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審決分類 |
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F 審判 査定不服 特39条先願 特許、登録しない。 A63F |
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管理番号 | 1343589 |
審判番号 | 不服2017-14424 |
総通号数 | 226 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2018-10-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2017-09-29 |
確定日 | 2018-08-23 |
事件の表示 | 特願2016- 94355号「遊技台」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 8月 4日出願公開、特開2016-137334号〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成19年8月29日に出願した特願2007-222039号の一部を平成24年2月15日に新たな特許出願(特願2012-30341号)とし、さらにその一部を平成25年7月4日に新たな特許出願(特願2013-140347号)とし、さらにその一部を平成26年6月26日に新たな特許出願(特願2014-131423号)とし、さらにその一部を平成28年5月10日に新たな特許出願(特願2016-94355号)としたものであって、平成29年3月8日付けで拒絶の理由が通知され、同年5月8日に意見書及び手続補正書が提出され、同年5月22日付けで最後の拒絶の理由が通知され、同年7月18日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年8月8日付けで、同年7月18日付け手続補正が却下されるとともに拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、それに対して、同年9月29日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。 第2 平成29年9月29日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 平成29年9月29日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1.本件補正の概要 本件補正は特許請求の範囲の請求項1を補正する内容を含んでおり、本件補正前の平成29年5月8日にされた手続補正と本件補正の特許請求の範囲の請求項1の記載はそれぞれ、以下のとおりである(下線部は、補正箇所を示す。)。 (補正前:平成29年5月8日にされた手続補正) 「【請求項1】 複数のLEDドライバにLED制御信号を送信可能な制御手段と、 前記制御手段が少なくとも設けられた第一の基板と、 を備えた遊技台であって、 前記遊技台とは、ぱちんこ機またはスロットマシンのことであり、 前記複数のLEDドライバによって、複数のLEDの点灯駆動が実行されるように構成されており、 前記複数のLEDドライバのうちの一つは、第一のLEDドライバであり、 前記複数のLEDドライバのうちの一つは、第二のLEDドライバであり、 前記第一のLEDドライバは、第二の基板に設けられたドライバであり、 前記第二のLEDドライバは、第三の基板に設けられたドライバであり、 前記複数のLEDのうちの一つは、第一のLEDであり、 前記複数のLEDのうちの一つは、第二のLEDであり、 前記第一のLEDドライバは、複数のLEDの点灯駆動を実行可能であり、 前記第二のLEDドライバは、複数のLEDの点灯駆動を実行可能であり、 前記LED制御信号は、複数のLEDの点灯制御に関する信号であり、 前記第一の基板は、前記第二の基板と別体で構成された基板であり、 前記第一の基板は、前記第三の基板と別体で構成された基板であり、 前記第二の基板は、前記第三の基板と別体で構成された基板であり、 前記第一のLEDドライバは、受信したLED制御信号を前記第一のLEDに送信することはなく、 前記第二のLEDドライバは、受信したLED制御信号を前記第二のLEDに送信することはなく、 前記第一のLEDドライバは、受信したLED制御信号に基づいて前記第一のLEDを少なくとも点灯駆動する場合があり、 前記第二のLEDドライバは、受信したLED制御信号に基づいて前記第二のLEDを少なくとも点灯駆動する場合があり、 前記第三の基板は、前記第一のLEDが設けられた基板であり、 前記第三の基板は、前記第二のLEDが設けられた基板である、 ことを特徴とする遊技台。」 (補正後:本件補正である平成29年9月29日にされた手続補正) 「【請求項1】 シリアルバスを介して複数のLEDドライバにLED制御信号を送信可能な制御手段と、 前記制御手段が少なくとも設けられた第一の基板と、 を備えた遊技台であって、 前記遊技台とは、ぱちんこ機またはスロットマシンのことであり、 前記複数のLEDドライバによって、複数のLEDの点灯駆動が実行されるように構成されており、 前記複数のLEDドライバのうちの一つは、第一のLEDドライバであり、 前記複数のLEDドライバのうちの一つは、第二のLEDドライバであり、 前記第一のLEDドライバは、第二の基板に設けられたドライバであり、 前記第二のLEDドライバは、第三の基板に設けられたドライバであり、 前記複数のLEDのうちの一つは、第一のLEDであり、 前記複数のLEDのうちの一つは、第二のLEDであり、 前記第一のLEDドライバは、複数のLEDの点灯駆動を実行可能であり、 前記第二のLEDドライバは、複数のLEDの点灯駆動を実行可能であり、 前記LED制御信号は、複数のLEDの点灯制御に関する信号であり、 前記第一の基板は、前記第二の基板と別体で構成された基板であり、 前記第一の基板は、前記第三の基板と別体で構成された基板であり、 前記第二の基板は、前記第三の基板と別体で構成された基板であり、 前記第一のLEDドライバは、受信したLED制御信号を前記第一のLEDに送信することはなく、 前記第二のLEDドライバは、受信したLED制御信号を前記第二のLEDに送信することはなく、 前記第一のLEDドライバは、受信したLED制御信号に基づいて前記第一のLEDを少なくとも点灯駆動する場合があり、 前記第二のLEDドライバは、受信したLED制御信号に基づいて前記第二のLEDを少なくとも点灯駆動する場合があり、 前記第三の基板は、前記第一のLEDが設けられた基板であり、 前記第三の基板は、前記第二のLEDが設けられた基板であり、 前記LED制御信号は、シリアル信号である、 ことを特徴とする遊技台。」 2.補正の適否 (1)補正後の請求項1は、補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「複数のLEDドライバにLED制御信号を送信可能な制御手段」について、願書に最初に添付された特許請求の範囲、明細書及び図面(以下「当初明細書等」という。)の【0432】及び図4の記載に基づいて、「シリアルバスを介して」「送信可能」と特定することにより、補正前の請求項1に記載された「制御手段」を限定するものである。 (2)補正後の請求項1は、補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「LED制御信号」について、当初明細書等の【0432】及び図4の記載に基づいて、「シリアル信号である」と特定することにより、補正前の請求項1に記載された「LED制御信号」を限定するものである。 そして、補正後の請求項1に記載された発明は、補正前の請求項1に記載された発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。 そして、本件補正は、新規事項を追加するものではなく、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。 3.独立特許要件 そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否か、について以下において検討する。 (1)本件補正後の請求項1に係る発明 本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本件補正発明」という。)は、上記1.の本件補正の概要において示した次に特定されるとおりのものである(A?Nについては、発明特定事項を分説するため当審で付した。)。 「A シリアルバスを介して複数のLEDドライバにLED制御信号を送信可能な制御手段と、 前記制御手段が少なくとも設けられた第一の基板と、 を備えた遊技台であって、 B 前記遊技台とは、ぱちんこ機またはスロットマシンのことであり、 C 前記複数のLEDドライバによって、複数のLEDの点灯駆動が実行されるように構成されており、 D 前記複数のLEDドライバのうちの一つは、第一のLEDドライバであり、 前記複数のLEDドライバのうちの一つは、第二のLEDドライバであり、 E 前記第一のLEDドライバは、第二の基板に設けられたドライバであり、 前記第二のLEDドライバは、第三の基板に設けられたドライバであり、 F 前記複数のLEDのうちの一つは、第一のLEDであり、 前記複数のLEDのうちの一つは、第二のLEDであり、 G 前記第一のLEDドライバは、複数のLEDの点灯駆動を実行可能であり、 前記第二のLEDドライバは、複数のLEDの点灯駆動を実行可能であり、 H 前記LED制御信号は、複数のLEDの点灯制御に関する信号であり、 I 前記第一の基板は、前記第二の基板と別体で構成された基板であり、 前記第一の基板は、前記第三の基板と別体で構成された基板であり、 前記第二の基板は、前記第三の基板と別体で構成された基板であり、 J1 前記第一のLEDドライバは、受信したLED制御信号を前記第一のLEDに送信することはなく、 K1 前記第二のLEDドライバは、受信したLED制御信号を前記第二のLEDに送信することはなく、 J2 前記第一のLEDドライバは、受信したLED制御信号に基づいて前記第一のLEDを少なくとも点灯駆動する場合があり、 K2 前記第二のLEDドライバは、受信したLED制御信号に基づいて前記第二のLEDを少なくとも点灯駆動する場合があり、 L 前記第三の基板は、前記第一のLEDが設けられた基板であり、 前記第三の基板は、前記第二のLEDが設けられた基板であり、 M 前記LED制御信号は、シリアル信号である、 N ことを特徴とする遊技台。」 (2)先願発明 原査定の拒絶の理由に引用された出願であり、本願の出願遡及日(平成19年8月29日)より前の平成19年6月12日に出願された特願2007-154608号の一部を新たな特許出願とした特願2013-105067号の一部を新たな特許出願とした特願2014-237613号は、平成28年10月14日に特許第6019510号として設定登録されたものであって、その請求項1(当該特許公報参照。)には、次の発明(以下、「先願発明」という。)が記載されている(a?nは、発明の構成を分説するため当審で付した。)。 「a 複数のLEDドライバにLED制御信号を送信可能な制御手段と、 前記制御手段が少なくとも設けられた第一の基板と、 を備えた遊技台であって、 b 前記遊技台とは、ぱちんこ機またはスロットマシンのことであり、 c 前記複数のLEDドライバによって、複数のLEDの点灯駆動が実行されるように構成されており、 d 前記複数のLEDドライバのうちの一つは、第一のLEDドライバであり、 前記複数のLEDドライバのうちの一つは、第二のLEDドライバであり、 e 前記第一のLEDドライバは、第二の基板に設けられたドライバであり、 前記第二のLEDドライバは、第三の基板に設けられたドライバであり、 f 前記複数のLEDのうちの一つは、第一のLEDであり、 前記複数のLEDのうちの一つは、第二のLEDであり、 g 前記第一のLEDドライバは、複数のLEDの点灯駆動を実行可能であり、 前記第二のLEDドライバは、複数のLEDの点灯駆動を実行可能であり、 h 前記LED制御信号は、複数のLEDの点灯制御に関する信号であり、 i 前記第一の基板は、前記第二の基板と別体で構成された基板であり、 前記第一の基板は、前記第三の基板と別体で構成された基板であり、 前記第二の基板は、前記第三の基板と別体で構成された基板であり、 j1 前記第一のLEDドライバは、受信したLED制御信号を前記第一のLEDに送信せず、 j2 該LED制御信号の該第一のLEDに関する情報に基づいて該第一のLEDを点灯駆動するように構成されており、 k1 前記第二のLEDドライバは、受信したLED制御信号を前記第二のLEDに送信せず、 k2 該LED制御信号の該第二のLEDに関する情報に基づいて該第二のLEDを点灯駆動するように構成されており、 l 前記第三の基板は、前記第一のLEDが設けられた基板であり、 前記第三の基板は、前記第二のLEDが設けられた基板である、 n ことを特徴とする遊技台。」 (3)対比 本件補正発明と先願発明とを対比する。なお、見出しは(a)?(n)とし、本件補正発明、先願発明の分説に対応させている。 (a)先願発明の「複数のLEDドライバにLED制御信号を送信可能な制御手段と、前記制御手段が少なくとも設けられた第一の基板と、を備えた遊技台」である点は、本件補正発明の構成Aと「複数のLEDドライバにLED制御信号を送信可能な制御手段と、前記制御手段が少なくとも設けられた第一の基板と、を備えた遊技台」である点で共通する。 (b)先願発明の「前記遊技台とは、ぱちんこ機またはスロットマシンのことであ」る点は、本件補正発明の構成Bに相当する。 (c)先願発明の「前記複数のLEDドライバによって、複数のLEDの点灯駆動が実行されるように構成されて」いる点は、本件補正発明の構成Cに相当する。 (d)先願発明の「前記複数のLEDドライバのうちの一つは、第一のLEDドライバであり、前記複数のLEDドライバのうちの一つは、第二のLEDドライバであ」る点は、本件補正発明の構成Dに相当する。 (e)先願発明の「前記第一のLEDドライバは、第二の基板に設けられたドライバであり、前記第二のLEDドライバは、第三の基板に設けられたドライバであ」る点は、本件補正発明の構成Eに相当する。 (f)先願発明の「前記複数のLEDのうちの一つは、第一のLEDであり、前記複数のLEDのうちの一つは、第二のLEDであ」る点は、本件補正発明の構成Fに相当する。 (g)先願発明の「前記第一のLEDドライバは、複数のLEDの点灯駆動を実行可能であり、前記第二のLEDドライバは、複数のLEDの点灯駆動を実行可能であ」る点は、本件補正発明の構成Gに相当する。 (h)先願発明の「前記LED制御信号は、複数のLEDの点灯制御に関する信号であ」る点は、本件補正発明の構成Hに相当する。 (i)先願発明の「前記第一の基板は、前記第二の基板と別体で構成された基板であり、前記第一の基板は、前記第三の基板と別体で構成された基板であり、前記第二の基板は、前記第三の基板と別体で構成された基板であ」る点は、本件補正発明の構成Iに相当する。 (j1)先願発明の構成j1は、「前記第一のLEDドライバは、受信したLED制御信号を前記第一のLEDに送信せず、」となっており、前記LED制御信号を前記第一のLEDに送信しないものといえる。これに対し、本件補正発明の構成J1は、「前記第一のLEDドライバは、受信したLED制御信号を前記第一のLEDに送信することはなく、」となっており、前記LED制御信号を前記第一のLEDに送信しないものといえる。してみると、先願発明の構成j1は、本件補正発明の構成J1に相当することは明らかである。 (j2)先願発明の構成j2の「該LED制御信号」は、同構成j1から、「第一のLEDドライバ」が「受信したLED制御信号」であることは明らかである。 そして、先願発明の構成j2の「該LED制御信号の該第一のLEDに関する情報」は、その情報に基づいて「該第一のLEDを点灯駆動するように構成されて」いるものであるから、本件補正発明の構成J2の「前記第一のLEDを少なくとも点灯駆動する場合」がある、「前記第一のLEDドライバ」が「受信したLED制御信号」に含まれていることは明らかである。 そうすると、先願発明の「該LED制御信号の該第一のLEDに関する情報に基づいて該第一のLEDを点灯駆動するように構成されて」いることは、表現上の差異はあるものの、本件補正発明の構成J2の「前記第一のLEDドライバは、受信したLED制御信号に基づいて前記第一のLEDを少なくとも点灯駆動する場合があ」ることに相当する。 (k1)上記(j1)と同様、先願発明の構成k1は、「前記第二のLEDドライバは、受信したLED制御信号を前記第二のLEDに送信」しないのであるから、本件補正発明の構成K1に相当することは明らかである。 (k2)上記(j2)と同様、先願発明の構成k2の「該LED制御信号」は、同構成k1から、「第二のLEDドライバ」が「受信したLED制御信号」であることは明らかである。 そして、先願発明の構成k2の「該LED制御信号の該第二のLEDに関する情報」は、その情報に基づいて「該第二のLEDを点灯駆動するように構成されて」いるものであるから、本件補正発明の構成K2の「前記第二のLEDを少なくとも点灯駆動する場合」がある、「前記第二のLEDドライバ」が「受信したLED制御信号」に含まれていることは明らかである。 そうすると、先願発明の「該LED制御信号の該第二のLEDに関する情報に基づいて該第二のLEDを点灯駆動するように構成されて」いることは、表現上の差異はあるものの、本件補正発明の構成K2の「前記第二のLEDドライバは、受信したLED制御信号に基づいて前記第二のLEDを少なくとも点灯駆動する場合があ」ることに相当する。 (l)先願発明の「前記第三の基板は、前記第一のLEDが設けられた基板であり、前記第三の基板は、前記第二のLEDが設けられた基板である」点は、本件補正発明の構成Lに相当する。 (n)先願発明の構成nは、本件補正発明の構成Nに相当する。 上記(a)?(n)の対比により、本件補正発明と先願発明とは、 「A’ 複数のLEDドライバにLED制御信号を送信可能な制御手段と、 前記制御手段が少なくとも設けられた第一の基板と、 を備えた遊技台であって、 B 前記遊技台とは、ぱちんこ機またはスロットマシンのことであり、 C 前記複数のLEDドライバによって、複数のLEDの点灯駆動が実行されるように構成されており、 D 前記複数のLEDドライバのうちの一つは、第一のLEDドライバであり、 前記複数のLEDドライバのうちの一つは、第二のLEDドライバであり、 E 前記第一のLEDドライバは、第二の基板に設けられたドライバであり、 前記第二のLEDドライバは、第三の基板に設けられたドライバであり、 F 前記複数のLEDのうちの一つは、第一のLEDであり、 前記複数のLEDのうちの一つは、第二のLEDであり、 G 前記第一のLEDドライバは、複数のLEDの点灯駆動を実行可能であり、 前記第二のLEDドライバは、複数のLEDの点灯駆動を実行可能であり、 H 前記LED制御信号は、複数のLEDの点灯制御に関する信号であり、 I 前記第一の基板は、前記第二の基板と別体で構成された基板であり、 前記第一の基板は、前記第三の基板と別体で構成された基板であり、 前記第二の基板は、前記第三の基板と別体で構成された基板であり、 J1 前記第一のLEDドライバは、受信したLED制御信号を前記第一のLEDに送信することはなく、 K1 前記第二のLEDドライバは、受信したLED制御信号を前記第二のLEDに送信することはなく、 J2 前記第一のLEDドライバは、受信したLED制御信号に基づいて前記第一のLEDを少なくとも点灯駆動する場合があり、 K2 前記第二のLEDドライバは、受信したLED制御信号に基づいて前記第二のLEDを少なくとも点灯駆動する場合があり、 L 前記第三の基板は、前記第一のLEDが設けられた基板であり、 前記第三の基板は、前記第二のLEDが設けられた基板である、 N ことを特徴とする遊技台。」 である点で一致し、以下の点で一応相違する。 [相違点] 本件補正発明は、シリアルバスを介してLEDドライバにLED制御信号を送信可能な制御手段を備え、LED制御信号は、シリアル信号であるのに対し、先願発明では、このような特定がなされていない点(構成A、M)。 (4)判断 上記相違点について検討する。 遊技台の技術分野において、シリアルバスを介してLEDドライバにLED制御信号を送信可能な制御手段を備え、LED制御信号は、シリアル信号であるとすることは、本願の出願遡及日前において周知技術である(必要があれば、特開2007-7148号公報(【0073】?【0100】、図9等。)、特開2006-94966号公報(【0039】?【0052】、図3?5等。)、特開2007-151834号公報(【0021】、図2等。)等を参照されたい。)。 そして、先願発明に当該周知技術を付加することは、新たな効果を奏するものではなく、課題解決のための具体化手段における微差にすぎないから、当該相違点は実質的な相違点ではなく、本件補正発明と先願発明とは実質同一である。 (5)審判請求人の主張について 請求人は、審判請求書の「3(2)本願発明について」において、本件補正発明の作用効果として、「第一のLEDおよび第二のLEDには、シリアルバスを介して、(点灯態様に関する照明駆動制御信号ではなく)、駆動するために必要な情報のみ(点灯または消灯を指定する例えば、Hi/Lo信号)をシリアル信号で送信して駆動するので、演出制御に関わる電子回路の配線を単純化してメンテナンス性を高めることができる場合がある」と主張している。 この主張について検討すると、上記(4)で検討したとおり、LED制御信号を、シリアルバスを介してシリアル信号として送信することは、周知技術であるから、当該周知技術を先願発明に付加することにより、新たな効果を奏するものとはいえない。 よって、請求人の主張は採用できない。 (6)小括 よって、本件補正発明は先願発明と同一であるから、特許法第39条第1項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 4.むすび 以上より、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1.本願発明 本件補正発明は、上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成29年5月8日付けの手続補正書により補正された、上記第2の1.で補正前として記載されたとおりのものである。 2.原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1?8に係る発明は、本願の出願遡及日前の下記の出願に係る発明と同一であるから、特許法第39条第1項の規定により特許を受けることができない、というものである。 出願:特願2014-237613号(特許第6019510号) 3.先願発明 原査定の拒絶の理由に引用された出願の請求項1に係る発明(先願発明)は、上記第2の3.(2)に記載したとおりである。 4.対比・判断 本願発明は、本件補正発明の発明特定事項から、上記第2の1.で示した下線部に係る事項を省いたものであるから、上記第2の3.(3)で示した[相違点]に係る構成が省かれることとなる。 そうすると、本願発明は先願発明と、同一であり、相違点はない。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第39条第1項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2018-06-21 |
結審通知日 | 2018-06-26 |
審決日 | 2018-07-09 |
出願番号 | 特願2016-94355(P2016-94355) |
審決分類 |
P
1
8・
4-
Z
(A63F)
P 1 8・ 575- Z (A63F) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 野田 華代 |
特許庁審判長 |
鉄 豊郎 |
特許庁審判官 |
松川 直樹 蔵野 いづみ |
発明の名称 | 遊技台 |
代理人 | 横田 一樹 |
代理人 | 佐原 雅史 |