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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 B60S
管理番号 1343343
審判番号 不服2017-9452  
総通号数 226 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-10-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-06-28 
確定日 2018-09-04 
事件の表示 特願2013-148706号「車両用ワイパ装置」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 2月 2日出願公開、特開2015- 20505号、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成25年7月17日に出願されたものであって、平成28年11月15日付けで拒絶理由が通知され、平成29年1月19日に意見書及び手続補正書が提出され、同年3月17日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がされ、これに対し、同年6月28日に拒絶査定不服審判が請求されたと同時に手続補正書が提出されたものである。

第2 原査定の概要
この出願の請求項1?4に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない


引用文献1.西独国特許出願公開第3744237号明細書
引用文献2.実願昭50-41870号(実開昭51-121933号)のマイクロフィルム

第3 平成29年6月28日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)について
本件補正は、請求項1を補正することを含むものであって、請求項1に係る補正は、本件補正前1の「前記第1ノズルにおける洗浄液を噴出する噴出孔」及び「前記第2ノズルにおける洗浄液を噴出する噴出孔」を、それぞれ「前記第1ノズルにおける洗浄液を噴出する第1ノズル側噴出孔」、「前記第2ノズルにおける洗浄液を噴出する第2ノズル側噴出孔」とすると共に、「前記規制部材は、前記第1ノズルにおける前記第1ホースとの接続部分と前記回動方向一方側の前記規制部に設けられた前記第1ノズル側噴出孔とを連通する第1流路と、前記第2ノズルにおける前記第2ホースとの接続部分と前記回動方向他方側の前記規制部に設けられた前記第2ノズル側噴出孔とを連通する第2流路と、を有する」という発明特定事項を、更に付加している。
上記補正の内容は、出願当初の明細書の段落【0051】、【0054】、【0055】及び同図面の【図1】、【図4】、【図8】、【図9】の記載に基づき、本件補正前の「規制部材」の構成を限定するものであって、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、併せて、明細書の段落【0006】、【0071】を補正しているが、請求項1の補正も含め、同法第17条の2第3、4項の規定に違反するところはない。
そして、「第5 対比・判断」で示すように、本件補正後の請求項1?4に係る発明は、独立特許要件を満たすものであり、同法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の規定に違反するところはない。

第4 本願発明
本願の請求項1?4に係る発明(以下「本願発明1」?「本願発明4」という。)は、本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1?4に記載された事項により特定される以下のとおりの発明である。
「【請求項1】
停止位置と反転位置との間で往復回動されるワイパアームと、
前記ワイパアームの先端側に連結され、前記ワイパアームの往復回動に伴い前記停止位置から回動方向一方側へ回動され且つ前記反転位置から回動方向他方側へ回動されて払拭面を払拭するワイパブレードと、
前記ワイパアームにおける前記ワイパブレードとの連結部よりも基端側に設けられ、前記ワイパアームから前記ワイパブレード側へ延出されると共に、前記ワイパブレードに対して前記回動方向一方側及び前記回動方向他方側に配置され且つ前記ワイパブレードの前記ワイパアームに対する前記回動方向一方側及び前記回動方向他方側への相対移動を規制する一対の規制部を備えた規制部材と、
前記規制部材に設けられ、前記ワイパアームに配策されたホースの一端部が接続され、
前記ホースによって送給される洗浄液を前記ワイパブレードの側方に供給するノズルと、
を備え、
前記ノズルは、前記ワイパブレードの前記回動方向一方側の側方に洗浄液を供給する第1ノズルと、前記ワイパブレードの前記回動方向他方側の側方に洗浄液を供給する第2ノズルとを含んで構成されており、
前記ホースは、前記第1ノズルに接続される第1ホースと、前記第2ノズルに接続される第2ホースとを有し、
前記第1ノズルにおける洗浄液を噴出する第1ノズル側噴出孔が、前記ワイパブレードに対して前記回動方向一方側に配置された前記規制部に設けられ、前記第2ノズルにおける洗浄液を噴出する第2ノズル側噴出孔が、前記ワイパブレードに対して前記回動方向他方側に配置された前記規制部に設けられ、
前記規制部材は、前記第1ノズルにおける前記第1ホースとの接続部分と前記回動方向一方側の前記規制部に設けられた前記第1ノズル側噴出孔とを連通する第1流路と、前記第2ノズルにおける前記第2ホースとの接続部分と前記回動方向他方側の前記規制部に設けられた前記第2ノズル側噴出孔とを連通する第2流路と、を有する車両用ワイパ装置。

【請求項2】
前記ノズルが前記規制部材と一体に形成された請求項1に記載の車両用ワイパ装置。

【請求項3】
少なくとも前記停止位置と前記反転位置との間の回動方向中央位置では、前記ワイパブレードの回動方向に対応して、前記ワイパブレードの回動方向と同一方向側の前記第1ノズル又は前記第2ノズルから択一的に洗浄液が供給される請求項1又は請求項2に記載の車両用ワイパ装置。

【請求項4】
前記払拭面に対して直交する方向から見て、前記規制部が前記ワイパアームに対して前記回動方向一方側へオフセットして配置された請求項1?請求項3の何れか1項に記載の車両用ワイパ装置。」

第5 当審の判断
1 引用文献の記載事項並びに引用文献に記載された発明及び技術的事項
(1)引用文献1の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(なお、当審で翻訳した。また、下線は当審で付加した。以下同様。)。
ア 「ワイパアームと、このワイパアームに旋回可能に支承されたワイパブレードとを備えており、ワイパアームが部分的に側方でワイパブレードの横方向に延びていて、ワイパアーム(10)の、ワイパブレード(20)の横方向に延びている区分(15)と、ワイパブレード(20)との間に案内部材(40)が設けられており、該案内部材が、ワイパアーム(10)とワイパブレード(20)との間の側方の間隔(A)を有していて、固定区分(43)から間隔をおいて、ワイパアーム(10)とワイパブレード(20)との間の少なくとも一つの案内壁(41a,41b)を有していることを特徴とする、自動車用のワイパ。」(第5欄 特許請求の範囲1.)

イ 「ワイパロッド13の端部領域14は主ヨーク22の側壁26,27の間に係合し、そこでヒンジピン25によって公知の形式で枢着結合されている。」(第3欄第21?25行)

ウ 「図3に示すように、二つの案内壁41a、41bが設けられており、」(第3欄第45?46行)

エ 「図6の実施例では、洗浄用液体用の洗浄ノズル51又はチャンネル52を案内部材40に組み込んでいる。このことは全て困難なく可能である。」(第4欄第27?30行)

(2)引用文献1に記載された発明
図6に係る例も、自動車用のワイパとしての前提となる構成は、図1?3に係る例と同様であることは明らかである。
そして、上記(1)の記載事項及び図1?3、6の記載から、図6に係る例に対応するものとして、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認める。
「ワイパアーム10と、このワイパアーム10に旋回可能に支承されたワイパブレード20とを備えており、
ワイパアーム10が部分的に側方でワイパブレード20の横方向に延びていて、ワイパアーム10の、ワイパブレード20の横方向に延びている区分15と、ワイパブレード20との間に案内部材40が設けられており、該案内部材40が、ワイパアーム10とワイパブレード20との間の側方の間隔Aを有していて、固定区分43から間隔をおいて、ワイパアーム10とワイパブレード20との間の二つの案内壁41a、41bを有し、
洗浄用液体用の洗浄ノズル51、51又はチャンネル52を案内部材40に組み込んでいる、自動車用のワイパ。」

(3)引用文献2の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。
ア 「揺動作動されるワイパーに同期してワイパーブレードの移動方向側にのみ洗浄液を噴出させるよう構成されたワイパー.ウオツシヤ装置において、前記洗浄液を噴出するノズル部を、前記ワイパーのアームの両側に跨がつて取付け、前記ノズル部のノズル本体の両端部夫々に、洗浄液を噴出できるようノズル孔を備えたことを特徴とするワイパー.ウオツシヤ装置。」(明細書第1ページ 2.実用新案登録請求の範囲)

イ 「第1図は本考案によるワイパー.ウオツシヤ装置1であって、車輛等のウインド2の近傍において枢支された各リテーナ3には、ワイパーアーム4を介してワイパーブレード5等が取付けられ、前記リテーナ3等の揺動に伴なつてウインド2の表面を拭くことができる。前記リテーナ3はリンク機構等を介してワイパーモータ6の出力軸6aに連結されるもので、このワイパーモータ6の回動動作によつて前述のリテーナ揺動動作が得られるものである。また、前記ワイパーモータ6の出力軸6aには、流体方向切換弁7が関係づけられており、洗浄液タンク8内に貯蔵されかつこのタンク8から二又状に分岐された供給チユーブ9を通して送り込まれる洗浄液は、前記方向切換弁7によつて、ワイパーモータ6の回動動作に合わせて、換言すればワイパーブレード5等の揺動動作に同期されて、出力側の1対のチユーブ10,11に交互に切換えかつ送出されることが可能とされる。
前述のように交互に洗浄液が送出される1対のチユーブ10,11は、その先端部10a,11aが、第2図において全体を符号12で示すノズル部に装着される。すなわち、本考案の主要部を構成するこのノズル部12は、中央上面に凹陥部13が形成された略々中実直方体のノズル本体14を備え、前記凹陥部13が前記ワイパーアーム4に嵌合しかつねじ15がワイパーアーム4を貫通してノズル本体14に螺合することによつて、前記ノズル本体14は前記ワイパーアーム4に取付けられている。前記凹陥部13の形成方向に従つて前記ワイパーアーム4と直交するように取着された前記ノズル本体14の両端部には、夫々独立したノズル16,17が形成される。これら各ノズル16,17は、前記チユーブ10,11の先端部10a,11aに嵌合される突出管18,19に連通された穴20,21から連続されて前記ノズル本体14の両端部に開口される複数個のノズル孔22a,22b,・・・および23a,23b,・・・から構成されるものである。これら、各ノズル孔22a,22b,・・・、23a,23b,・・・の数および位置は、車輛の種類等により適宜変更されるものである。」(明細書第3ページ第12行?第6ページ第8行)

(4)引用文献2に記載された技術的事項発明
上記(3)の記載事項及び第1、2図の記載から、引用文献2には次の技術的事項(以下「引用文献2技術」という。)が記載されているものと認める。
「揺動作動されるワイパーに同期してワイパーブレード5の移動方向側にのみ洗浄液を噴出させるよう構成されたワイパー.ウオツシヤ装置1において、
前記洗浄液を噴出するノズル部12を、前記ワイパーのワイパーアーム4の両側に跨がつて取付け、前記ノズル部12のノズル本体14の両端部夫々に、洗浄液を噴出できるようノズル孔22a,22b,・・・および23a,23b,・・・を備え、
交互に洗浄液が送出される1対のチユーブ10,11は、その先端部10a,11aが、ノズル部12に装着されたワイパー.ウオツシヤ装置1。」

2 対比・判断
(1)本願発明1について
ア 対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
(ア)後者の「ワイパアーム10」は前者の「ワイパアーム」に相当し、以下同様に、「ワイパブレード20」は「ワイパブレード」に、「案内壁41a、41b」は「規制部」に、「案内部材40」は「規制部材」に、「洗浄用液体」は「洗浄液」に、「洗浄ノズル51」は「ノズル」に、「自動車用のワイパ」は「車両用ワイパ」にそれぞれ相当する。

(イ)後者の「ワイパアーム10」は、停止位置と反転位置との間で往復回動されるものであることは技術的に明らかである。

(ウ)後者の「ワイパブレード20」は、図1を参照すると、「ワイパアーム10」の先端側に連結され、ワイパアーム10の往復回動に伴い停止位置回動方向一方側へ回動され且つ反転位置から回動方向他方側へ回動されて払拭面を払拭するものであることは技術的に明らかである。

(エ)後者の「案内部材40」は、図1、3、6及び上記1(1)イを参照すると、ワイパアーム10におけるワイパブレード20との連結部(ヒンジピン25による)よりも基端側に設けられ、ワイパアーム10からワイパブレード20側へ延出されるものであることは明らかである。

(オ)後者の「二つの案内壁41a、41b」は、ワイパブレード20に対して回動方向一方側及び回動方向他方側に配置され且つワイパブレード20のワイパアーム10に対する回動方向一方側及び回動方向他方側への相対移動を規制する一対のものであることは技術的に明らかである。

(カ)後者の「洗浄ノズル51、51」は、図6を参照すると、洗浄用液体をワイパブレード20の側方に供給するものといえる。そうすると、後者の「洗浄用液体用の洗浄ノズル51又はチャンネル52を案内部材40に組み込んでいる」という事項と、前者の「前記規制部材に設けられ、前記ワイパアームに配策されたホースの一端部が接続され、前記ホースによって送給される洗浄液を前記ワイパブレードの側方に供給するノズル」「を備え」るという事項とは、「前記規制部材に設けられ、送給される洗浄液を前記ワイパブレードの側方に供給するノズル」「を備え」るという限度で一致するといえる。

(キ)以上のことから、本願発明1と引用発明との一致点、相違点は以下のとおりと認める。
〔一致点〕
「停止位置と反転位置との間で往復回動されるワイパアームと、
前記ワイパアームの先端側に連結され、前記ワイパアームの往復回動に伴い前記停止位置から回動方向一方側へ回動され且つ前記反転位置から回動方向他方側へ回動されて払拭面を払拭するワイパブレードと、
前記ワイパアームにおける前記ワイパブレードとの連結部よりも基端側に設けられ、前記ワイパアームから前記ワイパブレード側へ延出されると共に、前記ワイパブレードに対して前記回動方向一方側及び前記回動方向他方側に配置され且つ前記ワイパブレードの前記ワイパアームに対する前記回動方向一方側及び前記回動方向他方側への相対移動を規制する一対の規制部を備えた規制部材と、
前記規制部材に設けられ、送給される洗浄液を前記ワイパブレードの側方に供給するノズルと、を備える車両用ワイパ装置。」

〔相違点〕
本願発明1の「ノズル」が、「前記ワイパアームに配策されたホースの一端部が接続され、前記ホースによって」送給される洗浄液を前記ワイパブレードの側方に供給するものであり、「前記ワイパブレードの前記回動方向一方側の側方に洗浄液を供給する第1ノズルと、前記ワイパブレードの前記回動方向他方側の側方に洗浄液を供給する第2ノズルとを含んで構成されており、前記ホースは、前記第1ノズルに接続される第1ホースと、前記第2ノズルに接続される第2ホースとを有し、前記第1ノズルにおける洗浄液を噴出する第1ノズル側噴出孔が、前記ワイパブレードに対して前記回動方向一方側に配置された前記規制部に設けられ、前記第2ノズルにおける洗浄液を噴出する第2ノズル側噴出孔が、前記ワイパブレードに対して前記回動方向他方側に配置された前記規制部に設けられ、前記規制部材は、前記第1ノズルにおける前記第1ホースとの接続部分と前記回動方向一方側の前記規制部に設けられた前記第1ノズル側噴出孔とを連通する第1流路と、前記第2ノズルにおける前記第2ホースとの接続部分と前記回動方向他方側の前記規制部に設けられた前記第2ノズル側噴出孔とを連通する第2流路と、を有する」のに対し、引用発明の「洗浄用ノズル51、51」は、洗浄液の送給の具体的手段が明らかでなく、また、「ワイパブレード20」の回動方向の片方側の側方に洗浄液を供給するものである上、「案内壁41a、41b」に設けられるものではない点。

イ 判断
上記相違点について検討する。
引用文献2技術から、引用発明とはノズルの設置場所が異なるものの、ワイパブレードの回動方向の一方側と他方側の側方に洗浄液を噴出する噴出口を設け、それぞれの噴出口に対し、洗浄液をワイパアームに配策された一対のチューブ(「ホース」に相当)で洗浄液を送給することが理解でき、このような技術を参考に、引用発明において「洗浄ノズル51、51」を「ワイパブレード20」の回動方向の一方側と他方側の両側に設け、洗浄液をワイパアームに配策された2つのホースにより送給させるものとすることは、当業者であれば一応容易に想到し得ることとはいえる。
しかしながら、この場合であっても、引用発明も引用文献2技術もノズルは規制部材の規制部に設けられるものではないため、上記相違点に係る本願発明1の「前記第1ノズルにおける洗浄液を噴出する第1ノズル側噴出孔が、前記ワイパブレードに対して前記回動方向一方側に配置された前記規制部に設けられ、前記第2ノズルにおける洗浄液を噴出する第2ノズル側噴出孔が、前記ワイパブレードに対して前記回動方向他方側に配置された前記規制部に設けられ、前記規制部材は、前記第1ノズルにおける前記第1ホースとの接続部分と前記回動方向一方側の前記規制部に設けられた前記第1ノズル側噴出孔とを連通する第1流路と、前記第2ノズルにおける前記第2ホースとの接続部分と前記回動方向他方側の前記規制部に設けられた前記第2ノズル側噴出孔とを連通する第2流路と、を有する」という技術的事項を有するものには至らないし、当該技術的事項を容易想到とする理由も見当たらない。
そして、本願発明1は、当該技術的事項を採用することにより本願明細書の段落【0077】に記載されるように洗浄液に対する気流の影響を大幅に低減できるという有利な効果を奏するものであるといえる。
したがって、本願発明1は、引用発明及び引用文献2技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
よって、本願発明1は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものとはいえない。

(2)本願発明2?4について
本願発明2?4は、本願発明1の発明特定事項を全て含みさらに限定したものであるので、本願発明1と同様に、当業者が引用発明及び引用文献2技術に基いて容易に発明をすることができたとはいえない。
よって、本願発明2?4は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものとはいえない。

第6 むすび
以上のとおり、本願発明1?4は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものとはいえないので、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2018-08-20 
出願番号 特願2013-148706(P2013-148706)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (B60S)
最終処分 成立  
前審関与審査官 粟倉 裕二  
特許庁審判長 和田 雄二
特許庁審判官 中川 真一
一ノ瀬 覚
発明の名称 車両用ワイパ装置  
代理人 加藤 和詳  
代理人 福田 浩志  
代理人 特許業務法人太陽国際特許事務所  
代理人 中島 淳  

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