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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H01Q
審判 査定不服 5項独立特許用件 取り消して特許、登録 H01Q
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 H01Q
管理番号 1342280
審判番号 不服2017-12888  
総通号数 225 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-09-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-08-31 
確定日 2018-07-31 
事件の表示 特願2013-148774「高周波モジュール」拒絶査定不服審判事件〔平成27年2月2日出願公開、特開2015-23360、請求項の数(8)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成25年7月17日の出願であって、平成29年3月22日付けで拒絶理由が通知され、同年5月10日付けで手続補正がされたが、同年6月29日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年8月31日に拒絶査定不服審判が請求され、同時に手続補正がされたものである。

第2 補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成29年8月31日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1 補正内容について
平成29年8月31日付け手続補正(以下、「本件補正」という。)は、平成29年5月10日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された
「アンテナ及びテスト端子が配置された第1面と、前記テスト端子と接続された信号処理回路が配置され、前記第1面とは反対側の第2面と、を有するモジュール基板と、
前記第2面と対向する第3面を有する配線基板と、
前記モジュール基板と前記配線基板とを接続し、前記信号処理回路の配線を含む接続部材と、を備えた、
高周波モジュール。」
という発明(以下、「本願発明」という。)を、補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された
「アンテナ及びテスト端子が配置された第1面と、前記テスト端子と接続された信号処理回路が配置され、前記第1面とは反対側の第2面と、を有するモジュール基板と、
前記第2面と対向する第3面を有する配線基板と、
前記モジュール基板と前記配線基板とを接続し、前記信号処理回路の配線を含む接続部材と、を備え、
前記モジュール基板の検査又は故障解析において、
前記テスト端子は、前記アンテナによるテスト電波の送受信を妨げない、検査装置のテストプローブが、接触される、
高周波モジュール。」
という発明(以下、「補正後の発明」という。)に補正することを含むものである。

2 補正内容の検討
(1)補正の目的、新規事項の有無、シフト補正の有無について
請求項1についての上記補正は、補正前の「テスト端子」について、「前記モジュール基板の検査又は故障解析において、前記テスト端子は、前記アンテナによるテスト電波の送受信を妨げない、検査装置のテストプローブが、接触される」と特定することで、テスト端子を用いた動作のうち、検査を行う場合における動作(接触状態)を特定したものであるから、特許法第17条の2第5項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、この補正には、特許法第17条の2第3項及び第4項に違反するところはない。

(2)独立特許要件について
上記補正は特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、上記補正後の発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるのかどうかについて以下に検討する。
(特許法第36条第6項第2号について)
補正後の発明の「前記アンテナによるテスト電波の送受信を妨げない、」という構成は、高周波モジュールの何をどのように限定したものなのか、例えばテスト端子の位置を限定したものなのか、テストプローブの接触状態を限定したものなのか特定できないから、明細書の記載を参照しても明確でない。ここで、明細書の段落42には「アンテナの電磁波輻射を妨害しないように、」テスト端子116にテストプローブを接触させるための構造についての記載はあるが、該記載は「テスト端子にテストプローブを接触させるため」の構造であって、テスト端子自体の構造が「前記アンテナによるテスト電波の送受信を妨げない」ものではない。
したがって、上記補正後の発明は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないから、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3 結語
以上のとおり、上記補正は、補正後の発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、特許法第17条の2第6項の規定により準用する特許法第126条第7項の規定に適合していない。
したがって、上記補正を含む本件補正は、特許法第159条第1項において準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1-8に係る発明は、平成29年5月10日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1-8に記載された事項により特定されるとおりのものであると認める。
そして、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2018-07-17 
出願番号 特願2013-148774(P2013-148774)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H01Q)
P 1 8・ 575- WY (H01Q)
P 1 8・ 537- WY (H01Q)
最終処分 成立  
前審関与審査官 佐藤 当秀  
特許庁審判長 吉田 隆之
特許庁審判官 佐藤 聡史
中野 浩昌
発明の名称 高周波モジュール  
代理人 特許業務法人栄光特許事務所  

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