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審決分類 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 取り消して特許、登録 H05K
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H05K
管理番号 1342701
審判番号 不服2017-11683  
総通号数 225 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-09-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-08-04 
確定日 2018-08-21 
事件の表示 特願2015-506492「テープフィーダ」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 9月25日国際公開、WO2014/147799、請求項の数(7)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2013年3月21日を国際出願日とする出願であって、平成28年3月16日に手続補正がされ、同年10月25日付けで拒絶理由通知がされ、同年12月26日に意見書が提出されたが、平成29年4月28日付け(発送日:同年5月9日)で拒絶査定(以下、「原査定」という。)がされ、これに対し、同年8月4日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされたものである。

第2 補正の却下の決定
1 補正の却下の決定の結論
平成29年8月4日付けの手続補正(以下、「本件補正」という)を却下する。

2 補正の却下の決定の理由
(1)本件補正の内容
本件補正は、補正前の請求項1の「ガイド部」について、補正後の請求項1において「前記ガイド部は、前記廃棄テープの両側面をその両側から支持しながら案内し、」と限定する補正事項(以下、「補正事項」という。)を含むものである。
補正前及び補正後の請求項1は、それぞれ以下のとおりである。

ア 本件補正前の請求項1
「電子部品を吸着ノズルによって回路基板に実装する部品実装機に着脱可能に装着されるテープフィーダであって、
前記テープフィーダは、前記電子部品が封入されたキャリアテープが備えられる本体と、前記電子部品が吸着される部品吸着位置が設けられた前記本体先端部の上面に設けられ前記キャリアテープを案内するテープガイドと、を備えてなり、
前記本体および前記テープガイドとは別部材で構成されるとともに、前記本体に着脱可能に取り付けられた先端部ガイドを備え、
前記先端部ガイドは、前記部品吸着位置にて前記電子部品が取り出された後の前記キャリアテープである廃棄テープを、前記テープガイドの下面と同一平面より下方に向けて案内するガイド部が設けられているテープフィーダ。」

イ 本件補正後の請求項1
「電子部品を吸着ノズルによって回路基板に実装する部品実装機に着脱可能に装着されるテープフィーダであって、
前記テープフィーダは、前記電子部品が封入されたキャリアテープが備えられる本体と、前記電子部品が吸着される部品吸着位置が設けられた前記本体先端部の上面に設けられ前記キャリアテープを案内するテープガイドと、を備えてなり、
前記本体および前記テープガイドとは別部材で構成されるとともに、前記本体に着脱可能に取り付けられた先端部ガイドを備え、
前記先端部ガイドは、前記部品吸着位置にて前記電子部品が取り出された後の前記キャリアテープである廃棄テープを、前記テープガイドの下面と同一平面より下方に向けて案内するガイド部が設けられ、
前記ガイド部は、前記廃棄テープの両側面をその両側から支持しながら案内し、
前記ガイド部であって前記廃棄テープを導入する導入端の下面は、前記テープガイドの下面より上方に位置するように配置されているテープフィーダ。」

(2)本件補正の適否の判断
本件補正の補正事項は、請求項1の「ガイド部」について、「前記ガイド部は、前記廃棄テープの両側面をその両側から支持しながら案内し、」と限定するものである。
しかしながら、廃棄テープの両側面をその両側から支持し得る位置にある一対の側壁部62bに関して、明細書の段落【0023】に「両側壁部62bは、板状に形成されており、廃棄テープ35の幅より大きい距離をおいて互いに対向し平行に配設されている。」と記載されているものの、この記載を除けば、明細書の段落【0024】にも図面の【図6】にも、側壁部62bと廃棄テープ35との関係についての記載はない。
そして、両側壁部62bの幅と、廃棄テープ35の幅の差が小さければ「廃棄テープの両側面をその両側から支持しながら案内」できるものの、当該差が大きければ廃棄テープの側面が側壁部62bに触れることはないのだから、ガイド部の側壁部62bが、「廃棄テープの両側面をその両側から支持しながら案内」することは、両側壁部62bの幅と、廃棄テープ35の幅の差に依存しており、自明なことではない。

そうすると、本件補正後の請求項1の「前記ガイド部は、前記廃棄テープの両側面をその両側から支持しながら案内し、」という事項は、願書に最初に添付した特許請求の範囲、明細書、図面(以下、「当初明細書等」という。)には記載がなく、当初明細書等から自明でもなく、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものである。
したがって、補正事項を含む本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

第3 原査定の概要
原査定の概要は次のとおりである。

本願請求項1に係る発明は、引用文献1(特開平10-242686号公報)に記載された発明に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

本願請求項2ないし6に係る発明は、引用文献1、引用文献2(特開2006-237495号公報)、引用文献3(特開2011-146544号公報)及び引用文献4(特表2008-508712号公報)に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

本願請求項7に係る発明は、引用文献1ないし4及び引用文献5(特開2012-256710号公報)に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第4 本願発明
本件補正は、上記「第2 補正の却下の決定」のとおり、却下された。
したがって、本願請求項1ないし7に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明7」という。)は、平成28年3月16日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は上記第2の2(1)アのとおりの発明である。

本願発明2ないし7は、本願発明1を減縮した発明である。

第5 引用文献、引用発明等
1 引用文献1、引用発明
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(特開平10-242686号公報)には、「電子部品供給装置」に関して、図面(特に【図1】及び【図2】参照。)とともに次の事項が記載されている。(下線は当審で付したものである。以下同様。)
(1)「【0021】(実施の形態1)図1?図2は本発明の(実施の形態1)を示す。図1,図2に示すように、収納部14に電子部品13が収納され表面を剥離可能なトップテープ18で覆われた帯状の電子部品供給テープ6が、テープ搬送方向[矢印A方向]に沿って、テープ搬送面10aに対してコの字型の第1のテープガイド1によってテープ搬送面10aの面上に押圧されながらテープ搬送面10aの面上を搬送されている。
【0022】そして、第1のテープガイド1に設けられた剥離部19でトップテープ18が剥離されながら、電子部品取り出し部11で吸着ノズル12により電子部品13が取り出される。
【0023】電子部品13の取り出された使用済みの電子部品供給テープ6は、電子部品供給テープ6を介して第1のテープガイド1が当接する上手側のテープ搬送面10aに対して傾斜したテープ搬送面10bの面上を第2のテープガイド2によってテープ搬送面10bの面上に押圧されながら搬送され、先端部分がカッター装置7により切断される。
【0024】また、第1のテープガイド1の先端の側面には、図1に示すように第1のテープガイド1をテープ搬送面10aに押し付ける方向に付勢する第1のばねとしての第1の引っ張りばね15が設けられており、第1のテープガイド1の基端部には、図2に示すように、テープ搬送面10aに電子部品供給テープ6を押し付ける方向に付勢するよう回動自在なピン8によってボディ部5に取り付けられている。
【0025】すなわち、第1のテープガイド1は、ピン8を中心に回動自在に枢支され、先端部では、第1のばねとしての第1の引っ張りばね15によって電子部品供給テープ6をテープ搬送面10aの面上に押圧する方向に付勢されている。
【0026】また、第2のテープガイド2には長孔16が穿設され、ボディ部5を両側から狭持するようにセットされると共に、前記長孔16にピン3が挿通され、ピン3はボディ部5に固定されている。
【0027】このように第2のテープガイド2はピン3に対して長孔16の長軸方向にスライド自在に支持され、ピン3と第2のテープガイド2との間に介装された第2のばねとしての第2の圧縮ばね4によって、電子部品13を取り出した後の電子部品供給テープ6をテープ搬送面10bの面上に押圧するように付勢されている。」

(2)上記記載事項(1)の「電子部品供給装置」の、電子部品13が収容された電子部品供給テープ6を搬送し(段落【0021】参照。)、吸着ノズル12により電子部品13が取り出される(段落【0022】参照。)という使用状況からみて、当該「電子部品供給装置」は、部品実装機の技術分野における一般的な「テープフィーダ」と同様に、電子部品13を吸着ノズル12によって回路基板に実装する部品実装機に着脱可能に装着されるものと認められる。

(3)上記記載事項(1)の「第1のテープガイド1の基端部には、図2に示すように、テープ搬送面10aに電子部品供給テープ6を押し付ける方向に付勢するよう回動自在なピン8によってボディ部5に取り付けられている。」(段落【0024】参照。)との記載及び「第2のテープガイド2には長孔16が穿設され、ボディ部5を両側から狭持するようにセットされる」(段落【0026】参照。)との記載から、「第2のテープガイド2」は、「ボディ部5」や「第1のテープガイド1」とは別部材で構成されると認められる。

(4)【図1】の、ボディ部5の上面にあるテープ搬送面10aに沿って電子部品供給テープ6が供給される状態及びテープ搬送方向を示す矢印Aの方向からみて、電子部品供給テープ6は、ボディ部5の後方側(図面左側)に備えられるものと認められる。

(5)【図2】からは、電子部品12が吸着される電子部品取り出し部11が、ボディ部5の先端部のテープ搬送面10aに設けられた構成が見て取れる。

(6)【図2】からは、第2テープガイド2の下面が、電子部品供給テープ6を、第1のテープガイド1の下面と同一平面より下方に向けて案内している構成が見て取れる。

上記記載事項、認定事項及び図示内容を総合し、本願発明1の記載振りに則って整理すると、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

[引用発明]
「電子部品13を吸着ノズル12によって回路基板に実装する部品実装機に着脱可能に装着される電子部品供給装置であって、
前記電子部品供給装置は、前記電子部品13が収納されトップテープ18で覆われた電子部品供給テープ6が備えられるボディ部5と、前記電子部品13が吸着される電子部品取り出し部11が設けられた前記ボディ部5の先端部のテープ搬送面10aに設けられ前記電子部品供給テープ6を案内する第1のテープガイド1と、を備えてなり、
前記ボディ部5および前記第1のテープガイド1とは別部材で構成されるとともに、長孔16が穿設され、前記ボディ部5を両側から挟持するようにセットされ、ボディ部5に固定されているピン3が長孔16に挿通される第2のテープガイド2を備え、
前記第2のテープガイド2は、前記電子部品取り出し部11にて前記電子部品13の取り出された使用済みの電子部品供給テープ6を、前記第1のテープガイド1の下面と同一平面より下方に向けて案内する第2テープガイド2の下面が設けられているテープフィーダ。」

2 引用文献2
原査定の請求項2ないし7についての拒絶の理由に引用された引用文献2(特開2006-237495号公報)には、図面(特に【図4】参照。)とともに次の事項が記載されている。
「【0024】
図4において、31は電子部品が取出された後の収納テープTを前記一対の保持部25D間に案内する案内部材で、この案内部材31の横幅は並設される部品供給ユニット3の略全域に亘って設けられており、上面及び下面が開口した概ね角筒状を呈しており、この角筒を形成する一面の下方位置の一方の保持部25Dの外枠体25D1には案内部材31と共に前記収納テープTを両保持部25D間に位置させるためのガイド34が設けられる。」

3 引用文献3
原査定の請求項2ないし7についての拒絶の理由に引用された引用文献3(特開2011-146544号公報)には、図面(特に【図1】?【図3】参照。)とともに次の事項が記載されている。

(1)「【0025】
図3には、前記上部、下部の両ガイド18、20の連結部分の断面を拡大して模式的に示す。
【0026】
この図に示されるように、前記上部ガイド18は、上部前方案内板24と、これに対向配置されて案内空間を形成している上部後方案内板26とを備え、前記下部ガイド20は、上端28Aが前記上部前方案内板24の下端24Aより上に位置する下部前方案内板28と、これに対向配置されて案内空間を形成している上端30Aが、前記上部前方案内板24の下端24A及び前記上部後方案内板26の下端26Aより下に位置する下部後方案内板30とを備えている。
【0027】
又、下部後方案内板30は、その上端30Aが上部後方案内板26の下端26Aより後方に位置され、且つ両者間に間隔(すき間)が空けてある。そして、上部後方案内板26の外側(後側)には、下端26Aの近傍にナイロン製のブラシ(可撓性部材)32が、その下端32Aが下部後方案内板30の上端30Aより下方内側(前側)になるように固定され、内側からこの間隔を塞いでいる。」

(2)「【0032】
以上詳述した本実施形態によれば、台車10を水平移動により装着するだけで、ガイド部16を完成することができ、空テープTの先端Taの引っかかりや飛び出しを防止して該テープTをスムースに排出することができる上に、簡単に分離することができる。」

4 引用文献4
原査定の請求項2ないし7についての拒絶の理由に引用された引用文献4(特表2008-508712号公報)には、図面(特に【図2】参照。)とともに次の事項が記載されている。
(1)「【0019】
本発明による構成要素載置装置21は、静止スリーブ45を備えており、その中には、搬送装置26に連結されたスリーブ46が摺動可能に位置させられている。」

(2)「【0021】
カバーテープ49は、屑籠(図示せず)までスリーブ45およびスリーブ46を通じて搬送される。区画テープ50は、スプロケット47だけによって搬送されてかつ他の同じ屑籠(図示せず)まで、スリーブ45およびスリーブ46を通じて目指させられる。」

5 引用文献5
原査定の請求項7についての拒絶の理由に引用された引用文献5(特開2012-256710号公報)には、図面(特に【図3】参照。)とともに次の事項が記載されている。
「【0026】
図2及び図3において、テープ押さえ33は断面「コ」状の長尺部材から成る。テープ押さえ33は、フィーダ本体31の部品取り出し位置13pの後方にフィーダ本体31に沿って前後方向に延びた状態で設けられており、リール25から繰り出されてから部品取り出し位置13pに達するまでの間のテープ部材20の一部(テープ通路31a上を水平方向に延びるテープ部材20の一部)の上面を上方から押さえてフィーダ本体31との間でテープ部材20を摺動自在に保持する。」

第6 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、引用発明の「電子部品13」は本願発明1の「電子部品」に相当し、以下同様に、「吸着ノズル12」は「吸着ノズル」に、「電子部品供給装置」は「テープフィーダ」に、「電子部品13が収納されトップテープ18で覆われた」ことは「電子部品が封入された」ことに、「電子部品供給テープ6」は「キャリアテープ」に、「ボディ部5」は「本体」に、「電子部品取り出し部11」は「部品吸着位置」に、「ボディ部5の先端部のテープ搬送面10a」は「本体先端部の上面」に、「第1のテープガイド1」は「テープガイド」に、「ボディ部5を両側から挟持するようにセットされ」ることは「本体に」「取り付けられ」ることに、「第2のテープガイド2」は「先端部ガイド」に、「電子部品13の取り出された使用済みの電子部品供給テープ6」は「電子部品が取り出された後のキャリアテープである廃棄テープ」に、「第2テープガイド2の下面」は「ガイド部」に、それぞれ相当する。

したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点及び相違点があるといえる。

[一致点]
「電子部品を吸着ノズルによって回路基板に実装する部品実装機に着脱可能に装着されるテープフィーダであって、
前記テープフィーダは、前記電子部品が封入されたキャリアテープが備えられる本体と、前記電子部品が吸着される部品吸着位置が設けられた前記本体先端部の上面に設けられ前記キャリアテープを案内するテープガイドと、を備えてなり、
前記本体および前記テープガイドとは別部材で構成されるとともに、前記本体に取り付けられた先端部ガイドを備え、
前記先端部ガイドは、前記部品吸着位置にて前記電子部品が取り出された後の前記キャリアテープである廃棄テープを、前記テープガイドの下面と同一平面より下方に向けて案内するガイド部が設けられているテープフィーダ。」

[相違点]
本願発明1は「前記本体に着脱可能に取り付けられた先端部ガイド」を備えるのに対し、引用発明の「前記ボディ部5を両側から挟持するようにセットされ」た「第2のテープガイド2」は、ボディ部5に着脱可能かどうかは不明な点。

(2)相違点についての判断
上記相違点について検討する。
引用発明の「第2のテープガイド2」は「長孔16が穿設され、前記ボディ部5を両側から挟持ようにセットされ、ボディ部5に固定されているピン3が長孔16に挿通される」ものであるが、第2のテープガイド2あるいはボディ部5に固定されているピン3が、ボディ部5から外せることについて、引用文献1には記載ないし示唆されていない。
また、第2のテープガイド2が、電子部品供給テープ6のサイズ変更に伴って交換する部品であるとか、長期使用にあたって定期的に交換するような消耗品である等の、特別な事情もない。
そうすると、引用発明の「第2のテープガイド2」について、着脱可能とすることが自明であるとまではいえない。
さらに、キャリアテープの変更に対応するメンテナンスのために、テープ下面を案内する部材を着脱自在とすること(例えば、特開平8-288690号公報の凹型のガイド16参照。)は従来から知られているものの、テープフィーダの先端で、テープ上面を案内する部材を、着脱自在とする証拠は示されておらず、第2のテープガイド2に関して着脱自在とすることが、当業者であれば適宜なし得る程度のことであるとはいえない。
また、「段取り替え時にキャリアテープをはさみなどの工具を使用せずに手などで切断した場合には、テープガイド23の先端部が変形する」(本願の明細書段落【0004】)ことが、従来から知られていた課題とも認められない。
そうすると、相違点に係る本願発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たこととはいえない。
したがって、本願発明1は、当業者であっても、引用発明に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

2.本願発明2ないし7について
本願発明2ないし7も、本願発明1の「前記本体に着脱可能に取り付けられた先端部ガイド」と同一の構成を備えるものである。
そして、引用文献2ないし5に記載された事項は、何らかのメンテナンスのために、テープフィーダの先端で、テープ上面を案内する部材を、着脱自在とすることを示すためのものではない。
したがって、本願発明1と同様の理由により、本願発明2ないし7は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2ないし5に記載された事項に基いて容易に発明をすることができたとはいえない。

第7 むすび
以上のとおり、本願発明1ないし7は、当業者が引用発明及び引用文献2ないし5に記載された事項に基いて容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2018-07-31 
出願番号 特願2015-506492(P2015-506492)
審決分類 P 1 8・ 561- WY (H05K)
P 1 8・ 121- WY (H05K)
最終処分 成立  
前審関与審査官 中田 誠二郎  
特許庁審判長 平田 信勝
特許庁審判官 内田 博之
尾崎 和寛
発明の名称 テープフィーダ  
代理人 山本 喜一  
代理人 小林 脩  
代理人 木村 群司  

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