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審決分類 審判 査定不服 特174条1項 特許、登録しない。 G01C
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G01C
管理番号 1343791
審判番号 不服2017-11552  
総通号数 226 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-10-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-08-03 
確定日 2018-09-04 
事件の表示 特願2015-516403「モバイルデバイスのための気圧の較正方法、較正デバイスおよびモバイルデバイス」拒絶査定不服審判事件〔平成25年12月19日国際公開、WO2013/185331、平成27年 9月 3日国内公表、特表2015-525348〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成24年6月14日を国際出願日とする出願であって、平成27年1月22日付けで翻訳文が提出され、同日付けで手続補正がなされ、平成27年10月23日付けで拒絶理由が通知され、平成28年1月25日付けで手続補正がなされ、平成28年6月29日付けで、最後の拒絶理由が通知され、平成28年10月19日付けで意見書が提出されたが、平成29年3月28日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成29年8月3日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に、手続補正がなされたものである。

第2 平成29年8月3日付けの手続補正についての補正却下の決定
[結論] 平成29年8月3日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 補正の内容
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載(下線は、補正箇所を表す。)
「【請求項1】
モバイルデバイスのための気圧の較正方法であって、前記較正方法は、
前記モバイルデバイスの自己の位置データを取得するステップと、
前記自己の位置データに従って、複数のウェブサイトまたはウェブサービスから気圧情報を取得するステップと、
前記気圧情報を使用することによって、前記モバイルデバイスのために気圧の較正を実行するステップとを含み、
GPS(Global Positioning System)が前記モバイルデバイスの前記自己の位置データを取得するために使用される、較正方法。
【請求項2】
前記自己の位置データに従って、複数のウェブサイトまたはウェブサービスから気圧情報を取得するステップは、
前記自己の位置データに従って、ウェブサイトまたはウェブサービスから気圧値および高度値を取得するステップを特に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記自己の位置データに従って、複数のウェブサイトまたはウェブサービスから気圧情報を取得するステップは、
温度センサを使用することによって、前記モバイルデバイスの周囲の温度データを取得するステップと、
前記自己の位置データに従って、ウェブサイトまたはウェブサービスから高度値を取得するステップと、
前記高度値および前記温度データを使用することによって、前記気圧情報を計算するステップとを特に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記自己の位置データに従って、複数のウェブサイトまたはウェブサービスから気圧情報を取得するステップは、
前記自己の位置データに従って、ウェブサイトまたはウェブサービスから直接的に気圧値を取得するステップを特に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
モバイルデバイスのために適用される気圧の較正デバイスであって、前記較正デバイスは、
前記モバイルデバイスの自己の位置データを取得するように構成された、第1の取得ユニットと、
前記自己の位置データに従って、複数のウェブサイトまたはウェブサービスから気圧情報を取得するように構成された、第2の取得ユニットと、
前記気圧情報を使用することによって、前記モバイルデバイスのために気圧の較正を実行するように構成された、較正ユニットと備え、
前記第1の取得ユニットは、GPS(Global Positioning System)装置である、較正デバイス。
【請求項6】
前記第2の取得ユニットは、前記自己の位置データに従って、ウェブサイトまたはウェブサービスから気圧値および高度値を取得するように特に構成される、請求項5に記載の較正デバイス。
【請求項7】
前記第2の取得ユニットは、
前記モバイルデバイスの周囲の温度データを取得するように構成された、温度センサと、
前記自己の位置データに従って、ウェブサイトまたはウェブサービスから高度値を取得するように構成された、高度取得ユニットと、
前記高度値および前記温度データを使用することによって、前記気圧情報を計算するように構成された、計算ユニットとを特に備える、請求項5に記載の較正デバイス。
【請求項8】
前記第2の取得ユニットは、前記自己の位置データに従って、ウェブサイトまたはウェブサービスから直接的に気圧値を取得するように特に構成される、請求項5に記載の較正デバイス。
【請求項9】
請求項5?8のいずれか一項に記載の前記較正デバイスを備える、モバイルデバイス。
【請求項10】
コンピュータ可読プログラムであって、前記プログラムが較正デバイス内で実行されるとき、前記プログラムは、コンピュータが前記較正デバイスにおいて請求項1?4のいずれか一項に記載の方法を実行することを可能にする、コンピュータ可読プログラム。
【請求項11】
コンピュータ可読プログラムが記憶される記憶媒体であって、前記コンピュータ可読プログラムは、コンピュータが較正デバイスにおいて請求項1?4のいずれか一項に記載の方法を実行することを可能にする、記憶媒体。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲の記載(下線は、補正箇所を表す。)
「【請求項1】
モバイルデバイスのための気圧の較正方法であって、前記較正方法は、
前記モバイルデバイスの自己の位置データを取得するステップと、
前記自己の位置データに従って、複数のウェブサイトまたはウェブサービスから気圧情報を取得するステップと、
前記気圧情報を使用することによって、前記モバイルデバイスのために気圧の較正を実行するステップとを含む、較正方法。
【請求項2】
前記自己の位置データに従って、複数のウェブサイトまたはウェブサービスから気圧情報を取得するステップは、
前記自己の位置データに従って、ウェブサイトまたはウェブサービスから気圧値および高度値を取得するステップを特に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記自己の位置データに従って、複数のウェブサイトまたはウェブサービスから気圧情報を取得するステップは、
温度センサを使用することによって、前記モバイルデバイスの周囲の温度データを取得するステップと、
前記自己の位置データに従って、ウェブサイトまたはウェブサービスから高度値を取得するステップと、
前記高度値および前記温度データを使用することによって、前記気圧情報を計算するステップとを特に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記自己の位置データに従って、複数のウェブサイトまたはウェブサービスから気圧情報を取得するステップは、
前記自己の位置データに従って、ウェブサイトまたはウェブサービスから直接的に気圧値を取得するステップを特に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
GPS(Global Positioning System)が前記モバイルデバイスの前記自己の位置データを取得するために使用される、請求項1?4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
モバイルデバイスのために適用される気圧の較正デバイスであって、前記較正デバイスは、
前記モバイルデバイスの自己の位置データを取得するように構成された、第1の取得ユニットと、
前記自己の位置データに従って、複数のウェブサイトまたはウェブサービスから気圧情報を取得するように構成された、第2の取得ユニットと、
前記気圧情報を使用することによって、前記モバイルデバイスのために気圧の較正を実行するように構成された、較正ユニットと備える、較正デバイス。
【請求項7】
前記第2の取得ユニットは、前記自己の位置データに従って、ウェブサイトまたはウェブサービスから気圧値および高度値を取得するように特に構成される、請求項6に記載の較正デバイス。
【請求項8】
前記第2の取得ユニットは、
前記モバイルデバイスの周囲の温度データを取得するように構成された、温度センサと、
前記自己の位置データに従って、ウェブサイトまたはウェブサービスから高度値を取得するように構成された、高度取得ユニットと、
前記高度値および前記温度データを使用することによって、前記気圧情報を計算するように構成された、計算ユニットとを特に備える、請求項6に記載の較正デバイス。
【請求項9】
前記第2の取得ユニットは、前記自己の位置データに従って、ウェブサイトまたはウェブサービスから直接的に気圧値を取得するように特に構成される、請求項6に記載の較正デバイス。
【請求項10】
前記第1の取得ユニットは、GPS(Global Positioning System)装置である、請求項6に記載の較正デバイス。
【請求項11】
請求項6?10のいずれか一項に記載の前記較正デバイスを備える、モバイルデバイス。
【請求項12】
コンピュータ可読プログラムであって、前記プログラムが較正デバイス内で実行されるとき、前記プログラムは、コンピュータが前記較正デバイスにおいて請求項1?5のいずれか一項に記載の方法を実行することを可能にする、コンピュータ可読プログラム。
【請求項13】
コンピュータ可読プログラムが記憶される記憶媒体であって、前記コンピュータ可読プログラムは、コンピュータが較正デバイスにおいて請求項1?5のいずれか一項に記載の方法を実行することを可能にする、記憶媒体。」

2 特許法第17条の2第3項(新規事項の追加)について
(1)本件補正後の請求項1における「前記自己の位置データに従って、複数のウェブサイトまたはウェブサービスから気圧情報を取得するステップ」について

ア 本願の国際出願日における国際特許出願の明細書若しくは図面(図面の中の説明に限る。)の翻訳文、国際出願日における国際特許出願の請求の範囲の翻訳文又は国際出願日における国際特許出願の図面(図面の中の説明を除く。)(以下、「翻訳文等」という。)には、次のとおり記載されている。
(ア)「【0035】
実装において、(インターネットのような)ネットワークにおけるウェブサイトまたはウェブサービスがいくつか存在し、少なくともモバイルデバイスは、上記ネットワークに接続する機能を有する。上記ネットワークからの気象観測データまたは高度データは、本願における較正のための値として、気圧計の代わりに使用される。
【0036】
本実施形態において、どのようにウェブサイトまたはウェブサービスを取得するかは、先行技術に存在し、既存技術として参照されてよく、これ以上説明しない。」

(イ)「【0039】
図2に示すように、ネットワーク上にウェブサービスA、ウェブサービスB、ウェブサービスC、およびクラウドサービスが存在していてもよい。ここで、サービスAは気圧データを配信し、サービスBは高度データを配信し、サービスCは気圧データおよび高度データを配信し、クラウドサービスは気圧データおよび高度データを収集し、配信する。
【0040】
あるシナリオにおいて、モバイルデバイスが自己の位置データに従って、ウェブサイトまたはウェブサービスから気圧情報を取得することが、自己の位置データに従ってウェブサイトまたはウェブサービスから気圧値および高度値を取得することを特に含んでいてもよい。
【0041】
実装において、モバイルデバイスは、自己の位置データを使用することによって、サービスCまたはクラウドサービスから直接、現在位置から最も近い気圧値および高度値を得てもよい。
【0042】
別のシナリオにおいて、モバイルデバイスは、ウェブサイトまたはウェブサービスから直接気圧値を得なくてもよい。図3は、ウェブサイトまたはウェブサービスから気圧情報を取得するステップのフローチャートである。
【0045】
ステップ302:モバイルデバイスが、自己の位置データに従って、ウェブサイトまたはウェブサービスから高度値を取得する。
【0046】
ステップ303:モバイルデバイスが、高度値および温度データを使用することによって、気圧情報を計算する。
【0047】
実装において、モバイルデバイスは、自己の位置データを使用することによって、サービスCまたはサービスBから直接、現在位置から最も近い高度値を得て、温度センサから温度データを得てもよい。」

(ウ)「【0051】
別のシナリオにおいて、モバイルデバイスが自己の位置データに従ってウェブサイトまたはウェブサービスから気圧情報を取得することは、自己の位置データに従ってウェブサイトまたはウェブサービスから直接、気圧値を取得することを特に含んでもよい。
【0052】
実装において、モバイルデバイスは、自己の位置データを使用することによって、サービスAから直接、現在位置から最も近い気圧値を得てもよい。
【0053】
実装において、モバイルデバイスは、自己の位置データを使用することによって、サービスBから、現在位置から最も近い高度値をさらに得て、温度データを温度センサから得てもよい。また、上述の数式は、気圧を計算するために使用されてもよい。」

(エ)また、図2及び図3の記載は次のとおりである。



イ 上記「ア」「(ア)」-「(エ)」の記載より、翻訳文等には、「(インターネットのような)ネットワークにおけるウェブサイトまたはウェブサービスがいくつか存在」すること、該ウェブサイトまたはウェブサービスは、「気圧データ」や「高度データ」を「配信」すること、モバイルデバイスは、上記ネットワークに接続する機能を有し、較正のための値として、上記ネットワークにおける、「気圧データ」または「高度データ」を「配信」するウェブサイトまたはウェブサービスから「現在位置から最も近い」「気圧値」や「高度値」を取得することが、記載されている。

ウ しかし、翻訳文等に、「(インターネットのような)ネットワーク上にウェブサービスA、ウェブサービスB、ウェブサービスC、およびクラウドサービスが存在」すること(つまり、ネットワーク上で「複数」のサービスが提供されていること)が記載されていたとしても、モバイルデバイスの動作に関連して翻訳文等に記載されている事項は、モバイルデバイスが、自己の位置データを使用することによって、
(ア)「サービスCまたはクラウドサービスから直接、現在位置から最も近い気圧値および高度値を得」ること(段落【0041】)、
(イ)「サービスCまたはサービスBから直接、現在位置から最も近い高度値を得て、温度センサから温度データを得」ること(段落【0047】)、
または、
(ウ)「サービスAから直接、現在位置から最も近い気圧値を得」ること(段落【0053】)

にとどまり、本件補正後の請求項1における「モバイルデバイスが、前記自己の位置データに従って、『複数』のウェブサイトまたはウェブサービスから気圧情報を取得するステップ」は記載されていない。

エ また、気圧情報を取得するサイトまたはサービスを「複数」にすれば、「自己の位置データ」に従って、「現在位置から最も近い」「気圧値」を選択することが可能になり、より正確な気圧値を得ることができるようになると認められるから、気圧情報を取得するサイトまたはサービスを「複数」と特定することは、より正確な気圧値を得るという技術的に意味のある事項を特定するものということができる。しかし、そのような事項は、翻訳文等に記載も示唆もされていないし、本国際出願時における技術常識を斟酌しても、翻訳文等に記載されているに等しい事項であるということもできない。

オ よって、本件補正は、翻訳文等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものであり、翻訳文等に記載した事項の範囲内においてしたものではない。

カ したがって、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定(同法第184条の12第2項参照)に違反してなされたものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3 独立特許要件について
仮に、本件補正が、特許法第17条の2第3項の規定(同法第184条の12第2項参照)に違反してなされたものではないとして、さらに判断する。
請求項1に係る本件補正は、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である、「前記モバイルデバイスの自己の位置データを取得するステップ」について、「GPS(Global Positioning System)が前記モバイルデバイスの前記自己の位置データを取得するために使用される」との限定を付加するものであるから、特許法第17条の2第5項第2号(特許請求の範囲の減縮)に掲げる事項を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(1)本願補正発明
本願補正発明は、上記「第2」「1」「(1)」に記載したとおりのものである。

(2)引用発明、引用文献の記載事項等
ア 引用文献1について
原査定の拒絶の理由で引用された、本願の優先日前に頒布された、特開2002-39751号公報(以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の事項が記載されている(下線は、当審で付与した。)。
(ア)【請求項12】 GPS衛星信号を検出し、前記通信機器の位置(locationfix)を決定するGPS受信機をさらに有し、前記位置は、通信機器の水平面の位置を示すことを特徴とする請求項11記載の通信機器。」

(イ)「【0011】図2は、基地局2がワイヤレスあるいはセルラ通信ネットワークの一部である本発明による少なくとも1つの基地局21と通信する移動局である携帯電話器20を示す。携帯電話器20は、信号を送受信するアンテナ22と信号を復調あるいは変調するトランシーバ23と、携帯電話器20により送受信される信号を処理するプロセッサ24と、GPS衛星信号を検出するGPS受信機26と、圧力センサ28とを有する。アンテナ22とトランシーバ23とGPS受信機26の構成は通信業界においては公知である。プロセッサ24は通常の携帯電話器での処理機能の全てあるいはほとんどと、位置を決定するための処理機能および圧力センサ28により測定された大気圧を処理(校正)する機能を有する。
【0012】圧力センサ28は、シリコンチップに集積された大気圧を測定することができる装置である。これに関しては、例えばハンドブック、SenSym Inc. 社の1804 McCarthy Blvd., Milpitas, CA "Solid State Pressure Sensors Handbook," (1995) pages iii-v を参照のこと。圧力センサ28は、プロセッサ24に携帯電話器20での局部的な気圧の測定値を与える。そしてこの測定値は、携帯電話器20の位置における垂直方向の高さ即ち垂直位置に変換される。」

(ウ)「【0014】しかし、圧力センサ28から得られた大気圧の測定値にのみ基づいた高さの推定値は不正確である、その理由は局部的な大気圧はその場所の天候に左右されるからである。空気の局部的な変動は、局部的な気圧測定値を用いて保証することができる。ここで「大気圧(barometric pressure)」とは海面の圧力に等価、即ち空気圧の天候により左右される変動を保証するために既に校正された既知の高さの場所における大気圧を意味する。本発明は気圧校正情報を用いて局部的な天候状態に起因する局部的な大気圧の変動を保証して、圧力センサ28により測定された局部的な気圧を校正して高さを求める。具体的に説明すると、圧力センサが測定した生(校正前)の値が「気圧」であり、これを校正した値は「大気圧」である。しかし「大気圧を測定する」ことと「気圧を測定する」こととは実質的に同一である。本発明の目的は携帯電話の高さの測定であり、気圧(大気圧)を測定しそれを気圧校正情報を用いて高度に変換するからである。
【0015】気圧校正情報は、局部的な気圧測定値をより正確な高さの推定値に変換するあるいは校正する量を表すデータを含む。気圧校正情報は、基地の高さ、例えば海上あるいは携帯電話から10-20マイルの範囲内の高さでの気圧測定値に基づいている。様々な方法を用いて気圧校正情報を決定することができる。1つの方法は、基地の高さでの大気圧を測定する気圧計29を有する基地局21を用いることである。
【0016】基地局21は携帯電話器20の近傍にあるのが好ましい。例えば、主基地局あるいは携帯電話器20と通信している基地局においては、それが具備している気圧計29は携帯電話器20内の圧力センサ28と類似の天候状態下(気圧状態)にあり、その結果信頼性のある気圧校正情報が得られる。別の方法として気圧校正情報は、地方の気象庁あるいは航空機管制センタあるいは他の類似のサービスを行う企業により提供される気圧データから抽出可能である。
【0017】気圧校正情報を決定する別の方法は、携帯電話器20の水平位置を最初に決定することである。この決定された水平位置に基づいて、基地局21が既知の高さでの複数の気圧測定値から決定された水平位置に最も近い場所での大気圧を校正して気圧校正情報を決定することである。
【0018】本発明の一実施例においては、携帯電話器20はダウンリンク信号(即ち、基地局21から送信器30を介して携帯電話器20へ送信される信号)によりアンテナ22(あるいは通信デバイスがワイヤレスデバイスでない場合には有線リンクあるいは光学リンク)とワイヤレスリンクを介して、気圧校正情報を受領する。気圧校正情報は、携帯電話器20に対し送信中の情報が気圧校正情報であるようにフォーマットして携帯電話器20に送信される。」

(エ)「【0020】気圧校正情報は、トランシーバ23によりダウンリンク信号から復調され、GPS受信機26に与えられる。気圧校正情報が送信/校正あるいはフォーマット化される方法に基づいて、GPS受信機26は気圧校正情報を含むようダウンリンク信号を決定し、この気圧校正情報を用いて圧力センサ28により与えられた局部的な気圧測定値を校正する、これは局部的な気圧測定値を高さに変換する前あるいは後に行ってもよい。高さの推定値がその後基地局21に送られる。」

(オ)「【0025】他の実施例においては、GPS受信機26はGDOP(geometric dilution of precision )とGPS衛星信号強度に基づいてその高さ予測に対する推定エラーを決定することができる場合には、このような決定は携帯電話器20の製造業者により提供される圧力センサ28の誤差の推定値と組み合わせて適宜の重み係数を得ることもできる。このような計算は、携帯電話器20、基地局21または例えばPDEのような他のエンティティにより行うことができる。」

上記「(ア)」における「通信機器」は、「(イ)」、「(ウ)」及び「(オ)」における「携帯電話器20」を含むものであるから、上記「(ア)」における「通信機器」を「携帯電話器20」と読み替えると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。

「携帯電話器20での、測定された大気圧を処理(校正)する機能であって(段落【0011】より。以下同様。)
携帯電話器20は、ワイヤレスあるいはセルラ通信ネットワークの一部である少なくとも1つの基地局21と通信する移動局であって、携帯電話器20は、信号を送受信するアンテナ22と信号を復調あるいは変調するトランシーバ23と、携帯電話器20により送受信される信号を処理するプロセッサ24と、GPS衛星信号を検出するGPS受信機26と、圧力センサ28とを有し、プロセッサ24は通常の携帯電話器での処理機能の全てあるいはほとんどと、位置を決定するための処理機能および圧力センサ28により測定された大気圧を処理(校正)する機能を有し(【0011】)、
気圧校正情報は、携帯電話から10-20マイルの範囲内の高さでの気圧測定値に基づいており(【0015】)、携帯電話器20は、基地局21から携帯電話器20へ送信される信号により、アンテナ22とワイヤレスリンクを介して、気圧校正情報を受領し(【0018】)、
気圧校正情報を決定する方法は、携帯電話器20の水平位置を最初に決定することであり、この決定された水平位置に基づいて、基地局21が既知の高さでの複数の気圧測定値から決定された水平位置に最も近い場所での大気圧を校正して気圧校正情報を決定し(【0017】)、
この気圧校正情報を用いて圧力センサ28により与えられた局部的な気圧測定値を校正し(【0020】)、
GPS受信機は、携帯電話器20の位置(locationfix)を決定し、前記位置は、携帯電話器20の水平面の位置を示す(【請求項12】 )、
測定された大気圧を処理(校正)する機能(【0011】)。」

イ 対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。
(ア) 引用発明における「携帯電話器20」が、本願補正発明における「モバイルデバイス」に相当する。

(イ) 上記「(ア)」を踏まえると、引用発明における「携帯電話器での、測定された大気圧を処理(校正)する機能」は、方法として捉えることもできるから、本願補正発明における「モバイルデバイスのための気圧の較正方法」に相当する。

(ウ) 上記「(ア)」を踏まえると、引用発明における「携帯電話器20の水平位置を最初に決定すること」が、本願補正発明における「前記モバイルデバイスの自己の位置データを取得するステップ」に相当する。

(エ) 引用発明における「この決定された水平位置に基づいて、基地局21が既知の高さでの複数の気圧測定値から決定された水平位置に最も近い場所での大気圧を校正して気圧校正情報を決定する」ことと、本願補正発明における「前記自己の位置データに従って、複数のウェブサイトまたはウェブサービスから気圧情報を取得するステップ」とは、「前記自己の位置データに従って、気圧の較正に用いる情報を取得するステップ」の点で共通する。

(オ) 引用発明における「この気圧校正情報を用いて圧力センサ28により与えられた局部的な気圧測定値を校正する」ことと、本願発明1における「前記気圧情報を使用することによって、前記モバイルデバイスのために気圧の較正を実行するステップ」とは、「前記気圧の較正に用いる情報を使用することによって、前記モバイルデバイスのために気圧の較正を実行するステップ」の点で共通する。

(カ) 引用発明における「携帯電話器20」が、「GPS衛星信号を検出するGPS受信機26」を有し、「GPS受信機は、携帯電話器20の位置(locationfix)を決定し、前記位置は、携帯電話器20の水平面の位置を示す」ことと、本願発明1における「GPS(Global Positioning System)が前記モバイルデバイスの前記自己の位置データを取得するために使用される」こととは、「GPS(Global Positioning System)は、前記モバイルデバイスの自己の位置データを取得する」点で共通する。

(キ) 上記「(イ)」のとおり、引用発明における「測定された大気圧を処理(校正)する機能」は、方法として捉えることもできるから、本願補正発明における「気圧の較正方法」に相当する。

以上のことから、本願補正発明と引用発明との一致点及び相違点は次のとおりである。
(一致点)
モバイルデバイスのための気圧の較正方法であって、前記較正方法は、
前記モバイルデバイスの自己の位置データを取得するステップと、
前記自己の位置データに従って、気圧の較正に用いる情報を取得するステップと、
前記気圧の較正に用いる情報を使用することによって、前記モバイルデバイスのために気圧の較正を実行するステップとを含み、
GPS(Global Positioning System)は、前記モバイルデバイスの自己の位置データを取得する、較正方法。」

(相違点1)
本願補正発明では、モバイルデバイスは、自己の位置データに従って、「複数のウェブサイトまたはウェブサービスから気圧情報」を取得しているのに対し、引用発明では、携帯電話器20の決定された水平位置に基づいて、「基地局21」が「気圧校正情報を決定」し、「携帯電話器20は、基地局21から」「気圧校正情報を受領」しているものの、「携帯電話器20」が「複数のウェブサイトまたはウェブサービスから気圧情報」を取得するものではない点。

(相違点2)
本願補正発明では、「GPS(Global Positioning System)」が取得するモバイルデバイスの自己の位置データに従って、気圧の較正に用いる情報を取得するのに対し、引用発明における携帯電話器20は、「GPS受信機26」を有し、「GPS受信機は、携帯電話器20の位置(locationfix)を決定し、前記位置は、携帯電話器20の水平面の位置を示す」ものの、「GPS受信機」が決定する「携帯電話器20の位置(locationfix)」(携帯電話器20の水平面の位置を示す)に従って、「基地局21」が「気圧校正情報を決定」することは明示されていない点。

ウ 判断
そこで、上記相違点について検討すると、
(ア)相違点1について
引用文献1には、上記摘記事項(ウ)のとおり、「【0016】基地局21は携帯電話器20の近傍にあるのが好ましい。例えば、主基地局あるいは携帯電話器20と通信している基地局においては、それが具備している気圧計29は携帯電話器20内の圧力センサ28と類似の天候状態下(気圧状態)にあり、その結果信頼性のある気圧校正情報が得られる。別の方法として気圧校正情報は、地方の気象庁あるいは航空機管制センタあるいは他の類似のサービスを行う企業により提供される気圧データから抽出可能である。」と記載されている。
ここで、引用文献1には、「本発明は気圧校正情報を用いて局部的な天候状態に起因する局部的な大気圧の変動を保証して、圧力センサ28により測定された局部的な気圧を校正し」(段落【0014】、なお「保証」とは「補償」の誤記と認められる。)と記載されていることから、上記段落【0016】の記載のうち、「地方の気象庁あるいは航空機管制センタあるいは他の類似のサービスを行う企業により提供される気圧データ」とは、「地方の気象庁あるいは航空機管制センタあるいは他の類似のサービスを行う企業」から提供される、携帯電話器20の「近傍」にある気圧データであることは、明らかである。
そして、引用文献1の段落【0011】に記載されているとおり、「基地局2がワイヤレスあるいはセルラ通信ネットワークの一部であ」って、しかも、セルラ通信ネットワークが、本出願時において、インターネットに接続され、各種サイトから情報を取得し得る環境が構築されていたこと、及び、情報の信頼性を高めるため、入手先の異なる複数の情報を取得することが周知の事項であることを踏まえれば、引用発明において、基地局2が、「地方の気象庁あるいは航空機管制センタあるいは他の類似のサービスを行う企業」から、携帯電話器20の「近傍」にある「気圧校正情報」を取得することに代え、基地局2が、インターネットに接続された各種サイトから提供される、携帯電話器20の「近傍」にある「気圧データ」から、「気圧校正情報」を取得し、「携帯電話器20は、基地局21から」「気圧校正情報を受領」するようにし、上記相違点1に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

なお、引用発明では、携帯電話器20の近傍の「気圧校正情報」の取得を「基地局」が行ない、「携帯電話器20は、基地局21から」「気圧校正情報を受領」している。ここで、本願発明1における「気圧情報を取得する」を、「モバイルデバイス」が自ら取得する意味であると解したとしても、携帯電話器20によるインターネット接続が周知の事項であることに鑑みれば、引用発明において、携帯電話器20が自ら「気圧校正情報」の取得を行うようにすることも、当業者が適宜なし得たことである。

(イ)相違点2について
引用発明における「GPS受信機」は、「携帯電話器20の位置(locationfix)を決定し、前記位置は、携帯電話器20の水平面の位置を示」しているのであるから、基地局2が、携帯電話器20の「近傍」の「気圧校正情報」を取得する際、携帯電話器20が有する「GPS受信機」が決定した携帯電話器20の「位置」(水平面の位置)に従って、携帯電話器20の「近傍」の「気圧校正情報」を取得し、上記相違点2に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

(ウ)そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本願補正発明の奏する作用効果は、引用発明、引用文献1に記載された技術及び周知の事項の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

(エ)したがって、本願補正発明は、引用発明、引用文献1に記載された技術及び周知の事項及に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

エ 独立特許要件についてのまとめ
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

4 本件補正についてのまとめ
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定(同法第184条の12第2項参照)に違反してなされたものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
また、本件補正が、仮に、特許法第17条の2第3項の規定(同法第184条の12第2項参照)に違反していないとしても、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
平成29年8月3日付けの手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし13に係る発明は、平成28年1月25日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項1ないし13に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]「1」「(2)」に記載のとおりのものである。再掲すれば、次のとおり。
「【請求項1】
モバイルデバイスのための気圧の較正方法であって、前記較正方法は、
前記モバイルデバイスの自己の位置データを取得するステップと、
前記自己の位置データに従って、複数のウェブサイトまたはウェブサービスから気圧情報を取得するステップと、
前記気圧情報を使用することによって、前記モバイルデバイスのために気圧の較正を実行するステップとを含む、較正方法。」

2 原査定の理由の概要
原査定の拒絶の理由の概要は、次のとおりである。
(1)平成28年6月29日付け拒絶理由通知書に記載した理由1(特許法第17条の2第3項)について
平成28年1月25日付け手続補正書でした補正は、下記の点で国際出願日における国際特許出願の明細書若しくは図面(図面の中の説明に限る。)の翻訳文、国際出願日における国際特許出願の請求の範囲の翻訳文又は国際出願日における国際特許出願の図面(図面の中の説明を除く。)(以下、翻訳文等という。)に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない(同法第184条の12第2項参照)。


・請求項 1-13
・備考
ア 平成28年1月25日付けの手続補正に係る、請求項1、6の「・・・前記自己の位置データに従って、複数のウェブサイトまたはウェブサービスから気圧情報を取得する・・・」との記載は、実質上”モバイルデバイスが”このような気圧情報を取得すること(モバイルデバイス側の動作)、を特定するものである。
しかしながら、出願当初明細書等(翻訳文等)の段落【0039】及び図3は”複数のウェブサイト又はウェブサービスが”配信すること(複数のウェブサイト又はウェブサービス側の動作)を記載したものにすぎず、”モバイルデバイスが”取得すること(モバイルデバイス側の動作)を記載したものではない。
よって、出願当初明細書等(翻訳文等)の段落【0039】及び図3の記載は、平成28年1月25日付けの手続補正に係る、「・・・前記自己の位置データに従って、複数のウェブサイトまたはウェブサービスから気圧情報を取得する・・・」ことを記載したものではない。

イ 請求項1、6の上記補正「・・・前記自己の位置データに従って、複数のウェブサイトまたはウェブサービスから気圧情報を取得する・・・」とは、気圧情報が複数取得されることに特定したもの、と考えられるが、そのようなことも、出願当初明細書等(翻訳文等)には、記載されていない。

(2)平成27年10月23日付け拒絶理由通知書に記載した理由1(特許法第29条第2項)について
この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)
・請求項 1、4、6、9
・引用文献等 1-3

・請求項 2-3、5、7-8、10-13
・引用文献1-4

<引用文献等一覧>
1.特開2002-39751号公報
2.米国特許出願公開第2010/0164787号明細書(周知技術を示す文献)
3.特開2003-271610号公報(新たに引用された文献;周知技術を示す文献)
4.特開2011-257260号公報(周知技術を示す文献)

3 当審の判断
(1)特許法第17条の2第3項について
平成28年1月25日付けの手続補正に係る、請求項1の「前記自己の位置データに従って、複数のウェブサイトまたはウェブサービスから気圧情報を取得するステップ」が、翻訳文等の記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものであることは、上記「第2」の[理由]「2」で述べたことと同様である。
従って、平成28年1月25日付けの手続補正は、翻訳文等に記載した事項の範囲内においてしたものではないから、平成28年1月25日付けの手続補正は、特許法第17条の2第3項の規定(同法第184条の12第2項参照)に違反してなされたものである。

(2)特許法第29条第2項について
ア 引用発明、引用文献等
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1及びその事項は、前記「第2」の[理由]「3」「(2)」に記載したとおりである。

イ 対比・判断
本願発明は、前記「第2」の[理由]「3」で検討した本願補正発明から、「前記モバイルデバイスの自己の位置データを取得するステップ」に係る、「GPS(Global Positioning System)が前記モバイルデバイスの前記自己の位置データを取得するために使用される」との限定事項を削除したものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「第2」の[理由]「3」「イ」、「ウ」に記載したとおり、引用発明、引用文献1に記載された技術及び周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、引用発明、引用文献1に記載された技術及び周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
よって、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。

第4 まとめ
平成28年1月25日付けの手続補正は、特許法第17条の2第3項の規定(同法第184条の12第2項参照)に違反してなされたものであるから、本願は拒絶されるべきものである。
また、仮に、平成28年1月25日付けの手続補正が特許法第17条の2第3項の規定(同法第184条の12第2項参照)に違反していないとしても、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2018-03-27 
結審通知日 2018-04-02 
審決日 2018-04-18 
出願番号 特願2015-516403(P2015-516403)
審決分類 P 1 8・ 55- Z (G01C)
P 1 8・ 121- Z (G01C)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 眞岩 久恵  
特許庁審判長 小林 紀史
特許庁審判官 清水 稔
▲うし▼田 真悟
発明の名称 モバイルデバイスのための気圧の較正方法、較正デバイスおよびモバイルデバイス  
代理人 木内 敬二  
代理人 実広 信哉  

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