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審決分類 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正しない F24H
審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正しない F24H
管理番号 1344786
審判番号 訂正2018-390080  
総通号数 227 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-11-30 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2018-05-17 
確定日 2018-10-01 
事件の表示 特許第3863345号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

本件審判の請求に係る特許第3863345号(以下、「本件特許」という。)は、平成12年5月29日に出願され、平成18年10月6日に特許権の設定登録がなされ、その後、平成30年5月17日に本件訂正審判が請求され、当審において、平成30年6月8日付けで訂正拒絶理由を通知したところ、請求人により、平成30年7月11日付けで意見書が提出されたものである。

第2 請求の趣旨及び訂正の内容

本件訂正審判の請求の趣旨は、本件特許の特許請求の範囲を、審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものであり、その訂正の内容は、以下のとおりである。

本件特許請求の範囲の請求項1に
「運転状況及びタイマー消火までの時間や燃料量を発光色を変えて表示する一つの表示器」
とあるのを、
「運転状況及び燃料量を発光色を変えて表示する一つの表示器」
に訂正する(以下、「本件訂正」という。)。

第3 訂正拒絶理由の概要

平成30年6月8日付けで、当審が通知した訂正拒絶理由の概要は、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書各号に掲げるいずれの事項を目的とするものにも該当せず、かつ同条第6項の規定にも適合しないというものである。

第4 当審の判断

1.本件訂正の目的の適否について
請求人は、甲第1号証?甲第3号証(以下、それぞれ「甲1」?「甲3」と略記する。)を提出し、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書1号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものである旨を主張するので、以下、検討する。

<甲号証一覧>
甲1:新村出、広辞苑 第七版、株式会社岩波書店、2018年1月12日、2935頁・奥付
甲2:森田良行、助詞・助動詞の辞典、株式会社東京堂出版、2007年9月25日、283頁・奥付
甲3:吉井健、体言の並立について(大阪市立大学国語国文学研究室文学史研究会編)「文学史研究 第三十号」、1989年12月、47?56頁

本件訂正前の請求項1には、「タイマー消火までの時間や燃料量」を発光色を変えて表示することが記載されていた。ここで「や」とは、いくつかの事物を列挙する並立助詞であって、列挙された事物は例示であり、他の事物も含み得る(甲1、甲2)。そうすると、上記請求項1の記載は、文言上、「タイマー消火までの時間」、「燃料量」を表示し、その他種々の情報も表示し得るとの意に解される。
それに対し、本件訂正後は、表示する対象から、「タイマー消火までの時間」が削除されたので、本件訂正後の表示器は「タイマー消火までの時間」を表示しないものも含まれることとなる。
よって、本件訂正は、特許請求の範囲の減縮には該当しない。また、本件訂正は、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明のいずれにも該当しない。

2.本件訂正が、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものであるか否かについて

上記1.で述べたとおり、本件訂正により、表示する対象から「タイマー消火までの時間」が削除されたので、本件訂正後の表示器は「タイマー消火までの時間」を表示しないものも含まれることとなる。

したがって、本件訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものである。

3.請求人の主張に対して

請求人は、平成30年7月11日付け意見書第3?5頁において、「(2)審判請求人が審判請求書で示したように、また、訂正拒絶理由通知書の前段部でも認定されているように、並立助詞「や」は、いくつかの事物を例示的に列挙し、明示的に列挙された事物以外の事物も含意するが(甲1、甲2)、明示的に列挙された事物を全て含むことを意味するものではない。・・・(中略)・・・すなわち、並立助詞「と」は、並立要素に一体性を付与するため、並立要素として明示的に列挙された事物の全てを含まねばならないとの解釈につながるが、並立助詞「や」は、並立要素に一体性を付与せず独立性・離散性・個別性を付与するため、並立要素として明示的に列挙された事物の全てを含まなくてもよく、列挙された事物と列挙された事物から想起される他の事物のうち一つの事物があればよいとの解釈につながる。」と主張している。

しかしながら、甲3において示されるように、並立助詞「や」により複数の要素を並立させる場合は一体性が弱くなるとしても、「タイマー消火までの時間や燃料量を表示する」との記載を、「燃料量を表示するが、タイマー消火までの時間を表示しない」という意味を含むと解することはできない。
このことは、
「この通りは、トラックやバスの音がうるさい。」(甲3の第51頁)
という文章の意味するところに、
「この通りは、トラックの音がうるさいが、バスの音はうるさくない。」
という文意は何ら含まれないことに照らせば明らかである。
同様に、
「保険に入れば夫が病気や交通事故で死んでもすぐには困りません。」(甲3の第52頁)
という文章についても、
「保険に入れば夫が病気で死んでもすぐには困りませんが、交通事故で死んだ場合はすぐに困る。」
という意味は何ら含まれない。
よって、並立助詞「や」は、並立要素として明示的に列挙された事物の全てを含まなくてもよいという請求人の主張は採用できない。

第5 むすび

以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書各号に掲げるいずれの事項を目的とするものにも該当せず、かつ同条第6項の規定にも適合しない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2018-08-01 
結審通知日 2018-08-03 
審決日 2018-08-20 
出願番号 特願2000-157915(P2000-157915)
審決分類 P 1 41・ 851- Z (F24H)
P 1 41・ 854- Z (F24H)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 平城 俊雅清水 康  
特許庁審判長 紀本 孝
特許庁審判官 槙原 進
宮崎 賢司
登録日 2006-10-06 
登録番号 特許第3863345号(P3863345)
発明の名称 温風暖房機  
代理人 清水 善廣  
代理人 西村 公芳  
代理人 松田 純一  
代理人 小松 悠有子  
代理人 野田 薫央  
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