• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 F02D
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 F02D
管理番号 1346439
審判番号 不服2017-17016  
総通号数 229 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-01-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-11-16 
確定日 2018-12-11 
事件の表示 特願2013-265130「排気浄化装置」拒絶査定不服審判事件〔平成27年7月2日出願公開、特開2015-121140、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成25年12月24日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成29年6月16日付け:拒絶理由通知書
平成29年8月8日 :意見書、手続補正書の提出
平成29年8月22日付け:拒絶査定
平成29年11月16日 :審判請求書、手続補正書の提出
平成30年8月8日付け :拒絶理由通知書
平成30年8月29日 :意見書、手続補正書の提出

第2 本願発明
本願の請求項1及び2に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」及び「本願発明2」という。)は、平成30年8月29日の手続補正により補正がされた特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
排気浄化触媒をケーシングにより抱持して排気系路の途中に装備し、このケーシングの出側に排気系路からの排気ガスを抜き出す出口パイプを接続すると共に、該出口パイプと前記排気浄化触媒の出側端との間に多数の散気孔を有する分散板を備えた排気浄化装置であって、
前記ケーシングの出側を分散板の後方から出口パイプまで下流側へ向け徐々に縮径するコーン形状とし、
前記ケーシングにおける出側端から分散板にかけての範囲にセンサを装備すると共に、該センサの検出子に向け排気ガスの流れを導き得るよう前記分散板に散気孔より大きな導風口を形成し、
前記センサは、前記導風口との組み合わせにより、前記ケーシングのコーン形状で位置を選定して配置されるように構成されたことを特徴とする排気浄化装置。
【請求項2】
分散板の導風口の出側に、該導風口を抜けた排気ガスの流れをセンサの検出子の直前位置まで案内する誘導パイプを突設したことを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。」

第3 引用例、引用発明、引用技術
1 引用例1について
原査定の拒絶理由に引用され、本願の出願前に頒布された特開2004-225657号公報(以下「引用例1」という。)には、「排気浄化装置」に関して、図面(特に、図1ないし図3参照。)とともに次の事項が記載されている。(下線は当審で付した。以下同様。)

ア 「【0021】
図1に示す如く、本形態例においては、排気管4の途中に介装したフィルタケース7内に、多数の連通孔10a,11aを有する一対の分散板10,11を排気ガス3の流れ方向に対向配置し、これら各分散板10,11の相互間に画定される収容空間12に触媒再生型のパティキュレートフィルタ6を収容すると共に、収容空間12内におけるパティキュレートフィルタ6の前段に酸化触媒13を配置し、収容空間12内の入側の分散板10に近い位置と、収容空間12内の出側の分散板11に近い位置と、酸化触媒13及びパティキュレートフィルタ6の相互間との三箇所に温度センサ14の検出子15を夫々挿し入れた場合を例示している。
【0022】
そして、図2に拡大して示す如く、収容空間12内の入側の分散板10に近い位置の温度センサ14は、入側の分散板10の連通孔10aの直後に検出子15を配置するようにしており、また、これと同様に、収容空間12内の出側の分散板11に近い位置の温度センサ14は、出側の分散板11の連通孔11aの直前に検出子15を配置するようにしている。
【0023】
尚、この図2における図示では、入口パイプ8や出口パイプ9の接続部分の周囲を取り囲んで比較的大きく開口している連通孔10a,11aに対応させて温度センサ14の検出子15を配置しているが、入口パイプ8や出口パイプ9の接続部分における比較的細かく開口せしめた連通孔10a,11aに対応させて温度センサ14の検出子15を配置することも可能である。」

イ 「【0026】
而して、このように排気浄化装置を構成すれば、各位置における温度センサ14の検出子15が常に排気ガス3の流れに晒されることになるので、各温度センサ14の測温精度が従来より大幅に向上されることになり、延いては、パティキュレートフィルタ6の正確な再生制御が実現されることになる。
【0027】
また、図3は図2と異なる型式の分散板10,11に適用した例を示しており、ここに図示している分散板10,11では、マフラ5の周辺構造物とのレイアウト上の関係で入口パイプ8や出口パイプ9が偏心配置されており、その接続部分の周囲に多数の比較的細かな連通孔10a,11aを散在させた型式となっている。
【0028】
そして、収容空間12内の入側の分散板10に近い位置の温度センサ14が、入側の分散板10における他より大きく開口せしめた連通孔10aの直後に検出子15を配置されており、また、これと同様に、収容空間12内の出側の分散板11に近い位置の温度センサ14が、出側の分散板11における他より大きく開口せしめた連通孔11aの直前に検出子15を配置されるようになっているが、このような型式の分散板10,11に適用した場合でも前述と同様の作用効果を奏することができる。」


ウ 上記ア及び図1の図示内容からみて、フィルタケース7の出側に出口パイプ9が接続されていることが分かる。

エ 上記ア及び図1の図示内容からみて、出口パイプ9と酸化触媒13及びパティキュレートフィルタ6の出側端との間に出側の分散板11が設けられていることが分かる。

オ 上記イの段落【0027】の「その接続部分の周囲に多数の比較的細かな連通孔10a,11aを散在させた型式となっている」及び同【0028】の「出側の分散板11に近い位置の温度センサ14が、出側の分散板11における他より大きく開口せしめた連通孔11aの直前に検出子15を配置される」との記載並びに図1及び図3の図示内容からみて、出側の分散板11に多数の比較的細かな連通孔11aより大きく開口せしめた連通孔11aを形成し、前記出側の分散板11の直前の温度センサ14は、前記大きく開口せしめた連通孔11aとの組み合わせにより、位置を選定して配置されるといえる。

上記アないしオ並びに図1ないし図3の図示内容を総合すると、引用例1には、「排気浄化装置」に関して、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。

〔引用発明〕
「酸化触媒13及びパティキュレートフィルタ6をフィルタケース7内に収容して排気管4の途中に介装し、このフィルタケース7の出側に排気管4からの排気ガス3を抜き出す出口パイプ9を接続すると共に、該出口パイプ9と前記酸化触媒13及びパティキュレートフィルタ6の出側端との間に多数の比較的細かな連通孔11aを有する出側の分散板11を備えた排気浄化装置であって、
前記出側の分散板11の直前に温度センサ14を配置すると共に、該出側の分散板11の直前の温度センサ14の検出子15が排気ガス3の流れに晒されるよう前記出側の分散板11に多数の比較的細かな連通孔11aより大きく開口せしめた連通孔11aを形成し、
前記出側の分散板11の直前の温度センサ14は、前記大きく開口せしめた連通孔11aとの組み合わせにより、位置を選定して配置されるように構成された排気浄化装置。」

2 引用例2について
原査定の拒絶理由に引用され、本願の出願前に頒布された特開平4-183920号公報(以下「引用例2」という。)には、「内燃機関の排気浄化用触媒コンバータ装置」に関して、図面(特に、第1図及び第3図参照。)とともに次の事項が記載されている。

ア 「コンバータ1は周知の構造を有し、軸方向に貫通して、断面がほぼ正方形の通気穴が格子状に形成された円、長円または楕円状の断面を有するセラミック製柱状体(ハニカム状担体)に3元触媒を担持させてなるハニカム状触媒本体11と、その外周を包む網状のスプリング12とを、ステンレス鋼板製のハウジング13内に収納してなる。」(第3ページ左上欄第1行ないし第7行)

イ 「通電制御装置3は、前記ヒータ温度センサ27、該ヒータ温度センサ27か設定温度になったとき点灯する表示灯31、触媒コンバータ1の下流に設置された排気温度センサ32、リボンヒータ2の上流に取り付けられたヒータ41付酸素センサ4、エンジンの冷却水温センサ35、車載電源36と前記リボンヒータ2との間に介在させたスイッチ37、および排気コントロールユニット30からなる。酸素センサ4は周知の構成を有し、ヒータ41は10ワットの発熱容量を有する。」(第3ページ右上欄第7行ないし第16行)

ウ 上記ア及びイ並びに図1及び図3の図示内容からみて、ステンレス鋼板製のハウジング13は、出側を出口部まで下流側へ向け徐々に縮径するコーン形状であることが分かる。また、そのコーン形状である部分に排気温度センサ32を設置することも分かる。

上記アないしウ並びに第1図及び第3図の図示内容を総合すると、引用例2には、次の技術(以下「引用技術2」という。)が記載されている。

〔引用技術2〕
「ハニカム状触媒本体11を収納するステンレス鋼板製のハウジング13の出側を出口部まで下流側へ向け徐々に縮径するコーン形状とするとともに、そのコーン形状である部分に排気温度センサ32を設置する技術。」

3 引用例3について
原査定の拒絶理由に引用され、本願の出願前に頒布された実願昭53-90950号(実開昭55-6498号)のマイクロフィルム(以下「引用例3」という。)には、「触媒コンバータ」に関して、図面(特に第2図参照。)とともに次の事項が記載されている。

ア 「従来の触媒コンバータにおいては、第1図及び第2図に示すように、サーモセンサ1を触媒コンバータのケーシング2にボルト3等により取付け、感温部1aを触媒床4又はその下流に臨ませた構造が採用されていた。」(明細書第2ページ第10行ないし第14行)

イ 上記ア及び図2の図示内容からみて、触媒コンバータのケーシング2は、出側を出口部まで下流側へ向け徐々に縮径するコーン形状であることが分かる。また、そのコーン形状である部分にサーモセンサ1を取付けることも分かる。

上記ア及びイ並びに第2図の図示内容を総合すると、引用例3には、次の技術(以下「引用技術3」という。)が記載されている。

〔引用技術3〕
「触媒コンバータのケーシング2の出側を出口部まで下流側へ向け徐々に縮径するコーン形状とするとともに、そのコーン形状である部分にサーモセンサ1を取付ける技術。」

4 引用例4について
原査定の拒絶理由に引用され、本願の出願前に頒布された特開2012-12960号公報(以下「引用例4」という。)には、「粒子状物質検出センサ」に関して、図面(特に図1参照。)とともに次の事項が記載されている。

ア 「【0030】
排気マニホールドMHEXに接続する排気管EXには、ディーゼル酸化触媒DOCおよびディーゼルパティキュレートフィルタDPFが設けられ、燃焼排気ガスを処理する。すなわち、排気管Eに排出された燃焼排気ガスは、上流側のディーゼル酸化触媒DOCを通過する間に、未燃焼の炭化水素HC、一酸化炭素COおよび一酸化窒素NOが酸化され、下流側のディーゼルパティキュレートフィルタDPFを通過する間に、煤粒子(Soot)、可溶性有機成分(SOF)および無機成分からなる微粒子状物質PMが捕集される。」

イ 「【0033】
排気管EXには、ディーゼルパティキュレートフィルタDPFに堆積した微粒子状物質PMの量を監視するために、差圧センサSPが設けられる。差圧センサSPは、圧力導入管を介してディーゼルパティキュレートフィルタDPFの上流側および下流側と接続されており、その前後差圧に応じた信号を出力する。また、ディーゼル酸化触媒DOCの上流および、ディーゼルパティキュレートフィルタDPFの上下流には、温度センサS1、S2、S3が配設されて、各部の排気温度を監視している。制御回路2は、これら出力に基づいてディーゼル酸化触媒DOCの触媒活性状態やディーゼルパティキュレートフィルタDPFのPM捕集状態を監視し、PM捕集量が許容量を超えると、強制再生を行って微粒子状物質PMを燃焼除去する再生制御を実施する。」

ウ 上記ア及び図1の図示内容並びに技術常識からみて、ディーゼル酸化触媒DOC及びディーゼルパティキュレートフィルタDPFにはケーシングがあり、該ケーシングは出側を出口部まで下流側へ向け徐々に縮径するコーン形状であることが分かる。また、そのコーン形状である部分に温度センサS3を配設することも分かる。

上記アないしウ並びに図1の図示内容を総合すると、引用例4には、次の技術(以下「引用技術4」という。)が記載されている。

〔引用技術4〕
「ディーゼル酸化触媒DOCおよびディーゼルパティキュレートフィルタDPFにはケーシングがあり、該ケーシングは出側を出口部まで下流側へ向け徐々に縮径するコーン形状とするとともに、そのコーン形状である部分に温度センサS3を配設する技術。」

5 引用例5について
原査定の拒絶理由に引用され、本願の出願前に頒布された特開2005-69176号公報(以下「引用例5」という。)には、「内燃機関の排気浄化装置」に関して、図面(特に、図3及び図4参照。)とともに次の事項が記載されている。

ア 「【0052】
ケーシング3内には、隔壁301、排気温度センサ4、NOx触媒303aを担持したフィルタ303が上流から順に配設されている。
【0053】
このように構成された、排気系では、排気管2を流通する排気がケーシング3内に導入されると、排気の一部が凸部301aに空けられた貫通穴301bを通過する。また、残りの排気は、排気管2に空けられた貫通穴2aを通過した後に、隔壁301に空けられた貫通穴301b、301cを通過する。この際、排気温度センサ4の上流に開けられた、他よりも大きな貫通穴301cを多くの排気が通過する。」

イ 「【0057】
その点、本実施例においては、排気温度センサ4の検出部4aを排気の流通方向と平行に前記隔壁301に投影した箇所で前記隔壁301の貫通穴301cの大きさを他の貫通穴301bよりも大きくしている。このようにして、排気温度センサ4の検出部4aを通過する排気の流量を増加させ、排気の温度が低下することを抑制できる。その結果、排気温度センサ4により検出される排気の温度を、ケーシング3の中心軸近辺を流通する排気の温度に近づけることができる。」

6 引用例6について
原査定の拒絶理由に引用され、本願の出願前に頒布された特開2008-267192号公報(以下「引用例6」という。)には、「内燃機関の排気通路構造」に関して、図面(特に、図2参照。)とともに次の事項が記載されている。

ア 「【0020】
そして、ケーシング30内における上流側触媒21の直下流側には、酸素濃度センサ4のセンサ素子部41に対し排気の流れを誘導する略円筒形状のガイド31が設けられている。このガイド31は、上流側触媒21よりも若干大径に形成された上流側円筒部分311と、この上流側円筒部分311よりも小径に形成された下流側円筒部分312と、上流側円筒部分311と下流側円筒部分312とを繋ぐ漏斗状のテーパ部分313とで一体的に形成されている。これにより、ガイド31の下流端開口としての下流側円筒部分312の下流端開口312aの口径は、ガイド31の上流端開口としての上流側円筒部分311の上流端開口311aの口径よりも小さな径に形成されている。」

第4 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、引用発明における「酸化触媒13及びパティキュレートフィルタ6」は、その構成、機能又は技術的意義からみて、本願発明1における「排気浄化触媒」に相当し、以下同様に、「フィルタケース7内に収容して」は「ケーシングにより抱持して」に、「排気管4の途中に介装し」は「排気系路の途中に装備し」に、「排気ガス3」は「排気ガス」に、「出口パイプ9」は「出口パイプ」に、「多数の比較的細かな連通孔11a」は「多数の散気孔」に、「出側の分散板11」は「分散板」に、「排気浄化装置」は「排気浄化装置」に、「温度センサ14」は「センサ」に、「検出子15が排気ガス3の流れに晒される」は「検出子に向け排気ガスの流れを導き得る」に、「多数の比較的細かな連通孔11aより大きく開口せしめた連通孔11a」は「散気孔より大きな導風口」にそれぞれ相当する。
また、引用発明における「出側の分散板11の直前に温度センサ14を配置する」と本願発明1における「ケーシングにおける出側端から分散板にかけての範囲にセンサを装備する」とは、「センサを装備する」という限りで共通する。

したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点がある。

〔一致点〕
「排気浄化触媒をケーシングにより抱持して排気系路の途中に装備し、このケーシングの出側に排気系路からの排気ガスを抜き出す出口パイプを接続すると共に、該出口パイプと前記排気浄化触媒の出側端との間に多数の散気孔を有する分散板を備えた排気浄化装置であって、
センサを装備すると共に、該センサの検出子に向け排気ガスの流れを導き得るよう前記分散板に散気孔より大きな導風口を形成し、
前記センサは、前記導風口との組み合わせにより、位置を選定して配置されるように構成された排気浄化装置。」

〔相違点〕
本願発明1においては、「ケーシングの出側を分散板の後方から出口パイプまで下流側へ向け徐々に縮径するコーン形状とし、前記ケーシングにおける出側端から分散板にかけての範囲に」センサを装備すると共に、センサは、「前記ケーシングのコーン形状で」位置を選定して配置されるのに対して、
引用発明は、かかる事項を有していない点。

(2)判断
上記相違点について検討する。
引用技術2ないし4は、排気浄化触媒のケーシングの出側を出口部まで下流側へ向け徐々に縮径するコーン形状とするとともに、そのコーン形状である部分にセンサを配置する技術であるものの、何れの技術も分散板を備えておらず、分散板の後方から出口パイプまでをコーン形状とするものではない。すなわち、引用技術2ないし4は、上記相違点に係る本願発明1の発明特定事項とは相違する。さらに、引用例2ないし4には、分散板の後方から出口パイプまでをコーン形状とすることを開示又は示唆する記載はない。
そうすると、引用発明に引用技術2ないし4を適用しても、上記相違点に係る本願発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たとはいえない。
また、原査定の拒絶理由に引用され、本願の出願前に頒布された引用例5及び6には、上記相違点に係る本願発明1の発明特定事項を開示又は示唆する記載はない。
したがって、本願発明1は、引用発明及び引用技術2ないし4並びに引用例5及び6に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

2 本願発明2について
本願の特許請求の範囲における請求項2は、請求項1の記載を引用して記載されたものであるから、本願発明2は、本願発明1の発明特定事項をすべて含むものである。
したがって、本願発明2は、本願発明1と同様の理由により、引用発明及び引用技術2ないし4並びに引用例5及び6に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

第5 原査定の概要及び原査定についての判断
原査定は、請求項1について以下の引用文献1、2及び4ないし6に基いて、請求項2について以下の引用文献1ないし6に基いて、それぞれその発明の属する技術の分野における通常の知識を有するものが容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。
しかしながら、平成30年8月29日の手続補正により補正がされた請求項1及び2は、「ケーシングの出側を分散板の後方から出口パイプまで下流側へ向け徐々に縮径するコーン形状とし」という発明特定事項を有するものであるから、上記「第4」で検討したとおり、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1ないし6に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
したがって、原査定の理由を維持することはできない。

<引用文献一覧>
1.特開2004-225657号公報(本審決の引用例1)
2.特開2005-69176号公報(同引用例5)
3.特開2008-267192号公報(同引用例6)
4.特開平4-183920号公報(同引用例2)
5.実願昭53-90950号(実開昭55-6498号)のマイクロフィルム(同引用例3)
6.特開2012-12960号公報(同引用例4)

第6 当審拒絶理由について
特許法第36条第6項第2号について
当審では、請求項1の「前記センサ自体の構成を変更することなく」との記載について、その前提となる従来のセンサが特定されていないため明確でないとの拒絶理由を通知しているが、平成30年8月29日の手続補正により補正がされ、当該記載が削除された結果、この拒絶理由は解消した。

第7 むすび
以上のとおり、本願発明1及び2は、いずれも、引用発明及び引用技術2ないし4並びに引用例5及び6に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2018-11-27 
出願番号 特願2013-265130(P2013-265130)
審決分類 P 1 8・ 537- WY (F02D)
P 1 8・ 121- WY (F02D)
最終処分 成立  
前審関与審査官 櫻田 正紀  
特許庁審判長 冨岡 和人
特許庁審判官 鈴木 充
粟倉 裕二
発明の名称 排気浄化装置  
代理人 特許業務法人山田特許事務所  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ