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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  A41B
審判 全部申し立て 2項進歩性  A41B
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  A41B
管理番号 1346774
異議申立番号 異議2018-700340  
総通号数 229 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2019-01-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-04-24 
確定日 2018-11-08 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6220661号発明「パンツ型吸収性物品」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6220661号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の[1-4]について訂正することを認める。 特許第6220661号の請求項2?4に係る特許を維持する。 特許第6220661号の請求項1に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6220661号の請求項1?4に係る特許についての出願は、平成25年12月13日に特許出願され、平成29年10月6日にその特許権の設定登録(特許掲載公報平成29年10月25日発行)がされ、その後、その特許について、平成30年4月24日に特許異議申立人出川栄一郎(以下、「申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、平成30年6月21日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成30年8月22日に意見書の提出及び訂正の請求(以下、「本件訂正請求」といい、本件訂正請求に係る訂正を「本件訂正」という。)がされたものである。なお、本件訂正請求について、申立人に意見を提出する機会を与えたが、申立人からの意見書の提出はなかった。

第2 訂正の適否についての判断
1.訂正の内容
本件訂正の内容は以下の(1)?(4)のとおりである。なお、下線は訂正箇所を示すものである。
(1)訂正事項1
請求項1を削除する。
(2)訂正事項2
本件訂正前の請求項2の「前記接合部のそれぞれが、相互間に隙間を開けて物品縦方向に並んだ一対の融着部からなる、請求項1に記載のパンツ型吸収性物品。」という記載に、本件訂正前の請求項1の発明特定事項を加え、「請求項1に記載の」という文言を削除して、請求項2を次のように訂正する。
「外装体と、該外装体に固定されている吸収性本体とを具備し、
前記外装体は、着用時に、着用者の腹側に配される腹側部と、着用者の背側に配される背側部とを有するパンツ型吸収性物品であって、
前記パンツ型吸収性物品は縦方向と横方向を有しており、
腹側部及び背側部の少なくとも一方における外装体は、着用者の肌から遠い側に配される外層シートと、該外層シートよりも着用者の肌に近い側に配される内層シートと、その間に配された複数本の弾性部材とを有する伸縮部を備え、
前記伸縮部においては、前記外層シートと前記内層シートとの間が、物品縦方向に沿う接合部列が複数列形成されるように配置された接合部において接合され、複数本の前記弾性部材が、それぞれ、物品縦方向に隣り合う接合部どうしの間を通って物品横方向に配設されており、
前記接合部は、物品縦方向に隣り合う前記弾性部材間に、相互間に隙間を開けて物品縦方向に並べて配置された複数の融着部からなり、
前記接合部のそれぞれが、相互間に隙間を開けて物品縦方向に並んだ一対の融着部からなる、パンツ型吸収性物品。」
(3)訂正事項3
本件訂正前の請求項3の「物品縦方向において、前記接合部の前記隙間の長さは、物品縦方向に隣り合う接合部どうし間の距離未満である、請求項1又は2に記載のパンツ型吸収性物品。」という記載に、本件訂正前の請求項1の発明特定事項を加え、「請求項1又は2に記載の」という文言を削除して、請求項3を次のように訂正する。
「外装体と、該外装体に固定されている吸収性本体とを具備し、
前記外装体は、着用時に、着用者の腹側に配される腹側部と、着用者の背側に配される背側部とを有するパンツ型吸収性物品であって、
前記パンツ型吸収性物品は縦方向と横方向を有しており、
腹側部及び背側部の少なくとも一方における外装体は、着用者の肌から遠い側に配される外層シートと、該外層シートよりも着用者の肌に近い側に配される内層シートと、その間に配された複数本の弾性部材とを有する伸縮部を備え、
前記伸縮部においては、前記外層シートと前記内層シートとの間が、物品縦方向に沿う接合部列が複数列形成されるように配置された接合部において接合され、複数本の前記弾性部材が、それぞれ、物品縦方向に隣り合う接合部どうしの間を通って物品横方向に配設されており、
前記接合部は、物品縦方向に隣り合う前記弾性部材間に、相互間に隙間を開けて物品縦方向に並べて配置された複数の融着部からなり、
物品縦方向において、前記接合部の前記隙間の長さは、物品縦方向に隣り合う接合部どうし間の距離未満である、パンツ型吸収性物品。」
(4)訂正事項4
請求項4の「請求項1?3の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品。」という記載を「請求項2又は3に記載のパンツ型吸収性物品。」に訂正する。

2.訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否、一群の請求項
(1)訂正事項1は、請求項1を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、かつ、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第120条の5第9項において準用する同法126条第5項及び第6項の規定に適合する。
(2)訂正事項2は、本件訂正前の請求項2が本件訂正前の請求項1を引用するものであったところ、請求項1を引用する形式に代えて、独立形式の請求項とする訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号の他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。また、訂正事項2は、本件訂正前の請求項2を独立形式の請求項に改めたのみであるから、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
(3)訂正事項3は、本件訂正前の請求項3が本件訂正前の請求項1、2を引用するものであったところ、本件訂正前の請求項1を引用する本件訂正前の請求項3について、請求項1を引用する形式に代えて、独立形式の請求項とする訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号の他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること及び特許法第120条の5第2項ただし書第1号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。また、訂正事項3は、本件訂正前の請求項3の引用する請求項を減らして独立形式の請求項に改めたのみであるから、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
(4)訂正事項4は、上記訂正事項1により請求項1の記載が削除されるのに伴い、請求項4が引用する請求項を1?3から請求項2及び3として整合を図るものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号の明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。また、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
(5)そして、本件訂正前の請求項1及び同請求項1を引用する請求項2?4は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項であり、上記訂正事項1?4の訂正は、当該一群の請求項1?4に対して請求されたものである。

3.小括
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第3号、及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び同条第9項において準用する同法126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項[1-4]について訂正を認める。

第3 特許異議の申立てについて
1.本件発明
本件訂正請求が認められたことにより、本件特許の請求項1?4に係る発明(以下、「本件発明1?4」という。)は、本件訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1?4に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
【請求項1】(削除)
【請求項2】
外装体と、該外装体に固定されている吸収性本体とを具備し、
前記外装体は、着用時に、着用者の腹側に配される腹側部と、着用者の背側に配される背側部とを有するパンツ型吸収性物品であって、
前記パンツ型吸収性物品は縦方向と横方向を有しており、
腹側部及び背側部の少なくとも一方における外装体は、着用者の肌から遠い側に配される外層シートと、該外層シートよりも着用者の肌に近い側に配される内層シートと、その間に配された複数本の弾性部材とを有する伸縮部を備え、
前記伸縮部においては、前記外層シートと前記内層シートとの間が、物品縦方向に沿う接合部列が複数列形成されるように配置された接合部において接合され、複数本の前記弾性部材が、それぞれ、物品縦方向に隣り合う接合部どうしの間を通って物品横方向に配設されており、
前記接合部は、物品縦方向に隣り合う前記弾性部材間に、相互間に隙間を開けて物品縦方向に並べて配置された複数の融着部からなり、
前記接合部のそれぞれが、相互間に隙間を開けて物品縦方向に並んだ一対の融着部からなる、パンツ型吸収性物品。
【請求項3】
外装体と、該外装体に固定されている吸収性本体とを具備し、
前記外装体は、着用時に、着用者の腹側に配される腹側部と、着用者の背側に配される背側部とを有するパンツ型吸収性物品であって、
前記パンツ型吸収性物品は縦方向と横方向を有しており、
腹側部及び背側部の少なくとも一方における外装体は、着用者の肌から遠い側に配される外層シートと、該外層シートよりも着用者の肌に近い側に配される内層シートと、その間に配された複数本の弾性部材とを有する伸縮部を備え、
前記伸縮部においては、前記外層シートと前記内層シートとの間が、物品縦方向に沿う接合部列が複数列形成されるように配置された接合部において接合され、複数本の前記弾性部材が、それぞれ、物品縦方向に隣り合う接合部どうしの間を通って物品横方向に配設されており、
前記接合部は、物品縦方向に隣り合う前記弾性部材間に、相互間に隙間を開けて物品縦方向に並べて配置された複数の融着部からなり、
物品縦方向において、前記接合部の前記隙間の長さは、物品縦方向に隣り合う接合部どうし間の距離未満である、パンツ型吸収性物品。
【請求項4】
隣り合う弾性部材間の複数の前記融着部の物品縦方向の合計長さが、隣り合う弾性部材間の複数の前記融着部の物品縦方向の端部間距離の90%以下である、請求項2又は3に記載のパンツ型吸収性物品。

2.取消理由の概要
本件訂正前の請求項1?4に係る特許に対して、平成30年6月21日付けで特許権者に通知した取消理由の概要は、次のとおりである。
刊行物1:特開2009-106667号公報
刊行物5:特開2008-154998号公報
刊行物1、5は、それぞれ、特許異議申立書(以下、「申立書」という。)に添付された甲第1号証、甲第5号証である。
(取消理由1)請求項1に係る発明は、刊行物1に記載された発明であるか、又は、刊行物5に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないものであり、請求項1に係る特許は、取り消されるべきものである。
(取消理由2)請求項4に係る発明は、刊行物1に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるか、又は、刊行物5に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものであり、請求項4に係る特許は、取り消されるべきものである。

3.刊行物の記載
(1)刊行物1について
刊行物1の【0016】?【0018】、【0026】、【0033】、【0036】、【0037】、【0044】、【0085】に記載の事項、及び、図1、2、4、5、8、9、13、14、17を踏まえると、刊行物1には次の刊行物1発明が記載されている。
「胴回り部100と、該胴回り部100に固定されている内装体200とを具備し、
前記胴回り部100は、着用時に、着用者の腹側に配される腹側外装シート12Fと、着用者の背側に配される背側外装シート12Bとを有するパンツ型使い捨ておむつであって、
前記パンツ型使い捨ておむつは上下方向と幅方向を有しており、
腹側外装シート12F及び背側外装シート12Bの少なくとも一方における胴回り部100は、着用者の肌から遠い側に配される外シート1Bと、該外シート1Bよりも着用者の肌に近い側に配される内シート1Aと、その間に配された複数本の細長状弾性部材15、19とを有する伸縮領域X1を備え、
前記伸縮領域X1においては、前記外シート1Bと前記内シート1Aとの間が、物品上下方向に沿う千鳥状に配置された多数の接合部3において接合され、複数本の前記細長状弾性部材15、19が、それぞれ、物品上下方向に隣り合う前記接合部3どうしの間を通って物品幅方向に配設されており、 前記多数の接合部3は、物品上下方向に隣り合う前記細長状弾性部材15、19間に、物品上下方向に千鳥状に配置された、パンツ型使い捨ておむつ。」

(2)刊行物5について
刊行物5の【0013】、【0014】、【0027】?【0030】、【0032】に記載の事項、図2?5、7、8、14、15を踏まえると、刊行物5には上記刊行物1発明と同様の発明(以下、「刊行物5発明」という。)が記載されている。

4.判断
(1)取消理由通知に記載した取消理由について
ア.上記取消理由1について
本件訂正により、取消理由1の対象である請求項1は削除された。
ゆえに、取消理由1は、理由のないものとなった。

イ.上記取消理由2について
本件訂正により、取消理由2の対象である請求項4は、請求項1?3を引用するものであったところ、請求項1が削除されたため、請求項2又は3を引用するように訂正された。すなわち、本件発明2を引用する本件発明4、又は、本件発明3を引用する本件発明4に訂正された。
(ア)刊行物1を主たる証拠とする理由について
本件発明4と刊行物1発明を対比すると、本件発明4では、伸縮部において、外層シートと内層シートとの間が、物品縦方向に沿う接合部列が複数列形成されるように配置された接合部において接合され、前記接合部は、物品縦方向に隣り合う弾性部材間に、相互間に隙間を開けて物品縦方向に並べて配置された複数の融着部からなり、前記接合部のそれぞれが、相互間に隙間を開けて物品縦方向に並んだ一対の融着部からなるという本件発明2の構成(以下、「本件発明2の接合部の構成」という。)を有しているか、又は、伸縮部において、外層シートと内層シートとの間が、物品縦方向に沿う接合部列が複数列形成されるように配置された接合部において接合され、前記接合部は、物品縦方向に隣り合う弾性部材間に、相互間に隙間を開けて物品縦方向に並べて配置された複数の融着部からなり、物品縦方向において、前記接合部の前記隙間の長さは、物品縦方向に隣り合う接合部どうし間の距離未満であるという本件発明3の構成(以下、「本件発明3の接合部の構成」という。)を有しているのに対し、刊行物1発明では、伸縮領域X1において、外シート1Bと内シート1Aとの間が、物品上下方向に沿う千鳥状に配置された多数の接合部3において接合され、前記多数の接合部3は、物品上下方向に隣り合う細長状弾性部材15、19間に、物品上下方向に千鳥状に配置されている点で、少なくとも相違する(以下、「相違点1」という。)。
上記相違点1について検討する。刊行物1には、上記「本件発明2の接合部の構成」及び「本件発明3の接合部の構成」が記載ないし示唆されていない。また、申立書に添付された甲第2号証?甲第5号証にも当該構成についての記載や示唆は見当たらない。ゆえに、刊行物1発明について、上記「本件発明2の接合部の構成」及び上記「本件発明3の接合部の構成」を想到することは、当業者であっても容易であるとはいえない。
したがって、本件発明4は、刊行物1発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(イ)刊行物5を主たる証拠とする理由について
本件発明4と刊行物5発明を対比すると、上記3.(2)において認定したとおり、刊行物5発明は上記刊行物1発明と同様のものであるから、少なくとも上記相違点1と同様の点で相違する。
この相違点について検討すると、刊行物5には、上記「本件発明2の接合部の構成」及び「本件発明3の接合部の構成」が記載ないし示唆されていない。また、申立書に添付された甲第1号証?甲第4号証にも当該構成についての記載や示唆は見当たらない。ゆえに、刊行物5発明について、上記「本件発明2の接合部の構成」及び上記「本件発明3の接合部の構成」を想到することは、当業者であっても容易であるとはいえない。
したがって、本件発明4は、刊行物5発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(ウ)以上のとおりであるから、本件発明4は、刊行物1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえず、又、刊行物5発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえないから、取消理由2は、理由があるとはいえない。

ウ.申立人の主張について
(ア)申立人は、申立書の3(4)エ(ア)?(オ)(第30頁?第40頁)において、甲第1号証(刊行物1)の第8図を示した上で、上記「本件発明2の接合部の構成」及び「本件発明3の接合部の構成」が示されている旨を主張した上で、本件発明は甲第1号証から把握される甲1発明を理由に新規性を有しない、また、仮に新規性を有していたとしても甲1発明から容易に想到し得る旨を主張している。
しかしながら、刊行物1の第8図には、多数の接合部3(融着部)が、物品上下方向に隣り合う細長状弾性部材19間に、物品上下方向に千鳥状に配置されていることが示されているにすぎず、このことをもって、上記「本件発明2の接合部の構成」及び「本件発明3の接合部の構成」が示されているとはいえない。また、上記(ア)で述べたとおり、刊行物1のその余の記載をみても、上記「本件発明2の接合部の構成」及び「本件発明3の接合部の構成」は記載ないし示唆されていない。
ゆえに、申立人の上記主張は、その前提を欠くものであるから、採用することができない。

(イ)また、申立人は、申立書の3(4)エ(オ)(第33頁?第40頁)において、甲第5号証(刊行物5)にも刊行物1と同様の構成が記載されているから、本件発明は甲第5号証から把握される甲5発明を理由に新規性を有しない旨を主張している。また、申立書の3(3)(第16頁)に記載の申立ての根拠を参照すると、申立人は、本件発明は甲5発明から容易に想到し得る旨も主張しているといえる。
しかしながら、刊行物5には、「接合部」に関し、上記(ア)で述べた刊行物1の第8図と同様の第15図の構成が記載されているものの、このことをもって、上記「本件発明2の接合部の構成」及び「本件発明3の接合部の構成」が記載ないし示唆されているとはいえないから、申立人の上記主張は採用することができない。

(2)取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
ア.特許法第36条第6項第2号(同法第113条第4号)について
(ア)本件発明2?4は、明確であるといえるかについて
本件発明2?4についての特許請求の範囲の記載は、上記1.に示したとおりであり、その記載に用いられている用語や各発明特定事項の関係に不明確な点はなく、その記載のとおり、本件発明2?4を明確に把握することができる。
したがって、本件発明2?4は、明確であるといえる。
よって、本件発明2?4の特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしているといえる。

(イ)申立人の主張について
(イ-1)申立人は、申立書の3(4)イ(第18頁?第19頁)において、「接合部を構成しない融着部が存在してもよいのか否かが不明確である」と主張している。
しかしながら、本件発明2、3には、「前記伸縮部においては、前記外層シートと前記内層シートとの間が、物品縦方向に沿う接合部列が複数列形成されるように配置された接合部において接合され、・・・前記接合部は、物品縦方向に隣り合う前記弾性部材間に、相互間に隙間を開けて物品縦方向に並べて配置された複数の融着部からなる」と記載されている。この記載を踏まえると、本件発明2、3について、伸縮部において、外層シートと内層シートが接合されている箇所が「接合部」であるといえるから、伸縮部において、外層シートと内層シートを接合している融着部であれば、それが、「接合部」を構成する融着部であることが明らかといえる。
したがって、本件発明2、3は、伸縮部において、外層シートと内層シートを接合している融着部であれば、それが「接合部」を構成するいう意味で明確であるから、出願人の上記主張は当を得たものではなく、採用することはできない。当該本件発明2、3を引用する本件発明4についても、同様である。

(イ-2)また、申立人は、申立書の3(4)イ(第18頁?第19頁)において、「「前記接合部のそれぞれが、相互間に隙間を開けて物品縦方向に並んだ一対の融着部からなる」の記載があるが、「一対の融着部」が示すものが不明確である」、「広辞苑(第7版)においては、「一対」に関して「二個で一組となること。また、そのもの。一双。」と定義されている。」、「一方、本件特許の明細書には「2個の同形状の融着部」が接合部を形成する例が記載されているものの、「一対の融着部」の意味内容についての定義は記載されていない。」、「したがって、「一対の融着部」が「2個の同形状の融着部」を意味するか否かが不明確である。」と主張している。
しかしながら、申立人が示したように、「一対」とは、通常、「二個で一組となること。また、そのもの。一双。」(広辞苑第7版)を意味するところ、「一対の融着部」とは「二個で一組の融着部」と解されるから、「一対の融着部」の意味は明確であるといえる。そして、本件発明が解決しようとする課題は、下記イ.(ア)で述べるように、「柔軟性や履き心地を一層向上させたパンツ型吸収性物品」を提供することであるところ(本件特許明細書の【0006】、【0007】参照)、本件特許明細書に、2個の同形状の融着部が接合部を形成する例があるからとって、融着部が同形状であることが上記課題を解決するために必要不可欠であるとはいえず、融着部が異形状であっても上記課題を解決することができるといえるから、本件発明2の「一対の融着部」について「2個の同形状の融着部」を意味すると限定して解するのは妥当ではない。
したがって、本件発明2の「一対の融着部」が示すものは「二個で一組の融着部」であるとして明確に理解できるから、申立人の上記主張を採用することはできない。また、当該本件発明2を引用する本件発明4についても、同様である。

イ.特許法第36条第6項第1号(同法第113条第4号)について
(ア)本件発明2?4の解決すべき課題と解決手段について
本件特許明細書の記載からみて、従来、「外装体を構成する2枚のシートどうし間を、おむつの縦方向及び横方向に散点状に形成した接合部において接合する一方、その2枚のシート間に、ギャザー形成用の弾性部材を、接合部を通らないように配した使い捨ておむつ等の吸収性物品」が提案されており(【0003】参照)、これによれば、「弾性部材の収縮によって弾性部材を挟む2枚のシートが柔軟性に優れる襞を形成するため、外装体の柔軟性や感触を向上させることができ、またムレ防止性等を向上させることができる」(【0005】参照)ところ、「使い捨ておむつ等の商品に要求される性能は年々高まって」いることから、「柔軟性や履き心地を一層向上させたパンツ型吸収性物品」を提供することを解決すべき課題としたものである(【0006】、【0007】参照)。
そして、本件発明2?4は、「前記伸縮部においては、前記外層シートと前記内層シートとの間が、物品縦方向に沿う接合部列が複数列形成されるように配置された接合部において接合され、複数本の前記弾性部材が、それぞれ、物品縦方向に隣り合う接合部どうしの間を通って物品横方向に配設されており、前記接合部は、物品縦方向に隣り合う前記弾性部材間に、相互間に隙間を開けて物品縦方向に並べて配置された複数の融着部からなる」という発明特定事項(以下、「発明特定事項A」という。)を備えることにより、「外装体が柔軟で、物品縦方向に沿う形状の変形性及び厚み方向の変形性に優れ、着用者が動き易く肌触りにも優れており、履き心地が良い。」(【0009】参照)という効果を奏し、上記課題を解決したものである。

(イ)本件発明2?4は、発明の詳細な説明に記載したものといえるかについて
本件発明2?4は、上記(ア)で述べた「柔軟性や履き心地を一層向上させたパンツ型吸収性物品」を提供するという解決すべき課題を、上記(ア)で述べた発明特定事項Aを備えることにより解決した発明であることが、本件特許明細書の【0015】?【0031】に記載されている。
したがって、本件発明2?4は、本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載したものといえる。

(ウ)申立人の主張について
申立人は、申立書の3(4)オ(第52頁?第54頁)において、「本件特許の【0006】等を参酌すれば、発明が解決しようとする課題は、「柔軟性や履き心地が一層向上したパンツ型吸収性物品」を提供することと認められる。」、「上記の課題を解決するための手段として、ア)隣接する接合部列間において、外層シートと内層シートが接着剤等で接合されていないこと、及び、イ)弾性部材が、接合部において外層シート・内層シートに固着されていないこと、という手段が必要であることが理解される。」、「しかし、請求項1には、上記ア)及びイ)の手段が反映されておらず、発明の詳細な説明に記載した範囲を超えているので、請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載されたものではない。」と主張している。
しかしながら、上記(イ)で述べたように、本件発明2?4は「柔軟性や履き心地を一層向上させたパンツ型吸収性物品」を提供するという解決すべき課題を、上記(ア)で述べた発明特定事項Aを備えることにより解決した発明である。そして、この本件発明2?4について、上記の課題を解決するため、当該発明特定事項Aに加えて、上記ア)、イ)の手段を発明特定事項として示すまでもないことは、当業者であれば認識し得たことである。
したがって、申立人の上記主張は、当を得たものではなく、採用することはできない。

ウ.特許法第29条第1項、特許法第29条第2項(同法第113条第4号)について
(ア)甲第2号証を主たる証拠とする理由
申立人は、申立書の3(4)エ(カ)?(ケ)(第40頁?第45頁)において、甲第2号証(特開2005-212405号公報)の第5図について次のように主張した上で、本件発明2、4は、甲第2号証から把握される甲2発明を理由に新規性を有しない、また、本件発明2?4は、甲2発明から容易に想到し得る旨を主張している。ここで、申立人は、「甲第2号証の第3図と第5図を参照すると、・・・第5図においては、弾性部材(4A、4B)と重なる縦長形状の熱融着部5のうち、弾性部材と重なる部分では、弾性部材(4A、4B)が介在するためにシート材2と3が接合されていない。」、「したがって、甲第2号証において、弾性部材4A、4Bと重なる縦長形状の熱融着部5は、弾性部材4A、4BのY方向の両側にそれぞれ略半分の大きさの熱融着部5を備える。これによって、弾性部材4A、4B間において、2つの熱融着部5の組が「接合部」を構成する。」、「これにより、甲第2号証の第5図から、「複数の弾性部材4がそれぞれY方向に隣り合う接合部どうしの間を通ってX方向に配設されている」ことを看取できる。」と主張している。
しかしながら、甲第2号証の【0037】には、「また、図5に示す複合伸縮部材1”のように、熱融着部(接合部)と重なるように配された弾性部材4Aに加えて、熱融着部(接合部)と重ならないように配された弾性部材4Bを有していても良い。」、「図5に示す複合伸縮部材1”における弾性部材は、一本置きに熱融着部に固定されている」と記載されている。この記載を踏まえると、図5の構成では、熱融着部5はそもそも弾性部材4Bと重なっていないから、弾性部材4BのY方向の両側にそれぞれ略半分の大きさの熱融着部5が形成されるとはいえない。また、熱融着部5は弾性部材4Aと重なっているものの、弾性部材4Aは熱融着部5に固定されるから、弾性部材4Aを介してシート材2と3が接合されるといえ、弾性部材4AのY方向の両側にそれぞれ略半分の大きさの熱融着部5が形成されるとは必ずしもいえない。(なお、第3図に示される装置は、「熱融着用の凸部及び/又はその対向面に押圧力低減用の溝部72,73を設けることにより、弾性部材4の切断を防止しつつ、弾性部材4を熱融着部5に容易に固定することができる」(【0033】)ものであって、弾性部材を損傷なく熱融着部に固定することを示すものにすぎず、弾性部材が介在するためにシートが接合しないことを示すものではない。)そうすると、図5の構成では、弾性部材4A、4B間において、2つの熱融着部5の組が「接合部」を構成するとする、上記申立人の主張は当を得たものではない。そして、甲第2号証には、弾性部材4Aを熱融着部5に固定させず、弾性部材4AのY方向の両側にそれぞれ略半分の大きさの熱融着部5を形成することは、記載ないし示唆されていない。
したがって、本件発明2、4は、甲2発明を理由に新規性を有しない、また、本件発明2?4は、甲2発明から容易に想到し得るという、申立人の上記主張は、その前提を欠き、採用することができない。

(イ)甲第3号証を主たる証拠とする理由
申立人は、申立書の3(4)エ(コ)?(ス)(第46頁?第49頁)において、甲第3号証(特開2009-148447号公報)の「接合部7」について次のように主張した上で、本件発明2?4は、甲第3号証から把握される甲3発明を理由に新規性を有しない、また、仮に新規性を有していたとしても、甲3発明から容易に想到し得る旨を主張している。ここで、申立人は、「甲3発明における「接合部7」は、接着剤を用いてシート材2、3を接合しているが、接合部7を融着により接合することは、周知技術の転用にすぎない。そのため、本件特許発明1の「融着部」を設けるという事項は、甲3発明に記載されているに等しい事項である。」と主張している。
しかしながら、甲第3号証の【0018】には「接合部7は、ホットメルト接着剤等の接着剤の塗布部からなる。つまり、2枚のシート材2,3を接合している複数の接合領域5それぞれは、両方向X,Yそれぞれに接着剤を間欠的に塗布することにより構成されている。」と記載されており、また、甲第3号証に「接合部7」を接着剤以外の手段で接合する記載ないし示唆がないことを踏まえると、甲3発明では、「接合部7」は接着剤による接合部分であるといえ、融着により接合することが周知技術であったとしても、「接合部7」は融着による接合部分であるということはできない。ゆえに、「本件特許発明1の「融着部」を設けるという事項は甲3発明に記載されているに等しい事項である。」という申立人の上記主張は当を得たものではない。そして、甲第3号証の【請求項1】には、「前記複数本の弾性部材それぞれは、前記伸縮方向に沿う接合ラインを構成する各前記接合領域において前記接合部と重なるように配されて、該接合部において前記2枚のシート材間に固定されており」と記載されていることから、甲3発明では、弾性部材4は接合部7に重なるように配設されるといえる。このように、弾性部材4が接合部7に重なるものについて、接合部7を融着により接合するのであれば、弾性部材4は融着時に発生する熱により損傷するおそれがあるから、甲3発明について、接合部7を融着により接合するものとすることは、当業者が容易になし得たこととはいえない。
したがって、本件発明2?4は、甲3発明を理由に新規性を有しない、また、仮に新規性を有していたとしても甲3発明から容易に想到し得るという、出願人の上記主張は、その前提を欠き、採用することができない。

(ウ)甲第4号証を主たる証拠とする理由
申立人は、申立書の3(4)エ(セ)?(チ)(第49頁?第52頁)において、本件発明2?4は、甲第4号証(特開2008-131968号公報)から把握される甲4発明に、甲第1号証、甲第3号証、甲第5号証に記載の事項を適用することで、当業者にとって容易に想到し得る旨を主張している。ここで、申立人は、本件発明2?4では、「接合部は、物品縦方向に隣り合う弾性部材間に、相互間に隙間を開けて物品縦方向に並べて配置された複数の熱融着部からなる」のに対して、甲4発明では、「接合部は、上下方向に隣り合う弾性部材42間に、1つの融着部(接合部41)からなる」点で相違するものの、「接合部は、物品縦方向に隣り合う弾性部材間に、相互間に隙間を開けて物品縦方向に並べて配置された複数の融着部からなる」という構成は、甲第1号証、甲第3号証、甲第5号証に記載されており、甲4発明に適用することは、当業者にとって容易に想到し得る旨を主張している。
しかしながら、甲第4号証の【請求項1】には、「複合伸縮部は、外層シート及び内層シートが複合伸縮部の伸縮方向及びそれに直交する方向において間欠的な接合部により互いに接合され、弾性部材が該接合部を通らないように配されると共に弾性部材の両端部を除いた部分において外層シート及び内層シートに固定されておらず」と記載されていることから、甲4発明では、弾性部材は接合部を通らず、その両端部を除いた部分でシートに固定されないといえる。これに対し、甲第1号証の【請求項1】には、「前記内側層と外側層とが、各前記弾性部材の幅方向両側で各前記弾性部材を介さずに接合されて接合部が形成されており、各前記弾性部材は、その幅方向一方側の接合部と幅方向他方側の接合部との間に挟まれて固定されている」と記載されており、甲第5号証の【請求項1】には、「前記伸縮部は、弾性伸縮部材に引張力をかけた状態で、弾性伸縮部材の幅方向の両端部近傍で前記内側層と外側層とが所定の間隔をもって溶着されることにより、弾性伸縮部材が外装シートとの摩擦力によって外装シートに固定される構成である」と記載されていることを踏まえると、甲第1号証、甲第5号証では、弾性部材は接合部と接することによりシートに固定されるといえる。そうすると、甲4発明は、弾性部材は接合部を通らず、その両端部を除いた部分でシートに固定されないものであるが、甲第1号証、甲第5号証の弾性部材が接合部と接することによりシートに固定される事項を採用すると、弾性部材はその両端部以外の箇所に配されている接合部に接することにより、両端部以外の箇所でシートに固定されることになるため、甲4発明について甲第1号証、甲第5号証の事項を採用することは、当業者にとって容易に想到し得るものとはいえない。
また、上記(イ)で述べたとおり、甲第3号証には、「接合部7」は接着剤による接合部分であることが記載されており、「接合部7」は融着部ではない。ゆえに、甲第3号証には、「接合部は、物品縦方向に隣り合う弾性部材間に、相互間に隙間を開けて物品縦方向に並べて配置された複数の融着部からなる」という構成が記載されているとはいえない。そうすると、甲4発明について甲第3号証の事項を採用しても、本件発明2?4を想到することは、当業者にとって容易であるとはいえない。
したがって、本件発明2?4は、甲4発明に、甲第1号証、甲第3号証、甲第5号証に記載の事項を適用することで、当業者にとって容易に想到し得るものであるという、出願人の上記主張は、採用することができない。

第4 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由によっては、本件特許の請求項2?4に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に、本件特許の請求項2?4に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
そして、本件特許の請求項1は、本件訂正が認められることにより、削除されたため、本件特許の請求項1について、申立人がした特許異議の申立ては、その対象が存在しないものとなった。
ゆえに、本件特許の請求項1についての特許異議の申立ては、不適法であって、その補正をすることができないものであるから、特許法第120条の8で準用する同法135条の規定により、却下すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】(削除)
【請求項2】
外装体と、該外装体に固定されている吸収性本体とを具備し、
前記外装体は、着用時に、着用者の腹側に配される腹側部と、着用者の背側に配される背側部とを有するパンツ型吸収性物品であって、
前記パンツ型吸収性物品は縦方向と横方向を有しており、
腹側部及び背側部の少なくとも一方における外装体は、着用者の肌から遠い側に配される外層シートと、該外層シートよりも着用者の肌に近い側に配される内層シートと、その間に配された複数本の弾性部材とを有する伸縮部を備え、
前記伸縮部においては、前記外層シートと前記内層シートとの間が、物品縦方向に沿う接合部列が複数列形成されるように配置された接合部において接合され、複数本の前記弾性部材が、それぞれ、物品縦方向に隣り合う接合部どうしの間を通って物品横方向に配設されており、
前記接合部は、物品縦方向に隣り合う前記弾性部材間に、相互間に隙間を開けて物品縦方向に並べて配置された複数の融着部からなり、
前記接合部のそれぞれが、相互間に隙間を開けて物品縦方向に並んだ一対の融着部からなる、パンツ型吸収性物品。
【請求項3】
外装体と、該外装体に固定されている吸収性本体とを具備し、
前記外装体は、着用時に、着用者の腹側に配される腹側部と、着用者の背側に配される背側部とを有するパンツ型吸収性物品であって、
前記パンツ型吸収性物品は縦方向と横方向を有しており、
腹側部及び背側部の少なくとも一方における外装体は、着用者の肌から遠い側に配される外層シートと、該外層シートよりも着用者の肌に近い側に配される内層シートと、その間に配された複数本の弾性部材とを有する伸縮部を備え、
前記伸縮部においては、前記外層シートと前記内層シートとの間が、物品縦方向に沿う接合部列が複数列形成されるように配置された接合部において接合され、複数本の前記弾性部材が、それぞれ、物品縦方向に隣り合う接合部どうしの間を通って物品横方向に配設されており、
前記接合部は、物品縦方向に隣り合う前記弾性部材間に、相互間に隙間を開けて物品縦方向に並べて配置された複数の融着部からなり、
物品縦方向において、前記接合部の前記隙間の長さは、物品縦方向に隣り合う接合部どうし間の距離未満である、パンツ型吸収性物品。
【請求項4】
隣り合う弾性部材間の複数の前記融着部の物品縦方向の合計長さが、隣り合う弾性部材間の複数の前記融着部の物品縦方向の端部間距離の90%以下である、請求項2又は3に記載のパンツ型吸収性物品。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2018-10-31 
出願番号 特願2013-258329(P2013-258329)
審決分類 P 1 651・ 121- YAA (A41B)
P 1 651・ 113- YAA (A41B)
P 1 651・ 537- YAA (A41B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 田中 尋  
特許庁審判長 井上 茂夫
特許庁審判官 千壽 哲郎
西藤 直人
登録日 2017-10-06 
登録番号 特許第6220661号(P6220661)
権利者 花王株式会社
発明の名称 パンツ型吸収性物品  
代理人 特許業務法人翔和国際特許事務所  
代理人 松嶋 善之  
代理人 岩本 昭久  
代理人 岩本 昭久  
代理人 松嶋 善之  
代理人 特許業務法人翔和国際特許事務所  

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