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審決分類 |
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04W 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04W |
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管理番号 | 1342617 |
審判番号 | 不服2016-18028 |
総通号数 | 225 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2018-09-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2016-12-01 |
確定日 | 2018-07-24 |
事件の表示 | 特願2013-536516「無線ネットワークで無線リンクモニタリングのチャネル測定のための装置及び方法」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 5月 3日国際公開,WO2012/057532,平成25年11月21日国内公表,特表2013-542684〕について,次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は,成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は,2011年(平成23年)10月27日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2010年10月29日 米国,2011年4月19日 米国,2011年10月12日 米国)を国際出願日とする出願であって,平成26年10月27日に手続補正書が提出され,平成27年11月24日付けで拒絶理由が通知され,平成28年2月29日に意見書及び手続補正書が提出され,同年7月21日付けで拒絶査定されたところ,同年12月1日に拒絶査定不服審判が請求され,同時に手続補正されたものである。 第2 平成28年12月1日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 平成28年12月1日にされた手続補正を却下する。 [理由] 1 補正の概要 平成28年12月1日にされた手続補正(以下,「本件補正」という。)は,同年2月29日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された 「 端末の基地局と端末との無線リンク品質を評価する方法において、 不連続受信(DRX:discontinuous reception)周期を確認する段階と、 制限された無線リンクモニタリングのためのリソースを指示する上位階層シグナリングを前記基地局から受信する段階と、 前記DRX周期の長さと前記上位階層シグナリングとに基づいて測定期間を決定する段階と、 前記決定された測定期間に基づいて前記無線リンク品質を評価する段階と、を含む方法。」 を, 「 端末の基地局と端末との無線リンク品質を評価する方法において、 不連続受信(DRX:discontinuous reception)周期を確認する段階と、 制限された無線リンクモニタリングのためのリソースを指示する上位階層シグナリングを前記基地局から受信する段階と、 前記DRX周期の長さと前記上位階層シグナリングとに基づいて測定期間を決定する段階と、 前記決定された測定期間に基づいて前記無線リンク品質を評価する段階と、を含み、 第1DRX周期区間に対応する第1測定期間は、前記DRX周期の第1整数倍に基づいて決定し、前記第1DRX周期区間よりも前記DRX周期の長さが長い第2DRX周期区間に対応する第2測定期間は、前記DRX周期の前記第1整数倍よりも小さな第2整数倍に基づき決定する ことを特徴とする方法。」 に変更することを含むものである(下線は,補正箇所を示す。)。 2 補正の適否 (1)新規事項の有無,シフト補正の有無,補正の目的要件 請求項1についての上記補正は,請求項1に「第1DRX周期区間に対応する第1測定期間は、前記DRX周期の第1整数倍に基づいて決定し、前記第1DRX周期区間よりも前記DRX周期の長さが長い第2DRX周期区間に対応する第2測定期間は、前記DRX周期の前記第1整数倍よりも小さな第2整数倍に基づき決定する」という事項を追加するものであるところ,当該事項は,国際出願日における国際特許出願の明細書の翻訳文の第0088段落の表3に記載された事項の範囲内のものである。また上記補正は,測定期間の決定が,第1整数倍,第2整数倍に基づいて行われることを限定して特許請求の範囲を減縮するものである。 そうすると,上記補正は,特許法第184条の12第2項の規定により読み替えて適用される同法第17条の2第3項(新規事項)の規定,及び同条第4項(シフト補正)の規定に適合することは明らかであり,また同条第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで,本件補正後の請求項1に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて,以下検討する。 (2)独立特許要件 ア 本願補正発明 平成28年12月1日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1は, 「 端末の基地局と端末との無線リンク品質を評価する方法において、 不連続受信(DRX:discontinuous reception)周期を確認する段階と、 制限された無線リンクモニタリングのためのリソースを指示する上位階層シグナリングを前記基地局から受信する段階と、 前記DRX周期の長さと前記上位階層シグナリングとに基づいて測定期間を決定する段階と、 前記決定された測定期間に基づいて前記無線リンク品質を評価する段階と、を含み、 第1DRX周期区間に対応する第1測定期間は、前記DRX周期の第1整数倍に基づいて決定し、前記第1DRX周期区間よりも前記DRX周期の長さが長い第2DRX周期区間に対応する第2測定期間は、前記DRX周期の前記第1整数倍よりも小さな第2整数倍に基づき決定する ことを特徴とする方法。」である。(上記1の再掲。) ここで, (ア)上記補正後の請求項1における「前記DRX周期の長さと前記上位階層シグナリングとに基づいて測定期間を決定する段階と、」の文言によれば,「測定期間」が,「DRX周期の長さ」と「上位階層シグナリング」とに基づいて行われること, (イ)上記補正後の請求項1における「第1DRX周期区間に対応する第1測定期間は、前記DRX周期の第1整数倍に基づいて決定し、前記第1DRX周期区間よりも前記DRX周期の長さが長い第2DRX周期区間に対応する第2測定期間は、前記DRX周期の前記第1整数倍よりも小さな第2整数倍に基づき決定する」の文言によれば,「第1測定期間」は,「前記DRX周期」の「第1整数倍」に基づいて決定し,また「第2測定期間」は,「前記DRX周期」の「第2整数倍」に基づいて決定すること, が把握できる一方で,上記(ア)における「測定期間」,上記(イ)における「第1測定期間」,及び上記(イ)における「第2測定期間」の関係を,一義的に理解することは困難であるので,特許請求の範囲に記載された用語の意義を解釈するべく,明細書の記載及び図面を参照すると,明細書には以下の記載がある。 「【0086】 一部の実施形態において、テーブルに基づくマッピング関数は、測定期間を定義するために使用されることができる。 【0087】 例えば、表3に定義された測定期間が使用されることができる。この例で、同一の拡張比率がすべてのDRX周期長に対して使用される。 【0088】 【表3】 【0089】 同等に、表3は、下記に示されたように、表4の形式でさらに記述されることができる。 【0090】 【表4】 【0091】 表3及び表4のための拡張比率γは、“2”のような1つの値であるか、さらに良い単位のために表で与えられることができる。一例で、γは、表5で与えられる。この定義内で、異なる拡張期間は、ABSF比率を基礎としてすべてのDRX周期長のために定義される。αが1であるとき、すべてのサブフレームは、制限が適用されない場合と同等な測定に使用されることができる。他の例で、γは、表6に与えられる。この例で、上位階層シグナリングが制限された無線リンクモニタリングのためのサブフレームを示す場合、測定期間は、どんな制限も適用されないとき、期間の二倍に増加する。 (中略) 【0094】 【表6】 【0095】 他の例で、テーブルに基づく関数は、異なるDRX周期長のための異なる拡張比率を定義することができる。例は、表7で与えられ、この拡張比率γ1、γ2、γ3は、互いに異なるかまたは同一の値を有することができる。 【0096】 【表7】 【0097】 拡張比率は、明示的にあらかじめ決定されることができる。拡張比率の例は、表8で与えられる。 (中略) 【0100】 【表8】 」 明細書の上記記載を参酌すると,請求項1に記載の「前記DRX周期の長さと,前記上位階層シグナリングとに基づいて測定期間を決定する段階」は,例えば,上記の表3,表6の記載に即していえば, DRX周期の長さが「≦0.04」,「0.08」,「0.16」,「0.32」,「0.64」,「1.28」,「2.56」(表3)の場合の各測定期間が,当該各DRX周期の長さと,制限された無線リンクモニタリングのためのサブフレームを示す上位階層シグナリング(表6)がYESかNOかで異なる値が与えられる拡張比率γ(第0091段落)と,に基づいて,当該各DRX周期の「20γ」,「10γ」,「10γ」,「10γ」,「10γ」,「5γ」,「5γ」倍として決定すること を含み得ると解される。 そうすると「測定期間」,「第1測定期間」,「第2測定期間」の関係については,例えば,上記の表3と同等とされている表4(第0089段落を参照),表6の記載に即していえば, DRX周期の長さが第1DRX周期区間にある(例えば,「0.04<DRX周期≦0.64」)場合,測定期間を前記第1DRX周期区間に対応する第1測定期間(例えば,DRX周期の「10倍」にγを乗じたもの)として決定(DRX周期の「第1の整数倍」に基づき決定)し, DRX周期の長さが上記第1DRX周期区間よりもDRX周期の長さが長い前記第2DRX周期区間にある(例えば,「0.64<DRX周期≦2.56」)場合,測定期間を前記第2DRX周期区間に対応する第2測定期間(例えば,DRX周期の「5倍」にγを乗じたもの)として決定(DRX周期の「第2整数倍」に基づき決定)する ような関係を概念上含み得ると解される。 以上の解釈に基づいて,上記補正後の請求項1に係る発明(以下,「本願補正発明」という。)は,以下のとおりのものと認める(下線部は,当審において追加で認定した部分である)。 「 端末の基地局と端末との無線リンク品質を評価する方法において、 不連続受信(DRX:discontinuous reception)周期を確認する段階と、 制限された無線リンクモニタリングのためのリソースを指示する上位階層シグナリングを前記基地局から受信する段階と、 前記DRX周期の長さと前記上位階層シグナリングとに基づいて測定期間を決定する段階と、 前記決定された測定期間に基づいて前記無線リンク品質を評価する段階と、を含み、 前記測定期間を決定する段階は、前記DRX周期の長さが第1DRX周期区間にある場合、前記測定期間を前記第1DRX周期区間に対応する第1測定期間として決定し、前記DRX周期の長さが第1DRX周期区間よりも長い第2DRX周期区間にある場合、前記測定期間を前記第2DRX周期区間に対応する第2測定期間として決定し、 第1DRX周期区間に対応する第1測定期間は、前記DRX周期の第1整数倍に基づいて決定し、前記第1DRX周期区間よりも前記DRX周期の長さが長い第2DRX周期区間に対応する第2測定期間は、前記DRX周期の前記第1整数倍よりも小さな第2整数倍に基づき決定する ことを特徴とする方法。」 イ 引用発明,公知事項,周知事項 (ア)引用発明 原査定(平成28年7月21日付け拒絶査定)の拒絶の理由に引用されたEricsson, ST-Ericsson,Impact of Enhanced ICIC for Non-CA based Deployment on RAN4 Requirements(当審訳:RAN4要件についての非-CAベースの展開のための強化されたICICのインパクト),3GPP TSG-RAN WG4 Meeting #AH-04 R4-103738,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/TSG_RAN/WG4_Radio/TSGR4_AHs/R4_AH04_Xian_Oct_2010/Docs/R4-103738.zip>,利用可能日2010年10月7日(以下,「引用例1」という。)には,以下の事項が記載されている(下線は当審で付したものである。以降の下線についても同様。)。 a 「2 Summary of Time Domain Solutions As indicated in the RAN1 LS that for: ・ Macro layer-femto (home eNode B) layer heterogenous deployment: The resources over the same carrier frequency are shared using time domain and power control solutions. ・ Macro layer-pico layer heterogenous deployment: The resources over the same carrier frequency are shared using time domain solutions. In release 8/9 the UE can perform different types of measurements (e.g. RSRP, RSRQ, CSI etc) or perform procedures such as radio link monitoring on signals transmitted by any of the available downlink sub-frames. In case of non-CA based co-channel heterogenous deployment the UE served by the low transmit power node (e.g. pico eNode B) will receive higher interference from the macro eNode B when the UE is closer to the macro eNode B. The resources may therefore need to be partitioned in time domain between different layers (aka time domain solution) to restrict the transmission from the macro eNode B in certain sub-frames termed as almost blank sub-frames as described in the LS. In addition the release 10 UE should also be restricted to perform measurements in selected sub-frames or more specfically in those sub-frames where macro transmissions do not occur i.e. on sub-frames on pico eNode B coinciding with almost blank sub-frames in the macro layer. Nonetheless from RAN4 perspective the restriction on the sub-frames for performing the measurements may affect the measurement performance requirements.」(第2ページ?第3ページ) (当審訳: 2 時間ドメイン解決法のまとめ RAN1 LSにおいて示されたように: ・ マクロレイヤー-フェムト(ホームeNode B)レイヤー異種配置に対し:同じキャリア周波数にわたるリソースは,時間ドメイン及び電力制御解決法を用いて共有される。 ・ マクロレイヤー-ピコレイヤー異種配置に対し:同じキャリア周波数にわたるリソースは,時間ドメイン解決法を用いて共有される。 リリース8/9において,UEは,異なるタイプの測定(例えば,RSRP,RSRQ,CSI等)を行うか,又は,任意の利用可能なダウンリンクサブ-フレームによって送信される信号についての無線リンクモニタリングのような手順を行う。 非-CAベースの共同チャネル異種配置のケースにおいて,低い送信電力ノード(例えばピコeNode B)によってサービスされるUEは,そのUEがマクロeNode Bに近づいたとき,マクロeNode Bからの高い干渉を受けるであろう。リソースは,そのため,LSにおいて示されているように,ほぼ空白のサブ-フレームと呼ばれるあるサブ-フレームにおいて,マクロeNode Bからの送信を制限するために,(時間ドメイン解決法として知られている)異なるレイヤー間で,時間ドメインで分割される必要があり得る。加えて,リリース10UEもまた,選択されたサブ-フレーム,又は,より特定的にはマクロ送信が発生しないサブ-フレーム,即ちマクロレイヤーにおけるほぼ空白のサブ-フレームと一致するピコeNode Bのサブフレーム,に測定の実行が制限されるべきである。それでも,RAN4からの視点によれば,測定を実行するサブ-フレームについての制限は,測定性能要件に影響を及ぼし得る。) b 「3.1.2.1 Radio link monitoring According to TS 36.213 the UE in non DRX is required to assess the radio link quality, which in turn is determined based on CSR, every frame. “In non-DRX mode operation, the physical layer in the UE shall every radio frame assess the radio link quality, evaluated over the previous time period defined in [10], against thresholds (Qout and Qin) defined by relevant tests in [10]. In DRX mode operation, the physical layer in the UE shall at least once every DRX period assess the radio link quality, evaluated over the previous time period defined in [10], against thresholds (Qout and Qin) defined by relevant tests in [10].” However, due to the restricted number of allowed sub-frames for performing the measurements in the period of the pattern, the radio link monitoring requirements have to be further studied. One possible solution would be to extende the out of sync and in sync evaluation periods in order to enable Rel-10 UE to obtain the same number of measurement samples as in rel 8/9.」(第3ページ) (当審訳: 3.1.2.1 無線リンクモニタリング TS 36.213に従い,非DRXにあるUEは,毎フレーム,CRS(当審注:「CSR」は「CRS」の明らかな誤記と認める。)に基づいて順番に決定される無線リンク品質を評価することが必要である。 “非DRXモードの運用において,UEの物理層は,[10]における関連した試験によって定義される閾値(Qout及びQin)に対して,[10]で定義された先の時間期間にわたって評価される無線リンク品質を,無線フレーム毎に評価しなければならない。 DRXモードの運用において,UEの物理層は,[10]における関連した試験によって定義される閾値(Qout及びQin)に対して,[10]で定義された先の時間期間にわたって評価される無線リンク品質を,DRX周期毎に少なくとも1回,評価しなければならない。” しかしながら,そのパターンの周期における測定を実行するために許されたサブ-フレームの制限された数が原因で,無線リンクモニタリングに求められることは,更に研究しなければならない。一つのあり得る解答は,Rel-10 UEが,rel 8/9と同じ数の測定サンプルを得られることができるようにするために,out of sync及びin sync評価期間を延長する(当審注:引用例1の「extende」は「extend」の誤記と認める。)ことであろう。) 上記各記載及び技術常識を考慮すると, (a)上記bの記載によれば,UEが「無線リンク品質を評価する」方法が示されているといえる。 また,上記aの記載によれば,「低い送信電力ノード(例えばピコeNode B)によってサービスされるUE」がマクロeNode Bからの高い干渉を受けることが想定されているといえる。 そうすると,引用例1には,「ピコeNode BによってサービスされるUE」が無線リンク品質を評価する方法,が記載されているといえる。 (b)上記bの記載によれば,上記(a)の評価は,「DRXモードの運用において,UEの物理層は,[10]で定義された先の時間期間にわたって評価される無線リンク品質を,DRX周期毎に少なくとも1回,評価」しなければならないものである。ここで,上記bの記載によれば,上記の「[10]」が,TS 36.213における参照文献[10],すなわち「TS 36.133」を意味するものであることは,当業者に明らかである。 (c)上記bの記載によれば,「そのパターンの周期における測定を実行するために許されたサブ-フレームの制限された数が原因で,無線リンクモニタリングに求められること」に対する一つの解答として,Rel-10 UEが,rel 8/9と同じ数の測定サンプルを得られることができるようにするために,「out of sync及びin sync評価期間」を延長することが示されており,上記「rel 8/9」のUEでは,測定を実行するためのサブ-フレームの数は制限されないと解することが自然である。 そうすると,引用例1には,「測定を実行するために許されたサブ-フレーム」の数が制限されるときに,測定を実行するためのサブ-フレームの数が制限されないときと「同じ数の測定サンプルを得られることができるようにするために,out of sync及びin sync評価期間を延長する」ことが記載されているといえる。 以上を総合すると,引用例1には以下の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認める。 「 ピコeNode BによってサービスされるUEが無線リンク品質を評価する方法において, DRXモードの運用において,UEの物理層は,TS 36.133で定義された先の時間期間にわたって評価される無線リンク品質を,DRX周期毎に少なくとも1回,評価し, 測定を実行するために許されたサブ-フレームの数が制限されるときに,測定を実行するためのサブ-フレームの数が制限されないときと同じ数の測定サンプルを得られることができるようにするために,out of sync及びin sync評価期間を延長する,方法。」 (イ)公知事項 原査定の拒絶の理由に引用されたHuawei, HiSilicon, Specification of Resource-Specific Measurements(当審訳:リソース-固有の測定の仕様), 3GPP TSG RAN WG1 meeting #62bis R1-105257, インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/TSG_RAN/WG1_RL1/TSGR1_62b/Docs/R1-105257.zip>,利用可能日2010年10月5日(以下,「引用例2」という。)には,以下の事項が記載されている。 a 「1 Introduction In RAN1#62 meeting, discussion on non-Carrier Aggregation based interference management in Heterogeneous networks resulted in the following decision for both the macro-femto and the macro-pico scenarios: ・Support for restricting RLM/RRM/CSI measurements at the Rel-10 UE to certain resources We demonstrated the improvements in performance based on this resource specific CSI measurement in both the frequency domain [6] and time domain [1] [2]. In this contribution, we propose signaling design to facilitate resource-specific RLM/RRM/CSI measurements and report at the Rel-10 UEs by restricting the measurements to eNB defined resources.」(第1ページ) (当審訳: 1 導入 RAN1#62会合において,異種ネットワークにおける非-キャリアアグリゲーションベースの干渉管理についての議論で,マクロ-フェムト及びマクロ-ピコシナリオの両方について,以下に示す決定をもたらした。 ・Rel-10 UEでのRLM/RRM/CSI測定を,あるリソースに制限することをサポートすること 我々は,周波数ドメイン[6]及び時間ドメイン[1][2]の双方において,このリソース固有のCSI測定に基づく性能の改善を示した。本寄与では,我々は,測定をeNBが定義したリソースに制限することによって,Rel-10 UEでリソース固有のRLM/RRM/CSI測定及び報告を可能にするためのシグナリングデザインを提案する。) b 「2.1 Signalling of Resources for Measurements In order to convey the specific resources in time and/or frequency domain that a UE may measure on for CSI feedback and/or for RLM/RRM measurement report, the information may be signalled as Cell specific (Broadcast), UE Specific (Individual), Grouped (Multi-cast) or Polled (Individual or Multi-cast). Note that the measurement resource needs not to be the same for all the UEs within a cell. For example, in case of time domain eICIC, only the UEs that are in close proximity of an aggressor cell which mutes a subset of its subframes need to be signalled of the measurement resource pattern related to the muting pattern of the aggressor cell. For other use cases, for example frequency domain ICIC using RNTP message or time domain coordination through power control of the data transmission portion of the subframes, different signalling approach may be preferred. A straightforward solution is to use dedicated RRC to convey such information to each applicable UE. This will then not preclude, by implementation, other approach such as cell-specific configuration.」(第1ページ) (当審訳: 2.1 測定のためのリソースのシグナリング CSIフィードバックのために,及び/又は,RLM/RRM測定報告のために,UEが測定してもよい,時間及び/又は周波数ドメインにおける特定のリソースを伝えることを目的として,情報が,セル固有(ブロードキャスト),UE固有(個別),グループ化(マルチ-キャスト),又はポーリング(個別又はマルチ-キャスト)としてシグナルされる。注意すべきは,その測定リソースは,あるセルの中の全てのUEに同じである必要はないことである。例えば,時間ドメインeICICのケースにおいて,侵略者セルに近接しているUEのみが,そのサブフレームのサブセットをミュートする侵略者セルのミューティングパターンに関連した測定リソースパターンをシグナルされることが必要である。他のユースケース,例えば,RNTPメッセージを用いる周波数ドメインICIC,又は,サブフレームのデータ伝送部分の電力制御を通じた時間ドメイン協調では,異なるシグナリングアプローチが好ましいかもしれない。一つの素直な解答は,適用可能なUEそれぞれにそのような情報を伝えるために専用のRRCを用いることである。これは,実装による,セル-固有のコンフィギュレーションのような他のアプローチを排除しない。) c 「2.3 Specification of Resource-Specific RLM/RRM Measurements For Radio Link Monitoring (RLM), the Rel-8/9 specification (TS 36.213) states the following: In non-DRX mode operation, the physical layer in the UE shall every radio frame assess the radio link quality, evaluated over the previous time period defined in [10], against thresholds (Qout and Qin) defined by relevant tests in [10]. In DRX mode operation, the physical layer in the UE shall at least once every DRX period assess the radio link quality, evaluated over the previous time period defined in [10], against thresholds (Qout and Qin) defined by relevant tests in [10]. No restriction on measurement resource is defined for the cases of time domain and/or frequency interference coordination. In order to improve the accuracy of the measurements and reduced RLF, such restriction should be applied and the signalling of measurement resource is needed. In addition, UE behaviour of such measurement and the associated requirements need to be defined. Note that similar specification is needed for RRM RSRQ measurements.」(第3ページ) (当審訳: 2.3 リソース-固有のRLM/RRM測定の仕様 無線リンクモニタリング(RLM)について,Rel-8/9仕様書(TS 36.213)は,以下のとおり述べている: 非DRXモードの運用において,UEの物理層は,[10]における関連した試験によって定義される閾値(Qout及びQin)に対して,[10]で定義された先の時間期間にわたって評価される無線リンク品質を,無線フレーム毎に評価しなければならない。 DRXモードの運用において,UEの物理層は,[10]における関連した試験によって定義される閾値(Qout及びQin)に対して,[10]で定義された先の時間期間にわたって評価される無線リンク品質を,DRX周期毎に少なくとも1回,評価しなければならない。 測定リソースを制限しないことは,時間ドメイン及び/又は周波数ドメイン干渉調整のケースのために定義される。 測定の精度及び低減されたRLFの改善のために,そのような制限は適用されるべきであり,かつ,測定リソースのシグナリングが必要である。加えて,そのような測定のUEの振る舞い及び関連する要件は,定義される必要がある。 RRM RSRQ測定についても同様の仕様が必要であることに注意されたい。) 引用例2の上記a?cの記載から,「eNBが定義したリソースに制限されたRLM測定及び報告を行うUEに,測定してもよい特定のリソースを伝えるために,RRCを用いて情報がシグナルされる。」ことは公知の事項であるといえる(以下,この事項を「公知事項」という。)。 (ウ)周知事項 本願の最先の優先日(2010年10月29日)よりも前に公衆に利用可能となった3GPP, TS 36.133 V9.4.0 (2010-06), インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/36_series/36.133/36133-940.zip>,利用可能日2010年6月21日(以下,「周知例」という。)には,以下の事項が記載されている。 「7.6 Radio Link Monitoring (中略) 7.6.2 Requirements (中略) 7.6.2.2 Minimum requirement when DRX is used When DRX is used the Q_(out) evaluation period (T_(Evaluate)_Q_(out_DRX)) and the Q_(in) evaluation period (T_(Evaluate)_Q_(in_DRX)) is specified in Table 7.6.2.2-1 will be used. (中略) Table 7.6.2.2-1: Q_(out) and Q_(in) Evalutaion Period in DRX 」(第41ページ?第43ページ) (当審訳: 7.6 無線リンクモニタリング (中略) 7.6.2 要件 (中略) 7.6.2.2 DRXが使用されたときの最小限の要件 DRXが使用されたとき,Q_(out)評価期間(T_(Evaluate)_Q_(out_DRX))及びQ_(in)評価期間(T_(Evaluate)_Q_(in_DRX))が表7.6.2.2-1に規定され,用いられるであろう。 (中略) 表7.6.2.2-1:DRXにおけるQ_(out)及びQ_(in)評価期間 (表の当審訳は省略)) 周知例は3GPPの仕様書であるところ,3GPPの仕様書によって規定される標準規格は,当業者にとって技術常識ともいえる周知の事項である。 そうすると,周知例に示されている 「無線リンクモニタリングにおいて,DRXが使用されたとき, DRXサイクルの長さが「≦0.04秒」の場合,Q_(out)及びQ_(in)評価期間は,「20DRXサイクル」であり, 「0.04秒<DRXサイクル≦0.64秒」の場合,Q_(out)及びQ_(in)評価期間は,「10DRXサイクル」であり, 「0.64秒<DRXサイクル≦2.56秒」の場合,Q_(out)及びQ_(in)評価期間は,「5DRXサイクル」である。」 ことは,技術常識ともいえる周知の事項である。(以下,このことを「周知事項」という。) ウ 対比・判断 本願補正発明と引用発明とを対比すると, (ア)引用発明の「UE」,「DRX」は,それぞれ,本願補正発明の「端末」,「不連続受信(DRX:discontinuous reception)」に相当する。 また,引用発明の「ピコeNode B」は,本願補正発明の「基地局」に含まれる。 さらに,例えば本願の明細書第0021段落の「Q_(out)測定期間(T_(Evaluate)_Q_(out_DRX))及びQ_(in)測定期間(T_(Evaluate)_Q_(in_DRX))」との記載に鑑みれば,引用発明の「out of sync及びin sync評価期間」は,本願補正発明の「測定期間」に含まれる。 (イ)引用発明は,「ピコeNode BによってサービスされるUE」が無線リンク品質を評価するものであり,当該UEが評価する「無線リンク品質」は,本願補正発明の「端末の基地局と端末との無線リンク品質」に相当する。 (ウ)DRXモードの運用において,UEがRRCによって構成されたDRXの周期(longDRX-Cycle,又はオプションであるshortDRX-Cycle)を使用していることは技術常識に照らして当然であるから,引用発明は,DRXの周期を確認しているといえる。 そうすると,本願補正発明と,引用発明とは,「不連続受信(DRX:discontinuous reception)周期を確認する段階」を含む点で一致する。 (エ) a 引用発明は,DRXモードの運用において,TS 36.133で定義された先の時間期間にわたって評価される無線リンク品質を,DRX周期毎に少なくとも1回,評価するものであるところ,非DRXモードの運用と比べて,無線リンク品質を評価する「時間期間」が,「DRX周期」の長さに依存することは当然であり,またこのことは,「測定を実行するために許されたサブ-フレーム」が制限される場合にも当てはまる。 b また,引用発明は,「測定を実行するために許されたサブ-フレームの数が制限されるときに,測定を実行するためのサブ-フレームの数が制限されないときと同じ数の測定サンプルを得られることができるようにするために,out of sync及びin sync評価期間を延長する」ものであるから,上記の「測定を実行するために許されたサブ-フレームの数が制限される」か否かで,「out of sync及びin sync評価期間を延長する」か否かが決まっているといえる。 更に,上記の「測定を実行するために許されたサブ-フレームの数が制限されるとき」は,「同じ数の測定サンプルを得られることができるようにするため」に,測定を実行するために制限されたサブフレームの多寡に応じて,out of sync及びin sync評価期間の延長量が減ったり増えたりすることも,明らかである。 そのため,引用発明のout of sync及びin sync評価期間は,「測定を実行するために許されたサブ-フレーム」の制限(制限の有無,制限の程度)にも依存する。 上記a及びbのとおりであるから,引用発明は,out of sync及びin sync評価期間を,上記「DRX周期」の長さと,上記「測定を実行するために許されたサブ-フレームの制限」と,に基づいて決めているといえる。 ここで,上記の「測定」が「無線リンクモニタリング」を含むこと,また本願の明細書第0031段落にもあるように,「サブ-フレーム」が,時間領域の「リソース」であることは,いずれも技術常識に照らして明らかである。 他方で,本願補正発明は「前記DRX周期の長さと前記上位階層シグナリングとに基づいて測定期間を決定する」ところ,当該「前記上位階層シグナリング」は,「制限された無線リンクモニタリングのためのリソースを指示する」ものである。また本願の明細書の記載によれば,本願補正発明の上記測定期間の決定は,上位階層シグナリングが「制限された無線リンクモニタリングのためのリソースを示す」(第0091段落)か否か(表6でYESかNOか)に基づいて行われることを含み得ると解されるが,上位階層シグナリングが上記のような「リソースを示す」ものではない場合(表6でNOの場合),無線リンクモニタリングのためのリソースは制限されておらず,リソースが制限されたときとは異なる測定期間を決定すると解される。そうすると,本願補正発明は,少なくとも「無線リンクモニタリングのためのリソース」の制限(制限の有無)に基づいて測定期間を決定することを含み得ると解される。 これらのことから,本願補正発明と,引用発明とは,後述する相違点1,2はさておき,「前記DRX周期の長さと無線リンクモニタリングのためのリソースの制限とに基づいて測定期間を決定する段階」を含む点で共通している。 したがって,本願補正発明と引用発明とは,以下の点で一致し,また,相違している。 [一致点] 「 端末の基地局と端末との無線リンク品質を評価する方法において、 不連続受信(DRX:discontinuous reception)周期を確認する段階と、 前記DRX周期の長さと制限された無線リンクモニタリングのためのリソースの制限とに基づいて測定期間を決定する段階と、を含む ことを特徴とする方法。」 [相違点] (相違点1) 本願補正発明は,「制限された無線リンクモニタリングのためのリソースを指示する上位階層シグナリングを前記基地局から受信する段階」を含むのに対し, 引用発明には,当該構成が無く, それに伴い,上記一致点の「前記DRX周期の長さと無線リンクモニタリングのためのリソースの制限とに基づいて測定期間を決定する段階」における「無線リンクモニタリングのためのリソースの制限」が, 本願補正発明は,「制限された無線リンクモニタリングのためのリソースを指示する上位階層シグナリング」を通じて行われる制限であり,そのため,「前記上位階層シグナリング」に基づいて測定期間を決定するものであるのに対し, 引用発明は,「測定を実行するために許されたサブ-フレームの数が制限」されるときに,out of sync及びin sync評価期間を延長するものであるものの,その制限が,「上位階層シグナリング」を通じて行われる制限であるかどうか明らかではなく,そのため,「前記上位階層シグナリング」に基づいてout of sync及びin sync評価期間を決めることの特定が無い点。 (相違点2) 上記一致点の「前記DRX周期の長さと制限された無線リンクモニタリングのためのリソースとに基づいて測定期間を決定する段階」について, 本願補正発明は,「前記測定期間を決定する段階は、前記DRX周期の長さが第1DRX周期区間にある場合,前記測定期間を前記第1DRX周期区間に対応する第1測定期間として決定し、前記DRX周期の長さが第1DRX周期区間よりも長い第2DRX周期区間にある場合、前記測定期間を前記第2DRX周期区間に対応する第2測定期間として決定し、 第1DRX周期区間に対応する第1測定期間は、前記DRX周期の第1整数倍に基づいて決定し、前記第1DRX周期区間よりも前記DRX周期の長さが長い第2DRX周期区間に対応する第2測定期間は、前記DRX周期の前記第1整数倍よりも小さな第2整数倍に基づき決定する」との特定がされているのに対し, 引用発明は,そのような特定が無い点。 (相違点3) 本願補正発明は,「前記決定された測定期間に基づいて前記無線リンク品質を評価する段階」を含むのに対し, 引用発明は,無線リンク品質を評価する方法ではあるものの,「前記決定された測定期間に基づいて」無線リンク品質を評価する段階を含むことの特定が無い点。 そこで,各相違点について,以下,検討する。 (相違点1について) 上記イ(イ)の項目で公知事項として示したとおり,「eNBが定義したリソースに制限されたRLM測定及び報告を行うUEに,測定してもよい特定のリソースを伝えるために,RRCを用いて情報がシグナルされる。」ことは公知であり,RRCを用いたUEへのシグナリングが上位階層シグナリングであることは技術常識である。 そうすると,引用発明において,「測定を実行するために許されたサブ-フレーム」がどのサブ-フレームであるのかを示す上位階層シグナリングを,測定対象のサブ-フレーム(リソース)を定義する基地局(eNB)から受信する段階を含むよう構成することは,公知事項に基づいて当業者が容易になし得る。 そして,引用発明の評価期間は,「測定を実行するために許されたサブ-フレームの制限」に基づいて決定されるといえるものであるから,引用発明において,上記の上位階層シグナリングを受信するように構成すれば,その上位階層シグナリングに基づいて評価期間を決定することとなる。 (より具体的にいえば,上位階層シグナリングが,測定を実行するために許されたサブ-フレームを示すものであれば,TS 36.133で定義された時間期間を延長した期間を,評価期間として決定し,そうでなければ,TS 36.133で定義された時間期間を,評価期間として決定することとなる。) これらのことから,引用発明において,本願補正発明の相違点1に係る構成とすることは,公知事項に基づいて当業者が容易になし得る。 (相違点2について) 本願の第0089段落の表4と,上記イ(ウ)の項目で3GPPの仕様書(TS 36.133)を挙げて示した周知事項とを考慮すると,本願補正発明の相違点2に係る特定事項は,既存の規格(TS 36.133)に則っていることを特定するに過ぎないものであり,引用発明もTS 36.133に則って時間期間を決定するものであるし,また周知事項に基づいてそのようにすることは容易である。 (本願の表4と,周知事項に係る周知例の表7.6.2.2-1とを比べてみるに,各測定周期に関し,表4ではDRX周期の整数倍に「γ」を乗じている点以外,両者に差異はないが,本願補正発明の相違点2に係る特定事項にはDRX周期の整数倍に「γ」を乗じること(「前記DRX周期」と「前記上位階層シグナリング」とに基づいて測定期間を決定すること)の特定はなく,またその上位階層シグナリングに係る点は,相違点1として検討済みである。) よって,相違点2は,実質的な相違点とはいえず,また引用発明及び周知事項に基づいて当業者が容易になし得ることである。 (相違点3について) 引用発明は,ピコeNode BによってサービスされるUEが無線リンク品質を評価する方法である。また上記のとおり,評価期間(測定期間)を決めるにあたって,引用発明を本願補正発明の相違点1,2に係る構成とすることは,当業者が容易になし得る。 そうすると,引用発明において,「前記決定された測定期間に基づいて前記無線リンク品質を評価する段階」を含むようにすることは,自ずと導出されることにすぎない。 そして,本願補正発明の作用,効果も,引用発明,公知事項,周知事項及び技術常識に基づいて当業者が予測し得る範囲のものであり,格別のものではない。 よって,本願補正発明は,引用発明,公知事項,周知事項及び技術常識に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。 3 補正の却下の決定についてのまとめ 上記のとおりであるから,本件補正は,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので,同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって,上記[補正の却下の決定の結論]のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 平成28年12月1日にされた手続補正は上記のとおり却下されたので,本願発明は,同年2月29日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される,以下のものと認める。(上記「第2 平成28年12月1日にされた手続補正についての補正の却下の決定」の「1 補正の概要」の項目で示したものを再掲する。) 「 端末の基地局と端末との無線リンク品質を評価する方法において、 不連続受信(DRX:discontinuous reception)周期を確認する段階と、 制限された無線リンクモニタリングのためのリソースを指示する上位階層シグナリングを前記基地局から受信する段階と、 前記DRX周期の長さと前記上位階層シグナリングとに基づいて測定期間を決定する段階と、 前記決定された測定期間に基づいて前記無線リンク品質を評価する段階と、を含む方法。」 2 引用発明,公知事項,周知事項 引用発明,公知事項,周知事項は,上記「第2 平成28年12月1日にされた手続補正についての補正の却下の決定」の2(2)イの(ア)?(ウ)の項目でそれぞれ示した通りである。 3 対比・判断 そこで,本願発明と引用発明とを対比するに,本願発明は,本願補正発明から,補正による限定を省いたものである。 そうすると,本願発明の構成に,当該補正による限定を付加した本願補正発明が,上記「第2 平成28年12月1日にされた手続補正についての補正の却下の決定」の2(2)ウの項目で検討したとおり,引用発明,公知事項,周知事項及び技術常識に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,本願発明も同様の理由により,容易に発明をすることができたものである。 4 まとめ 以上のとおり,本願発明は,引用発明,公知事項,周知事項及び技術常識に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により,特許を受けることができない。 よって,結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2018-02-19 |
結審通知日 | 2018-02-26 |
審決日 | 2018-03-09 |
出願番号 | 特願2013-536516(P2013-536516) |
審決分類 |
P
1
8・
575-
Z
(H04W)
P 1 8・ 121- Z (H04W) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 倉本 敦史 |
特許庁審判長 |
菅原 道晴 |
特許庁審判官 |
中木 努 川口 貴裕 |
発明の名称 | 無線ネットワークで無線リンクモニタリングのチャネル測定のための装置及び方法 |
代理人 | 阿部 達彦 |
代理人 | 木内 敬二 |
代理人 | 実広 信哉 |
代理人 | 崔 允辰 |