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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 H04N
管理番号 1344476
審判番号 不服2017-7207  
総通号数 227 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-11-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-05-19 
確定日 2018-09-18 
事件の表示 特願2013-533883「改善されたエントロピー符号化および復号を行う方法および装置」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 4月19日国際公開、WO2012/051033、平成26年 1月 9日国内公表、特表2014-500643〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯、概要
1 手続の経緯
本願は、2011年(平成23年)10月6日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2010年10月14日、米国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

平成26年10月 3日 :手続補正書の提出
平成27年10月22日付け:拒絶理由通知書
平成28年 4月27日 :意見書、手続補正書の提出
同年 6月14日付け:拒絶理由(最後の拒絶理由)通知書
同年12月22日 :意見書、手続補正書の提出
平成29年 1月23日付け:平成28年12月22日の手続補正に
ついての補正の却下の決定、拒絶査定
同年 5月19日 :審判請求書、手続補正書の提出

2 原査定における拒絶の理由の概要
本願に対する原査定における拒絶の理由は、平成28年6月14日付け拒絶理由通知書に記載した次の理由(1)ないし理由(6)である。なお、平成28年12月22日付け手続補正書による補正は、原査定と同日付けで却下となった。
(1)請求項1ないし15に対して、特許法第17条の2第3項
(2)請求項1ないし15に対して、同法第36条第6項第1号
(3)請求項1ないし3及び請求項9ないし11に対して、同法第29条第1項第3号
(4)請求項1ないし15に対して、同法第29条第2項
(5)請求項1ないし15に対して、同法第29条の2
(6)請求項3ないし8、11ないし15に対して、同法第36条第6項第2号

これらの理由のうち、上記理由(2)は、請求項1における「「第1のシンタックス要素」及び「第2のシンタックス要素」は、発明の詳細な説明には記載されていない」というものである。

第2 本願発明
平成29年5月19日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1には、以下の事項(以下、「本願発明」という。)が記載されている。

「【請求項1】
装置であって、
ピクチャ内の少なくとも一つのブロックを符号化するビデオ符号化器を備え、
前記ビデオ符号化器は、前記ブロックの残差を変換して変換係数を取得し、該変換係数を量子化して量子化された変換係数を取得し、該量子化された変換係数をエントロピー符号化することによって符号化を行い、
前記量子化された変換係数は、第1のシンタックス要素および第2のシンタックス要素を使用して符号化され、前記第1のシンタックス要素は、前記量子化された変換係数のうち処理が行われている現在の変換係数が第1の特定の非零値と同等かそれよりも大きい値を有するブロックに対する最後の非零係数であるときを示す、フラグであり、前記第2のシンタックス要素は、前記量子化された変換係数のうち処理が行われている現在の変換係数が第2の特定の非零値よりも大きい値を有するブロックに対する非零係数であるときを示す、フラグであり、
前記第1の特定の非零値は、複数の値から選択され、該選択された非零値は、前記ブロックのために固定される、前記装置。」

第3 本願の発明の詳細な説明の記載
本願の発明の詳細な説明には、以下の記載がある。

「【0006】
図1を参照するに、CABAC符号化の例が概ね参照符号100によって示されている。重要度マップ符号化パス、すなわち、第1のパスにおいて、CABACは、sig_flagおよびlast_flagを使用して非零係数の位置を示す。
【0007】
非零値の逆ジグザグ符号化においては、2つのサブ符号化処理が使用される。第1のサブ符号化処理においては、Bin_1(すなわち、第1のbin(ビン))を使用して非零係数がその絶対値が1であるかどうかを示す。非零係数がその絶対値が1である場合には、Bin_=1であり、非零係数の正負の符号が送出される。非零係数がその絶対値が1でない場合には、Bin_1=0であり、符号化が第2のサブ符号化処理に移行する。第2のサブ符号化処理においては、CABACは、Bin_1=0に対応する、1よりも大きな絶対値を有する係数を符号化し、これらの係数の各々の正負の符号を送出する。」

「【0043】
よって、本発明の原理は、より少ないシンタックス・ビンを使用する係数ブロックのシステマティックなエントロピー符号化に関する。係数値が所定の走査順で見つかった(または、処理される)ときに、システマティックにこの係数値を符号化する。具体的には、「重要度フラグ」(sig_flag)を使用し、零係数および非零係数を示す。非零の場合には、「2以上の最後の係数」(last_ge2_flag)および「最後のフラグ」(last_flag)を使用して残りの位置のセットが幾つかの「2以上の」(ge2)非零係数および重要係数(significant coefficients)をそれぞれ含むかどうかを示す。重要係数がsig_flag(sig_flag=1)によって見つかった、または、示される場合にはいつでも、その値が直ちに符号化される。本発明の原理のアプローチには、少なくとも3つの利点が存在する。
(1)ブロック全体が1回の走査で符号化されるため、システムが単純になる。
(2)バイナリ・ビンが低減されるため、符号化器側および復号器側での幾らかのバイナリ算術符号化演算量が低減される。
(3)sig_flag、last_flag、last_ge2_flag、およびレベル・ビンなどのシンタックスのためのコンテキスト・モデルを設計するために、近傍の符号化された係数のレベル情報が利用可能である。」

「【0047】
バイナリ・ビンを用いてブロック情報を表現するために、以下のシンタックスを使用する。説明を簡略化するために、シンタックス要素のうちのいくつかをCABACなどの既存の方法から借用する。さらに、新たなシンタックス要素が以下のような本発明の原理を実現できるようにするために導入される。

sig_flag:
このフラグは、CABACでの場合と同様に定義される。sig_flag=1は、対応する係数が非零である(重要である)ことを意味する。sig_flag=0は、対応する係数が零であることを意味する。
last_ge2_flag:
このフラグは、本発明の原理に従って導入された新たなシンタックス要素であり、現在の非零係数が、所与の走査順による現在のブロックで絶対値が1よりも大きな値を有する最後の係数であるかどうかを示す。「ge2」という表現は、「2以上」からきているものである。last_ge2_flag=1は、現在の非零係数が最後のこのような係数であることを意味している。last_ge2_flag=0は、現在の非零係数が最後のこのような係数でないことを意味する。
last_flag:
このフラグは、CABACでの場合と同様に定義される。last_flagは、現在の非零係数が所与の走査順で現在のブロック内の最後の非零係数であるかどうかを意味する。last_flag=1は、現在の非零係数が所与の走査順で現在のブロック内の最後の非零係数であることを意味する。last_flag=0は、現在の非零係数が所与の走査順で現在のブロック内の最後の非零係数でないことを意味する。
Bin_1:
係数が非零となることが知られているが、絶対値が1である、または、絶対値が1よりも大きい(ge2)ことが知られていない場合、これを明確にするためにBin_1が送出される。Bin_1=1は、非零係数がその絶対値が1であることを意味する。Bin_1=0は、非零係数が1よりも大きな絶対値(ge2)を有することを意味する。なお、この情報を2、3、または、それよりも大きな他の係数値として符号化する代わりに、係数がその絶対値が1以上であることを示すためにBin_1を使用する。これは、通常のデータ・ブロックにおいて、非零の約半分がその絶対値が1であるため、これらを特別に処理するのがより効率的だからである。
レベル:
係数がその絶対値が1よりも大きいこと(ge2)が知られている場合、絶対値としてそのレベルを送出する。元々は、このレベルはバイナリでなく、例えば、限定するものではないが、CABACにおいて使用されるUEG0方法などの何らかのバイナリ化方法を使用してバイナリ化を行い、バイナリ算術符号化を用いてこれらのバイナリ・ビンを符号化する。
Sign:
全ての非零係数に対して、「+」および「?」に対し、それぞれ0、1として符号が送出される。
【0048】
図5を参照するに、符号化処理の例が参照符号500によって概ね示されている。符号化処理500は、図4における例示的なブロック400の符号化に関して説明される。所与の走査順、例えば、CABACにおける前方ジグザグ走査でデータを走査する。再配列された係数は、図5の最初の行で与えられている。
【0049】
最初の係数「10」では、この係数は非零であり(sig_flag=1)、最後のge2ではない(last_ge2_flag=0)。この係数の値を符号化するために、まず、Bin_1=0を送出してその絶対値が1よりも大きいことを示す。次に、その絶対値をレベルを用いて符号化する。ここで、10-2=8を符号化するだけで、復号器には、絶対値が8+2=10となることが分かる。最後に、その符号「+」を0を用いて送出する。
【0050】
2番目の係数「0」では、sig_flag=0である。これで、この係数についての全ての情報が送出されていることになり、符号化器は、次の係数の処理に動作を移行させる。
【0051】
次の係数「-1」は、非零であり(sig_flag=1)、最後のge2ではない(last_ge2_flag=0)。その値を符号化するために、Bin_1=1を送出してその絶対値が1であることを示すと、レベルを処理する必要がなくなる。最後に、その符号「-」を1を用いて送出する。
【0052】
次の係数「2」は、非零であり(sig_flag=1)、最後のge2である(last_ge2_flag=1)。last_ge2_flag=1となった後は、last_flagを送出して現在の係数が最後の非零係数であるかどうかを示す必要がある。ここで、係数が最後の非零係数でないため、last_flag=0である。なお、ここでlast_ge2_flag=1であることは、暗黙的に、この係数が1よりも大きな絶対値を有していなければならないこと(すなわち、ge2でなければならないこと)を示すため、Bin_1=0の使用が省かれる。2-2=0を符号化することによってレベルを用いてその絶対値を送出すると、復号器は、絶対値が0+2=2であることを知る。最後に、その符号「+」0を用いて送出する。
【0053】
次の係数「0」では、sig_flag=0である。
【0054】
次の係数「1」は、非零であり(sig_flag=1)、最後の非零係数ではない(last_flag=0)。last_ge2_flag=1となった後は、全ての重要係数は、1の絶対値を有さなければならないため、これ以上Bin_1またはレベルを用いてその絶対値を符号化する必要はない。その符号「+」を0を用いて送出するのみでよい。
【0055】
次の係数「0」では、sig_flag=0である。
【0056】
次の係数「-1」は、非零であり(sig_flag=1)、最後の非零である(last_flag=1)。その符号「-」を1を用いて送出すると、このブロックの符号化が完了する。
【0057】
上述した符号化の例からは、説明した実施形態の少なくとも1つの新規な態様は、last_ge2_flagの使用であることが分かる。少なくとも以下の内容を含む、幾つかのlast_ge2_flagの利点が存在する。
【0058】
1.last_ge2_flagにより、last_flagの使用を幾らか減少させることができる。last_ge2_flag=0であると、後続する走査位置に非零(具体的には、絶対値が1よりも大きな)係数が存在しなければならない。その場合、last_flagは、0でなければならないため、これらのlast_flagの使用をlast_ge2_flag=1となるまで省く。
【0059】
CABACを用いた場合と提案した方法を用いた場合とで、同じ例のブロックの符号化を比較する。図1において、CABACを用いたブロックの符号化には、5個のlast_flagが必要となり、これらは、00001である。これに対し、図5において、新たな方法を用いた同じブロックの符号化には、3個のlast_ge2_flag(001)および3個のlast_flag(001)が必要となる。ブロック内にN個の非零係数が存在すると仮定すると、CABACでは、N個のlast_flagが必要となる。これに対し、新たな方法では、合計でN+1個のlast_ge2_flagおよびlast_flagが必要となる。last_ge2_flagによって次の2個が省かれることと比べると、ここでの1個の追加のフラグは、非常に重要である。
【0060】
2.走査パスの最後では、連続した「末尾の複数の1(trailing ones)」と呼ばれる、すなわち、絶対値が1である複数の変換係数レベルが発生する可能性が極めて高い。図5の例では、5個の重要係数10、-1、2、1、-1が存在し、最後の「1」および「-1」は、「末尾の複数の1」である。last_ge2_flagにより、CABACにおける末尾の複数の1について、Bin_1の使用が略かれる。last_ge2_flag=1となった後は、幾らかの係数が非零として示される場合には、これらの係数は、1の絶対値を有していなければならない。これらは、実際には、CABAC符号化における末尾の複数の1である。CABACにおいては、このような末尾の複数の1の各々について、それが1であることを示すために(ge2の代わりに)1つのBin_1が必要である。本発明の方法では、これらをlast_ge2_flag=1を用いて暗黙的に示すため、ここで、末尾の複数の1について、Bin_1の使用が省かれる。大きな変換ブロックでは、比較的多数の末尾の1が存在するため、ここでBin_1の使用が省かれたことは重要である。
【0061】
3.last_ge2_flagにより、末尾でない1について、他のBin_1の使用が省くことができる。何らかの係数でlast_ge2_flagが0から1に変化する場合、係数はge2でなければならない(すなわち、係数は1よりも大きな絶対値を有していなければならない)ため、0でなければならないBin_1を送出する必要はない。一例は、図1の符号化例の係数2である。
【0062】
このようにBin_1を省くことは、last_ge2_flagが0から1に変化するブロックのみで行われる。すなわち、ブロックのために複数のlast_ge2_flagが送出される。ブロックのために1つのlast_ge2_flagのみが送出されると仮定すると、それは1でなければならず、対応する係数は、1またはge2の絶対値を有するであろう。図6には、複数の係数が何らかの所与の走査順に並んでいる幾つか例示的なケースが提供されている。
【0063】
図6を参照するに、Bin_1が省かれない例示的な特別なケースが概ね参照符号600によって示されている。さらに、4つの特別なケースが存在することに着目し、これらは、それぞれ、ケース1、ケース2、ケース3、およびケース4として示されている。ケース1およびケース2では、全ての重要係数の絶対値は、2よりも小さい。ケース3およびケース4では、最初の重要係数のみが1よりも大きな絶対値を有する。全ての場合において、最初の重要係数でlast_ge2_flagが1に設定されるため、last_ge2_flagには「0から1への変化」が存在せず、1つのビンのみがlast_ge2_flagに使用される。従って、last_ge2_flag=1を有する係数は、1であるか(ケース1およびケース2の場合)、1よりも大きく(ケース3およびケース4の場合)、これは、Bin_1によって示されるべきである。ケース1およびケース2においては、最初の重要係数「1」は、last_ge2_flag=1およびBin_1=1を有する。ケース3およびケース4の場合には、最初の重要係数2(より一般的には、2以上である)は、last_ge2_flag=1およびBin_1=0を有する。すなわち、ブロックのlast_ge2_flagが1つのビンのみを含む場合、このビンは1でなければならず、対応するBin_1が符号化される必要がある。
【0064】
図7Aを参照するに、エントロピー符号化の例示的な方法が概ね参照符号700によって示されている。この方法は、制御を判定ブロック701に受け渡す開始ブロック712を含む。判定ブロック701は、ブロック内に重要係数が存在するかどうかを判定する。ブロック内に重要係数が存在する場合には、制御は機能ブロック702に受け渡される。ブロック内に重要係数が存在しない場合には、制御が終了ブロック799に受け渡される。機能ブロック702は、last_ge2_flag=0およびlast_flag=0を設定し、制御を機能ブロック703に受け渡す。機能ブロック703は、last_flag=0であれば、1から係数の数(♯)までの範囲を有する変数jを使用したループを開始し、制御を機能ブロック704に受け渡す。機能ブロック704は、sig_flagを符号化し、制御を判定ブロック705に受け渡す。判定ブロック705は、sig_flag=1であるかどうかを判定する。sig_flag=1である場合には、制御が機能ブロック706に受け渡される。sig_flag=1でない場合には、制御がループ端ブロック711に受け渡される。機能ブロック706は、必要であれば、last_ge2_flagを符号化し、制御を機能ブロック707に受け渡す。機能ブロック707は、必要であれば、last_flagを符号化し、制御を機能ブロック708に受け渡す。機能ブロック708は、必要であれば、Bin_1を符号化し、制御を機能ブロック709に受け渡す。機能ブロック709は、必要であれば、レベルを符号化し、制御を機能ブロック710に受け渡す。機能ブロック710は、符号を符号化し、制御をループ端ブロック711に受け渡す。ループ端ブロック711は、ループを終了し、制御を終了ブロック799に受け渡す。
【0065】
機能ブロック703に関し、何らかの走査順にあるブロック内の係数をループする。last_flag=1を有する係数の後の係数は、ループが不要である。判定ブロック705に関し、sig_flag=1(重要)であれば、ブロック706?710によって係数をさらに符号化する。そうでなければ、次の係数にループする。機能ブロック706に関し、この機能ブロック706は、last_ge2_flagを取り扱う。なお、last_ge2_flagの処理は、図7Bを参照してさらに説明する。機能ブロック707に関し、この機能ブロック707は、last_flagを取り扱う。なお、last_flagの処理は、図7Cを参照してさらに説明する。機能ブロック708に関し、この機能ブロック708は、Bin_1を取り扱う。なお、Bin_1の処理は、図7Dを参照してさらに説明する。機能ブロック709に関し、この機能ブロック709は、レベルを取り扱う。なお、レベルの処理は、図7Eを参照してさらに説明する。
【0066】
図7Bを参照するに、last_ge2_flagを符号化する例示的な方法が概ね参照符号720によって示されている。方法720は、制御を判定ブロック721に受け渡す開始ブロック719を含む。判定ブロック721は、last_ge2_flag=0であるかどうかを判定する。last_ge2_flag=0である場合には、制御が判定ブロック722に受け渡される。last_ge2_flag=0でない場合には、制御が終了ブロック798に受け渡される。判定ブロック722は、現在の係数の後に1よりも大きな係数が存在するかどうかを判定する。現在の係数の後に1よりも大きな係数が存在する場合には、制御が機能ブロック723に受け渡される。現在の係数の後に1よりも大きな係数が存在しない場合には、制御が機能ブロック724に受け渡される。機能ブロック723は、last_ge2_flag=0を設定し、制御を判定ブロック725に受け渡す。判定ブロック724は、last_ge2_flag=1を設定し、制御を判定ブロック725に受け渡す。判定ブロック725は、現在の走査位置が最後の走査位置であるかどうかを判定する。現在の走査位置が最後の走査位置である場合には、制御が終了ブロック798に受け渡される。現在の走査位置が最後の走査位置でない場合には、制御が機能ブロック726に受け渡される。機能ブロック726は、last_ge2_flagを符号化し、制御を終了ブロック798に受け渡す。
【0067】
図7Cを参照するに、last_flagを符号化する例示的な方法が概ね参照符号730によって示されている。この方法は、制御を判定ブロック731に受け渡す開始ブロック729を含む。判定ブロック731は、last_ge2_flag=1であるかどうかを判定する。last_ge2_flag=1である場合には、制御が判定ブロック732に受け渡される。last_ge2_flag=1でない場合には、制御が終了ブロック797に受け渡される。判定ブロック732は、現在の係数の後に重要係数が存在するかどうかを判定する。現在の係数の後に重要係数が存在する場合には、制御が機能ブロック733に受け渡される。現在の係数の後に重要係数が存在しない場合には、制御が機能ブロック734に受け渡される。機能ブロック733は、last_flag=0に設定し、制御を判定ブロック735に受け渡す。機能ブロック734は、last_flag=1に設定し、制御を判定ブロック735に受け渡す。判定ブロック735は、現在の走査位置が最後の走査位置であるかどうかを判定する。現在の走査位置が最後の走査位置である場合には、制御が終了ブロック797に受け渡される。現在の走査位置が最後の走査位置でない場合には、制御が機能ブロック736に受け渡される。機能ブロック736は、last_flagを符号化し、制御を終了ブロック797に受け渡す。
【0068】
図7Dを参照するに、Bin_1を符号化する例示的な方法が概ね参照符号740によって示されている。方法740は、制御を判定ブロック741に受け渡す開始ブロック739を含む。判定ブロック741は、「last_ge2_flag=0」または「ブロック内の最初の重要係数である現在の変換係数に対するlast_ge2_flag=1」であるかどうかを判定する。「last_ge2_flag=0」または「ブロック内の最初の重要係数である現在の変換係数に対するlast_ge2_flag=1」である場合には、制御が判定ブロック742に受け渡される。「last_ge2_flag=0」でも「ブロック内の最初の重要係数である現在の変換係数に対するlast_ge2_flag=1」でもない場合には、制御が終了ブロック796に受け渡される。判定ブロック742は、変換係数の絶対値が1である(Abs(currCoeff)=1)かどうかを判定する。変換係数の絶対値が1である場合には、制御が機能ブロック743に受け渡される。変換係数の絶対値が1でない場合には、制御が機能ブロック744に受け渡される。機能ブロック743は、Bin_1=1に設定し、制御を機能ブロック745に受け渡す。機能ブロック744は、Bin_1=0に設定し、制御を機能ブロック745に受け渡す。機能ブロック745は、Bin_1を符号化し、制御を終了ブロック796に受け渡す。
【0069】
図7Eを参照するに、レベルを符号化する例示的な方法が概ね参照符号750によって示されている。方法750は、制御を判定ブロック751に受け渡す開始ブロック749を含む。判定ブロック751は、変換係数の絶対値が2以上である(Abs(currCoeff)≧2)かどうかを判定する。変換係数の絶対値が2以上である場合には、制御が機能ブロック752に受け渡される。変換係数の絶対値が2以上でない場合には、制御が終了ブロック795に受け渡される。機能ブロック752は、レベル=abs(currCoeff)-2であるレベルを符号化し、制御を終了ブロック795に受け渡す。
【0070】
方法700における符号化順は、図5の例の符号化順と同じである。しかしながら、符号化順は、以下のルールに従っている限り、ブロック706?710が柔軟に変更されることがある。
(機能ブロック706に従った)last_ge2_flagは、(機能ブロック708に従った)Bin_1の前に処理され、(機能ブロック708に従った)Bin_1は、(機能ブロック709に従った)レベルよりも前に処理される。すなわち、706→708→709→となる。
(機能ブロック707に従った)last_flagの処理は、機能ブロック706、708、または709の後に行われることがある。
(機能ブロック710に従った)符号の処理は、4つの機能ブロック706、707、708、709のいずれかの前または後に行われることがある。
復号器における処理順は、符号化器における処理と一致していなければならない。
【0071】
なお、ブロック内の最後の走査位置にある係数を符号化する際に特別な取り扱いがある。
方法720においては、last_ge2_flagが最後の係数の前に依然として0である場合には、最後の係数では、last_ge2_flagは、1でなければならないため、last_ge2_flagの符号化は不要である。
方法730においては、同様に、last_flagが最後の係数の前に依然として0である場合には、最後の係数では、last_flagは、1でなければならないため、last_flagの符号化は不要である。
Bin_1(740):機能ブロック741に関し、(機能ブロック726による符号化、送出は不要であるが、)最後の係数でlast_ge2_flagが機能ブロック724によって1に設定されている場合には、ブロック内の最初の重要係数であり、Bin_1はブロック742?745に従ってテスト、符号化されるべきである。
(機能ブロック709に従った)レベル情報は、必要であれば符号化されるべきである。
【0072】
図8Aを参照するに、エントロピー復号の例示的な方法が概ね参照符号800によって示されている。方法800は、制御を判定ブロック801に受け渡す開始ブロック819を含む。判定ブロック801は、ブロック内に重要係数が存在するかどうかを判定する。ブロック内に重要係数が存在する場合には、制御が機能ブロック802に受け渡される。ブロック内に重要係数が存在しない場合には、制御が終了ブロック899に受け渡される。機能ブロック802は、last_ge2_flag=0およびlast_flag=0を設定し、制御を機能ブロック803に受け渡す。機能ブロック803は、last_flag=0であれば、1から係数の数(♯)までの範囲を有する変数jを使用したループを開始し、制御を機能ブロック804に受け渡す。機能ブロック804は、sig_flagを復号し、制御を判定ブロック805に受け渡す。判定ブロック805は、sig_flag=1であるかどうかを判定する。sig_flag=1である場合には、制御が機能ブロック806に受け渡される。sig_flag=1でない場合には、制御がループ端ブロック811に受け渡される。機能ブロック806は、必要であれば、last_ge2_flagを復号し、制御を機能ブロック807に受け渡す。機能ブロック807は、必要であれば、last_flagを復号し、制御を機能ブロック808に受け渡す。機能ブロック808は、必要であれば、Bin_1を復号し、制御を機能ブロック809に受け渡す。機能ブロック809は、必要であれば、レベルを復号し、制御を機能ブロック810に受け渡す。機能ブロック810は、符号を復号し、制御をループ端ブロック811に受け渡す。機能ブロック811は、ループを終了し、制御を終了ブロック899に受け渡す。
【0073】
機能ブロック803に関し、符号化器の場合と同じ走査順でブロック内の係数をループする。last_flag=1を有する係数の後の係数は、ループが不要である。機能ブロック806に関し、この機能ブロック806は、last_ge2_flagを取り扱う。なお、last_ge2_flagの処理は、図8Bを参照してさらに説明する。機能ブロック807に関し、この機能ブロック807は、last_flagを取り扱う。なお、last_flagの処理は、図8Cを参照してさらに説明する。機能ブロック808に関し、この機能ブロック808は、Bin_1を取り扱う。なお、Bin_1の処理は、図8Dを参照してさらに説明する。機能ブロック809に関し、この機能ブロック809は、レベルを取り扱う。なお、レベルの処理は、図8Eを参照してさらに説明する。
【0074】
一実施形態においては、方法800の復号順は、方法700の符号化順と一致することが理解できよう。しかしながら、復号順は、これに対応する符号化順と一致する限り、機能ブロック806?810が柔軟に変更されることがある。
【0075】
図8Bを参照するに、last_ge2_flagを復号する例示的な方法が概ね参照符号820によって示されている。方法820は、制御を判定ブロック821に受け渡す開始ブロック812を含む。判定ブロック821は、last_ge2_flag=0であるかどうかを判定する。last_ge2_flag=0である場合には、制御が判定ブロック822に受け渡される。last_ge2_flag=0でない場合には、制御が終了ブロック898に受け渡される。判定ブロック822は、現在の走査位置が最後の走査位置にあるかどうかを判定する。現在の走査位置が最後の走査位置にある場合には、制御がブロック823に受け渡される。現在の走査位置が最後の走査位置にない場合には、制御が機能ブロック824に受け渡される。機能ブロック823は、last_ge2_flag=1を設定し、制御を終了ブロック898に受け渡す。機能ブロック824は、last_ge2_flagを復号し、制御を終了ブロック898に受け渡す。
【0076】
図8Cを参照するに、last_flagを復号する例示的な方法が概ね参照符号830によって示されている。方法830は、制御を判定ブロック831に受け渡す開始ブロック825を含む。判定ブロック831は、last_ge2_flag=1であるかどうかを判定する。last_ge2_flag=1である場合には、制御が判定ブロック832に受け渡される。last_ge2_flag=1でない場合には、制御が終了ブロック897に受け渡される。判定ブロック832は、現在の走査位置が最後の走査位置にあるかどうかを判定する。現在の走査位置が最後の走査位置にある場合には、制御が終了ブロック897に受け渡される。現在の走査位置が最後の走査位置にない場合には、制御が機能ブロック833に受け渡される。機能ブロック833は、last_flagを復号し、制御を終了ブロック897に受け渡す。
【0077】
図8Dを参照するに、Bin_1を復号する例示的な方法が概ね参照符号840によって示されている。方法840は、制御を機能ブロック841に受け渡す開始ブロック834を含む。機能ブロック841は、Bin_1=1に設定し、制御を判定ブロック842に受け渡す。判定ブロック842は、「last_ge2_flag=0」または「ブロック内の最初の重要係数である現在の係数に対するlast_ge2_flag=1」であるかどうかを判定する。「last_ge2_flag=0」または「ブロック内の最初の重要係数である現在の係数に対するlast_ge2_flag=1」である場合には、制御が機能ブロック843に受け渡される。「last_ge2_flag=0」でも「ブロック内の最初の重要係数である現在の係数に対するlast_ge2_flag=1」でもない場合には、制御が終了ブロック896に受け渡される。機能ブロック843は、Bin_1を復号し、制御を終了ブロック896に受け渡す。
【0078】
図8Eを参照するに、レベルを復号する例示的な方法が概ね参照符号850によって示されている。方法850は、制御を判定ブロック851に受け渡す開始ブロック844を含む。判定ブロック851は、「Bin_1=0」または「ブロック内の最初の重要係数でない現在の係数に対するlast_ge2_flag=1」であるかどうかを判定する。「Bin_1=0」または「ブロック内の最初の重要係数でない現在の係数に対するlast_ge2_flag=1」である場合には、制御が機能ブロック852に受け渡される。「Bin_1=0」でも「ブロック内の最初の重要係数でない現在の係数に対するlast_ge2_flag=1」でもない場合には、制御が機能ブロック853に受け渡される。機能ブロック852は、レベルを復号し、現在の係数の絶対値をレベル+2(Abs(currCoeff)=レベル+2)に設定し、制御を終了ブロック895に受け渡す。機能ブロック853は、現在の係数の絶対値を1に設定し((abs(currCoeff))=1、制御を終了ブロック895に受け渡す。
【0079】
なお、ブロック内の最後の走査位置における係数を復号する際、特別な取り扱いが存在する。
方法820においては、last_ge2_flagが最後の係数の前に依然として0である場合には、最後の係数では、last_ge2_flagは1でなければならないため、last_ge2_flagの復号は不要である。その代わりに、last_ge2_flagは、機能ブロック823に従って単に1に設定される。
方法830においては、同様に、last_flagが最後の係数の前に依然として0である場合には、最後の係数では、last_flagは1でなければならないため、last_flagの復号は不要である。
(方法840に従った)Bin_1:機能ブロック842に関し、(機能ブロック824では復号される必要はないが、)ブロック823の最後の係数では、last_ge2_flagが1に設定され、ブロック内の最初の重要係数である場合は、Bin_1が機能ブロック843によって復号されるべきである。
(方法850に従った)レベル:851において、Bin_1=0である場合、または、(機能ブロック824によって復号される必要はないが、)機能ブロック823により最後の係数に対するlast_ge2_flagが1に設定され、最後の係数が最初の重要係数でない場合には、レベルが機能ブロック852によって復号されるべきである。そうでない場合には、機能ブロック853によってこの最後の係数の絶対値を1に設定する。
【0080】
提案した方法の別の利点は、sig_flag、last_flagなどのような他のシンタックスの同一の走査パスにおける係数レベルの符号化である。CABACにおいては、係数レベル情報は、逆ジグザグ走査順に符号化される。これは、ブロックを符号化するための第2のパスのように見える。この逆ジグザグ順符号化においては、レベル情報は、符号化された係数の逆ジグザグ位置を用いて設計されるコンテキスト・モデルを用いて符号化することができる。具体的には、(逆ジグザグ順で)最初の符号化された係数がコンテキスト・モデル0を用いて符号化され、2番目の符号化係数がコンテキスト・モデル1を用いて符号化されるなどである。このコンテキスト・モデル設計は、同様に確からしい(0.5/0.5)モデルを用いたレベル・ビンの符号化と比べると、いくらかの利得を示す(すなわち、複数のビンをビン毎に1ビットで直接出力する).」

「【0085】
last_ge2_flagは、単なる実施形態であることが理解できよう。本技術分野および関連する技術分野における当業者であれば容易に理解できるであろうが、代替的には、フラグをlast_geX_flagと呼び、ここで、Xは任意の数とすることができる。
【0086】
本発明の多くの付随する利点/特徴の幾つかについて説明する。これらの幾つかは既に述べた通りのものである。例えば1つの利点/特徴は、ピクチャ内の少なくともブロックを符号化するビデオ符号化器を有する装置である。ビデオ符号化器は、ブロックの残差を変換して変換係数を取得し、変換係数を量子化して量子化された変換係数を取得し、量子化された変換係数をエントロピー符号化することによって符号化を行う。量子化された変換係数は、フラグを使用して1つのパスで符号化されることにより、量子化された変換係数のうち処理が行われている現在の変換係数が、特定の値以上の値を有するブロックのための最後の非零係数であることを示す。
【0087】
さらに、別の利点/特徴は、上述したビデオ符号化器を有する装置であって、特定の値が2である、この装置である。
【0088】
さらに、別の利点/特徴は、上述したビデオ符号化器を有する装置であって、特定の値未満の値を有する、量子化された変換係数のうちの後続する非零係数は、特定の値未満の値を有する後続する非零係数の各々の符号のみを符号化することによって符号化される、
この装置である。
【0089】
さらに、別の利点/特徴は、上述したビデオ符号化器を有する装置であって、特定の値が複数の値から選択される、この装置である。」

第4 判断
本願発明における「第1のシンタックス要素」及び「第2のシンタックス要素」について、発明の詳細な説明には当該記載自体は存在しない。そこで、当該「第1のシンタックス要素」及び「第2のシンタックス要素」が発明の詳細な説明に記載されているものであるか以下に検討する。

発明の詳細な説明には、シンタックス要素のうちフラグについて、段落0006、0007、0043、0047?0080、0085?0089に、従来のCABAC符号化の例として、「sig_flag」、「last_flag」、「Bin_1」が記載され、新たなシンタックス要素として、「last_ge2_flag」が、さらには「last_geX_flag」が記載されている。

(1)本願発明における「第1のシンタックス要素」について
本願発明における「第1のシンタックス要素」は、「前記量子化された変換係数のうち処理が行われている現在の変換係数が第1の特定の非零値と同等かそれよりも大きい値を有するブロックに対する最後の非零係数であるときを示す、フラグ」であり、「前記第1の特定の非零値は、複数の値から選択され」るものである。
他方、発明の詳細な説明には、当該「第1の特定の非零値」との記載は存在しないが、現在の変換係数が特定の非零値と「同等かそれよりも大きい値を有するブロックに対する最後の非零係数であるときを示す、フラグ」は、発明の詳細な説明の段落0047及び0085の記載によれば「last_ge2_flag」及び「last_geX_flag」のみであると認められる。そして、「第1のシンタックス要素」における当該「第1の特定の非零値」は、「複数の値から選択され」るものであり、複数の値からの選択については、段落0085に「last_geX_flag」について「Xは任意の数とすることができる。」、段落0089に「特定の値が複数の値から選択される」と記載されていることから、当該「第1の特定の非零値」は「last_geX_flag」における「X」が対応していると認められる。
そうすると、段落0047の記載から、当該「第1の特定の非零値」を「2」とした場合のフラグが「last_ge2_flag」であり、当該「第1の特定の非零値」を「複数の値から選択され」るとした場合のフラグが「last_geX_flag」と認められる。
よって、本願発明における、「前記量子化された変換係数のうち処理が行われている現在の変換係数が第1の特定の非零値と同等かそれよりも大きい値を有するブロックに対する最後の非零係数であるときを示す、フラグ」であって、「前記第1の特定の非零値は、複数の値から選択され」る「第1のシンタックス要素」は、発明の詳細な説明における「last_geX_flag」に対応するものである。
なお、発明の詳細な説明には、その他に「第1のシンタックス要素」に対応するものは存在しない。

(2)本願発明における「第2のシンタックス要素」について
上記(1)で検討したとおり、本願発明における「第1のシンタックス要素」は「last_geX_flag」に対応するものであり、「last_ge2_flag」は「last_geX_flag」の「第1の特定の非零値」を「2」としたものであるから、本願発明における「第2のシンタックス要素」として検討するものは、前記「last_geX_flag」、「last_ge2_flag」を除く、「sig_flag」、「last_flag」及び「Bin_1」である。当該各シンタックス要素について以下に検討する。
本願発明における「第2のシンタックス要素」は、「前記量子化された変換係数のうち処理が行われている現在の変換係数が第2の特定の非零値よりも大きい値を有するブロックに対する非零係数であるときを示す、フラグ」である。ここで、前記「第2の特定の非零値よりも大きい値」とは少なくとも「2以上の値」を意味しているものと認められる。
他方、発明の詳細な説明には、段落0047に、前記「sig_flag」は、「対応する係数が非零である(重要である)こと」又は「零であること」を意味すると記載があり、上記「2以上の値」を有することを意味していない。また、前記「last_flag」は、同段落0047に「現在の非零係数が所与の走査順で現在のブロック内の最後の非零係数であること」又は「最後の非零係数でないこと」を意味すると記載があり、上記「2以上の値」を有することを意味していない。また、前記「Bin_1」も、同段落0047に「非零係数がその絶対値が1であること」又は「1よりも大きな絶対値(ge2)を有すること」を意味すると記載があり、特に後者については、「1よりも大きな」との条件ではあるものの、対象が絶対値であって、-2以下の値を有する場合も該当するから、同じく、「2以上の値」を有することを意味していない。
したがって、当該いずれのシンタックス要素も、上記本願発明における「前記量子化された変換係数のうち処理が行われている現在の変換係数が第2の特定の非零値よりも大きい値を有するブロックに対する非零係数であるときを示す」ものには一致していない。
そして、発明の詳細な説明のその他の箇所においても、「第2のシンタックス要素」に対応するものは存在しない。

なお、請求人は、平成29年5月19日付け審判請求書において、「本願発明の「第1のシンタックス要素」および「第2のシンタックス要素」は、発明の詳細な説明においてはそれぞれ、例えば、「last_flag」および「last_ge2_flag」に対応いたします。従いまして、理由1(新規事項)、理由2(サポート要件)の拒絶理由は存在しません。」と主張しているが、上記検討したとおりであって、本願発明の「第1のシンタックス要素」および「第2のシンタックス要素」は、発明の詳細な説明のそれぞれ「last_flag」及び「last_ge2_flag」に対応するものであるとは認められない。

したがって、本願発明は、上記「第2のシンタックス要素」が、発明の詳細な説明に記載したものではなく、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

第5 むすび
以上のことから、この出願は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
よって、結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2018-04-23 
結審通知日 2018-04-24 
審決日 2018-05-08 
出願番号 特願2013-533883(P2013-533883)
審決分類 P 1 8・ 537- Z (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 坂東 大五郎  
特許庁審判長 清水 正一
特許庁審判官 樫本 剛
渡辺 努
発明の名称 改善されたエントロピー符号化および復号を行う方法および装置  
代理人 内藤 和彦  
代理人 江口 昭彦  
代理人 阿部 豊隆  
代理人 倉持 誠  
代理人 大貫 敏史  
代理人 吹田 礼子  
代理人 稲葉 良幸  

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