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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 F01K
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 取り消して特許、登録 F01K
管理番号 1346953
審判番号 不服2018-10936  
総通号数 230 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-02-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-08-09 
確定日 2018-12-28 
事件の表示 特願2016-249011「水バイナリーサイクル発電システム」拒絶査定不服審判事件〔平成30年7月5日出願公開、特開2018-105128、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成28年12月22日の出願であって、平成30年1月5日付け(発送日:平成30年1月11日)で拒絶の理由が通知され、その指定期間内の平成30年4月25日に意見書及び手続補正書が提出されたが、平成30年5月7日付け(発送日:平成30年5月10日)で拒絶査定がされ、これに対し、平成30年8月9日に拒絶査定不服審判が請求され、その後、平成30年9月19日付け(発送日:平成30年9月20日)で当審より拒絶の理由(以下、「当審拒絶理由」という。)が通知され、その指定期間内の平成30年11月16日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。

第2 原査定の概要
原査定(平成30年5月7日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

本願の請求項1ないし9に係る発明は、以下の引用文献AないしDに基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
A.特開2015-28323号公報
B.特開2012-16256号公報(周知技術を示す文献)
C.特開昭56-81209号公報(周知技術を示す文献)
D.特開昭57-101285号公報

第3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由の概要は次のとおりである。

1 (新規性)本願の下記の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に理解可能となつた発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

2 (進歩性)本願の下記の請求項1ないし9に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に理解可能となつた発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。



●理由1(新規性)・理由2(進歩性)について
・請求項1に対し 引用文献1
・請求項2及び請求項3に対し 引用文献1及び引用文献2
・請求項4及び請求項5に対し 引用文献1ないし引用文献3
・請求項6ないし請求項9に対し 引用文献1ないし引用文献4

引用文献等一覧
1.特開2014-202150号公報(当審において新たに引用した文献)
2.特開2015-28323号公報(原査定の引用文献A)
3.特開2007-2761号公報(当審において新たに引用した文献)
4.特開2016-8042号公報(当審において新たに引用した文献)

第4 本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成30年11月16日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された以下のとおりのものと認める。

「作動媒体を蒸発させる蒸発器と、蒸発した作動媒体により駆動する発電機と、発電機を通過した作動媒体を凝縮させる凝縮器とを具備する、作動媒体が流通する循環回路を備えたバイナリーサイクル発電システムであって、
前記蒸発器において作動媒体を蒸発させる加熱媒体が温水であると共に、前記作動媒体が水であり、かつ、前記作動媒体である水が、加熱媒体である温水により蒸発可能な低圧状態で、密閉された循環回路内に封入されており、
前記蒸発器及び凝縮器が、その下部に液溜を具備するプレート型熱交換器であり、前記凝縮器の液溜が、蒸発器の液溜に比して下方に設けられると共に作動媒体出口を有しており、
前記凝縮器の下流かつ蒸発器の上流に、駆動モータ回転数を制御できる作動媒体を循環させる循環ポンプ、及び蒸発器へ供給する作動媒体の流量を制御する流量制御弁が上流側から順次設けられて、蒸発器へ供給される作動媒体の圧力と流量を同時に制御できるよう構成されており、
前記循環ポンプと流量制御弁の間に分岐管路が設けられ、該分岐管路と前記発電機の回転軸を支持する水潤滑軸受の給水口とが接続されて、作動媒体の水を水潤滑軸受の潤滑剤とする
ことを特徴とする水バイナリーサイクル発電システム。」

第5 特許法第29条第1項第3号(新規性)及び特許法第29条第2項(進歩性)についての判断
1 引用文献、引用発明等
(1)引用文献1
平成30年9月19日付けの当審拒絶理由に引用された、本願出願前に頒布された引用文献1(特開2014-202150号公報)には、「温泉熱発電システム」に関して、図面(特に図1及び図2を参照。)とともに以下の事項が記載されている(下線は、理解の一助のために当審が付与したものである。以下同様。)。

ア 「【0001】
本発明は、温泉熱を利用して水やペンタンなどの低沸点媒体を蒸発気化させ、膨張タービン等を駆動して発電を行う、温泉熱発電システムに関する。特に、既存の源泉施設内に充分な機器設置スペースがなく、また発電媒体の冷却水確保が困難な場所においても簡易に利用できる、高効率な温泉熱発電システムの技術分野に関する。」

イ 「【0024】
まず、本発明の第1実施形態に係る温泉熱発電システムの概略構成および機能について、図に基づき説明する。
【0025】
図1に示すように、本発明の温泉熱発電システムは、温泉を貯湯する源泉施設内の貯湯タンク1のタンク内に、前記貯湯タンクの天面から挿入され、タンク内への挿入やタンクからの取り出しを容易に行えるように構成した、発電媒体の直接熱交換器2と、前記直接熱交換器から生じる発電媒体蒸気を集める蒸気ヘッダー3と、この蒸気ヘッダーの集合管に接続された膨張タービン4と、この膨張タービンに接続された発電機5と、前記膨張タービンの排気蒸気を凝縮液化させる水冷式熱交換器6と、前記熱交換器から出る発電媒体の液体を前記直接熱交換器2の中に流下あるいは滴下させる媒体供給管7から構成される。
【0026】
なお、前記の水冷式熱交換器6に供給される循環冷却水は、前記貯湯タンクの側面から挿入された熱媒循環流路8に接続された、温泉熱駆動型の吸着式冷凍機9と、前記冷凍機に接続された密閉式クーリングタワー10の駆動によって得られるものである。
【0027】
ここで、前記発電媒体の直接熱交換器2と、その上部に接続された蒸気ヘッダー3と、さらにその上部に接続された膨張タービン4と、この膨張タービン軸に接続された発電機5と、前記膨張タービンから排出された媒体蒸気を凝縮液化するための水冷式熱交換器6は、全て温泉を貯湯する源泉施設内の貯湯タンク1の蓋となる貯湯タンク天板11の上に配置固定され、さらにこの貯湯タンク天板11は、貯湯タンク周囲に設置したガイドレール付きの天板支柱12によって保持されており、必要時にはチェーンブロック等を用いて直接熱交換器2を含む発電システム構成機器をタンク上部に吊り上げ、直接熱交換器2の表面に付着した温泉スケールの除去等、メンテナンスを容易に行えるよう構成している。
【0028】
このように、発電システムの構成機器を配置し、発電媒体の熱交換器を貯湯タンク内に挿入設置することで、温泉熱による媒体直接交換を行うことで、発電システム内のスケール析出リスクをなくし、更に温泉の流動や空気接触による熱交換器表面のスケール析出も抑えながら、発電媒体をタンク内で蒸発気化させて速やかに膨張タービンに導入して発電させ、発電後の媒体蒸気を温泉熱利用によって得た冷却水によって効率よく直接冷却することで凝縮液化し、得られた媒体をそのまま流下させて再び貯湯タンク内の媒体熱交換器に還流させる閉ループ循環流路を構成することで、発電システム全体の熱交換効率を高め、媒体循環流路の短縮により搬送動力も削減し、高効率な温泉熱発電を行えるようになる。
【0029】
また、温泉熱発電に不可欠な冷却水についても、密閉式クーリングタワーの補水だけとすることで、冷却水必要量を大幅に削減し、さらに温泉熱を活用することで得られる冷熱を発電システムに利用するように構成することで、冷却水の確保が困難な地域でも温泉熱発電を容易に行うことができるようになる。
【0030】
さらに発電システムを簡素化し、その構成機器を貯湯タンク上部の空きスペースを活用して設置することで、貯湯タンク周囲を含む源泉施設内での機器設置は、吸着式冷凍機と密閉式クーリングタワーだけとし、機器設置面積を減少させることで、機器設置スペースを充分に確保できない場所でも温泉熱発電を行うことが可能となる。
【0031】
なお、図1に示す発電媒体の直接熱交換器2の外側表面は、貯湯タンク内での源泉直接熱交換にあたり、高い熱効率と各種温泉成分への耐性が求められることから、熱伝導率と耐食性が良好なシリコンカーバイド製の熱交換器やシリコンカーバイド等の耐熱・耐食材で外側表面をコーティングした伝熱管を利用することが望ましい。また、媒体漏えい時の安全性から、発電用媒体としては無害な代替フロンやアルコール類のほか、水を選択することもできるが、沸点の高い水を利用する場合は、必要に応じて発電システムを構成する循環閉ループ流路全体を内部減圧することで、媒体の沸点を下げて運用しても良い。
【0032】
また、前記直接熱交換器から生じる発電媒体の蒸気を集める蒸気ヘッダー3は、図2に示す通り複数の管式熱交換器から生じる媒体蒸気を膨張タービン入口に集約して供給する場合に必要となるが、貯湯タンク内に蒸気排出管一つを有する大型熱交換器を挿入できる場合には、蒸気ヘッダーを省略して媒体蒸気の圧力損失を低減させて膨張タービンに導入することが望ましい。
【0033】
なお、前記膨張タービン4としては、軸流タービンの他、スクロール式の膨張タービンなど、媒体の高圧蒸気を中心から導入し、タービンの筐体外側に近づくほど低圧膨張して排出される流路を構成する機器が好ましく、この場合はタービン筐体の外側に水冷流路を設けて冷却水を供給し、タービン排気口付近で直接媒体蒸気を凝縮液化する構成とすれば、水冷熱交換部分をタービン筐体と一体化、または近接させることができ、さらなる装置のコンパクト化と効率向上を実現することができる。
【0034】
なお、前記の冷却水については、現地で充分な冷水を容易に確保できる場所においては、調達冷水の直接供給によって冷却を行えば良いが、冷水の確保が困難な場所においては、貯湯タンク内に別途設置した閉ループ熱交換器で得られる温泉熱を熱源として、吸着式か吸収式の冷凍機を駆動し、この冷凍機から得られる冷却水を循環させて媒体の凝縮液化に利用することで、温泉熱で得られる冷熱を有効活用し、冷熱必要量を最小限に抑えながら、温泉熱発電を行えるよう、機器を構成すれば良い。
【0035】
また、媒体蒸気の凝縮液は、そのまま貯湯タンク内の直接熱交換器に向けて流下あるいは滴下できることが望ましいが、搬送動力が不足して効率よく発電が行えない場合には、凝縮液流路に、発電電力を利用して駆動する、補助的な媒体循環ポンプを設置すればよい。」

以上から、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「発電媒体を蒸発させる直接熱交換器2と、蒸発した発電媒体により駆動する発電機5と、発電機5を通過した発電媒体を凝縮液化させる水冷式熱交換器6とを具備する、発電媒体が流通する循環閉ループ流路を備えた温泉熱発電システムであって、
前記直接熱交換器2において発電媒体を蒸発させるのが貯湯タンク内の温泉であると共に、前記発電媒体として水が選択でき、かつ、前記発電媒体である水が、沸点を下げて運用できるよう循環閉ループ流路全体を内部減圧されており、
媒体循環ポンプが設けられる温泉熱発電システム。」

(2)引用文献2
当審拒絶理由に引用された、本願出願前に頒布された引用文献2(特開2015-28323号公報)の段落【0006】ないし【0009】、段落【0014】ないし【0018】、段落【0037】ないし【0040】及び段落【0093】ないし【0097】並びに図1及び図10の記載からみて、当該引用文献2には、「発電機ジャーナル軸受73に、復水器13から復水ポンプ14を通ってボイラ11まで復水が流れる復水系統16から潤滑水を供給し、発電機ジャーナル軸受73の潤滑剤として水を使用すること。」が記載されていると認められる。

(3)引用文献3
当審拒絶理由に引用された、本願出願前に頒布された引用文献3(特開2007-2761号公報)の段落【0022】及び段落【0024】の記載からみて、当該引用文献3には、「熱交換器として、プレート型熱交換器など、種々のタイプの熱交換器が用いられること。」が記載されていると認められる。

(4)引用文献4
当審拒絶理由に引用された、本願出願前に頒布された引用文献4(特開2016-8042号公報)の段落【00042】並びに図2及び図3の記載からみて、当該引用文献4には、「作動流体は、凝縮器21からポンプ2により汲み出されて流量制御弁29を経て再生器4に導かれること。」が記載されていると認められる。

2 対比・判断
本願発明と引用発明とを対比すると、後者の「発電媒体」は、その機能、構成及び技術的意義からみて前者の「作動媒体」に相当し、以下同様に、「直接熱交換器2」は「蒸発器」に、「発電機5」は「発電機」に、「水冷式熱交換器6」は「凝縮器」に、「循環閉ループ流路」は「循環回路」に、「温泉」は「加熱媒体」及び「温水」に、「温泉熱発電システム」は「バイナリーサイクル発電システム」にそれぞれ相当する。
また、後者の「沸点を下げて運用できるよう循環閉ループ流路全体を内部減圧する」は、発電媒体である水が温泉により蒸発可能な低圧状態で密閉された循環閉ループに封入されているといえることから、前者の「加熱媒体である温水により蒸発可能な低圧状態で、密閉された循環回路内に封入されている」に相当する。
さらに、後者の「媒体循環ポンプが設けられている」ことと前者の「前記凝縮器の下流かつ蒸発器の上流に、駆動モータ回転数を制御できる作動媒体を循環させる循環ポンプ、及び蒸発器へ供給する作動媒体の流量を制御する流量制御弁が上流側から順次設けられ」ることとは、少なくとも「循環ポンプが設けられる」という限りで一致する。
したがって、両者は、
「作動媒体を蒸発させる蒸発器と、蒸発した作動媒体により駆動する発電機と、発電機を通過した作動媒体を凝縮させる凝縮器とを具備する、作動媒体が流通する循環回路を備えたバイナリーサイクル発電システムであって、
前記蒸発器において作動媒体を蒸発させる加熱媒体が温水であると共に、前記作動媒体が水であり、かつ、前記作動媒体である水が、加熱媒体である温水により蒸発可能な低圧状態で、密閉された循環回路内に封入されており、
循環ポンプが設けられる水バイナリーサイクル発電システム。」である点で一致し、次の点で相違する。

[相違点1]
前者は、「前記蒸発器及び凝縮器が、その下部に液溜を具備するプレート型熱交換器であり、前記凝縮器の液溜が、蒸発器の液溜に比して下方に設けられると共に作動媒体出口を有して」いるのに対し、後者は、「蒸発器」が「直接熱交換器2」であるとともに「凝縮器」が「水冷式熱交換器6」であり、さらに凝縮器の液溜及び蒸発器の液溜にかかる構成を備えていない点。

[相違点2]
前者は、「前記凝縮器の下流かつ蒸発器の上流に、駆動モータ回転数を制御できる作動媒体を循環させる循環ポンプ、及び蒸発器へ供給する作動媒体の流量を制御する流量制御弁が上流側から順次設けられて、蒸発器へ供給される作動媒体の圧力と流量を同時に制御できるよう構成されて」いるのに対し、後者は、「循環ポンプが設けられる」点。

[相違点3]
前者は、「前記循環ポンプと流量制御弁の間に分岐管路が設けられ、該分岐管路と前記発電機の回転軸を支持する水潤滑軸受の給水口とが接続されて、作動媒体の水を水潤滑軸受の潤滑剤とする」のに対し、後者は、かかる構成を備えていない点。

そうすると、本願発明は引用発明と同一でない。

次に、相違点について検討する。
相違点1について検討する。
引用文献3の記載事項は、「熱交換器として、プレート型熱交換器など、種々のタイプの熱交換器が用いられること。」である。
しかしながら、引用文献3の記載事項には「プレート型熱交換器」の「液溜」に係る事項は開示も示唆もない。そうすると、引用発明において、引用文献3の記載事項を参酌して、当業者の通常の創作能力の範囲で直接熱交換器2及び水冷式熱交換器6に換えてプレート型熱交換器を採用し得たとしても、「凝縮器の液溜が、蒸発器の液溜に比して下方に設けられると共に作動媒体出口を有」するとの事項を導き出すことはできない。
してみると、引用発明及び引用文献3の記載事項を総合しても、相違点1に係る本願発明の発明特定事項を想到することはできない。
また、引用文献2の記載事項は「発電機ジャーナル軸受73に、復水器13から復水ポンプ14を通ってボイラ11まで復水が流れる復水系統16から潤滑水を供給し、発電機ジャーナル軸受73の潤滑剤として水を使用すること。」であり、引用文献4の記載事項は「作動流体は、凝縮器21からポンプ2により汲み出されて流量制御弁29を経て再生器4に導かれること。」である。したがって、引用文献2及び引用文献4の記載事項は、相違点1に係る本願発明の発明特定事項を開示するものでもなく、示唆するものでもない。
さらに、引用文献2ないし4には、相違点1に係る本願発明の発明特定事項を開示も示唆もされておらず、また、当該発明特定事項は、本願出願前における周知技術でもない。

そうすると、相違点2及び相違点3の検討をするまでもなく、本願発明は、当業者が引用発明及び引用文献2ないし引用文献4の記載事項に基いて容易に発明できたものであるとはいえない。

3 まとめ
以上のとおり、本願発明は、引用発明と同一ではない。また、本願発明は、引用発明及び引用文献2ないし4の記載事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

第6 原査定についての判断
平成30年11月16日の補正により、補正後の請求項1は、第5 2で上述した本願発明の相違点1に係る技術的事項を有するものとなった。当該第5 2で上述した本願発明の相違点1に係る技術的事項は、原査定における引用文献A(当審拒絶理由における引用文献2)、引用文献B、引用文献C及び引用文献Dには記載されておらず、本願出願前における周知技術でもないので、本願発明は、当業者が原査定における引用文献AないしDに基いて容易に発明できたものではない。
したがって、原査定を維持することはできない。

第7 むすび
以上のとおり、当審が通知した理由及び原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2018-12-17 
出願番号 特願2016-249011(P2016-249011)
審決分類 P 1 8・ 113- WY (F01K)
P 1 8・ 121- WY (F01K)
最終処分 成立  
前審関与審査官 山崎 孔徳  
特許庁審判長 金澤 俊郎
特許庁審判官 粟倉 裕二
水野 治彦
発明の名称 水バイナリーサイクル発電システム  
代理人 大塚 春彦  
代理人 ▲高▼津 一也  

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