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審決分類 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する B32B
管理番号 1346219
審判番号 訂正2018-390118  
総通号数 229 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-01-25 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2018-08-15 
確定日 2018-10-18 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5521099号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第5521099号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔8-28〕について訂正することを認める。 
理由 1.手続の経緯
特許第5521099号(以下「本件特許」という。)の請求項1?28に係る特許についての出願は、平成25年9月2日に特許出願され、平成26年4月11日にその特許権の設定登録がされ、その後、平成30年8月15日に本件訂正審判の請求がされたものである。

2.請求の趣旨
(1)本件訂正審判の請求の趣旨は、本件特許の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項8?28について訂正することを認める、との審決を求めるものである。

(2)本件訂正審判の請求に係る訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである。
[訂正事項1]
本件訂正前の特許請求の範囲の請求項8に「前記キャリアが電解銅箔または圧延銅箔で形成されている請求項1?7のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。」とあるのを、
「前記キャリアが電解銅箔または圧延銅箔で形成されており、前記中間層が有機物を含む請求項1?7のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。」に訂正する。(請求項8の記載を直接的又は間接的に引用する請求項9?28も同様に訂正する。)

3.当審の判断
(1)一群の請求項
本件訂正前の請求項8及び同請求項8の記載を直接的又は間接的に引用する請求項9?28は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項であり、本件訂正は当該一群の請求項8?28に対してなされたものである。

(2)訂正の目的の適否、特許請求の範囲の拡張・変更の存否、及び新規事項の有無
ア.本件訂正前の請求項8に係る発明は、請求項1を引用しているので、請求項1に係る発明が備える「キャリア上に積層された中間層」を備えていると解される。
本件訂正は、本件訂正前の請求項8における「中間層」が「有機物を含む」ものであると限定し、請求項8の記載を直接的又は間接的に引用する請求項9?28についても同様に限定するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ.また、本件訂正は上記のように本件訂正前の請求項8の発明特定事項をさらに限定し、請求項8の記載を直接的又は間接的に引用する請求項9?28についても同様に限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質的に特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

ウ.さらに、本件訂正は、本件特許の明細書の段落【0024】の「例えば、本発明のキャリア付銅箔の中間層は、Niの他に、Cr、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Al、Zn、これらの合金、これらの酸化物、有機物からなる群から選択される一種又は二種以上を含んでも良い。」との記載からみて、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)独立特許要件
本件訂正後の請求項8?28に係る各発明は、本件訂正前の請求項8に係る発明にさらに発明特定事項を追加するものであって、本件訂正前の請求項8に係る発明が特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであることを踏まえると、本件訂正後の請求項8?28に係る各発明について、特許出願の際に独立して特許を受けることができるものでないとする理由は見出せない。
よって、本件訂正は特許法第126条第7項の規定に適合するものである。

4.むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する事項を目的とするものであり、かつ、同条第3項、第5項乃至第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリアと、キャリア上に積層された中間層と、中間層上に積層された極薄銅層とを備えたキャリア付銅箔であって、
Pの酸化物又は/及び水酸化物、又は/及びPを含有する合金が、前記中間層と前記極薄銅層との界面に介在しておらず、
前記極薄銅層の厚みが1?9μmであり、
前記キャリア付銅箔を用いた銅張積層体について、前記キャリアの前記極薄銅層からの剥離強度が2?50g/cmであり、
前記銅張積層体を220℃で4時間加熱したときに前記キャリアと前記極薄銅層との間に発生し極薄銅層表面を変形させるフクレが20個/dm^(2)以下であり、
前記銅張積層体を220℃で4時間加熱した後、前記キャリアを前記極薄銅層から剥がしたときに前記極薄銅層に確認されるピンホールが400個/m^(2)以下であるキャリア付銅箔。
【請求項2】
前記キャリア付銅箔を220℃で4時間加熱したときに前記キャリアと前記極薄銅層との間に発生し極薄銅層表面を変形させるフクレが10個/dm^(2)以下である請求項1に記載のキャリア付銅箔。
【請求項3】
前記キャリア付銅箔を220℃で4時間加熱したときに前記キャリアと前記極薄銅層との間に発生し極薄銅層表面を変形させるフクレが0個/dm^(2)である請求項2に記載のキャリア付銅箔。
【請求項4】
前記キャリア付銅箔を220℃で4時間加熱した後、前記キャリアを前記極薄銅層から剥がしたときに前記極薄銅層に確認されるピンホールが200個/m^(2)以下である請求項1?3のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
【請求項5】
前記キャリア付銅箔を220℃で4時間加熱した後、前記キャリアを前記極薄銅層から剥がしたときに前記極薄銅層に確認されるピンホールが50個/m^(2)以下である請求項4に記載のキャリア付銅箔。
【請求項6】
前記極薄銅層の厚みが1?3μmである請求項1?5のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
【請求項7】
前記キャリアの前記極薄銅層からの剥離強度が5?20g/cmである請求項1?6のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
【請求項8】
前記キャリアが電解銅箔または圧延銅箔で形成されており、前記中間層が有機物を含む請求項1?7のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
【請求項9】
前記極薄銅層表面に粗化処理層を有する請求項1?8のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
【請求項10】
前記粗化処理層が、銅、ニッケル、コバルト、りん、タングステン、ヒ素、モリブデン、クロム及び亜鉛からなる群から選択されたいずれかの単体又はいずれか1種以上を含む合金からなる層である請求項9に記載のキャリア付銅箔。
【請求項11】
前記粗化処理層の表面に、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を有する請求項9又は10に記載のキャリア付銅箔。
【請求項12】
前記極薄銅層の表面に、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を有する請求項1?8のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
【請求項13】
前記極薄銅層上に樹脂層を備える請求項1?8のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
【請求項14】
前記粗化処理層上に樹脂層を備える請求項9又は10に記載のキャリア付銅箔。
【請求項15】
前記耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層の上に樹脂層を備える請求項11又は12に記載のキャリア付銅箔。
【請求項16】
前記樹脂層が接着用樹脂である請求項13?15のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
【請求項17】
前記樹脂層がブロック共重合ポリイミド樹脂層またはブロック共重合ポリイミド樹脂とポリマレイミド化合物を含有する樹脂層である請求項13?16のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
【請求項18】
前記樹脂層が半硬化状態の樹脂である請求項13?17のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
【請求項19】
セミアディティブ工法用である請求項1?18のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
【請求項20】
請求項1?19のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔を用いて製造したプリント配線板。
【請求項21】
請求項1?19のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔を用いて製造したプリント回路板。
【請求項22】
請求項1?19のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔を用いて製造した銅張積層板。
【請求項23】
請求項1?18のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板とを積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板とを積層した後に、前記キャリア付銅箔の銅箔キャリアを剥がす工程を経て銅張積層板を形成し、
その後、セミアディティブ法、サブトラクティブ法、パートリーアディティブ法又はモディファイドセミアディティブ法のいずれかの方法によって、回路を形成する工程を含むプリント配線板の製造方法。
【請求項24】
請求項1?18のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板とを積層して銅張積層板を形成する工程、
前記銅張積層板に対し、セミアディティブ法、サブトラクティブ法、パートリーアディティブ法又はモディファイドセミアディティブ法のいずれかの方法によって、回路を形成する工程を含み、
前記回路を形成する工程において、前記キャリアを、前記極薄銅層にエッチング又は穴開け加工を施す直前で剥がすプリント配線板の製造方法。
【請求項25】
請求項1?18のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面に回路を形成する工程、
前記回路が埋没するように前記キャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面に樹脂層を形成する工程、
前記樹脂層上に回路を形成する工程、
前記樹脂層上に回路を形成した後に、前記キャリアを剥離させる工程、及び、
前記キャリアを剥離させた後に、前記極薄銅層を除去することで、前記極薄銅層側表面に形成した、前記樹脂層に埋没している回路を露出させる工程
を含むプリント配線板の製造方法。
【請求項26】
前記樹脂層上に回路を形成する工程が、前記樹脂層上に別のキャリア付銅箔を極薄銅層側から貼り合わせ、前記樹脂層に貼り合わせたキャリア付銅箔を用いて前記回路を形成する工程である請求項25に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項27】
前記樹脂層上に貼り合わせる別のキャリア付銅箔が、請求項1?22のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔である請求項26に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項28】
前記樹脂層上に回路を形成する工程が、セミアディティブ法、サブトラクティブ法、パートリーアディティブ法又はモディファイドセミアディティブ法のいずれかの方法によって行われる請求項25?27のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2018-09-25 
結審通知日 2018-09-27 
審決日 2018-10-10 
出願番号 特願2013-181587(P2013-181587)
審決分類 P 1 41・ 851- Y (B32B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 鏡 宣宏  
特許庁審判長 井上 茂夫
特許庁審判官 横溝 顕範
竹下 晋司
登録日 2014-04-11 
登録番号 特許第5521099号(P5521099)
発明の名称 キャリア付銅箔、プリント配線板、プリント回路板、銅張積層板、及びプリント配線板の製造方法  
代理人 アクシス国際特許業務法人  
代理人 アクシス国際特許業務法人  

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