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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H01L |
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管理番号 | 1342760 |
審判番号 | 不服2017-8948 |
総通号数 | 225 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2018-09-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2017-06-20 |
確定日 | 2018-08-21 |
事件の表示 | 特願2013- 48185「静電チャック装置」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 9月22日出願公開、特開2014-175535、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は,平成25年3月11日の出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。 平成27年12月25日 審査請求・手続補正 平成28年11月10日 拒絶理由通知 平成29年 1月13日 意見書・手続補正 平成29年 3月21日 拒絶査定(以下,「原査定」という。) 平成29年 6月20日 審判請求 第2 本願発明 本願の請求項1ないし5に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明5」という。)は,本願の特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された事項により特定される発明であり,以下のとおりである。 「【請求項1】 側面を有する台座部と, 前記台座部上に配置され,上面及び側面を有する静電チャックと, 前記台座部と,前記静電チャックとの間に設けられ,前記台座部と前記静電チャックとを接着する樹脂接着剤が配置され,側面を有する接着部と, 前記台座部及び前記静電チャックの側面であって,前記接着部の側面を含む領域に,前記台座部,前記静電チャック,及び前記接着部の外周に沿って設けられ,上端部が前記静電チャックの上面よりも下側に位置する凹部と, 前記凹部に嵌合して設けられ,前記接着部の側面を覆うフォーカスリングと,を有し, 前記凹部は, 前記静電チャックの側面に設けられた下向きの面と, 前記静電チャック,及び前記台座部の側面に設けられた側面と, 前記台座部に設けられた上向きの面と,を有し, 前記接着部の側面は,前記凹部の側面に露出し, 前記フォーカスリングは,前記台座部上に配置され,前記静電チャックの上面の鉛直方向上方から見た場合に前記静電チャックの外周を囲うように構成されていると共に,その内周側が前記凹部に嵌合し,その内周面が前記凹部の側面を覆っている静電チャック装置。 【請求項2】 前記フォーカスリングは複数に分割できる請求項1に記載の静電チャック装置。 【請求項3】 前記フォーカスリングは環状形状を有しており,その周方向に複数に分割することができる請求項1または2に記載の静電チャック装置。 【請求項4】 前記フォーカスリングの上部には,上部フォーカスリングが設けられている請求項1乃至3いずれか一項に記載の静電チャック装置。 【請求項5】 複数に分割された前記フォーカスリングの部材は,凹形状の表面が形成された一の部材と,前記凹形状の表面に対向する凸形状の表面が形成されたもう一方の部材とを有し, 前記凹形状の表面が形成された一の部材と,前記凸形状の表面が形成されたもう一方の部材とは,互いに噛み合わさるように構成されている,請求項3に記載の静電チャック装置。」 第3 原査定の概要 (進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 (引用文献等については引用文献等一覧参照) ・請求項 1 ・引用文献等 1-2 (中略) 本願発明1と,引用例1に記載された発明を比較すると,上記凹部に嵌合させるものが本願発明1においてはフォーカスリングの一部である点で相違している。 一方,引用例2には,特に図1,段落0023を参照すると,フォーカスリングの一部を静電チャックの段差部に係合させてプラズマの接着剤層への侵入を低減させる構成が開示されている。つまり,フォーカスリングの少なくとも一部を接着剤層へのプラズマ侵入を低減する部材として利用することは当業者に周知の事項であると解される。 してみると,引用例1のベース部材107をプラズマから保護するためのガードリング115に,凹部114に配設して板状体102とガードリング115の隙間から入り込むプラズマによるベース部材107への影響を抑制するための保護部材105の形状に相当するような突起部を一体的に形成し,当該突起部を凹部に嵌合させることにも格別の困難も認められないし,二体構成の部材を同じ部材で一体的に集約することも当業者が適宜なしうる設計的事項である。 (中略) ・請求項 2-4 ・引用文献等 1-3 本願発明1に関するもの以外に補正を含まない本願発明2-4は引用例1-3に記載された発明に基づいて,当業者であれば容易になし得たものであるから,依然として特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができな い。 ・請求項 5 ・引用文献等 1-4 本願発明1に関するもの以外に実質的な補正を含まない本願発明5は引用例1-4に記載された発明に基づいて,当業者であれば容易になし得たものであるから,依然として特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 <引用文献等一覧> 1.特開2007-194616号公報 2.特開2003-179129号公報 3.特開2010-28073号公報 4.特開2000-243744号公報 第4 引用文献及び引用発明 1 引用文献1について (1)引用文献1 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には,図面とともに次の事項が記載されている。(下線は当審で付加した。以下同じ。) ア 「【技術分野】 【0001】 本発明は,CVD,PVD,スパッタリング等の成膜装置やエッチング装置などの加工装置において,被処理体を保持するサセプタ,特に静電チャックに好適に用いることのできるサセプタに関するものである。」 イ 「【発明が解決しようとする課題】 【0008】 しかしながら,特許文献1には,プラズマによる浸食を防止するための浸食防止絶縁物として,フッ素系樹脂やシリコーン系樹脂を含有したフィルム状のものをフッ素系またはシリコーン系樹脂を含有する接着剤を用いて接着固定してすることが開示されているが,上方より照射されるプラズマやエッチングガスにより加熱されると基板を載せる載置面が変形するとの問題があった。また上方より照射されるプラズマやエッチングガスが接着剤に繰り返し晒されることから,接着剤が浸食を受けパーティクルが発生するとの問題があった。 【0009】 また,特許文献2では,静電チャックの側面に,板状体の外周に沿って凹部または凸部をリング状に設け,前記凹部または凸部に係合するように絶縁リングを配置することが提案されているが,板状体の外周に凹部または凸部をリング状に設けるためには,板状体の厚みを厚くする必要があるとともに,凹部または凸部を研削等による加工を施す必要があり,コストアップになるという課題があった。また,凹部または凸部を形成することで段差部に角部が生じ,ベース板に接合する際の乾燥等の加熱により,板状体の熱膨張とベース板の熱膨張の差で板状体に反りが発生するときに,角部に応力が集中しクラックや破壊が発生する虞があった。 【0010】 また,半導体回路の線幅の微細化に伴い,高出力のプラズマや処理温度の高温化といった傾向にあり,そのため,さらなる耐プラズマ性の向上や,高温時に板状体のウェハ載置面側と冷却が施されている裏面側との温度差による熱膨張差でウェハ載置面の形状が変化することにより,ウェハと載置面との間に不規則な隙間が生じ,ウェハを冷却しているヘリウム等の熱伝導性ガスの漏れ量が部分的に変化することで,熱伝導性ガスが板状体とウェハとの間に生じる隙間から設定以上に大量に漏れたり,板状体とウェハとの間の不特定の隙間からガスが異常に漏れたりすることからウェハ表面の面内温度差が大きくなりエッチング特性が悪化するとの問題点があった。 【0011】 また,図7に示すようにガス供給孔808が比較的外周部に位置する場合は,プラズマやエッチングガスに繰り返し晒されることで,接着層811が浸食を受け,ガス供給孔808の周辺まで浸食され,ヘリウム等の熱伝導性ガスがガス供給孔808から接着層に漏れ出すという問題があった。 【課題を解決するための手段】 【0012】 そこで,本発明のサセプタは上記課題に鑑み,成膜処理またはエッチング処理される基板を上面に載置可能な板状体と,該板状体の下面に接着剤層を介して接合されたベース部材と,前記板状体と前記ベース部材との接合部の外周に沿って形成された環状の凹部内に配設された環状の保護部材とを有しており,前記板状体の下面と前記保護部材の上面との間および前記ベース部材の上面と前記保護部材の下面との間の少なくとも一方に隙間が設けられていることを特徴とするものである。」 ウ 「【発明の効果】 【0029】 本発明のサセプタは,成膜処理またはエッチング処理される基板を上面に載置可能な板状体と,該板状体の下面に接着剤層を介して接合されたベース部材と,前記板状体と前記ベース部材との接合部の外周に沿って形成された環状の凹部内に配設された環状の保護部材とを有しており,前記板状体の下面と前記保護部材の上面との間および前記ベース部材の上面と前記保護部材の下面との間の少なくとも一方に隙間が設けられていることから,前記保護部材が膨張しても前記板状体を押し上げることがなく,基板を載せる載置面を変形することがない。また,プラズマ雰囲気中で使用してもプラズマが前記隙間を通して接着層に進入し難いことから接着層が浸食されることがなくパーティクルの発生が少ない。 【0030】 また,本発明のサセプタは,上記構成において,前記凹部を,前記板状体または前記ベース部材のいずれかに形成することで前記接着層を覆うことができることから,前記接着層がプラズマに晒されることを防ぐことができる。さらに,上記構成において,前記凹部が,前記板状体と前記ベース部材とにわたって形成されている場合には,さらにプラズマに接着層が晒され難くなり好ましい。」 エ 「【発明を実施するための最良の形態】 【0041】 本発明の実施形態についてウェハを加工処理する静電チャックを例にあげて説明する。 【0042】 図1(a)は,本発明のサセプタ101の一例を示す概略の正面図である。図1(b)は,そのX-X線の概略断面図である。 【0043】 サセプタ101は,静電チャック部とベース部材107とを接着剤層111を介して接着したものである。静電チャック部は,板状体102,静電吸着用電極104a,104bで構成され,所望により絶縁性のフィルム113を有する。 【0044】 板状体102は,成膜処理またはエッチング処理される基板Wを上面に載置可能な載置面103を有している。載置面103は,板状体102の一方の主面に形成され,半導体ウェハ等の基板であるウェハWを載せることができる。板状体102の他方の主面には一対の静電吸着用電極104a,104bが設けられている。静電吸着用電極104a,104bを絶縁性のフィルム113で覆って保護し,絶縁性を高めることもできる。絶縁性保護の観点からは,フィルム113は,静電吸着用電極104よりも大きい面積を有するもので,特に板状体の他方の主面のほぼ全面に設けることが好ましい。 【0045】 板状体102の他方の主面に一対の静電吸着用電極104a,104bを備えることで,板状体102の絶縁層厚みを均一にすることができるとともに,載置面103内の吸着力を均一にすることができる。絶縁層厚みとは,載置面103から静電吸着用電極104a,104bまでの距離をいう。例えば,静電吸着用電極104a,104bが板状体102の他方の主面にある場合には絶縁層厚みが板状体102の厚みに相当する。また,静電吸着用電極104a,104bが板状体102の内部に設けられた場合には絶縁層厚みが載置面103から静電吸着用電極104a,104bまでの距離となる。 (中略) 【0047】 ベース部材107は,熱伝導率が大きいものを採用でき,例えば金属を用いることができる。板状体102と静電吸着用電極104a,104bとを含む静電チャック部107の下面とベース部材107の上面とは,絶縁性の接着剤層111で接着されている。 (中略) 【0049】 また,本発明のサセプタ101は,板状体102とベース部材107との接合部の外周に沿って環状の凹部114を設け,凹部114内に配置された環状の保護部材105を有し,板状体102の下面と保護部材105の上面との間およびベース部材107の上面と保護部材105の下面との間の少なくとも一方に隙間106を有することを特徴とする。図2(a),(b)は,図1(b)のA部を示す概略の部分拡大図である。耐プラズマ性の良好なセラミックから成る板状体102の外周部の下方に凹部114を設け,この凹部114に保護部材105を配設することで,板状体102の外周部にベース部材107をプラズマから保護するためのガードリング115を設置した場合でも,板状体102とガードリング115の隙間から入り込むプラズマにより,ベース部材107がプラズマに晒され難いように距離を保つことができるとともに,接着剤層111にプラズマが直接晒され難いように保護することができる。 【0050】 また,板状体102の下面と保護部材105の上面との間またはベース部材107の上面と保護部材105の下面との間の少なくとも一方に隙間106を有することで,ウェハWの成膜処理工程やエッチング処理工程で温度が上がった場合,保護部材105が熱膨張して縦方向(図1における上下方向)に伸びても板状体102の外周部が押し上げられる虞がなくなり,載置面103の周辺部103aの形状の変化を抑制し,ウェハWと載置面103との間に充填されたガスのシール性が変化することなくヘリウムガスの漏れが増大することを抑制することができる。 【0051】 隙間106は,0.01?0.1mmの範囲で形成することが好ましい。また,より好適には0.01?0.05mmの範囲で形成することが好ましい。この隙間106を上記の範囲に設定することで,保護部材105が熱膨張で縦方向に伸びても板状体102の外周部を押し上げるのを抑制し,載置面103の形状の変化を小さくし,ヘリウムガスの漏れ量が増大するのを抑制し易くなる。また,隙間106からプラズマが進入して接着剤層111が浸食され,パーティクルの発生や絶縁破壊を引き起こすのを効果的に抑制することができる。 【0052】 図3(a),(b),(c)は,図1(b)のA部の凹部114の他の形態を示す概略の部分拡大図である。図3(a),(b)に示すように,凹部114は,ベース部材107または板状体102の周辺部のいずれかに形成されていることが好ましい。図3(a)に示すように,凹部114をベース部材107の周辺に形成する場合は,板状体102の厚みが2mm以下と薄い場合は有効である。また,図3(b)に示すような凹部114を板状体102の周辺に形成する場合は,板状体102の厚みが5mm以上の場合に特に有効である。図3(b)は,接着剤層111を保護部材105で完全に覆うことができ,接着剤層111がプラズマ雰囲気に直接晒されることを防ぐことができることから接着剤層111をより効果的に保護することができる。 【0053】 また,図3(c)に示すように凹部114は,板状体102とベース部材107とにわたって形成されていることが好ましい。これは,板状体102の厚みが2?5mmのときに特に有効である。図3(c)は,接着剤層111を保護部材105で完全に覆うことができることから,接着剤層111をプラズマより,より確実に保護することができる。 【0054】 また,保護部材105を凹部114に配設したときに,保護部材105の外周が板状体102の外周と同じかまたは内側に位置していることが好ましい。これは,保護部材105が板状体102の外周からはみ出すと,保護部材105の角部がプラズマにより腐食されてパーティクルが発生する虞があるが,保護部材105の外周が板状体102の外周と同じかまたは内側に位置することで保護部材105の腐食を抑制することができる。 (中略) 【0058】 また,保護部材105の材料はフッ素樹脂からなることが好ましい。プラズマに対する耐食性があることからパーティクルの発生が少なくなる。特にフッ素系樹脂の中で耐プラズマ性に優れたテフロン(登録商標)樹脂から成ることが良い。また,テフロン(登録商標)樹脂は精密な機械加工が容易にできるため,寸法精度が優れ図4に示すような保護部材105の断面形状に精密に加工することが容易にできることから好適である。精密な加工により,隙間を精密に調整することが容易となり,載置面の変形をより効果的に抑制することができる。 【0059】 フッ素樹脂等からなる保護部材105は板状体102をベース部材107に接着する前に,保護部材105の内周の直径を凹部114の内側外周の直径よりわずかに小さく加工し,100℃前後の温度で加熱保持して熱膨張させて凹部114の内側の外径寸法より大きく膨らませてから嵌め合わせる焼きバメ方式にて固定することが好ましい。その後,外径,厚みを旋盤加工等で加工することで所望の形状を得ることができる。これは,接着剤等を使用することなく固定することができるため,パーティクルの発生を防ぐためにも有効な方法である。」 オ 「【0077】 次に本発明の製造方法について説明する。 【0078】 板状体102はセラミック焼結体を所定の外径,厚み寸法に加工した後,メッキ法により導体層を形成し,不要箇所をブラストにて除去して静電吸着用電極104を形成することによって製作された。静電吸着用電極104とベース部材107との絶縁を確保するために,所望により静電吸着用電極104をポリイミド等の絶縁フィルムで覆い保護することができる。 【0079】 ベース部材107はセラミックス,アルミニウムや超硬,あるいはこれらの金属とセラミック材料との複合材から成り,内部に冷却用の水路を設け,冷却液等を循環することで,プラズマによりウェハW上に発生した熱を系外へ逃がすことができる。また,ベース部材107の表面は絶縁性を持たせるためにアルマイト等の表面処理を施すことが好ましい。 【0080】 保護部材105は,円環状に製作し,その内径寸法をベース部材107の接着面の外径寸法より小さく加工し,熱を加えて保護部材105を膨張させてベース部材107の外形寸法より大きくなったところで圧入嵌合させる。テフロン(登録商標)樹脂からなる保護部材105は,約100℃の温度で加熱し圧入嵌合することが最適であった。その後,旋盤加工により保護部材105の外径を板状体の外形寸法より同じか若干小さく仕上げる。また,保護部材105の板状体102側に面する端面はベース部材107の接着面よりも低く加工し,さらに,外周の厚みが内周の厚みより大きくなるように保護部材105の断面形状が略L字形かまたは,テーパ形状になるように加工する。 【0081】 次に,ベース部材107の接着面にシリコーン接着剤をスクリーン印刷にて均一に塗布し,板状体102を接着固定する。このとき,保護部材の端面にもシリコーン接着剤を塗布しておけば,簡単に隙間106に接着剤を充填することができる。」 カ 図1(b)には,ガードリング115は載置面103の周囲に上面を有しその対向する下面に接するベース部材107の上面は載置面103より下方にあること,ガードリング115の側面と板状体102及びベース部材107の側面との間には隙間を設けることが記載されている。 キ 図3(c)には,ベース部材107が側面を有すること,板状体102が側面を有すること,板状体102の下面と保護部材105の上面との間に隙間106を有すること,が記載されていると認められる。 (2)引用発明 前記(1)より,引用文献1には次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「静電チャック部の下面とベース部材の上面とは接着材層で接着されており,ベース部材は側面を有し,静電チャック部は板状体を有し,板状体は載置面と側面を有しており,板状体とベース部材との接合部の外周に沿って環状の凹部を設け,凹部内に配置された環状の保護部材を有し,板状体の下面と保護部材の上面との間に隙間を有し,凹部は,板状体とベース部材とにわたって形成され,接着材層を保護部材で完全に覆うことができる,サセプタ。」 2 引用文献2について (1)引用文献2 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には,図面とともに次の事項が記載されている。 ア 「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は,例えば半導体ウエハーを製造する際に使用されるドライエッチング装置などにおいて,半導体ウエハーの固定等に用いることができる静電チャック装置に関する。」 イ 「【0006】 【発明が解決しようとする課題】このアルミベースとセラミック製の静電チャックとを接合する場合には,熱伝導性に優れたインジウムを用いる方法(特開平9-45757号公報参照)があるが,必ずしも全ての点で好ましい訳ではない。 【0007】つまり,静電チャックとアルミベースとの接合時には,インジウムを十分に溶融させるために,温度を250℃以上に上げる必要があるが,セラミック製の静電チャックとアルミ(当審注:原文の「アルミナ」は「アルミ」の誤記と認める。)ベースとの熱膨張係数が異なるため,冷却した後では,熱膨張係数の差によって,静電チャックの表面が反ってしまうという問題があった。 【0008】この対策として,静電チャックとアルミベースとをシリコン樹脂製の接着剤により接合する方法があるが,シリコン樹脂は耐プラズマ性が弱いために,長期間にわたりドライエッチング等を繰り返して行うと,静電チャックがアルミナベースから剥がれることがあるという問題があった。 【0009】また,シリコン樹脂から,ポリシリコンや架橋剤等の不純物が,コンタミネーション(ゴミ)として発生するという問題もあった。本発明は,前記課題を解決するためになされたものであり,樹脂接着剤を使用した場合でも,長期間にわたり接合力が低下せず,コンタミネーションが発生しにくい静電チャック装置を提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段及び発明の効果】(1)請求項1の発明は,樹脂接着剤を用いてベース部材上に静電チャックを接合した静電チャック装置において,静電チャックの側面に,その外周に沿って,凹部及び/又は凸部をリング状に設けるとともに,凹部及び/又は凸部に係合するように絶縁リングを配置する構成としたことを特徴とする静電チャック装置を要旨とする。 【0011】本発明では,静電チャックの側面の外周に沿ってリング状に凹部や凸部(以下加工部とも記す)を設け,この加工部に係合するように絶縁リングを配置する構成としているので,外周に加工部が無い従来のものと比べて,静電チャックのチャック面側から樹脂接着剤による接合部分までの距離(沿面距離)が長い。そのため,ドライエッチングの際のプラズマによって,樹脂接着剤の劣化や剥離が発生し難いという効果がある。」 ウ 「【0025】 【発明の実施の形態】以下に,本発明の静電チャック装置の実施の形態の例(実施例)について説明する。 (実施例)ここでは,例えば半導体ウエハーを吸着保持できる静電チャックとベース板とを接合した静電チャック装置を例に挙げる。 【0026】a)まず,本実施例の静電チャック装置の構造について説明する。尚,図1は静電チャック装置及び半導体ウエハーの断面を示す説明図,図2は静電チャック装置及び半導体ウエハーの分解斜視図である。図1に示す様に,本実施例の静電チャック装置1は,円盤状のベース板3上に,ベース板3より小径の円盤状の静電チャック5が,シリコン樹脂からなる接合層7により接合されたものであり,ベース板3上には,静電チャック5の外側端部に係合するように絶縁リング9が配置されている。 【0027】前記ベース板3は,例えば直径350mm×厚み20mmのアルミニウム製の板材であり,静電チャック5を介して半導体ウエハー17側からの熱を逃がすために使用される。前記静電チャック5は,例えばアルミナ質の焼結体からなるセラミック製の基体(絶縁体:誘電体)11内に,一対の内部電極13,15が埋設されたものであり,静電チャック5の表面(同図上方)は,半導体ウエハー17を吸着固定する吸着面(チャック面)19とされている。 【0028】この静電チャック5は,例えば直径300mm×厚み3mmの円盤状の板材であるが,その側方の外周に沿って,チャック面19の表面から2mmの位置まで,径方向に3mm切りかかれて小径とされた段差部(チャック側段差部)21が設けられている。また,静電チャック5のチャック面19の外径は,チャック面19に吸着される半導体ウエハー17の外径より小さく設定されている。 【0029】尚,静電チャック5には,加熱処理を必要とする工程に対応するのために,ヒータ電極22(図3参照)が埋設されている。前記絶縁リング9は,例えばアルミナ質の焼結体からなるセラミック製の絶縁体であり,その(中心軸に沿った)断面が略L字状となっている。つまり,絶縁リング9は,例えば外径350mm×内径294mm×厚み2mmの環状の部材であるが,その内周面に沿って,ベース板3側から1mmの位置まで,径方向に25mm切りかかれた段差部(リング側段差部)23が設けられている。 【0030】従って,図2に示す様に,静電チャック5の上方より絶縁リング9を填め込むことにより,図1に示す様に,チャック側段差部21とリング側段差部23とが(接触して又は微小な間隔を保って)係合する。即ち,静電チャック5の外周面の凹部25と絶縁リング9の内周面の凸部27とが係合するとともに,静電チャック5の外周面の凸部29と絶縁リング9の内周面の凹部31とが係合する構造となる。 【0031】これにより,静電チャック5と絶縁リング9との間にて,チャック面19側からベース板7側に到る経路が2箇所で折れ曲がった経路になり,その距離(沿面距離)を長く設定することができる。尚,本実施例では,絶縁リング9の半導体ウエハー17側の表面は,静電チャック5のチャック面19より50μm以上引き下がっている。」 (2)引用技術的事項2 前記(1)より,引用文献2には次の技術的事項(以下,「引用技術的事項2」という。)が記載されていると認められる。 「樹脂接着剤を使用した場合でも,長期間にわたり接合力が低下せず,コンタミネーションが発生しにくい静電チャック装置を提供することを目的として,ベース板上に静電チャックがシリコン樹脂からなる接合層により接合された静電チャック装置において,絶縁リングはその内周面に沿って段差部が設けられており,静電チャックと絶縁リングとの間にて,チャック面側からベース板側に到る経路が2箇所で折れ曲がった経路になり,沿面距離を長く設定することができること。」 3 引用文献3について 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3には,図面とともに次の事項が記載されている。 (1)「【技術分野】 【0001】 この発明は,電極の周縁部に取り付けられるフォーカスリング,及びこのフォーカスリングが取り付けられた電極を備えるプラズマ処理装置に関する。 【背景技術】 【0002】 フラットパネルディスプレイ用基板(以下FPD用ガラス基板という)などの被処理体にエッチング等の処理を施すために,プラズマ処理装置が用いられている。 【0003】 プラズマ処理装置は,例えば,特許文献1に記載されるように,被処理体にプラズマ処理を施す処理室を備え,この処理室内に,互いに対向する上部電極と,被処理体を載置する載置台を兼ねた下部電極が配設されている。上部電極と下部電極との間には高周波が印加され,上部電極と下部電極との間の処理空間にプラズマを発生させる。下部電極の周縁部には,高周波電界を被処理体の上方に集中させるためのフォーカスリングが取り付けられる。フォーカスリングは,セラミックス,一般的にはアルミナ焼結体で構成されている。アルミナ焼結体は耐プラズマ性に優れており,腐食し難い,という利点がある。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0004】 【特許文献1】特開2003-115476号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら,アルミナ焼結体は,比誘電率が9?10と高く,高周波電界に対するシールド性が比較的弱い。このため,高周波電界の印加を繰り返していると,フォーカスリングの表面が削られてしまい,パーティクル源となってしまう。 【0006】 この発明は,耐プラズマ性,及び高周波電界に対するシールド性の双方ともに優れたフォーカスリング,及びこのフォーカスリングを備えたプラズマ処理装置を提供することを目的とする。」 (2)「【0032】 図3A及び図3Bに示すように,第2の実施形態に係るフォーカスリング6は,低誘電率誘電体6a及び耐プラズマ性誘電体6bそれぞれを,複数の分割部材6a1?6a4,6b1?6b4を繋ぎ合わせた分割型である。分割型のフォーカスリング6は,FPD用のガラス基板が大型化し,フォーカスリング6を一体に形成することが困難となる場合に有効である。 【0033】 さらに,本例では,分割型のフォーカスリング6において,分割部材6a1?6a4のつなぎ目9の位置と,分割部材6b1?6b4のつなぎ目10の位置とが異なるようにした。つなぎ目にはクリアランス(隙間)が存在する。プラズマ処理の際,基材5には高周波が印加される。このため,分割型のフォーカスリング6においては,つなぎ目に異常放電を起こしやすい。 【0034】 これに対し,本例では,つなぎ目9,10の位置を,低誘電率誘電体6aと耐プラズマ性誘電体6bとで異ならせる。これにより,基材5の表面からフォーカスリング6の上方の空間に向かって一直線に伸びるようなクリアランスが無くなる。よって,つなぎ目9,10の位置が,低誘電率誘電体6aと耐プラズマ性誘電体6bとで合致するようなフォーカスリングに比較して,異常放電が起る可能性を低減でき,耐異常放電性を高めることができる。 【0035】 また,図4A及び図4Bに示すように,つなぎ目9,10を,表面から見ても(Z軸から見る),側面から見ても(X軸から見る)階段構造とすることにより,表面及び側面の耐異常放電性を高めることができる。 【0036】 さらに,図4Cに示すように,図4B中の4C-4C線に沿った断面(X軸方向に沿った断面)においても,階段構造とすると,表面及び側面の耐異常放電性を,さらに高めることができる。」 4 引用文献4について 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献4には,図面とともに次の事項が記載されている。 「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は半導体処理に関する。より詳細には,本発明は,処理チャンバ内でワークピースまたは基板を固定するクランプリングに関する。」 「【0016】図4は,基板をペデスタル18上に配置した状態の,本発明のクランプリングの断面図である。この実施態様では,ペデスタル18はほぼ平らな上面(内部に一つ以上の溝を含んで,ペデスタル18を通ってペデスタルに装着された基板24の裏側に導かれる熱伝達ガスを分配するようにしてもよい)と,その上面の周辺を囲んで延びるエッジリングまたはカラー48を含む。リップシールなどのシール65がカラーの半径方向内方に配置されて,基板がクランプリングによってシールに押し付けられると,基板の裏側とペデスタル18の平らな基板装着面の間の領域をシールするのに役立つ。基板24は,ペデスタル18上に配置されるとカラー48の上に延びて,クランプリング60によってペデスタルに押し付けられると,シール65を変形させて基板とペデスタル間の領域をシールする。 【0017】クランプリングを形成するために,上部シールド部分64は,装着リング44の装着穴46に締め付けられる複数のファスナ42によって,下部リング部分62に対して正位置に保持される。ファスナは,装着リングに対する上部シールド部分の位置合わせも確定できる。下部リング部分は絶縁ライナ50上に「浮上する」ことができる。すなわち,下部リング部分をそのチャンバ部材に取り付けずに,上部シールド部分がファスナ42によって装着リング44に連結されたときに,下部リング部分が,それ自体を上部シールド部分の肩部67に位置合わせされるように横方向に移動できるようにしてもよい。その他に,下部リング部分をチャンバにフレキシブルに取り付けて,下部リング部分が,許容限度内で横方向に移動して,それ自体を上部シールド部分の肩部67に位置合わせできるようにしてもよい。カバー52を各ファスナ42の上に配置して,ファスナ42をエッチングプロセスから保護する。」 第5 対比及び判断 1 本願発明1について (1)本願発明1と引用発明との対比 ア 引用発明の「ベース部材」は「側面を有」するから,本願発明1の「側面を有する台座部」に相当する。 イ 引用発明の「静電チャック部」はその「下面とベース部材の上面」とが「接着されて」おり,同「静電チャック部」は「板状体を有し,板状体は載置面と側面を有して」いるから,本願発明1の「前記台座部上に配置され,上面及び側面を有する静電チャック」に相当する。 ウ 引用発明の「接着材層」は「静電チャック部の下面とベース部材の上面と」を「接着」するものであり,シリコーン接着剤を塗布して形成される(前記第4の1(1)オ【0081】)ものであるから,本願発明1の「前記台座部と,前記静電チャックとの間に設けられ,前記台座部と前記静電チャックとを接着する樹脂接着剤が配置され,側面を有する接着部」に相当する。 エ 引用発明の「板状体とベース部材との接合部の外周に沿って環状の凹部」は「板状体とベース部材とにわたって形成され,接着材層を保護部材で完全に覆うことができる」から,本願発明1の「前記台座部及び前記静電チャックの側面であって,前記接着部の側面を含む領域に,前記台座部,前記静電チャック,及び前記接着部の外周に沿って設けられ,上端部が前記静電チャックの上面よりも下側に位置する凹部」に相当し,本願発明1の「前記静電チャックの側面に設けられた下向きの面と,前記静電チャック,及び前記台座部の側面に設けられた側面と,前記台座部に設けられた上向きの面と,を有し,前記接着部の側面は,前記凹部の側面に露出し」を満たす。 オ 引用発明の「凹部内に配置された環状の保護部材」は,「接着材層を保護部材で完全に覆うことができる」から,下記相違点1及び2を除いて,本願発明1の「前記凹部に嵌合して設けられ,前記接着部の側面を覆うリング」を満たす。 カ 引用発明の「サセプタ」は,下記相違点1及び2を除いて,本願発明1の「静電チャック装置」に相当する。 キ すると,本願発明1と引用発明とは,下記クの点で一致し,下記ケの点で相違する。 ク 一致点 「側面を有する台座部と, 前記台座部上に配置され,上面及び側面を有する静電チャックと, 前記台座部と,前記静電チャックとの間に設けられ,前記台座部と前記静電チャックとを接着する樹脂接着剤が配置され,側面を有する接着部と, 前記台座部及び前記静電チャックの側面であって,前記接着部の側面を含む領域に,前記台座部,前記静電チャック,及び前記接着部の外周に沿って設けられ,上端部が前記静電チャックの上面よりも下側に位置する凹部と, 前記凹部に嵌合して設けられ,前記接着部の側面を覆うリングと,を有し, 前記凹部は, 前記静電チャックの側面に設けられた下向きの面と, 前記静電チャック,及び前記台座部の側面に設けられた側面と, 前記台座部に設けられた上向きの面と,を有し, 前記接着部の側面は,前記凹部の側面に露出している静電チャック装置。」 ケ 相違点 (ア)相違点1 本願発明1の「リング」は「フォーカスリング」であり「前記台座部上に配置され,前記静電チャックの上面の鉛直方向上方から見た場合に前記静電チャックの外周を囲うように構成されている」のに対し,引用発明の「リング」は「凹部内に配置された環状の保護部材」であって「フォーカスリング」ではない点。 (イ)相違点2 本願発明1では「前記フォーカスリングは」「その内周側が前記凹部に嵌合し,その内周面が前記凹部の側面を覆っている」のに対し,引用発明では「凹部内に配置された環状の保護部材を有し,板状体の下面と保護部材の上面との間に隙間を有」する点。 (2)相違点についての判断 ア 相違点1について 引用発明の「凹部内に配置された環状の保護部材」を「フォーカスリング」とすることについて,いずれの引用文献にも記載も示唆もない。 引用技術的事項2には絶縁リングの内周面に沿って段差部を設けることで樹脂接着剤の接合力が低下せず,コンタミネーションが発生しにくくなることが開示されているが,この保護機能は段差部により沿面距離を長くすることで生じるものであり,一方,引用発明の「保護部材」は接着材層を完全に覆うことで保護するものであり,保護の作用原理において異なりすなわち「保護部材」として異なるものであるから,引用発明に引用技術的事項2を採用する前提を欠いている。 また,引用文献1自体に「板状体の外周部にベース部材をプラズマから保護するためのガードリングを設置する」ことが記載されている(前記第4の1(1)エ【0049】)が,このガードリングと引用発明の「凹部内に配置された環状の保護部材」を一体化する動機付けがない。引用文献1において,ガードリングはその側面と板状体及びベース部材の側面との間に隙間が設けられ(前記第4の1(1)カ)着脱可能なものとして記載されているのに対し,「凹部内に配置された環状の保護部材」は焼きバメ方式にて固定することが好ましく(前記第4の1(1)エ【0059】),その外周が板状体の外周と同じかまたは内側に位置することでその腐食を抑制すること(同【0054】)が記載されているから,両者は取り付けやメインテナンスの点で扱いが異なるものであり,これらを一体化することが技術の具体化にあたっての設計変更とはいえない。さらに,仮に両者を一体化したとしても,下記相違点2を解消することは困難である(下記イを参照。)。 イ 相違点2について 引用発明において「板状体の下面と保護部材の上面との間の隙間」を無くして,保護部材の「内周面が前記凹部の側面を覆っている」という相違点2に係る構成とすると,「保護部材が膨張しても板状体を押し上げることがなく,基板を載せる載置面を変形することがない」という引用発明の目的が達成できなくなる(前記第4の1(1)ウ及び同エ【0050】)から,相違点2を解消することには阻害要因がある。 また,引用発明の「凹部内に配置された環状の保護部材」を「フォーカスリング」とするとして,板状体の外周部における高周波電界をシールドするために十分な厚さとする(すなわち,「凹部内に配置された環状の保護部材」を引用文献1に記載された「ガードリング」と同様の厚さとした上で両者を一体化する)必要があり,こうすることではじめて「その内周側が前記凹部に嵌合」という相違点2に係る構成となるが,「凹部内に配置された環状の保護部材」を厚くすれば保護部材の膨張はより大きくなるから,やはり引用発明の目的と抵触することになり,この点においても阻害要因がある。 ウ 効果について 本願発明1は,静電チャック装置を大型化させることなく,接着部へのプロセスガス等の侵入をより確実に防ぎ,接着部の浸食を抑制することが可能になる(本願明細書段落【0046】)という,格別の有利な効果を有する。 (3)まとめ したがって,本願発明1は,引用文献1ないし4に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではない。 2 本願発明2ないし5について 本願発明2ないし5は,本願発明1を引用するものであるから,前記1と同様の理由により,引用文献1ないし4に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではない。 第6 原査定について 前記第5のとおり,本願発明1ないし5は,引用文献1ないし4に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明することができたものではない。 よって,原査定の理由によって,本願を拒絶することはできない。 第7 結言 以上のとおり,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。 また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2018-08-06 |
出願番号 | 特願2013-48185(P2013-48185) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(H01L)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 儀同 孝信 |
特許庁審判長 |
加藤 浩一 |
特許庁審判官 |
深沢 正志 梶尾 誠哉 |
発明の名称 | 静電チャック装置 |
代理人 | 伊東 忠重 |
代理人 | 伊東 忠彦 |