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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) B66C
管理番号 1343776
審判番号 不服2017-3038  
総通号数 226 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-10-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-03-01 
確定日 2018-09-05 
事件の表示 特願2012-166913「クレーン用駆動装置」拒絶査定不服審判事件〔平成25年2月14日出願公開、特開2013- 32224〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、平成24年7月27日(パリ条約による優先権主張 2011年(平成23年)7月29日、ドイツ連邦共和国)の出願であって、その後の手続の概要は、以下のとおりである。

平成28年 2月22日:拒絶理由通知
平成28年 5月31日:意見書・手続補正書
平成28年10月26日:拒絶査定
平成29年 3月 1日:審判請求書
平成29年 9月27日:拒絶理由通知
平成29年12月27日:意見書・手続補正書

第2 本願発明

平成29年12月27日の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりである。

「【請求項1】
クレーン(1)用の駆動装置であって、
クレーン(1)が、下部台車(2)と上部台車(3)とを有し、下部台車(2)が該下部台車(2)に配置された少なくとも1つの下部台車エンジン(10)を含み、上部台車(3)が、少なくとも1つの上部台車駆動部を含み、上部台車駆動部が、下部台車エンジン(10)により駆動されるトルク及び/または動力伝達機構により駆動可能であり、
トルク及び/または動力伝達機構が、上部台車(3)に対する駆動を旋回リングの中心である回転軸まで行うアーティキュレーテッドシャフト(16)と、該アーティキュレーテッドシャフト(16)の一端に連結されるとともに車両のフレームの中心に挿入される下部台車(2)のアンギュラートランスミッション(13)と、該アーティキュレーテッドシャフト(16)の他端に連結される上部台車(3)のアンギュラートランスミッション(13)と、上記上部台車(3)のアンギュラートランスミッションから上記上部台車駆動部である1つのポンプトランスファーギヤ(14)への動力伝達機構と、を備え、
下部台車エンジン(10)が内燃エンジンであり、クレーンの運転に必要な動力が、アイドリング回転よりも速くてアイドリング回転の2倍までの範囲の低速度範囲で下部台車エンジン(10)により供給されるように、下部台車エンジン(10)の動力が設定されていることを特徴とする駆動装置。」

第3 拒絶の理由
平成29年9月27日の当審が通知した拒絶理由のうちの理由3は、次のとおりのものである。
請求項1に係る発明は、本願の優先日前に頒布された引用文献1に記載された発明、引用文献2に記載された事項、周知技術及び、引用文献3、4によって示される周知又は公知の技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

引用文献1:実願昭55-151746号(実開昭57-74386号)のマイクロフィルム
引用文献2:欧州特許出願公開第1752411号明細書
引用文献3:特開2007-290806号公報
引用文献4:特開2008-137760号公報

第4 引用文献の記載及び引用発明

1 引用文献1の記載

当審の拒絶理由に引用され、本願の優先日前に頒布された実願昭55-151746号(実開昭57-74386号)のマイクロフィルム(以下、「引用文献1」という。)には、次の事項が図面とともに記載されている。下線は、理解のための一助として当審で付与した。以下同様。

(1)「トラックとクレーンとの組合せに係るトラッククレーンに関する。」(第1ページ第16及び17行)

(2)「トラック(1)の荷台に旋回軸受(2)を設け、該軸受(2)上にクレーン(3)を載置し、該クレーン(3)の旋回中心に、クレーンの各種装置(ウインチ、旋回装置、起伏装置等)に動力を伝える伝動軸(4)を軸線が竪方向に向く状態で設ける。又トラック(1)の前部に設けた走行用エンジン(5)に2本の出力軸(6a)(6b)を設け、一方の出力軸(6a)には走行駆動輪(7)に動力を伝えるプロペラシヤフト(8)を自在継手(9)を介して連結し、他方の出力軸(6b)には前記クレーン旋回中心の方向へ略水平に延びる別のプロペラシヤフト(10)を自在継手(11)を介して連結する。そして前記プロペラシヤフト(10)の回転力を自在継手(12)及び傘歯車(13)(14)等の所要の伝動手段を介して前記伝動軸(4)に伝達できるようにし、走行用エンジン(5)によりトラック(1)とクレーン(3)の各種装置を駆動できるようにする。(15)はトラック(1)の走行車輪を示している。」(第2ページ第14行ないし第3ページ第11行)

(3)上記(1)及び(2)の記載によれば、トラッククレーンは、トラック(1)とクレーン(3)を有することが分かる。

(4)上記(2)及び図面の記載によれば、伝動軸(4)のトラック(1)側端部には傘歯車(13)(14)が設けられ、伝動軸(4)のクレーン(3)側端部には、傘歯車(13)(14)とは別の1組の傘歯車が設けられていることが分かり、また、プロペラシヤフト(10)、自在継手(12)、傘歯車(13)(14)、伝動軸(4)及び別の1組の傘歯車等を備えた伝達機構により駆動可能である、クレーンの各種装置の駆動手段がクレーン(3)にあることが分かる。

(5)引用発明

上記(1)ないし(4)を総合すると、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

<引用発明>

「トラッククレーンが、トラック(1)とクレーン(3)とを有し、トラック(1)には走行用エンジン(5)を設け、クレーン(3)にクレーンの各種装置の駆動手段があり、クレーンの各種装置の駆動手段が、走行用エンジン(5)により駆動される伝達機構により駆動可能であり、
伝達機構が、旋回軸受(2)上に設置されたクレーン(3)の旋回装置に動力を伝える伝動軸(4)と、伝動軸(4)のトラック(1)側端部に設けられた傘歯車(13)(14)と、伝動軸(4)のクレーン(3)側端部に設けられた傘歯車(13)(14)とは別の1組の傘歯車と、を備える装置。」

2 引用文献2の記載

当審の拒絶理由に引用され、本願の優先日前に頒布された欧州特許出願公開第1752411号明細書(以下、「引用文献2」という。)には、次の事項が図面(特に、図1及び図3参照)とともに記載されている。なお、oウムラウトはoe、uウムラウトはueと表記する。

(1)“[0012] Der in den Figuren 1 und 2 gezeigte Kran 1 umfasst einen Unterwagen 2, der im wesentlichen als mehrachsiger LKW ausgebildet sein kann, sowie einen Oberwagen 3, der um eine aufrechte Drehachse 4 auf dem Unterwagen 2 angeordnet ist.”
[0012]図1および2に示されているクレーン1は、元々一つの多車軸型トラックとして形成されている一台の足回り車両2、および、その足回り車両2の上に一つの直立回転軸4の周りを廻るように設置されている一つの上部構造体3から成る。(当審仮訳)

(2)“[0015] Wie Figur 3 zeigt, sind an dem Oberwagen 3 diverse hydraulische Stellaggregate angeordnet, die auf den Windenrahmen 7 und den nicht abbaubaren Teil des Oberwagens 3 verteilt sind. Insbesondere umfassen die Stellaggregate auf dem Windenrahmen 7 die Pumpen P5 und P6, die dem Antrieb der beiden Kranwinden 8 und 9 dienen. Andererseits umfassen die Stellaggregate auf dem nicht abbaubaren Teil des Oberwagens 3 die Pumpe P1, P2, P3 und P4, von denen die Pumpe P1 einen Wippzylinder zum Auf- und Niederwippen des Kranauslegers 5 antreibt, die Pumpe P2 einen Teleskopierzylinder zum Austeleskopieren des Kranauslegers 5 antreibt, die Pumpe P3 eine Hilfswinde 12 antreibt und die Pumpe P4 das Drehwerk zum Drehen des Oberwagens 3 antreibt. Die genannten Pumpe P1 bis P4 sind mit einem Pumpenverteilergetriebe 13 verbunden, das an dem Oberwagen 3 angeordnet ist.”
[0015]図3が示すように、上部構造体3の上には、ウィンチフレーム7の上および上部構造体3の分解不能な部分の上に分散して置かれている様々な油圧機能集合体が配置されている。特にウィンチフレーム7の上の機能集合体は二つのクレーンウィンチ8および9の操作のためのポンプP5およびP6を含んでいる。他方、上部構造体3の解体不可部分の上の機能集合体はポンプP1、P2、P3およびP4を包含している。そのうちのポンプP1はクレーンブーム5を上向きまたは下向きにするためのシリンダを駆動し、ポンプP2はクレーンブーム5を伸縮するための伸縮シリンダを駆動し、ポンプP3は一つの補助ウィンチを駆動し、そうしてポンプP4は上部構造体3の回転のための回転機構を駆動する。列挙したそれらのポンプP1からP4は上部構造体3に配置されるポンプディストリビュータギヤ装置13と結ばれている。

(3)“[0017] Wird der Kranmotor 10 zusammen mit dem Windenrahmen 7 und den am Windenrahmen 7 gelagerten Kranwinden 8 und 9 sowie den Pumpen P5 und P6 zum Zwecke des Transports abgebolzt und vom Oberwagen 3 abgenommen, koennen die am Oberwagen 3 verbleibenden Stellaggregate, also die Pumpen P1 bis P4 von dem Unterwagenmotor 14 angetrieben werden. Das Pumpenverteilergetriebe 13 ist durch eine Antriebsverbindung 15 durch die Drehdurchfuehrung zwischen Unterwagen 2 und Oberwagen 3 mit dem Unterwagenmotor 14 verbunden. Um zwischen Kranmotorantrieb und Unterwagenmotorantrieb umschalten zu koennen, ist dem Pumpenverteilergetriebe 13 eine Ventileinrichtung 16 vorgeschaltet, die einerseits einen Ventilanschluss A zur Verbindung mit dem Unterwagenmotor 14 und andererseits einen Ventilanschluss B zur Verbindung mit dem Kranmotor 10 besitzt. Schaltet die Ventileinrichtung 16 den Ventilanschluss A frei, wird das Pumpenverteilergetriebe 13 und damit die Pumpen P1 bis P4 vom Unterwagenmotor 14 her angetrieben. Schaltet hingegen die Ventileinrichtung 16 auf den Ventilanschluss B, kann der Kranmotor 10 am Windenrahmen 7 das Pumpenverteilergetriebe 13 und damit die Pumpen P1 bis P4 antreiben.”
[0017]クレーンエンジン10が、ウィンチフレーム7、およびウィンチフレーム7に置かれているクレーンウィンチ8および9、さらにポンプP5およびP6もともに輸送目的のためにボルトをはずして上部構造体3から取りはずされれば、上部構造体3上に残される機能集合体、すなわちポンプP1からP4が、足回り車両のエンジン14によって駆動されることが可能になる。ポンプディストリビュータギヤ装置13は、足回り車両2および上部構造体3の間の回転伝達による運転連繋15を経由して足回り車両のエンジン14と結合されている。クレーンエンジン駆動ならびに足回り車両エンジン駆動の間で切り替えができるようにするためには、ポンプディストリビュータギヤ装置13に弁装置16を取り付け、弁位置がAであれば足回り車両エンジン14に、Bであればクレーンエンジン10につながるような弁構成を持たせればよい。弁装置16の弁位置Aがフリーになっている場合には、ポンプディストリビュータギヤ装置13、したがってポンプP1からP4は足回り車両エンジン14から駆動されることになる。それに対し弁装置16が弁位置Bにあれば、ウィンチフレーム7にあるクレーンエンジン10がポンプディストリビュータギヤ装置13を、そうしてポンプP1からP4までを駆動する。

(4)上記(2)、(3)及び図3の記載によれば、ポンプディストリビュータギヤ装置13は、クリーンエンジン10及び足回り車両エンジン14のいずれか一方からの動力を複数のポンプP1からP4に分けて伝達するものであるから、1つの動力を複数に分けて伝達するものであることが分かる。

(5)引用文献2技術

上記(1)ないし(4)を総合すると、引用文献2には次の技術(以下、「引用文献2技術」という。)が記載されている。

「足回り車両2と上部構造体3を有するクレーン1において、1つの動力を複数に分けて伝達するためのポンプディストリビュータギヤ装置13を設ける技術。」

第5 対比・判断

本願発明と引用発明とを対比すると、その機能、構造又は技術的意義からみて、引用発明における「トラッククレーン」は、本願発明における「クレーン」に相当し、以下同様に、「トラック(1)」は「下部台車」に、「クレーン(3)」は「上部台車」に、「走行用エンジン(5)」は「少なくとも1つの下部台車エンジン」及び「下部台車エンジン」に、「トラック(1)には走行用エンジン(5)を設け」ることは「下部台車が該下部台車に配置された少なくとも1つの下部台車エンジンを含」むことに、「クレーンの各種装置の駆動手段」は「少なくとも1つの上部台車駆動部」及び「上部台車駆動部」に、「クレーン(3)にクレーンの各種装置の駆動手段があ」ることは「上部台車が、少なくとも1つの上部台車駆動部を含」むことに、「伝達機構」は「トルク及び/または動力伝達機構」に、「旋回軸受(2)」は「旋回リング」に、「伝動軸(4)」は「アーティキュレーテッドシャフト」に、「傘歯車(13)(14)」は「下部台車のアンギュラートランスミッション」に、「伝動軸(4)のトラック(1)側端部に設けられた傘歯車(13)(14)」は「アーティキュレーテッドシャフトの一端に連結される下部台車のアンギュラートランスミッション」に、「傘歯車(13)(14)とは別の1組の傘歯車」は「上部台車のアンギュラートランスミッション」に、「伝動軸(4)のクレーン(3)側端部に設けられた傘歯車(13)(14)とは別の1組の傘歯車」は「アーティキュレーテッドシャフトの他端に連結される上部台車のアンギュラートランスミッション」に、「装置」は「クレーン用の駆動装置」及び「駆動装置」に、それぞれ相当する。
また、引用発明における「旋回軸受(2)上に設置されたクレーン(3)の旋回装置に動力を伝える伝動軸(4)」は、旋回装置に動力を伝えることで、クレーン(3)が旋回軸受(2)の旋回中心を回転軸として旋回するので、本願発明における「上部台車に対する駆動を旋回リングの中心である回転軸まで行うアーティキュレーテッドシャフト」に相当する。

してみると、本願発明と引用発明とは、
「クレーン用の駆動装置であって、
クレーンが、下部台車と上部台車とを有し、下部台車が該下部台車に配置された少なくとも1つの下部台車エンジンを含み、上部台車が、少なくとも1つの上部台車駆動部を含み、上部台車駆動部が、下部台車エンジンにより駆動されるトルク及び/または動力伝達機構により駆動可能であり、
トルク及び/または動力伝達機構が、上部台車に対する駆動を旋回リングの中心である回転軸まで行うアーティキュレーテッドシャフトと、該アーティキュレーテッドシャフトの一端に連結される下部台車のアンギュラートランスミッションと、該アーティキュレーテッドシャフトの他端に連結される上部台車のアンギュラートランスミッションと、を備える駆動装置。」
の点で一致し、以下の点で相違する。

(相違点1)
下部台車のアンギュラートランスミッションが、本願発明では、「車両のフレームの中心に挿入される」のに対し、引用発明では、トラック(1)に設けられている点。

(相違点2)
本願発明は、トルク及び/または動力伝達機構が「上記上部台車のアンギュラートランスミッションから上記上部台車駆動部である1つのポンプトランスファーギヤへの動力伝達機構」を備えているのに対し、引用発明は、かかる構成を備えていない点。

(相違点3)
本願発明は、「下部台車エンジンが内燃エンジンであり、クレーンの運転に必要な動力が、アイドリング回転よりも速くてアイドリング回転の2倍までの範囲の低速度範囲で下部台車エンジンにより供給されるように、下部台車エンジンの動力が設定されている」のに対し、引用発明は、かかる構成を備えていない点。

まず、相違点1について検討する。
トラッククレーンの技術分野において、クレーンの転倒を防止するためにバランスをよくすることは、技術常識であるから、引用発明において、バランスをよくするために、傘歯車(13)(14)の位置を車両の中心とすることは、必要に応じて適宜なし得る設計的事項である。
したがって、引用発明において、相違点1に係る本願発明の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

次に相違点2について検討する。
本願発明と引用文献2技術とは、クレーンという同一の技術分野に属するものであるところ、本願発明と引用文献2技術とを対比すると、その機能、構造又は技術的意義からみて、引用文献2技術における「足回り車両2」は、本願発明における「下部台車」に相当し、以下同様に、「上部構造体3」は「上部台車」に、「クレーン1」は「クレーン」に、「ポンプディストリビュータギヤ装置13」は「上部台車駆動部である1つのポンプトランスファーギヤ」に、それぞれ相当する。

そうすると、引用文献2技術は、本願発明の用語を用いると、以下のものとなる。

「下部台車と上部台車を有するクレーンにおいて、1つの動力を複数に分けて伝達するための上部台車駆動部である1つのポンプトランスファーギヤを設ける技術。」

引用発明は、伝動軸(4)からの動力を、クレーンの各種装置に伝達するものであるから、伝動軸(4)からの動力を、他の1組の傘歯車の下流でクレーンの各種装置の駆動手段を介してクレーンの各種装置に分けて伝達していることは明らかであり、また、引用発明と引用文献2技術は、クレーンという同一の技術分野に属するものであり、1つの動力を複数に分けるという機能も共通する。
したがって、引用発明において、伝動軸(4)からの動力を、他の1組の傘歯車の下流でクレーンの各種装置に分けて伝達するために、クレーンの各種装置の駆動手段に対して引用文献2技術を適用して、相違点2に係る本願発明の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

最後に、相違点3について検討する。
1つのエンジンで走行とクレーンの駆動を行うクレーン車において、燃料の節約や騒音の低下のために、クレーンを操作する際、エンジンの回転数をアイドリング回転数よりは大きくし、アイドリング回転数の2倍よりは小さくすることは、本願の優先日前の周知又は公知の技術(例えば、当審の拒絶理由に引用された特開2007-290806号公報(段落【0009】、【0023】ないし【0026】、図1ないし3)、当審の拒絶理由に引用された特開2008-137760号公報(段落【0008】及び【0025】ないし【0031】)等参照。以下、「周知又は公知の技術」という。)である。
クレーン車において、燃料の節約や騒音の低下は当然の課題であるから、引用発明において、当該課題を解決するために、上記周知又は公知の技術を適用して、相違点3に係る本願発明の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

したがって、本願発明は、引用発明、引用文献2技術及び周知又は公知の技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第6 むすび

以上より、本願発明は、引用発明、引用文献2技術及び周知又は公知の技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は拒絶をすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2018-03-30 
結審通知日 2018-04-03 
審決日 2018-04-17 
出願番号 特願2012-166913(P2012-166913)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (B66C)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 芦原 康裕森藤 淳志  
特許庁審判長 金澤 俊郎
特許庁審判官 粟倉 裕二
鈴木 充
発明の名称 クレーン用駆動装置  
代理人 特許業務法人前田特許事務所  

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