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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1346993
審判番号 不服2017-16853  
総通号数 230 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-02-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-11-13 
確定日 2018-12-11 
事件の表示 特願2016-545740「照光式入力装置およびキーボード」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 4月 2日国際公開、WO2015/047661、平成28年10月13日国内公表、特表2016-532232〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続きの経緯
本願は、2014年(平成26年)8月29日(優先権主張2013年9月30日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成29年3月23日付けで拒絶理由が通知され、同年6月27日付けで手続補正され、同年7月11日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年11月13日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、同時に手続補正がされたものである。


第2 平成29年11月13日にされた手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成29年11月13日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。)
「コンピューティングデバイスと共に使用される照光式入力装置であって、
複数のキーを備え、それぞれのキーは、
上面と、前記上面に形成される表記開口であって、島部と該島部に接続するブリッジ部とにより一部が確定される表記開口と、を有する金属キーキャップと、
前記表記開口内の表記拡散体材料と、
前記金属キーキャップを支持し、前記金属キーキャップに力が加わった場合に垂直につぶれるように構成された圧縮可能な機構と、
オン状態及びオフ状態を有し、前記表記開口を通して光を伝達するように向いている、光源と、
を含む、照光式入力装置。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、平成29年6月27日付けでされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「コンピューティングデバイスと共に使用される照光式入力装置であって、
複数のキーを備え、それぞれのキーは、
上面を有する金属キーキャップと、
前記金属キーキャップ内に形成された表記開口と、
前記表記開口内の表記拡散体材料と、
前記金属キーキャップを支持し、前記金属キーキャップに力が加わった場合に垂直につぶれるように構成された圧縮可能な機構と、
オン状態及びオフ状態を有し、前記表記開口を通して光を伝達するように向いている、光源と、
を含む、照光式入力装置。」

2 補正の適否
本件補正の上記補正事項は、本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「上面を有する金属キーキャップ」と「前記金属キーキャップ内に形成された表記開口」について、「上面と、前記上面に形成される表記開口であって、島部と該島部に接続するブリッジ部とにより一部が確定される表記開口と、を有する金属キーキャップ」のように限定を付加するものであって、補正前の請求項1に係る発明と補正後の請求項1に係る発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、特許法第17条の2第3項、第4項に違反するところはない。
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本件補正発明」という。)が、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。

(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。

(2)引用文献等の記載事項

ア 引用文献1
(ア)原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に頒布された引用文献である、特表2006-521664号公報(以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の記載がある。(下線部は、当審で注目する箇所を示す。以下同様。)
「【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の側面によれば、背面照明下で知覚可能なキャラクターの視覚的トレースを提供する、移動装置のためのキー・キャップが提供され、前記キー・キャップは、全体として前記トレースを画定するようになっているスポットライト出口を提供する複数の穴を画定する。
【0005】
前記スポットライト出口は、キャラクターのトレースが首尾一貫して見えるようにトレースを全体として画定するのが有利である。例えば、キー・キャップの完全性を保つように特別の無穿孔領域を残す必要は無く、前記穴は貫通穴であってよい。
【0006】
前記穴は、前記トレースに沿って光通過トラックを画定することにより前記トレースを画定することができる。或いは、それ自体がその周りの領域よりも少なく光を通す光通過領域を前記トレースの周りに画定してキャラクターの逆被照明トレースを画定することによって前記トレースを画定してもよい。前記トレースは、暗がりでは光を通す複数の穴の明るいトラックとして示されうる。或いは、前記トレースは、前記トレースの周りの光を通す複数の穴の間の暗いトラックとして示されうる。
【0007】
キー・キャップは、金属などの不透明な材料から成っていて良い。その金属は、皮膚刺激の危険の低い高級な金属外観を生じさせるために貴金属であるのが有利である。有利なことに、必ずしもいろいろな材料を結合させなくてもよいが、照明される記号説明を有する全金属キーを有する移動装置を作ることが可能であろう。その様なキーは、本来強健であり、再利用しやすく、リサイクルしやすい。再利用及びリサイクルが容易であるということは、特にキー・キャップのための材料として貴金属が使用されるときに貴重である。
【0008】
穴は、0.02mmより大きな直径を持つことができる。直径は、0.5又は1mm未満であってもよい。好ましくは、直径は0.02乃至3mmである。高品質な外観を与えられて照明スポット同士が互いに合併するように見えるように、直径が小さいほど、キー・キャップはより多くの穴を互いに接近させて画定することができる。穴の直径は、穴の周りの材料の厚さより小さくてもよい。有利なことに、穴の管状の形状は、光が1つの共通の照明されている表面から屈折するのではなくて多数の割合に小さな穴から抜け出してくるように見えるという特別の視覚効果を提供する。
【0009】
有利なことに、“0”或いは“6”などの輪のあるキャラクターの中央部分又は島状部分を定位置に保つために支持層は不要である。キャラクターは、数字、アルファベット或いは他のキャラクターであって良い。
【0010】
キー・キャップは、更に、前記トレースが日中に見えるようにキャラクターのトレースを更に画定する溝を含むことができる。前記溝を、少なくとも穴の一部分と整列させることができる。有利なことに、前記溝は、背面照明が見えないときに容易に知覚される連続線を画定することができる。
【0011】
或いは、穴は、日中にキャラクターを認識しやすいように拡大された口を含んでもよい。」

「【0021】
穴を通過するバックライトが拡散的に屈折して前記光の視角を増大させるように、透明な材料で穴を塞ぐことができる。その透明な材料は、この広がり屈折を提供するように、不均一な屈折率及び/又は平らでない表面を有することができる。
【0022】
通過する光を拡散させるために穴を塞ぐことは、塵埃遮断と同じように実行されうる。透明、半透明又は真珠光沢のある材料などの光を通過させる材料を、穴を塞ぐのに用いることができる。透明な材料は半透明な樹脂であって良い。或いは、透明な材料は少なくともある程度は透明なインクを含むことができる。透明な材料は、フィラーも含むことができる。前記フィラーは、反射率を高める粒子又は顔料を含むことができる。これにより、キャラクターのより良好な昼光外観を提供することができる。前記フィラーは、色を変化させ或いは暗がりで伝わった光を反射し回折させる粒子又は顔料を含むことができる。これは、提供される視覚的効果を更に高め、且つ/又は、暗がりにおいて背面照明下でキャラクターを容易に知覚しうる画角を大きくすることができる。
【0023】
フィラーは、金属粒子或いは雲母粒子などの光の散乱を増大させる物質を含むことができる。従って、穴から出てくる光を拡散させるために不均一な光の反射を更に採用することができる。更に、散乱は、日中におけるキャラクターの知覚を容易にするであろう。
・・・(中略)・・・
【0026】
穴は彫刻の底から延在してよく、透明な材料は実質的に彫刻を満たして穴を塞いでよい。彫刻は、日中の視覚キャラクターを提供するだけではなくて、穴を容易に塞げるようにもするので、穴の直径は透明な材料で塞ぐのに適する直径よりも小さくてもよい。例えば、流体相の透明材料の粘度と彫刻及び穴の寸法とは、透明な材料が穴を通って流れることなく彫刻を満たしうるようにセットされてよい。これは、もしそうでなければ、ある程度だけ満たされていろいろな隙間が残っている幾つかの穴と、いろいろな穴を通るバックライトの不均一な屈折とによって引き起こされる可能性のある不整合を除去する。
【0027】
本発明の第2の側面により、電気的スイッチと、背面照明下で知覚可能なキャラクターの視覚トレースを提供するキー・キャップとを含むスイッチ装置が提供され、前記キー・キャップは、全体として前記トレースを画定するようになっているスポットライト出口を提供する複数の穴を画定し、前記キー・キャップは前記キー・キャップで前記スイッチを作動させることができるように前記スイッチに関して可動である。
【0028】
スイッチは膜スイッチを含むことができ、キー・キャップは前記スイッチを作動させるための記号説明とは違う側のスイッチ操作突起を含む。有利なことに、膜スイッチは、直接に回路基板上に設けることのできるスペース効率の良い信頼できるスイッチ装置を提供する。
【0029】
スイッチとキー・キャップとのうちの一方は、キー・キャップ作動時にスイッチに伝わる力を制限するように構成された弾力のある作動伝動部材を含むことができる。有利なことに、スイッチを作動させるために必要な部分は、過剰な力からスイッチを保護するように力制限器として二つの役割を果たすことができる。弾力のある作動伝動部材は、キー・キャップが作動されるときにスイッチにおいて接触を生じさせるように構成された電気伝導表面を含むことができる。
【0030】
スイッチ装置は、穴を介してユーザの方に光を伝える光ガイドを更に含むことができる。
【0031】
本発明の第3の側面により、バックライト照明器と、背面照明下で知覚可能なキャラクターの視覚トレースを提供するキー・キャップとを含む移動通信装置が提供され、前記キー・キャップは、全体として前記トレースを画定するようになっているスポットライト出口を提供する複数の穴を画定し、前記照明器は、前記穴とスポットライト出口とを通して光を放射するように構成されている。
【0032】
本発明の第4の側面により、移動通信装置のためのキー・キャップを製造する方法が提供され、この方法は、背面照明下で全体としてキャラクターの視覚トレースを画定するスポットライト出口を提供するためにキー・キャップに複数の穴を開けることを含む。
【0033】
暗がりでは背面照明により、また日中は溝によってキャラクターのトレースを見ることができるように、スチールなどの金属から背面照明能力をキー・キャップに与えることができる。ループを有する“0”或いは“6”などのキャラクターの中心部分を定位置に保つプラスチックに依拠することを必要とせずに高品質の仕上げを提供することができる。
【0034】
この方法は、日中に前記トレースを見えやすくするようにキー・キャップを彫刻することを含むことができる。その彫刻は、キー・キャップの表面をルーティングすること、又は穿孔された貫通穴の直径より大幅に大きな直径を有する止まり穴を開けることを含みうる。それらの止まり穴の直径は、穿孔された貫通穴の直径の2倍から100倍であってよい。
【0035】
前記方法は、穴が微粒子で汚染されるのに抗するように透明な材料で穴を塞ぐことを更に含むことができる。その塞ぐステップは、穴の中に又は穴に接して融けた半透明の樹脂を加えるサブステップを含むことができる。溝及び穴は一部一致しても良いが、その場合には透明な材料を溝の中に加えることによって穴を塞ぐことができる。
【0036】
どの側面の実施態様も、他の側面と組み合わされたときに対応する利点をもたらすことができ、適切な場合にはそれらを組み合わせることができることが理解される。」

「【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
図1は、移動通信装置10を示す。
【0039】
移動通信装置は金属キー14のアレイ12を有し、それらは、各々、キーの作動と関連付けられた機能又はユーザ入力を示す、表面に彫刻され又はエッチングされた1つ以上のキャラクターを有する。この特定の実施態様のキーはスチールで作られているが、他の金属を使用しても良い。
【0040】
例示されている実施態様のアレイのキーは、隣のものと接して曲線を描く金属シートの外観を作っている。隣り合うキー同士が接しているので、前記アレイのキーのキー記号説明はキー自体に設けられている。パターンを彫刻すれば記号説明のキャラクターは日中条件でも裸眼で見えるが、あまり好都合でない光のときには情報を読み取りにくくなるであろう。
【0041】
キー先端の外面及び内面の間に向けられたキー・キャップに切られた数個の穴、切欠き又は開口18により、記号説明の照明が可能になる。各穴18は、キー・アレイの背後に提供された光の通過を許す。彫刻されているキャラクター16をたどってそのような穴の列又はセットを設けることによって、前記キャラクター全体が背面照明により照明される。これは、図2で非常によく見える。この実施態様では、穴の直径は約0.02乃至0.3mmの範囲内にある。穴の正確な寸法及び形状は重大ではなく、穴という用語は任意の横断面形状を含むと解されるべきである。穴は、必要な量の光を通すのに充分な大きさを持つことを目指すべきである。或る実施態様では、照明されたときにキャラクターの途切れることの無いトレースとして見えるものを提供するために穴18同士が充分に接近していることが望ましいであろう。中央島状部分20を有するキャラクターについては、その島状部分を支持するのに充分な強さを有するブリッジ22を設けるために穴同士が互いに充分な間隔を置いているのが理想的である。キー・キャップ14の厚さはこの実施態様では0.50mmであり、彫刻はその厚さのおおよそ半分まで伸び、穴は他方の半分にわたって穿孔され又は穴開けされる。この様な実施態様については、ブリッジ22の厚さは0.10mm程度であろうが、支持されるべき島状部分のサイズにも従い、より大きな島状部分20はより強い支持を必要とし、それは、ブリッジ22の厚さ及び/又はキー・キャップ14の厚さを大きくすることによって且つ/又は彫刻の深さを小さくすることによって提供されうる。
【0042】
トレースの範囲に沿って穴の同じサイズ及び間隔を用いることにより夫々のキャラクターを画定することは、均一な照明に役立つ。キーのアレイの各キーのためにこれを反復することができる。
【0043】
次に図4乃至6に目を向けると、図示されている実施態様における背面照明は、キー間に配置されている側発射LED24により提供される。キー及びスイッチ36の間に配置されている半透明のキー・マット26の中へこれらのLEDを発射させることによって拡散性の均一な光が提供される。キー・マットは、LED24が中に配置されている凹所28を有する。アレイの全てのキーのために適度に均一な拡散性の光を提供するために、LEDは、主として、それらがキーの機械的動作を妨げないキー同士の間でLED24(図4,6)のための数個の位置29(図5)に存するキー・マットの凹所28(図4)内に配置される。キー・マットは、各キー・キャップ14と夫々整合するように配置されたスイッチ突起34を有し、キー・キャップとスイッチ突起34との間で透明な介在部分40がキー・キャップに取り付けられている。キーを押し或いは作動させると、介在部分40はその作動力をそのスイッチ突起34によってキー・マットに伝えてキー・マット32を変形させてスイッチ36を押す。透明な介在部分40は、また、キー・マットから穴18へ光を案内する。
【0044】
小さな穴に塵埃が入り込むのを防ぐために、図3に示されているように、彫刻されたキャラクターを半透明な樹脂で満たすことができる。半透明な樹脂は、光を拡散させて視角を広げる拡散器として作用するという付加的な効果も与える。樹脂は、好ましくは、実質的に穴18に入らずに、彫刻されたキャラクターを完全に満たすように処理される。穴18の口の上に架かっている樹脂は、通常は弧状の空気・樹脂間境界面を画定し、それも、樹脂を通過するバックライトを拡散させる。」

(イ)上記下線部の記載、関連箇所の記載及び図によれば、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「移動通信装置のキー・アレイ12であって、金属キー・キャップ14に切られた数個の穴、切欠き又は開口18により、記号説明の照明が可能になるものであって、
金属キー・キャップ14の表面に彫刻されているキャラクター16をたどって穴の列又はセットを設けることによって、前記キャラクター全体が背面照明により照明され、照明されたときにキャラクターの途切れることの無いトレースとして見えるものを提供するために穴18同士が充分に接近していることが望ましく、中央島状部分20を有するキャラクターについては、その島状部分を支持するのに充分な強さを有するブリッジ22を設けるために穴同士が互いに充分な間隔を置いているのが理想的であり、彫刻はその厚さのおおよそ半分まで伸び、穴は他方の半分にわたって穿孔され又は穴開けされ、トレースの範囲に沿って穴の同じサイズ及び間隔を用いることにより夫々のキャラクターを画定することは、均一な照明に役立ち、
背面照明は、キー間に配置されている側発射LED24により提供され、アレイの全てのキーのために適度に均一な拡散性の光を提供するために、LEDは、主として、それらがキーの機械的動作を妨げないキー同士の間でLED24のための数個の位置29に存するキー・マットの凹所28内に配置され、キー・マットは、各キー・キャップ14と夫々整合するように配置されたスイッチ突起34を有し、キー・キャップとスイッチ突起34との間で透明な介在部分40がキー・キャップに取り付けられており、
透明な介在部分40は、キー・マットから穴18へ光を案内し、キーを押し或いは作動させると、介在部分40はその作動力をそのスイッチ突起34によってキー・マットに伝えてキー・マット32を変形させてスイッチ36を押すものであり、
小さな穴に塵埃が入り込むのを防ぐために、彫刻されたキャラクターを半透明な樹脂で満たすことができ、半透明な樹脂は、光を拡散させて視角を広げる拡散器として作用するという付加的な効果も与える、移動通信装置のキー・アレイ12。」

イ 引用文献2
原査定において周知技術を示す文献として引用され、本願の優先日前に頒布された引用文献である、米国特許出願公開第2013/0121017号明細書(以下、「引用文献2」という。)には、図面とともに、次の記載がある。
「[0025] The keying units 210 are arranged on the bottom frame 200 in a matrix fashion according to a rule defined in advance. Each keying units 210 includes a keycap 212 and a linking mechanism 214. The keycap 212 is substantially rectangular-shaped and includes a pressing surface 2120 and an assembling surface 2122. The pressing surface 2120 can be pressed by user and at least a letter 2121 is disposed on the pressing surface 2120. The keycap 212 further includes at least an optical-transparent area 2124 may be transparent or translucent for allowing light travel from the assembling surface 2122 to the pressing surface 2120 and light up the letter 2121.
[0026] The linking mechanism 214 interposed between the bottom frame 200 and the keycap 212, the linking mechanism 214 is made of a transparent or translucent resin material having optical transparency and includes a first lever 2140 and a second lever 2142. One end of the first lever 2140 and the second lever 2142 are connected to the assembling surface 2122 and another end of the first lever 2140 and the second lever 2142 are pivot on the latch parts 202. In addition, the first lever 2140 and the second lever 2142 intersect in the shape of X and coupled with each other at the intersect part via a pivot axis 2144. Thereby, the keycap 212 is movably supported on the bottom frame 200 by the first lever 2140 and the second lever 2142 and moving upward or downward corresponding to the bottom frame 200.
[0027] The membrane switch 220 is designed to electrically detect whether the keycaps 212 are depressing or not, and generates an inputting signal corresponding to the depressed keycap 212. The inputting signal is sent to a keyboard controller (not shown).
[0028] The membrane switch 220 is interposed between the bottom frame 200 and the keyboard switch 210. The membrane switch 220 includes an upper sheet 2202, a lower sheet 2204 and an insulating sheet 2206 placed between the upper sheet 2202 and the lower sheet 2204. The insulating sheet 2206 has a plurality of openings 2207 corresponding to the keycaps 212. The upper sheet 2202 is provided with conductive traces (not shown) and fixed contacts 2203 thereon, the lower sheet 2204 is provided with conductive traces (not shown) and fixed contacts 2205 thereon, and the movable contacts 2203 face the fixed contacts through the opening 2207.
[0029] The elastic members 230 are placed between the keycaps 212 and the upper sheet 2202 of the membrane switch 220 and corresponding to the keycaps 212. In the practical application, the elastic members 230 may be directly formed on the upper sheet 2202, or fastened on the upper sheet 2202 through an adhesive. The elastic members 230 are used to provide urging force and elastically press up the keycaps 212. Each elastic member 230 has a projecting part 232 immediately located above the movable contact 2203 of the membrane switch 220 .
[0030] When the keycap 212 is depressed, the first lever 2140 and the second lever 2142 move downward. The elastic member 230 is compressed and the projecting part 232 presses the upper sheet 2202 of the membrane switch 220. At the same time, the upper sheet 2202 is bent and the movable contact 2203 is brought into contact with the flexible contact 2205. Thereby, the operation of depressing keycap 212 is electrically detected and an input signal is sent to keyboard controller from the membrane switch 220.
[0031] When the depression of the keycap 212 is released, the keycap 212 is pushed up from the depressed position to the standby position by urging force of the elastic member 230. At the same time, the projecting part 232 of the elastic member 230 is separated from the upper sheet 2202. Thereby, the movable contact 2203 is separated from the fixable contact 2205.」
(当審仮訳:
[0025] キー入力ユニット210は、予め定義された規則に従ってマトリックス状にボトムフレーム200上に配置されている。それぞれのキー入力ユニット210は、キーキャップ212と連結機構214を備えている。キーキャップ212は略矩形状であって、プレス表面2120とアセンブリング表面2122を備えている。プレス表面2120はユーザーによって押すことができるものであり、少なくとも文字2121がプレス表面2120上に表記される。キーキャップ212は、アセンブリング表面2121からプレス表面2120へ光を案内し文字2121をライトアップするための透明か半透明な光学的に透明な領域をさらに備えている。
[0026] リンク機構214はボトムフレーム200とキーキャップ212との間に挿入されており、リンク機構214は光学的透過性を有する透明か半透明の樹脂材料から作られ、第1のレバー2140と第2のレバー2142を備えている。第1のレバー2140と第2のレバーの一端がアセンブリング表面2122と接続され、第1のレバー2140と第2のレバー2142の他端は、ラッチパーツ202におけるピボットである。それによって、キーキャップ212は、第1のレバー2140と第2のレバー2142によってボトムフレーム200上に移動できるように支持され、ボトムフレーム200に対し上方あるいは下方へ移動する。 加えて、第1のレバー2140と第2のレバー2142がXの形で交差し、旋回軸2144を介して交差部分で互いに結合している。
[0027] メンブレンスイッチ220は、キーキャップ212が押下されたか否かを電気的に検出するように設計されており、押下されたキーキャップ212に対応する入力信号を生成する。入力信号はキーボードコントローラ(図示せず)に送られる。
[0028] メンブレンスイッチ220は、底部フレーム200とキーボードスイッチ210との間に介装されている。メンブレンスイッチ220は、上側シート2202と下側シート2204と上部シート2202と下部シート2204との間に配置される絶縁シート2206を備えている。絶縁シート2206は、キーキャップ212に対応する複数の開口2207を有している。上部シート2202は導電性トレース(図示せず)が形成され、その上に接点2203が固定され、下側のシート2204は導電性トレース(図示せず)が形成され、その上に接点2205が固定されており、可動接点2203は、開口部2207を通って固定接点に対向している。
[0029] 弾性部材230は、メンブレンスイッチ220のキーキャップ212と上部シート2202との間、およびキーキャップ212に対応して配置される。実用的な用途においては、弾性部材230は、表面シート2202の上に形成されるか、または接着剤を介して上部シート2202に固定されてもよい。弾性部材230は、付勢力を提供し、キーキャップ212を押圧して弾性的に使用される。各弾性部材230は、メンブレンスイッチ220の可動接点2203のすぐ上に配置され、突出部232を有している。
[0030] キーキャップ212が押下されると、第1レバー2140及び第2レバー2142は下方に移動する。弾性部材230が圧縮され、突出部232は、メンブレンスイッチ220の上部シート2202を押圧する。同時に、上部シート2202が撓み、可動接点2203は、可撓性接点2205に接触している。これにより、キートップ212の操作が電気的に検出され、入力信号がメンブレンスイッチ220からキーボードコントローラに送られる。
[0031] キーキャップ212の押下を解除すると、キーキャップ212は弾性部材230の付勢力により押圧位置から待機位置に押し上げられる。同時に、弾性部材230の突出部232は、上側シート2202から分離されている。これにより、可動接点2203が固定接点2205から分離される。」

ウ 周知文献
(ア)特開2006-60334号公報(以下、「周知文献1」という。)には、以下の記載がある。
「【0001】
本発明は携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Data Assistance,Personal Digital Assistants:個人向け携帯型情報通信機器)等の携帯端末機器に適用されるキーボタン構造に関し、特にキーボタンに割り当てられている複数の文字を表示する構造及びそのキーボタン構造を有する携帯端末機器に関する。」
「【0029】
図1において、キーボタンは、携帯電話機の筐体表面から突出しユーザにより押下される透光材質のキートップ1と、プリント基板2に形成される接点3と、接点3の上方に設けられ押下に応じて接点間を電気的に接続する弾力性の金属ドーム4と、金属ドーム4を覆うように固定する弾力性の透光材質のドーム固定シート5と、ドーム固定シート5内に設けられるキーバックライト6と、キートップ1の裏面側に設けられドーム固定シート5の中央部分を押下する突起(押し子)を形成された透光材質のラバーシート7とを有している。」

(イ)特開2012-38611号公報(以下、「周知文献2」という。)には、以下の記載がある。
「【0015】
図1に示すように、電子機器の一例である携帯電話1は、押釦スイッチ用部材2をその操作面に備える。なお、押釦スイッチ用部材2は、押圧操作によりON/OFFを切り替える押釦スイッチのために用いられるが、他の入力機器に用いられてもよいし、あるいはスイッチ機能を有さない装飾用パネルとして用いられてもよい。押釦スイッチ用部材2の操作面には、パネル3およびキートップ5が主に露出している。キートップ5の裏面にはシート部材6が固着され、シート部材6の裏面は、ベースシート7に固着されている。なお、以後、操作面側を表面側、操作面と逆の面側を裏面側という。また、表面と裏面との間の距離を厚さという。」
「【0017】
キートップ5は、ユーザが押圧するための構成部である。キートップ5としては、所定の強度を備えた材料であれば特に限定なく使用でき、例えば、0.1?3mm程度の板状の樹脂、ガラス、金属あるいはそれらのコンポジット等から主に構成できる。また、キートップ5の材料として透光性の材料を用いる場合には、キートップ5の裏面側から照光したときに、キートップ5を光らせることができる。なお、本明細書において、「透光性」とは、一方向から光を照射した際の全光線透過率が30%以上、好ましくは80%以上である状態を指すものとする。一方、「遮光性」とは、一方向から光を照射した際の全光線透過率が30%以下である状態を指すものとする。キートップ5を構成するための透光性の樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエステル樹脂あるいはポリアミド樹脂等の各樹脂を使用でき、特に好ましい樹脂は、ポリカーボネート樹脂あるいはアクリル樹脂である。また、樹脂ではなく、ガラス等の透明な材料により、キートップ5が形成されていてもよい。」
「【0021】
ベースシート7は、シート部材6を介して、配列された複数のキートップ5を所定の位置に固定および配列するために用いられる。また、ベースシート7は、キートップ5の部分が表面側から押圧された場合に、その下方に設けられたスイッチ部材(不図示)等を押し込むことができると共に、キートップ5の押圧が解除されると元の位置に復帰できるように、柔軟な弾性材料から構成されるのが好ましい。そのようなベースシート7の材料としては、たとえば、シリコーンゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、エチレンプロピレンジエンゴムあるいはスチレンブタジエンゴム等の熱硬化性エラストマー、ウレタン系、エステル系、スチレン系、オレフィン系、ブタジエン系あるいはフッ素系等の熱可塑性エラストマー、あるいはそれらの複合物等を用いることができる。それらの材料の中でも、耐久性が高いウレタン系エラストマー、シリコーンゴムあるいはそれらの複合材を用いるのが好ましい。」

(3)引用発明との対比
ア 本件補正発明と引用発明とを対比する。
(ア)引用発明の「移動通信装置のキー・アレイ12」は、「金属キー・キャップ14に切られた数個の穴、切欠き又は開口18により、記号説明の照明が可能になるもの」であるから、本件補正発明の「コンピューティングデバイスと共に使用される照光式入力装置」に相当し、「キー・アレイ12」は、本件補正発明の「複数のキーを備」える構成に相当する。
(イ)引用発明の「金属キー・キャップ14」、「金属キー・キャップ14の表面」は、本件補正発明の「金属キーキャップ」、「上面」に相当し、引用発明の「金属キー・キャップ14の表面に彫刻されているキャラクター16をたどって」設ける「穴の列」は、「照明されたときにキャラクターの途切れることの無いトレースとして見えるもの」であるから、本件補正発明の「前記上面に形成される表記開口」に相当するといえる。
そして、引用発明の「穴の列」は、「中央島状部分20を有するキャラクターについては、その島状部分を支持するのに充分な強さを有するブリッジ22を設けるために穴同士が互いに充分な間隔を置いている」ものであり、「中央島状部分20」、「ブリッジ22」は、本件補正発明の「島部」、「該島部に接続するブリッジ部」に相当し、引用発明の「穴の列」は、本件補正発明の「島部と該島部に接続するブリッジ部とにより一部が確定される表記開口」に相当しているといえる。
(ウ)引用発明の「半透明な樹脂」は、「光を拡散させて視角を広げる拡散器として作用するという付加的な効果も与える」ものであり、【0022】には「通過する光を拡散させるために穴を塞ぐことは、塵埃遮断と同じように実行されうる。透明、半透明又は真珠光沢のある材料などの光を通過させる材料を、穴を塞ぐのに用いることができる。」と記載されているから、本件補正発明の「前記表記開口内の表記拡散体材料」に相当するといえる。
(エ)引用発明は「キー・キャップとスイッチ突起34との間で透明な介在部分40がキー・キャップに取り付けられており、透明な介在部分40は、・・・キーを押し或いは作動させると、介在部分40はその作動力をそのスイッチ突起34によってキー・マットに伝えてキー・マット32を変形させてスイッチ36を押す」ものであるが、この動作を行うための機構は、本件補正発明の「前記金属キーキャップを支持し、前記金属キーキャップに力が加わった場合に垂直につぶれるように構成された圧縮可能な機構」と、「前記金属キーキャップを支持し、前記金属キーキャップに力が加わった場合に動作する機構」である点では共通するといえる。(ただし、「前記金属キーキャップに力が加わった場合に垂直につぶれるように構成された圧縮可能な機構」であると明記されていない。)
(オ)引用発明の「背面照明」は、「キー間に配置されている側発射LED24により提供され」ているから、引用発明の「LED24」は、本件補正発明の「オン状態及びオフ状態を有し、前記表記開口を通して光を伝達するように向いている、光源」に相当するといえる。

イ 以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
(一致点)
「コンピューティングデバイスと共に使用される照光式入力装置であって、
複数のキーを備え、それぞれのキーは、
上面と、前記上面に形成される表記開口であって、島部と該島部に接続するブリッジ部とにより一部が確定される表記開口と、を有する金属キーキャップと、
前記表記開口内の表記拡散体材料と、
前記金属キーキャップを支持し、前記金属キーキャップに力が加わった場合に動作する機構と、
オン状態及びオフ状態を有し、前記表記開口を通して光を伝達するように向いている、光源と、
を含む、照光式入力装置。」

(相違点)
「金属キーキャップを支持し、前記金属キーキャップに力が加わった場合に動作する機構」が、本件補正発明は、「金属キーキャップに力が加わった場合に垂直につぶれるように構成された圧縮可能な機構」であるのに対し、引用発明は、そのような機構ではない点。

(4)判断
以下、相違点について検討する。
ア 相違点について
電子機器のキー入力装置として、「金属キーキャップに力が加わった場合に垂直につぶれるように構成された圧縮可能な機構」を採用することは、本願優先日前における周知技術(引用文献2、周知文献1、2参照)であり、特に、当該機構を携帯電話機等の移動通信装置に採用することも、周知文献1、2に記載されるように、本願優先日前において周知である。
してみれば、移動通信装置のキーアレイに係る引用発明における「金属キーキャップを支持し、前記金属キーキャップに力が加わった場合に動作する機構」として、「金属キーキャップに力が加わった場合に垂直につぶれるように構成された圧縮可能な機構」を採用することは、当業者が容易に想到し得たことである。

イ そして、上記相違点を勘案してみても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び周知技術の奏する作用効果から、予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

エ したがって、本件補正発明は、引用発明及び周知技術に基づき当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3 本件補正についてのむすび
以上のとおり、本件補正は,特許法17条の2第6項で準用する同法126条7項の規定に違反するものであり、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。


第3 本願発明について
1 本願発明
平成29年11月13日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成29年6月27日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし26に記載された事項により特定されるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1-5,9-12,23,24に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された周知技術に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。

引用文献1:.特表2006-521664号公報
引用文献2:.米国特許出願公開第2013/0121017号明細書(周知技術を示す文献)

3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1ないし2及びその記載事項は、前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。

4 対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]2(2)検討した本件補正発明から、(金属キーキャップの)「上面に形成される表記開口であって、島部と該島部に接続するブリッジ部とにより一部が確定される表記開口」という限定事項を削除して、単に「金属キーキャップ内に形成された表記開口」としたものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件発明が、前記第2の[理由]2(3)、(4)に記載したとおり、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明ついて検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2018-07-17 
結審通知日 2018-07-20 
審決日 2018-07-31 
出願番号 特願2016-545740(P2016-545740)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 ▲高▼瀬 健太郎  
特許庁審判長 千葉 輝久
特許庁審判官 山田 正文
▲吉▼田 耕一
発明の名称 照光式入力装置およびキーボード  
代理人 木村 秀二  
代理人 大塚 康弘  
代理人 永川 行光  
代理人 大塚 康徳  
代理人 下山 治  
代理人 高柳 司郎  

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