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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G02B
管理番号 1341766
審判番号 不服2016-6672  
総通号数 224 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-08-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-05-06 
確定日 2018-07-09 
事件の表示 特願2013-504971「導光フィルム」拒絶査定不服審判事件〔平成23年10月20日国際公開,WO2011/130144,平成25年7月18日国内公表,特表2013-529313〕について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 
理由 第1 事案の概要
1 手続の経緯
特願2013-504971号(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2010年4月12日,同年月日,同年月日 アメリカ合衆国,以下「本件出願」という。)は,2011年4月11日の国際特許出願であって,その手続の概要は,以下のとおりである。
平成26年 4月 9日提出:手続補正書
平成26年12月19日付け:拒絶理由通知書(平成27年1月6日発送)
平成27年 7月 3日提出:意見書
平成27年 7月 3日提出:手続補正書
(以下「本件手続補正書」という。)
平成27年12月24日付け:拒絶査定
(平成28年1月5日送達,以下「原査定」という。)
平成28年 5月 6日請求:審判請求書

2 本願発明
本件出願の特許請求の範囲の請求項1?4に係る発明は,本件手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1?4に記載されたとおりのものであるところ,その請求項1に係る発明は,次のものである(以下「本願発明」という。)。
「 構造化された第1主表面と,相対する第2主表面と,を含む導光フィルムであって,前記構造化された第1主表面が,複数の単位個別構造を含み,各単位個別構造が,
主に光を導くための導光部分であって,
複数の第1側面であって,各第1側面が,前記導光フィルムの平面に対して35度?55度の範囲の角度をなす,複数の第1側面と,
前記複数の第1側面で画定され,第1最小寸法を有する第1底面と,
第1最大高さと,を含む,導光部分と,
主に導光フィルムを表面に接着するための,前記複数の第1側面の上及び間に配置される接着部分であって,
複数の第2側面であって,各第2側面が,前記導光フィルムの平面に対して70度超の角度をなす,複数の第2側面と,
前記複数の第2側面によって画定され,前記第1最小寸法の10%未満の第2最小寸法を有する第2底面と,
第2最大高さであって,前記第2最大高さの前記第2最小寸法に対する比が少なくとも1.5である,第2最大高さと,を含む,接着部分と,を含む,導光フィルム。」

3 原査定の概要
原査定の拒絶の理由は,概略,本願発明は,その優先権主張の日(以下「優先日」という。)前に日本国内又は外国において,刊行物として頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用例に記載された発明に基づいて,その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条2項の規定により特許を受けることができない,というものである。



引用例1:特開2008-122525号公報
引用例2:国際公開第2008/047855号
引用例3:米国特許出願公開第2007/0195421号明細書

第2 当合議体の判断
1 引用例の記載及び引用発明
(1) 引用例1の記載
本件出願の優先日前に刊行物として頒布された,又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用例1(公開日:平成20年5月29日,発明の名称:光学シート積層体および液晶表示装置,出願番号:特願2006-304158号,出願日:平成18年11月9日,出願人:ソニー株式会社)には,以下の記載がある。
ア 「【請求項1】
一方の面に凹凸部が多数連続して配列された第1の光学シートの上に第2の光学シートが積層されてなる光学シート積層体であって,
前記第2の光学シートの接合面には,前記凹凸部の頂部と接合される接着層が形成されており,
前記凹凸部の配列ピッチをP,前記接着層に接合される前記凹凸部の頂部の接合部幅をPwとしたときに,
0<Pw/P≦0.2
の関係を満たす
ことを特徴とする光学シート積層体。
【請求項2】
前記凹凸部の配列ピッチ(P)は,110μm以上である
ことを特徴とする請求項1に記載の光学シート積層体。」

イ 「【技術分野】
【0001】
本発明は,正面輝度の低下を最小限に抑えながら,シートのたわみ防止,副資材の削減,熱変形の防止を図ることができる光学シート積層体および液晶表示装置に関する。」

ウ 「【背景技術】
【0002】
液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)は,ブラウン管(CRT:Cathode Ray Tube)と比較して低消費電力かつ薄型化が可能であり,現在では携帯電話,デジタルカメラ等の小型機器から大型サイズの液晶テレビに至るまで,さまざまなサイズのものが幅広く使用されている。
【0003】
液晶表示装置は,透過型,反射型等に分類され,特に透過型液晶表示装置は,液晶層を一対の透明基板で挟んだ液晶表示パネルと,照明光源としてのバックライトユニットとを備えている。バックライトユニットは,光源を液晶表示パネルの直下に配置する直下型のほか,導光板を用いたエッジライト型がある。
【0004】
一般に,液晶表示装置用のバックライトユニットにおいては,光源光の出射方向を正面方向に配向させるプリズムシートやレンチキュラーレンズシート等の集光性のある光学シートあるいはフィルム(以下単にこれらを「シート」と称する。)が用いられている。例えば,プリズムシートは,光出射側の面に断面三角形状のプリズム体が多数配列された構成を有しており,プリズムシートに入射した光をプリズム斜面で屈折透過させることで正面方向に集光する作用を行う。また,プリズムシート以外の光学シートとしては,光拡散機能を有する拡散シートや偏光機能を有する反射型偏光子など,プリズムシートと組み合わせて用いられることで,液晶表示装置の輝度均一化,輝度向上が図られている。
…(省略)…
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら,光学シート同士を単に接着層を介して貼り合わせる構成では,積層される側の光学シートがプリズムシート等の凹凸部が表面に形成された光学シートである場合,プリズム構造部が接着剤層の厚みに食い込み,その部分においてはプリズム形状による集光効果が低減することで,正面輝度が低下するという問題がある。正面輝度の低下は,接着層の厚みが大きくなるほど顕著になる。一方,輝度低下を補うために光源の光量を増すと,電力の増加につながるので好ましくない。」

エ 「【課題を解決するための手段】
【0013】
以上の課題を解決するに当たり,本発明の光学シート積層体は,一方の面に凹凸部が多数連続して配列された第1の光学シートの上に第2の光学シートが積層されてなる光学シート積層体であって,上記第2の光学シートの接合面には,上記凹凸部の頂部と接合される接着層が形成されており,上記凹凸部の配列ピッチをP,上記接着層に接合される上記凹凸部の頂部の接合部幅をPwとしたときに,0<Pw/P≦0.2の関係を満たすことを特徴とする。
【0014】
本発明の光学シート積層体においては,第1の光学シートと第2の光学シートとを接着層を介して貼り合わせた構成としているので,シートの剛性が高められ,たわみ防止による取扱い性の向上と熱変形の防止を図ることができる。また,保護フィルム等の副資材の使用量を半減することが可能となる。
【0015】
また,0<Pw/P≦0.2の関係を満たすように,即ち,接着層に対する凹凸部の頂部の接合部幅Pwが凹凸部の配列ピッチPの20%以下となるように構成することによって,第1の光学シートと第2の光学シートとの間の接着性を維持しながら,凹凸部による光の集光機能(またはレンズ機能)の低下を抑制し,接着層の介在による正面輝度の低下を最小限に抑えることが可能となる。Pw/P>0.2の場合,凹凸部と接着層との接触面積が大きくなり,その接触領域における光の屈折効果の低下が顕在化して,正面輝度の大きな低下が避けられなくなる。具体的に,第1,第2の光学シートを接合せずに単に重ね合わせた場合に得られる正面輝度と比較して,20%近く,場合によっては20%以上の輝度低下が起こる。」

オ 「【発明の効果】
【0023】
以上述べたように,本発明によれば,正面輝度の低下を最小限に抑えながら,シートのたわみ防止,副資材の削減,熱変形の防止を図ることができる。」

カ 「【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下,本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0025】
図1は,本発明の一実施形態による液晶表示装置10の概略構成を示す断面図である。まず,液晶表示装置10の構成を概略的に説明する。
【0026】
図1に示すように,この液晶表示装置10は,バックライトユニット1および液晶表示パネル2を備えている。この例では,バックライトユニットが直下型である場合を説明するが,バックライトユニット1をエッジライト型で構成してもよい。
…(省略)…
【0029】
図1に示すように,バックライトユニット1は,例えば,反射板11,光源12,拡散板13,集光シート14,拡散シート17および反射型偏光分離シート18を備える。なお,拡散シート17および反射型偏光分離シート18に代えて,拡散機能層を有する反射型偏光分離シートを用いてもよい。また,拡散板13および反射型偏光分離シート18は,必要に応じて配置を省略することができる。」
(当合議体注:図1は以下の図である。)


キ 「【0036】
本実施形態において,上述した集光シート14と拡散シート17は,接着層を介して一体接合された光学シート積層体3として構成されている。以下,この本発明に係る光学シート積層体3の構成の詳細について説明する。
…(省略)…
【0038】
図2Aに示す光学シート積層体3は,上記凹凸部として,光出射側の面に断面略三角形状のプリズム体14Pが多数配列されたプリズムシートからなる集光シート14の上に,拡散シート17が接合された構成を示している。また,図2Bに示す光学シート積層体3は,上記凹凸部として,光出射側の面に双曲面,放物面あるいは高次の非球面を有するレンチキュラーレンズ体14Lが多数配列されたレンチキュラーレンズシートからなる集光シート14の上に,拡散シート17が接合された構成を有している。
【0039】
プリズム体14Pの断面形状は,本例では頂角90度の二等辺三角形で構成されているが,頂角は90度のものに限られない。また,プリズム高さやピッチ等も特に限定されないが,プリズム配列ピッチは後述するように上限が定められる。」
(当合議体注:図2は以下の図である。)


ク 「【0043】
図3に示す集光シート14においては,入射した光線は,その入射角によって透過経路が異なる。光束Ωは,プリズム斜面(AB面)を屈折透過する第1次透過光成分となり,正面輝度の向上に有効に活用される。光線Ψは,一方のプリズム斜面(AB面)で反射された後に他方のプリズム斜面(AC面)で再度反射されて入射側に戻される戻り光成分と,プリズム斜面(AC面)を透過してプリズム前面に出射される第2次透過光成分とに分けることができる。戻り光成分は,発光面(面光源)とみなされる拡散板13に入射して拡散反射され,発光面の輝度を増加させるのに有効な光束成分である。これに対し,第2次透過光成分は,液晶表示パネル2の有効視野角外の広角側に出射する光束成分であり,輝度の向上に寄与しない光束成分である。
【0044】
このように,図3に示す集光シート(プリズムシート)14においては,入射光が屈折透過することにより正面方向に集光され,正面輝度を増加するように指向特性が改善される。また,反射光が発光面(面光源)とみなされる拡散板13で拡散散乱され,発光面の輝度を増加させる結果,正面輝度が増加する。」
(当合議体注:図3は以下の図である。)


ケ 「【0049】
図6A,Bは,図2A,Bに示した光学シート積層体3における集光シート14と拡散シート17との間の接合部を模式的に示す要部断面図である。図6A,Bに示すように,集光シート14と拡散シート17は接着層20を介して接合されている。接着層20は,拡散シート17の光入射面側にあらかじめ形成されており,この接着層20に集光シート14の凹凸部(プリズム体14P,レンズ体14L)の頂部が接合されることによって,集光シート14と拡散シート17とが一体化されている。」
(当合議体注:図6は以下の図である。)


コ 「【0058】
図7は,凹凸部の配列ピッチPと光学シート積層体の正面輝度との関係の一例を示している。横軸は凹凸部の配列ピッチP[μm],縦軸は,頂角90度のプリズム体が50μmピッチで配列されたプリズムシートの上に接着層を介在させることなく拡散シートを重ね合わせた比較用シート積層体(図中「プリズム形状+拡散シート上乗せ」に相当。)の正面輝度に対する相対輝度[%]である。
【0059】
なお,図7には,頂角90度のプリズム体14Pを有するプリズムシートの上に接着層(厚さ3μm)を介して拡散シートを接合した光学シート積層体と,上記(1)式で示される双曲面形状のレンズ体14Lを有するレンチキュラーレンズシートの上に接着層(厚さ3μm)を介して拡散シートを接合した光学シート積層体を示している。これらプリズムシートおよびレンズシートに接合される拡散シートには,比較用シート積層体を構成する拡散シートと同一のものを用いた。また,上記プリズムシートおよびレンズシートの配列ピッチは,30μm,50μm,85μm,110μm,160μm,200μm及び300μmとした。」
(当合議体注:図7は以下の図である。)


サ 「【0061】
このように,凹凸部14P,14Lの配列ピッチPを大きくすることにより,正面輝度の向上を図ることができる。また,配列ピッチPを110μm以上と大きくすることにより,比較用シート積層体に対する輝度低下を抑えることが可能となり,接着層の介在による輝度低下の影響を少なくできる。
【0062】
ところで,凹凸部14P,14Lの配列ピッチPを大きくすると,液晶表示パネル2の画素ピッチとの間の干渉によりモアレの発生が懸念される。一方,配列ピッチPを微細にすると,モアレの発生の懸念は解消されるが,得られる正面輝度は低下する(図7参照)。
【0063】
そこで,本実施形態においては,集光シート14の凹凸部14P,14Lの配列ピッチPを,拡散シート17の拡散特性および液晶表示パネル2の画素ピッチの大きさに応じて決定するようにしている。すなわち,本実施形態の液晶表示装置10は,凹凸部14P,14Lの配列ピッチをP[μm],拡散シート17のヘイズ値をH[%],拡散シート17の全光線透過率をTt[%],液晶表示パネル2の画素ピッチをPp[μm]としたときに,以下の(4)式を満たすように構成されている。
(H/Tt)・(Pp/P)≧1.7 (4)
これをPについて解くと,
P≦(H・Pp)/(1.7Tt) (5)
【0064】
上記(5)式は,集光シート14の凹凸部14P,14Lの配列ピッチPの上限を表している。すなわち,配列ピッチPの大きさが,(H・Pp)/(1.7Tt)の値を超えると,後の実施例において説明するように,光学シート積層体3と液晶表示パネル2との間の光の干渉によりモアレが発生し易くなり,画質の低下を招く。従って,配列ピッチPの大きさを(H・Pp)/(1.7Tt)の値以下に制限することによって,モアレの発生のない高品質の画像を得ることができる。」

シ 「【0068】
配列ピッチPの上限は,拡散シート17の拡散特性(H,Tt)や液晶表示パネル2の画素ピッチPpの大きさによって変化するので特に制限されないが,画素ピッチ320μm以上510μm以下の場合,配列ピッチPを例えば110μm以上350μm以下の大きさに設定することができる。」

ス 「【0080】
次に,集光シート14の製造方法について説明する。本実施形態では,集光シート14は,溶融押出成形法により作製される。なおこれに限らず,熱プレス法や紫外線硬化樹脂を用いた転写法等によって,プリズム体やシリンドリカルレンズ体といった凹凸部をシート上に形成することも可能である。」

セ 「【実施例】
【0095】
以下,本発明の実施例について説明するが,本発明は以下の実施例に限定されない。
【0096】
(実施例1)
集光シートとして,光出射面に,凹凸部として断面直角二等辺三角形状のプリズム体が配列されたプリズムシート(配列ピッチP:30μm,50μm,85μm,110μm,160μm,200μm,300μm)をポリカーボネート樹脂の溶融押出成形により作製した。次に,これらのプリズムシートをポリカーボネート製の平坦な透明シートにアクリル系粘着剤を用いて接合して光学シート積層体を構成し,その後パネルサイズに打ち抜いてサンプルを用意した。その各々のサンプルについて正面輝度を測定するとともに,たわみの発生の有無を確認した。
…(省略)…
【0099】
測定の結果を表1に示す。表1において,サンプル1(1-1?8)及びサンプル2(2-1?7)は上記プリズムシートについての測定結果を示し,サンプル3(3-1?7)及びサンプル4(4-1?7)は上記双曲面形状のレンチキュラーレンズシートについての測定結果を示している。また,サンプル1についての接着層に対する接合部幅Pwは6μm,サンプル2についてはPwが10μm,サンプル3についてはPwが13μm,サンプル4についてはPwが17μmである。
【0100】
【表1】


【0101】
なお,正面輝度の測定値は,50μmピッチのプリズムシートを用いた光学シート積層体であって,接着層を介さずに当該プリズムシートを上記透明シートに積層したとき(サンプル1-8)の正面輝度測定値に対する相対値とした。また,たわみの発生の有無に関しては,表中○を「たわみ無し」,×を「たわみ有り」とした。」

(2) 引用発明
引用例1の段落【0096】には,以下の発明が記載されている(以下「引用発明」という。)。
「 集光シートとして,光出射面に,凹凸部として断面直角二等辺三角形状のプリズム体が配列されたプリズムシートをポリカーボネート樹脂の溶融押出成形により作製してなる,
集光シート。」

(3) 引用例2の記載
本件出願の優先日前に刊行物として頒布された,又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用例2(国際公開日:平成20年4月24日,発明の名称:面光源素子およびその製造方法,国際出願番号:PCT/JP2007/070324,国際出願日:平成19年10月18日,出願人:株式会社クラレ)には,以下の記載がある。
ア 「技術分野
[0001] 本発明は,パーソナルコンピュータ,コンピュータ用モニタ,ビデオカメラ,テレビ受信機,カーナビゲーションシステムなどに利用される面光源素子およびその製造方法に関する。」

イ 「背景技術
[0002] 液晶パネルに代表される透過型表示装置は,面状に光を発する面光源素子(バックライト)とドット状に画素が配置された表示パネルとで構成され,該表示パネルの各画素で面光源素子からの光の透過率がコントロールされることによって文字および映像が表示される。面光源素子としては,ハロゲンランプ,反射板,レンズ等が組み合わされて出射光の輝度の分布が制御されるもの,蛍光管が導光体の端面に設けられ,蛍光管からの光が端面と垂直な面から出射されるもの,蛍光管が導光体の直下に設けられたもの(直下型)などが挙げられる。ハロゲンランプを利用した面光源素子は,高輝度を必要とする液晶プロジェクタに主に用いられる。一方,導光体を利用した面光源素子は薄型化が可能であるため,直視型の液晶TV,パーソナルコンピュータのディスプレイなどに用いられることが多い。
[0003] さらなる薄型化を実現する手段としては,従来技術である導光体の出射面側にプリズムシートや拡散シートを配置するのではなく,これらのシートの機能を持ち合わせた出射光制御板の入射面上のある凸部を,固定層を介して光学的に導光体と密着させることによって可能である(特許文献1参照)。出射光制御板の凸部形状は所望の視野角特性に合わせて決定されており,導光体と出射光制御板が平行に配置されることで光学性能を発現することができる。しかしながら,この出射光制御板では凸部の頂部が曲面形状を有していて平坦でないため,導光体との密着に適していない。そこで,凸部の頂部に平坦面を有するか,出射光制御板の外周に広幅の凸部(フレーム)を設けることにより,密着性を向上させることができる(特許文献2および3参照)。
[0004]特許文献1:特開2001-338507号公報
特許文献2:特開2005-50789号公報
特許文献3:特開2001-76521号公報」

ウ 「発明の開示
発明が解決しようとする課題
[0005] しかしながら,従来技術に示した密着性向上の技術を用いたとしても,高温高湿となりやすい屋外や車内での厳しい環境下では,出射光制御板,固定層,導光体に寸法変化が起こり,密着が不十分となりやすいため,依然として密着力が不足している。また,固定層を直接導光体に設けようとすると,導光体の出射面のみに配置する必要があり,直接設けるためには固定層が液状である必要があるため位置合わせが難しいのと同時に,厚み,固さを制御することが困難であるため,歩留まりが低下するおそれがある。
[0006] また,例えば接着層または粘着層を用いた密着の場合,接着層または粘着層の厚み,固さに影響して凸部の頂部が埋まり,凸部と導光体との接着幅が変化してしまうことで光学性能が低下する原因となる。
[0007] そこで本発明は,前記の課題に鑑みてなされたもので,生産性の向上とともに,出射光制御板と導光体との密着性,密着力を向上させつつ,光学性能を維持した面光源素子を提供することを目的とする。」

エ 「課題を解決するための手段
[0008] 上記の課題を解決する本発明は,光源と,前記光源からの光を反射するリフレクタと,前記光源からの光および前記リフレクタで反射した光を受光する少なくとも1つの端面である入射面と該入射面と略垂直を成す主面の一つである出射面とを有する導光体と,前記導光体の出射面からの光を入射面上の凸部で受光して出射面から正面方向へ出射する出射光制御板と,前記導光体の少なくとも一部の出射面と前記出射光制御板の少なくとも一部の入射面を接合する固定層と,を備える面光源素子であって,前記出射光制御板が少なくとも一部の前記凸部の頂部に少なくとも一つ以上の突起状の固定部を有し,前記固定部の少なくとも一部が前記固定層の内部にあることを特徴とする。」

オ 「発明の効果
[0017]起状の固定部を有し,その固定部を固定層の内部に入れることで,固定部と固定層との接着面積が増加し,高い密着性,密着力を得ることができる。」
(当合議体注:「起状」は「突起状」の誤記である。)

カ 「[0028]以下,本発明の実施形態について図面を参照しながら詳しく説明する。
図1は本発明の実施形態に係る面光源素子の一部断面を示す概略断面図を示す。この面光源素子は,左右の端面1側に光源2が設けられた導光体3と,導光体3から出射された光の出射角度の分布を制御する出射光制御板4からなっている。出射光制御板4は導光体3上に配置され,入射面5に入射した光が出射面(面光源素子の発光面)6から出射される。出射光制御板4の入射面5には,導光体3の出射面からの光を出射光制御板4の出射面6の正面方向に向かわせるために,多数の凸部7が形成されており,この凸部7の頂部が有する固定部8が導光体3上に設けられた固定層9に埋まることによって導光体3の出射面に密着している。光源2の周囲には,導光体の入射面1側と反対方向に進む光を反射し,導光体の入射面1側に進行させるリフレクタ10が設けられている。」
(当合議体注:図1は以下の図である。)


(4) 引用例3の記載
本件出願の優先日前に刊行物として頒布された,又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用例3(公開日:2007年8月23日,発明の名称:「SYNERGETICALLY ENHANCED OPTICAL FILM AND PROCESS FOR MAKING SAME」,出願番号:11/358349,出願日:2006年2月22日)には,以下の記載がある。
ア 「Example 1
[0054] Referring to the optical film 1 as shown in FIG. 1, several data having been given for the related elements or structures of the optical film of this example are shown as follows:
[0055] 1. Upper apex (or dihedral) angle, θ_(1) . . . 90°;
[0056] 2. Lower apex angle, θ_(2) . . . 20°;
[0057] 3. Upper rib (or upper apex) height, H_(l) . . . 25μm;
[0058] 4. Lower rib (or lower apex) height, H_(2) . . . 5μm;
[0059] 5. Width of upper prism base W . . . 50μm;
[0060] 6. Thickness of supporting layer . . . 125μm;
…(省略)…
[0063] Simultaneously, the lower protrusion 4 of the upper layer 2 is firmly interlocked with the notch 6 in the supporting layer 5, the stiffness and the bonding strength of the optical film of this invention have been increased with 162% and 198% respectively in comparison with that of the conventional optical film of Example of Control Test without forming the lower prismatic protrusions 4 as taught by the present invention.」
(参考訳:
実施例1
[0054]FIG.1に示される光学フィルム1を参照すると,本実施例の光学フィルムの関連要素又は構造に与えられた幾つかのデータは,以下のとおりである:
[0055]1.上側頂部(又は面間)の角度θ_(1)…90°;
[0056]2.下側頂部の角度θ_(2)…20°;
[0057]3.上側リブ(又は上側頂部)の高さH_(1)…25μm;
[0058]4.下側リブ(又は下側頂部)の高さH_(2)…5μm;
[0059]5.上側プリズムの基材の幅W…50μm;
[0060]6.支持層の厚み…125μm;
…(省略)…
[0063]同時に,上側層2の下側突起4は,支持層5のノッチ6と強固に結合しており,本発明の光学フィルムの剛性及び結合力は,本発明に示されるとおり,下側のプリズム形状の突起4が形成されていない対照試験における通常の光学フィルムと比較して,それぞれ,162%及び198%に増大した。)
(当合議体注:FIG.1は以下の図である。)


イ 「Example 3
[0072] Example 2 is repeated, except that each lower protrusion 4 is modified to be a rectangular shape 4a, 4b, 4c (FIG. 6) having a length of 10μm and a width of 5μm.
[0073] The testing result of optical simulation is obtained and shown on Curve X_(5) in FIG. 4. The stiffness and bonding strength of the optical films of this example are respectively increased with 202% and 272% in comparison with that of the control test as aforementioned.」
(参考訳:
実施例3
[0072]実施例3は,各々の下側の突起4が,長さ10μm,幅5μmの長方形の形状4a,4b,4c(FIG.6)に変更された以外は,実施例2と同様である。
[0073]光学的シミュレーションによる試験結果が,FIG.4の曲線X_(5)として示されている。この実施例の光学フィルムの剛性及び結合力は,前記対照試験と比較して,それぞれ202%及び272%に増大している。)
(当合議体注:FIG.6は以下の図である。)


2 対比及び判断
(1) 対比
本願発明と,引用発明を対比すると,以下のとおりとなる。
ア 導光フィルム
引用発明の「集光シート」は,「光出射面に,凹凸部として断面直角二等辺三角形状のプリズム体が配列されたプリズムシート」である。したがって,引用発明の「集光シート」の「光出射面」と相対する裏側には,技術的にみて,光が入射する面がある(以下「光入射面」という。)。
また,引用発明の「集光シート」の「光出射面」には,「凹凸部として断面直角二等辺三角形状のプリズム体」という構造物が「配列され」ている。したがって,引用発明の「光出射面」は,「構造化された」ものである。
加えて,引用発明の「集光シート」は,機能的にみて,光入射面から入射した光を幾何光学的に定まる方向に曲げて導き,光出射面から出射する機能を具備するシートであるから,「導光フィルム」といえる。
以上勘案すると,引用発明の「光出射面」,「光入射面」及び「集光シート」は,それぞれ本願発明の「第1主表面」,「第2主表面」及び「導光フィルム」に相当する。また,引用発明の「集光シート」は,本願発明の「導光フィルム」の「構造化された第1主表面と,相対する第2主表面と,を含む」という要件を満たすものである。

イ 単位個別構造
引用発明の「集光シート」の「光出射面」には,「断面直角二等辺三角形状のプリズム体が配列され」ている。したがって,引用発明の「光出射面」は,「凹凸部として断面直角二等辺三角形状のプリズム体」を個別の単位とする,複数の構造を含むものといえる。
そうしてみると,引用発明の「光出射面」は,本願発明の「前記構造化された第1主表面が,複数の単位個別構造を含み」という要件を満たすものである。

ウ 導光部分
引用発明の「集光シート」の「プリズム体」は,光入射面から入射した光を幾何光学的に定まる方向に曲げて導き,光出射面から出射する機能を果たすことを目的として,その形状及び寸法等が定められたものである(図3及び段落【0044】の記載からも理解できる事項である。)。
したがって,引用発明の「プリズム体」は,本願発明の「導光部分」に相当するとともに,「主に光を導くための」ものといえる。

エ 第1側面
引用発明の「集光シート」の「プリズム体」は,「断面直角二等辺三角形状の」物体である。したがって,引用発明の「プリズム体」は,断面でみて「直角二等辺三角形」の斜辺に対応するところに,面を具備する(以下「斜面」という。)。また,「斜面」は,2つあるから,「複数の」斜面といえる。
また,引用発明の「集光シート」は,「光出射面に,凹凸部として断面直角二等辺三角形状のプリズム体が配列されたプリズムシート」である。したがって,引用発明の2つの「斜面」は,いずれも,引用発明の「集光シート」をシート全体として見たときの「平面」に対して,45°の角度をなすものである。
以上勘案すると,引用発明の2つの「斜面」は,いずれも,本願発明の「第1側面」に相当するとともに,本願発明の「複数の第1側面であって,各第1側面が,前記導光フィルムの平面に対して35度?55度の範囲の角度をなす」という要件を満たす。

オ 第1底面
引用発明の「集光シート」の「プリズム体」は,「断面直角二等辺三角形状の」物体である。したがって,引用発明の「プリズム体」は,断面でみて「直角二等辺三角形」の底辺に対応するところに,面を想定することができる(以下「底面」という。)。
また,引用発明の「底面」は,「プリズム体」の2つの「側面」が規定されれば,自ずと,その形状や寸法等が幾何学的に定まるものである。したがって,引用発明の「底面」は,「複数の側面」で画定されるものといえる。そして,引用発明の「底面」は,直角二等辺三角形の底辺に対応する,所与の寸法を有するところ,この寸法は,プリズム体のピッチでもある。
以上勘案すると,引用発明の「底面」は,本願発明の「第1底面」に相当するとともに,本願発明の「前記複数の第1側面で画定され,第1最小寸法を有する」という要件を満たす。
(当合議体注:本件出願の発明の詳細な説明を参照しても,「第1最小寸法」の明示的な定義は存在しないが,本件出願の図1を参照すると,「第1最小寸法」は,単位個別構造のピッチに対応する寸法に該当するものである。)

(2) 一致点及び相違点
ア 一致点
前記(1)の対比結果を踏まえると,本願発明と引用発明は,次の構成で一致する。
「 構造化された第1主表面と,相対する第2主表面と,を含む導光フィルムであって,前記構造化された第1主表面が,複数の単位個別構造を含み,各単位個別構造が,
主に光を導くための導光部分であって,
複数の第1側面であって,各第1側面が,前記導光フィルムの平面に対して35度?55度の範囲の角度をなす,複数の第1側面と,
前記複数の第1側面で画定され,第1最小寸法を有する第1底面と,
を含む,導光部分を含む,導光フィルム。」

イ 相違点
本願発明と引用発明は,以下の相違点で相違する。
(相違点)
本願発明の導光フィルムは,「主に導光フィルムを表面に接着するための,前記複数の第1側面の上及び間に配置される接着部分であって,複数の第2側面であって,各第2側面が,前記導光フィルムの平面に対して70度超の角度をなす,複数の第2側面と,前記複数の第2側面によって画定され,前記第1最小寸法の10%未満の第2最小寸法を有する第2底面と,第2最大高さであって,前記第2最大高さの前記第2最小寸法に対する比が少なくとも1.5である,第2最大高さと,を含む,接着部分」を含み,また,本願発明の導光フィルムの導光部分は,「第1最大高さ」を含むのに対して,引用発明の集光シートは,この構成を具備しない(断面直角二等辺三角形状のプリズム体が配列されたものである)点。

(3) 判断
ア 引用例1の段落【0100】の表1には,引用発明の集光シートを,ポリカーボネート製の平坦な透明シートにアクリル系粘着剤を用いて接合して光学シート積層体を構成し,その後パネルサイズに打ち抜いてなるサンプルについて,正面輝度を測定した結果が示されている。そして,表1からは,プリズム体の配列ピッチPに対する接着層に対する接合部幅Pwの比(Pw/P)が小さくなると,正面輝度測定値(%)が良くなる(100%に近づく)ことが理解できる。
この点に関連して,引用例1の段落【0061】には,「配列ピッチPを110μm以上と大きくすることにより,比較用シート積層体に対する輝度低下を抑えることが可能となり,接着層の介在による輝度低下の影響を少なくできる。」という評価結果が示されている。ただし,引用例1の段落【0062】には,「ところで,凹凸部14P,14Lの配列ピッチPを大きくすると,液晶表示パネル2の画素ピッチとの間の干渉によりモアレの発生が懸念される。」と記載されている。そして,引用例1の段落【0064】及び【0068】には,それぞれ,「配列ピッチPの大きさを(H・Pp)/(1.7Tt)の値以下に制限することによって,モアレの発生のない高品質の画像を得ることができる。」及び「画素ピッチ320μm以上510μm以下の場合,配列ピッチPを例えば110μm以上350μm以下の大きさに設定することができる。」と記載されている(当合議体注:Hはヘイズ,Ppは画素ピッチ,Ttは全光透過率である。)。
結局,引用例1には,画素ピッチを320μmよりも小さくしたい場合やヘイズを低くしたい場合,あるいは全光透過率を高くしたい場合に対する,十分な課題解決手段は開示されていないといえる。

イ ところで,引用発明に接する当業者ならば,引用例2に記載された,面光源素子に関する技術も心得ていると考えられるところ,引用例2の[0006]には,「接着層または粘着層を用いた密着の場合,接着層または粘着層の厚み,固さに影響して凸部の頂部が埋まり,凸部と導光体との接着幅が変化してしまうことで光学性能が低下する原因となる」という,発明が解決しようとする課題が開示されている。そして,引用例2の[0007],[0008]及び[0017]には,(A)生産性の向上とともに,出射光制御板と導光体との密着性,密着力を向上させつつ,光学性能を維持した面光源素子を提供することを目的として,(B)出射光制御板が少なくとも一部の凸部の頂部に少なくとも一つ以上の突起状の固定部を有し,(C)その固定部を固定層の内部に入れることで,固定部と固定層との接着面積が増加し,高い密着性,密着力を得るという効果を奏する技術が開示されている(以下「引用例2記載技術」という。)。
ここで,引用例2記載技術の出射光制御板は,導光体の出射面からの光を入射面上の凸部で受光して出射面から正面方向へ出射するものであるから,引用発明の集光シートとは,機能上の相違がある。しかしながら,引用例2記載技術のうち,「固定部を固定層の内部に入れることで,固定部と固定層との接着面積が増加し,高い密着性,密着力を得る」という効果が,前記機能上の相違にかかわらず,物と物の接着一般に共通する知見であることは,一般常識に基づいて直ちに理解可能な事項である。

ウ そうしてみると,引用例2記載技術を心得た当業者において,引用発明のプリズム体の頂部に突起状の固定部を設けることにより,接着層との接着面積を増加させ,高い密着性,密着力を得て,「正面輝度の低下を最小限に抑えながら,シートのたわみ防止,副資材の削減,熱変形の防止を図る」という,引用例1の段落【0023】に記載された効果の改善を図ることは,容易に着想しうる事項である。また,このような着想に基づいて改善された引用発明は,相違点に係る構成を具備したものとなる。
すなわち,上記アで述べたとおり,Pw/Pを小さくすれば,正面輝度測定値が良くなる。したがって,引用発明のプリズム体の頂部に突起状の固定部を設ける際には,できるだけPwが小さく(狭く),ただし,接着面積を増加させるため,できるだけ長い突起の固定部を設ければ良い。また,固定部の幅や突起の長さには限度があるとも考えられるが,例えば,引用例3の[0072]には,幅5μm,長さ10μmの突起を設けたとの記載があるから,この程度の形状ならば,周知の材料及び製造方法の範囲内で実現可能と考えられる。そして,このような形状の固定部を,例えば,ピッチ50μmの引用発明のプリズム体の頂部に設けた場合の固定部は,本願発明の接着部分の要件を満たすものとなり,プリズム体は,「第1最大高さ」(第1底面から第2底面までの高さ)を含むものとなる。また,引用例1の段落【0023】に記載された前記効果との関係においても,Pw/Pが半分になることから正面輝度測定値が改善することは明らかであり,かつ,接着面積も増大することから,たわみ及び熱変形にも強くなると考えられる。

エ 小括
以上のとおりであるから,引用発明及び引用例2記載技術を心得た当業者において,引用発明のプリズム体の頂部にできるだけ幅が狭く,かつ,長い突起の固定部を設けることにより,本願発明の構成に到ることは,引用例1の段落【0023】に記載された前記効果の延長線上の創意工夫にすぎない。

(4) 本願発明の効果について
本件出願の明細書には,発明の効果として明示された記載は存在しない。
ただし,本件出願の明細書の段落【0010】には,「導光フィルムは,光学接着層を介して,光学フィルム又はガラスの主表面などの表面に接着することができ,単位個別構造は,光学的特性(例えば,オプティカルゲイン又は有効光透過率)を全く又はほとんど損失することなく部分的に光学接着層に侵入している。」という,発明の効果と解され得る記載がある。
しかしながら,このような効果は,引用例1の段落【0023】に記載された効果の延長線上の効果にすぎないものであるから,当業者が予測困難な顕著な効果ということはできない。

(5) 小括
本願発明は,その優先日前に日本国内又は外国において,頒布された刊行物に記載された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった,引用発明,引用例2記載技術及び周知技術に基づいて,その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものである。

第4 まとめ
以上のとおりであるから,本願発明は,特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものである。
したがって,他の請求項に係る発明について審理するまでもなく,本件出願は拒絶すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2017-02-15 
結審通知日 2017-02-21 
審決日 2017-03-06 
出願番号 特願2013-504971(P2013-504971)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G02B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 池田 博一  
特許庁審判長 鉄 豊郎
特許庁審判官 樋口 信宏
河原 正
発明の名称 導光フィルム  
代理人 出野 知  
代理人 高橋 正俊  
代理人 古賀 哲次  
代理人 明石 尚久  
代理人 青木 篤  
代理人 石田 敬  
代理人 胡田 尚則  

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