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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  C12M
管理番号 1345849
異議申立番号 異議2018-700073  
総通号数 228 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-12-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-01-26 
確定日 2018-09-25 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6169847号発明「バイオリアクター内の培養パラメーターの制御方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6169847号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項[1?4]、[5?11]について訂正することを認める。 特許第6169847号の請求項1?11に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6169847号に係る特許についての出願は、平成22年12月20日(パリ条約による優先権主張 2009年12月22日 スウェーデン)を国際出願日とする出願であって、平成29年7月7日に設定登録がなされた。その特許について、平成30年1月26日に特許異議申立人前山恭子により特許異議の申し立てがされ、平成30年3月23日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成30年6月20日に意見書の提出及び訂正の請求があり、その訂正の請求に対して特許異議申立人前山恭子から平成30年8月10日に意見書が提出されたものである。

第2 訂正請求について
1 訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は次のとおりである。
(1)訂正事項1(請求項1に係る訂正)
請求項1に「培養パラメーターが温度及び/又はpH及び/又はDOであり」とあるのを、「培養パラメーターが温度及び/又はpHであり」と訂正する。

(2)訂正事項2(請求項3に係る訂正)
「【請求項3】 培養液を含むバイオリアクターバッグ(1)がバイオリアクターシステムに入れられると自動的に秤量することと、培養液を含むバイオリアクターの重量を、1以上の培養パラメーターを制御するためのバイオリアクター情報として使用することとを更に含む、請求項1又は請求項2記載の方法。」
を、
「【請求項3】 バイオリアクターシステム内に設けられる揺動式バイオリアクターバッグ(1;31a、31b)内の1以上の培養パラメーターを制御する方法であって、当該方法が、
バイオリアクターシステムを制御するバイオリアクター情報を制御装置(5;35)に提供する段階と、
バイオリアクター情報に応じて1以上の培養パラメーターを制御する段階と
を含んでおり、
バイオリアクター情報が、バイオリアクターバッグの重量に関する情報であり、
培養パラメーターが温度及び/又はpH及び/又はDOであり、
当該方法が、さらに、制御装置(5;35)を用いて、バイオリアクター情報に応じて多数の様々なPIDパラメーターの組の中から特定の1つの組を選択することを更に含んでおり、
当該方法が、培養液を含むバイオリアクターバッグ(1)がバイオリアクターシステムに入れられると自動的に秤量することと、培養液を含むバイオリアクターの重量を、1以上の培養パラメーターを制御するためのバイオリアクター情報として使用することとを更に含む、方法。」
と訂正する。

(3)訂正事項3(請求項5に係る訂正)
請求項5に「制御装置(5;35)が、バイオリアクター情報に応じて、1以上のバイオリアクターバッグ内の温度、pH、及びDOの1以上を制御するように構成され」とあるのを、「制御装置(5;35)が、バイオリアクター情報に応じて、1以上のバイオリアクターバッグ内の温度及びpHの1以上を制御するように構成され」と訂正する。

(4)訂正事項4(請求項7に係る訂正)
「【請求項7】 1以上のバイオリアクターバッグ(1;31a、31b)を加熱若しくは冷却するのに適した1以上の加熱手段及び/又は冷却手段(19;49a、49b)を更に備え、加熱及び/又は冷却手段(19;49a、49b)が、バイオリアクター情報に応じて制御装置(5;35)によって制御される、請求項5又は請求項6記載のバイオリアクターシステム。」
を、
「【請求項7】 培養液を含む1以上の揺動式バイオリアクターバッグ(1;31a、31b)を備えるバイオリアクターシステムであって、バイオリアクターシステムが、バイオリアクターシステムを制御する制御装置(5;35)を更に備えてなり、制御装置(5;35)がバイオリアクター情報を受信するのに適した受信手段(7;37)を備え、制御装置(5;35)が、バイオリアクター情報に応じて1以上のバイオリアクターバッグ(1;31a、31b)の1以上の培養パラメーターを制御するように構成され、
バイオリアクター情報が、バイオリアクターバッグのサイズ及びバイオリアクターバッグの重量の少なくとも1つに関する情報であり、
制御装置(5;35)が、バイオリアクター情報に応じて、1以上のバイオリアクターバッグ内の温度、pH、及びDOの1以上を制御するように構成され、かつ
制御装置(5;35)が、バイオリアクター情報に応じて多数の様々なPIDパラメーターの組の中から特定の1つの組を選択するように構成されており、
1以上のバイオリアクターバッグ(1;31a、31b)を加熱若しくは冷却するのに適した1以上の加熱手段及び/又は冷却手段(19;49a、49b)を更に備え、加熱及び/又は冷却手段(19;49a、49b)が、バイオリアクター情報に応じて制御装置(5;35)によって制御される、バイオリアクターシステム。」
と訂正する。

2 訂正の適否
(1)一群の請求項について
訂正前の請求項2及び4は、請求項1を引用するものであって、訂正事項1により訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。このうち請求項4は、請求項3も引用しているものであって、訂正事項2により訂正される請求項3に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項1?4に対応する訂正後の請求項1?4は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。
また、訂正前の請求項6、8?11は、訂正事項3により訂正される請求項5に連動して訂正されるものである。このうち請求項8?11は、請求項7も引用しているものであって、訂正事項4により訂正される請求項7に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項5?11に対応する訂正後の請求項5?11は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。

(2)訂正事項1について
訂正事項1は、バイオリアクター情報に応じて制御される「培養パラメーター」の選択肢である「DO」を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とし、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(3)訂正事項2について
訂正事項2は、訂正前の請求項3が請求項1又は2を引用するものであるところ、引用関係を解消し、訂正前の請求項1を引用していたものについては「バイオリアクター情報」の選択肢である「バイオリアクターバッグのサイズ」を削除し、訂正前の請求項2を引用していたものについては削除した上で、独立形式請求項へ改めるための訂正であって、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」及び同第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とし、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(4)訂正事項3について
訂正事項3は、バイオリアクター情報に応じて制御される「培養パラメーター」の選択肢である「DO」を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とし、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(5)訂正事項4について
訂正事項4は、訂正前の請求項7が請求項5又は6を引用するものであるところ、請求項6を引用しないものとした上で、請求項5を引用するものについて請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改めるための訂正であって、特許法第120条の5第2項ただし書き第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とし、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(6)小括
以上のとおり、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第4項から第6項までの規定に適合するから、訂正後の請求項[1?4]、[5?11]について訂正を認める。

第3 本件訂正発明
本件特許の請求項1?11に係る発明は、本件訂正特許請求の範囲の請求項1?11に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
【請求項1】
バイオリアクターシステム内に設けられる揺動式バイオリアクターバッグ(1;31a、31b)内の1以上の培養パラメーターを制御する方法であって、当該方法が、
バイオリアクターシステムを制御するバイオリアクター情報を制御装置(5;35)に提供する段階と、
バイオリアクター情報に応じて1以上の培養パラメーターを制御する段階と
を含んでおり、
バイオリアクター情報が、バイオリアクターバッグのサイズ及びバイオリアクターバッグの重量の少なくとも1つに関する情報であり、
培養パラメーターが温度及び/又はpHであり、
当該方法が、さらに、制御装置(5;35)を用いて、バイオリアクター情報に応じて多数の様々なPIDパラメーターの組の中から特定の1つの組を選択することを更に含んでいる、方法。
【請求項2】
バイオリアクター情報が、制御装置(5;35)に手動入力されるか、又はバイオリアクターバッグ上のバーコード若しくはRFIDタグから読み取られる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
バイオリアクターシステム内に設けられる揺動式バイオリアクターバッグ(1;31a、31b)内の1以上の培養パラメーターを制御する方法であって、当該方法が、
バイオリアクターシステムを制御するバイオリアクター情報を制御装置(5;35)に提供する段階と、
バイオリアクター情報に応じて1以上の培養パラメーターを制御する段階と
を含んでおり、
バイオリアクター情報が、バイオリアクターバッグの重量に関する情報であり、
培養パラメーターが温度及び/又はpH及び/又はDOであり、
当該方法が、さらに、制御装置(5;35)を用いて、バイオリアクター情報に応じて多数の様々なPIDパラメーターの組の中から特定の1つの組を選択することを更に含んでおり、
当該方法が、培養液を含むバイオリアクターバッグ(1)がバイオリアクターシステムに入れられると自動的に秤量することと、培養液を含むバイオリアクターの重量を、1以上の培養パラメーターを制御するためのバイオリアクター情報として使用することとを更に含む、方法。
【請求項4】
1以上の培養パラメーターを制御することが、バイオリアクター情報に応じた、バイオリアクターに対する加熱及び/又は冷却及び/又は酸素の添加及び/又は二酸化炭素の添加及び/又は窒素の添加及び/又は酸の添加及び/又は塩基の添加及び/又はガス流の変更を含む、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
培養液を含む1以上の揺動式バイオリアクターバッグ(1;31a、31b)を備えるバイオリアクターシステムであって、バイオリアクターシステムが、バイオリアクターシステムを制御する制御装置(5;35)を更に備えてなり、制御装置(5;35)がバイオリアクター情報を受信するのに適した受信手段(7;37)を備え、制御装置(5;35)が、バイオリアクター情報に応じて1以上のバイオリアクターバッグ(1;31a、31b)の1以上の培養パラメーターを制御するように構成され、
バイオリアクター情報が、バイオリアクターバッグのサイズ及びバイオリアクターバッグの重量の少なくとも1つに関する情報であり、
制御装置(5;35)が、バイオリアクター情報に応じて、1以上のバイオリアクターバッグ内の温度及びpHの1以上を制御するように構成され、かつ
制御装置(5;35)が、バイオリアクター情報に応じて多数の様々なPIDパラメーターの組の中から特定の1つの組を選択するように構成されている、バイオリアクターシステム。
【請求項6】
バイオリアクターバッグ内部に設けられ、制御装置(5; 35)と接続した1以上のセンサー(11a、11b、41a、41b)を更に備え、センサーが、制御すべき培養パラメーター、及び/又はバイオマス、細胞増殖相、若しくは代謝産物などの1以上の細胞培養状態を測定するように構成されている、請求項5記載のバイオリアクターシステム。
【請求項7】
培養液を含む1以上の揺動式バイオリアクターバッグ(1;31a、31b)を備えるバイオリアクターシステムであって、バイオリアクターシステムが、バイオリアクターシステムを制御する制御装置(5;35)を更に備えてなり、制御装置(5;35)がバイオリアクター情報を受信するのに適した受信手段(7;37)を備え、制御装置(5;35)が、バイオリアクター情報に応じて1以上のバイオリアクターバッグ(1;31a、31b)の1以上の培養パラメーターを制御するように構成され、
バイオリアクター情報が、バイオリアクターバッグのサイズ及びバイオリアクターバッグの重量の少なくとも1つに関する情報であり、
制御装置(5;35)が、バイオリアクター情報に応じて、1以上のバイオリアクターバッグ内の温度、pH、及びDOの1以上を制御するように構成され、かつ
制御装置(5;35)が、バイオリアクター情報に応じて多数の様々なPIDパラメーターの組の中から特定の1つの組を選択するように構成されており、
1以上のバイオリアクターバッグ(1;31a、31b)を加熱若しくは冷却するのに適した1以上の加熱手段及び/又は冷却手段(19;49a、49b)を更に備え、加熱及び/又は冷却手段(19;49a、49b)が、バイオリアクター情報に応じて制御装置(5;35)によって制御される、バイオリアクターシステム。
【請求項8】
酸素及び/又は二酸化炭素及び/又は窒素及び/又は酸及び/又は塩基を1以上のバイオリアクターに添加するのに適した1以上の添加手段(21;51a、51b)を更に備え、添加手段(21;51a、51b)が、バイオリアクター情報に応じて制御装置(5;35)によって制御される、請求項5乃至請求項7のいずれか1項記載のバイオリアクターシステム。
【請求項9】
受信手段(7;37)が、制御装置(5;35)への手動入力によって、又はバイオリアクターバッグ上のバーコード若しくはRFIDタグからの読取りによって、バイオリアクター情報を受信するように構成されている、請求項5乃至請求項8のいずれか1項記載のバイオリアクターシステム。
【請求項10】
バイオリアクターバッグの支持体(3)上に設けられ、培養液を含む1以上のバイオリアクターバッグを秤量するのに適した1以上のロードセル(13)を更に備え、受信手段(7)がロードセル(13)に更に接続され、制御装置(5)が、1以上のバイオリアクターバッグの重量に応じて1以上のバイオリアクターバッグ(1)の1以上の培養パラメーターを制御するように構成されている、請求項5乃至請求項9のいずれか1項記載のバイオリアクターシステム。
【請求項11】
1つの支持体(33)上に2つのバイオリアクターバッグ(31a、31b)を備え、制御装置(35)が、バイオリアクターバッグそれぞれのバイオリアクター情報に応じてバイオリアクターバッグ(31a、31b)の各々を独立して制御するように構成されている、請求項5乃至請求項10のいずれか1項記載のバイオリアクターシステム。
(以下、それぞれ「本件訂正発明1」、「本件訂正発明2」等という。)

第4 特許異議申立理由の概要
特許異議申立人は、次の異議申立理由1及び2を主張し、証拠方法として甲第1?7号証を提出している。

1 異議申立理由1(甲第1号証を主引用例とする進歩性欠如)
訂正前の請求項1?11に係る発明は、甲第1号証に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、請求項1?11に係る特許は取り消されるべきものである。

2 異議申立理由2(甲第6号証を主引用例とする進歩性欠如)
訂正前の請求項1?11に係る発明は、甲第6号証に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、請求項1?11に係る特許は取り消されるべきものである。

3 証拠方法
甲第1号証:米国特許出願公開第2005/0112542号明細書
甲第2号証:BioProcessing Journal, vol.3(4), pp.1-5 (2004)
甲第3号証:国際公開第2002/10370号
甲第4号証:特開2004-24179号公報
甲第5号証:特開平11-119841号公報
甲第6号証:Wave Bioreactor System 酵母プロトコール System2/10, System20/50、2008年、GEヘルスケアバイオサイエンス株式会社
甲第7号証:WAVE DISPOSABLE TECHNOLOGY、2006年、GE Healthcare Bioscience Bioprocess Corp.

第5 当審の判断
1 取消理由通知に記載した取消理由(特許異議申立理由2)について
(1)甲第6号証の記載事項
本件特許の優先日よりも前に頒布された刊行物である甲第6号証には、以下の事項が記載されている。
ア 「適用 WAVE Bioreactor System 2/10および20/50は哺乳類あるいは昆虫細胞の培養を目的としたものですが、WAVE Bioreactorの特性から、酵母細胞の培養も可能です。・・・WAVE Bioreactorの特徴から、容量をバイオリアクター中で10倍に増やすことができるので、播種および移し替えを減らすことができます。例えば、Cellbag20Lで約1Lの培養を開始し、細胞の増殖に合わせ新しい培地を加え、Cellbag内で最終バッチ量10Lにすることができます。」(第1頁本文第1?6行)
イ 「オペレーション 細胞が増殖し続けている間は、光学装置により細胞密度をまたDOPROBE20とDO20アンプまたはオフラインの血液ガス分析装置で溶存酸素濃度をモニターします。培養液の酸素要求に応じて揺動速度rpmと角度を調節します。・・・高細胞密度および生産収率を得るには、フェッドバッチ方式が非常に有効です。・・・フィード工程中は少しずつ角度、速度および上部に通気する酸素の濃度を上げて培養液の酸素要求に応じて処理します。フィード中に溶存酸素が20%以下に下がる場合、酸素濃度が上昇するまでフィード速度を遅くするか、または中断します。そのとき、速度、角度、または上部通気内酸素量を調節して、培養液の溶存酸素を増やします。」(第1頁本文第16?26行)
ウ 「培養パラメータ
揺動速度: 揺動速度は培養容量、細胞密度、Cellbagの大きさにより決まります。Cellbag2L、10Lおよび20Lでは、最初は20?25rpmに設定します。Cellbagの最大培養量の10?20%となるごく少量の場合、開始速度は20rpmで十分です。培養液に培地を加える際に、速度を25?30rpmに上げます。Cellbagの最大培養量または細胞密度が高い場合には、速度を30rpm程度に上げる必要がある場合があります。Cellbag50Lに対しては最初を18?23rpmに設定します。最大培養量の10?20%時には、速度は18rpmに設定します。最大容量時には、28rpmを使用します。これらはあくまで一般的な目安です。酸素濃度をモニターし、必要に応じてrpmを調節します。」(第2頁第1?9行)
エ 「揺動角度: Cellbag2L、10Lおよび20Lでは、最初の揺動角度は7°で十分です。Cellbag50Lに対しては、初期角度を6°に設定します。・・・培養液の酸素濃度をモニターし、必要に応じ揺動角度を調節することが重要となります。」(第2頁第10?15行)
オ 「通気量: ・・・運転中はCellbag2Lでは通気量を0.1lpmに、Cellbag10Lおよび20Lでは0.2?0.3lpmに、Cellbag50Lでは0.3?0.4lpmに設定します。」(第2頁第16?19行)
カ 「温度: 酵母細胞に対する一般的な培養温度は30℃です。」(第2頁第24?25行)
キ 「pH制御: 酵母細胞のpHは3から5の間で安定する傾向があります。対象タンパク質の特性および活性によりますが、pHの上昇が必要となる場合があります。これは水酸化ナトリウムまたは水酸化アンモニウムを添加することで調整します。培養液へのアルカリの添加制御に、GEヘルスケアのpHプローブおよびpH20コントローラーを利用することができます。」(第2頁第26?30行)
ク 「スケールアップ: Cellbag20L中Pichia培養の一般的なスケールアップを以下に示します。これはあくまで一般的な目安であることに留意してください。細胞系が異なると、その手法も異なります。
1.酵母培養培地1LをCellbag20Lに充填します。播種量は開始容量の10ないし20%とします。揺動速度を15rpm、揺動角度を7°に設定します。装置の運転温度を保持しておきます。
2.培養12?24時間後、新しい培地4Lを加えて容量を計5Lにします。揺動速度を25rpmに角度を8°に上げます。光学装置により細胞数をモニターします。DO20またはオフラインの分析装置を用いて、溶存酸素を測定します。
3.溶存酸素が急上昇するまで12時間、細胞培養を続けます。溶存酸素の上昇は代謝活性の低下を意味します。毎分2.5mlでフィードを開始します。この時点で、培養液内の酸素濃度を注意してモニターします。速度を28rpmに上げます。必要であれば、上部通気中酸素濃度を30%に増やします。気泡が過剰に見られる場合には、角度を下げます。
4.最大容量に達するまでさらに40時間培養を続けます。
異なるサイズのCellbagを使用する場合には上記パラメータを調節します。」(第3頁第1?14行)

(2)判断
ア 甲第6号証に記載された制御について
本件訂正発明1?4に係る「培養パラメーターを制御する方法」は、「バイオリアクター情報に応じて1以上の培養パラメーターを制御する段階」を含み、本件訂正発明5?11に係る「バイオリアクターシステム」は、「制御装置が、バイオリアクター情報に応じて1以上のバイオリアクターバッグの1以上の培養パラメーターを制御するように構成され」ることを含むものであり、いずれも培養パラメーターの制御を発明特定事項とするものである。
そこで、甲第6号証に記載された培養パラメーターの制御についてまとめると、次のとおりである。
(ア)培養液の酸素要求(モニターされた細胞密度や溶存酸素濃度)に応じて、揺動速度、揺動角度、上部通気内酸素量を制御する。(上記(1)イ、ウ、エ、ク)
(イ)Cellbagの大きさに応じて、揺動速度を制御する。(上記(1)ウ、ク)
(ウ)Cellbagの最大培養量に占める培養液割合に応じて、揺動速度を制御する。(上記(1)ウ)
(エ)Cellbagの大きさに応じて、揺動角度を制御する。(上記(1)エ、ク)
(オ)Cellbagの大きさに応じて、通気量を制御する。(上記(1)オ)
(カ)モニターされたpHに応じて、pHを制御する。(上記(1)キ)

イ 本件訂正発明1、2、4?6、8?11について
本件訂正発明1においては、「バイオリアクター情報が、バイオリアクターバッグのサイズ及びバイオリアクターバッグの重量の少なくとも1つに関する情報であり、培養パラメーターが温度及び/又はpHであり」と特定されており、「バイオリアクターバッグのサイズ」又は「バイオリアクターバッグの重量」に応じて、「温度」及び/又は「pH」を培養パラメーターとして制御することが特定されていると認められる。
これに対して、甲第6号証の「Cellbagの大きさ」は本件訂正発明1の「バイオリアクターバッグのサイズ」に相当し、「揺動速度」、「揺動角度」、「上部通気内酸素量」及び「通気量」を制御することはいずれも培養液中のDOを制御する結果になることは、甲第6号証上記ウ及びエにおいて酸素濃度について触れていることや技術常識から明らかである。
そうすると、まず、甲第6号証には、「バイオリアクターバッグの重量」に応じて何らかの培養パラメーターを制御することについては記載されていない。フェッドバッチ方式を推奨し、その工程中に酸素要求に応じてDOを制御することは記載されているものの(上記(1)イ)、これはあくまで酸素要求に応じた制御であって、フェッドバッチにより増加する重量に応じた制御とは解されない。その他にも、甲第6号証において、「バイオリアクターバッグの重量」に応じて制御を行うことを示唆する記載はない。
また、甲第6号証には、「バイオリアクターバッグのサイズ」に応じて制御する培養パラメーターとしてDOは記載されているが、「温度」や「pH」については記載も示唆もされていない。
そして、その他の甲号証の記載を検討しても、甲第6号証に記載された発明において、「バイオリアクターバッグの重量」や「サイズ」に応じて「温度」や「pH」を制御することが当業者にとって容易想到であるとすべき根拠を見出すことはできない。
したがって、本件訂正発明1は、甲第6号証記載の発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいうことができない。本件訂正発明1を引用する本件訂正発明2、4についても同様であるし、本件訂正発明1と同様の制御をするように構成された本件訂正発明5、6、8?11についても同様である。

ウ 本件訂正発明3、4について
本件訂正発明3においては、「バイオリアクター情報が、バイオリアクターバッグの重量に関する情報であり、培養パラメーターが温度及び/又はpH及び/又はDOであり」と特定されている。
甲第6号証には、「バイオリアクターバッグの重量」に応じて制御を行うことは記載も示唆もされておらず、その他の甲号証の記載を検討しても、甲第6号証記載の発明において「バイオリアクターの重量」に応じて制御を行うことが当業者にとって容易想到であるとすべき根拠を見出すことができないことは、上記イで判断したとおりである。
したがって、本件訂正発明3は、甲第6号証記載の発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいうことができない。本件訂正発明3を引用する本件訂正発明4についても同様である。

エ 本件訂正発明7?11について
本件訂正発明7においては、「バイオリアクター情報が、バイオリアクターバッグのサイズ及びバイオリアクターバッグの重量の少なくとも1つに関する情報であり、制御装置が、バイオリアクター情報に応じて、1以上のバイオリアクターバッグ内の温度、pH、及びDOの1以上を制御するように構成され」と特定されており、このうち、「バイオリアクターバッグのサイズ」に応じてバイオリアクターバッグ内のDOを制御することについては甲第6号証に記載されている(上記(1)ウ、エ、オ、ク、上記(2)ア、イ)。しかしながら、甲第6号証には、本件訂正発明7の「1以上のバイオリアクターバッグを加熱若しくは冷却するのに適した1以上の加熱手段及び/又は冷却手段を更に備え、加熱及び/又は冷却手段が、バイオリアクター情報に応じて制御装置によって制御される」という構成、すなわち、「バイオリアクターバッグのサイズ」又は「バイオリアクターバッグの重量」に応じて「温度」を制御することについては記載も示唆もない。そして、その他の甲号証の記載を検討しても、甲第6号証に記載された発明に「加熱及び/又は冷却手段」を設け、その制御を「バイオリアクターバッグのサイズ」や「重量」に応じて行うことが当業者にとって容易想到であるとすべき根拠を見出すことはできない。
したがって、本件訂正発明7は、甲第6号証記載の発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいうことができない。本件訂正発明7を引用する本件訂正発明8?11についても同様である。

(3)小括
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由によって、本件訂正発明1?11に係る特許を取り消すことはできない。

2 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由(特許異議申立理由1)について
(1)甲第1号証の記載事項
本件特許の優先日よりも前に頒布された刊行物である甲第1号証には、以下の事項が記載されている。なお、英語で記載されているので、異議申立人が提出した抄訳で示す。
ア 「本発明は、容器またはチャンバー内のプロセス条件を管理するためのシステムおよび方法に関するものであり、細胞培養および微生物発酵のためのバイオリアクターの制御、半導体製造の制御および液体クロマトグラフィーの制御を含んでいる。」(段落[0007])
イ 「バイオリアクター105,110は、一般的には1つの適切なコンテナまたはベセル(容器)とユーティリティタワー115への接続部170、175を有するヘッドプレートを含んでいる。・・・バイオリアクター105、110は、バイオリアクター内の条件(例えば、温度、pH、DOおよびレベル/泡)を指定された時間または連続して測定するセンサーによってモニターすることができ、コネクター170、175を使用してセンサ情報を通信する。」(段落[0024])
ウ 「バイオリアクター220、220’は、ガラス容器またはスチール容器であってもよく、例えば、1リットルの溶液または20リットル以上の溶液を収容できる様々なサイズであってもよい。」(段落[0034])
エ 「図2に示すように、制御システムは、ユーティリティタワー115と、2つのバイオリアクター220、220’内の状態を管理する(例えば、監視し、制御し、文書化する)コントローラ120とを含む。コントローラ120は、どのような制御動作が必要であるか(例えば、以下でより詳細に説明するような、ユーティリティタワー115がバイオリアクター220、220’に提供すべきサービス)を決定する機能を含む。コントローラ120は、プログラムされたバイオリアクタープロセス及び/又はユーティリティタワー115から受信する情報に基づいて、バイオタワー220、220’への流体、ガスまたは撹拌を提供するためにユーティリティタワー115を制御する制御動作に対応する制御信号を決定することができる。コントローラ120が2つ以上のバイオリアクタを管理する場合、コントローラは、管理するバイオリアクタごとに制御動作および対応する制御信号のセットを決定することができる。」(段落[0035])
オ 「一例では、制御システムは、インターフェース接続150(図1)でUSBポートによってユーティリティタワーに結合された入力デバイス、例えばバーコードスキャナを含む。」(段落[0057])
カ 「別の構成例では、ユーティリティタワー115を重量計255に結合することができ、コントローラ120は、ポンプ制御システム240または別の物質送達システムによって提供される流体の量を制御するために、重量計255からのフィードバックを使用するように構成される。重量計255は、バイオリアクター220またはバイオリアクター220に供給される物質、例えば試薬を計量するように配置することができる。あるいは、重量計255は、例えば、プロフィバス接続135を介してコントローラ120と直接通信することを可能にするプロフィバス方式の出力接続を介してデータを提供するように構成することができる。・・・重量計255からのフィードバックに基づいて、コントローラ120は、ユーティリティタワー115に制御信号を送信して、ポンプ制御システム240を使用して所望の量の流体または媒体を供給または除去することができる。」(段落[0058])

(2)判断
本件訂正発明1?11は、いずれも、揺動式バイオリアクターバッグを含むバイオリアクターシステムに関する発明であって、バイオリアクターバッグのサイズ、重量といったバイオリアクター情報に応じて、温度、pH、DOといった培養パラメーターを制御することを発明特定事項として含むものである。
それに対して、上記(1)のとおり、甲第1号証に記載されたバイオリアクターは、揺動式の培養容器を含むものではないし(上記(1)ア?ウ)、培養パラメーターの制御に関しては、バイオリアクターの重量に応じて試薬等の流体や媒体の供給を制御することが記載されるにとどまっており(上記(1)カ)、その他の甲号証の記載を考慮しても、甲第1号証から本件訂正発明1?11の構成を導き出すことはできない。
したがって、本件訂正発明1?11は、甲第1号証記載の発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいうことができない。

(3)小括
以上のとおりであるから、取消理由通知で採用しなかった特許異議申立理由により、本件訂正発明1?11に係る特許を取り消すことはできない。

第6 むすび
以上により、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立理由によっては、本件訂正発明1?11に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件訂正発明1?11に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオリアクターシステム内に設けられる揺動式バイオリアクターバッグ(1;31a、31b)内の1以上の培養パラメーターを制御する方法であって、当該方法が、
バイオリアクターシステムを制御するバイオリアクター情報を制御装置(5;35)に提供する段階と、
バイオリアクター情報に応じて1以上の培養パラメーターを制御する段階と
を含んでおり、
バイオリアクター情報が、バイオリアクターバッグのサイズ及びバイオリアクターバッグの重量の少なくとも1つに関する情報であり、
培養パラメーターが温度及び/又はpHであり、
当該方法が、さらに、制御装置(5;35)を用いて、バイオリアクター情報に応じて多数の様々なPIDパラメーターの組の中から特定の1つの組を選択することを更に含んでいる、方法。
【請求項2】
バイオリアクター情報が、制御装置(5;35)に手動入力されるか、又はバイオリアクターバッグ上のバーコード若しくはRFIDタグから読み取られる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
バイオリアクターシステム内に設けられる揺動式バイオリアクターバッグ(1;31a、31b)内の1以上の培養パラメーターを制御する方法であって、当該方法が、
バイオリアクターシステムを制御するバイオリアクター情報を制御装置(5;35)に提供する段階と、
バイオリアクター情報に応じて1以上の培養パラメーターを制御する段階と
を含んでおり、
バイオリアクター情報が、バイオリアクターバッグの重量に関する情報であり、
培養パラメーターが温度及び/又はpH及び/又はDOであり、
当該方法が、さらに、制御装置(5;35)を用いて、バイオリアクター情報に応じて多数の様々なPIDパラメーターの組の中から特定の1つの組を選択することを更に含んでおり、
当該方法が、培養液を含むバイオリアクターバッグ(1)がバイオリアクターシステムに入れられると自動的に秤量することと、培養液を含むバイオリアクターの重量を、1以上の培養パラメーターを制御するためのバイオリアクター情報として使用することとを更に含む、方法。
【請求項4】
1以上の培養パラメーターを制御することが、バイオリアクター情報に応じた、バイオリアクターに対する加熱及び/又は冷却及び/又は酸素の添加及び/又は二酸化炭素の添加及び/又は窒素の添加及び/又は酸の添加及び/又は塩基の添加及び/又はガス流の変更を含む、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
培養液を含む1以上の揺動式バイオリアクターバッグ(1;31a、31b)を備えるバイオリアクターシステムであって、バイオリアクターシステムが、バイオリアクターシステムを制御する制御装置(5;35)を更に備えてなり、制御装置(5;35)がバイオリアクター情報を受信するのに適した受信手段(7;37)を備え、制御装置(5;35)が、バイオリアクター情報に応じて1以上のバイオリアクターバッグ(1;31a、31b)の1以上の培養パラメーターを制御するように構成され、
バイオリアクター情報が、バイオリアクターバッグのサイズ及びバイオリアクターバッグの重量の少なくとも1つに関する情報であり、
制御装置(5;35)が、バイオリアクター情報に応じて、1以上のバイオリアクターバッグ内の温度及びpHの1以上を制御するように構成され、かつ
制御装置(5;35)が、バイオリアクター情報に応じて多数の様々なPIDパラメーターの組の中から特定の1つの組を選択するように構成されている、バイオリアクターシステム。
【請求項6】
バイオリアクターバッグ内部に設けられ、制御装置(5;35)と接続した1以上のセンサー(11a、11b、41a、41b)を更に備え、センサーが、制御すべき培養パラメーター、及び/又はバイオマス、細胞増殖相、若しくは代謝産物などの1以上の細胞培養状態を測定するように構成されている、請求項5記載のバイオリアクターシステム。
【請求項7】
培養液を含む1以上の揺動式バイオリアクターバッグ(1;31a、31b)を備えるバイオリアクターシステムであって、バイオリアクターシステムが、バイオリアクターシステムを制御する制御装置(5;35)を更に備えてなり、制御装置(5;35)がバイオリアクター情報を受信するのに適した受信手段(7;37)を備え、制御装置(5;35)が、バイオリアクター情報に応じて1以上のバイオリアクターバッグ(1;31a、31b)の1以上の培養パラメーターを制御するように構成され、
バイオリアクター情報が、バイオリアクターバッグのサイズ及びバイオリアクターバッグの重量の少なくとも1つに関する情報であり、
制御装着(5;35)が、バイオリアクター情報に応じて、1以上のバイオリアクターバッグ内の温度、pH、及びDOの1以上を制御するように構成され、かつ
制御装置(5;35)が、バイオリアクター情報に応じて多数の様々なPIDパラメーターの組の中から特定の1つの組を選択するように構成されており、
1以上のバイオリアクターバッグ(1;31a、31b)を加熱若しくは冷却するのに適した1以上の加熱手段及び/又は冷却手段(19;49a、49b)を更に備え、加熱及び/又は冷却手段(19;49a、49b)が、バイオリアクター情報に応じて制御装置(5;35)によって制御される、バイオリアクターシステム。
【請求項8】
酸素及び/又は二酸化炭素及び/又は窒素及び/又は酸及び/又は塩基を1以上のバイオリアクターに添加するのに適した1以上の添加手段(21;51a、51b)を更に備え、添加手段(21;51a、51b)が、バイオリアクター情報に応じて制御装置(5;35)によって制御される、請求項5乃至請求項7のいずれか1項記載のバイオリアクターシステム。
【請求項9】
受信手段(7;37)が、制御装置(5;35)への手動入力によって、又はバイオリアクターバッグ上のバーコード若しくはRFIDタグからの読取りによって、バイオリアクター情報を受信するように構成されている、請求項5乃至請求項8のいずれか1項記載のバイオリアクターシステム。
【請求項10】
バイオリアクターバッグの支持体(3)上に設けられ、培養液を含む1以上のバイオリアクターバッグを秤量するのに適した1以上のロードセル(13)を更に備え、受信手段(7)がロードセル(13)に更に接続され、制御装置(5)が、1以上のバイオリアクターバッグの重量に応じて1以上のバイオリアクターバッグ(1)の1以上の培養パラメーターを制御するように構成されている、請求項5乃至請求項9のいずれか1項記載のバイオリアクターシステム。
【請求項11】
1つの支持体(33)上に2つのバイオリアクターバッグ(31a、31b)を備え、制御装置(35)が、バイオリアクターバッグそれぞれのバイオリアクター情報に応じてバイオリアクターバッグ(31a、31b)の各々を独立して制御するように構成されている、請求項5乃至請求項10のいずれか1項記載のバイオリアクターシステム。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2018-09-10 
出願番号 特願2012-545901(P2012-545901)
審決分類 P 1 651・ 121- YAA (C12M)
最終処分 維持  
前審関与審査官 池上 文緒  
特許庁審判長 中島 庸子
特許庁審判官 長井 啓子
大宅 郁治
登録日 2017-07-07 
登録番号 特許第6169847号(P6169847)
権利者 ジーイー・ヘルスケア・バイオサイエンス・アクチボラグ
発明の名称 バイオリアクター内の培養パラメーターの制御方法  
代理人 黒川 俊久  
代理人 黒川 俊久  
代理人 田中 拓人  
代理人 荒川 聡志  
代理人 小倉 博  
代理人 田中 拓人  
代理人 荒川 聡志  
代理人 小倉 博  

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