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審決分類 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 H01L
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H01L
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L
管理番号 1343581
審判番号 不服2017-9744  
総通号数 226 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-10-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-07-03 
確定日 2018-08-23 
事件の表示 特願2013- 10538「電子デバイスの製造方法、電子デバイス及び発振器」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 8月 7日出願公開、特開2014-143289〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、平成25年1月23日の出願であって、平成28年10月19日付けの拒絶理由の通知に対して、同年12月21日付け意見書が提出されるとともに手続補正がなされたが、平成29年3月27日付けで拒絶査定がなされ、これに対して同年7月3日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。


第2.平成29年7月3日付け手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]
平成29年7月3日付け手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1.本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。)

「【請求項1】
絶縁性のベース基板に貫通電極を形成する貫通電極形成工程と、
前記ベース基板の一方の表面に電子素子を実装する電子素子実装工程と、
前記電子素子を収容する蓋体を前記ベース基板に接合する蓋体設置工程と、
前記ベース基板の他方の表面と、他方の前記表面に露出する前記貫通電極の端面とに導電膜を形成する導電膜形成工程と、
前記貫通電極の端面と前記端面の周囲の前記表面とに前記導電膜を残して電極パターンを形成する電極パターン形成工程と、
前記電極パターンの表面および前記ベース基板の他方の表面上の前記電極パターンの周囲に無電解メッキ法により無電解メッキ膜を堆積し、前記ベース基板上の前記電極パターンの周囲のパターン幅方向の前記無電解メッキの幅が、前記無電解メッキの前記電極パターン表面上の前記無電解メッキの厚みより小さい外部電極を形成する外部電極形成工程と、を含む電子デバイスの製造方法。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲の記載
本件補正前の、平成28年12月21日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。

「【請求項1】
絶縁性のベース基板に貫通電極を形成する貫通電極形成工程と、
前記ベース基板の一方の表面に電子素子を実装する電子素子実装工程と、
前記電子素子を収容する蓋体を前記ベース基板に接合する蓋体設置工程と、
前記ベース基板の他方の表面と、他方の前記表面に露出する前記貫通電極の端面とに導電膜を形成する導電膜形成工程と、
前記貫通電極の端面と前記端面の周囲の前記表面とに前記導電膜を残して電極パターンを形成する電極パターン形成工程と、
前記電極パターンの表面および前記ベース基板の他方の表面上の前記電極パターンの周囲に無電解メッキ法により無電解メッキ膜を堆積して外部電極を形成する外部電極形成工程と、を含む電子デバイスの製造方法。」


2.新規事項
本件補正は、補正前の請求項1に記載された発明の発明特定事項である「外部電極を形成する外部電極形成工程」について、「前記ベース基板上の前記電極パターンの周囲のパターン幅方向の前記無電解メッキの幅が、前記無電解メッキの前記電極パターン表面上の前記無電解メッキの厚みより小さい」という事項を追加して補正後の請求項1に記載された発明とする補正事項を含むものである。

上記補正事項が、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「当初明細書等」という。)に記載した事項の範囲内のものか否かを検討する。

(1)当初明細書等において、「外部電極形成工程」に関する記載事項は、以下のとおりである(なお、下線は当審で付与した。)。

・「【0019】
【図1】本発明の第一実施形態に係る電子デバイスの断面模式図である。
【図2】本発明の第二実施形態に係る電子デバイスの製造方法を表す工程図である。
【図3】本発明の第二実施形態に係る電子デバイスの製造工程の説明図である。
【図4】本発明の第二実施形態に係る電子デバイスの製造工程の説明図である。
【図5】本発明の第三実施形態に係る電子デバイスの製造方法を表す工程図である。
【図6】本発明の第四実施形態に係る発振器の上面模式図である。
【図7】従来公知の電子デバイスの断面図である。」

・「【0027】
ガラスからなるベース基板2を軟化又は溶融し、型成形により貫通孔を形成する。貫通孔に鉄-ニッケル系合金の線材を充填し、加熱・軟化させて線材とガラスとを溶着する。ガラスを冷却後に両面を研磨して平坦化し、貫通電極3の端面Mを露出させて酸化膜を除去するとともに、端面Mとベース基板2の表面とを面一に形成する。平坦化されたベース基板2は、例えば、厚さが0.2mm?1mmである。なお、ベース基板2の貫通孔は、サンドブラスト法やエッチング法により形成することもできる。」

・「【0030】
図3(S4)は、導電膜形成工程S4において、ベース基板2の他方の表面LSに導電膜4を形成した状態を表す断面模式図である。ベース基板2の他方の表面LSを研磨又は洗浄して端面Mの酸化膜を除去する。次に、他方の表面LSに蒸着法やスパッタリング法により金属の導電膜4を0.05μm?0.5μmの厚さに堆積する。導電膜4は複数の貫通電極3の端面Mに跨って堆積される。導電膜4は複数の端面Mに跨って形成される。導電膜4としてチタン膜の他、ニッケル膜や銅膜などの金属膜を使用することができる。導電膜4として金属膜を使用する場合に、端面M及びベース基板2に対して密着性の良い材料を選定する。また、導電膜4の上部に形成する金属膜に対してイオン化傾向差の小さい材料を選定するのが望ましい。」

・「【0032】
図4(S6)は、外部電極形成工程S6において、電極パターン15(導電膜4)の表面に無電解メッキ膜11を堆積した状態を表す断面模式図である。電極パターン15の表面に無電解メッキ法により無電解メッキ膜11を堆積して外部電極13を形成する。無電解メッキ膜11は、他方の表面LSを無電解メッキ液に浸して導電膜4が他方の表面LS側に露出する露出面の全体を覆うように形成する。つまり、無電解メッキ膜11は電極パターン15の上面の他に側面にも形成される。無電解メッキ膜11は、厚さを1μm?10μmとし、好ましくは1μm?5μmとする。また、無電解メッキ膜11として、ニッケル膜の他に銅膜、その他の金属膜を形成することができる。」

・「




・「




(2)これらの摘記した事項によれば、当初明細書等には、「外部電極」の「前記無電解メッキの前記電極パターン表面上の前記無電解メッキの厚み」であるか、「前記ベース基板の他方の表面上」の厚みであるかは不明であるが、無電解メッキ膜11の厚みが1μm?10μm、好ましくは1μm?5μmで形成されることは開示されている。
また、図1、4によれば、「外部電極」の「前記ベース基板上の前記電極パターンの周囲のパターン幅方向の前記無電解メッキの幅が、前記無電解メッキの前記電極パターン表面上の前記無電解メッキの厚みより小さ」くなっているように見うけられる。

しかし、当初明細書等には、「外部電極」の「前記ベース基板上の前記電極パターンの周囲のパターン幅方向の前記無電解メッキの幅」の具体的な数値は記載されていないことから、「外部電極」の「前記ベース基板上の前記電極パターンの周囲のパターン幅方向の前記無電解メッキの幅」と「前記無電解メッキの前記電極パターン表面上の前記無電解メッキの厚み」の大小関係は不明である。
また、図1、4は「電子デバイス」の模式図、製造工程の説明図であって正確な各部材間の大きさの関係を表しているものではなく、例えば、上記摘記した事項によれば、「ベース基板2」の厚みは0.2mm?1mm、「導電膜4」の厚みは0.05μm?0.5μm、「無電解メッキ膜11」の厚み(「電極パターン表面上」であるか「ベース基板の他方の表面上」であるか不明であるが、「電極パターン表面上」であるとする。)は1μm?5μm 程度であるから、「無電解メッキ膜11」は「ベース基板2」の200分1程度の厚さ、「導電膜4」は「無電解メッキ膜11」の10分の1程度の厚さと考えられるが、図1、4においては明らかにそのような関係になっていないことから、各部材で異なる縮尺で記載したものと認められ、このような異なる縮尺で記載された各部材間で大きさの関係を読み取ることはできない。
また、当初明細書等の全ての記載を参照しても、「外部電極」の「前記ベース基板上の前記電極パターンの周囲のパターン幅方向の前記無電解メッキの幅が、前記無電解メッキの前記電極パターン表面上の前記無電解メッキの厚みより小さい」ことに関する示唆もない。
したがって、上記補正事項を含む本件補正は、当初明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものと認めることができない。
よって、本件補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。

(3)小括
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により、却下すべきものである。


3.独立特許要件についての予備的見解

上記補正事項は、本件補正前の請求項1に記載された発明の発明特定事項である「外部電極を形成する外部電極形成工程」について、「前記ベース基板上の前記電極パターンの周囲のパターン幅方向の前記無電解メッキの幅が、前記無電解メッキの前記電極パターン表面上の前記無電解メッキの厚みより小さ」く形成するという事項を付加して限定することにより、本件補正後の請求項1に記載される発明の発明特定事項を限定するものである。また、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一である。

仮に、本件補正が、当初明細書の図1、4に記載されており、上記「2.」に記載した新規事項の追加でなく、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するとした場合に、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものか否か(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否か)についても検討しておく。

(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1.の(1)で記載したとおりのものである。

(2)引用文献、引用発明
(ア)引用文献1
原査定の拒絶の理由において引用された、特開2012-15363号公報(以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。(下線は、当審において付加した。以下、同じ。)

a.「【技術分野】
【0001】
本発明は、水晶振動子や圧電素子に代表される電子デバイス及びその製造方法に関する。」

b.「【0017】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る電子デバイスの断面図である。電子デバイス1は、ガラス製のベース10の第1の面とリッド70とで囲まれた空洞部、すなわちパッケージ内部に電子部品60が搭載され、電子部品60は、回路パターン30、貫通電極20、電極パターン50を介して、基板(図示しない)に実装される端子である外部電極80と電気的に接続されている。ベース10としては、これに限らず、例えば、シリコン製のものでよく、圧力センサなどのMEMSデバイスの場合に用いることができる。また、放熱性と加工性を考慮して、アルミニウム製のものでもよい。また、ベース10がシリコン製及びアルミニウム製の場合には回路パターン30のショートを防止するためにそれぞれ酸化膜を表層に形成する。
【0018】 ・・・中略・・・
【0019】 ・・・中略・・・
【0020】
回路パターン30は、ベース10の第1の面及び貫通電極の該第1の面側の面に形成され、貫通電極20と電子部品60とを電気的に接続する。また、回路パターン30は導電接着剤を焼成したものでも、フォトリソ法やメタルマスクを用いて形成した金属薄膜でもよい。また、金属微粒子を焼成して形成してもよい。また、回路パターン30はベース10の該第1の面において少なくとも貫通電極20と電子部品60とを電気的に接続することができる部分に形成されていればよい。
【0021】
接合部40は、ベース10の第1の面のうち、例えば回路パターンを形成する部分と異なる部分に形成され、ベース10とリッド70とを接続する。また、接合部40はフォトリソ法を用いて形成した金属薄膜である。このとき接合部40は、ベース10の端部に形成され、露出している側面を有している。また、接合部40、ベース10及びリッド70の側面が同一面を形成していてもよい。
【0022】
電極パターン50は、ベース10の第1の面と反対の面(第2の面)に形成される。また、電極パターン50は導電接着剤を焼成したものでも、フォトリソ法を用いて形成した金属薄膜でもよい。また、金属微粒子を焼成して形成してもよい。」

c.「【0027】
次に、製造方法を図2、図3を用いて説明する。図2、図3は、ウェハーレベルで作製され、ダイシング等で切断されて得られる電子デバイスの製造方法を示す。
【0028】
図2は、本発明に係る電子デバイスの製造工程を示す図である。
図2(a)は、ベース10に貫通孔を形成する工程である。貫通孔は、サンドブラスト、レーザー加工、ドリル加工、熱プレス加工等で製造する。ここで、ベース10がシリコンの場合、ベース10の熱酸化処理等により、酸化膜を形成する。また、ベース10がアルミニウムの場合、ベース10の化成処理、陽極酸化処理等により、酸化膜を形成する。これにより、シリコン、アルミニウムで形成したベース10部分に酸化膜が形成され、回路パターンを含む接続部がショートせず、電子デバイスとして使用することが可能になる。
【0029】
図2(b)は、貫通電極20を挿入し、溶着する工程である。このとき、貫通孔に図示しない低融点ガラスを塗布し、溶着してもよい。
【0030】
図2(c)は、ベース10上面に回路パターン30及び接合部40を、ベース10下面に電極パターン50を形成する工程である。回路パターン30及び接合部40及び電極パターン50はフォトリソ法やメタルマスクを用いるスパッタ法で形成する。なお、形成方法は、この限りではなく、例えば、金属微粒子を焼成することで形成してもよい。この方法では、金属微粒子は、インクジェット装置で塗布できるように溶液中に分散している。このとき、予め、貫通電極20の位置をマッピングしておくことで、回路パターン30及び接合部40及び電極パターン50のみに金属微粒子を塗布でき、塗布された金属微粒子を焼成して、回路パターン30及び接続合部40及び電極パターン50を形成することができる。このようにすることで、回路パターン30及び接合部40を同時に形成することができる。
【0031】
図2(d)は、電子部品60を搭載する工程である。回路パターン30と電子部品60とを接続する接続部(図示しない)を形成する場合、接続部は、例えば銀ペースト等の導電接着剤を用いることができる。その場合、接続部である銀ペースト等の導電接着剤を焼成して接合される。また、電子部品60の構成によっては、接続部として導電接着剤を用いなくても良い。例えば、電子部品60上に形成した金バンプ(図示しない)を接続部として用いることができる。その場合、電子部品60上に形成した金バンプとベース10上の金属膜とを超音波接合法によって接合でき、導電接着剤を用いずに接合することができる。
【0032】
図2(e)は、ベース10に搭載された電子部品60を保護するため、凹上に加工したリッド70をベース10と接合する工程である。リッド70の材質は、例えばシリコン、ガラス等を用いることができ、接合方法や、真空度やコスト等などの電子部品60に要求される仕様を考慮して選択すればよい。例えば、電子部品60が水晶振動子片であり、ベース10とリッド70との接合後に周波数調整をする場合には、リッド70にはガラス製の部材を選択することが望ましい。また、接合方法としては、陽極接合等を用いることができる。
【0033】
図2(f)は、パッケージを個片化する工程である。具体的には、リッド70の材質によって.個片化する方法は変わるが、ダイシング、またはレーザーカットによって行うことができる。
【0034】
図2(g)は個片化したパッケージに外部電極80、腐食防止部90を形成する工程である。腐食防止部90は、接合部40のアルミニウムを保護するために形成する。外部電極80、及び、腐食防止部90は無電解ニッケルめっきを行うことで、同時に形成することもできる。さらに、多数のパッケージを同時に処理することが可能なため、量産性が高く、低コストでの提供が可能となる。また、無電解ニッケルめっきを施した後に、更に無電解金めっきをすることで、信頼性を高めた製品を提供できる。なお、外部電極80及び腐食防止部90は、必ずしも同時に形成される必要はない。また、図2(c)において、接合部40を形成しない場合、図2(e)においてリッド70のベースと接合する部分に接合部を形成することができる。この形成方法は、例えば回路パターン30と接合部40とが別の物質で形成する場合に用いることができる。この場合においても、本実施形態と同様の効果を得られる。」

d.「図1



e.「




・上記a.、c.よれば、引用文献1には、電子デバイスの製造方法が記載されており、また、上記b.の段落【0017】、上記d.によれば、該電子デバイスは、ガラス製のベース10の第1の面とリッド70とで囲まれた空洞部であるパッケージ内部に電子部品60が搭載され、電子部品60は、回路パターン30、貫通電極20、電極パターン50を介して、基板に実装される端子である外部電極80と電気的に接続されるものであることが記載されている。
したがって、引用文献1には、ガラス製のベース10の第1の面とリッド70とで囲まれた空洞部であるパッケージ内部に電子部品60が搭載され、電子部品60は、回路パターン30、貫通電極20、電極パターン50を介して、基板に実装される端子である外部電極80と電気的に接続されている電子デバイスの製造方法、が記載されているといえる。

・上記c.、e.によれば、前記電子デバイスの製造方法は、ベース10に貫通孔を形成する工程と、貫通孔に貫通電極20を挿入し、溶着する工程と、ベース10上面に回路パターン30及び接合部40を、ベース10下面に電極パターン50を形成する工程と、電子部品60を搭載する工程と、ベース10に搭載された電子部品60を保護するため、凹状に加工したリッド70をベース10と接合する工程と、パッケージを個片化する工程と、個片化したパッケージに無電解ニッケルめっきを行うことで外部電極80、腐食防止部90を形成する工程と、を備えることが記載されている。

・上記b.の段落【0020】、【0021】には、回路パターン30、接合部40は、ベース10の第1の面に、形成されることが、さらに、段落【0022】には、電極パターン50はベース10の第2の面に形成されることが記載されており、上記ベース10上面、及びベース10下面は、各々、ベース10の第1の面、及びベース10の第2の面といえ、また、段落【0020】には、回路パターン30に、貫通電極20と電子部品60が接続されることが記載されている。
また、上記c.の段落【0030】には、前記回路パターン30、前記接合部40、前記電極パターン50は、フォトリソ法によっても形成可能なことが記載され、さらに、図1、図2(c)から、前記電極パターン50が、ベース10の第2の面の貫通電極20の端面と、端面の周囲のベース10の第2の面に形成されていることが読み取れる。
したがって、引用文献1には、ベース10の第1の面に貫通電極20と電子部品60が接続される回路パターン30及び接合部40を、ベース10の第2の面の貫通電極20の端面と、端面の周囲のベース10の第2の面に電極パターン50を、それぞれフォトリソ法で形成する工程、が記載されているといえる。

・さらに、図1、図2(g)から、前記外部電極80が、電極パターン50の表面およびベース10の第2の面の電極パターン50の周囲に形成されていることが読み取れ、また、上記(c)の段落【0034】には、上記「腐食防止部90」が「接合部40」に形成されることが記載されている。
したがって、引用文献1には、個片化したパッケージに無電解ニッケルめっきを行うことで電極パターン50の表面およびベース10の第2の面の電極パターン50の周囲に外部電極80を、接合部40に腐食防止部90をそれぞれ形成する工程、が記載されているといえる。

上記引用文献1の記載及び図面並びにこの分野の技術常識を考慮すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が開示されていると認められる。

「ガラス製のベース10の第1の面とリッド70とで囲まれた空洞部であるパッケージ内部に電子部品60が搭載され、電子部品60は、回路パターン30、貫通電極20、電極パターン50を介して、基板に実装される端子である外部電極80と電気的に接続されている電子デバイスの製造方法であって、
ベース10に貫通孔を形成する工程と、
貫通孔に貫通電極20を挿入し、溶着する工程と、
ベース10の第1の面に、貫通電極20と電子部品60が接続される回路パターン30、及び接合部40を、ベース10の第2の面の貫通電極20の端面と、該端面の周囲の第2の面に電極パターン50を、それぞれフォトリソ法で形成する工程と、
電子部品60を搭載する工程と、
ベース10に搭載された電子部品60を保護するため、凹状に加工したリッド70をベース10と接合する工程と、
パッケージを個片化する工程と、
個片化したパッケージに無電解ニッケルめっきを行うことで電極パターン50の表面およびベース10の第2の面の電極パターン50の周囲に外部電極80を、接合部40に腐食防止部90をそれぞれ形成する工程と、
を備える電子デバイスの製造方法。」

(イ)引用文献2
拒絶査定において引用された、国際公開第2010-16487号(以下、「引用文献2」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

a.「[0030] 本実施例にかかる水晶振動子1では、図1に示すように、水晶振動片2(本発明でいう水晶振動片2)と、この水晶振動片2の一主面21に形成された励振電極23(下記参照)を気密封止する第1封止部材3(本発明でいう封止部材)と、この水晶振動片2の他主面22に形成された励振電極23(下記参照)を気密封止する第2封止部材4が設けられている。」

b.「[0037] 第1封止部材3は、図2に示すように、1枚の水晶ウエハ6(下記参照)から形成された直方体の水晶Z板である。
[0038] この第1封止部材3には、水晶振動片2の励振電極23と電気的に接続する電極パッド33と、水晶振動片2と接合する接合部(具体的に接合面32)と、外部と電気的に接続する外部電極端子34とが設けられている。水晶振動片2との接合面32は、第1封止部材3の一主面31の平面視主面外周に設けられている。
[0039] 第1封止部材3の接合面32には、水晶振動片2と接合するための第3接合材73が形成されている。具体的に、第3接合材73は、複数の層が積層され、その最下層側からCr層(図示省略)とAu層731とが蒸着形成され、その上にSnメッキ層732が積層して形成され、その上にAuメッキ層733が積層して形成されてなる。なお、第3接合材73と電極パッド33とは同時に形成され、電極パッド33も第3接合材73と同一の構成となる。
[0040] また、第1封止部材3には、図2に示すように、水晶振動片2の励振電極23を外部と導通させるためのビア36(本発明でいう貫通孔)が形成され、このビア36内に導通部材5(下記参照)が充填されている。すなわち、このビア36は、第1封止部材3の基材の両主面31,38に形成される電極パターン(電極パッド33や外部電極端子34や電極パターン37)を導通状態とするものであり、このビア36を介して、電極パターン37が第1封止部材3の一主面31の電極パッド33から他主面38の外部電極端子34にかけてパターン形成されている。」

c.「[0071] 図22に示すようにAu膜731をウエハ6全面に形成した後に、ウエハ6全面にレジストを塗布し、レジスト層(図示省略)を形成し、レジスト層をAu膜731上に形成した後に、予め設定したパターン形成(電極パッド33と電極パターン37と第3接合材73との形成)を行うために露光および現像を行なう。そして、露光および現像を行うことで露出したAu膜731をメタルエッチングして、電極パッド33と電極パターン37と第3接合材73それぞれにおけるAu膜731を形成する。その後、電極パッド33のSnメッキ層およびAuメッキ層と、第3接合材73のSnメッキ層732およびAuメッキ層733を形成して、図2に示すように、第1封止部材1の電極パッド33と外部電極端子34と電極パターン37と第3接合材73を形成する。」

d.「図2




e.「図22



上記引用文献2の記載及び図面並びにこの分野の技術常識を考慮すると、引用文献2には、電極パターンの形成に関する次の技術(以下、「周知の技術」という。)が開示されていると認められる。

「電極が形成される面の全面に導電膜を形成し、その後、エッチングで電極パターンとなる部分を残すことで電極パターンを形成すること。」

(ウ)引用文献3
本願の出願日前に日本国内において頒布された刊行物である、特開2012-44105号公報(以下、「引用文献3」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

a.「【0029】
回路パターン30は、貫通電極21などの酸化を防ぐために、貫通電極21のベース10の1の面側、すなわち空洞部の面側の端面上に形成されるとともに、ベース10の1の面上に形成されている。また、電極パターン60は、貫通電極21のベース10の1の面側の端面と反対の端面上に形成されるとともに、ベース10の1の面と反対の面上に形成されている。回路パターン30、電極パターン60の形成方法としては、スパッタ法が一般的な方法であり、アルミニウム等の抵抗の低い金属を用いる。
【0030】
また、内部配線31、外部電極61は、それぞれ金属膜で形成され、最表面は金、銀、白金等の貴金属を使用して表面層を形成される。貴金属は、イオン化傾向が小さく、耐腐食性があるため、長期的劣化を抑えることができ、本願発明を用いた電子デバイスの信頼性を向上させることができる。また、内部配線31及び外部電極61は、それぞれ単一の層で形成されている。
【0031】
また、金属拡散を防ぐために拡散防止層として貴金属で形成された表面層の下地にニッケル等の金属層を形成しても良い。なお、内部配線31、外部電極61は、同一の材料を用いて形成することもできるが、異なる材料を用いて形成してもよい。
【0032】
内部配線31、外部電極61の形成方法には、スパッタ法が一般的な方法である。また、内部配線31、外部電極61の各金属膜の形成方法にはめっき法を用いることができる。このとき、内部配線31、外部電極61の形成には、無電解めっきを用いることができる。また、めっきによる金属膜は、回路パターン30上、又は電極パターン60上だけに形成することも可能なため、通常のめっきによる回路基板などの上面の処理を省くことが可能になる。そのため、無電解めっき法は、スパッタ法、蒸着法に比べ、製造工程の無駄がなく、低コスト化が可能になる。なお、各金属膜は同様の形成方法により形成することもできるが、異なる方法を用いて形成してもよい。」

b.「【0042】
そこで、図2(e)に示す回路パターン30上、及び電極パターン60上にそれぞれ内部配線31、及び外部電極61を形成し、それぞれを貫通電極と電気的に接続する工程を行う。図2(d)から図2(e)までに自然酸化膜が形成される可能性があるが、めっき前に薬液洗浄することで、きれいに除去することができる。無電解めっきにより、スパッタ法による膜形成では必要なマスクが不要になり、一度に内部配線31、及び、外部電極61を形成できる。そのため、バッチで処理でき、他の工法に比べて低コストで、量産性がよい。なお、内部配線及び外部電極はそれぞれ単一の層で形成される場合、貫通電極上に形成された回路パターンとベース上に形成された回路パターンとが接続していなくてもよい。
【0043】
図7は、図2(e)の貫通電極20部分を拡大した図である。図7の図2(e)に示すように、この時点で、図6に示す段差による影響をカバーでき、導通を安定して保つことができる。これにより、内部配線31及び外部電極61は、それぞれ単一の層で形成される。なお、段差による影響をカバーできればよいため、必ずしも内部配線31、及び外部電極61の各金属膜は一度に形成しなくてもよい。また、各金属膜は、導通を保つことができればよいため、それぞれ少なくとも回路パターン30上、又は電極パターン60上に覆うように形成されていればよい。低融点ガラス70を用いない場合には図10に示す構成となる。」

c.「



d.「


上記a.の段落【0032】によれば、外部電極61を無電解めっきで形成でき、また、図7によれば、外部電極61の、ベース10の電極パターン60の周囲のパターン幅方向の幅は、電極パターン60表面上の厚みより小さいことが読み取れる。

上記引用文献3の記載及び図面を考慮すると、引用文献3には以下の技術事項(以下、「引用文献3記載の技術事項」という。)が開示されていると認められる。

「無電解めっきで形成される電子デバイスの外部電極において、ベース基板上の電極パターンの周囲のパターン幅方向の無電解メッキの幅を、無電解メッキの電極パターン表面上の無電解メッキの厚みより小さくすること。」


(3)対比・判断
本件補正発明と引用発明とを対比する。

a.引用発明の「ベース10」は、「ガラス製」であり絶縁性と認められることから、引用発明の「ベース10」は、本件補正発明の「絶縁性のベース基板」に相当し、また、引用発明の「貫通電極20」は、本件補正発明の「貫通電極」に相当する。
そして、引用発明の「貫通孔に貫通電極20を挿入し、溶着する工程」は、本件補正発明の「絶縁性のベース基板に貫通電極を形成する貫通電極形成工程」に相当する。

b.引用発明の「電子部品60」は、本件補正発明の「電子素子」に相当する。
そして、「電子部品60」は、「ベース10の第1の面」の「回路パターン30」に接続され、「ベース10の第1の面とリッド70とで囲まれた空洞部であるパッケージ内部に」「搭載され」るものであって、さらに、「第1の面」を「一方の表面」と称することは任意であるから、引用発明の「電子部品60を搭載する工程」は、本件補正発明の「前記ベース基板の一方の表面に電子素子を実装する電子素子実装工程」に相当する。

c.引用発明の「リッド70」は、「ベース10に搭載された電子部品60を保護するため、凹状に加工した」ものであるから、本件補正発明の「電子素子を収容する蓋体」に相当し、そして、引用発明の「ベース10に搭載された電子部品60を保護するため、凹状に加工したリッド70をベース10と接合する工程」は、本件補正発明の「前記電子素子を収容する蓋体を前記ベース基板に接合する蓋体設置工程」に相当する。

d.引用発明の「電極パターン50」は、本件補正発明の「電極パターン」に相当する。
そして、引用発明の「電極パターン50」は、「ベース10の第2の面」に形成されるものであり、ここで、「ベース10の第2の面」は「ベース10の第1の面」に対して他方の面であって、また、引用発明の「フォトリソ法で形成」される「電極パターン50」は、導電性の膜の一部を残して形成されるものかは不明であるが、「ベース10の第2の面の貫通電極20の端面と、該端面の周囲の第2の面」に形成されるものであるから、引用発明の「ベース10の第1の面に、貫通電極20と電子部品60が接続される回路パターン30、及び接合部40を、ベース10の第2の面の貫通電極20の端面と、該端面の周囲の第2の面に電極パターン50を、それぞれフォトリソ法で形成する工程」と、本件補正発明の「前記貫通電極の端面と前記端面の周囲の前記表面とに前記導電膜を残して電極パターンを形成する電極パターン形成工程」とは、「前記貫通電極の端面と前記端面の周囲の前記表面とに電極パターンを形成する電極パターン形成工程」の点では共通する。

e.引用発明の「個片化したパッケージに無電解ニッケルめっきを行うことで電極パターン50の表面およびベース10の第2の面の電極パターン50の周囲に外部電極80を、接合部40に腐食防止部90をそれぞれ形成する工程」と、本件補正発明の「前記電極パターンの表面および前記ベース基板の他方の表面上の前記電極パターンの周囲に無電解メッキ法により無電解メッキ膜を堆積し、前記ベース基板上の前記電極パターンの周囲のパターン幅方向の前記無電解メッキの幅が、前記無電解メッキの前記電極パターン表面上の前記無電解メッキの厚みより小さい外部電極を形成する外部電極形成工程」とは、「前記電極パターンの表面および前記ベース基板の他方の表面上の前記電極パターンの周囲に無電解メッキ法により無電解メッキ膜を堆積して外部電極を形成する外部電極形成工程」の点では共通する。

f.引用発明の「電子デバイスの製造方法」は、本件補正発明の「電子デバイスの製造方法」に相当する。

したがって、本件補正発明と引用発明とを対比すると、両者は、以下の点で一致し、また、相違している。

(一致点)
「絶縁性のベース基板に貫通電極を形成する貫通電極形成工程と、
前記ベース基板の一方の表面に電子素子を実装する電子素子実装工程と、
前記電子素子を収容する蓋体を前記ベース基板に接合する蓋体設置工程と、
前記貫通電極の端面と前記端面の周囲の前記表面とに電極パターンを形成する電極パターン形成工程と、
前記電極パターンの表面および前記ベース基板の他方の表面上の前記電極パターンの周囲に無電解メッキ法により無電解メッキ膜を堆積して外部電極を形成する外部電極形成工程と、を含む電子デバイスの製造方法。」

(相違点1)
本件補正発明では、「前記ベース基板の他方の表面と、他方の前記表面に露出する前記貫通電極の端面とに導電膜を形成する導電膜形成工程」を有しており、「電極パターン形成工程」においては該「導電膜形成工程」で形成された「導電膜」「を残こして電極パターンを形成する」のに対して、引用発明では、そのような「導電膜形成工程」を有するか不明であって、「電極パターン50」は「フォトリソ法で形成」される点。

(相違点2)
形成される上記「外部電極」が、本件補正発明では、「前記ベース基板上の前記電極パターンの周囲のパターン幅方向の前記無電解メッキの幅が、前記無電解メッキの前記電極パターン表面上の前記無電解メッキの厚みより小さい」のに対して、引用発明では、そのうような特定がされていない点。


上記相違点について検討する。
(相違点1について)
例えば、引用文献2にも記載されるように、電極パターンの形成に関して、電極が形成される面の全面に導電膜を形成し、その後、エッチングで電極パターンとなる部分を残すことで電極パターンを形成することは周知の技術であって、また、当該周知の技術における一連の工程を、2つの工程に分けることは設計的事項に過ぎないことから、引用発明における電極パターン50を形成する工程において、該周知の技術を適用して、「ベース10の第2の面」に導電膜を形成する工程と、その後、電極パターンとなる部分を残すことで電極パターンを形成する工程とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

(相違点2について)
引用文献3には、無電解めっきで形成される電子デバイスの外部電極において、ベース基板上の電極パターンの周囲のパターン幅方向の無電解メッキの幅を、無電解メッキの電極パターン表面上の無電解メッキの厚みより小さくするという技術事項が記載されており、また、引用発明において、外部電極を具体的にどのような大きさで形成するかは当業者が設計時に適宜選択なし得た事項と認められることから、引用発明における電子デバイスの外部電極の形成に関して上記引用文献3記載の技術事項を適用して、ベース基板上の電極パターンの周囲のパターン幅方向の無電解メッキの幅が、無電解メッキの電極パターン表面上の無電解メッキの厚みより小さい外部電極を形成することは、当業者が適宜なし得たことである。

そして、本件補正発明の作用効果も、引用発明、引用文献3記載の技術事項、及び周知の技術に基づいて当業者が予測できる範囲のものである
したがって、本件補正発明は、引用発明、引用文献3記載の技術事項、及び周知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(4) 結語
以上検討したとおり,本件補正は,特許法第17条の2第3項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

また,仮に本件補正が特許法第17条の2第3項の規定に適合し、本件補正が特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するとしても,本件補正は,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので,同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。


第3.本願発明について
1.本願発明
平成29年7月3日付けの手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1-11に係る発明は、平成28年12月21日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1-11に記載された事項により特定されるものであるところ、そのうち請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は再掲すると次のとおりのものである。

「【請求項1】
絶縁性のベース基板に貫通電極を形成する貫通電極形成工程と、
前記ベース基板の一方の表面に電子素子を実装する電子素子実装工程と、
前記電子素子を収容する蓋体を前記ベース基板に接合する蓋体設置工程と、
前記ベース基板の他方の表面と、他方の前記表面に露出する前記貫通電極の端面とに導電膜を形成する導電膜形成工程と、
前記貫通電極の端面と前記端面の周囲の前記表面とに前記導電膜を残して電極パターンを形成する電極パターン形成工程と、
前記電極パターンの表面および前記ベース基板の他方の表面上の前記電極パターンの周囲に無電解メッキ法により無電解メッキ膜を堆積して外部電極を形成する外部電極形成工程と、を含む電子デバイスの製造方法。」

2.原査定の拒絶の理由
この出願の下記の請求項1に係る発明は、その出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明及び周知の技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1:特開2012-015363号公報


3.引用文献、引用発明
引用発明等は、上記「第2.3.(2)」の「(ア)引用文献1」、及び「(イ)引用文献2」に記載したとおりである。

4.対比・判断
本願発明は、上記「第2.3.」で検討した本件補正発明の発明特定事項である「外部電極を形成する外部電極形成工程」について、「前記ベース基板上の前記電極パターンの周囲のパターン幅方向の前記無電解メッキの幅が、前記無電解メッキの前記電極パターン表面上の前記無電解メッキの厚みより小さい」という限定を省いたものである。
そうすると、本願発明と引用発明は、上記「第2.3.(3)」で検討した上記「(相違点1)」のみで相違し、該「(相違点1)」は上記引用発明及び周知の技術に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、本願発明も同様の理由により、当業者が容易に発明することができたものである。

4.むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2018-06-12 
結審通知日 2018-06-19 
審決日 2018-07-06 
出願番号 特願2013-10538(P2013-10538)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (H01L)
P 1 8・ 561- Z (H01L)
P 1 8・ 121- Z (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 麻川 倫広  
特許庁審判長 井上 信一
特許庁審判官 山澤 宏
田中 慎太郎
発明の名称 電子デバイスの製造方法、電子デバイス及び発振器  
代理人 谷川 徹  
代理人 内野 則彰  
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