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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G09G |
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管理番号 | 1347173 |
審判番号 | 不服2018-2728 |
総通号数 | 230 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2019-02-22 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2018-02-27 |
確定日 | 2019-01-08 |
事件の表示 | 特願2014-547250「静止画像電力管理」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 6月20日国際公開、WO2013/089960、平成27年 1月29日国内公表、特表2015-503126、請求項の数(15)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、2012年(平成24年)11月14日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2011年12月14日(以下「優先日」という。)、アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 平成28年 9月 7日付け:拒絶理由通知書 平成28年12月13日 :意見書、手続補正書の提出 平成29年 5月30日付け:拒絶理由(最後の拒絶理由)通知書 平成29年 7月10日 :意見書、手続補正書の提出 平成29年12月28日付け:平成29年7月10日の手続補正についての補正の却下の決定、拒絶査定(送達日:平成30年1月9日) 平成30年 2月27日 :審判請求書の提出 第2 原査定の概要 原査定(平成29年12月28日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 1.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 ・請求項 1-2,4-6,10-11,13,15 ・引用文献等 1-2,6-7 ・請求項 3,12 ・引用文献等 1-3,6-7 ・請求項 7 ・引用文献等 1-2,4-7 ・請求項 8 ・引用文献等 1-2,6-7 ・請求項 9,14 ・引用文献等 1-2,6-7 <引用文献等一覧> 1.特開2002-318577号公報 2.特開2011-170328号公報(周知技術を示す文献) 3.特開平07-121137号公報(周知技術を示す文献) 4.特開2003-224862号公報(周知技術を示す文献) 5.特開2006-023379号公報(周知技術を示す文献) 6.特開2003-108092号公報(周知技術を示す文献) 7.特開2008-191442号公報(周知技術を示す文献) 第3 本願発明 本願請求項1-15に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明15」という。)は、平成28年12月13日に補正された特許請求の範囲の請求項1-15に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1及び本願発明10は、それぞれ、以下のとおりの発明である。 「【請求項1】 メモリデバイスにおいて画像データのフレームを記憶することと、 画像を表示するためにディスプレイデバイスを標準モードで動作させることであって、前記標準モードは、前記画像を提示するために、前記メモリデバイスから画像データの1つまたは複数のフレームを読み取ることを備える、動作させることと、 画像データの現在フレームを画像データの少なくとも1つの前のフレームと比較することと、 前記比較に基づいて、画像データの前記現在フレームが静止画像を備えると判断することと、 画像データの前記現在フレームが静止画像を備えると判断したことに応答して、画像データの前記現在フレームよりも少ないビット数をもつデータを有するように画像データの修正フレームを生成するために画像データの前記現在フレームを修正することと、 前記メモリデバイスにおいて画像データの前記修正フレームを記憶することと、 前記ディスプレイデバイスを静止画像モードで動作させることであって、前記静止画像モードは、前記静止画像を提示するために、前記メモリデバイスから画像データの前記修正フレームを読み取ることを備える、動作させることと、 を備える、方法。」 「【請求項10】 メモリデバイスにおいて画像データのフレームを記憶するための手段と、 画像を表示するためにディスプレイデバイスを標準モードで動作させるための手段であて、前記標準モードは、前記画像を提示するために、前記メモリデバイスから画像データの1つまたは複数のフレームを読み取ることを備える、動作させるための手段と、 画像データの現在フレームを画像データの少なくとも1つの前のフレームと比較するための手段と、 前記比較に基づいて、画像データの前記現在フレームが静止画像を備えると判断するための手段と、 画像データの前記現在フレームが静止画像を備えると判断したことに応答して、画像データの前記現在フレームよりも少ないビット数をもつデータを有するように画像データの修正フレームを生成するために画像データの前記現在フレームを修正するための手段と、 前記メモリデバイスにおいて画像データの前記修正フレームを記憶するための手段と、 前記ディスプレイデバイスを静止画像モードで動作させるための手段であって、前記静止画像モードは、前記静止画像を提示するために、前記メモリデバイスから画像データの前記修正フレームを読み取ることを備える、動作させるための手段と、 を備える、ディスプレイデバイス。」 なお、本願発明2-9、15は本願発明1を減縮した発明であり、本願発明11-14は本願発明10を減縮した発明である。 第4 引用文献、引用発明等 1.引用文献1について (1)原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審による。以下同様。)。 「【0012】図1に示すように、画像表示装置は、入力された信号に基づきデジタルな画像データを出力する信号処理部2と、この画像データを格納する第1の記憶手段であるVRAM4と、画像データのガンマ特性を補正するガンマ処理部(γ処理部)6と、画像データのビット数を低減してデータを縮小する画像処理部8と、縮小された画像データを格納する第2の記憶手段であるパネル対応RAM10と、画像データを表示する液晶パネルからなる表示パネル12と、この表示パネル12を駆動するドライバ部14とを備えている。これら信号処理部2、VRAM4、ガンマ処理部6、画像処理部8、パネル対応RAM10、表示パネル12及びドライバ部14の作動は、制御部16によって制御される。信号処理部2は、DSP(Digital Signal Processor)からなり、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)の規格により圧縮されたデータを伸張する機能を有している。 【0013】次に、この画像表示装置の作動について説明する。例えばアンテナ(図示せず)を介して入力された後に復調された信号は、信号処理部2に入力されてデジタル信号処理が行われた後、VRAM4に格納される。制御部16は、信号処理部2に入力される信号に基づき動画データ又は静止画データのいずれであるかを判別し、判別結果に基づいて画像表示装置の制御を行う。ここでは、R(赤)、G(緑)、B(青)の3要素が各6ビットの動画データが、VRAM4に格納されるものとする。制御部16は、動画データであると判別した場合、信号処理部2、VRAM4、ガンマ処理部6、画像処理部8、パネル対応RAM10、表示パネル12、及び、ドライバ部14の全てを作動させる。 【0014】VRAM4に格納された画像データは、ガンマ処理部6において所定のガンマ補正データに基づきガンマ補正が行われた後、画像処理部8に入力される。画像処理部8は、所定の画像処理方法により画像データのビット数を低減する。画像処理方法としては、画像データの階調数を低減する種々の公知の手法により行うことができる。例えば、単純に下位ビットを切り落とすことが可能であるが、階調落ちによる輪郭線が発生するおそれがあるので、ディザ法や誤差拡散法などの減色処理を行うことが好ましい。ディザ法とは、画像データの階調値と所定のディザマトリックスの閾値とを比較して階調を減らす処理方法をいう。また、誤差拡散法とは、階調を減らす際に発生する誤差を隣接する画素に分散させる処理方法をいう。このような方法により、階調落ちに伴う輪郭線の発生を防止することができる。本実施形態においては、RGB画像データが、画像処理部8により各6ビットから各4ビットに低減された後、パネル対応RAM10に格納される。 【0015】パネル対応RAM10に格納された画像データは、ドライバ部14の駆動により表示パネル12に表示される。制御部16は、信号処理部2に入力される信号に基づき動画データであると判別した場合には、上述した動作が繰り返されるように制御する。 【0016】一方、制御部16が、信号処理部2に入力される信号に基づき静止画データであると判別した場合、最初の一画面分(1フレーム分)の表示については上述した動画データの場合と同様の制御を行うが、その後は、信号処理部2、VRAM4、ガンマ処理部6、及び画像処理部8の作動を停止させ、パネル対応RAM10、表示パネル12、及びドライバ部14のみを作動させる。これにより、表示パネル12の画面には、最初に表示された静止画がそのまま維持される。このような制御は、制御部16が入力信号に基づき動画データを判別するまで行われる。 【0017】このように、本実施形態の画像表示装置によれば、静止画表示時において、表示画面を維持するための最小限の構成要素のみを作動させるようにしているので、従来のように動画及び静止画を区別することなく作動させる場合に比べて、省電力化を図ることができる。特に、本実施形態においては、画像処理部8によりビット数を低減した後の画像データをパネル対応RAM10に記憶させるようにしているので、パネル対応RAM10のメモリ容量をVRAM4のメモリ容量よりも小さくすることができる。したがって、静止画表示時において、VRAM4を作動させずにパネル対応RAM10を作動させて画像データを表示する場合の省電力効果を、より高めることができる。 【0018】また、このようにパネル対応RAM10のメモリ容量を小さくできることから、パネル対応RAM10とドライバ部14とを1チップIC化して、一体化することが容易になる。したがって、パネル対応RAM10及びドライバ部14間の浮遊容量を低減することができ、これによっても更なる省電力化を図ることができる。尚、ガンマ処理部6及び画像処理部8についても、同様に1チップIC化して一体にすることができ、インターフェースを内蔵させることで、汎用性を向上させることができる。 【0019】以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の具体的な態様が上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態においては、画像処理部8において画像処理を行う前にガンマ処理部6においてガンマ補正を行うようにしているが、ガンマ処理部6を設けずに、VRAM4の画像データが画像処理部8に直接入力されるように構成し、ドライバ部14にガンマ補正を行う機能を持たせることも可能である。また、本実施形態においては、信号処理部2とVRAM4とを分離した構成にしているが、信号処理部2がVRAM4を備えた構成にすることも可能である。」 「【0021】また、本実施形態においては、動画データ及び静止画データについて、画像処理部8で同一の画像処理を行っているが、図3に示すように、画像処理部18が動画画像処理部18a、静止画画像処理部18b、及び切替部18cを備えた構成にしても良い。 【0022】この構成においては、制御部16が、信号処理部2に入力される信号に基づいて、動画データ又は静止画データのいずれであるかを判別すると、この判別結果に基づいて切替部18cを作動させ、動画画像処理部18a又は静止画画像処理部18bのいずれか一方を選択する。これにより、ガンマ処理部6を経た画像データは、動画データであれば動画画像処理部18aで画像処理が行われる一方、静止画データであれば静止画画像処理部18bで画像処理が行われる。制御手段16は、静止画表示時において、1画面分(1フレーム分)の画像データがパネル対応RAM10に格納されて表示パネル12に表示されるまでは画像表示装置全体を作動させるが、その後は、パネル対応RAM10、表示パネル12、及びドライバ部14のみを作動させる。 【0023】これにより、動画の場合と静止画の場合とで画像処理方法を変えることができるので、それぞれにふさわしい画像処理を行うことができ、省電力化を図りつつ、画質を良好に維持することができる。更に、動画表示及び静止画表示のフレームレートを異ならせることができるので、静止画表示時のフレームレートを動画表示時のフレームレートよりも下げることにより、画質を良好に維持しつつ省電力化を図ることができる。画像処理方法の一例を挙げると、静止画画像処理部18bにおける画像処理は、ディザ法や誤差拡散法などの空間的な減色方法が有効である。また、動画画像処理部18aにおける画像処理は、FRC(Frame RateControl)法などの時間的な減色方法が有効である。FRC法とは、表示パネル12の任意の画素をオンにする際に、オンのフレームの中に一定の割合でオフのフレームを挿入することにより、平均印加電圧を調整して多階調を表現する方法である。」 「【0025】また、VRAM4及びパネル対応RAM10は、書き換え可能な他の半導体メモリにすることも可能である。」 【図3】 (2)したがって、上記引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「入力された信号に基づきデジタルな画像データを出力する信号処理部2と、この画像データを格納する第1の記憶手段であるVRAM4と、画像データのガンマ特性を補正するガンマ処理部(γ処理部)6と、画像データのビット数を低減してデータを縮小する画像処理部と、縮小された画像データを格納する第2の記憶手段であるパネル対応RAM10と、画像データを表示する液晶パネルからなる表示パネル12と、この表示パネル12を駆動するドライバ部14とを備え、これら信号処理部2、VRAM4、ガンマ処理部6、画像処理部、パネル対応RAM10、表示パネル12及びドライバ部14の作動は、制御部16によって制御される画像表示装置(【0012】より。以下同様。)において、 画像処理部が動画画像処理部18a、静止画画像処理部18b、及び切替部18cを備え(【0021】)、 制御部16が、信号処理部2に入力される信号に基づいて、動画データ又は静止画データのいずれであるかを判別すると、この判別結果に基づいて切替部18cを作動させ、動画画像処理部18a又は静止画画像処理部18bのいずれか一方を選択し(【0022】)、 制御部16は、動画データであると判別した場合(【0013】)、 VRAM4に格納された画像データは、ガンマ処理部6においてガンマ補正が行われた後(【0014】)、動画画像処理部18aで画像処理が行われ(【0022】)、動画画像処理部18aにおける画像処理は、FRC(Frame RateControl)法などの時間的な減色方法が有効であり(【0023】)、画像データのビット数を低減し(【0014】)、 RGB画像データが、画像処理部により各6ビットから各4ビットに低減された後、パネル対応RAM10に格納され(【0014】)、 パネル対応RAM10に格納された画像データは、ドライバ部14の駆動により表示パネル12に表示され、制御部16は、信号処理部2に入力される信号に基づき動画データであると判別した場合には、上述した動作が繰り返されるように制御し(【0015】)、 一方、制御部16が、信号処理部2に入力される信号に基づき静止画データであると判別した場合(【0016】)、 ガンマ処理部6を経た画像データは、静止画画像処理部18bで画像処理が行われ(【0022】)、静止画画像処理部18bにおける画像処理は、ディザ法や誤差拡散法などの空間的な減色方法が有効であり(【0023】)、画像データのビット数を低減し(【0014】)、 制御手段16は、静止画表示時において(【0022】)、最初の一画面分(1フレーム分)の(【0016】)画像データがパネル対応RAM10に格納されて表示パネル12に表示されるまでは画像表示装置全体を作動させるが、その後は(【0022】)、信号処理部2、VRAM4、ガンマ処理部6、及び画像処理部の作動を停止させ(【0016】)、パネル対応RAM10、表示パネル12、及びドライバ部14のみを作動させ(【0022】)、 このような制御は、制御部16が入力信号に基づき動画データを判別するまで行われ(【0016】)、 画像処理部によりビット数を低減した後の画像データをパネル対応RAM10に記憶させるようにしているので、パネル対応RAM10のメモリ容量をVRAM4のメモリ容量よりも小さくすることができる(【0017】)ことから、パネル対応RAM10とドライバ部14とを1チップIC化して、一体化することが容易になり(【0018】)、 ガンマ処理部6及び画像処理部についても、同様に1チップIC化して一体にすることができ(【0018】)、 ガンマ処理部6を設けずに、VRAM4の画像データが画像処理部に直接入力されるように構成し、ドライバ部14にガンマ補正を行う機能を持たせることも可能であり(【0019】)、 信号処理部2がVRAM4を備えた構成にすることも可能であり(【0019】)、 VRAM4及びパネル対応RAM10は、書き換え可能な他の半導体メモリにすることも可能である(【0025】)、 画像表示装置(【0012】)。」 2.引用文献2について (1)原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。 「【技術分野】 【0001】 本発明の一態様は、表示装置の駆動方法に関する。また、液晶表示装置に関する。」 「【課題を解決するための手段】 【0011】 本発明の一態様は、動画表示モードと静止画表示モードを設け、静止画表示モードのとき、駆動回路を動作させるための信号及び電圧を駆動回路に供給する動作を停止させてもその直前に書き込まれた画像を静止画として維持し、その後、表示画像を静止画として維持させるために画像信号のデータを再度書き込むことにより画素の表示状態を静止画として維持するものであり、さらに表示装置の温度によって静止画像の保持期間を設定するものである。 【0012】 また、本発明の一態様は、相対的に高い周波数(例えば60Hz以上)で動画を表示するモードと、相対的に低い周波数(例えば1Hz以下)で画素へ向けた画像信号のデータの書き込み動作を行う静止画表示モード又は簡易動画再生モードを設け、表示装置の温度に応じて静止画表示モード又は簡易動画再生モードの画像信号のデータの書き込み間隔を設定するものである。」 「【0032】 記憶回路111は、画像信号imgが入力され、入力された画像信号imgをデータとして順次記憶する機能を有する回路である。記憶回路111は、複数のフレーム期間の画像に対応する画像信号imgのデータを記憶するための複数のフレームメモリを有する。なお、フレームメモリ111bは、1フレーム期間分のメモリ領域を概念的に図示するものである。また、記憶回路111は、複数のフレーム期間の画像に対応する画像信号imgのデータを記憶することができればよく、記憶回路111が有するフレームメモリの数は、特に限定されるものではない。また、フレームメモリは、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)、又はSRAM(Static Random Access Memory)などの記憶素子を用いて構成される。 【0033】 比較回路112は、連続するフレーム期間の画像に対応する画像信号imgのデータを記憶回路111から読み出し、読み出した画像信号imgのデータを比較し、比較結果に応じた信号である制御信号CTL1を生成し、生成した制御信号CTL1を表示制御回路113及び選択回路115に出力する回路である。比較回路112では、画像データの比較を行うことにより、連続するフレーム期間の画像に対応する画像信号imgのデータが動画を表示するためのデータであるか又は静止画を表示するためのデータであるかが判断される。 【0034】 なお、動画とは、複数のフレーム期間に時分割した複数の画像を高速に切り替えることにより、動く画像として人間の目に認識される画像のことである。 【0035】 また、静止画とは、動画及び部分動画と異なり、複数のフレーム期間に時分割した複数の画像を高速に切り替えて動作させた場合であっても、連続するフレーム期間、例えば第nのフレーム期間(nは自然数)と、第(n+1)のフレーム期間とで変化がない画像として人間の目に認識される画像のことである。」 「【0037】 選択回路115は、制御信号CTL1に応じて、記憶回路111に記憶された画像信号imgのデータを読み出し、読み出した画像信号imgのデータをデータ信号として選択的に出力する機能を有する回路である。なお、選択回路115は、比較回路112の検出基準により動作が設定されてもよい。」 「【0045】 さらに、画像処理回路101及び補正回路102の動作の一例について、以下に説明する。 【0046】 まず、画像信号imgが記憶回路111に入力される。 【0047】 記憶回路111は、入力された画像信号imgのデータを順次記憶し、記憶した画像信号imgのデータを比較回路112に順次出力する。 【0048】 さらに、比較回路112は、記憶回路111から入力された、連続するフレーム期間の画像に対応する画像信号imgのデータを比較し、比較した画像信号imgのデータの間に差分があるか否かを調べ、比較した画像信号imgのデータに対応する画像が動画であるか静止画であるかを判断する。 【0049】 例えば、連続するフレーム期間の画像に対応する画像信号imgのデータの間で差分を検出した場合、比較回路112は、比較した画像信号imgのデータに対応する画像を動画と判断し、比較結果に応じた制御信号CTL1を表示制御回路113及び選択回路115に出力する。 【0050】 また、連続するフレーム期間の画像に対応する画像信号imgのデータの間で差分が無かった場合、比較回路112は、比較した画像信号imgのデータに対応する画像を静止画と判断し、比較結果に応じた制御信号CTL1を表示制御回路113及び選択回路115に出力する。 【0051】 なお、比較回路112における比較により検出される差分が一定の値を超えた場合に差分が検出されたと判断されるように、差分の検出基準を設定してもよい。 【0052】 さらに、選択回路115は、比較回路112から入力された制御信号CTL1に基づき、記憶回路111から画像信号imgのデータを読み出し、読み出した画像信号imgのデータをデータ信号として表示制御回路113に出力する。 【0053】 例えば、比較回路112により比較した画像信号imgのデータに基づく画像が動画と判断された場合、選択回路115は、記憶回路111から画像信号imgのデータを読み出し、読み出した画像信号imgのデータをデータ信号として表示制御回路113に出力する。 【0054】 また、比較回路112により比較した画像信号imgのデータに基づく画像が静止画と判断された場合、選択回路115は、表示制御回路113へ向けた画像信号imgの出力を停止する。」 (2)したがって、上記引用文献2には次の技術的事項(以下「引用文献2に記載された技術的事項」という。)が記載されていると認められる。 「表示装置の駆動方法に関し(【0001】より。以下同様。)、 比較回路112は、記憶回路111から入力された、連続するフレーム期間の画像に対応する画像信号imgのデータを比較し(【0048】)、 連続するフレーム期間の画像に対応する画像信号imgのデータの間で差分を検出した場合、比較回路112は、比較した画像信号imgのデータに対応する画像を動画と判断し(【0049】)、 連続するフレーム期間の画像に対応する画像信号imgのデータの間で差分が無かった場合、比較回路112は、比較した画像信号imgのデータに対応する画像を静止画と判断する(【0050】)、表示装置の駆動方法(【0001】)。」 3.引用文献3について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献3には、「【0012】・・・16はコンパレータ15での比較判定に基づいてパネル用供給電源12を制御するコントローラで、静止画像表示であると比較判定されるとパネル用供給電源12からの液晶表示パネル8への供給電源電圧を画像表示に最小限必要な電圧にまで低下させる・・・【0013】・・・コンパレータ15にて動作画像表示であると比較判定される・・・場合にはコントローラ16により液晶表示パネル8に供給される電源電圧が通常どうり比較的高く設定され、動作画像表示に支障を来たさないように鮮明度の高い画像再現が行なわれる・・・」とあり、概略、静止画表示時の液晶パネルへの供給電源電圧を動画表示時よりも下げる周知技術が記載されていると認められる。 4.引用文献4、5について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献4には、「【0030】・・・ホストCPU等1からのRGB形式のデータをYUV形式に変換(圧縮)し、ビデオメモリ7へ書き込む機能」とあり、同じく原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献5には、「【0055】例えば、YUV信号に変換する際に、CPUから転送される映像信号のbit数よりも小さいbit数で量子化する。すなわち、RGB各8bitのin-RGBを、それより小さい6bitのYUV信号に変換することで映像信号を圧縮する。また、例えば、人間の目が色差情報よりも輝度情報に敏感であることから、色差情報を圧縮する方法を用いてもよい。」とあり、引用文献4、5には、概略、画像データの圧縮技術として、RGB信号をYUV信号に変換して映像信号を圧縮する周知技術が記載されていると認められる。 5.引用文献6について (1)原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献6には、図面とともに次の事項が記載されている。 「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、画像データに対応した信号によりディスプレイのマトリックス状に配列された画素を駆動するドライバ回路、及びそのドライバ回路を用いたディスプレイに関する。」 「【0004】低消費電力化を実現するためには、表示用メモリ(フレーム・メモリとも言う)を液晶ドライバに内蔵する方法が採用された。これによって、表示データ転送を行なうためのコントローラ・メモリが不要で、部品点数を削減し、消費電力の低減を実現した。また、新しい駆動方式を採用することによって、消費電力を低減した。」 「【0014】 【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る表示メモリ、ドライバ回路、及びそのドライバ回路を用いたディスプレイの実施の形態について、添付の図面を参照して述べる。 第1の実施形態 図1は本発明に係るディスプレイ1の第1の実施形態の全体構成図である。ここでは、液晶ドライバ、及びその液晶ドライバ回路を用いた液晶ディスプレイを例として説明する。図1に示す液晶ディスプレイ1において、装置全体の動作を制御するプロセッサ(CPU)2、液晶ドライバ3、画像を表示する表示画面4(液晶ディスプレイの場合は、液晶パネル4となる)、液晶パネル4の水平方向にアドレスが与えられた画素の行を選択して各画素に電圧を印加してオンにする走査回路5が含まれる。 【0015】液晶ドライバ3は、表示メモリ7、CPUからの画素毎のデータを受けて、表示メモリ7に書き込み、または、表示メモリ7に記憶された画素データを読み出すCPU側インターフェイス(CPU I/F)6、及び表示メモリ7が出力した赤(Red)、緑(Green)、と青(Blue)色を含む画素データを受けて、液晶パネル4に出力して表示するパネル側インターフェイス(LCD I/F)8を有する。 【0016】CPU側インターフェイス(CPU I/F)6は、CPUからの画素のデータを溜めるデータラッチ9と、セレクタ回路10とを有する。パネル側インターフェイス(LCD I/F)8は、メモリの出力をバッファーするデータラッチ11、セレクタ回路12、および表示する画像データをディジタル信号からアナログ信号に変換して、液晶パネル4の画素に出力するディジタル-アナログ変換器(DAC)13を含む。 【0017】画像を液晶パネル4に表示するために、CPUから画素ごとのデータが転送され、CPU I/F 6のデータラッチ9で液晶パネル4の水平方向に1ライン分まで溜められ、その1ライン分のデータは同時に表示メモリ7に転送される。表示メモリ7から、液晶パネル4の水平方向に1ライン分の画素データは同時に出力されてLCD I/F 8のデータラッチ11にラッチされ、そして同時に液晶パネルに画素データに応じた電圧を印加する。これによって、画素データは画面に表示される。」 「【0033】第2の実施形態 本実施形態では、消費電力をさらに削減するために、メモリの電源を分割して、メモリの異なる画像データ領域に独立に電力を提供する例を述べる。本実施形態における表示メモリは、第1の実施形態の表示メモリの構成を有し、さらに、本実施形態において、該表示メモリが複数の領域に分離され、各分離された領域または動作モードごとに電源の入り切りが制御される。 【0034】図5は電源を分割した表示メモリの構成を示す。図5において、図2と同じ構成成分の一部には同じ番号を用いている。図5において、51a、51b、51cは図2に示した第1の実施形態に係る表示メモリ7のメモリセル、52aと52bはビット線対、53a、53b、53cはワード線、54a、54b、54cはN well、55a、55b、55cはP wellを示す。メモリセル51aにおいて、N well 54a で、PMOSトランジスタP1とP2が形成され、P well 55aでは、NMOSトランジスタN1、N2、27a、27bが形成される。NMOS N1とPMOS P1はCMOSインバータ回路29aを構成し、NMOS N2とPMOS P2はCMOSインバータ回路29bを構成する。この1対のCMOSインバータ29aと29bがフリップフロップ構成に接続され、双安定のフリップフロップ回路となる。この1対のCMOSインバータ29aと29bに、駆動電源ライン56aにより、駆動電圧VDDを印加すると、上記双安定のフリップフロップ回路はノード28aと28bでは2つの相補的な安定な状態が保持され、ノード28aと28bはデータを記憶できる記憶ノードとなる。例えば、ノード28aが高レベルで、ノード28bが低レベルの時、データ“1”を記憶していると定義し、逆に、ノード28aが低レベルで、ノード28bが高レベルの時、情報“0”を記憶していると定義する。 【0035】このデータを読み出す時は、まず、図示しない行アドレスデコーダに指定されたワード線、例えば、ワード線53aにワード線電圧を印加し、NMOSトランジスタ27a、27bを導通状態にする。ビットごとに読み出す場合は、図示しない列アドレスデコーダにより、読み出すべきメモリセル、例えば、メモリセル51a、51b、51cを指定し、ワード線の指定とあわせて、メモリセル51aを選択する事となる。ラインごと、或いは、複数メモリセルごとに読み出す場合は、例えば、メモリセル51aを含んだメモリセルライン、又は、複数メモリセルを指定する。NMOSトランジスタ27a、27bが導通状態になっているので、ノード28aと28bの状態はビット線対52aと52bに接続された図示しない読み出しセンス・アンプに伝わる。 【0036】メモリに記憶されたデータを液晶パネルへ出力する場合は、図示しない表示用センス・アンプにより、メモリセル51aの現在の状態を取り出す。また、CPUからメモリに記憶されているデータを読み出す場合は、不図示のCPUセンス・アンプにより、メモリセル21の現在の状態を取り出す。 【0037】また、CPUからメモリセル51aにデータを書き込むときは、以上のようにメモリセルのライン、または、複数のメモリセル、または、一つのメモリセルを選択して、NMOSトランジスタ27a、27bを導通状態にし、そして、不図示の書き込みドライバに入力された書き込みデータは、該NMOSトランジスタ27a、27bを介して、両記憶ノード28aと28bに記憶される。即ち、書き込みデータの値は1に場合は、記憶ノード28aを高レベル、記憶ノード28bを低レベルにし、データの値は0に場合は、記憶ノード28aを低レベル、記憶ノード28bを高レベルにする。メモリセル51b、51cは、メモリセル51aと全く同じ構成を有し、51aと同じように動作するので、メモリセル51b、51cにおいて、電源以外の各構成成分に、メモリセル51aと同じ番号を用いている。 【0038】さらに、本実施形態では、図5に示すように、メモリセル51a、51b、51cの駆動電源ライン56a、56b、56cにそれぞれ電源スイッチングとして機能するPMOSトランジスタTr1、Tr2、およびTr3が接続されており、メモリセル51a、51b、と51cへの電源の入り切りを制御する。 【0039】メモリセル51a、51b、および51cの駆動電源ライン56a、56b、および56cが接続されているN we11 54a、54b、54cは互いに分離している。さらに、駆動電源ライン56a、56b、56cは、電源の入り切り用のトランジスタTr1、Tr2、Tr3を介しメモリセル51a、51b、51cのPMOSトランジスタの駆動電源ライン56a、56b、56cへ接続しているので、メモリセル51a、51b、51cへの電源の供給もお互いに分離されている。図5において、VDD コントローラ VCTR1、VCTR2、およびVCTR3はトランジスタTr1、Tr2、Tr3のオン/オフを制御し、これによって、メモリセル51a、51b、と51cの電源の入り切りを制御する。この制御はVDD コントローラVCTR1、VCTR2、およびVCTR3の動作モードで設定される。 【0040】ここで、3つのセルの例を示しているが、3セル以上の分割の場合でも同様である。また、ここで各メモリセルに一つの電源スイッチトランジスタを設けているが、実際の条件に応じて、メモリの所定領域のメモリセルの電源をまとめて制御することは、なんの支障もない。 【0041】本実施形態の表示メモリによれば、メモリの所定領域ごとに、電源を分離し、電源の入り切りを独立に制御することによって、使用しない領域のメモリセルのリーク電流を削減することができる。また、メモリセルのNwe11を分離することで、使用しないメモリセルの領域への電源供給をカットする事で消費電力を削減できる。」 (2)したがって、上記引用文献6には次の技術的事項(以下「引用文献6に記載された技術的事項」という。)が記載されていると認められる。 「画像データに対応した信号によりディスプレイのマトリックス状に配列された画素を駆動するドライバ回路、及びそのドライバ回路を用いたディスプレイに関し(【0001】より。以下同様。)、表示用メモリ(フレーム・メモリとも言う)を液晶ドライバに内蔵する方法(【0004】)において、 液晶ドライバ3は、表示メモリ7を有し(【0015】)、 表示メモリが複数の領域に分離され、各分離された領域または動作モードごとに電源の入り切りが制御され(【0033】)、 メモリセル51b、51cは、メモリセル51aと全く同じ構成を有し、51aと同じように動作し(【0037】)、 メモリセル51a、51b、51cの駆動電源ライン56a、56b、56cにそれぞれ電源スイッチングとして機能するPMOSトランジスタTr1、Tr2、およびTr3が接続されており、メモリセル51a、51b、と51cへの電源の入り切りを制御し(【0038】)、 メモリの所定領域ごとに、電源を分離し、電源の入り切りを独立に制御する(【0041】)、ディスプレイ(【0001】)。」 6.引用文献7について (1)原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献7には、図面とともに次の事項が記載されている。 「【技術分野】 【0001】 本発明は、表示パネルでの画像の表示を制御する表示ドライバICに関する。特に、本発明は、混載メモリを備える表示ドライバICに関する。」 「【0003】 表示データを格納するためのメモリとしては、一般的にSRAMが用いられる(例えば、特許文献1参照)。そのSRAMは、LCDドライバICから独立して設けられる場合もあるし、LCDドライバIC内部に設けられる場合もある。SRAMがLCDドライバIC内に設けられる場合、そのSRAMは特に、「混載SRAM(eSRAM,embedded SRAM)」と呼ばれる。 【0004】 一般的に、液晶ディスプレイがスタンバイモードになるとき、表示データが格納されるSRAMもスタンバイモードになる。消費電力を低減するためには、スタンバイモード時のSRAMにおけるリーク電流を抑えることが重要である。例えば、特許文献1に記載されている携帯電話は、メインディスプレイとサブディスプレイの2画面を備えており、SRAMは、メインディスプレイ用のメモリ領域とサブディスプレイ用のメモリ領域に区分されている。そのような携帯電話においては、メインディスプレイは使用されず、サブディスプレイだけが使用される場合がある。その場合、メインディスプレイ用のメモリ領域でのリーク電流を抑えることが重要である。」 「【0020】 表示ドライバIC1には、メモリ10が搭載されている。このメモリ10は、表示パネル100に表示される画像に対応したデジタルデータである表示データを格納するために用いられる。つまり、表示ドライバIC1は、表示データ格納用の混載メモリ10を内部に備えている。混載メモリ10として、例えば混載SRAMが用いられる。この混載メモリ10は、複数のメモリセル11を有している。集積度を上げるため、メモリセル11は、低耐圧トランジスタT1(以下、「セルトランジスタT1」と参照される)で構成されている。混載メモリ10には、外部電源200から電源電圧VDD(1.5V)が供給され、混載メモリ10及びセルトランジスタT1は、その電源電圧VDDで動作する。」 「【0034】 2.第2の実施の形態 電源スイッチ回路50は、混載メモリ10に対する電源電圧VDDの供給を、メモリ領域毎に別々に制御してもよい。例えば、図3において、混載メモリ10は、メモリ領域MR1、MR2、MR3を含んでいる。それらメモリ領域毎に電力供給を制御するために、電源スイッチ回路50は、メモリ領域MR1、MR2、MR3のそれぞれに接続されたスイッチSW1、SW2、SW3を有している。第1の実施の形態と同じく、各スイッチSW1、SW2、SW3は高耐圧トランジスタT2で構成されている。パワー制御論理回路51は、動作モードに応じて、スイッチSW1、SW2、SW3をON/OFFする。その結果、第1の実施の形態と同じ効果が得られ、更に、メモリ領域毎のパワー制御が可能となる。 【0035】 例えば、本発明に係る表示ドライバIC1は、メインディスプレイとサブディスプレイの2画面を備える携帯電話で使用される。その場合、混載メモリ10は、メインディスプレイ用のメモリ領域とサブディスプレイ用のメモリ領域に区分される。メインディスプレイは使用されずサブディスプレイだけが使用される場合には、メインディスプレイ用のメモリ領域でのリーク電流を抑えることが重要である。また、発色数を減らす制御が行われる場合、混載メモリ10の全てのメモリ領域を使用する必要がなくなる。これらの場合において、本実施の形態は特に有効である。」 (2)したがって、上記引用文献7には次の技術的事項(以下「引用文献7に記載された技術的事項」という。)が記載されていると認められる。 「表示データを格納するためのメモリがLCDドライバIC内に設けられる(【0003】より。以下同様。)、混載メモリを備える表示ドライバICに関し(【0001】)、 表示ドライバIC1は、表示データ格納用の混載メモリ10を内部に備え(【0020】)、 混載メモリ10は、メモリ領域MR1、MR2、MR3を含み、それらメモリ領域毎に電力供給を制御するために、電源スイッチ回路50は、メモリ領域MR1、MR2、MR3のそれぞれに接続されたスイッチSW1、SW2、SW3を有し、電源スイッチ回路50は、混載メモリ10に対する電源電圧VDDの供給を、メモリ領域毎に別々に制御し(【0034】)、 例えば、混載メモリ10は、メインディスプレイ用のメモリ領域とサブディスプレイ用のメモリ領域に区分され、メインディスプレイは使用されずサブディスプレイだけが使用される場合に、メインディスプレイ用のメモリ領域でのリーク電流を抑えるのに有効である(【0035】)、表示ドライバIC(【0001】)。」 第5 対比・判断 1.本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比する。 ア 引用発明の「VRAM4」は本願発明1の「メモリデバイス」に相当し、引用発明における「VRAM4」に「画像データを格納する」ことは、本願発明1における「メモリデバイスにおいて画像データ」「を記憶すること」に相当する。 また、引用発明における「VRAM4」に「格納」される「画像データ」は、その後段で、「静止画表示時において、最初の一画面分(1フレーム分)の画像データがパネル対応RAM10に格納されて表示パネル12に表示される」元になるものであるから、「VRAM4」に「格納」される「画像データ」も、「パネル対応RAM10に格納されて表示パネル12に表示される」「最初の一画面分(1フレーム分)の画像データ」と同様に、「フレーム」を単位にした「画像データ」であるといえる。 そうすると、引用発明において、「VRAM4」に、「フレーム」を単位にした「画像データを格納する」ことは、本願発明1における「メモリデバイスにおいて画像データのフレームを記憶すること」に相当する。 イ 引用発明の「画像表示装置」は本願発明1の「ディスプレイデバイス」に相当し、引用発明における、「制御部16は、動画データであると判別した場合、VRAM4に格納された画像データは、ガンマ処理部6においてガンマ補正が行われた後、動画画像処理部18aで画像処理が行われ、」「パネル対応RAM10に格納され、パネル対応RAM10に格納された画像データは、ドライバ部14の駆動により表示パネル12に表示され」ることは、本願発明1における「画像を表示するためにディスプレイデバイスを標準モードで動作させること」に相当する。 また、上記アに記載したように、引用発明において「VRAM4」に「格納」される「画像データ」は「フレーム」を単位にした「画像データ」であるから、引用発明においては、「VRAM4」から、「ガンマ処理部6」、「動画画像処理部18a」、「パネル対応RAM10」及び「ドライバ部14」を介して「表示パネル12に表示され」るために、「VRAM4に格納された」、「フレーム」を単位にした「画像データ」が、「VRAM4」から読み取られているといえる。 したがって、上記アをふまえると、引用発明における、「制御部16は、動画データであると判別した場合、VRAM4に格納された画像データは、ガンマ処理部6においてガンマ補正が行われた後、動画画像処理部18aで画像処理が行われ、」「パネル対応RAM10に格納され、パネル対応RAM10に格納された画像データは、ドライバ部14の駆動により表示パネル12に表示され」ることであって、「表示パネル12に表示され」るために、「VRAM4」から「フレーム」を単位にした「画像データ」が読み取られることは、本願発明1における、「画像を表示するためにディスプレイデバイスを標準モードで動作させることであって、前記標準モードは、前記画像を提示するために、前記メモリデバイスから画像データの1つまたは複数のフレームを読み取ることを備える、動作させること」に相当する。 ウ 引用発明における、「制御部16が、信号処理部2に入力される信号に基づいて、動画データ又は静止画データのいずれであるかを判別」し、「信号処理部2に入力される信号に基づき静止画データであると判別」することは、本願発明1における「画像データ」「が静止画像を備えると判断すること」に相当する。 また、上記アに記載したように、引用発明において「VRAM4」に「格納」される「画像データ」は「フレーム」を単位にした「画像データ」であるところ、引用発明における「信号処理部2」は、「入力された信号に基づきデジタルな画像データを出力する」ものに過ぎないから、引用発明における「制御部16が、」「動画データ又は静止画データのいずれであるかを判別」し、「静止画データであると判別」する際に「基づ」く「信号処理部2に入力される信号」も、「VRAM4」に「格納」される「画像データ」と同様、「フレーム」を単位にした「画像データ」であるといえる。 そして、引用発明では、「制御部16は、信号処理部2に入力される信号に基づき動画データであると判別した場合には、上述した動作が繰り返されるように制御」する一方で、「制御部16が、信号処理部2に入力される信号に基づき静止画データであると判別した場合、」「最初の一画面分(1フレーム分)の画像データがパネル対応RAM10に格納されて表示パネル12に表示されるまでは画像表示装置全体を作動させるが、その後は、信号処理部2、VRAM4、ガンマ処理部6、及び画像処理部の作動を停止させ、パネル対応RAM10、表示パネル12、及びドライバ部14のみを作動させ」る制御を行い、「このような制御は、制御部16が入力信号に基づき動画データを判別するまで行われ」るから、引用発明における、「制御部16が、信号処理部2に入力される信号に基づいて、動画データ又は静止画データのいずれであるかを判別」することは、次々と「信号処理部2に入力される信号」である、「フレーム」を単位にした「画像データ」が入力される度に繰り返し行われる、すなわち、「画像データ」の現在の「フレーム」が入力される都度判別することが繰り返されるといえる。 したがって、引用発明における、「制御部16が、信号処理部2に入力される信号に基づいて、動画データ又は静止画データのいずれであるかを判別」し、「信号処理部2に入力される信号に基づき静止画データであると判別」することであって、「制御部16が、信号処理部2に入力される信号に基づいて、動画データ又は静止画データのいずれであるかを判別」するのに、「画像データ」の現在の「フレーム」が入力される都度判別することが繰り返されることは、本願発明1における、「画像データの現在フレームを画像データの少なくとも1つの前のフレームと比較することと、前記比較に基づいて、画像データの前記現在フレームが静止画像を備えると判断すること」と、「画像データの現在フレームが静止画像を備えると判断すること」である点で共通するといえる。 エ 引用文献1の「制御部16が、信号処理部2に入力される信号に基づき静止画データであると判別した場合、最初の一画面分(1フレーム分)の表示については上述した動画データの場合と同様の制御を行う」(【0016】)という記載を参酌すると、引用発明における、「制御部16が、信号処理部2に入力される信号に基づき静止画データであると判別した場合」の「ガンマ処理部6を経た画像データ」は、「制御部16」が「動画データであると判別した場合」と同様、「VRAM4に格納された画像データ」に対して「ガンマ処理部6においてガンマ補正が行われた後」のものである。よって、引用発明では、「制御部16が、信号処理部2に入力される信号に基づき静止画データであると判別した場合」、「VRAM4に格納された画像データは、ガンマ処理部6においてガンマ補正が行われた後」、「ガンマ処理部6を経た画像データは、静止画画像処理部18bで画像処理が行われ、静止画画像処理部18bにおける画像処理は」「画像データのビット数を低減し、」「静止画表示時において、最初の一画面分(1フレーム分)の画像データがパネル対応RAM10に格納されて表示パネル12に表示される」から、引用発明において、「VRAM4に格納された画像データ」に対して、「静止画画像処理部18bで」「画像データのビット数を低減」する「画像処理が行われ」た、「最初の一画面分(1フレーム分)の画像データ」は、「VRAM4に格納された画像データ」よりも、「ビット数」が「低減」された「一画面分(1フレーム分)の画像データ」である。 また、引用発明では、上記ウに記載したように、「制御部16が、信号処理部2に入力される信号に基づいて、動画データ又は静止画データのいずれであるかを判別」するのに、「画像データ」の現在の「フレーム」が入力される都度判別することが繰り返されるが、上記アに記載したように、引用発明において「VRAM4」に「格納」される「画像データ」は「フレーム」を単位にした「画像データ」であるから、引用発明において「信号処理部2に入力される信号に基づき静止画データであると判別」したときに一画面分(1フレーム分)「VRAM4」に「格納」される「画像データ」も、「画像データ」の現在の「フレーム」ということができる。よって、引用発明における「最初の一画面分(1フレーム分)の画像データ」は、「画像データ」の現在の「フレーム」よりも、「ビット数」が「低減」された「一画面分(1フレーム分)の画像データ」である、といえる。 そうすると、引用発明における、「画像データ」の現在の「フレーム」よりも「ビット数」が「低減」された「最初の一画面分(1フレーム分)の画像データ」は、本願発明1における、「画像データの前記現在フレームよりも少ないビット数をもつデータを有する」「画像データの修正フレーム」に相当するといえる。そして、引用発明において、「VRAM4に格納された画像データ」に対して、「静止画画像処理部18bで」「画像データのビット数を低減」する「画像処理が行われ」、「画像データ」の現在の「フレーム」よりも「ビット数」が「低減」された「最初の一画面分(1フレーム分)の画像データ」を生成することは、本願発明1における、「画像データの前記現在フレームよりも少ないビット数をもつデータを有するように画像データの修正フレームを生成する」ことに相当する。 また、引用発明では、上記のように、「信号処理部2に入力される信号に基づき静止画データであると判別」したときに一画面分(1フレーム分)「VRAM4」に「格納」される「画像データ」は、「画像データ」の現在の「フレーム」であるから、その「画像データ」の現在の「フレーム」に対して、「静止画画像処理部18bで」「画像データのビット数を低減」する「画像処理が行われ」て、「最初の一画面分(1フレーム分)の画像データ」が生成されることは、本願発明1における「画像データの前記現在フレームを修正すること」に相当する。 したがって、上記ウをふまえてまとめると、引用発明における、「制御部16が、信号処理部2に入力される信号に基づき静止画データであると判別した場合」、「画像データ」の現在の「フレーム」に対して、「静止画画像処理部18bで」「画像データのビット数を低減」する「画像処理が行われ」て、「画像データ」の現在の「フレーム」よりも「ビット数」が「低減」された「最初の一画面分(1フレーム分)の画像データ」が生成されることは、本願発明1における、「画像データの前記現在フレームが静止画像を備えると判断したことに応答して、画像データの前記現在フレームよりも少ないビット数をもつデータを有するように画像データの修正フレームを生成するために画像データの前記現在フレームを修正すること」に相当する。 オ 引用発明の「パネル対応RAM10」も本願発明1の「メモリデバイス」も「記憶部」であるから、引用発明における、「静止画表示時において、最初の一画面分(1フレーム分)の画像データがパネル対応RAM10に格納され」ることは、上記エをふまえると、本願発明1における「前記メモリデバイスにおいて画像データの前記修正フレームを記憶すること」と、「記憶部において画像データの前記修正フレームを記憶すること」である点で共通する。 カ 引用発明における、「制御手段16は、静止画表示時において、最初の一画面分(1フレーム分)の画像データがパネル対応RAM10に格納されて表示パネル12に表示されるまでは画像表示装置全体を作動させるが、その後は、信号処理部2、VRAM4、ガンマ処理部6、及び画像処理部の作動を停止させ、パネル対応RAM10、表示パネル12、及びドライバ部14のみを作動させ」ることは、上記イをふまえると、本願発明1における「前記ディスプレイデバイスを静止画像モードで動作させること」に相当する。 ここで、引用発明における、「静止画表示時」での「画像表示装置」の動作が、本願発明1における「静止画像モード」に相当し、引用発明における、「静止画表示時において、最初の一画面分(1フレーム分)の画像データがパネル対応RAM10に格納されて表示パネル12に表示される」ことは、上記オ及び引用発明では「パネル対応RAM10に格納された画像データは、ドライバ部14の駆動により表示パネル12に表示され」ることをふまえると、本願発明1における、「前記静止画像モードは、前記静止画像を提示するために、前記メモリデバイスから画像データの前記修正フレームを読み取ることを備える」ことと、「前記静止画像モードは、前記静止画像を提示するために、記憶部から画像データの前記修正フレームを読み取ることを備える」点で共通するといえる。 したがって、引用発明における、「静止画表示時において、最初の一画面分(1フレーム分)の画像データがパネル対応RAM10に格納されて表示パネル12に表示されるまでは画像表示装置全体を作動させるが、その後は、信号処理部2、VRAM4、ガンマ処理部6、及び画像処理部の作動を停止させ、パネル対応RAM10、表示パネル12、及びドライバ部14のみを作動させ」ることは、本願発明1における「前記ディスプレイデバイスを静止画像モードで動作させることであって、前記静止画像モードは、前記静止画像を提示するために、前記メモリデバイスから画像データの前記修正フレームを読み取ることを備える、動作させること」と、「前記ディスプレイデバイスを静止画像モードで動作させることであって、前記静止画像モードは、前記静止画像を提示するために、記憶部から画像データの前記修正フレームを読み取ることを備える、動作させること」である点で共通する。 キ そして、引用発明における、「入力された信号に基づきデジタルな画像データを出力する信号処理部2と、この画像データを格納する第1の記憶手段であるVRAM4と、画像データのガンマ特性を補正するガンマ処理部(γ処理部)6と、画像データのビット数を低減してデータを縮小する画像処理部と、縮小された画像データを格納する第2の記憶手段であるパネル対応RAM10と、画像データを表示する液晶パネルからなる表示パネル12と、この表示パネル12を駆動するドライバ部14とを備え、これら信号処理部2、VRAM4、ガンマ処理部6、画像処理部、パネル対応RAM10、表示パネル12及びドライバ部14の作動は、制御部16によって制御され」、「画像処理部が動画画像処理部18a、静止画画像処理部18b、及び切替部18cを備え」る「画像表示装置」において、これまでに述べてきた各動作を行う方法が、本願発明1における「方法」に相当する。 してみると、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。 (一致点) 「メモリデバイスにおいて画像データのフレームを記憶することと、 画像を表示するためにディスプレイデバイスを標準モードで動作させることであって、前記標準モードは、前記画像を提示するために、前記メモリデバイスから画像データの1つまたは複数のフレームを読み取ることを備える、動作させることと、 画像データの現在フレームが静止画像を備えると判断することと、 画像データの前記現在フレームが静止画像を備えると判断したことに応答して、画像データの前記現在フレームよりも少ないビット数をもつデータを有するように画像データの修正フレームを生成するために画像データの前記現在フレームを修正することと、 記憶部において画像データの前記修正フレームを記憶することと、 前記ディスプレイデバイスを静止画像モードで動作させることであって、前記静止画像モードは、前記静止画像を提示するために、記憶部から画像データの前記修正フレームを読み取ることを備える、動作させることと、 を備える、方法。」 (相違点) (相違点1)本願発明1では、「画像データの現在フレームを画像データの少なくとも1つの前のフレームと比較することと、前記比較に基づいて、画像データの前記現在フレームが静止画像を備えると判断することと、を備える」のに対し、 引用発明では、「制御部16が、信号処理部2に入力される信号に基づいて、動画データ又は静止画データのいずれであるかを判別」し、「信号処理部2に入力される信号に基づき静止画データであると判別」するものの、「制御部16」が具体的にどのようにして「判別」しているのか不明な点。 (相違点2)本願発明1では、「画像データの前記修正フレームを記憶」する先であって、「前記ディスプレイデバイスを静止画像モードで動作させる」際に「前記静止画像を提示するために」「画像データの前記修正フレームを読み取る」元が、「画像データのフレームを記憶する」「メモリデバイス」であるのに対し、 引用発明では、「制御部16が、信号処理部2に入力される信号に基づき静止画データであると判別した場合」、「最初の一画面分(1フレーム分)の画像データがパネル対応RAM10に格納されて表示パネル12に表示される」が、「パネル対応RAM10」は、「画像データを格納する」「VRAM4」とは異なる点。 (2)相違点についての判断 事案に鑑み、上記相違点2を先に検討する。 ア 引用発明における示唆について 引用発明には、「パネル対応RAM10とドライバ部14とを1チップIC化して、一体化すること」、「ガンマ処理部6及び画像処理部についても、同様に1チップIC化して一体にすること」、「ガンマ処理部6を設けずに」「ドライバ部14にガンマ補正を行う機能を持たせること」、「信号処理部2がVRAM4を備えた構成にすること」、という各種の設計変更の示唆はあるものの、「VRAM4」と「パネル対応RAM10」とを一体化することについての示唆はない。 また、引用発明における、「VRAM4及びパネル対応RAM10は、書き換え可能な他の半導体メモリにすることも可能である」という事項も、「VRAM4及びパネル対応RAM10」を一体の「半導体メモリにする」ことを示唆するものではない。 一方で、引用発明では、「画像処理部によりビット数を低減した後の画像データをパネル対応RAM10に記憶させるようにしているので、パネル対応RAM10のメモリ容量をVRAM4のメモリ容量よりも小さくすることができる」、「制御手段16は、静止画表示時において、最初の一画面分(1フレーム分)の画像データがパネル対応RAM10に格納されて表示パネル12に表示されるまでは画像表示装置全体を作動させるが、その後は、信号処理部2、VRAM4、ガンマ処理部6、及び画像処理部の作動を停止させ、パネル対応RAM10、表示パネル12、及びドライバ部14のみを作動させ」る、としているように、「VRAM4」と「パネル対応RAM10」とでは、性質や動作の面で異なるメモリデバイスを想定しているといえるから、引用発明において、積極的に「VRAM4」と「パネル対応RAM10」とを一体化しようとする動機づけを見出すことはできない。 イ 引用文献6、7に記載された技術的事項について 引用文献6、7に記載された技術的事項は、もともとが、引用発明でいうところの、「パネル対応RAM10とドライバ部14とを1チップIC化して、一体化」したものに関するものであり、「パネル対応RAM10とドライバ部14とを1チップIC化して、一体化」したものに、さらに「VRAM4」をも一体化することを示唆するものではないから、引用発明において「VRAM4」と「パネル対応RAM10」とを一体化することを動機づけるものではない。 また、引用文献6に記載された技術的事項では、「メモリセル51b、51cは、メモリセル51aと全く同じ構成を有し、51aと同じように動作」するものであり、引用文献7に記載された技術的事項では、「混載メモリ10は、メインディスプレイ用のメモリ領域とサブディスプレイ用のメモリ領域に区分され」るものであるが、一方で、引用発明は、「VRAM4に格納された画像データ」が、「画像処理部」で「画像データのビット数を低減してデータを縮小」され、「縮小された画像データを」「パネル対応RAM10」に「格納」するものであって、「VRAM4」と「パネル対応RAM10」は、同列ないしは並列で取り扱われるようなものではない。したがって、引用文献6に記載された技術的事項に、「表示メモリが複数の領域に分離され、各分離された領域」「ごとに、電源を分離し、電源の入り切りを独立に制御する」事項があり、引用文献7に記載された技術的事項に、「メモリ領域MR1、MR2、MR3を含み、それらメモリ領域毎に電力供給を制御するために、電源スイッチ回路50は、メモリ領域MR1、MR2、MR3のそれぞれに接続されたスイッチSW1、SW2、SW3を有し、電源スイッチ回路50は、混載メモリ10に対する電源電圧VDDの供給を、メモリ領域毎に別々に制御」する事項があったとしても、引用発明において、同列ないしは並列で取り扱われるようなものではない「VRAM4」と「パネル対応RAM10」とを、一体化しようとすることに動機づけを見出すことはできない。 ウ 引用文献2-5について 上記引用文献2-5も、上記相違点2に関連する技術事項を記載するものではない。 エ 相違点についての判断のまとめ よって、相違点2に係る本願発明1の構成は、引用文献1-7に基づいて当業者が容易に想到できた構成であるとはいえず、また、本願優先日前において周知技術であるともいえない。 (3)本願発明1についてのまとめ したがって、上記相違点1について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用文献1-7に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 2.本願発明2-9、15について 本願発明2-9、15は本願発明1を減縮した発明であり、本願発明2-9、15は、本願発明1の上記相違点2に係る構成と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用文献1-7に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 3.本願発明10について 本願発明10は、本願発明1に対応する物の発明であり、本願発明1の上記相違点2に係る構成に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用文献1-7に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 4.本願発明11-14について 本願発明11-14は本願発明10を減縮した発明であり、本願発明11-14は、本願発明10の、本願発明1の上記相違点2に係る構成に対応する構成、と同一の構成を備えるものであるから、本願発明10と同じ理由により、当業者であっても、引用文献1-7に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 第6 原査定について 以上のとおりであって、本願発明1-15は、当業者であっても、原査定において引用された引用文献1-7に基づいて容易に発明できたものとはいえない。したがって、原査定の理由を維持することはできない。 第7 むすび 以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2018-12-17 |
出願番号 | 特願2014-547250(P2014-547250) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(G09G)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 橋本 直明 |
特許庁審判長 |
小林 紀史 |
特許庁審判官 |
中塚 直樹 中村 説志 |
発明の名称 | 静止画像電力管理 |
代理人 | 岡田 貴志 |
代理人 | 福原 淑弘 |
代理人 | 井関 守三 |
代理人 | 蔵田 昌俊 |
代理人 | 中丸 慶洋 |