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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) F16K
管理番号 1346968
審判番号 不服2017-2612  
総通号数 230 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-02-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-02-23 
確定日 2018-12-11 
事件の表示 特願2015-543356「弁装置」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 5月30日国際公開、WO2014/079623、平成28年 1月 7日国内公表、特表2016-500146〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由
第1.手続の経緯

本願は、2013年(平成25年)10月7日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理2012年(平成24年)11月26日、ドイツ)を国際出願日とする出願であって、平成28年3月22日付けで拒絶理由が通知され、平成28年6月27日に意見書及び手続補正書が提出されたが、平成28年10月28日付けで拒絶査定がされ、これに対して平成29年2月23日に審判の請求がされ、その後、当審において、平成30年2月14日付けで拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)が通知され、平成30年5月18日に意見書(以下、単に「意見書」という。)及び手続補正書が提出されたものである(以下、この手続補正書による手続補正を「本件補正」という。)。

第2.本願発明

本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりであると認める。

「【請求項1】
弁装置(22)であって、
ハウジング(30)と、流れ通路(38)と、該流れ通路(38)に配置された弁体(36)とを備え、該弁体(36)は、シール部分(34)を有し、該シール部分(34)は、前記弁装置(22)の閉鎖時に、ハウジング側のシール座(32)に接触しており、
前記シール部分(34)と前記シール座(32)とは、面状にかつ互いに平行に形成されており、共にシール領域(42)を形成しており、
前記弁装置(22)の閉鎖時に、前記流れ通路(38)内で前記シール領域(42)の直ぐ上流側に、泡壊室(44)が存在しており、該泡壊室(44)は、前記弁体(36)の運動軸線(50)に対して垂直な制限壁(48)と、該制限壁(48)に対して垂直に配置された衝突壁(46)とによって画定されている弁装置(22)において、
前記制限壁(48)と前記衝突壁(46)とは、共に、前記ハウジング側に形成されており、前記泡壊室(44)は前記ハウジング(30)に設けられた段状の凹部であり、
前記制限壁(48)の、前記運動軸線(50)に垂直な方向に延びる長さ(70)は、前記衝突壁(46)の、前記運動軸線(50)に平行な方向に延びる長さ(72)よりも長く形成されており、
前記シール座(32)に、前記制限壁(48)と反対の側に、流れ案内面(64)が続いており、前記衝突壁(46)と、前記シール座(32)と、前記流れ案内面(64)とは、共に前記ハウジング(30)側の突出部(66)を形成しており、
前記流れ案内面(64)は、前記シール座(32)の面状部分に対して20°から70°だけ傾けられており、
前記弁装置(22)は、前記弁体(36)を前記運動軸線(50)に沿ってガイドするために、前記ハウジング(30)に結合されたかまたは前記ハウジング(30)と一体に形成されたガイドエレメント(58)を有しており、
前記弁体(36)は、底部と壁部とを備えたポット状の構造を有しており、前記弁体(36)の半径方向外側に配置された前記ガイドエレメント(58)によって前記壁部に沿ってガイドされ、前記弁体(36)の底部の上流側に前記シール部分(34)が形成されており、前記弁装置(22)はコイルばねとして形成された弁ばねを有しており、前記コイルばねは、前記ポット状の構造内部を通って延在しており、前記底部の上流側に向けて前記弁体(36)に荷重を加えるように構成されている、
ことを特徴とする、弁装置。」

なお、請求項1の「前記底部の上流側で前記弁体(36)に荷重を加えるように構成」という記載は、以下の理由により「前記底部の上流側に向けて前記弁体(36)に荷重を加えるように構成」の誤記と認める(なお、下線は当審で付加した。)。
本願明細書及び図面には、「コイルばね」が「弁体」の「底部」より「上流側」にあって、その「上流側」で「前記弁体(36)に荷重を加えるように構成されている」という事項は記載されていない。むしろ、図2の記載からは、コイルばねで形成された弁ばね54が弁体36の底部より図視右側、すなわち下流側にあって、弁ばね54は弁体36の底部に対して下流側から上流側に向かう方向に荷重を加えるものであるという事項が看取できる。更に、明細書には、「本発明に係る弁装置は、特に逆止弁である。」(段落0007)、「弁装置22の機能は、高圧ポンプ24の圧送段階で開放して、圧送室23と高圧蓄圧器28との間に流体接続路を形成し、これによって、高圧蓄圧器28を、加圧された流体で満たすことができるようにすることにある。高圧ポンプ24の吸込み段階では、高圧蓄圧器28から圧送室23内への流体の望ましくない逆流を阻止するために、弁装置22が閉鎖されている。」(段落0025)との記載があり、流体の逆流を阻止する逆止弁である弁装置22において、弁体36に対し荷重を加える弁ばね54は弁体36の下流側にあって、この荷重を加える方向は弁の閉鎖方向、つまり「上流側」に向かう方向であることは、本願発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)にとって明らかなことである。
以上のことから、明細書及び図面の記載並びに出願時の技術常識を考慮すると、請求項1の上記記載は誤記であることは明らかであるので、本願発明は上記のとおりのものと認定する。

第3.拒絶の理由

当審拒絶理由のうち、理由4(進歩性)の概要は次のとおりのものである。

請求項1ないし10に係る発明は、本願の優先権主張の日(以下「優先日」という。)前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献1に記載された発明、及び引用文献2ないし5に記載された周知の事項に基づいて、優先日前に当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、請求項11に係る発明は、引用文献1に記載された発明及び引用文献6に記載された事項、並びに引用文献2ないし5に記載された周知の事項に基づいて、優先日前に当業者が容易に発明をすることができたものである。
したがって、請求項1ないし11に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1:独国特許出願公開第102011004993号明細書
引用文献2:特開2010-144754号公報
引用文献3:特開2009-257437号公報
引用文献4:特開平7-253170号公報
引用文献5:実願昭52-142909号(実開昭54-69407号)のマイクロフィルム
引用文献6:独国特許出願公開第102011005487号明細書

第4.引用文献等の記載

1.引用文献1

当審拒絶理由において引用された引用文献1には、図面とともに、次の(1)ないし(11)に示す事項が記載されている。なお、当該記載事項の後に続く括弧が付された日本語の記載は当審による訳であり、引用文献1のパテントファミリー文献である特表2014-506976号公報の記載を参考にすると共に、本願の国際出願日における明細書及び請求の範囲と引用文献1とで同一の用語については、本願の翻訳文における当該用語の訳に倣い、当審が作成したものである。また、当審訳における下線は、参考のため当審が付加したものである。

(1)「


(当審訳:[0001]本発明は、請求項1の前提部に記載の形式の弁装置並びに独立請求項に記載の流量制御弁に関する。)

(2)「


(当審訳:[0002]弁装置、例えば内燃機関の燃料システムにおける流量制御弁は、市場により公知である。このような弁装置はしばしば、シール部分でハウジング側のシール座に当接しこれにより弁装置を閉鎖することができる弁体を有している。シール座は例えば、偏平に、円筒状に、球状に、又は円錐状に形成されている。弁装置の閉鎖状態では、弁装置に接続された液圧管路内では圧力脈動が生じることがあり、これによりシール部分若しくはシール座の領域には液体蒸気(「蒸気泡」)が生じることがある。このような蒸気泡が内部崩壊する際にはいわゆるキャビテーション壊食が、周囲のハウジング及び/又は弁体の区分で生じる。)

(3)「


(当審訳:[0004]本発明による弁装置は、弁装置のシール座及び/又はシール部分の領域においてキャビテーション壊食に対する抵抗力が向上されるという利点を有している。この場合、流れ通路に沿った流量係数若しくは圧力低下、並びに弁行程、弁切換時間及び弁装置の疲労限度はほぼ変わっていない。

(4)「


(当審訳:[0005]本発明は、シール部分及びシール座によって形成されるシール領域におけるキャビテーション壊食に対する高い抵抗力と、弁装置の高い流量係数とは、相反する要求であろうとの考えを起点としている。確かに、シール領域のすぐ上流に前置された面取部又は丸み部分によって、弁行程を変更せずに、弁装置の流量係数を高めることは可能である。しかしながらこれにより、弁装置の閉鎖時に、シール部分とシール座との間に横断面楔形のギャップが生じる。その都度の圧力に応じて、キャビテーション効果により生じる流体の気泡はこのギャップが最終地点であり、従って比較的迅速に崩壊し、これはシール部分及び/又はシール座の壊食につながる恐れがある。)

(5)「


(当審訳:[0006]本発明によれば、弁装置は、弁装置の閉鎖時における流れ通路内のシール領域の直ぐ上流側に泡壊室を有している。この場合、泡壊室の制限壁は、シール領域に隣接している衝突壁によって形成されており、該衝突壁は少なくとも所定の領域で、前記シール領域の法線に対して、流れ方向に最大15°から、流れ方向とは逆方向に最大60°までの角度で傾けられている。泡壊室の別の制限壁は、例えば、シール領域に対してほぼ平行に延びていて、これにより、シール領域の上流には前置された段部が生じる。弁装置の開放状態では、流れは、泡壊室の領域で、シール部分若しくはシール座に対してほぼ平行に変向することができるので、シール領域はほぼその横断面全体で貫流される。)

(6)「


(当審訳:[0030]図2には、図1の弁装置22の第1の構成が概略的な断面図で示されている。弁装置22の図示された部材は、長手方向軸線29を中心としてほぼ回転対称的に構成されていて、シール座32を備えたハウジング30を有しており、シール座32には、弁装置22の閉鎖状態で、弁体36のシール部分34が当接することができる。しかしながら図2では弁装置22は開放されていて、即ち、弁体36はシール座32から軸方向に持ち上げられている。弁装置22内には流れ通路38が形成されていて、この流れ通路38を通って図示の開放状態で、流体、この場合、燃料が、矢印40に沿って流れる。)

(7)「


(当審訳:[0031]シール座32とシール部分34とは、面状にかつ互いに平行に形成されていて、共にシール領域42を形成している。シール領域42の上流には、ハウジング30に設けられた段状の凹部によって、泡壊室44が形成されている。この泡壊室44は、シール領域42若しくはその平面から直角に延在する衝突壁46によって制限される。流れ通路38に沿った2つの点線48は、特に高い流速を有する流れ通路38の横断面を制限している。両点線48の間の間隔は、シール領域42の下流で、寸法50によって示されている。)

(8)「


(当審訳:[0032]矢印40に沿って燃料は図2のほぼ左側から右側に流れることが判る。この場合、流れはまず、ほぼ水平に延びていて、次いで、弁体36の手前で半径方向外側に向かって変向される。流れの変向は、泡壊室44の液圧作用により、縁部52の下流で比較的早期に少ない損失で行われる。寸法50は、シール座32とシール部分34との間の軸方向間隔よりも僅かに小さいので、燃料は比較的迅速に、シール領域42を通って流れることができ、弁装置22の流量係数は相応に良好である。)

(9)「


(当審訳:[0033]図3には、図2の弁装置22が閉鎖状態で示されている。弁体36のシール部分34はシール座32に当接しているので、流体の貫流はほぼ行われない。図面で見て弁体36の左側における流れ通路38の終端領域には、蒸気泡54を持った領域が示されている。蒸気泡54は、圧力脈動の結果としてのキャビテーション効果により形成されたものである。蒸気泡54は比較的大きな面積で弁体36に接しているか、又は、少なくとも密に隣接している。)

(10)「


(当審訳:[0034]蒸気泡54が破裂して内部崩壊する際には、この場合に生じる衝撃負荷は、弁体36若しくは衝突壁46の比較的大きな面積に分配されるので、キャビテーション壊食は著しく減じられる。特に、弁装置22は、蒸気泡54の周りに、場合によっては特にキャビテーション壊食に対して敏感な、狭められた(楔形の)空間区分を有していない。)

(11)「


(当審訳:特許請求の範囲
1.流体を制御する又は調量する弁装置(22)であって、ハウジング(30)と、流れ通路(38)と、該流れ通路(38)内に配置された弁体(36)とを備え、該弁体(36)は、シール部分(34)を有し、該シール部分(34)は、前記弁装置(22)の閉鎖時に、ハウジング側のシール座(32)に接触しており、前記シール部分(34)と前記シール座(32)とは、共にシール領域(42)を形成している弁装置(22)において、前記弁装置(22)の閉鎖時に、前記流れ通路(38)内で前記シール領域(42)の直ぐ上流側に、泡壊室(44)が存在しており、該泡壊室(44)は衝突壁(46)によって制限されており、該衝突壁(46)は少なくとも所定の領域で、前記シール領域(42)の法線(58)に対して、流れ方向(40)に最大15°から、流れ方向(40)とは逆方向に最大60°までの角度で傾けられていることを特徴とする、弁装置。)

更に、引用文献1の上記記載及び図面の記載から、次の(12)ないし(14)に示す事項が理解できる。

(12)上記(6)における、弁装置22の図示された部材は、長手方向軸線29を中心としてほぼ回転対称的に構成されているとの記載、及び弁装置22の開放状態及び閉鎖状態をそれぞれ示した図2ないし3の記載から、長手方向軸線29は弁体36の運動軸線であるといえる。

(13)上記(7)及び図2ないし3の記載から、泡壊室44を形成する、ハウジング30に設けられた段状の凹部は、長手方向軸線29に対して垂直な壁(以下、便宜上、該壁を「壁A」という。)と、該壁Aに対して垂直に配置された衝突壁46とによって画定され、壁Aと衝突壁46とは、共に、ハウジング30側に形成されているといえる。そうすると、上記(12)から、泡壊室44は、弁体36の運動軸線に対して垂直な壁Aと、該壁Aに対して垂直に配置された衝突壁46とによって画定され、また、壁Aは前記運動軸線に垂直な方向に延び、衝突壁46は前記運動軸線に平行な方向に延びているといえる。

(14)図2ないし3の記載から、シール座32に、壁Aと反対の側に、シール座32の面状部分に対して垂直な面(以下、便宜上、該面を「面B」という。)が続いていることが看取でき、衝突壁46と、シール座32と、面Bとは、共にハウジング30側の突出部を形成しているといえる。

上記(1)ないし(14)からみて、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。

【引用発明】
「弁装置22であって、
ハウジング30と、流れ通路38と、該流れ通路38に配置された弁体36とを備え、該弁体36は、シール部分34を有し、該シール部分34は、前記弁装置22の閉鎖時に、ハウジング側のシール座32に接触しており、
前記シール部分34と前記シール座32とは、面状にかつ互いに平行に形成されており、共にシール領域42を形成しており、
前記弁装置22の閉鎖時に、前記流れ通路38内で前記シール領域42の直ぐ上流側に、泡壊室44が存在しており、該泡壊室44は、前記弁体36の運動軸線に対して垂直な壁Aと、該壁Aに対して垂直に配置された衝突壁46とによって画定されている弁装置22において、
前記壁Aと前記衝突壁46とは、共に、前記ハウジング側に形成されており、前記泡壊室44は前記ハウジング30に設けられた段状の凹部であり、
前記壁Aは前記運動軸線に垂直な方向に延び、前記衝突壁46は前記運動軸線に平行な方向に延びており、
前記シール座32に、前記壁Aと反対の側に、シール座32の面状部分に対して垂直な面Bが続いており、
前記衝突壁46と、前記シール座32と、前記面Bとは、共に前記ハウジング30側の突出部を形成している、弁装置22。」

2.引用文献2

当審拒絶理由において周知の事項を示す文献として引用された引用文献2には、図面とともに、以下の記載がある。

(1)「【0008】
・・・図1において、・・・、入口1と出口3の間に設けた環状弁座5、環状弁座5の出口3側に配置した平板状の弁体6、・・・とでばね付勢逆止弁を構成する。入口部材2と出口部材4で弁ケーシングを形成し、内部に弁室8を形成し、入口部材2の弁室8側端部に環状弁座5を取り付ける。環状弁座5は・・・弁室8内に配置した平板状の弁体6と一端側のシール面を当接させる。」

(2)上記(1)及び図1の記載から、環状弁座5は弁ケーシングを形成する入口部材2の弁室8側に突出する部材であり、弁体6は環状弁座5のシール面に向かって平面状であって、環状弁座5を越えて側方に張り出したものであり、環状弁座5の弁出口側(下流側)の面がシール面に対して傾けられた面であることが理解できる。

3.引用文献3

当審拒絶理由において周知の事項を示す文献として引用された引用文献3には、図面とともに、以下の記載がある。

(1)「【0008】
入口1を有する入口側部材2と出口3を有する出口側部材4をねじ結合して入口1と出口3の間に弁室5を有する弁ケーシングを形成する。入口側部材2の内端に環状の溝を形成し、その溝に合成ゴムで形成した環状弁座6を嵌合する。環状弁座6を開閉するディスク状弁体7を弁室5内に配置する。・・・」

(2)上記(1)及び図1の記載から、環状弁座6は弁ケーシングを形成する入口側部材2の弁室5側に突出する部材であり、ディスク状弁体7は環状弁座6の弁座面に向かって平面状であって、環状弁座6を越えて半径方向外側に張り出したものであり、環状弁座6の弁出口側(下流側)の面が弁座面に対して傾けられた面であることが理解できる。

4.引用文献4

当審拒絶理由において周知の事項を示す文献として引用された引用文献4には、図面とともに、以下の記載がある。

(1)「【0003】従来の流量制御弁における弁座及び弁体部分の構造を図5に断面図で示す。弁座70は、弁体71と当接する突端72と、突端72の外側に設けられた、弁座70と反対側が拡径される外周面73と、外周面73の外側に設けられた、ほぼ平坦な平坦面74とを有している。弁体71の下面75は、平坦に形成されている。・・・」

(2)上記(1)及び図5の記載から、弁体71は弁座70の突端72に向かって平面状であって、突端72を越えて半径方向外側に張り出しており、突端72の外側に設けられた外周面73は突端72に対して傾けられた面であることが理解できる。

5.引用文献5

当審拒絶理由において周知の事項を示す文献として引用された引用文献5には、図面とともに、以下の記載がある。

(1)「2.実用新案登録請求の範囲
冷凍用圧縮機において、弁座頂面から外側へ弁と弁座のすきまが漸次大きくなる弁通路を設けたことを特徴とする圧縮機の弁装置。」(明細書第1ページ第4ないし7行)

(2)「第2図に従来の吐出孔を示す。一般に、弁4と弁座頂面14の間のすきまは小さく弁出口では高速流となっている。この高速流は弁座端面16で急激に断面拡大しているため、高速流となり、圧力回復がみられず、ほとんど損失となり、流通抵抗を増し弁損失を大きくするという欠点があった。吸入弁通路における流通抵抗はシリンダ内の圧力を吸入圧力より低下させる原因となり、容積効率を低下させる原因となっている。」(明細書第2ページ第11ないし16行)

(3)「本考案は上記の欠点および要求に鑑み考案せられたもので、即ち、冷凍用圧縮機の弁座板の弁座頂面より外側構造を漸次なめらかに弁通路を拡大せるようにして、ディフューザ効果を得ることにより、圧力回復をはかり弁通路損失を減少して、圧縮機の性能を向上させるようとするものである。
以下本考案の実施例を第3図につき吐出弁に関して説明する。吐出弁においてはピストン1の運動につれシリンダ2内圧力は高くなり、シリンダ内気体10は吐出孔6から弁4と弁座14及びテーパ部15の間の弁通路15aを通過して吐出室11へ吐出される。弁座頂面14と弁4の間はきわめて高速流であり、場合によっては数十m/Sにも達することになる。従って、この高速噴流のまま弁から流出すると、この高速エネルギーはすべて渦拡散により熱エネルギーとなり漏散してしまう。更に圧力の回復もみらするので弁の流通抵抗は大きくなり、弁損失が増加をきたす。本考案では弁座頂面から漸次なめらかにして流路を拡大しているので、弁出口での流速をかなり低速にでき、従って損失も減ると同時に弁4とテーパ部15の間のディフューザ効果により圧力の回復をはかることができるから流通抵抗を大巾に減少することができ、圧縮機の性能を向上することができる。」(明細書第3ページ第6行ないし第4ページ第10行)

(4)上記(3)及び第3図の記載から、弁4は弁座14に向かって平面状であって、弁座14を越えて半径方向外側に張り出しており、弁座14の弁出口側(下流側)が弁座頂面14に対して傾けられたテーパ部15であることが理解できる。

6.文献ア

本願の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった独国特許発明第971796号明細書(以下「文献ア」という。)には、図面とともに、以下の記載がある。

(1)「

」(第3ページ左欄第23ないし34行)
(当審訳:ポンプピストンと同軸に、圧力弁6が配置され、圧力弁6は、ねじ7に支持された圧縮ばね8に対して装填される。ねじ7を介して、圧力弁6のための円筒状のガイド9とポンプピストンブッシュ4とが同時にハウジングに固定され、10はシールを表す。
圧力弁6はフラットシート弁として設計され、ポンプピストンブッシュ4の端面11に直接着座し、それによって弁座自体を形成する。)

(2)上記(1)及び図1ないし2の記載から、圧力弁6の運動軸線に沿って圧力弁6をガイドするガイド9がハウジング内に固定され、圧力弁6は、底部と壁部とを備えたポット状の構造を有しており、圧力弁6の半径方向外側に配置されたガイド9によって圧力弁6の壁部に沿ってガイドされ、圧力弁6の底部の上流側に、ポンプピストンブッシュ4の端面11に着座する部分が形成されており、圧縮ばね8は、コイルばねとして形成され、圧力弁6のポット状の構造内部を通って延在しており、圧力弁6の底部の上流側に向けて圧力弁6に荷重を加えるように構成されていることが理解できる。

7.文献イ

本願の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開昭59-23059号公報(以下「文献イ」という。)には、図面とともに、以下の記載がある。

(1)「デリバリバルブ10は円筒状の弁ボディ14を有し、この弁ボディ14には便宜上周フランジ15が備えられている。この周フランジ15は噴射ポンプ11の一部をなす構成部位によって形成された2つの面の間で挾持されている。弁ボディ14は、収容室内に配置されており、この収容室からは上記導管12に接続される通路が延びている。
弁ボディ14内に形成された穴にはカップ状をなした弁部材17が摺動自在に嵌合されている。この弁部材17は収容室内の受部19と弁部材17の基部壁の内面との間に配置されたコイル圧縮ばね18により付勢されている。弁部材17の基部壁の外面には環状の突出部20が形成され、この突出部20は噴射ノズル11を構成する前記一方の構成部位により規定された面に着座可能となっている。この突出部20が上記面に着座されたとき、突出部20は噴射ポンプの吐出口を構成する通路の入口を囲んで閉塞する。」(第2ページ右下欄第15行ないし第3ページ左上欄第14行)

(2)上記(1)及び図面の記載から、弁部材17の半径方向外側に配置された弁ボディ14は、噴射ポンプ11の一部をなす構成部位によって形成された2つの面の間で挾持され、弁部材17は、底部と壁部とを備えたポット状の構造を有しており、前記底部の上流側に噴射ポンプ11を構成する一方の構成部位により規定された面に着座する突出部20が形成されており、コイル圧縮ばね18は、弁部材17のポット状の構造内部を通って延在しており、弁部材17の底部の上流側に向けて弁部材17に荷重を加えるように構成されていることが理解でき、また、弁ボディ14内に形成された穴に弁部材17が摺動自在に嵌合されていることから、弁ボディ14は、弁部材17の壁部に沿って、すなわち弁部材17の運動軸線に沿って、弁部材17をガイドするものであるといえる。

8.文献ウ

本願の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった国際公開第2010/095247号(以下「文献ウ」という。)には、図面とともに、以下の記載がある。

(1)「[0042] ・・・弁体ハウジング8d及びシート部材8Aは、金属製のポンプハウジング1の内部に圧入され、固定されている。弁体8bは、弁体ハウジング8dの内部に摺動可能に保持されている。図において、Z軸方向が、弁体8bの摺動方向である。弁体8bと弁体ハウジング8dの間には、吐出弁ばね8cが挿入されている。吐出弁ばね8cは、燃料流入方向と逆方向に、弁体8bを付勢している。・・・」

(2)「[0043] 弁体8bおよび弁体ハウジング8dは円筒状である。・・・弁体ハウジング8dは、図示の左方向からポンプハウジング1の内部に圧入され、弁体ハウジング8dのフランジ部8d3が円周段付部1aに当接することで、位置決めされる。」

(3)「[0045] また、弁体ハウジング8dの内周には、円筒状のガイド部8d5が形成されている。・・・」

(4)「[0046] ・・・弁体8bは、ガイド部8d5によってガイドされ、Z軸方向に往復動可能である。・・・」

(5)「[0047] 弁体8bの左側端面(シート部8aと対抗する面)は、平面であるとともに、その中央部に凹部8b1が形成されている。凹部8b1の周囲は、リング状の平面であり、弁座8b2となる。」

(6)「[0049] 弁体8bの弁座8b2の面は、弁体8bの軸方向(弁体8bが往復動する方向:Z軸方向)に直交する平面と平行であり、また、弁座8b2が当接するシート部8aの面も、弁体の軸方向に直交する平面と平行であり、本実施形態の弁はフラット弁である。」

(7)上記(1)ないし(6)及び図2ないし3の記載から、弁体8bが往復動するZ軸方向、すなわち弁体8bの運動軸線に沿って弁体8bをガイドするガイド部8d5が形成された弁体ハウジング8dがポンプハウジング1に固定され、弁体8bは、底部と壁部とを備えたポット状の構造を有しており、弁体8bの半径方向外側に配置された弁体ハウジング8dのガイド部8d5によって弁体8bの壁部に沿ってガイドされ、弁体8bの底部の上流側に弁座8b2が形成されており、コイルばねとして形成された吐出弁ばね8cは、弁体8bのポット状の構造内部を通って延在しており、弁体8bの底部の上流側に向けて弁体8bに荷重を加えるように構成されていることが理解できる。

第5.対比

本願発明と引用発明とを対比すると、引用発明の「弁装置22」は本願発明の「弁装置(22)」に相当し、以下同様に、「ハウジング30」は「ハウジング(30)」に、「流れ通路38」は「流れ通路(38)」に、「弁体36」は「弁体(36)」に、「シール部分34」は「シール部分(34)」に、「シール座32」は「シール座(32)」に、「シール領域42」は「シール領域(42)」に、「泡壊室44」は「泡壊室(44)」に、「弁体36の運動軸線」は「弁体(36)の運動軸線(50)」に、「壁A」は「制限壁(48)」に、「衝突壁46」は「衝突壁(46)」にそれぞれ相当する。
引用発明の「面B」と、本願発明の「流れ案内面(64)」とは、「前記シール座(32)に、前記制限壁(48)と反対の側に」「続いて」いる「面」である点で共通する。
そうすると、引用発明の「前記シール座32に、前記壁Aと反対の側に、シール座32の面状部分に対して垂直な面Bが続いており、前記衝突壁46と、前記シール座32と、前記面Bとは、共に前記ハウジング30側の突出部を形成している」ことと、本願発明の「前記シール座(32)に、前記制限壁(48)と反対の側に、流れ案内面(64)が続いており、前記衝突壁(46)と、前記シール座(32)と、前記流れ案内面(64)とは、共に前記ハウジング(30)側の突出部(66)を形成して」いることとは、「前記シール座(32)に、前記制限壁(48)と反対の側に、面が続いており、前記衝突壁(46)と、前記シール座(32)と、前記面とは、共に前記ハウジング(30)側の突出部(66)を形成している」点で共通する。

以上のことから、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。

【一致点】
「弁装置(22)であって、
ハウジング(30)と、流れ通路(38)と、該流れ通路(38)に配置された弁体(36)とを備え、該弁体(36)は、シール部分(34)を有し、該シール部分(34)は、前記弁装置(22)の閉鎖時に、ハウジング側のシール座(32)に接触しており、
前記シール部分(34)と前記シール座(32)とは、面状にかつ互いに平行に形成されており、共にシール領域(42)を形成しており、
前記弁装置(22)の閉鎖時に、前記流れ通路(38)内で前記シール領域(42)の直ぐ上流側に、泡壊室(44)が存在しており、該泡壊室(44)は、前記弁体(36)の運動軸線(50)に対して垂直な制限壁(48)と、該制限壁(48)に対して垂直に配置された衝突壁(46)とによって画定されている弁装置(22)において、
前記制限壁(48)と前記衝突壁(46)とは、共に、前記ハウジング側に形成されており、前記泡壊室(44)は前記ハウジング(30)に設けられた段状の凹部であり、
前記シール座(32)に、前記制限壁(48)と反対の側に、面が続いており、前記衝突壁(46)と、前記シール座(32)と、前記面とは、共に前記ハウジング(30)側の突出部(66)を形成している、弁装置。」

【相違点1】
本願発明では、「前記制限壁(48)の、前記運動軸線(50)に垂直な方向に延びる長さ(70)は、前記衝突壁(46)の、前記運動軸線(50)に平行な方向に延びる長さ(72)よりも長く形成」されているのに対して、引用発明では、「前記壁Aは前記運動軸線に垂直な方向に延び、前記衝突壁46は前記運動軸線に平行な方向に延び」るものであるが、それらの長さについては、壁Aの運動軸線に垂直な方向に延びる長さは、衝突壁46の運動軸線に平行な方向に延びる長さよりも長く形成されているか不明である点。

【相違点2】
「前記シール座(32)に、前記制限壁(48)と反対の側に」続く面であって、「前記衝突壁(46)と、前記シール座(32)と」「共に前記ハウジング(30)側の突出部(66)を形成」する面が、本願発明では「前記シール座(32)の面状部分に対して20°から70°だけ傾けられ」た「流れ案内面(64)」であるのに対し、引用発明では「シール座32の面状部分に対して垂直な面B」である点。

【相違点3】
本願発明では、「前記弁装置(22)は、前記弁体(36)を前記運動軸線(50)に沿ってガイドするために、前記ハウジング(30)に結合されたかまたは前記ハウジング(30)と一体に形成されたガイドエレメント(58)を有しており」、「前記弁体(36)は、底部と壁部とを備えたポット状の構造を有しており、前記弁体(36)の半径方向外側に配置された前記ガイドエレメント(58)によって前記壁部に沿ってガイドされ、前記弁体(36)の底部の上流側に前記シール部分(34)が形成されており、前記弁装置(22)はコイルばねとして形成された弁ばねを有しており、前記コイルばねは、前記ポット状の構造内部を通って延在しており、前記底部の上流側に向けて前記弁体(36)に荷重を加えるように構成されている」という構成を有しているのに対し、引用発明では当該構成を有していない点。

第6.判断

1.相違点1について

引用文献1の段落0006(上記第4.1.(5)参照)には、弁装置の開放状態において、流体の流れは、泡壊室の領域で、シール部分又はシール座に対してほぼ平行に変向することができるので、シール領域はほぼその横断面全体で貫流されるということが記載されている。つまり、引用文献1には、弁装置の開放時にシール領域を流れる流体の向きは、シール領域を形成する弁体のシール部分及びハウジングのシール座の平面に対して平行な向きとすべきであることが開示されているといえる。弁装置の開放時における流体の向きは、引用文献1の段落0032(上記第4.1.(8)参照)及び図2に記載されるように、弁体36の手前で半径方向外側に向かって変向され、泡壊室44において上記平行な向きに近づいていくのであるから、当該平行な向きとなる位置にシール領域42が形成されるよう、(シール部分34を有する弁体36はシール座32に向かって平面状であるので)シール座32を有するハウジング30側の突出部の形成位置、つまり壁Aの長さを最適化することは、引用文献1の上記開示内容に接した当業者であれば適宜なし得ることであって、その結果として、壁Aの長さを衝突壁46の長さよりも長く形成するか否かは、当業者が実験等に基づいて適宜設計し得ることである。

2.相違点2について

シール座に向かって平面状であって、シール座を形成するハウジング側の突出部を越えて半径方向外側に張り出した弁体を備えた弁装置において、該ハウジング側の突出部の弁出口側(下流側)の面を、シール座の面状部分に対して傾けられた流れ案内面とすることは、例えば、当審拒絶理由において引用された引用文献2ないし5(上記第4.2.ないし5.をそれぞれ参照)に記載されるように、当業者にとって周知の事項であり、弁装置における流通抵抗を減少させることは自明な課題であるから(必要があれば、上記第4.5.(2)ないし(3)参照)、上記課題を解決するため引用発明に上記周知の事項を適用し、シール座32の面状部分に対して垂直な面Bを、シール座32の面状部分に対して傾斜させた流れ案内面とする構成とすることは、当業者が適宜なし得ることであって、その傾斜角度を「20°から70°」の範囲とすることも、上記課題を解決するために当業者が適宜なし得る数値範囲の最適化又は好適化にすぎない。

3.相違点3について

弁装置、特に逆止弁の技術分野において、開放時及び閉鎖時に「弁体」を運動軸線に沿って摺動させるための「弁ばね」及び「ガイドエレメント」についての相違点3に係る上記構成は、例えば、文献アないしウ(上記第4.6.ないし8.をそれぞれ参照)に記載されるように周知の事項であり、当該構成によって「弁体」の滑らかな摺動及び確実な閉鎖が達成されることも当業者にとって明らかなことである。
引用発明では、弁体36を開弁時及び閉弁時に運動軸線に沿って摺動させるための構成が不明であるが、引用発明も逆止弁の発明であるので技術分野が共通し、更に逆止弁の弁体を滑らかに摺動させ、確実に閉鎖させることは、当該技術分野において自明の課題であるから、上記課題を解決するため引用発明に上記周知の事項を適用し、相違点3に係る上記構成を有するものとすることは、当業者が適宜なし得ることであり、この引用発明への適用に当たり困難性は何ら見いだせない。

4.効果について

本願発明の相違点1に係る構成について、流体の流れが弁体(36)の手前で半径方向外側に向かって変向され、シール領域(42)を形成する弁体(36)のシール部分(34)及びハウジング(30)のシール座(32)の平面に対して平行な向きとなる位置は、泡壊室(44)の形状以外に、例えば、流体の特性(速度、粘度等)、弁体(36)のリフト量に影響され、制限壁(48)の長さを衝突壁(46)の長さよりも少しでも長く形成すれば、それによって必ずシール領域(42)における流体の向きが上記平行な向きになるものであるとはいえないのであるから、本願発明の相違点1に係る構成は、格別顕著な効果をもたらすものではない。また、上記1.のとおり、引用文献1の段落0006には、シール領域42における流体の向きを上記平行な向きとすることで、流体はシール領域の横断面全体で貫流されることが記載されているから、本願発明の相違点1に係る構成による効果は、引用発明から予測される以上の顕著性を有するものではない。
本願発明の相違点2に係る構成により流れ損失を抑制できるという効果は、当業者にとって自明なものであって(必要があれば、上記第4.5.(2)ないし(3)参照)、格別顕著な効果であるとはいえない。また、上記2.のとおり、傾斜角度は当業者が適宜設計し得ることであって、「20°から70°」の範囲とすることに格別顕著な効果は見いだせない。
請求人は意見書において、当審拒絶理由の理由4(進歩性)について、本願発明は特に相違点3に係る構成を有することにより、「弁体の各構成要素の動きを滑らかにし、弁ばねで荷重を加えることにより、弁体の閉鎖時に流体の流れを止め、確実にシールすることができるという作用効果があります。」、「引用文献1乃至6の記載内容から、本願発明の上記作用効果を予測することは困難です。」旨を主張する。しかし、上記3.のとおり、当該構成は周知の事項であり、その効果も当業者にとって自明なものにすぎず、技術水準から予測される範囲を超えた顕著なものであるとはいえない。
以上のことから、本願発明の効果は、引用発明及び上記周知の事項から予測される範囲を超えた顕著なものであるとはいえず、請求人の上記主張は採用できない。

第7.むすび

以上のとおり、本願発明は、引用発明及び上記周知の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2018-07-10 
結審通知日 2018-07-17 
審決日 2018-07-30 
出願番号 特願2015-543356(P2015-543356)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (F16K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 北村 一  
特許庁審判長 中川 真一
特許庁審判官 永田 和彦
久保 竜一
発明の名称 弁装置  
代理人 前川 純一  
代理人 二宮 浩康  
代理人 アインゼル・フェリックス=ラインハルト  
代理人 上島 類  

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