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審決分類 |
審判 査定不服 特29条特許要件(新規) 取り消して特許、登録 A23L 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 A23L 審判 査定不服 特39条先願 取り消して特許、登録 A23L |
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管理番号 | 1343320 |
審判番号 | 不服2018-6696 |
総通号数 | 226 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2018-10-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2018-05-16 |
確定日 | 2018-09-04 |
事件の表示 | 特願2016-173552「食品製品及び食品製品の提供方法」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 3月15日出願公開、特開2018- 38301、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成28年9月6日の出願であって、平成30年4月11日付けで拒絶査定がされ、これに対し、同年5月16日に拒絶査定不服審判が請求され、その後、当審において同年6月27日付けで拒絶理由が通知され、同年7月2日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。 第2 特許請求の範囲の記載 平成30年7月2日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1?6の記載は、以下のとおりである。 【請求項1】 二次産品である第1の食品と、 該第1の食品と同種同類の食品であると共に、少なくともその一部が、前記第1の食品と共に提供される第2の食品と、 前記第1の食品に用いられた食品添加物の総重量と前記第2の食品に用いられた食品添加物の総重量との差の絶対値と同じ重量の食品添加物若しくは擬似物、前記第1の食品に用いられた食品添加物の総体積と前記第2の食品に用いられた食品添加物の総体積との差の絶対値と同じ体積の食品添加物若しくは擬似物、前記第1の食品に用いられた砂糖の総重量と前記第2の食品に用いられた砂糖の総重量との差の絶対値と同じ重量の砂糖若しくは擬似物、前記第1の食品に用いられた砂糖の総体積と前記第2の食品に用いられた砂糖の総体積との差の絶対値と同じ体積の砂糖若しくは擬似物、前記第1の食品に用いられた塩の総重量と前記第2の食品に用いられた塩の総重量との差の絶対値と同じ重量の塩若しくは擬似物、前記第1の食品に用いられた塩の総体積と前記第2の食品に用いられた塩の総体積との差の絶対値と同じ体積の塩若しくは擬似物、前記第1の食品に用いられたタンパク加水分解物の総重量と前記第2の食品に用いられたタンパク加水分解物の総重量との差の絶対値と同じ重量のタンパク加水分解物若しくは擬似物、前記第1の食品に用いられたタンパク加水分解物の総体積と前記第2の食品に用いられたタンパク加水分解物の総体積との差の絶対値と同じ体積のタンパク加水分解物若しくは擬似物、前記第1の食品に用いられた調味料の総重量と前記第2の食品に用いられた調味料の総重量との差の絶対値と同じ重量の調味料若しくは擬似物、前記第1の食品に用いられた調味料の総体積と前記第2の食品に用いられた調味料の総体積との差の絶対値と同じ体積の調味料若しくは擬似物、前記第1の食品に用いられたブドウ糖果糖液糖の総重量と前記第2の食品に用いられたブドウ糖果糖液糖の総重量との差の絶対値と同じ重量のブドウ糖果糖液糖若しくは擬似物、前記第1の食品に用いられたブドウ糖果糖液糖の総体積と前記第2の食品に用いられたブドウ糖果糖液糖の総体積との差の絶対値と同じ体積のブドウ糖果糖液糖若しくは擬似物、前記第1の食品に用いられた加工油脂の総重量と前記第2の食品に用いられた加工油脂の総重量との差の絶対値と同じ重量の加工油脂若しくは擬似物、前記第1の食品に用いられた加工油脂の総体積と前記第2の食品に用いられた加工油脂の総体積との差の絶対値と同じ体積の加工油脂若しくは擬似物、前記第1の食品に用いられたトランス脂肪酸の総重量と前記第2の食品に用いられたトランス脂肪酸の総重量との差の絶対値と同じ重量のトランス脂肪酸若しくは擬似物、前記第1の食品に用いられたトランス脂肪酸の総体積と前記第2の食品に用いられたトランス脂肪酸の総体積との差の絶対値と同じ体積のトランス脂肪酸若しくは擬似物、前記第1の食品に用いられた加工デンプンの総重量と前記第2の食品に用いられた加工デンプンの総重量との差の絶対値と同じ重量の加工デンプン若しくは擬似物、前記第1の食品に用いられた加工デンプンの総体積と前記第2の食品に用いられた加工デンプンの総体積との差の絶対値と同じ体積の加工デンプン若しくは擬似物、前記第1の食品に用いられたリン酸塩の総重量と前記第2の食品に用いられたリン酸塩の総重量との差の絶対値と同じ重量のリン酸塩若しくは擬似物、前記第1の食品に用いられたリン酸塩の総体積と前記第2の食品に用いられたリン酸塩の総体積との差の絶対値と同じ体積のリン酸塩若しくは擬似物、前記第1の食品に用いられた食品添加物のうち一括名の表示が認められた食品添加物の総重量と前記第2の食品に用いられた食品添加物のうち一括名の表示が認められた食品添加物の総重量との差の絶対値と同じ重量の食品添加物若しくは擬似物、前記第1の食品に用いられた食品添加物のうち一括名の表示が認められた食品添加物の総体積と前記第2の食品に用いられた食品添加物のうち一括名の表示が認められた食品添加物の総体積との差の絶対値と同じ体積の食品添加物若しくは擬似物、前記第1の食品に用いられた合成ビタミンの総重量と前記第2の食品に用いられた合成ビタミンの総重量との差の絶対値と同じ重量の合成ビタミン若しくは擬似物、前記第1の食品に用いられた合成ビタミンの総体積と前記第2の食品に用いられた合成ビタミンの総体積との差の絶対値と同じ体積の合成ビタミン若しくは擬似物、前記第1の食品に用いられた食品添加物のうちキャリーオーバーとみなされた食品添加物の総重量と前記第2の食品に用いられた食品添加物のうちキャリーオーバーとみなされた食品添加物の総重量との差の絶対値と同じ重量の食品添加物若しくは擬似物、前記第1の食品に用いられた食品添加物のうちキャリーオーバーとみなされた食品添加物の総体積と前記第2の食品に用いられた食品添加物のうちキャリーオーバーとみなされた食品添加物の総体積との差の絶対値と同じ体積の食品添加物若しくは擬似物、前記第1の食品に用いられた食品添加物のうちキャリーオーバーとみなされた食品添加物を除く食品添加物の総重量と前記第2の食品に用いられた食品添加物のうちキャリーオーバーとみなされた食品添加物を除く食品添加物の総重量との差の絶対値と同じ重量の食品添加物若しくは擬似物、前記第1の食品に用いられた食品添加物のうちキャリーオーバーとみなされた食品添加物を除く食品添加物の総体積と前記第2の食品に用いられた食品添加物のうちキャリーオーバーとみなされた食品添加物を除く食品添加物の総体積との差の絶対値と同じ体積の食品添加物若しくは擬似物、前記第1の食品に用いられた脱脂加工大豆の総重量と前記第2の食品に用いられた脱脂加工大豆の総重量との差の絶対値と同じ重量の脱脂加工大豆若しくは擬似物、前記第1の食品に用いられた脱脂加工大豆の総体積と前記第2の食品に用いられた脱脂加工大豆の総体積との差の絶対値と同じ体積の脱脂加工大豆若しくは擬似物、の少なくとも1つであり、かつ、透明の封入体に封入された付属物とを備える 食品製品。 【請求項2】 前記第1の食品に用いられた、食品添加物、砂糖、塩、タンパク加水分解物、調味料、ブドウ糖果糖液糖、加工油脂、トランス脂肪酸、加工デンプン、リン酸塩、食品添加物のうち一括名の表示が認められた食品添加物、合成ビタミン、食品添加物のうちキャリーオーバーとみなされた食品添加物、食品添加物のうちキャリーオーバーとみなされた食品添加物を除く食品添加物、脱脂加工大豆の少なくとも1つのうち、前記付属物を構成するものの総重量若しくは総体積の情報と、 前記第2の食品に用いられた、食品添加物、砂糖、塩、タンパク加水分解物、調味料、ブドウ糖果糖液糖、加工油脂、トランス脂肪酸、加工デンプン、リン酸塩、食品添加物のうち一括名の表示が認められた食品添加物、合成ビタミン、食品添加物のうちキャリーオーバーとみなされた食品添加物、食品添加物のうちキャリーオーバーとみなされた食品添加物を除く食品添加物、脱脂加工大豆の少なくとも1つのうち、前記付属物を構成するものの総重量若しくは総体積の情報とを有し、 前記第1の食品と共に提供される食品情報を備える 請求項1に記載の食品製品。 【請求項3】 前記第1の食品の、食品成分の情報、遺伝子組換えの情報、食品添加物の情報、の少なくとも1つを含む情報を備える 請求項1、または、請求項2に記載の食品製品。 【請求項4】 二次産品である第1の食品と、 該第1の食品と同種同類の食品であると共に、少なくともその一部が、前記第1の食品と共に提供される第2の食品と、 前記第1の食品の原料として用いられた動物性食品若しくは植物性食品である所定の食品原料(但し、調味料及び食品添加物を除く。)の総重量と前記第2の食品の原料として用いられた前記所定の食品原料(但し、調味料及び食品添加物を除く。)の総重量との差の絶対値と同じ重量の前記所定の食品原料(但し、調味料及び食品添加物を除く。)若しくは擬似物、前記第1の食品の原料として用いられた前記所定の食品原料(但し、調味料及び食品添加物を除く。)の総体積と前記第2の食品の原料として用いられた前記所定の食品原料(但し、調味料及び食品添加物を除く。)の総体積との差の絶対値と同じ体積の所定の食品原料(但し、調味料及び食品添加物を除く。)若しくは擬似物、の少なくとも1つであり、かつ、透明の封入体に封入された付属物とを備える 食品製品。 【請求項5】 前記第1の食品に用いられた前記所定の食品原料(但し、調味料及び食品添加物を除く。)の総重量若しくは総体積の情報と、 前記第2の食品に用いられた前記所定の食品原料(但し、調味料及び食品添加物を除く。)の総重量若しくは総体積の情報とを有し、 前記第1の食品と共に提供される食品原料情報とを備える 請求項4に記載の食品製品。 【請求項6】 前記第1の食品の、食品成分の情報、遺伝子組換えの情報、食費添加物の情報、の少なくとも1つを含む情報を備える 請求項4、または、請求項5に記載の食品製品。 第3 原査定の理由について 1.原査定の理由の概要 原査定の理由は、概略、次のとおりである。 本願の請求項1?6に記載されたものは、情報の提供方法に技術的特徴はなく、単なる情報の提示をするものであって、自然法則を利用した技術的思想の創作に該当しないから、特許法第29条第1項柱書に規定する要件を満たしていない。 2.原査定の理由についての当審の判断 上記第2に示した請求項1の記載によれば、請求項1に記載されたものは、「食品製品」であって、当該「食品製品」は、 a)二次産品である「第1の食品」と、 b)該第1の食品と同種同類の食品であると共に、少なくともその一部が、前記第1の食品と共に提供される「第2の食品」と、 c)前記第1の食品に用いられた食品添加物の総重量と前記第2の食品に用いられた食品添加物の総重量との差の絶対値と同じ重量の食品添加物等の「透明の封入体に封入された付属物」と を備えるものとして、構成が具体的に特定された物である。 そして、上記構成を採用することにより、例えば、第1の食品に用いられた食品添加物の総重量と第2の食品に用いられた食品添加物の総重量との差の絶対値と同じ重量の食品添加物である付属物によって、「第1の食品に用いられた食品添加物の総重量」と「第2の食品に用いられた食品添加物の総重量」の差(重量差)を容易に把握することができる(【0017】)という効果を奏することができ、「より一層充分に消費者が安心して食品を選択することが可能となる食品製品」を提供するという課題(【0009】)を解決できるものである。 ここで、請求項1の「食品製品」は、上記のとおり、「第1の食品に用いられた食品添加物の総重量」と「第2の食品に用いられた食品添加物の総重量」の差(重量差)という情報を提示するものということができるが、その手段は、上記のとおりの具体的な構成によるのであって、紙への印刷や画面への表示といったありふれた手段によるものではなく、かかる構成を採用することにより、上記の効果を奏し、課題を解決できるのであるから、情報の提示手段に技術的特徴があるものである。 したがって、請求項1に記載されたものは、単なる情報の提示をするものではなく、自然法則を利用した技術的思想の創作に該当するから、特許法第29条第1項柱書に規定する要件を満たしている。 第4 当審拒絶理由について 1.当審拒絶理由の概要 当審による平成30年6月27日付けの拒絶理由は、概略、次のとおりである。 (理由1)「目視可能である付属物」の意味する技術的事項が明確でないため、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 (理由2)本願の請求項1?6に係る発明は、同日出願された特願2018-10136号の発明と同一と認められ、かつ、同出願に係る発明は特許されており協議を行うことができないから、特許法第39条第2項の規定により特許を受けることができない。 2.判断 平成30年7月2日の手続補正により、「目視可能である付属物」との記載が「透明の封入体に封入された付属物」に補正されたことにより、請求項1?6に係る発明が明確となるとともに、同日出願された特願2018-10136号の発明とも異なるものとなった。 よって、上記当審による拒絶理由1及び2はいずれも解消した。 第5 むすび 以上のとおり、原査定の拒絶理由及び当審の拒絶理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2018-08-22 |
出願番号 | 特願2016-173552(P2016-173552) |
審決分類 |
P
1
8・
1-
WY
(A23L)
P 1 8・ 537- WY (A23L) P 1 8・ 4- WY (A23L) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 谷川 智秀 |
特許庁審判長 |
田村 嘉章 |
特許庁審判官 |
槙原 進 紀本 孝 |
発明の名称 | 食品製品及び食品製品の提供方法 |
代理人 | 筒井 宣圭 |
代理人 | 有吉 修一朗 |
代理人 | 森田 靖之 |
代理人 | 梶原 圭太 |
代理人 | 遠藤 聡子 |