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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F |
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管理番号 | 1344512 |
審判番号 | 不服2017-9516 |
総通号数 | 227 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2018-11-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2017-06-29 |
確定日 | 2018-09-20 |
事件の表示 | 特願2014- 22882号「遊技台」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 8月20日出願公開、特開2015-146996号〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 手続の経緯 本願は、平成26年2月7日の出願であって、平成28年3月4日付けで拒絶の理由が通知され、平成28年4月28日に意見書及び手続補正書が提出され、平成28年10月19日付けで最後の拒絶の理由が通知され、平成28年11月22日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成29年3月31日付け(発送日:平成29年4月4日)で、平成28年11月22日になされた手続補正が却下されるとともに拒絶査定がなされ、それに対して、平成29年6月29日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされ、これに対し、当審において、平成30年2月14日付けで拒絶の理由が通知され、平成30年4月5日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。 2 本願発明 この出願の請求項1?7に係る発明は、平成30年4月5日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?7に記載されたとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりのものと認める(A?Oについては、発明特定事項を分説するため当審で付した。)。 「【請求項1】 A 遊技者が操作可能な位置に設けられた操作手段と、 B 複数種類の表示を表示可能な表示手段と、 C 複数種類の演出を実行可能な演出手段と、 D を備えた遊技台であって、 E 前記遊技台は、パチンコ機であり、 F 前記複数種類の表示のうちの一つは、第一の表示であり、 G 前記複数種類の表示のうちの一つは、第二の表示であり、 H 前記第一の表示は、前記操作手段の操作促進表示であり、 I 前記第一の表示は、前記操作手段の操作に関する受付が有効となる期間(以下、「第一の期間」という。)に表示される表示であり、 J 前記第二の表示は、前記第一の期間の長さを示唆する表示であり、 K 前記複数種類の演出のうちの一つは、第一の演出であり、 L 前記第一の演出は、前記操作手段の操作の受付毎に実行される演出であり、 M 前記第一の期間において、前記操作手段の操作が受け付けられると、前記第一の演出が開始され、 N 前記第一の期間において、前記第一の表示の表示位置とは異なる位置であって前記第二の表示の一部にオーバーラップする位置に新たな第一の表示が表示される場合がある、 O ことを特徴とする遊技台。」 3 拒絶の理由 平成30年2月14日の当審が通知した拒絶理由は、本願発明は、本願の出願前に日本国内において、頒布された以下の引用文献に記載された発明及び引用文献に記載された事項に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 引用文献:特開2013-128622号公報 4 引用文献の記載及び引用発明 (1)引用文献の記載事項 引用文献には、以下の事項が図面とともに記載されている(下線は、当審で付した。以下同じ。)。 (ア)「【0001】 本発明は弾球遊技機に関し、特に、遊技者により操作される操作手段を有する弾球遊技機に関する。」 (イ)「【0009】 以下、本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機について図面を参照しながら説明する。パチンコホールの台島には、図1に示すように、外枠1が設置されている。この外枠1は前後面が開口する四角筒状をなすものであり、外枠1の前端面には前枠2が左側辺部の垂直な軸を中心に回動可能に装着されている。この前枠2の前面には下端部に位置して横長な長方形状の下皿板3が固定されており、下皿板3の前面には上面が開口する下皿4が固定されている。この下皿板3の上方には上皿板5が配置されている。この上皿板5は前枠2に装着されたものであり、上皿板5の前面には上面が開口する上皿6が固定されている。 【0010】 上皿6には、図1に示すように、操作手段としての演出ボタン6Aが装着されている。この演出ボタン6Aは遊技者が手指で操作入力するものであり、上皿6の上面から上方へ突出する初期位置および初期位置より下方の押込み位置相互間で上下方向へスライド可能にされている。また、この演出ボタン6Aにはスプリングが連結されている。このスプリングは演出ボタン6Aに押込み力が作用していない状態で演出ボタン6Aを上方の初期位置に保持するものであり、演出ボタン6Aはスプリングのばね力に抗して下方へ押込み操作されることに基づいて初期位置から押込み位置へ移動し、操作力が除去されることに基づいてスプリングのばね力で押込み位置から初期位置に復帰する。この演出ボタン6Aにはボタンスイッチ6B(図3参照)の操作子が機械的に連結されている。このボタンスイッチ6Bは自己復帰形のプッシュスイッチからなるものであり、上皿6の内部に固定されている。このボタンスイッチ6Bは演出ボタン6Aの初期位置で操作子が演出ボタン6A を介してオフ位置に保持されることに基づいて電気的なオフ状態になるものであり、演出ボタン6Aの押込み位置では操作子が演出ボタン6Aを介してオン位置に移動操作されることに基づいて電気的なオン状態になる。」 (ウ)「【0044】 メイン制御装置23はステップS6へ移行すると、表示制御装置26に図柄変動指令を出力する。すると、表示制御装置26は、図柄表示装置25の各列の図柄表示領域内の図柄群を所定の設定順序でループ状に縦方向に変動させ、図柄変動画面を表示する。 【0045】 そして、図4のステップS7へ移行すると、表示制御装置26において、予告演出表示を行うか否かの抽選を行う。ここで、予告演出表示を行うと判定された場合には、図4のステップS18の予告演出決定処理へ移行する(予告演出決定処理の詳細は後述する)。また、予告演出表示を行わないと判定された場合には、メイン制御装置23は図柄変動指令を出力してから設定時間Tが経過したことを検出した後、図4のステップS8へ移行し、左列図柄群の仮停止指令および設定された左列図柄(ステップS17で設定された左列図柄)を表示制御装置26に出力する。すると、表示制御装置26は、図柄表示装置25の左列の図柄表示領域内を左列図柄群の設定された左列図柄で仮停止させる。」 (エ)「【0052】 表示制御装置26は、図5のステップS21で、まず、演出ボタン6Aを表す(演出ボタン6Aに似せた)操作手段画像としての演出ボタン画像100を図柄表示装置25の表示画面25Aに表示して、演出ボタン6Aが操作された場合には所定の結末を表示する予告演出を表示するか否かの判定を行う。なお、本実施の形態では、所定の結末として、後述するように、キャラクタ画像500が出現する表示を行うか、または、キャラクタ画像500が出現しないで終了する表示を行うか、のどちらかの表示を行うようになっている。ここで、演出ボタン6Aを表す演出ボタン画像100を表示する予告演出を表示しない場合には、図5のステップS22へ移行し、表示制御装置26に予め記憶された他の予告演出を表示した後、図4のステップS8に戻る。なお、演出ボタン6Aを表す演出ボタン画像100を表示するものでない予告演出については、説明を省略する。 【0053】 また、図5のステップS21で、演出ボタン6Aを表す演出ボタン画像100を表示する予告演出を表示する場合には、次に、図5のステップS23で、表示制御装置26に複数種類記憶された予告演出のうちのどの演出パターンを表示するかの判定を行う。本実施の形態では、どの演出パターンでも、まず、遊技者に演出ボタン6Aの操作を促す演出ボタン画像100(図7に図示)を画面上に1つ表示する(ここでは、画面中央に1つ表示する)共通の表示態様の第1の演出画像を表示するようになっており、その後、演出ボタン画像100を増加させずに1つだけ表示したままの第2の演出画像を表示するか、演出ボタン画像100を複数に増加させて表示する第3の演出画像を表示するかで演出態様を2つに分けている。なお、第1の演出画像→第2の演出画像の演出パターンが本発明の第1のパターンに相当し、第1の演出画像→第3の演出画像の演出パターンが本発明の第2のパターンに相当する。」 (オ)「【0059】 第2のパターンの第1例では、まず、当該予告演出が開始されると、第1及び第2のパターンで共通の表示態様となる第1の演出画像として、図7の(a)に示すように、所定の背景画像(ここでは、家の画像が表示されている)200の手前側に、左列図柄401,右列図柄402,中列図柄403がそれぞれ透明かつ高速で変動表示され、その手前側に、上皿6に配設された演出ボタン6Aに似せた演出ボタン画像100が1つ表示される。演出ボタン画像100が表示される際には、白色・灰色等の色でまず表示され、その後、一旦赤色等の目立つ色に変化し、また、白色・灰色等に戻るような表示態様となっている。このとき、遊技者としては、そのまま演出ボタン画像100が1つの予告演出が行われるか、演出ボタン画像100が複数に増える予告演出が行われるかが不明であるため、遊技者にドキドキ感と期待感を持って演出ボタン画像100がどうなるかに注目させることができる。 【0060】 次に、第2のパターンの第1例では、第3の演出画像の第1例として、図7の(b)?(c),図8の(d)?(e)に示すように、最初に表示された演出ボタン画像100の左隣にもう1つ演出ボタン画像100が表示される。このとき、本実施の形態では、白色・灰色等の演出ボタン画像100が生まれてくる又は生えてくるようなイメージで段々画像が大きくなり(図7の(b)?(c),図8の(d)?(e))、一度最初に表示された演出ボタン画像100より大きくなってから少し小さくなって、最初に表示された演出ボタン画像100と同じ大きさになり、その後、並んだ2つの演出ボタン画像100が、一旦赤色等の目立つ色に変化し、また、白色・灰色等に戻るような表示態様となっている。 【0061】 それから、第3の演出画像の第1例として、図8の(e)?(i)に示すように、当該左隣の演出ボタン画像100と同様にして、最初に表示された演出ボタン画像100の右側、下側、左下側、右下側の順に、演出ボタン画像100を表示させていく。 【0062】 このようにして、第2のパターンの第1例では、まず演出ボタン画像100を1つ表示する第1及び第2のパターンで共通の表示態様の第1の演出画像を表示した後、複数の演出ボタン画像100に増加させて表示する第3の演出画像(ここでは、6つの演出ボタン画像100を表示する第3の演出画像の第1例)を表示するようになっている。」 (カ)「【0063】 6つの演出ボタン画像100が表示されたら、次に、「押して!押して!」、「プッシュ!プッシュ!」等の遊技者に演出ボタン6Aを操作するように促す表示を行い(図示省略)、遊技者がそれに応じて演出ボタン6Aを操作したら、図8の(j)に示すように、左上の演出ボタン画像100が消去され、その代わりに、画面手前側から画面奥側に向かって複数のブロック300が飛んでいく特定演出画像が表示される(このように演出ボタン6Aの操作に応じて表示される演出画像を本発明の特定演出画像と定義する)。 【0064】 そして、画面奥側にはガラス板があるようなイメージになっており、飛んでいったブロック300でガラス板が割れるかどうか、という映像になっている。そのため、図8の(k)に示すように、ブロック300がある程度まで飛んでいくと、当該ガラス板にぶつかってブロック300が砕けるような表示がなされる。これを、遊技者が演出ボタン6Aを操作するのに対応させて、図8の(l),図9の(m)?(p)に示すように、右上、左下、真ん中下、右下、真ん中上という順で、さらに5回分繰り返していく。 【0065】 そして、図4のステップS4において予め外れリーチ又は大当りと判定されている場合、本実施の形態では、所定の結末として、図9の(p)に示すように、6回目の演出ボタン6Aの操作で、ブロック300がガラス板にひびを入れ、この後、図9の(q)に示すように、ガラス板が割れて、その後ろ側からキャラクタ画像500が出現するようになっている。なお、本実施の形態では、ブロック300でガラス板を割ってキャラクタ画像500が出現すると、リーチ発生が確定するように設定されており、図9の(p)?(r)に示すように、ガラス板が割れてキャラクタ画像500が出現するのと同時に、左列図柄401が停止し、右列図柄402が左列図柄401と同じ図柄で停止して、リーチ状態を発生させるようになっている(図4のステップS8?S9)。」 (キ)「【0069】 なお、本実施の形態の場合、遊技者が演出ボタン6Aの操作を行わずに所定時間が経過し、図4のステップS4において予め外れリーチ又は大当りと判定されているときには、図8の(j)?(l),図9の(m)?(p)に示すような表示は行わずに、図9の(q)及び図9の(r)に示すような表示を行って、リーチ状態とする。また、本実施の形態では、キャラクタ画像500が出現したら、リーチ状態の発生が確定となっていたが、単にリーチ発生又は大当り発生に対する信頼度が高いキャラクタ画像500が出現するだけでリーチ発生が起こらなくても良い。また、出現する可能性のあるキャラクタ画像500が複数あり、その中から出現したキャラクタに応じて信頼度が変化するようになっていても良い。」 (ク)「【0091】 また、前記した実施の形態では、複数の演出ボタン画像(操作手段画像)100が出現する第2のパターンの演出の場合に、当該複数の演出ボタン画像100が全て出現し終わってから、演出ボタン(操作手段)6Aの操作が可能となっていたが、本発明はこれに限らず、複数の演出ボタン画像100が出現している途中で、演出ボタン6Aの操作を行って、順次、特定演出画像を表示するようになっていても良い。」 (ケ)上記(エ)【0052】には、「図柄表示装置25の表示画面25A」と、上記(オ)【0059】には、「図7の(a)に示すように、所定の背景画像・・・200の手前側に、・・・演出ボタン画像100が1つ表示される」と、上記(カ)【0063】には、「図8の(j)に示すように、・・・ブロック300が・・・表示される」と、上記(カ)【0065】には、「図9(q)に示すように、・・・キャラクタ画像500が出現する」と、それぞれ、記載されている。 よって、「表示画面25A」には、図7(a)においては「演出ボタン画像100」、「背景画像200」が、図8(j)においては「ブロック300」が、図9(q)においては「キャラクタ画像500」が表示されていることが示されているといえる。 (コ)上記(ケ)より、符号「25A」及び符号「100」は、それぞれ、「表示画面25A」及び「演出ボタン画像100」を意味しているから、図8(i)には、表示画面25Aに6つの演出ボタン画像100が表示されていることが示されている。 また、上記(カ)【0063】?【0065】には、「図8の(j)に示すように、左上の演出ボタン画像100が消去され、その代わりに、画面手前側から画面奥側に向かって複数のブロック300が飛んでいく特定演出画像が表示される・・・画面奥側にはガラス板があるようなイメージになっており、・・・図8の(k)に示すように、ブロック300がある程度まで飛んでいくと、当該ガラス板にぶつかってブロック300が砕けるような表示がなされる。これを、・・・図8の(l),図9の(m)?(p)に示すように、右上、左下、真ん中下、右下、真ん中上という順で、さらに5回分繰り返していく。・・・図9の(p)に示すように、・・・ブロック300がガラス板にひびを入れ、この後、図9の(q)に示すように、ガラス板が割れて、その後ろ側からキャラクタ画像500が出現する」と記載されている。 そうすると、図8(i)?図9(q)には、図8(i)の表示画面25Aに6つの演出ボタン画像100が表示されている状態から、図8(j)?(l)、図9(m)?(o)では、演出ボタン画像100が1つ消去されると、画面手前側から画面奥側に向かって複数のブロック300が飛んでいき、画面奥側のガラス板にぶつかってブロック300が砕けるような表示がなされ、これを、5回分繰り返し、図9(o)で表示されている最後の演出ボタン画像100が消去されると、図9(p)に示すようにブロック300がガラス板にひびを入れ、図9(q)では、背景にキャラクタ画像500が現れることが示されているといえる。 上記(ア)?(キ)の記載事項、及び、(ケ)、(コ)の認定事項から、以下の事項が導かれる。 (a)上記(イ)【0010】には、「上皿6には、・・・演出ボタン6Aが装着されている。この演出ボタン6Aは遊技者が手指で操作入力するものであり、」と記載されている。 そうすると、引用文献には、上皿6に装着された遊技者が手指で操作入力する演出ボタン6Aが記載されているといえる。 (b)上記(ウ)【0044】、【0045】には、「メイン制御装置23は・・・表示制御装置26に図柄変動指令を出力する。すると、表示制御装置26は、図柄表示装置25の各列の・・・図柄群を・・・変動させ、図柄変動画面を表示する。そして、・・・表示制御装置26において、予告演出表示を行うか否かの抽選を行う。ここで、予告演出表示を行うと判定された場合には、・・・予告演出決定処理へ移行する」と、上記(エ)【0052】には、「表示制御装置26は、・・・演出ボタン画像100を図柄表示装置25の表示画面25Aに表示して、・・・予告演出を表示する」ことが、それぞれ、記載されている。 また、上記(ケ)より、「表示画面25A」には、「演出ボタン画像100」、「背景画像200」、「ブロック300」、「キャラクタ画像500」が表示されていることが示されている。 そうすると、引用文献には、図柄変動画面における予告演出として、演出ボタン画像100、背景画像200、ブロック300、キャラクタ画像500を表示する表示画面25Aが記載されているといえる。 (c)上記(ウ)【0044】、【0045】には、「メイン制御装置23は・・・表示制御装置26に図柄変動指令を出力する。すると、表示制御装置26は、図柄表示装置25の各列の・・・図柄群を・・・変動させ、図柄変動画面を表示する。そして、・・・表示制御装置26において、予告演出表示を行うか否かの抽選を行う。ここで、予告演出表示を行うと判定された場合には、・・・予告演出決定処理へ移行する」と、上記(エ)【0052】には、「表示制御装置26は、・・・演出ボタン画像100を・・・表示画面25Aに表示して、・・・予告演出を表示する」と、それぞれ、記載されている。 また、上記(オ)【0059】?【0061】には、「予告演出が開始されると、・・・演出ボタン画像100が1つ表示される。・・・最初に表示された演出ボタン画像100の左隣にもう1つ演出ボタン画像100が表示される。・・・当該左隣の演出ボタン画像100と同様にして、最初に表示された演出ボタン画像100の右側、下側、左下側、右下側の順に、演出ボタン画像100を表示させていく。」と記載され、上記(カ)【0063】、【0064】には、「6つの演出ボタン画像100が表示されたら、・・・遊技者が・・・演出ボタン6Aを操作したら、・・・左上の演出ボタン画像100が消去され、・・・遊技者が演出ボタン6Aを操作するのに対応させて、・・・右上、左下、真ん中下、右下、真ん中上という順で、さらに5回分繰り返していく。」と記載されている。 そうすると、引用文献には、図柄変動画面における予告演出として、演出ボタン画像100の表示を増加する演出と、演出ボタン画像100の表示を消去する演出を表示する表示制御装置26が記載されているといえる。 (d)(o)上記(ア)【0001】に「弾球遊技機」と記載されている。 (e)上記(ア)【0001】に「弾球遊技機」と、上記(イ)【0009】に「パチンコ遊技機」と、それぞれ、記載されている。 (f)上記(b)より、引用文献には、表示画面25Aに表示されるものの一つは、演出ボタン画像100であることが記載されているといえる。 (h)上記(エ)【0053】には、「遊技者に演出ボタン6Aの操作を促す演出ボタン画像100」と記載されている。 よって、引用文献には、演出ボタン画像100は、遊技者に演出ボタン6Aの操作を促すものであることが記載されているといえる。 (i)上記(カ)【0063】には、「演出ボタン画像100が表示されたら、・・・「押して!押して!」、「プッシュ!プッシュ!」等の遊技者に演出ボタン6Aを操作するように促す表示を行い・・・、遊技者がそれに応じて演出ボタン6Aを操作したら、・・・演出ボタン画像100が消去され」ることが記載されている。 また、上記(キ)【0069】には、「遊技者が演出ボタン6Aの操作を行わずに所定時間が経過し、・・・図8の(j)?(l),図9の(m)?(p)に示すような表示は行わずに、図9の(q)及び図9の(r)に示すような表示を行って、リーチ状態とする。」と記載され、上記(コ)より、図9(o)で表示されている最後の演出ボタン画像100が消去された後の表示となる図9(q)及び図9(r)は、演出ボタン画像100は表示されていないから、遊技者が演出ボタン6Aの操作を行わずに所定時間が経過すると、演出ボタン画像100の表示は終了しているといえる。 よって、引用文献には、演出ボタン画像100が表示されると、「押して!押して!」、「プッシュ!プッシュ!」等の遊技者に演出ボタン6Aを操作するように促す表示が行われ、遊技者がそれに応じて演出ボタン6Aを操作したら、演出ボタン画像100が消去され、遊技者が演出ボタン6Aの操作を行わずに所定時間が経過すると、演出ボタン画像100の表示は終了することが記載されているといえる。 (k)上記(c)より、引用文献には、表示制御装置26に表示される演出の一つは、演出ボタン画像100の表示を消去する演出であることが記載されているといえる。 (l)上記(カ)【0063】には、「演出ボタン画像100が表示され・・・遊技者が・・・演出ボタン6Aを操作したら、・・・演出ボタン画像100が消去され」ることが記載されている。 よって、引用文献には、演出ボタン画像100が表示され、遊技者が演出ボタン6Aを操作したら、演出ボタン画像100の表示が消去されることが記載されているといえる。 (m)上記(カ)【0063】には、「演出ボタン画像100が表示されたら、・・・遊技者に演出ボタン6Aを操作するように促す表示を行い・・・、遊技者がそれに応じて演出ボタン6Aを操作したら、・・・演出ボタン画像100が消去され、」と、記載されている。 よって、引用文献には、演出ボタン画像100が表示されて、演出ボタン6Aを操作するように促す表示に応じて遊技者が演出ボタン6Aを操作すると演出ボタン画像100が消去されることが記載されているといえる。 (n)上記(オ)【0059】?【0062】には、「まず、・・・演出ボタン画像100が1つ表示される。・・・次に、・・・最初に表示された演出ボタン画像100の左隣にもう1つ演出ボタン画像100が表示される。・・・それから、・・・当該左隣の演出ボタン画像100と同様にして、最初に表示された演出ボタン画像100の右側、下側、左下側、右下側の順に、・・・6つの演出ボタン画像100を表示する」と記載されている。 よって、引用文献には、最初に表示された演出ボタン画像100の左隣、右側、下側、左下側、右下側の順に6つの演出ボタン画像100を表示することが記載されている。 以上(ア)?(キ)の記載事項、(ケ)、(コ)の認定事項及び上記(a)?(o)の認定事項を総合すれば、引用文献には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている(a?oは発明の構成を分説するため当審で付した。)。 「a 上皿6に装着された遊技者が手指で操作入力する演出ボタン6Aと、 b 図柄変動画面における予告演出として、演出ボタン画像100、背景画像200、ブロック300、キャラクタ画像500を表示する表示画面25Aと、 c 図柄変動画面における予告演出として、演出ボタン画像100の表示を増加する演出と、演出ボタン画像100の表示を消去する演出を表示する表示制御装置26と、 d を備えた弾球遊技機であって、 e 弾球遊技機は、パチンコ遊技機であり、 f 表示画面25Aに表示されるものの一つは、演出ボタン画像100であり、 h 演出ボタン画像100は、遊技者に演出ボタン6Aの操作を促すものであり、 i 演出ボタン画像100が表示されると、「押して!押して!」、「プッシュ!プッシュ!」等の遊技者に演出ボタン6Aを操作するように促す表示が行われ、遊技者がそれに応じて演出ボタン6Aを操作したら、演出ボタン画像100が消去され、遊技者が演出ボタン6Aの操作を行わずに所定時間が経過すると、演出ボタン画像100の表示は終了し、 k 表示制御装置26に表示される演出の一つは、演出ボタン画像100の表示を消去する演出であり、 l 演出ボタン画像100が表示され、遊技者が演出ボタン6Aを操作したら、演出ボタン画像100の表示が消去され、 m 演出ボタン画像100が表示されて、演出ボタン6Aを操作するように促す表示に応じて遊技者が演出ボタン6Aを操作すると演出ボタン画像100が消去され、 n 最初に表示された演出ボタン画像100の左隣、右側、下側、左下側、右下側の順に6つの演出ボタン画像100を表示する、 o 弾球遊技機。」 5 対比 本願発明と引用発明とを対比する。なお、見出しは(a)?(o)とし、本願発明、引用発明の分説に対応させている。 (a)引用発明の「演出ボタン6A」は、「上皿6に装着され」、「遊技者が手指で操作入力する」ものであるから、「遊技者が操作可能な位置に設けられ」ていることは明らかである。 よって、引用発明の「上皿6に装着された遊技者が手指で操作入力する演出ボタン6A」は、本願発明の「遊技者が操作可能な位置に設けられた操作手段」に相当する。 (b)引用発明の「表示画面25A」は、「図柄変動画面における予告演出として、演出ボタン画像100、背景画像200、ブロック300、キャラクタ画像500を表示する」ものであるから、「複数種類の表示を表示可能な表示手段」といえる。 よって、引用発明の「図柄変動画面における予告演出として、演出ボタン画像100、背景画像200、ブロック300、キャラクタ画像500を表示する表示画面25A」は、本願発明の「複数種類の表示を表示可能な表示手段」に相当する。 (c)引用発明の「表示制御装置26」は、「図柄変動画面における予告演出として、演出ボタン画像100の表示を増加する演出と、演出ボタン画像100の表示を消去する演出を表示する」ものであるから、「複数種類の演出を実行可能な演出手段」といえる。 よって、引用発明の「図柄変動画面における予告演出として、演出ボタン画像100の表示を増加する演出と、演出ボタン画像100の表示を消去する演出を表示する表示制御装置26」は、本願発明の「複数種類の演出を実行可能な演出手段」に相当する。 (d)引用発明の「弾球遊技機」は、本願発明の「遊技台」に相当する。 (e)引用発明の「弾球遊技機」、「パチンコ遊技機」は、それぞれ、本願発明の「遊技台」、「パチンコ機」に相当する。 (f)上記(b)の検討を踏まえると、引用発明の「演出ボタン画像100」は、「表示画面25Aに表示される物の一つ」であることから、本願発明の「複数種類の表示のうちの一つ」といえ、「第一の表示」に相当するといえる。 よって、引用発明の「表示画面25Aに表示されるものの一つは、演出ボタン画像100であ」ることは、本願発明の「前記複数種類の表示のうちの一つは、第一の表示であ」ることに相当する。 (h)上記(f)より、引用発明の「演出ボタン画像100」は、本願発明の「第一の表示」に相当し、上記(a)より、引用発明の「演出ボタン6A」は、本願発明の「操作手段」に相当する。 そうすると、引用発明の「遊技者に演出ボタン6Aの操作を促す」「演出ボタン画像100」は、本願発明の「操作手段の操作促進表示」に相当するといえる。 よって、引用発明の「演出ボタン画像100は、遊技者に演出ボタン6Aの操作を促すものであ」ることは、本願発明の「前記第一の表示は、前記操作手段の操作促進表示であ」ることに相当する。 (i)引用発明は「演出ボタン画像100が表示されると、「押して!押して!」、「プッシュ!プッシュ!」等の遊技者に演出ボタン6Aを操作するように促す表示が行われ」るものであるから、「演出ボタン画像100が表示されると」、演出ボタン6Aの操作に関する受付が有効となるといえる。 そして、引用発明は「遊技者が」「演出ボタン6Aを操作するように促す表示」「に応じて」「演出ボタン6Aを操作したら、演出ボタン画像100が消去され」るのであるから、この期間は、演出ボタン6Aの操作に関する受付が有効とされているといえる。 さらに、引用発明は「遊技者が演出ボタン6Aの操作を行わずに所定時間が経過すると、演出ボタン画像100の表示は終了」するものであり、演出ボタン6Aの操作により消去される演出ボタン画像100の表示が終了することから、所定時間が経過すると、演出ボタン6Aの操作に関する受付が有効となる期間が終了するといえる。 そうすると、引用発明の「演出ボタン画像100」は、演出ボタン画像100が表示されると、演出ボタン6Aの操作に関する受付が有効となり、演出ボタン6Aの操作によって、または、所定時間の経過により、消去されるものであるから、演出ボタン6Aの操作に関する受付が有効となる期間に表示される表示であるといえる。 上記(f)より、引用発明の「演出ボタン画像100」は、本願発明の「第一の表示」に相当し、上記(a)より、引用発明の「演出ボタン6A」は、本願発明の「操作手段」に相当する。 よって、引用発明の「演出ボタン画像100が表示されると、「押して!押して!」、「プッシュ!プッシュ!」等の遊技者に演出ボタン6Aを操作するように促す表示が行われ、遊技者がそれに応じて演出ボタン6Aを操作したら、演出ボタン画像100が消去され、遊技者が演出ボタン6Aの操作を行わずに所定時間が経過すると、演出ボタン画像100の表示は終了」することは、本願発明の「前記第一の表示は、前記操作手段の操作に関する受付が有効となる期間(以下、「第一の期間」という。)に表示される表示であ」ることに相当する。 (k)上記(c)の検討を踏まえると、引用発明の「演出ボタン画像100の表示を消去する演出」は、「表示制御装置26に表示される演出の一つ」であることから、本願発明の「複数種類の演出のうちの一つ」といえ、「第一の演出」に相当するといえる。 よって、引用発明の「表示制御装置26に表示される演出の一つは、演出ボタン画像100の表示を消去する演出であ」ることは、本願発明の「前記複数種類の演出のうちの一つは、第一の演出であ」ることに相当する。 (l)上記(a)より、引用発明の「演出ボタン6A」は、本願発明の「操作手段」に相当し、上記(k)より、引用発明の「演出ボタン画像100の表示が消去され」ることは、本願発明の「第一の演出」に相当する。 そうすると、引用発明において、「表示され」た「演出ボタン画像100」を「遊技者が演出ボタン6Aを操作したら」「消去」することは、本願発明の「操作手段の操作の受付毎に実行される演出」に相当するといえる。 よって、引用発明の「演出ボタン画像100が表示され、遊技者が演出ボタン6Aを操作したら、演出ボタン画像100の表示が消去され」ることは、本願発明の「前記第一の演出は、前記操作手段の操作の受付毎に実行される演出であ」ることに相当する。 (m)上記(i)の検討を踏まえると、引用発明の「演出ボタン6Aを操作するように促す表示」は、本願発明の「第一の期間」にされるものといえる。 また、引用発明の「表示され」た「演出ボタン画像100が消去される」ことは、本願発明の「第一の演出」に相当する。 そして、引用発明は「遊技者が演出ボタン6Aを操作すると」「表示されて」いた「演出ボタン画像100が消去される」ものであるから、本願発明の「前記操作手段の操作が受け付けられると、前記第一の演出が開始され」ることに相当するといえる。 よって、引用発明の「演出ボタン画像100が表示されて、演出ボタン6Aを操作するように促す表示に応じて遊技者が演出ボタン6Aを操作すると演出ボタン画像100が消去される」ことは、本願発明の「前記第一の期間において、前記操作手段の操作が受け付けられると、前記第一の演出が開始され」ることに相当する。 (n)上記(f)より、引用発明の「演出ボタン画像100」は、本願発明の「第一の表示」に相当する。 そうすると、引用発明の「最初に表示された演出ボタン画像100の左隣、右側、下側、左下側、右下側」に「演出ボタン画像100を表示する」ことは、本願発明の「第一の表示の表示位置とは異なる位置」「に新たな第一の表示が表示される場合がある」ことに相当する。 よって、引用発明の「最初に表示された演出ボタン画像100の左隣、右側、下側、左下側、右下側の順に6つの演出ボタン画像100を表示する」ことは、本願発明の構成Nと、前記第一の表示の表示位置とは異なる位置に新たな第一の表示が表示される場合がある点で共通する。 (o)引用発明の「弾球遊技機」は、本願発明の「遊技台」に相当する。 上記(a)?(o)の対比による、本願発明と引用発明とは、 「A 遊技者が操作可能な位置に設けられた操作手段と、 B 複数種類の表示を表示可能な表示手段と、 C 複数種類の演出を実行可能な演出手段と、 D を備えた遊技台であって、 E 前記遊技台は、パチンコ機であり、 F 前記複数種類の表示のうちの一つは、第一の表示であり、 H 前記第一の表示は、前記操作手段の操作促進表示であり、 I 前記第一の表示は、前記操作手段の操作に関する受付が有効となる期間(以下、「第一の期間」という。)に表示される表示であり、 K 前記複数種類の演出のうちの一つは、第一の演出であり、 L 前記第一の演出は、前記操作手段の操作の受付毎に実行される演出であり、 M 前記第一の期間において、前記操作手段の操作が受け付けられると、前記第一の演出が開始され、 N’ 前記第一の表示の表示位置とは異なる位置に新たな第一の表示が表示される場合がある、 O 遊技台。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点1] 本願発明では、複数種類の表示のうちの一つは、第二の表示であり、第二の表示は、第一の期間の長さを示唆する表示であるのに対し、引用発明では、そのような特定がなされていない点(構成G、J)。 [相違点2] 本願発明では、第一の期間において、第一の表示の表示位置とは異なる位置であって第二の表示の一部にオーバーラップする位置に新たな第一の表示が表示される場合があるのに対し、引用発明では、そのような特定がなされていない点(構成N)。 6 判断 上記相違点について検討する。 ア 周知技術について 遊技機の技術分野において、操作手段の操作を促進するために、操作手段の操作に関する受付が有効となる期間の長さを示唆する表示をし、当該期間において、長さを示唆する表示の一部にオーバーラップする位置に新たな操作手段の操作促進表示が表示される場合があるようにすることは、本願出願前における周知技術である(以下「周知技術」という。)(必要があれば、特開2013-183871号公報(【0192】?【0194】、【0205】、図17D、図17Eに、ゲージ表示に炎の表示が追加された後、火消しを行うキャラクタがゲージ表示に重ねて表示され、遊技者に演出ボタン16を操作するように促す点が記載されている。)、特開2013-128856号公報(【0284】?【0290】、図31に、連打ゲージ画像810の手前にボタン押下促進画像804を重ねて表示することが記載されている。)等参照のこと。)。 イ 相違点1について 上記周知技術の「操作手段の操作に関する受付が有効となる期間」、「操作手段の操作に関する受付が有効となる期間の長さを示唆する表示」が、それぞれ、本願発明の「第一の期間」、「第二の表示」に相当する。 引用発明も当該周知技術も、操作手段の操作に関する受付が有効となる期間を有するものであり、引用発明においても、操作手段の操作に関する受付が有効となる期間に「「押して!押して!」、「プッシュ!プッシュ!」等の遊技者に演出ボタン6Aを操作するように促す表示」が行われることから、表示によって操作手段の操作を促進するものであり、当該周知技術と同様の効果を奏するものである。 よって、引用発明に当該周知技術を適用し、表示手段に、第一の期間の長さを示唆する表示である第二の表示を表示して、本願発明の上記相違点1に係る構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 ウ 相違点2について 上記「4(1)引用文献の記載事項(ク)」より、引用文献の【0091】には、「また、前記した実施の形態では、複数の演出ボタン画像(操作手段画像)100が出現する第2のパターンの演出の場合に、当該複数の演出ボタン画像100が全て出現し終わってから、演出ボタン(操作手段)6Aの操作が可能となっていたが、本発明はこれに限らず、複数の演出ボタン画像100が出現している途中で、演出ボタン6Aの操作を行って、順次、特定演出画像を表示するようになっていても良い。」と記載されているから、引用文献には、複数の演出ボタン画像100が出現している途中で、演出ボタン6Aの操作に関する受付が有効とされていることが記載されているといえる(以下「引用文献の記載事項」という。)。 当該引用文献の記載事項は、引用発明の変形例として記載されていることから、引用発明の構成nの「最初に表示された演出ボタン画像100の左隣、右側、下側、左下側、右下側の順に6つの演出ボタン画像100を表示する」ことに、引用文献の記載事項を適用することにより、「6つの演出ボタン画像100を表示する」途中で、演出ボタン6Aの操作に関する受付を有効とし、第一の期間において、第一の表示の表示位置とは異なる位置に新たな第一の表示が追加して表示される場合があるようにすることは、当業者が容易になし得たことである。 また、上記周知技術の「操作手段の操作に関する受付が有効となる期間」、「操作手段の操作に関する受付が有効となる期間の長さを示唆する表示」が、それぞれ、本願発明の「第一の期間」、「第二の表示」に相当する。 そして、引用発明に、上記引用文献の記載事項を適用するに際して、当該周知技術を考慮すれば、第一の表示の表示位置とは異なる位置に新たな第一の表示が表示される場合に、表示されている第二の表示の一部にオーバーラップする位置となる場合があるようにすることは、当業者が適宜なし得た事項にすぎない。 よって、引用発明に引用文献の記載事項、及び、当該周知技術を適用することにより、本願発明の上記相違点2に係る構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 エ 審判請求人の主張について 審判請求人は、平成30年4月5日付け意見書の「3.拒絶の理由(特許法第29条第2項)について:」において、「請求項1に係る発明によれば、第二の表示の一部に新たな第一の表示をオーバーラップさせて第二の表示の視認性を低下させ、残りの有効時間を分かりづらくさせるので、遊技者に焦りを感じさせて操作手段を早期に操作させることを促すことができるという有利な効果を奏することができます。」と述べている。 しかしながら、上記アで検討したように、第二の表示の一部に新たな第一の表示をオーバーラップさせることは、周知技術であるから、上記審判請求人が主張する効果は、引用発明に周知技術を適用することから予測し得る範囲のものであり格別なものとはいえない。 よって、審判請求人の主張は採用できない。 7 むすび 以上のとおりであるから、本願発明は、引用発明、引用文献の記載事項及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、他の請求項について検討するまでもなく、本願は、拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2018-07-18 |
結審通知日 | 2018-07-24 |
審決日 | 2018-08-06 |
出願番号 | 特願2014-22882(P2014-22882) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WZ
(A63F)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 福田 知喜、小林 英司 |
特許庁審判長 |
長崎 洋一 |
特許庁審判官 |
蔵野 いづみ ▲高▼橋 祐介 |
発明の名称 | 遊技台 |
代理人 | 森岡 正樹 |