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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  G06F
管理番号 1343014
異議申立番号 異議2017-700866  
総通号数 225 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-09-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-09-12 
確定日 2018-07-05 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6097214号発明「フォントサブセットの開始」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6097214号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-9、43-47〕、〔10-20、48〕、〔21-27、49〕、〔28-31、50〕、〔32-42、51〕について訂正することを認める。 特許第6097214号の請求項1ないし51に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
特許第6097214号の請求項1-51に係る特許についての出願は、平成23年4月27日(パリ条約による優先権主張 平成22年4月29日 アメリカ合衆国)を国際出願日として特許出願され、平成29年2月24日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許について、平成29年9月12日に特許異議申立人 藤井正剛により特許異議の申立てがされ、平成29年11月22日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成30年2月26日に意見書の提出及び訂正の請求があり、その訂正の請求に対して特許異議申立人 藤井正剛から平成30年5月7日付けで意見書が提出されたものである。

2.訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は、特許請求の範囲の範囲を以下のとおり「ア 訂正前の特許請求の範囲」から「イ 訂正後の特許請求の範囲」に訂正するものである。
ア 訂正前の特許請求の範囲
「【請求項1】
コンピュータ実行方法であって、
受信した電子文書のコンテンツを、該電子文書のコンテンツ内に含まれる1つ以上のフォントの各固有の文字を識別するために、要求されるエージェントにより自律的な方法で分析する過程と、
該電子文書のコンテンツ内に含まれる該1つ以上のフォントのサブセットの要求を開始する過程と、を具備しており、該要求がそれぞれの該1つ以上のフォントの該各識別された固有の文字を含む、該コンピュータ実行方法。
【請求項2】
該電子文書のコンテンツを分析する過程が該1つ以上のフォント内に含まれるフォントのソースを識別する過程を備える請求項1に記載のコンピュータ実行方法。
【請求項3】
該電子文書のコンテンツを分析する過程が該1つ以上のフォント内に含まれるフォントのソースの不在を識別する過程を備える請求項1に記載のコンピュータ実行方法。
【請求項4】
自律的な方法で受信電子文書のコンテンツを分析する過程がエージェントを実行する過程により開始される請求項1に記載のコンピュータ実行方法。
【請求項5】
該受信電子文書のコンテンツを分析する過程が該文書内に表現される該文字を識別するために該電子文書のコンテンツを構文解析する過程を備える請求項1に記載のコンピュータ実行方法。
【請求項6】
該受信電子文書のコンテンツを分析する過程が、該電子文書のコンテンツ内に含まれる該1つ以上のフォントの各々の各固有の文字を識別するために、該電子文書内で表現された該識別された文字をフィルターにかける過程を備える請求項5に記載のコンピュータ実行方法。
【請求項7】
該1つ以上のフォントのサブセットの要求を開始する過程が該識別された文字を該要求に付加する過程を備える請求項1に記載のコンピュータ実行方法。
【請求項8】
該要求への応答が該フォントの1つの全ての文字を有する請求項1に記載のコンピュータ実行方法。
【請求項9】
該電子文書のコンテンツを分析する過程がプラットフォームに依存しないで行われる請求項1に記載のコンピュータ実行方法。
【請求項10】
システムであって、
要求時に、コンピュータデバイスに該コンピュータデバイスにより受信された電子文書のコンテンツを分析するエージェントを提供するフォントサーバーであって、要求されるエージェントが該電子文書のコンテンツ内に含まれる1つ以上のフォントの各固有の文字を識別するものである、該フォントサーバーを具備しており、
該フォントサーバーは、該コンピュータデバイスからの要求時、各フォントサブセットがそれぞれの該フォントの各識別された固有の文字を含む1つ以上のフォント用のサブセットを作るように構成されており、そして
該フォントサーバーが、各該フォントサブセットを該コンピュータデバイスへ送信する過程を開始するよう更に構成される、該システム。
【請求項11】
該受信電子文書のコンテンツの分析により、該エージェントが該1つ以上のフォント内に含まれるフォントのソースを識別する請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
該受信電子文書のコンテンツの分析により、該エージェントが該1つ以上のフォント内に含まれるフォントのソースの不在を識別する請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
該コンピュータデバイスが該受信電子文書のコンテンツを分析するために該フォントサーバーから受信した該エージェントを実行する請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
該エージェントが該文書内に表現された該文字を識別するために該電子文書のコンテンツを構文解析する請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
該エージェントが、該電子文書のコンテンツ内に含まれた該1つ以上のフォントの各々用の各固有の文字を識別するために、該文書内に表現された該識別された文字をフィルターにかける請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
該エージェントが該フォントサーバーへの要求の作成を開始する請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
該エージェントが該コンピュータデバイスの種類に依存しないで動作するよう構成される請求項10に記載のシステム。
【請求項18】
該フォントサーバーが該フォントサブセット内に含めるべきフォント文字の部分を決定するよう構成される請求項10に記載のシステム。
【請求項19】
該フォントサブセット内に含める該フォント文字の部分が該フォントの全文字を含む請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
該フォントサーバーが該作成されたフォントサブセットを該受信電子文書に関連させる請求項10に記載のシステム。
【請求項21】
コンピュータデバイスであって、
インストラクションを記憶するよう構成されたメモリーと、
プロセッサであって、
受信電子文書のコンテンツを、該電子文書のコンテンツ内に含まれる1つ以上のフォントの各固有の文字を識別するために、要求されるエージェントにより自律的な方法で分析する過程及び該電子文書のコンテンツ内に含まれる該1つ以上のフォントのサブセットの要求を開始する過程であって、該要求がそれぞれの該1つ以上のフォントの各識別された固有の文字を含んでいる、該過程
を有する動作を行うために該インストラクションを実行するように構成された、該プロセッサ
を具備する該コンピュータデバイス。
【請求項22】
該電子文書のコンテンツを分析する過程が該1つ以上のフォント内に含まれるフォントのソースを識別する過程を有する請求項21に記載のコンピュータデバイス。
【請求項23】
該電子文書のコンテンツを分析する過程が該1つ以上のフォント内に含まれるフォントのソースの不在を識別する過程を有する請求項21に記載のコンピュータデバイス。
【請求項24】
受信電子文書のコンテンツを自律的な方法で分析する過程がエージェントを実行する過程により開始される請求項21に記載のコンピュータデバイス。
【請求項25】
該受信電子文書のコンテンツを分析する過程が、該文書内に表現された該文字を識別するために該電子文書のコンテンツを構文解析する過程を有する請求項21に記載のコンピュータデバイス。
【請求項26】
該受信電子文書のコンテンツを分析する過程が、該電子文書のコンテンツ内に含まれる該1つ以上のフォントの各々用の各固有の文字を識別するために、該電子文書内に表現された該識別された文字をフィルターにかける過程を有する請求項25に記載のコンピュータデバイス。
【請求項27】
該1つ以上のフォントのサブセットの要求を開始する過程が該識別された文字を該要求に付加する過程を有する請求項21に記載のコンピュータデバイス。
【請求項28】
インストラクションを記憶する1つ以上のコンピュータ読み出し可能な媒体であって、該インストラクションは処理デバイスにより実行可能であり、かつ該インストラクションはこの様な実行時、該処理デバイスに、
受信電子文書のコンテンツを、該電子文書のコンテンツ内に含まれる1つ以上のフォントの各固有の文字を識別するために、要求されるエージェントにより自律的な方法で分析する過程と、
該電子文書のコンテンツ内に含まれる該1つ以上のフォントのサブセットの要求を開始させる過程であって、該要求がそれぞれの該1つ以上のフォントの各該識別された固有の文字を含んでいる、該過程と、
を有する動作を行わせる、該インストラクションを記憶する該1つ以上のコンピュータ読み出し可能な媒体。
【請求項29】
該電子文書のコンテンツを分析する過程が、該1つ以上のフォント内に含まれるフォントのソースを識別する過程を有する請求項28に記載の1つ以上のコンピュータ読み出し可能な媒体。
【請求項30】
該電子文書のコンテンツを分析する過程が、該1つ以上のフォント内に含まれるフォントのソースの不在を識別する過程を有する請求項28に記載の1つ以上のコンピュータ読み出し可能な媒体。
【請求項31】
受信電子文書のコンテンツを自律的な方法で分析する過程が、エージェントを実行する過程により開始される請求項28に記載の1つ以上のコンピュータ読み出し可能な媒体。
【請求項32】
システムであって、
コンピュータデバイスからの要求時に、1つ以上のフォントのサブセットを作成するフォントサーバーを具備しており、各該フォントサブセットが、該コンピュータデバイス内に含まれる要求されるエージェントにより電子文書のコンテンツから識別されたそれぞれの該フォントの各固有の文字を有しており、そして
該フォントサーバーが各フォントサブセットを該コンピュータデバイスへ送る過程を開始するよう構成される、該システム。
【請求項33】
該フォントサーバーが該エージェントを該コンピュータデバイスへ供給するよう構成される請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
該エージェントが、該1つ以上のフォント内に含まれるフォントのソースを識別するために該電子文書のコンテンツを分析する請求項32に記載のシステム。
【請求項35】
該エージェントが、該1つ以上のフォント内に含まれるフォントのソースの不在を識別するために該受信電子文書のコンテンツを分析する請求項32に記載のシステム。
【請求項36】
該エージェントが該文書内で表現される該文字を識別するために該電子文書のコンテンツを構文解析する請求項32に記載のシステム。
【請求項37】
該エージェントが、該電子文書のコンテンツ内に含まれた該1つ以上のフォントの各々用の各固有の文字を識別するために、該電子文書内で表現され、該識別された文字をフィルターにかける請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
該エージェントが該フォントサーバーへの該要求の作成を開始する請求項32に記載のシステム。
【請求項39】
該エージェントが該コンピュータデバイスの種類に依存しないで動作するよう構成される請求項32に記載のシステム。
【請求項40】
該フォントサーバーが該フォントサブセット内に含まれるフォント文字の部分を決定するよう構成される請求項32に記載のシステム。
【請求項41】
該フォントサブセット内に含むべき該フォント文字の部分が該フォントの全文字を含む請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
該フォントサーバーが該作成されたフォントサブセットを該電子文書に関連させる請求項32に記載のシステム。
【請求項43】
少なくとも1つのフォントの文字の完全なセットとして前記サブセット及び追加の文字を受信する過程を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項44】
前記追加の文字が、しきい値に基づいて提供される請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記しきい値が、ファイルサイズしきい値を表す請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記しきい値が、少なくとも1つのフォントの完全な文字セットのサイズに基づく請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記しきい値が、達成可能なファイル転送速度、地理的位置、時間的要因の少なくとも1つに基づき調整可能である請求項44に記載の方法。
【請求項48】
前記フォントサーバーが各フォントサブセットを前記コンピュータデバイスに送信する過程を開始するよう構成される、又は、前記フォントサーバーが各フォントサブセット及び追加の文字をコンピュータデバイスに送信する過程を開始するよう構成されており、該追加の文字を含むことはしきい値に基礎を置くものである、請求項10に記載のシステム。
【請求項49】
前記プロセッサがさらに、
1つ以上のフォントのサブセットを受信する過程、又は、1つ以上のフォントのサブセット及び追加の文字を受信する過程であって、該追加の文字を含むことはしきい値に基礎を置くものである、該過程
を有する動作を行うためにインストラクションを実行するよう構成された、請求項21に記載されたコンピュータデバイス。
【請求項50】
実行時に処理デバイスに、
1つ以上のフォントのサブセットを受信する過程、又は、1つ以上のフォントのサブセット及び追加の文字を受信する過程であって、該追加の文字を含むことはしきい値に基礎を置くものである、該過程
を有する動作を更に行わせる、請求項28に記載の1つ以上のコンピュータ読み出し可能な媒体。
【請求項51】
前記フォントサーバーが各フォントサブセットを前記コンピュータデバイスに送信する過程を開始するよう構成される、又は、前記フォントサーバーが各フォントサブセット及び追加の文字をコンピュータデバイスに送信する過程を開始するよう構成されており、該追加の文字を含むことはしきい値に基礎を置くものである、請求項32に記載のシステム。」

イ 訂正後の特許請求の範囲
「【請求項1】
コンピュータ実行方法であって、
受信した電子文書のコンテンツを、該電子文書のコンテンツ内に含まれる1つ以上のフォントの各固有の文字を識別するために、要求されるエージェントにより自律的な方法で分析する過程であり、かつ、該電子文書のコンテンツの分析が該電子文書のコンテンツを構文解析して該文書中に表されている各固有の文字を識別し、さらに各固有の文字について各フォントを識別する、該過程と、
該電子文書のコンテンツ内に含まれる該1つ以上のフォントのサブセットの要求を開始する過程であり、かつ、該要求がそれぞれの該1つ以上のフォントの該各識別された固有の文字を含む、該過程とを具備している、該コンピュータ実行方法。
【請求項2】
該電子文書のコンテンツを分析する過程が該1つ以上のフォント内に含まれるフォントのソースを識別する過程を備える請求項1に記載のコンピュータ実行方法。
【請求項3】
該電子文書のコンテンツを分析する過程が該1つ以上のフォント内に含まれるフォントのソースの不在を識別する過程を備える請求項1に記載のコンピュータ実行方法。
【請求項4】
自律的な方法で受信電子文書のコンテンツを分析する過程がエージェントを実行する過程により開始される請求項1に記載のコンピュータ実行方法。
【請求項5】
該受信電子文書のコンテンツを分析する過程が該文書内に表現される該文字を識別するために該電子文書のコンテンツを構文解析する過程を備える請求項1に記載のコンピュータ実行方法。
【請求項6】
該受信電子文書のコンテンツを分析する過程が、該電子文書のコンテンツ内に含まれる該1つ以上のフォントの各々の各固有の文字を識別するために、該電子文書内で表現された該識別された文字をフィルターにかける過程を備える請求項5に記載のコンピュータ実行方法。
【請求項7】
該1つ以上のフォントのサブセットの要求を開始する過程が該識別された文字を該要求に付加する過程を備える請求項1に記載のコンピュータ実行方法。
【請求項8】
該要求への応答が該フォントの1つの全ての文字を有する請求項1に記載のコンピュータ実行方法。
【請求項9】
該電子文書のコンテンツを分析する過程がプラットフォームに依存しないで行われる請求項1に記載のコンピュータ実行方法。
【請求項10】
システムであって、
要求時に、コンピュータデバイスに該コンピュータデバイスにより受信された電子文書のコンテンツを分析するエージェントを提供するフォントサーバーであって、要求されるエージェントが該電子文書のコンテンツ内に含まれる1つ以上のフォントの各固有の文字を識別するものであり、かつ、該要求されるエージェントによる分析が該電子文書のコンテンツを構文解析して該文書中に表されている各固有の文字を識別し、さらに各固有の文字について各フォントを識別する、該フォントサーバーを具備しており、
該フォントサーバーは、該コンピュータデバイスからの要求時、各フォントサブセットがそれぞれの該フォントの各識別された固有の文字を含む1つ以上のフォント用のサブセットを作るように構成されており、そして
該フォントサーバーが、各該フォントサブセットを該コンピュータデバイスへ送信する過程を開始するよう更に構成される、該システム。
【請求項11】
該受信電子文書のコンテンツの分析により、該エージェントが該1つ以上のフォント内に含まれるフォントのソースを識別する請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
該受信電子文書のコンテンツの分析により、該エージェントが該1つ以上のフォント内に含まれるフォントのソースの不在を識別する請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
該コンピュータデバイスが該受信電子文書のコンテンツを分析するために該フォントサーバーから受信した該エージェントを実行する請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
該エージェントが該文書内に表現された該文字を識別するために該電子文書のコンテンツを構文解析する請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
該エージェントが、該電子文書のコンテンツ内に含まれた該1つ以上のフォントの各々用の各固有の文字を識別するために、該文書内に表現された該識別された文字をフィルターにかける請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
該エージェントが該フォントサーバーへの要求の作成を開始する請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
該エージェントが該コンピュータデバイスの種類に依存しないで動作するよう構成される請求項10に記載のシステム。
【請求項18】
該フォントサーバーが該フォントサブセット内に含めるべきフォント文字の部分を決定するよう構成される請求項10に記載のシステム。
【請求項19】
該フォントサブセット内に含める該フォント文字の部分が該フォントの全文字を含む請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
該フォントサーバーが該作成されたフォントサブセットを該受信電子文書に関連させる請求項10に記載のシステム。
【請求項21】
コンピュータデバイスであって、
インストラクションを記憶するよう構成されたメモリーと、
プロセッサであって、
受信電子文書のコンテンツを、該電子文書のコンテンツ内に含まれる1つ以上のフォントの各固有の文字を識別するために、要求されるエージェントにより自律的な方法で分析する過程であり、かつ、該受信電子文書のコンテンツの分析が該受信電子文書のコンテンツを構文解析して該文書中に表されている各固有の文字を識別し、さらに各固有の文字について各フォントを識別する、該過程及び該電子文書のコンテンツ内に含まれる該1つ以上のフォントのサブセットの要求を開始する過程であり、かつ、該要求がそれぞれの該1つ以上のフォントの各識別された固有の文字を含んでいる、該過程
を有する動作を行うために該インストラクションを実行するように構成された、該プロセッサと具備する該コンピュータデバイス。
【請求項22】
該電子文書のコンテンツを分析する過程が該1つ以上のフォント内に含まれるフォントのソースを識別する過程を有する請求項21に記載のコンピュータデバイス。
【請求項23】
該電子文書のコンテンツを分析する過程が該1つ以上のフォント内に含まれるフォントのソースの不在を識別する過程を有する請求項21に記載のコンピュータデバイス。
【請求項24】
受信電子文書のコンテンツを自律的な方法で分析する過程がエージェントを実行する過程により開始される請求項21に記載のコンピュータデバイス。
【請求項25】
該受信電子文書のコンテンツを分析する過程が、該文書内に表現された該文字を識別するために該電子文書のコンテンツを構文解析する過程を有する請求項21に記載のコンピュータデバイス。
【請求項26】
該受信電子文書のコンテンツを分析する過程が、該電子文書のコンテンツ内に含まれる該1つ以上のフォントの各々用の各固有の文字を識別するために、該電子文書内に表現された該識別された文字をフィルターにかける過程を有する請求項25に記載のコンピュータデバイス。
【請求項27】
該1つ以上のフォントのサブセットの要求を開始する過程が該識別された文字を該要求に付加する過程を有する請求項21に記載のコンピュータデバイス。
【請求項28】
インストラクションを記憶する1つ以上のコンピュータ読み出し可能な媒体であって、該インストラクションは処理デバイスにより実行可能であり、かつ該インストラクションはこの様な実行時、該処理デバイスに、
受信電子文書のコンテンツを、該電子文書のコンテンツ内に含まれる1つ以上のフォントの各固有の文字を識別するために、要求されるエージェントにより自律的な方法で分析する過程であり、かつ、該受信電子文書のコンテンツの分析が該受信電子文書のコンテンツを構文解析して該文書中に表されている各固有の文字を識別し、さらに各固有の文字について各フォントを識別する、該過程と、
該電子文書のコンテンツ内に含まれる該1つ以上のフォントのサブセットの要求を開始させる過程であり、かつ、該要求がそれぞれの該1つ以上のフォントの各該識別された固有の文字を含んでいる、該過程
を有する動作を行わせる、該インストラクションを記憶する該1つ以上のコンピュータ読み出し可能な媒体。
【請求項29】
該電子文書のコンテンツを分析する過程が、該1つ以上のフォント内に含まれるフォントのソースを識別する過程を有する請求項28に記載の1つ以上のコンピュータ読み出し可能な媒体。
【請求項30】
該電子文書のコンテンツを分析する過程が、該1つ以上のフォント内に含まれるフォントのソースの不在を識別する過程を有する請求項28に記載の1つ以上のコンピュータ読み出し可能な媒体。
【請求項31】
受信電子文書のコンテンツを自律的な方法で分析する過程が、エージェントを実行する過程により開始される請求項28に記載の1つ以上のコンピュータ読み出し可能な媒体。
【請求項32】
システムであって、
コンピュータデバイスからの要求時に、1つ以上のフォントのサブセットを作成するフォントサーバーであり、かつ、各該フォントサブセットが、該コンピュータデバイス内に含まれる要求されるエージェントにより電子文書のコンテンツから識別されたそれぞれの該フォントの各固有の文字を有しており、くわえて、要求されるエージェントが該電子文書のコンテンツを構文解析することにより該電子文書のコンテンツを分析して該文書中に表されている各固有の文字を識別し、さらに各固有の文字について各フォントを識別する、該フォントサーバーを具備しており、そして
該フォントサーバーが各フォントサブセットを該コンピュータデバイスへ送る過程を開始するよう構成される、該システム。
【請求項33】
該フォントサーバーが該エージェントを該コンピュータデバイスへ供給するよう構成される請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
該エージェントが、該1つ以上のフォント内に含まれるフォントのソースを識別するために該電子文書のコンテンツを分析する請求項32に記載のシステム。
【請求項35】
該エージェントが、該1つ以上のフォント内に含まれるフォントのソースの不在を識別するために該受信電子文書のコンテンツを分析する請求項32に記載のシステム。
【請求項36】
該エージェントが該文書内で表現される該文字を識別するために該電子文書のコンテンツを構文解析する請求項32に記載のシステム。
【請求項37】
該エージェントが、該電子文書のコンテンツ内に含まれた該1つ以上のフォントの各々用の各固有の文字を識別するために、該電子文書内で表現され、該識別された文字をフィルターにかける請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
該エージェントが該フォントサーバーへの該要求の作成を開始する請求項32に記載のシステム。
【請求項39】
該エージェントが該コンピュータデバイスの種類に依存しないで動作するよう構成される請求項32に記載のシステム。
【請求項40】
該フォントサーバーが該フォントサブセット内に含まれるフォント文字の部分を決定するよう構成される請求項32に記載のシステム。
【請求項41】
該フォントサブセット内に含むべき該フォント文字の部分が該フォントの全文字を含む請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
該フォントサーバーが該作成されたフォントサブセットを該電子文書に関連させる請求項32に記載のシステム。
【請求項43】
少なくとも1つのフォントの文字の完全なセットとして前記サブセット及び追加の文字を受信する過程を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項44】
前記追加の文字が、しきい値に基づいて提供される請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記しきい値が、ファイルサイズしきい値を表す請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記しきい値が、少なくとも1つのフォントの完全な文字セットのサイズに基づく請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記しきい値が、達成可能なファイル転送速度、地理的位置、時間的要因の少なくとも1つに基づき調整可能である請求項44に記載の方法。
【請求項48】
前記フォントサーバーが各フォントサブセットを前記コンピュータデバイスに送信する過程を開始するよう構成される、又は、前記フォントサーバーが各フォントサブセット及び追加の文字をコンピュータデバイスに送信する過程を開始するよう構成されており、該追加の文字を含むことはしきい値に基礎を置くものである、請求項10に記載のシステム。
【請求項49】
前記プロセッサがさらに、
1つ以上のフォントのサブセットを受信する過程、又は、1つ以上のフォントのサブセット及び追加の文字を受信する過程であって、該追加の文字を含むことはしきい値に基礎を置くものである、該過程
を有する動作を行うためにインストラクションを実行するよう構成された、請求項21に記載されたコンピュータデバイス。
【請求項50】
実行時に処理デバイスに、
1つ以上のフォントのサブセットを受信する過程、又は、1つ以上のフォントのサブセット及び追加の文字を受信する過程であって、該追加の文字を含むことはしきい値に基礎を置くものである、該過程
を有する動作を更に行わせる、請求項28に記載の1つ以上のコンピュータ読み出し可能な媒体。
【請求項51】
前記フォントサーバーが各フォントサブセットを前記コンピュータデバイスに送信する過程を開始するよう構成される、又は、前記フォントサーバーが各フォントサブセット及び追加の文字をコンピュータデバイスに送信する過程を開始するよう構成されており、該追加の文字を含むことはしきい値に基礎を置くものである、請求項32に記載のシステム。」

(2)訂正の目的の適否、一群の請求項、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
上記訂正は、明細書の【0030】に記載された事項に基づいて、要求されるエージェントによる分析をより具体的にして限定し、そのことに伴い記載を明瞭にするものであるから、特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
そして、これら訂正は一群の請求項に対して請求されたものである。

(3)小括
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は特許法第120条の5第2項第1号、第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び、同条第9項において準用する同法第126条第5項、第6項までの規定に適合するので、訂正後の請求項〔1-9、43-47〕、〔10-20、48〕、〔21-27、49〕、〔28-31、50〕、〔32-42、51〕について訂正を認める。

3.特許異議の申立てについて
(1)本件発明
本件訂正請求により訂正された請求項1-51に係る発明(以下、「本件発明1」、「本件発明2」などという。)は、上記「2.(1)イ 訂正後の特許請求の範囲」に記載した事項により特定されるとおりのものである。

(2)取消理由の概要
訂正前の請求項1-51に係る特許に対して、特許異議申立理由に基づいて、平成29年11月22日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。

請求項1-51に係る発明は、下記の甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証乃至甲第5号証に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、請求項1-51に係る特許は、特許法第29条の規定に違反してされたものである。


甲第1号証:特開2008-123394号公報(特許異議申立書の甲第1号証に対応する公開公報)
甲第2号証:特開平10-124030号公報
甲第3号証:特開2005-215915号公報
甲第4号証:特表2009-545064号公報
甲第5号証:特開2003-288184号公報

(3)甲号証の記載
ア 甲第1号証
甲第1号証(特開2008-123394号公報(特許異議申立書の甲第1号証に対応する公開公報))には、図面とともに、次の技術事項が記載されている。(下線は当審で付与したものである。)

「【0128】
本発明の別の実施形態にあっては、クライアント16で文字入力を行わず、クライアント16でサーバ10のウェブページ44を開いた際に、データベース54から読み出したJFEデータをデータ処理部50によりユニコード化し、HTML形式でクライアント16に送り、サーバ10から文字画像を取得した文字コードを属性にもつ画像エレメントとテキスト形式のクライアントフォントを使用するテキストエレメントを交ぜ合せた表示データを生成してクライアント16で表示することを特徴とする。
【0129】
この実施形態にあっては、サーバ10については、ウェブアプリケーション20のフォント画像生成エンジン20とフォントファイル32を使用し、一方、図6のように、クライアントにダウンロードしたクライアント実行モジュール88の機能としては、その中の字形表示処理部36と機能結び付け処理部38を使用して字形表示方法定義ファイル48を参照すればよい。
【0130】
即ち、サーバ10のフォント画像生成エンジン(文字画像変換部)30がクライアント16からユニコードの文字画像要求信号を受信した際に、受信したユニコードの文字画像もしくは文字画像を生成するために必要な情報をクライアント16に送って文字画像を表示させる。
【0131】
一方、サーバ10はクライアント16からウェブページ取得要求を受けた際に、ウェブページと共に字形表示方法定義ファイル48とクライアント実行モジュール88をダウンロードし、その中の字形表示処理部36がHTM(当審注:「HTML」の誤記と認める。)ドキュメントの文字列を表示する際に、機能結び付け処理部38の結びつけにより字形表示方法定義ファイル48を参照し、各文字がサーバ画像表示かクライアントフォント表示かを判別する。
【0132】
そして、サーバ画像表示の場合にサーバに文字画像要求信号を送信して取得し、テキストと交ぜた表示データ、即ちテキスト形式のテキストエレメントと文字コードを属性としてもつ画像エレメントを交ぜ合わせた表示データ(エレメントシーケンス)を生成して表示させる。」

以上の記載(特に、下線部の記載)によれば、甲第1号証には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

[引用発明]
「クライアント16で文字入力を行わず、クライアント16でサーバ10のウェブページ44を開いた際に、表示データを生成してクライアント16で表示する方法であって、
クライアント16がサーバ10にウェブページ取得要求をした際に、サーバ10からウェブページと共に字形表示方法定義ファイル48とクライアント実行モジュール88をダウンロードし、その中の字形表示処理部36がHTMLドキュメントの文字列を表示する際に、機能結び付け処理部38の結びつけにより字形表示方法定義ファイル48を参照し、各文字がサーバ画像表示かクライアントフォント表示かを判別し、そして、サーバ画像表示の場合にサーバに文字画像要求信号を送信して取得し、テキストと交ぜた表示データ、即ちテキスト形式のテキストエレメントと文字コードを属性としてもつ画像エレメントを交ぜ合わせた表示データ(エレメントシーケンス)を生成して表示させる、クライアント16でウェブページを表示する方法。」

イ 甲第2号証
甲第2号証(特開平10-124030号公報)には、図面とともに、次の技術事項が記載されている。
「【0090】図11、12は、図10のステップS34で呼出された文字種洗出し機構51と、それから呼出される外字洗出し機構54の処理のフローチャートである。図11において処理が開始されると、文字種洗出し機構51は、まず呼出し元である文字資源取出し機構アプレット46からHTML文書名を引き継ぎ、それに対応するHTML文書(文書メディア43)を読み込む(ステップS41)。
【0091】次に、サーバ41のメモリ内の作業領域に設定される外字文字コード累積テーブル81と使用文字コード累積テーブル82の内容をクリアし(ステップS42)、さらに、文字取り出し用カウンタをゼロクリアする(ステップS43)。
【0092】そして、HTML文書から処理対象の文字を1つ取り出し(ステップS44)、それが外字かどうかを判定する(ステップS45)。通常、外字の文字コード(外字コード)は他の文字の文字コードと異なる範囲の値を用いているので、文字コードを読み取れば、外字かどうかが分かる。
【0093】取り出した文字が外字であれば、同じサーバ41内の外字洗出し機構54を呼出す(ステップS46)。それが外字でなければ、次に、そのフォントが、文字資源取出し機構アプレット46から通知された、クライアント61内に存在するフォントの種類に対応するかどうかを判定する(ステップS47)。そして、そのフォントがクライアント61内に存在する場合は、ステップS52以降の処理を行う。
【0094】そのフォントがクライアント61内に存在しない場合は、次に、取り出した文字が使用文字コード累積テーブル82に登録済みかどうかを調べる(ステップS48)。そして、それが登録済みであれば、ステップS52以降の処理を行う。また、それが登録されていなければ、その文字コードを、使用文字コード累積テーブル82内の対応する書体の新たなエントリとして登録する(ステップS49)。
【0095】次に、文字取り出し用カウンタの値を1つインクリメントし(ステップS52)、処理対象の文字列が終了したかどうかを判定する(ステップS53)。文字列が終了していなければ、ステップS44以降の処理を繰り返す。こうして、使用文字コード累積テーブル82には、各書体ごとに、互いに異なる文字コードだけが累積されていく。
【0096】一方、ステップS46で呼出された外字洗出し機構54は、まず処理対象の文字が外字文字コード累積テーブル81に登録済みかどうかを調べ(ステップS50)、それが登録済みであれば処理を終了する。また、それが登録されていなければ、その外字コードを、外字文字コード累積テーブル81内の対応する書体の新たなエントリとして登録し(ステップS51)、処理を終了する。
【0097】そして、外字洗出し機構54が処理を終了すると、文字種洗出し機構51はステップS52以降の処理を行う。こうして、外字文字コード累積テーブル81にも、各書体ごとに、互いに異なる文字コードだけが累積されていく。
【0098】次に、文字種洗出し機構51は、サーバ41内の各種書体フォントの管理ファイル50から、使用文字コード累積テーブル82に登録された文字に対応するフォントを抽出し、各種書体フォントの抽出ファイル52を生成する(図12、ステップS54)。
【0099】また、外字フォントの管理ファイル53から、外字文字コード累積テーブル81に登録された外字に対応するフォントを抽出し、外字フォントの抽出ファイル55を生成して(ステップS55)、処理を終了する。
【0100】こうして、フォントの管理ファイル50、53から、文書メディア43の表示に必要なフォントのみが選択されて、抽出ファイル52、55に格納される。これらの抽出ファイル52および55は、クライアント61にダウンロードされて、各種書体フォントの管理ファイル52′および外字フォントの管理ファイル55′となる。」

(4)対比・判断
ア 本件発明1について
本件発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。

引用発明は、「クライアント16でサーバ10のウェブページ44を開いた際に、表示データを生成してクライアント16で表示する方法」であるから、コンピュータで実行する方法であるのは明らかであり、両者は、「コンピュータ実行方法」である点で一致する。

引用発明は、「クライアント16がサーバ10にウェブページ取得要求をした際に、サーバ10からウェブページと共に字形表示方法定義ファイル48とクライアント実行モジュール88をダウンロードし、その中の字形表示処理部36がHTMLドキュメントの文字列を表示する際に、機能結び付け処理部38の結びつけにより字形表示方法定義ファイル48を参照し、各文字がサーバ画像表示かクライアントフォント表示かを判別」するものである。 換言すれば、引用発明は、ダウンロードしたウェブページのHTMLドキュメントの文字列を、クライアント実行モジュール88が字形表示方法定義ファイル48を用いて、各文字がサーバ画像表示かクライアントフォント表示かを判別するものであり、引用発明の「ダウンロードしたウェブページ」、「ウェブページのHTMLドキュメントの文字列」、「クライアント実行モジュール88」は、本件発明1の「受信した電子文書のコンテンツ」、「該電子文書のコンテンツ内に含まれる1つのフォントの各固有の文字」、「要求されるエージェント」に相当するから、両者は、「受信した電子文書のコンテンツを、該電子文書のコンテンツ内に含まれる1つのフォントの各固有の文字を識別するために、要求されるエージェントにより自律的な方法で分析する過程」を具備しているといえる点で共通している。

引用発明は、「サーバ画像表示の場合にサーバに文字画像要求信号を送信」するものであり、この「文字画像」は、本件発明1の「該電子文書のコンテンツ内に含まれる該1つのフォントのサブセット」に相当し、引用発明の「文字画像要求信号」が判別された文字を含む(本件発明1でいう「該要求がそれぞれの該1つのフォントの該各識別された固有の文字を含む」)のは明らかである。
したがって、両者は、「該電子文書のコンテンツ内に含まれる該1つのフォントのサブセットの要求を開始する過程であり、かつ、該要求がそれぞれの該1つのフォントの該各識別された固有の文字を含む、該過程」を具備しているといえる点で共通している。

そうすると、本件発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

[一致点]
コンピュータ実行方法であって、
受信した電子文書のコンテンツを、該電子文書のコンテンツ内に含まれる1つのフォントの各固有の文字を識別するために、要求されるエージェントにより自律的な方法で分析する過程と、
該電子文書のコンテンツ内に含まれる該1つのフォントのサブセットの要求を開始する過程であり、かつ、該要求がそれぞれの該1つのフォントの該各識別された固有の文字を含む、該過程とを具備している、該コンピュータ実行方法。

[相違点]
相違点1
一致点である「受信した電子文書のコンテンツを、該電子文書のコンテンツ内に含まれる1つのフォントの各固有の文字を識別するために、要求されるエージェントにより自律的な方法で分析する過程」が、本件発明1では、「該電子文書のコンテンツの分析が該電子文書のコンテンツを構文解析して該文書中に表されている各固有の文字を識別し、さらに各固有の文字について各フォントを識別する」のに対し、引用発明では、そのような特定はされていない点。

相違点2
「フォントの各固有の文字を識別する」とき、及び「フォントのサブセットの要求を開始する」ときの「フォント」が、本件発明1では、「1つ以上のフォント」であるのに対し、引用発明では、1つのフォントである点。

相違点1について検討する。
上記甲第2号証には、WWWサーバ41が有する文字種洗出し機構51の処理として、HTML文書から処理対象の文字を1つ取り出し、それが外字かどうか、クライアント61内に存在するフォントの種類に対応するかどうかを判定し、そうでなければ、その文字コードを、使用文字コード累積テーブル82内の対応する書体の新たなエントリとして登録する処理を上記HTML文書の文字に対して繰り返して、クライアントでの表示に必要なフォントのみを選択して、クライアント61にダウンロードする処理が記載されている。
甲第2号証に記載の該処理は、上記相違点1に係る本件発明1の特定事項と、処理動作自体は部分的に共通している。しかしながら、甲第2号証に記載の該処理は、WWWサーバ41が有する文字種洗出し機構51の処理であって、WWWサーバ41がクライアントでの表示に必要なフォントのみを選択して、クライアント61にダウンロードするためのものであり、例えばクライアント61内に存在するフォントが予めクライアント61から通知されていることを必要とするなどWWWサーバ41に特有の処理である。
一方、上記引用発明は、クライアントでサーバのウェブページを開いた際に、表示データを生成してクライアントで表示する方法、すなわち、クライアントでの処理方法であるから、引用発明において、甲第2号証に記載のサーバの処理を組み合わせたとしても、引用発明のクライアントの処理と甲第2号証のサーバの処理が併存する構成となるのみで、上記相違点1に係る本件発明1の特定事項である「受信した電子文書のコンテンツ・・・の分析が該電子文書のコンテンツを構文解析して該文書中に表されている各固有の文字を識別し、さらに各固有の文字について各フォントを識別する」こととはならないし、引用発明のクライアントで甲第2号証のサーバでの処理を行う理由もない。
また、甲第3-5号証は、本件発明1に対する異議申立理由の証拠として提出されたものではなく、甲第3-5号証には、上記相違点1に係る本件発明1の特定事項について何ら記載されていない。
したがって、上記相違点2について検討するまでもなく、本件発明1は、引用発明及び甲第2-5号証に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。

イ 本件発明2-51について
本件発明10、21、28、32は、方法の発明である本件発明1と同様の内容を発明のカテゴリーを変えて、システム、コンピュータデバイス、コンピュータ読み出し可能な媒体、システムとして捉えたものであり、また、本件発明2-9、22-27、29-31、33-51の請求項の記載は、本件発明10、21、28、32の請求項の記載を引用して記載したものであるから、本件発明2-51は、本件発明1の上記相違点1に係る特定事項と同様の特定事項を有するものである。
したがって、上記アと同様の理由により、本件発明2-51は、引用発明及び甲第2-5号証に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。

4.むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由乃至特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1-51に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1-51に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ実行方法であって、
受信した電子文書のコンテンツを、該電子文書のコンテンツ内に含まれる1つ以上のフォントの各固有の文字を識別するために、要求されるエージェントにより自律的な方法で分析する過程であり、かつ、該電子文書のコンテンツの分析が該電子文書のコンテンツを構文解析して該文書中に表されている各固有の文字を識別し、さらに各固有の文字について各フォントを識別する、該過程と、
該電子文書のコンテンツ内に含まれる該1つ以上のフォントのサブセットの要求を開始する過程であり、かつ、該要求がそれぞれの該1つ以上のフォントの該各識別された固有の文字を含む、該過程とを具備している、該コンピュータ実行方法。
【請求項2】
該電子文書のコンテンツを分析する過程が該1つ以上のフォント内に含まれるフォントのソースを識別する過程を備える請求項1に記載のコンピュータ実行方法。
【請求項3】
該電子文書のコンテンツを分析する過程が該1つ以上のフォント内に含まれるフォントのソースの不在を識別する過程を備える請求項1に記載のコンピュータ実行方法。
【請求項4】
自律的な方法で受信電子文書のコンテンツを分析する過程がエージェントを実行する過程により開始される請求項1に記載のコンピュータ実行方法。
【請求項5】
該受信電子文書のコンテンツを分析する過程が該文書内に表現される該文字を識別するために該電子文書のコンテンツを構文解析する過程を備える請求項1に記載のコンピュータ実行方法。
【請求項6】
該受信電子文書のコンテンツを分析する過程が、該電子文書のコンテンツ内に含まれる該1つ以上のフォントの各々の各固有の文字を識別するために、該電子文書内で表現された該識別された文字をフィルターにかける過程を備える請求項5に記載のコンピュータ実行方法。
【請求項7】
該1つ以上のフォントのサブセットの要求を開始する過程が該識別された文字を該要求に付加する過程を備える請求項1に記載のコンピュータ実行方法。
【請求項8】
該要求への応答が該フォントの1つの全ての文字を有する請求項1に記載のコンピュータ実行方法。
【請求項9】
該電子文書のコンテンツを分析する過程がプラットフォームに依存しないで行われる請求項1に記載のコンピュータ実行方法。
【請求項10】
システムであって、
要求時に、コンピュータデバイスに該コンピュータデバイスにより受信された電子文書のコンテンツを分析するエージェントを提供するフォントサーバーであって、要求されるエージェントが該電子文書のコンテンツ内に含まれる1つ以上のフォントの各固有の文字を識別するものであり、かつ、該要求されるエージェントによる分析が該電子文書のコンテンツを構文解析して該文書中に表されている各固有の文字を識別し、さらに各固有の文字について各フォントを識別する、該フォントサーバーを具備しており、
該フォントサーバーは、該コンピュータデバイスからの要求時、各フォントサブセットがそれぞれの該フォントの各識別された固有の文字を含む1つ以上のフォント用のサブセットを作るように構成されており、そして
該フォントサーバーが、各該フォントサブセットを該コンピュータデバイスへ送信する過程を開始するよう更に構成される、該システム。
【請求項11】
該受信電子文書のコンテンツの分析により、該エージェントが該1つ以上のフォント内に含まれるフォントのソースを識別する請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
該受信電子文書のコンテンツの分析により、該エージェントが該1つ以上のフォント内に含まれるフォントのソースの不在を識別する請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
該コンピュータデバイスが該受信電子文書のコンテンツを分析するために該フォントサーバーから受信した該エージェントを実行する請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
該エージェントが該文書内に表現された該文字を識別するために該電子文書のコンテンツを構文解析する請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
該エージェントが、該電子文書のコンテンツ内に含まれた該1つ以上のフォントの各々用の各固有の文字を識別するために、該文書内に表現された該識別された文字をフィルターにかける請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
該エージェントが該フォントサーバーへの要求の作成を開始する請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
該エージェントが該コンピュータデバイスの種類に依存しないで動作するよう構成される請求項10に記載のシステム。
【請求項18】
該フォントサーバーが該フォントサブセット内に含めるべきフォント文字の部分を決定するよう構成される請求項10に記載のシステム。
【請求項19】
該フォントサブセット内に含める該フォント文字の部分が該フォントの全文字を含む請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
該フォントサーバーが該作成されたフォントサブセットを該受信電子文書に関連させる請求項10に記載のシステム。
【請求項21】
コンピュータデバイスであって、
インストラクションを記憶するよう構成されたメモリーと、
プロセッサであって、
受信電子文書のコンテンツを、該電子文書のコンテンツ内に含まれる1つ以上のフォントの各固有の文字を識別するために、要求されるエージェントにより自律的な方法で分析する過程であり、かつ、該受信電子文書のコンテンツの分析が該受信電子文書のコンテンツを構文解析して該文書中に表されている各固有の文字を識別し、さらに各固有の文字について各フォントを識別する、該過程及び該電子文書のコンテンツ内に含まれる該1つ以上のフォントのサブセットの要求を開始する過程であり、かつ、該要求がそれぞれの該1つ以上のフォントの各識別された固有の文字を含んでいる、該過程
を有する動作を行うために該インストラクションを実行するように構成された、該プロセッサと具備する該コンピュータデバイス。
【請求項22】
該電子文書のコンテンツを分析する過程が該1つ以上のフォント内に含まれるフォントのソースを識別する過程を有する請求項21に記載のコンピュータデバイス。
【請求項23】
該電子文書のコンテンツを分析する過程が該1つ以上のフォント内に含まれるフォントのソースの不在を識別する過程を有する請求項21に記載のコンピュータデバイス。
【請求項24】
受信電子文書のコンテンツを自律的な方法で分析する過程がエージェントを実行する過程により開始される請求項21に記載のコンピュータデバイス。
【請求項25】
該受信電子文書のコンテンツを分析する過程が、該文書内に表現された該文字を識別するために該電子文書のコンテンツを構文解析する過程を有する請求項21に記載のコンピュータデバイス。
【請求項26】
該受信電子文書のコンテンツを分析する過程が、該電子文書のコンテンツ内に含まれる該1つ以上のフォントの各々用の各固有の文字を識別するために、該電子文書内に表現された該識別された文字をフィルターにかける過程を有する請求項25に記載のコンピュータデバイス。
【請求項27】
該1つ以上のフォントのサブセットの要求を開始する過程が該識別された文字を該要求に付加する過程を有する請求項21に記載のコンピュータデバイス。
【請求項28】
インストラクションを記憶する1つ以上のコンピュータ読み出し可能な媒体であって、該インストラクションは処理デバイスにより実行可能であり、かつ該インストラクションはこの様な実行時、該処理デバイスに、
受信電子文書のコンテンツを、該電子文書のコンテンツ内に含まれる1つ以上のフォントの各固有の文字を識別するために、要求されるエージェントにより自律的な方法で分析する過程であり、かつ、該受信電子文書のコンテンツの分析が該受信電子文書のコンテンツを構文解析して該文書中に表されている各固有の文字を識別し、さらに各固有の文字について各フォントを識別する、該過程と、
該電子文書のコンテンツ内に含まれる該1つ以上のフォントのサブセットの要求を開始させる過程であり、かつ、該要求がそれぞれの該1つ以上のフォントの各該識別された固有の文字を含んでいる、該過程
を有する動作を行わせる、該インストラクションを記憶する該1つ以上のコンピュータ読み出し可能な媒体。
【請求項29】
該電子文書のコンテンツを分析する過程が、該1つ以上のフォント内に含まれるフォントのソースを識別する過程を有する請求項28に記載の1つ以上のコンピュータ読み出し可能な媒体。
【請求項30】
該電子文書のコンテンツを分析する過程が、該1つ以上のフォント内に含まれるフォントのソースの不在を識別する過程を有する請求項28に記載の1つ以上のコンピュータ読み出し可能な媒体。
【請求項31】
受信電子文書のコンテンツを自律的な方法で分析する過程が、エージェントを実行する過程により開始される請求項28に記載の1つ以上のコンピュータ読み出し可能な媒体。
【請求項32】
システムであって、
コンピュータデバイスからの要求時に、1つ以上のフォントのサブセットを作成するフォントサーバーであり、かつ、各該フォントサブセットが、該コンピュータデバイス内に含まれる要求されるエージェントにより電子文書のコンテンツから識別されたそれぞれの該フォントの各固有の文字を有しており、くわえて、要求されるエージェントが該電子文書のコンテンツを構文解析することにより該電子文書のコンテンツを分析して該文書中に表されている各固有の文字を識別し、さらに各固有の文字について各フォントを識別する、該フォントサーバーを具備しており、そして
該フォントサーバーが各フォントサブセットを該コンピュータデバイスへ送る過程を開始するよう構成される、該システム。
【請求項33】
該フォントサーバーが該エージェントを該コンピュータデバイスへ供給するよう構成される請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
該エージェントが、該1つ以上のフォント内に含まれるフォントのソースを識別するために該電子文書のコンテンツを分析する請求項32に記載のシステム。
【請求項35】
該エージェントが、該1つ以上のフォント内に含まれるフォントのソースの不在を識別するために該受信電子文書のコンテンツを分析する請求項32に記載のシステム。
【請求項36】
該エージェントが該文書内で表現される該文字を識別するために該電子文書のコンテンツを構文解析する請求項32に記載のシステム。
【請求項37】
該エージェントが、該電子文書のコンテンツ内に含まれた該1つ以上のフォントの各々用の各固有の文字を識別するために、該電子文書内で表現され、該識別された文字をフィルターにかける請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
該エージェントが該フォントサーバーへの該要求の作成を開始する請求項32に記載のシステム。
【請求項39】
該エージェントが該コンピュータデバイスの種類に依存しないで動作するよう構成される請求項32に記載のシステム。
【請求項40】
該フォントサーバーが該フォントサブセット内に含まれるフォント文字の部分を決定するよう構成される請求項32に記載のシステム。
【請求項41】
該フォントサブセット内に含むべき該フォント文字の部分が該フォントの全文字を含む請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
該フォントサーバーが該作成されたフォントサブセットを該電子文書に関連させる請求項32に記載のシステム。
【請求項43】
少なくとも1つのフォントの文字の完全なセットとして前記サブセット及び追加の文字を受信する過程を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項44】
前記追加の文字が、しきい値に基づいて提供される請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記しきい値が、ファイルサイズしきい値を表す請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記しきい値が、少なくとも1つのフォントの完全な文字セットのサイズに基づく請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記しきい値が、達成可能なファイル転送速度、地理的位置、時間的要因の少なくとも1つに基づき調整可能である請求項44に記載の方法。
【請求項48】
前記フォントサーバーが各フォントサブセットを前記コンピュータデバイスに送信する過程を開始するよう構成される、又は、前記フォントサーバーが各フォントサブセット及び追加の文字をコンピュータデバイスに送信する過程を開始するよう構成されており、該追加の文字を含むことはしきい値に基礎を置くものである、請求項10に記載のシステム。
【請求項49】
前記プロセッサがさらに、
1つ以上のフォントのサブセットを受信する過程、又は、1つ以上のフォントのサブセット及び追加の文字を受信する過程であって、該追加の文字を含むことはしきい値に基礎を置くものである、該過程
を有する動作を行うためにインストラクションを実行するよう構成された、請求項21に記載されたコンピュータデバイス。
【請求項50】
実行時に処理デバイスに、
1つ以上のフォントのサブセットを受信する過程、又は、1つ以上のフォントのサブセット及び追加の文字を受信する過程であって、該追加の文字を含むことはしきい値に基礎を置くものである、該過程
を有する動作を更に行わせる、請求項28に記載の1つ以上のコンピュータ読み出し可能な媒体。
【請求項51】
前記フォントサーバーが各フォントサブセットを前記コンピュータデバイスに送信する過程を開始するよう構成される、又は、前記フォントサーバーが各フォントサブセット及び追加の文字をコンピュータデバイスに送信する過程を開始するよう構成されており、該追加の文字を含むことはしきい値に基礎を置くものである、請求項32に記載のシステム。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2018-06-25 
出願番号 特願2013-508184(P2013-508184)
審決分類 P 1 651・ 121- YAA (G06F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 古河 雅輝  
特許庁審判長 安久 司郎
特許庁審判官 千葉 輝久
稲葉 和生
登録日 2017-02-24 
登録番号 特許第6097214号(P6097214)
権利者 モノタイプ.イメージング.インコーポレイテッド
発明の名称 フォントサブセットの開始  
代理人 北村 吉章  
代理人 西村 弘  
代理人 大田 英司  
代理人 永田 良昭  
代理人 永田 元昭  
代理人 特許業務法人小田島特許事務所  
代理人 特許業務法人小田島特許事務所  
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