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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  A23L
審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  A23L
審判 全部申し立て 2項進歩性  A23L
管理番号 1343868
異議申立番号 異議2017-700959  
総通号数 226 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-10-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-10-05 
確定日 2018-07-26 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6109437号発明「炭酸飲料、炭酸飲料の調製に用いられるシロップ、炭酸飲料の製造方法、及び炭酸飲料の泡立ちを抑制する方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6109437号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-2〕、〔3-4〕、〔5-6〕について訂正することを認める。 特許第6109437号の請求項1ないし6に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6109437号の請求項1ないし6に係る特許についての出願は、2015年9月30日(優先権主張 2014年9月30日 日本国)を国際出願日とする出願であって、平成29年3月17日にその特許権の設定登録がされ、平成29年4月5日にその特許掲載公報が発行された。
そして、平成29年10月5日に特許異議申立人城川明子より全請求項に係る特許に対して特許異議の申立てがされ、その後の手続の経緯は次のとおりである。
平成29年12月19日付け 取消理由通知
平成30年 2月19日付け 訂正請求書及び意見書(特許権者)
同年 4月 6日付け 意見書(特許異議申立人)

第2 訂正の適否についての判断
1 訂正の内容
平成30年2月19日の訂正請求(以下、「本件訂正請求」という。)による訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は以下のとおりである。
なお、下線は訂正箇所を示すものである。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「泡立ちが抑制された容器詰炭酸飲料であって」と記載されているのを、「RebとしてRebAを単独で含有する炭酸飲料に比べて泡立ちが抑制された容器詰炭酸飲料であって」に訂正する。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1に「RebA及びRebMの合計含量が、ショ糖換算のBrixで0.5?11.5」と記載されているのを、「RebA及びRebMの合計含量が、ショ糖換算のBrixで1.0?11.5」に訂正する。

(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3に「泡立ちが抑制された容器詰炭酸飲料の調製に用いられるシロップであって」と記載されているのを、「RebとしてRebAを単独で含有する炭酸飲料に比べて泡立ちが抑制された容器詰炭酸飲料の調製に用いられるシロップであって」に訂正する。

(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項3に
「RebA及びRebMの合計含量が、ショ糖換算のBrixで0.5?11.5、
カフェインの含量が1?200ppm、及び
炭酸ガスのガス圧が2.15kgf/cm^(2)以上
となるように、
RebA、RebM、カフェイン、及び炭酸ガスを含有する、前記シロップ。」と記載されているのを、
「RebA及びRebMの合計含量が、ショ糖換算のBrixで1.0?11.5、及び
カフェインの含量が1?200ppm、
となるように、
RebA、RebM、及びカフェインを含有する、前記シロップであって、
該容器詰炭酸飲料の炭酸ガスのガス圧は2.15kgf/cm^(2)以上である、
前記シロップ。」に訂正する。

(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項5に「容器詰炭酸飲料の泡立ちを抑制する方法。」と記載されているのを、「容器詰炭酸飲料の泡立ちをRebとしてRebAを単独で含有する炭酸飲料に比べて抑制する方法。」に訂正する。

(6)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項5に「RebA及びRebMの合計含量を、ショ糖換算のBrixで0.5?11.5」と記載されているのを、「RebA及びRebMの合計含量を、ショ糖換算のBrixで1.0?11.5」に訂正する。

2 訂正の目的の適否、一群の請求項、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正事項1
訂正事項1は、訂正前の請求項1の「泡立ちが抑制された」について、泡立ち抑制の比較対象を具体化するために、「RebとしてRebAを単独で含有する炭酸飲料に比べて泡立ちが抑制された」と訂正するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そして、明細書の発明の詳細な説明には、次の事項が記載されている。
「【0013】・・・本願の発明者は、ステビア抽出物を含有する炭酸飲料に関して、開栓時や容器へ注いだ場合等に問題になり得る泡立ちに、RebAが関与していることを初めて見出している。本発明の実施の形態は、炭酸飲料において、ステビア抽出物としてのRebAの含量を低くすることによって、泡立ちを抑制するものである。・・・」
「【0014】
上記のように、ステビア抽出物としてRebAの炭酸飲料における含量を単に低くした場合、炭酸飲料にステビア抽出物に由来する甘味を十分に与えることができない。本願の発明者は、RebAに比べて、RebD及びRebMが泡立ちにくいことを初めて突き止めた。即ち、本発明の実施の形態は、炭酸飲料において、ステビア抽出物としてのRebAをReD及び/又はRebMに置き換えることにより、炭酸飲料の泡立ちの問題に対処しながら、ステビア抽出物に由来する甘味を十分に与えることを可能とする。・・・」
「【0017】
RebA、RebD、及びRebMの含量と泡立ちの抑制効果の関係は、次のように確認することができる。試験溶液の甘味度をショ糖換算でBrix 0.5、1.0、1.59、7.5、及び13.5相当に揃えるため、Rebの含有量を以下のように調整した。RebAを16.7ppm、33.3ppm、53ppm、250ppm、及び450ppmで純水15.8mLに溶解させた。RebDとRebMはそれぞれ、17.6ppm、35.1ppm、55.7ppm、271.2ppm、及び486ppmで純水15.8mLに溶解させた。溶解液を4℃に冷却し、炭酸水で液量を100mLに調整した。容器を密閉し、冷蔵庫にて4℃で1時間静置した。容器を開栓し、逆さまにした500mLのメスシリンダーを試験溶液が収容された容器の注ぎ口に被せ、固定した。メスシリンダーと容器を反転させ、試験溶液をメスシリンダーに注いだ。泡の立ち上がり面の目盛を読み取り、泡液面量とした。RebAをショ糖換算のBrix 1.59(53ppm)で含有する試験溶液に関する泡液面量を1とする相対値として、泡液面量を図1に示した。ショ糖換算のBrix 0.5で配合した場合、RebA、RebD、及びRebMの間で泡液面量に実質的な差は見られなかった。ショ糖換算のBrix 1.0以上で配合した場合、RebDやRebMは、RebAに比べて泡液面量を減少させた。RebDは、ショ糖換算のBrix 13.5においても、RebAに比べて泡液面を減少させた。RebMは、配合量がショ糖換算のBrix 11.5以下において、RebAに比べて泡液面を減少させた。
【0018】
このことより、RebDによる泡立ち抑制効果は、RebAのショ糖換算のBrix 0.5?13.5又は1.0?13.5の代替において有効であることが示された。そして、RebMによる泡立ち抑制効果は、RebAのショ糖換算のBrix 0.5?11.5又は1.0?11.5の代替において有効であることが示された。そして、RebA、並びにRebD及び/又はRebMの合計含量が、ショ糖換算のBrixで0.5?13.5において泡立ちの抑制に有効であることも示唆される。」



「【0023】
カフェイン又はシンナムアルデヒドとの組み合わせにおける、RebD及びRebMの泡立ち抑制効果は、次のようにして確認することができる。RebA、RebD、及びRebMは、一般に市販品を使用した。調製する試験溶液の甘味度をショ糖換算でBrix 1.59相当に揃えることとし、RebA 53ppm、RebD 55.7ppm、及びRebM 55.7ppmをそれぞれ単独で、15.8mLの純水に溶解させた。また、RebA 53ppm、RebD 55.7ppm、及びRebM 55.7ppmそれぞれを、カフェイン10ppm、又はシンナムアルデヒド50μl/100mlと組み合わせて、15.8mLの純水に溶解させた。溶解液を4℃に冷却し、炭酸水で100mLにメスアップした。容器を密閉し、冷蔵庫にて4℃で1時間静置した。容器を開栓し、逆さまにした500mLのメスシリンダーを試験溶液が収容された容器の注ぎ口に被せ、固定した。メスシリンダーと容器を反転させ、試験溶液をメスシリンダーに注いだ。泡の立ち上がり面の目盛を読み取り、泡液面量とした。RebAを単独で含有する試験溶液に関する泡液面量を1とする相対値として、泡液面量を図2に示した。
【0024】
RebMを単独で含有する試験溶液は、RebAを単独で含有する試験溶液に比べて、泡液面量が0.8程度であった。RebDについても同様の結果であった。そして、カフェインとの組み合わせにおいて、RebD又はRebMを含有する試験溶液は、RebAを含有する試験溶液に比べ、泡液面量を大きく減少させた。また、RebA、RebD、及びRebMをシンナムアルデヒドと組み合わせた場合にも同様の結果が得られた。以上の結果より、炭酸飲料に広く配合されるカフェインやシンナムアルデヒド等、その他の原料との組合わせにおいても、RebD及びRebMは、泡立を抑制する効果を発揮することが示された。」



「【0025】
更に、カフェインとの組み合わせにおける、RebD及びRebMの泡立ち抑制効果を次のように確認することができる。試験溶液の甘味度をショ糖換算でBrix 1.59相当に揃えるため、含有量をRebA 53ppm、RebM 55.7ppm、及びRebM 55.7ppmとした。RebA、RebD、及びRebMをそれぞれ、カフェインと共に純水15.8mLに溶解した。ここで、カフェイン含量は1ppm、5ppm、10ppm、100ppm、200ppmに変化させた。溶解液を4℃に冷却し、炭酸水で100mLにメスアップした。容器を密閉し、冷蔵庫にて4℃で1時間静置した。容器を開栓し、逆さまにした500mLのメスシリンダーを試験溶液が収容された容器の注ぎ口に被せ、固定した。メスシリンダーと容器を反転させ、試験溶液をメスシリンダーに注いだ。泡の立ち上がり面の目盛を読み取り、泡液面量とした。泡液面量をRebA 53ppmとカフェイン1ppmを含有する試験溶液の泡液面量を1とする相対値として、泡液面量を図3(A)に示した。いずれの量のカフェインとの組み合わせにおいても、RebMを含有する試験溶液は、RebAを含有する試験溶液に比べて泡液面量を減少させた。RebDについても同様の結果が得られた(図3(B))。
【0026】
この結果より、RebM及びRebDは、カフェインと組み合わせた場合においても、RebAに比べて、炭酸飲料の泡立ちを有効に抑制することが示された。この泡立ちの抑制効果は、カフェインの含有量に関わらず、発揮されることも示唆された。また、カフェインは、炭酸飲料において一般的に配合される成分である。よって、RebM及び/又はRebDが奏する効果は、炭酸飲料に広く適用できることが示唆される。」



「【0027】
炭酸飲料は、RebD及び/又はRebMと、RebAを特定の比率で含有してもよい。例えば、((RebD及び/又はRebM)/RebA)は、質量比で0.45以上、好ましくは1.1以上、より好ましくは2.5以上、さらに好ましくは6.0以上とすることができる。当該比率が0.45未満になるとRebAの影響が強くなり、炭酸飲料の泡立ちを抑制できなくなる。
【0028】
RebAに対するRebM及び/又はRebDの含量の比率による泡立ちへの影響は次のように確認することができる。試験溶液の甘味度をショ糖換算でBrix 1.59相当に揃えた。RebAとRebMを、ショ糖換算のBrixで100:0、70:30、30:70、15:85、5:95、及び0:100の比で組み合わせ、純水15.8mLに溶解させた。溶解液を4℃に冷却し、炭酸水で100mLにメスアップした。容器を密閉し、冷蔵庫にて4℃で1時間静置した。また、RebAとRebDの組み合わせについても、同様に行った。容器を開栓し、逆さまにした500mLのメスシリンダーを試験溶液が収容された容器の注ぎ口に被せ、固定した。メスシリンダーと容器を反転させ、試験溶液をメスシリンダーに注いだ。泡の立ち上がり面の目盛を読み取り、泡液面量とした。RebAを単独で含有する試験溶液に関する泡液面量を1とする相対値として、泡液面量を図4に示した。図4(A)中、A100はRebA:RebM=100:0、A70はRebA:RebM=70:30、A30はRebA:RebM=30:70、A15はRebA:RebM=15:85、A5はRebA:RebM=5:95、A0はRebA:RebM=0:100を表す(比は、全てショ糖換算のBrix)。図4(B)については、上記図4(A)の説明においてRebMをReDに置き換える。
【0029】
RebMの割合が高くなるに従って、泡液面量が減少することが示された(図4(A))。この傾向は、ショ糖換算のBrixに占めるRebMの割合が30%以上の場合に明確になり、特に、ショ糖換算のBrixに占めるRebMの割合が70%以上の場合により明確になった。RebDについても同様の傾向であった(図4(B))。この結果より、RebAをRebM及び/又はRebDで代替することによって、炭酸飲料の甘味を実質的に変更することなく、泡立ちを抑制できることが示された。((RebD及び/又はRebM)/RebA)が、質量比で約0.45以上となる場合に、泡立ちを抑制できることが示された。」



「【0030】
本発明の実施の形態においては、RebDとRebMを組み合わせて炭酸飲料に含有させる場合、RebDとRebMはいずれの比率で組み合わせてもよい。RebD及びRebMの組み合わせによる泡立ちへの影響は、次のように確認することができる。試験溶液の甘味度をショ糖換算でBrix 1.59相当に揃えるため、Rebの含有量を調整した。RebDとRebMを、ショ糖換算のBrixで0:100、25:75、50:50、75:25、100:0の比で組み合わせ、純水15.8mLに溶解させた。溶解液を4℃に冷却し、炭酸水で100mLにメスアップした。容器を密閉し、冷蔵庫にて4℃で1時間静置した。また、RebAを単独で含有する試験溶液も同様にして調製した。容器を開栓し、逆さまにした500mLのメスシリンダーを試験溶液が収容された容器の注ぎ口に被せ、固定した。メスシリンダーと容器を反転させ、試験溶液をメスシリンダーに注いだ。泡の立ち上がり面の目盛を読み取り、泡液面量とした。RebAを単独で含有する試験溶液に関する泡液面量を1とする相対値として、泡液面量を図5に示した。図中、横軸の「100」は、RebA、RebD、又はRebMを単独で含有する試験溶液を表す。横軸の「75」、「50」、及び「25」はそれぞれ、RebMとRebDをショ糖換算のBrixで75:25、50:50、及び25:75の比で含有する試験溶液を表す。
【0031】
RebD又はRebMを単独で含有する試験溶液は、RebAを単独で含有させた場合に比べて、泡液面量を有意に減少させた。RebDとRebMの組み合わせを含有する試験溶液についても、RebAを単独で含有する試験溶液に比べて、泡液面量を減少させることが確認された。この結果より、RebDとRebMを組み合わせてRebAを代替した場合にも、炭酸飲料の甘味度を実質的に変化させることなく、泡立ちを抑制できることが示された。」



「【0035】
炭酸飲料の炭酸ガス含量による泡立ちへの影響は、次のように確認することができる。純水にショ糖換算のBrix 10相当のRebA、RebD、及びRebMをそれぞれ添加し、溶解させた後、炭酸水を加えて規定のガス圧に調整することにより、試験溶液を調製した。逆さまにした500mLのメスシリンダーを試験溶液が収容された容器の注ぎ口に被せ、固定した。メスシリンダーと容器を反転させ、試験溶液をメスシリンダーに注いだ。泡の立ち上がり面の目盛を読み取り、泡液面量とした。RebAをショ糖換算のBrix 10相当で含有する試験溶液に関する泡液面量を1とする相対値として、泡液面量を図6に示した。図中、「GAS VOL」はガス圧を表す。RebAを含有する試験溶液に比べて、RebMを含有する試験溶液は、ガス圧1.9kgf/cm^(2)以上において泡立ちを抑制し、更に、ガス圧2.15kgf/cm^(2)以上において泡立ちをより強く抑制する傾向にあった。そして、RebDを含有する試験溶液は、ガス圧1.7kgf/cm2以上において泡立ちを抑制し、更に、ガス圧1.89kgf/cm2以上から泡立ちを抑制する傾向にあった。」



上記【0013】及び【0014】から、RebAの少なくとも一部をRebMに置き換えることで、炭酸飲料の泡立ちの問題に対処可能であることが理解できる。
また、上記【0017】、【0018】、【0023】ないし【0031】及び【0035】並びに図1ないし図6に記載された試験内容から、RebAを単独で含有する試験溶液を評価の基準として泡立ちの比較評価を行っていることが理解できる。
これらから、訂正事項1に係る訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された範囲内でなされたものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(2)訂正事項2
訂正事項2は、請求項1の「ショ糖換算のBrix」の範囲について、「0.5?11.5」を「1.0?11.5」と訂正して数値範囲を限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、明細書の【0018】及び図1の記載(上記(1)参照。)から、訂正事項2に係る訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された範囲内でなされたものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(3)訂正事項3
訂正事項3は、訂正前の請求項3の「泡立ちが抑制された」について、泡立ち抑制の比較対象を具体化するために、「RebとしてRebAを単独で含有する炭酸飲料に比べて泡立ちが抑制された」と訂正するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そして、上記(1)訂正事項1で述べた理由と同様に、訂正事項3に係る訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された範囲内でなされたものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(4)訂正事項4
訂正事項4は、請求項3の「ショ糖換算のBrix」の範囲について、「0.5?11.5」を「1.0?11.5」と訂正して数値範囲を限定することに加え、請求項3は「シロップ」に係る発明であるところ、「炭酸ガスのガス圧」については、「容器詰炭酸飲料」のガス圧であることを明確化したものである。
これより、訂正事項4は、特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。
そして、明細書の【0018】及び図1の記載(上記(1)参照。)、並びに「【0034】・・・炭酸飲料における炭酸ガスは、ガス圧として・・・2.15kgf/cm^(2)以上とすることができる。・・・炭酸飲料に関してガス圧というときは、特に記載がなければ、容器内の炭酸飲料における炭酸ガスのガス圧をいう。従って、炭酸飲料は、容器詰めとすることができる。」及び「【0037】・・・本発明の実施の形態によれば、炭酸飲料の製造方法が提供される。当該製造方法は、シロップを調製し、必要な液量調整、及び炭酸ガスを供給することを含む。本明細書でいうシロップとは、炭酸飲料に含有される上記した少なくとも1つの成分を含有する、炭酸ガスを実質的に含まない溶液をいう。」の記載から、訂正事項4に係る訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された範囲内でなされたものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(5)訂正事項5
訂正事項5は、訂正前の請求項5の「泡立ちを抑制する」について、泡立ち抑制の比較対象を具体化するために、「泡立ちをRebとしてRebAを単独で含有する炭酸飲料に比べて抑制する」と訂正するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そして、上記(1)訂正事項1で述べた理由と同様に、訂正事項5に係る訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された範囲内でなされたものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(6)訂正事項6
訂正事項6は、請求項5の「ショ糖換算のBrix」の範囲について、「0.5?11.5」を「1.0?11.5」と訂正して数値範囲を限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、明細書の【0018】及び図1の記載(上記(1)参照。)から、訂正事項6に係る訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された範囲内でなされたものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(7)一群の請求項に係る訂正
訂正事項1及び2に係る訂正前の請求項1及び2について、訂正前の請求項2は訂正前の請求項1を直接引用するものであるから、訂正事項1及び2に係る請求項1及び2は一群の請求項である。
訂正事項3及び4に係る訂正前の請求項3及び4について、訂正前の請求項4は訂正前の請求項3を直接引用するものであるから、訂正事項3及び4に係る請求項3及び4は一群の請求項である。
訂正事項5及び6に係る訂正前の請求項5及び6について、訂正前の請求項6は訂正前の請求項5を直接引用するものであるから、訂正事項5及び6に係る請求項5及び6は一群の請求項である。
したがって、訂正事項1ないし6に係る訂正は一群の請求項ごとに請求されたものである。

(8)独立特許要件について
本件特許の全請求項について特許異議の申立てがされたので、訂正事項1ないし6には、特許法120条の5第9項で準用する同法126条7項の規定が適用されない。

3 小括
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は特許法120条の5第2項ただし書1号及び3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条4項、及び、同条9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1-2〕、〔3-4〕及び〔5-6〕について訂正を認める。

第3 特許異議の申立てについて
1 本件発明
本件訂正請求により訂正された訂正請求項1ないし6に係る発明(以下、「本件発明1ないし6」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。
本件発明1「【請求項1】
RebとしてRebAを単独で含有する炭酸飲料に比べて泡立ちが抑制された容器詰炭酸飲料であって、
RebAの含量が250ppm以下、
RebMの含量が486ppm以下、
(RebM/RebA)が質量比で2.5以上、
RebA及びRebMの合計含量が、ショ糖換算のBrixで1.0?11.5、
カフェインの含量が1?200ppm、及び
炭酸ガスのガス圧が2.15kgf/cm^(2)以上
である、前記容器詰炭酸飲料。」
本件発明2「【請求項2】
ショ糖の含量が6?12g/100gである、請求項1に記載の炭酸飲料。」
本件発明3「【請求項3】
RebとしてRebAを単独で含有する炭酸飲料に比べて泡立ちが抑制された容器詰炭酸飲料の調製に用いられるシロップであって、
調製される該容器詰炭酸飲料が、
RebAの含量が250ppm以下、
RebMの含量が486ppm以下、
(RebM/RebA)が質量比で2.5以上、
RebA及びRebMの合計含量が、ショ糖換算のBrixで1.0?11.5、及び
カフェインの含量が1?200ppm、
となるように、
RebA、RebM、及びカフェインを含有する、前記シロップであって、
該容器詰炭酸飲料の炭酸ガスのガス圧は2.15kgf/cm^(2)以上である、
前記シロップ。」
本件発明4「【請求項4】
調製される前記容器詰炭酸飲料のショ糖の含量が6?12g/100gとなるように、ショ糖を含有する請求項3に記載のシロップ。」
本件発明5「【請求項5】
RebAを250ppm以下で添加し、
RebMを486ppm以下で添加し、
(RebM/RebA)を質量比で2.5以上とし、
RebA及びRebMの合計含量を、ショ糖換算のBrixで1.0?11.5とし、
カフェインを1?200ppmで添加し、及び
炭酸ガスのガス圧を2.15kgf/cm^(2)以上とする
ことを含む、容器詰炭酸飲料の泡立ちをRebとしてRebAを単独で含有する炭酸飲料に比べて抑制する方法。」
本件発明6「【請求項6】
ショ糖を6?12g/100gで添加することを含む、請求項5に記載の方法。」

2 取消理由の概要
訂正前の請求項1ないし6に係る特許に対して平成29年12月19日付けで特許権者に通知した取消理由の概要は、次のとおりである。
なお、上記取消理由通知は本件特許異議の申立てにおいて申し立てられたすべての申立理由を含んでいる。
(1)取消理由1(進歩性)
本件発明1ないし6に係る発明は,その優先日前に日本国内又は外国において,頒布された甲第1ないし4号証に記載された発明に基いて,その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであり,特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、本件発明1ないし6に係る特許は、取り消されるべきものである。
[甲号証一覧]
甲第1号証 特表2015-502404号公報(なお、甲第1号証は国際公開2013/096420号の訳文に該当する。)
甲第2号証 Indra Prakash,Avetik Markosyan and Cynthia Bunders "Development of Next Generation Stevia Sweetener:Rebaudioside M",Foods, 2014年3月,p162-175
甲第3号証 特表2010-521174号公報
甲第4号証 特開2013-5786号公報
(なお、各甲号証について、以下「甲1」等という。)

(2)取消理由2(実施可能要件,サポート要件,明確性要件)
本件発明1,3及び5に係る特許は,特許法36条4号1号,同条6項1号及び同条同項2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、取り消されるべきものである。

3 甲号証の記載
(1)甲1について
甲1には、以下の事項が記載されている。
ア 課題について
「【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、スクロースと同様の経時および香味プロファイルを提供する天然のカロリー低下またはノンカロリー甘味料を開発することが依然として必要とされている。
【0009】
さらに、スクロースと同様の経時および香味プロファイルを提供する天然のカロリー低下またはノンカロリー甘味料を含有する飲料などの甘味料入り組成物を開発することが依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、ステビオールグリコシド溶液からステビオールグリコシドRebXを精製するための方法を提供する。」

イ ブリックスのスクロースの甘味当量について
「【0025】
RebXを含む甘味料組成物も本明細書において提供される。一実施形態では、RebXは、甘味料入り組成物中に存在する場合に約0.5?約14度ブリックスのスクロースの甘味当量を提供するために有効な量で存在する。別の実施形態では、RebXは甘味料入り組成物中に存在する場合に約10%よりも高いスクロース当量を提供するために有効な量で存在する。」
「【0135】
基準溶液中のスクロースの量は、度ブリックス(°Bx)で記載され得る。1度ブリックスは溶液100グラム中1グラムのスクロースであり、重量による百分率(%w/w)(厳密に言えば質量による)として溶液の強度を表す。一実施形態では、甘味料組成物は、甘味料入り組成物中に存在する場合に約0.50?14度ブリックス、例えば、約5?約11度ブリックス、約4?約7度ブリックス、または約5度ブリックスなどの糖の甘味当量を提供するのに十分な量のRebXを含有する。・・・」

ウ RebX及びRebAについて
「【0454】
別の実施形態では、飲料は、甘味料組成物の甘味料成分としてRebXおよびRebAを含む甘味料組成物を含む。RebXおよびRebAの相対重量パーセントはそれぞれ約1%から約99%まで異なることができ、・・・別の実施形態では、RebXは、約50ppm?約600ppmの濃度で存在し、RebAは約10?約500ppmの濃度で存在する。より特定の実施形態では、RebXは約300ppmの濃度で存在し、RebAは約100ppmの濃度で存在する。・・・」

エ RebX及び他の甘味料について
「【0127】
甘味料入り組成物は、本明細書で使用される場合、甘味付与可能な組成物および甘味料または甘味料組成物の両方を含有する物質を意味する。
【0128】
例えば、甘味料成分を含まない飲料は、甘味付与可能な組成物の一種である。RebXおよびエリスリトールを含む甘味料組成物は、甘味料を含まない飲料に添加することができ、それにより、甘味料入り飲料が提供される。甘味料入り飲料は、甘味料入り組成物の一種である。」
「【0129】
本発明の甘味料組成物は、式:
【0130】

【0131】
を有するRebX(13-[(2-O-β-D-グルコピラノシル-3-O-β-D-グルコピラノシル-β-D-グルコピラノシル)オキシ]entカウラ-16-エン-19-酸-[(2-O-β-D-グルコピラノシル-3-O-β-D-グリコピラノシル)エステル])を含む。」
「【0132】
RebXは精製された形態で提供されてもよいし、あるいはRebXおよび1つまたは複数の付加的な成分を含有する混合物(すなわち、RebXを含む甘味料組成物)の一成分として提供されてもよい。一実施形態では、RebXは混合物の成分として提供される。特定の実施形態では、混合物はステビア抽出物である。・・・」
「【0133】
一実施形態では、RebXは、甘味料組成物中のステビオールグリコシド混合物、すなわち、混合物のRebXでない部分の残りが全てステビオールグリコシドで構成されたステビオールグリコシドの混合物の成分として提供される。ステビオールグリコシドの同一性は当該技術分野において知られており、ステビオールモノシド、ルボソシド(rubososide)、ステビオールビオシド、ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドFおよびズルコシドAが含まれるが、これらに限定されない。・・・」
「【0134】
一実施形態では、RebXは、甘味料組成物中の唯一の甘味料である。すなわち、RebXは、甘味料組成物中に存在する甘味を提供するただ1つの化合物である。別の実施形態では、RebXは、甘味料組成物中に存在する2つ以上の甘味料化合物の1つである。」
「【0145】
さらに他の実施形態では、付加的な甘味料は天然高甘味度甘味料であり得る。適切な天然高甘味度甘味料には、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドI、レバウジオシドH、レバウジオシドL、レバウジオシドK、レバウジオシドJ、レバウジオシドN、レバウジオシドO・・・が含まれるが、これらに限定されない。
・・・
【0147】
別の特定の実施形態では、甘味料組成物は、RebXと、甘味料組成物の甘味料成分(すなわち、甘味を提供する物質)の役割を果たす少なくとも1つの他の甘味料とを含む。・・・一実施形態では、甘味料組成物は、RebXと、1つの付加的な甘味料とを含有する。他の実施形態では、甘味料組成物は、RebXと、2つ以上の付加的な甘味料とを含有する。少なくとも1つの他の甘味料は、エリスリトール、RebB、NSF-02、モグロシドV、RebA、RebD、およびこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。」
「【0448】
特定の実施形態では、飲料は、RebXと、スクロース、フルクトース、グルコース、マルトース、およびこれらの組み合わせから選択される炭水化物甘味料と、任意選択により、少なくとも1つの付加的な甘味料および/または機能性成分とを含む。RebXは、純粋な化合物として、あるいは上記のようなステビア抽出物またはステビオールグリコシド混合物の一部として提供され得る。RebXは、ステビオールグリコシド混合物またはステビア抽出物のいずれかにおいて、乾燥ベースで約5重量%?約99重量%の量で存在することができる。一実施形態では、RebXおよび炭水化物は、約0.001:14?約1:0.01の重量比、例えば、約0.06:6などの重量比で甘味料組成物中に存在する。一実施形態では、RebXは、約1ppm?約10,000ppmの濃度、例えば、約500ppmなどの濃度で飲料中に存在する。例えば、スクロースなどの炭水化物は、約100ppm?約140,000ppmの濃度、例えば、約1,000ppm?約100,000ppm、約5,000ppm?約80,000ppmなどの濃度で飲料中に存在する。」

オ 炭酸飲料について
「【0410】
飲料および飲料製品
一実施形態では、甘味料入り組成物は飲料製品である。本明細書で使用される場合、「飲料製品」は、そのまま飲める飲料、飲料濃縮物、飲料シロップ、または粉末飲料である。適切なそのまま飲める飲料には、炭酸飲料および非炭酸飲料が含まれる。・・・」

カ 苦味化合物(カフェイン)について
「【請求項40】
RebXと、・・・苦味化合物・・・ならびにこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの添加剤と、
任意選択により、少なくとも1つの付加的な甘味料および/または少なくとも1つの機能性成分と
を含む飲料。」
「【請求項44】
RebXが約1ppm?約10,000ppmの濃度で存在する、請求項40に記載の飲料。」
「【0171】
適切な苦味化合物添加剤には、カフェイン・・・が含まれるが、これらに限定されない。」
「【0427】
さらに別の実施形態では、苦味化合物は、約25ppm?約25,000ppmの濃度で飲料中に存在することができる。」

[甲1に記載された発明]
(ア)以上のアないしオによると、甲1には、以下の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。
「RebAの含量が約10?約500ppm、
RebXの含量が約50ppm?約600ppm、
RebXおよびRebAの相対重量パーセントはそれぞれ約1%から約99%であり、
RebXを約0.5?約14度のブリックスのスクロースの甘味当量を提供する量とする、
炭酸飲料。」

(2)甲2について
甲2には、以下の事項が記載されている。
ア 「High-purity rebaudioside M(also known as rebaudioside X),is a natural non-calorie sweetener being commercialized jointly by PureCircle Limited and The Coca-Cola Company for food and beverage use.」(162頁下4?2行)
訳:(高純度のレバウディオサイドM(レバウディオサイドXとも呼ばれる)は、PureCircle LimitedとThe Coca-Cola Companyが共同で食品および飲料用に商業化している天然のノンカロリー甘味料である。)
イ 「



(3)甲3について
甲3には、以下の各事項が記載されている。
ア 「【0010】
別の態様によれば、ダイエット炭酸飲料(下文において「CSD」)が提供される。CSDは248g(8オンス)あたり約5カロリー未満を有し、レバウディオサイドA(下文において「Reb A」)、エリスリトール、D-タガトース、および少なくとも1種類のソーダ香味剤を含んでなる。
【0011】
別の態様によれば、低カロリー炭酸飲料が提供される。低カロリーCSDは約12未満の糖度を有し、レバウディオサイドA(下文において「Reb A」)と、エリスリトールと、D-タガトースと、砂糖、トウモロコシからできたブドウ糖果糖シロップ(すなわちHFCS)および/またはフルーツ(例えばリンゴ)からできたブドウ糖果糖シロップ、ならびにそれらの任意の混合物からなる群より選択される栄養甘味料とを含んでなる。」
イ 「【0020】・・・飲料としては、例えば炭酸および非炭酸清涼飲料・・・が挙げられる。」
ウ 「【0025】
本明細書で開示される飲料の少なくとも特定の典型的な実施の形態では、甘味料成分としては、ショ糖、液体ショ糖・・・が挙げられる。・・・」
エ 「【0040】
本明細書で開示される飲料の特定の典型的な実施の形態に泡立ちを提供するために、二酸化炭素が使用される。・・・例えば飲料は約7.0体積の二酸化炭素までのCO2レベルを有する。・・・二酸化炭素含量は、所望レベルの泡立ち、および飲料の味または口当たりに対する二酸化炭素の影響に基づいて、当業者が選択できる。・・・」
オ 「【0041】
随意的に本明細書で開示される飲料の様々な実施の形態に、カフェインを添加できる。添加されるカフェインの量は、所望の飲料特性、飲料が市販される国の任意の適用される規制条項などによって決まる。特定の典型的な実施の形態では、カフェインは飲料量重の0.02%以下のレベルで含まれる。・・・」
カ 「【0047】
実施例1
次の表1に従って、様々な飲料を調製できる。



(4)甲4について
甲4には、以下の事項が記載されている。
ア 「【請求項6】
炭酸ガス圧力が2.5?4.5kg/cm^(2)である、請求項1?5のいずれか1項に記載の炭酸飲料。」

4 判断
(1)取消理由1(進歩性)
ア 本件発明1について
(ア)対比
本件発明1と甲1発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点]
「RebAを含む炭酸飲料」
[相違点1]
本件発明1では、「RebとしてRebAを単独で含有する炭酸飲料に比べて泡立ちが抑制された容器詰炭酸飲料」であるのに対して、甲1発明では、「炭酸飲料」であり容器詰めについて不明であることに加え、泡立ち抑制についても不明である点。
[相違点2]
本件発明1では、「RebAの含量が250ppm以下」であるのに対して、甲1発明では、「RebAの含量が約10?約500ppm」である点。
[相違点3]
本件発明1では、「RebMの含量が486ppm以下」であるのに対して、甲1発明では、「RebXの含量が約50ppm?約600ppm」である点。
[相違点4]
本件発明1では、「(RebM/RebA)が質量比で2.5以上」であるのに対して、甲1発明では、「RebXおよびRebAの相対重量パーセントはそれぞれ約1%から約99%」である点。
[相違点5]
本件発明1では、「RebA及びRebMの合計含量が、ショ糖換算のBrixで1.0?11.5」であるのに対して、甲1発明では、「RebXを約0.5?約14度のブリックスのスクロースの甘味当量を提供する量とする」点。
[相違点6]
本件発明1では、「カフェインの含量が1?200ppm」であるのに対して、甲1発明では、カフェインについて不明である点。
[相違点7]
本件発明1では、「炭酸ガスのガス圧が2.15kgf/cm^(2)以上」であるのに対して、甲1発明では、ガス圧について不明である点。

(イ)判断
事案に鑑み、最初に相違点4について以下検討する。
本件の発明の詳細な説明には、「【0006】・・・容器を開栓する際にこの天然甘味料を含有する炭酸飲料が泡立ち、容器から噴きこぼれる場合、或いは、開栓後、コップ等の別の容器に注いだ場合にも泡立ちが起こり、噴きこぼれる場合がある。なお、詳細は後述するが、天然甘味料として、ステビア抽出物の甘味成分としてステビオサイド(Stevioside)、レバウディオサイド(Rebaudioside、以下「Reb」とする。)等が知られている。」、「【0007】本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであって、泡立ちを抑制する炭酸飲料、炭酸飲料の調製に用いられるシロップ、炭酸飲料の製造方法、及び炭酸飲料の泡立ちを抑制する方法を提供することを目的とする。」と記載され、本件発明1ないし6は、泡立ちの抑制を解決すべき技術課題(目的)としている。
相違点4に係る本件発明1の構成である「(RebM/RebA)が質量比で2.5以上」とは、RebAよりも泡立ちを抑制可能であるRebMを質量比において、2.5倍以上とすることを特定するものである。この点、本件明細書の【0027】ないし【0029】及び図4(A)(上記第2の2の(1)参照。)を参照すると、上記特定の2.5倍以上に該当するA15及びA5は、RebMを含まないA100に対して、泡立ちを抑制できるものであることが明確に理解できる。
他方、甲1発明は、RebXとRebAとの相対重量パーセントはそれぞれ約1%から約99%であり、重量比も適宜設定可能であるものの、甲1発明のRebXが、本件発明のRebMに直ちに相当するものであるか否かについては不明である。
この点、甲2において、「高純度のレバウディオサイドM(レバウディオサイドXとも呼ばれる)」と記載されていることを踏まえ、甲2のRebMの化学構造(上記3(2)参照。)を参照すると、同化学構造は、甲1のRebXの化学構造(上記3(1)エ参照。)と図示上の明確な差異はないから、甲1発明の「RebX」は、本件発明1の「RebM」に対応ないし相当する可能性のあるものである。
しかし、前記両者が仮に対応ないし相当するものであるとしても、甲1には、本件発明1の技術課題に係る泡立ちの抑制についての開示ないし示唆はないから、当然にRebXがRebAよりも泡立ちを抑制可能なRebであることの開示はない。そうすると、甲1発明において、RebX及びRebAの重量比ないし質量比を適宜変更可能であるとしても、泡立ち抑制できるRebMをRebAよりも2.5倍以上含むという、泡立ちの抑制に係る両者の質量比を技術的に導き出すことはできない。
なお、甲3には、泡立ちの記載はあるが、「飲料の特定の典型的な実施の形態に泡立ちを提供するために、二酸化炭素が使用される。・・・例えば飲料は約7.0体積の二酸化炭素までのCO_(2)レベルを有する。・・・二酸化炭素含量は、所望レベルの泡立ち、および飲料の味または口当たりに対する二酸化炭素の影響に基づいて、当業者が選択できる。・・・」(甲3【0040】)という記載から理解できるとおり、泡立ちは二酸化炭素の含有量により所望レベルとするものである。
以上から、相違点4に係る本件発明1の構成は、甲1発明に基いて、当業者が容易に想到し得たものではない。
また、相違点4に係る本件発明1の構成については、甲2ないし甲4を参照しても開示はないし、同構成が周知技術であることの証拠も見出せない。

(ウ)小括
以上より、他の相違点を検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明及び甲1ないし甲4記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

イ 本件発明2について
本件発明2は、本件発明1を更に減縮したものであり、本件発明1の発明特定事項を全て含むところ、上記のとおり本件発明1は、甲1発明及び甲1ないし甲4記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、同様の理由により、本件発明2も甲1発明及び甲1ないし甲4記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

ウ 本件発明3について
(ア)対比
本件発明3と甲1発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点]
「RebAを含む炭酸飲料」
[相違点3-1]
本件発明3では、「RebとしてRebAを単独で含有する炭酸飲料に比べて泡立ちが抑制された容器詰炭酸飲料の調製に用いられるシロップ」であるのに対して、甲1発明では、「炭酸飲料」であり容器詰めについて不明であることに加え、泡立ち抑制についても不明である点。
[相違点3-2]
本件発明3では、「RebAの含量が250ppm以下」であるのに対して、甲1発明では、「RebAの含量が約10?約500ppm」である点。
[相違点3-3]
本件発明3では、「RebMの含量が486ppm以下」であるのに対して、甲1発明では、「RebXの含量が約50ppm?約600ppm」である点。
[相違点3-4]
本件発明3では、「(RebM/RebA)が質量比で2.5以上」であるのに対して、甲1発明では、「RebXおよびRebAの相対重量パーセントはそれぞれ約1%から約99%」である点。
[相違点3-5]
本件発明3では、「RebA及びRebMの合計含量が、ショ糖換算のBrixで1.0?11.5」であるのに対して、甲1発明では、「RebXを約0.5?約14度のブリックスのスクロースの甘味当量を提供する量とする」点。
[相違点3-6]
本件発明3では、「カフェインの含量が1?200ppm」であるのに対して、甲1発明では、カフェインについて不明である点。
[相違点3-7]
本件発明3では、「炭酸ガスのガス圧が2.15kgf/cm^(2)以上」であるのに対して、甲1発明では、ガス圧について不明である点。

(イ)判断
相違点3-4については、上記ア(ア)の相違点4と同一である。
したがって、上記ア(イ)で述べたことと同様に、本件発明3は、甲1発明及び甲1ないし甲4記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

エ 本件発明4について
本件発明4は、本件発明3を更に減縮したものであり、本件発明3の発明特定事項を全て含むところ、上記のとおり本件発明3は、甲1発明及び甲1ないし甲4記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、同様の理由により、本件発明4も甲1発明及び甲1ないし甲4記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

オ 本件発明5について
(ア)対比
本件発明5と甲1発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点]
「RebAを含む炭酸飲料」
[相違点5-1]
本件発明5では、「RebAの含量が250ppm以下」であるのに対して、甲1発明では、「RebAの含量が約10?約500ppm」である点。
[相違点5-2]
本件発明5では、「RebMの含量が486ppm以下」であるのに対して、甲1発明では、「RebXの含量が約50ppm?約600ppm」である点。
[相違点5-3]
本件発明5では、「(RebM/RebA)が質量比で2.5以上」であるのに対して、甲1発明では、「RebXおよびRebAの相対重量パーセントはそれぞれ約1%から約99%」である点。
[相違点5-4]
本件発明5では、「RebA及びRebMの合計含量が、ショ糖換算のBrixで1.0?11.5」であるのに対して、甲1発明では、「RebXを約0.5?約14度のブリックスのスクロースの甘味当量を提供する量とする」点。
[相違点5-5]
本件発明5では、「カフェインの含量が1?200ppm」であるのに対して、甲1発明では、カフェインについて不明である点。
[相違点5-6]
本件発明5では、「炭酸ガスのガス圧が2.15kgf/cm^(2)以上」であるのに対して、甲1発明では、ガス圧について不明である点。
[相違点5-7]
本件発明5では、「容器詰炭酸飲料の泡立ちをRebとしてRebAを単独で含有する炭酸飲料に比べて抑制する方法」であるのに対して、甲1発明では、「炭酸飲料」であり容器詰めについて不明であることに加え、泡立ち抑制についても不明である点。

(イ)判断
相違点5-3については、上記ア(ア)の相違点4と同一である。
したがって、上記ア(イ)で述べたことと同様に、本件発明5は、甲1発明及び甲1ないし甲4記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

カ 本件発明6について
本件発明6は、本件発明5を更に減縮したものであり、本件発明5の発明特定事項を全て含むところ、上記のとおり本件発明5は、甲1発明及び甲1ないし甲4記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、同様の理由により、本件発明6も甲1発明及び甲1ないし甲4記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(2)取消理由2(実施可能要件,サポート要件,明確性要件)
実施可能要件について(特許法36条4項1号)
(ア)泡立ち抑制の程度等について
発明の詳細な説明には、「【0006】・・・容器を開栓する際にこの天然甘味料を含有する炭酸飲料が泡立ち、容器から噴きこぼれる場合、或いは、開栓後、コップ等の別の容器に注いだ場合にも泡立ちが起こり、噴きこぼれる場合がある。なお、詳細は後述するが、天然甘味料として、ステビア抽出物の甘味成分としてステビオサイド(Stevioside)、レバウディオサイド(Rebaudioside、以下「Reb」とする。)等が知られている。
【0007】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであって、泡立ちを抑制する炭酸飲料、炭酸飲料の調製に用いられるシロップ、炭酸飲料の製造方法、及び炭酸飲料の泡立ちを抑制する方法を提供することを目的とする。」と記載され、本件発明1ないし6は、泡立ちの抑制を解決すべき技術課題(目的)としている。
そして、本件明細書の【0017】、【0018】、【0023】ないし【0031】及び【0035】並びに図1ないし図6には(上記第2 2(1)参照。)、泡立ちの比較評価についての具体的な説明がされており、RebAを単独で含有する試験溶液を評価の基準として泡立ちの評価を行うことを含め、泡立ちが抑制される手段等について明確に理解することができる。
したがって、本件明細書の発明の詳細な説明は、泡立ちの抑制について、明確且つ十分に記載されている。

(イ)「炭酸ガスのガス圧が2.15kgf/cm^(2)以上」の下限値のみの規定について
本件発明1ないし6は、「容器詰炭酸飲料」であることを特定している。
そして、炭酸ガス圧の上限値については、炭酸飲料を詰める予定の種々の容器の耐圧強度などを考慮して適宜設定されるものであることは自明であるから、当該上限値の説明が明記されてないことをもって、発明の詳細な説明が不明確且つ不十分であるとはいえない。

イ サポート要件について(特許法36条6項1号)
・本件発明1、3及び5(以下、各発明を総称して、「本件発明」ともいう。)
(ア)「RebA及びRebMの合計含量が、ショ糖換算のBrixで1.0?11.5」について
特許異議申立人は、図1に示されている比較試験以外の図2ないし図5の比較試験では、試験溶液としてRebA及びRebMの合計含量がショ糖換算のBrixで1.59の場合についてのみ行われているため、本件発明は、発明の詳細な説明を超えている旨の主張をしている(特許異議申立書23頁7?19行)。
しかし、【0017】及び【0018】並びに図1に記載されている比較試験(上記第2 2(1)参照。)を参照すると、RebMはRebAに対して、ショ糖換算のBrixで1.0?11.5の範囲において泡立ちの抑制に有効であり、RebA及びRebMの合計含量としてみても、ショ糖換算のBrixで1.0?11.5の範囲で泡立ち抑制効果が期待できることは明らかである。
そうすると、当該1.0ないし11.5の範囲内である1.59を用いて各試験溶液の甘味度を揃えることで行われる図2ないし図5に係る比較試験結果が、1.59以外の他の1.0ないし11.5の範囲内のショ糖換算のBrixにおいても同等の試験結果となることは明らかであるから、1.59以外の他のショ糖換算のBrixに係る試験結果の内容を本件発明が含むとしても、それをもって、本件発明が発明の詳細な説明に記載された範囲を超えているとはいえない。
したがって、異議申立人の主張は採用できない。

(イ)「(RebM/RebA)が質量比で2.5以上」について
特許異議申立人は、RebAとRebMとをブレンドさせた場合の泡立ちの影響を示しているのは、図4のショ糖換算のBrixで1.59の場合についてのみ行われているため、本件発明は、発明の詳細な説明を超えている旨の主張をしている(特許異議申立書23頁20?31行)。
しかし、上記イ(ア)で述べたとおり、当該1.0ないし11.5の範囲内である1.59を用いて各試験溶液の甘味度を揃えることで行われる図4に係る比較試験結果が、1.59以外の他の1.0ないし11.5の範囲内のショ糖換算のBrixにおいても同等の試験結果となることは明らかであるから、1.59以外の他のショ糖換算のBrixに係る試験結果の内容を本件発明が含むとしても、それをもって、本件発明が発明の詳細な説明に記載された範囲を超えているとはいえない。
したがって、異議申立人の主張は採用できない。

(ウ)「炭酸ガスのガス圧が2.15kgf/cm^(2)以上」の下限値のみの規定について
下限値については、本件明細書の【0035】及び図6の記載に基づくものである(上記第2 2(1)参照。)。
上限値については、上記ア(イ)で述べたとおり、適宜設定されることが自明なものであるから、本件発明において上限値を規定しないことが、発明の詳細な説明に記載された範囲を超えたものとするものとはいえない。

明確性要件について(特許法36条6項2号)
・請求項1、3及び5
(ア)泡立ちの抑制について
上記ア(ア)で述べたとおり、泡立ちの抑制については、技術的に明確なものである。

(イ)「炭酸ガスのガス圧が2.15kgf/cm^(2)以上」の下限値のみの規定について
上記ア(イ)で述べたとおり、上限値は炭酸飲料を詰める予定の種々の容器の耐圧強度などを考慮して適宜設定されるものであり、本件発明の下限値のみの規定が不明確であるとはいえない。

(ウ)「シロップ」について
特許異議申立人は、請求項3のシロップの発明は、炭酸ガスが必須成分であるように記載されているが、本件明細書の【0037】には、シロップは炭酸ガスを実質的に含まない溶液と記載されており、記載が矛盾する旨の主張をしている(特許異議申立書24頁13?21行)。
しかし、訂正後の本件発明3は、炭酸ガスが炭酸飲料の成分であると規定しているため、当該主張については採用できない。

第4 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由によっては、本件特許の請求項1ないし6に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件特許の請求項1ないし6に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
RebとしてRebAを単独で含有する炭酸飲料に比べて泡立ちが抑制された容器詰炭酸飲料であって、
RebAの含量が250ppm以下、
RebMの含量が486ppm以下、
(RebM/RebA)が質量比で2.5以上、
RebA及びRebMの合計含量が、ショ糖換算のBrixで1.0?11.5、
カフェインの含量が1?200ppm、及び
炭酸ガスのガス圧が2.15kgf/cm^(2)以上
である、前記容器詰炭酸飲料。
【請求項2】
ショ糖の含量が6?12g/100gである、請求項1に記載の炭酸飲料。
【請求項3】
RebとしてRebAを単独で含有する炭酸飲料に比べて泡立ちが抑制された容器詰炭酸飲料の調製に用いられるシロップであって、
調製される該容器詰炭酸飲料が、
RebAの含量が250ppm以下、
RebMの含量が486ppm以下、
(RebM/RebA)が質量比で2.5以上、
RebA及びRebMの合計含量が、ショ糖換算のBrixで1.0?11.5、及び
カフェインの含量が1?200ppm、
となるように、
RebA、RebM、及びカフェインを含有する、前記シロップであって、
該容器詰炭酸飲料の炭酸ガスのガス圧は2.15kgf/cm^(2)以上である、前記シロップ。
【請求項4】
調製される前記容器詰炭酸飲料のショ糖の含量が6?12g/100gとなるように、ショ糖を含有する請求項3に記載のシロップ。
【請求項5】
RebAを250ppm以下で添加し、
RebMを486ppm以下で添加し、
(RebM/RebA)を質量比で2.5以上とし、
RebA及びRebMの合計含量を、ショ糖換算のBrixで1.0?11.5とし、
カフェインを1?200ppmで添加し、及び
炭酸ガスのガス圧を2.15kgf/cm^(2)以上とする
ことを含む、容器詰炭酸飲料の泡立ちをRebとしてRebAを単独で含有する炭酸飲料に比べて抑制する方法。
【請求項6】
ショ糖を6?12g/100gで添加することを含む、請求項5に記載の方法。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2018-07-18 
出願番号 特願2016-552142(P2016-552142)
審決分類 P 1 651・ 121- YAA (A23L)
P 1 651・ 536- YAA (A23L)
P 1 651・ 537- YAA (A23L)
最終処分 維持  
前審関与審査官 福澤 洋光  
特許庁審判長 山崎 勝司
特許庁審判官 藤原 直欣
井上 哲男
登録日 2017-03-17 
登録番号 特許第6109437号(P6109437)
権利者 サントリーホールディングス株式会社
発明の名称 炭酸飲料、炭酸飲料の調製に用いられるシロップ、炭酸飲料の製造方法、及び炭酸飲料の泡立ちを抑制する方法  
代理人 柳 順一郎  
代理人 山本 修  
代理人 上田 邦生  
代理人 小野 新次郎  
代理人 竹内 邦彦  
代理人 小野 新次郎  
代理人 鶴喰 寿孝  
代理人 山本 修  
代理人 小栗 眞由美  
代理人 鶴喰 寿孝  

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