• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 F04D
管理番号 1346508
審判番号 不服2017-18377  
総通号数 229 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-01-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-12-11 
確定日 2018-12-11 
事件の表示 特願2016-540571「ターボ機械のコンプレッサ用のノイズリフレクタ」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 6月25日国際公開、WO2015/090486、平成29年1月5日国内公表、特表2017-500484、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2014年(平成26年)9月30日(パリ条約に基づく優先権主張外国庁受理、2013年12月17日、ドイツ連邦共和国(DE))を国際出願日とする出願であって、平成28年6月16日に手続補正がされ、平成29年4月19日付けで拒絶理由通知がされ、平成29年6月23日に意見書が提出されるとともに手続補正がされたが、平成29年9月13日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、平成29年12月11日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。

第2 原査定の概要
原査定(平成29年9月13日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願の請求項1及び2に係る発明は、以下の引用文献1及び2に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.独国特許出願公開第102011109704号明細書
2.特開2012-215200号公報

第3 本願発明
本願請求項1及び2に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」及び「本願発明2」という。)は、平成29年6月23日にされた手続補正によって補正された特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。
「 【請求項1】
長手延在方向を有する少なくとも1つのポジティブロック要素(18)を備え、該ポジティブロック要素を用いてポジティブロック結合を形成してコンプレッサのハウジング部品に固定可能となる、排気ガスターボチャージャのコンプレッサ用のノイズリフレクタ(10)であって、
前記ポジティブロック要素(18)の前記長手延在方向が軸方向に延びており、
前記ノイズリフレクタ(10)が、該ノイズリフレクタ(10)の円周方向に延びる別の長手延在方向を有する少なくとも1つの別のポジティブロック要素(20)を備え、該ポジティブロック要素を用いて別のポジティブロック結合を形成して前記コンプレッサの前記ハウジング部品に固定可能となり、
前記ポジティブロック要素(18)が凸面体に形成され、前記ハウジング部品の凹面体に形成された対応するくぼみと相互作用して前記ポジティブロック結合を形成可能であり、かつ
前記別のポジティブロック要素(20)が凸面体に形成され、前記ハウジング部品の凹面体に形成された対応する別のくぼみと相互作用して前記別のポジティブロック結合を形成可能である
ことを特徴とするノイズリフレクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のノイズリフレクタ(10)を有する排気ガスターボチャージャ用のコンプレッサ。」

第4 原査定の理由について
1.引用文献、引用発明等
(1)引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。以下の引用文献1の摘記においては、エスツェットは「ss」で代用し、ウムラウト記号(¨)が付された文字は、ウムラウト記号が付されていない文字で代用する。また、引用文献1の和訳は、当審で作成し、理解の補助のため下線を付した。
(ア)「[0001] Die Erfindung betrifft einen Verdichter fur eine Stromungsmaschinen, insbesondere einen Abgasturbolader, der im Oberbegriff des Patentanspruchs 1 angegebenen Art.」
([0001]本発明は、請求項1の前段部分に記載した形式のターボ機械、特に排気ガスターボチャージャのコンプレッサに関する。)
(イ)「[0005] Es hat sich gezeigt, dass es beim Betrieb derartiger Verdichter zu unerwunschten Gerauschen kommt.」
([0005]このようなコンプレッサの運転の際に、望ましくないノイズが生じることが分かった。)
(ウ)「[0006] Es ist daher Aufgabe der vorliegenden Erfindung, einen Verdichter fur eine Stromungsmaschine der eingangs genannten Art derart weiterzuentwickeln, dass der Verdichter ein verbessertes Gerauschverhalten aufweist.」
([0006]したがって、本発明の目的は、前記した形式のターボ機械のコンプレッサを改良し、ノイズ特性を改善することである。)
(エ)「[0036] Wie der Fig. 1 zu entnehmen ist, ist der Gerauschring 24 mittels einer Schnapparretierung 30 an dem Verdichtergehause 12 arretiert. Bei der Schnapparretierung 30 handelt es sich um eine Rastverbindung, welche Rastmittel 32 auf Seiten des als Leitelement fur die Luft fungierenden Gerauschrings 24 sowie Rastmittel auf Seiten des Verdichtergehauses 12 umfasst. Die gerauschringseitigen Rastmittel 32 sind dabei als in radialer Richtung nach aussen gewolbte Wolbungen ausgebildet, wahrend die verdichtergehauseseitigen Rastmittel als dazu zumindest im Wesentlichen korrespondierende Ausnehmungen ausgebildet sind. Zur Montage und damit zur Halterung des Gerauschrings 24 an dem Verdichtergehause 12 konnen die Rastmittel 32 des Gerauschrings mit den Rastmitteln des Verdichtergehauses 12 verrastet werden. Dazu wird der Gerauschring 24 in axialer Richtung in den zweiten Stromungskanal 16 eingesteckt, so dass die Rastmittel 32 mit den dazu korrespondierenden Rastmitteln des Verdichtergehauses 12 verrasten und in diese einschnappen. Dazu ist es von Vorteil, wenn wenigstens der erste Langenbereich 26 elastisch, d. h. federnd, ausgebildet ist. Dazu ist der Gerauschring 24 beispielsweise als Stanzbauteil oder als Tiefziehteil oder als anderweitiges Blechbauteil ausgebildet. Die Reduzierung der Gerausche des Verdichters 10 erfolgt insbesondere durch Reflektion und Interferenz von vom Verdichterrad erzeugten Schallwellen. Daher wird der Gerauschring 24 auch als Gerauschreflektor bezeichnet.」
([0036]図1に示すように、ノイズリング24は、スナップ結合30によってコンプレッサのハウジング12に固定される。スナップ結合30は係止結合であり、空気の案内要素として機能するノイズリング24側のロック要素32と、コンプレッサのハウジング12側のロック要素とから成る。ノイズリング側のロック要素32は、半径方向外側に向かって湾曲した凸面体に形成されており、コンプレッサのハウジング側のロック要素は、この凸面体に実質的に対応するくぼみに形成されている。ノイズリング24をコンプレッサハウジング12に取り付け、保持するために、ノイズリングのロック要素32が、コンプレッサのハウジング12側のロック要素に結合される。このために、ノイズリング24が第2の流路16に軸方向に差し込まれ、それによって、ロック要素32が、コンプレッサのハウジング12の対応するロック要素にスナップロック結合する。このために、少なくとも第1の長さ領域26が伸縮的、すなわち、弾性的に形成されていると有利である。この目的のため、ノイズリング24は、プレス加工、深絞り加工、又はその他による金属薄板部品として形成される。コンプレッサ10のノイズ低減は、コンプレッサの回転によって発生した音波の反射及び干渉によって行われる。このため、ノイズリングはノイズリフレクタとも呼ばれる。)
(オ)図3の記載によれば、ノイズリング24が、該ノイズリング24の円周方向に延びる長手延在方向を有する複数のロック要素32を備えることが看取できる。

したがって、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
<引用発明>
「コンプレッサのハウジング部品に固定可能となる、排気ガスターボチャージャのコンプレッサ10用のノイズリング24であって、
前記ノイズリング24が、該ノイズリング24の円周方向に延びる長手延在方向を有する複数のロック要素32を備え、該ロック要素32を用いてスナップロック結合によって前記コンプレッサ10のハウジング12に固定され、
前記ロック要素32が凸面体に形成され、前記ハウジング12に形成された実質的に対応するくぼみとスナップロック結合する、
ノイズリング24。」

(2)引用文献2について
また、原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。なお、理解の補助のため下線を付した。
(カ)「【0002】
従来、電動式パワーステアリング装置において、入力軸と出力軸(第1回転体)との相対的な回転変位を検出するための検出器(固定部品)に、環状の結合体を取り付け、この環状の結合体を出力軸に外嵌・圧入させ、結合体と出力軸との間の摩擦力により、結合体と出力軸とを固定状態とする技術が知られている(特許文献1?3参照)。」
(キ)「【0004】
ところが、使用に伴う経年劣化等に起因して、前記結合体と出力軸との固定状態が維持されず、前記結合体と出力軸との間に緩みが発生する虞がある。
【0005】
そして、このように緩みが発生してしまうと、検出器と出力軸とが軸方向及び/又は周方向において相対的に移動してしまい、検出器が出力軸と入力軸との間における相対的な回転変位を誤検出するうえ、検出器がその周辺に配置された周辺部品(例えば、検出器の相手方となる磁石)に干渉してしまう虞がある。
【0006】
そこで、本発明は、第1回転体と固定部品との間における相対的な移動を規制する回転構造体を提供することを課題とする。」
(ク)「【0016】
≪ステアリング装置の構成≫
図1に示す第1参考形態に係る車両用ステアリング装置(以下、ステアリング装置300)は、四輪車等の車両に搭載されており、電動式パワーステアリング装置であって、車両の操舵輪(車輪)を操舵する装置である。ステアリング装置300は、本発明に係る回転構造体が組み込まれた装置であって、回転伝達機構310と、ギヤボックス320と、出力伝達機構(図示しない)と、トルク検出装置330と、クリップ50Aと、補助力発生装置340と、制御装置350と、を備えている。」
(ケ)「【0022】
<トルク検出装置、クリップ>
トルク検出装置330は、トーションバー20の捩れにより生じる入力軸10と出力軸30との相対的な回転変位に基づいて、操舵トルクを検出する装置である。トルク検出装置330は、磁石331と、検出器332(固定部品)と、を備えている。
【0023】
磁石331は、環状を呈しており、入力軸10に取付部材331aを介して、入力軸10に外嵌固定されている(図2参照)。よって、磁石331は、入力軸10と一体に回転するようになっている。
【0024】
検出器332は、環状を呈しており、クリップ50Aを介して、出力軸30に外嵌固定されている。よって、検出器332は、出力軸30と一体に回転するようになっている。」
(コ)「【0026】
検出器332は、出力軸30に対する入力軸10(磁石331)の相対回転変位を検出する検出器本体333と、ハウジング100と、を備えている。………
【0028】
ハウジング100は、非磁性材料である樹脂(例えば熱可塑性樹脂)製の環状部品であって、検出器本体333をモールドし内包している。また、ハウジング100は、その径方向内側に円筒状のハブ部110(円筒体)を有しており(図2参照)、ハブ部110は、出力軸30と同軸でその外側に配置され、出力軸30の円筒部31に外嵌(外挿)している。
【0029】
クリップ50Aは、非磁性材料の金属から形成された部品であって、ハブ部110の下端部を挟みつつ、出力軸30を径方向内側に圧接している。これにより、ハウジング100(検出器332)は、出力軸30に固定されている。……」
(サ)「【0039】
<出力軸>
出力軸30は、その全周に亘って径方向内側に凹むことで形成された周溝32を有している。周溝32の底には底面32aが形成されている。また、周溝32の上壁面32b(第2クリップ軸方向当接部)は、径方向外側に向かって溝幅が大きくなるように徐々に上方に傾斜している。
【0040】
出力軸30は、周溝32の下方において、径方向外側に延出するフランジ33(第2クリップ周方向当接部)、を有している。フランジ33の上面であるフランジ面33a(第2クリップ軸方向当接部)には、後記する圧接片52の底壁部52aが当接している。
【0041】
フランジ33には、径方向内側に切り欠かれた2つの切欠部33bが形成されている。2つの切欠部33bは、後記する2つの係止片53に対応して、平面視において、180°間隔で配置されている(図3参照)。そして、各切欠部33bには、係止片53が差し込まれており、フランジ33は係止片53を周方向において係止(拘束)している。」
(シ)「【0042】
<クリップ>
クリップ50Aは、外観が円筒状の部品であって、外壁部を構成する円筒部51(固定部、基部)と、4本の圧接片52と、2本の係止片53(第1クリップ周方向当接部)と、を備えている。ただし、圧接片52、係止片53の数はこれに限定されない。……
【0043】
円筒部51は、ハウジング100を構成するハブ部110の下端部の外表面に、接着剤(固定手段)で固定されている。これにより、クリップ50Aとハウジング100(検出器332)とは一体である。……
【0044】
4本の圧接片52は、平面視において、等間隔で配置されている(図5参照)。2本の係止片53は、等間隔で配置されると共に、周方向において隣り合う圧接片52、52の間に配置されている。……」
(ス)「【0049】
<組み付け方法>
ここで、クリップ50Aの一組み付け方法を説明する。
クリップ50Aを出力軸30に外挿し、圧接片52の圧接爪52bを径方向外側に弾性変形させつつ、クリップ50Aを押し下げていく。そして、圧接爪52bが周溝32に差し掛かると、圧接爪52bが径方向内側に移動(縮径)し、圧接爪52bが底面32aを圧接する。
【0050】
その後、ハブ部110を出力軸30に外挿し、ハブ部110を押し下げていく。そして、ハブ部110の下端部を、クリップ50Aの円筒部51と圧接爪52bとの間に差し込んだ後、さらに、ハブ部110を押し下げ、ハブ部110の下端面を、クリップ50Aの底壁部52aに当接させる。
【0051】
その後、クリップ50Aの円筒部51とハブ部110とを接着剤(固定手段)で固定する。この他、クリップ50Aの円筒部51をハブ部110に固定した後、ハブ部110を押し下げる方法でもよい。」
(セ)「【0052】
≪第1参考形態の作用効果≫
次に、第1参考形態の作用効果を説明する。
【0053】
<通常時>
まず、クリップ50Aが経年劣化等しておらず、出力軸30とクリップ50Aとの間に緩みが発生していない通常時を説明する。4本の圧接片52は、出力軸30に係る周溝32の底面32aを径方向内側に圧接(押圧)している。これにより、クリップ50Aと出力軸30とは軸方向及び周方向において固定される。
【0054】
<緩み発生時-軸方向規制>
次に、出力軸30とクリップ50Aとの間に緩みが発生した場合において、出力軸30とクリップ50Aとの間における軸方向の相対的な移動の規制を説明する。なお、例えば、経年劣化等により出力軸30の底面32aが磨耗した場合や、圧接爪52bのばね力(圧接力)が小さくなった場合、出力軸30とクリップ50Aとの間に緩みが発生する。
【0055】
圧接爪52bの先端(上端)が、周溝32の上壁面32bに当接しているので、クリップ50Aと出力軸30とが軸方向において相対的に離間する方向に移動することはない。また、底壁部52aが、フランジ33のフランジ面33aに当接しているので、クリップ50Aと出力軸30とが軸方向において相対的に接近する方向に移動することはない。
【0056】
<緩み発生時-周方向規制(相対回転阻止)>
次に、出力軸30とクリップ50Aとの間に緩みが発生した場合において、出力軸30とクリップ50Aとの間における周方向の相対的な移動の規制を説明する。 係止片53がフランジ33の切欠部33bに差し込まれているので、クリップ50Aと出力軸30とが相対的に周方向に移動すること、つまり、相対回転することはない。」

したがって、上記引用文献2には次の技術(以下、「引用文献2技術」という。)が記載されていると認められる。
<引用文献2技術>
「車両用ステアリング装置300の検出器332のハウジング100を出力軸30に取り付ける構造において、ハウジング100に設けられた円筒状のハブ部110の下端部を挟みつつ、出力軸30に固定するためのクリップ50Aを設け、該クリップ50Aは、4つの圧接片52と2つの係止片を備えており、通常時は、4本の圧接片52は、出力軸30の周溝32を圧接することで、クリップ50Aと出力軸30とは軸方向及び周方向において固定され、緩み発生時は、圧接片52の圧接爪52bが周溝32に当接するとともに圧接片52の底壁部52aがフランジ33のフランジ面33aに当接して軸方向の移動を阻止し、係止片53がフランジ33の切欠部33bに差し込まれることで周方向の移動を阻止する技術。」

2.対比・判断
(1)対比
本願発明1と、引用発明とを対比すると、引用発明における「コンプレッサ10」は、その機能、構成及び技術的意義からみて、本願発明1における「コンプレッサ」に相当し、以下同様に、「ノイズリング24」は「ノイズリフレクタ(10)」に、「別の長手延在方向」が「長手延在方向」に、「複数の」は「少なくとも1つの別の」に、「ロック要素32」は「別のポジティブロック要素(20)」に、「スナップロック結合によって」は「別のポジティブロック結合を形成して」に、「ハウジング12」は「ハウジング部品」に、「固定され」ることは「固定可能とな」ることに、「ハウジング12に形成された実質的に対応するくぼみ」は「ハウジング部品の凹面体に形成された対応するくぼみ」に、「スナップロック結合する」ことは「相互作用して前記別のポジティブロック結合を形成可能である」ことに相当する。
したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
<一致点>
「コンプレッサのハウジング部品に固定可能となる、排気ガスターボチャージャのコンプレッサ用のノイズリフレクタであって、
前記ノイズリフレクタが、該ノイズリフレクタの円周方向に延びる長手延在方向を有する少なくとも1つの別のポジティブロック要素を備え、該別のポジティブロック要素を用いて別のポジティブロック結合を形成して前記コンプレッサの前記ハウジング部品に固定可能となり、
前記別のポジティブロック要素が凸面体に形成され、前記ハウジング部品の凹面体に形成された対応するくぼみと相互作用して前記別のポジティブロック結合を形成可能である
ノイズリフレクタ。」

<相違点>
本願発明1は、「長手延在方向を有する少なくとも1つのポジティブロック要素(18)を備え、該ポジティブロック要素を用いてポジティブロック結合を形成して」おり、また、「長手延在方向が軸方向に延びており」、「凸面体に形成され、前記ハウジング部品の凹面体に形成された対応するくぼみと相互作用してポジティブロック結合を形成可能であ」る「ポジティブロック要素(18)」を備えているのに対し、引用発明は、ノイズリフレクタの円周方向に延びる長手延在方向を有するロック要素32を備えているものの、長手延在方向が軸方向に延びているロック要素を備えていない点。

(2)相違点についての判断
引用文献2技術には、車両用ステアリング装置300の検出器332のハウジング100を出力軸30に取り付ける構造において、ハウジング100に出力軸30に固定するためのクリップ50Aに、4つの圧接片52と2つの係止片を備えるものであるが、かかるクリップ50Aは、引用発明のノイズリフレクタとは、機能や固定する対象が異なり、その機能、固定対象に応じた形状・構造を備えたものであるから、それらの前提を差し置いて、引用発明及び引用文献2技術から「凹凸部の係合により部材を取付ける」という技術事項のみを取り出して、機能・作用が共通するものとして、直ちに、両者を組み合わせることができるものではない。
したがって、本願発明1は、引用発明及び引用文献2技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(3)本願発明2について
本願発明2は、本願発明1を引用して発明特定事項を特定する発明であり、本願発明1が備える発明特定事項を全て備えている。したがって、本願発明2と引用発明とは、前記した相違点で相違するから、本願発明2は、前記した理由と同様の理由により、引用発明及び引用文献2技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

第5 むすび
以上のとおりであるから、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2018-11-29 
出願番号 特願2016-540571(P2016-540571)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (F04D)
最終処分 成立  
前審関与審査官 冨永 達朗原田 愛子  
特許庁審判長 久保 竜一
特許庁審判官 佐々木 芳枝
山村 和人
発明の名称 ターボ機械のコンプレッサ用のノイズリフレクタ  
代理人 赤澤 日出夫  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ