが存在すること及び乳酸カルシウム濃度が特定されていると共に、試料1000g中の組成が明確であることからpHも特定されるものといえる。それ故、本件発明1の「0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度」を測定する測定試料の調製方法は、本件発明1の前記記載に従った測定試料の調製方法により明確であるといえる。
そうすると、「0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度」は、本件発明1に記載の「前記0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度が、2グラムのジェランガムサンプル、61.6g/lの乳酸カルシウム水溶液10ml、及び純水からなる1000gの試料から調製したゲルを用いて測定した値であり」に従って測定試料を調製し、前記ア(ア)で述べた「カードメーターゲル強度」の測定方法に従って前記試料を用いてゲル強度を測定すれば、0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度を明確に特定できるといえる。
したがって、本件発明1の「0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度が少なくとも300g/cm^(2)であり」及び「前記0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度が、2グラムのジェランガムサンプル、61.6g/lの乳酸カルシウム水溶液10ml、及び純水からなる1000gの試料から調製したゲルを用いて測定した値であり」という特定は明確といえる。

ウ 小括
以上より、本件発明1は明確である。

(2)取消理由(決定の予告)の概要の(2)に対して
取消理由(決定の予告)の概要の(2)に対し、前記第2 1(1)に記載の訂正事項2の訂正がなされ、本件発明6となった。そこで、取消理由(決定の予告)の概要の(2)で指摘した事項を踏まえつつ、本件発明6(全体)が明確であるか、以下検討する。

ア 「テクスチャープロファイル分析硬度が少なくとも9ポンド(lb)であり」という特定について
訂正前の請求項6の「ジェランガムが、テクスチャープロファイル分析硬度、少なくとも9ポンド(lb)であり」という特定が、訂正により「テクスチャープロファイル分析硬度が少なくとも9ポンド(lb)であり」と特定され、技術的に理解できる記載となった。
それ故、「テクスチャープロファイル分析硬度が少なくとも9ポンド(lb)であり」という記載は、明確である。

イ 本件発明6に記載の「テクスチャープロファイル分析硬度が少なくとも9ポンド(lb)であり、前記テクスチャープロファイル分析硬度が、1.5グラムのジェランガムサンプル、3mLの0.6M塩化カルシウムストック水溶液、及び脱イオン水からなる301gの試料から調製したゲルを用いて測定した値である」という特定について

(ア)「テクスチャープロファイル分析硬度」の測定方法について
特許登録時の明細書等の段落【0052】の「次に該ゲルをTPAによって試験した(Sanderson,G.R.ら,ジェランガムゲルのテクスチャー(The Texture of Gellan Gum Gels),Gums and Stability for the Food Industry,4:219-227(1988))。これは自立ゲルの圧縮試験である。サンプルを元の高さの20%に2インチ/分の速度で2回圧縮した。モジュラス、硬度、脆性及び弾性を測定した。硬度の測定は、最初の圧縮サイクル時の最大力で、サンプルのゲル化性能(ゲル強度)を表す。TPA硬度25.7ポンド(lb)が測定された。」という記載に合わせ、平成29年2月23日付け意見書に添付して、乙第2号証及び乙第2-2号証として、特許登録時の明細書等の段落【0052】に記載の「Gums and Stability for the Food Industry 4,(1988)p.219-227(The Texture of Gellan Gum Gels)」及びその抄訳文が提出され、及び、平成29年9月28日付け意見書に添付して、乙第2-3号証として、乙第2号証の抄訳文において訳していなかった乙第2号証第220頁12行の「in succession」の訳を追加した乙第2号証の抄訳文が提出された。そして、乙第2号証の記載より、テクスチャープロファイル分析硬度の試験方法として、機器はINSTRONを用いこの機器のプログラムに従い、サンプルを元の高さの20%に2インチ/分の速度で2回圧縮する試験方法が明らかとなった。
それ故、これによる「テクスチャープロファイル分析硬度」の試験方法は明確といえる。

(イ)「テクスチャープロファイル分析硬度」を測定する測定試料の調製方法について
本件発明6には「テクスチャープロファイル分析硬度が、1.5グラムのジェランガムサンプル、3mLの0.6M塩化カルシウムストック水溶液、及び脱イオン水からなる301gの試料から調製したゲルを用いて測定した値である」と特定されており、これは、ジェランガムの濃度、ゲルを形成させるカチオンの種類及び濃度、並びに、試料301g中の組成が明確であるのでpHも特定されているといえるから、該調製方法も明確といえる。

(ウ)前記(イ)で述べたテクスチャープロファイル分析硬度を測定する測定試料の調製方法により調製された測定試料を用い、前記(ア)で述べたテクスチャープロファイル分析硬度の試験方法に従って試験することにより、「テクスチャープロファイル分析硬度が、少なくとも9ポンド(lb)であ」るものを明確に特定できるといえる。

ウ 小括
したがって、本件発明6に記載の「テクスチャープロファイル分析硬度が少なくとも9ポンド(lb)であり、前記テクスチャープロファイル分析硬度が、1.5グラムのジェランガムサンプル、3mLの0.6M塩化カルシウムストック水溶液、及び脱イオン水からなる301gの試料から調製したゲルを用いて測定した値である」という特定は明確といえるから、本件発明6は明確である。

(3)取消理由(決定の予告)の概要の(3)に対して
取消理由(決定の予告)の概要の(3)に対し、訂正により請求項11が削除されたため、対象となる請求項が存在しないので、この取消理由はなくなった。

(4)まとめ
以上のとおりであるから、本件発明1及び6は、特許を受けようとする発明が明確であり、特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号に適合する。
また、本件発明1を直接又は間接に引用して特定されている本件発明2?5、7?10及び12も同様である。

よって、本件発明1?10及び12についての特許は、特許法第36条第6項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものではないから、同法第113条第4号の規定により取り消されるべきものではない。

2 平成29年6月26日付けの取消理由通知(決定の予告)において採用しなかった特許異議申立人が申し立てた取消理由について

(1)特許異議申立人が申し立てた理由1について

ア 甲号証の記載

(ア)甲1
1a「2.ジェランガム
2.1 基原および化学構造
ジェランガム(gellan gum)は、エロデア属の水草(北米原産のトチカガミ科の植物)から分離したSphingomonas elodea 60によって産生した微生物多糖類を脱アセチル化したものである.この多糖はグルコース、グルクロン酸、グルコースとL-ラムノースの4つの糖の反復ユニットで直鎖状に結合したものである.元の多糖はグルコースのC-6位にアセチル基を1/2残基存在している(3?5%のアセチル基).そしてC-2位にグリセリル基が結合している.これをネイティブ型と呼んでいる(図6-17^(13))).一般的にジェランガムと呼ぶのは脱アセチル化したものを指している(図6-18^(13))).ここでは特に区別しない場合は脱アセチル化して精製したものをジェランガムという.」(154頁下から10行?156頁1行)

1b「

」(155頁)

1c「2.2 製造方法
ジェランガムの製造方法は、米国CP Kelco社が特許を取得している.それによると培地成分としてはグルコース3%、K_(2)HPO_(4) 0.05%、MgSO_(4)・7H_(2)O 0.01%、NH_(4)NO_(3) 0.09%、窒素源として有機成分を少量含んだ水溶液をpH6.5に調整する.ここにPseudomonas elodea 60を接種し、好気的条件下で30℃、50時間の培養により製造する.培養液のpH調整に使用する緩衝塩としてカリウム塩を使用すれば、生産されるジェランガムはカリウム塩型になる.実際に生産されているのはこの型である.図6-19^(13))に代表的な製造方法を示した.脱アセチル化(脱アシル化とも呼ぶが、ここではCH_(3)CO-“アセチル”なので脱アセチル化と呼ぶ)は発酵工程後に行う.この工程はゲル化に与える影響が大きいので重要な工程である. ・・・・・

」(156頁15?25行、157頁上)

1d「(2)ゲ ル 化
様々のカチオンによりそのゲル形成能が異なるが,二価のカチオンによる影響が非常に大きい.それはジェランガム内のカルボキシル基の間で分子間架橋を形成するためと考えられる.一価のカチオンでもジェランガムはゲル化するが二価イオンに比較すれば著しく弱いものである.ネイティブ型は硬いゲルを形成せず軟らかく弾力のあるゲルである.
ゲル化の機構は,寒天やカラギーナンのゲルと同様に分子どうしが会合し,二重らせん構造をとり,三次元の網目構造をとるものと考えられている(図6-22).
ジェランガムは寒天の1/3から1/4の量で同等のゲル強度が得られる.添加量が少なく済むので口溶けが良く,フレーバーリリースが良いゲルが得られる.しかもジェランガムのゲル化力は酸性領域でも高いが,寒天はpH4以下になるとゲル化力が弱くなる.図6-23^(14))にジェランガム0.2%の系に,乳酸カルシウムを添加したときのゲルの硬さと脆性を示した.カルシウムの添加に伴いゲルが硬く,脆くなることが分かる.二価のカチオンによってできたゲルは100℃で加熱してもゾルにならない.ゲル化能は一価のカチオンの3?7%の量で済む.
ジェランガムの融点とセット温度(ゲル化温度)を表6-8^(19))に示した.ゲル化温度は糖度の影響も受ける.一般的に糖度が高くなればゲル化温度も高くなる.またpHを下げると透明度も増してくる.このようにジェランガムのゲル化にはカチオンの存在が重要な因子となる.特に食品でのゲルは酸性,耐熱性が要求されるのでpHとカチオンの添加には充分に注意を払う必要がある.
効率良くゲル化をさせるための要領は下記の事項に注意することである.
・酸類および塩類はジェランガムの溶解後(90℃以上で加熱した後) に添加する.
カルシウムは溶解が悪いので加温しておくとよい.
・ジェランガムと塩類(カルシウム)のバランスを保つ.
・・・・・
例えば0.2%のジェランガムと乳酸カルシウム0.09%が最高の硬さを出す.それ以上の乳酸カルシウムの添加はゲル強度を下げる(図6-23)
・pH3.7付近が最高のゲル強度を示す.3.5以下では急激にゲルは弱くなる(図6-24^(14))).
・ゲル化温度は塩類濃度と糖度に影響される.高濃度にすればするほどゲル化温度は高くなる.カル シウムなどの二価のカチオン場合で25?

40℃,ナトリウムなどの一価カチオンの場合は30?50℃で ある.糖度が高くなると80℃でもゲル化してしまう.」(159頁9行?161頁下から8行)

イ 甲1に記載された発明
甲1は、「ジェランガム」(1a)に関し記載するものであって、ジェランガムは「エロデア属の水草(北米原産のトチカガミ科の植物)から分離したSphingomonas elodea 60によって産生した微生物多糖類を脱アセチル化したもの」(1a)である。この「微生物多糖類」は「グルコース、グルクロン酸、グルコースとL-ラムノースの4つの糖の反復ユニットで直鎖状に結合したものである.元の多糖はグルコースのC-6位にアセチル基を1/2残基存在している・・そしてC-2位にグリセリル基が結合している」(1a)ものであり、「これをネイティブ型と呼んでいる(図6-17^(13)))」(1a)すなわち「ネイティブ型のジェランガム」(1b 図6-17の標題)」といっている。
そして、「一般的にジェランガムと呼ぶのは脱アセチル化したものを指している(図6-18^(13))).ここでは・・脱アセチル化して精製したものをジェランガムという」(1a)ということから、「ネイティブ型のジェランガム」を「脱アセチル化して精製したもの」を甲1では「ジェランガム」というものといえる。さらに、甲1にはこの「ジェランガム」の製造方法も示されている(1c)。

そうすると、甲1には、
「ネイティブ型のジェランガムを脱アセチル化して精製した、ジェランガム」の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

ウ 本件発明1について

(ア)対比
本件発明1と引用発明とを対比する。

a 本件発明1の「低アシルジェランガム」について、特許登録時の明細書等の段落【0004】には、「一つの特別有用なゲル化剤はジェランガムで、これは細菌のスフィンゴモナス・エロデア(Sphingomonas elodea)(ATCC31461)、及びこの種から派生した菌株によって産生される莢膜多糖である。ジェランガムの構成糖は、モル比2:1:1のグルコース、グルクロン酸及びラムノースである。これらは一緒に連結し、線形の四糖類反復単位を含む一次構造を呈している・・・ネイティブ型又は高アシル(“HA”)型には2個のアシル置換基、アセテート及びグリセレートが存在する。両置換基とも同じグルコース残基上に位置し、平均して1反復単位あたり1個のグリセレート及び二反復単位ごとに1個のアセテートが存在する。低アシル(“LA”)型はほとんどのアシル基が除去され、そのような基を実質的に持たない線形反復単位となっている。」と記載されている。
これは、ジェランガムが、スフィンゴモナス・エロデア(Sphingomonas elodea)(ATCC31461)及びこの種から派生した菌株によって産生される莢膜多糖で、その構成糖はモル比2:1:1のグルコース、グルクロン酸及びラムノースで、これらは一緒に連結し、線形の四糖類反復単位を含む一次構造を呈しているものであること、このうち、ネイティブ型のジェランガムは2個のアシル置換基、アセテート及びグリセレートが存在し、両置換基とも同じグルコース残基上に位置し、平均して1反復単位あたり1個のグリセレート及び二反復単位ごとに1個のアセテートが存在するものであること、他方、低アシル型のジェランガムは、ネイティブ型のジェランガムが有する殆どのアシル基が除去され、そのような基を実質的に持たない線形反復型単位となっているものといえる。

b 引用発明の「ネイティブ型のジェランガム」とは、甲1の「ジェランガム(gellan gum)は・・Sphingomonas elodea・・によって産生した微生物多糖類を脱アセチル化したものである.この多糖はグルコース、グルクロン酸、グルコースとL-ラムノースの4つの糖の反復ユニットで直鎖状に結合したものである.元の多糖はグルコースのC-6位にアセチル基を1/2残基存在している・・そしてC-2位にグリセリル基が結合している.これをネイティブ型と呼んでいる(図6-17^(13)))」(1a)という記載及び図6-17(1b)の化学構造式より、Sphingomonas elodeaによって産生される微生物多糖類であって、グルコース、グルクロン酸、グルコースとL-ラムノースの4つの糖の反復ユニットで直鎖状に結合したもので、グルコースのC-6位にアセチル基を1/2残基存在しており、C-2位にグリセリル基が結合しているものといえる。

この引用発明の「ネイティブ型のジェランガム」は、ジェランガムの産生微生物がSphingomonas elodeaであること、該微生物が産生する多糖類の構成糖は、その種類がグルコース、グルクロン酸及びL-ラムノースで、その割合がグルコース:グルクロン酸:L-ラムノース=2:1:1であること、これら構成糖は一緒に連結し線形の四糖類反復単位を含む一次構造を呈していること、この構成糖において2個のアシル置換基、アセテート及びグリセレートが存在し、両置換基とも同じグルコース残基上に位置し、平均して1反復単位あたり1個のグリセレート及び二反復単位ごとに1個のアセテートが存在するものである点で、本件発明1の「低アシルジェランガム」について説明されている、特許登録時の明細書等の段落【0004】に記載のネイティブ型のジェランガムと同じであるといえる。

c 引用発明の「ネイティブ型のジェランガムを脱アセチル化して精製した、ジェランガム」は、ネイティブ型のジェランガムから脱アセチル化し、アシル基が除去されアセチル基を持たないジェランガムといえる。
他方、本件発明1の「低アシルジェランガム」は、特許登録時の明細書等の段落【0004】の前記記載より、ネイティブ型ジェランガムが有する殆どのアシル基が除去され、2.0%以下の総アシル含有量を有するものである。
そうすると、引用発明である「ネイティブ型のジェランガムを脱アセチル化して精製した、ジェランガム」は、本件発明1の「低アシルジェランガム」に相当する。

d したがって、両者は「低アシルジェランガム」である点で一致し、以下の点で相違するといえる。

相違点1:低アシルジェランガムのゲル強度について、本件発明1は、0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度が少なくとも300g/cm^(2)であり、0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度が少なくとも117g/cm^(2)であり、
前記0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度が、2グラムのジェランガムサンプル、61.6g/lの乳酸カルシウム水溶液10ml、及び純水からなる1000gの試料から調製したゲルを用いて測定した値であり、
前記0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度が、1グラムのジェランガムサンプル、61.6g/lの乳酸カルシウム水溶液10ml、及び純水からなる1000gの試料から調製したゲルを用いて測定した値であるのに対し、
引用発明は、そのようなゲル強度を有するものであるのか明らかでない点

相違点2:低アシルジェランガムの総アシル含有量について、本件発明1は、2.0%以下の総アシル含有量を有するものであるのに対し、引用発明は、そのような総アシル含有量を有するものであるのか明らかでない点

(イ)判断

a 相違点1について
引用発明は、「ネイティブ型のジェランガムを脱アセチル化して精製した、ジェランガム」であり、「一般的にジェランガムと呼ぶ」「脱アセチル化したもの」(1a)である。
このような引用発明のジェランガムの中には、その測定方法は明らかでないが、例えば、甲1の表6-8(1d)に示されるように、0.2%ジェランガムのゲル強度が少なくとも300g/cm^(2)であるものが存在することは、理解できる。
しかし、その0.2%ジェランガムのゲル強度の測定が、本件発明1の0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度の測定と同じかは明らかでなく、また、本件優先日当時の技術常識を勘案しても、0.2%ジェランガムのゲル強度の測定が、本件発明1の0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度の測定である、2グラムのジェランガムサンプル、61.6g/lの乳酸カルシウム水溶液10ml、及び純水からなる1000gの試料から調製したゲルを用いた測定であることが、本件優先日当時の技術常識であったとまでは認められない。したがって、甲1に示される0.2%ジェランガムのゲル強度の値が本件発明1の0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度の値とはいえない。
仮に、0.2%ジェランガムのゲル強度の測定として、本件発明1の0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度の測定で行うことが技術常識であり、引用発明の低アシルジェランガムが、本件発明1の0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度の値を有していたとしても、そのような0.2%ジェランガムのゲル強度を有するジェランガムが、0.1%ジェランガムのゲル強度が少なくとも117g/cm^(2)を有することについては、甲1に何ら記載も示唆もされていない。また、そのような0.2%ジェランガムのゲル強度を有するジェランガムについて、0.1%ジェランガムのゲル強度が少なくとも117g/cm^(2)を有することが本件優先日当時の技術常識であったものとも認められない。
そうすると、相違点1については、実質的な相違点といえる。

b したがって、本件発明1は、その余の相違点について検討するまでもなく、甲1に記載された発明であるとはいえない。

エ 本件発明2?6、8?10及び12について
本件発明2?6、8?10及び12は、本件発明1を直接又は間接に引用して特定されている発明であるから、前記ウで本件発明1について説示したと同じ理由により、甲1に記載された発明であるとはいえない。

オ 特許異議申立人の主張について
特許異議申立人は、特許異議申立書第14頁8行?15頁表において、特許登録時の明細書等の段落【0014】には、【図1】は0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度試験と0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度試験との間の直線的相関を示すグラフであることが記載されており、【図1】中に数式y=3.3917+0.37652xが記載され、これに従って計算すると、前述の甲1に記載の0.2%ジェランガムのゲル強度が、429g/cm^(2)(乳酸カルシウム濃度0.06%)、503g/cm^(2)(乳酸カルシウム濃度0.09%)、457g/cm^(2)(乳酸カルシウム濃度0.12%)及び400g/cm^(2)(乳酸カルシウム濃度0.18%)であるものは、0.1%ジェランガムのゲル強度が、それぞれ、165g/cm^(2)(0.2%ジェランガムのゲル強度429g/cm^(2)のもの)、193g/cm^(2)(0.2%ジェランガムのゲル強度503g/cm^(2)のもの)、175g/cm^(2)(0.2%ジェランガムのゲル強度457g/cm^(2)のもの)及び154g/cm^(2)(0.2%ジェランガムのゲル強度400g/cm^(2)のもの)となり、いずれも「少なくとも117g/cm^(2)」を有する旨、主張している。

しかし、特許登録時の明細書等の【図1】は、特許登録時の明細書等の実施例1に記載の0.1%カードメーターゲル強度試験(【0048】?【0049】)に従って測定された0.1%カードメーターゲル強度と0.2%カードメーターゲル強度との相関関係図と理解され、【図1】中には特定の数式が記載されているが、前述の甲1の表6-8(1d)に示されているような、0.2%ジェランガムのゲル強度が少なくとも300g/cm^(2)であるものについて、そのゲル強度の測定方法は甲1には明らかでなく、甲1に示される0.2%ジェランガムのゲル強度の値が本件発明1の0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度の値とはいえない。
そうすると、甲1に記載された0.2%ジェランガムのゲル強度の値を前記数式に当てはめても、本件発明1で特定される測定方法の0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度の値が算出されるとはいえない。
そうすると、甲1には、0.2%ジェランガムのゲル強度の測定方法が本件発明1の測定方法と同じであるとはいえないことから、0.2%ジェランガムのゲル強度の値が本件発明1のその値と同じとはいえず、また、本件発明1に記載された特定の、0.2%ジェランガムのゲル強度及び0.1%ジェランガムのゲル強度の各試験方法による測定結果から導き出された前記【図1】中の特定の数式を用いて、0.1%ジェランガムのゲル強度値を算出することはできない。
したがって、特許異議申立人の前記主張は、採用することができない。

カ 理由1についてのまとめ
以上のとおり、本件発明1?6、8?10及び12は、本件優先日前に頒布された甲1に記載された発明であるとはいえないから、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができない、ということはできない。
よって、本件発明?6、8?10及び12についての特許は、特許法第29条の規定に違反してされたものであるということはできず、同法第113条第2号に該当せず、理由1によって取り消されるべきものではない。

(2)特許異議申立人が申し立てた理由2について

ア 甲号証の記載
(ア)甲1
甲1の記載は、前記(1)ア(ア)に記載したとおりである。

イ 甲1に記載された発明
甲1に記載された発明は、前記(1)イに記載したとおりである。

ウ 本件発明1について

(ア)対比
本件発明1と引用発明との一致点及び相違点は、前記(1)ウ(ア)に記載したとおりである。一致点及び相違点を再掲する。

一致点:「低アシルジェランガム」である点

相違点1:低アシルジェランガムのゲル強度について、本件発明1は、0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度が少なくとも300g/cm^(2)であり、0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度が少なくとも117g/cm^(2)であり、
前記0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度が、2グラムのジェランガムサンプル、61.6g/lの乳酸カルシウム水溶液10ml、及び純水からなる1000gの試料から調製したゲルを用いて測定した値であり、
前記0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度が、1グラムのジェランガムサンプル、61.6g/lの乳酸カルシウム水溶液10ml、及び純水からなる1000gの試料から調製したゲルを用いて測定した値であるのに対し、
引用発明は、そのようなゲル強度を有するものであるのか明らかでない点

相違点2:低アシルジェランガムの総アシル含有量について、本件発明1は、2.0%以下の総アシル含有量を有するものであるのに対し、引用発明は、そのような総アシル含有量を有するものであるのか明らかでない点

(イ)判断

a 相違点1について検討する。
前記(1)ウ(イ)で述べたように、引用発明は、「ネイティブ型のジェランガムを脱アセチル化して精製した、ジェランガム」であり、「一般的にジェランガムと呼ぶ」「脱アセチル化したもの」(1a)である。
このような引用発明のジェランガムの中には、その測定方法は明らかでないが、例えば、甲1の表6-8(1d)に示されるように、0.2%ジェランガムのゲル強度が少なくとも300g/cm^(2)であるものが存在することは、理解できる。
しかし、その0.2%ジェランガムのゲル強度の測定が、本件発明1の0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度の測定と同じかは明らかでなく、また、本件優先日当時の技術常識を勘案しても、0.2%ジェランガムのゲル強度の測定が、本件発明1の0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度の測定である、2グラムのジェランガムサンプル、61.6g/lの乳酸カルシウム水溶液10ml、及び純水からなる1000gの試料から調製したゲルを用いた測定であることが、本件優先日当時の技術常識であったとまでは認められない。したがって、甲1に示される0.2%ジェランガムのゲル強度の値が本件発明1の0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度の値とはいえない。
仮に、0.2%ジェランガムのゲル強度の測定として、本件発明1の0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度の測定で行うことが技術常識であり、引用発明の低アシルジェランガムが、本件発明1の0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度の値を有していたとしても、そのような0.2%ジェランガムのゲル強度を有するジェランガムにおいて、更に0.1%ジェランガムのゲル強度が少なくとも117g/cm^(2)を有するものにしようという動機付けについては、甲1の記載や示唆並びに本件優先日当時の技術常識を勘案しても、そのような動機付けがあったものとは認められない。 したがって、引用発明において、相違点1に係る本件発明1の構成を備えるものとすることを、当業者が容易に想到できたとはいえない。

b したがって、本件発明1は、相違点2について検討するまでもなく、甲1に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

エ 本件発明2?6、8?10及び12について
本件発明2?6、8?10及び12は、本件発明1を直接又は間接に引用して特定されている発明であるから、前記ウで本件発明1について説示したと同じ理由により、甲1に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

オ 特許異議申立人の主張について
特許異議申立人は、特許異議申立書第15頁第4?5行において「従って、本件特許発明2は、甲第1号証に記載された発明であるか、又は少なくともこれから当業者が容易に想到し得た発明である。」と主張している。
しかし、「少なくともこれから当業者が容易に想到し得た発明である。」と主張する根拠の説明は何らなされていない。
したがって、前記a及びbで述べたとおりであり、特許異議申立人の主張は採用することができない。

カ 理由2についてのまとめ
以上のとおり、本件発明1?6、8?10及び12は、本件優先日前に頒布された甲1に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、ということはできない。
よって、本件発明1?6、8?10及び12についての特許は、特許法第29条の規定に違反してされたものであるということはできず、同法第113条第2号に該当せず、理由2によって取り消されるべきものではない。

(3)特許異議申立人が申し立てた理由4について

ア 本件発明1について
本件発明1の「0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度が少なくとも300g/cm^(2)であり、0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度が少なくとも117g/cm^(2)であ」ることについては、前記1(1)で述べたように、本件発明1に記載の各測定試料の調製方法、すなわち「前記0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度が、2グラムのジェランガムサンプル、61.6g/lの乳酸カルシウム水溶液10ml、及び純水からなる1000gの試料から調製したゲルを用いて測定した値であり、前記0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度が、1グラムのジェランガムサンプル、61.6g/lの乳酸カルシウム水溶液10ml、及び純水からなる1000gの試料から調製したゲルを用いて測定した値である」で調製した測定試料を、特許登録時の明細書等の実施例1の段落【0049】に記載の測定方法に従い、0.2%又は0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度を測定することができる。
また、本件発明1の「2.0%以下の総アシル含有量」についても、特許登録時の明細書等の実施例11の段落【0074】に記載の測定方法に従って測定することができる。
このように、本件発明1は前記測定方法により測定された一定のゲル強度を有するジェランガムであって、明確であり、特許異議申立人の主張するようなありとあらゆるジェランガムが該当し得るものではない。
そうすると、本件発明1の「2.0%以下の総アシル含有量を有し、0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度が少なくとも300g/cm^(2)であり、0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度が少なくとも117g/cm^(2)であ」る「低アシルジェランガム」を、当業者は試行錯誤することなく調製、測定し製造することができるといえる。
したがって、発明の詳細な説明は、当業者が本件発明1の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものといえる。

イ 本件発明2?10及び12について
本件発明2?10及び12は、本件発明1を直接又は間接に引用して特定されている発明であるから、前記アで本件発明1について説示したと同じ理由により、発明の詳細な説明は、当業者が本件発明2?10及び12の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものといえる。

ウ 特許異議申立人の主張について
低アシルジェランガムのゲル強度は、低アシルジェランガムの濃度が一定であっても、カルシウム濃度及びpHによって大きく異なるものであり、本件発明1が、請求項1の記載のみで発明を特定するならば、多々あるゲル強度に影響する因子いずれかの条件を設定することで、0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度が少なくとも300g/cm^(2)である、2.0%以下の総アシル含有量を有する低アシルジェランガムに該当することとなり、そのような低アシルジェランガムとしては、ありとあらゆるジェランガムが該当し得るが、特許登録時の明細書等にはそのようなありとあらゆるジェランガムを製造し得る記載はなく、そのようなジェランガムを製造するには当業者は試行錯誤を要するから、発明の詳細な説明には、本件発明1及び本件発明1を引用して特定されている本件発明2?10及び12の実施をすることができる程度に、明確かつ十分に記載したものではない旨、主張する。
しかし、前記アで述べたとおりである。
したがって、特許異議申立人の主張は採用することができない。

エ 理由4についてのまとめ
以上のとおり、発明の詳細な説明は、当業者が本件発明1?10及び12の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであり、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たす。
よって、本件発明1?10及び12についての特許は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものではないから、同法第113条第4号の規定により取り消されるべきものではない。

(4)特許異議申立人が申し立てた理由5について

ア 特許登録時の明細書等の、発明が解決しようとする課題(【0009】)、課題を解決するための手段(【0010】?【0013】)、発明を実施するための形態(【0015】?【0022】)及び実施例1(【0047】?【0049】)の記載からみて、本件発明1の解決しようとする課題は、2.0%以下の総アシル含有量を含む低アシルジェランガムであっても、0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度が少なくとも300g/cm^(2)であり、0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度が少なくとも117g/cm^(2)というような大きいゲル強度を有する低アシルジェランガムを提供することであると認められる。

発明の詳細な説明には、段落【0017】?【0039】に、本件発明1の低アシルジェランガム製造方法についての実施の態様が詳細に記載されている。そして、実施例1の段落【0048】には、「0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度」を測定する測定試料の調製方法が記載されていると共に、実施例1の段落【0049】にはカードメーターゲル強度の測定方法が記載されており、実施例4(【0055】?【0056】)には、実施例1の該方法に従って、0.1%ジェラガムのカードメーターゲル強度を測定し該ゲル強度が117g/cm^(2)?400g/cm^(2)を有するジェランガムを得たこと(【0056】【表1】)及び該0.1%ジェラガムのカードメーターゲル強度は市販の低アシルジェランガム(【表1】Kelcogel(登録商標)3バッチ)よりも大きいゲル強度であること、該【表1】に記載の0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度の測定値と図1に示される相間関係式y=3.3917+0.37652xから、該【表1】に記載のジェランガムは、全てのバッチで0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度が少なくとも300g/cm^(2)であること、並びに、実施例11(【0073】?【0075】)には、ジェランガムの総アシル含有量の測定方法が記載され、実施例1の方法に従って得た、実施例4に記載の0.1%ジェラガムのカードメーターゲル強度が117g/cm^(2)?400g/cm^(2)を有するジェランガム(前記バッチの内、バッチ番号GB06623、GB05664、GB05663、GB05255及びGB05341)の総アシル含有量が全て2.0%以下であること(【0075】【表8】)が記載されている。
そうすると、発明の詳細な説明には、本件発明1の製造方法についての実施の態様が詳細に記載され、本件発明1の低アシルジェランガムとして多数のバッチ番号の具体例も記載され、これら多数のバッチ番号の具体例はいずれも2.0%以下の総アシル含有量を含む低アシルジェランガムであっても、0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度が少なくとも300g/cm^(2)であり、0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度が少なくとも117g/cm^(2)というような大きいゲル強度を有する低アシルジェランガムであることから、本件発明1の課題が解決できることが把握できる。そして、当業者であれば実施例の記載を含め、発明の詳細な説明の記載をみれば請求項全般にわたり課題を解決できると認識できるといえる。
したがって、本件発明1は、特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであるといえる。

イ 本件発明2?10及び12について
本件発明2?10及び12は、本件発明1を直接又は間接に引用して特定されている発明であるから、前記ウで本件発明1について説示したと同じ理由により、本件発明2?10及び12は、特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであるといえる。

ウ 特許異議申立人の主張について
本件発明1は、多々あるゲル強度に影響する因子いずれかの条件を設定することで、0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度が少なくとも300g/cm^(2)である、2.0%以下の総アシル含有量を有する低アシルジェランガムに該当することとなるが、特許登録時の明細書等に開示された内容はその一例にすぎず、これを本件発明1の低アシルジェランガムに一般化ないし拡張することはできない旨、主張する。
しかし、前記アで述べたとおりである。
したがって、特許異議申立人の主張は採用することができない。

エ 理由5についてのまとめ
以上のとおり、本件発明1?10及び12は、特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであり、特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第1号に適合する。
よって、本件発明1?10及び12についての特許は、特許法第36条第6項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものではないから、同法第113条第4号の規定により取り消されるべきものではない。

第5 むすび
以上のとおりであるから、本件発明1?10及び12に係る特許は、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立ての理由並びに証拠によっては、取り消すことはできない。
また、他に本件発明1?10及び12に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
訂正前の請求項11は、削除されているので、請求項11に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2.0%以下の総アシル含有量を有し、0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度が少なくとも300g/cm^(2)であり、0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度が少なくとも117g/cm^(2)であり、
前記0.2%ジェランガムのカードメーターゲル強度が、2グラムのジェランガムサンプル、61.6g/lの乳酸カルシウム水溶液10ml、及び純水からなる1000gの試料から調製したゲルを用いて測定した値であり、
前記0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度が、1グラムのジェランガムサンプル、61.6g/lの乳酸カルシウム水溶液10ml、及び純水からなる1000gの試料から調製したゲルを用いて測定した値であることを特徴とする、低アシルジェランガム。
【請求項2】
ジェランガムが0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度、少なくとも117g/cm^(2)を有する、2.0%未満の総アシル含有量を含む、請求項1に記載の低アシルジェランガム。
【請求項3】
0.1%ジェランガムのカードメーターゲル強度が117g/cm^(2)?400g/cm^(2)である、請求項1に記載の低アシルジェランガム。
【請求項4】
再水和された水中1%のジェランガムが少なくとも60%の光透過率を有する、請求項1に記載の低アシルジェランガム。
【請求項5】
再水和された水中1%のジェランガムが60%超の光透過率を有する、請求項1に記載の低アシルジェランガム。
【請求項6】
テクスチャープロファイル分析硬度が少なくとも9ポンド(lb)であり、前記テクスチャープロファイル分析硬度が、1.5グラムのジェランガムサンプル、3mLの0.6M塩化カルシウム水溶液、及び脱イオン水からなる301gの試料から調製したゲルを用いて測定した値である、請求項1に記載の低アシルジェランガム。
【請求項7】
ジェランガムが、1%ジェランガムの90℃熱粘度、少なくとも25cPを有する、請求項1に記載の低アシルジェランガム。
【請求項8】
請求項1、2、又は7に記載の低アシルジェランガムを含む工業製品。
【請求項9】
製品が、飲料、菓子、ジャム及びゼリー、加工食品、水性ゲル、パイの詰め物、デザートゲル、アイシング、ヨーグルト、プディング、ホイップ、クリーマー、ゲル化ミルク、及びアイスクリームからなる群から選ばれる、請求項8に記載の工業製品。
【請求項10】
製品が、ゲル化ペットフード、微生物及び組織用培地、液体クリーナー、練り歯磨き、石鹸及びボディソープ、脱臭用ゲル、空気清浄用ゲル、及び軟質カプセルからなる群から選ばれる、請求項8に記載の工業製品。
【請求項11】
(削除)
【請求項12】
ジェランガムが、カラギーナン、ローカストビーンガム、コンニャク、及びキサンタンガムからなる群から選ばれる少なくとも一つのゲル化ハイドロコロイドと共に使用される、請求項8に記載の工業製品。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2018-04-03 
出願番号 特願2014-17001(P2014-17001)
審決分類 P 1 651・ 853- YAA (C08B)
P 1 651・ 537- YAA (C08B)
P 1 651・ 121- YAA (C08B)
P 1 651・ 536- YAA (C08B)
P 1 651・ 851- YAA (C08B)
P 1 651・ 113- YAA (C08B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 福間 信子幸田 俊希  
特許庁審判長 佐藤 健史
特許庁審判官 齊藤 真由美
瀬下 浩一
登録日 2016-02-19 
登録番号 特許第5886332号(P5886332)
権利者 シー・ピー・ケルコ・ユー・エス・インコーポレイテツド
発明の名称 超高性能清澄化ジェランガム  
代理人 杉村 憲司  
代理人 杉村 憲司  
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